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特開2025-23846金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025023846
(43)【公開日】2025-02-17
(54)【発明の名称】金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/32 20060101AFI20250207BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20250207BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20250207BHJP
【FI】
G03F7/32
G03F7/004
G03F7/004 531
H01L21/30 577
H01L21/30 569E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024127677
(22)【出願日】2024-08-02
(31)【優先権主張番号】10-2023-0102399
(32)【優先日】2023-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】金兌鎬
(72)【発明者】
【氏名】金▲ミン▼秀
(72)【発明者】
【氏名】文炯朗
(72)【発明者】
【氏名】朴時均
(72)【発明者】
【氏名】▲ペ▼鎭希
(72)【発明者】
【氏名】韓承
(72)【発明者】
【氏名】扈鍾必
(72)【発明者】
【氏名】朴景鈴
(72)【発明者】
【氏名】宋明洙
(72)【発明者】
【氏名】朴慶熏
【テーマコード(参考)】
2H196
2H225
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA01
2H196BA13
2H196GA03
2H196GA05
2H225AB03
2H225AM61P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB08
2H225CC01
2H225CC11
2H225CD05
2H225EA24P
5F146JA09
5F146JA15
5F146LA12
(57)【要約】
【課題】金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物、並びに上記組成物を利用したパターン形成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物;および有機溶媒を含む、金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物、並びにこれを利用したパターン形成方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物;および
有機溶媒
を含む、金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項2】
前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物は、下記の化学式1で表されるものである、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【化1】
(前記化学式1で、
~Rは、それぞれ独立して、水素、フッ素、フッ素含有基または置換もしくは非置換のC1~C5アルキル基であり、
nは、1~5の整数のうちの一つであり、
~Rのうちの少なくとも一つは、フッ素であるかまたはフッ素含有基である。)
【請求項3】
前記Rおよび前記Rのうちの少なくとも一つは、フッ素であるかまたはフッ素含有基である、請求項2に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項4】
前記Rおよび前記Rは、それぞれ独立して、フッ素であるかまたはフッ素含有基である、請求項2に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項5】
前記Rおよび前記Rは、それぞれ独立して、フッ素である、請求項2に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項6】
前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物は、ジフルオロ酢酸、2,2-ジフルオロプロピオン酸、トリフルオロ酢酸、およびモノフルオロ酢酸のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項7】
前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物を組成物の総量に対して0.01~5重量%、および
前記有機溶媒を組成物の総量に対して95~99.99重量%を含む、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項8】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【請求項9】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記の化学式2で表される、請求項1に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物。
【化2】
(前記化学式2で、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC7~C30アリールアルキル基、およびL-O-R(ここでLは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基または置換もしくは非置換のC6~C20アリール基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、 置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC7~C30アリールアルキル基、アルコキソおよびアリールオキソ(-OR、ここで、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R、Rは、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミデート(amidato)(-NR(COR10)、ここで、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジネート(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここで、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)であり、
R5~R7の少なくとも1つはアルコキソおよびアリールオキソ(-OR、ここで、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R、Rは、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミデート(amidato)(-NR(COR10)、ここで、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジネート(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここで、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。)
【請求項10】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿って請求項1~9のいずれか一項に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに
現像段階を含む、パターン形成方法。
【請求項11】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;
金属含有レジストのエッジビード除去段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに
請求項1~9のいずれか一項に記載の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む、パターン形成方法。
【請求項12】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階;
前記基板のエッジに沿って請求項1~9のいずれか一項に記載の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階;
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階;
前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに
請求項1~9のいずれか一項に記載の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む、パターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物、およびこれを利用したパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体産業では臨界寸法の継続的な縮小が伴われ、このような寸法縮小により、次第により小さいフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすための新たな類型の高性能フォトレジスト材料およびパターニング方法が要求されている。
【0003】
また、最近、半導体産業の飛躍的な発展により、半導体デバイスの作動速度および大容量の保存能力が要求されており、このような要求に歩調をそろえて半導体デバイスの集積度、信頼度および応答速度を向上させる工程技術が発展している。特にシリコン基板の作用領域に不純物を正確に調節/注入し、このような領域が相互連結されて素子および超高密度集積回路を形成するようにすることが重要であるが、これはフォトリソグラフィ工程により可能である。つまり、基板上にフォトレジストを塗布して、紫外線(極紫外線を含む)、電子線またはX線などを照射して選択的に露光させた後に現像することを含むフォトリソグラフィ工程の統合を考慮することが重要になってきた。
【0004】
特にフォトレジスト層を形成する工程では、主にシリコン基板を回転させながらレジストを基板上に塗布するようになるが、この過程で基板のエッジと裏面にもレジストが塗布され、これはエッチングやイオン注入工程のような半導体後工程で圧搾を誘発したりパターン不良を誘発する原因になり得る。したがって、シンナー組成物を使用してシリコン基板のエッジと裏面に塗布されているフォトレジストをストリッピングして除去する工程、つまり、EBR(EDGE BEAD REMOVAL)工程を実施する。前記EBR工程では、フォトレジストに対して優れた溶解性を示し、基板に残留するビードおよびフォトレジストを効果的に除去してレジスト残留物が発生しない組成物を必要とする。
【0005】
また、フォトリソグラフィ工程で優れたエッチング耐性および解像力を保障すると同時に、感度およびCD(critical dimension)均一度を向上させることができ、LER(line edge roughness)特性を改善することができるフォトレジストおよびこれを実現することができる現像液組成物の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一実施形態は、金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物を提供する。
【0007】
他の実施形態は、前記組成物を利用したパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物は、少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物;および有機溶媒を含む。
【0009】
他の実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿って前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに現像段階を含む。
【0010】
また他の実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、金属含有レジストのエッジビード除去段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに前述の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0011】
また他の実施形態によるパターン形成方法は、前記基板のエッジに沿って前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階;並びに前述の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【発明の効果】
【0012】
一実施形態による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物は、金属含有レジストに内在された金属ベース汚染を減少させて基板のエッジおよび裏面に塗布されたレジストを除去することによって、より小さいフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満たすことができる。
【0013】
他の一実施形態による金属含有現像液組成物は、露光工程後に金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最小化し、容易に現像が行われるようにすることによって、優れたコントラスト特性、優れた感度および減少したラインエッジ粗さ(LER)を実現できるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】フォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
図2】パターン形成方法を説明するために工程順序により示す断面図である。
図3】パターン形成方法を説明するために工程順序により示す断面図である。
図4】パターン形成方法を説明するために工程順序により示す断面図である。
図5】パターニングされたウエハーに対して各露光部位の厚さを測定して得られたコントラストカーブ(contrast curve)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本記載を説明するに当たり、既に公知の機能あるいは構成に関する説明は、本記載の要旨を明瞭にするために省略する。
【0016】
本記載を明確に説明するために、説明上不要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本記載が必ずしも図示されたところに限定されるのではない。
【0017】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面において、説明の便宜のために一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0018】
本記載で、「置換」とは、水素原子が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、カルボニル基、アミノ基、置換もしくは非置換のC1~C30アミン基、ニトロ基、置換もしくは非置換のC1~C40シリル基、C1~C30アルキル基、C1~C10ハロアルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C6~C30アリール基、C1~C20アルコキシ基、またはC1~C20スルフィド基で置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されずに水素原子で残っていることを意味する。
【0019】
本記載で「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、如何なる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であり得る。
【0020】
前記アルキル基は、C1~C20アルキル基であり得る。より具体的にアルキル基は、C1~C10アルキル基またはC1~C6アルキル基であり得る。例えば、C1~C5アルキル基は、アルキル鎖に1~5個の炭素原子が含まれるものを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルからなる群より選択されるものを示す。
【0021】
前記アルキル基は、具体的な例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを意味する。
【0022】
本明細書に記載された化学式で、t-Buは、tert-ブチル基を意味する。
【0023】
本記載で「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族炭化水素基を意味する。
【0024】
シクロアルキル基は、C3~C10シクロアルキル基、例えば、C3~C8シクロアルキル基、C3~C7シクロアルキル基、またはC3~C6シクロアルキル基であり得る。例えば、シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であり得るが、これらに制限されない。
【0025】
本記載で、「ヘテロシクロアルキル基」とは、別途の定義がない限り、シクロアルキル基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含有するものを意味する。
【0026】
本記載で、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であり、一つ以上の二重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0027】
本記載で、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であり、一つ以上の三重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0028】
本記載で「アリール(aryl)基」とは、環状である置換基の全ての元素がp-オービタルを有しており、これらp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子の隣接した対を共有する環)作用基を含む。
【0029】
本記載で「ヘテロアリール(heteroaryl)基」とは、アリール基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選択されるヘテロ原子を少なくとも1個含有するものを意味する。2以上のヘテロアリール基は、シグマ結合を通じて直接連結されるか、前記ヘテロアリール基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合され得る。前記ヘテロアリール基が融合環である場合、それぞれの環ごとに前記ヘテロ原子を1~3個含むことができる。
【0030】
より具体的に、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントレニル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のp-テルフェニル基、置換もしくは非置換のm-テルフェニル基、置換もしくは非置換のo-テルフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレン基、置換もしくは非置換のペリレニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、またはこれらの組み合わせであり得るが、これに制限されない。
【0031】
より具体的に、置換もしくは非置換のC2~C30ヘテロ環基は、置換もしくは非置換のフラニル基、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンズイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンズオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンゾチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾナフトフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾナフトチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラノフルオレニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェンフルオレニル基またはそれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されない。
【0032】
図1はフォトレジスト塗布装置を示す模式図である。
【0033】
図1を参照すれば、基板Wが置かれる基板支持部1が備えられ、前記基板支持部1はスピンチャックまたはスピンコーターなどを含む。
【0034】
前記基板支持部1は、所定の回転速度で第1方向に回転し、前記基板Wに遠心力を提供する。前記基板支持部1上には噴射ノズル2が位置し、前記噴射ノズル2は基板W上部から外れた大気領域に位置し、溶液の供給段階で基板上部に移動してフォトレジスト溶液10を噴射することができる。これにより、前記フォトレジスト溶液10は前記遠心力により前記基板表面に塗布される。この時、前記基板Wの中央に供給されるフォトレジスト溶液10は遠心力により基板Wの周縁に広がりながら塗布され、その一部は前記基板の側面と前記基板の周縁下面に移動するようになる。
【0035】
つまり、塗布工程でフォトレジスト溶液10は主にスピンコーティング方式で塗布されるが、基板Wの中央部に粘性のある所定量のフォトレジスト溶液10を供給して遠心力により基板周縁方向に次第に拡散していく。
【0036】
したがって、フォトレジストの厚さは、基板支持部の回転速度により平坦に形成される。
【0037】
しかし、溶媒が蒸発して粘性が次第に増加するようになり、表面張力の作用により基板の周縁に相対的に多量のフォトレジストが積もるようになり、より深刻に、基板の周縁下面までフォトレジストが積もるようになるが、これをエッジビード(edge bead)12という。
【0038】
以下、一実施形態による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物を説明する。
【0039】
本発明の一実施形態による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物は、少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物;および有機溶媒を含む。
【0040】
前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物は、露光部のフォトレジストとの反応を促進させて非露光部との溶解度差をより大きくすることができる。
【0041】
また、電子求引基であるフッ素を含有することによって、感度および解像度の改善に適切なpKaを維持するようにして微細パターン実現とスカム(scum)制御に有利である。
【0042】
一例として、前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物は、下記の化学式1で表され得る。
【化1】
前記化学式1で、
~Rは、それぞれ独立して、水素、フッ素、フッ素含有基または置換もしくは非置換のC1~C5アルキル基であり、
nは、1~5の整数のうちの一つであり、
~Rのうちの少なくとも一つは、フッ素であるかまたはフッ素含有基である。
【0043】
例えば前記Rおよび前記Rのうちの少なくとも一つは、フッ素であるかまたはフッ素含有基であり得る。
【0044】
例えば前記Rおよび前記Rは、それぞれ独立して、フッ素であるかまたはフッ素含有基であり得る。
【0045】
例えば前記Rおよび前記Rは、それぞれ独立して、フッ素であり得る。
【0046】
一例として、前記少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物は、ジフルオロ酢酸、2,2-ジフルオロプロピオン酸、トリフルオロ酢酸、およびモノフルオロ酢酸のうちの少なくとも1種であり得る。
【0047】
一実施例で前記金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物は、前述した少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物を組成物の総量に対して0.01~5重量%含み、有機溶媒を組成物の総量に対して95~99.99重量%含むことができる。
【0048】
具体的な一実施例で、前記金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物は、前述した少なくとも一つのフッ素が置換されたC1~C10カルボン酸化合物を組成物の総量に対して0.05~5重量%、具体的に0.05~1重量%、より具体的に0.05~0.5重量%含むことができる。
【0049】
一実施形態による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または現像液組成物に含まれる有機溶媒の一例として、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールブチルエーテル(PGBE)、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチルグリコールエチルメチルエーテル、ジプロピルグリコールジメチルエーテル、エタノール、2-ブトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘプタノン、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチルアセテート、メチル3-メトキシプロピオネート、エチル3-エトキシプロピオネート、ジイソペンチルエーテル、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジアセトンアルコール、3,3-ジメチル-2-ブタノン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、メチル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパノエート(HBM)、γブチロラクトン(GBL)、1-ブタノール(n-Butanol)、エチルラクテート(EL)、ジエンブチルエーテル(DBE)、ジイソプロピルエーテル(DIAE)、アセチルアセトン(Acetyl acetone)、ブチルラクテート(n-Butylactate)、4-メチル-2-ペンタノール(または、methyl isobutyl carbinol(MIBC)で記載され得る)、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、トルエン、シクロペンタノン、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル(methyl pyruvate)、ピルビン酸エチル(ethyl pyruvate)、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチル-2-ヒドロキシイソブチレート(methyl 2-hydroxyisobutyrate)、メトキシベンゼン(methoxybenzene)、n-ブチルアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネート、またはこれらの混合物などが挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0050】
本発明による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物は、特に金属含有レジスト、より具体的には、好ましくない金属残余物、例えばスズベース金属残余物の除去に効果的になり得る。
【0051】
また、本発明による金属含有レジストの現像液組成物は、露光工程後に金属含有フォトレジスト膜に存在するディフェクトを最小化し、容易に現像が行われるようにすることによって、優れたパターン特性を実現できるようにする。
【0052】
それだけでなく、優れた感度および減少したラインエッジ粗さ(LER)も実現され得る。
【0053】
後述するその他添加剤を含む場合、前記有機溶媒は、含まれる構成を除いた残量で含まれ得る。
【0054】
界面活性剤、分散剤、吸湿剤、およびカップリング剤の中から選択される少なくとも一つのその他添加剤をさらに含むことができる。
【0055】
前記界面活性剤は、前記フォトレジスト組成物のコーティング均一性を向上させ、湿潤性(wetting)を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施例において、前記界面活性剤は、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、リン酸エステル、石鹸、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、アルキルフェノールエチレンオキシド付加物、多価アルコール、窒素含有ビニル高分子、またはこれらの組み合わせからなることができるが、これらに限定されるのではない。例えば、前記界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、または第4級アンモニウム塩を含むことができる。前記フォトレジスト組成物が前記界面活性剤を含む場合、前記界面活性剤は、前記フォトレジスト組成物の総重量を基準として約0.001重量%~約3重量%の含有量で含まれ得る。
【0056】
前記分散剤は、前記フォトレジスト組成物を構成する各構成成分が前記フォトレジスト組成物内で均一に分散されるようにする役割を果たすことができる。例示的な実施例において、前記分散剤は、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール(polyvinyl butyral)、ポリビニルピロリドン、グリコース、ドデシル硫酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、オレイン酸、リノール酸、またはこれらの組み合わせからなることができるが、これらに限定されるのではない。前記フォトレジスト組成物が前記分散剤を含む場合、前記分散剤は、前記フォトレジスト組成物の総重量を基準として約0.001重量%~約5重量%の含有量で含まれ得る。
【0057】
前記吸湿剤は、前記フォトレジスト組成物で水分による悪影響を防止する役割を果たすことができる。例えば、前記吸湿剤は、前記フォトレジスト組成物に含まれている金属が水分により酸化されることを防止する役割を果たすことができる。例示的な実施例において、前記吸湿剤は、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(polyoxyethylenenonylphenolether)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリールアミド(polyacrylamide)、またはこれらの組み合わせからなることができるが、これらに限定されるのではない。前記フォトレジスト組成物が前記吸湿剤を含む場合、前記吸湿剤は、前記フォトレジスト組成物の総重量を基準として約0.001重量%~約10重量%の含有量で含まれ得る。
【0058】
前記カップリング剤は、前記フォトレジスト組成物を下部膜上にコーティングする時、前記下部膜との密着力を向上させる役割を果たすことができる。例示的な実施例において、前記カップリング剤は、シランカップリング剤を含むことができる。前記シランカップリング剤は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはトリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランからなることができるが、これらに限定されるのではない。前記フォトレジスト組成物が前記カップリング剤を含む場合、前記カップリング剤は、前記フォトレジスト組成物の総重量を基準として約0.001重量%~約5重量%の含有量で含まれ得る。
【0059】
前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0060】
一例として、前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、下記の化学式2で表され得る。
【化2】
前記化学式2で、
は、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC7~C30アリールアルキル基、およびL-O-R(ここでLは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基または置換もしくは非置換のC6~C20アリール基である)の中から選択され、
~Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、 置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、置換もしくは非置換のC7~C30アリールアルキル基、アルコキソおよびアリールオキソ(-OR、ここで、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R、Rは、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミデート(amidato)(-NR(COR10)、ここで、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジネート(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここで、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)であり、
R5~R7の少なくとも1つはアルコキソおよびアリールオキソ(-OR、ここで、Rは、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R、Rは、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR、ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミデート(amidato)(-NR(COR10)、ここで、RおよびR10は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジネート(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここで、R11、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のC1~C20アルキル基、置換もしくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルケニル基、置換もしくは非置換のC2~C20アルキニル基、置換もしくは非置換のC6~C30アリール基、またはこれらの組み合わせである。
【0061】
例えば前記金属含有レジストに含まれる金属化合物は、アルキルオキシ基含有スズ化合物およびアルキルカルボニルオキシ基含有スズ化合物のうちの少なくとも1種であり得る。
【0062】
一方、他の一実施形態によれば、前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を利用してエッジビードを除去する段階を含むパターン形成方法が提供され得る。一例として、製造されたパターンは、フォトレジストパターンであり得る。より具体的にネガティブ型フォトレジストパターンであり得る。
【0063】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿って前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、並びに現像段階を含む。
【0064】
より具体的に、金属含有レジスト組成物を使用してパターンを形成する段階は、金属含有レジスト組成物を薄膜が形成された基板上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程、および塗布された金属含有レジスト組成物を乾燥してフォトレジスト膜を形成する工程を含むことができる。前記金属含有レジスト組成物は、スズベース化合物を含むことができ、例えば前記スズベース化合物は、有機オキシ基含有スズ化合物および有機カルボニルオキシ基含有スズ化合物のうちの少なくとも一つを含むことができる。
【0065】
より具体的に、適正速度(例えば、500rpm以上)で基板を回転(spin)させながら基板のエッジに沿って前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を適正量で塗布する段階を含むことができる。
【0066】
次に、前記フォトレジスト膜が形成されている基板を加熱する第1熱処理工程を行う。前記第1熱処理工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができ、この過程で溶媒は蒸発され、前記フォトレジスト膜は基板にさらに堅固に接着され得る。
【0067】
そして前記フォトレジスト膜を選択的に露光する。
【0068】
一例として、前記露光工程で使用することができる光の例としては、活性化照射線もi-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの短波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0069】
より具体的に、一実施形態による露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する短波長光であり得、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であり得る。
【0070】
前記フォトレジストパターンを形成する段階で、ネガティブ型パターンを形成することができる。
【0071】
フォトレジスト膜のうち、露光された領域は、有機金属化合物間の縮合など架橋反応により重合体を形成することによってフォトレジスト膜の未露光された領域と互いに異なる溶解度を有するようになる。
【0072】
次に、前記基板に第2熱処理工程を行う。前記第2熱処理工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2熱処理工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜の露光された領域は現像液に溶解が難しい状態となる。
【0073】
具体的に 、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して前記未露光された領域に該当するフォトレジスト膜を溶解した後に除去することによって前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターンが完成され得る。
【0074】
一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であり得、一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0075】
前述したように、i-line(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などにより露光されて形成されたフォトレジストパターンは、厚さ5nm~100nmの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターンは、厚さ5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅で形成され得る。
【0076】
一方、前記フォトレジストパターンは、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば15nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約10nm以下、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0077】
他の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、金属含有レジストのエッジビード除去段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、並びに前述の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0078】
基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階は、前述したとおりである。
【0079】
金属含有レジストのエッジビード除去段階は、一般に知られたエッジビード除去用有機溶媒または組成物を基板のエッジに沿って適正速度(例えば、500rpm以上)で基板を回転(spin)させながら適正量を塗布することによって行うことができる。
【0080】
乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階は、前述したとおりである。
【0081】
金属含有フォトレジスト膜を露光する段階は、前述したとおりである。
【0082】
前述の金属含有レジストの現像液組成物を利用して未露光された領域に該当するフォトレジスト膜を溶解した後に除去することによって、前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターンが完成され得る。
【0083】
以下、現像してパターンを形成する方法を、図面を例に挙げて具体的に説明する。
【0084】
図2図4はパターン形成方法を説明するために工程順序により示す断面図である。
【0085】
図2を参照すれば、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジストパターン130Pを形成する。
【0086】
例示的な実施例において、露光されたフォトレジスト膜を現像してフォトレジスト膜の非露光された領域を除去し、フォトレジスト膜の露光された領域からなるフォトレジストパターン130Pを形成することができる。フォトレジストパターン130Pは、複数の開口OPを含むことができる。
【0087】
例示的な実施例において、フォトレジスト膜の現像は、NTD(negative-tone development)工程で行うことができる。この時、現像液組成物として一実施形態による金属含有フォトレジスト現像液組成物を使用することができる。
【0088】
図3を参照すれば、図2の結果物からフォトレジストパターン130Pを利用してフィーチャー層110を加工する。
【0089】
例えば、フィーチャー層110を加工するために、フォトレジストパターン130Pの開口OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングする工程、フィーチャー層110に不純物イオンを注入する工程、開口OPを通じてフィーチャー層110上に追加の膜を形成する工程、開口OPを通じてフィーチャー層110の一部を変形させる工程など多様な工程を行うことができる。図3にはフィーチャー層110を加工する例示的な工程として、開口OPを通じて露出されるフィーチャー層110をエッチングしてフィーチャーパターン110Pを形成することを例示した。
【0090】
図4を参照すれば、図3の結果物からフィーチャーパターン110P上に残っているフォトレジストパターン130Pを除去する。フォトレジストパターン130Pを除去するためにアッシング(ashing)およびストリップ(strip)工程を利用することができる。
【0091】
また他の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に金属含有レジスト組成物を塗布する段階、前記基板のエッジに沿って前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物を塗布する段階、乾燥および加熱して前記基板上に金属含有レジスト膜を形成させる熱処理段階、前記金属含有フォトレジスト膜を露光する段階、並びに前述の金属含有レジストの現像液組成物を利用して現像する段階を含む。
【0092】
各段階別の具体的な方法は、前述したとおりであり、エッジビード除去段階および現像段階で本発明による金属含有レジストのエッジビード除去用組成物または金属含有レジストの現像液組成物を同時に利用することによって、エッジビードの除去効果および未露光領域の溶解度を効果的に向上させることで、より小さいフィーチャー(feature)の加工およびパターニングの要求を満たし、優れたコントラスト特性、優れた感度および減少したラインエッジ粗さ(LER)を実現できるようにする。
【実施例0093】
以下、前述の金属含有レジストのエッジビード除去用組成物および金属含有レジストの現像液組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例により本発明の技術的特徴が限定されるのではない。
【0094】
金属含有レジストのエッジビード除去用組成物/現像液組成物の製造
実施例1
ジフルオロ酢酸と溶媒としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)を表1の組成で混合した後、常温(25℃)で振って完全に溶解する。その後、1μmのポアサイズを有するPTFE材質のフィルター(filter)を通過させて最終の組成物を得る。
【0095】
実施例2~実施例6、比較例1および比較例2
下記表1に記載された組成に変更したことを除いては前記実施例1と同様な方法にして組成物を得る。
【0096】
【表1】
【0097】
*DFAA:ジフルオロ酢酸
*DFPA:2,2-ジフルオロプロピオン酸
*AA:酢酸
【0098】
有機金属含有フォトレジスト組成物の製造
下記の化学式Cの構造を有する有機金属化合物を4-メチル-2-ペンタノール(4-methyl-2-pentanol)に1wt%の濃度に溶かした後、0.1μmのPTFEシリンジフィルターで濾過してフォトレジスト組成物を製造した。
【化3】
【0099】
評価:コントラスト(contrast)性能および感度の評価
前記で製造された金属含有フォトレジスト(PR)組成物を8インチのウエハー上に1,500rpmで30秒間スピンコーティングした後、160℃で60秒間熱処理してコーティングされたウエハーを製造した。
【0100】
これをKrF scanner(ASML社のPAS5500/700D)を活用して1.2cmx0.9cmサイズの長方形パターンで10~100mJのドース(dose)で露光した後、160℃で90秒間熱処理し、実施例1~6および比較例1~2による現像液組成物をそれぞれ適用して現像した後、最終240℃で60秒間熱処理してパターニングされたウエハーを完成した。パターニングされたウエハーに対して各露光部位の厚さを測定して得られたコントラストカーブ(contrast curve)を図5に示し、これからコントラスト性能(γ(contrast))および感度(D100)を算出し、その結果を下記表2に示した。
【0101】
γ(contrast)=1/log(D100/D
100=PRが100%残り始める露光量
=PRが完全に除去される露光量
【0102】
【表2】
【0103】
図5はパターニングされたウエハーに対して各露光部位の厚さを測定して得られたコントラストカーブ(contrast curve)である。
【0104】
図5を参照すれば、解像度曲線による傾きから、実施例2でより優れた解像度が具現されることが分かる。
【0105】
また、表2を参照すれば、実施例による金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合、比較例による金属含有フォトレジスト現像液組成物を適用する場合に比べて優れたコントラスト性能、および優れた感度特性を示すことを確認することができる。
【0106】
以上で、本発明の特定の実施例が説明され、図示されたが、本発明は、記載された実施例に限定されるのではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに多様に修正および変形可能であることは当該技術分野における通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0107】
1…基板支持部、2…噴射ノズル、10…フォトレジスト溶液、12…エッジビード、100…基板、OP…開口。
図1
図2
図3
図4
図5