(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026129
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】配線基板及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
H05K 1/11 20060101AFI20250214BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20250214BHJP
【FI】
H05K1/11 N
H01L23/12 Q
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131514
(22)【出願日】2023-08-10
(71)【出願人】
【識別番号】000190688
【氏名又は名称】新光電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内田 健介
【テーマコード(参考)】
5E317
【Fターム(参考)】
5E317AA24
5E317BB02
5E317BB03
5E317BB12
5E317BB15
5E317CC25
5E317CC32
5E317CC33
5E317CD27
5E317GG20
(57)【要約】
【課題】はんだによるブリッジ不良の発生を抑制すること。
【解決手段】配線基板は、絶縁層と、絶縁層の表面に形成された接続端子とを有する。接続端子は、絶縁層に埋設された金属のパッドと、絶縁層の表面において露出するパッドの端面を被覆するめっき層とを有する。パッドの端面は、絶縁層の表面よりも低い位置まで凹面状に陥没し、めっき層は、パッドの端面に接する面とは反対側の面が当該端面に向かって凹面状に陥没する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成された接続端子と
を有し、
前記接続端子は、
前記絶縁層に埋設された金属のパッドと、
前記絶縁層の表面において露出する前記パッドの端面を被覆するめっき層と
を有し、
前記パッドの端面は、
前記絶縁層の表面よりも低い位置まで凹面状に陥没し、
前記めっき層は、
前記パッドの端面に接する面とは反対側の面が当該端面に向かって凹面状に陥没する
ことを特徴とする配線基板。
【請求項2】
前記パッドの端面は、
前記絶縁層の表面と同一面上に位置する周縁を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項3】
前記パッドの端面は、
前記絶縁層の表面よりも低い位置に位置する周縁を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項4】
前記パッドの端面は、
周縁において前記絶縁層に接する
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項5】
前記めっき層は、
ニッケルからなる
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項6】
前記めっき層は、
平面視で前記絶縁層と前記パッドとに跨って形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項7】
前記絶縁層は、
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に積層される第2絶縁層と
を有し、
前記第1絶縁層は、
配線層を被覆するとともに、前記配線層まで貫通する開口部を有し、
前記パッドは、
前記第1絶縁層の開口部に形成されて前記配線層に接続するとともに前記第1絶縁層の開口部から突出し、突出する部分において前記第2絶縁層に埋設される
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項8】
前記絶縁層は、
配線層を被覆するとともに、前記配線層まで貫通する開口部を有し、
前記パッドは、
前記絶縁層の開口部に形成されて前記配線層に接続する
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項9】
前記接続端子は、
前記めっき層の前記パッドの端面に接する面とは反対側の面及び側面を被覆する表面処理層
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の配線基板。
【請求項10】
配線基板と、
前記配線基板に搭載される半導体チップと
を有し、
前記配線基板は、
絶縁層と、
前記絶縁層の表面に形成された接続端子と
を有し、
前記接続端子は、
前記絶縁層に埋設された金属のパッドと、
前記絶縁層の表面において露出する前記パッドの端面を被覆するめっき層と、
を有し、
前記パッドの端面は、
前記絶縁層の表面よりも低い位置まで凹面状に陥没し、
前記めっき層は、
前記パッドの端面に接する面とは反対側の面が当該端面に向かって凹面状に陥没し、
前記半導体チップは、
前記接続端子の上方に搭載され、前記半導体チップの電極が前記めっき層に供給されるはんだによって前記接続端子に接合される
ことを特徴とする半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線基板及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体チップが搭載される配線基板には、半導体チップとの接続端子が形成される。接続端子は、例えば配線基板の最外層に形成され、半導体チップは、配線基板の最外層に形成された接続端子に、はんだを用いて接合される。
【0003】
具体的には、配線基板の最外層を形成する絶縁層に、例えば銅などの金属からなるパッドが埋設されることにより、接続端子が形成される。接続端子におけるパッドの端面は、絶縁層の表面から露出する平坦な面であり、且つ絶縁層の表面と面一である。そして、この接続端子にはんだが供給され、はんだを介して配線基板の接続端子と半導体チップの電極とが接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した配線基板の接続端子においては、はんだの濡れ性向上等の目的により、絶縁層の表面から露出するパッドの端面が、例えばニッケルなどの金属からなるめっき層によって被覆されることがある。めっき層は、例えば無電解めっき法により形成される。
【0006】
しかしながら、パッドの端面がめっき層によって被覆される接続端子は、半導体チップとの接合時にはんだによって近隣の接続端子と導通するブリッジ不良を発生させることがあるという問題がある。すなわち、接続端子におけるめっき層が無電解めっき法により形成される場合、パッドの端面においてニッケルなどの金属が等方的に析出及び成長し、めっき層がパッドの端面から球面状に上方へ突出する。このため、接続端子に半導体チップを接合するためのはんだが供給される場合には、球面状のめっき層に沿ってはんだがめっき層の外方へ流出し、接続端子の側方へ伸張することがある。この結果、互いに隣接する接続端子どうしがはんだを介して導通し易くなり、ブリッジ不良が発生する恐れがある。
【0007】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、はんだによるブリッジ不良の発生を抑制することができる配線基板及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の開示する配線基板は、一つの態様において、絶縁層と、絶縁層の表面に形成された接続端子とを有する。接続端子は、絶縁層に埋設された金属のパッドと、絶縁層の表面において露出するパッドの端面を被覆するめっき層とを有する。パッドの端面は、絶縁層の表面よりも低い位置まで凹面状に陥没し、めっき層は、パッドの端面に接する面とは反対側の面が当該端面に向かって凹面状に陥没する。
【発明の効果】
【0009】
本願の開示する配線基板の一つの態様によれば、はんだによるブリッジ不良の発生を抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る配線基板の構成を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、コア基板形成工程の具体例を示す図である。
【
図4】
図4は、ビルドアップ工程の具体例を示す図である。
【
図5】
図5は、ソルダーレジスト層形成工程の具体例を示す図である。
【
図6】
図6は、接続端子形成工程の具体例を示す図である。
【
図7】
図7は、半導体チップ搭載工程の具体例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る接続端子形成工程を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、配線層の一部を拡大して示す図である。
【
図10】
図10は、第1絶縁層形成工程の具体例を示す図である。
【
図11】
図11は、シード層形成工程の具体例を示す図である。
【
図12】
図12は、レジスト層形成工程の具体例を示す図である。
【
図14】
図14は、レジスト層除去工程の具体例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2絶縁層積層工程の具体例を示す図である。
【
図16】
図16は、第2絶縁層研磨工程の具体例を示す図である。
【
図18】
図18は、めっき層形成工程の具体例を示す図である。
【
図19】
図19は、第1実施形態の変形例に係る配線基板の構成を示す図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係る配線基板の構成を示す図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係る接続端子形成工程を示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、最外絶縁層形成工程の具体例を示す図である。
【
図23】
図23は、シード層形成工程の具体例を示す図である。
【
図26】
図26は、めっき層形成工程の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する配線基板及び半導体装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により開示技術が限定されるものではない。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る配線基板100の構成を示す図である。
図1においては、配線基板100の断面を模式的に示している。
図1に示す配線基板100は、例えば半導体チップを搭載する半導体装置の基板として利用することが可能である。
【0013】
配線基板100は、積層構造となっており、コア基板110、多層配線構造120、最外絶縁層130及びソルダーレジスト層140を有する。以下においては、
図1に示すように、ソルダーレジスト層140が最下層であり、最外絶縁層130が最上層であるものとして説明するが、配線基板100は、例えば上下反転して用いられても良く、任意の姿勢で用いられて良い。
【0014】
コア基板110は、板状の絶縁体である基材111の両面に、めっきにより配線層113が形成されたものである。両面の配線層113は、必要に応じて貫通配線112によって接続される。
【0015】
多層配線構造120は、絶縁性の絶縁層121と導電性の配線層122とを備える層が積層されたものである。絶縁層121は、例えばエポキシ樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁性の樹脂を用いて形成される。また、配線層122は、例えば銅などの金属を用いて形成される。
図1においては、コア基板110の上方の多層配線構造120内に2層が積層され、コア基板110の下方の多層配線構造120内に2層が積層されているが、積層される層の数は1層又は3層以上であっても良い。
【0016】
最外絶縁層130は、多層配線構造120の表面の配線層122を被覆する層である。最外絶縁層130は、例えばアクリル樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁性の感光性樹脂を用いて形成される。なお、最外絶縁層130は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性の非感光性樹脂を用いて形成されても良い。
【0017】
最外絶縁層130は、2層構造となっており、第1絶縁層131及び第2絶縁層132を有する。第1絶縁層131は、多層配線構造120の表面の配線層122を被覆する。第2絶縁層132は、第1絶縁層131の上方に隣接して積層される。
【0018】
配線基板100の最外絶縁層130側は、例えば半導体チップなどの電子部品が搭載される面である。半導体チップが搭載される位置においては、最外絶縁層130の第1絶縁層131に開口部133が穿設される。最外絶縁層130が感光性樹脂を用いて形成される場合には、露光・現像により開口部133を形成することが可能である。また、最外絶縁層130が非感光性樹脂を用いて形成される場合には、レーザ加工により開口部133を形成することが可能である。
【0019】
最外絶縁層130の第1絶縁層131の開口部133には、多層配線構造120の配線層122と半導体チップの電極とを接続する接続端子150が形成される。接続端子150は、最外絶縁層130の表面132aから突起するように形成された突起電極であり、パッド151及びめっき層152を有する。
【0020】
パッド151は、接続端子150の本体となる電極であり、最外絶縁層130(つまり、第1絶縁層131及び第2絶縁層132)に埋設される。パッド151は、例えば銅(Cu)の電解めっきにより第1絶縁層131の開口部133に形成されて多層配線構造120の配線層122に接続するとともに第1絶縁層131の開口部133から上方へ突出し、突出する部分において第2絶縁層132に埋設される。パッド151の端面(上面)は、最外絶縁層130の表面132a、すなわち、第2絶縁層132の表面132aにおいて露出する。そして、かかるパッド151の端面は、第2絶縁層132の表面132aよりも低い位置まで凹面状に陥没しており、パッド151の端面の周縁が中央よりも高くなっている。
【0021】
めっき層152は、第2絶縁層132の表面132aにおいて露出するパッド151の端面を被覆する金属層である。めっき層152は、例えばニッケル(Ni)などの金属を材料とする無電解めっきにより形成することができる。
【0022】
本実施形態では、めっき層152がパッド151の凹面状に陥没する端面に沿って形成されるため、めっき層152の上面がパッド151の凹面状の端面に向かって凹面状に陥没している。これにより、めっき層152の上面の周縁が中央よりも高くなっている。このため、接続端子150に半導体チップを接合するためのはんだが供給される場合に、はんだがめっき層152の凹面状に陥没する端面において補足され、めっき層152の外方へのはんだの流出が発生し難くなる。結果として、互いに隣接する接続端子150どうしがはんだを介して導通し難くなり、はんだによるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
【0023】
また、本実施形態では、パッド151の端面の周縁が、第2絶縁層132の表面132aと同一面上に位置している。これにより、パッド151の端面とパッド151の端面周囲に位置する第2絶縁層132の表面132aとがめっき層152によって連続的に被覆される。このため、めっき層152とパッド151の端面との密着強度が向上し、パッド151の端面からのめっき層152の剥離を抑制することができる。
【0024】
また、本実施形態では、パッド151の端面が、周縁において第2絶縁層132に接している。これにより、パッド151と第2絶縁層132との密着強度が向上し、第2絶縁層132からのパッド151の剥離を抑制することができる。
【0025】
なお、ここでは、パッド151の端面の周縁が第2絶縁層132の表面132aと同一面上に位置する場合を説明したが、パッド151の端面の周縁が第2絶縁層132の表面132aよりも低い位置に位置してもよい。これにより、パッド151の端面の周縁が第2絶縁層132の表面132aと同一面上に位置する場合と比較して、パッド151の端面の第2絶縁層132の表面132aからの高さが低くなる。このため、めっき層152の上面がパッド151の凹面状の端面に向かって凹面状により深く陥没し、接続端子150に半導体チップを接合するためのはんだが供給される場合に、めっき層152の外方へのはんだの流出がより発生し難くなる。結果として、互いに隣接する接続端子150どうしがはんだを介して導通し難くなり、はんだによるブリッジ不良の発生をより抑制することができる。
【0026】
ソルダーレジスト層140は、多層配線構造120の表面の配線層122を被覆し、配線を保護する層である。ソルダーレジスト層140は、例えばアクリル樹脂及びポリイミド樹脂等の絶縁性の感光性樹脂からなる層であり、絶縁層の1つである。なお、ソルダーレジスト層140は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性の非感光性樹脂を用いて形成されても良い。
【0027】
配線基板100のソルダーレジスト層140側は、外部の部品や機器などに接続される面である。外部の部品や機器と電気的に接続する外部接続端子が形成される位置においては、ソルダーレジスト層140に開口部141が穿設され、開口部141から多層配線構造120の配線層122が露出する。開口部141には、例えばはんだボールなどの外部接続端子が形成される。ソルダーレジスト層140が感光性樹脂を用いて形成される場合には、露光・現像により開口部141を形成することが可能である。また、ソルダーレジスト層140が非感光性樹脂を用いて形成される場合には、レーザ加工により開口部141を形成することが可能である。
【0028】
次いで、上記のように構成された配線基板100を有する半導体装置の製造方法について、具体的に例を挙げながら、
図2を参照して説明する。
図2は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0029】
まず、配線基板100の支持部材となるコア基板110が形成される(ステップS101)。具体的には、例えば
図3に示すように、板状の絶縁体である基材111に、基材111を貫通する貫通配線112が形成されるとともに、基材111の両面に例えば銅や銅合金などの金属の配線層113が例えば銅箔又は銅めっきにより形成される。
図3は、コア基板形成工程の具体例を示す図である。基材111の両面の配線層113は、必要に応じて、例えば銅や銅合金などの金属のめっきによって形成された貫通配線112によって接続されている。基材111としては、例えばガラス織布等の補強材にエポキシ樹脂等の絶縁樹脂を含浸させたものを用いることが可能である。補強材としては、ガラス織布の他にも、ガラス不織布、アラミド織布又はアラミド不織布などを用いることができる。また、絶縁樹脂としては、エポキシ樹脂の他にも、ポリイミド樹脂又はシアネート樹脂などを用いることができる。また、貫通配線112は、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が充填されて形成されるスルーホールであっても良い。
【0030】
そして、コア基板110の上面及び下面にビルドアップ法によって多層配線構造120が形成される(ステップS102)。具体的には、例えば
図4に示すように、コア基板110の上面及び下面に絶縁層121が形成され、絶縁層121の表面に配線層122が形成される。
図4は、ビルドアップ工程の具体例を示す図である。絶縁層121は、例えばエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂等の絶縁樹脂を用いて形成される。また、配線層122は、例えば銅などの金属のめっきによって形成される。
【0031】
コア基板110の配線層113と配線層122との間、又は隣接する層の配線層122の間は、必要に応じて、例えば銅などの金属のめっきによって形成されたビア123によって接続される。絶縁層121及び配線層122は、コア基板110の上面及び下面にそれぞれ複数積層されても良い。
【0032】
多層配線構造120が形成されると、多層配線構造120の表面の配線層122がソルダーレジスト層140によって被覆される(ステップS103)。例えば、コア基板110の下面に積層された多層配線構造120の表面の配線層122がソルダーレジスト層140によって被覆される。
【0033】
そして、例えば
図5に示すように、外部の部品や機器と接続される側のソルダーレジスト層140には、外部接続端子が設けられる位置に開口部141が穿設される。
図5は、ソルダーレジスト層形成工程の具体例を示す図である。開口部141の底面には、多層配線構造120の表面の配線層122が露出する。ソルダーレジスト層140として感光性樹脂が用いられる場合には、露光・現像によって開口部141を形成することが可能である。また、ソルダーレジスト層140として非感光性樹脂が用いられる場合には、レーザ加工によって開口部141を形成することが可能である。
【0034】
そして、多層配線構造120の表面の配線層122が最外絶縁層130によって被覆されるとともに、最外絶縁層130の表面132aから突起する接続端子150が形成される(ステップS104)。すなわち、例えば
図6に示すように、最外絶縁層130に埋設されるパッド151と、最外絶縁層130の表面132aにおいて露出するパッド151の端面を被覆するめっき層152とを有する接続端子150が形成される。
図6は、接続端子形成工程の具体例を示す図である。パッド151は、例えば銅(Cu)の電解めっきにより第1絶縁層131の開口部133に形成される。また、めっき層152は、例えばニッケル(Ni)などの金属の無電解めっきにより形成することができる。接続端子150において、パッド151の端面(上面)が最外絶縁層130の表面132aよりも低い位置まで凹面状に陥没し、めっき層152の上面がパッド151の凹面状の端面に向かって凹面状に陥没している。なお、接続端子150の形成工程に関しては、後に詳述する。
【0035】
最外絶縁層130側に接続端子150が形成されると、ソルダーレジスト層140側には、外部接続端子が形成される(ステップS105)。そして、最外絶縁層130側には半導体チップが搭載され(ステップS106)、接続端子150と半導体チップの電極とが接続される。具体的には、例えば
図7に示すように、ソルダーレジスト層140の開口部141にはんだボール170などの外部接続端子が形成される。また、半導体チップ200が接続端子150の上方に搭載され、半導体チップ200の電極210がめっき層152に供給されるはんだ210aによって接続端子150に接合される。このとき、めっき層152の上面がパッド151の凹面状の端面に向かって凹面状に陥没しているため、供給されるはんだ210aがめっき層152の凹面状に陥没する上面において補足され、めっき層152の外方へのはんだ210aの流出が発生し難くなる。結果として、互いに隣接する接続端子150どうしがはんだ210aを介して導通し難くなり、はんだ210aによるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
図7は、半導体チップ搭載工程の具体例を示す図である。
【0036】
そして、電極210と接続端子150との接合部は、アンダーフィル樹脂230によって封止され、配線基板100に半導体チップ200が実装された半導体装置が完成する。なお、上述した外部接続端子を形成する工程と半導体チップを搭載する工程とは順序が逆であっても良い。すなわち、配線基板100に半導体チップ200が搭載された後に、ソルダーレジスト層140の開口部141にはんだボール170などの外部接続端子が形成されても良い。
【0037】
次に、接続端子150の形成工程について、より具体的に
図8を参照しながら説明する。
図8は、第1実施形態に係る接続端子形成工程を示すフローチャートである。ここでは、例えば
図9に示すように、多層配線構造120の最上層の配線層122上に、最外絶縁層130及び接続端子150が形成される場合について説明する。
図9は、配線層122の一部を拡大して示す図である。
【0038】
コア基板110の上面に多層配線構造120が積層されると、多層配線構造120の最上層の配線層122が第1絶縁層131によって被覆される(ステップS201)。第1絶縁層131には、例えば
図10に示すように、開口部133が穿設される。
図10は、第1絶縁層形成工程の具体例を示す図である。最外絶縁層130が感光性樹脂を用いて形成される場合には、露光・現像により開口部133を形成することが可能である。また、最外絶縁層130が非感光性樹脂を用いて形成される場合には、レーザ加工により開口部133を形成することが可能である。開口部133の底面には、配線層122が露出する。第1絶縁層131の厚さは例えば20~40μm程度である。
【0039】
この状態において、第1絶縁層131の表面にシード層が形成される(ステップS202)。すなわち、例えば
図11に示すように、例えば無電解銅めっき又は銅のスパッタリングなどにより、第1絶縁層131の表面と開口部133において露出する配線層122との全面にシード層301が形成される。
図11は、シード層形成工程の具体例を示す図である。シード層301の厚さは例えば0.01~0.40μm程度である。
【0040】
シード層301が形成されると、シード層301の表面に電解めっきのマスクとなるレジスト層が形成される(ステップS203)。すなわち、シード層301上に、感光性樹脂からなるドライフィルムレジスト(DFR)が積層される。そして、積層されたDFRに対して接続端子150の位置に応じた露光及び現像が行われることにより、例えば
図12に示すように、接続端子150が形成される位置を除く部分のシード層301上にレジスト層302が形成される。
図12は、レジスト層形成工程の具体例を示す図である。
【0041】
そして、例えば電解めっきが施されることにより、シード層301上にパッド151が形成される(ステップS204)。具体的には、例えば硫酸銅めっき液を用いて電解銅めっきが施されることにより、レジスト層302が形成されていない部分に銅が析出し、例えば
図13に示すように、シード層301上にパッド151が形成される。この際、開口部133内はパッド151により充填される。
図13は、電解めっき工程の具体例を示す図である。
【0042】
パッド151が形成されると、レジスト層302が除去される(ステップS205)。レジスト層302の除去には、例えば苛性ソーダやアミン系のアルカリ剥離液が用いられる。また、フラッシュエッチングが行われ、めっきが施されていない部分のシード層301が除去される。これにより、例えば
図14に示すように、第1絶縁層131の開口部133から突出し、シード層301を介して配線層122に接続するパッド151が形成される。
図14は、レジスト層除去工程の具体例を示す図である。パッド151の厚さ(第1絶縁層131の上面からの高さ)は、例えば3~20μm程度とすることができる。
【0043】
レジスト層302が除去されると、例えば
図15に示すように、第1絶縁層131上に、パッド151を被覆する第2絶縁層132が積層される(ステップS206)。
図15は、第2絶縁層積層工程の具体例を示す図である。第2絶縁層132の厚さは、例えば10~45μm程度である。
【0044】
そして、第2絶縁層132の表面132aから全体が、例えば化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)により研磨される(ステップS207)。具体的には、例えば
図16に示すように、第2絶縁層132の表面132aがパッド151の端面(上面)151aと面一となるまで第2絶縁層132が研磨され、第2絶縁層132の表面132aにおいてパッド151の端面151aが露出する。ここまでの工程により、第1絶縁層131及び第2絶縁層132を有する最外絶縁層130が得られるとともに、最外絶縁層130(つまり、第1絶縁層131及び第2絶縁層132)に埋設されたパッド151が得られる。
図16は、第2絶縁層研磨工程の具体例を示す図である。
【0045】
第2絶縁層132の研磨後に、第2絶縁層132の表面132aにおいて露出するパッド151の端面151aが、例えばCMPにより研磨される(ステップS208)。具体的には、例えば過酸化水素水などの化学研磨液を用いたCMPにより、パッド151の端面が研磨される。これにより、例えば
図17に示すように、第2絶縁層132の表面132aにおいて露出するパッド151の端面151aが第2絶縁層132の表面132aよりも低い位置まで凹面状に陥没する。
図17は、パッド研磨工程の具体例を示す図である。パッド151の端面151aの周縁は、第2絶縁層132の表面132aと同一面上に位置している。また、パッド151の端面151aは、周縁において第2絶縁層132に接している。なお、パッド151の端面151aの最深部は第1絶縁層131の上面よりも下方に位置していてもよい。換言すれば、パッド151は、第1絶縁層131の表面よりも配線層122に近い位置まで陥没する端面151aを有していてもよい。
【0046】
パッド151の研磨後に、例えばニッケル(Ni)などの金属を材料とする無電解めっきにより、例えば
図18に示すように、パッド151の端面151aを被覆するめっき層152が形成される(ステップS209)。これにより、多層配線構造120の最上層の配線層122に接続し、パッド151とめっき層152とを有する接続端子150が形成される。
図18は、めっき層形成工程の具体例を示す図である。めっき層152の厚さは、例えば1μm~10μm程度とすることができる。
【0047】
めっき層152の形成では、パッド151の端面151aにおいてニッケルなどの金属が等方的に析出及び成長する。このため、めっき層152がパッド151の凹面状に陥没する端面151aに沿って形成され、めっき層152の上面152aがパッド151の凹面状の端面151aに向かって凹面状に陥没する。これにより、半導体チップ200を搭載する際に、接続端子150のめっき層152に供給されるはんだ210aがめっき層152の凹面状に陥没する上面152aにおいて補足され、めっき層152の外方へのはんだ210aの流出が発生し難くなる。結果として、互いに隣接する接続端子150どうしがはんだ210aを介して導通し難くなり、はんだ210aによるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
【0048】
また、めっき層152の形成では、ニッケルなどの金属がパッド151の端面151aだけでなく、パッド151の端面151a周囲に位置する第2絶縁層132の表面132aにおいても析出及び成長する。ここで、パッド151の端面151aの周縁が第2絶縁層132の表面132aと同一面上に位置しているため、めっき層152がパッド151の端面151aの周縁を超えて第2絶縁層132の表面132aにも形成される。このため、めっき層152は、平面視で第2絶縁層132とパッド151とに跨って形成される。換言すれば、めっき層152の側面がパッド151の端面151aの周縁よりも外方に位置することとなる。これにより、パッド151の端面151aとパッド151の端面周囲に位置する第2絶縁層132の表面132aとがめっき層152によって連続的に被覆される。このため、めっき層152とパッド151の端面との密着強度が向上し、パッド151の端面151aからのめっき層152の剥離を抑制することができる。
【0049】
以上のように、第1実施形態に係る配線基板(一例として、配線基板100)は、絶縁層(一例として、最外絶縁層130)と、絶縁層の表面(一例として、表面132a)に形成された接続端子(一例として、接続端子150)とを有する。接続端子は、絶縁層に埋設された金属のパッド(一例として、パッド151)と、絶縁層の表面において露出するパッドの端面(一例として、端面151a)を被覆するめっき層(一例として、めっき層152)とを有する。パッドの端面は、絶縁層の表面よりも低い位置まで凹面状に陥没し、めっき層は、パッドの端面に接する面とは反対側の面(一例として、上面152a)が当該端面に向かって凹面状に陥没する。これにより、はんだ(一例として、はんだ210a)によるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
【0050】
パッドの端面は、絶縁層の表面と同一面上に位置する周縁を有しても良い。これにより、パッドの端面からのめっき層の剥離を抑制することができる。
【0051】
パッドの端面は、絶縁層の表面よりも低い位置に位置する周縁を有しても良い。これにより、はんだによるブリッジ不良の発生をより抑制することができる。
【0052】
パッドの端面は、周縁において絶縁層に接しても良い。これにより、絶縁層からのパッドの剥離を抑制することができる。
【0053】
絶縁層は、第1絶縁層(一例として、第1絶縁層131)と、第1絶縁層上に積層される第2絶縁層(一例として、第2絶縁層132)とを有しても良い。第1絶縁層は、配線層(一例として、配線層122)を被覆するとともに、配線層まで貫通する開口部(一例として、開口部133)を有しても良い。パッドは、第1絶縁層の開口部に形成されて配線層に接続するとともに第1絶縁層の開口部から突出し、突出する部分において第2絶縁層に埋設されても良い。これにより、絶縁層が2層構造であることから、パッドと絶縁層との密着強度を向上することができる。
【0054】
(第1実施形態の変形例)
図19は、第1実施形態の変形例に係る配線基板100の構成を示す図である。この変形例において、第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0055】
図19に示すように、変形例に係る配線基板100では、接続端子150が表面処理層153を有する点が第1実施形態と異なる。表面処理層153は、めっき層152の上面及び側面を被覆する金属層である。具体的には、表面処理層153は、図示を省略するが、ニッケル(Ni)であるめっき層152に近い側から順に、パラジウム(Pd)層及び金(Au)層を有する。Pd層及びAu層は、それぞれ例えば電解めっき法又は無電解めっき法により形成することができる。Pd層及びAu層の厚さは、それぞれ例えば0.01~0.5μm程度とすることができる。表面処理層153としては、Pd/Au層の代わりに、単層のAu層を用いても良い。
【0056】
表面処理層153の形成では、めっき層152の上面及び側面においてパラジウム及び金が等方的に析出及び成長する。このため、表面処理層153がめっき層152の凹面状に陥没する上面に沿って形成され、表面処理層153の上面がめっき層152の凹面状の上面に向かって凹面状に陥没する。
【0057】
変形例では、めっき層152の上面及び側面が表面処理層153によって被覆されることにより、例えば半導体チップ200の電極210がはんだ210aによって接続端子150に接合される際、はんだ210aの濡れ性を向上することができる。
【0058】
(第2実施形態)
図20は、第2実施形態に係る配線基板100の構成を示す図である。第2実施形態において、第1実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0059】
図20に示すように、第2実施形態に係る配線基板100は、最外絶縁層130の構造及び接続端子150のパッド151の構造が第1実施形態と異なる。具体的には、最外絶縁層130は、単層構造となっており、多層配線構造120の表面の配線層122を被覆する。最外絶縁層130の厚さは例えば20~40μm程度である。半導体チップが搭載される位置においては、最外絶縁層130に開口部133が穿設される。
【0060】
パッド151は、接続端子150の本体となる電極であり、最外絶縁層130に埋設される。パッド151は、例えば銅(Cu)の電解めっきにより第1絶縁層131の開口部133に形成されて多層配線構造120の配線層122に接続する。パッド151の端面(上面)は、最外絶縁層130の表面130aにおいて露出する。そして、かかるパッド151の端面は、最外絶縁層130の表面130aよりも低い位置まで凹面状に陥没しており、パッド151の端面の周縁が中央よりも高くなっている。
【0061】
本実施形態では、めっき層152が、第1実施形態と同様に、パッド151の凹面状に陥没する端面に沿って形成されるため、めっき層152の上面がパッド151の凹面状の端面に向かって凹面状に陥没している。これにより、はんだによるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
【0062】
また、本実施形態では、最外絶縁層130は、単層構造となっているため、2層構造の最外絶縁層130よりも厚さが小さい。これにより、配線基板100の薄型化を促進することができる。
【0063】
次に、接続端子150の形成工程について、
図21を参照しながら説明する。
図21は、第2実施形態に係る接続端子形成工程を示すフローチャートである。ここでは、例えば
図9に示すように、多層配線構造120の最上層の配線層122上に、最外絶縁層130及び接続端子150が形成される場合について説明する。
【0064】
コア基板110の上面に多層配線構造120が積層されると、多層配線構造120の最上層の配線層122が最外絶縁層130によって被覆される(ステップS301)。最外絶縁層130には、例えば
図22に示すように、開口部133が穿設される。
図22は、最外絶縁層形成工程の具体例を示す図である。最外絶縁層130が感光性樹脂を用いて形成される場合には、露光・現像により開口部133を形成することが可能である。また、最外絶縁層130が非感光性樹脂を用いて形成される場合には、レーザ加工により開口部133を形成することが可能である。開口部133の底面には、配線層122が露出する。最外絶縁層130の厚さは例えば20~40μm程度である。
【0065】
この状態において、最外絶縁層130の表面130aにシード層が形成される(ステップS302)。すなわち、例えば
図23に示すように、例えば無電解銅めっき又は銅のスパッタリングなどにより、最外絶縁層130の表面130aと開口部133において露出する配線層122との全面にシード層301が形成される。
図23は、シード層形成工程の具体例を示す図である。シード層301の厚さは例えば0.01~0.40μm程度である。
【0066】
そして、例えば電解めっきが施されることにより、シード層301上に金属層151Aが形成される(ステップS303)。具体的には、例えば硫酸銅めっき液を用いて電解銅めっきが施されることにより、シード層301の上面全体に銅が析出し、例えば
図24に示すように、シード層301の上面全体に金属層151Aが形成される。この際、金属層151Aは、開口部133の内部を充填するとともに最外絶縁層130の表面130aにおいて開口部133の周囲に延在する。
図24は、電解めっき工程の具体例を示す図である。
【0067】
金属層151Aが形成されると、金属層151Aの上面から全体が、例えばCMPにより研磨される(ステップS304)。具体的には、例えば過酸化水素水などの化学研磨液を用いたCMPにより、最外絶縁層130の表面130aが露出するまで金属層151Aが研磨される。これにより、金属層151Aの最外絶縁層130の表面130a上に位置する部分が研磨されるとともに開口部133の内部に金属層151Aが残留し、例えば
図25に示すように、シード層301を介して配線層122に接続するパッド151が形成される。
図25は、金属層研磨工程の具体例を示す図である。なお、最外絶縁層130の表面130a上のシード層301は、最外絶縁層130の表面130a上の金属層151Aとともに研磨されて除去される。
【0068】
また、金属層151Aの研磨の工程では、パッド151の形成と並行して、最外絶縁層130の表面130aにおいて露出するパッド151の端面(上面)151aが最外絶縁層130の表面130aよりも下方側へさらに研磨される。これにより、パッド151の端面151aが最外絶縁層130の表面130aよりも低い位置まで凹面状に陥没する。パッド151の端面151aの周縁は、最外絶縁層130の表面130aと同一面上に位置している。また、パッド151の端面151aは、周縁においてシード層301を介して第2絶縁層132に接している。ここまでの工程により、最外絶縁層130に埋設されたパッド151が得られる。
【0069】
パッド151の形成後に、最外絶縁層130の表面130aが、例えばCMPにより研磨されることにより(ステップS305)、最外絶縁層130の表面130a上に残留する金属層151Aの残渣が除去される。その後、例えばニッケル(Ni)などの金属を材料とする無電解めっきにより、例えば
図26に示すように、パッド151の端面151aを被覆するめっき層152が形成される(ステップS306)。これにより、多層配線構造120の最上層の配線層122に接続し、パッド151とめっき層152とを有する接続端子150が形成される。
図26は、めっき層形成工程の具体例を示す図である。めっき層152の厚さは、例えば1μm~10μm程度とすることができる。
【0070】
めっき層152の形成では、パッド151の端面151aにおいてニッケルなどの金属が等方的に析出及び成長する。このため、めっき層152がパッド151の凹面状に陥没する端面151aに沿って形成され、めっき層152の上面152aがパッド151の凹面状の端面151aに向かって凹面状に陥没する。これにより、半導体チップ200を搭載する際に、接続端子150のめっき層152に供給されるはんだ210aがめっき層152の凹面状に陥没する上面152aにおいて補足され、めっき層152の外方へのはんだ210aの流出が発生し難くなる。結果として、互いに隣接する接続端子150どうしがはんだ210aを介して導通し難くなり、はんだ210aによるブリッジ不良の発生を抑制することができる。
【0071】
また、めっき層152の形成では、ニッケルなどの金属がパッド151の端面151aだけでなく、パッド151の端面151a周囲に位置する最外絶縁層130の表面130aにおいても析出及び成長する。ここで、パッド151の端面151aの周縁が最外絶縁層130の表面130aと同一面上に位置しているため、めっき層152がパッド151の端面151aの周縁を超えて最外絶縁層130の表面130aにも形成される。このため、めっき層152は、平面視で最外絶縁層130とパッド151とに跨って形成される。換言すれば、めっき層152の側面がパッド151の端面151aの周縁よりも外方に位置することとなる。これにより、パッド151の端面151aとパッド151の端面周囲に位置する最外絶縁層130の表面130aとがめっき層152によって連続的に被覆される。このため、めっき層152とパッド151の端面との密着強度が向上し、パッド151の端面151aからのめっき層152の剥離を抑制することができる。
【0072】
第2実施形態では、絶縁層(一例として、最外絶縁層130)が、配線層(一例として配線層122)を被覆するとともに、配線層まで貫通する開口部(一例として、開口部133)を有する。そして、パッド(一例として、パッド151)は、絶縁層の開口部に形成されて配線層に接続する。これにより、絶縁層が単層構造となることから、はんだによるブリッジ不良の発生を抑制するとともに、配線基板の薄型化を促進することができる。
【0073】
(第2実施形態の変形例)
第2実施形態に係る配線基板100では、第1実施形態と同様に、めっき層152の上面及び側面が表面処理層153(
図19参照)によって被覆されてもよい。これにより、例えば半導体チップ200の電極210がはんだ210aによって接続端子150に接合される際、はんだ210aの濡れ性を向上することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 配線基板
110 コア基板
111 基材
112 貫通配線
113 配線層
120 多層配線構造
121 絶縁層
122 配線層
123 ビア
130 最外絶縁層
130a 表面
131 第1絶縁層
132 第2絶縁層
132a 表面
133 開口部
140 ソルダーレジスト層
141 開口部
150 接続端子
151 パッド
151a 端面
151A 金属層
152a 上面
153 表面処理層
170 ボール
200 半導体チップ
210 電極
230 アンダーフィル樹脂
301 シード層
302 レジスト層