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特開2025-23232BTK阻害活性を有するピリミジン及びピリジン化合物を用いた癌の治療方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023232
(43)【公開日】2025-02-14
(54)【発明の名称】BTK阻害活性を有するピリミジン及びピリジン化合物を用いた癌の治療方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/506 20060101AFI20250206BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20250206BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250206BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20250206BHJP
【FI】
A61K31/506
A61P35/02
A61P43/00 121
A61P7/00
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024210583
(22)【出願日】2024-12-03
(62)【分割の表示】P 2023094794の分割
【原出願日】2016-11-04
(31)【優先権主張番号】62/250,575
(32)【優先日】2015-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/296,143
(32)【優先日】2016-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/341,189
(32)【優先日】2016-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤード アール.ハック
(72)【発明者】
【氏名】サマンサ エム.グッドスタル
(72)【発明者】
【氏名】クラウデ ギミ-マッキム
(57)【要約】
【課題】本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)の阻害薬であるピリミジン及びピリジン化合物を用いて急性骨髄性白血病又は慢性リンパ性白血病を治療又は予防用の医薬組成物を提供する。
【解決手段】N-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250)及び1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)、並びに医薬として使用されるそれらの塩、互変異性体及び立体異性体から選択される化合物を含み、又はそれらの任意の割合における混合物を含む、急性骨髄性白血病又は慢性リンパ性白血病を治療又は予防用の医薬組成物を提供する。
【選択図】図4b-c
【特許請求の範囲】
【請求項1】
急性骨髄性白血病又は慢性リンパ性白血病の治療又は予防用の医薬組成物であって、治療有効量のN-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250)及び1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)、並びに医薬として使用されるそれらの塩、互変異性体及び立体異性体から選択される化合物を含み、又はそれらの任意の割合における混合物を含む、前記医薬組成物。
【請求項2】
前記化合物が、N-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250)、及び医薬として使用されるその塩、互変異性体及び立体異性体であり、又はそれらの任意の割合における混合物を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記化合物が、1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)、及び医薬として使用されるその塩、互変異性体及び立体異性体であり、又はそれらの任意の割合における混合物を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
急性骨髄性白血病を治療又は予防するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
慢性リンパ性白血病を治療又は予防するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、その内容を参照により本明細書に援用される2015年11月4日に出願された米国特許仮出願USSN62/296,143号、及び2016年2月7日に出願されたUSSN62/296,143、及び2016年5月25日に出願されたUSSN62/341,189号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、哺乳類での癌の治療における治療薬として有用な、一連のピリミジン及びピリジン化合物に関する。より詳細には、本発明の実施形態には、非可逆性キナーゼ阻害薬が記載されており、限定されないが、ブルトン型チロシンキナーゼ(以下「BTK」という)の阻害薬等が挙げられる。上述の化合物の調製方法は、これらの化合物を含む医薬組成物同様に開示されている。
【背景技術】
【0003】
プロテインキナーゼは、細胞内での様々なシグナル伝達プロセスのコントロールを担う構造的に関連性のある酵素の大きなファミリーを構成する(Hardie, G. and Hanks, S.(1995)The Protein Kinase Facts Book. I and II, Academic Press, San Diego, CA)。前記キナーゼは、リン酸化する基質(例えば、タンパク質-チロシン、タンパク質-セリン/スレオニン、脂質等)によりいくつかのファミリーに分類されてもよい。通常これらのキナーゼファミリーのそれぞれに対応する配列モチーフが同定されている(例えば、Hanks、S.K.、Hunter、T.、FASEB J.、9:576-596(1995);Knighton、et al.、Science、253:407-414(1991);Hiles、et al.、Cell、70:419-429(1992);Kunz、et al.、Cell、73:585-596(1993);Garcia-Bustos、et al.、EMBO J.、13:2352-2361(1994)).
【0004】
プロテインキナーゼは、制御メカニズムにより特徴付けられてもよい。これらのメカニズムとして、例えば、自動リン酸化、他のキナーゼによるトランスリン酸化、タンパク質-タンパク質相互作用、タンパク質-脂質相互作用、及びタンパク質-ポリヌクレオチド相互作用が挙げられる。個々のタンパク質キナーゼは、一つ以上のメカニズムで制御されていてもよい。
【0005】
キナーゼは、リン酸基を標的タンパク質へ添加することにより多くの異なる細胞プロセスを制御し、増殖、分化、アポトーシス、運動性、転写、翻訳及びその他のシグナリングプロセス挙げられるがこれらに限定されない。これらのリン酸化イベントは、前記標的タンパク質の生物学的機能を調整又は制御可能な分子オン・オフスイッチとしての役割を果たす。標的タンパク質のリン酸化は、様々な細胞外シグナル(ホルモン、神経伝達物質、成長及び分化因子等)、細胞周期イベント、環境又は栄養ストレス等に反応して生じる。適切なタンパク質キナーゼは、シグナリング経路において機能し、例えば、代謝酵素、制御タンパク質、受容体、細胞骨格タンパク質、イオンチャンネル又はポンプ又は転写因子を活性化又は非活性化(直接的又は間接的に)する。タンパク質リン酸化の調節不良によるシグナリングのコントロール不良は、多くの疾患に関与しており、例えば、炎症、癌、アレルギー/喘息、免疫系の疾患及び病態、中枢神経系の疾患及び病態、及び血管形成が挙げられる。
【0006】
非受容体チロシンキナーゼのTecファミリーの一員であるBTKは、Tリンパ球及びナチュラルキラー細胞以外の全ての造血細胞型で発現されるシグナリング酵素である。BTKは、下流細胞内応答に対して細胞表面B細胞受容体刺激を関連付けるB-細胞シグナリング経路において確立された役割を果たす。BTKは、B細胞発達、活性化、シグナリング、及び生存における調節因子でもある(Kurosaki、Curr Op Imm、2000、276-281;Schaeffer及びSchwartzberg、Curr Op Imm 2000、282-288)。また、BTKは、他の造血細胞シグナリング経路、例えば、マクロファージにおけるToll様受容体(TLR)及びサイトカイン受容体介在性TNF-a産生、肥満細胞におけるIgE受容体(FcepsilonRl)シグナリング、B細胞系リンパ細胞におけるFas/A経口-1アポトーシスシグナリングの阻害、及びコラーゲン刺激血小板凝集を通して生理的効果を発揮する。BTKは、リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ(Lck)及びLynといったSrcファミリーキナーゼに対して高い類似性を持つATP結合ポケットを有する。BTKを他のキナーゼと比較すると、保存システイン残基であるCys-481が、491個のキナーゼ中11個、特に前記Tec及びEGFR(上皮増殖因子受容体)キナーゼファミリーのメンバーに認められる。
【0007】
BTKは、B細胞の発達、分化、活性化及び増殖やそれらの抗体及びサイトカイン産生において、重要な役割を果たす。また、Btkは、好中球、肥満細胞及び単球によるサイトカイン産生、好中球及び肥満細胞の脱顆粒や破骨細胞の分化/活性化といったその他の免疫学的プロセスにおいて中心的役割を果たす。一方ではB細胞活性化、免疫寛容の崩壊及び自己抗体産生、他方では単球、好中球及び肥満細胞の増悪した活性化に由来する炎症性環境は、関節リウマチ及び全身性エリテマトーデス(これらに限定されない)といった自己免疫性疾患の病因とって重大である。
【0008】
可逆性キナーゼ阻害薬は、治療用化合物として開発されてきた。しかしながらこれらの可逆性阻害薬は、決定的な欠点がある。多くのキナーゼ可逆性阻害薬は、ATP結合部位と相互作用する。ATP-結合部位の構造がキナーゼにおいて高度に保存されていることを考慮すると、望ましい(いわゆる標的)キナーゼを選択的に阻害する可逆性阻害薬を開発することは困難であった。さらに、多くの可逆性キナーゼ阻害薬が、それらの標的ポリペプチドから簡単に解離することをふまえると、長時間の阻害を維持することは難しいと考えられる。したがって、可逆性キナーゼ阻害薬を治療薬として使用する場合、しばしば毒性容量付近の用量及び/又は頻回の投与が、目的とする生物学的効果を得るために必要となる。
【0009】
したがって、非標的ポリペプチドに(実質的に)結合しないことにより望ましくない非標的効果を発揮することなく標的ポリペプチドに共有結合する非可逆性キナーゼ阻害薬が必要とされている。
【発明の概要】
【0010】
本発明は非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫及びabsサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性第細胞型B細胞リンパ腫を含む癌の治療及び/又は予防のための本明細書に記載の式の化合物を対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、11の原発性CLL患者サンプルにわたってえ、各用量レベルにおける化合物(2)の平均阻害割合(%)を示す。
図2図2は、6つの細胞株にわたって、ABC-DLBCLアッセイにおける化合物(2)の阻害を示す。
図3図3は、6つの細胞株にわたって、MCLアッセイにおける化合物(2)の阻害を示す。
図4a図4aは、MCLモデルにおけるインビボ効力試験を示す。目的は、抗腫瘍効果及び用量応答性を決定することである。MCL細胞株は、Mino, s.c. 異種移植モデルである。マウスの種は、nu/nuマウスである。治療を150~200mm3腫瘍体積となった際に始めた。
図4b-c】Mino:MCLモデルにおけるBTK阻害剤による腫瘍体積及び体重の影響を示す。
図4d-e】Mino:MCLモデルにおけるBTK阻害剤による腫瘍体積及び体重の影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、一連の新規ピリミジン及びピリジンキナーゼ阻害薬を提供する。いくつかの実施形態において、前記キナーゼ阻害薬は、チロシンキナーゼの非可逆性阻害薬である。好ましい実施形態において、前記非可逆性キナーゼ阻害薬はBTKを阻害する。本発明において記載される前記化合物はいかなる特定の作用メカニズムに限定されることを意図したものではないが、いくつかの実施形態において、前記非可逆性キナーゼ阻害薬は、BTKのCys481と共有結合を形成することにより生理的効果を発揮する。特に、このBTKのCys481は他のキナーゼのホモログを認識する。本発明の実施形態では、前記非可逆性阻害薬を合成する方法、前記非可逆性阻害薬を前記疾患(過増殖疾患を含む)の治療に使用する方法についても記載される。キナーゼ阻害薬であり上記記載の疾患の治療に有用な医薬的に許容可能な塩、それらの溶媒和物又はプロドラッグを含む非可逆性キナーゼ阻害薬が製剤処方に含まれることがさらに記載されている。
【0013】
一つの態様では、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、式(I)の化合物、及びその医薬的に使用可能な塩、互変異性体及び立体異性体とそれらの全ての比率における混合物を対象に投与することを含む前記方法を提供する:
【0014】
【化1】
【0015】
XはCH又はNを表し、
1は、NH2、CONH2又はHを表し、
2は、Hal、Ar1又はHet1を表し、
3は、NR5[C(R52nHet2、NR5[C(R52nCyc、Het2、O[C(R52nAr2、NR5[C(R52nAr2、O[C(R52nHet2、NR5(CH2pNR56、O(CH2pNR56又はNR5(CH2pCR78NR56を表し、
4は、H、CH3又はNH2を表し、
5は、1、2、3又は4個のC原子を有するH又はアルキルを表し、
6は、N(R52CH2CH=CHCONH、Het3CH2CH=CHCONH、CH2=CHCONH(CH2n、Het4(CH2nCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、HC≡CCO、CH3C≡CCO、CH2=CH-CO、CH2=C(CH3)CONH、CH3CH=CHCONH(CH2n、N≡CCR78CONH(CH2n、Het4NH(CH2)pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Het4(CH2pCONH(CH2CH2O)p(CH2pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、CH2=CHSO2、ACH=CHCO、CH3CH=CHCO、Het4(CH2pCONH(CH2pHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Ar3CH=CHSO2、CH2=CHSO2NH又はN(R5)CH2CH=CHCOを表し、
7、R8は共に、2、3、4,又は5個のC原子を有するアルキレンを表し、
Ar1は、それぞれ非置換又はR6、Hal、(CH2nNH2、CONHAr3、(CH2nNHCOA、O(CH2nAr3、OCyc、A、COHet3、OA及び/又はOHet3(CH2)により一、二又は三置換されている、フェニル又はナフチルを表し、
Ar2は、それぞれ非置換又はR6、Hal、OAr3、(CH2nNH2、(CH2nNHCOA及び/又はHet3により一、二又は三置換されている、フェニル、ナフチル又はピリジルを表し、
Ar3は、非置換又はOH、OA、Hal、CN及び/又はAにより一、二又は三置換されている、フェニルを表し、
Het1は、非置換又はR6、O(CH2nAr3及び/又は(CH2nAr3により一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式又は二環式飽和、非飽和又は芳香族複素環を表し、
Het2は、非置換又はR6、Het3、CycSO2、OH、Hal、COOH、OA、COA、COHet3、CycCO、SO2及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式又は二環式飽和複素環表し、
Het3は、非置換又はHal、A及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式非飽和、飽和又は芳香族複素環を表し、
Het4は、非置換又はA、NO2、Hal及び/又は=Oにより一、二、三又は四置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する二環式又は三環式非飽和、飽和又は芳香族複素環を表し、
Cycは、非置換、R6及び/又はOHにより一置換又は二置換され、二重結合を含んでいてもよい、3、4、5又は6個のC原子を有する環状アルキルを表し、
Aは、1~7個のH原子がF及び/又はClによって置換されていてもよい及び/又は一つ又は二つの非隣接CH2及び/又はCH-基がO、NH及び/又はNによって置換されていてもよい、1~10個のC原子を有する非分岐状又は分岐状アルキルを表し、
Halは、F、Cl、Br又はIを表し、
nは、0、1、2、3又は4を表し、
pは、1、2、3、4、5又は6を表す。
【0016】
通常、一回以上生じる全ての残基は、同一又は異なっていてもよく、すなわち互いに独立していてもよい。他の実施形態において、残基及びパラメーターは、特別に指示がない限り、式(I)に適応される意味を有する。
【0017】
特定の実施形態において、Het1は、それぞれ非置換又はR6、O(CH2nAr3及び/又は(CH2nAr3により一、二又は三置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリーアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ-1,3-ジオキソリル、インダゾリル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[2.2.2]オクチル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ベンゾ-2,1,3-チアジアゾリル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジル、ジヒドロピリジル又はジヒドロベンゾヂオキシニルを表す。
【0018】
特定の実施形態において、Het1は、それぞれ非置換又はR6、O(CH2nAr3及び/又は(CH2)nAr3により一、二又は三置換されている、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ジヒドロピリジル又はジヒドロベンゾヂオキシニルを表す。
【0019】
特定の実施形態において、Het2は、それぞれ非置換又はR6、Het3、CycSO2、OH、OA、COA、COHet3、CycCO、SO2及び/又は=Oにより一、二又は三置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[2.2.2]オクチル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デシル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、2-アザスピロ[3.3]ヘプチル、6-アザスピロ[3.4]オクチル、7-アザスピロ[3.5]ノニル、5-アザスピロ[3.5]ノニル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジルを表す。
【0020】
特定の実施形態において、Het3は、それぞれ非置換又はHal、A及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリーアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジル又はジヒドロピリジルを表す。
【0021】
特定の実施形態において、Het3は、それぞれ非置換又はHal、A及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラゾリル又はジヒドロピリジルを表す。
【0022】
特定の実施形態において、Het4は、それぞれ非置換又はA、NO2、Hal及び/又は=Oにより一、二、三又は四置換されていてもよい、ヘキサヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル又は5H-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-4-イウム-ウイジルを表す。
特定の実施形態において,
XはCH又はNを表し、
1は、NH2、CONH2又はHを表し、
2は、Hal、Ar1又はHet1を表し、
3は、NR5[C(R52nHet2、NR5[C(R52nCyc、Het2、O[C(R52nAr2、NR5[C(R52nAr2、O[C(R52nHet2、NR5(CH2pNR56、O(CH2pNR56又はNR5(CH2pCR78NR56を表し、
4は、Hを表し、
5は、1、2、3又は4個のC原子を有するH又はアルキルを表し、
6は、N(R52CH2CH=CHCONH、Het3CH2CH=CHCONH、CH2=CHCONH(CH2n、Het4(CH2nCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、HC≡CCO、CH3C≡CCO、CH2=CH-CO、CH2=C(CH3)CONH、CH3CH=CHCONH(CH2n、N≡CCR78CONH(CH2n、Het4NH(CH2)pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Het4(CH2pCONH(CH2CH2O)p(CH2pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、CH2=CHSO2、ACH=CHCO、CH3CH=CHCO、Het4(CH2pCONH(CH2pHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Ar3CH=CHSO2、CH2=CHSO2NH又はN(R5)CH2CH=CHCOを表し、
7、R8は共に、2、3、4,又は5個のC原子を有するアルキレンを表し、
Ar1は、それぞれ非置換又はR6、Hal、(CH2nNH2、CONHAr3、(CH2nNHCOA、O(CH2nAr3、OCyc、A、COHet3、OA及び/又はOHet3(CH2)により一、二又は三置換されている、フェニル又はナフチルを表し、
Ar2は、それぞれ非置換又はR6、Hal、OAr3、(CH2nNH2、(CH2nNHCOA及び/又はHet3によって一、二又は三置換されている、フェニル又はナフチルを表し、
Ar3は、非置換又はOH、OA、Hal、CN及び/又はAにより一、二又は三置換されている、フェニルを表し、
Het1は、それぞれ非置換又はR6、O(CH2nAr3及び/又は(CH2nAr3により一、二又は三置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリーアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、インドリル、ベンゾ-1,3-ジオキソリル、インダゾリル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[2.2.2]オクチル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、ベンゾ-2,1,3-チアジアゾリル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジル、ジヒドロピリジル又はジヒドロベンゾヂオキシニルを表し、
Het2は、それぞれ非置換又はR6、Het3、CycSO2、OH、OA、COA、COHet3、CycCO、SO2及び/又は=Oにより一、二又は三置換されている、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アザビシクロ[2.2.2]オクチル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デシル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、2-アザスピロ[3.3]ヘプチル、6-アザスピロ[3.4]オクチル、7-アザスピロ[3.5]ノニル、5-アザスピロ[3.5]ノニル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロイミダゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジルを表し、
Het3は、それぞれ非置換又はHal、A及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、モルホリニル、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、トリーアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、イミダゾリジニル、アゼチジニル、アゼパニル、テトラーヒドロフリル、ジオキソラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロピロリル、テトラヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラーゾリル、テトラーヒドロピリジル又はジヒドロピリジルを表し、
Het4は、それぞれ非置換又はA、NO2、Hal及び/又は=Oにより一、二、三又は四置換されていてもよい、ヘキサヒドロチエノ[3,4-d]イミダゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル又は5H-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-4-イウム-ウイジルを表し、
Cycは、非置換又はR6により一置換されている、二重結合を含んでいてもよい、3、4、5又は6個のC原子を有する環状アルキルを表し、
Aは、1~7個のH原子がF及び/又はClによって置換されていてもよい及び/又は一つ又は二つの非隣接CH2及び/又はCH-基がO、NH及び/又はNによって置換されていてもよい、1~10個のC原子を有する非分岐状又は分岐状アルキルを表し、
Halは、F、Cl、Br又はIを表し、
nは、0、1、2、3又は4を表し、
pは、1、2、3、4、5又は6を表す。
【0023】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、式(II)の化合物、及び医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、又はそれらのプロドラッグを対象に投与することを含む前記方法を提供する。
【0024】
【化2】
【0025】
式中、
Xは、H又はCH3又はNH2であり、
Yは、H、Hal又は存在せず、
Bは、N又はCHであり、
Eは、NH2又はHであり、
Wは、NR、O又は環状アミンであり、
Zは、独立して、CH2、CH3、CH2-CH2、CH-CH2、H、NH又は存在せず、
「リンカー」は、(CH2nであり、式中、nはフェニル環、アリール環、ヘテロアリール環、分岐状又は非分岐状アルキル基、窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリール環、窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する4~7員飽和又は部分的非飽和複素環、窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される1~5個のヘテロ原子を有する7~10員二環式飽和又は部分的非飽和複素環式環、又は複素飽和環に結合した1~5個のヘテロ原子を有する7~10員二環式飽和又は部分的非飽和複素環式環から選択される、一、二又は三置換若しくは任意に置換された基であり、リンカーは、ヘテロ原子(窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される)により任意に置換されたシクロアルカン、-NH又はOHにより任意に置換されたシクロアルカン、融合又は架橋環又は任意に置換された任意にヘテロ原子を含有するスピロ環状環であってもよく、
Aは、非置換又は互いに独立してHal、OH又はORにより一、二又は三置換されていてもよい、0、1、2、3又は4個のN及び/又はO原子及び5、6、7、8、9,又は10個の骨格C原子を有する一環式又は二環式芳香族単組環又は複素環であり、
Halは、F、Cl、Br又はIであり、
Rは、独立して水素、酸素、又は任意に置換された基であり、前記基は、C1-6直鎖状又は環状脂肪族、ベンジル、フェニル、1、2又は3個のO原子により任意に置換されたフェニル基、窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する4~7員複素環式環、窒素又は酸素からそれぞれ独立して選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリール環、又は0、1、2、3又は4個のN、O原子及び5、6、7、又は8個のC骨格原子を有する一環式又は二環式芳香族単組環又は複素環から選択され、非置換又は互いに独立して、Hal、A、OH、NH2、ニトリル、及び/又はCH(Hal)3により一、二又は三置換されていてもよく、若しくはRは、1、2、3、4、5、6、7又は8個のC原子を有する非分岐状又は分岐状直鎖状アルキルであり、一つ又は二つの CH2基は、O原子及び/又は-NH-、-CO-、-NHCOO-、-NHCONH-、-CONH-、-NHCO-又は-CH=CH-基により置換されていてもよく、1~3個のH原子は、Halにより置換されていてもよく、
qは、--R、--A、ハロゲン、--OR、--O(CH2rOR、--R(NH)、--NO2、--C(O)R、--CO2R、--C(O)N(R)2、--NRC(O)R、--NRC(O)NR2、--NRSO2R又は--N(R)2から選択され、
rは、1~4であり、
nは、0~4であり、
Qは、表1に挙げられるような求電子基であり、当該求電子基はさらに弾頭(warhead)を含んでいてもよい。
【0026】
本明細書において使用される用語「弾頭」は、本発明の化合物の一部分、官能基又は置換基を意味し、当該部分、官能基又は置換基は、存在するアミノ酸(共有結合を形成可能な天然又は修飾されたシステイン、リジン又は任意の他のアミノ酸等)と共有結合し、例えば、特定のリガンド内の結合領域において、弾頭が当該リガンドに結合し、弾頭と標的タンパク質の結合領域との共有結合が、当該タンパク質の生理学的機能が不可逆的に阻害される条件下で生じる。
【0027】
本発明は、上記式(II)に示すような特定の置換基Qに限定されることを意図するものではないが、特定の実施形態において、置換基Qは表1に示す基より選択される。表1における枠内の化合物は全て上記に定義される「弾頭」ではない。
表1
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
式中、
【化6】
は、式(II)におけるQ~Zの結合ポイントを表す。
【0031】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、式(III)の化合物、及び医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、又はそれらのプロドラッグを対象に投与することを含む前記方法を提供する。
【化7】
式中、
Xは、O又はNHを表し、
Yは、N又はCHを表し、
Wは、H,NH2又はCONH2を表し、
Qは、H又はNH2を表し、
1は、L1-R4-L2-R5を表し、
2は、M1-S4-M2-S5を表し、
1は、N又はNH2により一又は二置換されていてもよい、単結合、メチレン又は環状Aを表し、
4は、N、-O-又はHalにより一又は二置換されていてもよいAr、A又は環状Aを表し、
5は、N、-O-又はHal一又は二置換されていてもよい又は存在しないAr、A又は環状Aを表す。好ましい実施形態において、R5は、2-フルオロピリジン、1-メチルピリジン-2(1H)-オン及び2-クロロピリジンからなる群より選択され、
2は、H、-O-、置換又は非置換C1-C4アルキル、置換又は非置換C1-C4ヘテロアルキル、C1-C6アルコキシアルキル、C1-C8アルキルアミノアルキル、置換又は非置換アリール、置換又は非置換ヘテロアリール、C1-C4アルキル(アリール)、C1-C4アルキル(ヘテロアリール)、C1-C4アルキル(C3-C8シクロアルキル)、又はC1-C4アルキル(C2-C8ヘテロシクロアルキル)を表す。いくつかの実施形態において、L2は、--CH2--O--(C1-C3アルキル)、--CH2--N(C1-C3アルキル)2、C1-C4アルキル(フェニル)、又はC1-C4アルキル(5-又は6-員ヘテロアリール)を表す。いくつかの実施形態において、L2は-A-を表す。いくつかの実施形態において、L2は存在しない。本発明の好ましい実施形態において、L2は、ブト-3-エン-2-オン、プロパン-2-オン、(E)-5-(ジメチルアミノ)ペント-3-エン-2-オン、(E)-ペント-3-エン-2-オン、ペント-3-イン-2-オン、1-クロロプロパン-2-オン、(メチルスルホニル)エタン、(E)-5-((2-メトキシエチル)(メチル)アミノ)ペント-3-エン-2-オン又は(Z)-ペント-3-エン-2-オンからなる群より選択される。
1は、単結合を表す。
4は、N、-O-又はHalにより一又は二置換されていてもよいAr、A又は環状Aを表し、本発明の好ましい実施形態において、S4は複素環式5~6員環を表し、
2は、O、NH、CH2を表すか又は存在せず、
5は、N、-O-又はHalにより一又は二置換されていてもよいAr、A又は環状Aを表す。本発明の特定の実施形態において、S5は、ブト-3-エン-2-オン、ベンゼン、(E)-5-(ジメチルアミノ)ペント-3-エン-2-オン、エチルベンゼン、1-エチル-2-メトキシベンゼン、アニリン及び(E)-5-モルホリノペント-3-エン-2-オンからなる群より選択される。本発明のいくつかの実施形態において、S5は存在せず、
Arは、非置換又は互いに独立してHal、A、OH、OA、NH2、NHA、NA2、NO2、CN、OCN、COOH、COOA、CONH2、CONHA、CONA2、NHCOA、NHCONHA、NHCONH、CHO及び/又はCOAにより一、二又は三置換されていてもよい、0、1、2、3又は4個のN及び/又はO原子及び5、6、7、8、9,又は10個の骨格原子を有する一環式又は二環式芳香族単組環又は複素環であり、環のN原子は、O原子により置換されてN-オキシド基を形成していてもよく、二環式芳香族環の場合、二つの環が部分的に飽和されていてもよく、
Aは、1、2、3、4、5、6、7又は8個のC原子を有する非分岐状又は分岐状、直鎖状又は環状アルキルを表し、一つ又は二つのCH2基がO原子及び/又は-NH-、-CO-、-NHCOO-、-NHCONH-、-N(LA)-、-CONH-、-NHCO-又は-CH=CH-基によって置換されていてもよく、
LAは、1、2、3又は4個のC原子を有する非分岐状又は分岐状、直鎖状アルキルを表し、1、2又は3個のH原子がHalによって置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、Br又はIを表す。
【0032】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、式(IV)の化合物、及び医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、又はそれらのプロドラッグを対象に投与することを含む前記方法を提供する。
【0033】
【化8】
【0034】
式中、
Zは、N又はCHを表し、
Xは、O又はNHを表し、及び
3は、下記構造からなる群より選択される:
【化9】
【0035】
式中「R」は、式IVにおけるZの結合部位を表す。
【0036】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、式(V)の化合物を対象に投与することを含む前記方法を提供する。
【0037】
【化10】
【0038】
式中、
Xは、CH又はNを表し、
1は、NR5[C(R52nHet2を表し、
2は、Hal、Ar1又はHet1を表し、
3は、NH2を表し、
4は、H、CH3又はNH2を表し、
5は、1、2、3又は4個のC原子を有するH又はアルキルを表し、
6は、N(R52CH2CH=CHCONH、Het3CH2CH=CHCONH、CH2=CHCONH(CH2n、Het4(CH2nCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、HC≡CCO、CH3C≡CCO、CH2=CH-CO、CH2=C(CH3)CONH、CH3CH=CHCONH(CH2n、N≡CCR78CONH(CH2n、Het4NH(CH2)pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Het4(CH2pCONH(CH2CH2O)p(CH2pCOHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、CH2=CHSO2、ACH=CHCO、CH3CH=CHCO、Het4(CH2pCONH(CH2pHet3-diyl-CH2CH=CHCONH、Ar3CH=CHSO2、CH2=CHSO2NH又はN(R5)CH2CH=CHCOを表し、
7、R8は共に、2、3、4,又は5個のC原子を有するアルキレンを表し、
Ar1は、それぞれ非置換又はR6、Hal、(CH2nNH2、CONHAr3、(CH2nNHCOA、O(CH2nAr3、OCyc、A、COHet3、OA及び/又はOHet3(CH2)により一、二又は三置換されている、フェニル又はナフチルを表し、
Ar2は、それぞれ非置換又はR6、Hal、OAr3、(CH2nNH2、(CH2nNHCOA及び/又はHet3により一、二又は三置換されている、フェニル、ナフチル又はピリジルを表し、
Ar3は、非置換又はOH、OA、Hal、CN及び/又はAにより一、二又は三置換されている、フェニルを表し、
Het1は、非置換又はR6、O(CH2nAr3及び/又は(CH2nAr3により一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式又は二環式飽和、非飽和又は芳香族複素環を表し、
Het2は、非置換又はR6、Het3、CycSO2、OH、Hal、COOH、OA、COA、COHet3、CycCO、SO2及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式又は二環式飽和複素環表し、
Het3は、非置換又はHal、A及び/又は=Oにより一、二又は三置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する単環式非飽和、飽和又は芳香族複素環を表し、
Het4は、非置換又はA、NO2、Hal及び/又は=Oにより一、二、三又は四置換されていてもよい、1~4個のN、O及び/又はS原子を有する二環式又は三環式非飽和、飽和又は芳香族複素環を表し、
Cycは、非置換、R6及び/又はOHにより一置換又は二置換され、二重結合を含んでいてもよい、3、4、5又は6個のC原子を有する環状アルキルを表し、
Aは、1~7個のH原子がF及び/又はClによって置換されていてもよい及び/又は一つ又は二つの非隣接CH2及び/又はCH-基がO、NH及び/又はNによって置換されていてもよい、1~10個のC原子を有する非分岐状又は分岐状アルキルを表し、
Halは、F、Cl、Br又はIを表し、
nは、0、1、2、3又は4を表し、
pは、1、2、3、4、5又は6を表す。
【0039】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、表2から選択される化合物、及び医薬的に許容可能な塩、溶媒和物、塩の溶媒和物、又はそれらのプロドラッグを対象に投与することを含む前記方法を提供する。
【0040】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【0041】
特定の実施形態において、本発明は、癌の治療及び/又は予防方法であって、下記より選択される化合物を対象に投与することを含む前記方法を提供する。
N-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250);及び
1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)。
【0042】
特定の実施形態において、本発明は、前記化合物がN-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250)である上記方法を提供する。
【0043】
特定の実施形態において、本発明は、前記化合物が1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)である上記方法を提供する。
【0044】
ある実施形態では、本発明の方法は、増殖又は過増殖疾患、例えば癌から選ばれる状態を治療又は予防するために使用される。
【0045】
ある実施形態では、本発明は、本発明の化合物又は組成物を投与することによる、患者の癌の重篤度を治療、予防、又は軽減するための方法を提供する。
【0046】
ある実施形態では、本発明は、過剰又は以上な細胞増殖により特徴づけられる、疾患、疾病、及び状態を治療するための方法を提供する。そのような疾患として、増殖又は過増殖疾患が挙げられる。増殖及び過増殖疾患の例として、癌や骨髄増殖性の疾病が挙げられる。
【0047】
ある実施形態では、「癌」という語句は、非限定的に下記の癌を含む:口腔:頭部および頸部癌、例えば頬側口腔癌、口唇癌、舌癌、口癌、咽頭癌、心臓癌:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:非小細胞肺癌、例えば腺癌(腺房癌、気管支肺胞癌[非粘液性、粘液性、混合性]、乳頭状、固形腺癌、透明細胞、粘液性コロイド腺癌、粘液性嚢胞腺癌、印環細胞癌、分化胎仔癌)、気管支肺胞上皮癌、扁平上皮細胞癌(バソロイド、透明細胞、乳頭状、小細胞)、大細胞(未分化)癌(巨細胞、バソロイド、透明細胞、巨細胞[ラブドイド表現型を有する]、大細胞神経内分泌癌[LCNEC]、LCNECを組み合わせたもの)、小細胞(燕麦細胞)を含む小細胞肺癌、混合小細胞肺癌;腺様嚢胞癌;過誤腫;リンパ腫;神経内分泌/カルチノイド;肉腫。消化器:食道(扁平上皮癌、喉頭、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃癌(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(腺癌、インスリノーマ、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルシノイド腫瘍、血管腫)、小腸または小腸(腺癌、リンパ腫、カルシノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋種、血管腫、脂肪肉腫、神経線維種、線維種)、大腸または大腸癌(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、疣門腫、平滑筋腫)、結腸、結腸直腸、結腸、直腸、結腸直腸癌;尿生殖器:腎臓がん(腺癌、ウィルムス腫瘍、腎芽細胞腫、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、転移性細胞癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胚性癌腫、奇形がん、繊毛癌、肉腫、間質細胞、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽細胞腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫、胆道癌;骨:骨肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(網膜細胞肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫瘍脊索腫、骨軟化症(骨軟骨外外骨腫症)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨線維腫、骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨髄腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性脊髄炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜腫、神経膠腫)、脳(星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚芽腫、松果体芽細胞腫、多形神経膠芽腫、乏突起膠腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);女性/婦人科:卵巣癌(子宮内膜肉腫)、頸部(子宮頸がん、前腫瘍子宮頸部ディスプラシア)、卵巣(卵巣癌[[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類癌腫)、顆粒膜細胞腫瘍、セルトリ - ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(透明細胞癌,扁平上皮癌、胚葉性肉腫(胎児性横紋筋肉腫)、卵管癌;乳癌;血液系:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫]毛状細胞;リンパ系障害;皮膚:悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌腫、カポジ肉腫、ケラトアカントーマ、モルス異形成母斑(moes dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維種、ケロイド、乾癬、甲状腺:乳頭状甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、未分化甲状腺癌、髄様甲状腺癌、多発性内分泌腫瘍2A型、多発性内分泌腫瘍2B型、家族性甲状腺髄様癌、褐色細胞腫、パラガングリオーマ;および副腎:神経芽腫。
【0048】
ある実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫及びbサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含むから選ばれる。ある実施形態では、細胞は、非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫である。ある実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫である。ある実施形態では、癌は、abcサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫である。
【0049】
ある実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫、及びabcサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫から選ばれ、化合物はA250及びA225である。ある実施形態では、化合物はA250である。ある実施形態では、化合物はA225である。ある実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫であり、そして化合物はA250又はA225である。ある実施形態では、化合物はA250である。ある実施形態では、化合物はA225である。ある実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫であり、そして化合物はA250又はA225である。ある実施形態では、化合物はA250である。ある実施形態では、化合物はA225である。ある実施形態では、癌はabcサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫であり、そして化合物はA250又はA225である。ある実施形態では、化合物はA250である。ある実施形態では、化合物はA225である。
【0050】
通常、一回以上生じる全ての残基は、同一又は異なっていてもよく、すなわち互いに独立していてもよい。上記及び下記において、前記残基及びパラメーターは、特別に指示がない限り式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)に適応される意味を有する。それにより、本発明は特に、残基の少なくとも一つが以下の好ましい意味の一つを有する、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の前記化合物に関する。
【0051】
好ましくは用語「置換」は、特に指示がない限り、複数の異なる置換度が可能となる上述の置換基による前記置換に関する。
【0052】
全ての生理的に許容される塩、誘導体、溶媒和物、塩の溶媒和物、及びこれらの化合物の立体異性体やそれらの全ての比率における混合物もまた本発明によるものである。
【0053】
前記式(I)、(II)、(III)、(IV)及び(V)の化合物は、一つ又はそれ以上のキラリティーの中心を有していてもよい。よって前記化合物は、様々な鏡像異性体及びラセミ体又は光学活性体として生じてもよい。したがって本発明は、前記光学活性体(立体異性体)、前記鏡像体、前記ラセミ酸塩、前記ジアステレオマー及びこれらの化合物の水和物及び溶媒和物にも関する。
【0054】
本発明における前記化合物のラセミ酸塩又は立体異性体の医薬活性は異なっていてもよいため、前記鏡像体を使用することが望ましいといえる。これらの場合、前記最終産物又は前記中間体でさえも、当業者に周知の化学的又は生理的手段又はそうした合成に使用される手段により鏡像体化合物に分離可能である。
【0055】
ラセミアミンの場合、光学活性分割剤との反応によりジアステレオマーが前記混合物から形成される。適切な分割剤として、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸のR及びS体等の光学活性酸が挙げられ、適切にはNー保護アミノ酸(例えばN-ベンゾイルプロリン又はNーベンゼンスルホニルプロリン)又は前記様々な光学活性カンファースルホン酸である。光学活性分割剤(例えばジニトロベンゾイルフェニルグリシン、三酢酸セルロース又は炭水化物又はシリカゲル上に固定化したキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマーのその他の誘導体)を用いたクロマトグラフィーによる鏡像体分離もまた有用である。この目的において適切な溶離液は、例えば82:15:3の比率のヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリル等の水性又はアルコール性溶媒混合物である。的確なエステル基(例えばアセチルエステル)含有ラセミ酸塩の分離方法は、酵素、特にエステラーゼの使用である。
【0056】
式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物には、同位体で標識したものが含まれることも考えられる。同位体標識した式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物は、通常天然に存在する原子の原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数の一つ又は複数の原子によって化合物の一つ又はそれ以上の原子が置換されているという事実を除いて元の化合物と同一である。入手容易な市販の同位体及び周知の方法で前記式Iの化合物に組み込み可能な同位体の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体、例えばそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F及び36CIが挙げられる。一つ又はそれ以上の上述の同位体及び/又は他の原子のその他の同位体を含有する、前記式Iの化合物、そのプロドラッグ又は医薬的に許容可能な塩が本発明の実施形態であることも考慮される。式Iの同位体標識化合物を、多くの有利な方法で使用可能である。例えば、3H又は14C等の放射性同位体が組み込まれた式Iの同位体標識化合物は、薬剤及び/又は基質組織分布アッセイに適している。これらの放射性同位体である三重水素(3H)及び炭素-14(14C)は、調製し易さ及び優れた検出性という点で特に好ましい。例えば重水素(2H)等のより重い同位体を前記式Iの化合物に組み込むことは、当該同位体標識化合物のより高い代謝安定性という点で治療上有利となり得る。より高い代謝安定性は、生体内の半減期の上昇又は用量の低下を直接招き、状況によっては本発明の好ましい実施形態として示される。前記式Iの同位体標識化合物は、合成スキーム及び関連記載に開示される手順に採用することが可能であり、本明細書の実施例の記載及び調製の記載では非同位体標識反応物質を入手が容易な同位体標識反応物質に置換する。
【0057】
他の実施形態において、重水素(2H)は、式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物に組み込まれてもよい事が考慮される。そのような重水素化化合物は、基本的な速度論的同位体効果により当該重水素化化合物の酸化的代謝を修飾可能である。基本的な速度論的同位体効果とは、同位体交換後の共有結合形成に必要な基底状態エネルギーの変化により起こる同位体核の交換に起因する、化学反応速度の変化を意味する。より重い同位体の交換は、通常前記化学結合のための基底状態エネルギーの低下を引き起こし、律速結合切断の速度低下を招く。多重生成物反応の座標に沿った鞍点領域内又は近傍において結合切断が生じた場合、生成物分布比が実質的に変化する。説明として、重水素が炭素原子に非交換性の位置で結合した場合、速度差は典型的には、kM/kD=2-7である。この速度差が、酸化の影響を受けやすい式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物のいずれにおいても認められる場合、当該化合物のプロファイルは、生体内では大幅に修飾され、結果として薬物動態特性を向上することが可能である。
【0058】
治療剤を創薬及び開発する際、当業者は、望ましい体外での特性を維持するとともに薬物動態パラメーターを最適化することを試みる。多くの薬物動態プロファイルが貧弱な化合物は、酸化的代謝の影響を受けやすいと仮定することは妥当である。当該技術分野にて既知の肝ミクロゾームアッセイは、この種類の酸化的代謝の経過について価値のある情報を提供し得るものであり、酸化的代謝に対する耐性を通して改善された安定性を持つ式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の重水素化化合物の妥当性のあるデザインが可能となる。よって前記式Iの化合物の薬物動態プロファイルの顕著な改善を達成可能であり、生体内の半減期(t/2)、最大治療効果濃度(Cmax)、用量反応曲線下面積(AUC)及びF値の上昇という点、及びクリアランス、投与量及び原料費の低下という点において定量的に示すことが可能である。
【0059】
本発明をいかなる重水素化モチーフに限定することを意図するものではないが、下記に一例を示す。酸化的代謝に対抗するための複数の可能性のある部分、例えばベンジル型水素原子及び窒素原子に結合した水素原子、を有する式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物は、いくつかの、ほとんどの又は全ての水素原子が重水素原子によって置換されるように、様々な水素原子の組み合わせが重水素原子によって置換されている一連のアナログとして作成される。半減期の決定は、酸化的代謝に対する抵抗性の改善度が改善した程度を、好ましくかつ正確に決定可能とする。この方法では、ハーフは、親化合物の半減期は、この種類の重水素-水素交換の結果として、最大で100%に拡張され得る。
【0060】
式(I)、式(II)、式(III)、式(IV)及び式(V)の化合物における重水素-水素交換は、望ましくない毒性代謝物を低減又は除去するために出発化合物の代謝物スペクトルの好ましい変更を達成する目的で利用可能である。例えば、毒性代謝物が酸化的炭素-水素(C-H)結合切断の際に生じた場合、特定の酸化が律速段階ではないとしても、前記重水素化アナログが、当該望ましくない代謝物の産生を大いに低減又は阻止するとある程度仮定可能である。重水素-水素交換に関する最新の更なる情報は、例えばHanzlik et al.、J. Org. Chem. 55、3992-3997、1990、Reider et al.、J. Org. Chem. 52、3326-3334、1987、Foster、Adv. Drug Res. 14、1-40、1985、Gillette et al、Biochemistry 33(10)2927-2937、1994、及びJarman et al. Carcinogenesis 16(4)、683-688、1993に記載されている。
【0061】
本発明の化合物は、プロドラッグ化合物の形態とすることが可能である。用語「プロドラッグ化合物」は、本発明において生理学的条件下で生体内で、酵素により又は酵素の介在なしに、例えば酸化、還元、加水分解又は同種のものによって、生物学的に活性のある化合物に変換される誘導体である。プロドラッグの例として、本発明の化合物において、アミノ基がアシル化、アルキル化又はリン酸化された化合物、例えばエイコサノイルアミノ、アラニルアミノ、ピバロイルオキシメチルアミノ等、ヒドロキシル基がアシル化、アルキル化、リン酸化された又はホウ酸塩に変換された化合物、例えばアセチルオキシ、パルミトイルオキシ、ピバロイルオキシ、スクシニルオキシ、フマリルオキシ、アラニルオキシ等、カルボキシル基がエステル化又はアミド化された化合物、スルフヒドリル基が担体分子とジスルフィド架橋を形成した化合物、例えば標的及び/又は細胞の細胞質ゾルに選択的に薬剤と送達するペプチド等が挙げられる。これらの化合物は、周知の方法により本発明の化合物から製造可能である。その他のプロドラッグの例として、本発明の化合物におけるカルボン酸塩が、例えばアルキル-、アリール-、コリン-、アミノ、アシルオキシメチルエステル、リノレノイル-エステルに変換されている化合物が挙げられる。
【0062】
本発明の化合物の代謝物も、本発明の範囲に含まれる。
【0063】
本発明の化合物又はそれらのプロドラッグの互変異性、例えば、ケト・エノール互変異性が生じ得る場合、個々の形態、例えばケト又はエノール体、は別々の化合物又は任意の比率の混合物とされる。例えば、鏡像体、シス・トランス異性体、配座異性体及び同種のものといった立体異性体についても同様である。
【0064】
望ましくは、異性体は、当該技術分野において周知の方法、例えば液体クロマトグラフィーによって分離可能である。例えばキラル固定層を用いた鏡像体についても同様である。また、鏡像体は、ジアステレオマーに変換することで単離してもよく、すなわち、鏡像異性的に純粋な補助化合物とカップリングした後、得られるジアステレオマーを分離し、補助残基を切断する。若しくは、光学的に純粋な出発物質を用いた立体選択的な合成により本発明の化合物の任意の鏡像体を得てもよい。
【0065】
本発明の化合物は、医薬的に許容可能な塩又は溶媒和物の形態とすることが可能である。用語「医薬的に許容可能な塩」とは、無機塩基又は酸及び有機塩基又は酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から調整される塩を意味する。本発明の化合物が一つ又はそれ以上の酸性又は塩基性基を含有する場合、医薬的に又は毒物学的に許容可能な塩、特に当該化合物の医薬的に利用可能な塩、に対応する化合物も、本発明に含まれる。よって、酸性基を含有する本発明の化合物は塩の形態として存在可能であり、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又はアンモニウム塩として本発明において使用可能である。そのような塩のより詳細な例として、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩又は例えば、エチルアミン、エタノールアミン、トリエタノールアミン又はアミノ酸等のアンモニア又は有機アミンとの塩が挙げられる。一つ又はそれ以上の塩基性基すなわちプロトン化可能な基を含有する本発明の化合物は、塩の形態とすることが可能であり、無機又は有機酸を付加した塩の形態として本発明において使用可能である。適切な酸の例として、塩化水素、臭化水素、リン酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、pートルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、シュウ酸、酢酸、酒石酸、乳酸、サリチル酸、安息香酸、蟻酸、プロピオン酸、ピバリン酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、スルファミン酸、フェニルプロピオン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、イソニコチン酸、クエン酸、アジピン酸 及び当業者に周知のその他の酸が挙げられる。本発明の化合物が酸性及び塩基性基を同時に分子内に含有する場合、上述の塩の形態に加えて、内塩又はベタイン(両性イオン)の形態も本発明に含まれる。前記塩はそれぞれ当業者に既知の通常の方法、例えば溶媒又は分散剤中の有機又は無機酸又は塩基との接触又はその他の塩のアニオン交換又はカチオン交換、によって得られる。前記本発明の化合物の全ての塩も、生理学的適合性が低いために、医薬品に直接利用することに適しているだけではなく、例えば化学反応又は医薬的に許容可能な塩の調製のための中間体として使用可能であることから、本発明に含まれる。
【0066】
さらに、本発明は、本発明の化合物又はプロドラッグ化合物又は医薬的に許容可能な担体と共に供される有効成分としての医薬的に許容可能な塩又は溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
【0067】
用語「医薬組成物」は、一つ又はそれ以上の有効成分、及び一つ又はそれ以上の前記担体を構成する不活性成分、加えて任意の二つ又はそれ以上の前記成分の組合せ、錯体形成又は凝集、一つ又はそれ以上の前記成分の解離、又は他の種類の反応又は一つ又はそれ以上の前記成分の相互作用の結果、直接的又は間接的に得られる任意の生成物、を意味する。それにより、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物及び医薬的に許容可能な担体を混合することにより生成される任意の組成物を包含する。
【0068】
本発明の医薬組成物は、さらに有効成分として、一つ又はそれ以上の本発明の追加的化合物、プロドラッグ化合物又は他のBTK阻害薬等の一つ又はそれ以上の他の化合物を含んでいてもよい。
【0069】
医薬組成物は、経口、直腸内、局所的、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、目の(眼の)、肺(鼻もしくは頬側吸入)、又は経鼻投与に適している組成物を含むが、任意の所定の場合における最適な経路は、処置される状態の性質及び重篤度、ならびに有効成分の性質に依存する。それらは、単位投与形態において簡便に提示され、薬学の分野において周知の方法のいずれによっても調製され得る。
【0070】
一実施形態において、前記化合物及び医薬組成物又は医薬的に許容可能な塩、それらのプロドラッグ又は水和物、及び医薬的に許容可能な担体は、癌の治療を目的としている。
【0071】
本発明はまた、癌の治療のための薬剤の調整のための本発明における化合物の使用に関する。
【0072】
実用化において、従来の医薬配合手法に従って、本発明の化合物を医薬担体と共に密な混合物中の有効成分と組み合わせることが可能である。前記担体は、経口又は非経口投与(経静脈投与を含む)等の投与に望ましい調整形態に従って様々な形態としてもよい。前記組成物を経口投薬形態として調製する場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール類、調味剤、防腐剤、着色剤及び同種のものといった任意の通常の医薬媒体を使用してもよい。経口液体製剤の場合、例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液;又は担体、例えばデンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤及び同種のものといった任意の通常の医薬媒体を使用してもよい。経口固体製剤の場合において、組成物は例えば散剤、硬質及び軟質カプセルならびに錠剤の形態を採ってもよく、固体経口製剤が液体製剤よりも優れて好ましい。
【0073】
それらの投与の容易さのために、錠剤及びカプセルは最も有利な経口投薬単位形態を表し、この場合において固体の医薬担体を使用することは明らかである。所望により、錠剤を標準的な水性の、又は非水性の手法によって被覆してもよい。かかる組成物及び製剤は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含まなければならない。活性化合物のこれらの組成物中の百分率を当然変化させてもよく、簡便には当該単位の重量の約2パーセント~約60パーセントであってもよい。活性化合物のかかる治療的に有用な組成物中の量は、有効用量が得られる程度である。活性化合物をまた、鼻腔内に例えば液体ドロップ又はスプレーとして投与することができる。
【0074】
錠剤、丸剤、カプセル及び同種のものはまた、結合剤、例えばトラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチン;賦形剤、例えば第二リン酸カルシウム;崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、例えばスクロース、ラクトース又はサッカリンを含んでもよい。投薬単位形態がカプセルである場合には、それは、上記種類の材料に加えて液体の担体、例えば脂肪油を含んでもよい。
【0075】
様々な他の材料は、コーティングとして、又は投薬単位の物理的な形態を修正するために存在し得る。例えば、錠剤をセラック、糖又は両方で被覆してもよい。シロップ又はエリキシル剤は、活性成分に加えて、甘味剤としてのスクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素及び風味剤、例えばサクランボ又はオレンジ風味を含んでもよい。
【0076】
本発明の化合物をまた、非経口的に投与してもよい。これらの活性化合物の溶液又は懸濁液を、界面活性剤、例えばヒドロキシ-プロピルセルロースと好適に混合した水中で調製することが可能である。分散体をまた、油中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその混合物中で調製することができる。保存及び使用の通常の条件の下で、これらの製剤は、微生物の成長を防止するための防腐剤を含む。
【0077】
注射可能な使用に適している医薬形態は、無菌の注射可能な溶液又は分散体の即座の調製のための無菌の水溶液又は分散体及び無菌の散剤を含む。すべての場合において、当該形態は無菌でなければならず、容易なシリンジ通過性(syringability)が存在する程度に流動性を有しなければならない。それは製造及び保存の条件の下で安定でなければならず、微生物、例えば細菌及び菌類の汚染作用に対して保護されなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、その好適な混合物、ならびに植物油を含む溶媒又は分散媒体であり得る。
【0078】
任意の好適な投与の経路を、哺乳動物、特にヒトに有効な投与量の本発明の化合物を供給するために使用してもよい。例えば、経口、直腸内、局所的、非経口、眼内、肺内、鼻腔内及び同種のものを、使用してもよい。投薬形態は、錠剤、トローチ、分散体、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾール及び同種のものを含む。好ましくは、本発明の化合物を経口的に投与する。
【0079】
使用する有効成分の有効な用量は、使用する特定の化合物、投与の方式、処置される状態及び処置される状態の重篤度に依存して変化し得る。かかる投与量は、当業者によって容易に確認され得る。
【0080】
ある実施態様では、本発明は、上記の化合物を含むカプセルを提供する。別の実施形態では、カプセルは、約20mg~約100mgの本発明の化合物を含む。ある実施形態では、カプセルは、訳80mgの本発明の化合物を含む。ある実施形態ではカプセルは、訳160mgの本発明の化合物を含む。ある実施形態では、カプセルは約600mgの本発明の化合物を含む。ある実施形態では、カプセルは、約900mgの本発明の化合物を含む。ある実施形態では、化合物は、N-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミン(A250)又は1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン
(A225)である。ある実施形態では、化合物は、N-[(1-アクリロイルピペリジン-4-イル)メチル]-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4,6-ジアミンである。ある実施形態では、化合物は、1-(4-(((6-アミノ-5-(4-フェノキシフェニル)ピリミジン-4-イル)アミノ)メチル)-4-フルオロピペリジン-1-イル)プロプ-2-エン-1-オン(A225)である。
【0081】
ある態様では、本発明は、本明細書に記載され鵜ようにがんを治療する方法であって,対象に、上記のカプセルを1日1回投与する工程を含む。ある実施形態では、癌は、再発/難治性B細胞悪性腫瘍である。ある実施形態では、癌は、非ホジキンリンパ腫マントル細胞リンパ腫及びabcサブタイプを含む非ホジキンリンパ腫びまん性大b細胞リンパ腫から選ばれる。
【0082】
本発明はまた、
a)有効量の本発明における化合物又はその生理学的に許容可能な塩、それらの溶媒和物又はプロドラッグ、及び
b)有効量のさらなる医薬活性成分の個別のパックからなるセット(キット)に関する。
【0083】
前記セットは、好適な容器、例えば箱、個別のビン、袋又はアンプルを含む。例によって、前記セットは、例えば、各々が有効量の本発明における化合物を含む個別のアンプル前記及び/又はそれらの医薬的に使用可能な誘導体、溶媒和物及び立体異性体とそれらの全ての比率における混合物、及び有効な量の溶解又は凍結乾燥した形態におけるさらなる医薬活性成分を含む。
【0084】
実験セクション
下記の実施例に記載される通り、ある代表的な実施形態において、化合物は以下の一般的方法にしたがって調製される。一般的方法が、本発明の特定の化合物の合成を示すが、以下の一般的方法及び他の当業者に既知の方法が、本明細書に記載されるように、すべての化合物及びサブクラス及びこれらの化合物の各々の種に適用されうる。
以下の実施例に使用される化合物の番号は、上述の化合物番号に対応する。
【0085】
実施例1
モザイクスポットアッセイ(CLL患者サンプル)
モザイクスポットアッセイを、Mosaic LaboratoriesSOPにしたがって行った。CLL血液及び骨髄単核細胞を、生存性について評価し、そして細胞計数して、Mosaic Spot Media(X-vivo 10 Media [Lonza, Fisher Scientific, Carlsbad, CA]+10%FBS[Life Technologies, Carlbad, CA))中にて、96ウェルCytophobicプレートに、化合物、及び2つの対照:1)陽性対象として、シスプラチンの細胞傷害用量;及び2)レファレンス及び陰性対照として薬剤無し、の存在下で播種した。腫瘍細胞を、5%CO2加湿37℃インキュベーター内で4日間維持した。インキュベートの終わりに、細胞をはがし、そして正荷電ガラススライド(Superfrost+、VWR,Radnor、PA)上に細胞遠心して配置した。スライドを、Mosaic Laboratories SOPsにしたがって、Wright Giemsaで染色した。細胞増殖を、血液病理学者により計測した。結果を図1に示す。
【0086】
MCL/ABC-DLBCL細胞株
液体窒素中で保存された細胞株を融解し、そして全血清含有増殖培地に播種した。予期された倍化時間に到達した際に、スクリーニングを開始した。細胞を黒色384ウェル組織培養処理プレートにおいて増殖培地中で播種した。細胞を遠心によりアッセイプレート内で平衡化し、そして処理前に37℃で24時間インキュベーター内に配置した。処置の際に、(処置を受けていない)アッセイプレートのセットを回収し、そしてATPレベルを、ATPLite(Perkin Elmer)を添加することにより計測した。これらのTzero(T0)プレートを、Envision プレートリーダー上で超高感度ルミネッセンスを用いて、読み込んだ。アッセイプレート9を、72時間化合物とインキュベートし、そしてATPLiteを用いて分析した。すべてのデータ点を、自動化プロセスにしたがって集め、そしてHorizon’s proprietaryソフトウェアを用いて、品質コントロールに供し、そして分析した。以下の品質コントロール基準を合格した場合に、アッセイプレートを用いた:相対Raw値が全ての実験にわたり一定であり、Z-factorスコアが、0.6超であり、そして未処理/ビヒクル対照が、プレート上で一定の挙動を示す。
【0087】
Horizonは、細胞増殖の手段として、増殖阻害(GI)を用いた。GI割合は、以下の試験及び式を適用することにより計算した:
【数1】
式中、
Tは、72時間における試験物質についてのシグナル計測値であり、
Vは、未処理/ビヒクル処理の対照計測値であり、及び
V0は、0時における未処理/ビヒクル対照計測値(T0プレートとして表現される)。
この式は、国立がん研究所NCI-60ハイスループットスクリーニングにおいて使用される増殖阻害計算に由来する。
【0088】
0%のGI読み取りは、増殖阻害がないことを示し、72時間におけるT読み取り値が、各時点でのV読み取り値に匹敵する場合に生じた。GI100%は、完全な増殖阻害(細胞定常)を示し、そして72時間化合物で処理された細胞が、T0対照細胞と同じ末点読み取り値を有した。200%のGIは、培養ウェルにおけるすべての細胞の完全な死滅(細胞毒性)を示し、この場合、72時間におけるT読み取り値は、T0対照値(0時又はその付近での値)に比べて低かった。これらのGI計算を、すべての単一薬剤及び組み合わせのデータ分析において用い、そして結果を図2及び3に示した。
図1
図2
図3
図4a
図4b-c】
図4d-e】