(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025015277
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】発明支援システム及び発明支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250123BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20250123BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06F3/0484
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023118590
(22)【出願日】2023-07-20
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100214248
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 純
(74)【代理人】
【識別番号】100214260
【弁理士】
【氏名又は名称】相羽 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】能見 基彦
(72)【発明者】
【氏名】神子島 隆仁
(72)【発明者】
【氏名】竹村 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 翼
【テーマコード(参考)】
5E555
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5E555AA44
5E555AA78
5E555AA79
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555BD01
5E555CA02
5E555CA12
5E555CA18
5E555CB02
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB37
5E555CB42
5E555CC05
5E555CC19
5E555DA23
5E555DA24
5E555DB25
5E555DB39
5E555DB41
5E555DC18
5E555DC53
5E555DD01
5E555EA27
5E555FA00
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】多大な人的資力を要することなく、優れた発明を効率よく得ることが可能な発明支援システムを提供する。
【解決手段】発明支援システム100は、対話形式で回答する人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するユーザインターフェースを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対話形式で回答する人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するユーザインターフェースを備える発明支援システム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェースは、人工知能サービス提供サイトの役割を明確化する旨のテキスト文書を送信する請求項1に記載の発明支援システム。
【請求項3】
前記ユーザインターフェースは、軌道修正を指示するテキスト文書を送信する請求項1に記載の発明支援システム。
【請求項4】
前記問題解決理論がTRIZ(テオリア・レゾリューシィ・インベンションズ又はTheory of Inventive Problem Solving)である請求項1に記載の発明支援システム。
【請求項5】
前記ユーザインターフェースは、TRIZの発明原理のうち、どの発明原理を適用したかを回答するよう指示するテキスト文書を送信する請求項4に記載の発明支援システム。
【請求項6】
人工知能サービス提供サイトを補足する人工知能システムをオンプレミスに設けることを特徴とする請求項1に記載の発明支援システム。
【請求項7】
それぞれ異なるアルゴリズムに基づいて会話形式で応答する複数の人工知能サービス提供サイトのうち、2以上の人工知能サービス提供サイトを選択して、いずれかの人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するユーザインターフェースを備える発明支援システム。
【請求項8】
前記ユーザインターフェースは、複数の人工知能サービス提供サイトの間で、対話を行うように促すテキスト文書を送信する請求項7に記載の発明支援システム。
【請求項9】
前記ユーザインターフェースは、人工知能サービス提供サイト間の対話を停止させるボタンを備える請求項7に記載の発明支援システム。
【請求項10】
前記ユーザインターフェースは、軌道修正を指示するテキスト文書を送信する請求項7に記載の発明支援システム。
【請求項11】
前記問題解決理論がTRIZ(テオリア・レゾリューシィ・インベンションズ又はTheory of Inventive Problem Solving)である請求項7に記載の発明支援システム。
【請求項12】
前記ユーザインターフェースは、TRIZの発明原理のうち、どの発明原理を適用したかを回答するよう指示するテキスト文書を送信する請求項11に記載の発明支援システム。
【請求項13】
人工知能サービス提供サイトを補足する人工知能システムをオンプレミスに設けることを特徴とする請求項7に記載の発明支援システム。
【請求項14】
対話形式で回答する人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するステップを実行する発明支援方法。
【請求項15】
それぞれ異なるアルゴリズムに基づいて会話形式で応答する複数の人工知能サービス提供サイトのうち、2以上の人工知能サービス提供サイトを選択して、いずれかの人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するステップを実行する発明支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発明支援システム及び発明支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、秀れた発明を効率良く創作するための支援を行う発明支援システムが提案されている。発明にあたっては「セレンディピティ( 思いがけない偶然を見逃さない能力) 」が求められるため、これを意図的に具現化しようと発明支援システムが、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2 0 0 4 - 1 3 9 2 8 3号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の従来技術においては、複数の会員の存在を前提としたシステムであり、人的資力が不可欠であり、結局は発明するためのコストが高くつく、といった課題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、多大な人的資力を要することなく、優れた発明を効率よく得るための発明支援システム及び発明支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る発明支援システムは、
対話形式で回答する人工知能サービス提供サイトに対して、問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を送信するユーザインターフェースを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様に係る発明支援システムによれば、多大な人的資力を要することなく、優れた発明を効率よく得ることが可能となる。
【0008】
上記以外の課題、構成及び効果は、後述する発明を実施するための形態にて明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る発明支援システム100の使用態様の一例を示す図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。
【
図4】コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明を実施するための実施形態について説明する。以下では、本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る発明支援システム100の使用態様の一例を示す図である。発明支援システム100には、現在広く普及している汎用のコンピュータ900(後述)を用いることができる。本発明に係る発明支援システム100は、このようなコンピュータ900にアプリケーションプログラムとしてインストールされることで構成し得る。発明支援システム100は、インターネットなどの通信手段により、例えば、人工知能サービス提供サイトA200、人工知能サービス提供サイトB300、人工知能サービス提供サイトC400とデータ通信可能に接続されていることが想定されている。
【0012】
人工知能サービス提供サイトは、ユーザである発明支援システム100側の問い合わせに対して、人工知能を活用することで、当該問い合わせに対する回答を発明支援システム100側に返答するものであり、本実施形態では例として、インターネット上にA、B、Cの3つの人工知能サービス提供サイトが開設されている場合に基づいて説明する。いずれの人工知能サービス提供サイトも、ユーザからの問い合わせに対して対話形式で回答するものが想定されている。
【0013】
A、B、Cそれぞれの人工知能サービス提供サイトは、学習対象としたデータ、学習プログラム等が異なっているために、それぞれ異なるアルゴリズムに基づいてユーザに対して会話形式で応答するようになっている。本発明に係る発明支援システム100は、これらの人工知能サービス提供サイトA200、人工知能サービス提供サイトB300、人工知能サービス提供サイトC400と協働することで、発明や発明に関するヒントをユーザに提供することが想定されている。
【0014】
次に、本発明に係る発明支援システム100をユーザが利用する形態について説明する。
図2は本発明の第1実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。このようなユーザインターフェース画面の例は、コンピュータ900における表示デバイス918に提供されることで、ユーザに提供される。また、ユーザインターフェース画面中において、テキストを入力したり、ボタンを押下したり、カーソルを移動したりすることは、例えば、キーボード、マウスなどの入力デバイス916によって実現し得る。本発明に係る発明支援システム100は上記のようなユーザインターフェース画面をプログラムなどにより実現することができる機能を有している。
【0015】
図2の発明支援システム100のユーザインターフェース画面では、例えば、人工知能サービス提供サイトA200との通信が確立しており、人工知能サービス提供サイトA200がユーザと対話形式で回答している状況を示している。図中、「ユーザ」が付されたボックス中のテキストは、ユーザから人工知能サービス提供サイトA200に対して行った問い合わせであり、「サイトA」が付されたボックス中のテキストは、人工知能サービス提供サイトA200から送信された回答を示している。
【0016】
本発明に係る発明支援システム100は、
図2中(1)の「今から、あなたは航空工学の専門家です。TRIZを適用し、問題を解決して、発明をして下さい。」に示すように、TRIZなどの問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を、人工知能サービス提供サイトA200に対して送信するようになっている。ここで、TRIZは、テオリア・レゾリューシィ・インベンションズ(ロシア語)
又はTheory of Inventive Problem Solvingの略語であり、問題を解決するための発明原則を定めた方法論である。本明細書では、TRIZは、種々存在する問題解決理論のうちの1種であるものとしている。
【0017】
TRIZには、問題に対する解決策を提供する40の発明原理がある。このような発明原理に基づいて、人工知能サービス提供サイトA200に対して発明を行うようにテキストを指令することで、問題に対して適用できる原理を見つけ、新しい解決策を導き出せる可能性が高まる。
【0018】
TRIZの発明原理には、問題解決のために使用できるさまざまなサポートツールが設定されている。例えば、トレンド予測、強制的関係図、システム適応のための戦略、そして質量・空間・時間の分析などである。これらのツールを使用することで、より多くのアイデアを生み出すことが可能となる。
【0019】
例えば、TRIZには、アンチトレンド分析を使用する、というものがある。アンチトレンド分析は、問題の解決策を見つけるための別のTRIZ手法である。トレンドとは、技術の進歩に伴って現れる問題の傾向であり、アンチトレンドは、この傾向を逆転させるためのアイデアを見つけるための方法である。
【0020】
図2中(1)の「今から、あなたは航空工学の専門家です。TRIZを適用し、問題を解決して、発明をして下さい。」のテキスト中には、人工知能サービス提供サイトA200が航空工学の専門家であるように振る舞うことを命令している。このように、本発明に係る発明支援システム100は、人工知能サービス提供サイトの役割を明確化する旨のテキスト文書が含まれており、このようなテキスト文書によって、優れた発明を導き出す可能性を高めることができる。
【0021】
ユーザは、図中(2)の「飛行機の翼は迎角を大きくすることで、揚力を大きくすることができます。しかし、揚力を大きくし過ぎると、失速が発生し、揚力が急減します。この問題を解決し、通常よりも大きい迎角まで失速を抑える方法を発明して下さい。」のテキストに示すように、航空工学の専門家として振る舞う人工知能サービス提供サイトA200に対して、TRIZを前提とした発明の創作を命令することでできる。
【0022】
図3は本発明の第1実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の他の例である。
図3中(3)の「翼に追加の制御面を設けるには、コストがかかりますので、これとは異なった提案をして下さい。」のテキストに示すように、人工知能サービス提供サイトA200よる提案が不本意な方向に向かっているように場合には、発明支援システム100は、人工知能サービス提供サイトA200に対して、軌道修正を指示するテキスト文書を送信することができる。このような軌道修正を、人工知能サービス提供サイトA200にインプットすることで、ユーザが所望するような方向性に収斂させることが可能となる。
【0023】
TRIZには、問題に対する解決策を提供する40の発明原理があることは先に述べた。人工知能サービス提供サイトA200に対して発明を創作するよう命令する際、この40の発明原理のうち、どの発明原理を適用したかを回答させるように命令することも好ましい実施形態である。人工知能サービス提供サイトA200からの回答として発明創作の過程を取得する際、取得した発明創作過程のテキストを、先の発明原理と共に、チャートなどに可視化することもさらに好ましい実施形態である。このようなチャートを参照することで、人工知能サービス提供サイトA200による発明プロセスと同等な発想をユーザー(人間)にも促すことができるものと期待できる。
【0024】
本実施形態では「今から、あなたは航空工学の専門家です。TRIZを適用し、問題を解決して、発明をして下さい。」等のテキストによる指示に基づいて、人工知能サービス提供サイトA200から回答を得るように構成されているが、人工知能サービス提供サイトA200からの回答に加え、オンプレミスの人工知能システムからの回答を得るように構成することも好ましい。このような構成とするために、例えば、当該オンプレミスの人工知能システムに対して、「航空工学」に関する教科書、解説書、学術論文等の文字情報、関連する動画情報等を学習させるようにしたり、さらに「航空工学」と密接に関連する、機械工学、流体力学、生産工学、加工工学、地球大気や気象に関する学術情報等も合わせて学習させるようにしたりする。オンプレミスの人工知能システムから得る回答は、人工知能サービス提供サイトA200からの回答を補足するような位置付けとすることができる。
【0025】
以上のような発明支援システム及び発明支援方法によれば、多大な人的資力を要することなく、優れた発明を効率よく得ることが可能となる。
【0026】
(ハードウエア構成)
図4は、コンピュータ900の一例を示すハードウエア構成図である。ソフトウェア運用支援システム1の各装置2~6は、汎用又は専用のコンピュータ900により構成される。
【0027】
コンピュータ900は、
図4に示すように、その主要な構成要素として、バス910、プロセッサ912、メモリ914、入力デバイス916、出力デバイス917、表示デバイス918、ストレージ装置920、通信I/F(インターフェース)部922、外部機器I/F部924、I/O(入出力)デバイスI/F部926、及び、メディア入出力部928を備える。なお、上記の構成要素は、コンピュータ900が使用される用途に応じて適宜省略されてもよい。
【0028】
プロセッサ912は、1つ又は複数の演算処理装置(CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)、DSP(digital signal processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等)で構成され、コンピュータ900全体を統括する制御部として動作する。メモリ914は、各種のデータ及びプログラム930を記憶し、例えば、メインメモリとして機能する揮発性メモリ(DRAM、SRAM等)と、不揮発性メモリ(ROM)、フラッシュメモリ等とで構成される。
【0029】
入力デバイス916は、例えば、キーボード、マウス、テンキー、電子ペン等で構成され、入力部として機能する。出力デバイス917は、例えば、音(音声)出力装置、バイブレーション装置等で構成され、出力部として機能する。表示デバイス918は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、プロジェクタ等で構成され、出力部として機能する。入力デバイス916及び表示デバイス918は、タッチパネルディスプレイのように、一体的に構成されていてもよい。ストレージ装置920は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成され、記憶部として機能する。ストレージ装置920は、オペレーティングシステムやプログラム930の実行に必要な各種のデータを記憶する。
【0030】
通信I/F部922は、インターネットやイントラネット等のネットワーク940(
図1のネットワーク7と同じであってもよい)に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う通信部として機能する。外部機器I/F部924は、カメラ、プリンタ、スキャナ、リーダライタ等の外部機器950に有線又は無線により接続され、所定の通信規格に従って外部機器950との間でデー
タの送受信を行う通信部として機能する。I/OデバイスI/F部926は、各種のセンサ、アクチュエータ等のI/Oデバイス960に接続され、I/Oデバイス960との間で、例えば、センサによる検出信号やアクチュエータへの制御信号等の各種の信号やデータの送受信を行う通信部として機能する。メディア入出力部928は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、CD(Compact Disc)ドライブ等のドライブ装置、メモリカードスロット、USBコネクタで構成され、DVD、CD、メモリカード、USBメモリ等のメディア(非一時的な記憶媒体)970に対してデータの読み書きを行う。
【0031】
上記構成を有するコンピュータ900において、プロセッサ912は、ストレージ装置920に記憶されたプログラム930をメモリ914に呼び出して実行し、バス910を介してコンピュータ900の各部を制御する。なお、プログラム930は、ストレージ装置920に代えて、メモリ914に記憶されていてもよい。プログラム930は、インストール可能なファイル形式又は実行可能なファイル形式でメディア970に記録され、メディア入出力部928を介してコンピュータ900に提供されてもよい。プログラム930は、通信I/F部922を介してネットワーク940経由でダウンロードすることによりコンピュータ900に提供されてもよい。また、コンピュータ900は、プロセッサ912がプログラム930を実行することで実現する各種の機能を、例えば、FPGA、ASIC等のハードウエアで実現するものでもよい。
【0032】
コンピュータ900は、例えば、据置型コンピュータや携帯型コンピュータで構成され、任意の形態の電子機器である。コンピュータ900は、クライアント型コンピュータでもよいし、サーバ型コンピュータやクラウド型コンピュータでもよい。コンピュータ900は、各装置2~6以外の装置にも適用されてもよい。また、コンピュータ900が携帯型コンピュータである場合には、コンピュータ900は自機が所在する位置情報を取得する機能を有し、当該位置情報を種々のデータ処理に供する構成とされることが好ましい。
【0033】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。第1実施形態に係る発明支援システム100は、ユーザと人工知能サービス提供サイトとが、対話することで、発明を創作する構成となっていた。これに対して、第2実施形態に係る発明支援システム100は、人工知能サービス提供サイト同士に対話させることで、発明を創作する構成となっている。その他の構成は、先の実施と同様である。以下、発明支援システム100のユーザインターフェースを主として、第2実施形態に係る発明支援システム100について説明する。
【0034】
図5は本発明の第2実施形態に係る発明支援システム100のユーザインターフェース画面の一例である。
図5に示すように「対話をさせたい人工知能サービス提供サイトを選択して下さい。」の下、「人工知能サービス提供サイトA」、「人工知能サービス提供サイトB」、「人工知能サービス提供サイトC」の各ボタンが配されており、ユーザはカーソルによって任意のボタンを選択することで、複数の人工知能サービス提供サイトのうち、2以上の人工知能サービス提供サイトを選択することが可能となっている。
【0035】
例えば、ユーザが、人工知能サービス提供サイトA200、人工知能サービス提供サイトB300を選択すると、
図6に示すようなユーザインターフェース画面に進む。ユーザは、
図6中(4)の「これから人工知能サービス提供サイトBとの対話を通じて、発明をして下さい。このとき、TRIZを適用し、問題を解決して下さい。」のテキストに示すように、第2実施形態に係る発明支援システム100は、他の人工知能サービス提供サイト(本例では、サイトB)と対話をしつつ、TRIZなどの問題解決理論を適用し、問題を解決して、発明をするように要請する旨のテキスト文書を、人工知能サービス提供サイトA200に対して送信するようになっている。
【0036】
ユーザは、図中(2)の「飛行機の翼は迎角を大きくすることで、揚力を大きくすることができます。しかし、揚力を大きくし過ぎると、失速が発生し、揚力が急減します。この問題を解決し、通常よりも大きい迎角まで失速を抑える方法を発明して下さい。」のテキストに示すように、人工知能サービス提供サイトA200に対して、TRIZを前提とした発明の創作を命令することでできる。これを契機として、人工知能サービス提供サイトA200と人工知能サービス提供サイトB300とは対話を互いに対話を通じて、発明の創作していく。
【0037】
人工知能サービス提供サイト間で、対話が進んでいくと、ユーザが意図していないような方向性に議論が進んでいくことがあり得る。そこで、本発明に係る発明支援システム100は、
図6に示すユーザインターフェース画面においては、人工知能サービス提供サイト間の対話を強制的に停止させるためのボタンが設けられている。さらに、ユーザはこのようなボタンを押下することで、対話を停止させた上で、図中(6)の「風洞以外の観点で、失速を抑制する方法を検討して下さい。」のテキストに示すように、軌道修正を指示するテキスト文書を各人工知能サービス提供サイトに対して送信することが可能となる。
【0038】
第2実施形態に係る発明支援システムによれば、多大な人的資力を要することなく、優れた発明を効率よく得ることが可能となる。さらに、複数の人工知能サービス提供サイト間の対話を通じて、提案される発明の完成度が高まることが期待できる。
【0039】
これまで説明した実施形態におけるユーザインターフェースでは、ユーザがテキストボックスにテキストを入力し、該テキストに基づいて、人工知能サービス提供サイトに対する命令を発する態様が採用されていたが、本発明で採用し得るユーザインターフェースはこのような例に限られるものではない。例えば、ユーザが人工知能サービス提供サイトに対して命令する際には、プロンプトエンジニアリングなどの手法が採用されたユーザインターフェースを用いることもできる。
【0040】
なお、実施形態を組み合わせたり、各実施形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
100…発明支援システム
200…人工知能サービス提供サイトA、200…人工知能サービス提供サイトB、300…人工知能サービス提供サイトC
900…コンピュータ