(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027239
(43)【公開日】2025-02-27
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/25 20060101AFI20250219BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20250219BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20250219BHJP
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A61K 8/89 20060101ALI20250219BHJP
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A61Q 1/10 20060101ALI20250219BHJP
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A61Q 1/04 20060101ALI20250219BHJP
A61Q 15/00 20060101ALI20250219BHJP
A61Q 3/02 20060101ALI20250219BHJP
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C08F 299/04 20060101ALI20250219BHJP
C08G 77/442 20060101ALI20250219BHJP
C08L 101/16 20060101ALN20250219BHJP
【FI】
A61K8/25
A61Q19/00 ZBP
A61Q1/00
A61Q17/04
A61K8/89
A61Q1/02
A61Q1/10
A61Q1/06
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A61Q15/00
A61Q3/02
C08G63/91
C08F299/04
C08G77/442
C08L101/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023131876
(22)【出願日】2023-08-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大木 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】田中 充
【テーマコード(参考)】
4C083
4J029
4J127
4J200
4J246
【Fターム(参考)】
4C083AA112
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4J029AA03
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4J029AE18
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4J246FA79
4J246FB211
4J246GB24
4J246GB32
4J246HA53
(57)【要約】
【課題】使用後に環境中で分解し、粒子(固形物)として残存することがなく、化粧料に配合した際に、高い柔軟性、滑り性、光拡散性を奏する粒子を含む化粧料の提供。
【解決手段】
下記(i)及び(ii)の少なくとも1種の粒子を含有する化粧料。
(i)体積平均粒径が1.0~100μmであり、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子
(ii)前記(i)エラストマー球状粒子の表面に、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するエラストマー複合粒子
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(i)及び(ii)の少なくとも1種の粒子を含有する化粧料。
(i)体積平均粒径が1.0~100μmであり、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子
(ii)前記(i)エラストマー球状粒子の表面に、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するエラストマー複合粒子
【請求項2】
前記共重合体が、一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する、ポリエステル-ポリエーテル共重合体である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記共重合体が、下記一般式(1)又は(2)で示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体である、請求項2に記載の化粧料。
【化1】
(一般式(1)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に下記一般式(3a)、(3b)、又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、kはそれぞれ独立に1≦k≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、nはそれぞれ独立に1≦n≦100の数である。
一般式(2)中、R
3はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
4はそれぞれ独立に下記一般式(4a)又は(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、pはそれぞれ独立に1≦p≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、qはそれぞれ独立に1≦q≦100の数である。)
【化2】
(一般式(3a)、(3b)、(3c)、(4a)及び(4b)中、R
5はそれぞれ独立に炭素数1~8の2価炭化水素基を示し、R
6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基を示す。)
【請求項4】
前記共重合体が、下記一般式(5)で示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体である、請求項2に記載の化粧料。
【化3】
(一般式(5)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に下記一般式(3a)、(3b)又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、rはそれぞれ独立に1≦r≦100の数である。)
【化4】
(一般式(3a)、(3b)及び(3c)中、R
5はそれぞれ独立に炭素数1~8の2価炭化水素基を示し、R
6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基を示す。)
【請求項5】
前記エラストマー球状粒子が、JIS K 6253に規定されるタイプAデュロメータによるゴム硬度10~80を有するものである、請求項1に記載の化粧料。
【請求項6】
前記化粧料が、スキンケア化粧料である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項7】
前記化粧料が、メークアップ化粧料である、請求項1に記載の化粧料。
【請求項8】
前記化粧料が、サンケア化粧料である、請求項1に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル及びポリエーテル構造を有する共重合体を構成単位に含むエラストマー球状粒子及び/又は該エラストマー球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するエラストマー複合粒子を含有する化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等のメークアップ化粧料は、肌のシワ、毛穴、キメの荒さ等の形態トラブルや、肌のシミ、そばかす等の色調トラブルを隠し、肌を滑らかに、美しく見せるためのものであり、近年では人工的でない自然な仕上がり感(素肌感)が重視されている。また、化粧料の自然な仕上がり感は、不自然な光沢(つや)がなく、化粧膜の付きの均一性に優れ、高い透明性を有する場合に評される。
【0003】
従来、前記メークアップ化粧料の効果を踏襲させつつも、自然な仕上がり感を得るため、多くの新素材や新技術の提案がなされている。特に、形態トラブルを隠す方法としては、各種の拡散反射型粉体を配合した化粧料が知られている。
【0004】
特許文献1には、粘着性物質を含有する第一層用メークアップ下地料と、光を拡散反射する粉体を含有する第二層用メークアップ仕上料とを組み合わせたシワ隠し用重層化粧料が提案されている。このシワ隠し用重層化粧料には、例えば、タルク粒子をアクリル系ポリマーで被覆した光拡散反射型複合粉体が用いられている。
【0005】
しかしながら、この化粧料では、肌上で化粧膜を長時間保持した場合、皮脂が粘着性物質と混合することによって粉体と粘着性物質との適正混合範囲から外れ、その効果が低減してしまうという欠点があった。
【0006】
特許文献2には、天然雲母等の薄片状物質の表面に球状のシリカ微粒子を被覆してなる薄片状微粉末が開示されている。この薄片状微粉末は、光の表面拡散散乱効果が大きい球状微粒子を用いているので、この薄片状微粉末を化粧料配合剤として用いると、「基質雲母の過度の光沢を抑制すると共に、小皺を目立たなくする等のいわゆるソフトフォーカス効果を発揮することができる。また、使用時のすべり性や感触等も一段と改善された化粧品を得ることができる。」という技術的効果が奏されるとされている。
【0007】
しかし、上記薄片状微粉末の滑り性が非常に優れるがゆえに、これを配合した化粧料は塗布時にヨレが生じやすく、化粧料を均一に塗布することが困難であり、自然な仕上がりが得られないという欠点があった。さらに、被覆剤として使用されるシリカ微粒子は、該複合粉体の肌との接触面積を低下させるため、肌に対する付着性を低下させ、衣服によるすれ等の物理的衝撃によって複合粉体を肌上より剥がれ落ちやすくさせ、化粧料効果の持続性を低下させるという欠点があった。また、薄片状微粉末中のシリカ微粒子の比率を低下させ、複合粉体の肌に対する付着性を向上させようとすると、形態トラブルに対する効果が十分に得られなくなるという欠点があった。
【0008】
その他、形態トラブルの回避、あるいは自然な仕上がり感を演出することを目的とするこれらに類する技術としては、薄片状体質顔料をコアとして、これを有色顔料含有二酸化チタンで被覆し、さらにこれを、光を拡散する粉体で被覆したコアシェル構造の顔料を含有する化粧料(特許文献3)、粘土鉱物の表面を水酸化アルミニウムのような無機金属水酸化物によって被覆した複合粉体を化粧料に配合する技術(特許文献4、5)、硫酸バリウム等の屈折率1.6~1.7の粉体表面に、高屈折率の金属酸化物で被覆された層を有し、さらにその上に黄酸化鉄、黒酸化鉄、及びベンガラから選択される1種又は2種以上で被覆された層を有する粉体を含有する化粧料(特許文献6)、シリカゾルと亜鉛酸化物等の複合化によって得られたシリカ/酸化亜鉛複合体を配合する化粧料(特許文献7)等がある。
【0009】
しかしながら、これら複合粉体は、その光拡散効果により、ある程度のソフトフォーカス効果を発現するものの、無機金属酸化物あるいは無機金属水酸化物から構成されているため、化粧料の使用感という点に着目した場合、その複合粉体自体の硬さから、柔らかさ、しっとりさ、滑らかさ等で、充分に満足が得られるものではなかった。
【0010】
一方、化粧料粉体の使用感の改善、すなわち、さらさら感、滑らかさ等の使用感、伸展性、付着性等を付与する目的で、特許文献8には、鱗片状無機粒子の粒子表面をポリウレタン、スチレンーブタジエン共重合体、シリコーン系エラストマー、又はポリオレフィン系エラストマーで被覆した粒子が提案されており、柔らかくしっとりとした感触が得られるとされている。
【0011】
別の文献では、粒子表面にシリコーンエラストマーを付着・被覆した粒子、及びその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献9には、反応性官能基を有するシリコーンエラストマーとシリカとを粉砕混合する方法が提案されているが、母粒子となるシリカ粒子は粉砕されるため、初期の形状、粒径を維持した粒子を得ることができない。すなわち、粒状、板状、棒状等の特定の形状をした粒子を得ることはできず、また、粒径を制御することが困難であるという欠点がある。
特許文献10には、母粒子とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンを混合したのち、シリコーンを硬化させる方法が提案されているが、得られる粒子は粒子中に母粒子が複数存在するものである。また、特許文献11には、母粒子となるシリカ粒子とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンの混合物を水に乳化分散したのち、シリコーンを硬化させる方法が提案されており、特許文献12には、シリカ粒子水分散液とシリコーンエラストマーとなる硬化性シリコーンの混合物を水に乳化分散させたのち、シリコーンを硬化させる方法が提案されているが、いずれの方法も粒子中に母粒子が複数存在するものになったり、母粒子を含まない粒子ができたりする。
【0012】
そこで特許文献13では、粉体及びシリコーンエラストマーが分散された混合水分散液に、酸性物質またはアルカリ性物質と、アルコキシシラン、シラノール基含有シラン、及びこれらの部分縮合物から選ばれる化合物とを添加し、この化合物を加水分解・縮合反応させることによって、シリコーンレジンをバインダーとして核粉体の表面にシリコーンエラストマーを付着してなる複合粒子を提案しており、これを配合した化粧料は、シリコーンエラストマー特有のさらさら感、柔らかさ、しっとりとした使用感があり、伸び、柔らかさ、付き、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果を付与することができる。
【0013】
また、シリコーンゴム球状粒子は、化粧料に柔らかい感触やなめらかさ等の使用感を付与する目的や、光を散乱させ自然な仕上がりを演出する目的、毛穴やシワなどを見えにくくする目的等において、ファンデーション及び化粧下地などのメークアップ化粧料、クリーム及び乳液等のスキンケア化粧料、サンスクリーン化粧料等、幅広い化粧料・化粧品材料に用いられている。
【0014】
例えば、ポリメチルシルセスキオキサン粒子・粉末を含有する化粧料(特許文献14)、球状シリコーンゴム粒子・粉末を有するメーキャップ化粧料(特許文献15)、シリコーンゴム球状粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆したシリコーン複合粒子・粉体を含有する化粧料(特許文献16)、が提案されている。これらのシリコーンゴム球状粒子や、シリコーンゴム球状粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆した複合粒子は、上述の通り、化粧料に柔らかな感触やなめらかさ等の使用感を付与することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6-128122号公報
【特許文献2】国際公開第92/03119号 パンフレット
【特許文献3】特開平8-188723号公報
【特許文献4】特開平9-20609号公報
【特許文献5】特開2002-146238号公報
【特許文献6】特開2003-40737号公報
【特許文献7】特許3702072号公報
【特許文献8】特許3963635号公報
【特許文献9】特開平8-3451号公報
【特許文献10】特開平3-294357号公報
【特許文献11】特開平2-232263号公報
【特許文献12】特開平3-281536号公報
【特許文献13】特開2011-1332号公報
【特許文献14】特開昭63-297313号公報
【特許文献15】特開平8-12524号公報
【特許文献16】特開平9-20631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、各種化粧料等に配合される上記これらのシリコーンゴム球状粒子やポリメチルシルセスキオキサン粒子、シリコーンゴム球状粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆したシリコーン複合粒子は、土壌、陸水、海水・海洋などの自然環境下に放出・流出された際、粒子の構造内に分解性を有する・あるいは付与する骨格・単位を有していないため、分解されず環境中において残存し続けることが懸念される。
【0017】
これに加え、海洋中に流出したプラスチックや、ミリオーダーからマイクロオーダーまで分解・微細化されたマイクロプラスチックは、環境中に存在する有害物質や病原菌等を吸着する特性があり、これらを海洋生物などが誤って体内に取り込むことで、生態系に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、このマイクロプラスチックに対する規制の動きが出始めている。
また一方で、各種化粧料等に配合されるマイクロプラスチックに該当しない球状粒子に、シリカ、あるいは生分解性を有するセルロース粉末があるが、柔軟性、滑り性、ならびに光拡散性において、シリコーンゴム球状粒子やポリメチルシルセスキオキサン粒子、シリコーンゴム球状粒子にポリオルガノシルセスキオキサン樹脂を被覆したシリコーン複合粒子に比べて、その効果は劣る。
【0018】
このような背景から、使用後において環境中で分解し、粒子(固形物)として残存することがなく、且つ、化粧料に配合した際に、高い柔軟性、滑り性、ならびに光拡散性を発現し得るエラストマー球状粒子が求められている。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、土壌、陸水、海洋・海水を含む自然環境下において、光、熱、酸・塩基などの外部刺激や微生物や菌類などの働きにより、高い分解性を有する(共)重合体を構成単位としたエラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を含む化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、特定のポリエステル構造、及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を含む化粧料が、上述する課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0021】
従って本発明は、下記化粧料を提供するものである。
[1].
下記(i)及び(ii)の少なくとも1種の粒子を含有する化粧料。
(i)体積平均粒径が1.0~100μmであり、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子
(ii)前記(i)エラストマー球状粒子の表面に、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するエラストマー複合粒子
[2].
前記共重合体が、一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する、ポリエステル-ポリエーテル共重合体である、[1]に記載の化粧料。
[3].
前記共重合体が、下記一般式(1)又は(2)で示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体である、[2]に記載の化粧料。
【化1】
(一般式(1)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に下記一般式(3a)、(3b)又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、kはそれぞれ独立に1≦k≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、nはそれぞれ独立に1≦n≦100の数である。
一般式(2)中、R
3はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
4はそれぞれ独立に下記一般式(4a)又は(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、pはそれぞれ独立に1≦p≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、qはそれぞれ独立に1≦q≦100の数である。)
【化2】
(一般式(3a)、(3b)、(3c)、(4a)及び(4b)中、R
5はそれぞれ独立に炭素数1~8の2価炭化水素基を示し、R
6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基を示す。)
[4].
前記共重合体が、下記一般式(5)で示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体である、[2]に記載の化粧料。
【化3】
(一般式(5)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に下記一般式(3a)、(3b)又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、rはそれぞれ独立に1≦r≦100の数である。)
【化4】
(一般式(3a)、(3b)及び(3c)中、R
5はそれぞれ独立に炭素数1~8の2価炭化水素基を示し、R
6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基を示す。)
[5].
前記エラストマー球状粒子が、JIS K 6253に規定されるタイプAデュロメータによるゴム硬度10~80を有するものである、[1]~[4]のいずれか1項に記載の化粧料。
[6].
前記化粧料が、スキンケア化粧料である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の化粧料。
[7].
前記化粧料が、メークアップ化粧料である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の化粧料。
[8].
前記化粧料が、サンケア化粧料である、[1]~[5]のいずれか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0022】
本発明のエラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を含む化粧料は、伸び、柔らかさ、付き、混ざり具合が良好で、肌の形態補正効果に優れる化粧料を提供することができる。
また、エラストマー球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを付着してなるエラストマー複合粒子は、進延性、使用性、付着性、分散性、形態補正効果、耐水性、耐皮脂性において優れたものである。このような複合粒子を使用した本発明の化粧料は、軽い伸び広がりを有し、柔らかく、均一に塗り広げることが可能で、分散性、耐皮脂性、及び化粧持ちも非常によく、また、いかなる化粧料に配合しても、温度や経時による変化のない非常に優れた安定性を有する化粧料を提供することができる。
さらに、エラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子は、粒子中に分解性を有する単位骨格のポリエステル構造を有しており、水分存在下において粒子の架橋構造が切断されるため、分解性を有する。特に、粒子中のポリエステル構造として、微生物認識骨格であるポリ-ε-カプロラクトン構造を有する粒子は、環境分解性、生分解性が期待できる。
従って、本発明のエラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を含む化粧料は、環境負荷低減材料としての使用・利用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】調製例1で得られたエラストマー球状粒子の電子顕微鏡写真である。
【
図2】調製例3で得られたエラストマー球状粒子の電子顕微鏡写真である。
【
図3】調製・製造例3で得られたエラストマー複合粒子(シリカ被覆エラストマー球状粒子)の電子顕微鏡写真(倍率x1,000)である。
【
図4】調製・製造例3で得られたエラストマー複合粒子(シリカ被覆エラストマー球状粒子)の電子顕微鏡写真(倍率x7,500)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の化粧料は、
(i)体積平均粒径が1.0~100μmであり、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子、
及び/又は
(ii)前記エラストマー球状粒子の表面に、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するエラストマー複合粒子
を含有することを特徴とする。
【0025】
以下、本発明について、
I.エラストマー球状粒子、及びエラストマー球状粒子の製造方法、
II.エラストマー複合粒子、及びエラストマー複合粒子の製造方法、
III.エラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子を用いた化粧料の製造方法、
IV.エラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子を含有する化粧料
の順に、詳細に説明する。
【0026】
I.エラストマー球状粒子、及びエラストマー球状粒子の製造方法
本発明の化粧料に配合されるエラストマー球状粒子は、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の重合体(架橋粒子)を指すものである。
【0027】
エラストマー球状粒子の形状は、球状であることが好ましい。
本発明における「球状」とは、粒子形状が真球のみを指すものではなく、アスペクト比(最長軸の長さ/最短軸の長さ)の値が平均して、通常1~4、好ましくは1~2、より好ましくは1.0~1.6、さらに好ましくは1.0~1.4の範囲にある、変形した楕円体も含む。
後述する製造方法に示す通り、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体を、界面活性剤または懸濁剤を用いて乳化・懸濁分散させて架橋する方法の場合、得られる粒子の形状は球状となる。
エラストマー球状粒子の形状は、例えば、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて観察することで確認でき、そのアスペクト比は、顕微鏡写真から任意に50個の粒子の最長軸及び最短軸の長さをそれぞれ計測し、平均値として算出した値である。
【0028】
本発明において、エラストマー球状粒子の体積平均粒径は1.0~100μmの範囲であり、好ましくは1.0~50μmの範囲、より好ましくは2.0~20μmの範囲である。
体積平均粒子径が100μmより大きい場合、粒子の流動性が低下し、凝集性が高くなるため、粒子としてのなめらかさや光拡散性を十分に付与することができなくなる。また、体積平均粒径が1.0μmより小さい場合、粒子としてのさらさら感、なめらかさ等が低下し、ざらつき感が出る場合があり、光拡散性は低下する。
エラストマー球状粒子の体積平均粒径は、下記より測定した値を示すものである。体積平均粒径の測定に先立ち、エラストマー球状粒子の顕微鏡写真から任意に50個の粒子の粒径を測定し、その平均値が1μm以上か未満かで判定する。各種界面活性剤を用い、エラストマー球状粒子を水に再分散させた分散液を調製し、先の判定結果が1μm以上の場合、体積平均粒径は電気抵抗法で測定された値で示し、判定結果が1μm未満の場合、体積平均粒径はレーザー回折/散乱法で測定された値で示すものとする。
【0029】
エラストマー球状粒子の成分であるゴム(エラストマー)は、タックやべたつきが生じていないことが好ましい。エラストマー球状粒子の成分であるゴム(エラストマー)のゴム硬度が、JIS K6253に規定されているタイプAデュロメータによる測定において、10~80の範囲にあることが好ましく、より好ましくは20~70の範囲である。また、日本ゴム協会基準規格(SRIS)に規定されているアスカーゴム硬度計C型によるゴム硬度の測定において、エラストマー球状粒子の成分であるゴム(エラストマー)のゴム硬度が、10~90の範囲にあることが好ましく、より好ましくは20~90の範囲、さらに好ましくは40~90の範囲である。
各測定におけるゴム硬度の値が10より小さい場合、粒子の凝集性が高くなり、分散性が低下する。また、タイプAデュロメータによる測定におけるゴム硬度が80より大きい場合、柔らかな感触が低下するため、好ましくない。
【0030】
エラストマー球状粒子は、さらには、一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する、ポリエステル-ポリエーテル共重合体の重合体からなる粒子、すなわち、一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有する、ポリエステル-ポリエーテル共重合体の架橋粒子であることが好ましい。
【0031】
一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステル-ポリエーテル共重合体は、下記一般式(1)または(2)で示される共重合体が好ましい。
【化5】
(一般式(1)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に下記一般式(3a)、(3b)又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、kはそれぞれ独立に1≦k≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、nはそれぞれ独立に1≦n≦100の数である。
一般式(2)中、R
3はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
4はそれぞれ独立に下記一般式(4a)又は(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、pはそれぞれ独立に1≦p≦10の数であり、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、qはそれぞれ独立に1≦q≦100の数である。)
【化6】
(一般式(3a)、(3b)、(3c)、(4a)及び(4b)中、R
5はそれぞれ独立に炭素数1~8の2価炭化水素基を示し、R
6はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基を示す。)
【0032】
R1としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基である。
【0033】
R3としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基である。
【0034】
R2は、一般式(3a)、(3b)、又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、R4は一般式(4a)又は(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示す。
一般式(3b)、(3c)、(4a)、及び(4b)中、R5としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等のアルキレン基が挙げられ、好ましくは、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基である。
一般式(3a)、(3b)、(3c)、(4a)、及び(4b)中、R6としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~3のアルキル基が挙げられ、好ましくは、水素原子、又はメチル基である。
これら一般式(3a)、(3b)、(3c)、(4a)、及び(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基は、重合性モノマーから誘導される残基であり、重合性モノマーとしては具体的には、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、イソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸塩化物等が挙げられる。
【0035】
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸エステル、等の(メタ)アクリル酸の炭素数2~8のヒドロキシアルキルエステル、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸等のカルボキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、イソシアネートエチル(メタ)アクリル酸エステル、イソシアネートプロピル(メタ)アクリル酸エステル、イソシアネートブチル(メタ)アクリル酸エステル、イソシアネートヘキシル(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸塩化物としては、例えば、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、臭化アクリロイル、臭化メタクリロイル等が挙げられる。
【0036】
一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステル-ポリエーテル共重合体のポリエステル構造(単位)は、分解能がある、あるいは高いとされる脂肪族ポリエステルが好ましい。
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ-ε-カプロラクトン、ポリ-β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリグリコール酸、ポリエチレンアジペート、ポリヒドロキシ酪酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート等が挙げられ、特に分解性および取扱い時の簡便性の観点から、ポリ-ε-カプロラクトン構造であるものが好ましい。
【0037】
一般式(1)中のkはそれぞれ独立に、1≦k≦10の数であり、好ましくは1≦k≦6の数である。
一般式(2)中のpはそれぞれ独立に、1≦p≦10の数であり、好ましくは1≦p≦6の数である。
【0038】
一般式(1)中のnは、それぞれ独立に1≦n≦100の数であり、好ましくは1≦n≦50の数であり、さらに好ましくは2≦n≦20の数である。
一般式(2)中のqは、それぞれ独立に1≦q≦100の数であり、好ましくは1≦q≦50の数であり、さらに好ましくは2≦q≦20の数である。
n及びqの値が上記上限値よりも大きい場合、エステル構造(単位)による重合体の分子内/分子間相互作用により結晶性が高くなるため、共重合体としての流動性が低過ぎると、後述する乳化(懸濁)組成物の調製工程において取扱い性に影響するおそれがある。
【0039】
一般式(1)、(2)中のlは、1≦l≦1,000の数であり、好ましくは2≦l≦100の数である。
一般式(1)、(2)中のmは、1≦m≦1,000の数であり、好ましくは10≦m≦500の数である。
lの値が上記上限値よりも大きい場合、エチレンオキシド構造(単位)による重合体の分子内/分子間相互作用により結晶性が高くなるため、共重合体としての流動性が低下するおそれがある。この場合、上記同様、後述する乳化(懸濁)組成物の調製工程において取り扱い性に影響するおそれがあり、好ましくない。
【0040】
一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステル-ポリエーテル共重合体は、原料の取扱いおよび製造の簡便性などの観点から、下記一般式(5)又は(6)で示される共重合体がより好ましい。
【化7】
(一般式(5)中、R
1はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
2はそれぞれ独立に一般式(3a)、(3b)又は(3c)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、rはそれぞれ独立に1≦r≦100の数である。)
(一般式(6)中、R
3はそれぞれ独立に炭素数1~10の2価炭化水素基を示し、R
4はそれぞれ独立に一般式(4a)又は(4b)で示されるラジカル重合性官能基含有有機基を示し、lは1≦l≦1,000の数であり、mは1≦m≦1,000の数であり、sはそれぞれ独立に1≦s≦100の数である。)
【0041】
[ポリエステル-ポリエーテル共重合体の製造方法]
エラストマー球状粒子の製造方法の説明の前に、エラストマー球状粒子を構成するポリエステル-ポリエーテル共重合体の製造方法について説明する。
ポリエステル-ポリエーテル共重合体の製造方法としては、例えば、水酸基を有するポリエーテル、カルボキシ変性ポリエーテル、及びアミノ変性ポリエーテル等の活性水素を含有する各種ポリエーテルを出発物質とし、環状-ε-カプロラクトン、γ-ブチロラクトンなどを開環重合させることで、ポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテル、ポリ-γ-ブチロラクトン変性ポリエーテルを得たのち、ラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマーを、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合、アミド結合等を介して導入する製造方法が挙げられる。
なお、製造時における反応性の観点から、各種ポリエーテルの末端構造は、反応性官能基が第一級炭素原子に結合した構造であることが好ましい。
【0042】
上記の製造方法において、反応条件としては、例えば下記が挙げられるが、この反応条件に限定されるものではない。
ポリエーテル又はカルボキシ変性ポリエーテル等の活性水素を含有するポリエーテル1.0当量に、環状-ε-カプロラクトンを、例えば3.0~4.0当量(官能基当量比)加え、従来公知の開環重合触媒の存在下で120℃、4~6時間反応させることにより、ポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテルが得られる。
次に、得られたポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテルの水酸基1.0モルに、アクリル酸クロライド等の(メタ)アクリル酸塩化物又はイソシアネートエチル(メタ)アクリル酸エステル等のイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステルを、例えば1.0~1.25モル(官能基当量比)加え、必要に応じて反応触媒を添加し、40~100℃下で4時間以上反応させる。
反応後、粗生成物にアルコールなどを用いてクエンチした後、ろ過、水洗、及び/又は吸着処理にて副生成物を除去し、最後に溶媒留去することで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトンポリエーテル(ポリエステル-ポリエーテル共重合体)を得ることができる。
【0043】
水酸基を有するポリエーテルを出発物質とした場合、ポリエステル-ポリエーテル共重合体としては、例えば、式(7a)及び(7b)(対称構造のため、片側構造のみを記載)に示したものが挙げられる。
【化8】
【0044】
式(7a)および(7b)中、R5は炭素数1~8の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基である。
l、mおよびrは、1≦l≦1,000、1≦m≦1,000、1≦r≦30、好ましくは、2≦l≦100、10≦m≦500、2≦r≦10である。
【0045】
カルボキシ変性ポリエーテルを出発物質とした場合、ポリエステル-ポリエーテル共重合体としては、例えば、式(8a)及び(8b)(対称構造のため、片末端を記載)に示したものが挙げられる。
【化9】
【0046】
式(8a)および(8b)中、R5は炭素数1~8の2価炭化水素基であり、R6は水素原子又は炭素数1~3の炭化水素基である。
また、l、m、sおよびtは、1≦l≦1,000、1≦m≦1,000、1≦s≦30、0≦t≦10、好ましくは、2≦l≦100、10≦m≦500、2≦s≦10、1≦t≦10である。
【0047】
環状-ε-カプロラクトンを開環重合させる際に用いる触媒としては、従来公知のものを使用すればよく、これに限定されるものではない。
具体的には、例えば、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラn-プロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン等の有機チタン系化合物;ジ-n-ブチルスズラウレート、ジイソブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテート等の有機錫化合物;マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの酢酸塩;酸化アンチモン;ハロゲン化第一スズ;過塩素酸等が挙げられる。
【0048】
上記開環重合触媒の添加量としては、ε-カプロラクトンモノマー(環状-ε-カプロラクトン)に対し、1~10,000ppmの範囲であればよく、好ましくは10~1,000ppmである。
【0049】
ポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテルにラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマーを導入する方法としては、重合性モノマーの反応基質(反応性官能基)、及び形成骨格に応じた各種触媒を用いてもよく、触媒としては従来公知のものを使用すればよい。
【0050】
重合性モノマーとポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテルとの反応がエステル化反応である場合のエステル化反応に用いる(エステル化)触媒としては、チタン、ジルコニウム、スズ、アルミニウム、及び亜鉛のアルコラート、カルボキシラート、又はキレート化合物並びに三フッ化ホウ素及び三フッ化ホウ素エーテラート等のルイス酸触媒;塩酸、硫酸、臭化水素、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の酸触媒;ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、トリメチルトリアザシクロノナン(TACN)、トリエチルアミン(TEA)、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、1,4-ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等のアミン系触媒等が挙げられるが、なかでもエステル化反応により得られる生成物の安定性や、経済的な観点から、アミン系触媒が好ましい。
【0051】
なお、アミン系触媒を用いる場合、反応効率を向上させるため、脱水縮合剤を添加してもよい。脱水縮合剤としては従来公知のものが使用でき、例えば、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド(EDC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)、及び1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)等が挙げられるが、これに限定されない。
【0052】
重合性モノマーとポリ-ε-カプロラクトン変性ポリエーテルとの反応がウレタン化反応である場合のウレタン化反応に用いる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ペンタメチレンジエチレントリアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、1,4-ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(DABCO)、ピリジン、N,N,N’,N’-テトラメチル-1,3-プロパンジアミン(TMPDA)等のアミン類;ジ-n-ブチルスズラウレート、ジイソブチルスズオキサイド、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウリン酸エステル(DBTL)、ジオクチルスズジネオデカノエートなどの有機スズ化合物;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ-n-プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラキス(オクチルオキシ)チタン、チタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、ドデシルベンセンスルホン酸チタン化合物、リン酸エステルチタン錯体、チタントリエタノールアミネート、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)などの有機チタン化合物;n-プロピルジルコネート、n-ブチルジルコネート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、オクチル酸ジルコニウム化合物等の有機ジルコニウム化合物;トリス(2,4-ペンタンジオナト)鉄(III)などの有機鉄化合物などが挙げられる。
【0053】
これらラジカル重合可能な不飽和基を有する重合性モノマーを導入する際の触媒添加量としては、重合性モノマーに対し、1~10,000ppmの範囲であればよく、好ましくは10~1,000ppmがよい。
【0054】
上記反応時において、反応中の(メタ)アクリレート基の重合反応を抑制する目的として、重合禁止剤や酸化防止剤を使用することができる。
重合禁止剤又は酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,4-ジメチル-6-t-ブチルフェノール、p-ベンゾキノン、ジブチルヒドロキシトルエン、2,5-ジヒドロキシ-p-ベンゾキノン、メキノールなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0055】
ポリエステル-ポリエーテル共重合体の製造方法として、カルボキシ変性ポリエーテルを出発物質とした場合、下記式(9)に示されるポリ-ε-カプロラクトン変性(メタ)アクリレートとエステル化反応する方法も挙げられる。
ポリ-ε-カプロラクトン変性(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、プラクセルFA2D、プラクセルFA10L、プラクセルFN2D、プラクセルFM4((株)ダイセル製)などが挙げられる。
【化10】
一般式(9)中、R
7は、水素原子又は炭素数1~3の1価炭化水素基であり、好ましくは、水素原子又はメチル基である。vは、1≦v≦50であり、好ましくは、1≦v≦30である。
【0056】
上記ポリエステルーポリエーテル共重合体の製造方法としては、例えば下記が挙げられるが、この方法に限定されるものではない。
カルボキシ変性ポリエーテルのカルボキシ基1.0モルに対し、ポリ-ε-カプロラクトン変性(メタ)アクリレート(式(9))を1.0~1.25モル(官能基当量比)、さらにエステル化触媒を0.1~5.0モル添加・混合し、15~150℃下において10~30分間撹拌する。そこに、脱水縮合剤を任意で1.0~1.25モル添加し、15~150℃で4~20時間反応させる。
反応後、粗生成物をろ過、水洗、及び/又は吸着処理にて副生成物を除去し、最後に溶媒留去することで、アクリル変性ポリエステル(ポリ-ε-カプロラクトン)-ポリエーテル共重合体を得ることができる。
【0057】
得られた一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステル-ポリエーテル共重合体は、液状であることが好ましく、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定した重量平均分子量(Mw.)の値が、100~100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500~50,000である。
重量平均分子量が上記下限値より小さい場合、得られたエラストマー球状/複合粒子におけるエラストマーの架橋密度が高く、分解性が悪くなるおそれがあるため好ましくなく、上記上限値よりも大きい場合、共重合体の粘度が高く、エラストマー球状粒子の調製が困難になる場合がある。
【0058】
ろ過工程においては、反応粗生成物の粘度調整を目的として、疎水性有機溶媒を用いて希釈操作を行ってもよい。
使用する疎水性有機溶媒としては特に限定されないが、ポリエステルーポリエーテル共重合体への溶解性や親和性の観点から、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、などが好ましい。
【0059】
吸着処理工程は、水洗にて除去しきれない塩酸塩の除去や、脱水、脱色、脱臭を目的として行うものである。
使用する吸着材としては、従来公知のものであればよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。吸着材として好ましくは、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等の乾燥剤、活性炭、シリカゲル、キョーワードシリーズ(協和化学工業(株)製)などが挙げられる。
【0060】
[エラストマー球状粒子の製造方法]
続いて、前記の方法で得られたポリエステル-ポリエーテル共重合体を用いて、エラストマー球状粒子を製造する方法について説明する。
エラストマー球状粒子は、公知の方法により、エラストマー球状粒子の分散液の状態を経て製造することができる。
エラストマー球状粒子は、例えば、下記i)~iii)の工程を有する方法により製造できる。
i)
下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を撹拌・乳化・懸濁し、乳化(懸濁)組成物を調製する工程
(A)重合性基を有し、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体
(B)前記(A)成分に不溶もしくは難溶である水相成分、又は油相成分
(C)界面活性剤、又は懸濁剤
(D)重合開始剤
ii)
前記工程i)により得られた乳化(懸濁)組成物中の(A)成分を、熱、光、紫外線などの外部刺激により、(ラジカル)重合することでエラストマー球状粒子の分散液を得る工程
iii)
前記工程ii)より得られたエラストマー球状粒子の分散液から、連続相である(B)成分を洗浄・乾燥除去することで、エラストマー球状粒子を得る工程
【0061】
乳化(懸濁)組成物を調製したのちに(ラジカル)重合反応を行う、上記記載の製造方法でエラストマー球状粒子を得る場合、得られる粒子の形状は球状となる。
【0062】
工程i)
工程i)では、下記(A)、(B)、(C)及び(D)成分を撹拌・乳化・懸濁し、乳化(懸濁)組成物を調製する。
工程i)にて使用する各成分は、以下の通りである。
【0063】
(A)成分は、重合性基を有し、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体であり、好ましくはラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステルーポリエーテル共重合体である。
エラストマー球状粒子の構成単位は、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体に由来するものであり、好ましくは、前記一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステル-ポリエーテル共重合体を用いることができる。
(A)成分の具体例としては、例えば、前記一般式(1)又は(2)にて示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体が挙げられ、より好ましくは、前記一般式(5)又は(6)で示されるポリエステル-ポリエーテル共重合体が挙げられる。
【0064】
工程i)で調製する乳化(懸濁)組成物中の(A)成分の含有量は、組成物100質量部に対して1.0~80質量部が好ましい。(A)成分の量が上記下限値より少ない場合、生産効率が低下するおそれがあり、上記上限値より多い場合、乳化(懸濁)不良となり、エラストマー球状粒子の分散液を得ることが困難となる場合があるため、好ましくない。
【0065】
(B)成分は、乳化(懸濁)組成物中において連続相となる成分であり、(A)成分が不溶もしくは難溶である水相成分、又は油相成分である。
【0066】
(B)成分が水相成分である場合、水相成分に含まれる水は、具体的には、例えば、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水などが挙げられる。
【0067】
水相成分において、連続相としての機能を損なわない範囲において、任意に添加剤を配合してもよい。具体的には、例えば、防腐剤、塩類、pH調整剤、キレート剤、ビタミン類、アミノ酸類、保湿剤、酸化防止剤などが挙げられるが、これに限定されるものではない。(A)成分が不溶もしくは難溶である組成とするため、水相成分のうち水の含有量は、好ましくは90~100質量%である。
【0068】
(B)成分が油相成分である場合、油相成分としては、シリコーン油、炭化水素油、高級脂肪酸、エステル油、液体油脂等が挙げられ、これらは1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0069】
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、などが挙げられる。
【0070】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソドデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、オゾケライト、スクワレン、セレシン、パラフィン、イソパラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、プリスタン、ポリイソブチレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、などが挙げられる。
【0071】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、などが挙げられる。
【0072】
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル、などが挙げられる。
【0073】
液状油脂としては、例えば、アボカド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、などが挙げられる。
【0074】
(B)成分は、25℃における動粘度が100,000mm2/s以下が好ましく、より好ましくは10,000mm2/s以下である。動粘度が上記上限値よりも大きい場合、工程i)にて乳化(懸濁)が困難となり、粒度分布の狭い乳化(懸濁)組成物、及びエラストマー球状粒子を得ることが難しくなる場合がある。
【0075】
(C)成分に界面活性剤を用いる場合、その種類は特に限定されず、従来公知の非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤を用いればよい。なお、これらは1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0076】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、等が挙げられる。
ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサンとしては、直鎖型ポリエーテル変性シリコーン(商品名:KF-6011、KF-6011P、KF-6043、信越化学工業(株)製)、直鎖型アルキル共変性ポリエーテル変性シリコーン(商品名:KF-6048、信越化学工業(株)製)、分岐型ポリエーテル変性シリコーン(商品名:KF-6028、KF-6028P、信越化学工業(株)製)、分岐型アルキル共変性ポリエーテル変性シリコーン(商品名:KF-6038、信越化学工業(株)製)、などが挙げられる。
【0077】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、N-アシルタウリン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ジアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、などが挙げられる。
【0078】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、などが挙げられる。
【0079】
両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジメチルカルボキシベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、などが挙げられる。
【0080】
界面活性剤としては、少量で上記(A)成分の乳化(懸濁)ができ、微細なエラストマー球状粒子を得ることができる点から、非イオン性界面活性剤、又はアニオン性界面活性剤が好ましい。
【0081】
(B)成分として水、水を含む水相成分を使用する場合、(C)界面活性剤は、疎水性と親水性のバランスを示すパラメータであるHLB値が、6.0~18.0であるものが好ましく、9.0~18.0であるものがより好ましい。また、(B)成分として油相成分を使用する場合、(C)界面活性剤は、HLB値が2.0~13.0であるものが好ましく、2.0~9.0であるものがより好ましい。
【0082】
(C)界面活性剤の添加量は、乳化(懸濁)組成物100質量部に対して0.01~25質量部が好ましく、0.05~15質量部がより好ましい。界面活性剤の添加量が上記下限値より低い場合、乳化不良や微細なエラストマー球状粒子が得られない場合があり、好ましくない。また、添加量が上記上限値より多い場合、組成物全体の粘度増加により、微細なエラストマー球状粒子が得られず、粒子の分散性が十分でないなどの場合があり、好ましくない。
【0083】
(C)成分に懸濁剤を用いる場合、その種類は特に限定されず、例えば、従来公知の天然高分子化合物、半合成高分子化合物、合成高分子化合物などの水溶性高分子化合物又は増粘剤として使用される高分子化合物が挙げられる。なお、これらは1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0084】
天然高分子化合物としては、例えば、キサンタンガム、セルロース、タマリンドガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、HMペクチン、カラギーナン、グアーガム、アマシードガム、アラビアガム、プルラン、アガロース、アガロペクチン、アルギン酸、カラヤガム、スクシノグリカン、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼインなどが挙げられる。
【0085】
半合成高分子としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化キサンタンガム、LMペクチン(酸処理/アルカリ処理)、カチオン化グアーガム、アルギン酸塩、可溶性デンプン、セルロースナノファイバーなどが挙げられる。
【0086】
合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸アミド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンーポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0087】
懸濁剤としては、少量で上記(A)成分を懸濁(乳化)することができ、微細なエラストマー球状粒子を得ることができる点から、キサンタンガム、タマリンドガム、ガラギーナン、グアーガム、アラビアガム、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カチオン化キサンタンガム、カチオン化グアーガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンが好ましい。
【0088】
懸濁剤の添加量は、乳化(懸濁)組成物100質量部に対して0.01~25質量部が好ましく、0.05~15質量部がより好ましい。懸濁剤の添加量が上記下限値より少ない場合、乳化不良や微細なエラストマー球状粒子が得られない場合があり、好ましくない。また、懸濁剤の添加量が上記上限値より多い場合、組成物の大幅な粘度増加により、微細なエラストマー球状粒子が得られず、粒子の分散性が十分でないなどの場合があり、好ましくない。
【0089】
(D)成分の重合開始剤としては、従来公知のラジカル重合開始剤を用いればよい。重合開始剤の存在下で加熱、光照射、UV照射などの外部刺激を与えラジカルを発生させることにより、反応・硬化(架橋)できる。
【0090】
(D)重合開始剤は、具体的には、過酸化物、アゾ系開始剤、光開始剤、又は酸化剤と還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤などを使用することができる。
【0091】
過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、p-メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルパーベンゾエート、過酸化水素などが挙げられる。
また、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウムなどの過塩素酸塩を用いてもよい。
【0092】
アゾ系開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス-イソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス-(2-メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’-アゾビス-イソブチレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,2-アゾビス-(2-アミノジプロパン)二塩酸塩などが挙げられる。
【0093】
光開始剤としては、例えば、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}-2-メチルプロパン-1-オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
また、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類も使用できる。
【0094】
レドックス系開始剤としては、例えば、硫酸第一鉄/ピロリン酸ナトリウム/ブドウ糖/ハイドロパーオキサイドを組み合わせたものや、硫酸第一鉄/エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩/ロンガリット/ハイドロパーオキサイドを組み合わせたものなどが挙げられる。
また、このレドックス系開始剤は、アゾ系開始剤や光開始剤と併用してもよい。
【0095】
重合開始剤としては、乳化(懸濁)組成物の(ラジカル)重合反応時における安定性、取り扱いの簡便性などの点から、加熱法、又は光照射法にて用いる、過酸化物、アゾ系開始剤、及び光開始剤が好ましい。
【0096】
重合開始剤の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.01~5.0質量部の範囲で配合されるのが好ましい。
重合開始剤の添加量が上記下限値より少ない場合、硬化(架橋)不良となるおそれがあり、上記上限値より多い場合、反応残渣等の混入(コンタミネーション)により、匂いやブリード等が生じるおそれがあるため、好ましくない。
【0097】
その他の添加剤
エラストマー球状粒子の製造方法において、工程i)の乳化(懸濁)組成物を調製する際、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分以外にも、必要に応じて各種・種々の添加剤を配合してもよい。
添加剤としては、例えば、増粘剤、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤、重合禁止剤などが挙げられ、各々1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせ、本発明の効果を損なわない範囲で適量用いることができる。
【0098】
工程i)における各成分を添加、混合する順番は特に限定されないが、例えば、(A)成分と(D)成分を事前に混合してから(B)成分及び(C)成分を加え、乳化(懸濁)組成物を調製してもよいし、(A)成分、(B)成分、(C)成分にて乳化(懸濁)組成物を調製したのち、(D)成分を添加してもよい。
また、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分から乳化(懸濁)組成物を調製した後、工程ii)に付す前に所望の濃度となるよう(B)成分を更に添加し、希釈してもよい。
【0099】
また、(A)成分のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステルーポリエーテル共重合体が曇点を有する(加温により、ある温度を境に(A)成分の溶解度が急速に低下し、相分離する)など温度依存性がある場合、工程i)の乳化(懸濁)組成物の調製は、(A)成分の温度特性に応じた温度で、例えば、加温・加熱下で撹拌・乳化・懸濁を行ってよい。
加温・加熱時の温度条件としては、例えば、100℃以下、好ましくは30~90℃、さらに好ましくは40~70℃の範囲である。連続相が水相成分の場合、加温・加熱時の温度が上記上限値より高いと、水分の蒸発や突沸のおそれがあるため、好ましくない。
【0100】
工程i)の乳化(懸濁)組成物を調製においては、従来公知の乳化分散機を用いればよい。一般的な乳化分散機としては、例えば、ホモミキサー等の高速回転せん断型撹拌機、ホモディスパー等の高速遠心放射型撹拌機、ホモミキサーとホモディスパーを組み合わせたコンビミックス乳化撹拌機、ホモミキサー又はホモディスパーとアンカーミキサーを組み合わせた混合・乳化撹拌機(アヂホモミキサー)、ホモジナイザー等の高圧噴射式乳化分散機、コロイドミル、超音波乳化機、プロペラ撹拌機、などが挙げられる。
【0101】
工程ii)
工程ii)は、工程i)にて調製した乳化(懸濁)組成物中の(A)成分を、(ラジカル)重合により反応・硬化(架橋)させることで、エラストマー球状粒子の分散液を得る工程である。
【0102】
工程ii)において、重合反応の条件は、(D)重合開始剤の種類により適宜決定できる。
例えば、過酸化物、又はアゾ系開始剤を使用する場合、30~80℃の温度下で10~24時間反応させる加熱法が挙げられ、レドックス系開始剤を使用する場合、30~70℃の温度下で2~24時間反応させるレドックス法が挙げられる。光開始剤を使用する場合、光照射下で反応させる光照射法が挙げられ、光又はUV照射時に使用する光源、及び波長範囲については、従来公知のものを使用すればよい。
【0103】
工程iii)
工程iii)は、工程ii)にて得られたエラストマー球状粒子の分散液から、連続相である(B)成分を洗浄・乾燥除去することにより、エラストマー球状粒子を得る工程である。
【0104】
工程iii)において、(B)成分の連続相(分散媒)が水相成分である場合、工程iii)の具体的な方法としては、例えば、加熱脱水、(加圧)ろ過、遠心分離、デカンテーション、などの方法により分散液を濃縮したのち、必要に応じて純水等を添加して水洗操作を行う。最後に、常圧ないし減圧下で加熱乾燥する方法、加熱気流中に分散液を噴霧し、加熱乾燥する方法(スプレードライ)、流動熱媒体を使用して加熱乾燥する方法、又は分散液を凝固させてから減圧し、分散媒を除去する凍結乾燥法などが挙げられ、これによりエラストマー球状粒子が得られる。
なお、分散媒を洗浄・乾燥除去して得られたエラストマー球状粒子が凝集している場合、乳鉢やボールミル、ジェットミル等で解砕してもよい。
【0105】
工程iii)において、(B)成分の連続相(分散媒)が油相成分である場合、工程iii)の具体的な方法としては、例えば、エラストマー球状粒子の分散液に疎水性有機溶剤を添加し、一定時間撹拌を行ったのちに加圧ろ過を行うことで、(B)成分の洗浄・除去、及び溶剤置換を行う。この洗浄操作を複数回繰り返すことで、(B)成分の十分な除去、ならびに溶剤置換を行うことができる。この際、使用する疎水性有機溶剤としては、トルエン、ヘキサンなどが挙げられる。
最後に、常圧ないし減圧下で加熱乾燥する方法、加熱気流中に分散液を噴霧し、加熱乾燥する方法(スプレードライ)、流動熱媒体を使用して加熱乾燥する方法、又は分散液を凝固させてから減圧し、分散媒を除去する凍結乾燥法などを施すことで、エラストマー球状粒子が得られる。
【0106】
II.エラストマー複合粒子、及びエラストマー複合粒子の製造方法
本発明の化粧料に配合されるエラストマー複合粒子は、ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体の架橋粒子であるエラストマー球状粒子の表面に、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを有するものであり、好ましくは、エラストマー球状粒子の粒子表面に、球状微粒子のポリオルガノシルセスキオキサン又は球状微粒子のシリカが付着・被覆したものである。
【0107】
エラストマー複合粒子の形状は、球状であることが好ましい。
エラストマー複合粒子の形状は、前記したエラストマー球状粒子と同様、光学顕微鏡や電子顕微鏡を用いて確認できる。
【0108】
本発明において、エラストマー複合粒子の体積平均粒径は1.0~100μmの範囲であり、好ましくは1.0~50μmの範囲、より好ましくは2.0~20μmの範囲である。
体積平均粒子径が100μmより大きい場合、粒子の流動性が低下し、凝集性が高くなるため、粒子としてのなめらかさや光拡散性を十分に付与することができなくなる。また、体積平均粒径が1.0μmより小さい場合、粒子としてのさらさら感、なめらかさ等が低下し、ざらつき感が出る場合があり、光拡散性は低下する。
エラストマー複合粒子の体積平均粒径は、前記記載の通り、電気抵抗法やレーザー回折/散乱法で測定できる。
【0109】
[ポリオルガノシルセスキオキサン]
本発明において、エラストマー球状粒子の表面に有するポリオルガノシルセスキオキサンは、R7SiO3/2で示される単位が三次元網目状に架橋したレジン状固形物である。
【0110】
上記式中のR7は、非置換もしくは置換の炭素数1~20の一価炭化水素基である。R7としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基;及びこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)等の原子、及び/又はアミノ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、エポキシ基、グリシドキシ基、メルカプト基、カルボキシル基等の置換基で置換した炭化水素基等が挙げられる。
後述する方法により、エラストマー球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサンを付着させるためには、上記R7の50モル%以上がメチル基、ビニル基、又はフェニル基であることが好ましく、R7の80モル%以上がメチル基、ビニル基、又はフェニル基であることがより好ましく、R7の90モル%以上がメチル基、ビニル基、又はフェニル基であることがさらに好ましい。
【0111】
ポリオルガノシルセスキオキサンは、得られるエラストマー複合粒子の非凝集性、分散性などの特性、さらさら感、なめらかさ等の使用感、又は柔らかい感触を損なわない範囲で、R7SiO3/2単位のほかに、R7
2SiO2/2単位、R7
3SiO1/2単位、及びSiO4/2単位の少なくとも1種を含んでいてもよい。
このようなポリオルガノシルセスキオキサンにおいて、R7SiO3/2単位の含有率は、全シロキサン単位中、好ましくは70~100モル%、より好ましくは80~100モル%である。
【0112】
[シリカ]
本発明において、エラストマー球状粒子の表面に有するシリカは、R8SiO4/2で示される単位が三次元網目状に架橋した無機固形物である。
【0113】
上記式中のR8は、非置換もしくは置換の炭素数1~6の一価炭化水素基である。R8としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げられる。
【0114】
シリカは、テトラアルコキシシランの加水分解・重縮合反応によって得られ、主にSiO2単位で構成される。
また、シリカは、SiO2単位からなる構造のみではなく、原料であるテトラアルコキシシランに由来するアルコキシ基、縮合反応していないシラノール基を含有していてもよい。
【0115】
本発明において、ポリオルガノシルセスキオキサン、又はシリカの形状は、球状であることが好ましい。
このポリオルガノシルセスキオキサン及びシリカの粒径は、それぞれ好ましくは10~500nmであり、より好ましくは20~200nmである。
ポリオルガノシルセスキオキサン及びシリカの粒径が10nmより小さい場合、得られるエラストマー複合粒子の光散乱性が低下するおそれがある。また、ポリオルガノシルセスキオキサン及びシリカの粒径が500nmより大きい場合、得られるエラストマー複合粒子は柔らかな感触が乏しくなり、また光散乱性が低下するおそれがある。
ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカは、エラストマー球状粒子の粒子表面の一部に付着していてもよく、粒子表面全体に渡って付着、すなわち粒子表面全部を被覆していてもよいが、エラストマー球状粒子の表面全体にわたり、およそ隙間なく被覆されていることが好ましい。
なお、ポリオルガノシルセスキオキサン及びシリカの粒径、形状及びエラストマー球状粒子表面での付着密度は、得られたエラストマー複合粒子の粒子表面を電子顕微鏡にて観察することにより、確認できる。ポリオルガノシルセスキオキサン及びシリカの粒径とは、それぞれ得られたエラストマー複合粒子の粒子表面の電子顕微鏡写真から、任意に50個の粒子の粒径を測定し、平均値として算出した値である。
【0116】
エラストマー複合粒子において、エラストマー球状粒子表面に付着するポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカの量は、エラストマー球状粒子100質量部に対し、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカがそれぞれ0.2~200質量部となる量が好ましく、より好ましくは0.5~50質量部となる量である。
ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカの量が上記下限より少ない場合、凝集性が高く、分散性が悪くなり、光散乱性の低下やさらさら感が乏しくなるおそれがある。また、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカの量が上記上限より多い場合、エラストマー複合粒子の柔らかな感触が乏しくなるおそれがある。
【0117】
[エラストマー複合粒子の製造方法]
エラストマー複合粒子は、例えば、下記工程iv)を有する方法により製造することができる。
iv)
下記(E)、(F)、(G)及び(H)成分を含む液相に、下記(I)成分を添加し、(I)成分を加水分解・重合反応する工程
(E)エラストマー球状粒子
(F)アルカリ性物質
(G)カチオン性界面活性剤、及びカチオン性水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上
(H)水
(I)トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシラン
【0118】
工程iv)
工程iv)では、下記(E)、(F)、(G)及び(H)成分を含む液相に、下記(I)成分を添加し、(I)成分を加水分解・重合反応する。
工程iv)にて使用する各成分は、以下の通りである。
【0119】
(E)成分のエラストマー球状粒子は、上記記載の工程i)~ii)又はi)~iii)で得られたエラストマー球状粒子を使用する。
また、工程i)で使用する(B)成分が水相成分の場合、上記工程iii)を経ず、工程i)及びii)により得られたエラストマー球状粒子の水分散液を、(E)成分及び(G)成分の混合物として、本工程iv)に供してもよい。
【0120】
(E)エラストマー球状粒子の量は、(E)~(H)を含む液相中の(H)水100質量部に対し1.0~150質量部が好ましく、3.0~70質量部の範囲がより好ましい。(E)成分の量が上記下限値未満の場合、目的とするエラストマー複合粒子の生産効率が低下するおそれがあり、また上記上限値より多い場合、エラストマー球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを被覆させることが困難となり、粒子の凝集や融着を生じるおそれがあるため、好ましくない。
【0121】
(F)アルカリ性物質は、トリアルコキシシラン、又はテトラアルコキシシランの加水分解・重縮合反応の触媒として作用するものである。アルカリ性物質は、1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0122】
アルカリ性物質は、特に限定されず、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水酸化カルシウム、水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;アンモニア;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド;モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノプロピルアミン、モノブチルアミン、モノペンチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミンなどのアミン類等を使用することができる。なお、これらアルカリ性物質は、1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0123】
アルカリ性物質としては、揮発させることで得られるエラストマー複合粒子の粉体から容易に除去できる点から、アンモニアが最も好ましい。アンモニアとしては、市販されている各種濃度のアンモニア水溶液を用いればよい。
【0124】
(F)アルカリ性物質の添加量は、(E)~(H)成分を含む液相の25℃におけるpHが、9.0~13.0となる量が好ましく、10.0~12.0の範囲となる量がより好ましい。pHが9.0~13.0となる量を添加すると、トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランの加水分解・重縮合反応の進行や、エラストマー球状粒子表面へのポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカの被覆が十分なものとなる。
【0125】
(G)カチオン性界面活性剤、及びカチオン性水溶性高分子化合物は、加水分解したトリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランの縮合反応を促進し、レジン又はシリカを生成させる作用がある。また、生成したレジン又はシリカをエラストマー球状粒子の表面に吸着させる作用がある。
カチオン性界面活性剤及びカチオン性水溶性高分子化合物は、1種単独、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0126】
カチオン性界面活性剤としては、前記(C)成分のカチオン性界面活性剤として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0127】
カチオン性水溶性高分子化合物としては、例えば、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ビニルイミダゾリンの重合体、メチルビニルイミダゾリウムクロライドの重合体、アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、メタアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの重合体、エピクロルヒドリン/ジメチルアミン重合体、エチレンイミンの重合体、エチレンイミンの重合体の4級化物、アリルアミン塩酸塩の重合体、ポリリジン、カチオンデンプン、カチオン化セルロース、キトサン、及びこれらに非イオン性基やアニオン性基を持つモノマーとの共重合物等、これらの誘導体などが挙げられる。
【0128】
(G)成分としては、カチオン性界面活性剤のアルキルトリメチルアンモニウム塩が好ましく、なかでもラウリルトリメチルアンモニウム塩、及びセチルトリメチルアンモニウム塩がより好ましい。
【0129】
カチオン性界面活性剤、及びカチオン性水溶性高分子化合物の添加量は、(E)~(H)を含む液相中の水100質量部に対し0.01~2.0質量部が好ましく、0.1~1.0質量部の範囲がより好ましい。(G)成分の添加量が上記下限値より少ない場合、エラストマー球状粒子の表面に被覆されないポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカが生成するおそれがあり、添加量が上記上限値より多い場合もまた、エラストマー球状粒子の表面に被覆されないポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカが生成するおそれがある。
【0130】
(H)水は、特には限定されず、例えば、精製水、イオン交換水、純水などを用いればよく、(B)成分が水相成分であり、上記工程iii)を経ず、工程ii)で得られたエラストマー球状粒子の水分散液を工程iv)に供する場合、該水分散液中の水、及び必要に応じて添加した水を含むものとする。
【0131】
(I)トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランは、特には限定されず、従来公知のものを用いればよく、反応性の点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランが好ましく、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランがより好ましい。
テトラアルコキシシランは、アルコキシ基の一部、又は全部が加水分解したものを使用してもよく、一部が縮合したものを使用してもよい。
【0132】
トリアルコキシシランの添加量は、(E)エラストマー球状粒子100質量部に対して、ポリオルガノシルセスキオキサンの量が1.0~50質量部となる量が好ましく、より好ましくは2~25質量部である。
また、テトラアルコキシシランの添加量は、(E)エラストマー球状粒子100質量部に対して、シリカの量が0.5~200質量部となる量が好ましく、より好ましくは1.0~50質量部の範囲である。
【0133】
加水分解・重縮合反応
(E)~(H)を含む液相に、(I)トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランを添加し、これらを加水分解・重縮合反応させる。
具体的には、(E)エラストマー球状粒子が(H)水に分散しており、(F)アルカリ性物質、(G)カチオン性界面活性剤、及びカチオン性水溶性高分子化合物から選ばれる1種以上、を溶解させた水分散液に、(I)トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランを添加し、加水分解・重縮合させる。加水分解・重縮合により、トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランの縮合物として、ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカがエラストマー球状粒子の表面に付着し、それによりエラストマー球状粒子の表面がポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカで被覆されることになる。
【0134】
トリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシランの添加は、プロペラ翼、平板翼、などの通常の撹拌機を用いて撹拌下で行うことが好ましい。これらは一度に添加してもよいが、時間を掛けて添加することが好ましい。滴下時間としては、1分~6時間の範囲が好ましく、より好ましくは10分~3時間である。
【0135】
また、このときの液相の温度は、0~60℃とすることが好ましく、より好ましくは0~40℃の範囲である。温度が上記範囲内であれば、液相中のエラストマー球状粒子の表面にポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカを上手く付着・被覆させることができる。
撹拌は、トリアルコキシシラン又はテトラアルコキシシランの添加後、これらの加水分解・重縮合反応が完結するまで継続する。加水分解・重縮合反応を完結させるため、反応は室温下で行っても、40~100℃程度の加温・加熱下で行ってもよく、また、アルカリ性物質を適宜追加してもよい。
【0136】
脱水工程・粉末化工程
工程iv)の加水分解・重縮合反応ののち、任意で得られたエラストマー複合粒子の水分散液から水分を除去する。水分の除去は、反応後の水分散液を、常圧又は減圧下で加熱することにより行うことができる。
具体的には、例えば、常圧ないし減圧下で加熱乾燥する方法、加熱気流中に分散液を噴霧し、加熱乾燥する方法(スプレードライ)、流動熱媒体を使用して加熱乾燥する方法、又は分散液を凝固させてから減圧し、分散媒を除去する凍結乾燥法などが挙げられ、これによりエラストマー複合粒子が得られる。
なお、この操作の前処理工程として、加熱脱水、ろ過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で分散液を濃縮してもよく、必要に応じて、水分散液を水やアルコールで洗浄してもよい。
【0137】
反応後の水分散液から水分を除去することで得られたエラストマー複合粒子の粉体が凝集している場合、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、等の粉砕機で解砕すればよい。
【0138】
III.エラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子を用いた化粧料の製造方法
本発明の化粧料は、前記記載の方法によって製造された、(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の少なくとも1種を用いて製造することができる。
より具体的には、エラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を用い、その他、後述する種々の化粧料成分を用いて混合・乳化等を行うことにより、所望の化粧料を製造することができる。
【0139】
IV.エラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子を含有する化粧料
本発明の化粧料は、(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の少なくとも1種を含有することを特徴とする。
上記エラストマー複合粒子の配合割合は、特に限定されるものではなく、各製剤に合わせて適宜選定される。
【0140】
本発明は各種化粧料に適用されるが、特に好ましくは、スキンケア化粧料、メークアップ化粧料、制汗化粧料、サンケア化粧料等の皮膚に外用される化粧料、及び毛髪化粧料等の毛髪に外用される化粧料、爪用化粧料である。
【0141】
本発明の化粧料において、本発明のエラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子の配合量は制限されない。
スキンケア化粧料としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、美容オイル、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム、しわ隠し等が挙げられる。スキンケア化粧料において、配合成分の合計質量に占める(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の合計の配合量は、例えば、好ましくは0.1~99質量%、より好ましくは1~70質量%である。
メークアップ化粧料としては、例えば、メークアップ下地、ファンデーション、コンシーラー、白粉、チークカラー、アイカラー、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等が挙げられる。メークアップ化粧料において、配合成分の合計質量に占める(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の合計の配合量は、例えば、好ましくは0.1~100質量%、より好ましくは1~90質量%である。
制汗化粧料としては、例えば、ロールオンタイプ、クリームタイプ、溶液タイプ、スティックタイプ等の制汗化粧料が挙げられる。制汗化粧料において、配合成分の合計質量に占める(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の合計の配合量は、例えば、好ましくは0.1~80質量%、より好ましくは1~70質量%である。
サンケア化粧料としては、例えば、日焼け止めオイル、日焼け止め乳液、日焼け止めクリーム等が挙げられる。サンケア化粧料において、配合成分の合計質量に占める(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の合計の配合量は、例えば、好ましくは0.1~90質量%、より好ましくは0.1~80質量%である。
毛髪化粧料としては、例えば、シャンプー、リンス、トリートメント、セット剤等が挙げられる。毛髪化粧料において、配合成分の合計質量に占める(i)エラストマー球状粒子及び(ii)エラストマー複合粒子の合計の配合量は、例えば、好ましくは0.1~80質量%、より好ましくは1~70質量%である。
【0142】
本発明の化粧料の形態は、例えば、粉体、油性液体、油中水型エマルション、水中油型エマルション、非水エマルション、W/O/W型、O/W/O型等のマルチエマルション等のいずれであってもよい。また、本発明の化粧料の性状としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状、ペンシル状等の種々の性状を選択することができる。
【0143】
本発明の化粧料は、通常の化粧料に使用される種々の成分を、本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。例えば、(1)油剤、(2)水性成分、(3)界面活性剤、(4)上記エラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子以外の粉体、(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物、(6)皮膜形成剤、(7)紫外線吸収散乱剤、(8)その他の添加剤を含んでよい。これらは1種単独で、又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0144】
(1)油剤
油剤は、揮発性でも不揮発性でもよく、室温(25℃)で固体、半固体、液状、いずれであってもよく、例えば、シリコーンオイル、シリコーンワックス、天然動植物油脂類、及び半合成油脂、炭化水素油、高級アルコール、脂肪酸、エステル油、フッ素系油剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0145】
シリコーンオイル
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチコン(INCI)、トリシロキサン(INCI)、メチルトリメチコン(INCI)、エチルトリシロキサン(INCI)、エチルメチコン(INCI)、へキシルジメチコン(INCI)等のアルキル変性シリコーン、カプリリルメチコン(INCI)等の長鎖アルキル変性シリコーン、フェニルトリメチコン(INCI)、ジフェニルジメチコン(INCI)、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(INCI)、テトラフェニルジメチルジシロキサン(INCI)、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の、低粘度から高粘度の直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、シクロテトラシロキサン(INCI)、シクロペンタシロキサン(INCI)、シクロヘキサシロキサン(INCI)等の環状オルガノポリシロキサン、アモジメチコン(INCI)、アミノプロピルジメチコン(INCI)等のアミノ変性オルガノポリシロキサン、PCAジメチコン(INCI)等のピロリドン変性オルガノポリシロキサン、ピロリドンカルボン酸変性オルガノポリシロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状アミノ変性オルガノポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及びシリコーンガムやゴムの低粘度オルガノポリシロキサン溶液、アミノ酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂、及びシリコーンレジンの溶解物等が挙げられる。
市販されているシリコーンオイルの例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KF-96L-1cs、KF-96L-1.5cs、KF-96L-2cs、KF-96A-6cs、KF-4422、KF-4418、KF-54、KF-54HV、KF-56A、KF-995等が挙げられる。
【0146】
固体状の油性成分
本発明において、化粧料を固化させたい場合、25℃で固体状の油性成分を配合することが好ましい。
25℃で固体状の油性成分としては、好ましくは40℃以上、より好ましくは60~110℃の融点を有するもので、例えば、ワックス、炭化水素、エステル、高級アルコール、高級脂肪酸を挙げることができ、通常化粧料に配合できる原料であれば、特に限定されない。具体的には、カルナウバロウ(INCI:Copernicia Cerifera (Carnauba) Wax)、サトウキビロウ、キャンデリラロウ(INCI:Euphorbia Cerifera (Candelilla) Wax)、精製キャンデリラロウ、ライスワックス、木ロウ、ホホバワックス、カポックロウ、コメヌカロウ、シロヤマモモ果実ロウ、シアバター、カカオ脂、モクロウ(INCI:Rhus Succedanea Fruit Wax)、モンタンロウ(INCI:Montan Wax)、イソステアリン酸水添ヒマシ油等の植物性ワックス、ミツロウ、牛脂、牛骨脂、豚脂(INCI:Lard)、馬脂(INCI:Horse Fat)、羊脂、ラノリン(INCI:Lanolin)、チュウハクロウ、セラックロウ、鯨ロウ等の動物性ワックス、ラノリンエステル、ラノリン脂肪酸エステル、ミツロウ酸エステルなどの半合成ワックス、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油等の硬化油、固体パラフィン、ポリエチレン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素系ワックス、合成ミツロウなどのワックスエステル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル等のアミノ酸ステアリルアルコール、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸、及び、アクリル-シリコーングラフト又はブロック共重合体のアクリルシリコーン樹脂等のシリコーンワックス(信越化学工業(株)製:アクリル-シリコーングラフト共重合体:KP-561P、KP-562P等)、あるいは、これらの誘導体が挙げられ、これらから選択される1種、又は2種以上であることが好ましい。
【0147】
天然動植物油剤、及び半合成油剤
天然動植物油剤及び半合成油剤としては、例えば、アボガド油(:表示名称(INCI:Persea Gratissima (Avocado) Oil))、アマニ油(:表示名称(INCI:Linum Usitatissimum (Linseed) Seed Oil))、アーモンド油(:表示名称(INCI:Prunus Amygdalus Dulcis (Sweet Almond) Oil))、エゴマ油(表示名称)、オリーブ油(:表示名称(INCI:Olea Europaea (Olive) Fruit Oil))、アメリカガヤ油(:表示名称(INCI:Torreya Californica (California Nutmeg) Oil))、コウスイガヤ油(:表示名称(INCI:Cymbopogon Nardus (Citronella) Oil))、カヤ種子油(:表示名称(INCI:Torreya Nucifera Seed Oil))、キョウニン油(:表示名称(INCI:Kyounin Yu))、コムギ胚芽油(:表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))、ゴマ油(:表示名称(INCI:Sesamum Indicum (Sesame) Seed Oil))、コムギ胚芽油(:表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))、コメ胚芽油(:表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Germ Oil))、コメヌカ油(:表示名称(INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Oil))、サザンカ油(:表示名称(INCI:Camellia Kissi Seed Oil))、サフラワー油(:表示名称(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Seed Oil))、ダイズ油(:表示名称(INCI:Glycine Soja(Soybean)Oil))、チャ実油(:表示名称(INCI:Camellia Sinensis Seed Oil))、ツバキ油(:表示名称(INCI:Camellia Japonica Seed Oil))、月見草油(:表示名称(INCI:Oenothera Biennis (Evening Primrose) Oil))、ナタネ油(表示名称)、トウモロコシ胚芽油(:表示名称(INCI:Zea Mays (Corn) Germ Oil))、コムギ胚芽油(:表示名称(INCI:Triticum Vulgare (Wheat) Germ Oil))等の胚芽油、パーシック油(表示名称)、パーム油(:表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Oil))、パーム核油(:表示名称(INCI:Elaeis Guineensis (Palm) Kernel Oil))、ヒマシ油(:表示名称(INCI:Ricinus Communis (Castor) Seed Oil))、ヒマワリ油(:表示名称(INCI:Helianthus Annuus (Sunflower) Seed Oil))、ブドウ種子油(:表示名称(INCI:Vitis Vinifera (Grape) Seed Oil))、ホホバ種子油(:表示名称(INCI:Simmondsia Chinensis (Jojoba) Seed Oil))、マカデミア種子油(:表示名称(INCI:Macadamia Ternifolia Seed Oil))、メドウフォーム油(:表示名称(INCI:Limnanthes Alba (Meadowfoam) Seed Oil))、綿実油(:表示名称(INCI:Gossypium Herbaceum (Cotton) Seed Oil))、ヤシ油(:表示名称(INCI:Cocos Nucifera (Coconut) Oil))、ピーナッツ油(:表示名称(INCI:Arachis Hypogaea (Peanut) Oil))などの天然植物油、サメ肝油(:表示名称(INCI:Shark Liver Oil))、タラ肝油(:表示名称(INCI:Cod Liver Oil))、魚肝油(:表示名称(INCI:Fish Liver Oil))、タートル油(:表示名称(INCI:Turtle Oil))、ミンク油(:表示名称(INCI:Mink Oil))、卵黄油(:表示名称(INCI:Egg Oil))などの天然動物油、水添ヤシ油(:表示名称(INCI:Hydrogenated Coconut Oil))、液状ラノリン(:表示名称(INCI:Lanolin Oil))、等の半合成油脂等が挙げられる。
【0148】
炭化水素油
炭化水素油としては、例えば、直鎖状又は分岐状の炭化水素油が挙げられ、揮発性の炭化水素油であっても不揮発性の炭化水素油であってもよい。具体的には、オレフィンオリゴマー(INCI)、(C13,14)イソパラフィン(INCI)等のイソパラフィン、イソドデカン(INCI)、ウンデカン(INCI)、ドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、水添ポリイソブテン(:表示名称(INCI:Hydrogenated Polyisobutene))、スクワラン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、ヤシアルカン(INCI)、(C13-15)アルカン(INCI)などのアルカン等が挙げられる。
【0149】
高級アルコール類
高級アルコール類としては、例えば、ラウリルアルコール(INCI)、ヘキシルデカノール(INCI)、オレイルアルコール(INCI)、イソステアリルアルコール(INCI)、オクチルドデカノール(INCI)、デシルテトラデカノール(INCI)、ミリスチルアルコール(INCI)、セチルアルコール(INCI)、ステアリルアルコール(INCI)、ベヘニルアルコール(INCI)等の炭素原子数が6以上の直鎖飽和アルコール類や、バチルアルコール(INCI)が挙げられる。また、コレステロール(INCI)、シトステロール(:表示名称(INCI:Beta-Sitosterol))、フィトステロールズ(INCI)、ラノステロール(INCI)等のステロール等が挙げられる。
【0150】
エステル油
エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル(:表示名称(INCI:Diisobutyl Adipate))、アジピン酸ジヘキシルデシル(表示名称)、アジピン酸ジヘプチルウンデシル(:表示名称(INCI:Diheptylundecyl Adipate))、イソステアリン酸イソステアリル(:表示名称(INCI:Isostearyl Isostearate))等のモノイソステアリン酸n-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル(:表示名称(INCI:Isocetyl Isostearate))、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン(:表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triisostearate))、ジエチルヘキサン酸グリコール(:表示名称(INCI:Glycol Diethylhexanoate))、エチルヘキサン酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン(:表示名称(INCI:Trimethylolpropane Triethylhexanoate))、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル(:表示名称(INCI:Pentaerythrityl Tetraethylhexanoate))、オクタン酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Ethylhexanoate))、ステアロイルオキシステアリン酸オクチルドデシル(:表示名称(INCI:Octyldodecyl Stearoyl Stearate))等のオクチルドデシルエステル、オレイン酸オレイル(:表示名称(INCI:Oleyl Oleate))、オレイン酸オクチルドデシル(:表示名称(INCI:Octyldodecyl Oleate))、オレイン酸デシル(:表示名称(INCI:Decyl Oleate))、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール(:表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Diethylhexanoate))、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール(:表示名称(INCI:Neopentyl Glycol Dicaprate))、リンゴ酸ジイソステアリル(:表示名称(INCI:Diisostearyl Malate))、クエン酸トリエチル(:表示名称(INCI:Triethyl Citrate))、コハク酸ジエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylhexyl Succinate))、酢酸アミル(:表示名称(INCI:Amyl Acetate))、酢酸エチル(:表示名称(INCI:Etyl Acetate))、酢酸ブチル(:表示名称(INCI:Butyl Acetate))、ステアリン酸イソセチル(:表示名称(INCI:Isocetyl Stearate))、ステアリン酸ブチル(:表示名称(INCI:Butyl Stearate))、セバシン酸ジイソプロピル(:表示名称(INCI:Diisopropyl Sebacate))、セバシン酸ジエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylhexyl Sebacate))、乳酸セチル(:表示名称(INCI:Cetyl Lactate))、乳酸ミリスチル(:表示名称(INCI:Myristyl Lactate))、イソノナン酸イソノニル(:表示名称(INCI:Isononyl Isononanoate))、イソノナン酸イソトリデシル(:表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、パルミチン酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Palmitate))、パルミチン酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Isopalmitate))、パルミチン酸ヘキシルデシル(:表示名称(INCI:Isocetyl Palmitate、Hexyldecyl Palmitate))等のパルミチン酸エステル、コレステリル(:表示名称(INCI:Cholesteryl Hydroxystearate))、ミリスチン酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Myristate))、ミリスチン酸オクチルドデシル(表示名称(INCI:Octyldodecyl Myristate))、ミリスチン酸ミリスチル(:表示名称(INCI:Myristyl Myristate))等のミリスチン酸エステル、ラウリン酸エチルへキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Laurate))、ラウリン酸ヘキシル(:表示名称(INCI:Hexyl Laurate))、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル(:表示名称(INCI:Dioctyldodecyl Lauroyl Glutamate))、ラウロイルサルコシンイソプロピルエステル(:表示名称(INCI:Isopropyl Lauroyl Sarcosinate))、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル(:表示名称(INCI:Coco-Caprylate・Caprate))等が挙げられる。
【0151】
また、エステル油の中で、グリセライド油としては、トリエチルヘキサノイン(INCI)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル(:表示名称(INCI:Caprylic/Capric Triglyceride))、ココグリセリル(INCI)、(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸)トリグリセリル(:表示名称(INCI:Caprylic/Capric/Succinic Triglyceride))、(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ(:表示名称(INCI:Caprylic/Capric Glycerides))等が挙げられる。
【0152】
フッ素系油剤
フッ素系油剤としては、例えば、パーフルオロデカリン(INCI)、パーフルオロノニルジメチコン(INCI)、パーフルオロメチルシクロペンタン(INCI)等が挙げられる。
【0153】
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾン-1(:表示名称(INCI:Benzophenone-1))、オキシベンゾン-2(:表示名称(INCI:Benzophenone-2))、オキシベンゾン-3(:表示名称(INCI:Benzophenone-3))、オキシベンゾン-4(:表示名称(INCI:Benzophenone-4))、オキシベンゾン-5(:表示名称(INCI:Benzophenone-5))、オキシベンゾン-6(:表示名称(INCI:Benzophenone-6))、オキシベンゾン-9(:表示名称(INCI:Benzophenone-9))、ホモサレート(INCI)、オクトクリレン(INCI)、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン(:表示名称(INCI:Butyl Methoxydibenzoylmethane))、サリチル酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Salicylate))、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(:表示名称(INCI:Diethylamino Hydroxybenzoyl Hexyl Benzoate))、ポリシリコーン-15(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(:表示名称(INCI:Terephthalylidene Dicamphor Sulfonic Acid))、エチルヘキシルトリアゾン(INCI)、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル(:表示名称(INCI:Isopentyl Trimethoxycinnamate Trisiloxane))、ドロメトリゾールトリシロキサン(INCI)、ジメチルPABAエチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethyl PABA))、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル(:表示名称(INCI:Isopropyl Methoxycinnamate))、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Methoxycinnamate))、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(INCI)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(:表示名称(INCI:Phenylbenzimidazole Sulfonic Acid))、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(INCI)、ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル(:表示名称(INCI:Glyceryl Ethylhexanoate Dimethoxycinnamate))、グリセリルPABA(INCI)、ジイソプロピルケイ皮酸メチル(:表示名称(INCI:Diisopropyl Methyl Cinnamate))、シノキサート(INCI)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸エチルヘキシル(:表示名称(INCI:Ethylhexyl Dimethoxybenzylidene Dioxoimidazolidine Propionate))等が挙げられる。また、UVA吸収剤(例えば、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等)と、UVB吸収剤(例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等)を併用することが可能であり、それぞれを任意に組み合わせることも可能である。
【0154】
(2)水性成分
水性成分は、通常化粧料に配合できる水性成分であれば、特に限定されない。具体的には、水、エタノール(:表示名称(INCI:Alcohol))、イソプロパノール(:表示名称(INCI:Isopropyl Alcohol))等、炭素原子数が好ましくは2~5の低級アルコール、ソルビトール(INCI)、マルトース(INCI)、キシリトール(INCI)等の糖アルコールが挙げられる。また、BG(:表示名称(INCI:Butylene Glycol))、PG(:表示名称(INCI:Propylene Glycol))、DPG(:表示名称(INCI:Dipropylene Glycol))、ペンチレングリコール(INCI)、1,10-デカンジオール(INCI)、オクタンジオール(INCI)、1,2-ヘキサンジオール(INCI)、エリスリトール(INCI)、グリセリン(INCI)、ジグリセリン(INCI)、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;グルコース(INCI)、グリセリルグルコシド(INCI)、ベタイン(INCI)、コンドロイチン硫酸Na(:表示名称(INCI:Sodium Chondroitin Sulfate))、PCA-Na(:表示名称(INCI:Sodium PCA))、メチルグルセス-10(INCI)、メチルグルセス-20(INCI)、ヒアルロン酸、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等の保湿剤が挙げられる。
【0155】
(3)界面活性剤
界面活性剤としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性の活性剤があるが、特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれのものも使用することができる。これら界面活性剤の中でも、非架橋型シリコーン界面活性剤、あるいは架橋型シリコーン界面活性剤から選ばれる1種、又は2種以上が、安定的な化粧料を得ることができるため、好ましい。何れの場合においても界面活性剤の配合量としては、化粧料全体の0.1~20質量%が好ましい。0.1%以上であれば、分散や乳化の機能を十分に果たすことができ、20質量%以下であれば、化粧料がべたついた使用感になるおそれがないため、好ましい。
界面活性剤のHLB値は特に限定されないが、化粧料の耐水性を維持するという目的から、2.0~14.5が好ましい。
【0156】
非架橋型シリコーン界面活性剤としては、直鎖又は分岐状のシリコーン主鎖のメチル基の一部を、ポリエチレングリコールやポリグリセリンなどの親水基で置換したものであり、具体的には、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ポリグリセリン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、直鎖又は分岐状ピロリドン変性オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
非架橋型シリコーン界面活性剤としては、PEG-11メチルエーテルジメチコン(INCI)、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン(INCI)、PEG-3ジメチコン(INCI)、PEG-10ジメチコン(INCI)、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン(INCI)、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン(INCI)、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、ビスブチルジメチコンポリグリセリル-3(INCI)等が挙げられる。
市販されているものの例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KF-6011、KF-6011P、KF-6012、KF-6015、KF-6017、KF-6043、KF-6028、KF-6038、KF-6048、KF-6100、KF-6104、KF-6105、KF-6106、KF-6115等が挙げられる。
【0157】
架橋型シリコーン界面活性剤としては、例えば、(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー(INCI)、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(PEG-15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー(INCI)等の架橋型ポリエーテル変性シリコーン、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(INCI)、(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー(INCI)、(ポリグリセリン-3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー(INCI)等の、架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。
また、架橋型シリコーン界面活性剤を用いる場合、当該界面活性剤と室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型シリコーン界面活性剤は液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。
【0158】
当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、シクロペンタシロキサン(INCI)、ジメチコン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、イソドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、トリエチルヘキサノイン(INCI)、イソノナン酸イソトリデシル(:表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、スクワラン(INCI)等が挙げられる。
【0159】
市販されている架橋型シリコーン界面活性剤が液状油剤を含んで膨潤するものの例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KSG-210、KSG-240、KSG-270、KSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340、KSG-320Z、KSG-350Z、KSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830、KSG-840、KSG-820Z、KSG-850Z等が挙げられる。
【0160】
(4)上記エラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子以外の粉体
上記エラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子以外の粉体を配合することができる。粉体としては、例えば、着色顔料、無機粉体、金属粉体、有機粉体、無機・有機複合粉体等が挙げられる。具体的には次の通りである。
【0161】
着色顔料
着色顔料としては、通常、化粧料の着色を目的に使用される顔料であれば特に限定はなく、例えば、赤色の酸化鉄(:表示名称(INCI:Iron Oxides))、黄色の酸化鉄(:表示名称(INCI:Iron Oxides))、白色の酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))、黒色の酸化鉄(:表示名称(INCI:Iron Oxides))、グンジョウ(:表示名称(INCI:Ultramarines))、コンジョウ(:表示名称(INCI:Ferric Ferrocyanide, Ferric Ammonium Ferrocyanide))、マンガンバイオレット(:表示名称(INCI:Manganese Violet))、チタン酸コバルト(:表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、水酸化クロム(:表示名称(INCI:Chromium Hydroxide Green))、酸化クロム(:表示名称(INCI:Chromium Oxide Greens))、酸化(Al/コバルト)(:表示名称(INCI:Cobalt Aluminum Oxide))、チタン酸コバルト(:表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、(チタン/酸化チタン)焼成物(:表示名称(INCI:Titanium/Titanium Dioxide))、チタン酸(Li/コバルト)(:表示名称(INCI:Lithium Cobalt Titanate))、チタン酸コバルト(:表示名称(INCI:Cobalt Titanium Oxide))、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物(:表示名称)、酸化鉄ドープ酸化チタン(:表示名称(INCI:Iron Oxides,Titanium Dioxide))等の異種金属がドーピングされた複合物、窒化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Nitride))、水酸化第一鉄(:表示名称(INCI:Iron Hydroxide))、γ-酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等の有色顔料等、何れのものも使用することができる。
また、顔料の形状としては、球状、略球状、棒状、紡錘状、花弁状、短冊状、不定形状等、何れの形状であってもよく、化粧料に色を付与することが可能であれば、その幾何学的態様に限定はない。
【0162】
無機粉体
無機粉体としては、例えば、酸化ジルコニウム(:表示名称(INCI:Zirconium Dioxide))、酸化亜鉛(:表示名称(INCI:Zinc Oxide))、酸化セリウム(:表示名称(INCI:Cerium Oxide))、酸化マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Oxide))、硫酸バリウム(:表示名称(INCI:Barium Sulfate))、硫酸カルシウム(:表示名称(INCI:Calcium Carbonate))、硫酸マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Sulfate))、炭酸カルシウム(:表示名称(INCI:Calcium Carbonate))、炭酸マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Carbonate))、タルク(INCI)、マイカ(INCI)、カオリン(INCI)、合成フルオロフロゴパイト(:表示名称(INCI:Synthetic Fluorphlogopite)、合成金雲母鉄(表示名称)、黒雲母(:表示名称(INCI:Biotite)、ケイ酸カリウム(:表示名称(INCI:Potassium Silicate))、シリカ(INCI)、ケイ酸アルミニウム(:表示名称(INCI:Aluminum Silicate))、ケイ酸マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Silicate))、ケイ酸(アルミニウム/マグネシウム)(:表示名称(INCI:Magnesium Aluminum Silicate))、ケイ酸カルシウム(:表示名称(INCI:Calcium Silicate))、ケイ酸(アルミニウム/カルシウム/ナトリウム)(:表示名称(INCI:Aluminum Calcium Sodium Silicate))、ケイ酸(リチウム/マグネシウム/ナトリウム)(:表示名称(INCI:Lithium Magnesium Sodium Silicate))、ケイ酸(ナトリウム/マグネシウム)(:表示名称(INCI:Sodium Magnesium Silicate))、ホウケイ酸(カルシウム/アルミニウム)(:表示名称(INCI:Calcium Aluminum Borosilicate))、ホウケイ酸(カルシウム/ナトリウム)(:表示名称(INCI:Calcium Sodium Borosilicate))、ヒドロキシアパタイト(INCI)、ベントナイト(INCI)、モンモリロナイト(INCI)、ヘクトライト(INCI)、ゼオライト(INCI)、アルミナ(INCI)、水酸化アルミニウム(:表示名称(INCI:Aluminum Hydroxide))、窒化ホウ素(:表示名称(INCI:Boron Nitride))、ガラス(:表示名称(INCI:Glass))等からなる微粒子が挙げられる。
また、無機着色パール顔料としては、例えば、酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したマイカ(INCI)、酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆した合成フルオロフロゴパイト(:表示名称(INCI:Synthetic Fluorphlogopite)等のパール剤や、オキシ塩化ビスマス(:表示名称(INCI:Bismuth Oxychloride))、酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したオキシ塩化ビスマス(:表示名称(INCI:Bismuth Oxychloride))、酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))で被覆したタルク(INCI)、魚鱗箔(表示名称)、酸化チタン(:表示名称(INCI:Titanium Dioxide))被覆した着色雲母等のパール顔料が挙げられ、未処理でも、一般的に化粧品に使用される公知の表面処理でも特に限定されない。
【0163】
金属粉体
金属粉体としては、アルミニウム(:表示名称(INCI:Aluminum、Aluminum Powder))、銅(:表示名称(INCI:Copper Powder))、銀(:表示名称(INCI:Silver Powder))、金(:表示名称(INCI:Gold))等からなる金属微粒子が挙げられる。
【0164】
有機粉体
有機粉体としては、シリコーン、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン(INCI)、ポリプロピレン(INCI)、ポリスチレン(INCI)、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、セルロース(INCI)、シルク(INCI)、ナイロン(表示名称)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート等からなる粉体が挙げられる。
特にシリコーンとしては、シリコーン樹脂粒子;ポリメチルシルセスキオキサン(INCI)、シリコーンゴム粉末、シリコーン樹脂被覆シリコーンゴム粉末;(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー(INCI)、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー(INCI)、ポリシリコーン-1クロスポリマー(INCI)、ポリシリコーン-22(INCI)等が挙げられる。
市販されているシリコーンからなる粉体の例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KMP-590、KMP-591、KMP-592、KMP-597、KMP-598、KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-105、KSP-300、KSP-411、KSP-441、KM-9729、KM-440等が挙げられる。
また、金属石鹸等も挙げられ、具体例としては、ステアリン酸亜鉛(:表示名称(INCI:Zinc Stearate))、ステアリン酸アルミニウム(:表示名称(INCI:Aluminum Stearate))、ステアリン酸カルシウム(:表示名称(INCI:Calcium Stearate))、ステアリン酸マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Stearate))、ミリスチン酸亜鉛(:表示名称(INCI:Zinc Myristate))、ミリスチン酸マグネシウム(:表示名称(INCI:Magnesium Myristate))、セチルリン酸(亜鉛/ナトリウム)(:表示名称(INCI:Sodium Zinc Cetyl Phosphate))、セチルリン酸カリウム(:表示名称(INCI:Potassium Cetyl Phosphate))等からなる粉体も挙げられる。
さらに、有機系色素等も挙げられ、具体例としては、赤3、赤104(1)(:表示名称(INCI:Red 28、Red 28 Lake))、赤106、赤201(:表示名称(INCI:Red 6))、赤202(:表示名称(INCI:Red 7))、赤204、赤205、赤220(:表示名称(INCI:Red 34))、赤226(:表示名称(INCI:Red 30))、赤227(:表示名称(INCI:Red 33、RED 33 Lake ))、赤228(:表示名称(INCI:Red 36))、赤230(1)(:表示名称(INCI:Red 22、Red 22 Lake))、赤230(2)(表示名称)、赤401(表示名称)、赤505(表示名称)、黄4(:表示名称(INCI:Yellow 5))、黄5(:表示名称(INCI:Yellow 6、Yellow 6 Lake))、黄202(1)(:表示名称(INCI:Yellow 8))、黄203(:表示名称(INCI:Yellow 10、Yellow 10 Lake))、黄204(:表示名称(INCI:Yellow 11))、黄401、青1(:表示名称(INCI:Blue 1、Blue 1 Lake))、青2、青201、青205(:表示名称(INCI:Blue 4))、青404(表示名称)、緑3(:表示名称(INCI:Green 3、Green 3 Lake))、緑201(:表示名称(INCI:Green 5))、緑202(:表示名称(INCI:Green 6))、緑204(:表示名称(INCI:Green 8))、緑205(表示名称)、橙201(:表示名称(INCI:Orange 5))、橙203(:表示名称(INCI:Pigment Orange 5))、橙204(表示名称)、橙205(:表示名称(INCI:Orange 4 、Orange 4 Lake))、橙206(:表示名称(INCI:Orange 10))、橙207(:表示名称(INCI:Orange 11))等のタール色素、コチニール(INCI)、ラッカイン酸(:表示名称(INCI:Laccaic Acid))、ベニバナ赤(:表示名称(INCI:Carthamus Tinctorius (Safflower) Flower Extract))、ムラサキ根エキス(:表示名称(INCI:Lithospermum Officinale Root Extract))、クチナシ黄(表示名称)、クチナシ青(:表示名称(INCI:Hydrolyzed Gardenia Florida Extract))等の天然色素が挙げられる。
【0165】
無機・有機複合粉体
無機・有機複合粉体としては、例えば、無機粉体表面が公知の方法により有機粉体で被覆された複合粉体が挙げられる。
【0166】
また上述の粉体は、粒子表面を処理したものも使用できる。その表面処理剤は、化粧料の耐水性の観点から疎水性を付与できるものが好ましく、この疎水性を付与する処理剤としては特に限定されず、例えば、シリコーン処理剤、ワックス類、パラフィン類、ペルフルオロアルキルとリン酸塩等の有機フッ素化合物、界面活性剤、N-アシルグルタミン酸等のアミノ酸、ステアリン酸アルミニウム、ミリスチン酸マグネシウム等の金属石鹸等の処理剤が挙げられる。
より好ましくはシリコーン処理剤で、トリエトキシカプリリルシラン(INCI)等のシラン類またはシリル化剤、ジメチコン(INCI)、メチコン(INCI)、ハイドロゲンジメチコン(INCI)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルジメチコン(INCI)、トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン(INCI)、(アクリレーツ/アクリル酸トリデシル/メタクリル酸トリエトキシシリルプロピル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(:表示名称(INCI:Acrylates/Tridecyl Acrylate/Triethoxysilylpropyl Methacrylate/Dimethicone Methacrylate Copolymer)等が挙げられる。
これらシリコーン処理剤の具体例としては、例えば、信越化学工業(株)製:AES-3083、KF-99P、KF-9901、KF-9908、KF-9909、KP-574、KP-541等が挙げられる。
更に、上記の表面疎水化処理剤は、単独、あるいは2種以上を組合せ使用してもよい。表面処理を施した着色顔料の具体例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KTP-09シリーズ、特に、KTP-09W、KTP-09R、KTP-09Y、KTP-09B等が挙げられる。
【0167】
(5)架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤から成る組成物
架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤からなる組成物において、架橋型オルガノポリシロキサンは、液状油に対し、自重以上の該液状油剤を含んで膨潤することが好ましい。
当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができ、例えば、シクロペンタシロキサン(INCI)、ジメチコン(INCI)、ミネラルオイル(INCI)、イソドデカン(INCI)、イソヘキサデカン(INCI)、トリエチルヘキサノイン(INCI)、イソノナン酸イソトリデシル(:表示名称(INCI:Isotridecyl Isononanoate))、スクワラン(INCI)等が挙げられる。
(5)成分は、前述の(3)成分の架橋型シリコーン界面活性剤とは異なり、分子構造中、ポリエーテル又はポリグリセリン構造を有しない化合物であり、具体例としては例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー(INCI)、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー(INCI)等が挙げられる。
市販されている架橋型オルガノポリシロキサンと室温で液状の油剤から成る組成物の例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KSG-15、KSG-1510、KSG-16、KSG-1610、KSG-19、KSG-016F、KSG-18A、KSG-41A、KSG-42A、KSG-43、KSG-44、KSG-042Z、KSG-045Z、KSG-048Z等が挙げられる。
【0168】
(6)皮膜形成剤
皮膜形成剤は、主に化粧料の効果持続性を更に維持させる目的で配合される。特に限定は無いが、撥水性付与の観点から、シリコーン系組成物であることが好ましい。具体的には例えば、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル-シリコーン皮膜剤、シリコーン変性ノルボルネン、シリコーン変性プルラン、シリコーン変性ポリビニルアルコール等を使用することができる。
シリコーン系組成物の皮膜形成剤の例としては、例えば、トリメチルシロキシケイ酸(:表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilicate)、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー(INCI)、(ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン)コポリマー(INCI)、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン(:表示名称(INCI:Trimethylsiloxysilylcarbamoyl Pullulan)等が挙げられる。
当該皮膜形成剤は、事前に室温で液状の油剤で溶解させてから化粧料に配合されてもよい。当該液状油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができる。
市販されているシリコーン皮膜形成剤の具体例としては、例えば、信越化学工業(株)製:KF-7312J、KP-545、KP-549、KP-543、NBN-30-ID、TSPL-30-ID、TSPL-30-D5等が挙げられる。
【0169】
(7)紫外線吸収散乱剤
紫外線吸収散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム、及びそれらの複合体等、紫外線を吸収・散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収・散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
当該油剤としては、任意成分の(1)油剤中の液状のシリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等、フッ素系油を用いることができる。
紫外線を吸収・散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物の具体例としては例えば、信越化学工業(株)製:SPDシリーズ(商品名)のうち特に、SPD-T5、SPD-T5L、SPD-Z5、SPD-Z5L、SPD-T6、SPD-Z6、SPD-T7、SPD-Z7L等が挙げられる。
【0170】
(8)その他の添加剤
その他の添加剤としては、例えば、油溶性ゲル化剤、防腐剤・殺菌剤、制汗剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等が挙げられる。
【0171】
油溶性ゲル化剤
油溶性ゲル化剤としては、例えば、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属石鹸;ラウロイルグルタミン酸(:表示名称(INCI:Lauroyl Glutamic Acid))、α,γ-ジ-n-ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;パルミチン酸デキストリン(:表示名称(INCI:Dextrin Palmitate))、イソステアリン酸デキストリン(:表示名称(INCI:Dextrin Isostearate))、ミリスチン酸デキストリン(:表示名称(INCI:Dextrin Myristate))、ステアリン酸イヌリン(:表示名称(INCI:Stearoyl Inulin))、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン(:表示名称(INCI:Dextrin Palmitate/Ethylhexanoate))等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2-エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジステアルジモニウムヘクトライト(INCI)、ステアラルコニウムヘクトライト(INCI)、ヘクトライトの有機変性粘土鉱物;ステアラルコニウムベントナイト(INCI)等が挙げられる。
【0172】
防腐剤・殺菌剤
防腐剤・殺菌剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール、イミダゾリジニルウレア、サリチル酸、イソプロピルメチルフェノール、石炭酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、ポリリジン、感光素、銀、植物エキス等が挙げられる。
【0173】
制汗剤
制汗剤としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム等のヒドロキシハロゲン化アルミニウム、塩化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、タンニン酸、カキタンニン、硫酸(アルミニウム/カリウム)、酸化亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、焼きミョウバン、テトラクロロ(アルミニウム/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(アルミニウム/ジルコニウム)等が挙げられる。
特に、高い効果を発現する成分として、ヒドロキシハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化アルミニウム、ならびにこれらのオキシハロゲン化ジルコニル、及びヒドロキシハロゲン化ジルコニルとの錯体、又は混合物(例えば、テトラクロロ(アルミニウム/ジルコニウム)水和物、トリクロロハイドレックスグリシン(アルミニウム/ジルコニウム))等が好ましい。
【0174】
香料
香料としては、天然香料及び合成香料がある。天然香料としては、例えば、花、葉、材、果皮などから分離した植物性香料;ムスク、シベットなどの動物性香料がある。合成香料としては、例えば、モノテルペンなどの炭化水素類、脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどのアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒドなどのアルデヒド類;脂環式ケトンなどのケトン類;テルペン系エステルなどのエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類などが挙げられる。
【0175】
塩類
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩、及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等;有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩;アミン塩、及びアミノ酸塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩等が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウム-ジルコニウム-グリシン錯体等や、さらには、化粧料処方の中で使用される酸-アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0176】
酸化防止剤
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、アスコルビン酸及びその塩、ステアリン酸アスコルビル、トコフェノール、酢酸トコフェノール、トコフェロール、p-t-ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸、フェルラ酸、チオタウリン、ヒポタウリン、亜硫酸塩、エリソルビン酸及びその塩、クロロゲン酸、エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、アピゲニン、カンフェロール、ミリセチン、ケルセチン等が挙げられる。
酸化防止剤は、1種のみ、又は2種以上を併用してもよい。
【0177】
pH調整剤
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl-リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0178】
キレート剤
キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0179】
清涼剤
清涼剤としては、例えば、L-メントール、カンフル、乳酸メンチル等が挙げられる。
【0180】
抗炎症剤
抗炎症剤としては、例えば、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0181】
美肌用成分
美肌用成分としては、例えば、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0182】
ビタミン類
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15、及びその誘導体等のビタミンB類、L-アスコルビン酸、L-アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L-アスコルビン酸-2-硫酸ナトリウム、L-アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類、ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0183】
アミノ酸類
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0184】
核酸
核酸としては、例えば、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0185】
ホルモン
ホルモンとしては、例えば、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0186】
包接化合物
包接化合物としては、例えば、シクロデキストリン等が挙げられる。
【実施例0187】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
なお、下記の例において、特に明記のない場合は、濃度及び含有率を示す「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を指す。また、動粘度は25℃において測定した値を示すものである。また、下記の例において、エラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子の体積平均粒径及びアスペクト比は前記した方法で測定した値を示すものである。
ゴム硬化物(エラストマー)の硬度は、日本ゴム協会基準規格(SRIS)の規格に準じて測定した値である。
【0188】
ポリエステル構造及びポリエーテル構造を有する共重合体(一分子中に少なくとも2個のラジカル重合可能な不飽和基を有するポリエステルーポリエーテル共重合体)の分子量は、下記条件で測定したGPCによるポリスチレンを標準物質とした、重量平均分子量(Mw.)である。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.60mL/min.
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-H、
TSKgel SuperHM-N、
TSKgel SuperH2500(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:50μL(濃度0.5質量%のTHF溶液)
【0189】
[生分解性の測定・評価方法]
生分解性は、OECD Guidelines for the Testing of Chemicals, No.301F, July 17, 1992,
“Ready Biodegradability: MANOMETRIC RESPIROMETRY TEST”に準じた、微生物(分解)源に活性汚泥を使用する方法により測定し、生分解度により評価した。活性汚泥は、都市下水処理場の活性汚泥を使用し、懸濁物質濃度は2,400 mg/Lであった。基準(コントロール)物質には、安息香酸ナトリウムを用いた。
生分解度の測定方法としては、インキュベーター内閉鎖系での酸素消費量(生物化学的酸素消費量(BOD))を、BOD測定器を用いて測定し、下記式に基づいて生分解度を算出する。
生分解度(%)=BOD-B/TOD×100
BOD:試験懸濁液又は操作コントロールの生物化学的酸素消費量(測定値:mg)
B:植物源ブランクの平均生物化学的酸素消費量(測定値:mg)
TOD:被験物質又は安息香酸ナトリウムが完全に酸化された場合に必要とされる理論的酸素消費量(計算値:mg)
【0190】
[合成例1:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体1]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた2Lのセパラブルフラスコに、末端一級化EO(エチレンオキシド)/PO(プロピレンオキシド)ポリエーテル(分子量:約2,000、OH基当量:0.09-0.10mol/100g)500g、ε-カプロラクトン(分子量:114.1)183.6g、及び脱水トルエン350gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン(分子量340.0)0.68gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を、室温付近まで冷却した後、トリエチルアミン(分子量101.2)60.7g、脱水トルエン100g、及び重合禁止剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)(分子量220.4)0.22gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いてアクリル酸クロライド(分子量90.5)49.7gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物を、加圧ろ過し、分液ロートを用いて塩化ナトリウム水溶液での水洗・洗浄操作、遠心分離などを行った後、硫酸マグネシウム、シリカゲル、活性炭等を添加し、振とうによる粉体処理を行うことで、不純物を吸着・除去した。加圧ろ過により上記の各種粉体を除いた後、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.22gを再添加してから、60~70℃、50mmHg以下の条件で溶媒留去することで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体1(下記式(11)、重量平均分子量:2,880)を得た。
【化11】
【0191】
[合成例2:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、合成例1と同じ末端一級化EO/POポリエーテル300g、ε-カプロラクトン110.2g、及び脱水トルエン200gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン0.41gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン100g、触媒としてジオクチルスズジネオデカノエート(分子量:687.7)0.96g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.12gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート(分子量:141.1)44.4gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物を40℃以下まで冷却した後、エタノール0.8gを添加し、未反応(残存)イソシアネート基と反応させクエンチ処理を施した。次に、硫酸マグネシウム、シリカゲル、活性炭等を添加し、振とうによる粉体処理を行うことで、不純物を吸着・除去した。加圧ろ過により上記の各種粉体を除いたのち、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.12gを再添加してから、60~70℃、50mmHg以下の条件で溶媒留去することで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2(下記式(12)、重量平均分子量:3,120)を得た。
【化12】
【0192】
[合成例3:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体3]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、末端一級化EO/POポリエーテル(分子量:約2,600、OH基当量:0.09~0.10 mol/100g)300g、ε-カプロラクトン115.2g、及び脱水トルエン200gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒にテトラ-n-ブトキシチタン0.42gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン70g、触媒としてトリス(2,4-ペンタンジオナト)鉄(III)(別名:鉄(III)アセチルアセトナート、分子量:353.2)0.18g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.13gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート46.4gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物は、上記合成例2に記載の方法と同様に、後処理・精製工程を経ることで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体3を得た。アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体3は式(12)の構造を有し、式(12)において、l≒18~21、m≒34~38、r≒3~4で、重量平均分子量:4,870であった。
【0193】
[合成例4:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、合成例3と同じ末端一級化EO/POポリエーテル300g、ε-カプロラクトン115.2g、及び脱水トルエン200gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン0.42gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン70g、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトナート(分子量:487.7)2.77g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.13gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート46.4gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物は、上記合成例2に記載の方法と同様に、後処理・精製工程を経ることで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4を得た。アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4は式(12)の構造を有し、式(12)において、l≒18~21、m≒34~38、r≒3~4で、重量平均分子量:4,990であった。
【0194】
[合成例5:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体5]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、末端一級化EO/POポリエーテル(分子量:約3,200、OH基当量:0.062mol/100g)300g、ε-カプロラクトン106.3g、及び脱水トルエン200gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン0.41gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン70g、触媒としてジオクチルスズジネオデカノエート1.01g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.13gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート28.4gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物は、上記合成例2に記載の方法と同様に、後処理・精製工程を経ることで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体5(式(13)、重量平均分子量:7,940)を得た。
【化13】
【0195】
[合成例6:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体6]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、末端一級化EO/POポリエーテル(分子量:約1,100、OH基当量:0.182mol/100g)300g、ε-カプロラクトン311.6g、及び脱水トルエン250gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン0.61gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン100g、触媒にジルコニウムテトラアセチルアセトナート(分子量:487.7)2.77g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.21gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート(分子量:141.1)80.84gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物は、上記合成例2に記載の方法と同様に、後処理・精製工程を経ることで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体6(式(14)、重量平均分子量:2,530)を得た。
【化14】
【0196】
[合成例7:アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体7]
撹拌装置、温度計、冷却管、及び滴下ロートを備えた1Lのセパラブルフラスコに、末端一級化EO/POポリエーテル(分子量:約7,200、OH基当量:0.028mol/100g)300g、ε-カプロラクトン31.4g、及び脱水トルエン200gを仕込み、窒素フロー下で90℃に加熱した。目的温度に到達後、触媒としてテトラ-n-ブトキシチタン0.33gを添加し、120℃で4~6時間熟成した。
次に、上記操作により得られたポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を室温付近まで冷却した後、脱水トルエン50g、触媒としてジルコニウムテトラアセチルアセトナート(分子量:487.7)1.37g、及びジブチルヒドロキシトルエン(BHT)0.11gを加え、一定時間撹拌し均一溶解させてから、滴下ロートを用いて2-イソシアナトエチルアクリラート(分子量:141.1)12.3gを滴下し、発熱を確認してから60℃で4時間熟成した。
得られた粗生成物は、上記合成例2に記載の方法と同様に、後処理・精製工程を経ることで、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体7(式(15)、重量平均分子量:8,250)を得た。
【化15】
【0197】
[生分解性評価]
前記した評価方法に即し、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体1の生分解性評価を、培養温度22±1℃で60日間測定した結果、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体1の生分解度は28日後で平均62%、60日後で平均73%を示し、判定基準の28日後の生分解度60%を満たしたことから、“易生分解性物質”と判断された。
従って、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体1の架橋粒子であるエラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子は、これを使用したのち陸水などを経てそのまま海洋へと流出した場合、粒子として環境中に残存し続けることなく、最終的には分解するものと推測される。
【0198】
アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2~4の生分解性評価を、培養温度22±1℃で60日間測定した結果、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2~4の生分解度は28日後で平均40%、60日後で平均65%を示し、判定基準の60日後の生分解度60%を満たしたことから、“本質的生分解性物質”と判断された。
従って、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2~4の架橋粒子であるエラストマー球状粒子、及びエラストマー複合粒子並びにアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体2~4と繰り返し単位の構造が同一で、各繰り返し単位の数が異なるアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体5~7の架橋粒子であるエラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子は、これを使用したのち陸水などを経てそのまま海洋へと流出した場合、粒子として環境中に残存し続けることなく、最終的には分解するものと推測される。
【0199】
[調製例1:エラストマー球状粒子1]
1L容器のアヂホモミキサーに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ60SH-4,000、信越化学工業(株)製)の2.6%水溶液250gを仕込み、ホモミキサー及びアンカーミキサーを運転させながら、55~60℃の加温下で撹拌・混合した。
同時に、前記記載の合成例4のアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4を100gと、ジメチル2,2’-アゾビス-(2-メチルプロピオネート)(分子量:230.3)1.0gをデスカップに仕込み、ディスパーミキサーで事前混合させ、60~65℃に予め加温した。
次いで、加温したヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液を仕込んである1Lのアヂホモミキサーに、事前混合していたアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体を添加し、55~60℃の加温下、ホモミキサー回転数 4,500rpmにて10分間以上撹拌し、懸濁・乳化させたところ、O/W型の乳化(懸濁)組成物を得た。
その後、得られた乳化(懸濁)組成物を、パドル型撹拌翼を用い回転数200rpmにて70℃で8時間撹拌・熟成し、純水50gを添加してから、更に同回転数にて80℃で6時間熟成させることで、エラストマー球状粒子1の分散液を得た。
【0200】
得られた分散液中のエラストマー球状粒子1の形状を光学顕微鏡にて観察したところ、球状であり、体積平均粒径を電気抵抗法粒度分布測定装置(マルチサイザー3、ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定した結果、5μmであった。
【0201】
得られたエラストマー球状粒子1の分散液を、メッシュろ過(#100)にて凝集物の有無を確認し、凝集物が認められた場合はこれを除去した後、加圧ろ過による固液分離により、連続相である純水を除去した。上記洗浄・分離操作を純水にて3回繰り返し、水分を除去した。なお、加圧ろ過工程にて固液分離が上手く行われなった場合、遠心分離を用いて実施してもよい。
最後に、上記得られたエラストマー球状粒子1の濃縮物を、8時間以上の静置・乾燥することで、目的物のエラストマー球状粒子1の白色~淡黄色粉末を得た。
【0202】
得られたエラストマー球状粒子1の粉末を、電子顕微鏡(走査型顕微鏡S-4700、日立ハイテクノロジーズ(株)製)を用いて観察した結果、粒径5μm程度の球状粒子であることが確認された。また、得られたエラストマー球状粒子1のアスペクト比は1.0であった。
また、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテルを用いて、得られたエラストマー球状粒子1を水に再分散させた分散液を、電気抵抗法により測定・評価した結果、体積平均粒径5μmであることを確認した。
【0203】
エラストマー球状粒子1を構成するエラストマー(ゴム)の硬度を、以下のように測定した。
合成したアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4を30g、及び2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)(分子量:248.4)0.24gを撹拌・混合し、厚み10mmとなるようアルミニウム製シャーレに流し込んだ。70℃の空気恒温槽にて1~2時間静置後、べたつき(タック)の無い平状ゴムを得た。得られた平状ゴムのゴム硬度を測定した結果、AskerC硬度計で72、AskerA硬度計で55をそれぞれ示した。
【0204】
[調製例2:エラストマー球状粒子2]
調製例1のヒドロキシプロピルメチルセルロースの2.6%水溶液250gを、3.8%水溶液173gとした以外は同様に、エラストマー球状粒子2を製造した。結果、体積平均粒径2μmのエラストマー球状粒子を得た。
【0205】
[調製例3:エラストマー球状粒子3]
調製例1のヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ60SH-4,000、信越化学工業(株)製)を同じく(商品名:メトローズ60SH-50、信越化学工業(株)製)とした以外は同様に、エラストマー球状粒子3を製造した。結果、体積平均粒径11μmのエラストマー球状粒子を得た。
【0206】
[調製例4:エラストマー球状粒子4]
調製例1のヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名:メトローズ60SH-4,000、信越化学工業(株)製)の2.6%水溶液250gを、キサンタンガムの5.2%水溶液250gとした以外は同様に、エラストマー球状粒子4を製造した。結果、体積平均粒径20μmのエラストマー球状粒子を得た。
【0207】
[調製例5:エラストマー球状粒子5]
調製例1のアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4を、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体6とした以外は調製例1と同様に、エラストマー球状粒子5を製造した。結果、体積平均粒径5μmのエラストマー球状粒子を得た。
また、エラストマー球状粒子5を構成するエラストマー(ゴム)の硬度を、前記記載と同様の方法にて測定した結果、べたつき(タック)の無い平状ゴムが得られ、AskerA硬度計で78を示した。
【0208】
[調製例6:エラストマー球状粒子6]
調製例1のアクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体4を、アクリル変性ポリ-ε-カプロラクトン/ポリエーテル共重合体7とした以外は調製例1と同様に、エラストマー球状粒子6を製造した。結果、体積平均粒径5μmのエラストマー球状粒子を得た。
また、エラストマー球状粒子6を構成するエラストマー(ゴム)の硬度を、前記記載と同様の方法にて測定した結果、べたつき(タック)の無い平状ゴムが得られ、AskerA硬度計で22を示した。
【0209】
[比較例1:セルロースパウダー]
大東化成工業(株)製のセルロースパウダーCELLULOBEADS D-5(平均粒径 5μm)を用いた。
【0210】
[比較例2:球状シリカ粒子]
日揮触媒化成(株)製の球状シリカ シリカマイクロビードP-1500(平均粒径 5μm)を用いた。
【0211】
[調製・製造例1:エラストマー複合粒子1]
パドル型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量500mlのガラスフラスコに、調製例1にて得られた固形分濃度20%のエラストマー球状粒子1の分散液100g、純水184.9g、及び30%ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液0.2gを仕込んだ。前記水分散液を5~10℃に温調した後、5.0%アンモニア水0.75gを添加し水分散液を5~10℃に保持しながら、テトラメトキシシラン11.2g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシリカが22.0部となる量)を15~30分掛けて滴下し、この間の液温を5~10℃に保持して、1時間撹拌を行った。
次いで、55~60℃まで加熱し、温度を保持したまま1時間撹拌・熟成を行い、テトラメトキシシランの加水分解・縮合反応を完結させた。
【0212】
エラストマー球状粒子1の分散液中でテトラメトキシシランを加水分解・縮合反応させた分散液を、加圧ろ過器を用いて水分約30%に脱水した。次いで、この脱水物を錨型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量1Lのガラスフラスコに移し、水500gを添加して30分間撹拌を行ってから、加圧ろ過により脱水した。この洗浄・脱水操作を3回繰り返した脱水物を、熱風流動乾燥機中105℃の条件で乾燥し、乾燥物をジェットミルにて解砕することで、流動性のある粒子を得た。
【0213】
得られた粒子を電子顕微鏡にて観察したところ、エラストマー球状粒子の粒子表面全体に渡って、球状のシリカが付着・被覆されており、シリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子1)が得られていることを確認した。また、得られたシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子1)のアスペクト比は1.0であった。
【0214】
得られたシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子1)を、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を用いて水に分散させ、電気抵抗法粒度分布測定装置(マルチサイザー3、ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定した結果、粒度分布は上記エラストマー球状粒子1の水分散液と同等に、体積平均粒径は約5μmであることを確認した。
【0215】
[調製・製造例2:エラストマー複合粒子2]
調製・製造例1のエラストマー球状粒子1を、エラストマー球状粒子2(調製例2)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約2μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子2)を得た。
【0216】
[調製・製造例3:エラストマー複合粒子3]
調製・製造例1のエラストマー球状粒子1を、エラストマー球状粒子3(調製例3)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約11μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子3)を得た。
【0217】
[調製・製造例4:エラストマー複合粒子4]
調製・製造例1のエラストマー球状粒子1を、エラストマー球状粒子4(調製例4)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約20μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子4)を得た。
【0218】
[調製・製造例5:エラストマー複合粒子5]
調製・製造例1のエラストマー球状粒子1を、エラストマー球状粒子5(調製例5)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約5μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子5)を得た。
【0219】
[調製・製造例6:エラストマー複合粒子6]
調製・製造例1のエラストマー球状粒子1を、エラストマー球状粒子6(調製例6)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約5μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子6)を得た。
【0220】
[調製・製造例7:エラストマー複合粒子7]
パドル型撹拌翼による撹拌装置の付いた容量500mlのガラスフラスコに、調製例3にて得られた固形分濃度20%のエラストマー球状粒子3の分散液100g、純水184.9g、及び30%ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液0.2gを仕込んだ。前記水分散液を5~10℃に温調した後、5.0%アンモニア水0.84gを添加し水分散液を5~10℃に保持しながら、メチルトリメトキシシラン12.5g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシランが22.0部となる量)を15~20分掛けて滴下し、この間の液温を5~10℃に保持して、1時間撹拌を行った。その後の操作については調製・製造例1と同様とし、流動性のある粒子を得た。
【0221】
得られた粒子を電子顕微鏡にて観察したところ、エラストマー球状粒子の粒子表面全体に渡って、球状のポリオルガノシルセスキオキサンが付着・被覆されており、ポリオルガノシルセスキオキサン被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子7)が得られていることを確認した。また、得られたポリオルガノシルセスキオキサン被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子7)のアスペクト比は1.0であった。
【0222】
得られたポリオルガノシルセスキオキサン被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子7)を、界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)を用いて水に分散させ、電気抵抗法粒度分布測定装置(マルチサイザー3、ベックマン・コールター(株)製)を用いて測定した結果、体積平均粒径約11μmであることを確認した。
【0223】
[調製・製造例8:エラストマー複合粒子8]
テトラメトキシシランの添加量を、11.2g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシリカが22.0部となる量)から5.6g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシリカが11.0部となる量)とした以外は調製・製造例1と同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約5μmのシリカ被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子8)を得た。
【0224】
[調製・製造例9:エラストマー複合粒子9]
調製・製造例7において、エラストマー球状粒子3をエラストマー球状粒子4に、メチルトリメトキシシランの添加量を12.5g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシランが22.0部となる量)から0.51g(エラストマー球状粒子100部に対し、加水分解・重縮合反応後のシランが0.9部となる量)とした以外は同様に、エラストマー複合粒子を製造した。結果、体積平均粒径約20μmのポリオルガノシルセスキオキサン被覆エラストマー球状粒子(エラストマー複合粒子9)を得た。
【0225】
[比較例3:シリカ被覆マイカ]
日揮触媒化成(株)製のシリカ被覆マイカ ベルベットベール310(平均粒径300nmのシリカをマイカに10%被覆した複合粉体)を用いた。
【0226】
各例で得られたエラストマー球状粒子の表面に付着・被覆されている球状のシリカ又はポリオルガノシルセスキオキサンの粒径は、下記表に示す通りであった。
【表1-1】
【0227】
(1)使用性評価
上記調製例1~6、調製・製造例1~9、比較例1~3の各粒子を化粧料に配合し、使用性の評価を行った。
処方実施例1~15、処方比較例1~3配合の油中水型クリームについて、塗布時の使用性(伸び、肌への均一なつき)と塗布後の使用性(透明感、柔らかさ、毛穴及びシワの隠れ方)の項目を評価した。
処方実施例16~30、処方比較例4~6配合のパウダーファンデーションについて、成形性及び塗布時の使用性(粉とれ、伸び、肌への均一なつき)と塗布後の使用性(柔らかさ、毛穴及びシワの隠れ方)を評価した。
処方実施例31~45、処方比較例7~9配合の油中水型日焼け止めクリームについて、塗布時の使用性(伸び、肌への均一なつき)と塗布後の使用性(透明感、毛穴及びシワの隠れ方、油膜感の無さ)を評価した。
使用性の各項目は10名の専門パネラーにより評価した。表1に示される評価基準により評価し、結果を10名の平均値に基づき、下記判断基準に従って判定した。
油中水型(液状乳化)クリームの結果を下記表2に示し、パウダーファンデーションの結果を下記表3に示し、油中水型日焼け止めクリームの結果を下記表4に示す。
【0228】
【0229】
(2)使用性の判定基準
◎:平均点が4.0点以上
○:平均点が3.0点以上4.0点未満
△:平均点が2.0点以上3.0点未満
×:平均点が2.0点未満
【0230】
【表2-1】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー20-30%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90-96%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4-10%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
【0231】
(製造方法)
A:成分1~6を均一に混合する。
B:成分7~10を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填して油中水型クリームを得た。
【0232】
【0233】
上記表2の結果より、処方実施例1~15は、塗布後の透明感のある仕上がりや塗布膜の柔らかさ、肌の凹凸補正の効果を発揮することが確認された。なかでも処方実施例7~15は、塗布時の伸びや肌への均一なつきの効果が特に優れていた。
一方、処方比較例1~3は、塗布後の透明感のある仕上がりや塗布膜の柔らかさ、肌の凹凸補正の効果に劣った。
【0234】
【表3-1】
(注1)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン
(注2)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
【0235】
(製造方法)
A:成分1~5をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:成分6~10を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを篩に通した後、金型を用いて金皿に打型し、パウダーファンデーションを得た。
【0236】
【0237】
上記表3の結果から、処方実施例16~30は、塗布後の塗布膜の柔らかさ、肌の凹凸補正の効果を発揮することが確認された。なかでも処方実施例22~30は、成形性や塗布時の伸び、肌への均一なつきの効果が特に優れていた。
一方、処方比較例4~6は、塗布後の塗布膜の柔らかさ、肌の凹凸補正の効果に劣った。
【0238】
【表4-1】
(注1)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン75-85%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー15-25%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80-90%+(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー10-20%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:微粒子酸化チタン45%を含むシクロペンタシロキサン溶媒の分散体
(注6)信越化学工業(株)製:微粒子酸化亜鉛60%を含むシクロペンタシロキサン溶媒の分散体
【0239】
(製造方法)
A:成分1~10を均一に混合する。
B:成分13~17を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものに成分11~12を添加し、均一に混合する。
E:上記D工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型日焼け止めクリームを得た。
【0240】
【0241】
上記表4の結果から、処方実施例31~45は、塗布後の透明感のある仕上がりや肌の凹凸補正、油膜感の無さに対して効果を発揮することが確認された。なかでも処方実施例37~45は、塗布時の伸び、肌への均一なつきの効果が特に優れていた。
一方、処方比較例7~9は、塗布後の塗布膜の透明感のある仕上がりや肌の凹凸補正、油膜感の無さの効果に劣った。
【0242】
【表5】
(注1)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン
【0243】
(製造方法)
A:成分1~3を均一に混合する。
B:成分4~10を均一に混合する。
C:上記A工程で得られたものを上記B工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、水性ゲルを得た。
【0244】
以上のようにして得られた本発明の水性ゲルは、塗布時のみずみずしさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤを抑えたマットな仕上がりを有するものであった。
【0245】
【表6】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン80-90%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー10-20%)の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90-96%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4-10%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
【0246】
(製造方法)
A:成分1~5を均一に混合する。
B:上記A工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油性ゲルを得た。
【0247】
以上のようにして得られた本発明の油性ゲルは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤを抑えたマットな仕上がりを有するものであった。
【0248】
【表7】
(注1)信越化学工業(株)製:ミネラルオイル65-75%+(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:スクワラン65-75%+(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
【0249】
(製造方法)
A:成分1~5を均一に混合する。
B:成分6~10を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリ-ムを得た。
【0250】
以上のようにして得られた本発明の油中水型クリ-ムは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良く油のツヤを抑えた自然な仕上がりを有するものであった。
【0251】
【表8】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン
【0252】
(製造方法)
A:成分1~5を均一に混合する。
B:成分6~7、及び9を混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものに成分8を添加し、均一に混合する。
E:上記D工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームを得た。
【0253】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきおよび油っぽさがないうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0254】
【表9】
(注1)信越化学工業(株)製:スクワラン65-75%+(PEG-10/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(PEG-15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
【0255】
(製造方法)
A:成分1~6を混合する。
B:成分7~10、及び12を混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものに成分11を添加し、均一に混合する。
E:上記D工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームを得た。
【0256】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきおよび油っぽさがないうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0257】
【表10】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注2)オウゴンエキス:50% BG水で抽出したもの
(注3)ゲンチアナエキス:20% エタノール水で抽出したもの
【0258】
(製造方法)
A:成分1~8を混合する。
B:成分9~14を混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームを得た。
【0259】
以上のようにして得られた油中水型クリームは、キメが細かく、べたつきがないだけでなく、のび広がりが軽いうえ、密着感に優れ、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度および経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0260】
【表11】
(注1)信越化学工業(株)製:トリエチルヘキサノイン65-75%+(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:メチルセルロース
(注3)SEPPIC社製:セピゲル305
【0261】
(製造方法)
A:成分1~3を混合する。
B:成分4~10を混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、水中油型クリームを得た。
【0262】
以上のようにして得られた水中油型クリームは、キメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきおよび油っぽさがないうえ、温度変化および経時による変化がなく安定性に優れていることが確認された。
【0263】
【表12】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン75-85%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー15-25%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン80-90%+(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー10-20%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:カプリリルメチコン
(注6)信越化学工業(株)製:エチルトリメチコン
【0264】
(製造方法)
A:成分1~11を均一に混合する。
B:成分12~15を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型日焼け止め乳液を得た。
【0265】
以上のようにして得られた本発明の日焼け止め乳液は、塗布時の滑らかさに優れ、ツヤも抑えた仕上りで、化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0266】
【表13】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン75-85%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー15-25%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:イソドデカン60%+(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー40%の溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン
【0267】
(製造方法)
A:成分2の一部に成分3を加え均一にし、成分10を添加してビーズミルで分散する。
B:成分2の残部、及び成分1、成分4~9を均一に混合する。
C:成分11~13、及び成分15を混合溶解する。
D:上記C工程で得られたものを上記B工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
E:上記A工程で得られたものを上記D工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:成分14を上記E工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
G:上記F工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型日焼け止めクリームを得た。
【0268】
以上のようにして得られた日焼け止めクリームは、べたつきがなく、のび広がりも軽いうえ、密着感に優れ、肌の形態補正効果も有り、化粧持ちも非常に優れていた。また、温度変化、および経時変化に対しても非常に安定であることが確認された。
【0269】
【表14】
(注1)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
【0270】
(製造方法)
A:成分1に成分2を加え均一にし、成分8~9添加してビーズミルで分散する。
B:成分3~7を均一に混合する。
C:成分10~12、及び成分14を混合溶解する。
D:上記C工程で得られたものを上記B工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
E:上記A工程で得られたものを上記D工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:成分13を上記E工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
G:上記F工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型日焼け止め乳液を得た。
【0271】
以上のようにして得られた日焼け止め乳液は、キメが細かく、のび広がりが軽く、べたつきがなかった。さらに、化粧持ちが良いため紫外線防止効果も持続するうえ、温度変化、および経時による変化がなく非常に安定性にも優れていることが確認された。
【0272】
【表15】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー20-30%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20-30%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ジメチコン(2cs)50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注5)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注6)信越化学工業(株)製:メチコン
【0273】
(製造方法)
A:成分1~7を混合する。
B:成分8~10を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分11~13、及び成分15を混合溶解する。
E:上記D工程で得られたものを上記C工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:成分14を上記E工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
G:上記F工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームファンデーションを得た。
【0274】
以上のようにして得られたクリームファンデーションは、塗布時の滑らかさと保湿性に優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤを抑えた自然な仕上がりを有するものであった。
【0275】
【表16】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
【0276】
(製造方法)
A:成分1~5を混合する。
B:成分6~8を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分9~10、及び成分12を混合溶解する。
E:上記D工程で得られたものを上記C工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:成分11を上記E工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
G:上記F工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームファンデーションを得た。
【0277】
以上のようにして得られたクリームファンデーションは、キメが細かいうえ、のび広がりが軽くてべたつきおよび油っぽさがなく、化粧持ちも良く、温度変化、および経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0278】
【表17】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
【0279】
(製造方法)
A:成分1~7を混合する。
B:成分8~10を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分11~13を混合溶解する。
E:上記D工程で得られたものを上記C工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:上記E工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
【0280】
以上のようにして得られたリキッドファンデーションは、粘度が低くキメが細かく、のび広がりが軽くてべたつきおよび油っぽさがないうえ、肌の形態補正効果もあり、化粧持ちが良いうえ、温度変化、および経時による変化がなく、安定性にも優れていることが確認された。
【0281】
【表18】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:(メチル/フェニル)ポリシルセスキオキサン
(注4)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
【0282】
(製造方法)
A:成分1~7を混合する。
B:成分8~11を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分12~14を混合溶解する。
E:上記D工程で得られたものを上記C工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:上記E工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型リキッドファンデーションを得た。
【0283】
以上のようにして得られたリキッドファンデーションは、べたつきがなく、のび広がりも軽いうえ、密着感に優れ、化粧持ちも非常に優れていることが確認できた。また、温度および経時によって変化することがなく、安定性にも優れていることがわかった。
【0284】
【0285】
(製造方法)
A:成分1~7を80℃に加熱し、均一に混合する。
B:成分8~10を80℃に加熱し、成分11を添加し、均一に混合する。
C:加熱した上記B工程で得られたものを加熱した上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分12~13を混合し、ロール処理する。
E:上記C工程で得られたものを常温まで冷却した後、成分14~15を添加し、均一に混合する。
F:上記D工程で得られたものを上記E工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
G:上記F工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、水中油型ベースクリームを得た。
【0286】
以上のようにして得られたベースクリームは、塗布時のみずみずしさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤを抑えたマットな仕上がりを有するものであった。
【0287】
【表20】
(注1)信越化学工業(株)製:イソドデカン75-85%+(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー15-25%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン30%+イソドデカン70%溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(注5)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
(注6)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン
【0288】
(製造方法)
A:成分1~9を均一に混合する。
B:成分10~14を均一に混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油性クリームファンデーションを得た。
【0289】
以上のようにして得られたクリームファンデーションは、延び広がりが軽く、肌へのおさまりも良く、しっとりと仕上がり、また、ツヤを抑え張りがある化粧膜が得られ、化粧持ちが良く、非常に優れているものであった。
【0290】
【表21】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン(2cs)50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン75-85%+(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー15-25%の混合物
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
【0291】
(製造方法)
A:成分1の一部、及び成分2~9を均一に混合する。
B:成分10~14に成分1の残部を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油性ムースファンデーションを得た。
【0292】
以上のようにして得られたムースファンデーションは、スフレ状で取れも良く、のび広がりが軽いうえ、油っぽさおよび粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0293】
【表22】
(注1)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:ポリメチルシルセスキオキサン
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
(注5)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
【0294】
(製造方法)
A:成分1~9を加熱溶解する。
B:成分12~15を均一に混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものと成分10~11を、加熱した上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを加熱した状態で脱泡した後、容器に充填し室温まで冷却することで、油性固形ファンデーションを得た。
【0295】
以上のようにして得られた固形ファンデーションは、延び広がりが軽く、肌へのおさまりも良く、しっとりと仕上がり、また、ツヤを抑え張りがある化粧膜が得られ、化粧持ちが良く、非常に優れているものであった。
【0296】
【表23】
(注1)信越化学工業(株)製:ポリシリコーン-1クロスポリマー
(注2)信越化学工業(株)製:トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
(注4)信越化学工業(株)製:カプリリルメチコン
【0297】
(製造方法)
A:成分1~7をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:成分8~11を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを篩に通した後、金型を用いて金皿に打型し、パウダーファンデーションを得た。
【0298】
以上のようにして得られたパウダーファンデーションは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤも抑えた仕上りで、滲みがなくて化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0299】
【表24】
(注1)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(注2)信越化学工業(株)製:(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー
(注3)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
【0300】
(製造方法)
A:成分1~9をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:成分10~11を均一に混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを篩に通した後、容器に充填し、ルースパウダーを得た。
【0301】
以上のようにして得られたルースパウダーは、塗布時の滑らかさに優れ、ツヤも抑えた仕上りで、化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0302】
【表25】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20-30%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・R:赤・Y:黄・B:黒
(注3)信越化学工業(株)製:トリエトキシシリルエチルポリジメチルシロキシエチルヘキシルジメチコン
【0303】
(製造方法)
A:成分1~5を混合し、80℃に加熱し、均一に混合する。
B:成分6~10をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、80℃で均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを加熱した状態で脱泡した後、容器に充填し室温まで冷却することで、油性チークカラーを得た。
【0304】
以上のようにして得られたチークカラーは、スポンジ状で取れも良く、のび広がりが軽いうえ、油っぽさおよび粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0305】
【表26】
(注1)信越化学工業(株)製:ポリシリコーン-22
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
【0306】
(製造方法)
A:成分1~9をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:成分10~13を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを篩に通した後、金型を用いて金皿に打型し、パウダーチークを得た。
【0307】
以上のようにして得られたパウダーチークは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤも抑えた仕上りで、滲みがなくて化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0308】
【表27】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
【0309】
(製造方法)
A:成分1~4を均一に混合する。
B:成分5~6をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
C:成分7~9、及び成分11を均一に混合溶解する。
D:上記C工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
E:成分10を上記D工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
F:上記E工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリームアイシャドウを得た。
【0310】
以上のようにして得られたクリームアイシャドウは、のび広がりが軽いうえ、油っぽさおよび粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0311】
【表28】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー20-30%の混合物
【0312】
(製造方法)
A:成分1~5を混合し、90℃に加熱し、均一に混合する。
B:成分6~11を上記A工程で得られたものに添加し、90℃で均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを加熱した状態で脱泡した後、容器に充填し室温まで冷却することで、油性アイカラーを得た。
【0313】
以上のようにして得られたアイカラーは、ゼリー状で取れも良く、のび広がりが軽いうえ、油っぽさおよび粉っぽさがない使用感のものであった。また、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいうえ、温度変化、および経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0314】
【表29】
(注1)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(注3)信越化学工業(株)製:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
【0315】
(製造方法)
A:成分1~10をヘンシェルミキサーで均一に混合する。
B:成分11~13を均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、ヘンシェルミキサーで均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを篩に通した後、金型を用いて金皿に打型し、パウダーアイシャドウを得た。
【0316】
以上のようにして得られたパウダーアイシャドウは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤも抑えた仕上りで、滲みがなくて化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0317】
【表30】
(注1)信越化学工業(株)製:(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(注2)信越化学工業(株)製:ジフェニルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン
【0318】
(製造方法)
A:成分1~6、及び7の一部を混合し、90℃に加熱し、均一に混合する。
B:成分8~9、及び7の残部を混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、90℃で均一に混合する。
D:成分10~11を上記C工程で得られたものに添加し、90℃で均一に混合する。
E:上記D工程で得られたものを加熱した状態で脱泡した後、容器に充填し室温まで冷却することで、スティック状口紅を得た。
【0319】
以上のようにして得られたスティック状口紅は、のびが軽くて油っぽさおよび粉っぽさがないうえ、耐水性および撥水性が良好で持ちも良く、安定性にも優れているものであった。
【0320】
【表31】
(注1)信越化学工業(株)製:トリエチルヘキサノイン65-75%+(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
【0321】
(製造方法)
A:成分1~7を混合し、90℃に加熱し、均一に混合する。
B:成分8~10を混合し、ロール処理する。
C:成分11~12を均一に混合溶解する。
D:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、90℃で均一に混合する。
E:上記C工程で得られたものを上記D工程で得られたものに添加し、90℃で均一に混合する。
F:上記E工程で得られたものを常温まで冷却、脱泡した後、容器に充填し、油中水型クリーム状口紅を得た。
【0322】
得られたクリーム状口紅は、塗布時の伸び、滑らかさに優れ、べたつきがなく、また、密着感に優れ、おさまりも良く不自然なツヤを抑えつつ美しい仕上がりで、滲みや色移り、色落ちがなくて化粧持ちが良く、更に唇の乾きや荒れのない、優れた特徴を有するものであった。
【0323】
【表32】
(注1)信越化学工業(株)製:スクワラン65-75%+(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー25-35%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:ジメチコン(2cs)60%+(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー40%の溶解品
(注3)信越化学工業(株)製:PEG-3ジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:メチコン
【0324】
(製造方法)
A:成分1~6を均一に混合する。
B:成分7~11を均一に混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:成分12を上記C工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
E:上記E工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、リップグロスを得た。
【0325】
以上のようにして得られたリップグロスは、塗布時の伸び、滑らかさに優れ、べたつきがなく、また、密着感に優れ、おさまりも良く不自然なツヤを抑えつつ美しい仕上がりで、滲みや色移り、色落ちがなくて化粧持ちが良く、更に唇の乾きや荒れのない、優れた特徴を有するものであった。
【0326】
【表33】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:イソドデカン70%+ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネン)コポリマー30%溶解品
(注3)信越化学工業(株)製:ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注4)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,W:白・B:黒
【0327】
(製造方法)
A:成分1~8を加熱溶解する。
B:成分10~12を均一に混合し、ロール処理する。
C:上記B工程で得られたものと成分9を、加熱した上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡後、室温まで冷却した後、容器に充填し、油性マスカラを得た。
【0328】
以上のようにして得られた油性マスカラは、塗布時の滑らかさに優れ、べたつきがなく延び広がりも軽く、また、密着感に優れ、おさまりも良くツヤも抑えた仕上りで、滲みがなくて化粧持ちが良く、非常に優れていることがわかった。
【0329】
【表34】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン50%+トリメチルシロキシケイ酸50%の溶解品
(注3)信越化学工業(株)製:ハイドロゲンジメチコン
【0330】
(製造方法)
A:成分1~4を混合し、成分5及び6を加えて均一に混合する。
B:成分7~9を均一に混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型アイライナーを得た。
【0331】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすく、清涼感があってさっぱりとし、更にべたつきがない使用感であった。また、温度変化、および経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れており、耐水性、耐汗性に優れることはもとより、化粧持ちも非常に良いことが確認された。
【0332】
【表35】
(注1)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン
(注3)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン70%+(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー30%の溶解品
(注4)信越化学工業(株)製:KF-9909処理着色無機顔料,B:黒
【0333】
(製造方法)
A:成分1~6を混合し、成分7及び8を加えて均一に混合する。
B:成分9~11を均一に混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型アイライナーを得た。
【0334】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて油っぽさおよび粉っぽさがないうえ、耐水性、撥水性、耐汗性が良好で持ちも良く、化粧崩れしにくいものであった。また、温度変化、および経時による変化がなく安定性にも優れていることが確認された。
【0335】
【表36】
(注1)信越化学工業(株)製:トリエトキシカプリリルシラン
(注2)信越化学工業(株)製:イソドデカン40%+トリメチルシロキシケイ酸60%の溶解品
(注3)信越化学工業(株)製:PEG-10ジメチコン
【0336】
(製造方法)
A:成分1、2、5~9を混合し、成分3、4を加えて均一に混合する。
B:成分10~13を混合する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型アイライナーを得た。
【0337】
以上のようにして得られたアイライナーは、のびが軽くて描きやすいうえ、清涼感があってさっぱりとし、べたつかない使用感で、耐水性、耐汗性にも共に優れ、化粧持ちも非常に良いことが確認された。また、温度および経時によって変化することもなかった。
【0338】
【表37】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー20-30%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
【0339】
(製造方法)
A:成分1~5を均一に混合する。
B:成分6~10を均一に混合溶解する。
C:上記B工程で得られたものを上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油中水型制汗クリームを得た。
【0340】
以上のようにして得られた制汗クリームは、のびが軽く、べたつきおよび油感がなく、温度および経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れるものであった。
【0341】
【表38】
(注1)信越化学工業(株)製:ジメチコン70-80%+(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー20-30%の混合物
(注2)信越化学工業(株)製:シクロペンタシロキサン90-96%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4-10%の混合物
【0342】
(製造方法)
A:成分1~4を均一に混合する。
B:成分5~7を上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、ロールオンタイプ制汗化粧料を得た。
【0343】
以上のようにして得られたロールオンタイプ制汗化粧料は、のびが軽く、べたつきおよび油感がなく、温度および経時による変化もなく、使用性も安定性も非常に優れているものであった。
【0344】
【表39】
(注1)信越化学工業(株)製:エチルトリメチコン
(注2)信越化学工業(株)製:(シクロペンタシロキサン90-96%+(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー4-10%)の混合物
【0345】
(製造方法)
A:成分1~6を加熱し、均一混合する。
B:成分7~9を上記A工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
C:成分10を上記B工程で得られたものに添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、油性制汗クリームを得た。
【0346】
以上のようにして得られた制汗クリームは、塗り広げが非常にスムーズで伸びが良く、過度なドライ感やべたつき感が無く、防臭効果の持続性に優れているものであった。
【0347】
【表40】
(注1)信越化学工業(株)製:メチルトリメチコン60%+(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー40%の溶解品
(注2)信越化学工業(株)製:メチルトリメチコン
【0348】
(製造方法)
A:成分7~9を混合し、これに成分4~6を添加し、均一に混合する。
B:上記A工程で得られたものに成分1~3を添加し、均一に混合する。
C:上記B工程で得られたものに成分10を添加し、均一に混合する。
D:上記C工程で得られたものを脱泡した後、容器に充填し、ネイルエナメルを得た。
【0349】
以上のようにして得られたネイルエナメルは、のび広がりが軽く、視覚的に滑らかさを与え、耐水性、耐油性があり持ちも良く、さらに、爪への圧迫感、爪の黄変ならびに温度、および経時による化粧膜の変化もなく安定性にも非常に優れていることが確認された。
本発明におけるエラストマー球状粒子及びエラストマー複合粒子(ポリオルガノシルセスキオキサン又はシリカ被覆エラストマー球状粒子)は、その特徴的な構造組成により、特に化粧料等にて有用であることが期待される。
また、粉体・粒子骨格内に分解性を有するポリエステル構造(特にはポリ-ε-カプロラクトン)及びポリエーテル構造を有していることから、高い生分解性の発現・付与が期待できる。
従って、本発明のエラストマー球状粒子及び/又はエラストマー複合粒子を含む化粧料は、環境負荷低減材料としての使用・利用が期待できる。