(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025002574
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】ブロックコポリマー、下地剤、相分離構造形成用組成物成用樹脂組成物、及び相分離構造を含む構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 297/02 20060101AFI20241226BHJP
C09D 5/00 20060101ALI20241226BHJP
C09D 153/00 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
C08F297/02
C09D5/00 D
C09D153/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023102848
(22)【出願日】2023-06-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 集会名:令和4年度材料系有機材料分野学士特定課題研究発表会、開催場所:東京工業大学大岡山キャンパス南8号館623講義室、開催日:令和5年2月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京科学大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 映美
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】上原 卓也
(72)【発明者】
【氏名】太宰 尚宏
(72)【発明者】
【氏名】早川 晃鏡
(72)【発明者】
【氏名】前川 伸祐
(72)【発明者】
【氏名】水嵜 陸
【テーマコード(参考)】
4J026
4J038
【Fターム(参考)】
4J026HA06
4J026HA26
4J026HA32
4J026HA39
4J026HB11
4J026HB26
4J026HB32
4J026HB39
4J026HB45
4J026HB48
4J026HB50
4J026HE01
4J038CQ001
4J038KA06
4J038KA08
4J038KA09
4J038KA10
4J038MA14
4J038PB09
4J038PC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板に対する密着性が高く、且つ下地剤として用いた場合にブロックコポリマーを含む層に対して欠陥の少ない相分離構造を形成させることが可能な、ブロックコポリマー等の提供。
【解決手段】一般式(n1)で表されるブロックコポリマー。A、Bは、それぞれ第1及び第2のポリマーブロックを表し;R
1c及びR
1dは、独立に、基板吸着性基含有基を表し;R
2c及びR
2dは、独立に、基板吸着性基含有基以外の置換基を表し;m1及びn1は、独立に、0~5の整数を表し;m2及びn2は、独立に、0~5の整数を表し;m1+n1≧1であり;m1+m2≦5であり;n1+n2≦5である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(n1)で表されるブロックコポリマー。
【化1】
[式中、Aは第1のポリマーブロックを表し;Bは第2のポリマーブロックを表し;R
1c及びR
1dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基を表し;R
2c及びR
2dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基以外の置換基を表し;m1及びn1は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m2及びn2は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m1+n1≧1であり;m1+m2≦5であり;n1+n2≦5である。m1が2以上の整数のとき、複数のR
1cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;m2が2以上の整数のとき、複数のR
2cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n1が2以上の整数のとき、複数のR
1dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n2が2以上の整数のとき、複数のR
2dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。]
【請求項2】
前記第1のポリマーブロック及び前記第2のポリマーブロックが、下記一般式(u0-1)~(u0-4)のいずれかで表される構成単位(u0)を有さない、請求項1に記載のブロックコポリマー。
【化2】
[式中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基を表し;Yu
1、Yu
2、Yu
3及びYu
4は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し;Zu
1、Zu
21、Zu
22、Zu
31、Zu
32、Zu
33及びZu
4は、それぞれ独立に、基板吸着性基を表し;Wu
4は環式基を表し;nuは原子価が許容する限り、1以上の整数を表す。]
【請求項3】
前記R
1c及びR
1dが、下記一般式(r1)で表される基である、請求項1又は2に記載のブロックコポリマー。
【化3】
[式中、X
1は、単結合、メチレン基、-COO-又は-O-を表し;Y
1は、単結合又は2価の連結基を表し;Z
1は、基板吸着性基含有基を表し;r1は原子価が許容する限り1以上の整数を表す。但し、X
1が-COO-又は-O-のとき、Y
1が単結合になることはない。*は、一般式(n1)中のベンゼン環に結合する結合手を表す。]
【請求項4】
前記基板吸着性基が、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、アジド基、ホルミル基、エポキシ基、又はシアノ基である、請求項1又は2に記載のブロックコポリマー。
【請求項5】
前記第1のポリマーブロックが、疎水性の構成単位(Na)を有し、
前記第2のポリマーブロックが、親水性の構成単位(Nb)を有する、
請求項1又は2に記載のブロックコポリマー。
【請求項6】
基板上で、ブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、
請求項1又は2に記載のブロックコポリマーを含有する、
下地剤。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のブロックコポリマーを含有する、相分離構造形成用樹脂組成物。
【請求項8】
基板上に、請求項6に記載の下地剤を塗布し、下地剤層を形成する工程(i)と、
前記下地剤層上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程(ii)と、
前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程(iii)と、
を含む、相分離構造を含む構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックコポリマー、下地剤、相分離構造形成用組成物成用樹脂組成物、及び相分離構造を含む構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模集積回路(LSI)のさらなる微細化に伴い、より繊細な構造体を加工する技術が求められている。このような要望に対し、互いに非相溶性のブロック同士が結合したブロックコポリマーの自己組織化により形成される相分離構造を利用して、より微細な構造体を形成する技術開発が行われている。
ブロックコポリマーの相分離構造を利用するためには、ミクロ相分離により形成される自己組織化ナノ構造を、特定の領域のみに形成し、かつ、所望の方向へ配列させることが必須とされる。これらの位置制御及び配向制御を実現するために、ガイドパターンによって相分離パターンを制御するグラフォエピタキシーや、基板の化学状態の違いによって相分離パターンを制御するケミカルエピタキシー等のプロセスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
ブロックコポリマーを相分離させて微細なパターンを形成する方法としては、例えば、基板の上に、下地剤層を形成する方法が開示されている。例えば、特許文献1には、スチレンから誘導される構成単位と、ヒドロキシエチルアクリレートから誘導される構成単位とを含む下地剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】プロシーディングスオブエスピーアイイー(Proceedings of SPIE),第7637巻,第76370G-1(2010年).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の下地剤では、スチレンと、ヒドロキシエチルアクリレートのランダム共重合体が使用されている。前記共重合体において、ヒドロキシエチルアクリレートにおけるヒドロキシ基は、基板吸着性基として作用する。しかしながら、前記共重合体における基板吸着に関与しない余剰ヒドロキシ基が下地膜の不均一化を引き起こし、相分離構造を含む構造体の欠陥(ディフェクト)の一因となる場合がある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、基板に対する密着性が高く、且つ下地剤として用いた場合にブロックコポリマーを含む層に対して欠陥の少ない相分離構造を形成させることが可能な、ブロックコポリマー、前記ブロックコポリマーを用いた下地剤、相分離構造形成用組成物、及び相分離構造を含む構造体の製造方法を提供すること、を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明の第1の態様は、下記一般式(n1)で表されるブロックコポリマーである。
【0009】
【化1】
[式中、Aは第1のポリマーブロックを表し;Bは第2のポリマーブロックを表し;R
1c及びR
1dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基を表し;R
2c及びR
2dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基以外の置換基を表し;m1及びn1は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m2及びn2は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m1+n1≧1であり;m1+m2≦5であり;n1+n2≦5である。m1が2以上の整数のとき、複数のR
1cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;m2が2以上の整数のとき、複数のR
2cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n1が2以上の整数のとき、複数のR
1dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n2が2以上の整数のとき、複数のR
2dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。]
【0010】
本発明の第2の態様は、基板上で、ブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる下地剤であって、第1の態様に係るブロックコポリマーを含有する、下地剤である。
【0011】
本発明の第3の態様は、第1の態様に係るブロックコポリマーを含有する、相分離構造形成用組成物である。
【0012】
本発明の第4の態様は、基板上に、第2の態様に係る下地剤を塗布し、下地剤層を形成する工程(i)と、前記下地剤層上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程(ii)と、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程(iii)と、を含む、相分離構造を含む構造体の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板に対する密着性が高く、且つ下地剤として用いた場合にブロックコポリマーを含む層に対して欠陥の少ない相分離構造を形成させることが可能な、ブロックコポリマー、前記ブロックコポリマーを用いた下地剤、相分離構造形成用組成物、及び相分離構造を含む構造体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】エッチングマスクパターンの製造方法の一実施形態例を説明する概略工程図である。
【
図2】任意工程の一実施形態例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」又は「フッ素化アルキレン基」は、アルキル基又はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基をいう。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「置換基を有していてもよい」と記載する場合、水素原子(-H)を1価の基で置換する場合と、メチレン基(-CH2-)を2価の基で置換する場合との両方を含む。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「α位(α位の炭素原子)」とは、特に断りがない限り、ブロックコポリマーの側鎖が結合している炭素原子を意味する。メタクリル酸メチル単位の「α位の炭素原子」は、メタクリル酸のカルボニル基が結合している炭素原子を意味する。スチレン単位の「α位の炭素原子」は、ベンゼン環が結合している炭素原子のことを意味する。
「数平均分子量」(Mn)は、特に断りがない限り、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。「質量平均分子量」(Mw)は、特に断りがない限り、サイズ排除クロマトグラフィーにより測定される標準ポリスチレン換算の質量平均分子量である。Mn又はMwの値に、単位(gmol-)を付したものはモル質量を表す。
本明細書及び本特許請求の範囲において、化学式で表される構造によっては不斉炭素が存在し、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在し得るものがあるが、その場合は一つの式でそれら異性体を代表して表す。それらの異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
【0016】
(ブロックコポリマー)
第1の態様に係るブロックコポリマー(以下、「ブロックコポリマー(P1)」ともいう)は、下記一般式(n1)で表される。
【0017】
【化2】
[式中、Aは第1のポリマーブロックを表し;Bは第2のポリマーブロックを表し;R
1c及びR
1dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基を表し;R
2c及びR
2dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基以外の置換基を表し;m1及びn1は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m2及びn2は、それぞれ独立に、0~5の整数を表し;m1+n1≧1であり;m1+m2≦5であり;n1+n2≦5である。m1が2以上の整数のとき、複数のR
1cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;m2が2以上の整数のとき、複数のR
2cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n1が2以上の整数のとき、複数のR
1dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよく;n2が2以上の整数のとき、複数のR
2dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。]
【0018】
前記式(n1)中、R1c及びR1dにおける基板吸着性基含有基は、基板吸着性基を含む基である。基板吸着性基含有基は、基板吸着性基のみで構成されてもよく、基板吸着性基以外の基を含んでもよい。基板吸着性基含有基は、好ましくは、基板吸着性基、又は基板吸着性基を含む有機基である。
基板吸着性基は、基板の種類により、適宜選択可能である。基板吸着性基の具体例としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、アジド基、ホルミル基、エポキシ基、及びシアノ基が挙げられる。基板吸着性基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、又はシアノ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
R1c及びR1dにおける基板吸着性基含有基は、基板吸着性基を1個のみ含有してもよく、2個以上含有してもよい。基板吸着性基含有基が2個以上の基板吸着性基を有する場合、基板吸着性基は1種でもよく、2種以上でもよい。R1c及びR1dにおける基板吸着性基含有基が有する基板吸着性基の数は、1~3個が好ましく、1個又は2個がより好ましい。R1c及びR1dにおける基板吸着性基含有基が有する基板吸着性基の種類数は、1~3種が好ましく、1種又は2種がより好ましく、1種がさらに好ましい。
【0019】
前記式(n1)中のR1c及びR1dは、下記一般式(r1)で表される基が好ましい。
【0020】
【化3】
[式中、X
1は、単結合、メチレン基、-COO-又は-O-を表し;Y
1は、単結合又は2価の連結基を表し;Z
1は、基板吸着性基含有基を表し;r1は原子価が許容する限り1以上の整数を表す。但し、X
1が-COO-又は-O-のとき、Y
1が単結合になることはない。*は、一般式(n1)中のベンゼン環に結合する結合手を表す。]
【0021】
前記式(r1)中、Y1における2価の連結基としては、置換基を有してもよい炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が挙げられる。
【0022】
・置換基を有してもよい2価の炭化水素基:
置換基を有してもよい2価の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
【0023】
・・脂肪族炭化水素基
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
前記脂肪族炭化水素基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
【0024】
・・・直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基
該直鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子数1~10でが好ましく、炭素原子数1~6がより好ましく、炭素原子数1~4がさらに好ましく、炭素原子数1~3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[-CH2-]、エチレン基[-(CH2)2-]、トリメチレン基[-(CH2)3-]、テトラメチレン基[-(CH2)4-]、ペンタメチレン基[-(CH2)5-]等が挙げられる。
該分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子数2~10が好ましく、炭素原子数3~6がより好ましく、炭素原子数3又は4がさらに好ましく、炭素原子数3が最も好ましい。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、-CH(CH3)-、-CH(CH2CH3)-、-C(CH3)2-、-C(CH3)(CH2CH3)-、-C(CH3)(CH2CH2CH3)-、-C(CH2CH3)2-等のアルキルメチレン基;-CH(CH3)CH2-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-C(CH3)2CH2-、-CH(CH2CH3)CH2-、-C(CH2CH3)2-CH2-等のアルキルエチレン基;-CH(CH3)CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2-等のアルキルトリメチレン基;-CH(CH3)CH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)CH2CH2-等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素原子数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
【0025】
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有してもよく、有していなくてもよい。該置換基は、脂肪族炭化水素鎖の水素原子を置換する1価の置換基でもよく、脂肪族炭化水素鎖のメチレン基を置換する2価の置換基でもよい。
【0026】
・・・構造中に環を含む脂肪族炭化水素基
該構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素原子数3~20が好ましく、炭素原子数3~12がより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては、炭素原子数3~6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては、炭素原子数7~12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
【0027】
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有してもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子、フッ素化アルキル基、水酸基、カルボニル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1~5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基であることがより好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素原子数1~5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、tert-ブトキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましい。
前記置換基としてのフッ素化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記フッ素原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、-O-、-C(=O)-O-、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-が好ましい。
【0028】
・・芳香族炭化水素基
該芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
この芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でもよいし、多環式でもよい。芳香環の炭素原子数は5~30であることが好ましく、炭素原子数5~20がより好ましく、炭素原子数6~15がさらに好ましく、炭素原子数6~12が特に好ましい。ただし、該炭素原子数には、置換基における炭素原子数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(例えばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、1-ナフチルメチル基、2-ナフチルメチル基、1-ナフチルエチル基、2-ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素原子数は、1~4であることが好ましく、炭素原子数1~2であることがより好ましく、炭素原子数1であることが特に好ましい。
【0029】
前記芳香族炭化水素基は、当該芳香族炭化水素基が有する水素原子が置換基で置換されていてもよい。例えば当該芳香族炭化水素基中の芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、フッ素原子、フッ素化アルキル基、水酸基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素原子数1~5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基であることがより好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基、フッ素原子およびフッ素化アルキル基としては、前記環状の脂肪族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基として例示したものが挙げられる。
【0030】
・ヘテロ原子を含む2価の連結基:
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、-O-、-C(=O)-O-、-O-C(=O)-、-C(=O)-、-O-C(=O)-O-、-C(=O)-NH-、-NH-、-NH-C(=NH)-(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、-S-、-S(=O)2-、-S(=O)2-O-、一般式-Y21-O-Y22-、-Y21-O-、-Y21-C(=O)-O-、-C(=O)-O-Y21-、-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-、-Y21-O-C(=O)-Y22-または-Y21-S(=O)2-O-Y22-で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有してもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m”は0~3の整数である。]等が挙げられる。
前記ヘテロ原子を含む2価の連結基が-C(=O)-NH-、-C(=O)-NH-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=NH)-の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素原子数が1~10であることが好ましく、1~8であることがさらに好ましく、1~5であることが特に好ましい。
一般式-Y21-O-Y22-、-Y21-O-、-Y21-C(=O)-O-、-C(=O)-O-Y21-、-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-、-Y21-O-C(=O)-Y22-または-Y21-S(=O)2-O-Y22-中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記と同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素原子数1~5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素原子数1~5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素原子数1~3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
式-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-で表される基において、m”は0~3の整数であり、0~2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式-[Y21-C(=O)-O]m”-Y22-で表される基としては、式-Y21-C(=O)-O-Y22-で表される基が特に好ましい。なかでも、式-(CH2)a’-C(=O)-O-(CH2)b’-で表される基が好ましい。該式中、a’は、1~10の整数であり、1~8の整数が好ましく、1~5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1~10の整数であり、1~8の整数が好ましく、1~5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
【0031】
Y1としては、単結合、エステル結合[-C(=O)-O-、-O-C(=O)-]、エーテル結合(-O-)、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はこれらの組合せが好ましく、単結合、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、又はエステル結合[-C(=O)-O-、-O-C(=O)-]若しくはエーテル結合(-O-)と直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基との組合せがより好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基又はエーテル結合とアルキレン基との組合せがさらに好ましい。エーテル結合とアルキレン基との組合せである基としては、-[(CH2)k1-O-]k2-(k1、k2は1~6の整数)で表される基が挙げられる。
前記アルキレン基としては、炭素原子数1~10が挙げられ、炭素原子数1~8が好ましく、炭素原子数1~6がより好ましい。前記k1は、2又は3が好ましく、2がより好ましい。前記k2は、1~4の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。
【0032】
前記式(r1)中、Z1における基板吸着性基含有基が含む基板吸着性基の具体例としては、上記と同様のものが挙げられる。基板吸着性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、又はシアノ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。Z1における基板吸着性基含有基としては、基板吸着性基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基の1個以上の水素原子が基板吸着性基で置換された基が好ましい。前記直鎖状のアルキレン基は、炭素原子数1~5が好ましく、炭素原子数1~3がより好ましく、炭素原子数1又は2がさらに好ましい。前記分岐鎖状のアルキレン基は、炭素原子数2~5が好ましく、炭素原子数2~3がより好ましく、炭素原子数2がさらに好ましい。Z1における基板吸着性基含有基が有する基板吸着性基は、1~3個が好ましく、1又は2個がより好ましい。
【0033】
前記式(r1)中、r1は、1~3が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
【0034】
前記式(n1)中のR1c及びR1dは、下記一般式(r1-1)又は(r1-2)で表される基が好ましい。
【0035】
【化4】
[式中、X
11及びX
12は、それぞれ独立に、単結合、メチレン基、-COO-又は-O-を表し;Y
11及びY
12は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し;Z
11~Z
13は、それぞれ独立に、基板吸着性基を表す。但し、X
11が-COO-又は-O-のとき、Y
11が単結合になることはなく、X
12が-COO-又は-O-のとき、Y
12が単結合になることはない。*は、前記一般式(n1)中のベンゼン環に結合する結合手を表す。]
【0036】
前記式(r1-1)又は(r1-2)中、Y11及びY12における2価の連結基としては、前記式(r1)中のY1と同様のものが挙げられる。Y11及びY12における2価の連結基としては、置換基を有してもよい直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、置換基を有してもよい直鎖状アルキレン基がより好ましい。前記置換基としては、メチレン基を置換する2価の基が挙げられ、該2価の基としては、エステル結合又はエーテル結合が挙げられ、エーテル結合が好ましい。
Y11及びY12における2価の連結基としては、炭素原子数1~10の直鎖状アルキレン基、又は-[(CH2)k1-O-]k2-(CH2)k3-(k1、k2、k3は1~6の整数)で表される基が好ましい。前記アルキレン基は、炭素原子数1~8が好ましく、炭素原子数1~6がより好ましい。前記k1は、2又は3が好ましく、2がより好ましい。前記k2は、1~4の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。前記k3は、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
【0037】
前記式(r1-1)又は(r1-2)中、Z11~Z13における基板吸着性基としては、上記と同様のものが挙げられる。基板吸着性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、又はシアノ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
【0038】
前記式(n1)中のR1c及びR1dの具体例を以下に示すが、これらに限定されない。*は、前記式(n1)中のベンゼン環に結合する結合手を表す。
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
前記式(n1)中、R2c及びR2dにおける基板吸着性基含有基以外の置換基は、特に限定されない。基板吸着性基含有基以外の置換基としては、アルキル基が挙げられる。前記アルキル基は、直鎖状でもよく、分岐鎖状でもよいが、直鎖状が好ましい。
直鎖状のアルキル基としては、炭素原子数1~6が挙げられ、炭素原子数1~5が好ましく、炭素原子数1~3がより好ましく、炭素原子数1又は2がさらに好ましい。
分岐鎖状のアルキル基としては、炭素原子数3~6が挙げられ、炭素原子数1~5が好ましく、炭素原子数1~3がより好ましく、炭素原子数1又は2がさらに好ましい。
【0043】
前記式(n1)中、m1及びn1は、m1+n1≧1であることを条件としては、それぞれ独立に、0~4の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましく、0又は1が特に好ましい。好ましくは、m1及びn1の両方が1であるか、m1が1でありn1が0であるか、m1が0でありn1が1である。
【0044】
前記式(n1)中、m2及びn2は、それぞれ独立に、0~4の整数が好ましく、0~3の整数がより好ましく、0~2の整数がさらに好ましく、0又は1が特に好ましい。
【0045】
ブロックコポリマー(P1)ーは、下記一般式(n1-1)又は(n1-2)で表されるブロックコポリマーが好ましい。
【0046】
【化8】
[式中、Aは第1のポリマーブロックを表し;Bは第2のポリマーブロックを表す。R
11c及びR
11dは、それぞれ独立に、水素原子又は、下記一般式(r11)で表される基を表し、R
11c及びR
11dの両方が水素原子となることはない。R
12c、R
13c、R
12d、及びR
13dは、それぞれ独立に、水素原子、又は下記一般式(r12)で表される基を表し、R
12c、R
13c、R
12d、及びR
13dの全てが水素原子となることはない。R
21c、R
21d、R
22c、及びR
22dは、それぞれ独立に、基板吸着性基含有基以外の置換基を表す。m21及びn21は、それぞれ独立に、0~4の整数を表す。m22及びn22は、それぞれ独立に、0~3の整数を表す。m21が2以上の整数のとき、複数のR
21cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。n21が2以上の整数のとき、複数のR
21dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。m22が2以上の整数のとき、複数のR
22cは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。n22が2以上の整数のとき、複数のR
22dは、相互に同じでもよく、異なっていてもよい。]
【0047】
【化9】
[式中、L
11は、単結合、-COO-又は-O-を表し;Rz
11は、基板吸着性基含有基を表し;Rz
12は、基板吸着性基含有基又は水素原子を表す。]
【0048】
前記式(n1-1)中、R21c及びR21dにおける基板吸着性基含有基以外の置換基としては、前記式(n1)中のR2c及びR2dにおけるものと同様のものが挙げられる。21c及びR21dにおける置換基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1~6が好ましく、炭素原子数1~5が好ましく、炭素原子数1~3がより好ましく、炭素原子数1又は2がさらに好ましい。
【0049】
前記式(n1-1)中、m21及びn21は、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
【0050】
前記式(n1-2)中、R22c及びR22dにおける基板吸着性基含有基以外の置換基としては、前記式(n1)中のR2c及びR2dにおけるものと同様のものが挙げられる。22c及びR22dにおける置換基としては、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1~6が好ましく、炭素原子数1~5が好ましく、炭素原子数1~3がより好ましく、炭素原子数1又は2がさらに好ましい。
【0051】
前記式(n1-2)中、m22及びn22は、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
【0052】
前記式(n1-1)中、R11c及びR11dは、それぞれ独立に、水素原子、又は前記一般式(r11)で表される基を表す。
前記式(n1-2)中、R12c、R13c、R12d、及びR13dは、それぞれ独立に、水素原子、又は前記一般式(r12)で表される基を表す。
【0053】
前記式(r11)及び(r12)中のRz11及びRz12における基板吸着性基含有基としては、前記式(n1)中のR1c及びR1dにおけるものと同様のものが挙げられる。
Rz11及びRz12は、下記一般式(r1-1-1)又は(r1-2-1)で表されるものが好ましい。
【0054】
【化10】
[式中、Y
111及びY
112は、それぞれ独立に、単結合又は2価の連結基を表し;Z
111~Z
113は、それぞれ独立に、基板吸着性基を表す。但し、前記一般式(r11)中のL
11が-COO-又は-O-のとき、Y
111が単結合になることはない。*は、結合手を表す。]
【0055】
前記式(r1-1-1)又(r1-2-1)は中、Y111及びY112における2価の連結基としては、前記式(r1-1)又(r1-2)は中のY11及びY12における2価の連結基と同様のものが挙げられる。Y111及びY112における2価の連結基としては、炭素原子数1~10の直鎖状アルキレン基、又は-[(CH2)k1-O-]k2-(CH2)k3-(k1、k2、k3は1~6の整数)で表される基が好ましい。前記アルキレン基は、炭素原子数1~8が好ましく、炭素原子数1~6がより好ましい。前記k1は、2又は3が好ましく、2がより好ましい。前記k2は、1~4の整数が好ましく、1~3の整数がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。前記k3は、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
【0056】
前記式(r1-1-1)又は(r1-2-1)中、Z111~Z113における基板吸着性基としては、上記と同様のものが挙げられる。基板吸着性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、又はシアノ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
【0057】
前記式(n1-1)中のR11c及びR11dの具体例としては、前記式(r11-1-1)~(r11-1-8)、(r11-2-1)~(r11-2-3)のいずれかで表される基、が挙げられる。
前記式(n1-2)中のR21c、R21d、R22c、及びR22dの具体例としては、前記式(r12-1-1)~(r12-1-3)、(r12-2-1)のいずれかで表される基が挙げられる。
【0058】
ブロックコポリマー(P1)の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。下記式中、A及びBは、前記式(n1)におけるものと同じである。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
<第1のポリマーブロック(A)>
前記式(n1)中、Aにおける第1のポリマーブロック(以下、「第1のポリマーブロック(A)」ともいう)は、疎水性のポリマーブロックであってもよく、親水性のポリマーブロックであってもよい。第1のポリマーブロック(A)は、疎水性ポリマーブロック(以下、「ブロック(b12)」ともいう)であることが好ましい。
【0066】
疎水性ポリマーブロック(b12)は、相分離構造形成用樹脂組成物に含まれるブロックコポリマー(以下、「(BCP)成分」ともいう)を構成する親水性ポリマーブロック(b21)(以下単に「ブロック(b21)」ともいう)の構成単位を提供するモノマーに比べて、水との親和性が相対的に低いモノマーが重合したポリマー(疎水性ポリマー)からなるブロックである。下地剤層を介して基板とブロックコポリマーを含む層との密着性がより強まることから、ブロック(b12)は、(BCP)成分の疎水性ポリマーブロック(b11)(以下、単に「ブロック(b11)」ともいう)が有する構成単位と同じ構成単位を有することが好ましい。
【0067】
ブロック(b12)は、疎水性の構成単位(Na)を有することが好ましい。構成単位(Na)としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック等が挙げられる。
スチレン誘導体としては、例えば、スチレンのα位の水素原子がアルキル基もしくはハロゲン化アルキル基等の置換基に置換されたもの、又はこれらの誘導体が挙げられる。前記これらの誘導体としては、α位の水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンのベンゼン環に置換基が結合したものが挙げられる。前記の置換基としては、例えば、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
スチレン誘導体として具体的には、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、4-n-オクチルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレン、4-ヒドロキシスチレン、4-ニトロスチレン、3-ニトロスチレン、4-クロロスチレン、4-フルオロスチレン、4-アセトキシビニルスチレン、4-ビニルベンジルクロリド等が挙げられる。
【0068】
構成単位(Na)としては、下地剤層の表面がより安定化しやすいことから、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が好ましい。即ち、置換基を有してもよいスチレン骨格を含む構成単位(u1)がより好ましい。
【0069】
・構成単位(u1)について
構成単位(u1)は、置換基を有してもよいスチレン骨格を含む構成単位である。
置換基を有するスチレン骨格とは、スチレンのα位もしくはベンゼン環の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されているものをいう。
構成単位(u1)における置換基としては、ハロゲン原子、又は酸素原子、ハロゲン原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基が挙げられる。
【0070】
構成単位(u1)における置換基について、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
【0071】
構成単位(u1)における置換基について、炭化水素基は、炭素原子数が1~20である。加えて、かかる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基であり、酸素原子、ハロゲン原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい。
かかる炭化水素基としては、例えば直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、又はアリール基が挙げられる。
【0072】
かかる炭化水素基としてのアルキル基は、好ましくは炭素原子数が1~10であり、より好ましくは炭素原子数が1~8であり、さらに好ましくは炭素原子数が1~6である。
ここでのアルキル基は、部分的又は完全にハロゲン化されたアルキル基(ハロゲン化アルキル基)、アルキル基を構成する炭素原子がケイ素原子もしくは酸素原子に置換されているアルキルシリル基、アルキルシリルオキシ基又はアルコキシ基であってもよい。
部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、アルキル基に結合する水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、アルキル基に結合する水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい(すなわち、フッ素化アルキル基が好ましい)。
前記のアルキルシリル基としては、トリアルキルシリル基又はトリアルキルシリルアルキル基が好ましく、例えばトリメチルシリル基、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリメチルシリル-n-プロピル基等が好適に挙げられる。
前記のアルキルシリルオキシ基としては、トリアルキルシリルオキシ基又はトリアルキルシリルオキシアルキル基が好ましく、例えばトリメチルシリルオキシ基、トリメチルシリルオキシメチル基、トリメチルシリルオキシエチル基、トリメチルシリルオキシ-n-プロピル基等が好適に挙げられる。
前記のアルコキシ基としては、好ましくは炭素原子数が1~10であり、より好ましくは炭素原子数が1~8であり、さらに好ましくは炭素原子数が1~6である。
【0073】
かかる炭化水素基としてのアリール基は、炭素原子数が4~20であり、好ましくは炭素原子数が4~10であり、より好ましくは炭素原子数が6~10である。
【0074】
構成単位(u1)の好ましいものとしては、例えば、下記一般式(u1-1)又は(u1-2)で表される構成単位が挙げられる。本発明においては、構成単位(u1)は、下記一般式(u1-1)で表される構成単位が好ましい。
【0075】
【化17】
[式中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。R
1は、フッ素原子、又は酸素原子、フッ素原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基である。pは、0~5の整数である。n1は0又は1である。R
12は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環であり、p1は1~5の整数である。]
【0076】
前記式(u1-1)又は(u1-2)中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。
Rにおける炭素原子数1~5のアルキル基は、炭素原子数1~5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rにおける炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基は、前記炭素原子数1~5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
Rとしては、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0077】
前記式(u1-1)又は(u1-2)中、R1は、フッ素原子、又は酸素原子、フッ素原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基である。
構成単位(u1)において、ベンゼン環に、置換基として前記R1が結合していることにより、下地剤層表面の自由エネルギーが調節され、該下地剤層上に形成されるブロックコポリマーを含む層が垂直シリンダーパターン等に良好に相分離し得る。
前記式(u1-1)又は(u1-2)中のR1は、上述した構成単位(u1)における置換基(フッ素原子、又は酸素原子、フッ素原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基)についての説明と同様である。
これらの中でも、R1としては、下地剤層上に形成されるブロックコポリマーを含む層が良好に相分離し得ることから、酸素原子、フッ素原子若しくはケイ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状又はこれらの組み合わせによる炭化水素基が好ましい。
その中でも、酸素原子若しくはフッ素原子を含んでいてもよい炭素原子数1~20のアルキル基がより好ましく、
炭素原子数1~6のアルキル基、炭素原子数1~6のフッ素化アルキル基又は炭素原子数1~6のアルコキシ基がさらに好ましく、
炭素原子数1~6のアルキル基が特に好ましい。
【0078】
R1におけるアルキル基の炭素原子数は、1~6が好ましく、3~6がより好ましく、3又は4がさらに好ましく、4が特に好ましい。R1におけるアルキル基としては、直鎖状のアルキル基、分岐鎖状のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基が好適に挙げられ、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基がより好ましく、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基がさらに好ましく、tert-ブチル基が特に好ましい。
R1におけるフッ素化アルキル基は、前記のR1におけるアルキル基の水素原子の一部又は全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。R1におけるフッ素化アルキル基の炭素原子数は、1~6が好ましく、3~6がより好ましく、3又は4がさらに好ましい。
R1におけるアルコキシ基の炭素原子数は、1~6が好ましく、1~4がより好ましく、2が特に好ましい。R1におけるアルコキシ基としては、直鎖状のアルコキシ基、分岐鎖状のアルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t-ブトキシ基が好適に挙げられ、エトキシ基が特に好ましい。
【0079】
前記式(u1-1)又は(u1-2)中、pは、0~5の整数であり、0~3の整数が好ましく、0~2の整数がより好ましく、0又は1がさらに好ましく、1が特に好ましい。
前記式(u1-2)中、p1は0又は1であり、0が好ましい。
【0080】
前記式(u1-2)中、R12は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環である。R12の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環が挙げられる。また、R12が有していてもよい置換基としては、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のアルコキシ基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基、フッ素原子、トリアルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
前記式(u1-2)中、p1は1~5の整数である。
【0081】
以下に、ブロック(b12)の構成単位の具体例を挙げる。式中、Rαは、水素原子又はメチル基である。
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
ブロック(b12)の構成単位は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ブロック(b12)は、構成単位(Na)として、構成単位(u1)を含有することが好ましい。構成単位(u1)としては、化学式(u1-1-1)~(u1-1-22)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種が好ましく、化学式(u1-1-1)~(u1-1-14)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましく、化学式(u1-1-1)~(u1-1-11)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種がさらに好ましく、化学式(u1-1-1)~(u1-1-6)、(u1-1-11)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種が特に好ましく、化学式(u1-1-1)~(u1-1-3)、(u1-1-11)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種が最も好ましい。
【0091】
ブロック(b12)における構成単位(u1)の割合は、ブロック(b12)を構成する全構成単位の合計に対して25モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、75~100モル%であることがさらに好ましい。
ブロック(b12)における構成単位(u1)の割合が好ましい下限値以上であれば、下地剤層の表面がより安定化し、下地剤層上に形成されるブロックコポリマーを含む層が良好に相分離し得る。
【0092】
<第2のポリマーブロック(B)>
前記式(n1)中、Bにおける第2のポリマーブロック(以下、「第2のポリマーブロック(B)」ともいう)は、疎水性のポリマーブロックであってもよく、親水性のポリマーブロックであってもよい。第2のポリマーブロック(B)は、親水性ポリマーブロック(以下、「ブロック(b22)」ともいう)であることが好ましい。
第1のポリマーブロック(A)と第2のポリマーブロック(B)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。垂直配向性が向上する観点から、第1のポリマーブロック(A)と第2のポリマーブロック(B)とは、異なることが好ましい。
【0093】
親水性ポリマーブロック(b22)は、相分離構造形成用樹脂組成物に含まれるブロックコポリマー((BCP)成分)を構成する疎水性ポリマーブロック(b11)(ブロック(b11))の構成単位を提供するモノマーに比べて、水との親和性が相対的に高いモノマーが重合したポリマー(親水性ポリマー)からなるブロックである。下地剤層を介して基板とブロックコポリマーを含む層との密着性がより強まることから、ブロック(b22)は、ブロック(b21)が有する構成単位と同じ構成単位を有することが好ましい。
【0094】
ブロック(b22)は、親水性の構成単位(Nb)を有することが好ましい。構成単位(Nb)としては、例えば、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック、等が挙げられる。
【0095】
(α置換)アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルが挙げられる。前記の置換基としては、例えば、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸アントラセン、アクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、アクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸アントラセン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキシルメタン、メタクリル酸プロピルトリメトキシシラン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0096】
(α置換)アクリル酸としては、例えば、アクリル酸、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸が挙げられる。前記の置換基としては、例えば、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0097】
構成単位(Nb)としては、下地剤層の表面がより安定化しやすいことから、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、又は(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位(すなわち、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸又はそのエステルから誘導される構成単位(u2))が好ましい。
【0098】
・構成単位(u2)について
構成単位(u2)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸又はそのエステルから誘導される構成単位である。
構成単位(u2)の好ましいものとしては、例えば、下記一般式(u2-1)で表される構成単位が挙げられる。
【0099】
【化26】
[式中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。R
2は、炭素原子数1~20の直鎖状若しくは分岐鎖状の置換基を有してもよいアルキル基である。但し、R
2は、基板吸着性基を有さない。]
【0100】
前記式(u2-1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。前記式(u2-1)中のRは、上述の前記式(u1-1)中のRと同様である。
Rとしては、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0101】
前記式(u2-1)中、R2は、炭素原子数1~20の直鎖状若しくは分岐鎖状の置換基を有してもよいアルキル基である。但し、R2は、置換基として基板吸着性基を有さない。
R2におけるアルキル基は、炭素原子数が1~20であり、好ましくは炭素原子数が1~10であり、より好ましくは炭素原子数が1~8であり、さらに好ましくは炭素原子数が1~6であり、特に好ましくは炭素原子数が1~4である。
R2におけるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
R2におけるアルキル基はメチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0102】
構成単位(u2)は、下記一般式(u2-2)で表される構成単位であってもよい。
【化27】
[式中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。R
4は、水素原子又はヒドロキシ基である。k
1及びk
2は、それぞれ独立に、1~5の整数である。R
2は、ケイ素原子又はフッ素原子を有してもよいアルキル基である。]
【0103】
前記式(u2-2)中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基である。前記式(u2-2)中のRは、上述の前記式(u1-1)中のRと同様である。
Rとしては、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基、炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基がより好ましく、水素原子、メチル基がさらに好ましく、水素原子が特に好ましい。
【0104】
前記式(u2-2)中、R2は、ケイ素原子又はフッ素原子を有してもよいアルキル基である。前記アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。前記アルキル基が直鎖状である場合、炭素原子数は1以上であればよいが、炭素原子数2以上が好ましい。前記直鎖状のアルキレン基の炭素原子数の上限は特に限定されないが、相分離性能の観点から、炭素原子数15以下が好ましく、炭素原子数10以下がより好ましく、炭素原子数8以下がさらに好ましく、炭素原子数6以下がさらにより好ましく、炭素原子数5以下が特に好ましい。前記アルキル基が分岐鎖状である場合、炭素原子数3以上であればよい。前記分岐鎖状のアルキル基の炭素原子数の上限は特に限定されないが、相分離性能の観点から、炭素原子数15以下が好ましく、炭素原子数10以下がより好ましく、炭素原子数8以下がさらに好ましく、炭素原子数6以下がさらにより好ましく、炭素原子数5以下が特に好ましい。前記アルキル基の炭素原子数としては、炭素原子数2~15が好ましく、炭素原子数2~10がより好ましく、炭素原子数2~8がさらに好ましく、炭素原子数2~6がさらにより好ましく、炭素原子数2~5が特に好ましい。
R2のアルキル基は、炭素原子数2~5の直鎖状アルキル基が好ましい。
【0105】
R2のアルキル基は、ケイ素原子又はフッ素原子を有してもよい。R2のアルキル基が、フッ素原子又はカルボキシ基を有する場合、前記フッ素原子又はカルボキシ基は、アルキル基の水素原子を置換する置換基であってよい。前記の基で置換される水素原子の数は、特に限定されないが、1~3個が好ましい。
R2のアルキル基がケイ素原子を有する場合、前記ケイ素原子は、アルキル基中のメチレン基(-CH2-)を置換する置換基であってもよい。ケイ素原子で置換されるメチレン基の数は、特に限定されないが、1個が好ましい。
R2は、好ましくは、アルキルシリル基、又はフルオロメチル基で置換されてもよいアルキル基であることが好ましい。前記アルキルシリル基中のアルキル基は、炭素原子数1~3が好ましく、炭素原子数1又は2がより好ましい。前記アルキルシリル基は、トリアルキルシリル基が好ましく、トリエチルシリル基又はトリメチルシリル基がより好ましく、トリメチルシリル基がさらに好ましい。前記フルオロメチル基は、トリフルオロメチル基が好ましい。
【0106】
前記式(u2-2)中、k1及びk2は、1~3が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
【0107】
以下に、ブロック(b22)の構成単位の具体例を挙げる。式中、Rαは、水素原子又はメチル基である。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
ブロック(b22)の構成単位は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
構成単位(Nb)は、構成単位(u2)を含有することが好ましい。
構成単位(u2)としては、化学式(u2-1-1)~(u1-1-7)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
【0112】
ブロック(b22)における構成単位(u2)の割合は、ブロック(b22)を構成する全構成単位の合計に対して25モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、75~100モル%であることがさらに好ましい。
ブロック(b22)における構成単位(u2)の割合が好ましい下限値以上であれば、下地剤層の表面がより安定化し、下地剤層上に形成されるブロックコポリマーを含む層が良好に相分離し得る。
【0113】
第1のポリマーブロック(A)と第2のポリマーブロック(B)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。垂直配向性が向上する観点から、第1のポリマーブロック(A)と第2のポリマーブロック(B)とは、異なることが好ましい。
例えば、第1のポリマーブロック(A)が疎水性ポリマーブロック(b12)である場合、第2のポリマーブロック(B)は親水性ポリマーブロック(b22)であることが好ましい。
【0114】
第1のポリマーブロック(A)及び第2のポリマーブロック(B)は、1級炭素原子に結合する基板吸着性基を有さないことが好ましい。
第1のポリマーブロック(A)及び第2のポリマーブロック(B)は、下記一般式(u0-1)~(u0-4)のいずれかで表される構成単位(u0)を有さないことが好ましい。
【0115】
【化31】
[式中、Rは、水素原子、炭素原子数1~5のアルキル基又は炭素原子数1~5のフッ素化アルキル基を表し;Yu
1、Yu
2、Yu
3及びYu
4は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し;Zu
1、Zu
21、Zu
22、Zu
31、Zu
32、Zu
33及びZu
4は、それぞれ独立に、基板吸着性基を表し;Wu
4は環式基を表し;nuは原子価が許容する限り、1以上の整数を表す。]
【0116】
前記式(u0-1)~(u0-4)中、Yu1、Yu2、Yu3及びYu4における2価の連結基は、前記式(r1)中のY1における2価の連結基として挙げたものと同様のものが挙げられる。Yu1、Yu2、Yu3及びYu4における2価の連結基としては、炭素原子数1~10の置換基を有してもよい炭化水素基が挙げられる。
前記式(u0-1)~(u0-4)中、Zu1、Zu21、Zu22、Zu31、Zu32、Zu33及びZu4における基板吸着性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基、アジド基、ホルミル基、エポキシ基、及びシアノ基が挙げられる。Zu1における基板吸着性基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、チオール基、ビニル基、臭素原子、ヨウ素原子、又はシアノ基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
前記式(u0-4)中、Wu4における環式基は、芳香族炭化水素環式基でもよく、芳香族複素環式基でもよく、脂環式基でもよい。環式基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基、芳香環から2個の炭化水素基を除いた基等が挙げられる。これらは、環式基の水素原子を置換する置換基を有してもよく、環骨格を構成する炭素原子を置換する置換基を有してもよい。
【0117】
第1のポリマーブロック(A)及び第2のポリマーブロック(B)が、構成単位(u0)を有しないことにより、ブロックコポリマー(P1)を下地剤として用いた場合に、基板吸着に関与しない基板吸着性基が低減され、下地膜表面の均一性が維持される。
【0118】
第1のポリマーブロック(A)が、構成単位(u0)を有する場合、構成単位(u0)の割合(モル%)は、第1のポリマーブロック(A)が有する全構成単位(100モル%)に対して、40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましく、10モル%以下が特に好ましい。
第2のポリマーブロック(B)が、構成単位(u0)を有する場合、構成単位(u0)の割合(モル%)は、第2のポリマーブロック(B)が有する全構成単位(100モル%)に対して、40モル%以下が好ましく、30モル%以下がより好ましく、20モル%以下がさらに好ましく、10モル%以下が特に好ましい。
【0119】
ブロックコポリマー(P1)の数平均分子量(Mn)(サイズ排除クロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、5,000~200,000が好ましく、6,000~100,000がより好ましく、8,000~80,000がさらに好ましく、10,000~60,000が特に好ましい。
この好ましい範囲の上限値以下であると、有機溶剤に充分に溶解するため、基板への塗布性に優れる。一方、この好ましい範囲の下限値以上であると、高分子化合物の製造安定性に優れ、かつ、基板への塗布性に優れた下地剤組成物となる。
ブロックコポリマー(P1)の分子量分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0~5.0が好ましく、1.0~3.0がより好ましく、1.0~2.5がさらに好ましい。尚、Mwは質量平均分子量を示す。
【0120】
ブロックコポリマー(P1)の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。下記式中、a、b、x、及びyは、構成単位のモル比を表す。a及びbは、1以上の整数を表す。a:bとしては、10:90~90:10が挙げられ、20:80~80:20が好ましく、30:70~70:30がより好ましく、40:60~60:40がさらに好ましい。x及びyは、0超1未満である。x及びyは、目的とする相分離構造の種類に応じて適宜決定することができる。x及びyとしては、例えば、0.01~0.3が挙げられる。
【0121】
【0122】
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
<ブロックコポリマー(P1)の製造方法>
ブロックコポリマー(P1)は、後述の実施例に示すように公知の方法を組み合わせて製造することができる。例えば、以下に示す工程を有する製造方法により製造することができる。
【0127】
工程(p1):リビングアニオン重合により、第1のポリマーブロック(A)を合成する工程;
工程(p2):第1のポリマーブロック(A)に対して、基板吸着性基含有基を有するジフェニルエチレン誘導体(以下、「DPE」という)を反応させる工程;及び
工程(p3):リビングアニオン重合により、第2のポリマーブロック(B)を合成する工程。
【0128】
【化37】
[式中、A、B、R
1c、R
1d、R
2c
、R
2d、m1、n1、m2及びn2は、前記式(n1)におけるものとそれぞれ同じである。M(Na)及びM(Nb)は、モノマー(Na)及びモノマー(Nb)をそれぞれ表す。]
【0129】
工程(p1):
第1のポリマーブロック(A)は、例えば、構成単位(Na)を誘導するモノマー(以下、「モノマー(Na)」という。例えば、スチレン又はその誘導体)のリビングアニオン重合反応により合成することができる。リビングアニオン重合は、公知の方法により、行うことができる。
重合開始剤としては、例えば、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム、エチルリチウム、エチルナトリウム、1,1-ジフェニルヘキシルリチウム、1,1-ジフェニル-3-メチルペンチルリチウム等の有機アルカリ金属を用いることができる。上記の式では、sec-ブチルリチウムを開始剤とした用いる例を示した。
【0130】
溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ブロモホルム、塩化メチレン、臭化メチレン、四塩化炭素等のハロゲン化アルキル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、セロソルブ類等のエステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロアミド等の非プロトン性極性溶剤類;水等が挙げられる。
【0131】
工程(p2):
工程(p1)後の反応液に、DPEを添加し、反応させる。DPEの溶剤としては、例えば、テトラヒドロフランが挙げられる。DPEが有する基板吸着性基は、tert-ブチルジメチルシリル基等の保護基で保護されていてもよい。
【0132】
工程(p3):
工程(p2)後の反応液に、例えば、構成単位(Nb)を誘導するモノマー(以下、「モノマー(Nb)」という。例えば、(α置換)アクリル酸エステル又はその誘導体)を添加し、重合反応を行う。
【0133】
上記各工程の反応温度、反応時間等は、特に限定されず、例えば重合開始剤の種類等に応じて適宜決定すればよい。
【0134】
工程(p2)において、DPEが有する基板吸着性基が、保護基で保護されている場合、工程(p3)の後に、脱保護する工程を行えばよい。脱保護の条件は、保護基の種類に応じて適宜決定すればよい、
【0135】
本実施形態のブロックコポリマー(P1)は、基板吸着性基が、第1のポリマーブロック(A)と第2のポリマーブロック(B)との連結基であるジフェニルエチレン基に導入されている。そのため、基板吸着性基の位置と数を精密に制御することができ、基板に塗布した場合に、基板吸着に関与しない基板吸着性基の数を低減することができる。そのため、ブロックコポリマー(P1)を下地剤として用いることにより、下地剤層の不均一化を抑制することができる。これにより、ブロックコポリマーを含む層により形成される相分離構造の欠陥を抑制することができ、且つ相分離性能を高めることができる。
また、ブロックコポリマー(P1)は、ブロックコポリマーを含む層を形成させる相分離構造規制用樹脂組成物としても用いることができる。
【0136】
(下地剤)
第2の態様に係る下地剤は、基板上で、ブロックコポリマーを含む層を相分離させるために用いられる。本実施形態の下地剤は、上記第1の態様に係るブロックコポリマー(P1)を含有することを特徴とする。
【0137】
<ブロックコポリマー(P1)>
ブロックコポリマー(P1)についての説明は、上記と同様である。
本実施形態の下地剤は、ブロックコポリマー(P1)を1種単独で含んでもよく、2種以上を併用してもよい。
【0138】
<任意成分>
本実施形態の下地剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、所望により、混和性のある添加剤、例えば、下地剤層の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、増感剤、塩基増殖剤、塩基性化合物(イミダゾール等の含窒素化合物など)等を適宜含有させることができる。
【0139】
≪有機溶剤≫
下地剤は、ブロックコポリマー(P1)等の各成分を、有機溶剤(以下「(S)成分」ともいう。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
【0140】
(S)成分としては、例えば、γ-ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル-n-ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2-ヘプタノン等のケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物;前記多価アルコール類もしくは前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類;乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などが挙げられる。
【0141】
(S)成分は、単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、(S)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2の範囲内とされる。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2、さらに好ましくは3:7~7:3である。また、極性溶剤としてPGME及びシクロヘキサノンを配合する場合、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9~9:1、より好ましくは2:8~8:2、さらに好ましくは3:7~7:3である。
(S)成分としては、PGMEA、EL、又は前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ-ブチロラクトンと、の混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者との質量比が好ましくは70:30~95:5とされる。
【0142】
(S)成分の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には下地剤の固形分濃度が0.1~20質量%、好ましくは0.2~15質量%の範囲内となるように用いられる。
【0143】
<ブロックコポリマーを含む層について>
ブロックコポリマーを含む層は、アニーリング処理により相分離構造を形成するブロックコポリマー((BCP)成分)を含む。
【0144】
≪(BCP)成分≫
(BCP)成分は、疎水性ポリマーブロック(b11)と親水性ポリマーブロック(b21)とが結合した高分子化合物である。
疎水性ポリマーブロック(b11)(ブロック(b11))とは、水との親和性が相対的に異なる複数のモノマーが用いられ、これら複数のモノマーのうち水との親和性が相対的に低い方のモノマーが重合したポリマー(疎水性ポリマー)からなるブロックをいう。親水性ポリマーブロック(b21)(ブロック(b21))とは、前記複数のモノマーのうち水との親和性が相対的に高い方のモノマーが重合したポリマー(親水性ポリマー)からなるブロックをいう。
【0145】
ブロック(b11)とブロック(b21)とは、相分離が起こる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、互いに非相溶であるブロック同士の組み合わせであることが好ましい。
ブロック(b11)とブロック(b21)とは、ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロック中の少なくとも1種類のブロックからなる相が、他の種類のブロックからなる相よりも容易に除去可能な組み合わせであることが好ましい。
ブロックコポリマーを構成するブロックの種類は、2種類であってもよく、3種類以上であってもよい。
尚、本発明におけるブロックコポリマーは、ブロック(b11)及びブロック(b21)以外の部分構成成分(ブロック)が結合していてもよい。
【0146】
ブロック(b11)、ブロック(b21)としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位((α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位)が繰り返し結合したブロック、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸から誘導される構成単位((α置換)アクリル酸から誘導される構成単位)が繰り返し結合したブロック、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック、アルキレンオキシドから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロック、シルセスキオキサン構造含有構成単位が繰り返し結合したブロック等が挙げられる。
【0147】
スチレン誘導体としては、上記第1のポリマーブロック(A)で挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリル酸エステルとしては、上記第2のポリマーブロック(B)で挙げたものと同様のものが挙げられる。
【0148】
シロキサン又はその誘導体としては、例えば、ジメチルシロキサン、ジエチルシロキサン、ジフェニルシロキサン、メチルフェニルシロキサン等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソプロピレンオキシド、ブチレンオキシド等が挙げられる。
シルセスキオキサン構造含有構成単位としては、かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位が好ましい。かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位を提供するモノマーとしては、かご型シルセスキオキサン構造と重合性基とを有する化合物が挙げられる。
【0149】
(BCP)成分としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;アルキレンオキシドから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;アルキレンオキシドから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;かご型シルセスキオキサン構造含有構成単位が繰り返し結合したブロックと、シロキサン又はその誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物等が挙げられる。
【0150】
上記の中でも、(BCP)成分としては、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物;スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物が好ましく、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物がより好ましく、スチレン又はスチレン誘導体から誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が繰り返し結合したブロックと、が結合した高分子化合物がさらに好ましい。
具体的には、ポリスチレン-ポリメチルメタクリレート(PS-PMMA)ブロックコポリマー、ポリスチレン-ポリエチルメタクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン-(ポリ-t-ブチルメタクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン-ポリメタクリル酸ブロックコポリマー、ポリスチレン-ポリメチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン-ポリエチルアクリレートブロックコポリマー、ポリスチレン-(ポリ-t-ブチルアクリレート)ブロックコポリマー、ポリスチレン-ポリアクリル酸ブロックコポリマー等が挙げられる。これらの中でも、PS-PMMAブロックコポリマーが特に好ましい。
【0151】
(BCP)成分を構成する各ポリマーの質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、相分離を起こすことが可能な大きさであれば特に限定されるものではないが、5,000~500,000が好ましく、5,000~400,000がより好ましく、5,000~300,000がさらに好ましい。
【0152】
(BCP)成分の数平均分子量(Mn)は、相分離を起こすことが可能な大きさであれば特に限定されるものではないが、5,000~100,000が好ましく、20,000~60,000がより好ましく、20,000~50,000がさらに好ましい。
(BCP)成分の分子量分散度(Mw/Mn)は、1.0~3.0が好ましく、1.0~1.5がより好ましく、1.0~1.2がさらに好ましい。
(BCP)成分の周期(ブロックコポリマーの分子1つ分の長さ)は、5~50nmが好ましく、10~40nmがより好ましく、20~30nmがさらに好ましい。
【0153】
ブロックコポリマーを含む層は、(BCP)成分を、有機溶剤に溶解して調製した相分離構造形成用樹脂組成物を成膜することで、形成される。
【0154】
以上説明した本実施形態の下地剤によれば、第1の態様に係るブロックコポリマー(P1)を含むため、ブロックコポリマーを含む層を相分離させた場合に、欠陥の少ない相分離構造を形成させることができる。また、ブロックコポリマーを含む層の相分離性能が良好となる。
【0155】
(相分離構造形成用樹脂組成物)
本発明の第3の態様に係る相分離構造形成用樹脂組成物は、第1の態様に係るブロックコポリマー(P1)を含有することを特徴とする。
【0156】
<ブロックコポリマー(P1)>
ブロックコポリマー(P1)についての説明は、上記と同様である。
本実施形態の下地剤は、ブロックコポリマー(P1)を1種単独で含んでもよく、2種以上を併用してもよい。
【0157】
<任意成分>
本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、所望により、混和性のある添加剤、例えば、下地剤層の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料、増感剤、塩基増殖剤、塩基性化合物(イミダゾール等の含窒素化合物など)等を適宜含有させることができる。
【0158】
≪有機溶剤≫
相分離構造形成用樹脂組成物は、ブロックコポリマー(P1)等の各成分を、有機溶剤に溶解させて製造することができる。
有機溶剤としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、樹脂を主成分とする膜組成物の溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
【0159】
有機溶剤としては、上記(下地剤)において挙げたものと同様のものが挙げられる。
中でも、有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
【0160】
有機溶剤の使用量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には相分離構造形成用樹脂組成物の固形分濃度が0.1~20質量%、好ましくは0.2~15質量%の範囲内となるように用いられる。
【0161】
以上説明した本実施形態の相分離構造形成用樹脂組成物によれば、第1の態様に係るブロックコポリマー(P1)を含むため、相分離性能が良好となる。
【0162】
(相分離構造を含む構造体の製造方法)
本発明の第4の態様に係る相分離構造を含む構造体の製造方法は、基板上に、第2の態様に係る下地剤を塗布し、下地剤層を形成する工程(以下「工程(i)」という。)と、前記下地剤層の上に、ブロックコポリマーを含む層を形成する工程(以下「工程(ii)」という。)と、前記ブロックコポリマーを含む層を相分離させる工程(以下「工程(iii)」という。)と、を含む。
【0163】
以下、相分離構造を含む構造体の製造方法について、
図1を参照しながら具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0164】
図1は、相分離構造を含む構造体の製造方法の一実施形態例を示す。
まず、基板1上に、上述の本発明に係る下地剤を塗布して、下地剤層2を形成する(
図1(I);工程(i))。
次に、下地剤層2上に、複数種類のブロックが結合したブロックコポリマーを含有する組成物(相分離構造形成用樹脂組成物)を塗布して、該ブロックコポリマーを含む層3を形成する(
図1(II);工程(ii))。
次に、加熱してアニール処理を行い、該ブロックコポリマーを含む層3を、相3aと相3bとに相分離させる(
図1(III);工程(iii))。
上述した本実施形態の製造方法、すなわち、工程(i)~(iii)を有する製造方法によれば、下地剤層2が形成された基板1上に、相分離構造を含む構造体3’が製造される。
【0165】
[工程(i)]
工程(i)では、基板1上に、前記下地剤を塗布して、下地剤層2を形成する。
支持体1上に下地剤層2を設けることによって、支持体1表面と、ブロックコポリマーを含む層(BCP層)3と、の親水疎水バランスが図れる。また、下地剤層2を介して、ブロックコポリマーを含む層(BCP層)3の基板に対する密着性が向上する。
これに伴い、BCP層3の相分離によって、支持体1表面に対して垂直方向に配向された相分離構造が形成されやすくなる。
【0166】
基板1は、その表面上に相分離構造形成用樹脂組成物を塗布し得るものであれば、その種類は特に限定されない。例えば、金属(シリコン、銅、クロム、鉄、アルミニウム等)、ガラス、酸化チタン、二酸化ケイ素(SiO2)、シリカ、マイカなどの無機物からなる基板;SiN等窒化物からなる基板;SiON等の酸化窒化物からなる基板;アクリル、ポリスチレン、セルロース、セルロースアセテート、フェノール樹脂などの有機物からなる基板が挙げられる。これらの中でも、金属の基板1に好適であり、例えばシリコン基板(Si基板)、二酸化ケイ素基板(SiO2基板)又は銅基板(Cu基板)において、シリンダー構造の構造体が形成される。中でも、Si基板、SiO2基板に特に好適である。
基板1の大きさや形状は、特に限定されるものではない。基板1は、必ずしも平滑な表面を有する必要はなく、様々な形状の基板を適宜選択できる。例えば、曲面を有する基板、表面が凹凸形状の平板、薄片状などの形状の基板が挙げられる。
【0167】
基板1の表面には、無機系および/または有機系の膜が設けられていてもよい。
無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)が挙げられる。
無機系の膜は、例えば、シリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を、基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、例えば、該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200~300℃、好ましくは30~300秒間、より好ましくは60~180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。この有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、感受性を有するものであってもよく、有しないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、層3を加工して形成される、ブロックコポリマーからなるパターン、を用いて有機系の膜をエッチングすることにより、該パターンを有機系の膜へ転写し、有機系の膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機系の膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機系の膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、日産化学工業株式会社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業株式会社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
【0168】
下地剤を基板1上に塗布して下地剤層2を形成する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により形成できる。
たとえば、下地剤を、スピンコート又はスピンナーを用いる等の従来公知の方法により基板1上に塗布して塗膜を形成し、乾燥させることにより、下地剤層2を形成できる。
塗膜の乾燥方法としては、下地剤に含まれる溶媒を揮発させることができればよく、たとえばベークする方法等が挙げられる。この際、ベーク温度は、80~300℃が好ましく、180~270℃がより好ましく、220~250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30~500秒間が好ましく、60~400秒間がより好ましい。
塗膜の乾燥後における下地剤層2の厚さは、10~100nm程度が好ましく、30~90nm程度がより好ましい。
【0169】
基板1に下地剤層2を形成する前に、基板1の表面は、予め洗浄されていてもよい。基板1表面を洗浄することにより、下地剤の塗布性が向上する。
洗浄処理方法としては、従来公知の方法を利用でき、例えば酸素プラズマ処理、オゾン酸化処理、酸アルカリ処理、化学修飾処理等が挙げられる。
【0170】
下地剤層2を形成した後、必要に応じて、溶剤等のリンス液を用いて下地剤層2をリンスしてもよい。該リンスにより、下地剤層2中の未架橋部分等が除去されるため、相分離構造形成用樹脂組成物に含まれるブロックコポリマーとの親和性が向上し、基板1表面に対して垂直方向に配向された相分離構造が形成されやすくなる。
リンス液は、未架橋部分を溶解し得るものであればよく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)等の溶剤、又は市販のシンナー液等を用いることができる。
該洗浄後は、リンス液を揮発させるため、ポストベークを行ってもよい。このポストベークの温度条件は、80~300℃が好ましく、100~270℃がより好ましく、120~250℃がさらに好ましい。ベーク時間は、30~500秒間が好ましく、60~240秒間がより好ましい。かかるポストベーク後における下地剤層2の厚さは、1~20nm程度が好ましく、2~10nm程度がより好ましい。
【0171】
[工程(ii)]
工程(ii)では、下地剤層2の上に、ブロックコポリマーを含む層3を形成する。
下地剤層2の上に層3を形成する方法としては、特に限定されるものではなく、例えばスピンコート又はスピンナーを用いる等の従来公知の方法により、下地剤層2上に相分離構造形成用樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、乾燥させる方法が挙げられる。
【0172】
相分離構造形成用樹脂組成物としては、ブロックコポリマーを有機溶剤に溶解してなるものが挙げられる。相分離構造形成用樹脂組成物は、第3の態様に係る相分離構造形成用樹脂組成物でもよく、他のブロックコポリマーを含むものでもよい。
【0173】
層3の厚さは、相分離が起こるために充分な厚さであればよく、基板1の種類、又は、形成される相分離構造の構造周期サイズもしくはナノ構造体の均一性等を考慮すると、10~100nmが好ましく、20~80nmがより好ましい。
例えば、基板1がSi基板又はSiO2基板の場合、層3の厚さは、10~100nmが好ましく、20~80nmがより好ましい。
基板1がCu基板の場合、層3の厚さは、10~100nmが好ましく、20~80nmがより好ましい。
【0174】
[工程(iii)]
工程(iii)では、ブロックコポリマーを含む層3を相分離させる。
工程(ii)後の基板1を加熱してアニール処理を行うことにより、ブロックコポリマーの選択除去によって、基板1表面の少なくとも一部が露出するような相分離構造が形成する。すなわち、基板1上に、相3aと相3bとに相分離した相分離構造を含む構造体3’が製造される。
アニール処理の温度条件は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ、熱分解温度未満で行うことが好ましい。例えばブロックコポリマーがポリスチレン-ポリメチルメタクリレート(PS-PMMA)ブロックコポリマー(質量平均分子量5000~100000)の場合には、180~270℃が好ましい。加熱時間は、30~3600秒間が好ましい。
アニール処理は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
【0175】
[任意工程]
相分離構造を含む構造体の製造方法は、上述した実施形態に限定されず、工程(i)~(iii)以外の工程(任意工程)を有してもよい。
任意工程としては、ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する工程(以下「工程(iv)」という。)、ガイドパターン形成工程等が挙げられる。
【0176】
・工程(iv)について
工程(iv)では、下地剤層の上に形成された、ブロックコポリマーを含む層のうち、前記ブロックコポリマーを構成する複数種類のブロックのうちの少なくとも一種類のブロックからなる相を選択的に除去する。これにより、微細なパターン(高分子ナノ構造体が形成される。
【0177】
ブロックからなる相を選択的に除去する方法としては、ブロックコポリマーを含む層に対して酸素プラズマ処理を行う方法、水素プラズマ処理を行う方法等が挙げられる。
尚、以下において、ブロックコポリマーを構成するブロックのうち、選択的に除去されないブロックをPAブロック、選択的に除去されるブロックをPBブロックという。例えば、PS-PMMAブロックコポリマーを含む層を相分離した後、該層に対して酸素プラズマ処理や水素プラズマ処理等を行うことにより、PMMAからなる相が選択的に除去される。この場合、PS部分がPAブロックであり、PMMA部分がPBブロックである。
【0178】
図2は、工程(iv)の一実施形態例を示す。
図2に示す実施形態においては、工程(iii)で基板1上に製造された構造体3’に、酸素プラズマ処理を行うことによって、相3aが選択的に除去され、離間した相3bからなるパターン(高分子ナノ構造体)が形成されている。この場合、相3bがP
Aブロックからなる相であり、相3aがP
Bブロックからなる相である。
【0179】
上記のようにして、ブロックコポリマーからなる層3の相分離によってパターンが形成された基板1は、そのまま使用することもできるが、さらに加熱することにより、基板1上のパターン(高分子ナノ構造体)の形状を変更することもできる。
加熱の温度条件は、用いるブロックコポリマーのガラス転移温度以上であり、かつ、熱分解温度未満が好ましい。また、加熱は、窒素等の反応性の低いガス中で行われることが好ましい。
【0180】
・ガイドパターン形成工程について
相分離構造を含む構造体の製造方法においては、工程(i)と工程(ii)との間に、下地剤層上にガイドパターンを設ける工程(ガイドパターン形成工程)を有してもよい。これにより、相分離構造の配列構造制御が可能となる。
例えば、ガイドパターンを設けない場合に、ランダムな指紋状の相分離構造が形成されるブロックコポリマーであっても、下地剤層表面にレジスト膜の溝構造を設けることにより、その溝に沿って配向した相分離構造が得られる。このような原理で、下地剤層2上にガイドパターンを設けてもよい。また、ガイドパターンの表面が、ブロックコポリマーを構成するいずれかのポリマーと親和性を有することにより、基板表面に対して垂直方向に配向されたシリンダー構造からなる相分離構造が形成しやすくなる。
【0181】
ガイドパターンは、例えばレジスト組成物を用いて形成できる。
ガイドパターンを形成するレジスト組成物は、一般的にレジストパターンの形成に用いられるレジスト組成物やその改変物の中から、ブロックコポリマーを構成するいずれかのポリマーと親和性を有するものを適宜選択して用いることができる。該レジスト組成物としては、レジスト膜露光部が溶解除去されるポジ型パターンを形成するポジ型レジスト組成物、レジスト膜未露光部が溶解除去されるネガ型パターンを形成するネガ型レジスト組成物のいずれであってもよいが、ネガ型レジスト組成物であることが好ましい。ネガ型レジスト組成物としては、例えば、酸発生剤と、酸の作用により有機溶剤を含有する現像液への溶解性が酸の作用により減少する基材成分とを含有し、該基材成分が、酸の作用により分解して極性が増大する構成単位を有する樹脂成分、を含有するレジスト組成物が好ましい。
ガイドパターンが形成された下地剤層上にBCP組成物が流し込まれた後、相分離を起こすためにアニール処理が行われる。このため、ガイドパターンを形成するレジスト組成物としては、耐溶剤性と耐熱性とに優れたレジスト膜を形成し得るものであることが好ましい。
【0182】
以上説明した本実施形態の相分離構造を含む構造体の製造方法によれば、第2の態様に係る下地剤を用いているため、欠陥の少ない相分離構造を形成することができる。また、基板表面に対して垂直方向に配向された相分離構造を形成させやすい。
【実施例0183】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0184】
(ブロックコポリマーの合成:P1-1)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE1>
二口フラスコに、イミダゾール(7.05g、103mmol)、及び6-クロロ-1-ヘキサノール(7.10g、52.0mmol)を加え、窒素置換を行った。窒素雰囲気下で超脱水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(160mL)を加え、氷浴で冷却したところにtert-ブチルジメチルシリルクロリド(30.7g、203mmol)を加えた。さらに超脱水DMF(160mL)を加え、氷浴中で1時間、室温で2時間撹拌した。その後、水を加えて反応をクエンチし、ヘキサンによる抽出、水による洗浄を3回ずつ繰り返した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。その後、溶媒を減圧留去し、ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶媒を減圧留去することで中間体Int(1-1)を得た(12.4g、収率95%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.02(s,6H,-Si(CH3)2),0.89(s,9H,-SiC(CH3)3),1.30-1.60(m,6H,-CH2CH2CH2-),1.75-1.82(m,2H,ClCH2CH2-),3.54(t,2H,ClCH2-),3.61(t,2H,-CH2O-).
【0185】
【0186】
二口フラスコにInt(1-1)(11.7g、46.5mmol)を加え、4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)、炭酸カリウム(6.50g、47.1mmol)、ヨウ化カリウム(0.405g、2.45mmol)、及びDMF(125mL)を加えた。60℃で48時間撹拌した後、水を加えて反応をクエンチし、ヘキサンによる抽出、水による洗浄を3回ずつ繰り返した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した。その後、溶媒を減圧留去し、ヘキサン:酢酸エチル=10:1の混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶媒を減圧留去することで中間体Int(2-1)を得た(3.75g、収率75%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,12H,-Si(CH3)2),0.90(s,18H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,12H,-CH2CH2CH2-),1.79-1.86(m,4H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,4H,-CH2OSi-),4.03(t,4H,-ArOCH2-),6.94(d,4H,Ar),7.77(d,4H,Ar).
【0187】
【0188】
二口フラスコにInt(2-1)(3.02g、4.70mmol)を加え、二口フラスコ内を減圧しながらドライヤーで加熱した。氷浴で冷却しながら、tert-ブトキシカリウム(1.07g、9.54mmol)、及びメチルトリフェニルホスホニウムブロミド(5.04g、14.1mmol)を加え、窒素置換を行った。窒素雰囲気下でテトラヒドロフラン(THF)(120mL)加え、氷浴中で1時間、室温で16時間撹拌した。その後、水を加えて反応をクエンチし、ジエチルエーテルによる抽出、及び水による洗浄を3回ずつ繰り返した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥し、溶媒を減圧留去したものにヘキサンを加えて、生じた白色の沈殿物をヘキサンで洗浄しながら濾過することにより取り除いた。再度溶媒を減圧留去し、ヘキサン:酢酸エチル=20:1の混合溶媒を用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶媒を減圧留去することでDPE1を得た(2.98g、収率99%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,12H,-Si(CH3)2),0.90(s,18H,-SiC(CH3)3),1.36-1.61(m,12H,-CH2CH2CH2-),1.76-1.83(m,4H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,4H,-CH2OSi-),3.97(t,4H,-ArOCH2-),5.28(s,2H,C=CH2),6.84(d,4H,Ar),7.26(d,4H,Ar).
【0189】
【0190】
<BCP前駆体の合成:Pre(1)>
シュレンク管にDPE1(0.134g、0.209mmol)を秤量し、シュレンク管内を減圧しながらヒートガンで加熱した。もうひとつのシュレンク管にアルゴン(Ar)雰囲気下でTHFを加え、-78℃に冷却して溶液が黄色に呈色するまでsec-ブチルリチウムを加えた。THFの凍結脱気操作を行い、それに続くtrap-to-trap蒸留により、DPE1が存在するシュレンク管にTHFを移し、DPE1のTHF溶液を調製した。
シュレンク管に塩化リチウム(10.3mg、0.243mmol)を秤量し、シュレンク管内を減圧しながらヒートガンで加熱した。シュレンク管を室温に戻した後、THF(20mL)を加え、-78℃に冷却した。sec-ブチルリチウム(0.3mL)を加え、溶液の色が透明から黄色に変化したことを確認した。その後、室温で黄色が消失するまで撹拌した。再び-78℃に冷却し、開始剤量のsec-ブチルリチウム(32.5μL、0.0400mmol)を加えた後、スチレン(1.03mL、8.99mmol)を加え、30分間撹拌した。次に、調製したDPE1のTHF溶液を全量滴下し、30分撹拌した。続いて、メチルメタクリレート(0.790mL、7.43mmol)を加え、30分間撹拌した。最後に、Arバブリングを施した過剰量のメタノール(3mL)を加え、反応をクエンチした。シュレンク管内のTHF溶液を、メタノール(400mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、その後シクロヘキサンを用いたソックスレー抽出により、重合中に生じたオリゴマー成分を取り除いた。円筒濾紙内の固体をTHF(20mL)に溶解させ、メタノール(400mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、前駆体Pre(1)を得た(1.18g、収率70%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(1)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ40.9kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0191】
【0192】
<BCPの合成:P1-1>
二口フラスコにPre(1)(202mg、5.05μmol)を秤量し、Ar置換を行った。THF(1.25mL)を加えた後に、Ar雰囲気下でフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.75mL、150μmol)を加え、室温で24時間撹拌した。二口フラスコ内のTHF溶液をメタノール(40mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、P1-1を得た(197mg、収率98%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-1のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.4kg mol-1及び1.03であった。tert-ブチルジメチルシリル基(TBDMS)由来の1H-NMRピーク消失によって、P1-1の合成を確認した。
【0193】
【0194】
(ブロックコポリマーの合成:P1-2)
<BCP前駆体の合成:Pre(2)>
スチレンの使用量を(0.65mL、5.7mmol)に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.59mL、5.5mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(2)を得た(0.69g、収率60%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定した前駆体2のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ28.2kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0195】
【0196】
<BCPの合成:P1-2>
Pre(1)をPre(2)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-2を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-2のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ28.5kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-2の合成を確認した。
【0197】
【0198】
(ブロックコポリマーの合成:P1-3)
<BCP前駆体の合成:Pre(3-1)>
スチレンを、スチレン(0.83mL、7.2mmol)と4-トリメチルシリルスチレン(0.19mL、0.94mmol)との混合モノマーに変更し、メチルメタクリレートを、メチルメタクリレート(0.67mL、6.2mmol)とグリシジルメタクリレート(0.15mL、1.2mmol)との混合モノマーに変更したこと以外は、Pre1と同様の方法で、前駆体Pre(3-1)を得た(1.13g、収率66%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(3-1)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ42.5kg mol-1及び1.05であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.20-0.30(-PhSi(CH3)3,PTMSS),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMAandPGMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PSandPTMSS),1.74-2.02(-CH2CH-,PSandPTMSS,-CH2C(CH3)-,PMMAandPGMA),
2.63(-CH2-CH(CH2)-O-,PGMA),2.84(-CH2CH(CH2)-O-,PGMA),3.60(-COOCH3,PMMA),3.79(-(C=O)O-CH2-,PGMA),4.28(-(C=O)O-CH2-,PGMA),6.20-7.50(Ar,PSandPTMSS).
【0199】
【0200】
<BCP前駆体の合成:Pre(3-2)>
二口フラスコにPre(3-1)(1.00g、23.5μmol)とTHF(5mL)を加え、氷浴させた後に1wt%水酸化リチウム水溶液(LiOH 0.05モル等量/GMAユニット)及び2,2,2-トリフルオロエタンチオール(2モル等量/GMAユニット)を添加した。室温で20分間撹拌した後、40℃で3時間撹拌した。二口フラスコ内のTHF溶液をメタノール(50mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、前駆体Pre(3-2)を得た(0.95g、収率95%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(3-2)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ45.0kg mol-1及び1.05であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.20-0.30(-PhSi(CH3)3,PTMSS),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMAandPHFMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PSandPTMSS),1.74-2.02(-CH2CH-,PSandPTMSS,-CH2C(CH3)-,PMMAandPHFMA),
2.85(-CH(OH)-CH2-S-,PHFMA),3.20-3.45(-S-CH2-CF3,PHFMA),3.60(-COOCH3,PMMA),3.79(-(C=O)O-CH2-,PHFMA),
3.95-4.20(-CH(OH)-,PHFMA),4.45-4.57(-CH(OH)-,PHFMA),6.20-7.50(Ar,PSandPTMSS).
【0201】
【0202】
<BCPの合成:P1-3>
Pre(1)をPre(3-2)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-3を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-3のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ45.6kg mol-1及び1.05であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-3の合成を確認した。
【0203】
【0204】
(ブロックコポリマーの合成:P1-4)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE2>
4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)を4-ヒドロキシベンゾフェノン(1.56g、7.87mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、中間体Int(2-2)を得た(2.43g、収率75%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,6H,-CH2CH2CH2-),1.79-1.86(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),4.03(t,2H,-ArOCH2-),6.94(d,2H,Ar),7.48(t,2H,Ar),7.53(m,1H,Ar),7.72(d,2H,Ar),7.77(d,2H,Ar).
【0205】
【0206】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-2)(1.94g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE2を得た(1.83g、収率95%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.36-1.61(m,6H,-CH2CH2CH2-),1.76-1.83(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),3.97(t,2H,-ArOCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),6.83(d,2H,Ar),7.26(d,4H,Ar),7.30-7.34(m,3H,Ar).
【0207】
【0208】
<BCP前駆体の合成:Pre(4)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE2(0.086g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE2のTHF溶液を調製した。
【0209】
スチレンの使用量を(1.05mL、9.21mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE2のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.91mL、8.6mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(4)を得た(1.20g、収率66%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(4)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ44.0kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0210】
【0211】
<BCPの合成:P1-4>
Pre(1)をPre(4)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-4を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-4のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ44.6kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.85,1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0212】
【0213】
(ブロックコポリマーの合成:P1-5)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE3>
6-クロロ-1-ヘキサノール(7.10g、52.0mmol)を10-クロロー1-デカノール(10.0g、51.9mmol)に変更したこと以外は、Int(1-1)と同様の方法で、中間体Int(1-2)を得た(15.0g、収率94%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.02(s,6H,-Si(CH3)2),0.89(s,9H,-SiC(CH3)3),1.30-1.60(m,14H,-(CH2)7-),1.75-1.82(m,2H,ClCH2CH2-),3.54(t,2H,ClCH2-),3.61(t,2H,-CH2O-).
【0214】
【0215】
4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)を4-フルオロ-4’-ヒドロキシベンゾフェノン(1.70g、7.86mmol)に変更し、Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)をInt(1-2)(14.3g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、中間体Int(2-3)を得た(3.06g、収率80%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,14H,-(CH2)7-),1.79-1.86(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),4.03(t,2H,-ArOCH2-),7.03(d,2H,Ar),7.39(d,2H,Ar),7.72-7.74(m,4H,Ar).
【0216】
【0217】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-3)(2.28g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE3を得た(2.19g、収率96%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,14H,-(CH2)7-),1.79-1.86(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),3.97(t,2H,-ArOCH2-),5.34(s,2H,C=CH2),6.88(d,2H,Ar),7.24(d,2H,Ar),7.32-7.34(m,4H,Ar).
【0218】
【0219】
<BCP前駆体の合成:Pre(5)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE3(0.101g、0.209mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE3のTHF溶液を調製した。
【0220】
スチレンの使用量を(1.11mL、9.69mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE3のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(1.13mL、10.6mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre5を得た(1.47g、収率73%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(5)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ50.4kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0221】
【0222】
<BCPの合成:P1-5>
Pre(1)をPre(5)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、P1-5を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-5のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ51.0kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-5の合成を確認した。
【0223】
【0224】
(ブロックコポリマーの合成:P1-6)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE4>
6-クロロ-1-ヘキサノール(7.10g、52.0mmol)を2-[2-(2-クロロエトキシ)エトキシ]エタノール(8.77g、52.0mmol)に変更したこと以外は、Int(1-1)と同様の方法で、中間体Int(1-3)を得た(13.5g、収率92%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.02(s,6H,-Si(CH3)2),0.89(s,9H,-SiC(CH3)3),3.52-3.65(m,8H,-CH2OCH2CH2OCH2-),3.83(t,2H,ClCH2-),3.96(t,2H,-CH2OSi-).
【0225】
【0226】
Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)をInt(1-3)(13.2g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-2)と同様の方法で、中間体Int(2-4)を得た(2.69g、6.06mmol)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),3.52-3.59(m,6H,-CH2OCH2CH2OCH2-),3.77(t,2H,-ArOCH2CH2-),3.96(t,2H,-CH2OSi-),4.31(t,2H,-ArOCH2-),6.95(d,2H,Ar),7.50-7.53(m,3H,Ar),7.73(d,2H,Ar),7.81(d,2H,Ar).
【0227】
【0228】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-4)(2.09g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE4を得た(1.96g、4.42mmol)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),3.52-3.59(m,6H,-CH2OCH2CH2OCH2-),3.77(t,2H,-ArOCH2CH2-),3.96(t,2H,-CH2OSi-),4.31(t,2H,-ArOCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),6.88(d,2H,Ar),7.33-7.38(m,7H,Ar).
【0229】
【0230】
<BCP前駆体の合成:Pre(6)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE4(0.925g、0.209mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE4のTHF溶液を調製した。
【0231】
スチレンの使用量を(0.83mL、7.3mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE4のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.92mL、8.6mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(6)を得た(1.10g、収率68%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(6)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ39.5kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0232】
【0233】
<BCPの合成:P1-6>
Pre(1)をPre(6)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-6を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-6のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ40.0kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-6の合成を確認した。
【0234】
【0235】
(ブロックコポリマーの合成:P1-7)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE5>
Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)を4-(4-クロロブチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(8.96g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、Int(2-5)を得た(3.1g、収率75%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,12H,>C(CH3)2),1.25-1.38(m,8H,-CH2CH3CH<),1.69(q,4H,-OCH2CH2CH2-),3.62(d,2H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,4H,>CHCH2-),4.06(t,4H,-ArOCH2-),7.03(d,4H,Ar),7.73(d,4H,Ar)
【0236】
【0237】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-5)(2.48g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE5を得た(2.24g、収率91%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,12H,>C(CH3)2),1.25-1.38(m,8H,-CH2CH3CH<),1.69(q,4H,-OCH2CH2CH2-),3.62(d,2H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,4H,>CHCH2-),4.06(t,4H,-ArOCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),6.88(d,4H,Ar),7.34(d,4H,Ar)
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=22.61,26.20,29.97,31.99,68.70,69.20,77.82,114.20-114.31,119.25,129.00,133.24,150.20,158.68.
【0238】
【0239】
<BCP前駆体の合成:Pre(7)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE5(0.110g、0.210mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE5のTHF溶液を調製した。
【0240】
スチレンの使用量を(1.09mL、9.49mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE5のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.84mL、7.8mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(7)を得た(1.17g、収率66%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(7)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ43.0kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.85(α-CH3,PMMA),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=16.37-16.47,18.56,22.60,25.90,26.20,29.90,40.20-40.42,44.43,44.75,51.73,52.36,54,04-54.31,69.20,77.80,119.20,125.37-125.52,127.18-128.14,145.15-145.54,176.88,177.70,178.00.
【0241】
【0242】
<BCPの合成:P1-7>
二口フラスコに前駆体7(1.00g、24.4μmol)を秤量し、THF(5.0mL)を加えた後に、1N塩酸(0.10mL)を加え、50℃で2時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、炭酸水素ナトリウム(0.09g)を加えて10分間撹拌し、固形分を濾過により取り除いた。濾液をメタノール(150mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、P1-7を得た(0.90g、収率90%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-7のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ43.5kg mol-1及び1.03であった。2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン由来の13C-NMRピーク消失によってP1-7の合成を確認した。
【0243】
【0244】
(ブロックコポリマーの合成:P1-8)
<BCP前駆体の合成:Pre(8)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)を1,1-ビス[4-[(tert-ブチル)ジメチルシロキシ]フェニル]エチレン(0.092g、0.21mmol)(R. P. Quirk, Y. Wang, Polym. Int. 1993, 31, 51)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、1,1-ビス[4-[(tert-ブチル)ジメチルシロキシ]フェニル]エチレンのTHF溶液を調製した。
【0245】
スチレンの使用量を(1.10mL、9.61mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液を1,1ービス[4-[(tert-ブチル)ジメチルシロキシ]フェニル]エチレンのTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.99mL、9.3mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(8)を得た(1.32g、収率68%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(8)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ46.9kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0246】
【0247】
<BCPの合成:P1-8>
Pre(1)をPre(8)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-8を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-8のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ47.5kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-8の合成を確認した。
【0248】
【0249】
(ブロックコポリマーの合成:P1-9)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE6>
4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)をビス[3-(ブロモメチル)フェニル]メタノン(2.89g、7.85mmol)に変更し、Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)を3-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-1-プロパノール(8.85g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、中間体Int(2-6)を得た(3.41g、収率74%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,12H,-Si(CH3)2),0.90(s,18H,-SiC(CH3)3),1.82(q,4H,-OCH2CH2CH2O-),3.35(t,4H,-ArCH2OCH2-),3.77(t,4H,-CH2OSi-),4.80(m,4H,-ArCH2-),7.37(m,2H,Ar),7.66-7.71(m,6H,Ar).
【0250】
【0251】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-6)(2.76g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE6を得た(2.42g、収率88%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,12H,-Si(CH3)2),0.90(s,18H,-SiC(CH3)3),1.82(q,4H,-OCH2CH2CH2O-),3.35(t,4H,-ArCH2OCH2-),3.77(t,4H,-CH2OSi-),4.80(m,4H,-ArCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),7.22(m,2H,Ar),7.28-7.35(m,6H,Ar).
【0252】
【0253】
<BCP前駆体の合成:Pre(9)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE6(0.122g、0)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE6のTHF溶液を調製した。
【0254】
スチレンの使用量を(1.03mL、8.98mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE6のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.82mL、7.7mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(9)を得た(1.06g、収率62%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(9)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.5kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0255】
【0256】
<BCPの合成:P1-9>
Pre(1)をPre(9)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-9を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-9のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ42.0kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-9の合成を確認した。
【0257】
【0258】
(ブロックコポリマーの合成:P1-10)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE7>
4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)を3-ベンゾイルベンジルブロミド(2.16g、7.85mmol)に変更し、Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)を6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]ー1-ヘキサノール(10.8g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、中間体Int(2-7)を得た(2.48g、収率74%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,6H,-CH2CH2CH2-),1.79-1.86(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.35(t,2H,ArCH2OCH2-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),4.80(m,2H,-ArCH2-),7.37(m,1H,Ar),7.51(m,2H,Ar),7.61-7.68(m,4H,Ar),7.81(d,2H,Ar).
【0259】
【0260】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-7)(2.01g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE7を得た(1.74g、収率87%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.38-1.61(m,6H,-CH2CH2CH2-),1.79-1.86(m,2H,-CH2CH2OSi-),3.35(t,2H,ArCH2OCH2-),3.62(t,2H,-CH2OSi-),4.80(m,2H,-ArCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),7.22(m,1H,Ar),7.28-7.37(m,8H,Ar).
【0261】
【0262】
<BCP前駆体の合成:Pre(10)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE7(0.089g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE7のTHF溶液を調製した。
【0263】
スチレンの使用量を(1.04mL、9.12mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE7のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.80mL、7.5mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(10)を得た(1.02g、収率60%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(10)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.2kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0264】
【0265】
<BCPの合成:P1-10>
Pre(1)をPre(10)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-10を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-10のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.7kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-10の合成を確認した。
【0266】
【0267】
(ブロックコポリマーの合成:P1-11)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE8>
6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]ー1-ヘキサノール(10.8g、46.5mmol)をInt(1-3)(13.2g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-7)と同様の方法で、中間体Int(2-8)を得た(2.70g、収率75%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),3.52-3.59(m,10H,-OCH2CH2OCH2CH2OCH2-),3.96(t,2H,-CH2OSi-),4.80(t,2H,ArCH2-),7.37(m,1H,Ar),7.51-7.81(m,8H,Ar).
【0268】
【0269】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-8)(2.16g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE8を得た(1.87g、収率87%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),3.52-3.59(m,10H,-OCH2CH2OCH2CH2OCH2-),3.96(t,2H,-CH2OSi-),4.80(t,2H,ArCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),7.22-7.37(m,9H,Ar).
【0270】
【0271】
<BCP前駆体の合成:Pre(11)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE8(0.096g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE8のTHF溶液を調製した。
【0272】
スチレンの使用量を(1.01mL、8.87mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE8のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.88mL、8.3mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(11)を得た(1.19g、収率68%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(11)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ42.5kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0273】
【0274】
<BCPの合成:P1-11>
Pre(1)をPre(11)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-11を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-111のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ43.0kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-11の合成を確認した。
【0275】
【0276】
(ブロックコポリマーの合成:P1-12)
<BCP前駆体の合成:Pre(12)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)を1,1-ビス[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル)フェニル]エテン(0.098g、0.21mmol)(Synthesis of Chain-End-Functionalized Poly(methyl methacrylate)s with a Definite Number of Benzyl Bromide Moieties and Their Application to Star-Branched Polymers | Macromolecules (acs.org))に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、1,1-ビス[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル)フェニル]エテンのTHF溶液を調製した。
【0277】
スチレンの使用量を(1.05mL、9.17mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液を1,1-ビス[3-(tert-ブチルジメチルシリルオキシメチル)フェニル]エテンのTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.81mL、7.6mmol)に変更したこと以外は、Pre1と同様の方法で、前駆体Pre(12)を得た(1.10g、収率64%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(12)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.5kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0278】
【0279】
<BCPの合成:P1-12>
Pre(1)をPre(12)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-12を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-12のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ42.0kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-12の合成を確認した。
【0280】
【0281】
(ブロックコポリマーの合成:P1-13)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE9>
6-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]-1-ヘキサノール(10.8g、46.5mmol)を4-(4-ヒドロキシブチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(8.10g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-7)と同様の方法で、中間体Int(2-9)を得た(2.14g、収率74%)。
1H NMR (CDCl3, 400 MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.25-1.44(m,6H,-CH2CH2CH2CH<),3.35(t,2H,-OCH2CH2CH2-),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),4.80(m,2H,ArCH2-),7.37(m,1H,Ar),7.51-7.81(m,8H,Ar).
【0282】
【0283】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-9)(1.73g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE9を得た(1.48g、収率86%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.25-1.44(m,6H,-CH2CH2CH2CH<),3.35(t,2H,-OCH2CH2CH2-),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),4.80(m,2H,ArCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),7.22-7.37(m,9H,Ar).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=22.61,26.20,30.33,31.99,69.20,70.04,73.41,77.82,114.20,119.25,125.00,127.46-128.60,137.44,139.97,141.66,150.20.
【0284】
【0285】
<BCP前駆体の合成:Pre(13)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE9(0.077g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE9のTHF溶液を調製した。
【0286】
スチレンの使用量を(1.06mL、9.25mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE9のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.75mL、7.0mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(13)を得た(1.15g、収率69%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(13)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ40.2kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.85(α-CH3,PMMA),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=16.37-16.47,18.56,22.61,25.90,26.20,29.90,30.35,40.20-40.42,44.43,44.75,51.73,52.36,54,04-54.31,69.20,70.04,77.80,119.25,125.37-125.52,127.18-128.14,145.15-145.54,176.88,177.70,178.00.
【0287】
【0288】
<BCPの合成:P1-13>
Pre(7)をPre(13)に変更したこと以外は、P1-7と同様の方法で、P1-13を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-13のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ40.7kg mol-1及び1.03であった。2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン由来の13C-NMRピーク消失によってP1-13の合成を確認した。
【0289】
【0290】
(ブロックコポリマーの合成:P1-14)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE10>
6-クロロ-1-ヘキサノール(7.10g、52.0mmol)を[4-(3-ヒドロキシプロピル)フェニル]フェニルメタノン(12.5g、52.0mmol)に変更したこと以外は、Int(1-1)と同様の方法で、中間体Int(2-10)を得た(12.9g、収率70%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.87(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.77(t,2H,-CH2O-),6.92(d,2H,Ar),7.51(m,2H,Ar),7.61-7.72(m,3H,Ar),7.81(d,2H,Ar).
【0291】
【0292】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-10)(1.67g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE10を得た(1.38g、収率83%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.87(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.77(t,2H,-CH2O-),5.32(s,2H,C=CH2),6.77(d,2H,Ar),7.34-7.37(m,7H,Ar).
【0293】
【0294】
<BCP前駆体の合成:Pre(14)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE10(0.074g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE10のTHF溶液を調製した。
【0295】
スチレンの使用量を(0.91mL、8.0mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE10のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.89mL、8.4mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(14)を得た(1.02g、収率61%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(14)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ40.6kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0296】
【0297】
<BCPの合成:P1-14>
Pre(1)をPre(14)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-14を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-14のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.1kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-14の合成を確認した。
【0298】
【0299】
(ブロックコポリマーの合成:P1-15)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE11>
4,4’-ジヒドロキシベンゾフェノン(1.69g、7.85mmol)を[4-(3-ブロモプロピル)フェニル]フェニルメタノン(1.38g、7.85mmol)(Journal of Physical Chemistry A (2008), 112(7), 1403-1407.)に変更し、Int(1-1)(11.7g、46.5mmol)を2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]エタノール(8.20g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-1)と同様の方法で、中間体Int(2-11)を得た(2.32g、収率74%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.80(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.35(t,2H,ArCH2CH2CH2O-),3.59(t,2H,-OCH2CH2O-),3.96(t,2H,-OCH2CH2O-),6.92(d,2H,Ar),7.51(m,2H,Ar),7.61-7.72(m,3H,Ar),7.81(d,2H,Ar).
【0300】
【0301】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-11)(1.87g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE11を得た(1.60g、収率86%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),1.80(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.35(t,2H,ArCH2CH2CH2O-),3.59,3.96(t,2H,-OCH2CH2O-),5.32(s,2H,C=CH2),6.77(d,2H,Ar),7.34-7.37(m,7H,Ar).
【0302】
【0303】
<BCP前駆体の合成:Pre(15)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE11(0.083g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE11のTHF溶液を調製した。
【0304】
スチレンの使用量を(1.08mL、9.44mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE11のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(1.02mL、9.53mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(15)を得た(1.26g、収率65%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(15)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ47.0kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0305】
【0306】
<BCPの合成:P1-15>
Pre(1)をPre(15)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-15を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-15のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ47.6kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-15の合成を確認した。
【0307】
【0308】
(ブロックコポリマーの合成:P1-16)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE12>
2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]エタノール(8.20g、46.5mmol)を4-(2-ヒドロキシエチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(6.80g、46.5mmol)に変更したこと以外は、Int(2-11)と同様の方法で、中間体Int(2-12)を得た(2.11g、収率73%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.64(m,2H,-CH2CH<),1.80(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.35(t,4H,-CH2OCH2-),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),6.92(d,2H,Ar),7.51(m,2H,Ar),7.61-7.72(m,3H,Ar),7.81(d,2H,Ar).
【0309】
【0310】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-12)(1.73g、4.70mmol)に変更したこと以外はDPE1と同様の方法で、DPE12を得た(1.43g、収率83%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.64(m,2H,-CH2CH<),1.80(q,2H,ArCH2CH2CH2-),2.77(m,2H,ArCH2-),3.35(t,4H,-CH2OCH2-),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),6.77(d,2H,Ar),7.34-7.37(m,7H,Ar).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=22.61,26.20,31.30,32.00,32.99,69.20-69.30,72.00,75.41,114.20,119.25,125.00,127.46-128.60,134.74,138.95,141.66,150.20.
【0311】
【0312】
<BCP前駆体の合成:Pre(16)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE12(0.077g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE12のTHF溶液を調製した。
【0313】
スチレンの使用量を(1.17mL、10.3mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE12のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.98mL、9.2mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(16)を得た(1.35g、収率68%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(16)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ48.0kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.85(α-CH3,PMMA),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=16.37-16.47,18.56,22.61,25.90,26.20,31.30,32.00,32.99,40.20-40.42,44.43,44.75,51.73,52.36,54.04-54.31,69.20,72.00,75.80,119.25,125.37-125.52,127.18-128.60,134.74,138.95,141.66,145.15-145.54,176.88,177.70,178.00.
【0314】
【0315】
<BCPの合成:P1-16>
Pre(7)をPre(16)に変更したこと以外は、P1-7と同様の方法で、P1-16を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-16のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ48.6kg mol-1及び1.03であった。2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン由来の13C-NMRピーク消失によってP1-16の合成を確認した。
【0316】
【0317】
(ブロックコポリマーの合成:P1-17)
<BCP前駆体の合成:Pre(17)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)を4,5-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2-[4-(1-フェニルエテニル)フェニル]-オキサゾール(0.058g、0.21mmol)(Gabriel J. Summers & Roderic P. Quirk Polymer International 1996, 40, 79.)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、4,5-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2-[4-(1-フェニルエテニル)フェニル]-オキサゾールのTHF溶液を調製した。
【0318】
スチレンの使用量を(0.99mL、8.7mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液を4,5-ジヒドロ-4,4-ジメチル-2-[4-(1-フェニルエテニル)フェニル]-オキサゾールのTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.86mL、8.1mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(17)を得た(1.20g、収率70%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(17)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.4kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.85(α-CH3,PMMA),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),4.08(-OCH2C(CH3)2-,oxazoline)6.39-6.85,6.91-7.42(Ar,PS).
【0319】
【0320】
<BCPの合成:P1-17>
二口フラスコにPre(17)(1.00g、24.2μmol)を秤量し、THF(10.0mL)を加えた後に、6N塩酸(1.0mL)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、固形分を濾過により取り除いた。濾液をメタノール(300mL)に加えて沈殿精製を行った。濾過により回収した固体を40℃で減圧乾燥し、P1-17を得た(0.70g、収率70%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-17のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.9kg mol-1及び1.03であった。オキサゾリン環由来の1H-NMRピーク消失によってP1-17の合成を確認した。
【0321】
【0322】
(ブロックコポリマーの合成:P1-18)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE13>
二口フラスコに2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]エタノール(1.76g、10.0mmol)、ジクロロメタン(50mL)、ピリジン(8.0mL)、4-ジメチルアミノピリジン(3.05g、25.0mmol)を加え、室温で撹拌して完全に溶解させた。溶液を氷浴で冷却したところに4-ベンゾイルベンゾイルクロリド(12.2g、50.0mmol)(Gabriel J. Summers & Roderic P. Quirk Polymer International 1996, 40, 79.)を静かに滴下し、その後室温に戻して2時間撹拌した。反応液を1N塩酸(30mL)で4回洗浄し、合わせた水層をジクロロメタン(50mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムにより乾燥した後、溶媒を減圧留去し、ヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。溶媒を減圧留去することで中間体Int(2-13)を得た(2.70g、収率70%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),4.25,4.44(t,2H,-COOCH2CH2O-),7.51(m,2H,Ar),7.61(m,1H,Ar),7.80-7.82(m,6H,Ar).
【0323】
【0324】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-13)(1.81g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE13を得た(1.49g、収率83%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.05(s,6H,-Si(CH3)2),0.90(s,9H,-SiC(CH3)3),4.25,4.44(t,2H,-COOCH2CH2O-),5.32(s,2H,C=CH2),7.33-7.37(m,5H,Ar),7.45(d,2H,Ar),7.67(d,2H,Ar).
【0325】
【0326】
<BCP前駆体の合成:Pre(18)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE13(0.080g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE13のTHF溶液を調製した。
【0327】
スチレンの使用量を(1.12mL、9.77mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE13のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.73mL、6.9mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(18)を得た(1.16g、収率68%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(18)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.0kg mol-1及び1.03であった。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=0.06-0.07(-Si(CH3)2),0.85(α-CH3,PMMA),0.90(-SiC(CH3)3),1.02(α-CH3,PMMA),1.23-1.69(-CH2CH-,PS),1.74-2.02(-CH2CH-,PS,-CH2C(CH3)-,PMMA),3.60(-COOCH3,PMMA),6.39-6.85,6.91-7.67(Ar,PS).
【0328】
【0329】
<BCPの合成:P1-18>
Pre(1)をpれ(18)に変更したこと以外は、P1-1と同様の方法で、P1-18を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-18のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ41.5kg mol-1及び1.03であった。TBDMS由来の1H-NMRピーク消失によってP1-18の合成を確認した。
【0330】
【0331】
(ブロックコポリマーの合成:P1-19)
<ジフェニルエチレン誘導体の合成:DPE14>
2-[[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ]エタノール(1.76g、10.0mmol)を4-(2-ヒドロキシエチル)ー2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(1.46g、10.0mmol)に変更したこと以外は、Int(2-13)と同様の方法で、中間体Int(2-14)を得た(2.34g、収率66%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.93(m,2H,-CH2CH<),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),4.23(t,2H,-COOCH2-),7.51(m,2H,Ar),7.61(m,1H,Ar),7.80-7.82(m,6H,Ar).
【0332】
【0333】
Int(2-1)(3.02g、4.70mmol)をInt(2-14)(1.67g、4.70mmol)に変更したこと以外は、DPE1と同様の方法で、DPE14を得た(1.42g、収率86%)。
1HNMR(CDCl3,400MHz):
δ(ppm)=1.21(s,6H,>C(CH3)2),1.93(m,2H,-CH2CH<),3.62(d,1H,>CHCH2O-),3.82-3.87(m,2H,>CHCH2-),4.23(t,2H,-COOCH2-),5.32(s,2H,C=CH2),7.33-7.37(m,5H,Ar),7.45(d,2H,Ar),7.67(d,2H,Ar).
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=26.20,30.70,58.93,68.90,75.31,114.20,119.25,125.00,127.46-128.60,141.66,145.93,150.20,165.98.
【0334】
【0335】
<BCP前駆体の合成:Pre(19)>
DPE1(0.134g、0.209mmol)をDPE14(0.074g、0.21mmol)に変更したこと以外は、DPE1のTHF溶液と同様の方法で、DPE14のTHF溶液を調製した。
【0336】
スチレンの使用量を(1.14mL、9.98mmol)に変更し、DPE1のTHF溶液をDPE14のTHF溶液に変更し、メチルメタクリレートの使用量を(0.88mL、8.2mmol)に変更したこと以外は、Pre(1)と同様の方法で、前駆体Pre(19)を得た(1.19g、収率64%)。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したPre(19)のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ45.0kg mol-1及び1.03であった。
13CNMR(CDCl3,100MHz):
δ(ppm)=16.37-16.47,18.56,25.90,26.20,30.70,40.20-40.42,44.43,44.75,51.73,52.36,54.04-54.31,58.93,68.90,75.31,114.20,119.25,125.00-125.52,127.18-128.60,141.66,145.15-145.93,150.20,165.98,176.88,177.70,178.00.
【0337】
【0338】
<BCPの合成:P1-19>
Pre(7)をPre(19)に変更したこと以外は、P1-7と同様の方法で、P1-19を得た。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で測定したP1-19のMn及び分散度(PDI=Mw/Mn)は、それぞれ45.5kg mol-1及び1.03であった。2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン由来の13C-NMRピーク消失によってP1-19の合成を確認した。
【0339】
【0340】
<下地剤の調製>
表1に示す各成分を混合して溶解し、各例の下地剤(固形分濃度1質量%)をそれぞれ調製した。
【0341】
【0342】
表1中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。各ポリマーの数平均分子量(Mn)はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により求めた。各ポリマーの共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は3C-NMRにより求めた。
P1-1:前記P1-1のBCP。
P1-2:前記P1-2のBCP。
P1-6:前記P1-6のBCP。
P1-13:前記P1-13のBCP。
P1-14:前記P1-14のBCP。
P1-18:前記P1-18のBCP。
【0343】
P2-1:下記の化学式(P2-1)で表されるBCP。Mn=45.0kg mol-1。
P2-2:下記の化学式(P2-2)で表されるBCP。Mn=42.1(kg mol-1)。
【0344】
【0345】
(S)-1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)。
【0346】
<相分離構造形成用樹脂組成物の調製>
表2に示す各成分を混合して溶解し、各相分離構造形成用樹脂組成物(固形分濃度1質量%)をそれぞれ調製した。
【0347】
【0348】
表2中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
P2-2:前記化学式(P2-2)で表されるBCP。
P2-3:下記化学式(P2-3)で表されるBCP。Mn=20.7(kg mol-1)。
P1-1:前記P1-1のBCP。
【0349】
【0350】
(S)-1:PGMEA。
【0351】
<相分離構造を含む構造体の製造>
レジスト組成物によりガイドパターンを形成した後、上記の各例の相分離構造形成用樹脂組成物を用い、以下に示す工程により、相分離構造を含む構造体を得た。
【0352】
工程(i):
有機系反射防止膜組成物「ARC-29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて12インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。該有機系反射防止膜上に、各例の下地剤をスピンコートした後、250℃で30分間加熱した。これにより、当該基板表面には、前記架橋型中性膜組成物からなる膜厚10nmの下地剤層が形成された。
【0353】
ガイドパターンの形成:
下地剤層上にガイドパターン形成用レジスト膜を塗布し、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚90nmのガイドパターン形成用レジスト膜を形成した。ArF露光装置XT-1900Gi(ASML製)によりArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに酢酸ブチルで現像し、振り切り乾燥を行った。次いで100℃、1分間、その後230℃、10分間の条件でポストベーク処理を行い、使用するブロック共重合体のd値の4倍のスペース寸法に合わせたガイドパターンを形成した。
【0354】
工程(ii):
前記ガイドパターンを形成した基板上に、各例の相分離構造形成用樹脂組成物を、膜厚が24nmになるようにスピンコートし、自己組織化膜層(ブロックコポリマーを含む層)を形成した。
【0355】
工程(ii):
前記基板上に形成された自己組織化膜層を、窒素雰囲気下、90℃で60秒間プレベークし、その後、窒素雰囲気下、200℃で、30分間アニーリングし、相分離構造を形成した。
【0356】
工程(iv):
相分離構造が形成された基板に対し、TCA-3822(東京応化工業株式会社製)を用いて、酸素プラズマ処理(200mL/分、40Pa、40℃、200W、20秒間)を行い、PMMAからなる相を選択的に除去した。
【0357】
[相分離構造を含む構造体の周期の測定]
X線小角散乱(SAXS)法による測定を行い、SAXSパターン曲線の1次散乱ピークから、構造体の周期(nm)を求めた。その結果を「周期」として表3に示した。
【0358】
[モルフォロジの観察]
得られた基板の表面(相分離状態)を、測長SEM(走査型電子顕微鏡、商品名:CG6300、日立ハイテクノロジーズ社製)で観察し、相分離構造のモルフォロジを確認した。以下の評価基準に基づいて評価し、その結果を「モルフォロジ」として表3に示した。
評価基準
〇:垂直配向性が観察された。
×:垂直配向性が観察されなかった。
【0359】
[パターン欠陥(ディフェクト)の評価]
<相分離構造を含む構造体の製造>における工程(ii)後のパターンを、測長SEM(走査型電子顕微鏡、商品名:CG6300、日立ハイテクノロジーズ社製)で、倍率10万倍で10枚上空から観察し、欠陥の個数をカウントした。
かかるカウントの結果、下記評価基準に基づき、パターン欠陥を評価した。その結果を「欠陥」として表3に示した。
評価基準
〇:欠陥の合計個数が5個未満。
×:欠陥の合計個数が5個以上。
【0360】
【0361】
表3に示す結果から、実施例1~9では、モルフォロジが良好で、且つ欠陥数が低減された相分離構造を形成できた。一方、比較例1では、モルフォロジは良好であってが、欠陥数の低減が十分ではなかった。比較例2は、相分離構造を形成することができなかった。