(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025024978
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H10H 20/858 20250101AFI20250214BHJP
H10H 20/857 20250101ALI20250214BHJP
H10H 20/855 20250101ALI20250214BHJP
H10H 20/853 20250101ALI20250214BHJP
【FI】
H01L33/64
H01L33/62
H01L33/58
H01L33/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023129392
(22)【出願日】2023-08-08
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大田 泰三
(72)【発明者】
【氏名】西森 健博
(72)【発明者】
【氏名】長井 信親
(72)【発明者】
【氏名】川井 優香
(72)【発明者】
【氏名】冨永 太一郎
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA42
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB03
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD17
5F142CD25
5F142CE04
5F142CE16
5F142CF12
5F142CF27
5F142CF33
5F142CF42
5F142CG03
5F142CG42
5F142CG45
5F142DA13
5F142DA14
5F142DA21
5F142DB12
5F142FA03
5F142FA18
(57)【要約】
【課題】放熱性に優れた発光装置を提供する。
【解決手段】発光装置は、発光素子と、前記発光素子の側面に配置され、絶縁性を有する第1被覆部材と、を備える発光部と、前記発光部が配置される基板と、前記基板の上における前記第1被覆部材の周囲に接して配置される第2被覆部材と、を有し、前記第2被覆部材は、絶縁性を有する第1層と、前記第1層の上に配置され、金属粒子を含有する第2層と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、前記発光素子の側面に配置され、絶縁性を有する第1被覆部材と、を備える発光部と、
前記発光部が配置される基板と、
前記基板の上における前記第1被覆部材の周囲に接して配置される第2被覆部材と、を有し、
前記第2被覆部材は、
絶縁性を有する第1層と、
前記第1層の上に配置され、金属粒子を含有する第2層と、を備える、発光装置。
【請求項2】
前記基板は、
前記発光部が配置される実装面と、前記実装面に接続され前記発光素子を包囲する壁部と、を有し、
前記第2層は、前記第1被覆部材の側面と前記壁部との双方に接して配置される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記壁部の高さは、前記発光部の高さよりも高く、
前記第2被覆部材において、前記壁部に接する部分の高さは、前記発光部に接する部分の高さよりも高い、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2被覆部材の上に配置され、絶縁性を有する第3被覆部材をさらに有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記基板は、銅を含む層と、樹脂を含む層と、の積層構造を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光素子からの光を透過するレンズをさらに有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光素子からの光取り出し効率を高くするために、発光素子の側面に配置される被覆部材を有する発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、発光素子と透光性部材の側面に配置される第1被覆部材と、該第1被覆部材の周囲に配置される第2被覆部材と、を有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、放熱性に優れた発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光装置は、発光素子と、前記発光素子の側面に配置され、絶縁性を有する第1被覆部材と、を備える発光部と、前記発光素子が配置される基板と、前記基板の上における前記第1被覆部材の周囲に接して配置される第2被覆部材と、を有し、前記第2被覆部材は、絶縁性を有する第1層と、前記第1層の上に配置され、金属粒子を含有する第2層と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、放熱性に優れた発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る発光装置の模式的上面図である。
【
図2】
図1のII-II線における模式的断面図である。
【
図4】第2実施形態に係る発光装置の模式的上面図である。
【
図5】
図4のV-V線における模式的断面図である。
【
図6A】第2実施形態に係る発光装置の製造方法を示す第1図である。
【
図6B】第2実施形態に係る発光装置の製造方法を示す第2図である。
【
図6C】第2実施形態に係る発光装置の製造方法を示す第3図である。
【
図7】第3実施形態に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図8】第4実施形態に係る発光装置の模式的断面図である。
【
図9A】第4実施形態に係る発光装置が備える基板の製造方法を示す第1図である。
【
図9B】第4実施形態に係る発光装置が備える基板の製造方法を示す第2図である。
【
図9C】第4実施形態に係る発光装置が備える基板の製造方法を示す第3図である。
【
図9D】第4実施形態に係る発光装置が備える基板の製造方法を示す第4図である。
【
図10】第5実施形態に係る発光装置の模式的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。
【0009】
また、以下の説明では、特定の方向や位置を示す用語(例えば「上」、「下」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。これらの用語は、参照した図面における相対的な方向や位置を、分かり易くするために用いているにすぎない。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。以下の説明において、位置関係を表す場合に用いる「高い」とは、対象物が基準となる物の上方に位置することを意味し、位置関係を表す場合に用いる「低い」とは、対象物が基準となる物の下方に位置することを意味する。
【0010】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。Z軸に沿うZ方向は、実施形態に係る発光装置における発光面の法線に沿う方向を示すものとする。
【0011】
X方向で矢印が向いている方向を+X側、+X側の反対方向を-X側と表記する。Y方向で矢印が向いている方向を+Y側、+Y側の反対方向を-Y側と表記する。Z方向で矢印が向いている方向を+Z側、+Z側の反対方向を-Z側と表記する。本明細書において、「上」は+Z側、「下」は-Z側に対応する。上面視とは上方、すなわち+Z側から対象を視ることをいう。但し、これらのことは、実施形態に係る発光装置の使用時における向きを制限するものではなく、実施形態に係る発光装置の向きは任意である。
【0012】
以下に示す実施形態においてX軸、Y軸およびZ軸に沿うとは、対象がこれら軸に対して±10°の範囲内の傾きを有することを含む。実施形態において直交は、90°に対して±10°以内の誤差を含んでもよい。
【0013】
また、本明細書または請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に"第1"、"第2"等と付記して区別することがある。また、本明細書と請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。そのため、請求の範囲において本明細書と同一の付記がされた構成要素が記載されていても、この構成要素によって特定される対象が、本明細書と請求の範囲との間で一致しないことがあり得る。
【0014】
例えば、本明細書において"第1"、"第2"、"第3"と付記されて区別される構成要素があり、本明細書において"第1"及び"第3"が付記された構成要素を請求の範囲に記載する場合、または"第1"が付記された構成要素及び特定の序数が付記されていない構成要素を請求の範囲に記載する場合に、見易さの観点から特許請求の範囲においては"第1"、"第2"と付記して構成要素を区別することがある。この場合、請求の範囲において"第1"、"第2"と付記された構成要素はそれぞれ、本明細書において"第1"、"第3"と付記された構成要素または特定の序数が付記されていない構成要素を指すことになる。なお、このルールの適用対象は構成要素に限らず、その他の対象に対しても、合理的かつ柔軟に適用される。
【0015】
[第1実施形態]
<第1実施形態に係る発光装置の構成>
図1~
図3を参照して、第1実施形態に係る発光装置100の構成について説明する。
図1は、発光装置100の一例を示す模式的上面図である。
図2は、
図1のII-II線における発光装置100の一例を示す模式的断面図である。
図3は、
図2における発光部1周辺の拡大図である。
【0016】
図1および
図2に示すように、発光装置100は、発光素子11と、発光素子11の側面111に配置され、絶縁性を有する第1被覆部材12と、を備える発光部1を有する。また発光装置100は、発光部1が配置される基板2と、基板2の上における第1被覆部材12の周囲に接して配置される第2被覆部材3と、を有する。第2被覆部材3は、絶縁性を有する第1層31と、第1層31の上に配置され、金属粒子を含有する第2層32と、を備える。また、
図1および
図2の例では、発光装置100は、発光素子11の上に配置される透光性部材13を有する。
【0017】
発光装置100は、発光素子11に印加される駆動電流に応じて、発光面10から+Z側に光Lを出射することができる。
図2に示す例では、発光面10から出射された光Lの一部を矢印で表している。
【0018】
発光装置100では、発光部1の周囲を第2層32で被覆することにより、発光に応じて発光素子11から発せられる熱が第1被覆部材12を通って第2被覆部材3に伝えられ、第2被覆部材3が含有する金属粒子を介して外部に放熱されやすくなる。これにより、本実施形態では、放熱性に優れた発光装置100を提供することができる。また、金属粒子を含有する第2層32と基板2との間に絶縁性を有する第1層31を配置することで、金属粒子と基板2との間における短絡を低減することができる。なお、本実施形態では、平面視において発光部1の周囲を第2層32で被覆する形態は、発光部1の側面121(すなわち第1被覆部材12の側面)が第2層32に断続的に囲まれている形態と、発光部1の側面121が第2層32に連続的に囲まれている形態と、を含む。放熱の観点では、発光部1の側面121全体が第2層32と接し、かつ第2層32に連続的に囲まれていることが好ましい。
【0019】
基板2は、発光部1を実装するための部材である。基板2は、上面視において略円形の形状を有する板状部材である。但し、上面視における基板2の形状は、略楕円形や略矩形であってもよく、略三角形や略六角形等の多角形であってもよい。
【0020】
基板2は、母材として絶縁性材料を用いることが好ましく、且つ発光部1から発せられる光L、および外光等を透過しにくい材料を用いることが好ましい。また、基板2は、一定の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、基板2は、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、窒化珪素等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド等の樹脂を母材として構成することができる。
【0021】
発光部1は、基板2の+Z側の面(換言すると上面)に実装される。発光面10は、発光部1における主たる光取出し面を指す。
図1に示す例では、発光部1は、上面視において略矩形の形状を有する。但し、上面視における発光部1の形状は、略円形や略楕円形であってもよく、略三角形や略六角形等の多角形であってもよい。発光部1はLED(Light Emitting Diode)を含む。発光部1が発する光Lは、白色光が好ましいが、単色光であってもよい。発光装置100の使用用途に応じて発光部1が発する光Lの波長や色度を適宜選択できる。なお、発光部1はLD(Laser Diode)を含んでもよい。
【0022】
図1に示す例では、発光面10は、上面視において略矩形の形状を有する。但し、上面視における発光面10の形状は、略円形や略楕円形であってもよく、略三角形や略六角形等の多角形であってもよい。
【0023】
発光素子11は、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の種々の半導体を含むことが好ましい。半導体としては、In
XAl
YGa
1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系半導体を使用することが好ましく、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等も使用できる。発光素子11は、例えばLED、LDである。発光素子11の発光ピーク波長は、発光効率、並びに後述の波長変換物質の励起等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。
図3に示すように、発光素子11は、発光面10とは反対側の面(すなわち下面)に少なくとも正負一対の電極14(または少なくとも一対のアノード電極およびカソード電極)が設けられることが好ましい。
【0024】
透光性部材13は、上面視において、例えば略矩形の形状を有する。透光性部材13は、発光素子11の上面を覆うように設けられている。透光性部材13は、透光性の樹脂材料や、セラミックス、ガラス等の無機物を用いて形成することができる。樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂またはその変性樹脂が好適である。なお、ここでの透光性とは、発光素子11からの光の60%以上を透過することが好ましい。また、透光性部材13は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。さらに、透光性部材13は、上記の樹脂に光拡散物質や発光素子11からの光の少なくとも一部を波長変換する波長変換物質を含んでいてもよい。例えば透光性部材13は、樹脂材料、セラミックス、ガラス等に波長変換物質を含有させたもの、波長変換物質の焼結体等であってもよい。また、透光性部材13は、樹脂、セラミックス、ガラス等の成形体の±Z側の面に波長変換物質や光拡散物質を含有する樹脂層を配置した多層のものでもよい。
【0025】
透光性部材13に含まれる波長変換物質としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6Cl2:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)2SiO4:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)3Si6N11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)2Si5N8:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2(Si1-xAlx)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I)3 ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、又はカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se)2)等を用いることができる。上記の波長変換物質は、粒子である。また、これらの波長変換物質のうちの1種を単体で、またはこれらの波長変換物質のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0026】
発光装置100は、発光素子11として青色発光素子を用い、透光性部材13が発光素子11から出射された光を黄色に波長変換する波長変換物質を含むことにより、白色光である光Lを出射することができる。透光性部材13に含まれる光拡散物質としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。
【0027】
図2および
図3に示す例では、第1被覆部材12は、発光素子11の側面111および透光性部材13の側面131のそれぞれに配置されている。第1被覆部材12は、発光素子11の側面111および透光性部材13の側面131それぞれを直接的にまたは間接的に被覆する。透光性部材13の上面は、第1被覆部材12から露出しており、発光部1の発光面10を構成している。なお、発光部1が透光性部材13を有さない場合には、発光素子11の上面が発光面10を構成する。
【0028】
第1被覆部材12は、光取出し効率を向上させるために、光反射率の高い部材で構成されることが好ましい。第1被覆部材12は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。光反射性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、またはこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。また、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。なお、第1被覆部材12は、必要に応じて可視光に対して透光性を有する部材であってもよい。また、第1被覆部材12は、カーボンブラック等を含有させて光吸収性を有する部材(黒色部材)であってもよい。
【0029】
図1~
図3に示す例では、発光素子11および第1被覆部材12を含む発光部1は、基板2上にフリップチップ実装される。
図3に示すように、基板2は、表面に配置された配線21を備えている。基板2は、さらにその内部に配線21を備えていてもよい。発光素子11と基板2とは、基板2の配線21と発光素子11の下面に設けられた少なくとも正負一対の電極14とを導電性部材22を介して接続することによって、電気的に接続される。
【0030】
導電性部材22としては、例えば、金と錫、錫と銀と銅等を主成分とする共晶半田を用いてもよいし、銀、金、パラジウム等を含む導電ペーストを用いてもよいし、銀または金等を含むバンプを用いてもよい。なお、発光素子11は、ワイヤによって基板2の配線21に電気的接続されてもよい。基板2の配線21は、発光部1の電極14の構成、大きさに応じて構成、大きさ等が設定される。
【0031】
配線21は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウムまたはこれらの合金等の少なくとも1種で構成できる。また、配線21の表層には、導電性部材22の濡れ性および光反射性の少なくとも一方等の観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金またはこれらの合金等の層が設けられていてもよい。
【0032】
フリップチップ実装された発光部1の場合、基板2と発光部1との間には空隙があってもよい。第1被覆部材12と基板2との間に、第2被覆部材3が備える第1層31が配置されてもよい。なお、第1被覆部材12による発光素子11の側面111の被覆においては、第1被覆部材12が側面111に直接接してもよいし、第1被覆部材12が部材を介して側面111に接してもよい。
【0033】
図2において、第2被覆部材3が備える第1層31は、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を含んで構成できる。第2被覆部材3が備える第2層32は、放熱性粒子を含有する樹脂を含んで構成できる。樹脂には、上記の熱硬化性樹脂等を用いることができる。放熱性粒子には、銅、銀等の他、樹脂等が銅、銀等によって被覆されたものを用いることができる。第1層31および第2層32の少なくとも一方に、白色顔料等の光反射性物質を含有してもよい。第1被覆部材12と、第1層31及び第2層32とが接する場合、第1被覆部材12と第1層31及び第2層32との界面で発光部1からの光を反射させて、発光部1の上方に向かわせることができる。これにより、発光装置100の正面輝度が向上する。
【0034】
発光装置100は、第2被覆部材3を備えることにより、上述したように放熱性を向上させることができる他、第1被覆部材12と第2被覆部材3とに同系色の光反射性物質を含有させた場合に、上面視において、発光部1の輪郭、例えば第1被覆部材12の輪郭を目立たなくすることができる。これにより、発光装置100の外観の美感を向上させることができる。美感向上の観点では、発光部1の高さと第2被覆部材3の高さを揃えることが好ましい。本実施形態において、位置関係を表す場合に用いる「高さ」は、実施形態に係る基板2の上面からの上方向の距離を意味する。
【0035】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る発光装置について説明する。なお、既に説明した実施形態と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材または構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す実施形態においても同様とする。
【0036】
<第2実施形態に係る発光装置の構成>
図4および
図5を参照して、第2実施形態に係る発光装置100aの構成について説明する。
図4は、発光装置100aの一例を示す模式的上面図である。
図5は、
図5のV-V線における発光装置100aの一例を示す模式的断面図である。
【0037】
図4および
図5に示すように、発光装置100aでは、基板2は、発光部1が配置される実装面23と、実装面23に接続され発光素子11を包囲する壁部24と、を有し、第2層32は、第1被覆部材12の側面121と壁部24との双方に接して配置される点が、第1実施形態と主に異なる。
【0038】
図5に示す例では、高さt1は発光部1の高さを表し、高さt2は壁部24の高さを表す。高さt3は、第2被覆部材3において、発光部1に接する部分の高さを表す。高さt4は、第2被覆部材3において、壁部24に接する部分の高さを表す。
図5において、詳細には、高さt1は発光部1の側面121の高さを表し、高さt2は壁部24の内側面27の高さを表す。高さt3は、第2被覆部材3において、発光部1の側面121に接する部分の高さを表す。高さt4は、第2被覆部材3において、壁部24の内側面27に接する部分の高さを表す。第2層32の表面は、発光部1と壁部24との間で凹面を形成している。
【0039】
発光装置100aでは、1つの環状の壁部24が発光素子11を包囲している。換言すると、壁部24の発光素子11に対向する内側面27が連続している。基板2がこのような壁部24を有することで、基板2の上における第1被覆部材12の周囲に接して第2被覆部材3を配置するときに、第2層32が発光部1と壁部24の内側面27とに接することにより、発光部1からの熱を壁部24側に伝導しやすくなる。
【0040】
発光装置100aでは、壁部24の高さt2は、発光部1の高さt1よりも高く、第2被覆部材3において、壁部24に接する高さt4は、発光部1に接する部分の高さt3よりも高いことが好ましい。つまり、発光装置100aでは、壁部24の内側面27の高さt2は、発光部1の側面121の高さt1よりも高く、第2被覆部材3において、壁部24の内側面27に接する高さt4は、発光部1の側面121に接する部分の高さt3よりも高いことが好ましい。この構成により、壁部24の内側面27に近い位置にある第2層32は発光部1側に面する傾斜面を有するため、発光部1から発せられた光Lのうち壁部24に向かう光L1を第2層32の表面で反射し、反射された光L1を発光部1の上方に集めることができる。そして、発光装置100aの光取り出し効率を高くすることができる。
【0041】
図5に示す例では、発光面10から発せられ、第2層32の表面で反射された光L1が発光部1の上方に集められる様子を示している。なお、
図5には、第2被覆部材3の壁部24の内側面27に接する高さt4が、壁部24の内側面27の高さt2とほぼ同じであり、且つ第2被覆部材3の発光部1の側面121に接する部分の高さt3が発光部1の側面121の高さt1とほぼ同じである例を示すが、これに限らず、第2被覆部材3の壁部24の内側面27に接する高さt4は、壁部24の内側面27の高さt2よりも低く、また第2被覆部材3の発光部1の側面121に接する部分の高さt3は、発光部1の側面121の高さt1よりも低くてもよい。
【0042】
また、発光装置100aでは、発光部1と壁部24との間で第2層32の表面が凹面を形成することにより、第2層32の表面で反射された光L1の発光部1上方への集光効率を高くすることができる。但し、第2層32の表面は、凹面に限定されない。例えば、発光部1と壁部24との間で、第2層32の表面は、高さt4が高さt3よりも高い、傾斜角が略一定の傾斜面であってもよい。このような傾斜面であっても、発光装置100aは、第2層32の表面で反射された光L1を発光部1の上方に集めることができ、光取り出し効率を高くすることができる。
【0043】
<発光装置100aの製造方法例>
図6A~
図6Cは、発光装置100aの製造方法の一例を示す図である。
図6A~
図6Cは、発光装置100aの製造方法における3つの工程ごとでの発光装置100aの断面を模式的に示している。
【0044】
まず、
図6Aに示すように、発光部1と、壁部24を含む基板2と、からなる構造体を準備する。壁部24と基板2とは、別部材であってよい。
図6Aは、第2被覆部材3が配置される前の状態を示している。
図6Aに示す状態では、実装面23上における発光部1と壁部24との間には、第2被覆部材3が配置されていない。
【0045】
続いて、
図6Bに示すように、ポッティング法により、実装面23上における発光部1と壁部24との間に、第2被覆部材3の第1層31を配置する。
図6Bにおいて、ノズルNz1は、絶縁性を有する樹脂の液滴Q1を吐出して、実装面23上における発光部1と壁部24との間に絶縁性を有する樹脂を配置することができる。このとき、絶縁性を有する樹脂が発光部1の下面と実装面23の上面との間に入り込んでもよい。また、ノズルNz1は、X方向、Y方向およびZ方向のそれぞれに移動しながら液滴Q1を吐出することができる。基板2が壁部24を有することで、流動性を有する状態にある液滴Q1を壁部24で堰き止めることができる。これにより、液滴Q1が基板2の外に流れ出ることを防ぐことができる。絶縁性を有する樹脂は、実装面23上における発光部1と壁部24との間に配置された後、ヒータ等により加熱されることで硬化し、第1層31が形成される。但し、絶縁性を有する樹脂として紫外線硬化型のものを用い、紫外線を照射することで樹脂を硬化させて、第1層31を形成してもよい。
【0046】
続いて、
図6Cに示すように、ポッティング法により、第1層31上における発光部1と壁部24との間に、第2被覆部材3の第2層32を配置する。
図6Cにおいて、ノズルNz2は、金属粒子を含有する樹脂の液滴Q2を吐出して、第1層31上における発光部1と壁部24との間に金属粒子を含有する樹脂を配置することができる。また、ノズルNz2は、X方向、Y方向およびZ方向のそれぞれに移動しながら液滴Q2を吐出することができる。基板2が壁部24を有することで、流動性を有する状態にある液滴Q2を壁部24で堰き止めることができる。これにより、液滴Q2が基板2の外に流れ出ることを防ぐことができる。金属粒子を含有する樹脂は、第1層31上における発光部1と壁部24との間に配置された後、ヒータ等により加熱されることで硬化し、第2層32が形成される。但し、金属粒子を含有する樹脂として紫外線硬化型のものを用い、紫外線を照射することで樹脂を硬化させて、第2層32を形成してもよい。
【0047】
第2層32の配置において、金属粒子を含有する樹脂が、流動性を有する状態において、表面張力により発光部1の側面121および壁部24の内側面27を這い上がることと、樹脂が硬化する際に収縮する樹脂引けと、を利用して、第2層32の表面を凹面にすることができる。或いは、第2層32を形成する樹脂として粘度が異なるものを用意し、粘度が高い樹脂を壁部24の内側面27および発光部1の側面121それぞれの近くに配置し、壁部24の内側面27および発光部1の側面121のそれぞれから離れた位置に粘度が低い樹脂を、壁部24の内側面27および発光部1の側面121それぞれの近くに配置された粘度が高い樹脂に跨るように配置することで、第2層32の表面を凹面にすることができる。また、粘度が低い樹脂Aを、壁部24の内側面27の近くに配置された粘度が高い樹脂と、発光部1の側面121の近くに配置された粘度が低い樹脂Bと、に跨って配置することで、第2層32の表面を、壁部24に接する高さt4が発光部1に接する部分の高さt3よりも高い傾斜面にすることができる。または、第2層32を形成する樹脂として粘度が異なるものを用意し、粘度が低い樹脂を第1層31上に配置した後、粘度が高い樹脂を粘度が低い樹脂上、且つ壁部24の内側面27の近くに環状に配置することで、壁部24の内側面27側に第2層32の傾斜面を形成することができる。
【0048】
本実施形態では、まず第1層31を形成した後、第1層31上に第2層32を形成することが好ましい。これにより、第1層31を構成する樹脂と第2層32を構成する樹脂とが混ざり合うことを防止できるとともに、第2層32の表面に凹面または傾斜面を容易に形成できる。
【0049】
以上のようにして、発光装置100aを製造することができる。
【0050】
[第3実施形態]
次に、
図7を参照して、第3実施形態に係る発光装置について説明する。
図7は、第3実施形態に係る発光装置100bの一例を示す模式的断面図である。
図7は、
図1のII-II線に対応する線に沿う発光装置100bの断面を模式的に示している。
【0051】
本実施形態では、第2被覆部材3の上に配置され、絶縁性を有する第3被覆部材5をさらに有する点が、第2実施形態と主に異なる。発光装置100bは、第3被覆部材5をさらに有することにより、第2被覆部材3が外気に晒されることを低減することができる。これにより、第2被覆部材3に含有される銅、銀等の金属粒子の酸化または硫化を低減できる。
【0052】
第3被覆部材5は、酸化シリコン、酸化アルミニウム、フェニルシリコーン等の樹脂を含んで形成できる。第3被覆部材5は透光性を有する。なお、ここでの透光性は、発光素子11からの光の60%以上を透過することが好ましい。
【0053】
第3被覆部材5は、ポッティング法、スパッタ法、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)等を用いて、第2被覆部材3の上に配置することができる。原子層堆積法を用いると、原子層レベルで膜厚を制御し、平坦で緻密な第3被覆部材5を第2被覆部材3上に配置することができる。
【0054】
ポッティング法により第3被覆部材5となる樹脂を配置する場合を説明する。ここでは、第3被覆部材5となる樹脂としてフェニルシリコーン樹脂を例にする。まず、第2被覆部材3における第1層31の上に金属粒子を含有する樹脂を配置して硬化し、第2層32を形成する。第2層32を形成した後に、第2層32の上にフェニルシリコーン樹脂を配置して硬化させ、第3被覆部材5を形成することが好ましい。これにより、硬化前の金属粒子を含有する樹脂とフェニルシリコーン樹脂とが混ざり合うことを防止できる。但し、第2被覆部材3における第1層31の上に金属粒子を含有する樹脂を配置した後、金属粒子を含有する樹脂を硬化させる前に、金属粒子を含有する樹脂の上にフェニルシリコーン樹脂を配置し、その後、金属粒子を含有する樹脂とフェニルシリコーン樹脂とを加熱して並行して硬化させることで、第2層32と第3被覆部材5とを並行して形成してもよい。第2層32および第3被覆部材5を並行して形成することで、発光装置100bの製造時間を短縮し、発光装置100bの製造効率を高くすることができる。但し、金属粒子を含有する樹脂およびフェニルシリコーン樹脂を並行して硬化させる場合は、金属粒子を含有する樹脂の粘度とフェニルシリコーン樹脂の粘度とを異ならせることが好ましく、金属粒子を含有する樹脂の粘度がフェニルシリコーン樹脂の粘度よりも高いことが好ましい。これにより、第2層32を構成する樹脂と第3被覆部材5を構成する樹脂とが硬化前に混ざり合うことを低減できる。
【0055】
[第4実施形態]
次に、
図8を参照して、第4実施形態に係る発光装置の構成について説明する。
図8は、第4実施形態に係る発光装置100cの一例を示す模式的断面図である。
図8は、
図1のII-II線に対応する線に沿う発光装置100cの断面を模式的に示している。
【0056】
本実施形態では、基板2は、銅を含む層25と、樹脂を含む層26と、の積層構造を有する点が第2実施形態と主に異なる。発光装置100cは、基板2が放熱性の高い銅を含む層25を有することにより、基板2の放熱効率を高くし、発光装置100cの放熱性を向上させることができる。
【0057】
図9A~
図9Dは、発光装置100cが備える基板2の製造方法を示す図である。
図9A~
図9Dは、発光装置100cが備える基板2の製造方法における4つの工程ごとでの基板2の断面を模式的に示している。
【0058】
まず、
図9Aに示すように、銅を含む層25と、樹脂を含む層26と、の積層構造を有し、所定のパターンの配線が形成された配線基板241を準備する。所定のパターンの配線は、配線基板241の表面に設けられる。また、所定のパターンの配線は、配線基板241の内部に設けられてもよい。
【0059】
続いて、
図9Bに示すように、準備された配線基板241上に複数の配線基板241を積み重ねる。配線基板241を積み重ねる数は、
図9Bに示した2つに限らず、3つ以上であってもよい。配線基板241を積み重ねる数等により、壁部24の高さが決定される。なお、配線基板241は、積み重ねずに1つであってもよい。
【0060】
続いて、
図9Cに示すように、複数の配線基板241が積み重ねられて得られる構造体に、ドリル等により貫通孔242を形成することで内側面27を有する壁部24が得られる。貫通孔242は、上面視において、略円形の形状を有する。このとき壁部24は、上面視において、略円形環状の形状を有し、内側面27も円形環状の形状を有する。なお貫通孔242、壁部24および内側面27の上面視の形状は、略円形の形状に限らず、楕円形、多角形等であってもよい。
【0061】
続いて、
図9Dに示すように、
図9Cに示した工程により得られた壁部24を、壁部24が設けられていない基板2の実装面23上の所定の位置に配置し、接着部材等により実装面23に接着する。
【0062】
以上のようにして、発光装置100cが備える基板2を製造することができる。
【0063】
[第5実施形態]
次に、
図10および
図11を参照して、第5実施形態に係る発光装置について説明する。
図10は、第5実施形態に係る発光装置100dの一例を示す模式的上面図である。
図11は、
図10のXI-XI線における模式的断面図である。
【0064】
本実施形態では、発光素子11からの光Lを透過するレンズ4をさらに有する点が、第2実施形態と異なる。本実施形態では、発光素子11からの光Lを、レンズ4を透過させて照射することにより、光取り出し効率が高い発光装置100dを提供することができる。
【0065】
また、
図11に示す例では、第2被覆部材3において、壁部24に接する高さt4を発光部1に接する部分の高さt3よりも高くすることで、発光素子11からの光Lのうち第2層32の表面で反射された光L1をレンズ4に入射させることができる。これにより、発光装置100dの光取り出し効率を高くすることができる。
【0066】
図11に示す例では、レンズ4は、フレネルレンズを含む。レンズ4は、発光部1に対向する光入射面にフレネルレンズを有している。レンズ4は、
図6Cに示した第2層32が形成された後、壁部24の+Z側の面に配置され、接着部材41により基板2と接着される。接着部材41は、両面テープ、樹脂等が用いられてもよい。レンズ4は、フレネルレンズに限らず、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、メニスカスレンズ、回折型レンズ、メタレンズ等を含んでもよい。レンズ4が壁部24に接着される部分の構成は、発光装置100dの用途等に応じて適宜変更できる。
【0067】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱しない限り、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0068】
例えば、上述した第1実施形態から第5実施形態のうちのいずれか2つ以上を組み合わせることもできる。
【0069】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0070】
本開示の実施形態に係る発光装置は、放熱性に優れるので、フラッシュ光源、車両用灯具として配光可変型ヘッドライト光源に好適に利用することができる。その他、本開示の実施形態に係る発光装置は、液晶ディスプレイのバックライト光源、各種照明器具、大型ディスプレイ、広告や行き先案内等の各種表示装置、更には、デジタルビデオカメラ、ファクシミリ、コピー機、スキャナ等における画像読取装置、プロジェクタ装置等に利用することができる。但し、本開示の発光装置は、これら用途に限定されるものではない。
【0071】
本開示の態様は、例えば、以下のとおりである。
<項1> 発光素子と、前記発光素子の側面に配置され、絶縁性を有する第1被覆部材と、を備える発光部と、前記発光部が配置される基板と、前記基板の上における前記第1被覆部材の周囲に接して配置される第2被覆部材と、を有し、前記第2被覆部材は、絶縁性を有する第1層と、前記第1層の上に配置され、金属粒子を含有する第2層と、を備える、発光装置である。
<項2> 前記基板は、前記発光部が配置される実装面と、前記実装面に接続され前記発光素子を包囲する壁部と、を有し、前記第2層は、前記第1被覆部材の側面と前記壁部との双方に接して配置される、前記<項1>に記載の発光装置である。
<項3> 前記壁部の高さは、前記発光部の高さよりも高く、前記第2被覆部材において、前記壁部に接する部分の高さは、前記発光部に接する部分の高さよりも高い、前記<項2>に記載の発光装置である。
<項4> 前記第2被覆部材の上に配置され、絶縁性を有する第3被覆部材をさらに有する、前記<項1>から前記<項3>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項5> 前記基板は、銅を含む層と、樹脂を含む層と、の積層構造を有する、前記<項1>から<項4>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項6> 前記発光素子からの光を透過するレンズをさらに有する、前記<項1>から前記<項5>のいずれか1つに記載の発光装置である。
【符号の説明】
【0072】
1 発光部
10 発光面
11 発光素子
111 側面
12 第1被覆部材
121 側面
13 透光性部材
131 側面
14 電極
2 基板
21 配線
22 導電性部材
23 実装面
24 壁部
241 配線基板
242 貫通孔
25 銅を含む層
26 樹脂を含む層
27 内側面
3 第2被覆部材
31 第1層
32 第2層
4 レンズ
41 接着部材
5 第3被覆部材
100、100a、100b、100c、100d 発光装置
L 光
L1 反射光
Nz1、Nz2 ノズル
Q1 絶縁性を有する樹脂の液滴
Q2 金属粒子を含有する樹脂の液滴
t1 発光部の高さ
t2 壁部の高さ
t3 第2被覆部材の発光部に接する部分の高さ
t4 第2被覆部材の壁部に接する部分の高さ