(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017712
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】シート処理装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20250130BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
B65H37/04 D
B65H7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120887
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】亀山 琴美
【テーマコード(参考)】
3F048
3F108
【Fターム(参考)】
3F048AA01
3F048BA28
3F048BB02
3F048CC02
3F048DA08
3F048DC11
3F048EB39
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA32
3F108HA55
(57)【要約】
【課題】ステープルミスした針による搬送路へのダメージを防止すること。
【解決手段】シート処理装置200は、複数の用紙が重ねられた用紙束をステープル針によって綴じ処理を行う綴じ処理部(ステープラSP)を備え、さらに、綴じ処理が正常に実施されないステープルミスを検知する検知部(センサ307、308)と、ミスした針を除去する綴じ除去部204と、綴じ除去後に再度綴じ処理を実施させる制御手段と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の用紙が重ねられた用紙束をステープル針によって綴じ処理を行う綴じ処理部を備えたシート処理装置において、
前記綴じ処理が正常に実施されないステープルミスを検知する検知部と、
ミスした針を除去する綴じ除去部と、
綴じ除去後に再度前記綴じ処理を実施させる制御手段と、を備える
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記検知部は、複数であり、前記用紙の表裏を検知可能な位置に設置し、
前記制御手段は、複数の前記検知部の検知状態の組み合わせにより、正常に前記綴じ処理を実施したかを判断する
ことを特徴とする請求項1記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ステープルミスが検知された場合には、針つきと、空綴じとのいずれであるかを判断する
ことを特徴とする請求項1または2記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記ステープルミスが前記針つきの場合には、前記綴じ除去部を動作させ、前記ステープルミスが前記空綴じの場合には、前記綴じ除去部を動作させない
ことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ステープルミスが前記針つきの場合には、前記ミスした針を検知した位置まで前記綴じ除去部を移動させる
ことを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記綴じ処理部は、ステープル処理トレイに設けられ、
前記制御手段は、排紙側のローラ駆動を逆転させて、前記ステープル処理トレイに前記用紙束を戻す
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記綴じ除去部は、前記綴じ処理部と同じ移動案内軸に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシート処理装置。
【請求項8】
シートに画像を形成する画像形成装置と、
請求項1または2に記載のシート処理装置と、
を備えた画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
後処理装置の検知手段によってステープルミスを検知した場合、ステープル処理部によって再度ステープル処理を実施する技術が既に知られている。
例えば、特許文献1には、ステープルミスが発生したシート束をビンから取り出す際にシートを散逸させるなどの不具合を解消し、運転者の作業効率を向上させる目的で、ステープルミスが発生し再ステープルするときは、ステープル幅を変更しミスした針の外側に再ステープルする構成が開示されている。
しかし、今までの再ステープル処理では、ミスした針が残っている場合には、ミスした針をそのままにして再度ステープル処理を実施するため、ミスした針の先端が飛び出したままの状態や針が変形して突起ができると、搬送路にダメージを与えてしまう恐れがあるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ステープルミスした針による搬送路へのダメージを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明は、
複数の用紙が重ねられた用紙束をステープル針によって綴じ処理を行う綴じ処理部を備えたシート処理装置において、
前記綴じ処理が正常に実施されないステープルミスを検知する検知部と、
ミスした針を除去する綴じ除去部と、
綴じ除去後に再度前記綴じ処理を実施させる制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、ステープルミスした針による搬送路へのダメージを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成例を説明する概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシート処理装置の構成例を説明する図である。
【
図3】シート処理装置のハードウェア構成例を説明するブロック図である。
【
図4】検知センサと綴じ除去部との配置例を説明する図であり、(A)に用紙搬送側から見た図を、(B)に側面から見た図を示す。
【
図5】ステープルミス(針つき)を検知した場合の用紙束に対しての動作例を説明する図であり、(A)にステープルミス(針つき)検知、(B)に用紙をステープル処理トレイに戻す処理、(C)に綴じ除去実施、(D)に綴じ処理実施、(E)に下シフトトレイへ搬送の状態例を示す。
【
図6】ステープルミス(針つき)を検知した場合の動作例を説明するフローチャートである。
【
図7】ステープルミス(空綴じ)を検知した場合の用紙束に対しての動作例を説明する図であり、(A)にステープルミス(空綴じ)検知、(B)に用紙をステープル処理トレイに戻す及び綴じ処理実施、(C)に下シフトトレイへ搬送の状態例を示す。
【
図8】ステープルミス(空綴じ)を検知した場合の動作例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0008】
図1に画像形成装置と周辺機器で構成されている画像形成システム全体の構成例を説明する概略図を示す。
画像形成システムは大容量給紙装置100、画像形成装置本体300、シート処理装置200によって構成されている。
大容量給紙装置100は、記録媒体(シート)としての用紙を供給する給紙トレイを備え、画像形成装置本体300へ用紙の給紙を行う。
画像形成装置本体300は、用紙へ画像の書き込みを行う。
シート処理装置200は、ソート、端綴じ、中綴じ、パンチなどの後処理を行う。
【0009】
次に、シート処理装置200について説明する。
本発明の実施形態のシート処理装置は、ステープル針による綴じ処理に際して、ステープルミスを検知するセンサと綴じ除去部を備えることで、綴じ位置を検出し、綴じ除去部を綴じ位置に移動させて綴じ除去処理を実施する。このようにすることで、ミスした針の除去により搬送路(「搬送経路」ともいう)へのダメージを防止できる。
【0010】
シート処理装置は、例えば、複数の用紙が重ねられた用紙束をステープル針によって綴じ処理を行う綴じ処理部(ステープラSP)を備えるとともに、綴じ処理が正常に実施されないステープルミスを検知する一以上の検知部(センサ307、308)と、ミスした針を除去する綴じ除去部(綴じ除去部204)と、綴じ除去後に再度綴じ処理を実施させる制御手段(制御手段221)と、を備える。( )内は後述する
図2から
図4の構成を一例として対応付けている。
以下、図面を参照して詳細を説明する。
【0011】
図2にシート処理装置の概要図を示す。
シート処理装置200において、画像形成装置本体300から搬送された用紙は、搬送路Aに供給される。用紙は、搬送路Aから、上シフトトレイ201へ導く搬送路Bと、下シフトトレイ202へ導く搬送路Cと、整合及びステープル綴じ等を行う処理トレイFへ導く搬送路D、Eと、の各搬送路へ、分岐爪T1、T2、T3によって振り分けられるように構成されている。
【0012】
搬送路Aは、搬送ローラ対(以下、単に「搬送ローラ」という)1、2、3、4を通して、搬送路B、CまたはDへ用紙を導く。
また、搬送路Aは、一枚の用紙に後処理を施す後処理手段を有する。後処理手段は、本実施形態では、穿孔手段としてのパンチユニットPUが設けられている例を示す。
搬送路Bは、搬送ローラ5、6、7、8、9を経て、上シフトトレイ201へ用紙を導く。
搬送路Cは、搬送ローラ10、11、12を経て、下シフトトレイ202へ用紙を導く。
【0013】
搬送路D、Eは、搬送ローラ13、14、15、16及びステープル排紙ローラ17を経て、整合及びステープル綴じ等を行う処理トレイ(以下、「ステープル処理トレイ」という)Fへ用紙を導く。
ステープル処理トレイFは、搬送路A、DおよびEを経て導かれた用紙へ、整合およびステープル等を施すとともに、搬送路としても機能する。ステープル処理トレイFで処理された用紙(用紙束)は、搬送路Cを経由して、下シフトトレイ202へと導かれる。
【0014】
また、シート処理装置200は、搬送路D内に分岐爪T3を配置し、図示しない低荷重バネにより
図2に示す状態に保持している。シート処理装置200は、用紙後端が分岐爪T3を通過した後、搬送ローラ14、15、16を逆転することによって用紙後端をプレスタック経路(用紙収容部)Eへ導いて用紙を滞留させ、次用紙と重ね合わせて搬送することが可能なように構成されている。この動作を繰り返すことによって二枚以上の用紙を重ね合わせて搬送することも可能である。
【0015】
シート処理装置200は、重ね合わせて搬送した用紙を部材401に用紙後端を載せて、部材402が搬送方向に動作し用紙の整合を行う。整合後、ステープラSPにて用紙の綴じ動作(「綴じ処理」ともいう)を実施し、綴じ後放出する。もしくは、シート処理装置200は、ステープル処理トレイFで束ねた用紙を、綴じずに分岐爪T4によって搬送路Gへ送る。シート処理装置200は、搬送路Gへ送られた用紙束を、搬送ローラ20、21を経て、中綴じステープラSSPにより中綴じし、用紙束を二つ折りする中折りローラ22に導かれた後、中綴じトレイ203へ排出する。
【0016】
シート処理装置200は、ステープル処理トレイFに、ステープルミスを検知する検知センサ(「センサ」ともいう)307、308と、針を除去する綴じ除去部204とを備えており、綴じミスを検知した場合に綴じ除去部204を駆動させて針を除去させることも可能である。綴じ除去部204については、
図5から
図9を参照して後述する。
【0017】
また、シート処理装置200は、搬送路A~Fの各搬送路の搬送タイミングを検知するため、搬送路Aにセンサ301、搬送路Bにセンサ302、搬送路Cにセンサ303、搬送路Dにセンサ305、306、ステープル処理トレイFにセンサ304を設置し、各センサにてエラーを検知したら、システム搬送を停止する。
【0018】
図3は、シート処理装置のハードウェア構成例を説明するブロック図である。シート処理装置200は、制御手段(「演算手段」ともいう)221を備える。制御手段221は、I/F(インターフェース)223を介してモータやセンサ等の制御対象227に接続されている。
制御手段221は、シート処理装置全体の動作を制御している。制御手段221は、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶手段等により構成される。CPUは、例えば、ROMなどに記憶されている各種プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、各種処理を制御する。
シート処理装置200の制御手段221は、I/F225を介して画像形成装置本体300の制御部331と接続され、画像形成装置本体300からの処理信号に応じてシート処理装置200の制御を行っている。
【0019】
図4に実施の一形態としての、ステープル処理トレイFに設けられたセンサ307、308と綴じ除去部204との配置例を説明する図を示す。
図4では(A)に用紙搬送側から見た図を、(B)に側面から見た図を示す。
【0020】
センサ307、308は、ステープルミスを検知する検知部の一例である。シート処理装置200は、複数のセンサを、用紙の表裏を検知可能な位置に設置するとよい。
図4の構成例では、センサ307は、ステープル処理トレイFの表側(用紙搬送側)に、センサ308はステープル処理トレイFの裏側に設置され、搬送されてきた用紙束のステープル針の有無を検知する。
ステープラSPと綴じ除去部204とは、同じ移動案内軸405に配置され、移動機構403から動力伝達部407を介して移動案内軸405に沿って用紙幅方向に移動可能である。
【0021】
図3に示した構成例において、制御手段221は、I/F223を介して、複数のセンサ307、308の検知状態(検知結果)を受け取り、センサ307、308の検知状態の組み合わせにより、正常に綴じ処理を実施したかを判断する。また、制御手段221は、判断した結果に基づいて、I/F223を介して、ステープラSPまたは綴じ除去部204に処理を実施させる。
【0022】
上述したように、シート処理装置は、ステープルミスを検知する検知部としてのセンサと、ミスした針を自動で除去する綴じ除去部と、綴じ除去後に再度ステープル処理を実施する制御機構とを備える。
このようにすると、ミスした針による搬送路のダメージを防ぐことができる。また、無効紙をなくすことができる。
また、シート処理装置は、ステープルミスを検知する検知部を少なくとも二つ備え、用紙の表裏を検知可能な位置に検知部を設置し、少なくとも二つの検知部の検知状態の組み合わせにより、正常に綴じ処理できたかを判断する制御機構を備えるとよい。
このようにすると、無駄な駆動をなくすことができる。
さらに、シート処理装置は、綴じ処理部と同じ移動案内軸に綴じ除去部が配置されているとよい。
このようにすると、同じ案内軸を使用することで、小型化・低コスト化できる。
【0023】
なお、
図4は、検知センサ307、308と綴じ除去部204とをステープル処理トレイFに設ける位置の一例であり、これに限られるものではない。また、
図4では、二つのセンサを設けた構成例を説明したが、これに限られるものではなく、三以上のセンサを設けてもよい。
【0024】
次に、ステープルミス(針つき)と、ステープルミス(空綴じ)との動作例を説明する。
制御手段221は、ステープルミスが検知された場合には、ステープルミス(針つき)(「ステープルミスが針つき」ともいう)と、ステープルミス(空綴じ)(「ステープルミスが空綴じ」ともいう)とのいずれであるかを判断する。ステープルミスにおいて、針つきは、用紙に針が付いた状態とし、空綴じは、用紙束が針で綴じられていない状態(針が検知されない状態)とする。
制御手段221は、ステープルミス(針つき)の場合には、綴じ除去部204を動作させ、ステープルミス(空綴じ)の場合には、綴じ除去部204を動作させないように制御するとよい。また、ステープルミスが針つきの場合には、制御手段221は、ミスした針を検知した位置まで綴じ除去部204を移動させるとよい。
以下図面を参照して動作例を説明する。
【0025】
図5は、ステープルミス(針つき)を検知した場合の用紙束に対しての動作例を説明する図であり、(A)にステープルミス(針つき)検知、(B)に用紙をステープル処理トレイに戻す処理、(C)に綴じ除去実施、(D)に綴じ処理実施、(E)に下シフトトレイへ搬送の状態例を示す。
図6は、ステープルミス(針つき)を検知した場合の動作例を説明するフローチャートである。
【0026】
綴じ処理が完了し搬送路C側へ搬送される際に(
図5(A)、
図6のS11)、綴じ部分がセンサ307で非検知(
図6のS12でNoかつS13でNo)、センサ308で検知した(
図6のS14でYes)場合、制御手段221は、ステープルミス(針つき)と判断する。制御手段221は、搬送ローラ23を逆回転させて用紙束をステープル処理トレイFに戻し(
図5(B)、
図6のS15)、綴じ除去部204を綴じ位置に移動させて綴じ除去処理を実施させる(
図5(C)、
図6のS16)。針を除去した後、制御手段221は、ステープラSPを綴じ位置に移動させて再度綴じ処理を実施させる(
図5(D)、
図6のS17)。
【0027】
そして搬送路C側へ搬送される際に(
図5(E)、
図6のS18)、再度センサ307、308で検知を行いどちらも検知した場合(
図6のS12でYes、または、S12でNoかつS13でYes)、制御手段221は、綴じ処理完了と判断し、用紙束を下シフトトレイへ搬送する(
図6のS19)。
センサ307、308で検知を行い、両方のセンサで検知しない場合(
図6のS12~S14ですべてNo)、シート処理装置200は、空綴じ動作を行う(
図6のS20)。空綴じ動作は、
図7、8を参照して後述するが、例えば、
図8のステップS35以降を行う。
【0028】
図7は、ステープルミス(空綴じ)を検知した場合の用紙束に対しての動作例を説明する図であり、(A)にステープルミス(空綴じ)検知、(B)に用紙をステープル処理トレイに戻す及び綴じ処理実施、(C)に下シフトトレイへ搬送の状態例を示す。
図8は、ステープルミス(空綴じ)を検知した場合の動作例を説明するフローチャートである。
綴じ処理が完了し搬送路C側へ搬送される際に(
図7(A)、
図8のS31)、綴じ部分がセンサ307、308で非検知の場合(
図8のS32~S34ですべてNo)、制御手段221は、ステープルミス(空綴じ)と判断する。制御手段221は、搬送ローラ23を逆回転させて用紙束をステープル処理トレイFに戻し(
図7(B)、
図8のS35)、ステープラSPを綴じ位置に移動させて再度綴じ処理を実施させる(
図7(B)、
図8のS36)。
【0029】
そして搬送路C側へ搬送される際に(
図7(C)、
図8のS37)、再度センサ307、308で検知を行い、どちらも検知した場合(
図8のS32でYes、または、S32でNoかつS33でYes)、制御手段221は、綴じ処理完了と判断し、用紙束を下シフトトレイへ搬送する(
図8のS38)。
センサ307、308で検知を行い、センサ308のみ検知した場合(
図8のS32およびS33でNoかつS34でYes)、シート処理装置200は、綴じミス(針つき)動作を行う(
図8のS39)。綴じミス(針つき)動作として、
図5、6を参照して説明した
図6のステップS15以降を実施する。
【0030】
上述したように、シート処理装置は、正常に綴じ処理できずステープルミスした場合は、針つきか空綴じかを判断する制御機構を備えるとよい。
また、シート処理装置は、ステープルミス(用紙に針つき)を検知した場合のみ綴じ除去部を動作させ、ステープルミス(空綴じ)を検知した場合綴じ除去部を動作させない制御機構を備えるとよい。
このようにすると、無駄な駆動をなくすことができる。
さらに、シート処理装置は、ステープルミス(用紙に針つき)を検知した場合、針を検知した位置まで綴じ除去部を移動させるとよい。
このようにすると、手前平綴じ、奥平綴じ、二箇所綴じ、用紙サイズ等複数の綴じ方に対応できる。
さらに加えて、シート処理装置は、排紙側のローラ駆動を逆転させてステープル処理トレイに用紙束を戻す制御手段を備えるとよい。
このようにすると、機内で作業を完結させることができる。
【0031】
図9に、実施の一形態としての、綴じ除去部204の構成例を説明する図を示す。
綴じ除去部204において、第一ユニット409Aは、第一動力伝達部407Aを介して第一移動案内軸405Aに沿って上下に移動可能であり、第二ユニット409Bは、第二動力伝達部407Bを介して第二移動案内軸405Bに沿って移動可能である。
第二ユニット409Bをステープル処理トレイF側に移動させることで、挿入部411を用紙と針との間に差し込み、差し込んだ後、第一ユニット409Aを下に下げることで用紙から針を除去する。
【0032】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1>
複数の用紙が重ねられた用紙束をステープル針によって綴じ処理を行う綴じ処理部を備えたシート処理装置において、
前記綴じ処理が正常に実施されないステープルミスを検知する検知部と、
ミスした針を除去する綴じ除去部と、
綴じ除去後に再度前記綴じ処理を実施させる制御手段と、を備える
ことを特徴とするシート処理装置である。
<2>
前記検知部は、複数であり、前記用紙の表裏を検知可能な位置に設置し、
前記制御手段は、複数の前記検知部の検知状態の組み合わせにより、正常に前記綴じ処理を実施したかを判断する
ことを特徴とする前記<1>に記載のシート処理装置である。
<3>
前記制御手段は、前記ステープルミスが検知された場合には、針つきと、空綴じとのいずれであるかを判断する
ことを特徴とする前記<1>または<2>に記載のシート処理装置である。
<4>
前記制御手段は、前記ステープルミスが前記針つきの場合には、前記綴じ除去部を動作させ、前記ステープルミスが前記空綴じの場合には、前記綴じ除去部を動作させない
ことを特徴とする前記<3>に記載のシート処理装置である。
<5>
前記制御手段は、前記ステープルミスが前記針つきの場合には、前記ミスした針を検知した位置まで前記綴じ除去部を移動させる
ことを特徴とする前記<3>または<4>に記載のシート処理装置である。
<6>
前記綴じ処理部は、ステープル処理トレイに設けられ、
前記制御手段は、排紙側のローラ駆動を逆転させて、前記ステープル処理トレイに前記用紙束を戻す
ことを特徴とする前記<1>から<5>のいずれか一つに記載のシート処理装置である。
<7>
前記綴じ除去部は、前記綴じ処理部と同じ移動案内軸に配置されている
ことを特徴とする前記<1>から<6>のいずれか一つに記載のシート処理装置である。
<8>
シートに画像を形成する画像形成装置と、
前記<1>から<7>のいずれか一つに記載のシート処理装置と、
を備えた画像形成システムである。
【0033】
なお、本発明は上記に示す実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲において、上記実施形態の各要素を、当業者であれば容易に考えうる内容に変更、追加、変換することが可能である。
【符号の説明】
【0034】
100 大容量給紙装置
200 シート処理装置
204 綴じ除去部
221 制御手段
300 画像形成装置本体
307、308 センサ
401 ベース
403 移動機構
405 移動案内軸
407 動力伝達部
405A 第一移動案内軸
405B 第二移動案内軸
407A 第一動力伝達部
407B 第二動力伝達部
409A 第一ユニット
409B 第二ユニット
411 挿入部
F ステープル処理トレイ
SP ステープラ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】