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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023829
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】パターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/004 20060101AFI20250207BHJP
   G03F 7/16 20060101ALI20250207BHJP
   G03F 7/38 20060101ALI20250207BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G03F7/004 531
G03F7/004
G03F7/16
G03F7/38 501
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024119272
(22)【出願日】2024-07-25
(31)【優先権主張番号】10-2023-0102396
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】徐也隱
(72)【発明者】
【氏名】金智敏
(72)【発明者】
【氏名】李旻映
(72)【発明者】
【氏名】姜恩美
(72)【発明者】
【氏名】成太根
(72)【発明者】
【氏名】禹昌秀
(72)【発明者】
【氏名】張水民
(72)【発明者】
【氏名】呉釜根
(72)【発明者】
【氏名】李忠憲
【テーマコード(参考)】
2H196
2H197
2H225
【Fターム(参考)】
2H196BA01
2H196BA13
2H196DA01
2H196EA07
2H197CA03
2H197CA05
2H197CA08
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197HA03
2H197JA24
2H225AB03
2H225AN02P
2H225AN30P
2H225AN39P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CD05
2H225EA13P
2H225EA22P
(57)【要約】      (修正有)
【課題】優れた解像度を具現する半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】基板上に金属含有レジスト組成物を100~1500rpmの速度で60~120秒間スピンコーターにより塗布するステップと、基板上に金属含有レジスト膜を形成させるために90~200℃で30~120秒間の熱処理するステップと、パターンマスクを用いて金属含有レジスト膜を極紫外光または5nm~150nm波長の光により露光するステップと、現像液を塗布することにより未露光領域を除去してレジストパターンを形成する現像ステップとを含み、前記熱処理ステップを経た金属含有レジスト膜の表面粗さは、二乗平均粗さ(Rq)が1.5nm以下であり、平均粗さ(Ra)が1.0nm以下であり、最大粗さ(Rmax)が20nm以下である、パターン形成方法。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布するステップと、
乾燥及び加熱して、前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理ステップと、
パターン化したマスクを用いて金属含有レジスト膜を露光するステップと、
現像液組成物を塗布して、未露光された領域を除去してレジストパターンを形成する現像ステップと、を含み、
前記金属含有レジスト組成物を塗布するステップは、金属含有レジスト組成物を100乃至1,500rpmの速度で60乃至120秒間、スピンコーターで塗布することによって行われ、
前記熱処理ステップは、90乃至200℃の温度で30乃至120秒間行われ、
前記金属含有レジスト膜を露光するステップは、極紫外光または5nm乃至150nm波長の光を照射することによって行われ、
前記熱処理ステップを経た金属含有レジスト膜の表面粗さは、二乗平均粗さ(Rq:root mean square roughness)が1.5nm以下であり、平均粗さ(Ra:average roughness)が1.0nm以下であり、最大粗さ(Rmax:peak to peak height)が20nm以下である、パターン形成方法。
【請求項2】
前記二乗平均粗さRqは、0.1nm乃至1.5nmである、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記平均粗さRaは、0.1nm乃至1.0nmである、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記最大粗さRmaxは、1nm乃至20nmである、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物、及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一つを含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記の化学式1で表される、請求項1に記載のパターン形成方法:
【化1】
前記化学式1において、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、置換または非置換のC7乃至C30アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基である)中から選択され、
乃至Rは、それぞれ独立して、-OR及び-OC(=O)R中から選択され、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【請求項7】
前記Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基、置換または非置換のC3乃至C10シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C10アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C10アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C20アリール基、置換または非置換のC7乃至C20アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C10アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基である)中から選択されるものである、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
前記Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、エトキシ基、プロポキシ基、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項9】
前記金属含有レジスト組成物100重量%を基準に、前記金属化合物は、1重量%乃至30重量%で含まれる、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項10】
前記金属含有レジスト組成物は、界面活性剤、架橋剤、レーベリング剤、有機酸、抑制剤(quencher)、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項11】
前記基板と前記金属含有レジスト膜の間に形成されるレジスト下層膜を提供するステップをさらに含む、請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項12】
前記レジストパターンは、5nm乃至100nmの幅を有する、請求項1に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイスを製造するための要素技術の一つとして、EUV(極紫外線光)リソグラフィが注目されている。EUVリソグラフィは、露光光源として波長13.5nmのEUV光を用いるパターン形成技術である。EUVリソグラフィによると、半導体デバイス製造プロセスの露光工程で、極めて微細なパターン(例えば、20nm以下)を形成できることが実証されている。
【0003】
極紫外線(extreme ultraviolet、EUV)リソグラフィの具現は、16nm以下の空間解像度(spatial resolutions)で行うことができる互換可能なフォトレジストの現像(development)を必要とする。現在、伝統的な化学増幅型(CA:chemically amplified)フォトレジストは、次世代デバイスのための解像度(resolution)、光速度(photospeed)、及びピッチャー粗さ(feature roughness)、ラインエッジ粗さ(line edge roughnessまたはLER)に対する仕様(specifications)を充足させるために努力している。
【0004】
これらの高分子型フォトレジストで起こる酸触媒反応(acid catalyzed reactions)に起因した固有のイメージぼかし(intrinsic image blur)は、小さいピッチャー(feature)大きさで解像度を制限するが、これは、電子ビーム(e-beam)リソグラフィで長い間知らされてきた事実である。化学増幅型(CA)フォトレジストは、高い敏感度(sensitivity)のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(elemental makeup)が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を下げ、その結果、敏感度を減少させるため、部分的にはEUV露光下でさらに困難性がある。
【0005】
CAフォトレジストはまた、小さいピッチャー大きさで粗さ(roughness)問題によって困難性があり、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少するにつれて、ラインエッジ粗さ(LER)が増加することが実験で示された。CAフォトレジストの欠点及び問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0006】
前記説明した化学増幅型有機系感光性組成物のデメリットを克服するために、無機系感光性組成物が研究されてきた。無機系感光性組成物の場合、主に非化学増幅型基作による化学的変性により、現像剤組成物による除去に耐性を有するネガティブトーンパターニングに用いられる。無機系組成物の場合、炭化水素に比べて高いEUV吸収率を有する無機系元素を含有しており、非化学増幅型基作でも敏感性を確保することができ、ストキャスティクス効果にも敏感ではないため、線エッジ粗さ及び欠陥個数も少ないと知られている。
【0007】
タングステン、及びニオブ(niobium)、チタン(titanium)、および/またはタンタル(tantalum)と混合されたタングステンのバーオキソポリ酸(peroxopolyacids)に基づいた無機フォトレジストは、パターニングのための放射敏感性材料(radiation sensitive materials)用で報告されてきた(US5061599;H.Okamoto、T.Iwayanagi、K.Mochiji、H.Umezaki、T.Kudo、Applied Physics Letters、49(5)、298-300、1986)。
【0008】
これら材料は、遠紫外線(deep UV)、x-線、及び電子ビームソースであって、二重層構成(bilayer configuration)に大きいピッチャーをパターニングするにおいて効果的であった。さらに最近は、プロジェクションEUV露光によって、15nmハーフ-ピッチ(HP)をイメージング(image)するためにバーオキソ錯化剤(peroxo complexing agent)と共に、陽イオンハフニウムメタルオキシドスルフェート(cationic hafnium metal oxide sulfate、HfSOx)材料を用いる場合、印象的な性能を示した(US2011-0045406;J.K.Stowers、A.Telecky、M.Kocsis、B.L.Clark、D.A.Keszler、A.Grenville、C.N.Anderson、P.P.Naulleau、Proc.SPIE、7969、796915、2011)。このシステムは、非CAフォトレジスト(non-CA photoresist)の最上の性能を示し、実行可能なEUVフォトレジストのための要件に近い光速度を有する。しかし、バーオキソ錯化剤を有するハフニウムメタルオキシドスルフェート材料(hafnium metal oxide sulfate materials)は、いくつかの現実的な欠点を有する。第一に、この材料は高い腐食性の硫酸(corrosive sulfuric acid)/過酸化水素(hydrogen peroxide)混合物でコーティングされ、保存期間(shelf-life)安定性(stability)が良くない。第二に、複合混合物として性能改善のための構造変更が容易でない。第三に、25wt%程度の極めて高濃度のTMAH(tetramethylammonium hydroxide)溶液などで現像されなければならない。
【0009】
最近は、スズを含む分子が極紫外線吸収に優れるということが知らされ、活発な研究が行われている。そのうちの一つの有機スズ高分子の場合、光吸収またはこれによって生成された二次電子によってアルキルリガンドが解離して、周辺鎖とのヨウ素結合による架橋を通じて有機系現像液で除去されないネガティブトーンパターニングが可能である。このような有機スズ高分子は、解像度、ラインエッジ粗さを維持しながらも飛躍的に感度が向上することを示したが、商品化のためには、前記パターニング特性の追加的な向上が必要である。
【発明の概要】
【0010】
一具現例は、半導体フォトレジスト用組成物を用いたパターン形成方法を提供し、優れた解像度を具現することができる。
【0011】
一具現例に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布するステップと、乾燥及び加熱して、前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理ステップと、パターン化したマスクを用いて金属含有レジスト膜を露光するステップと、現像液組成物を塗布して、未露光された領域を除去してレジストパターンを形成する現像ステップと、を含み、
前記金属含有レジスト組成物を塗布するステップは、金属含有レジスト組成物を100乃至1,500rpmの速度で60乃至120秒間、スピンコーターで塗布することによって行われ、前記熱処理ステップは、90乃至200℃の温度で30乃至120秒間行われ、前記金属含有レジスト膜を露光するステップは、極紫外光または5nm乃至150nm波長の光を照射することによって行われ、前記熱処理ステップを経た金属含有レジスト膜の表面粗さは、二乗平均粗さ(Rq:root mean square roughness)が1.5nm以下であり、平均粗さ(Ra:average roughness)が1.0nm以下であり、最大粗さ(Rmax:peak to peak height)が20nm以下であってもよい。
【0012】
前記二乗平均粗さRqは、0.1nm乃至1.5nmのものであってもよい。
【0013】
前記平均粗さRaは、0.1nm乃至1.0nmのものであってもよい。
【0014】
前記最大粗さRmaxは、1nm乃至20nmのものであってもよい。
【0015】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物、及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一つを含んでもよい。
【0016】
前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記の化学式1で表される。
【0017】
【化1】
前記の化学式1において、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、置換または非置換のC7乃至C30アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基である)中から選択され、
乃至Rは、それぞれ独立して、-OR及び-OC(=O)R中から選択され、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0018】
前記Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基、置換または非置換のC3乃至C10シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C10アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C10アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C20アリール基、置換または非置換のC7乃至C20アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C10アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基である)中から選択されてもよい。
【0019】
前記Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、エトキシ基、プロポキシ基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
前記金属含有レジスト組成物100重量%を基準に、前記金属化合物は、1重量%乃至30重量%で含んでもよい。
【0021】
前記金属含有レジスト組成物は、界面活性剤、架橋剤、レーベリング剤、有機酸、抑制剤(quencher)、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含んでもよい。
【0022】
前記基板と前記金属含有レジスト膜の間に形成されるレジスト下層膜を提供するステップをさらに含んでもよい。
【0023】
前記フォトレジストパターンは、5nm乃至100nmの幅を有してもよい。
【0024】
一具現例に係るパターン形成方法で製造されたレジストパターンは優れた解像度を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、一具現例に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図2図2は、一具現例に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図3図3は、一具現例に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図4図4は、一具現例に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図5図5は、一具現例に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
図6図6は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図7図7は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図8図8は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図9図9は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図10図10は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図11図11は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図12図12は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
図13図13は、実施例及び比較例に係るレジスト薄膜のSEM写真を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明すると、次の通りである。ただし、本記載を説明するにおいて、既に公知の機能あるいは構成に対する説明は、本記載の要旨を明瞭にするために省略する。
【0027】
本記載を明確に説明するために、説明と関係のない部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については、同一の参照符号を付することにする。また、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示しているので、本記載が必ずしも図示されたものに限定されない。
【0028】
図面で色々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面で説明の便宜のために、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が、他の部分「の上に」または「上に」あるとするとき、これは、他の部分「真上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0029】
本記載で、「置換」とは、水素原子が、重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、-NRR’(ここで、R及びR’は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1乃至C30飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC3乃至C30飽和または不飽和脂環族炭化水素基、または、置換または非置換のC6乃至C30芳香族炭化水素基である)、-SiRR’R”(ここで、R、R’、及びR”は、それぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1乃至C30飽和または不飽和脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC3乃至C30飽和または不飽和脂環族炭化水素基、または、置換または非置換のC6乃至C30芳香族炭化水素基である)、C1乃至C30アルキル基、C1乃至C10ハロアルキル基、C1乃至C10アルキルシリル基、C3乃至C30シクロアルキル基、C6C30アリール基、C1乃至C20アルコキシ基、C1乃至C20スルフィド基またはこれらの組み合わせで置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子として残っていることを意味する。
【0030】
本明細書で、「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、如何なる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であってもよい。
【0031】
前記アルキル基はC1乃至C10アルキル基であってもよい。例えば、前記アルキル基はC1乃至C8アルキル基、C1乃至C7アルキル基、C1乃至C6アルキル基、またはC1乃至C5アルキル基であってもよい。例えば、C1乃至C5アルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基であってもよい。
【0032】
本記載で、「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族飽和炭化水素基を意味する。
【0033】
シクロアルキル基は、C3乃至C10シクロアルキル基、例えば、C3乃至C8シクロアルキル基、C3乃至C7シクロアルキル基、またはC3乃至C6シクロアルキル基であってもよい。例えば、シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であってもよく、これらに制限されない。
【0034】
本明細書で、「アリール(aryl)基」とは、環状の置換基のすべての元素がp-オビタルを有しており、これらのp-オビタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子同士の隣接した対を分け合う環)作用基を含む。
【0035】
本明細書で、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の二重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0036】
本明細書で、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であって、一つ以上の三重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0037】
本明細書に記載の化学式において、t-Buは、tert-ブチル基を意味する。
【0038】
以下、一具現例に係るパターン形成方法を説明する。
【0039】
本発明の一具現例に係るパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布するステップと、乾燥及び加熱して、前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理ステップと、パターン化したマスクを用いて金属含有レジスト膜を露光するステップと、現像液組成物を塗布して、未露光された領域を除去してレジストパターンを形成する現像ステップと、を含み、
前記金属含有レジスト組成物を塗布するステップは、金属含有レジスト組成物を100乃至1,500rpmの速度で60乃至120秒間、スピンコーターで塗布することによって行われ、前記熱処理ステップは、90乃至200℃の温度で30乃至120秒間行われ、前記金属含有レジスト膜を露光するステップは、極紫外光または5nm乃至150nm波長の光を照射することによって行われ、
前記熱処理ステップを経た金属含有レジスト膜の表面粗さは、二乗平均粗さ(Rq:root mean square roughness)が1.5nm以下であり、平均粗さ(Ra:average roughness)が1.0nm以下であり、最大粗さ(Rmax:peak to peak height)が20nm以下であってもよい。
【0040】
本発明に係るパターン形成方法は、金属、例えば、スズを含有する金属化合物と添加剤及び溶媒を含む金属含有レジスト組成物が基板表面に塗布された時に膜質を形成し、これをパターニングする方法である。前記金属含有レジスト組成物で形成したレジスト膜質は、AFM(Atomic Force Microscope)分析により、表面のroughness数値を確認することができ、Rqは1.5nm以下、Raは1.0nm以下、Rmaxは20nm以下であるとき、膜質にフォトレジスト工程時に解像力に優れていることを確認した。
【0041】
前記表面粗さ(roughness)は、金属含有レジスト膜を原子力顕微鏡(atomic force microscopy;AFM)などで撮影した写真を用いて、表面粗さ測定器、例えば、オプティカルプロファイラー(optical profiler)を通じて測定したものであってもよい。
【0042】
表面粗さの中、二乗平均粗さ(R;root mean square roughness)は、粗さプロファイルの基準長さ内で縦値の二乗平均平方根(rms)を意味する。平均粗さ(R;average roughness)は、中心線平均粗さともいい、粗さプロファイルの基準長さ内で縦値(ordinate;中心線からピークまでの長さ)の絶対値の算術平均を意味する。最大粗さ(Rmax;peak to peak height;maximum roughness depth)は、粗さ断面曲線(粗さプロファイル)の基準長さ内で最も高いピーク(highest peak)と最も深いピーク(lowest valley)の間の垂直距離を意味する。このような表面粗さについては、KS B 0601またはISO 4287/1に定義されたパラメータ定義及び測定方法を参考にすることができる。
【0043】
前記二乗平均粗さRqは、0.1nm乃至1.5nmであってもよい。
【0044】
一例として、前記二乗平均粗さRqは、0.2nm乃至1.5nm、例えば、0.3nm乃至1.5nm、0.4nm乃至1.5nmまたは0.5nm乃至1.5nmのものであってもよい。
【0045】
一実施例で、前記二乗平均粗さRqは、0.5nm乃至1.4nmのものであってもよい。
【0046】
前記平均粗さRaは、0.1nm乃至1.0nmであってもよい。
【0047】
一例として、前記平均粗さRaは、0.2nm乃至1.0nm、例えば、0.3nm乃至1.0nm、0.4nm乃至1.0nm、または0.5nm乃至1.0nmであってもよい。
【0048】
一実施例で、前記平均粗さRaは、0.5nm乃至0.9nmであってもよい。
【0049】
前記最大粗さRmaxは、1nm乃至20nmであってもよい。
【0050】
一例として、前記最大粗さRmaxは、1nm乃至20nm、例えば、2nm乃至20nm、3nm乃至20nm、または4nm乃至20nmであってもよい。
【0051】
一実施例で、前記最大粗さRmaxは、5nm乃至20nmであってもよい。
【0052】
以下、パターンを形成する方法について、図1乃至5を参考にして説明する。図1乃至図5は、本発明に係る金属含有レジスト組成物を用いたパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0053】
図1を参照すると、まず、エッチング対象物を設ける。前記エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であってもよい。以下では、前記エッチング対象物が薄膜102である場合に限って説明する。前記薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために前記薄膜102の表面を洗浄する。前記薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であってもよい。
【0054】
次いで、洗浄された薄膜102の表面上にレジスト下層膜104を提供するためのレジスト下層膜形成用組成物を、スピンコーティング方式を適用してコーティングする。ただし、一具現例が必ずこれに限定されるものではなく、公知の多様なコーティング方法、例えば、スプレーコーティング、ディップコーティング、ナイフエッジコーティング、プリンティング法、例えば、インクジェットプリンティング及びスクリーンプリンティングなどを用いることもできる。
【0055】
前記レジスト下層膜コーティング過程は省略してもよく、以下では、前記レジスト下層膜をコーティングする場合について説明する。
【0056】
以降、乾燥及びベーキング工程を行って前記薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。前記ベーキング処理は、約100乃至約500℃で行い、例えば、約100℃乃至約300℃で行ってもよい。
【0057】
レジスト下層膜104は、基板100とフォトレジスト膜106の間に形成され、基板100とフォトレジスト膜106の界面または層間ハードマスク(hardmask)から反射される照射線が意図されないフォトレジスト領域に散乱される場合、フォトレジスト線幅(linewidth)の不均一及びパターン形成性を妨げることを防止できる。
【0058】
図2を参照すると、前記レジスト下層膜104の上に金属含有レジスト組成物をコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。前記フォトレジスト膜106は、基板100上に形成された薄膜102の上に金属含有レジスト組成物をコーティングした後、熱処理過程を通じて硬化した形態であってもよい。
【0059】
より具体的に、金属含有レジスト組成物を用いてパターンを形成するステップは、金属含有レジスト組成物を薄膜102が形成された基板100上に、スピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程、及び塗布された金属含有レジスト組成物を熱処理してフォトレジスト膜106を形成する工程を含んでもよい。
【0060】
前記金属含有レジスト組成物は、スズに基づく化合物を含んでもよく、例えば、前記スズに基づく化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物、及び有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物の少なくとも一つを含んでもよい。
【0061】
一例として、前記金属含有レジスト組成物に含まれる金属化合物は、下記の化学式1で表される。
【0062】
【化2】
【0063】
前記の化学式1において、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、置換または非置換のC7乃至C30アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C20アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基である)中から選択され、
乃至Rは、それぞれ独立して、-OR及び-OC(=O)R中から選択され、
は、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせであり、
は、水素、置換または非置換のC1乃至C20アルキル基、置換または非置換のC3乃至C20シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C20アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C20アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0064】
一例として、前記Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基、置換または非置換のC3乃至C10シクロアルキル基、置換または非置換のC2乃至C10アルケニル基、置換または非置換のC2乃至C10アルキニル基、置換または非置換のC6乃至C20アリール基、置換または非置換のC7乃至C20アリールアルキル基、及び-L-O-R(ここで、Lは、置換または非置換のC1乃至C10アルキレン基であり、Rは、置換または非置換のC1乃至C10アルキル基である)中から選択されてもよい。
【0065】
例えば、前記Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、フェニル基、トリル基、キシレン基、ベンジル基、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、エトキシ基、プロポキシ基、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0066】
一例として、前記R及びRは、それぞれ独立して置換または非置換のC1乃至C20アルキル基であってもよい。
【0067】
次いで、前記フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する熱処理ステップを行う。前記熱処理ステップは、約90℃乃至約200℃の温度で30乃至120秒間行ってもよい。
【0068】
一具現例に係る金属含有レジスト組成物で、前記金属含有レジスト組成物100重量%を基準に、前記金属含有化合物は、1重量%乃至30重量%、例えば、1重量%乃至25重量%、例えば、1重量%乃至20重量%、例えば、1重量%乃至15重量%、例えば、1重量%乃至10重量%、例えば、1重量%乃至5重量%の含有量で含まれてもよく、これらに制限されない。
【0069】
一具現例に係る金属含有レジスト組成物は、溶媒を含んでもよい。前記溶媒は、有機溶媒であってもよく、一例として、芳香族化合物類(例えば、キシレン、トルエン)、アルコール類(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、エーテル類(例えば、アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル類(n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン)、これらの混合物などを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0070】
一具現例で、前記金属含有レジスト組成物は、前記の金属化合物及び溶媒以外に、追加的に樹脂をさらに含んでもよい。
【0071】
前記樹脂としては、下記のグループ1に並べられた芳香族モアティー(moiety)を少なくとも一つ以上含むフェノール系樹脂であってもよい。
【0072】
【化3】
前記樹脂は、重量平均分子量が500乃至20,000であってもよい。
【0073】
前記樹脂は、前記金属含有レジスト組成物の総含有量に対して0.1重量%乃至50重量%で含まれてもよい。
【0074】
前記樹脂が前記含有量範囲で含まれる場合、優れた耐食刻性及び耐熱性を有することができる。
【0075】
一方、前記金属含有レジスト組成物は、前述した金属含有化合物、溶媒、及び樹脂からなるものが好ましい。ただし、前述した具現例に係る金属含有レジスト組成物は、場合によって、添加剤をさらに含んでもよい。前記添加剤の例示としては、界面活性剤、架橋剤、レーベリング剤、有機酸、抑制剤(quencher)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0076】
界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4アンモニウム塩、またはこれらの組み合わせを用いてもよいが、これに限定されるものではない。
【0077】
架橋剤は、例えば、メラミン系架橋剤、置換尿素系架橋剤、アクリル系架橋剤、エポキシ系架橋剤、またはポリマー系架橋剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であって、例えば、メトキシメチル化グリコールリル、ブトキシメチル化グリコールリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アクリレート、ウレタンアクリレート、アクリルメタクリレート、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリシドール、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、1,3-ビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素などの化合物を用いてもよい。
【0078】
レーベリング剤は、印刷時にコーティング平坦性を向上させるためのものであり、商業的な方法で入手可能な公知のレーベリング剤を用いてもよい。
【0079】
有機酸は、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フルオロ化スルホニウム塩、マロン酸、クエン酸、プロピオン酸、メタクリル酸、シュウ酸、ラクト酸、グリコール酸、コハク酸、またはこれらの組み合わせのものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0080】
抑制剤(quencher)は、ジフェニル(p-トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0081】
前記これら添加剤の使用量は、所望の物性によって容易に調節することもでき、省略することもできる。
【0082】
また、前記金属含有レジスト組成物は、基板との密着力などの向上のために(例えば、半導体レジスト用組成物の基板との接着力向上のために)、接着力増進剤としてシランカップリング剤を添加剤としてさらに用いてもよい。前記シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン;または3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン;トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランなどの炭素-炭素不飽和結合含有シラン化合物などを用いてもよいが、これに限定されるものではない。
【0083】
図3を参照すると、前記フォトレジスト膜106をパターン化したマスク110を用いて選択的に露光する。
【0084】
一例として、前記露光工程で用いることができる光の例としては、5nm乃至150nm波長範囲を有する短波長光であってもよく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であってもよい。
【0085】
フォトレジスト膜106のうち、露光された領域106bは、有機金属化合物間の縮合など架橋反応によって重合体を形成することによって、フォトレジスト膜106の未露光された領域106aと互いに異なる溶解度を有することになる。
【0086】
次いで、前記基板100にベーキング工程を行う。前記ベーキング工程は、約90℃乃至約200℃の温度で行ってもよい。前記ベーキング工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜106の露光された領域106bは、現像液に溶解し難い状態となる。
【0087】
図4には、現像液を用いて、前記未露光された領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解して除去することによって形成されたフォトレジストパターン108が示されている。具体的に、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を用いて、前記未露光された領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解した後に除去することによって、前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターン108が完成される。
【0088】
前述したように、一具現例に係るパターン形成方法で用いられる現像液は有機溶媒であってもよい。一具現例に係るパターン形成方法で用いられる有機溶媒の一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
ただし、一具現例に係るフォトレジストパターンが必ずネガティブトーンイメージに形成されることに制限されるものではなく、ポジティブトーンイメージを有するように形成されてもよい。この場合、ポジティブトーンイメージ形成のために用いることができる現像剤としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはこれらの組み合わせのような第4アンモニウムヒドロキシド組成物などが挙げられる。
【0090】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などによって露光され形成されたフォトレジストパターン108は、5nm乃至100nm厚さの幅を有してもよい。一例として、前記フォトレジストパターン108は、5nm乃至90nm、5nm乃至80nm、5nm乃至70nm、5nm乃至60nm、5nm乃至50nm、5nm乃至40nm、5nm乃至30nm、5nm乃至20nm、5nm乃至10nmの幅で形成されてもよい。
【0091】
一方、前記フォトレジストパターン108は、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば、20nm以下、例えば10nm以下の半ピッチ(half-pitch)、及び約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下の線幅粗さを有するピッチを有してもよい。
【0092】
次いで、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクにして前記レジスト下層膜104をエッチングする。このようなエッチング工程で有機膜パターン112が形成される。形成された前記有機膜パターン112も、フォトレジストパターン108に対応する幅を有してもよい。
【0093】
図5を参照すると、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクに適用して露出した薄膜102をエッチングする。その結果、前記薄膜は、薄膜パターン114で形成される。
【0094】
前記薄膜102のエッチングは、例えばエッチングガスを用いた乾式エッチングで行ってもよく、エッチングガスは、例えば、CHF、CF、Cl、BCl及びこれらの混合ガスを用いてもよい。
【0095】
先に行われた露光工程で、EUV光源を用いて行われた露光工程によって形成された、フォトレジストパターン108を用いて形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108に対応する幅を有してもよい。一例として、前記フォトレジストパターン108と同様に、5nm乃至100nmの幅を有してもよい。例えば、EUV光源を用いて行われた露光工程によって形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108と同様に、5nm乃至90nm、5nm乃至80nm、5nm乃至70nm、5nm乃至60nm、5nm乃至50nm、5nm乃至40nm、5nm乃至30nm、5nm乃至20nmの幅を有してもよく、より具体的に20nm以下の幅で形成されてもよい。
【実施例0096】
以下、前述したパターン形成方法に関する実施例を通じて本発明をより詳細に説明することにする。しかし、下記の実施例によって本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0097】
(金属含有有機化合物の合成)
合成例1
下記の化学式Aで表される有機スズ化合物(10g、25.5mmol)を30mlの無水トルエンに溶かした後、6.0gのプロピオン酸を0℃でゆっくり滴加し、6時間撹拌する。以降、温度を常温(23℃)に上げた後、前記トルエンを真空蒸留して除去し、残ったろ液を分留して、下記の化学式2で表される有機スズ化合物を得る。
【0098】
【化4】
【0099】
合成例2
下記の化学式Bで表される有機スズ化合物(10g、27.3mmol)を30mlの無水トルエンに溶かした後、6.2gのプロピオン酸を0℃でゆっくり滴加し、6時間撹拌する。以降、温度を常温に上げた後、前記トルエンを真空蒸留して除去し、残ったろ液を分留して、下記の化学式3で表される有機スズ化合物を得る。
【0100】
【化5】
【0101】
合成例3
下記の化学式Cで表される有機スズ化合物(10g、31.0mmol)を30mlの無水トルエンに溶かした後、7.0gのプロピオン酸を0℃でゆっくり滴加し、6時間撹拌する。以降、温度を常温に上げた後、前記トルエンを真空蒸留して除去し、残ったろ液を分別蒸溜して、下記の化学式4で表される有機スズ化合物を得る。
【0102】
【化6】
【0103】
(半導体フォトレジスト用組成物の製造)
実施例1乃至6、比較例1及び2
合成例1乃至3で得られた化学式2乃至化学式4で表される化合物と添加剤を下記の表1の組成にして、それぞれ1-メトキシ-2プロピルアセテート(1-Methoxy-2-Propyl Acetate)に溶かし、0.1μm PTFE syringe filterでろ過して、フォトレジスト組成物を製造した。
【0104】
ネイティブ-酸化物表面を有する直径8インチの円形シリコンウエハーを薄膜蒸着用基板として用いた。前記レジスト組成物をウエハー上に1500rpm状態で60秒間スピンコーティングして、110℃で60秒間焼成して薄膜を形成する。以降、偏光計測法(ellipsometry)を通じてコーティング及び焼成後のフィルムの厚さを測定した結果、実施例1乃至6の場合、~25nmであり、比較例1及び2の場合、~24nmであった。
【0105】
【表1】
【0106】
*添加剤1:Propionic acid(TCI)
*添加剤2:Admantanecarboxylic acid(シグマアルドリッチ)
*添加剤3:Glycolic acid(DAEJUNG CHEMICALS & METALS)
*添加剤4:1-Methylcyclohexanecarboxylic acid(シグマアルドリッチ)
【0107】
評価1:表面粗さ
実施例1乃至6、比較例1及び2に係るレジスト組成物をウエハー上に1500rpm状態で60秒間スピンコーティングして、110℃で60秒間焼成して薄膜を形成した後、走査電子顕微鏡でイメージを測定して図6乃至13に示し、イメージからソフトウェアを用いて薄膜の表面粗さを測定し、その結果を下記の表1に示した。
【0108】
評価2:パターン形成性
直径が500μmの50個の円形パッド直線アレイを、EUV光(Lawrence Berkeley National Laboratory Micro Exposure Tool、MET)を用い、実施例1乃至6、そして比較例1及び2のフォトレジスト用組成物がコーティングされたウエハーに投射した。パッド露出時間を調節してEUV増加線量が各パッドに適用されるようにした。
【0109】
以降、レジストと基材をホットプレート上で、160℃で120秒間露出した後、焼成(post-exposure bake、PEB)した。焼成されたフィルムを現像液(2-heptanone)にそれぞれ30秒間浸漬させた後、同一の現像剤でさらに10秒間洗浄し、ネガティブトーンイメージを形成し、つまり、非露出したコーティングの部分を除去した。最終的に150℃、2分熱板焼成を行って工程を終結した。
【0110】
工程終結以降、顕微鏡でL/Sパターン形成の有無を確認し、その結果を表2に示した。
【0111】
【表2】
【0112】
表2の結果から、実施例によるパターン形成方法によって形成されたパターンは、解像度に優れていることが確認できる。
【0113】
以上で、本発明の特定の実施例が説明され図示されているが、本発明は、記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲から外れず、多様に修正及び変形可能であることは、この技術の分野における通常の知識を有する者にとって自明なものである。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は、本発明の特許請求の範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0114】
100…基板、102…薄膜、104…レジスト下層膜、106…フォトレジスト膜、106a…未露光された領域、106b…露光された領域、108…フォトレジストパターン、112…有機膜パターン、110…パターン化したマスク、114…薄膜パターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13