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特開2025-24663ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法
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  • 特開-ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024663
(43)【公開日】2025-02-20
(54)【発明の名称】ハードマスク組成物、ハードマスク層およびパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/11 20060101AFI20250213BHJP
   C08G 61/12 20060101ALI20250213BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20250213BHJP
【FI】
G03F7/11 503
G03F7/11 502
C08G61/12
G03F7/20 501
G03F7/20 521
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027728
(22)【出願日】2024-02-27
(31)【優先権主張番号】10-2023-0103085
(32)【優先日】2023-08-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】金 ▲せい▼ 煥
(72)【発明者】
【氏名】朴 相 熙
(72)【発明者】
【氏名】金 惠 廷
(72)【発明者】
【氏名】崔 世 一
(72)【発明者】
【氏名】金 修 熙
【テーマコード(参考)】
2H197
2H225
4J032
【Fターム(参考)】
2H197CA06
2H197CA08
2H197CA10
2H197HA03
2H225AM61N
2H225AM66N
2H225AM79N
2H225AM93N
2H225AN39N
2H225AN42N
2H225BA01N
2H225CA12
4J032CA03
4J032CA12
4J032CA24
4J032CA43
4J032CB04
4J032CB12
4J032CD07
4J032CE03
4J032CF05
4J032CG06
(57)【要約】
【課題】優れた耐エッチング性、ギャップフィル特性および耐熱性を確保することができるハードマスク層を形成し得るハードマスク組成物、前記ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層、および前記ハードマスク組成物を使用するパターン形成方法を提供する。
【解決手段】下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含むハードマスク組成物。

(上記化学式1の定義は、明細書に記載したものと同じである)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む、ハードマスク組成物:
【化1】

上記化学式1中、
Aは、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、および置換もしくは非置換の芳香族複素環からなる基、または2以上の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、2以上の置換もしくは非置換の芳香族複素環、または芳香族炭化水素環および芳香族複素環が、単結合、もしくは-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の芳香族複素環であり、前記RおよびRは、互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)で連結された基、またはこれらの組み合わせであり、
Bは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【化2】

上記化学式2中、
およびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和のヘテロ脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族複素環基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~30の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、
この際、前記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよく、
~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、-NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基である。)、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のヘテロシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、
m1~m4は、それぞれ独立して、0、1、2、3、および4の整数のうちの一つであり、
n1およびn2は、それぞれ独立して、1、2、3、および4の整数のうちの一つである。
【請求項2】
上記化学式1中のAは、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素環からなる基、または2以上の置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素環が、単結合、もしくは-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素環であり、前記RおよびRは、互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)で連結された基である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項3】
上記化学式1中のAは、置換または非置換の下記グループ1および下記グループ2から選択された構造のうちの少なくとも一つからなる基である、請求項1に記載のハードマスク組成物:
【化3】

【化4】

上記グループ2中、Zは、-NR-(ここで、Rは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)、-O-、-S-、または-PR-(ここで、Rは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)である。
【請求項4】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、
この際、前記XおよびXが互いに結合して環を形成していてもよい、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項5】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、
この際、前記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよい、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項6】
上記化学式2のR~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、m1~m4は、それぞれ独立して、0、1、および2の整数のうちの一つである、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項7】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、この際、前記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよく、m1~m4は、それぞれ独立して、0であり、n1およびn2は、それぞれ独立して、1または2である、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項8】
上記化学式2で表される基は、下記化学式2-1~化学式2-5で表される基のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載ハードマスク組成物:
【化5】

上記化学式2-1~化学式2-5中、
*は連結地点である。
【請求項9】
上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-1~化学式1-7で表される構造単位のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載ハードマスク組成物:
【化6】

上記化学式1-1~化学式1-7中、
*は連結地点である。
【請求項10】
前記重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~200,000g/molである、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項11】
前記重合体は、前記ハードマスク組成物の総質量を基準に、0.1質量%~30質量%含まれる、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項12】
前記溶媒は、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオ-ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、アセチルアセトン、エチル3-エトキシプロピオン酸塩、またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載のハードマスク組成物。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のハードマスク組成物の硬化物を含む、ハードマスク層。
【請求項14】
基板上に材料層を形成する段階、
前記材料層の上に請求項1乃至12のいずれか一項に記載のハードマスク組成物を塗布する段階、
前記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階、
前記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、
前記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、
前記フォトレジストパターンを利用して前記ハードマスク層を選択的に除去し、前記材料層の一部を露出させる段階、ならびに
前記材料層の露出した部分をエッチングする段階を含む、パターン形成方法。
【請求項15】
前記ハードマスク層を形成する段階は、100℃~1,000℃で熱処理する段階を含む、請求項14に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ハードマスク組成物、前記ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層および前記ハードマスク組成物を使用するパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業は、数百ナノメートルスケールのパターンから数~数十ナノメートルスケールのパターンを有する超微細技術に発展している。このような超微細技術を実現するためには、効果的なリソグラフィック技法が必須である。
【0003】
典型的なリソグラフィック技法は、半導体基板上に材料層を形成し、その上にフォトレジスト層をコーティングし、露光および現像を行ってフォトレジストパターンを形成した後、上記フォトレジストパターンをマスクとして材料層をエッチングする過程を含む。
【0004】
近年、形成しようとするパターンの大きさが減少することにより、上述した典型的なリソグラフィック技法のみでは、良好なプロファイルを有する微細パターンを形成することは困難である。これにより、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層の間に、いわゆるハードマスク層と呼ばれる補助層を形成して微細パターンを形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2021-0113909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れた耐エッチング性、ギャップフィル特性および耐熱性を確保することができるハードマスク層を形成し得るハードマスク組成物を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記ハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、上記ハードマスク組成物を用いたパターン形成方法を提供することにある。
【0009】
本発明によるハードマスク組成物は、下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む:
【0010】
【化1】
【0011】
上記化学式1中、
Aは、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、および置換もしくは非置換の芳香族複素環からなる基、または2以上の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、2以上の置換もしくは非置換の芳香族複素環、または置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環および置換もしくは非置換の芳香族複素環が、単結合、もしくは-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の芳香族複素環であり、上記RおよびRは、互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)で連結された基、またはこれらの組み合わせであり、
Bは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【0012】
【化2】
【0013】
上記化学式2中、
およびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和のヘテロ脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族複素環基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~30の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、この際、上記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよく、
~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、-NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基である。)、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の脂肪族複素環基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、
m1~m4は、それぞれ独立して、0、1、2、3、および4の整数のうちの一つであり、
n1およびn2は、それぞれ独立して、1、2、3、および4の整数のうちの一つである。
【0014】
上記化学式1中のAは、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素環からなる基、または2以上の置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素環が、単結合、もしくは-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素環であり、上記RおよびRは互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)で連結された基である。
【0015】
上記Aは、置換または非置換の下記グループ1および下記グループ2から選択された構造のうちの少なくとも一つからなる基でありうる。
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】
上記グループ2中、Zは、-NR-(ここで、Rは水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)、-O-、-S-、または-PR-である(ここで、Rは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)。
【0019】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、この際、上記XおよびXが互いに結合して環を形成していてもよい。
【0020】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであってもよく、この際、上記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよい。
【0021】
上記化学式2のR~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであってもよく、m1~m4は、それぞれ独立して、0、1、および2の整数のうちの一つであってもよい。
【0022】
上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであってもよく、この際、上記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよく、m1~m4は、それぞれ独立して0であってもよく、n1およびn2は、それぞれ独立して1または2であってもよい。
【0023】
上記化学式2で表される基は、下記化学式2-1~化学式2-5で表される基のうちの少なくとも一つであってもよい:
【0024】
【化5】
【0025】
上記化学式2-1~化学式2-5中、*は、連結地点である。
【0026】
上記化学式1は、下記化学式1-1~化学式1-7のうちのいずれか一つで表される構造単位のうちの少なくとも一つであってもよい:
【0027】
【化6】
【0028】
上記化学式1-1~化学式1-7中、*は、連結地点である。
【0029】
上記重合体の重量平均分子量は、1,000g/mol~200,000g/molであってもよい。
【0030】
上記重合体は、上記ハードマスク組成物の総質量100質量%に対し、0.1質量%~30質量%含むことができる。
【0031】
上記溶媒は、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオ-ル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、アセチルアセトンまたはエチル3-エトキシプロピオン酸塩、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0032】
また他の態様によると、上述したハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供する。
【0033】
また他の態様によると、基板上に材料層を形成する段階、上記材料層の上に上述したハードマスク組成物を塗布する段階、上記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階、上記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、上記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、上記フォトレジストパターンを利用して上記ハードマスク層を選択的に除去して上記材料層の一部を露出させる段階、ならびに上記材料層の露出した部分をエッチングする段階を含むパターン形成方法を提供する。
【0034】
上記ハードマスク層を形成する段階は、100℃~1,000℃で熱処理する段階を含んでもよい。
【0035】
本発明によれば、溶媒に対する溶解性に優れ、優れた耐熱性を確保すると同時に、優れたギャップフィル特性および平坦化特性を確保することができ、ハードマスク層に効果的に適用され得るハードマスク組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】平坦化特性の評価方法を説明するために、ハードマスク層の段差を例示的に示す参考概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態により具現することができ、ここで説明する具現例に限られない。
【0038】
本明細書において、別途の定義がない限り、「置換された」とは、化合物中の水素原子が、重水素原子、ハロゲン原子(F、Br、Cl、またはI)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基およびその塩、スルホン酸基およびその塩、リン酸およびその塩、ビニル基、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数2~20のアルケニル基、炭素原子数2~20のアルキニル基、炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基(アリール基)、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、炭素原子数9~30のアリルアリール基、炭素原子数1~30のアルコキシ基、炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、炭素原子数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素原子数3~30のシクロアルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルケニル基、炭素原子数6~15のシクロアルキニル基、炭素原子数3~30のヘテロシクロアルキル基、ならびにこれらの組み合わせから選択される置換基に置換されたものを意味する。
【0039】
また、上記の置換基としてのヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、カルボキシル基もしくはその塩、スルホン酸基もしくはその塩、リン酸もしくはその塩、炭素原子数1~30のアルキル基、炭素原子数2~30のアルケニル基、炭素原子数2~30のアルキニル基、炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、炭素原子数7~30のアリールアルキル基、炭素原子数1~30のアルコキシ基、炭素原子数1~20のヘテロアルキル基、炭素原子数3~20のヘテロアリールアルキル基、炭素原子数3~30のシクロアルキル基、炭素原子数3~15のシクロアルケニル基、炭素原子数6~15のシクロアルキニル基、または炭素原子数2~30の複素環基は、隣り合う置換基と結合または縮合して環を形成することもできる。
【0040】
本明細書において、別途の定義がない限り、「芳香族炭化水素環」とは、芳香族炭化水素部分を一つ以上有する基(芳香族複素環を除く)を意味し、非縮合芳香族炭化水素環、縮合芳香族炭化水素環だけでなく、芳香族炭化水素部分が単結合で連結された形態、芳香族炭化水素部分が直接または間接的に縮合された非芳香族部位を含む縮合環の形態、またはこれらの組み合わせを含む。
【0041】
より具体的には、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環は、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のナフチル基、置換もしくは非置換のアントラセニル基、置換もしくは非置換のフェナントリル基、置換もしくは非置換のナフタセニル基、置換もしくは非置換のピレニル基、置換もしくは非置換のビフェニル基、置換もしくは非置換のターフェニル基、置換もしくは非置換のクォーターフェニル基、置換もしくは非置換のクリセニル基、置換もしくは非置換のトリフェニレニル基、置換もしくは非置換のフェニレニル基、置換もしくは非置換のインデニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。
【0042】
本明細書において、別途の定義がない限り、「ヘテロ」とは、N、O、S、SeおよびPから選択されたヘテロ原子を1つ以上含むことを意味する。
本明細書において、別途の定義がない限り、「ヘテロ脂肪族炭化水素基」とは、直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子のうちの少なくとも1つが、N、O、S、SeおよびPから選択されるヘテロ原子に置換された炭化水素基を意味する。
【0043】
本明細書において、別途の定義がない限り、「芳香族複素環」とは、芳香族環内にN、O、S、SeおよびPから選択されたヘテロ原子を少なくとも1つ以上含むことを意味する。
【0044】
より具体的には、置換もしくは非置換の芳香族複素環は、置換もしくは非置換のフラニル基、置換もしくは非置換のチオフェニル基、置換もしくは非置換のピロリル基、置換もしくは非置換のピラゾリル基、置換もしくは非置換のイミダゾリル基、置換もしくは非置換のトリアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサゾリル基、置換もしくは非置換のチアゾリル基、置換もしくは非置換のオキサジアゾリル基、置換もしくは非置換のチアジアゾリル基、置換もしくは非置換のピリジニル基、置換もしくは非置換のピリミジニル基、置換もしくは非置換のピラジニル基、置換もしくは非置換のトリアジニル基、置換もしくは非置換のベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のベンズイミダゾリル基、置換もしくは非置換のインドリル基、置換もしくは非置換のキノリニル基、置換もしくは非置換のイソキノリニル基、置換もしくは非置換のキナゾリニル基、置換もしくは非置換のキノキサリニル基、置換もしくは非置換のナフチリジニル基、置換もしくは非置換のベンズオキサジニル基、置換もしくは非置換のベンズチアジニル基、置換もしくは非置換のアクリジニル基、置換もしくは非置換のフェナジニル基、置換もしくは非置換のフェノチアジニル基、置換もしくは非置換のフェノキサジニル基、置換もしくは非置換のフルオレニル基、置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基、置換もしくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換もしくは非置換のカルバゾリル基、ピリドインドリル基、ベンゾピリドオキサジニル基、ベンゾピリドチアジニル基、9,9-ジメチル-9,10-ジハイドロアクリジニル基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されず、これらの組み合わせである場合、置換基同士が結合または縮合して環を形成してもよい。
【0045】
本明細書において、別途に言及がない限り、「組み合わせ」とは、混合または共重合を意味する。
【0046】
また、本明細書において、「重合体」とは、オリゴマー(oligomer)と重合体(polymer)とを全て含むことができる。
【0047】
本明細書において、別途に言及しない限り、「重量平均分子量」とは、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解した後、Agilent Technologies社の1200seriesゲル透過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)を利用して測定(カラムはShodex社LF-804、標準試料はShodex社ポリスチレンを使用)したものである。
【0048】
本明細書において、「構造単位」とは重合体または共重合体の繰り返し単位を意味しうる。
【0049】
半導体産業では、チップの大きさを減少させるように絶えず要求されている。これに応えるため、リソグラフィ技術では、パターニングされるレジストの線幅が数十ナノメートルのサイズであることが必要とされる。しかしながら、レジストパターンの線幅が減少すると、レジストパターンが維持できるように厚さが制限されるため、レジストがエッチング段階で十分な耐性を有しない場合が発生する。これを補完するために、エッチングしようとする材料層とフォトレジスト層の間に、いわゆるハードマスク層(hardmask layer)と呼ばれる補助層を使用する。このようなハードマスク層は、選択的エッチングを通してフォトレジストの微細パターンを材料層に転写してくれる中間膜としての役割を有する。そのため、ハードマスク層は、パターン転写時に必要なエッチング工程を耐えられるように、耐エッチング性および架橋特性が要求される。
【0050】
既存のハードマスク層は、化学的または物理的蒸着法で形成されていたが、これは必要とされる設備の規模が大きく、工程単価が高くて経済効率が低いという問題がある。この問題に対処するために、最近、ハードマスク層を形成する技術として、スピン-コーティング法が開発された。スピン-コーティング法は、従来の方法に比べて工程が容易であり、また、この方法を経て製造されるハードマスク層のギャップフィル特性および平坦化特性がより優れている傾向がある。しかしながら、スピン-コーティング法を経て形成されたハードマスク層は、耐エッチング性が低下する場合があった。したがって、ハードマスク組成物は、スピン-コーティング法に適用することができ、この方法で塗布した後に硬化することにより形成されたハードマスク層が、化学的または物理的蒸着方法で形成されたハードマスク層と同等な耐エッチング性を有することが要求される。
【0051】
この要求に対し、ハードマスク組成物に含有される炭素含有量を増加させることで、ハードマスク層の耐エッチング性を改善しようとする研究が進められている。しかしながら、ハードマスク組成物に含まれる重合体の炭素含有量が増加することにより、溶媒に対する溶解性が低下する場合がある。したがって、ハードマスク組成物に含まれる重合体の炭素含有量を増加させ、形成されるハードマスク層の耐エッチング性を改善すると同時に、上記重合体の溶媒に対する溶解性が高いことが必要である。
【0052】
本発明によるハードマスク組成物は、芳香族炭化水素環、または芳香族複素環を含む重合体を含むことにより、重合体内の炭素含有量が増加し、形成されるハードマスク層の耐エッチング性を確保することができる。同時に、上記重合体中に、柔軟性の高い化学構造を含むことにより、重合体の溶媒に対する溶解度が増加する。以上より、上記組成物から形成されるハードマスク層は、ギャップフィル特性および平坦化特性、および耐熱性に優れたものとなり得る。
【0053】
具体的には、本発明によるハードマスク組成物は、下記化学式1で表される構造単位を含む重合体、および溶媒を含む:
【0054】
【化7】
【0055】
上記化学式1中、
Aは、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、および置換もしくは非置換の芳香族複素環からなる基、または2以上の置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、2以上の置換もしくは非置換の芳香族複素環、または置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環および置換もしくは非置換の芳香族複素環が、単結合、もしくは-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、または置換もしくは非置換の芳香族複素環であり、上記RおよびRは、互いに縮合して縮合環を形成していてもよい。)で連結された基、またはこれらの組み合わせであり、
Bは、下記化学式2で表される基であり、
*は、連結地点である:
【0056】
【化8】
【0057】
上記化学式2中、
およびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和のヘテロ脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族複素環基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~30の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、上記XおよびXは互いに結合して環を形成していてもよく、
~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、-NR(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基である。)、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20のシクロアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の脂肪族複素環基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の芳香族複素環基、またはこれらの組み合わせであり、
m1~m4は、それぞれ独立して、0、1、2、3、および4の整数のうちの一つであり、
n1およびn2は、それぞれ独立して、1、2、3、および4の整数のうちの一つである。
【0058】
上記のように、本発明による組成物は、構造単位に置換もしくは非置換の芳香族炭化水素環、置換もしくは非置換の芳香族複素環、またはこれらが連結された構造からなる基を含む重合体を含むことにより、重合体中の炭素含有量が増加し、耐エッチング性を確保することができる。これと同時に、上記化学式2で表される部分を含むことにより、重合体の化学構造において柔軟性が増加する。柔軟な化学構造は、重合体の自由体積(free volume)を増加させ、重合体の溶媒に対する溶解度を向上させるだけでなく、組成物のガラス転移温度(Tg)を下げることができる。これにより、上記組成物の焼成時のリフロー(reflow)が増加し、それによって形成されたハードマスク層のギャップフィル特性および平坦化特性を向上させることができる。
【0059】
本発明の一実施形態において、上記化学式1中のAは、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素環、2以上の置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族環が、単結合、または-CR-(ここで、RおよびRは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素環であり、上記RおよびRは、互いに縮合して縮合環を形成することができる。)で連結された基である。例えばAは、置換もしくは非置換の下記グループ1および下記グループ2から選択された構造のうちの少なくとも一つからなる基であり、例えば、置換または非置換の下記グループ1から選択された構造のうちの少なくとも一つからなる基であるが、これらに限定されない。
【0060】
【化9】
【0061】
上記グループ2中、Zは-NR-(ここで、Rは水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)、-O-、-S-、または-PR-(ここで、Rは、水素原子、重水素原子、または炭素原子数1~5のアルキル基である。)である。
【0062】
上記Aの例としては、置換または非置換の、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、フルオレン誘導体、インドール、カルバゾール、またはベンゾカルバゾールに由来する環のうちの少なくとも一つからなる基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
一実施形態では、上記化学式2のXおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20の飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数3~20の飽和もしくは不飽和の脂環式炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~30の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであってもよく、上記XおよびXは互いに結合して環を形成してもよい。例えば、XおよびXは、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の、炭素原子数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであってもよいが、これらに限定されず、また上記XおよびXが互いに結合して環を形成してもよい。
【0064】
上記XおよびXが互いに結合して環を形成する場合、形成される上記の環としては、シクロアルカン、シクロアルケン、およびシクロアルキンに由来する環、ならびに芳香族炭化水素環が挙げられ得て、上記環は、単一に存在するか、または2以上の炭化水素環が結合していてもよい。例えば、XおよびXがアルキル基であり、これらが連結して、シクロペンタン、シクロヘキサン等の構造を形成することができ、例えば、XおよびXが芳香族炭化水素基、例えば、XおよびXの両方がフェニル基である場合、上記XおよびXが結合した4級炭素に対してオルト位に存在する炭素原子同士が単結合で結合してフルオレン環を形成してもよい。また、上記炭化水素環基は置換または非置換であってもよい。
【0065】
上記のように、XおよびXは、それぞれ独立して存在していてもよいし、またはXおよびXが互いに結合して一つの部分として存在していてもよい。したがって、XおよびXの構造を適切に調節して、化学式2で表される基の構造の柔軟性を調節することにより、この構造を含む重合体の溶媒に対する溶解性を調節することができる。
【0066】
一実施形態において、上記化学式2のR~Rは、それぞれ独立して、重水素原子、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素原子数1~20のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基、またはこれらの組み合わせであり、例えば、ヒドロキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素原子数1~10のアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、例えば、ヒドロキシ基であり、これらに限定されない。
【0067】
一実施形態では、上記化学式2のm1~m4は、それぞれ独立して、0、1、2、3、および4の整数のうちの一つであり、例えば、0、1、および2の整数のうちの一つであり、例えば、0、または1であり、例えば0であるが、これらに限定されない。
【0068】
一実施形態では、上記化学式2のn1およびn2は、それぞれ独立して、1、2、3、および4の整数であり、例えば、1、2、および3の整数のうちの一つであり、例えば、1または2であるが、これらに限定されない。上記n1およびn2を調節することにより、構造単位中の構造の柔軟性を調節して、これを含む重合体の溶媒に対する溶解度を調節することができる。
【0069】
一実施形態において、上記化学式2で表される基は、下記化学式2-1~化学式2-5で表される基のうちの少なくとも一つでありうる:
【0070】
【化10】
【0071】
上記化学式2-1~化学式2-5中、*は、連結地点である。
【0072】
一実施形態において、上記化学式1で表される構造単位は、下記化学式1-1~化学式1-7で表される構造単位のうちの少なくとも一つでありうる:
【0073】
【化11】
【0074】
上記化学式1-1~化学式1-7中、*は連結地点である。
【0075】
上記重合体は、1,000g/mol~200,000g/molの重量平均分子量を有し得る。例えば、1,000g/mol~150,000g/mol、例えば、1,000g/mol~100,000g/mol、例えば、1,200g/mol~50,000g/mol、例えば、1,200g/mol~10,000g/molの重量平均分子量を有し得るが、これらに限定されない。重合体が上記の範囲の重量平均分子量を有することにより、上記重合体を含むハードマスク組成物の炭素含有量および溶媒に対する溶解度を調節して最適化することができる。
【0076】
上記重合体は、従来公知の合成方法を適宜参照して合成することができる。より具体的には、実施例に記載の合成方法を参照しながら、当業者であれば容易に合成することができる。
【0077】
上記重合体は、上記ハードマスク組成物の総質量100質量%に対して、0.1質量%~30質量%含むことができる。例えば、0.2質量%~30質量%、例えば、0.5質量%~30質量%、例えば、1質量%~30質量%、例えば、1.5質量%~25質量%、例えば、2質量%~20質量%であってもよいが、これらに限定されない。上記の範囲に重合体が含まれることにより、ハードマスクの厚さ、表面粗度、および平坦化特性の程度などを容易に調節することができる。
【0078】
本発明によるハードマスク組成物は、溶媒を含む。溶媒の例としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、メトキシプロパンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、トリ(エチレングリコール)モノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、乳酸エチル、γ-ブチロラクトン、N、N-ジメチルホルムアミド、N、N-ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、メチルピロリジノン、アセチルアセトンまたはエチル3-エトキシプロピオン酸もしくはその塩等から選択される少なくとも一つの溶媒が挙げられ得るが、これらに限定されない。上記溶媒は、上記重合体に対する十分な溶解性および/または分散性を有するものであれば特に限られない。
【0079】
上記ハードマスク組成物は、追加的に界面活性剤、架橋剤、熱酸発生剤、可塑剤などの添加剤をさらに含むことができる。
【0080】
上記界面活性剤は、例えば、フルオロアルキル系化合物、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩などを使用することができるが、これらに限定されない。
【0081】
上記架橋剤は、例えば、メラミン系、置換ヨウ素系、またはこれらポリマー系などが挙げられる。好ましくは、少なくとも2つの架橋形成置換基を有する架橋剤として、例えば、メトキシメチル化グリコリル、ブトキシメチル化グリコリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、メトキシメチル化ヨウ素、ブトキシメチル化ヨウ素、メトキシメチル化チオヨウ素、またはブトキシメチル化チオヨウ素などの化合物を使用することができる。
【0082】
また、上記架橋剤としては、耐熱性の高い架橋剤を使用することができる。耐熱性の高い架橋剤としては、分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を使用することができる。
【0083】
上記熱酸発生剤は、例えば、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸などの酸性化合物または/および2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他に有機スルホン酸アルキルエステルなどを使用することができるが、これらに限定されない。
【0084】
他の具現例によれば、上述したハードマスク組成物の硬化物を含むハードマスク層を提供する。
【0085】
以下、上述したハードマスク組成物を使用してパターンを形成する方法について説明する。
【0086】
本発明の一実施形態によるパターン形成方法は、基板上に材料層を提供する段階、上記材料層の上に上述した重合体および溶媒を含むハードマスク組成物を適用する段階、上記ハードマスク組成物を熱処理してハードマスク層を形成する段階、上記ハードマスク層の上にフォトレジスト層を形成する段階、上記フォトレジスト層を露光および現像してフォトレジストパターンを形成する段階、上記フォトレジストパターンを利用して上記ハードマスク層を選択的に除去して上記材料層の一部を露出させる段階、ならびに上記材料層の露出した部分をエッチングする段階を含む。
【0087】
上記基板は、例えば、シリコンウェーハ、ガラス基板または高分子基板でありうる。上記材料層は、最終的にパターンしようとする材料であり、例えば、アルミニウム、銅などの金属層、シリコンなどの半導体層または酸化ケイ素、窒化ケイ素などの絶縁層であることができる。上記材料層は、例えば、化学気相蒸着方法で形成されうる。
【0088】
上記ハードマスク組成物は、上述したように、溶液状で製造され、スピン-コーティング方法で塗布されることができる。上記ハードマスク組成物の塗布時の厚さは、特に限定されないが、例えば50~200,000Åの厚さに塗布されうる。
【0089】
上記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1,000℃の温度で10秒~1時間行うことができる。一例として、上記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、複数の熱処理段階を含むことができ、例えば、1次熱処理段階、および2次熱処理段階を含むことができる。
【0090】
一実施形態では、上記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1000℃で10秒~1時間行われる一つの熱処理段階を含むことができ、一例として、上記熱処理段階は、空気、または窒素雰囲気下で行うことができ、または酸素濃度1質量%以下の雰囲気下で行うことができる。
【0091】
一実施形態では、上記ハードマスク組成物を熱処理する段階は、例えば、100℃~1,000℃、例えば、100℃~800℃、例えば、100℃~500℃、例えば、150℃~400℃の温度で、例えば、30秒~1時間、例えば、30秒~30分、例えば、30秒~10分、例えば、30秒~5分間行われる1次熱処理段階を含む。
【0092】
また、例えば、100℃~1,000℃、例えば、300℃~1,000℃、例えば、500℃~1,000℃、例えば、500℃~600℃の温度で、例えば、30秒~1時間、例えば、30秒~30分、例えば、30秒~10分、例えば、30秒~5分間行われる2次熱処理段階を連続的に含むことができる。一例として、上記1次および2次熱処理段階は、空気、または窒素雰囲気下で行うことができ、または酸素濃度1質量%以下の雰囲気下で行うことができる。
【0093】
上記ハードマスク組成物を熱処理する段階のうち、少なくとも一つの段階を200℃以上の高温で行うことにより、エッチング工程を含む後続工程で曝露するエッチングガスおよび化学液に耐えられる高い耐エッチング性を示すことができる。
【0094】
一実施形態では、上記ハードマスク層を形成する段階は、UV/Vis硬化段階および/または近赤外線(near IR)硬化段階を含むことができる。
【0095】
一実施形態では、上記ハードマスク層を形成する段階は、上記1次熱処理段階、2次熱処理段階、UV/Vis硬化段階、および近赤外線(near IR)硬化段階のうち少なくとも一つの段階を含むか、二つ以上の段階を連続的に含むことができる。
【0096】
一実施形態では、上記ハードマスク層の上にシリコン含有薄膜層を形成する段階をさらに含むことができる。上記シリコン含有薄膜層は、例えば、SiCN、SiOC、SiON、SiOCN、SiC、SiOおよび/またはSiNなどの物質で形成することができる。
【0097】
一実施形態では、上記フォトレジスト層を形成する段階の前に、上記シリコン含有薄膜層上部またはハードマスク層上部に底面反射防止層(bottom anti-reflective coating、BARC)をさらに形成することもできる。
【0098】
一実施形態では、上記フォトレジスト層を露光する段階は、例えば、ArF、KrFまたはEUVなどを用いて行うことができる。また、露光後、100℃~700℃で熱処理工程を行うことができる。
【0099】
一実施形態では、上記材料層の露出した部分をエッチングする段階は、エッチングガスを用いた乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えば、N/O、CHF、CF、Cl、BCl、およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0100】
上記エッチングされた材料層は、複数のパターンで形成されることができ、上記複数のパターンは、金属パターン、半導体パターン、絶縁パターンなど多様であり、例えば、半導体集積回路デバイス内の多様なパターンに適用することができる。
【実施例0101】
以下、実施例を通して、上述した本発明の具現例をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は、単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0102】
[化合物の合成]
合成例1
フラスコに1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン(80.5g,0.3mol)、4-フルオロベンズアルデヒド(74.5g,0.6mol)、炭酸カリウム(82.9g,0.6mol)と脱水N、N-ジメチルホルムアミド(DMF)400mLを入れた後、窒素雰囲気下で140℃において14時間攪拌した。反応終了後、常温まで反応溶液を冷却した後、冷却水(1,000mL)にゆっくり滴下した。生成した固体を濾取した後、水(500mL)に2回、メタノール水溶液(水:メタノール(MeOH)=5:1,200mL)で洗浄し、減圧下で残留溶媒を除去して下記化学式1aで表される化合物1aを得た。
【0103】
【化12】
【0104】
化合物1a(95.3g,0.2mol)をジクロロメタン:MeOH(1:1,500mL)に溶解した後、常温で水素化ホウ素ナトリウム(22.7g,0.6mol)を20分かけてゆっくり添加し、その後常温で5時間攪拌した。
【0105】
反応完了後、減圧下で溶媒の半分程度を除去した後、酢酸エチル(600mL)で有機層を抽出し、その後減圧下で残留溶媒を除去して下記化学式1bで表される化合物1bを得た。
【0106】
【化13】
【0107】
化合物1b(48.0g,0.1mol)を脱水DMF(150mL)に溶解させた後、窒素ブローをしながら水素化ナトリウム(7.2g,0.3mol)をゆっくり添加し、その後常温で30分間攪拌した。ヨードメタン(71.0g,0.5mol)を反応物にゆっくり滴下した後、常温で3時間さらに攪拌した。
【0108】
反応完了後、酢酸エチル(500mL)に有機層を抽出し、減圧下で残留溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、下記化学式Aで表される化合物1を得た。
【0109】
【化14】
【0110】
合成例2
4-フルオロベンズアルデヒドの代わりに3-フルオロベンズアルデヒド(0.6mol)を用いたことを除いて、合成例1と同様の方法で下記化学式Bで表される化合物2を得た。
【0111】
【化15】
【0112】
合成例3
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりに1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン(0.3mol)を用いたことを除いて、合成例1と同様の方法で下記化学式Cで表される化合物3を得た。
【0113】
【化16】
【0114】
合成例4
フラスコに化合物1a(95.3g,0.2mol)、3-クロロ過安息香酸(mCPBA)(86.3g,0.5mol)、およびクロロホルム(200mL)を入れた後、常温で4時間攪拌した。反応完了後、減圧下で溶媒を除去し、生成した固体を濾過して除去した後、濾液をカラムクロマトグラフィーで精製して下記化学式4aで表される化合物4aを得た。
【0115】
【化17】
【0116】
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりに化合物4a(0.3mol)を用いたことを除いて、合成例1と同様の方法で下記化学式Dで表される化合物4を得た。
【0117】
【化18】
【0118】
合成例5
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりにビスフェノールA(0.3mol)を用いたことを除いて、合成例1と同様の方法で下記化学式Eで表される化合物5を得た。
【0119】
【化19】
【0120】
合成例6
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンの代わりに9、9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン(0.3mol)を用いたことを除いて、合成例1と同様の方法で下記化学式Fで表される化合物6を得た。
【0121】
【化20】
【0122】
[重合体の合成]
重合例1
フラスコに9、9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレン(22.5g,0.05mol)、化合物1(25.4g,0.05mol)、硫酸ジエチル(0.15g)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、150g)を順に入れた後、90℃で6時間攪拌して重合させた。反応終了後、反応物を蒸溜水40gおよびメタノール200gに添加し強く攪拌した後、静置した。続いて、上澄液を除去して沈殿物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解させた後、メタノール200gを使用して強く攪拌し、静置した。精製過程をさらに2回繰り返し、精製が完了した重合体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)80gに溶解させた後、減圧下で残留溶媒を除去して下記化学式1-1で表される構造単位からなる重合体1を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0123】
【化21】
【0124】
重合例2
9、9-ビス(6-ヒドロキシ-2-ナフチル)フルオレンの代わりに1-ヒドロキシピレン0.05molを用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-2で表される構造単位からなる重合体2を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0125】
【化22】
【0126】
重合例3
化合物1の代わりに化合物2を用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-3で表される構造単位からなる重合体3を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0127】
【化23】
【0128】
重合例4
化合物1の代わりに化合物3を用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-4で表される構造単位からなる重合体4を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0129】
【化24】
【0130】
重合例5
化合物1の代わりに化合物4を用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-5で表される構造単位からなる重合体5を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0131】
【化25】
【0132】
重合例6
化合物1の代わりに化合物5を用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-6で表される構造単位からなる重合体6を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0133】
【化26】
【0134】
重合例7
化合物1の代わりに化合物6を用いたことを除いて、重合例1と同様の方法で下記化学式1-7で表される構造単位からなる重合体7を得た(重量平均分子量=3,000g/mol)。
【0135】
【化27】
【0136】
比較重合例1
1-ナフトール28.83g(0.2mol)、ベンゾペリレン41.4g(0.15mol)およびパラホルムアルデヒド12.08g(0.4mol)を3口フラスコに投入し、p-トルエンスルホン酸一水和物0.57g(0.003mol)をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)163gに溶解させた後、60℃で18時間攪拌して重合させた。反応終了後、反応溶液を蒸溜水40gおよびメタノール400gに添加し、強く攪拌した後静置させた。続いて、上澄液を除去して沈殿物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート80gに溶解させた後、メタノール320gを添加して強く攪拌し、静置させた。精製過程をさらに2回繰り返し、精製が完了した重合体をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)80gに溶解させた後、減圧下で溶液中に残存しているメタノールおよび蒸溜水を除去した。得られた濃縮液にテトラヒドロフラン1Lを添加し、溶液を攪拌されているヘキサン1Lが入っているビーカーにゆっくり滴下して沈澱を形成させ、下記化学式Xで表される構造単位からなる比較重合体1を得た(重量平均分子量(Mw)=4,000g/mol、多分散度(Polydispersity、PD)=1.75)。
【0137】
【化28】
【0138】
比較重合例2
化合物1の代わりに4、4'-ビス(メトキシメチル)ジフェニルエーテルを用いたことを除いて、上記重合例1と同様な方法で下記化学式Yで表される構造単位からなる比較重合体2を得た(重量平均分子量(Mw)=3,000g/mol)。
【0139】
【化29】
【0140】
[ハードマスク組成物の製造]
実施例1~7および比較例1~2
上記重合例1~7および比較重合例1~2で得られた3.5gの重合体1~7および比較重合体1~2それぞれをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとシクロヘキサノンとが7:3体積比となるように混合された溶媒10gに溶解させた後、シリンジフィルターを用いてろ過してハードマスク組成物溶液を製造した。
【0141】
[評価1:耐熱性評価]
シリコンウェーハの上に実施例1~7と比較例1~2によるハードマスク組成物を塗布した後、ホットプレートの上で150℃で2分間熱処理した後、生成されたフィルムをナイフで削った後、ペレットにしてair昇温条件で熱重量分析(TGA分析)を行った。その結果を表1に示した。表1において、T95は残留重量が初期重量の95%である時の温度を意味し、T90は残留重量が初期重量の90%である時の温度を意味する。
【0142】
【表1】
【0143】
表1を参照すると、実施例1~7による組成物から形成されたハードマスク層の熱分解温度が比較例1および2による組成物から形成されたハードマスク層より高いことを確認できる。これらの結果から、実施例によるハードマスク層の耐熱性が比較例によるハードマスク層より優れていることが分かる。
【0144】
[評価2:ギャップフィルおよび平坦化特性]
パターンが形成されたウェーハに実施例1~7と比較例1~2によるハードマスク組成物を塗布した後、ホットプレートの上で400℃で2分間熱処理して2,000Åの厚さのハードマスク層を形成した。図1は、平坦化特性の評価方法を説明するために、ハードマスク層の段差を例として示す参考図面である。
【0145】
平坦化特性は、基板でパターンが形成されていない任意の3点で測定した薄膜の厚さの平均値(h)と、基板でパターンが形成された任意の3点で測定した薄膜の厚さの平均値(h)をK-MAC社の薄膜厚さ測定器に測定して計算し、段差(|h-h|)を計算した。段差(|h-h|)が小さいほど平坦化特性が優れている。
【0146】
ギャップフィル特性は、パターンの断面を電子走査顕微鏡(SEM)で観察し、ボイド(Void)発生の有無を観察して評価し、その結果は下記表2の通りである。
【0147】
【表2】
【0148】
表2を参照すると、実施例1~7によるハードマスク組成物から形成されたハードマスク層は、hとhとの差が比較例1および2と比較して小さく、パターン内のボイドも観察されなかった。一方、比較例1~2によるハードマスク組成物から形成されたハードマスク層は、hとhの差が大きく現れると共に、比較例1の場合パターン内のボイドが観察された。以上の結果より、実施例による組成物から形成されたハードマスク層は、平坦化特性に優れており、ギャップフィル特性も優れていることが確認できる。
【0149】
以上、本願発明の望ましい実施例について詳細に説明したが、発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下に記載された請求範囲で定義されている発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も、本願発明の権利範囲に属するものである。
図1