(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025026349
(43)【公開日】2025-02-21
(54)【発明の名称】半導体フォトレジスト用組成物およびこれを利用したパターン形成方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/004 20060101AFI20250214BHJP
【FI】
G03F7/004 531
G03F7/004 501
G03F7/004 504
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024115376
(22)【出願日】2024-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2023-0103690
(32)【優先日】2023-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】柳東完
(72)【発明者】
【氏名】姜恩美
(72)【発明者】
【氏名】金鈴根
(72)【発明者】
【氏名】林雪熙
(72)【発明者】
【氏名】林秀斌
(72)【発明者】
【氏名】姜錫一
【テーマコード(参考)】
2H225
【Fターム(参考)】
2H225AN11P
2H225AN31P
2H225AN80P
2H225CA12
2H225CB14
2H225CC01
2H225CC11
2H225CD05
(57)【要約】
【課題】優れた感度を示し、水分に対する保存安定性、およびコーティング性が向上した半導体フォトレジスト用組成物、並びにこれを利用したパターン形成方法を提供する。
【解決手段】化学式1で表される有機スズ化合物、および溶媒を含む半導体フォトレジスト用組成物、並びにこれを利用したパターン形成方法。化学式1に関する詳細説明は、明細書に記載した通りである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される有機スズ化合物;および
溶媒を含む、半導体フォトレジスト用組成物:
【化1】
前記化学式1中、
R
1は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはL
a-O-R
a(ここでL
aは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、R
aは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
R
2はハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-OR
b、ここでR
bは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R
6、R
6は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR
7R
8、ここでR
7およびR
8はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミダト(amidato)(-NR
9(COR
10)、ここでR
9およびR
10はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジナト(amidinato)(-NR
11C(NR
12)R
13、ここでR
11、R
12およびR
13はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり、
R
3~R
5はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはL
c-O-R
c(ここでL
cは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、R
cは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
nは1~3の整数のうちの1つである。
【請求項2】
前記nは1または2の整数である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項3】
前記R1は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはLa-O-Ra(ここでLaは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基であり、Raは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である)である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項4】
前記R1は、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ペンチル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のメトキシ基、置換もしくは非置換のエトキシ基、置換もしくは非置換のプロポキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
Raは、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、またはこれらの組み合わせである、請求項3に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項5】
前記R2はハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR7R8、ここでR7およびR8はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミダト(amidato)(-NR9(COR10)、ここでR9およびR10はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジナト(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここでR11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)である、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項6】
前記R2は、ハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)である、請求項5に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項7】
前記R2は、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)である、請求項5に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項8】
前記Rbは、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせであり、
前記R6は、水素、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせである、請求項5に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項9】
前記R3~R5はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項10】
前記有機スズ化合物は、下記グループ1に列記された化合物の中から選択される1つである、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【請求項11】
半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準として、前記有機スズ化合物は1重量%~30重量%で含まれる、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項12】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含む、請求項1に記載の半導体フォトレジスト用組成物。
【請求項13】
基板上にエッチング対象膜を形成する段階と、
前記エッチング対象膜の上に請求項1~12のいずれか一項に記載の半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階と、
前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階と、
前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして利用して前記エッチング対象膜をエッチングする段階と、を含む、パターン形成方法。
【請求項14】
前記フォトレジストパターンを形成する段階は、5nm~150nmの波長の光を使用する、請求項13に記載のパターン形成方法。
【請求項15】
前記フォトレジストパターンは5nm~100nmの幅を有する、請求項13に記載のパターン形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体フォトレジスト用組成物およびこれを利用したパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイスを製造するための要素技術の1つとして、EUV(極端紫外線光)リソグラフィが注目されている。EUVリソグラフィは、露光光源として波長13.5nmのEUV光を利用するパターン形成技術である。EUVリソグラフィによれば、半導体デバイス製造プロセスの露光工程で、極めて微細なパターン(例えば、20nm以下)を形成できることが実証されている。
【0003】
極端紫外線(extreme ultraviolet、EUV)リソグラフィの実現は、16nm以下の空間解像度(spatial resolutions)で行うことができる互換可能なフォトレジストの現像(development)を必要とする。現在、伝統的な化学増幅型(CA:chemically amplified)フォトレジストは、次世代デバイスのための解像度(resolution)、光速度(photospeed)、およびフィーチャー粗さ(feature roughness)、ラインエッジ粗さ(line edge roughnessまたはLER)に対する仕様(specifications)を充足させるために努力している。
【0004】
これら高分子型フォトレジストで起きる酸触媒反応(acid catalyzed reactions)に起因した固有のイメージぼやけ(intrinsic image blur)は、小さいフィーチャー(feature)大きさで解像度を制限するが、これは電子ビーム(e-beam)リソグラフィで長い間に知られてきた事実である。化学増幅型(CA)フォトレジストは、高い敏感度(sensitivity)のために設計されたが、それらの典型的な元素構成(elemental makeup)が13.5nmの波長でフォトレジストの吸光度を低め、その結果、敏感度を減少させるため、部分的にはEUV露光下でさらに困難を経験することがある。
【0005】
CAフォトレジストはまた、小さいフィーチャー大きさで粗さ(roughness)問題により困難を経験することがあり、部分的に酸触媒工程の本質に起因して、光速度(photospeed)が減少することによってラインエッジ粗さ(LER)が増加することが実験で現れた。CAフォトレジストの欠点および問題に起因して、半導体産業では新たな類型の高性能フォトレジストに対する要求がある。
【0006】
前述した化学増幅型有機系感光性組成物の短所を克服するために、無機系感光性組成物が研究されてきた。無機系感光性組成物の場合、主に非化学増幅型機作による化学的変性により現像剤組成物による除去に耐性を有するネガティブトーンパターニングに使用される。無機系組成物の場合、炭化水素に比べて高いEUV吸収率を有する無機系元素を含有しており、非化学増幅型機作でも敏感性を確保することができ、ストキャスティク効果にも少なく敏感であるため、ラインエッジ粗さおよび欠陥の個数も少ないと知られている。
【0007】
タングステン、およびニオビウム(niobium)、チタニウム(titanium)、および/またはタンタル(tantalum)と混合されたタングステンのペルオキソポリ酸(peroxopolyacids)に基づいた無機フォトレジストは、パターニングのための放射敏感性材料(radiation sensitive materials)用で報告されてきた(US5061599;H.Okamoto,T.Iwayanagi,K.Mochiji,H.Umezaki,T.Kudo,Applied Physics Letters,49(5),298-300,1986)。
【0008】
これら材料は、深紫外線(deep UV)、x線、および電子ビームソースであり、二重層構成(bilayer configuration)に大きいフィーチャーをパターニングするのに効果的であった。さらに最近は、プロジェクションEUV露光により15nmのハーフピッチ(HP)をイメージング(image)するためにペルオキソ錯化剤(peroxo complexing agent)と共に陽イオン性ハフニウムメタルオキシドスルフェート(cationic hafnium metal oxide sulfate、HfSOx)材料を使用する場合、印象的な性能を示した(US2011-0045406;J.K.Stowers,A.Telecky,M.Kocsis,B.L.Clark,D.A.Keszler,A.Grenville,C. N.Anderson,P.P.Naulleau,Proc.SPIE,7969,796915,2011)。このシステムは非CAフォトレジスト(non-CA photoresist)の最上の性能を示し、実行可能なEUVフォトレジストのための要件に接近する光速度を有する。しかし、ペルオキソ錯化剤を有するハフニウムメタルオキシドスルフェート材料(hafnium metal oxide sulfate materials)は、いくつかの現実的な欠点を有する。第一に、この材料は、高い腐食性の硫酸(corrosive sulfuric acid)/過酸化水素(hydrogen peroxide)混合物でコーティングされ、保存期間(shelf-life)安定性(stability)が良くない。第二に、複合混合物であり、性能改善のための構造変更が容易ではない。第三に、25wt%程度の極めて高い濃度のTMAH(tetramethylammonium hydroxide)溶液などで現像されなければならない。
【0009】
最近、スズを含む分子が極端紫外線の吸収が卓越するということが知られることに伴って活発な研究が行われている。そのうちの1つである有機スズ高分子の場合、光吸収またはこれにより生成された二次電子によりアルキルリガンドが解離されながら、周辺鎖とのオキソ結合による架橋を通じて有機系現像液で除去されないネガティブトーンパターニングが可能である。このような有機スズ高分子は、解像度、ラインエッジ粗さを維持しながらも飛躍的に感度が向上することをみせたが、商用化のためには前記パターニング特性の追加的な向上が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一実施形態は、優れた感度を示し、水分に対する保存安定性、およびコーティング性が向上した半導体フォトレジスト用組成物を提供する。
【0011】
本発明の他の実施形態は、前記半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、下記化学式1で表される有機スズ化合物および溶媒を含む。
【0013】
【0014】
前記化学式1中、
R1は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはLa-O-Ra(ここでLaは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Raは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
R2はハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR7R8、ここでR7およびR8はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミダト(amidato)(-NR9(COR10)、ここでR9およびR10はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジナト(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここでR11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり、
R3~R5はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはLc-O-Rc(ここでLcは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rcは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
nは1~3の整数のうちの1つである。
【0015】
本発明の他の実施形態によるパターン形成方法は、基板上にエッチング対象膜を形成する段階と、前記エッチング対象膜の上に上述した半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階と、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階と、前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして利用して前記エッチング対象膜をエッチングする段階と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、水分に対する保管安定性、コーティング性、および感度が向上したフォトレジストパターンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図2】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図3】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図4】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【
図5】一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本記載を説明するに当たり、既に公知となった機能あるいは構成に関する説明は、本記載の要旨を明瞭にするために省略する。
【0019】
本記載を明確に説明するために、説明上不要な部分を省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本記載が必ずしも図示されたものに限定されるものではない。
【0020】
図面において、複数の層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして図面で説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるという時、これは他の部分の「直上に」ある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
【0021】
本記載で、「置換」とは、水素原子が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシ基、チオール基、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、-NRR’(ここで、RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和もしくは不飽和脂環式炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、-SiRR’R’’(ここで、R、R’、およびR’’は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~30の飽和もしくは不飽和脂肪族炭化水素基、置換もしくは非置換の炭素数3~30の飽和もしくは不飽和脂環式炭化水素基、または置換もしくは非置換の炭素数6~30の芳香族炭化水素基である)、炭素数1~30のアルキル基、炭素数1~10のハロアルキル基、炭素数1~10のアルキルシリル基、炭素数3~30のシクロアルキル基、炭素数6~30のアリール基、炭素数1~20のアルコキシ基、炭素数1~20のスルフィド基、またはこれらの組み合わせで置換されたことを意味する。「非置換」とは、水素原子が他の置換基で置換されず、水素原子として残っていることを意味する。
【0022】
本明細書で「アルキル(alkyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基は、如何なる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であり得る。
【0023】
前記アルキル基は、炭素数1~10のアルキル基であり得る。例えば、前記アルキル基は、炭素数1~8のアルキル基、炭素数1~7のアルキル基、炭素数1~6のアルキル基、または炭素数1~5のアルキル基であり得る。例えば、炭素数1~5のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、またはtert-ブチル基、2,2-ジメチルプロピル基であり得る。
【0024】
本記載で、「シクロアルキル(cycloalkyl)基」とは、別途の定義がない限り、1価の環状脂肪族飽和炭化水素基を意味する。
【0025】
シクロアルキル基は、炭素数3~10のシクロアルキル基、例えば、炭素数3~8のシクロアルキル基、炭素数3~7のシクロアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基であり得る。例えば、シクロアルキル基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基であり得、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で、「アリール(aryl)基」とは、環状置換基の全ての元素がp-オービタルを有しており、これらのp-オービタルが共役(conjugation)を形成している置換基を意味し、モノサイクリックまたは縮合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子の隣接した対を共有する環)官能基を含む。
【0027】
本明細書で、「アルケニル(alkenyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であり、1つ以上の二重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルケニル(unsaturated alkenyl)基を意味する。
【0028】
本明細書で、「アルキニル(alkynyl)基」とは、別途の定義がない限り、直鎖型または分枝鎖型の脂肪族炭化水素基であり、1つ以上の三重結合を含んでいる脂肪族不飽和アルキニル(unsaturated alkynyl)基を意味する。
【0029】
本明細書に記載された化学式中のt-Buはtert-ブチル基を意味する。
【0030】
以下、本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を説明する。
【0031】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、下記化学式1で表される有機スズ化合物および溶媒を含む。
【0032】
【0033】
前記化学式1中、
R1は置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはLa-O-Ra(ここでLaは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Raは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
R2はハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR7R8、ここでR7およびR8はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミダト(amidato)(-NR9(COR10)、ここでR9およびR10はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジナト(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここでR11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり、
R3~R5はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基、またはLc-O-Rc(ここでLcは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキレン基であり、Rcは置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基である)であり、
nは1~3の整数のうちの1つである。
【0034】
本発明は、中心金属であるスズにアセチルアセトナートリガンドによるバイデンテイト結合を含むことで、2個の酸素原子が中心金属に安定的に配位するので感度が改善され、水分に対する保管安定性が向上する。
【0035】
一例として、前記nは1または2の整数であり得る。
【0036】
本発明による有機スズ化合物は、中心金属であるスズにアセチルアセトナートリガンド以外にも加水分解性基と感光性反応基を同時に含むことができる。
【0037】
一例として、前記R1は、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはLa-O-Ra(ここでLaは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキレン基であり、Raは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基である)であり得る。
【0038】
具体的な一例として、前記R1は、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ペンチル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基、置換もしくは非置換のメトキシ基、置換もしくは非置換のエトキシ基、置換もしくは非置換のプロポキシ基、またはこれらの組み合わせであり、
Raは、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0039】
一例として、前記R2はハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アルキルアミドまたはジアルキルアミド(-NR7R8、ここでR7およびR8はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、アミダト(amidato)(-NR9(COR10)、ここでR9およびR10はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、またはアミジナト(amidinato)(-NR11C(NR12)R13、ここでR11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり得る。
【0040】
具体的な一例として、前記R2は、ハロゲン、アルコキソおよびアリールオキソ(-ORb、ここでRbは、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は、水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり得る。
【0041】
一実施形態で、前記R2は、カルボキシル基(-O(CO)R6、R6は水素、置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2~10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基、またはこれらの組み合わせである)であり得る。
【0042】
例えば、前記Rbは、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせであり、
前記R6は、水素、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせであり得る。
【0043】
一例として、前記R3~R5はそれぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換のメチル基、置換もしくは非置換のエチル基、置換もしくは非置換のプロピル基、置換もしくは非置換のブチル基、置換もしくは非置換のイソプロピル基、置換もしくは非置換のtert-ブチル基、置換もしくは非置換の2,2-ジメチルプロピル基、置換もしくは非置換のシクロプロピル基、置換もしくは非置換のシクロブチル基、置換もしくは非置換のシクロペンチル基、置換もしくは非置換のシクロヘキシル基、置換もしくは非置換のエテニル基、置換もしくは非置換のプロペニル基、置換もしくは非置換のブテニル基、置換もしくは非置換のエチニル基、置換もしくは非置換のプロピニル基、置換もしくは非置換のブチニル基、置換もしくは非置換のフェニル基、置換もしくは非置換のトリル基、置換もしくは非置換のキシレン基、置換もしくは非置換のベンジル基またはこれらの組み合わせであり得る。
【0044】
前記有機スズ化合物は、下記グループ1に列記された化合物の中から選択される。
【0045】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0046】
前記有機スズ化合物は、13.5nmで極端紫外線光を強く吸収して高エネルギーを有する光に対する感度に優れる。
【0047】
一実施形態による半導体フォトレジスト組成物で、前記半導体フォトレジスト用組成物100重量%を基準として、前記有機スズ化合物は1重量%~30重量%、例えば、1重量%~25重量%、例えば、1重量%~20重量%、例えば、1重量%~15重量%、例えば、1重量%~10重量%、例えば、1重量%~5重量%の含有量で含むことができ、これらに限定されない。有機スズ化合物が上記範囲の含有量で含まれる場合、半導体フォトレジスト用組成物の保管安定性およびエッチング耐性が向上し、解像度特性が改善される。
【0048】
本発明の一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、前記有機スズ化合物を含むことで、優れた感度および安定性を有する半導体フォトレジスト用組成物を提供することができる。
【0049】
一実施形態による半導体フォトレジスト組成物に含まれる溶媒は有機溶媒であり、一例として、芳香族化合物類(例えば、キシレン、トルエン)、アルコール類(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、エーテル類(例えば、アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル類(n-ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、2-ヘプタノン)、これらの混合物などを含むことができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
一実施形態で、前記半導体フォトレジスト組成物は、前記有機スズ化合物および溶媒以外に、樹脂をさらに含むことができる。
【0051】
前記樹脂としては、下記グループ2に列記された芳香族モイエティを少なくとも1つ以上含むフェノール系樹脂であり得る。
【0052】
【0053】
前記樹脂は、重量平均分子量が500~20,000であり得る。
【0054】
前記樹脂は、前記半導体フォトレジスト用組成物の総含有量に対して0.1重量%~50重量%で含まれ得る。
【0055】
前記樹脂が、上記含有量の範囲で含まれる場合、優れた耐エッチング性および耐熱性を有することができる。
【0056】
一方、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、前記有機スズ化合物、溶媒、および樹脂からなることが好ましい。ただし、上述した実施形態による半導体フォトレジスト用組成物は、場合によって添加剤をさらに含むことができる。前記添加剤としては、界面活性剤、架橋剤、レベリング剤、有機酸、抑制剤(quencher)またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0057】
界面活性剤は、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレングリコール、第4級アンモニウム塩、またはこれらの組み合わせを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
架橋剤は、例えば、メラミン系架橋剤、置換尿素系架橋剤、アクリル系架橋剤、エポキシ系架橋剤、またはポリマー系架橋剤などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤として、例えば、メトキシメチル化グリコルリル、ブトキシメチル化グリコルリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグアナミン、ブトキシメチル化ベンゾグアナミン、4-ヒドロキシブチルアクリレート、アクリル酸、ウレタンアクリレート、アクリルメタクリレート、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、グリシドール、ジグリシジル1,2-シクロヘキサンジカルボキシレート、トリメチルプロパントリグリシジルエーテル、1,3-ビス(グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素などの化合物を使用することができる。
【0059】
レベリング剤は、印刷時にコーティング平坦性を向上させるためのものであり、商業的な方法で入手可能な公知のレベリング剤を使用することができる。
【0060】
有機酸は、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4-ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、フッ化スルホニウム塩、マロン酸、クエン酸、プロピオン酸、メタクリル酸、シュウ酸、乳酸、グリコール酸、コハク酸、またはこれらの組み合わせであり得るが、これらに限定されるものではない。
【0061】
抑制剤(quencher)は、ジフェニル(p-トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0062】
前記これら添加剤の使用量は、所望の物性により容易に調節することができ、省略することもできる。
【0063】
また、前記半導体フォトレジスト用組成物は、基板との密着力などの向上のために(例えば、半導体フォトレジスト用組成物の基板との接着力向上のため)、接着増強剤としてシランカップリング剤を添加剤としてさらに使用することができる。前記シランカップリング剤は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン;または3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン;トリメトキシ[3-(フェニルアミノ)プロピル]シランなどの炭素-炭素不飽和結合含有シラン化合物などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0064】
前記半導体フォトレジスト用組成物は、高い縦横比(aspect ratio)を有するパターンを形成してもパターン崩壊が発生しないことがある。したがって、例えば、5nm~100nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~80nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~70nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~50nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~40nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~30nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~20nmの幅を有する微細パターン、例えば、5nm~10nmの幅を有する微細パターンを形成するために、5nm~150nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~100nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~80nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~50nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~30nm波長の光を使用するフォトレジスト工程、例えば、5nm~20nm波長の光を使用するフォトレジスト工程に使用することができる。したがって、一実施形態による半導体フォトレジスト用組成物を利用すると、約13.5nm波長のEUV光源を使用する極端紫外線リソグラフィを実現することができる。
【0065】
一方、他の一実施形態によれば、前記半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法が提供され得る。一例として、製造されたパターンは、フォトレジストパターンであり得る。
【0066】
一実施形態によるパターン形成方法は、基板上にエッチング対象膜を形成する段階と、前記エッチング対象膜の上に前記半導体フォトレジスト用組成物を適用してフォトレジスト膜を形成する段階と、前記フォトレジスト膜をパターニングしてフォトレジストパターンを形成する段階と、前記フォトレジストパターンをエッチングマスクとして利用して前記エッチング対象膜をエッチングする段階と、を含む。
【0067】
以下、前記半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する方法について
図1~
図5を参照して説明する。
図1~
図5は、本発明による半導体フォトレジスト用組成物を利用したパターン形成方法を説明するための断面図である。
【0068】
図1を参照すると、まずエッチング対象物を用意する。前記エッチング対象物の例としては、半導体基板100上に形成される薄膜102であり得る。以下、前記エッチング対象物が薄膜102である場合に限り説明する。前記薄膜102上に残留する汚染物などを除去するために前記薄膜102の表面を洗浄する。前記薄膜102は、例えばシリコン窒化膜、ポリシリコン膜またはシリコン酸化膜であり得る。
【0069】
次に、洗浄された薄膜102の表面上にレジスト下層膜104を提供するためのレジスト下層膜形成用組成物をスピンコーティング方式を適用してコーティングする。ただし、一実施形態が必ずしもこれに限定されず、公知の多様なコーティング方法、例えばスプレーコーティング、ディップコーティング、ナイフエッジコーティング、プリンティング法、例えばインクジェットプリンティングおよびスクリーンプリンティングなどを利用することもできる。
【0070】
前記レジスト下層膜コーティング工程は省略することができ、以下では前記レジスト下層膜をコーティングする場合について説明する。
【0071】
その後、乾燥およびベーキング工程を行って前記薄膜102上にレジスト下層膜104を形成する。前記ベーキング処理は約100~約500℃で行い、例えば約100℃~約300℃で行うことができる。
【0072】
レジスト下層膜104は、基板100とフォトレジスト膜106との間に形成され、基板100とフォトレジスト膜106との界面または層間ハードマスク(hardmask)から反射される照射線が意図しないフォトレジスト領域に散乱される場合、フォトレジスト線幅(linewidth)の不均一およびパターン形成性を妨害することを防止することができる。
【0073】
図2を参照すると、前記レジスト下層膜104の上に前記半導体フォトレジスト用組成物をコーティングしてフォトレジスト膜106を形成する。前記フォトレジスト膜106は、基板100上に形成された薄膜102の上に前記半導体フォトレジスト用組成物をコーティングした後、熱処理工程により硬化した形態であり得る。
【0074】
より具体的には、半導体フォトレジスト用組成物を使用してパターンを形成する段階は、前記半導体フォトレジスト用組成物を薄膜102が形成された基板100上にスピンコーティング、スリットコーティング、インクジェットプリンティングなどで塗布する工程、および塗布された半導体フォトレジスト用組成物を乾燥してフォトレジスト膜106を形成する工程を含むことができる。
【0075】
半導体フォトレジスト用組成物については既に詳細に説明したため、重複説明は省略する。
【0076】
次に、前記フォトレジスト膜106が形成されている基板100を加熱する第1ベーキング工程を行う。前記第1ベーキング工程は、約80℃~約120℃の温度で行うことができる。
【0077】
図3を参照すると、前記フォトレジスト膜106をパターン化されたマスク110を利用して選択的に露光する。
【0078】
一例として、前記露光工程で使用することができる光の例としては、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光などが挙げられる。
【0079】
より具体的には、一実施形態による露光用光は、5nm~150nmの波長範囲を有する光であり得、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギー波長を有する光であり得る。
【0080】
フォトレジスト膜106中の露光された領域106bは、有機金属化合物間の縮合など架橋反応により重合体を形成することによってフォトレジスト膜106の未露光領域106aと互いに異なる溶解度を有することになる。
【0081】
次に、前記基板100に第2ベーキング工程を行う。前記第2ベーキング工程は、約90℃~約200℃の温度で行うことができる。前記第2ベーキング工程を行うことによって、前記フォトレジスト膜106の露光された領域106bは現像液に溶解が難しい状態となる。
【0082】
図4には、現像液を利用して前記未露光領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解して除去することによって形成されたフォトレジストパターン108が図示されている。具体的には、2-ヘプタノン(2-heptanone)などの有機溶媒を使用して前記未露光領域に該当するフォトレジスト膜106aを溶解した後に除去することによって前記ネガティブトーンイメージに該当するフォトレジストパターン108が完成する。
【0083】
上述したように、一実施形態によるパターン形成方法で使用される現像液は、有機溶媒であり得る。一実施形態によるパターン形成方法で使用される有機溶媒の一例として、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノンなどのケトン類、4-メチル-2-プロパノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノールなどのアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、n-ブチルアセテート、ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、キシレン、トルエンなどの芳香族化合物、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0084】
ただし、一実施形態によるフォトレジストパターンが必ずしもネガティブトーンイメージで形成されることに限定されず、ポジティブトーンイメージを有するように形成することもできる。この場合、ポジティブトーンイメージの形成のために使用することができる現像剤としては、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドまたはこれらの組み合わせなどの第4級アンモニウムヒドロキシド組成物などが挙げられる。
【0085】
上述したように、i-線(波長365nm)、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)などの波長を有する光だけでなく、EUV(Extreme UltraViolet;波長13.5nm)、E-Beam(電子ビーム)などの高エネルギーを有する光などにより露光されて形成されたフォトレジストパターン108は、5nm~100nm厚さの幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108は、5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nm、5nm~10nmの幅で形成され得る。
【0086】
一方、前記フォトレジストパターン108は、約50nm以下、例えば40nm以下、例えば30nm以下、例えば20nm以下、例えば10nm以下の半ピッチ(half-pitch)および、約5nm以下、約3nm以下、約2nm以下、約1nm以下の線幅粗さを有するピッチを有することができる。
【0087】
次に、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして前記レジスト下層膜104をエッチングする。このようなエッチング工程で有機膜パターン112が形成される。形成された前記有機膜パターン112もフォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。
【0088】
図5を参照すると、前記フォトレジストパターン108をエッチングマスクとして適用して露出した薄膜102をエッチングする。その結果、前記薄膜は薄膜パターン114で形成される。
【0089】
前記薄膜102のエッチングは、例えば、エッチングガスを使用した乾式エッチングで行うことができ、エッチングガスは、例えばCHF3、CF4、Cl2、BCl3およびこれらの混合ガスを使用することができる。
【0090】
先に行われた露光工程で、EUV光源を使用して行われた露光工程により形成されたフォトレジストパターン108を利用して形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108に対応する幅を有することができる。一例として、前記フォトレジストパターン108と同様に5nm~100nmの幅を有することができる。例えば、EUV光源を使用して行われた露光工程により形成された薄膜パターン114は、前記フォトレジストパターン108と同様に5nm~90nm、5nm~80nm、5nm~70nm、5nm~60nm、5nm~50nm、5nm~40nm、5nm~30nm、5nm~20nmの幅を有することができ、より具体的には20nm以下の幅で形成され得る。
【実施例0091】
以下、上述した半導体フォトレジスト用組成物の製造に関する実施例を通じて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記の実施例により本発明の技術的特徴が限定されるものではない。
【0092】
(有機スズ化合物の合成)
合成例1:化学式2で表される化合物の合成
100mLのシュレンクフラスコに、t-ブチルトリイソプロポキシドスズ10gを入れて無水ジクロロメタン31mLを加えた後、0℃、窒素雰囲気で攪拌した。
【0093】
そこにアセチルアセトン6.3gを0℃で徐々に加えた。溶液を常温で3時間攪拌した。溶液を0℃に下げ、酢酸1.89gを徐々に加えた後、常温で12時間攪拌した。
【0094】
反応液にノルマルヘキサンを加えた後、低温で保管して固体を生成させた。
【0095】
固体を窒素雰囲気下でろ過した後、ノルマルヘキサンで洗浄して、白色固体形態の化学式2で表される化合物を得た。
【0096】
【0097】
合成例2:化学式3で表される化合物の合成
100mLのシュレンクフラスコに、t-ブチルトリイソプロポキシドスズ10gを入れて無水ジクロロメタン31mLを加えた後、0℃、窒素雰囲気で攪拌した。
【0098】
そこに、アセチルアセトン3.15gと酢酸3.78gを混合した溶液を0℃で徐々に加えた後、常温で12時間攪拌した。
【0099】
反応液を減圧濃縮してジクロロメタンを除去して、化学式3で表される化合物を得た。
【0100】
【0101】
合成例3:化学式4で表される化合物の合成
100mLのシュレンクフラスコに、t-ブチルトリイソプロポキシドスズ10gを入れて無水ジクロロメタン31mLを加えた後、0℃、窒素雰囲気で攪拌した。
【0102】
そこにアセチルアセトン6.3gを0℃で徐々に加えた。溶液を常温で3時間攪拌した。
【0103】
反応液にノルマルヘキサンを加えた後、低温で保管して固体を生成した。
【0104】
固体を窒素雰囲気下でろ過した後、ノルマルヘキサンで洗浄して、白色固体形態の化学式4で表される化合物を得た。
【0105】
【0106】
合成例4:化学式5で表される化合物の合成
100mLのシュレンクフラスコに、t-ブチルトリイソプロポキシドスズ10gを入れて無水ジクロロメタン31mLを加えた後、0℃、窒素雰囲気で攪拌した。
【0107】
そこにアセチルアセトン3.15gを0℃で徐々に加えた後、常温で3時間攪拌した。
【0108】
反応液を減圧濃縮してジクロロメタンを除去して、化学式5で表される化合物を得た。
【0109】
【0110】
比較合成例1
nBuSnCl3(butyltin trichloride)8.5gを無水ペンタンに溶かし、温度を0℃に下げた。その後、trimethylamine10.0gを徐々に滴下した後、エタノール4.2gを添加して常温で5時間攪拌した。反応が終了したらろ過し、濃縮後、真空乾燥して、下記化学式6で表される化合物を得た。
【0111】
【0112】
比較合成例2
比較合成例1でnBuSnCl3の代わりにBnSnCl3(benzyltin trichloride)を使用したことを除いては、比較合成例1と同様の方法で合成して、下記化学式7で表される化合物を得た。
【0113】
【0114】
(半導体フォトレジスト用組成物の製造)
実施例1~4、比較例1および2
合成例1~4で得られた化学式2~化学式5で表される化合物および比較合成例1および2で得られた化学式6または化学式7で表される化合物をそれぞれ4-メチル-2-ペンタノール(4-methyl-2-pentanol)に3wt%に溶かし、0.1μmのPTFE syringe filterでろ過して、フォトレジスト組成物を製造した。
【0115】
自然酸化物表面を有する直径4インチの円形シリコンウェーハを薄膜蒸着用基板として使用した。レジスト薄膜を蒸着する前にウェーハをUVオゾンクリーニングシステムで10分間処理し、前記レジスト組成物をウェーハ上に1500rpmで30秒間スピンコーティングし、100℃で120秒間焼成して薄膜を形成した。その後、偏光解析法(ellipsometry)によりコーティングおよび焼成後のフィルムの厚さを測定した結果、実施例1~実施例4は25nmであり、比較例1および比較例2は20nmであった。
【0116】
評価1:感度の評価
レジスト薄膜が蒸着された基板を40nm Half-pitchのナノ線が形成されるように100kVの加速電圧のE-beamに露出させた。照射された基板を40℃で30秒間露出後に2-heptanoneが入っているペトリディッシュに60秒間浸漬して取り出した後、同じ溶剤で10秒間洗浄した後、最終的に150℃で焼成した。パターニング基板のパターン性能を確認するためにFE-SEM(field emission scanning electron microscopy)のイメージ形成された線のCD sizeを測定した。感度は1,000uC/cm2のエネルギーでCD sizeが40nm以上の場合「◎」、35nm以上の場合「○」、35nm以下である場合「△」で表した。
【0117】
評価2:保管安定性の評価
実施例1~実施例4、比較例1および比較例2に使用された有機金属化合物に対して、下記基準により保管安定性を評価して下記表1に示す。
【0118】
[保管安定性]
常温(20±5℃)で実施例1~4、比較例1および2による半導体フォトレジスト組成物を特定期間放置した後、沈殿が発生する程度を肉眼で観察して、下記の保管可能基準により評価した。
【0119】
※評価基準
◎:4ヶ月以上保管可能
○:3ヶ月~4ヶ月未満保管可能
△:1ヶ月~3ヶ月未満保管可能
X:2週間未満保管可能
【0120】
【0121】
上記表1の結果から、実施例による半導体用フォトレジスト組成物は、比較例に比べて感度に優れ、保管安定性が顕著に改善されることを確認することができる。
【0122】
上記で、本発明の特定の実施例が説明され、図示されたが、本発明は、記載された実施例に限定されるものではなく、本発明の思想および範囲を逸脱せずに多様に修正および変形可能であることは当該技術分野における通常の知識を有する者に自明である。したがって、そのような修正例または変形例は、本発明の技術的な思想や観点から個別的に理解されてはならず、変形された実施例は本発明の特許請求の範囲に属するといえる。
100…基板、102…薄膜、104…レジスト下層膜、106…フォトレジスト膜、106a…未露光領域、106b…露光された領域、108…フォトレジストパターン、112…有機膜パターン、110…パターン化されたマスク、114…薄膜パターン。