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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002006
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】配線基板及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
H05K3/46 N
H05K3/46 B
H05K3/46 Z
H05K3/46 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101869
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】竹内 明宏
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA32
5E316AA38
5E316AA43
5E316CC04
5E316CC05
5E316CC08
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC13
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC38
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF04
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG28
5E316HH08
5E316JJ02
(57)【要約】
【課題】隣接する貫通配線間の絶縁信頼性を向上することが可能な配線基板を提供する。
【解決手段】本配線基板は、補強部材を有するコア基板と、前記コア基板を貫通する、断面視で矩形形状の第1貫通孔と、前記コア基板の上面及び下面、並びに前記第1貫通孔内に設けられた、補強部材を有していない絶縁層と、前記第1貫通孔内を通って、前記絶縁層を上面から下面に貫通する第2貫通孔と、前記第2貫通孔を充填する貫通配線と、を有し、前記第2貫通孔は、断面視で、前記絶縁層の上面側の開口端及び下面側の開口端から厚さ方向の中央側の括れ部に向かって徐々に幅が狭くなる形状であり、前記貫通配線の外壁面は、前記絶縁層を介して、前記第1貫通孔の内壁面と離隔する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補強部材を有するコア基板と、
前記コア基板を貫通する、断面視で矩形形状の第1貫通孔と、
前記コア基板の上面及び下面、並びに前記第1貫通孔内に設けられた、補強部材を有していない絶縁層と、
前記第1貫通孔内を通って、前記絶縁層を上面から下面に貫通する第2貫通孔と、
前記第2貫通孔を充填する貫通配線と、を有し、
前記第2貫通孔は、断面視で、前記絶縁層の上面側の開口端及び下面側の開口端から厚さ方向の中央側の括れ部に向かって徐々に幅が狭くなる形状であり、
前記貫通配線の外壁面は、前記絶縁層を介して、前記第1貫通孔の内壁面と離隔する、配線基板。
【請求項2】
前記コア基板の上面には第1配線層が設けられ、
前記コア基板の下面には第2配線層が設けられ、
前記第1配線層の側面は、前記第1貫通孔の内壁面の上端と離隔した位置にあり、
前記第2配線層の側面は、前記第1貫通孔の内壁面の下端と離隔した位置にある、請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
1つの前記第1貫通孔内に、複数の前記第2貫通孔が設けられる、請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記絶縁層の上面に第1パッドが設けられ、
前記絶縁層の下面に第2パッドが設けられ、
前記第1パッドと前記第2パッドとは、前記貫通配線を介して電気的に接続されている、請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記第1パッド及び第2パッドは、第1金属層と第2金属層の積層構造であり、
前記第1金属層は、平面視で前記貫通配線の外側に設けられ、
前記第2金属層は、前記貫通配線と一体に形成されている、請求項4に記載の配線基板。
【請求項6】
前記貫通配線の外壁面と前記第1貫通孔の内壁面との最短距離は、2μm以上である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配線基板。
【請求項7】
補強部材を有するコア基板を貫通する、断面視で矩形形状の第1貫通孔を形成する工程と、
前記コア基板の上面及び下面、並びに前記第1貫通孔内に絶縁層を形成する工程と、
前記第1貫通孔内を通って、前記絶縁層を上面から下面に貫通する第2貫通孔を形成する工程と、
前記第2貫通孔を充填する貫通配線を形成する工程と、を有し、
前記第2貫通孔は、断面視で、前記絶縁層の上面側の開口端及び下面側の開口端から厚さ方向の中央側の括れ部に向かって徐々に幅が狭くなる形状であり、
前記貫通配線の外壁面は、前記絶縁層を介して、前記第1貫通孔の内壁面と離隔する、配線基板の製造方法。
【請求項8】
前記第1貫通孔は、ドリル加工法で形成し、
前記第2貫通孔は、レーザ加工法で形成する、請求項7に記載の配線基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線層及び絶縁層を交互に積層する配線基板が知られている。このような配線基板において、隣接する配線層は、絶縁層を貫通する貫通配線により接続される。貫通配線は、例えば、テーパー形状の頂部同士を付き合わせた形状である。貫通配線は、例えば、めっきにより形成される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-46248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、絶縁層がガラスクロス等の補強部材を有する場合、貫通配線が配置される貫通孔の内壁に補強部材が露出又は突出することがある。この場合、貫通配線を形成するめっきの際に、めっき液に含まれる塩化物イオンが、補強部材の端部近傍から補強部材と絶縁層を構成する樹脂との間に浸漬する。浸漬した塩化物イオンが隣接する貫通配線に達すると、貫通配線間の抵抗値を低下させ、絶縁信頼性が悪化する。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、隣接する貫通配線間の絶縁信頼性を向上することが可能な配線基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本配線基板は、補強部材を有するコア基板と、前記コア基板を貫通する、断面視で矩形形状の第1貫通孔と、前記コア基板の上面及び下面、並びに前記第1貫通孔内に設けられた、補強部材を有していない絶縁層と、前記第1貫通孔内を通って、前記絶縁層を上面から下面に貫通する第2貫通孔と、前記第2貫通孔を充填する貫通配線と、を有し、前記第2貫通孔は、断面視で、前記絶縁層の上面側の開口端及び下面側の開口端から厚さ方向の中央側の括れ部に向かって徐々に幅が狭くなる形状であり、前記貫通配線の外壁面は、前記絶縁層を介して、前記第1貫通孔の内壁面と離隔する。
【発明の効果】
【0007】
開示の技術によれば、隣接する貫通配線間の絶縁信頼性を向上することが可能な配線基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る配線基板を例示する断面図である。
図2】第1実施形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その1)である。
図3】第1実施形態に係る配線基板の製造工程を例示する図(その2)である。
図4】第1実施形態の変形例1に係る配線基板を例示する断面図である。
図5】第1実施形態の変形例2に係る配線基板を例示する断面図である。
図6】第1実施形態の変形例3に係る配線基板を例示する断面図である。
図7】第1実施形態の変形例4に係る配線基板を例示する断面図である。
図8】第1実施形態の変形例4に係る配線基板の製造工程を例示する図である。
図9】第2実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0010】
〈第1実施形態〉
[配線基板の構造]
図1は、第1実施形態に係る配線基板を例示する断面図である。図1を参照すると、配線基板1は、コア基板10の両面に配線層及び絶縁層が積層された配線基板である。
【0011】
図1を参照するに、配線基板1は、コア基板10と、配線層11と、絶縁層12と、配線層13と、貫通配線20と、配線層21と、配線層23と、ソルダーレジスト層19及び29とを有する。
【0012】
なお、本実施形態では、便宜上、図1における配線基板1のソルダーレジスト層19側を上側又は一方の側、ソルダーレジスト層29側を下側又は他方の側とする。また、各部位のソルダーレジスト層19側の面を一方の面又は上面、ソルダーレジスト層29側の面を他方の面又は下面とする。但し、配線基板1は天地逆の状態で用いることができ、又は任意の角度で配置することができる。また、平面視とは対象物をソルダーレジスト層19の一方の面の法線方向から視ることを指し、平面形状とは対象物をソルダーレジスト層19の一方の面の法線方向から視た形状を指すものとする。
【0013】
コア基板10は、補強部材10Gを有する。コア基板10としては、例えば、補強部材10Gに熱硬化性の絶縁樹脂10Rを含浸させた基板を用いることができる。補強部材10Gとしては、例えば、ガラス繊維束を用いたガラスクロスが挙げられる。ガラスクロスの代わりに、炭素繊維束、ポリエステル繊維束、ナイロン(ポリアミド)繊維束、アラミド繊維束などを用いてもよい。補強部材10Gは、織布であってもよいし不織布であってもよい。絶縁樹脂10Rとしては、例えば、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂、フェノール系樹脂、シアネート系樹脂等が挙げられる。絶縁樹脂10Rは、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。コア基板10の厚さは、例えば、80~1200μm程度とすることができる。
【0014】
コア基板10には、コア基板10を上面10aから下面10bに貫通する第1貫通孔10xが設けられている。第1貫通孔10xは、縦断面視で、幅が一定の矩形形状である。縦断面とは、コア基板10の上面10aに対して垂直な方向に切った断面である。なお、幅が一定とは、第1貫通孔10xを形成する際に生じる製造上の誤差程度のばらつきを許容するものとする。第1貫通孔10xの平面形状は、例えば、直径が50~100μm程度の円形とすることができる。第1貫通孔10xのピッチは、例えば、100~1000μm程度とすることができる。
【0015】
配線層11は、コア基板10の上面10aに設けられている配線パターンである。配線層21は、コア基板10の下面10bに設けられている配線パターンである。配線層11及び配線層21は、例えば、銅箔等の金属箔や銅めっき等のめっき層からなる。配線層11及び配線層21の厚さは、例えば、15~35μm程度とすることができる。
【0016】
絶縁層12は、コア基板10の上面10a及び下面10b、並びに第1貫通孔10x内に設けられている。絶縁層12は、コア基板10の上面10a側で配線層11を被覆し、下面10b側で配線層21を被覆し、さらに第1貫通孔10xの内壁面を被覆する。絶縁層12は、補強部材を有していない。
【0017】
絶縁層12は、例えば、非感光性樹脂を主成分とする絶縁層である。絶縁層12は、例えば、エポキシ系樹脂、イミド系樹脂、フェノール系樹脂、シアネート系樹脂等の熱硬化性の非感光性樹脂を主成分とすることができる。上面10aを被覆する部分の絶縁層12の厚さは、例えば、20~40μm程度とすることができる。また、下面10bを被覆する部分の絶縁層12の厚さは、例えば、20~40μm程度とすることができる。絶縁層12は、シリカ(SiO)等のフィラーを含有してもよい。絶縁層12は、感光性樹脂を主成分とする絶縁層であってもよい。
【0018】
絶縁層12には、第2貫通孔10yが設けられている。第2貫通孔10yは、第1貫通孔10x内を通って、絶縁層12を上面12aから下面12bに貫通する。第2貫通孔10yは、縦断面視で、絶縁層12の上面12a側の開口端101及び下面12b側の開口端102から厚さ方向の中央側の括れ部103に向かって徐々に幅が狭くなる形状である。すなわち、第2貫通孔10yは、縦断面視で、砂時計形状である。図示の例では砂時計形状の傾斜部は直線状であるが、砂時計形状の傾斜部の一部又は全部が曲線状であってもよい。
【0019】
開口端101の平面形状は、例えば、直径が50~100μm程度の円形とすることができる。開口端102の平面形状は、例えば、開口端101と略同径の円形とすることができる。括れ部103の平面形状は、例えば、開口端101及び102よりも直径が10~30μm程度小さい円形とすることができる。第2貫通孔10yのピッチは、第1貫通孔10xと同一とすることができる。
【0020】
括れ部103の開口面積は、第1貫通孔10xの開口面積よりも小さい。開口端101及び102の開口面積は、第1貫通孔10xの開口面積と同じであってもよいし、第1貫通孔10xの開口面積より大きくてもよいし、第1貫通孔10xの開口面積より小さくてもよい。いずれの場合であっても、第2貫通孔10yは、第1貫通孔10xと接することはない。
【0021】
第2貫通孔10y内には、貫通配線20が設けられている。貫通配線20は、第2貫通孔10yを充填している。つまり、貫通配線20は、第2貫通孔10yと同様の砂時計形状である。貫通配線20の外壁面は、絶縁層12を介して、第1貫通孔10xの内壁面と離隔する。貫通配線20の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。
【0022】
なお、貫通配線20の外壁面と配線層11の側面との距離を遠くするために、配線層11の側面は、第1貫通孔10xの内壁面の上端と離隔した位置にあることが好ましい。同様に、貫通配線20の外壁面と配線層21の側面との距離を遠くするために、配線層21の側面は、第1貫通孔10xの内壁面の下端と離隔した位置にあることが好ましい。これらにより、貫通配線20と配線層11及び21との絶縁信頼性を向上することができる。
【0023】
配線層13は、絶縁層12に設けられている。配線層13は、絶縁層12の上面12aに設けられた配線パターン及びパッドと、ビアホール12xを充填するビア配線とを含む。配線層13は、ビアホール12xを充填するビア配線を介して配線層11と電気的に接続された配線パターンを含む。ビアホール12xは、ソルダーレジスト層19側に開口されている開口部の径が配線層11の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール12xの開口部の径は、例えば、15μm以上20μm以下程度とすることができる。
【0024】
配線層23は、絶縁層12に設けられている。配線層23は、絶縁層12の下面12bに設けられた配線パターン及びパッドと、ビアホール12yを充填するビア配線とを含む。配線層23は、ビアホール12yを充填するビア配線を介して配線層21と電気的に接続された配線パターンを含む。ビアホール12yは、ソルダーレジスト層29側に開口されている開口部の径が配線層21の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール12xの開口部の径は、例えば、15μm以上20μm以下程度とすることができる。
【0025】
配線層13のパッドと配線層23のパッドとは、貫通配線20を介して電気的に接続されている。配線層13のパッドと配線層23のパッドとは、貫通配線20と平面視で重なる位置に配置されている。配線層13及び23のパッドと貫通配線20とは、一体に形成されたものであってもよい。配線層13及び23の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。配線層13及び23の配線パターンの厚さは、例えば、配線層11と同程度とすることができる。配線層13及び23は、例えば、無電解めっき層上に電解めっき層が積層された構造とすることができる。
【0026】
ソルダーレジスト層19は、絶縁層12の上面12aに、配線層13を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層29は、絶縁層12の下面12bに、配線層23を覆うように形成されている。ソルダーレジスト層19及び29は、例えば、感光性樹脂等から形成することができる。ソルダーレジスト層19及び29の厚さは、例えば15~35μm程度とすることができる。
【0027】
ソルダーレジスト層19は、開口部19xを有し、開口部19x内には配線層13の一部が露出している。開口部19x内に露出する配線層13は、半導体チップ等と電気的に接続されるパッドとして機能する。ソルダーレジスト層29は、開口部29xを有し、開口部29x内には配線層23の一部が露出している。開口部29x内に露出する配線層23は、マザーボード等の実装基板と電気的に接続されるパッドとして機能する。
【0028】
必要に応じ、開口部19x内に露出する配線層13及び開口部29x内に露出する配線層23に金属層を形成したり、OSP(Organic Solderability Preservative)処理等の酸化防止処理を施したりしてもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。
【0029】
破線Aに示すように、補強部材10Gの端部が第1貫通孔10x内に露出又は突出する場合がある。仮に、第2貫通孔10yが設けられていない場合、貫通配線20は第1貫通孔10xを充填するように形成される。貫通配線20はめっきにより形成されるが、めっき液には塩化物イオンが含まれている。そのため、補強部材10Gの端部が第1貫通孔10x内に露出又は突出すると、めっきを行う際、補強部材10Gの端部近傍から塩化物イオンが補強部材10Gと絶縁樹脂10Rとの間に浸漬する。浸漬した塩化物イオンが隣接する貫通配線20に達すると、貫通配線20間の抵抗値を低下させ、絶縁信頼性が悪化する。
【0030】
しかし、配線基板1では、第1貫通孔10xを絶縁層12で充填し、第1貫通孔10xと接しないように第1貫通孔10x内に第2貫通孔10yを形成している。この構造では、補強部材10Gの端部が第1貫通孔10x内に露出又は突出しても絶縁層12に被覆されるため、第2貫通孔10y内に露出又は突出することはない。そのため、貫通配線20をめっきで形成する際に、塩化物イオンが補強部材10Gと絶縁樹脂10Rとの間に浸漬しないため、隣接する貫通配線20間の絶縁信頼性を向上することが可能となる。隣接する貫通配線20間の絶縁信頼性を確保する観点から、貫通配線20の外壁面と第1貫通孔10xの内壁面との最短距離は、2μm以上であることが好ましい。
【0031】
また、配線基板1では、第2貫通孔10yを砂時計形状としているため、貫通配線20を形成する際のめっきの充填性を向上することができる。すなわち、括れ部103の開口面積は開口端101及び102の開口面積よりも小さいため、めっきの早い段階で括れ部103が塞がれる。その後のめっきを形成する部分の深さは開口端101及び102から括れ部103までの深さとなりアスペクト比が低下するため、ボイドの発生等を抑制して第2貫通孔10yを容易に充填することができる。
【0032】
[配線基板の製造方法]
次に、第1実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。図2及び図3は、第1実施形態に係る配線基板の製造工程を例示する図である。
【0033】
なお、ここでは、1つの配線基板を作製する工程の例を示すが、配線基板は、大判の基板に複数の配線基板の形成領域が設けられた多数個取りの基板として製造することができる。この多数個取りの基板において、各配線基板の形成領域間を切断することで、個々の配線基板を得ることができる。
【0034】
まず、図2(a)に示す工程では、補強部材10Gに熱硬化性の絶縁樹脂10Rを含浸させたコア基板10の上面10aに配線層11、コア基板10の下面10bに配線層21を形成する。例えば、コア基板10の上面10a及び下面10bにパターニングされていないプレーン状の銅箔が形成された積層板を準備する。そして、サブトラクティブ法等により両面の銅箔をパターニングして、コア基板10の上面10aに配線層11、コア基板10の下面10bに配線層21を形成する。配線層11及び21は、セミアディティブ法により形成してもよい。
【0035】
次に、図2(b)に示す工程では、補強部材10Gを有するコア基板10を貫通する、断面視で矩形形状の第1貫通孔10xを形成する。第1貫通孔10xは、内壁面の上端が配線層11の側面と離隔し、内壁面の下端が配線層21の側面と離隔するように形成することが好ましい。第1貫通孔10xは、例えば、ドリル加工法で形成することができる。第1貫通孔10xの平面形状は、例えば、直径が50~100μm程度の円形とすることができる。第1貫通孔10xのピッチは、例えば、100~1000μm程度とすることができる。第1貫通孔10xを形成する際に、補強部材10Gの端部が第1貫通孔10x内に露出又は突出する場合がある。第1貫通孔10xは、レーザ加工法により形成してもよい。レーザ光を照射する際、コリメートレンズ等によりレーザ光を平行光に近い状態にしておくことで、縦断面視で幅が一定の矩形形状の第1貫通孔10xを形成することができる。
【0036】
次に、図2(c)及び図2(d)に示す工程では、コア基板10の上面10a及び下面10b、並びに第1貫通孔10x内に絶縁層12を形成する。まず、図2(c)に示す工程では、コア基板10の上面10aに配線層11を被覆するように熱硬化性の絶縁フィルム121を配置し、コア基板10の下面10bに熱硬化性の絶縁フィルム122を配置する。絶縁フィルム121及び122としては、例えば、半硬化状態のフィルム状のエポキシ系樹脂等を用いることができる。
【0037】
次に、図2(d)に示す工程では、絶縁フィルム121及び122を真空雰囲気下で加熱しながらコア基板10側に押圧して硬化させ、絶縁層12を形成する。絶縁層12は、コア基板10の上面10a側で配線層11を被覆し、コア基板10の下面10b側で配線層21を被覆し、さらに第1貫通孔10xを充填するように形成される。コア基板10の上面10a及び下面10bを被覆する部分の絶縁層12の厚さは前述のとおりである。
【0038】
次に、図3(a)に示す工程では、第1貫通孔10x内を通って、絶縁層12を上面12aから下面12bに貫通する第2貫通孔10yを形成する。また、絶縁層12を貫通し、配線層11の上面を露出するビアホール12xを形成する。また、絶縁層12を貫通し、配線層21の下面を露出するビアホール12yを形成する。第2貫通孔10y並びにビアホール12x及び12yは、例えば、COレーザ等を用いたレーザ加工法で形成できる。
【0039】
第2貫通孔10yを形成するには、まず、絶縁層12の上面12a側にレーザ光を照射し、絶縁層12の上面12a側に開口する逆円錐台状の凹部を形成する。次に、絶縁層12の下面12b側にレーザ光を照射し、絶縁層12の下面12b側に開口する円錐台状の凹部を形成する。これにより、逆円錐台状の凹部と円錐台状の凹部の各々の頂部が絶縁層12の厚さ方向の中央部近傍で連通し、縦断面視で砂時計形状の第2貫通孔10yが形成される。すなわち第2貫通孔10yは、断面視で、絶縁層12の上面12a側の開口端及び下面12b側の開口端から厚さ方向の中央側の括れ部に向かって徐々に幅が狭くなる形状となる。
【0040】
ビアホール12xは、絶縁層12の上面12a側にレーザ光を照射することで形成できる。ビアホール12xは、絶縁層12の上面12a側に開口されている開口部の径が配線層11の上面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい逆円錐台状の凹部とすることができる。ビアホール12yは、絶縁層12の下面12b側にレーザ光を照射することで形成できる。ビアホール12yは、絶縁層12の下面12b側に開口されている開口部の径が配線層21の下面によって形成された開口部の底面の径よりも大きい円錐台状の凹部とすることができる。
【0041】
ビアホール12x及び12y、並びに第2貫通孔10yを形成後、デスミア処理を行い、ビアホール12x及び12y、並びに第2貫通孔10yの内側に各々露出する樹脂残渣を除去することが好ましい。
【0042】
次に、図3(b)に示す工程では、貫通配線20並びに配線層13及び23を形成する。例えば、無電解めっき法やスパッタ法等により、絶縁層12の上面12a、ビアホール12xの内壁面、ビアホール12x内に露出する配線層11の上面、第2貫通孔10yの内壁面、絶縁層12の下面12b、ビアホール12yの内壁面、及びビアホール12y内に露出する配線層21の下面を被覆するシード層を形成する。次に、絶縁層12の上面12aを被覆するシード層上に配線層13の配線パターンの形状に合わせた開口部を有するめっきレジストパターンを形成する。また、絶縁層12の下面12bを被覆するシード層上に配線層23の配線パターンの形状に合わせた開口部を有するめっきレジストパターンを形成する。そして、シード層から給電する電解めっきにより、第2貫通孔10y並びにビアホール12x及び12yを充填すると共に、めっきレジストパターンの開口部に露出するシード層上に電解めっき層を析出する。そして、めっきレジストの剥離液を用いて、めっきレジストパターンを除去する。次に、電解めっき層をマスクとしたエッチングを行い、電解めっき層から露出するシード層を除去する。これにより、貫通配線20並びに配線層13及び23が形成される。貫通配線20の外壁面は、絶縁層12を介して、第1貫通孔10xの内壁面と離隔する。シード層及び電解めっき層の材料としては、例えば、銅(Cu)等を用いることができる。
【0043】
次に、図3(c)に示す工程では、絶縁層12の上面12aに、配線層13を覆うようにソルダーレジスト層19を形成する。又、絶縁層12の下面12bに、配線層23を覆うようにソルダーレジスト層29を形成する。ソルダーレジスト層19は、例えば、液状又はペースト状の感光性のエポキシ系絶縁性樹脂やアクリル系絶縁性樹脂を、配線層13を被覆するように絶縁層12の上面12aにスクリーン印刷法、ロールコート法、又は、スピンコート法等で塗布することにより形成できる。或いは、例えば、フィルム状の感光性のエポキシ系絶縁性樹脂やアクリル系絶縁性樹脂を、配線層13を被覆するように絶縁層12の上面12aにラミネートすることにより形成してもよい。ソルダーレジスト層29の形成方法は、ソルダーレジスト層19と同様である。
【0044】
次に、ソルダーレジスト層19及び29を露光及び現像することで、ソルダーレジスト層19に配線層13の上面の一部を露出する開口部19xを形成する。又、ソルダーレジスト層29に配線層23の下面の一部を露出する開口部29xを形成する。開口部19x及び29xの各々の平面形状は、例えば、円形状とすることができる。開口部19x及び29xの各々の直径は、接続対象(半導体チップやマザーボード等)に合わせて任意に設計できる。
【0045】
なお、この工程において、開口部19xの底部に露出する配線層13の上面及び開口部29xの底部に露出する配線層23の下面に、例えば無電解めっき法等により前述の金属層を形成してもよい。又、金属層の形成に代えて、OSP処理等の酸化防止処理を施してもよい。以上の工程で、配線基板1が完成する。
【0046】
〈第1実施形態の変形例〉
第1実施形態の変形例では、第1実施形態とは形状の異なる配線基板の例を示す。なお、第1実施形態の変形例において、既に説明した実施形態と同一構成部品についての説明は省略する場合がある。
【0047】
図4は、第1実施形態の変形例1に係る配線基板を例示する断面図である。図4を参照すると、配線基板1Aは、配線層11及び21を有していない点が、配線基板1と相違する。このように、コア基板10の上面10a及び下面10bには、配線層が設けられてもよいし、配線層が設けられなくてもよい。
【0048】
図5は、第1実施形態の変形例2に係る配線基板を例示する断面図である。図5を参照すると、配線基板1Bは、多層配線構造である点が、配線基板1と相違する。
【0049】
配線基板1Bでは、絶縁層12の上面12aには、配線層13を被覆する絶縁層14が設けられている。絶縁層14には、配線層15が設けられている。配線層15は、絶縁層14の上面に形成された配線パターンと、絶縁層14を貫通し配線層13の上面を露出するビアホール14xを充填するビア配線とを含む。絶縁層14の上面には、配線層15を被覆する絶縁層16が設けられている。絶縁層16には、配線層17が設けられている。配線層17は、絶縁層16の上面に形成された配線パターンと、絶縁層16を貫通し配線層15の上面を露出するビアホール16xを充填するビア配線とを含む。絶縁層16の上面には、開口部19xを備えたソルダーレジスト層19が設けられている。
【0050】
また、配線基板1Bでは、絶縁層12の下面12bには、配線層23を被覆する絶縁層24が設けられている。絶縁層24には、配線層25が設けられている。配線層25は、絶縁層24の下面に形成された配線パターンと、絶縁層24を貫通し配線層23の下面を露出するビアホール24xを充填するビア配線とを含む。絶縁層24の下面には、配線層25を被覆する絶縁層26が設けられている。絶縁層26には、配線層27が設けられている。配線層27は、絶縁層26の下面に形成された配線パターンと、絶縁層26を貫通し配線層25の下面を露出するビアホール26xを充填するビア配線とを含む。絶縁層26の下面には、開口部29xを備えたソルダーレジスト層29が設けられている。
【0051】
このように、コア基板10の上面10a及び下面10bには、配線層及び絶縁層が交互に積層されてもよい。配線層及び絶縁層の積層数は、必要に応じて任意に設定することができる。
【0052】
図6は、第1実施形態の変形例3に係る配線基板を例示する断面図である。図6を参照すると、配線基板1Cは、1つの第1貫通孔10x内に、2つの第2貫通孔10yが設けられた点が、配線基板1と相違する。貫通配線20は、1つの第1貫通孔10x内に設けられた2つの第2貫通孔10yのそれぞれを充填している。
【0053】
1つの第1貫通孔10x内に、3つ以上の第2貫通孔10yが設けられてもよい。このように、1つの第1貫通孔10x内に設ける第2貫通孔10yは1つには限定されず、1つの第1貫通孔10xに複数の第2貫通孔10yが設けられてもよい。
【0054】
図7は、第1実施形態の変形例4に係る配線基板を例示する断面図である。図7を参照すると、配線基板1Dは、配線層13及び配線層23が第1金属層と第2金属層の積層構造である点が、配線基板1と相違する。
【0055】
配線層13は、第1金属層13aと第2金属層13bの積層構造である。第1金属層13aは、絶縁層12の上面12aにおいて、平面視で貫通配線20の外側に設けられている。第2金属層13bは、第1金属層13aの上面及び貫通配線20の上面に積層されている。第2金属層13bは、貫通配線20と一体に形成されてもよい。第1金属層13aは、絶縁層12の上面12aにおいて、平面視でビアホール12xを充填するビア配線の外側にも設けられている。第2金属層13bは、第1金属層13aの上面及びビア配線の上面に積層されている。第2金属層13bは、ビア配線と一体に形成されてもよい。第2金属層13bは、シード層上に電解めっき層が積層された2層構造であってもよい。
【0056】
配線層23は、第1金属層23aと第2金属層23bの積層構造である。第1金属層23aは、絶縁層12の下面12bにおいて、平面視で貫通配線20の外側に設けられている。第2金属層23bは、第1金属層23aの下面及び貫通配線20の下面に積層されている。第2金属層23bは、貫通配線20と一体に形成されてもよい。第1金属層23aは、絶縁層12の下面12bにおいて、平面視でビアホール12yを充填するビア配線の外側にも設けられている。第2金属層23bは、第1金属層23aの下面及びビア配線の下面に積層されている。第2金属層23bは、ビア配線と一体に形成されてもよい。第2金属層23bは、シード層上に電解めっき層が積層された2層構造であってもよい。
【0057】
図8は、第1実施形態の変形例4に係る配線基板の製造工程を例示する図である。まず、図2(a)及び図2(b)と同様の工程を実施後、図8(a)示す工程では、半硬化状態である熱硬化性の絶縁フィルム121上に銅箔等の第1金属層13aが積層された積層体と、半硬化状態である熱硬化性の絶縁フィルム122上に銅箔等の第1金属層23aが積層された積層体とを準備する。第1金属層13a及び23aの厚さは、例えば、5~15μm程度とすることができる。そして、コア基板10の上面10aに、絶縁フィルム121が配線層11を被覆するように積層体を配置する。また、コア基板10の下面10bに、絶縁フィルム122が配線層21を被覆するように積層体を配置する。
【0058】
次に、図8(b)に示す工程では、積層体の絶縁フィルム121及び122を真空雰囲気下で加熱しながらコア基板10側に押圧して硬化させ、絶縁層12を形成する。絶縁層12は、コア基板10の上面10a側で配線層11を被覆し、コア基板10の下面10b側で配線層21を被覆し、さらに第1貫通孔10xを充填するように形成される。絶縁層12の材料や上面10a及び下面10bを被覆する部分の絶縁層12の厚さは前述のとおりである。
【0059】
次に、図8(c)に示す工程では、第1貫通孔10x内を通って、第1金属層13a、絶縁層12、及び第1金属層23aを貫通する第2貫通孔10yを形成する。また、第1金属層13a及び絶縁層12を貫通し、配線層11の上面を露出するビアホール12xを形成する。また、第1金属層23a及び絶縁層12を貫通し、配線層21の下面を露出するビアホール12yを形成する。第2貫通孔10y並びにビアホール12x及び12yは、例えば、COレーザ等を用いたレーザ加工法で形成できる。
【0060】
その後、図3(b)及び図3(c)と同様の工程を実施することにより、配線基板1Dが完成する。ただし、電解めっき層をマスクとしたエッチングを行う際には、電解めっき層から露出するシード層並びに電解めっき層から露出する第1金属層13a及び23aを除去する。
【0061】
なお、絶縁層12の両面に第1金属層13a及び23aが積層されていると、以下の効果が得られる。一般的に、絶縁層の表面に無電解めっき層を形成した場合の絶縁層に対する無電解めっき層の密着力(剥離強度)と、絶縁層の表面に金属箔を積層した場合の絶縁層に対する金属箔の密着力(剥離強度)と、を比較した場合、金属箔の密着力の方が大きい。よって、絶縁層12の両面に第1金属層13a及び23aが積層されていると、第2金属層13b及び23bがシード層上に電解めっき層が積層された2層構造である場合に、無電解めっき層であるシード層は第1金属層13a及び23aと強固に密着する。その結果、絶縁層12に対する配線層13及び23の剥離強度を向上することができる。
【0062】
〈第2実施形態〉
第2実施形態では、第1実施形態に係る配線基板に半導体チップを搭載した半導体装置の例を示す。なお、第2実施形態において、既に説明した実施形態と同一構成部品についての説明は省略する場合がある。
【0063】
図9は、第2実施形態に係る半導体装置を例示する断面図である。図9を参照すると、半導体装置2は、図1に示す配線基板1と、半導体チップ50と、バンプ60と、アンダーフィル樹脂70とを有する。
【0064】
半導体チップ50は、チップ本体51と、電極52とを有する。チップ本体51は、例えば、シリコン等からなる薄板化された半導体基板(図示せず)上に半導体集積回路(図示せず)等が形成されたものである。半導体基板(図示せず)には、半導体集積回路と電気的に接続された電極52が形成されている。
【0065】
バンプ60は、半導体チップ50の電極52と配線基板1の開口部19x内に露出する配線層13との間に形成され、電極52と配線層13とを電気的に接続する。電極52は、例えば、銅から形成することができる。バンプ60は、例えば、はんだバンプである。はんだバンプの材料としては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。アンダーフィル樹脂70は、半導体チップ50と配線基板1のソルダーレジスト層19の上面との間に充填されている。
【0066】
このように、第1実施形態に係る配線基板に半導体チップを搭載することにより、半導体装置を実現できる。
【0067】
以上、好ましい実施形態について詳説したが、上述した実施形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0068】
1,1A,1B,1C,1D 配線基板
2 半導体装置
10 コア基板
10G 補強部材
10R 絶縁樹脂
10a 上面
10b 下面
10x 第1貫通孔
10y 第2貫通孔
11,13,15,17,21,23,25,27 配線層
12,14,16,24,26 絶縁層
12a 上面
12b 下面
12x,12y、14x,16x,24x,26x ビアホール
13a,23a 第1金属層
13b,23b 第2金属層
19,29 ソルダーレジスト層
19x,29x 開口部
20 貫通配線
50 半導体チップ
51 チップ本体
52 電極
60 バンプ
70 アンダーフィル樹脂
101,102 開口端
103 括れ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9