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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025162840
(43)【公開日】2025-10-28
(54)【発明の名称】画像読取装置及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/04 20060101AFI20251021BHJP
   G03B 27/50 20060101ALI20251021BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
G03B27/50 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066297
(22)【出願日】2024-04-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河本 康太
【テーマコード(参考)】
5C072
【Fターム(参考)】
5C072AA01
5C072CA02
5C072DA25
5C072EA07
5C072FB25
5C072LA02
5C072LA07
5C072LA18
5C072MA01
5C072MB01
5C072NA01
5C072NA04
5C072RA16
5C072UA05
5C072UA06
5C072UA11
5C072WA02
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】媒体を搬送しながら当該媒体に形成されている画像を読み取る画像形成装置において、媒体の搬送路を形成するカバー部材の開閉状態の検知精度を高める画像形成装置を提供する。
【解決手段】媒体を搬送する媒体搬送機構と、媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、を備え、判定手段は、搬送路において媒体の搬送をする前に、イメージセンサの夫々に対向する背景白色板に係る読取値と閾値とを比較し、搬送ガイド板の開閉状態を判定する、画像読取装置による。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送されているシート状の媒体に形成された画像を読み取る画像読取装置であって、
前記媒体を搬送する媒体搬送機構と、
当該媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、当該媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、
前記画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、
前記複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、
前記複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記搬送路において前記媒体の搬送をする前に、前記イメージセンサの夫々に対向する前記背景白色板に係る前記読取値と前記閾値とを比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記搬送ガイド板は、前記媒体を前記イメージセンサの位置まで搬送する原稿搬送部の底面に位置し、
一の前記イメージセンサは、前記搬送ガイド板に対応する前記原稿搬送部の内部に設けられ、
他の前記イメージセンサは、前記搬送ガイド板が開くと前記読取値の出力に影響を与える位置に設けられている、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記他のイメージセンサに対向する前記背景白色板は、前記一のイメージセンサに対向する前記背景白色板の上流側に配置されている、
請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記判定手段は、
前記イメージセンサの夫々の読取値は、前記媒体の搬送方向に直交する方向である主走査方向において、読取領域を複数に分割し、各領域に対応して算出し、
各領域に対応する前記読取値と前記閾値とを比較し、
すべての領域において前記読取値が前記閾値以上であれば、前記搬送ガイド板を閉状態であると判定する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
所定の数の領域において前記読取値が前記閾値未満であれば、前記搬送ガイド板を開状態であると判定する、
請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記判定手段は、
前記画像の読取り動作の開始前に、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定し、
当該搬送ガイド板が開状態であると判定したときは前記読取り動作を停止し、
当該読取り動作を停止したことを示す通知を出力する、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記媒体搬送機構の開閉状態を検知する媒体搬送機構開閉検知センサを備え、
前記判定手段は、
前記通知を出力した後において前記媒体搬送機構が開状態から閉状態へ遷移したとき、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行する、
請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記判定手段は、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行した後、当該搬送ガイド板が閉状態であると判定したとき、前記通知の出力を停止する、
請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記判定手段は、
前記通知の出力を停止した後、前記読取り動作を再開する、
請求項8に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記判定手段は、
前記通知を出力した後において前記媒体搬送機構が開状態から閉状態へ遷移したとき、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行し、
所定の回数を繰り返して当該搬送ガイド板が開状態であると判定されたとき、
前記イメージセンサが異常であることを示す通知を出力する、
請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項11】
画像が形成されたシート状の媒体を搬送する媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、当該媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、前記画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、前記複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、前記複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、を備える画像読取装置において、搬送されている前記媒体に形成された前記画像を読み取る画像読取方法であって、
前記判定手段において、前記媒体の搬送前に、前記イメージセンサの夫々に対向する前記背景白色板に係る前記読取値を取得し、
当該読取値と前記閾値とを比較し、
比較結果に基づいて前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する、
ことを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シート状の媒体に記録された文章や画像を光学的に読み取る画像読取装置が知られている。画像読取装置には、媒体を読取り位置に搬送する媒体搬送機構を備え、画像読取り処理が終了した媒体は排出トレイに排出するものも知られている。
【0003】
カバー開閉状態を追加の部品を設けることなく検知するために、読取モジュールに設けられた複数の閾値(黒閾値および白閾値)を用いることでカバー開閉状態を精度よく検知可能な構成が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の構成では、読取モジュールの検出レベルでカバー開閉状態を検知することができる。しかし、わずかにしか開いていない開閉するカバーに対して適用する場合、部品ばらつきや繰り返し検出ばらつき等の影響により、カバー開閉状態の検出結果が不安定になる。その結果、従来構成によれば、カバーが閉まっているのにも関わらず、開いていると誤検知するといった問題は解消できていない。
【0005】
本発明では、媒体を搬送しながら当該媒体に形成されている画像を読み取る画像形成装置において、媒体の搬送路を形成するカバー部材の開閉状態の検知精度を高める画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、搬送されているシート状の媒体に形成された画像を読み取る画像読取装置に関し、前記媒体を搬送する媒体搬送機構と、当該媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、当該媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、前記画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、前記複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、前記複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記搬送路において前記媒体の搬送をする前に、前記イメージセンサの夫々に対向する前記背景白色板に係る前記読取値と前記閾値とを比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、媒体を搬送しながら当該媒体に形成されている画像を読み取る画像形成装置において、媒体の搬送路を形成するカバー部材の開閉状態の検知精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る画像読取装置の概要を示す図。
図2】画像読取装置の内部構造を示す図。
図3】画像読取装置に含まれる搬送ガイド板の開閉構造を示す図。
図4】画像読取装置に含まれる搬送ガイド板の閉状態を示す図。
図5】画像読取装置に含まれる搬送ガイド板の開状態を示す図。
図6】画像読取装置に含まれる媒体搬送機構の開閉状態を説明する図。
図7】搬送ガイド板の開閉状態を検知するためのセンサ出力の例を示す図。
図8】搬送ガイド板の開閉状態に基づくセンサ出力の組み合わせ例を説明する図。
図9】搬送ガイド板の開閉状態に基づくセンサ出力の組み合わせ例を説明する図。
図10】搬送ガイド板の開閉状態の判定処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像読取方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る画像読取装置の実施形態であるスキャナユニット100の概要を例示する図である。スキャナユニット100は、例えば、フラットベッド読取モード(載置原稿読取りモード)と、DF読取モード(搬送原稿読取りモード)の、2つの画像読取りモードを有し、これらを切り替えて動作させることができる構成を備えている。
【0010】
載置原稿読取りモードは、フラットベッドスキャナユニット1の上部のフラットベッドコンタクトガラス2の上に原稿を載置した状態で、ユーザーが、操作表示部(図示せず)に表示されているコピー開始ボタンなどを操作して、動作開始指示操作(画像読取りの開始要求操作)を行うことで、画像の読取り動作を実行する動作モードである。
【0011】
載置原稿読取りモードでは、開始要求操作がなされた後において、表面画像読取デバイス3を、フラットベッドコンタクトガラス2の上に載置された原稿(載置原稿)の副走査方向4に対して、モータやタイミングベルト等の駆動ユニットとガイドロッド等の進行保持部材を通して動作させて、載置原稿の画像を読み取る。
【0012】
搬送原稿読取りモードは、媒体搬送機構としてのADF20において、原稿載置トレイ21(原稿載置台)上に原稿シート束を積載した状態で、ユーザーが、操作表示部(図示せず)に表示されているコピー開始ボタンなどを操作して、動作開始指示操作(画像読取りの開始要求操作)を行うことで、画像の読取り動作を実行する動作モードである。
【0013】
搬送原稿読取りモードは、媒体搬送機構としてのADF20により、原稿載置トレイ21(原稿載置台)上に積載された原稿シート束から原稿シートを1枚ずつ分離して原稿搬送路22内に搬入し、原稿シートを原稿搬送路22に沿って搬送する。搬送中の原稿シートが、搬送方向の上流側部分から順次部分的に表面DFコンタクトガラス5の上面に対面するようになっている。搬送中の原稿シートが、搬送方向の上流側部分から順次部分的に表面DFコンタクトガラス5の上面に対面するようになっている。搬送原稿読取りモードでは、原稿シートの自動搬送中に表面画像読取デバイス3を表面DFコンタクトガラス5の真下に待機させ、ADF20により自動搬送される原稿(搬送原稿)の画像を読み取る。
【0014】
表面画像読取デバイス3に搭載されている表面読取モジュール6は、載置原稿読取りモードで画像読取り動作を実行するときに、フラットベッドコンタクトガラス2上の原稿(載置原稿)の画像面に対して、光を照射する。そして、表面読取モジュール6は、載置原稿の画像面からの反射光を画像信号に変換することにより、載置原稿の画像を読み取る。表面読取モジュール6は、周知の光源・レンズ・センサ等が一体化した密着イメージセンサ(等倍光学系)や光源・レンズ・センサに加え、複数のミラーで原稿からの反射光を折り返すCCD/CMOS方式(縮小光学系)等が用いられる。
【0015】
ADF20は、フラットベッドスキャナユニット1の上面側の後部(背面側の部分)にヒンジ等の開閉機構(図1において図示せず)を介して取り付けられている。また、ADF20は、フラットベッドスキャナユニット1に対してフラットベッドコンタクトガラス2上を開放する開位置と、フラットベッドコンタクトガラス2上の原稿を押付け可能な閉位置とを採り得るようになっている。
【0016】
搬送原稿読取りモードにおいて、原稿載置トレイ21には、シート状の媒体が束ねられて形成されている原稿シート束が載置される。原稿載置トレイに画像読取り対象物としての原稿シートを載置することを、「ADF20にセットする」と表記する。原稿載置トレイ21には、ADF20にセットされた原稿シート束から1枚の原稿シートを分離して給紙する方向と直交するシート幅方向において、原稿シートの幅方向の位置決めをする原稿サイドガイド23が装着されている。原稿サイドガイド23は、例えば、シート幅方向において可動可能であって、原稿シートを幅方向において双方から挟持するように可動する。
【0017】
これら原稿サイドガイド23は、原稿載置トレイ21と原稿シートの幅方向の中心を一致させるように相対的に接近および離隔可能である。ただし、原稿サイドガイド23は、原稿載置トレイ21の一方の縁部側に原稿シートの一方の縁部を当接させて他方の縁部側のみを移動可能に配置したものでもよい。
【0018】
ADF20は、少なくともその上方を開閉可能としたカバー40により覆われている。 このカバー40は、原稿シートの先端がそのカバー40内に入るように原稿載置トレイ21の給紙側の端部付近の上方を覆っている。さらに、ADF20の原稿搬送路22を形成する主要なガイド部分は、カバー40に形成されたリブ等によって形成されている。
【0019】
一方、ADF20は、原稿載置トレイ21上にセットされた原稿を給紙方向に呼び出す呼出ローラ24と、呼出ローラ24で給紙方向に呼び出された原稿を原稿搬送路22に向けて送るためのフィードローラ25および図示しない分離パッドを備えている。
【0020】
また、ADF20は、フィードローラ25によって原稿搬送路22内に給紙された原稿を表面DFコンタクトガラス5上に画像読取り可能な姿勢で搬送し、画像読取り後の原稿を排出口36まで搬送する原稿搬送部としての搬送部27を備えている。
【0021】
この搬送部27は、フィードローラ25等により分離・搬入された原稿シートを原稿搬送路22に沿って折り返すように反転させるとともに、表面DFコンタクトガラス5の上面の所定の読取位置を通過するように、原稿シートを搬送する。そのような原稿搬送のために、原稿搬送路22のうち表面DFコンタクトガラス5より上流側には、複数の搬送ローラと、原稿シートの搬送方向の先端を検知するレジストセンサ30とが設けられている。
【0022】
フィードローラ25等により分離された原稿シートは、搬送駆動ローラ28a/搬送従動ローラ28bや搬送駆動ローラ29a/搬送従動ローラ29bにより表面DFコンタクトガラス5上を通るように搬送される。搬送された原稿シートは、レジストセンサ30による原稿シートの先端検知タイミングを基に、表面読取モジュール6により適時に、原稿シートの表面側に形成されている画像(以下「原稿表面画像」とする。)が読み取られる。搬送駆動ローラ28aや搬送駆動ローラ29aは給紙搬送モータからの駆動トルクを伝達しているローラである。搬送従動ローラ28bや搬送従動ローラ29bは、バネ等で搬送駆動ローラ28aや搬送駆動ローラ29aへ加圧されることで、原稿搬送ニップ面を形成するローラである。以下の説明において、搬送駆動ローラ28aや搬送駆動ローラ29a及び搬送従動ローラ28bや搬送従動ローラ29bを用いるときにも、上記と同様の構成を前提とする。
【0023】
例えば、原稿シートの搬送方向における先端がレジストセンサ30により検知されると、搬送駆動ローラ28a及び搬送駆動ローラ29aの駆動源である給紙搬送モータを回転させるパルス信号の数(パルスカウント)に基づいて、原稿シートの先端位置の検出が可能になる。すなわち、給紙搬送モータのパルスカウントによって、原稿シートの先端位置が表面DFコンタクトガラス5上の読取位置に達するタイミングが特定される。そして、判定手段を構成するADF20のコントローラ(ADF制御部150)からフラットベッドスキャナユニット1のコントローラ(スキャナ制御部160)に、原稿の表面の副走査方向での有効画像領域を示すゲート信号が送信され始め、その原稿の後端位置が読取位置を通過するまでゲート信号が送信され続ける。
【0024】
また、搬送原稿読取りモードにおける表面読取モジュール6の対向する位置には、背景白色板としての表面白色ガイド部材31が配置されている。
【0025】
原稿シートの裏面画像の読取りが要求される場合、裏面画像は、裏面読取用の密着型イメージセンサ等の裏面読取モジュール32や裏面DFコンタクトガラス33からなる裏面画像読取デバイス34によって読み取られる。
【0026】
裏面読取モジュール32は、光源部と、センサチップと、増幅部と、を備えている。光源部は、コントローラからの点灯信号に基づいて原稿シートに光を照射する。センサチップは、複数備わっていて、原稿シートからの反射光を受光する。増幅部は、複数備わっていて、各センサチップから出力された信号を増幅する。
【0027】
また、裏面読取モジュール32は、A/D変換部と、画像処理部も備えている。A/D変換部は、増幅部で増幅された信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。画像処理部は、デジタル変換された信号に画像処理を施す。
【0028】
さらに、裏面読取モジュール32は、ADF制御部150からのタイミング信号に基づいてフレームメモリに記憶された信号の出力制御を行う出力制御回路や、出力制御回路からの信号を装置本体側に出力するインターフェース回路等を有している。なお、裏面読取モジュール32には、ADF制御部150から電源が供給されるようになっている。
【0029】
裏面読取モジュール32による裏面画像読取りのタイミングも、表面側の画像読取りタイミングと同様に制御され、読取り後の原稿は、原稿排紙トレイ39に排紙されるようになっている。
【0030】
原稿搬送路22のうち表面DFコンタクトガラス5より下流側には、表面側の画像読取済み原稿シートを裏面読取モジュール32側に搬送する搬送駆動ローラ35a/搬送従動ローラ35bが設けられている。そして、搬送駆動ローラ35a/搬送従動ローラ35bの下流側には、裏面読取モジュール32に対向する裏面白色ガイド部材37と、裏面白色ガイド部材37より下流側に排紙駆動ローラ38a/搬送従動ローラ38bと、がそれぞれ設けられている。
【0031】
これら搬送ローラ群の配置数や配置場所、主走査方向のローラの配置数等は、原稿搬送路22の経路設定条件や、最小サイズの原稿シートの搬送方向の長さ等に応じて任意に設定可能である。
【0032】
また、ADF20に原稿シート、又は原稿シート束がセットされている場合、自動的に搬送原稿読取りモードが選択される構成となっていることが多い。ただし、公知であるADF20の開閉を検知する開閉検知センサの公知の構成では、ADF20が開状態の場合は、ADF20に原稿シートがセットされているかに関わらず、搬送原稿読取りモードで動作するものがある。
【0033】
[本発明に係る特徴部分の構成]
次に、本発明に係る特徴部分の構成について説明する。図2は、本実施形態に係るADF20の一部分を拡大した拡大断面図である。図2に示すように、ADF20は、その一部分に相当する構成であって、排紙駆動ローラ38a/搬送従動ローラ38b、背景白色板としての裏面白色ガイド部材37が一体化された構成が、開閉可能な構成になっている。このADF20の一部分に相当する開閉可能な構成を「開閉ガイド板110」と表記する。
【0034】
なお、ADF20を、フラットベッドスキャナユニット1の上面側の後部(背面側の部分)に設けられているヒンジ等の開閉機構により、フラットベッドコンタクトガラス2から離間する状態(持ち上げた状態)にできる。開閉ガイド板110は、ADF20をフラットベッドコンタクトガラス2から離間させた状態において、図2(b)に例示するように、開くことができるように構成されている。
【0035】
開閉ガイド板110を開くことで、排紙駆動ローラ38a/搬送従動ローラ38bを離間させて、これらの挟持圧の解除することができる。すなわち、ADF20において原稿ジャムが発生した場合に、多くは、搬送部27の途中で原稿シートが滞っている状態になる。この場合、ADF20を持ち上げて、開閉ガイド板110を下方(フラットベッドコンタクトガラス2の方)に開くことで、ジャムによってとどまっている原稿シートを容易に除去することができる。すなわち、開閉ガイド板110によって、搬送不良(ジャム)になった原稿シートの除去性が向上される。また、開閉ガイド板110を開くことによって、裏面画像読取デバイス34が有する裏面DFコンタクトガラス33を容易に清掃できる状態になる。ここで開閉ガイド板110はFBスキャナ側の真上(ADF20の底面側)にあるものとする。
【0036】
[開閉ガイド板110の詳細]
図3(a)は、開閉ガイド板110を上方(搬送部27を境界にしてフィードローラ25などが配置されている側の上とした場合の上の方)から見た図である。図3(b)は、開閉ガイド板110の上流側レバー105、後側回転軸103及び後側勘合軸107側の拡大図である。図3(c)は、上流側レバー105と後側勘合軸107の嵌合部分の拡大図である。
【0037】
図3(a)に示すように、開閉ガイド板110は、後側回転軸103と前側回転軸104とが、後側板101及び前側板102と、嵌合することで、回転軸支点となり、開閉方向に回転可能な構成となっている。
【0038】
また、図3(b)及び図3(c)に示すように、開閉ガイド板110に設けられた上流側レバー105が後側板101に設けられた後側勘合軸107と嵌合し、下流側レバー106が前側板102に設けられた前側勘合軸108、と嵌合する。これらレバーと軸との嵌合によって、開閉ガイド板110は、閉状態を保つことができるように構成されている。なお、上記において例示した部材に係る嵌合の形態はスナップフィット形状等の他、開閉ガイド板110を閉状態に保つことができる方式であれば、それを用いてもよい。
【0039】
図4は、開閉ガイド板110が閉状態にあるときの様子を例示している。すでに説明したとおり、開閉ガイド板110が閉状態にあるときは、開閉ガイド板110が備える上流側レバー105(図3を参照)および下流側レバー106(図3を参照)が後側勘合軸107(図3を参照)および前側勘合軸108(図3を参照)と正常に嵌合している。
【0040】
図4に示すように、開閉ガイド板110が閉状態にある開閉ガイド板110は、裏面白色ガイド部材37にある隙間生成部109(図3参照)が裏面DFコンタクトガラス33に付勢されており、裏面白色ガイド部材37と裏面DFコンタクトガラス33の間は一定の隙間量200が形成されている。なお隙間生成部109は裏面白色ガイド部材37と一体形状でもよいし、別部品を貼り付ける等してもよい。また、図示は省略するが、表面白色ガイド部材31にも、裏面白色ガイド部材37に対する隙間生成部109と同様の構成が設けられているものとする。開閉ガイド板110が閉状態であるとき、ADF20全体もまた閉状態となっている。この場合、表面DFコンタクトガラス5と表面白色ガイド部材31の間も一定の隙間量201を有する状態になる。
【0041】
一方、図5は、開閉ガイド板110が開状態にあるときの様子を例示している。図5に示すように、開閉ガイド板110が開状態のとき、上流側レバー105と後側勘合軸107との嵌合、及び、下流側レバー106と前側勘合軸108との嵌合が不完全である。開閉ガイド板110が開状態のときは、例えば、開閉ガイド板110の一部がフラットベッドコンタクトガラス2の上に、図5中において点線丸部202で示したような乗り上げ状態になる。
【0042】
開状態の開閉ガイド板110において、裏面白色ガイド部材37と裏面DFコンタクトガラス33の隙間は、隙間量200よりも広がった隙間量203になる。
【0043】
さらに、図5中の点線丸部202で示したような乗り上げの影響により、ADF20全体もフラットベッドスキャナユニット1に対して浮いた状態になる。その結果、表面DFコンタクトガラス5と表面白色ガイド部材31の隙間は、隙間量201よりも広がった隙間量204になる。
【0044】
本実施形態において、開閉ガイド板110はADF20の底面に位置する。したがって、開閉ガイド板110が備える上流側レバー105と後側勘合軸107との嵌合、下流側レバー106と前側勘合軸108との嵌合、これらのいずれか又は両方の嵌合が外れた場合でもADF20は自重によってある程度閉まる。すなわち、開閉ガイド板110は、半開き状態になることが想定される。
【0045】
ADF20は、フラットベッドスキャナユニット1に対して底面を載置した状態の「閉状態」と、フラットベッドスキャナユニット1に対して底面を離間させた「開状態」を検知するための媒体搬送機構開閉検知センサ170を備えている。
【0046】
図6に示すように、ADF20が多少浮いているとしても(半開き状態だとしても)、ADF20の媒体搬送機構開閉検知センサ170により開閉検知においては、ADF20は綴じている状態(ADF閉状態)として検知される領域に、ADF20が位置することがある。
【0047】
以上を前提に、本実施形態に係る開閉ガイド板110の開閉状態の検知方法について説明する。搬送原稿読取りモードが選択された場合、原稿シートの搬送を開始する前に、表面読取モジュール6の光源を点灯させ、表面白色ガイド部材31の反射光を読み取る。同様に裏面読取モジュール32の光源を点灯させ、裏面白色ガイド部材37の反射光を読み取る。ここで、予め開閉ガイド板110が閉状態であるときに、表面白色ガイド部材31及び裏面白色ガイド部材37からの反射光のばらつきを考慮して決定した閾値をメモリに保存しておき、搬送前の読取結果と閾値を比較することで開閉状態を検知する。
【0048】
表面読取モジュール6と表面白色ガイド部材31との隙間、または、裏面読取モジュール32と裏面白色ガイド部材37との隙間、若しくは双方の隙間が広がった場合、反射光の量が少なくなる。すなわち、画像の読取値(画素値)が低下することになる。ここで、読取値(画素値)は通常0から255の間の値であって、反射光が強くなるにつれて値が255に近づくものとされる。
【0049】
例えば、搬送原稿読取りモードの原稿搬送前の開閉検知に用いる反射光データは主走査全体に対して取得し、主走査をある一定ブロックで分割したうえで閾値との比較に用いる。閾値は分割された主走査ブロック毎に予め設定してもよいし、全ての主走査ブロックにおいて一律の値としてもよい。また、分割された表面白色ガイド部材31の反射光データ、分割された裏面白色ガイド部材37の反射光データ、それぞれの読取値と上記の閾値との比較結果は、主走査ブロックの全体が閾値以上である場合には、「閉状態である」と判定すればよい。また、比較結果において、読取値が閾値未満である場合には、「開状態である」と判定してもよい。
【0050】
また、ある一定数以上の主走査ブロックの読取値が閾値未満であれば開状態と判定してもよい。また、閾値との比較には、各主走査ブロックの読取値の平均値や中央値、ピーク値を用いてもよい。さらに、主走査方向においてブロックでの分割をせずに、主走査領域全体の、読取値の平均値や中央値、ピーク値を用いて判定してもよい。ここで、主走査方向全体は基本的には画像の有効読取領域を意味している。ただし、画像の有効読取領域の一部を使用して検知してもよい。
【0051】
図7に、表面白色ガイド部材31の反射光データの読取値、分割された裏面白色ガイド部材37の反射光データの読取値の例の測定結果を例示している。図7に例示する閾値300は、主走査の全ブロックに対して一律の値であるものとする。
【0052】
図7(a)は、開閉ガイド板110が閉状態の場合の読取値としての読取りモジュール出力301を例示している。読取りモジュール出力301の値は、閾値300以上の値になる。
【0053】
図7(b)は、開閉ガイド板110が開状態の場合の読取値としての読取りモジュール出力302を例示している。読取りモジュール出力302の値は、閾値300未満の値になる。
【0054】
また、図7(c)は、開閉ガイド板110が半開き状態の場合の読取値としての読取りモジュール出力303を例示している。読取りモジュール出力303の値は、主走査全体においては、閾値300以上と、閾値300未満となる部分がある。このように、反射光データの読取値が主走査方向において閾値300を前後するようなケースの場合、例えば分割した領域毎に平均値や中央値、ピーク値を算出して、3ブロック以上が閾値未満であれば開状態と判定するような設定としてもよい。
【0055】
以上説明のとおり、本実施形態に係るフラットベッドスキャナユニット1は、半開きにより読取モジュールの読取値が不安定な出力となっていても、表面読取モジュール6と裏面読取モジュール32のそれぞれの読取値を用いることで精度を向上することが特徴となっている。例えば、図8に例示する表のように、裏面読取モジュール32の読取値に基づく判定結果と、表面読取モジュール6の読取値に基づく判定結果の組み合わせによって、読取状態を区別する。この場合、裏面読取モジュール32の読取値に基づく判定結果と、表面読取モジュール6の読取値に基づく判定結果がいずれも閉状態であると判定されたとき(閉検知となったとき)、最終判定として閉検知と判定する。裏面読取モジュール32と表面読取モジュール6の両方の読取値の判定結果の一方が開状態であると判定されたとき(開検知となったとき)は、最終判定を開検知と判定する。
【0056】
次に、本実施形態に係るフラットベッドスキャナユニット1において、ADF20の開閉状態の検知精度をさらに向上させる方法について説明する。
【0057】
すでに説明をした開閉状態の検知制御では、裏面読取モジュール32又は表面読取モジュール6のいずれか一方、若しくは両方が故障し、それぞれの読取値が閾値300以下になった場合との区別がつかない可能性がある。すなわち、図9(a)に例示する表のように、開検知状態として判定されるときに、裏面読取モジュール32と表面読取モジュール6の故障や異常の可能性を否定できない。
【0058】
そこで、表面読取モジュール6に関しては、故障検知フローを追加する。従来、フラットベットスキャナ側に設けられ表面読取モジュール6は、載置原稿読取りモードと搬送原稿読取りモードの両方において、原稿読取もしくは原稿搬送動作開始前に、シェーディング補正動作を実行した後に、DF読取位置へ移動し、読取動作を開始する。シェーディング補正動作を行うとき、表面読取モジュール6は、シート状の白基準部材7の真下に移動し、光量バラつきや感度ムラに対する光量調整や白レベルデータ及び黒レベルデータを取得する。そして、取得した白レベルデータ及び黒レベルデータに基づいて読取データを補正するシェーディング補正を行う。このシェーディング補正動作中に表面読取モジュール6の故障検知も一緒に実施される場合が多い。
【0059】
故障検知は表面読取モジュール6において白基準部材7を読取り、そのレベルが故障検知の基準として予め設定している閾値に対して、閾値以上であれば正常、閾値未満であれば異常、つまり表面読取モジュールの故障や異常と判定する。白基準部材7はフラットベッドスキャナユニット1内に存在するため、開閉ガイド板110やADF20の開閉状態に依存しない結果となっている。また、故障検知においても主走査読取値の取り扱いや閾値の設定については、上述の開閉ガイド板110の開閉検知と同様の方式である。表面読取モジュールについて故障検知を取り入れることで、図9(b)に示す表のように検知パターンを絞ることができる。
【0060】
[開閉ガイド板110の開閉検知フロー]
次に、開閉ガイド板110の開閉検知処理の流れについて、図10のフローチャートを用いて説明する。開閉ガイド板110の開閉検知処理は、ADF制御部150において実行される制御処理の一例である。まず、開閉ガイド板110が開状態であると判定した場合において、原稿シートの搬送動作を停止し、ユーザーに、開閉ガイド板110が「開状態」である可能性を通知する(S1001)。
【0061】
ステップS1001における通知処理に続いて、ユーザーに対し、ポップアップやアニメなどで、開閉ガイド板110を閉じるように通知を出し(S1002)、ユーザーが画面を確認して閉状態の処理を実施した上で、通知画面に含まれている「OK」ボタンを操作することで消えるような表示を用いて通知してもよい(S1002)。
【0062】
開閉ガイド板110はADF底面にあるので、きちんと閉めるためには、ADF20を一度開いてから開閉ガイド板110を閉めて、ADF20を閉じるという動作が発生する。
【0063】
そこで、ユーザーが画面表示に従い開閉ガイド板を閉める処理を行ったか否かを媒体搬送機構開閉検知センサ170の出力値の遷移によって判定する。媒体搬送機構開閉検知センサ170の出力が閉状態(通知時)→開状態→閉状態と遷移する(S1003)。そこで、ユーザーへの通知後に媒体搬送機構開閉検知センサ170が開状態→閉状態への遷移を検知した場合に、自動で開閉ガイド板の開閉検知を再実行し(S1004)、開閉ガイド板が閉まっていれば(S1005:YES)スキャンを再開するような構成としてもよい(S1006)。
【0064】
また、再実施後も開閉ガイド板が『開状態』と判定される場合は(S1005:NO)、再度通知を出す(もしくは出したままにする)か(S1007:NO)、ある決められたN回の開閉検知を実施した後でも、『開検知』となる場合は(S1007:YES)、故障や異常が発生した可能性がある旨を表示させてもよい
【0065】
なお、上記に説明したADF制御部150による制御方法は、すでに説明のとおり、コンピュータのハードウェア資源をとコンピュータソフトウェアとしてのプログラムとの協働により実現される。すなわち、制御方法は、プログラムに基づいて、演算装置、記憶装置、入力装置、出力装置、及び、制御装置を協働して動作させて、コンピュータが実行する方法である。また、プログラムは、記憶装置、又は、記憶媒体等に書き込まれて配布、又は、電気通信回線等を通じて配布されてもよい。
【0066】
そして、本発明は、上記に例示する各実施形態に限定されるものではなく、その技術的要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。上記実施形態は、好適な例を示したものであるが、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現することが可能である。そのような変形例も、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【0067】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<態様1>
搬送されているシート状の媒体に形成された画像を読み取る画像読取装置であって、
前記媒体を搬送する媒体搬送機構と、
当該媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、当該媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、
前記画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、
前記複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、
前記複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記搬送路において前記媒体の搬送をする前に、前記イメージセンサの夫々に対向する前記背景白色板に係る前記読取値と前記閾値とを比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する、
ことを特徴とする画像読取装置である。
<態様2>
前記搬送ガイド板は、前記媒体を前記イメージセンサの位置まで搬送する原稿搬送部の底面に位置し、
一の前記イメージセンサは、前記搬送ガイド板に対応する前記原稿搬送部の内部に設けられ、
他の前記イメージセンサは、前記搬送ガイド板が開くと前記読取値の出力に影響を与える位置に設けられている、
上記態様1に記載の画像読取装置である。
<態様3>
前記他のイメージセンサに対向する前記背景白色板は、前記一のイメージセンサに対向する前記背景白色板の上流側に配置されている、
上記態様2に記載の画像読取装置である。
<態様4>
前記判定手段は、
前記イメージセンサの夫々の読取値は、前記媒体の搬送方向に直交する方向である主走査方向において、読取領域を複数に分割し、各領域に対応して算出し、
各領域に対応する前記読取値と前記閾値とを比較し、
すべての領域において前記読取値が前記閾値以上であれば、前記搬送ガイド板を閉状態であると判定する、
上記態様1乃至3のいずれか一つに記載の画像読取装置である。
<態様5>
前記判定手段は、
所定の数の領域において前記読取値が前記閾値未満であれば、前記搬送ガイド板を開状態であると判定する、
上記態様4に記載の画像読取装置である。
<態様6>
前記判定手段は、
前記画像の読取り動作の開始前に、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定し、
当該搬送ガイド板が開状態であると判定したときは前記読取り動作を停止し、
当該読取り動作を停止したことを示す通知を出力する、
上記態様1乃至5のいずれか一つに記載の画像読取装置である。
<態様7>
前記媒体搬送機構の開閉状態を検知する媒体搬送機構開閉検知センサを備え、
前記判定手段は、
前記通知を出力した後において前記媒体搬送機構が開状態から閉状態へ遷移したとき、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行する、
上記態様6に記載の画像読取装置である。
<態様8>
前記判定手段は、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行した後、当該搬送ガイド板が閉状態であると判定したとき、前記通知の出力を停止する、
上記態様7に記載の画像読取装置である。
<態様9>
前記判定手段は、
前記通知の出力を停止した後、前記読取り動作を再開する、
上記態様8に記載の画像読取装置である。
<態様10>
前記判定手段は、
前記通知を出力した後において前記媒体搬送機構が開状態から閉状態へ遷移したとき、
前記搬送ガイド板の開閉検知を実行し、
所定の回数を繰り返して当該搬送ガイド板が開状態であると判定されたとき、
前記イメージセンサが異常であることを示す通知を出力する、
上記態様6に記載の画像読取装置である。
<態様11>
画像が形成されたシート状の媒体を搬送する媒体搬送機構に設けられた搬送路を形成し、当該媒体搬送機構に対し開閉可能な搬送ガイド板と、前記画像を光学的に読み取る複数のイメージセンサと、前記複数のイメージセンサに夫々対向する背景白色板と、前記複数のイメージセンサの夫々の読取値を所定の閾値と比較し、前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する判定手段と、を備える画像読取装置において、搬送されている前記媒体に形成された前記画像を読み取る画像読取方法であって、
前記判定手段において、前記媒体の搬送前に、前記イメージセンサの夫々に対向する前記背景白色板に係る前記読取値を取得し、
当該読取値と前記閾値とを比較し、
比較結果に基づいて前記搬送ガイド板の開閉状態を判定する、
ことを特徴とする画像読取方法である。
【符号の説明】
【0068】
100 :スキャナユニット
101 :後側板
102 :前側板
103 :後側回転軸
104 :前側回転軸
105 :上流側レバー
106 :下流側レバー
107 :後側勘合軸
108 :前側勘合軸
109 :隙間生成部
110 :開閉ガイド板
150 :ADF制御部
170 :媒体搬送機構開閉検知センサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【特許文献1】特開2023-157273号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10