(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023515
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】コマンド入力装置、コマンド入力方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20250207BHJP
H04R 3/00 20060101ALN20250207BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G06F3/01 514
H04R3/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023127688
(22)【出願日】2023-08-04
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「生体情報操作を活用したウェアラブルセンシング基盤の拡張」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願。令和3年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、戦略的創造研究推進事業「ヒアラブルコンピューテイングにおけるセキュリティ基盤の確立」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】593006630
【氏名又は名称】学校法人立命館
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(74)【代理人】
【識別番号】100154520
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 祐子
(72)【発明者】
【氏名】村尾 和哉
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 拓貴
【テーマコード(参考)】
5D220
5E555
【Fターム(参考)】
5D220AA50
5E555AA12
5E555AA79
5E555BA16
5E555BA38
5E555BB16
5E555BB38
5E555BC01
5E555CB66
5E555CC01
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】非接触でコマンド入力が可能なコマンド入力装置を提供する。
【解決手段】ハウジング内に気圧センサ4bを設けている。そして、気圧センサ4bにて検出された気圧の変化に基づいて、操作内容を決定する操作内容決定部43を備えている。ハウジングに触れない所定方法によって、ハウジングの周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させたものを気圧センサ4bが検出すると、操作内容決定部43は、その検出内容に基づいて操作内容を決定するようにしている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に設けられた気圧センサと、
前記気圧センサにて検出された気圧の変化に基づいて、操作内容を決定する決定手段と、を有し、
前記筐体に触れない所定方法によって、該筐体の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させたものを前記気圧センサが検出すると、前記決定手段は、その検出内容に基づいて前記操作内容を決定してなるコマンド入力装置。
【請求項2】
前記決定手段は、予め設定されている閾値と期間によって、前記操作内容を決定してなる請求項1に記載のコマンド入力装置。
【請求項3】
前記所定方法は、人の手を前記筐体に近づける又は遠ざける方法である請求項1又は2に記載のコマンド入力装置。
【請求項4】
前記筐体内に加速度センサをさらに設け、
前記加速度センサにて、前記筐体の振動を検出してなる請求項1又は2に記載のコマンド入力装置。
【請求項5】
筐体に触れない所定方法によって、該筐体の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させた際、その変化を前記筐体に設けられた気圧センサにて検出するステップと、
前記気圧センサにて検出すると、所定装置によって、その検出内容に基づいた操作内容を決定するステップと、を含んでなるコマンド入力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマンド入力装置、コマンド入力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェラブルコンピューティングの発展にともない、イヤラブルデバイス(earable device)と呼ばれる耳装着型デバイスが着目されている。このイヤラブルデバイスは、従来のイヤホンの用途である音楽鑑賞をはじめ、スマートフォンと連携することによる音声アシスタントの利用や、搭載された各種センサを用いてユーザの生体情報や行動を認識できるようになっている。
【0003】
ところで、このようなイヤラブルデバイスの多くはスマートフォンと連携して使用することを前提としており、イヤラブルデバイスを操作する際にスマートフォンの画面に着目し、人の手で操作する必要がある。
【0004】
また、イヤラブルデバイス内にセンサを搭載して、イヤラブルデバイスに直接人の手でタッチすることによりコマンド操作できるものが知られている。例えば、感圧センサを使用している非特許文献1に記載のイヤラブルデバイス、又は、静電容量センサを使用している非特許文献2に記載のイヤラブルデバイスである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】"AirPodsPro"、[online]、Apple株式会社、[2023年7月25日検索]、インターネット(https://www.apple.com/jp/airpods-pro/)
【非特許文献2】"Google Pixel Buds"、[online]、Google株式会社、[2023年7月25日検索]、インターネット(https://store.google.com/jp/category/earbuds?hl=ja)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献1に記載の技術は、感圧センサを使用しているため、感圧センサに人の手が触れないと反応しないことから、イヤラブルデバイスの形状設計に制約が生じるという問題があった。また、上記非特許文献2に記載の技術は、静電センサを使用しているため、静電センサは、意図しない接触により動作してしまうという問題があるばかりか、手袋をはめた状態では反応しないという問題があった。
【0007】
さらに、上記非特許文献1及び非特許文献2に記載の技術は、何れも、イヤラブルデバイスに直接人の手でタッチしなければならないことから、耳への装着がズレたり、耳が痛くなったりするという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、非接触でコマンド入力が可能なコマンド入力装置、コマンド入力方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】
請求項1に係るコマンド入力装置は、筐体(例えば、
図1に示すハウジング2)内に設けられた気圧センサ(4b)と、
前記気圧センサ(4b)にて検出された気圧の変化に基づいて、操作内容を決定する決定手段(例えば、
図3に示す操作内容決定部43)と、を有し、
前記筐体に触れない所定方法によって、該筐体の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させたものを前記気圧センサが検出すると、前記決定手段は、その検出内容に基づいて前記操作内容を決定してなることを特徴としている。
【0011】
請求項2に係るコマンド入力装置は、上記請求項1に記載のコマンド入力装置において、前記決定手段(例えば、
図3に示す操作内容決定部43)は、予め設定されている閾値と期間によって、前記操作内容を決定してなることを特徴としている。
【0012】
請求項3に係るコマンド入力装置は、上記請求項1又は2に記載のコマンド入力装置において、前記所定方法は、人(例えば、
図4に示す使用者H)の手(例えば、
図4に示す手Hb)を前記筐体(例えば、
図4に示すハウジング2)に近づける又は遠ざける方法であることを特徴としている。
【0013】
請求項4に係るコマンド入力装置は、上記請求項1又は2に記載のコマンド入力装置において、前記筐体(例えば、
図4に示すハウジング2)内に加速度センサをさらに設け、
前記加速度センサにて、前記筐体の振動を検出してなることを特徴としている。
【0014】
請求項5に係るコマンド入力方法は、筐体(例えば、
図4に示すハウジング2)に触れない所定方法によって、該筐体の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させた際、その変化を前記筐体に設けられた気圧センサ(4b)にて検出するステップ(ステップS1)と、
前記気圧センサにて検出すると、所定装置(例えば、
図2に示すコマンド入力内容検出装置4)によって、その検出内容に基づいた操作内容を決定するステップ(ステップS2)と、を含んでなることを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
請求項1,5に係る発明によれば、筐体(例えば、
図1に示すハウジング2)に触れない所定方法によって、該筐体の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させたものを気圧センサ(4b)が検出すると、その検出内容に基づいて操作内容を決定するようにしている。これにより、非接触でコマンド入力が可能となる。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、ノイズ等を無視することができ、操作内容を正確に決定することができる。
【0018】
請求項3に係る発明によれば、わざわざ機械等を用意せずとも良く、簡単容易に操作することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によれば、接触でのコマンド入力を検出することができることとなるため、非接触でのコマンド入力と接触でのコマンド入力との組み合わせが可能となる。それゆえ、コマンド入力のバリエーションが増えることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係るコマンド入力装置と携帯端末を接続した状態を示す概略全体図である。
【
図2】同実施形態に係るコマンド入力内容検出装置のブロック図である。
【
図3】同実施形態に係るコマンド入力内容検出装置の機能構成図である。
【
図4】同実施形態に係るコマンド入力装置を耳に装着した状態で、手を用いて操作している状態を示す説明図である。
【
図5】同実施形態に係るコマンド入力装置の処理内容を示すフローチャート図である。
【
図6】(a)は、手にて耳を塞いだ後、直ちに、手を離した状態の気圧変化の波形を示し、(b)は、手にて耳を塞いだ状態を維持した状態の気圧変化の波形を示し、(c)は、手にて耳を塞いだ後、一定期間をおいて、手を離した状態の気圧変化の波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るコマンド入力装置の一実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明において、上下左右の方向を示す場合は、図示正面から見た場合の上下左右をいうものとする。
【0022】
<コマンド入力装置の概略説明>
本実施形態に係るコマンド入力装置は、非接触でコマンド入力が可能なものである。このようなコマンド入力装置として、本実施形態においては、
図1に示す、ワイヤレスタイプのカナル型イヤホンを例に説明する。
【0023】
図1に示すように、本実施形態に係るコマンド入力装置1は、ワイヤレスタイプのカナル型イヤホンであって、外観は従来と同様の構成からなり、ハウジング2と、イヤーピース3と、で構成されている。そして、
図1に示すように、このハウジング2内に、本実施形態の特徴部分であるコマンド入力内容検出装置4が設けられている。以下、このコマンド入力内容検出装置4について詳しく説明する。なお、このようなコマンド入力装置1は、
図1に示すように、Bluetooth(登録商標)などの無線通信にて、スマートフォンなどの携帯端末SPとデータのやり取りができるようになっている。
【0024】
<コマンド入力内容検出装置の説明>
コマンド入力内容検出装置4は、
図2に示すように、コマンド入力内容検出装置4が備える各機能を実行、制御するCPU4aと、ハウジング2外の周辺の空気の気圧を検出する気圧センサ4bと、コマンド入力内容検出装置4内に所定データを入力、又は、コマンド入力内容検出装置4外に所定データを出力することができる入出力部4cと、所定のプログラム等を格納した書込み可能なフラッシュROM等からなるROM4dと、作業領域やバッファメモリ等として機能するRAM4eと、で構成されている。なお、後述するコマンド入力内容検出装置4の機能や処理は、CPU4aがROM4dに格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0025】
<コマンド入力内容検出装置の機能構成の説明>
次に、
図3を用いて、コマンド入力内容検出装置4の機能構成について説明する。
図3に示すように、コマンド入力内容検出装置4の機能構成としては、判断部40と、記憶部41と、気圧データ取得部42と、操作内容決定部43と、で構成されている。以下、各構成について説明する。
【0026】
判断部40は、判断部40が保持する状態または、各機能ブロックが保持する状態に基づいて、各機能ブロック間との情報をやり取りするものである。
【0027】
記憶部41は、処理に必要なデータ等を記憶するものである。
【0028】
気圧データ取得部42は、
図3に示す気圧センサ4bにて検出した気圧データを取得するものである。具体的には、
図3に示す気圧センサ4bにて、
図1に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧を検出すると、気圧データ取得部42は、気圧データとして
図6に示すような波形からなるデータを取得する。
【0029】
操作内容決定部43は、上記気圧データ取得部42にて取得した気圧データに基づいて操作内容を決定するものである。この点、具体例を用いて以下、説明する。
【0030】
具体例として、
図4に示すように、使用者Hが、外耳道Ha内に、イヤーピース3を挿入し、コマンド入力装置1を耳に装着してる状態を具体例とする。この場合に、
図4に示すように、使用者Hが手Hbを破線で示す箇所から矢印Y1方向に瞬間的(1秒以下)に移動させて、コマンド入力装置1に触れずに実線で示すように手Hbにて耳を塞ぐような操作をする。これにより、手Hb内の空気が手Hbよりも逃げるよりも早く、コマンド入力装置1に寄ることとなるため、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧が一瞬上昇する(例えば、最大100パスカル程度)。なお、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧は、一瞬上昇するだけで元に戻る。
【0031】
一方、
図4に示すように、コマンド入力装置1に触れずに実線で示すように手Hbにて耳を塞いだ状態で、矢印Y2方向に瞬間的(1秒以下)に手Hbを破線で示す箇所に移動、すなわち、手Hbを離せば、手Hb内の空気がコマンド入力装置1から瞬時に離れることとなるから、一瞬真空状態となり、これによって、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧が一瞬下降する(例えば、最大-40パスカル程度)。なお、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧は、一瞬下降するだけで元に戻る。
【0032】
かくして、このような気圧の変化を
図3に示す気圧センサ4bにて検出し、気圧データ取得部42にて取得したものが、
図6に示すものである。すなわち、
図6(a)に示す波形は、
図4に示す実線で示すように、手Hbにて耳を塞いだ後、直ちに、
図4に示す破線で示す箇所に手Hbを移動させた状態、すなわち、手Hbを離した状態を示している。そして、
図6(b)に示す波形は、
図4に示す実線で示すように、手Hbにて耳を塞いだ状態を維持した状態を示している。さらに、
図6(c)に示す波形は、
図4に示す実線で示すように、手Hbにて耳を塞いだ後、一定期間をおいて、
図4に示す破線で示す箇所に手Hbを移動させた状態、すなわち、手Hbを離した状態を示している。
【0033】
したがって、このような波形を
図3に示す気圧センサ4bにて検出し、気圧データ取得部42にて取得した際、操作内容決定部43は、この波形から、手Hbにてどのような操作がなされたのかを決定するようになっている。具体的には、操作内容決定部43は、まず、気圧データ取得部42にて取得した気圧データに、予め設定された閾値Pth[Pa]を超える期間を連続して満たす区間があるか否かを検出する。次に、操作内容決定部43は、その検出した区間の長さが所定値(Tth[s])以下であれば、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧は、一瞬上昇していると判断し、
図4に示す実線で示すように、手Hbにて耳を塞いだ操作であると決定する。
【0034】
一方、操作内容決定部43は、気圧データ取得部42にて取得した気圧データに、予め設定された閾値Pth[Pa]を下回る期間を連続して満たす区間があるか否かも検出する。次に、操作内容決定部43は、その検出した区間の長さが所定値(Tth[s])以下であれば、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧が、一瞬下降していると判断し、
図4に示す実線で示す手Hbにて耳を塞いだ状態から、
図4に示す破線で示す箇所に手Hbを移動させた操作であると決定する。
【0035】
なお、上記説明した何れの条件にも合致しなかった場合、操作内容決定部43は、波形が変化していたとしても、その変化はノイズ等であると判定し、
図4に示す手Hbにて何の操作もされていないと決定する。
【0036】
かくして、このようにして、操作内容決定部43は、上記気圧データ取得部42にて取得した気圧データに基づいて、手Hbにてどのような操作がなされたのかを決定する。これにより、例えば、
図6(a)に示すような操作の場合は、音量を上げる。
図6(b)に示すような操作の場合は、音を停止する。
図6(c)に示すような操作の場合は、次の音楽に変更する等、事前に、波形内容に応じて、
図1に示す携帯端末SPへ送信するコマンド内容を決定しておけば、操作内容決定部43は、手Hbにてどのような操作がなされたのかを決定すると、その決定内容に応じたコマンドを
図1に示す携帯端末SPへ送信することとなる。なお、これを受けて、携帯端末SPは、送信されてきたコマンドに応じて音を調整した上で、コマンド入力装置1に調整した音を送信することとなる。
【0037】
したがって、このようにすれば、非接触でコマンド入力が可能となる。
【0038】
<コマンド入力装置の一使用例の説明>
次に、
図5に示すフローチャートも参照し、本実施形態に示すコマンド入力装置1の一使用例について説明する。
【0039】
まず、
図4に示すように、使用者Hが、外耳道Ha内に、イヤーピース3を挿入し、コマンド入力装置1を耳に装着する。この際、コマンド入力装置1と
図1に示す携帯端末SPとは、Bluetooth(登録商標)などの無線通信にて接続されており、携帯端末SPから送信されてくる音データは、
図3に示す判断部40にて受信され、
図2に示す入出力部4cを介して、使用者Hの外耳道Ha内に送信されるようになっている。これにより、使用者Hは、所定の音を聞くことができる。
【0040】
ここで、使用者Hが音の調整をしようと、
図4に示すような手Hbの動きをすると、
図3に示す気圧センサ4bは、
図4に示すハウジング2外の周辺の空気の気圧の変化を検出する。そして、気圧センサ4bにて検出した気圧データは、
図3に示す判断部40にて受信され、判断部40は、受信した気圧データを気圧データ取得部42に出力する。これを受けて、気圧データ取得部42は、気圧データとして
図6に示すような波形からなるデータを取得する(ステップS1)。
【0041】
次に、判断部40は、
図3に示す気圧データ取得部42にて取得された気圧データを、気圧データ取得部42から受けて、
図3に示す操作内容決定部43に出力する。これを受けて、操作内容決定部43は、上記説明したように、気圧データ取得部42にて取得した気圧データに基づいて、
図4に示す手Hbにてどのような操作がなされたのかを決定する(ステップS2)。
【0042】
次に、判断部40は、
図3に示す操作内容決定部43が、
図4に示す手Hbにて何らかの操作がされたと決定されたか否かを確認する(ステップS3)。
図4に示す手Hbにて何の操作もなされていないと操作内容決定部43が決定していた場合(ステップS3:No)、判断部40は、ステップS1に戻る処理を行う。
【0043】
一方、判断部40は、
図4に示す手Hbにて何らかの操作がされたと操作内容決定部43が決定していた場合(ステップS3:Yes)、操作内容決定部43にステップS4の処理をするように促す。これを受けて、操作内容決定部43は、決定した手Hbの操作内容に応じたコマンドを生成し、判断部40に出力する。これにより、判断部40は、そのコマンドを
図2に示す入出力部4cを介して、
図1に示す携帯端末SPへ送信する(ステップS4)。これを受けて、携帯端末SPは、送信されてきたコマンドに応じて音を調整した上で、コマンド入力装置1に調整した音を送信することとなる。
【0044】
したがって、以上説明してきた本実施形態によれば、非接触でコマンド入力が可能となる。
【0045】
また、本実施形態においては、操作内容決定部43にて、予め設定された閾値Pth[Pa]を超える期間を連続して満たす区間があるか否かを検出し、その検出した区間の長さが所定値(Tth[s])以下であれば、手Hbにて耳を塞いだ操作であると決定し、さらに、予め設定された閾値Pth[Pa]を下回る期間を連続して満たす区間があるか否かも検出し、その検出した区間の長さが所定値(Tth[s])以下であれば、手Hbにて耳を塞いだ状態から、手Hbを移動させた操作であると決定している。したがって、このようにすれば、ノイズ等を無視することができ、操作内容を正確に決定することができる。
【0046】
<変形例の説明>
なお、本実施形態において示した形状等はあくまで一例であり、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。例えば、本実施形態においては、コマンド入力装置1として、ワイヤレスタイプのカナル型イヤホンを例にしたが、それに限らず、有線タイプのカナル型イヤホンでも良く、カナル型イヤホンに限らず、イヤラブルデバイス全般に適用可能である。さらには、イヤラブルデバイスに限らず、非接触スイッチ等にも適用可能である。すなわち、気圧センサ4bを、ハウジング2のような閉鎖された閉空間内に設けるか、或いは、一部が開放されているような空間内に気圧センサ4bを設けておけば、その空間外の気圧の変化を検出することができるため、そのような空間内に気圧センサ4bが設けられるものであれば、どのようものにも適用可能である。
【0047】
また、本実施形態においては、予め設定されている閾値と期間によって操作内容を決定する例を示したが、それに限らず、予め正式な波形をコマンド入力内容検出装置4に記憶させておき、気圧センサ4bにて検出された気圧データと、その波形を比較するようにしても良い。このようにすれば、さらに、操作内容を正確に決定することができる。
【0048】
また、本実施形態においては、使用者Hの手Hbをコマンド入力装置1に近づけたり、遠ざけたりする例を示したが、それに限らず、機械で行っても良く、ハウジング2外の周辺の空気の気圧を瞬間的に変化させることができれば、どのような方法でも良い。しかしながら、使用者Hの手Hbで行うのが好ましい。機械等をわざわざ用意せずとも良く、簡単容易に操作することができるためである。
【0049】
また、本実施形態においては、気圧センサ4bのみを設ける例を示したが、加速度センサをさらに設けるようにしても良い。このようにすれば、コマンド入力装置1の振動を加速度センサにて取得することができるため、接触でのコマンド入力を検出することができることとなる。そのため、非接触でのコマンド入力と接触でのコマンド入力との組み合わせが可能となるから、コマンド入力のバリエーションが増えることとなる。
【0050】
また、本実施形態においては、コマンド入力装置1を片耳に装着する例を示したが、勿論、両耳に装着するようにしても良い。このようにすれば、例えば、右耳に装着しているコマンド入力装置1は、音量調整を行い、左耳に装着しているコマンド入力装置1は、選曲をする等して、右耳に装着しているコマンド入力装置1と左耳に装着しているコマンド入力装置1で別々の操作を割り当てる等することができるため、コマンド入力のバリエーションを増やすことができる。
【0051】
また、本実施形態においては、コマンド入力内容検出装置4にて処理したコマンドを、携帯端末SPに送信する例を示したが、それに限らず、気圧センサ4bをハウジング2内に設けておき、それ以外の処理は、携帯端末SPに処理させるようにしても良い。また、それ以外にも、一部の処理を、携帯端末SPに処理させるようにしても良い。
【0052】
また、本実施形態においては、スマートフォンなどの携帯端末SPを例示したが、それに限らず、タブレットや車、或いは、テレビ等、スピーカが搭載されている機器全般に適用可能である。
【0053】
また、本実施形態においては、コマンド入力装置1と携帯端末SPとデータのやり取りをする例を示したが、それに限らず、コマンド入力装置1と携帯端末SPを一体化させても良い。
【符号の説明】
【0054】
1 コマンド入力装置
2 ハウジング(筐体)
43 操作内容決定部(決定手段)
H 使用者(人)
Hb 手