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特開2025-1652蒸気圧モニタリングのための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001652
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】蒸気圧モニタリングのための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 19/00 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
G01L19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024097381
(22)【出願日】2024-06-17
(31)【優先権主張番号】63/522,103
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ニルマル・ゴクルダス・ウェイコール
(72)【発明者】
【氏名】チ・チ
(72)【発明者】
【氏名】シュレヤンス・ケディア
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA39
2F055BB20
2F055CC60
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF38
2F055GG11
2F055HH05
(57)【要約】
【課題】本技術の様々な実施形態は、半導体製造ツールにおける蒸気圧モニタリングのための方法および装置を提供する。
【解決手段】装置は、化学物質を収容する容器と、ガスラインへと接続された出口とを含んでもよく、ガスラインは、反応器へと接続された第1のセクションと、排気ポートに接続された第2のセクションとを含む。ガスラインはまた、圧力センサへと接続された第3のセクションも含んでもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
ガスラインと、
前記ガスラインのセグメントを囲む金属体であって、
前記金属体内に埋め込まれたヒーターロッドと、
前記金属体へと接続された第1の熱電対と、を備える金属体と、
前記金属体の一部分を囲む絶縁体と、を備える、装置。
【請求項2】
前記ヒーターロッドの一部分が、前記金属体の外側に延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記絶縁体が、前記金属体の外側に延在する前記ヒーターロッドの前記一部分を囲む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記絶縁体が、空隙によって前記金属体から分離される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ガスラインが、前記絶縁体を通して延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記金属体が、ステンレス鋼から形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記金属体が、第2の熱電対をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記金属体が、第2の熱電対をさらに備え、かつ前記第1の熱電対が、前記金属体の第1の側に配設され、前記第2の熱電対が、前記金属体の前記第1の側とは反対側の第2の側に配設される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
装置であって、
第1の貫通穴を有する第1の壁を備える第1のキャビネットと、
前記第1のキャビネット内に配置され、かつ前記第1の壁と平行な第2の壁を備える第2のキャビネットであって、前記第2の壁が、前記第1の貫通穴と整列された第2の貫通穴を備える、第2のキャビネットと、
前記第1および第2の貫通穴を通して配置され、かつ延在するフィードスルーデバイスを備えるガスラインシステムであって、前記フィードスルーデバイスが、
ガスラインと、
前記ガスラインのセグメントを囲む金属体であって、
前記金属体内に埋め込まれた第1のセクションと、前記金属体の外側に延びる第2のセクションと、を備えるヒーターロッドと、
前記金属体へと接続された第1の熱電対と、を備える金属体と、を備えるガスラインシステムと、
前記金属体の一部分および前記ヒーターロッドの前記第2のセクションを囲む絶縁体と、を備える、装置。
【請求項10】
前記金属体が、第2の熱電対をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記金属体が、ステンレス鋼から形成される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記絶縁体がポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記第2のキャビネットが、空隙によって前記第1のキャビネットから分離される、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
前記ガスラインへと連結され、かつ前記第1のキャビネットの外側に配置された圧力センサをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
システムであって、
反応器と、
第1の貫通穴を有する第1の壁を備える第1のキャビネットと、
前記第1のキャビネット内に配置され、かつ前記第1の壁と平行な第2の壁を備える第2のキャビネットであって、前記第2の壁が、前記第1の貫通穴と整列された第2の貫通穴を備え、前記第2のキャビネットが、空隙によって前記第1のキャビネットから分離されている、第2のキャビネットと、
前記第2のキャビネット内に配置された容器と、
前記容器へと接続され、かつ前記第1および第2の貫通穴内に配置されたガスラインであって、
前記反応器へと接続された第1のセクションと、
排気ポートへと接続された第2のセクションと、
圧力センサへと接続された第3のセクションであって、前記第1および第2のエンクロージャを通して延在し、かつ前記圧力センサが、前記第2のエンクロージャの外側に配置される、第3のセクションと、を備える、ガスラインとを備える、システム。
【請求項16】
前記第3のセクションが、前記第1および第2の貫通穴を通して配置され、かつ延在するフィードスルーデバイスを備え、前記フィードスルーデバイスが、
ガスラインと、
前記ガスラインのセグメントを囲む金属体と、を備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記金属体が、
前記金属体内に埋め込まれた第1のセクションと、前記金属体の外側に延びる第2のセクションとを備えるヒーターロッドと、
前記金属体に接続された第1の熱電対と、を備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記金属体の一部分および前記ヒーターロッドの前記第2のセクションを囲む絶縁体をさらに備え、前記絶縁体がポリエーテルエーテルケトンを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記金属体が、前記第1の熱電対の反対側の第2の熱電対をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記金属体がステンレス鋼から形成される、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、蒸気圧モニタリングのための方法および装置に関する。より具体的には、本開示は、フィードスルーガスラインを受容するための貫通穴を有するエンクロージャに関し、フィードスルーガスラインは内部発熱体を有し、またフィードスルーガスラインはエンクロージャの外側に位置する圧力センサへと連結される。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体製造システムは、凝縮を引き起こす低温スポットを有するガスラインを伴っており、これはウエハ上の不均一な堆積につながる場合がある。加えて、蒸気圧が低い場合、ガスラインを通した蒸気圧の測定は不正確である。
【発明の概要】
【0003】
本技術の様々な実施形態は、半導体製造ツールにおける蒸気圧モニタリングのための方法および装置を提供する場合がある。装置は、化学物質を収容する容器と、ガスラインへと接続された出口とを含んでもよく、ガスラインは、反応器へと接続された第1のセクションと、排気ポートに接続された第2のセクションとを含む。ガスラインはまた、圧力モニターへと接続された第3のセクションも含んでもよい。
【0004】
一態様では、装置は、ガスラインと、ガスラインのセグメントを囲む金属体であって、金属体内に埋め込まれたヒーターロッドと、金属体に接続された第1の熱電対と、を備える金属体と、金属体の一部分を囲む絶縁体とを備える。
【0005】
一実施形態では、ヒーターロッドの一部分は金属体の外側に延在する。
【0006】
一実施形態では、絶縁体は、金属体の外側に延在するヒーターロッドの一部分を囲む。
【0007】
一実施形態では、絶縁体は、空隙によって金属体から分離される。
【0008】
一実施形態では、ガスラインは、絶縁体を通して延在する。
【0009】
一実施形態では、金属体は、ステンレス鋼から形成される。
【0010】
一実施形態では、金属体は、第2の熱電対をさらに備える。
【0011】
一実施形態では、金属体は、第2の熱電対をさらに備え、そして第1の熱電対は、金属体の第1の側に配設され、また第2の熱電対は、金属体の第1の側とは反対側の第2の側に配置される。
【0012】
別の態様では、装置は、第1の貫通穴を有する第1の壁を備える第1のキャビネットと、第1のキャビネット内に配置され、かつ第1の壁と平行な第2の壁を備える、第2のキャビネットであって、第2の壁が、第1の貫通穴と整列した第2の貫通穴を備える、第2のキャビネットと、第1および第2の貫通穴を通して配置され、かつ延在するフィードスルーデバイスを備えるガスラインシステムであって、フィードスルーデバイスが、ガスラインと、ガスラインのセグメントを囲む金属体と、を備え、金属体が、金属体内に埋め込まれた第1のセクションと、金属体の外側に延在する第2のセクションとを備えるヒーターロッドと、金属体に接続された第1の熱電対と、金属体の一部分およびヒーターロッドの第2のセクションを囲む絶縁体と、を備える、ガスラインシステムと、を備える。
【0013】
一実施形態では、金属体は、第2の熱電対をさらに備える。
【0014】
一実施形態では、金属体は、ステンレス鋼から形成される。
【0015】
一実施形態では、絶縁体は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0016】
一実施形態では、第2のキャビネットは、空隙によって第1のキャビネットから分離される。
【0017】
一実施形態では、装置は、ガスラインに連結され、かつ第1のキャビネットの外側に配置された圧力センサをさらに備える。
【0018】
また別の態様では、システムは、反応器と、第1の貫通穴を有する第1の壁を備える第1のキャビネットと、第1のキャビネット内に配置され、かつ第1の壁と平行な第2の壁を備える、第2のキャビネットであって、第2の壁が、第1の貫通穴と整列した第2の貫通穴を備え、第1のキャビネットから空隙によって分離された、第2のキャビネットと、第2のキャビネット内に配置された容器と、容器へと接続され、かつ第1および第2の貫通穴内に配置されたガスラインであって、反応器へと接続された第1のセクションと、排気ポートへと接続された第2のセクションと、圧力センサへと接続された第3のセクションと、を備え、第3のセクションが、第1および第2のエンクロージャを通して延在し、かつ圧力センサが、第2のエンクロージャの外側に配置されるガスラインと、を備える。
【0019】
一実施形態では、第3のセクションは、第1および第2の貫通穴を通して配置され、かつ延在するフィードスルーデバイスを備え、フィードスルーデバイスは、ガスラインと、ガスラインのセグメントを囲む金属体とを備える。
【0020】
一実施形態では、金属体は、金属体内に埋め込まれた第1のセクションと、金属体の外側に延在する第2のセクションとを備えるヒーターロッドと、金属体へと接続された第1の熱電対とを備える。
【0021】
一実施形態では、システムは、金属体の一部分およびヒーターロッドの第2のセクションを囲む絶縁体をさらに備え、絶縁体はポリエーテルエーテルケトンを含む。
【0022】
一実施形態では、金属体は、第1の熱電対の反対側の第2の熱電対をさらに備える。
【0023】
一実施形態では、金属体は、ステンレス鋼から形成される。
【0024】
本技術のより完全な理解は、以下の例示的な図面に関連して考慮される時に、発明を実施するための形態を参照することによって得られる場合がある。以下の図では、同様の参照番号は、図全体を通して、同様の要素および工程を指す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本技術の様々な実施形態によるシステムを、代表的に図示する。
図2A図2Aは、本技術の様々な実施形態によるシステムのエンクロージャの一部分の斜視図を代表的に図示する。
図2B図2Bは、本技術の様々な実施形態によるエンクロージャの側面図を、代表的に図示する。
図3図3は、本技術の様々な実施形態によるガスラインのフィードスルーセクションを、代表的に図示する。
図4図4は、本技術の様々な実施形態によるフィードスルーセクションの断面図を図示する。
図5図5は、本技術の様々な実施形態によるフィードスルーセクションの断面図である。
図6図6は、本技術の様々な実施形態による、システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本技術は、機能ブロックの構成要素、および様々なプロセッシング工程に関して記述される場合がある。こうした機能ブロックは、特定された機能を実施するように、また様々な結果を達成するように構成された、任意の数の構成要素によって実現されてもよい。
【0027】
様々な実施形態では、また図1および図2を参照すると、システム100は、第1のエンクロージャ105(例えば、キャビネット)および第2のエンクロージャ200(例えば、キャビネット)を備えてもよい。各エンクロージャ105、200は、複数の側壁、底部、および上部を備えてもよい。第1のエンクロージャ105は、第2のエンクロージャ200を囲んでもよく、また第2のエンクロージャ200は、空隙210によって第1のエンクロージャ105から分離されてもよい。第1のエンクロージャ105および第2のエンクロージャ200は、ステンレス鋼またはこれに類するものなどの金属材料から形成されてもよい。第1のエンクロージャ105は、第1のエンクロージャ105の垂直に向けられた側壁内に第1の貫通穴135を備えてもよい。同様に、第2のエンクロージャ200は、第1の貫通穴135が第2の貫通穴205と水平に整列するように、第2のエンクロージャの垂直に向けられた側壁内に第2の貫通穴205を備えてもよい。
【0028】
第2のエンクロージャ200は加熱されていてもよい。例えば、システム100は、放射熱源、対流熱源、伝導熱源、または第2のエンクロージャ200の内部を加熱するための他の好適な熱源などの、第2のエンクロージャ200内またはその近くに配置された加熱システム(図示せず)を備えてもよい。
【0029】
様々な実施形態では、システム100は、第2のエンクロージャ200内に配置された容器110をさらに備えてもよい。容器110は、化学物質を保持するか、またはそうでなければ収容するように構成されてもよく、化学物質は固体化学物質または液体化学物質であってもよい。容器110は、出口ポートを備えてもよく、また出口ポートはガスラインシステムに接続されてもよい。様々な実施形態では、容器110は、アルゴンなどの不活性ガス(図示せず)を容器の中へと送達するように構成された入口(図示せず)をさらに備えてもよい。不活性ガスは、化学蒸気を反応器160へと流すことを支援するための、キャリアガスとして使用されてもよい。
【0030】
様々な実施形態では、ガスラインシステムは、第1のセクション140、第2のセクション145、および第3のセクション150を備えてもよい。第1のセクション140、第2のセクション145、および第3のセクション150は、互いに流体連通していてもよい。第1のセクション140は、反応器160へと接続されていてもよい。具体的には、第1のセクション140は、容器110を反応器160へと流体接続してもよい。第2のセクション145は、排気システム125へと接続されてもよい。排気システム125は、ガスラインからガスを排出するように構成されたポンプ(図示せず)を備えてもよい。
【0031】
第3のセクション150は、第1のエンクロージャ105および第2のエンクロージャ200の外に、かつそれを通して延在してもよく、また圧力トランスデューサなどの圧力センサ115へと接続されてもよい。例えば、圧力センサ115は、蒸気圧を測定するために好適な圧力トランスデューサまたは他のデバイスもしくはシステムを備えてもよい。例示的な実施形態では、圧力センサ115は、第1のエンクロージャ105の外部に配置される。圧力センサ115は、容器110内の化学物質の蒸気圧をモニターするように構成されてもよい。
【0032】
様々な実施形態では、また図2図5を参照すると、第3のセクション150は、第1のエンクロージャ105および第2のエンクロージャ200の貫通穴を通って延びるフィードスルーデバイス135を備えてもよい。フィードスルーデバイス135は、ガスライン325を備えてもよい。フィードスルーデバイス135は、ガスライン325のセグメントを囲む金属体305をさらに備えてもよい。具体的には、金属体305は、ガスライン325と直接接触し、またガスライン325を半径方向に囲んでもよい。例示的な実施形態では、金属体305はステンレス鋼から形成される。例示的な実施形態では、金属体305は、第2のエンクロージャ200の内部から、空隙210を通し、そして第1のエンクロージャ105の外部へと延在する。金属体305のより大きい部分は、第1のエンクロージャ105の外部から外向きに延在してもよい。
【0033】
様々な実施形態では、金属体305は、金属体305およびガスライン325を加熱するように構成されたヒーターロッド310を備えてもよい。ヒーターロッド310は、金属体305内に埋め込まれてもよく、またヒーターロッド310の第1の部分400は、実質的に金属体305の長さを通して延びてもよい。ヒーターロッド310の一部分は、金属体305の外側に延在してもよい。例示的な実施形態では、ヒーターロッド310の第2の部分405は、露出され(すなわち、金属体内に埋め込まれていない)、また金属体305から外向きに、かつ第1のエンクロージャ105の外部から外向きに延在する。ヒーターロッド310は、抵抗タイプのヒーターを備えてもよく、または任意の他の好適な発熱体を備えてもよい。
【0034】
様々な実施形態では、金属体305は、第1の熱電対315および第2の熱電対320などの温度センサをさらに備えてもよい。第1の熱電対315は、金属体305の第1の側に(例えば、ラグを使用して)取り付けられてもよく、また第2の熱電対320は、金属体305の第1の側とは反対側の第2の側に(例えば、ラグを使用して)取り付けられてもよい。
【0035】
様々な実施形態では、システム100は、第1のエンクロージャ105の外部に配置され、かつフィードスルーデバイス135の一部分を封入する絶縁体500をさらに備えてもよい。例えば、絶縁体500は、ヒーターロッド310を収容する金属体305の一部分だけでなく、露出されたヒーターロッド310の第2の部分405も囲んでもよい。絶縁体500は、ガスライン325、ヒーターロッド310の第2の部分405、および熱電対315、320などのフィードスルーデバイス130の少なくとも一部分を受容するための貫通穴を備えてもよい。例示的な実施形態では、絶縁体500は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)から形成される。絶縁体500は、一緒に連結された2部品システムを備えてもよい。絶縁体500の表面は、第1のエンクロージャ105の側壁に直接的に接触してもよい。
【0036】
様々な実施形態では、システム100は、容器110と反応器160との間に介在するアキュムレータ120をさらに備えてもよい。アキュムレータ120は、蒸気が反応器160の中へと放出される前に一時的に蒸気を収容するように動作してもよい。
【0037】
様々な実施形態では、システム100は、複数の弁をさらに備えてもよい。例えば、システム100は、第1の弁605、第2の弁615、第3の弁610、第3の弁620、第4の弁640、第5の弁645、および第6の弁650、第7の弁625、および第8の弁630、第9の弁635、および第10の弁610を備えてもよい。第2の弁615、第4の弁640、第5の弁645、および第6の弁650の弁などの一部の弁は、第1のエンクロージャ105および第2のエンクロージャ200内に配置されてもよい。第4の弁640および第6の弁650は、容器110を反応器160および圧力センサ115へと接続するガスラインに沿って配置されてもよい。第5の弁は、容器110の入口へと連結されて配置されてもよい。弁620は、排気システム125の上流に配置されてもよい。第10の弁610は、ガスラインの第1のセクションに沿って、かつ弁640および650の上流に配置されてもよい。複数の弁は、コントローラまたはプロセッサなどの制御システム(図示せず)と通信し、かつそれによって動作されてもよい。その結果、制御システムは、弁の位置を開閉するように動作させてもよい。
【0038】
動作時に、容器内の化学物質の蒸気圧は、圧力センサ115を使用して測定されてもよい。蒸気圧測定中に、弁645、615、605、610および620は閉じられ、一方で弁640および650は開かれることになる。これにより、蒸気/ガスがフィードスルーデバイス130を通して、かつ圧力センサ115の中へと流れることが可能になる。
【0039】
測定された蒸気圧は、制御システムへと送信されてもよい。測定された圧力は、制御システムへと接続された、または制御システム内に統合されたユーザーインターフェース上に表示されてもよい。一部の事例では、制御システムは、測定された蒸気圧に自動的に応答し、そして他のシステムを起動して蒸気圧の増加または減少をもたらして、所望の圧力を達成してもよい。例えば、制御システムは、測定された蒸気圧が所望の蒸気圧より低い場合、第2のエンクロージャ200、そしてそれ故に容器110の温度を増加してもよい。逆に、制御システムは、測定された蒸気圧が所望の蒸気圧より高い場合、第2のエンクロージャおよび容器110の温度を減少してもよい。第2のエンクロージャ200および容器110の温度を増加させることは、容器110内の化学物質の蒸気圧を増加させ、また、逆に、第2のエンクロージャ200および容器110の温度を減少させることは、容器110内の化学物質の蒸気圧を減少させる。第2のエンクロージャ200および容器110の温度は、所望の蒸気圧に達するまで漸増的に増加されてもよい。他の事例では、第2のエンクロージャ200および容器110に対する加熱システムなどの他のシステムの調整は、ユーザーによって手動で実施されてもよい。
【0040】
蒸気圧が測定されると、システム100は、ポンプを操作し、そして弁615、645、640、および605を閉じることによって、ガスライン内の化学物質を除去/排出してもよい。この除去/排出プロセスの間、弁620は開放されることになる。
【0041】
ガスラインが排出されると、システム100は、パルスおよびパージの通常の堆積プロセスへと戻ってもよい。例えば、パルスの間、蒸気は、容器110から反応器160へと所定時間のあいだ流れてもよい。パージ中に、不活性ガスは、所定時間のあいだ、反応器160の中へと、および排気システム125へと流されてもよい。パルスおよびパージのシーケンスは、任意の回数繰り返されてもよい。
【0042】
化学物質の蒸気圧はまた、パルス時間の長さを変更することによっても増加または減少されてもよい。その結果、測定された蒸気圧が所望の蒸気圧より高い、または低い場合、システム100(またはユーザー)は、蒸気圧を増加または減少するためにパルス時間を増加または減少させてもよい。
【0043】
化学物質の蒸気圧はまた、化学蒸気の希釈を変更することによっても増加または減少されてもよい。これは、容器の中へと流される不活性(キャリア)ガスの量を増加または減少させることによって達成されてもよい。その結果、測定された蒸気圧が所望の蒸気圧より高い、または低い場合、システム100(またはユーザー)は、容器の中へと流される不活性ガスの量を増加または減少させてもよい。
【0044】
先行する記述では、技術は、特定の例示的な実施形態を参照しながら、記述されている。示され、かつ記述された特定の実施は、本技術およびその最良の形態の例示であり、そして本技術の範囲を、いかなるやり方でも、別の方法で限定することを意図しない。実際、簡潔のために、従来の製造、接続、調製、ならびに方法およびシステムの他の機能的態様は、詳細に記述されていない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の、例示的な機能的関係、および/または工程を表すことを、意図する。多くの代替的もしくは追加的機能的関係、または物理的接続が、実際のシステムに存在してもよい。
【0045】
本技術が、特定の例示的な実施形態を参照しながら、記述されてきた。しかしながら、様々な修正および変更が、本技術の範囲から逸脱することなく、なされてもよい。記述および図面は、制限的なものではなく、例示の様態にあると見なされ、またすべてのそのような修正は、本技術の範囲内に含まれることが意図される。その結果、技術の範囲は、単に、上述した特定の例のみではなく、記述される一般的な実施形態、およびその法的均等物によって、決定されるべきである。例えば、任意の方法、またはプロセスの実施形態に列挙された工程は、別の方法で明示的に特定されない限り、任意の順序で実行されてもよく、また特定の実施例に提示される明示的な順序に限定されない。さらに、任意の装置の実施形態に列挙された構成要素および/または要素は、本技術と実質的に同じ結果を生成するために、様々な順列で組み立てられてもよく、または別の方法で動作可能に構成されてもよく、したがって、特定の実施例に列挙された特定の構成に限定されない。
【0046】
恩恵、他の利点、および問題に対する解決策を、具体的な実施形態に関して、上述してきた。何らかの恩恵、利点、問題に対する解決策、または何らかの特定の恩恵、利点、または解決策を引き起こす場合がある何らかの要素を生じさせる場合がある、もしくはより顕著にさせる場合がある何らかの要素は、しかしながら、重要な、必要とされる、または必須の特徴もしくは構成要素としては、解釈されない。
【0047】
「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」という用語、またはその何らかの他の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、構成要素、または装置が、列挙されたそれらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、構成要素、もしくは装置に固有の、他の要素も含んでもよいように、非限定的包含を参照することを意図している。具体的に列挙されていないものに加えて、本技術の実践において使用される上述の構造、配置、用途、割合、要素、材料、または構成要素の、その他の組み合わせおよび/もしくは修正は、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、もしくはその他の動作要件に、それらの一般原理から逸脱することなく、変更されてもよく、または別の方法で具体的に適合されてもよい。
【0048】
本技術を、例示的な実施形態を参照しながら、上述してきた。しかしながら、本技術の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態に、変更および修正がなされてもよい。これらおよび他の変更または修正は、以下の特許請求の範囲に表されるように、本技術の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
100 システム
105 第1のエンクロージャ
110 容器
115 圧力センサ
120 アキュムレータ
125 排気システム
130 フィードスルーデバイス
135 第1の貫通穴
140 第1のセクション
145 第2のセクション
150 第3のセクション
160 反応器
200 第2のエンクロージャ
205 第2の貫通穴
210 空隙
305 金属体
310 ヒーターロッド
315 第1の熱電対
320 第2の熱電対
325 ガスライン
400 第1の部分
405 第2の部分
500 絶縁体
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】