(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025152895
(43)【公開日】2025-10-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、撮像装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20251002BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20251002BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20251002BHJP
【FI】
H04N23/60 100
G06Q50/10
G03B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024055070
(22)【出願日】2024-03-28
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千田 優大
(72)【発明者】
【氏名】本田 爽
(72)【発明者】
【氏名】森田 博紀
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
5L050
【Fターム(参考)】
2H102AA71
5C122EA55
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK34
5C122GC14
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】撮影に関連する環境を考慮した撮影機材の選択を支援できる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを得る。
【解決手段】情報処理装置10は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、環境情報に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを提示する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
情報処理装置。
【請求項2】
前記環境情報は、日時に関する日時情報を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記環境情報は、位置情報及び日時に関する日時情報を含み、
前記プロセッサは、
前記位置情報が表す位置かつ前記日時情報が表す日時における混雑状況に基づいて、前記アドバイスを提示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記位置情報と前記日時情報の組合せに基づいて、前記撮影環境及び前記移動環境のうちの少なくとも一方における人流情報を取得し、
前記人流情報に基づいて前記混雑状況を推定する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記撮影機材の仕様に関する仕様情報を取得し、
前記環境情報と前記仕様情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する機材を前記アドバイスとして提示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記撮影機材は、カメラと、前記カメラの付属品を含み、
前記仕様情報は、前記カメラ及び前記付属品の仕様を含み、
前記プロセッサは、
前記環境情報と前記仕様情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラ及び前記付属品の組合せを前記アドバイスとして提示する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記仕様情報に基づいて、前記アドバイスを提示する
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記仕様情報は、前記撮影機材の携帯性又は機動性に関する情報である
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記仕様情報は、前記撮影機材の大きさ、重量、容量、撮影可能時間、耐衝撃性、及び耐水性のうちの少なくとも1つを含む
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記仕様情報に基づいて、前記アドバイスを提示する
請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記撮影機材は、カメラと、前記カメラの付属品を含み、
前記仕様情報は、前記カメラ及び前記付属品の仕様を含み、
前記プロセッサは、
前記カメラ及び前記付属品の組合せに対し、前記付属品が前記カメラに装着された場合の全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報を前記仕様情報に基づいて算出し、
前記混雑状況と前記全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラ及び前記付属品の組合せを前記アドバイスとして提示する
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記撮影機材は、カメラボディと、前記カメラボディに装着可能なレンズを含み、
前記仕様情報は、前記レンズの特性情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記レンズの特性情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラボディ及び前記レンズの組合せを前記アドバイスとして提示する
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
ユーザ情報を取得し、
前記環境情報と前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに対する前記アドバイスを提示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記ユーザ情報は、ユーザのジェンダー、年齢、身長、体重、撮影経験、撮影目的、嗜好、及び所属先のうち少なくとも1つを含む
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記ユーザ情報は、ユーザが所有する前記撮影機材の情報を含み、
前記プロセッサは、
前記環境情報と前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが所有する前記撮影機材のうちの推奨する機材を前記アドバイスとして提示する
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、
ユーザによって過去に撮影された少なくとも1つの過去画像を取得し、
前記過去画像に基づいて、前記ユーザ情報を推定する
請求項14に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、
前記アドバイスとして、推奨する前記撮影機材の特徴を表す文章を提示する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
請求項1から請求項18の何れか1項に記載の情報処理装置を備えた撮像装置。
【請求項20】
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項21】
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、撮像装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、撮影機材の種類と購入費用を示す撮影機材負担度合いと、撮影設定の種類と手間を示す撮影設定負担度合いが記載された負担度合いテーブルを用いて、撮影状況と撮影者の経験から推奨する撮影機材と撮影設定を決定し、アドバイスコンテンツとして表示することが開示されている。
【0003】
特許文献2には、撮影履歴データに基づいて、ユーザが所望する画像を撮影するのに適した撮影機材を選択し、撮影履歴データとともに選択された撮影機材の情報を表示することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-092727号公報
【特許文献2】特開2013-172312号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の技術に係る1つの実施形態は、撮影に関連する環境を考慮した撮影機材の選択を支援できる情報処理装置、撮像装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、情報処理装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、環境情報に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを提示する。
【0007】
環境情報は、日時に関する日時情報を含むものであってもよい。
【0008】
環境情報は、混雑状況に関する情報を含むものであってもよい。
【0009】
環境情報は、位置情報及び日時に関する日時情報を含み、プロセッサは、位置情報が表す位置かつ日時情報が表す日時における混雑状況に基づいて、アドバイスを提示してもよい。
【0010】
プロセッサは、位置情報と日時情報の組合せに基づいて、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における人流情報を取得し、人流情報に基づいて混雑状況を推定してもよい。
【0011】
プロセッサは、撮影機材の仕様に関する仕様情報を取得し、環境情報と仕様情報に基づいて、撮影機材として推奨する機材をアドバイスとして提示してもよい。
【0012】
撮影機材は、カメラと、カメラの付属品を含み、仕様情報は、カメラ及び付属品の仕様を含み、プロセッサは、環境情報と仕様情報に基づいて、撮影機材として推奨するカメラ及び付属品の組合せをアドバイスとして提示してもよい。
【0013】
環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、プロセッサは、混雑状況と仕様情報に基づいて、アドバイスを提示してもよい。
【0014】
仕様情報は、撮影機材の携帯性又は機動性に関する情報であってもよい。
【0015】
仕様情報は、撮影機材の大きさ、重量、容量、撮影可能時間、耐衝撃性、及び耐水性のうちの少なくとも1つを含むものであってもよい。
【0016】
環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、プロセッサは、混雑状況と仕様情報に基づいて、アドバイスを提示してもよい。
【0017】
撮影機材は、カメラと、カメラの付属品を含み、仕様情報は、カメラ及び付属品の仕様を含み、プロセッサは、カメラ及び付属品の組合せに対し、付属品がカメラに装着された場合の全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報を仕様情報に基づいて算出し、混雑状況と全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて、撮影機材として推奨するカメラ及び付属品の組合せをアドバイスとして提示してもよい。
【0018】
撮影機材は、カメラボディと、カメラボディに装着可能なレンズを含み、仕様情報は、レンズの特性情報を含み、プロセッサは、混雑状況とレンズの特性情報に基づいて、撮影機材として推奨するカメラボディ及びレンズの組合せをアドバイスとして提示してもよい。
【0019】
プロセッサは、ユーザ情報を取得し、環境情報とユーザ情報に基づいて、ユーザに対するアドバイスを提示してもよい。
【0020】
ユーザ情報は、ユーザのジェンダー、年齢、身長、体重、撮影経験、撮影目的、嗜好、及び所属先のうち少なくとも1つを含むものであってもよい。
【0021】
ユーザ情報は、ユーザが所有する撮影機材の情報を含み、プロセッサは、環境情報とユーザ情報に基づいて、ユーザが所有する撮影機材のうちの推奨する機材をアドバイスとして提示してもよい。
【0022】
プロセッサは、ユーザによって過去に撮影された少なくとも1つの過去画像を取得し、過去画像に基づいて、ユーザ情報を推定してもよい。
【0023】
プロセッサは、アドバイスとして、推奨する撮影機材の特徴を表す文章を提示してもよい。
【0024】
本開示の第2の態様は、第1の態様に係る情報処理装置を備えた撮像装置である。
【0025】
本開示の第3の態様は、情報処理方法であって、撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、環境情報に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを提示する処理をコンピュータが実行するものである。
【0026】
本開示の第4の態様は、撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、環境情報に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを提示する処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図6】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】情報処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一又は等価な構成要素及び部分には同一の参照符号を付与し、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10を適用した情報処理システム1の構成の一例について説明する。情報処理システム1は、ユーザUが携帯するのに好適な撮影機材をレコメンドするためのシステムである。
【0030】
撮影機材は、カメラと、当該カメラの付属品を含む。付属品とは、例えば、フラッシュ、マイク、バッテリー、記憶媒体、レンズ周辺アクセサリ、ファインダ周辺アクセサリ、グリップ、ケース、三脚、スタビライザ、及びカメラバッグ等である。カメラがレンズ一体型ではない場合は、上記付属品に加えて、カメラボディと、当該カメラボディに装着可能なレンズも撮影機材に含まれる。
【0031】
情報処理システム1は、情報処理装置10、ユーザ端末90、WEB(World Wide Web)サーバ92、及びDB(DataBase)サーバ94を含む。情報処理装置10、ユーザ端末90、WEBサーバ92、及びDBサーバ94は、有線又は無線のネットワーク9により互いに通信可能な状態で接続されている。ネットワーク9は、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)及びWAN(Wide Area Network)等である。
【0032】
ユーザ端末90は、ユーザUが所有する端末装置であり、環境情報60、ユーザUのユーザ情報80、及びユーザUによって過去に撮影された過去画像84等の各種情報を保持する。ユーザ端末90は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、及びパーソナルコンピュータ等である。
【0033】
WEBサーバ92は、環境情報60等の各種情報を、WEBサイト等の形式で提供するサーバコンピュータである。WEBサーバ92は、クライアントである情報処理装置10からの要求に応じて、環境情報60等の各種情報を情報処理装置10に送信する。
【0034】
DBサーバ94は、仕様情報70及び履歴情報72等の各種情報が蓄積されたデータベースを有するサーバコンピュータである。DBサーバ94は、例えば情報処理装置10から情報の提供を要求された場合に、要求された情報をデータベースから探索し、情報処理装置10に送信する。
【0035】
情報処理装置10は、ユーザ端末90、WEBサーバ92、及びDBサーバ94等から提供される各種情報に基づき、ユーザUが携帯するのに好適な撮影機材をレコメンドする。
【0036】
なお、情報処理システム1に含まれる各装置の台数は特に限定されず、各装置は、それぞれ同様の機能を有する複数台の装置で構成されていてもよい。例えば、ユーザUが所有するユーザ端末90として、スマートフォン及びウェアラブル端末の2台を適用し、そのそれぞれが異なる情報を保持するようにしてもよい。また例えば、WEBサーバ92として、混雑情報64を提供するものと、天候情報66を提供するものとの2台を適用してもよい。
【0037】
また、情報処理システム1に含まれる各装置が提供する情報は、
図1の例に限らない。例えば、WEBサーバ92が仕様情報70を提供するようにしてもよい。また例えば、ユーザ端末90が、ユーザUが所有する撮影機材に関する仕様情報70のみを保持していてもよい。
【0038】
ここで、情報処理装置10が撮影機材のレコメンドのために用いることができる各種情報について説明する。
【0039】
環境情報60は、ユーザUによって撮影機材が持ち込まれる撮影環境、及びその撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する情報である。「撮影環境」とは、例えば、ユーザUによって撮影機材が持ち込まれ、撮影機材が使用される環境をいう。「移動環境」とは、例えば、ユーザUが撮影環境に到達するまでの移動手段及び経路に基づいて特定される環境をいう。
【0040】
例えば、環境情報60は、位置情報61を含んでいてもよい。位置情報61は、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方の位置を示す。位置情報61は、例えば、住所、施設名、地名、国名、及び経緯度等の座標等によって表されてもよい。
【0041】
また例えば、環境情報60は、日時に関する日時情報62を含んでいてもよい。日時情報62は、ユーザUによって撮影機材が撮影環境及び/又は移動環境に持ち込まれる日時を示す。日時情報62は、例えば、具体的な日時によって表されてもよいし、季節、ハイシーズン、特定の曜日、及び時間帯等の時間的なカテゴリによって表されてもよい。
【0042】
また例えば、環境情報60は、移動手段情報63を含んでいてもよい。移動手段情報63は、移動環境における移動手段、経路、及び移動時間を示す。移動手段情報63は、例えば、電車、バス、飛行機、船、及びタクシー等の公共交通機関、並びに、自動車、バイク、自転車、及び徒歩等であってもよい。また、移動手段情報63は、複数の移動手段の組合せによって表されてもよい。
【0043】
上記の位置情報61、日時情報62、及び移動手段情報63は、ユーザUの行動に応じた情報といえる。これらの情報は、例えば、ユーザUがユーザ端末90を用いて手動入力してもよい。また例えば、ユーザ端末90が、自装置の位置をGPS(Global Positioning System)等によって特定することによって、これらの情報を推定してもよい。また例えば、ユーザ端末90が、自装置内の地図アプリケーション及び乗換案内アプリケーション等の使用履歴等に応じて、これらの情報を推定してもよい。
【0044】
また例えば、環境情報60は、混雑状況に関する情報を含んでいてもよい。混雑状況に関する情報は、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における混雑状況を示す情報、又は、当該混雑状況を推定可能な情報である。
【0045】
例えば、混雑状況に関する情報は、混雑度合いを示す混雑情報64であってもよい。混雑情報64は、例えば、基準となる人口密度に対する実際の人口密度の比のように定量的に表されてもよいし、「混雑」、「普通」、又は「閑散」のように定性的に表されてもよい。
【0046】
また例えば、混雑状況に関する情報は、人流情報65であってもよい。人流情報65は、人がいつ、どのように移動したか又は留まったかを示すデータである。人流情報65は、例えば、特定の日時及び位置における人数、人口密度、移動速度、及び滞留時間のうち少なくとも1つによって表される。
図2に、人流情報65の一例を示す。
図2では、日時及び位置(緯度及び経度)ごとに、予め定められた範囲内に存在する人数、及び移動速度の平均を示す。
【0047】
また例えば、混雑状況に関する情報は、道路状況及び周辺施設情報といった、混雑状況に影響を与え得る情報であってもよい。道路状況は、例えば、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における渋滞状況、工事状況、及び車線規制状況等によって表される。周辺施設情報は、例えば、休業日、営業時間、催事、及び駐車場状況等によって表される。
【0048】
また例えば、環境情報60は、天候情報66を含んでいてもよい。天候情報66は、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における天候を示す。天候情報66は、例えば、晴雨、雲量、気温、湿度、風量、及び警報等によって表される。
【0049】
上記の混雑状況に関する情報(混雑情報64及び人流情報65を含む)、及び天候情報66は、一般的な統計データであるといえる。これらの情報は、例えば、統計を行っている機関が公開しているWEBサイトから収集できる。
【0050】
仕様情報70は、撮影機材の仕様に関する情報である。具体的には、仕様情報70は、カメラ及び当該カメラの付属品の仕様を含む。
図3に、カメラボディの仕様情報70Aの一例を示す。
図4に、カメラボディに装着可能なレンズの仕様情報70Bの一例を示す。なお、
図3及び
図4における機材名「X-100V」は、レンズ一体型のカメラである。
【0051】
例えば、仕様情報70は、撮影機材の携帯性又は機動性に関する情報であってもよい。携帯性又は機動性に関する情報は、例えば、撮影機材の大きさ、重量、容量、撮影可能時間、耐衝撃性、及び耐水性のうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
また例えば、仕様情報70は、レンズの特性情報を含んでいてもよい。レンズの特性情報は、例えば、焦点距離、画角、最大口径比、最小絞り値、及び最大径等である。
【0053】
履歴情報72は、過去に情報処理装置10がレコメンドした撮影機材のうち、ユーザ(ユーザUに限らない)が実際に採用した撮影機材の履歴を示す。
図5に、履歴情報72の一例を示す。履歴情報は、撮影機材と、当該撮影機材に関する環境情報60(
図5では位置情報61と日時情報62)を少なくとも含む。また、履歴情報は、レコメンドに用いられた各種情報、及び実際に撮影された被写体に関する情報等を含んでいてもよい。
【0054】
ユーザ情報80は、ユーザUの情報である。例えば、ユーザ情報80は、ユーザUの属性情報81を含んでいてもよい。属性情報81は、例えば、ユーザUのジェンダー、年齢、身長、体重、撮影経験、撮影目的(被写体)、嗜好、及び所属先のうち少なくとも1つを含む。撮影経験とは、例えば、カメラの扱い方に慣れているか否かであり、初心者、中級者及び上級者等である。嗜好とは、例えば、カメラの性能と携帯性のバランス、並びに、広角、マクロ及び望遠等の撮り方の好み等である。
【0055】
また例えば、ユーザ情報80は、ユーザUが所有する撮影機材の情報である所持機材情報82を含んでいてもよい。これらのユーザ情報80は、例えば、ユーザUがユーザ端末90を用いて手動入力してもよい。
【0056】
情報処理装置10は、上記の各種情報に基づき、ユーザUが携帯するのに好適な撮影機材をレコメンドする。以下、情報処理装置10について説明する。
【0057】
まず、
図6を参照して、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を説明する。情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)21、不揮発性の記憶部22、及び一時記憶領域としてのメモリ23を含む。また、情報処理装置10は、ディスプレイ24、入力部25、及びネットワークI/F(Interface)26を含む。CPU21、記憶部22、メモリ23、ディスプレイ24、入力部25及びネットワークI/F26は、システムバス及びコントロールバス等のバス28を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0058】
記憶部22は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)及びフラッシュメモリ等の記憶媒体によって実現される。記憶部22には、情報処理装置10における情報処理プログラム27が記憶される。CPU21は、記憶部22から情報処理プログラム27を読み出してからメモリ23に展開し、展開した情報処理プログラム27を実行する。CPU21が本開示のプロセッサの一例である。
【0059】
ディスプレイ24は、例えば液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。入力部25は、マウス等のポインティングデバイス、及びキーボード等を含み、自装置に対して各種の入力を行うために使用される。なお、ディスプレイ24をタッチパネルによって構成し、入力部25と兼用してもよい。
【0060】
ネットワークI/F26は、ネットワーク9を介して、外部装置と通信するためのインタフェースである。当該通信には、例えば、イーサネット(登録商標)若しくはFDDI(Fiber Distributed Data Interface)等の有線通信の規格、又は、4G、5G、若しくはWi-Fi(登録商標)等の無線通信の規格が用いられる。情報処理装置10としては、例えば、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末及びウェアラブル端末等を適宜適用できる。
【0061】
次に、
図7を参照して、情報処理装置10の機能的な構成の一例について説明する。情報処理装置10は、取得部30、決定部32、及び制御部34を含む。CPU21が情報処理プログラム27を実行することにより、CPU21が取得部30、決定部32、及び制御部34の各機能部として機能する。
【0062】
取得部30は、ユーザUによって撮影機材が持ち込まれる撮影環境、及びその撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報60を取得する。例えば、取得部30は、ユーザ端末90から位置情報61及び日時情報62を取得してもよい。そして、取得部30は、取得した位置情報61と日時情報62の組合せに基づいて、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における混雑情報64、人流情報65、及び天候情報66うちの少なくとも1つを、WEBサーバ92から取得してもよい。
【0063】
同様に、取得部30は、ユーザ端末90から移動手段情報63を取得し、取得した移動手段情報63が示す移動手段における、混雑情報64、人流情報65、及び天候情報66うちの少なくとも1つを、WEBサーバ92から取得してもよい。
【0064】
なお、人流情報65は、そのままでは撮影環境及び/又は移動環境が混雑しているか否かが分かりにくい。そこで、取得部30は、人流情報65に基づいて、撮影環境及び移動環境のうちの少なくとも一方における混雑状況を推定してもよい。例えば、人流情報65に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における人口密度を算出し、当該人口密度から、混雑状況を推定してもよい。
【0065】
また、混雑情報64及び人流情報65は、統計データなので、撮影環境及び/又は移動環境に適したデータとはならない可能性がある。そこで、取得部30は、機械学習モデルを用いて、過去の混雑情報64及び人流情報65の少なくとも一方から、撮影環境及び/又は移動環境の(すなわち現在又は未来の)混雑情報64及び人流情報65の少なくとも一方を推定してもよい。このような機械学習モデルとしては、例えば、SARIMA(Seasonal AutoRegressive Integrated Moving Average)、LSTM(Long Short-Term Memory)、Transformer、及びCNN(Convolutional Neural Network)等を適宜適用できる。機械学習モデルは、例えば、情報処理装置10が有していてもよいし、外部装置が有しているものを利用するようにしてもよい。
【0066】
決定部32は、環境情報60に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを決定する。以下、実施例を挙げて、アドバイスの決定方法について説明する。
【0067】
(実施例1)
決定部32は、位置情報61が表す位置かつ日時情報62が表す日時における混雑状況に基づいて、アドバイスを決定してもよい。具体的には、決定部32は、位置情報61及び日時情報62に対応する混雑情報64及び人流情報65の少なくとも一方に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における混雑状況を推定し、当該混雑状況に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、撮影環境が花火大会等の混雑が想定される催事場である場合は、携帯性及び機動性を有する撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。
【0068】
また例えば、撮影環境が花火大会等の混雑が想定される催事場である場合は、他人が写り込みやすい画角の広い撮影機材を避けることを推奨するようなアドバイスを決定してもよい。本実施例によれば、混雑状況を考慮することで、単に高品質な写真を撮るのに適した機材を提案するだけでなく、実際に撮影するという行動のしやすさを考慮したアドバイスが可能となる。
【0069】
(実施例2)
決定部32は、位置情報61に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における地形を推定し、当該地形に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、位置情報61が示す位置が海及び山等であれば、撮影機材の損傷の危険が伴う。そこで、携帯性及び機動性に加えて、低廉な撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。または、耐衝撃性及び耐水性が高い堅牢な撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。
【0070】
また例えば、位置情報61が示す位置が山のように高低差のある地形等であれば、軽量な撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。本実施例によれば、地形を考慮することで、単に高品質な写真を撮るのに適した機材を提案するだけでなく、実際に撮影するという行動のしやすさを考慮したアドバイスが可能となる。
【0071】
(実施例3)
決定部32は、位置情報61に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における治安を推定し、当該治安に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、撮影環境として指定された場所の治安が良くない場合は、高価な撮影機材を持ち込まないことを推奨するようなアドバイスを決定してもよい。なお、位置情報61と治安との対応関係は、例えば、予め記憶部22等に記憶しておいてもよいし、外部装置から取得してもよい。本実施例によれば、治安を考慮することで、リスクを回避したアドバイスが可能となる。
【0072】
(実施例4)
決定部32は、移動手段情報63に基づいて、移動環境におけるユーザUにかかる負担度を推定し、当該負担度に応じた撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、移動手段情報63が示す移動手段が徒歩であれば、軽量な撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。一方、移動手段情報63が示す移動手段が車であれば、携帯性及び機動性よりも性能を優先した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。
【0073】
また例えば、移動手段情報63が示す移動時間が長いほど、軽量な撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。本実施例によれば、移動環境におけるユーザUにかかる負担度を考慮することで、単に高品質な写真を撮るのに適した機材を提案するだけでなく、実際に撮影するという行動のしやすさを考慮したアドバイスが可能となる。
【0074】
(実施例5)
決定部32は、日時情報62に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における明るさを推定し、当該明るさに適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、日時情報62が示す時間帯が夜であれば、F値が小さく明るめのレンズを推奨したり、感度が高い(すなわちセンササイズが大きい)センサを推奨したり、フラッシュを携帯するように推奨したりしてもよい。本実施例によれば、日時に応じて環境が変化する場合でも、高品質な写真を撮れるような適切なアドバイスが可能となる。
【0075】
(実施例6)
決定部32は、天候情報66に基づいて、撮影環境及び/又は移動環境における天候に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、天候情報66が示す天候が雨天であれば、耐水性のある撮影機材を推奨してもよい。本実施例によれば、天候に応じて環境が変化する場合でも、高品質な写真を撮れるような適切なアドバイスが可能となる。
【0076】
(実施例7)
決定部32は、履歴情報72を利用することによって、環境情報60と同一又は類似する環境において採用された数の多い撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。この場合、決定部32は、環境情報60と同一又は類似する環境において採用された数の多い撮影機材を探索するように、DBサーバ94に対して要求する。本実施例によれば、環境情報60に適した撮影機材として、人気のある撮影機材をレコメンドできる。
【0077】
また、取得部30は、仕様情報70を取得してもよい。例えば、取得部30は、DBサーバ94から、市販されている撮影機材の全てについての仕様情報70を取得してもよい。
【0078】
決定部32は、環境情報60と仕様情報70に基づいて、撮影機材として推奨する機材をアドバイスとして決定してもよい。すなわち、推奨する撮影機材を、具体的な機材名まで特定してもよい。
【0079】
また、決定部32は、仕様情報70を用いることによって、上記実施例1~7と同様の検討を、具体的に行ってもよい。例えば、決定部32は、上記実施例1と同様に、混雑状況と仕様情報70に基づいて、アドバイスを決定してもよい。この場合、決定部32は、撮影機材の重量及び大きさ等の仕様情報70を用いて、携帯性及び機動性を定量的に評価してもよい。
【0080】
また、決定部32は、環境情報60と仕様情報70に基づいて、撮影機材として推奨するカメラ及び付属品の組合せをアドバイスとして決定してもよい。すなわち、推奨する撮影機材の組合せを、具体的な機材名まで特定してもよい。
【0081】
具体的には、決定部32は、カメラ及び付属品の組合せに対し、付属品がカメラに装着された場合の全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報を、仕様情報70に基づいて算出してもよい。例えば、決定部32は、三脚が装着された状態のカメラボディの大きさを算出してもよい。また例えば、フラッシュ等の付属品を含めて撮影機材を全てカメラバッグに収容した場合の重量を算出してもよい。
【0082】
これを上記実施例1に適用すると、例えば、決定部32は、混雑状況と、全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて、撮影機材として推奨するカメラ及び付属品の組合せをアドバイスとして決定できる。
【0083】
また例えば、決定部32は、混雑状況とレンズの特性情報に基づいて、撮影機材として推奨するカメラボディ及びレンズの組合せをアドバイスとして決定できる。例えば、他人が写り込みづらい画角の撮影機材を推奨できる。したがって、混雑状況も考慮した環境に適した撮影機材を具体的に提示することができる。
【0084】
また、取得部30は、ユーザ端末90から、ユーザ情報80(属性情報81及び所持機材情報82の少なくとも一方)を取得してもよい。また、取得部30は、ユーザ端末90から、ユーザUによって過去に撮影された少なくとも1つの過去画像84を取得し、過去画像84に基づいて、ユーザ情報80を推定してもよい。例えば、取得部30は、過去画像84の付帯情報から、ユーザUが所有している撮影機材の情報(所持機材情報82)を推定してもよい。
【0085】
また例えば、取得部30は、過去画像84を画像解析することによって、被写体であるユーザUのジェンダー、年齢、体型、及びチームメンバーの数等を推定してもよい。また例えば、取得部30は、過去画像84を画像解析することによって、性能をどれだけ重視しているかというユーザUの嗜好を推定してもよい。また例えば、取得部30は、過去画像84の撮影枚数等に応じて、ユーザUの撮影経験を推定してもよい。
【0086】
決定部32は、環境情報60とユーザ情報80(属性情報81及び所持機材情報82の少なくとも一方)に基づいて、ユーザUに対するアドバイスを決定してもよい。具体的には、決定部32は、環境情報60とユーザ情報80(所持機材情報82)に基づいて、ユーザUが所有する撮影機材のうちの推奨する機材をアドバイスとして決定してもよい。すなわち、決定部32は、ユーザUが所有している機材のなかから、撮影に関連する環境を考慮した撮影機材を推奨してもよい。
【0087】
また、決定部32は、ユーザ情報80を用いることによって、上記実施例1~7と同様の検討を、ユーザUに適した内容に応じて行ってもよい。例えば、決定部32は、上記実施例1と同様に、混雑状況とユーザ情報80に基づいて、アドバイスを決定してもよい。この場合、決定部32は、ユーザUが所有している機材のなかから、混雑状況に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。また、決定部32は、混雑状況に適した撮影機材であり、かつユーザUの属性に適した撮影機材を推奨するようなアドバイスを決定してもよい。例えば、混雑状況に適した撮影機材として携帯性及び機動性を有する撮影機材を推奨する場合に、ユーザUの体格が小さいほど、携帯性及び機動性がより高い撮影機材を推奨してもよい。
【0088】
制御部34は、決定部32により決定されたアドバイスを提示する。例えば、制御部34は、ユーザ端末90にユーザUに対するアドバイスを送信することによって、ユーザUにアドバイスを提示してもよい。
【0089】
図8に、制御部34によってユーザ端末90に送信されるアドバイスの一例を示す。
図8に示すように、制御部34は、推奨する撮影機材の特徴を表す文章をアドバイス40として提示してもよい。
【0090】
また、
図9に、制御部34によってユーザ端末90に送信されるアドバイス42の別の一例を示す。
図9に示すように、制御部34は、市販されている撮影機材、又はユーザUが所持している撮影機材のなかから、推奨する撮影機材をピックアップし、機材名を含むアドバイス42として提示してもよい。なお、推奨する撮影機材は、
図9に示すように複数種類の撮影機材の組合せ(カメラボディとレンズの組合せ)として提示してもよいし、種類ごとに提示してもよい。
【0091】
次に、
図10を参照して、情報処理装置10の作用を説明する。情報処理装置10において、CPU21が情報処理プログラム27を実行することによって、
図10に示す情報処理が実行される。本処理は、例えば、ユーザUにより入力部25を介して実行開始の指示があった場合に実行される。
【0092】
ステップS10で、取得部30は、環境情報60を取得する。ステップS12で、決定部32は、ステップS10で取得された環境情報60に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを決定する。ステップS14で、制御部34は、ステップS12で決定されたアドバイスを提示し、本処理を終了する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理装置10は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、環境情報に基づいて、撮影機材に関するアドバイスを提示する。したがって、撮影に関連する環境を考慮した撮影機材の選択を支援できる。
【0094】
なお、上記実施形態において、情報処理装置10を、撮像装置が備えていてもよい。撮像装置は、例えば、デジタルカメラ等のカメラである。この場合、ユーザUは、カメラを扱うことによって、自装置を含む撮影機材に関するアドバイスを確認できるので、利便性を向上できる。
【0095】
なお、上記実施形態において、例えば、情報処理装置10の各機能部のように各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0096】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0097】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System on Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0098】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0099】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム27が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。さらに、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0100】
本開示の技術は、上記実施形態例及び変形例を適宜組み合わせることも可能である。以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。
【0101】
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
[付記1]
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
情報処理装置。
[付記2]
前記環境情報は、日時に関する日時情報を含む
付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含む
付記1又は付記2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記環境情報は、位置情報及び日時に関する日時情報を含み、
前記プロセッサは、
前記位置情報が表す位置かつ前記日時情報が表す日時における混雑状況に基づいて、前記アドバイスを提示する
付記1から付記3の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記5]
前記プロセッサは、
前記位置情報と前記日時情報の組合せに基づいて、前記撮影環境及び前記移動環境のうちの少なくとも一方における人流情報を取得し、
前記人流情報に基づいて前記混雑状況を推定する
付記4に記載の情報処理装置。
[付記6]
前記プロセッサは、
前記撮影機材の仕様に関する仕様情報を取得し、
前記環境情報と前記仕様情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する機材を前記アドバイスとして提示する
付記1から付記5の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記7]
前記撮影機材は、カメラと、前記カメラの付属品を含み、
前記仕様情報は、前記カメラ及び前記付属品の仕様を含み、
前記プロセッサは、
前記環境情報と前記仕様情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラ及び前記付属品の組合せを前記アドバイスとして提示する
付記6に記載の情報処理装置。
[付記8]
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記仕様情報に基づいて、前記アドバイスを提示する
付記6又は付記7に記載の情報処理装置。
[付記9]
前記仕様情報は、前記撮影機材の携帯性又は機動性に関する情報である
付記6から付記8の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記10]
前記仕様情報は、前記撮影機材の大きさ、重量、容量、撮影可能時間、耐衝撃性、及び耐水性のうちの少なくとも1つを含む
付記9に記載の情報処理装置。
[付記11]
前記環境情報は、混雑状況に関する情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記仕様情報に基づいて、前記アドバイスを提示する
付記9又は付記10に記載の情報処理装置。
[付記12]
前記撮影機材は、カメラと、前記カメラの付属品を含み、
前記仕様情報は、前記カメラ及び前記付属品の仕様を含み、
前記プロセッサは、
前記カメラ及び前記付属品の組合せに対し、前記付属品が前記カメラに装着された場合の全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報を前記仕様情報に基づいて算出し、
前記混雑状況と前記全体の大きさ、重量、及び容量のうち少なくとも1つに関する情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラ及び前記付属品の組合せを前記アドバイスとして提示する
付記11に記載の情報処理装置。
[付記13]
前記撮影機材は、カメラボディと、前記カメラボディに装着可能なレンズを含み、
前記仕様情報は、前記レンズの特性情報を含み、
前記プロセッサは、
前記混雑状況と前記レンズの特性情報に基づいて、前記撮影機材として推奨する前記カメラボディ及び前記レンズの組合せを前記アドバイスとして提示する
付記8から付記12の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記14]
前記プロセッサは、
ユーザ情報を取得し、
前記環境情報と前記ユーザ情報に基づいて、ユーザに対する前記アドバイスを提示する
付記1から付記13の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記15]
前記ユーザ情報は、ユーザのジェンダー、年齢、身長、体重、撮影経験、撮影目的、嗜好、及び所属先のうち少なくとも1つを含む
付記14に記載の情報処理装置。
[付記16]
前記ユーザ情報は、ユーザが所有する前記撮影機材の情報を含み、
前記プロセッサは、
前記環境情報と前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーザが所有する前記撮影機材のうちの推奨する機材を前記アドバイスとして提示する
付記14又は付記15に記載の情報処理装置。
[付記17]
前記プロセッサは、
ユーザによって過去に撮影された少なくとも1つの過去画像を取得し、
前記過去画像に基づいて、前記ユーザ情報を推定する
付記14から付記16の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記18]
前記プロセッサは、
前記アドバイスとして、推奨する前記撮影機材の特徴を表す文章を提示する
付記1から付記17の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記19]
付記1から付記18の何れか1つに記載の情報処理装置を備えた撮像装置。
[付記20]
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
[付記21]
撮影機材が持ち込まれる撮影環境及び前記撮影環境までの移動環境のうちの少なくとも一方に関連する環境情報を取得し、
前記環境情報に基づいて、前記撮影機材に関するアドバイスを提示する
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
9 ネットワーク
10 情報処理装置
21 CPU
22 記憶部
23 メモリ
24 ディスプレイ
25 入力部
26 外部I/F
27 情報処理プログラム
28 バス
30 取得部
32 決定部
34 制御部
40、42 アドバイス
60 環境情報
61 位置情報
62 日時情報
63 移動手段情報
64 混雑情報
65 人流情報
66 天候情報
70、70A、70B 仕様情報
72 履歴情報
80 ユーザ情報
81 属性情報
82 所持機材情報
84 過去画像
90 ユーザ端末
92 WEBサーバ
94 DBサーバ
U ユーザ