(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016179
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20250124BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
A61B5/055 380
A61B6/03 360B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119293
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(74)【代理人】
【識別番号】100153822
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 重之
(72)【発明者】
【氏名】金子 幸生
(72)【発明者】
【氏名】辻 基宏
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敦郎
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
【Fターム(参考)】
4C093AA22
4C093CA02
4C093CA04
4C093CA06
4C093CA08
4C093CA16
4C093DA04
4C093DA10
4C093FA44
4C093FF41
4C096AB02
4C096AB04
4C096AB07
4C096AB08
4C096AB37
4C096AC01
4C096AC05
4C096AC08
4C096AD14
4C096AD24
4C096DC35
(57)【要約】
【課題】医用画像の3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの値を直観的に短時間で決定することができる医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システムを提供する。
【解決手段】一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて医用撮像データを画像処理した複数の候補画像を選択可能に二次元に配置し、選択された候補画像に対応する一方の画質パラメータの種類の候補値と他方の画質パラメータの種類の候補値とのうちの少なくとも一方を画質パラメータの種類の設定値として決定する処理を、3つ以上の画質パラメータの種類のうちの優先順位の高い順に行う。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記プロセッサに実行させるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、
を備え、
前記プロセッサは、
医用撮像データを取得し、
前記医用撮像データから生成される医用画像の画質に関する3つ以上の画質パラメータの種類のうちの2つの画質パラメータの種類のパラメータ種類セットについて、一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて前記医用撮像データを画像処理した複数の候補画像を、前記一方の画質パラメータの種類を一方の軸、前記他方の画質パラメータの種類を他方の軸として二次元に配置したプレビュー画像を表示装置に表示させ、
前記プレビュー画像から1つの前記候補画像の選択操作を受け付け、
前記選択操作された前記候補画像に対応する前記一方の画質パラメータの種類の前記候補値と前記他方の画質パラメータの種類の前記候補値とのうちの少なくとも一方を前記画質パラメータの種類の設定値として決定する、
医用画像処理装置であって、
前記3つ以上の画質パラメータの種類はそれぞれ優先順位が付与されており、
前記優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と第2位である第2の画質パラメータの種類とを含む第1のパラメータ種類セットについて前記設定値を決定した後に、前記第1のパラメータ種類セットとは異なる第2のパラメータ種類セットについて前記設定値を決定し、
前記3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの前記設定値を適用して前記医用撮像データを画像処理して医用画像を生成する、
医用画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1のパラメータ種類セットについて前記第1の画質パラメータの種類の前記設定値と前記第2の画質パラメータの種類の前記設定値とを決定し、
前記第2のパラメータ種類セットは、前記優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類と第4位である第4の画質パラメータの種類とを含む、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1のパラメータ種類セットについて前記第1の画質パラメータの種類の前記設定値を決定し、
前記第2のパラメータ種類セットは、前記第2の画質パラメータの種類と前記優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類とを含む、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記第2のパラメータ種類セットの前記第2の画質パラメータの種類の前記複数の候補値の範囲は、前記第1のパラメータ種類セットの前記第2の画質パラメータの種類の前記複数の候補値の範囲よりも相対的に狭く、かつ前記第1のパラメータ種類セットの前記選択操作された前記候補画像に対応する前記第2の画質パラメータの種類の前記候補値を含む、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記3つ以上の画質パラメータの種類の過去に決定されたそれぞれの前記設定値を保持する記憶部を備え、
前記プロセッサは、
前記プレビュー画像において、前記一方の画質パラメータの種類の過去に最も多く決定された前記設定値と前記他方の画質パラメータの種類の過去に最も多く決定された前記設定値との組み合わせに対応する第1の候補画像を前記第1の候補画像とは異なる第2の候補画像よりも相対的に強調する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記医用撮像データの撮像部位を取得し、
前記撮像部位に応じて前記3つ以上の画質パラメータの種類を取得する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記優先順位は、過去に決定された前記設定値のばらつきが相対的に大きい前記画質パラメータの種類ほど相対的に高く付与されている、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記第1のパラメータ種類セットは、さらに、前記優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類を含み、
前記プロセッサは、
前記第1の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と第2の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と第3の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて前記医用撮像データを画像処理した複数の候補画像のうち、前記第3の画質パラメータの種類の第1の候補値の前記複数の候補画像を二次元に配置した第1のプレビュー画像を表示装置に表示させ、
前記第3の画質パラメータの種類の前記候補値を切り替えるための切替操作を受け付け、
前記切替操作に応じて前記第3の画質パラメータの種類の前記第1の候補値とは異なる第2の候補値の前記複数の候補画像を二次元に配置した第2のプレビュー画像を表示させ、
前記第1のプレビュー画像又は前記第2のプレビュー画像から1つの前記候補画像の選択操作を受け付け、
前記選択操作された前記候補画像に対応する少なくとも前記第1の画質パラメータの種類の前記候補値を前記第1の画質パラメータの種類の設定値として決定する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記選択操作された前記候補画像に対応する前記第2の画質パラメータの種類の前記候補値を前記第2の画質パラメータの種類の設定値として決定し、
前記選択操作された前記候補画像に対応する前記第3の画質パラメータの種類の前記候補値を前記第3の画質パラメータの種類の設定値として決定する、
請求項8に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記候補画像は3次元画像であり、
前記プロセッサは、
前記複数の候補画像のそれぞれの第1のスライス位置のスライス画像を二次元に配置した第3のプレビュー画像を表示させ、
前記複数の候補画像のスライス位置を切り替えるための切替操作を受け付け、
前記切替操作に応じて前記第1のスライス位置とは異なる第2のスライス位置のスライス画像を二次元に配置した第4のプレビュー画像を表示させ、
前記第3のプレビュー画像又は前記第4のプレビュー画像から1つの前記候補画像の選択操作を受け付ける、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記第1のパラメータ種類セットについて決定した前記設定値を適用して前記医用撮像データを画像処理して前記第2のパラメータ種類セットの複数の候補画像を生成する、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の医用画像処理装置と、
前記医用撮像データを撮像する画像診断装置と、
前記表示装置と、
ユーザが前記プレビュー画像から1つの前記候補画像の選択操作するための入力装置と、
を備える、
画像診断システム。
【請求項13】
前記画像診断装置は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置である、
請求項12に記載の画像診断システム。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサが、
医用撮像データを取得し、
前記医用撮像データから生成される医用画像の画質に関する3つ以上の画質パラメータの種類のうちの2つの画質パラメータの種類のパラメータ種類セットについて、一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて前記医用撮像データを画像処理した複数の候補画像を、前記一方の画質パラメータの種類を一方の軸、前記他方の画質パラメータの種類を他方の軸として二次元に配置したプレビュー画像を表示装置に表示させ、
前記プレビュー画像から1つの前記候補画像の選択操作を受け付け、
前記選択操作された前記候補画像に対応する前記一方の画質パラメータの種類の候補値と前記他方の画質パラメータの種類の候補値とのうちの少なくとも一方を前記画質パラメータの種類の設定値として決定する、
医用画像処理方法であって、
前記3つ以上の画質パラメータの種類はそれぞれ優先順位が付与されており、
前記優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と第2位である第2の画質パラメータの種類とを含む第1のパラメータ種類セットについて前記設定値を決定した後に、前記第1のパラメータ種類セットとは異なる第2のパラメータ種類セットについて前記設定値を決定し、
前記3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの前記設定値を適用して前記医用撮像データを画像処理して医用画像を生成する、
医用画像処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の医用画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システムに係り、特に医用画像の画質パラメータの種類の値を決定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI(Magnetic Resonance Imaging)画像処理装置において、ユーザは撮像後に画像処理を行って画質の調整を行っている。このような画質調整のパラメータは、患者毎、疾患毎に変更する必要がある。
【0003】
画質調整のパラメータとしては、例えばデノイズ処理の強度である。また、デノイズ処理の強度以外にもユーザの好みの画質を選択したいという要望があるが、好みの画質を作成するためのパラメータの種類があまりにも多いため,パラメータの種類の値を短時間で調整することは困難である。
【0004】
従来技術として、2つのパラメータの種類のそれぞれの値について変化させた画像を表示し,ユーザが画像を見ながら選択できる技術が知られている(特許文献1、2、3参照)。また,3つ以上のパラメータの種類について,過去画像を用いてあらかじめパラメータの好みの値を抽出する技術が知られている(特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-284705号公報
【特許文献2】特開平2-260073号公報
【特許文献3】特開2019-188031号公報
【特許文献4】特開2002-183725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1~3には、3つ以上のパラメータの種類のそれぞれの値の選択方法については記載がない。上述したように、特にMRI画像ではパラメータ種類が多岐に渡るため、特許文献1~3に記載の技術では対応が難しいという問題点があった。
【0007】
また、特許文献4には、新たに撮像した画像を見ながら、パラメータの値を調整する方法については記載がない。そのため,過去画像に無い希少な症例等の画像には対応が難しいという問題点があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、医用画像の3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの値を直観的に短時間で決定することができる医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様に係る医用画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサと、プロセッサに実行させるための命令を記憶する少なくとも1つのメモリと、を備え、プロセッサは、医用撮像データを取得し、医用撮像データから生成される医用画像の画質に関する3つ以上の画質パラメータの種類のうちの2つの画質パラメータの種類のパラメータ種類セットについて、一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて医用撮像データを画像処理した複数の候補画像を、一方の画質パラメータの種類を一方の軸、他方の画質パラメータの種類を他方の軸として二次元に配置したプレビュー画像を表示装置に表示させ、プレビュー画像から1つの候補画像の選択操作を受け付け、選択操作された候補画像に対応する一方の画質パラメータの種類の候補値と他方の画質パラメータの種類の候補値とのうちの少なくとも一方を画質パラメータの種類の設定値として決定する、医用画像処理装置であって、3つ以上の画質パラメータの種類はそれぞれ優先順位が付与されており、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と第2位である第2の画質パラメータの種類とを含む第1のパラメータ種類セットについて設定値を決定した後に、第1のパラメータ種類セットとは異なる第2のパラメータ種類セットについて設定値を決定し、3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの設定値を適用して医用撮像データを画像処理して医用画像を生成する、医用画像処理装置である。
【0010】
本開示の第2態様に係る医用画像処理装置は、第1態様に係る医用画像処理装置において、プロセッサは、第1のパラメータ種類セットについて第1の画質パラメータの種類の設定値と第2の画質パラメータの種類の設定値とを決定し、第2のパラメータ種類セットは、優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類と第4位である第4の画質パラメータの種類とを含むことが好ましい。
【0011】
本開示の第3態様に係る医用画像処理装置は、第1態様に係る医用画像処理装置において、プロセッサは、第1のパラメータ種類セットについて第1の画質パラメータの種類の設定値を決定し、第2のパラメータ種類セットは、第2の画質パラメータの種類と優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類とを含むことが好ましい。
【0012】
本開示の第4態様に係る医用画像処理装置は、第3態様に係る医用画像処理装置において、第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲よりも相対的に狭く、かつ第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の設定値を含むことが好ましい。
【0013】
本開示の第5態様に係る医用画像処理装置は、第1態様から第4態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、3つ以上の画質パラメータの種類の過去に決定されたそれぞれの設定値を保持する記憶部を備え、プロセッサは、プレビュー画像において、一方の画質パラメータの種類の過去に最も多く決定された設定値と他方の画質パラメータの種類の過去に最も多く決定された設定値との組み合わせに対応する第1の候補画像を第1の候補画像とは異なる第2の候補画像よりも相対的に強調することが好ましい。
【0014】
本開示の第6態様に係る医用画像処理装置は、第1態様から第5態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、プロセッサは、医用撮像データの撮像部位を取得し、撮像部位に応じて3つ以上の画質パラメータの種類を取得することが好ましい。
【0015】
本開示の第7態様に係る医用画像処理装置は、第1態様から第6態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、優先順位は、過去に決定された設定値のばらつきが相対的に大きい画質パラメータの種類ほど相対的に高く付与されていることが好ましい。
【0016】
本開示の第8態様に係る医用画像処理装置は、第1態様、又は第5態様から第7態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、第1のパラメータ種類セットは、さらに、優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類を含み、プロセッサは、第1の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と第2の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と第3の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて医用撮像データを画像処理した複数の候補画像のうち、第3の画質パラメータの種類の第1の候補値の複数の候補画像を二次元に配置した第1のプレビュー画像を表示装置に表示させ、第3の画質パラメータの種類の候補値を切り替えるための切替操作を受け付け、切替操作に応じて第3の画質パラメータの種類の第1の候補値とは異なる第2の候補値の複数の候補画像を二次元に配置した第2のプレビュー画像を表示させ、第1のプレビュー画像又は第2のプレビュー画像から1つの候補画像の選択操作を受け付け、選択操作された候補画像に対応する少なくとも第1の画質パラメータの種類の候補値を第1の画質パラメータの種類の設定値として決定することが好ましい。
【0017】
本開示の第9態様に係る医用画像処理装置は、第8態様に係る医用画像処理装置において、プロセッサは、選択操作された候補画像に対応する第2の画質パラメータの種類の候補値を第2の画質パラメータの種類の設定値として決定し、選択操作された候補画像に対応する第3の画質パラメータの種類の候補値を第3の画質パラメータの種類の設定値として決定することが好ましい。
【0018】
本開示の第10態様に係る医用画像処理装置は、第1態様から第9態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、候補画像は3次元画像であり、プロセッサは、複数の候補画像のそれぞれの第1のスライス位置のスライス画像を二次元に配置した第3のプレビュー画像を表示させ、複数の候補画像のスライス位置を切り替えるための切替操作を受け付け、切替操作に応じて第1のスライス位置とは異なる第2のスライス位置のスライス画像を二次元に配置した第4のプレビュー画像を表示させ、第3のプレビュー画像又は第4のプレビュー画像から1つの候補画像の選択操作を受け付けることが好ましい。
【0019】
本開示の第11態様に係る医用画像処理装置は、第1態様から第10態様のいずれかに係る医用画像処理装置において、プロセッサは、第1のパラメータ種類セットについて決定した設定値を適用して医用撮像データを画像処理して第2のパラメータ種類セットの複数の候補画像を生成することが好ましい。
【0020】
上記目的を達成するために、本開示の第12態様に係る画像診断システムは、第1態様から第11態様のいずれかに係る医用画像処理装置と、医用撮像データを撮像する画像診断装置と、表示装置と、ユーザがプレビュー画像から1つの候補画像の選択操作するための入力装置と、を備える画像診断システムである。
【0021】
本開示の第13態様に係る画像診断システムは、第12態様に係る画像診断システムにおいて、画像診断装置は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置であることが好ましい。
【0022】
上記目的を達成するために、本開示の第14態様に係る医用画像処理方法は、少なくとも1つのプロセッサが、医用撮像データを取得し、医用撮像データから生成される医用画像の画質に関する3つ以上の画質パラメータの種類のうちの2つの画質パラメータの種類のパラメータ種類セットについて、一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とをそれぞれ組み合わせて医用撮像データを画像処理した複数の候補画像を、一方の画質パラメータの種類を一方の軸、他方の画質パラメータの種類を他方の軸として二次元に配置したプレビュー画像を表示装置に表示させ、プレビュー画像から1つの候補画像の選択操作を受け付け、選択操作された候補画像に対応する一方の画質パラメータの種類の候補値と他方の画質パラメータの種類の候補値とのうちの少なくとも一方を画質パラメータの種類の設定値として決定する、医用画像処理方法であって、3つ以上の画質パラメータの種類はそれぞれ優先順位が付与されており、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と第2位である第2の画質パラメータの種類とを含む第1のパラメータ種類セットについて設定値を決定した後に、第1のパラメータ種類セットとは異なる第2のパラメータ種類セットについて設定値を決定し、3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの設定値を適用して医用撮像データを画像処理して医用画像を生成する、医用画像処理方法である。
【0023】
上記目的を達成するために、本開示の第15態様に係るプログラムは、第14態様に係る医用画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムである。第15態様に係るプログラムを記憶したCD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)等の非一時的かつコンピュータ読取可能な記録媒体も本開示に含まれる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、医用画像の3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの値を直観的に短時間で決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、画像診断システムの全体構成図である。
【
図2】
図2は、医用画像処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、医用画像処理方法の工程を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、プレビュー画像の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、プレビュー画像の他の例を示す図である。
【
図6】
図6は、プレビュー画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、プレビュー画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、医用画像処理方法の工程を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、プレビュー画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面に従って本開示に係る医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システムの好ましい実施形態について説明する。
【0027】
<画像診断システム>
図1は、画像診断システム10の全体構成図である。
図1に示すように、画像診断システム10は、画像診断装置20と、情報処理装置30と、を備えて構成される。
【0028】
画像診断装置20と情報処理装置30とは、ネットワーク22を介してそれぞれデータを送受信可能に接続される。ネットワーク22は、医療機関内の各種機器を通信接続する有線、又は無線のLAN(Local Area Network)を含む。ネットワーク22は、複数の医療機関のLAN同士を接続するWAN(Wide Area Network)を含んでもよい。
【0029】
画像診断装置20は、患者の検査対象の部位である撮像部位を撮像し、医用撮像データを出力する撮像装置を含む。画像診断装置20は、例えば、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置を含む。
【0030】
情報処理装置30は、医用画像処理装置40と、入力装置50と、表示装置60と、を含む。医用画像処理装置40と、入力装置50と、表示装置60とは、それぞれデータを送受信可能に接続される。
【0031】
医用画像処理装置40は、画像診断装置20から取得した医用撮像データに所望の画質パラメータを適用した画像処理を施して医用画像を生成する装置である。医用画像は、例えば医用撮像データが再構成された3次元再構成画像である。なお、本明細書における画像という用語には、写真等の画像自身の意味の他に、画像を表す信号である画像データの意味が含まれる。
【0032】
医用画像処理装置40は、パーソナルコンピュータ、又はワークステーション(「コンピュータ」の一例)が適用される。医用画像処理装置40は、プロセッサ42と、メモリ44と、入出力インターフェース46と、通信インターフェース48と、を備える。
【0033】
プロセッサ42は、メモリ44に記憶された命令を実行する。プロセッサ42のハードウェア的な構造は、次に示すような各種のプロセッサ(processor)である。各種のプロセッサには、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の機能部として作用する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD(Programmable Logic Device)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0034】
1つの処理部は、これら各種のプロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサ(例えば、複数のFPGA、又はCPUとFPGAの組み合わせ、あるいはCPUとGPUの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の機能部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の機能部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント又はサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組合せで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能部として作用させる形態がある。第2に、SoC(System On Chip)等に代表されるように、複数の機能部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の機能部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0035】
さらに、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0036】
メモリ44は、プロセッサ42に実行させるための命令を記憶する。メモリ44は、不図示のRAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)とを含む。プロセッサ42は、RAMを作業領域とし、ROMに記憶された医用画像処理プログラムを含む各種のプログラムを使用してソフトウェアを実行し、かつROM等に記憶されたパラメータを使用することで、医用画像処理装置40の各種の処理を実行する。
【0037】
入出力インターフェース46は、入力装置50からの入力と、表示装置60への出力とを制御する。
【0038】
通信インターフェース48は、所定のプロトコルに従って、ネットワーク22を介した画像診断装置20との通信を制御する。
【0039】
医用画像処理装置40は、画像診断装置20に含まれていてもよい。また、医用画像処理装置40は、インターネットを介して複数の医療機関からアクセス可能なクラウドサーバであってもよい。医用画像処理装置40で行う処理は、課金制、又は固定料金制のクラウドサービスであってもよい。
【0040】
入力装置50は、不図示のマウスと、不図示のキーボードとを含む。ユーザは、入力装置50を使用して医用画像処理装置40に対する指示を入力する。
【0041】
表示装置60は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又はプロジェクタを含む。表示装置60には、医用画像処理装置40からの指令に従って医用画像等が表示される。
【0042】
情報処理装置30は、入力装置50と表示装置60とが一体化されたタッチパネルディスプレイを備えてもよい。
【0043】
〔医用画像処理装置の機能構成〕
図2は、医用画像処理装置40の機能構成を示すブロック図である。医用画像処理装置40の各機能は、プロセッサ42がメモリ44に記憶された医用画像処理プログラムを実行することで具現化される。
図2に示すように、医用画像処理装置40は、医用撮像データ取得部70と、プレビュー画像生成部72と、プレビュー画像表示部74と、選択操作受付部76と、画質パラメータ値決定部78と、最終画像生成部80と、を備える。
【0044】
医用撮像データ取得部70は、ネットワーク22を介して画像診断装置20から医用撮像データを取得する。医用撮像データは、例えばMRI装置が撮像した磁気共鳴データ、CT装置が撮像した投影データを含む。
【0045】
プレビュー画像生成部72は、医用撮像データから生成される医用画像の画質に関する画質パラメータの種類であって、医用撮像データに適用する後処理パラメータである画質パラメータの種類の設定値を決定するためのプレビュー画像を生成する。
【0046】
画質パラメータの種類は、「S/N比(デノイズ強度)」、「エッジ強調強度」、「コントラスト」、「空間分解能」を含む。画質パラメータの種類は、「Truncation」、「Shading」、「Mode」、「Correction」、「Strength」、「T2 correct.」、「Adaptive Filter」、「Edge Enhance」、「DLR Level」、「MIP Image」、「D.C.Level」、「Region Cut」、「W-Width1」、「W-Level1」を含んでもよい。画質パラメータの種類は、メモリ44に記憶されている。
【0047】
プレビュー画像生成部72は、3つ以上の画質パラメータの種類のうちの2つの画質パラメータの種類を含むパラメータ種類セットについて、一方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値と他方の画質パラメータの種類のそれぞれ異なる複数の候補値とを用意し、両方の画質パラメータの種類の複数の候補値をそれぞれ組み合わせて医用撮像データを画像処理して複数の候補画像を生成する。さらに、プレビュー画像生成部72は、一方の画質パラメータを一方の軸、他方の画質パラメータを他方の軸として二次元に配置したプレビュー画像を生成する。
【0048】
プレビュー画像表示部74は、プレビュー画像生成部72が生成したプレビュー画像を、ユーザが1つの候補画像を選択可能に表示装置60に表示させる。ユーザは、入力装置50を用いてプレビュー画像から1つの候補画像を選択することができる。選択操作受付部76は、入力装置50から、1つの候補画像の選択操作を受け付ける。
【0049】
画質パラメータ値決定部78は、選択操作された候補画像に対応する一方の画質パラメータの種類の候補値と他方の画質パラメータの種類の候補値とのうちの少なくとも一方を、その画質パラメータの種類の設定値として決定する。画質パラメータ値決定部78は、決定された画質パラメータの種類の設定値をメモリ44に記憶させてもよい。
【0050】
最終画像生成部80は、3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの設定値を適用して、医用撮像データを画像処理して、最終画像である医用画像を生成する。最終画像生成部80は、生成した最終画像を表示装置60に表示させてもよいし、不図示の医用画像データベースに保存してもよい。
【0051】
〔医用画像処理方法:第1の実施形態〕
図3は、医用画像処理装置40による第1の実施形態に係る医用画像処理方法の工程を示すフローチャートである。医用画像処理方法は、3つ以上の画質パラメータの種類のそれぞれの設定値を医師等のユーザに短時間で決定させる方法である。医用画像処理方法は、プロセッサ42がメモリ44に記憶された医用画像処理プログラムを実行することで実現される。医用画像処理プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体によって提供されてもよいし、インターネットを介して提供されてもよい。
【0052】
ステップS1では、ユーザは、入力装置50を用いて撮像部位を指定する。撮像部位は、例えば「頭部」、「腹部」、及び「関節部」のうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
ステップS2では、ユーザは、入力装置50を用いてメモリ44に記憶された画質パラメータの種類の中から予め重要な3つ以上の画質パラメータの種類を選択し、選択した個々の画質パラメータの種類にそれぞれ重複しない優先順位を付与する。
【0054】
例えば、撮像部位が「頭部」であり、脳内の微細な組織構造を診断したい場合、ユーザは、優先順位の第1位を「空間分解能」、第2位を「S/N比(デノイズ強度)」、第3位を「エッジ強調強度」、第4位を「コントラスト」としてもよい。
【0055】
また、撮像部位が「腹部」であり、肝臓の造影検査の際に疾患部位と正常組織の差が明瞭に見えるようにしたい場合、ユーザは、優先順位の第1位を「コントラスト」、第2位を「エッジ強調強度」、第3位を「S/N比(デノイズ強度)」、第4位を「空間分解能」としてもよい。
【0056】
さらに、撮像部位が「関節部」であり、膝関節の軟骨の厚さ等の寸法を正確に計測したい場合、ユーザは、優先順位の第1位を「空間分解能」、第2位を「エッジ強調強度」、第3位を「S/N比(デノイズ強度)」、第4位を「コントラスト」としてもよい。
【0057】
ここでは、それぞれの撮像部位において4つの画質パラメータの種類が選択されているが、ユーザは、少なくとも3つの画質パラメータの種類を選択し、優先順位を付与すればよい。また、ユーザは、5つ以上の画質パラメータの種類を選択し、優先順位を付与してもよい。
【0058】
医用画像処理装置40は、ステップS2で選択された撮像部位に応じた画質パラメータの種類とそれぞれの優先順位とを、メモリ44に記憶させてもよい。
【0059】
医用画像処理装置40は、撮像部位に応じた優先順位がメモリ44等に予め格納されていてもよい。この場合、ステップS2では、医用画像処理装置40は、ステップS1で指定された撮像部位に応じた優先順位を読み出せばよい。
【0060】
続いて、医用撮像データ取得部70は、ステップS1で指定された撮像部位の医用撮像データを取得する。プレビュー画像生成部72は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像を生成する。
【0061】
さらに、ステップS3では、プレビュー画像表示部74は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。
図4は、表示装置60に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
図4のF4Aは、ステップS3で表示されるプレビュー画像IPA1を示している。
【0062】
第1のパラメータ種類セットは、撮像部位に応じて取得された3つ以上の画質パラメータの種類のうち、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と、第2位である第2の画質パラメータの種類と、を含む。撮像部位が「頭部」であれば、第1の画質パラメータの種類は「空間分解能」であり、第2の画質パラメータの種類は「S/N比(デノイズ強度)」である。
【0063】
第1の画質パラメータの種類は、それぞれ異なる複数の第1の画質パラメータの値である候補値を有し、第2の画質パラメータの種類は、それぞれ異なる複数の第2の画質パラメータの値である候補値を有する。ここでは、第1の画質パラメータの種類が3つの候補値P1A、P1B、P1Cを有し、第2の画質パラメータの種類が3つの候補値P2A、P2B、P2Cを有するものとする。なお、候補値は数値に限定されず、その画質パラメータを画像処理で用いるか否かの選択の有無を含んでもよい。
【0064】
プレビュー画像生成部72は、第1の画質パラメータの種類の各候補値と第2の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP1A×P2A、P1A×P2B、P1A×P2C、P1B×P2A、P1B×P2B、P1B×P2C、P1C×P2A、P1C×P2B、P1C×P2C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、9つの候補画像ICA111、ICA112、ICA113、ICA121、ICA122、ICA123、ICA131、ICA132、ICA133を生成する。
【0065】
なお、プレビュー画像生成部72は、第1の画質パラメータの種類と第2の画質パラメータの種類以外の画質パラメータの種類については、予め定められた固定値を用いて画像処理すればよい。
【0066】
さらに、プレビュー画像生成部72は、9つの候補画像ICA111、ICA112、ICA113、ICA121、ICA122、ICA123、ICA131、ICA132、ICA133を、第1の画質パラメータの種類を縦軸、第2の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPA1を生成する。候補画像ICA111、ICA112、ICA113、ICA121、ICA122、ICA123、ICA131、ICA132、ICA133が3次元画像の場合は、プレビュー画像生成部72は、それぞれ同じ方向、かつ同じスライス位置のスライス画像を二次元に配置すればよい。
【0067】
F4Aに示す例では、プレビュー画像IPA1の上段の列に左から順に配置されている候補画像ICA131、ICA132、ICA133は、第1の画質パラメータの種類の値がそれぞれ候補値P1Cであり、第2の画質パラメータ種類の値がそれぞれ候補値P2A、P2B、P2Cの画像である。また、プレビュー画像IPA1の左側の行に上から順に配置されている候補画像ICA131、ICA121、ICA111は、第1の画質パラメータの種類の値がそれぞれ候補値P1C、P1B、P1Aであり、第2の画質パラメータ種類の値がそれぞれ候補値P2Aの画像である。
【0068】
プレビュー画像は、各候補画像の画質パラメータの種類の値が表示されてもよい。
図5は、プレビュー画像IPA1の他の例を示す図である。
図5に示すプレビュー画像IPA1は、9つの候補画像ICA1
11、ICA1
12、ICA1
13、ICA1
21、ICA1
22、ICA1
23、ICA1
31、ICA1
32、ICA1
33のそれぞれの隅に、第1の画質パラメータの値と第2の画質パラメータ種類の値とが表示されている。例えば、候補画像ICA1
31の隅には、候補画像ICA1
31の第1の画質パラメータの値が候補値P1Cであり、第2の画質パラメータ種類の値が候補値P2Aであることを示す文字「P1C/P2A」が表示されている。
【0069】
図3の説明に戻り、ステップS4では、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPA1の9つの候補画像ICA1
11、ICA1
12、ICA1
13、ICA1
21、ICA1
22、ICA1
23、ICA1
31、ICA1
32、ICA1
33のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0070】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS4で選択された候補画像に対応する第1の画質パラメータの種類の候補値を、第1の画質パラメータの種類の設定値として決定する。また、画質パラメータ値決定部78は、ステップS4で選択された候補画像に対応する第2の画質パラメータの種類の候補値を、第2の画質パラメータの種類の設定値として決定する。例えば、選択された候補画像が候補画像ICA111であれば、第1の画質パラメータの種類の設定値はP1Aに決定され、第2の画質パラメータの種類の設定値はP2Aに決定される。また、選択された候補画像が候補画像ICA123であれば、第1の画質パラメータの種類の設定値はP1Bに決定され、第2の画質パラメータの種類の設定値はP2Cに決定される。
【0071】
続いて、プレビュー画像生成部72は、第2のパラメータ種類セットのプレビュー画像を生成する。ステップS5では、プレビュー画像表示部74は、第2のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。
図4のF4Bは、ステップS5で表示されるプレビュー画像IPA2を示している。
【0072】
第2のパラメータ種類セットは、優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類と、第4位である第4の画質パラメータの種類と、を含む。撮像部位が「頭部」であれば、第3の画質パラメータの種類は「エッジ強調強度」であり、第4の画質パラメータの種類は「コントラスト」である。ここでは、第3の画質パラメータの種類が3つの候補値P3A、P3B、P3Cを有し、第4の画質パラメータの種類が3つの候補値P4A、P4B、P4Cを有するものとする。
【0073】
プレビュー画像生成部72は、第3の画質パラメータの種類の各候補値と第4の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP3A×P4A、P3A×P4B、P3A×P4C、P3B×P4A、P3B×P4B、P3B×P4C、P3C×P4A、P3C×P4B、P3C×P4C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、9つの候補画像ICA211、ICA212、ICA213、ICA221、ICA222、ICA223、ICA231、ICA232、ICA233、を生成する。なお、プレビュー画像生成部72は、ステップS5での画像処理における第1のパラメータの種類と第2のパラメータの種類とについては、ステップS4で決定された設定値を用いてもよい。
【0074】
さらに、プレビュー画像生成部72は、9つの候補画像ICA211、ICA212、ICA213、ICA221、ICA222、ICA223、ICA231、ICA232、ICA233を、第3の画質パラメータの種類を縦軸、第4の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPA2を生成する。
【0075】
ステップS6では、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPA2の9つの候補画像ICA211、ICA212、ICA213、ICA221、ICA222、ICA223、ICA231、ICA232、ICA233のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0076】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS6で選択された候補画像に対応する第3の画質パラメータの種類の候補値を、第3の画質パラメータの種類の設定値として決定する。また、画質パラメータ値決定部78は、ステップS6で選択された候補画像に対応する第4の画質パラメータの種類の候補値を、第4の画質パラメータの種類の設定値として決定する。
【0077】
このように、撮像部位に応じて取得された3つ以上の画質パラメータの種類について、優先順位の高い順に組み合わされた2つの画質パラメータの種類からなるパラメータ種類セットについて、画質パラメータの種類毎に設定値を順次決定していく。
【0078】
さらに、プレビュー画像生成部72は、第(N)のパラメータ種類セットのプレビュー画像を生成する。ステップS7では、プレビュー画像表示部74は、第(N)のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。
図4のF4Cは、ステップS7で表示されるプレビュー画像IPANを示している。
【0079】
第(N)のパラメータ種類セットは、優先順位が第(2N-1)位である第(2N-1)の画質パラメータの種類と、第(2N)位である第(2N)の画質パラメータの種類と、を含む。ここでは、第(2N-1)の画質パラメータの種類が3つの候補値P(2N-1)A、P(2N-1)B、P(2N-1)Cを有し、第(2N)の画質パラメータの種類が3つの候補値P(2N)A、P(2N)B、P(2N)Cを有するものとする。
【0080】
プレビュー画像生成部72は、第(2N-1)の画質パラメータの種類の各候補値と第(2N)の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP(2N-1)A×P(2N)A、P(2N-1)A×P(2N)B、P(2N-1)A×P(2N)C、P(2N-1)B×P(2N)A、P(2N-1)B×P(2N)B、P(2N-1)B×P(2N)C、P(2N-1)C×P(2N)A、P(2N-1)C×P(2N)B、P(2N-1)C×P(2N)C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、9つの候補画像ICAN11、ICAN12、ICAN13、ICAN21、ICAN22、ICAN23、ICAN31、ICAN32、ICAN33、を生成する。なお、プレビュー画像生成部72は、ステップS7での画像処理における第1のパラメータの種類から第(2N-2)のパラメータの種類までについては、これまで決定された各設定値を用いてもよい。
【0081】
さらに、プレビュー画像生成部72は、9つの候補画像ICAN11、ICAN12、ICAN13、ICAN21、ICAN22、ICAN23、ICAN31、ICAN32、ICAN33を、第(2N-1)の画質パラメータの種類を縦軸、第(2N)の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPANを生成する。
【0082】
ステップS8では、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPANの9つの候補画像ICAN11、ICAN12、ICAN13、ICAN21、ICAN22、ICAN23、ICAN31、ICAN32、ICAN33のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0083】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS8で選択された候補画像に対応する第(2N-1)の画質パラメータの種類の候補値を、第(2N-1)の画質パラメータの種類の設定値として決定する。また、画質パラメータ値決定部78は、ステップS8で選択された候補画像に対応する第(2N)の画質パラメータの種類の候補値を、第(2N)の画質パラメータの種類の設定値として決定する。
【0084】
最後に、ステップS9では、最終画像生成部80は、第1~第(2N)の画質パラメータの種類の各設定値を適用して、取得した医用撮像データを画像処理して最終画像である医用画像を生成する。
【0085】
撮像部位に応じて取得された3つ以上の画質パラメータの種類が奇数の場合、優先順位が最も低い画質パラメータの種類については、その画質パラメータの種類の複数の候補値を用いて医用撮像データを画像処理して複数の候補画像を生成し、複数の候補画像を一次元に配置したプレビュー画像を生成し、いずれか1つの候補画像をユーザに選択させればよい。
【0086】
本実施形態によれば、ユーザは、表示装置60に表示されたプレビュー画像を確認することで、各画質パラメータ種類セットにおいて、いずれの候補値の組み合わせの候補画像の画質が好ましいのかを直観的に確認することができるので、各画質パラメータ種類についてそれぞれ適切な値を選択することができる。
【0087】
ここでは、それぞれの画質パラメータの種類の候補値がいずれも3つである例を説明したが、候補値の数は3つに限定されない。L及びMをそれぞれ2以上の整数とすると、プレビュー画像生成部72は、一方の画質パラメータの種類のL個の候補値と他方の画質パラメータの種類のM個の候補値とを組み合わせた(L×M)種類の候補画像を配置したプレビュー画像を生成することができる。L及びMは、画質パラメータ種類セット毎に異なってよい。また、候補画像を二次元に配列する際に、いずれの画質パラメータの種類を縦軸に、又は縦軸に配置するのかは、任意に決定してよい。
【0088】
また、それぞれの画質パラメータの種類の候補値を3つに固定し、3つの候補値をユーザが所望の値に変更可能に構成してもよい。
【0089】
ここでは、3つ以上の画質パラメータの種類にはそれぞれ重複しない優先順位が付与されたが、優先順位は一部が重複してもよい。例えば、第1のパラメータ種類セットは、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と、同率で第1位である第2の画質パラメータの種類とを含んでもよい。
【0090】
〔第2の実施形態〕
第2の実施形態に係る画像処理方法について、
図3のフローチャートを用いて第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。第1の実施形態では、撮像部位に応じて取得された3つ以上の画質パラメータの種類は、重複することなく各パラメータ種類セットに振り分けられたが、第2の実施形態では、1つの画質パラメータの種類が複数のパラメータ種類セットに重複して選択される場合がある。
【0091】
ステップS1と、ステップS2と、の処理は、第1の実施形態と同様である。ステップS3では、プレビュー画像表示部74は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。第1のパラメータ種類セットは、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と、第2位である第2の画質パラメータの種類と、を含む。
【0092】
図6は、表示装置60に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
図6のF6Aは、ステップS3で表示されるプレビュー画像IPB1を示している。プレビュー画像IPB1は、第1の実施形態におけるプレビュー画像IPA1と同様の画像である。すなわち、プレビュー画像IPB1に含まれる9つの候補画像ICA1
11、ICA1
12、ICA1
13、ICA1
21、ICA1
22、ICA1
23、ICA1
31、ICA1
32、ICA1
33は、第1の画質パラメータの種類の3つの候補値P1A、P1B、P1Cと、第2の画質パラメータの種類の3つの候補値P2A、P2B、P2Cと、のそれぞれの組み合わせで画像処理された画像である。
【0093】
ステップS4では、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPB1の9つの候補画像ICA111、ICA112、ICA113、ICA121、ICA122、ICA123、ICA131、ICA132、ICA133のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0094】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS4で選択された候補画像に対応する第1の画質パラメータの種類の候補値を、第1の画質パラメータの種類の設定値として決定する。例えば、選択された候補画像が候補画像ICA121であれば、第1の画質パラメータの種類の設定値はP1Bに決定される。また、選択された候補画像が候補画像ICA133であれば、第1の画質パラメータの種類の設定値はP1Cに決定される。なお、第2の画質パラメータの種類の設定値は、この時点では決定されない。
【0095】
次に、ステップS5では、プレビュー画像表示部74は、第2のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。
図6のF6Bは、ステップS5で表示されるプレビュー画像IPB2を示している。
【0096】
第2の実施形態では、第2のパラメータ種類セットは、第2の画質パラメータの種類と優先順位が第3位である第3の画質パラメータの種類とを含む。ここでは、第2の画質パラメータの種類が3つの候補値P2D、P2E、P2Fを有し、第3の画質パラメータの種類が3つの候補値P3A、P3B、P3Cを有するものとする。
【0097】
ここで、第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲よりも相対的に狭いことが好ましい。すなわち、P2A<P2B<P2C、かつP2D<P2E<P2Fであるとすると、(P2C-P2A)>(P2F-P2D)の関係を満たすことが好ましい。
【0098】
また、第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、ステップS4で選択された第1のパラメータ種類セットの候補画像に対応する第2の画質パラメータの種類の候補値を含むことが好ましい。すなわち、ステップS4で選択された候補画像に対応する第2の画質パラメータの種類の候補値をP2Zとすると、P2D≦P2Z≦P2Fの関係を満たすことが好ましい。
【0099】
第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の数は、第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の数よりも相対的に少なくてもよい。
【0100】
プレビュー画像生成部72は、第2の画質パラメータの種類の各候補値と第3の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP2D×P3A、P2D×P3B、P2D×P3C、P2E×P3A、P2E×P3B、P2E×P3C、P2F×P3A、P2F×P3B、P2F×P3C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、9つの候補画像ICB211、ICB212、ICB213、ICB221、ICB222、ICB223、ICB231、ICB232、ICB233を生成する。
【0101】
さらに、プレビュー画像生成部72は、9つの候補画像ICB211、ICB212、ICB213、ICB221、ICB222、ICB223、ICB231、ICB232、ICB233を、第2の画質パラメータの種類を縦軸、第3の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPB2を生成する。プレビュー画像IPB2は、第2の画質パラメータの種類が横軸、第3の画質パラメータの種類が縦軸であってもよい。
【0102】
ステップS6では、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPB2の9つの候補画像ICB211、ICB212、ICB213、ICB221、ICB222、ICB223、ICB231、ICB232、ICB233のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0103】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS6で選択された候補画像に対応する第2の画質パラメータの種類の候補値を、第2の画質パラメータの種類の設定値として決定する。なお、第3の画質パラメータの種類の設定値は、この時点では決定されない。
【0104】
続いて、プレビュー画像表示部74は、第3のパラメータ種類セットのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。
図6のF6Cは、プレビュー画像IPB3を示している。
【0105】
第3のパラメータ種類セットは、第3の画質パラメータの種類と優先順位が第4位である第4の画質パラメータの種類とを含む。第3の画質パラメータの種類が3つの候補値P3D、P3E、P3Fを有し、第4の画質パラメータの種類が3つの候補値P4A、P4B、P4Cを有するものとする。なお、第2のパラメータ種類セットと同様に、P3A<P3B<P3C、かつP3D<P3E<P3Fであるとすると、(P3C-P3A)>(P3F-P3D)の関係を満たすことが好ましい。また、ステップS6で選択された候補画像に対応する第3の画質パラメータの種類の候補値をP3Zとすると、P3D≦P3Z≦P3Fの関係を満たすことが好ましい。
【0106】
プレビュー画像生成部72は、第3の画質パラメータの種類の各候補値と第4の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP3D×P4A、P3D×P4B、P3D×P4C、P3E×P4A、P3E×P4B、P3E×P4C、P3F×P4A、P3F×P4B、P3F×P4C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、9つの候補画像ICB311、ICB312、ICB313、ICB321、ICB322、ICB323、ICB331、ICB332、ICB333を生成する。
【0107】
さらに、プレビュー画像生成部72は、9つの候補画像ICB311、ICB312、ICB313、ICB321、ICB322、ICB323、ICB331、ICB332、ICB333を、第3の画質パラメータの種類を縦軸、第4の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPB3を生成する。
【0108】
続いて、ユーザは入力装置50を用いて、プレビュー画像IPB3の9つの候補画像ICB311、ICB312、ICB313、ICB321、ICB322、ICB323、ICB331、ICB332、ICB333のうちの1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0109】
画質パラメータ値決定部78は、選択された候補画像に対応する第3の画質パラメータの種類の候補値を、第3の画質パラメータの種類の設定値として決定する。なお、第4の画質パラメータの種類の設定値は、この時点では決定されない。
【0110】
このように、撮像部位に応じて取得された3つ以上の画質パラメータの種類について、Kを整数とすると、優先順位の高い順に組み合わされた第(K)の画質パラメータの種類と第(K+1)の画質パラメータの種類のパラメータ種類セットについて複数の候補画像を配置したプレビュー画像を表示し、優先順位の高い第(K)の画質パラメータの種類の設定値を決定していく。
【0111】
同様に、ステップS7と、ステップS8と、を実行し、第(N)のパラメータ種類セットについて、設定値を決定する。なお、優先順位が最も低い画質パラメータの種類については、その画質パラメータの種類の複数の候補値を用いて医用撮像データを画像処理して複数の候補画像を生成し、複数の候補画像を一次元に配置したプレビュー画像を生成し、いずれか1つの候補画像をユーザに選択させればよい。
【0112】
第1の実施形態によれば、第2のパラメータ種類セットを第3の画質パラメータの種類と第4の画質パラメータの種類とすることで、既に設定値が決定された第1の画質パラメータの種類と第2の画質パラメータの種類とについて検討することなく、その後の画質パラメータの種類の設定値の決定を早く遂行することができるという効果を奏する。
【0113】
一方、第2の実施形態によれば、第2のパラメータ種類セットを第2の画質パラメータの種類と第3の画質パラメータの種類として、第1のパラメータ種類セットにおいて候補画像を選択させた第2の画質パラメータの種類を被らせて再度評価させることで、第2の画質パラメータの種類について他の画質パラメータの種類との組み合わせによる相性をより詳細に検討することができるという効果を奏する。
【0114】
第1の実施形態と第2の実施形態とを適宜使い分けてもよい。例えば、3つ以上の画質パラメータの種類のうち、比較的優先順位が高い画質パラメータの種類については第2の実施形態のように詳細に検討させて設定値を決定させ、比較的優先順位が低い画質パラメータの種類については第1の実施形態のように迅速に設定値を決定させてもよい。
【0115】
〔第3の実施形態〕
画質パラメータ値決定部78は、第1の実施形態、及び第2の実施形態において、プレビュー画像から選択された候補画像に対応する画質パラメータの種類の候補値を設定値として決定し、決定した設定値を画質パラメータの種類毎にメモリ44(「記憶部」の一例)に保持させる。なお、設定値は、決定した医師毎に保持してもよいし、複数の医師を含む病院毎に保持してもよい。
【0116】
さらに、一定数の患者に対する各画質パラメータの種類の設定値が蓄積された場合、プレビュー画像生成部72は、各画質パラメータの種類において最も多くの回数選択された候補値で画像処理された候補画像を強調してもよい。
【0117】
図7は、第3の実施形態に係るプレビュー画像の一例を示す図である。プレビュー画像IPCに含まれる9つの候補画像ICC1
11、ICC1
12、ICC1
13、ICC1
21、ICC1
22、ICC1
23、ICC1
31、ICC1
32、ICC1
33は、第1の画質パラメータの種類の3つの候補値P1A、P1B、P1Cと、第2の画質パラメータの種類の3つの候補値P2A、P2B、P2Cと、のそれぞれの組み合わせ、すなわちP1A×P2A、P1A×P2B、P1A×P2C、P1B×P2A、P1B×P2B、P1B×P2C、P1C×P2A、P1C×P2B、P1C×P2C、の9通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データが画像処理された画像である。
【0118】
ここで、第1の画質パラメータの種類について最も多く選択された候補値がP1Bであり、第2の画質パラメータの種類について最も多く選択された候補値がP2Cであるものとする。この場合、プレビュー画像生成部72は、P1B×P2Cの組み合わせである候補画像ICC1
23(「第1の候補画像」の一例)を候補画像ICC1
23以外の候補画像(「第2の候補画像」の一例)よりも相対的に強調する。
図7に示すプレビュー画像IPCでは、候補画像ICC1
23が枠FRに囲まれて強調されている。
【0119】
これにより、過去に多く選択された画質パラメータの種類の候補値がガイド情報となるので,画質パラメータの種類ごとの設定値を決定するための候補画像の選択を直観的にやりやすくすることができる。
【0120】
なお、候補画像の強調は、枠FRで囲む態様に限定されず、候補画像が強調されていることをユーザが認識できればよい。
【0121】
〔第4の実施形態〕
画質パラメータの種類に付与される優先順位は、設定値の好みがばらつく画質パラメータの種類ほど相対的に高く付与されてもよい。
【0122】
第3の実施形態と同様に、画質パラメータ値決定部78は、決定した設定値を画質パラメータの種類毎にメモリ44に記憶させる。一定数の患者に対する各画質パラメータの種類の設定値が蓄積された場合、プロセッサ42は、メモリ44から画質パラメータの種類毎の過去に決定された設定値を読み出し、画質パラメータの種類毎に設定値のばらつきを計算する。そして、設定値にばらつきが相対的に大きい画質パラメータの種類ほど相対的に高い優先順位を再付与する。
【0123】
すなわち、設定値のばらつきが大きい画質パラメータの種類は、ユーザの好みがばらつく画質パラメータの種類であると考えられるため、高い優先順位が再付与される。一方、設定値のばらつきが小さい画質パラメータの種類は、ユーザが設定値を選択する必然性が低い画質パラメータの種類であると考えられるため、低い優先順位が再付与される。設定値のばらつきが小さい画質パラメータの種類は、撮像部位に応じて取得される3つ以上の画質パラメータの種類から削除されてもよい。このとき、設定値のばらつきが小さい画質パラメータは、その平均値を固定値として用いてもよい。
【0124】
その後、プロセッサ42は、再付与された優先順位に基づいて、第1の実施形態、及び第2の実施形態と同様の処理を行う。
【0125】
このように、プロセッサ42は、出荷時から設定値が蓄積されるまでは、ステップS2で付与された優先順位に応じて処理を行う。そして、一定数の患者に対する各画質パラメータの種類の設定値が蓄積された場合に、好みがばらつく画質パラメータの種類を自動抽出し、設定値のばらつきに応じた優先順位を付与して、並べ替える。
【0126】
例えば、撮像部位が「頭部」であり、ユーザに付与された優先順位の第1位が「空間分解能」、第2位が「S/N比(デノイズ強度)」、第3位が「エッジ強調強度」、第4位が「コントラスト」であったとする。
【0127】
その後、画質パラメータの種類毎に設定値のばらつきを計算した結果、「エッジ強調強度」の設定値のばらつきが相対的に少なかった場合、プロセッサ42は、「エッジ強調強度」の優先順位を相対的に下げる。すなわち、撮像部位が「頭部」の場合に、再付与された優先順位は、第1位が「空間分解能」、第2位が「S/N比(デノイズ強度)」、第3位が「コントラスト」、第4位が「エッジ強調強度」となる。
【0128】
また、「エッジ強調強度」の設定値のばらつきが相対的に少なかった場合、プロセッサ42は、「エッジ強調強度」を、撮像部位「頭部」に応じて選択される画質パラメータの種類から削除してもよい。すなわち、撮像部位が「頭部」の場合に、再付与される優先順位は、第1位が「空間分解能」、第2位が「S/N比(デノイズ強度)」、第3位が「コントラスト」であってもよい。この場合、プロセッサ42は、「エッジ強調強度」については、ばらつきの少ない設定値の平均値を固定値として処理を行えばよい。
【0129】
第4の実施形態によれば、複数の画質パラメータの種類のうち、好みがばらつきやすい画質パラメータの種類、すなわちユーザにとって重要な画質パラメータの種類から優先的に設定値を選択することができる。これにより、数百例等のある一定数の医用画像のパラメータデータベースを使って,ユーザによる画質パラメータの種類の設定値の決定をアシストすることができる。
【0130】
〔第5の実施形態〕
図8は、医用画像処理装置40による第5の実施形態に係る医用画像処理方法の工程を示すフローチャートである。第5の実施形態では、各パラメータ種類セットが3つの画質パラメータの種類を含む。
【0131】
ステップS11と、ステップS12と、の処理は、第1の実施形態のステップS1と、ステップS2と、の処理と同様である。
【0132】
ステップS13では、プレビュー画像表示部74は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像を生成し、表示装置60に表示させる。
【0133】
第1のパラメータ種類セットは、優先順位が第1位である第1の画質パラメータの種類と、第2位である第2の画質パラメータの種類と、第3位である第3の画質パラメータの種類とを含む。ここでは、第1の画質パラメータの種類が3つの候補値P1A、P1B、P1Cを有し、第2の画質パラメータの種類が3つの候補値P2A、P2B、P2Cを有し、第3の画質パラメータの種類が3つの候補値P3A、P3B、P3Cを有するものとする。
【0134】
プレビュー画像生成部72は、第1の画質パラメータの種類の各候補値と第2の画質パラメータの種類の各候補値と第3の画質パラメータの種類の各候補値とのそれぞれの組み合わせ、すなわちP1A×P2A×P3A、P1A×P2A×P3B、P1A×P2A×P3C、P1A×P2B×P3A、P1A×P2B×P3B、P1A×P2B×P3C、P1A×P2C×P3A、P1A×P2C×P3B、P1A×P2C×P3C、P1B×P2A×P3A、P1B×P2A×P3B、P1B×P2A×P3C、P1B×P2B×P3A、P1B×P2B×P3B、P1B×P2B×P3C、P1B×P2C×P3A、P1B×P2C×P3B、P1B×P2C×P3C、P1C×P2A×P3A、P1C×P2A×P3B、P1C×P2A×P3C、P1C×P2B×P3A、P1C×P2B×P3B、P1C×P2B×P3C、P1C×P2C×P3A、P1C×P2C×P3B、P1C×P2C×P3C、の27通りの組み合わせについてそれぞれ医用撮像データを画像処理し、27種類の候補画像ICD1111、ICD1112、ICD1113、ICD1121、ICD1122、ICD1123、ICD1131、ICD1132、ICD1133、ICD1211、ICD1212、ICD1213、ICD1221、ICD1222、ICD1223、ICD1231、ICD1232、ICD1233、ICD1311、ICD1312、ICD1313、ICD1321、ICD1322、ICD1323、ICD1331、ICD1332、ICD1333、を生成する。
【0135】
さらに、プレビュー画像生成部72は、27種類の候補画像のうち、第3の画質パラメータの種類の値ごとにプレビュー画像を生成する。
【0136】
ここでは、プレビュー画像生成部72は、27種類の候補画像のうち、第3の画質パラメータの種類の候補値がP3A(「第1の候補値」の一例)である9種類の候補画像ICD1111、ICD1121、ICD1131、ICD1211、ICD1221、ICD1231、ICD1311、ICD1321、ICD1331を、第1の画質パラメータの種類を縦軸、第2の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPD11(「第1のプレビュー画像」の一例)を生成する。
【0137】
また、プレビュー画像生成部72は、27種類の候補画像のうち、第3の画質パラメータの種類の候補値がP3B(「第2の候補値」の一例)である9種類の候補画像ICD1112、ICD1122、ICD1132、ICD1212、ICD1222、ICD1232、ICD1312、ICD1322、ICD1332を、第1の画質パラメータの種類を縦軸、第2の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPD12(「第2のプレビュー画像」の一例)を生成する。
【0138】
同様に、プレビュー画像生成部72は、27種類の候補画像のうち、第3の画質パラメータの種類の候補値がP3Cである9種類の候補画像ICD1113、ICD1123、ICD1133、ICD1213、ICD1223、ICD1233、ICD1313、ICD1323、ICD1333を、第1の画質パラメータの種類を縦軸、第2の画質パラメータの種類を横軸として二次元に配置したプレビュー画像IPD13を生成する。
【0139】
図9は、表示装置60に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
図9のF9Aは、プレビュー画像IPD11を示している。また、プレビュー画像IPD11の右側にはスクロールバーSBが表示される。スクロールバーSBは、上下方向に直線状に延びるスクロールエリアSAと、スクロールエリアSA内を上下方向に移動可能なスクロールノブSNと、を含む。
【0140】
F9Aに示す状態では、スクロールバーSBは、スクロールエリアSA内の上部に位置している。ここでは、スクロールエリアSA内におけるスクロールバーSBの位置は、第3の画質パラメータの種類の候補値に対応する。ユーザは、入力装置50を用いることで、スクロールエリアSA内で、スクロールバーSBを移動させることができる。
【0141】
ユーザが、スクロールバーSBをスクロールエリアSA内の中央部に移動(「切替操作」の一例)させると、プレビュー画像表示部74は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像であって、第3の画質パラメータの種類の候補値がP3Bであるプレビュー画像IPD12を表示装置60に表示させる。
図9のF9Bは、プレビュー画像IPD12を示している。
【0142】
また、ユーザが、スクロールバーSBをスクロールエリアSA内の下部に移動させると、プレビュー画像表示部74は、第1のパラメータ種類セットのプレビュー画像であって、第3の画質パラメータの種類の候補値がP3Cであるプレビュー画像IPD13を表示装置60に表示させる。
図9のF9Cは、プレビュー画像IPD13を示している。
【0143】
ステップS14では、ユーザは、スクロールバーSBを操作することでプレビュー画像IPD11、IPD12、IPD13のうちのいずれか1つを表示装置16に表示させ、選択する。選択操作受付部76は、プレビュー画像の選択操作を受け付ける。このユーザの行為は、第3の画質パラメータの種類の候補値を選択することに該当する。
【0144】
ステップS15では、ユーザは入力装置50を用いて、表示装置16に表示されているプレビュー画像の中から1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。
【0145】
すなわち、プレビュー画像IPD11が表示されている場合は、ユーザは、9種類の候補画像ICD1111、ICD1121、ICD1131、ICD1211、ICD1221、ICD1231、ICD1311、ICD1321、ICD1331、のうちの1つの候補画像を選択する。プレビュー画像IPD12が表示されている場合は、ユーザは、9種類の候補画像ICD1112、ICD1122、ICD1132、ICD1212、ICD1222、ICD1232、ICD1312、ICD1322、ICD1332、のうちの1つの候補画像を選択する。プレビュー画像IPD13が表示されている場合は、ユーザは、9種類の候補画像ICD1113、ICD1123、ICD1133、ICD1213、ICD1223、ICD1233、ICD1313、ICD1323、ICD1333、のうちの1つの候補画像を選択する。このユーザの行為は、第1の画質パラメータの種類の候補値と、第2の画質パラメータの種類の候補値と、を選択することに該当する。
【0146】
画質パラメータ値決定部78は、ステップS14で選択されたプレビュー画像に対応する第3の画質パラメータの種類の候補値と、ステップS15で選択された候補画像に対応する第1の画質パラメータの種類の候補値と、第2の画質パラメータの種類の候補値とを、それぞれ各画質パラメータの種類の設定値として決定する。
【0147】
続いて、ステップS16では、プレビュー画像表示部74は、第2のパラメータ種類セットの複数のプレビュー画像を生成し、いずれか1つのプレビュー画像を表示装置60に表示させる。第2のパラメータ種類セットは、優先順位が第4位である第4の画質パラメータの種類と、第5位である第5の画質パラメータの種類と、第6位である第6の画質パラメータの種類と、を含む。
【0148】
ステップS17では、ユーザは入力装置50を用いて、第2のパラメータ種類セットの複数のプレビュー画像から1つのプレビュー画像を選択する。選択操作受付部76は、プレビュー画像の選択操作を受け付ける。
【0149】
ステップS18では、ユーザは入力装置50を用いて、ステップS17で選択したプレビュー画像から1つの候補画像を選択する。選択操作受付部76は、候補画像の選択操作を受け付ける。これにより、第2のパラメータ種類セットについて、設定値を決定する。
【0150】
同様に、ステップS19と、ステップS20と、ステップS21と、を実行し、第(N)のパラメータ種類セットについて、設定値を決定する。
【0151】
最後に、ステップS22では、最終画像生成部80は、決定された各画質パラメータの種類の設定値を適用して、取得した医用撮像データを画像処理して最終画像である医用画像を生成する。
【0152】
第5の実施形態によれば、多数の画質パラメータの種類の設定値を決定する際に、第1の実施形態のように2つずつ決定するよりもより短時間にパラメータを決めることができる。
【0153】
画質パラメータ値決定部78における設定値の決定方法は、3つずつ決定する例に限定されない。例えば、画質パラメータ値決定部78は、ステップS4で選択された候補画像に対応する第1の画質パラメータの種類の候補値を第1の画質パラメータの種類の設定値として決定し、第2の画質パラメータの種類と第3の画質パラメータの種類とについては設定値を決定しなくてもよい。
【0154】
この場合は、ステップS5における第2のパラメータ種類セットは、第2の画質パラメータの種類と、第3の画質パラメータの種類と、優先順位が第4位である第4の画質パラメータの種類と、を含む。第2の実施形態と同様に、第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲よりも相対的に狭い。また、第2のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第2の画質パラメータの種類の設定値を含む。第3の画質パラメータの種類の候補値の範囲についても同様である。
【0155】
また、画質パラメータ値決定部78は、ステップS4で選択された候補画像に対応する第1の画質パラメータの種類の候補値と第2の画質パラメータの種類の候補値とを、それぞれ第1の画質パラメータの種類の設定値と第2の画質パラメータの種類との設定値として決定し、第3の画質パラメータの種類については設定値を決定しなくてもよい。
【0156】
この場合は、ステップS5における第2のパラメータ種類セットは、第3の画質パラメータの種類と、優先順位が第4位である第4の画質パラメータの種類と、第5位である第5の画質パラメータの種類と、を含む。第2の実施形態と同様に、第2のパラメータ種類セットの第3の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第3の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲よりも相対的に狭い。また、第2のパラメータ種類セットの第3の画質パラメータの種類の複数の候補値の範囲は、第1のパラメータ種類セットの第3の画質パラメータの種類の設定値を含む。
【0157】
また、スクロールバーSBの位置は、プレビュー画像に隣接する位置に限定されない。
図10は、スクロールバーが異なる位置に配置されたプレビュー画像の一例を示す図である。
図10に示すように、表示装置60の画面内に配置されていればよい。また、スクロールバーSBは、左右方向に直線状に延びるスクロールエリアSAと、スクロールエリアSA内を左右方向に移動可能なスクロールノブSNと、を含んでもよい。
【0158】
さらに、スクロールバーSBの位置に対応したプレビュー画像以外のプレビュー画像が表示されてもよい。スクロールバーSBの位置に対応したプレビュー画像以外のプレビュー画像を、スクロールバーSBの位置に対応したプレビュー画像の背後に一部が隠れるように表示させてもよい。
図10に示す例では、スクロールバーSBの位置に対応したプレビュー画像はプレビュー画像IPD11であり、それ以外のプレビュー画像IPD12とプレビュー画像IPD13とが、プレビュー画像IPD11の背後に一部が隠れて表示されている。このように表示させることで、スクロールバーSBの位置に対応したプレビュー画像以外のプレビュー画像の存在をユーザに認識させることができる。
【0159】
また、プレビュー画像の切り替えは、スクロールバーを用いるものに限定されない。
図11は、スクロールバーとは異なる方法により切り替え可能なプレビュー画像の一例を示す図である。
図11に示すように、奥行きを持った空間に各プレビュー画像を配置したように表示(いわゆるフリップ3D表示)してもよい。ユーザは、入力装置50の操作により、所望のプレビュー画像を選択することができる。また、入力装置50の操作により、最前のプレビュー画像を切替可能としてもよい。
【0160】
〔第6の実施形態〕
候補画像が3次元画像であり、プレビュー画像に含まれる画像が候補画像のスライス画像である場合、スクロールバーを用いてスライス位置を切り替え可能としてもよい。
【0161】
図12は、表示装置60に表示されるプレビュー画像の一例を示す図である。
図12のF12Aに示すプレビュー画像IPE1(「第3のプレビュー画像」の一例)に含まれる各候補画像は、それぞれ同じ方向の同じスライス位置(「第1のスライス位置」の一例)におけるスライス画像である。F12Aに示すように、プレビュー画像IPE1の右側にはスクロールバーSBが表示される。ここでは、スクロールエリアSA内におけるスクロールバーSBの位置は、候補画像のスライス位置に対応する。ユーザは、入力装置50を用いることで、スクロールエリアSA内で、スクロールバーSBを移動させることができる。
【0162】
ユーザが、スクロールバーSBを移動(「切替操作」の一例)させると、プレビュー画像表示部74は、プレビュー画像IPE1とは異なるプレビュー画像IPE2を表示させる。
図12のF12Bは、プレビュー画像IPE2(「第4のプレビュー画像」の一例)を示している。プレビュー画像IPE2の各候補画像のスライス位置(「第2のスライス位置」の一例)は、プレビュー画像IPE1の各候補画像のスライス位置とは異なる位置である。
【0163】
選択操作受付部76は、プレビュー画像IPE1又はプレビュー画像IPE2から1つの候補画像の選択操作を受け付ける。
【0164】
第6の実施形態によれば、それぞれ異なるスライス位置のスライス画像のプレビュー画像を表示させることができるので、ユーザは各画質パラメータ種類についてそれぞれ適切な値を選択することができる。プレビュー画像とともに、スライス方向を変更するための切替ボタン等を表示させてもよい。
【0165】
<その他>
本開示に係る医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム、画像診断システムは、医用画像以外の自然画像を用いる画像処理装置、画像処理方法及びプログラム、画像診断システムにも適用可能である。例えば、交通、電気、ガス、及び水道等の社会的インフラ設備の撮像データからひび割れ等の欠陥箇所を検出する検査を行う技術に適用することができる。
【0166】
本発明の技術的範囲は、上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。各実施形態における構成等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態間で適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0167】
10…画像診断システム
20…画像診断装置
30…情報処理装置
40…医用画像処理装置
42…プロセッサ
44…メモリ
50…入力装置
60…表示装置