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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024567
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】集魚灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20250213BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20250213BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20250213BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20250213BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20250213BHJP
   F21V 3/08 20180101ALI20250213BHJP
   F21V 3/12 20180101ALI20250213BHJP
   F21W 107/20 20180101ALN20250213BHJP
   F21Y 103/00 20160101ALN20250213BHJP
   F21Y 105/18 20160101ALN20250213BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250213BHJP
【FI】
F21S2/00 642
F21V7/04 500
F21V9/32
F21V29/76
F21V29/503 100
F21V3/08
F21V3/12
F21W107:20
F21Y103:00
F21Y105:18
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023128766
(22)【出願日】2023-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000151944
【氏名又は名称】株式会社東和電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和憲
(72)【発明者】
【氏名】浜出 雄一
(57)【要約】      (修正有)
【課題】放電灯と同様の発光を実現する集魚灯を提供する。
【解決手段】集魚灯100は、蛍光体(波長変換部材)を有する蛍光管(第1筒体)110と、蛍光管(第1筒体)110の一端側に配置され、蛍光管(第1筒体)110内に光を照射する第1発光部120と、蛍光管(第1筒体)110内に配置され、第1発光部120から発光される光を蛍光管(第1筒体)110の内面に向かって反射する第1反射板140と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長変換部材を有する第1筒体と、
前記第1筒体の一端側に配置され、前記第1筒体内に光を照射する第1発光部と、
前記第1筒体内に配置され、前記第1発光部から発光される光を前記第1筒体の内面に向かって反射する第1反射板と、
を備える集魚灯。
【請求項2】
前記第1反射板の反射面は、円錐台の側面形状である、
請求項1に記載の集魚灯。
【請求項3】
前記第1反射板の反射面の前記第1発光部の発光面に対する角度は、前記第1発光部から前記第1反射板までの前記第1筒体の長さ及び前記第1筒体の内径で定まる、
請求項1に記載の集魚灯。
【請求項4】
前記第1筒体の他端側に配置され、前記第1筒体内に光を照射する第2発光部と、
前記第1筒体内に配置され、前記第2発光部から発光される光を前記第1筒体の内面に向かって反射する第2反射板と、
をさらに備える請求項1に記載の集魚灯。
【請求項5】
前記第1反射板及び前記第2反射板は、前記第1反射板の反射面と、前記第2反射板の反射面と、が反対向きであり、前記第1反射板の反射面と、前記第2反射板の反射面と、の距離が前記第1筒体の中央側から内面側に向かって減少するように、前記第1筒体内に配置される、
請求項4に記載の集魚灯。
【請求項6】
前記第1反射板及び前記第2反射板の先端と、前記第1筒体の内面と、の間には隙間がある、
請求項4に記載の集魚灯。
【請求項7】
前記第1発光部及び前記第2発光部は、それぞれ、複数の発光装置を備え、前記複数の発光装置は、それぞれ、環状に配置される、
請求項4に記載の集魚灯。
【請求項8】
前記第1筒体の前記一端側に配置され、前記第1発光部の熱が伝達される第1ヒートシンクと、
前記第1筒体の前記他端側に配置され、前記第2発光部の熱が伝達される第2ヒートシンクと、
をさらに備える請求項4に記載の集魚灯。
【請求項9】
前記第1筒体内を通過する第2筒体と、
前記第2筒体内を通って前記第1発光部及び前記第2発光部に給電する給電線と、
をさらに備える請求項4に記載の集魚灯。
【請求項10】
前記第1反射板及び前記第2反射板は、前記第2筒体の外側面に固定される、
請求項9に記載の集魚灯。
【請求項11】
前記第2筒体の外側面は、鏡面である、
請求項9に記載の集魚灯。
【請求項12】
前記第2筒体内には、除湿剤が配置される、
請求項9に記載の集魚灯。
【請求項13】
前記波長変換部材の発光波長は490nm以上670nm以下である、
請求項1~12のいずれか1つに記載の集魚灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、集魚灯に関する。
【背景技術】
【0002】
LEDから発せられた光の配光を、配光制御部によって、航空障害灯に要求される光強度分布に合わせて調節する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-285702号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態は、放電灯と同様の発光を実現する集魚灯を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、集魚灯は、波長変換部材を有する第1筒体と、前記第1筒体の一端側に配置され、前記第1筒体内に光を照射する第1発光部と、前記第1筒体内に配置され、前記第1発光部から発光される光を前記第1筒体の内面に向かって反射する第1反射板と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態は、放電灯と同様の発光を実現する集魚灯を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係る集魚灯及び接続ユニットの外観の一例を示す斜視図。
図2】第1実施形態に係る集魚灯の断面の一例を示す図。
図3】第1実施形態の第1発光部の上面の一例を示す図。
図4】第1実施形態の第1反射板の反射面の角度について説明するための図。
図5】第2実施形態に係る集魚灯の断面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚さと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、集魚灯100及び接続ユニット300の外観の一例を示す斜視図である。図2は、集魚灯100の断面の一例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、集魚灯100の一端(図示の上側)に接続ユニット300が接続されている。
また、図1及び図2に示すように、集魚灯100は、蛍光管(第1筒体)110と、第1発光部120と、支持体130と、ホルダ131と、パッキン132と、圧縮リング133と、第1反射板140と、第1ヒートシンク150と、第1給電線160と、第2発光部220と、支持体230と、ホルダ231と、パッキン232と、圧縮リング233と、第2反射板240と、第2ヒートシンク250と、第2給電線260と、中央パイプ(第2筒体)101と、除湿剤102と、を備える。
【0011】
まず、図1を参照して接続ユニット300について説明する。
図1に示すように、接続ユニット300は、第1部分310及び第2部分320を含む。図示しない他の接続ユニットの第2部分が第1部分310に接続可能になっている。すなわち、第2部分320が他の図示しない他の接続ユニットの第1部分(図1の第1部分310に対応する)に接続可能になっている。このように、接続ユニット300は、図示しない同型の他の接続ユニットと接続可能に構成される。
【0012】
接続ユニット300内には、集魚灯100に電力を供給するための中継基板が設けられている。また、当該中継基板は、複数の接続ユニット300が接続された場合、それぞれ電気的に接続されるように構成される。接続ユニット300により接続された複数の集魚灯を、集魚灯群という。集魚灯群は、例えば、船の中心線に沿うように、かつ、所定の高さで設置される。集魚灯群の端部の接続ユニット300は、船内の電源に電気的に接続される。これにより、連結された集魚灯群を点灯させることができる。集魚灯100は、光を点灯することにより、魚等を漁船近くに集めることが可能になる。魚等は、例えば、イカ、サンマなどである。
【0013】
次に、図2を参照して、集魚灯100について説明する。
蛍光管110は、円筒形状である。蛍光管110は、蛍光体(波長変換部材)110aを有する。本実施形態では、透光性の筒体の内周面全体に、蛍光体110aが配置されて蛍光管110とされている。蛍光体粒子を分散させた樹脂を、筒体の内周面に塗布した後に硬化させることで、筒体に蛍光体を配置することができる。蛍光体は筒体の外周面に配置してもよいが、外部環境から蛍光体を保護するという観点から、内周面に配置することが好ましい。また、透光性の筒体そのものに蛍光体粒子を含有させてもよい。本実施形態では、蛍光体110aは、例えば、第1発光部からの光で励起され、波長490nmで発光するSrAl1425:Euで示される組成を有するアルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体(SAE蛍光体ともいう)であるが、これに限るものではない。例えば、CaMgSi16Cl:Euで示される組成を有するクロロシリケート蛍光体、YAl12:Ceで示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体(YAG蛍光体ともいう)、LuAl12:Ceで示される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体(LAG蛍光体ともいう)、(Sr,Ca)AlSiN:Euで示される組成を有するシリコンナイトライド蛍光体(SCASN蛍光体ともいう)を用いてもよい。蛍光体110aの発光波長は、例えば、490nm以上670nm以下である。集魚灯100により集める魚等がイカの場合、例えば、発光波長は、490nm以上500nm以下とすることが好ましく、サンマである場合、例えば、発光波長は、500nm以上540nm以下とすることが好ましい。蛍光管110を構成する透光性の筒体の材質は、例えば、ホウケイ酸ガラス、または石英ガラスであるが、これに限るものではない。
【0014】
第1発光部120は、基板122上に複数の発光装置121を備えて構成される。基板122の、発光装置121が配置される面と反対側の面は、支持体130と接合されている。支持体130は、例えばアルミニウムや銅などの熱伝導率の良好な金属材料で構成されることが好ましい。放熱性と軽量化の観点から、放熱性が高く比重が小さいアルミニウムを用いることが好ましい。第1発光部120は、蛍光管110の一端側に配置され、蛍光管110内に光を照射する。本実施形態では、支持体130と蛍光管110の上面とが、ホルダ131及びパッキン132を介して接合されることにより、第1発光部120が蛍光管110の一端側に固定される。ホルダ131は、例えば剛性が高く軽量であるアルミニウムで構成されることが好ましい。パッキンは、ゴムや樹脂を用いることができ、耐熱性や耐寒性に優れたシリコーンゴムを用いることが好ましい。蛍光管110の周面においては、圧縮リング133によりパッキン132が圧縮されることで、蛍光管110の上端側がシールされている。これにより、集魚灯内部に海水や雨水等が入らないような防水構造とされている。圧縮リング133は、例えば剛性が高く軽量であるアルミニウムで構成されることが好ましい。
【0015】
図3は、第1発光部120の上面の一例を示す図である。なお、図3においては、第1発光部120を発光させるための回路構成等については、図示を省略している。
【0016】
図3に示すように、第1発光部120は、本実施形態では、基板122としてアルミニウム基板を用い、基板122上に複数の発光装置121を備えて構成される。基板122は、放熱性を高めるために金属からなることが好ましいが、例えばガラエポ基板などの樹脂を用いた基板であってもよい。複数の発光装置121は、基板122上に環状に配置される。発光装置121は、例えば、窒化物半導体を用いたLED(Light Emitting Diode)である。発光装置121は、例えば樹脂やセラミックスからなるパッケージと、窒化物半導体を有する発光素子と、外部電極を有する。本実施形態では、LEDのピーク波長は、例えば450nmであるが、これに限るものではない。LEDのピーク波長は、用いる蛍光体の励起波長に応じて適宜選択可能であり、例えば280nm~500nmである。基板122上には、例えば、発光装置121の出射する光を反射することが可能な白色のレジストが配置される。第1発光部120の中央には、孔部123が設けられている。孔部123は、中央パイプ101が貫通可能になっている。本実施形態においては、基板122の中央に孔部123が設けられている。
【0017】
図2に戻り、説明を続ける。
第1反射板140は、蛍光管110内に配置され、第1発光部120から発光される光を蛍光管110の内面に向かって反射する。第1反射板140の反射面は、円錐台の側面形状になっている。第1反射板140は、第1発光部120からの光を反射する材料で構成され、材料には、例えば、アルミニウムが用いられる。反射率が低い材料の表面に反射部材を形成することで第1反射板140としてもよい。
【0018】
第1ヒートシンク150は、蛍光管110の一端側に配置され、第1発光部120の熱が伝達される。本実施形態では、第1ヒートシンク150と支持体130とが接触している。第1ヒートシンク150は、放熱フィンを備えており、放熱フィンのそれぞれは翼断面形状である。放熱フィンを備えることにより、第1ヒートシンク150は、より効果的に第1発光部120を冷却することができる。第1ヒートシンク150は、例えばアルミニウムや銅などの熱伝導率の良好な金属材料で構成されることが好ましい。放熱性と軽量化の観点から、放熱性が高く比重が小さいアルミニウムを用いることが好ましい。これにより、第1ヒートシンク150は、第1発光部120の発光時に生じる熱を放熱することができる。
【0019】
第2発光部220は、基板222上に複数の発光装置221を備えて構成される。蛍光管110の他端側に配置され、蛍光管110内に光を照射する。第2発光部220は、複数の発光装置221が、複数の発光装置121と同様に、環状に基板222上に設けられている。本実施形態では、第2ヒートシンク250の上面と蛍光管110の下面とが、ホルダ231及びパッキン232を介して接合されることにより、第2発光部220が蛍光管110の他端側に固定される。第2反射板240は、蛍光管110内に配置され、第2発光部220から発光される光を蛍光管110の内面に向かって反射する。第2反射板240の反射面は、円錐台の側面形状である。第2反射板240の材料は、第1反射板140と同様に、可視光を反射する材料であればよく、材料には、例えば、アルミニウムが用いられる。第2ヒートシンク250は、蛍光管110の他端側に配置され、第2発光部220の発光時に生じる熱を放熱することができる。
【0020】
第2発光部220、ホルダ231、パッキン232、圧縮リング233、第2反射板240及び第2ヒートシンク250の構造は、それぞれ、第1発光部120、ホルダ131、パッキン132、圧縮リング133、第1反射板140及び第1ヒートシンク150の構造と、同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0021】
第1反射板140及び第2反射板240は、断面が円錐状になっている。第1反射板140及び第2反射板240は、一体として形成されてもよいし、第1反射板140及び第2反射板240を貼り合わせて形成してもよい。
【0022】
第1反射板140及び第2反射板240において、第1反射板140の反射面と、第2反射板240の反射面と、が反対向きであり、第1反射板140の反射面と、第2反射板240の反射面と、の距離が蛍光管110の中央側から内面側に向かって減少するように、蛍光管110内に配置される。さらに、第1反射板140及び第2反射板240の断面における蛍光管110の内面側先端位置と、蛍光管110の上下方向の中心位置と、が、水平方向において、一致するように、第1反射板140及び第2反射板240が蛍光管110内に配置される。
【0023】
第1反射板140及び第2反射板240の先端と、蛍光管110の内面と、の間には隙間S1がある。第1反射板140及び第2反射板240の先端は、それぞれ、丸め処理がされてもよい。ここで、丸め処理とは、当該先端が、断面視において、円弧形状とされていることをいう。
【0024】
中央パイプ101は、蛍光管110内を通過する。
既述の第1反射板140及び第2反射板240は、それぞれ、中央パイプ101の外側面に固定される。第1反射板140及び第2反射板240は、例えば、既述の配置位置となるようにボルトにより中央パイプ101の外側面に固定すればよい。中央パイプ101の外側面は、例えば、第1発光部および第2発光部からの光を反射するめっき処理がされている。このため、中央パイプ101の外側面は、鏡面になっている。
【0025】
第1給電線160及び第2給電線260の一端は、それぞれ、接続ユニット300を介して電源と接続される。第1給電線160の他端は、中央パイプ101を通って中央パイプの上部側面に設けられた孔を通り、第1発光部120の基板122に電気的に接続される。第2給電線260の他端は、中央パイプ101を通って中央パイプの下部側面に設けられた孔を通り、第2発光部220の基板222に接続される。第1給電線160及び第2給電線260は、それぞれ、例えば、樹脂により表面が被覆され、絶縁される。なお、第1給電線160及び第2給電線260は樹脂で被覆されなくても、絶縁可能な材料で被覆されればよい。
【0026】
中央パイプ101内には、本実施形態では、除湿剤102が配置される。例えば、除湿剤102は、固形状の除湿剤102を中央パイプ101内に配置すればよい。これにより、中央パイプ101内、第1発光部120内及び第2発光部220内の湿気を除去することができる。
【0027】
次に、第1反射板140の反射面の第1発光部120の発光面に対する角度及び第2反射板240の反射面の第2発光部220の発光面に対する角度について説明する。なお、同様な説明になるため、以下では、第1反射板140の反射面の第1発光部120の発光面に対する角度を例に挙げて説明する。
【0028】
第1反射板140の反射面の第1発光部120の発光面に対する角度は、第1発光部120から第1反射板140までの蛍光管110の長さ及び蛍光管110の内径で定まる。 図4は、第1反射板140の反射面の第1発光部120の発光面に対する角度について説明するための図である。
【0029】
図4において、光路L11,L12は、発光装置121から発光される図示左端側の光の光路を示している。光路L21,L22は、発光装置121から出射される図示右端側の光の光路を示している。環状に配置される発光装置121の配列径を配列径φ1、蛍光管110の内径を内径φ2とする。蛍光管110の上下方向の中心位置を中心位置C1とする。第1距離D1は、中心位置C1から圧縮リング133までの距離である。第2距離D2は、中心位置C1から発光装置121の発光面までの距離である。第3距離D3は、中心位置C1から基板122の下面(言い換えると、発光装置121が配置される面と反対側の面)までの距離である。
【0030】
発光装置121から光路L11を通過する光は、第1反射板140の中央パイプ101側の端部で反射され、進行方向が光路L12に変更される。光路L12を通過する光は、圧縮リング133の下側において、蛍光管110の内周面の蛍光体110aに照射される。光路L11より図示左側を通過する光は、中央パイプ101の外側面に照射され、外側面に反射され、反射した光は、蛍光管110の圧縮リング133より下側の蛍光管110内に照射される。
【0031】
発光装置121から光路L21を通過する光は、第1反射板140の先端で反射され、進行方向が光路L22に変更される。光路L22を通過する光は、中心位置C1より若干上側において、蛍光管110の内周面の蛍光体110aに照射される。光路L21より図示右側を通過する光は、中心位置C1付近の蛍光管110の内周面の蛍光体110aにそのまま照射される。
【0032】
光路L11と、光路L21と、の間の光は、光路L12と、光路L22と、の間の蛍光管110の内周面の蛍光体110aを照射する。
【0033】
このように第1発光部120から発光された光は、第1反射板140の反射面及び中央パイプ101の外側面に反射され、あるいは、そのまま蛍光管110の内周面に塗布された蛍光体110aに照射される。また、同様に、第2発光部220から発光された光は、第2反射板240の反射面及び中央パイプ101の外側面に反射され、あるいは、そのまま蛍光管110の内周面に塗布された蛍光体110aに照射される。これにより、蛍光管110の内側に塗布された蛍光体110a全てに光を照射することできる。蛍光体粒子により光が散乱されることから、集魚灯100は、蛍光管110の側面全体を均一に発光させることができる。
【0034】
一例として、配列径φ1が85mm、内径φ2が114mm、第1距離D1が85mm、第2距離D2が112mm、第3距離D3が115mmの場合、蛍光管110に塗布された蛍光体110aの全面を照射する第1反射板140及び第2反射板240の反射面の第1発光部120の発光面に対する角度αは、20度である。
【0035】
以上説明したように集魚灯100は、円筒形状の蛍光管110の内周面に塗布された蛍光体110aを発光させることができ、従来から集魚灯として用いられてきた放電灯と同様の発光を実現することができる。
【0036】
集魚灯100は、第1発光部120及び第2発光部220を、蛍光管110の一端側及び他端側にそれぞれ配置している。これにより、第1ヒートシンク150を第1発光部120側に、第2ヒートシンク250を第2発光部220側にそれぞれ備えることができ、十分な放熱面積を確保することができる。
【0037】
集魚灯100は、蛍光管110の内周面に設ける蛍光体110aを全体的に照射することができる。このため、蛍光体110aの照射効率を向上させることができる。なお、隙間S1を設けることにより、集魚灯100は、第1反射板140及び第2反射板240の先端位置と対応する蛍光管110の位置において、発光ムラが発生することを低減できる。
【0038】
集魚灯100は、第1反射板140及び第2反射板240を設けている。これにより、第1発光部120から出射された光が第2発光部220に入射することを防止すると共に、第2発光部220から出射された光が第1発光部120に入射することを防止することができる。したがって、第1発光部120及び第2発光部220の光が他方に吸収されることを低減することができる。
【0039】
中央パイプ101は、集魚灯100全体を支持すると共に、内部に第1給電線160及び第2給電線260を収容することができる。集魚灯100は、中央パイプ101により、構造を簡素化しつつ強度を向上させることができ、第1発光部120及び第2発光部220への給電用の配線通路も兼用することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の集魚灯の断面の一例を示す図である。第1実施形態の集魚灯100と比較すると、第2発光部220及び第2給電線260等が設けられていない。なお、第1実施形態と同じ構成には、同一の符号を付すこととする。
【0041】
図5に示すように、集魚灯100Aは、第1発光部120からの光を第1反射板140で反射するように構成されている。このように、集魚灯100Aは、第1実施形態で説明した図1等に示す集魚灯100の上側半分だけの構成としてもよい。このように集魚灯100Aを構成しても、第1実施形態と同様な効果を奏することができる。
【0042】
実施形態は、以下の態様を含む。
【0043】
(付記1)
波長変換部材を有する第1筒体と、
前記第1筒体の一端側に配置され、前記第1筒体内に光を照射する第1発光部と、
前記第1筒体内に配置され、前記第1発光部から発光される光を前記第1筒体の内面に向かって反射する第1反射板と、
を備える集魚灯。
【0044】
(付記2)
前記第1反射板の反射面は、円錐台の側面形状である、
付記1に記載の集魚灯。
【0045】
(付記3)
前記第1反射板の反射面の前記第1発光部の発光面に対する角度は、前記第1発光部から前記第1反射板までの前記第1筒体の長さ及び前記第1筒体の内径で定まる、
付記1または2に記載の集魚灯。
【0046】
(付記4)
前記第1筒体の他端側に配置され、前記第1筒体内に光を照射する第2発光部と、
前記第1筒体内に配置され、前記第2発光部から発光される光を前記第1筒体の内面に向かって反射する第2反射板と、
をさらに備える付記1~3のいずれか1つに記載の集魚灯。
【0047】
(付記5)
前記第1反射板及び前記第2反射板は、前記第1反射板の反射面と、前記第2反射板の反射面と、が反対向きであり、前記第1反射板の反射面と、前記第2反射板の反射面と、の距離が前記第1筒体の中央側から内面側に向かって減少するように、前記第1筒体内に配置される、
付記4に記載の集魚灯。
【0048】
(付記6)
前記第1反射板及び前記第2反射板の先端と、前記第1筒体の内面と、の間には隙間がある、
付記4または5に記載の集魚灯。
【0049】
(付記7)
前記第1発光部及び前記第2発光部は、それぞれ、複数の発光装置を備え、前記複数の発光装置は、それぞれ、環状に配置される、
付記4~付記6のいずれか1つに記載の集魚灯。
【0050】
(付記8)
前記第1筒体の前記一端側に配置され、前記第1発光部の熱が伝達される第1ヒートシンクと、
前記第1筒体の前記他端側に配置され、前記第2発光部の熱が伝達される第2ヒートシンクと、
をさらに備える付記4~8のいずれか1つに記載の集魚灯。
【0051】
(付記9)
前記第1筒体内を通過する第2筒体と、
前記第2筒体内を通って前記第1発光部及び前記第2発光部に給電する給電線と、
をさらに備える付記4~9のいずれか1つに記載の集魚灯。
【0052】
(付記10)
前記第1反射板及び前記第2反射板は、前記第2筒体の外側面に固定される、
付記9に記載の集魚灯。
【0053】
(付記11)
前記第2筒体の外側面は、鏡面である、
付記9または10に記載の集魚灯。
【0054】
(付記12)
前記第2筒体内には、除湿剤が配置される、
付記9~11のいずれか1つに記載の集魚灯。
【0055】
(付記13)
前記波長変換部材の発光波長は490nm以上670nm以下である、
付記1~12のいずれか1つに記載の集魚灯。
【符号の説明】
【0056】
100,100A…集魚灯、101…中央パイプ、102…除湿剤、110…蛍光管、110a…蛍光体、120…第1発光部、121…発光装置、130…支持体、131…ホルダ、132…パッキン、133…圧縮リング、140…第1反射板、150…第1ヒートシンク、160…第1給電線、220…第2発光部、221…発光装置、230…支持体、231…ホルダ、232…パッキン、233…圧縮リング、240…第2反射板、250…第2ヒートシンク、260…第2給電線、300…接続ユニット、L11,L12,L21,L22…光路、S1…隙間、φ1…配列径、φ2…内径

図1
図2
図3
図4
図5