(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027687
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】イントラ予測装置、符号化装置、復号装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 19/11 20140101AFI20250220BHJP
H04N 19/176 20140101ALI20250220BHJP
H04N 19/167 20140101ALI20250220BHJP
H04N 19/70 20140101ALI20250220BHJP
H04N 19/593 20140101ALI20250220BHJP
【FI】
H04N19/11
H04N19/176
H04N19/167
H04N19/70
H04N19/593
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132716
(22)【出願日】2023-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】根本 慎平
(72)【発明者】
【氏名】岩村 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 敦郎
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159LC09
5C159MA04
5C159MA05
5C159MA21
5C159MC11
5C159ME01
5C159RC12
5C159TA32
5C159TB08
5C159TC31
5C159UA02
5C159UA05
(57)【要約】
【課題】処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させる。
【解決手段】画像を構成するブロック単位でイントラ予測を行うイントラ予測装置は、直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、前記サブ領域ごとに前記予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部と、前記第1予測モードの予測方向を基準として前記サブ領域ごとに前記予測方向を前記第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部と、前記各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いて前記イントラ予測により予測する予測部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を構成するブロック単位でイントラ予測を行うイントラ予測装置であって、
直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、
前記サブ領域ごとに前記予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部と、
前記第1予測モードの予測方向を基準として前記サブ領域ごとに前記予測方向を前記第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部と、
前記各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いて前記イントラ予測により予測する予測部と、を備える
イントラ予測装置。
【請求項2】
前記予め定められた規則は、数式又はテーブルとして定められ、
前記割当部は、前記第1予測モードと、前記第2予測モードと、前記複数のサブ領域の数を示す分割数とから、前記数式又は前記テーブルに従って、前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
請求項1に記載のイントラ予測装置。
【請求項3】
前記割当部は、前記複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間における前記サブ予測モードの変化が均一になるように前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
請求項1に記載のイントラ予測装置。
【請求項4】
前記割当部は、前記複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間における前記サブ予測モードの変化が不均一になるように前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
請求項1に記載のイントラ予測装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイントラ予測装置を有する符号化装置であって、
復号側に伝送するフラグを出力する出力部を備え、
前記出力部は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記決定部が決定した前記第2予測モードを示す第2フラグと、を出力する
符号化装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイントラ予測装置を有する復号装置であって、
符号化側から伝送されたフラグを取得する取得部を備え、
前記取得部は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記第2予測モードを示す第2フラグと、を取得し、
前記決定部は、前記第2フラグに応じて前記第2予測モードを決定する
復号装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至4のいずれか1項に記載のイントラ予測装置として機能させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イントラ予測装置、符号化装置、復号装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報量が膨大である映像信号を限られた帯域で伝送するためには、符号化を行うことが必須である。規格化されている従来の映像符号化方式及び次世代の映像符号化方式(VVC)では、フレームを小領域であるブロック(以下、対象ブロックと呼ぶ)に分割し、ブロックごとに予測及び符号化が行われている。
【0003】
予測方式には大きく分けて、イントラ予測及びインター予測の2つの方法が存在する。イントラ予測は、フレーム内で対象ブロックに隣接した復号済みのブロックを用いて空間的相関を利用した予測を行う方法である。インター予測は、対象ブロックが属するフレームとは異なる復号済みのフレームを用いて時間的相関を利用した予測を行う方法である。一般的に動画像では時間的に近接するフレーム同士は類似しているため、イントラ予測に比べて、インター予測の予測精度は高くなり、かつ復号側に伝送する残差信号(予測残差)の情報量は少ない。
【0004】
一方、イントラ予測では、インター予測に比べて高精度な予測は困難であるため、復号側に伝送する残差信号の情報量はインター予測に比べて多い。イントラ予測を適用した残差信号を限られた帯域で伝送するためには、より粗い量子化が必要となるため、イントラ予測によって符号化・復号されたブロックの劣化が生じやすくなる。イントラ予測によって復号された画像はインター予測の際に参照されるため、イントラ予測で生じた劣化は、このイントラ予測フレームを参照したインター予測フレームにも影響を与え、映像全体の劣化の原因となる。以上の理由から、イントラ予測フレームを高効率で圧縮できる符号化方式が研究されている。
【0005】
VVCのイントラ予測では、対象ブロックに隣接する復号済み参照画素(以下、単に「参照画素」と呼ぶ)を用いて曲面的な予測を行うPlanar予測、参照画素の平均値により予測を行うDC予測、及び参照画素の一部を直線的にコピーすることにより予測を行う方向性予測が導入されている。VVCの方向性予測では、予測方向が65方向に増加しており、65通りの予測モードが規定されている。
【0006】
VVCの方向性予測では予測方向が65方向に増加したことで予測精度が向上したものの、いずれの方向性予測の予測モードも予測は直線的に行われている。しかしながら、一般の自然画像においては、オブジェクトの境界が曲線的であることが多く、直線的な予測では、これらのオブジェクト境界の予測を高精度に行うことができず、符号化効率が低下する問題がある。
【0007】
特許文献1には、曲線的なオブジェクト境界を高精度に予測するために、対象ブロックを複数のサブ領域に分割し、各サブ領域に対してそれぞれ精度が高くなる方向性予測を適用する技術が記載されている。具体的には、特許文献1に記載の技術では、対象ブロックに割り当てられたイントラ予測モードと、対象ブロックのブロック形状と、対象ブロックの分割数と、に応じて、ベジェ曲線である基準曲線を求め、この基準曲線と各サブ領域境界との交点を基準点として設定し、各基準点を結ぶ直線に応じて各サブ領域のサブ予測モードを決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来のイントラ予測技術には、処理の複雑度の増大を抑制しつつ符号化効率を向上させる点で改善の余地がある。例えば、特許文献1に記載の技術では、曲線的なイントラ予測を行うことで符号化効率を向上させることが可能であるものの、基準曲線を求める処理を含む複雑な処理が必要であり、複雑度の観点から実装の難易度が高いと考えられる。
【0010】
そこで、本発明は、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることが可能なイントラ予測装置、符号化装置、復号装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の態様に係るイントラ予測装置は、画像を構成するブロック単位でイントラ予測を行う装置である。前記イントラ予測装置は、直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、前記サブ領域ごとに前記予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部と、前記第1予測モードの予測方向を基準として前記サブ領域ごとに前記予測方向を前記第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部と、前記各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いて前記イントラ予測により予測する予測部と、を備える。
【0012】
第2の態様に係る符号化装置は、第1の態様に係るイントラ予測装置を有する。前記符号化装置は、復号側に伝送するフラグを出力する出力部を備え、前記出力部は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記決定部が決定した前記第2予測モードを示す第2フラグと、を出力する。
【0013】
第3の態様に係る復号装置は、第1の態様に係るイントラ予測装置を有する。前記復号装置は、符号化側から伝送されたフラグを取得する取得部を備え、前記取得部は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記第2予測モードを示す第2フラグと、を取得し、前記決定部は、前記第2フラグに応じて前記第2予測モードを決定する。
【0014】
第4の態様に係るプログラムは、コンピュータを第1の態様に係るイントラ予測装置として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることが可能なイントラ予測装置、符号化装置、復号装置、及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態に係る符号化装置の構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るイントラ予測部の動作を説明するための図である。
【
図3】実施形態に係るイントラ予測部が利用可能なイントラ予測モードを示す図である。
【
図4】実施形態に係るISP(Intra Sub Partition)を説明するための図である。
【
図5】実施形態に係る曲線的なイントラ予測の動作例を説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る復号装置の構成例を示す図である。
【
図7】実施形態の変更例について説明するための図である。
【
図8】実施形態の変更例について説明するための図である。
【
図9】実施形態の変更例について説明するための図である。
【
図10】実施形態の変更例について説明するための図である。
【
図11】実施形態の変更例について説明するための図である。
【
図12】実施形態の変更例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照して、実施形態に係る符号化装置及び復号装置について説明する。実施形態に係る符号化装置及び復号装置は、MPEGに代表される動画像の符号化及び復号をそれぞれ行う。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0018】
(1)符号化装置
まず、本実施形態に係る符号化装置について説明する。
【0019】
(1.1)全体構成
図1は、本実施形態に係る符号化装置1の構成例を示す図である。符号化装置1は、ブロック分割部100と、減算部110と、変換・量子化部120と、エントロピー符号化部130と、逆量子化・逆変換部140と、合成部150と、メモリ160と、予測部170とを有する。
【0020】
ブロック分割部100は、動画像を構成するフレーム(「ピクチャ」とも称する)単位の入力画像である原画像を複数の画像ブロックに分割し、分割により得た画像ブロックを減算部110に出力する。画像ブロックのサイズは、例えば32×32画素、16×16画素、8×8画素、又は4×4画素等である。画像ブロックの形状は正方形に限らず、長方形(非正方形)であってもよい。
【0021】
画像ブロックは、符号化装置1が符号化を行う単位(すなわち、符号化対象ブロック)であり、且つ復号装置が復号を行う単位(すなわち、復号対象ブロック)である。このような画像ブロックはCU(Coding Unit)と呼ばれることがある。符号化対象ブロック及び復号対象ブロックを特に区別しないときは単に対象ブロックと呼ぶ。
【0022】
ブロック分割部100は、画像を構成する輝度信号及び色差信号に対してブロック分割を行うことで、輝度ブロック及び色差ブロックを出力する。輝度信号と色差信号とで分割を独立に制御可能であってもよい。輝度ブロック及び色差ブロックを特に区別しないときは単に符号化対象ブロックと呼ぶ。
【0023】
ブロック分割部100は、ISP(Intra Sub Partition)を符号化対象ブロックに適用する場合、当該符号化対象ブロックを複数のサブブロック(複数のサブ領域)に分割してもよい。ISPの詳細については後述する。
【0024】
減算部110は、ブロック分割部100から出力される符号化対象ブロックと、符号化対象ブロックを予測部170が予測して得た予測ブロックとの差分(誤差)を表す予測残差を算出する。具体的には、減算部110は、ブロックの各画素値から予測ブロックの各画素値を減算することにより予測残差を算出し、算出した予測残差を変換・量子化部120に出力する。
【0025】
変換・量子化部120は、ブロック単位で変換処理及び量子化処理を行う。変換・量子化部120は、変換部121と、量子化部122とを有する。
【0026】
変換部121は、減算部110から出力される予測残差に対して変換処理を行って変換係数を算出し、算出した変換係数を量子化部122に出力する。変換処理とは、例えば、離散コサイン変換(DCT)や離散サイン変換(DST)、カルーネンレーブ変換(KLT)等をいう。変換処理には、画素ブロックの信号を周波数領域の信号に変換することなくスケーリング等により調整する変換スキップを含んでもよい。
【0027】
量子化部122は、変換部121から出力される変換係数を量子化パラメータ(Qp)及び量子化行列を用いて量子化し、量子化した変換係数をエントロピー符号化部130及び逆量子化・逆変換部140に出力する。
【0028】
エントロピー符号化部130は、量子化部122から出力される変換係数に対してエントロピー符号化を行い、データ圧縮を行って符号化ストリーム(ビットストリーム)を生成し、符号化ストリームを符号化装置1の外部に出力する。エントロピー符号化には、ハフマン符号やCABAC(Context-based Adaptive Binary Arithmetic Coding;コンテキスト適応型2値算術符号)等を用いることができる。
【0029】
逆量子化・逆変換部140は、ブロック単位で逆量子化処理及び逆変換処理を行う。逆量子化・逆変換部140は、逆量子化部141と、逆変換部142とを有する。
【0030】
逆量子化部141は、量子化部122が行う量子化処理に対応する逆量子化処理を行う。具体的には、逆量子化部141は、量子化部122から出力される変換係数を、量子化パラメータ(Qp)及び量子化行列を用いて逆量子化することにより変換係数を復元し、復元した変換係数を逆変換部142に出力する。
【0031】
逆変換部142は、変換部121が行う変換処理に対応する逆変換処理を行う。例えば、変換部121が離散コサイン変換を行った場合には、逆変換部142は逆離散コサイン変換を行う。逆変換部142は、逆量子化部141から出力される変換係数に対して逆変換処理を行って予測残差を復元し、復元した予測残差である復元予測残差を合成部150に出力する。
【0032】
合成部150は、逆変換部142から出力される復元予測残差を、予測部170から出力される予測ブロックと画素単位で合成(加算)する。合成部150は、復元予測残差の各画素値と予測ブロックの各画素値を加算して符号化対象ブロックを復号(再構成)し、復号済みブロックをメモリ160に出力する。なお、復号済みブロックは、再構成ブロックと呼ばれることもある。
【0033】
メモリ160は、合成部150から出力される復号済みブロックを記憶し、復号済みブロックをフレーム単位で復号済み画像として蓄積する。メモリ160は、記憶している復号済みブロック若しくは復号済み画像を予測部170に出力する。なお、合成部150とメモリ160との間にループフィルタが設けられてもよい。
【0034】
予測部170は、ブロック単位で予測処理を行う。予測部170は、インター予測部171と、イントラ予測部172と、切替部173とを有する。予測部170は、最適な予測モードを判定し、その最適予測モードで予測ブロックを生成する。
【0035】
インター予測部171は、フレーム間の相関を利用したインター予測を行う。具体的には、インター予測部171は、メモリ160に記憶された復号済み画像を参照画像として用いて、ブロックマッチングなどの手法により動きベクトルを算出し、符号化対象ブロックを予測してインター予測ブロックを生成し、生成したインター予測ブロックを切替部173に出力する。ここで、インター予測部171は、複数の参照画像を用いるインター予測(典型的には、双予測)や、1つの参照画像を用いるインター予測(片方向性予測)の中から最適なインター予測方法を選択し、選択したインター予測方法を用いてインター予測を行う。インター予測部171は、インター予測に関する情報(動きベクトル等)をエントロピー符号化部130に出力する。
【0036】
イントラ予測部172は、フレーム内の空間的な相関を利用したイントラ予測を行う。具体的には、イントラ予測部172は、メモリ160に記憶された復号済み画像のうち、符号化対象ブロックの周辺にある復号済み画素である参照画素を参照してイントラ予測ブロックを生成し、生成したイントラ予測ブロックを切替部173に出力する。本実施形態において、イントラ予測部172は、符号化側のイントラ予測装置に相当する。
【0037】
イントラ予測部172は、複数のイントラ予測モードの中から、符号化対象ブロックに適用するイントラ予測モードを決定する。イントラ予測部172は、決定したイントラ予測モードを用いて符号化対象ブロックを予測する。イントラ予測部172は、決定したイントラ予測モードを示すフラグ情報をエントロピー符号化部130に出力する。符号化対象ブロックごとのイントラ予測モードは、エントロピー符号化部130により復号側にシグナリングされる。イントラ予測部172の構成の詳細については後述する。
【0038】
切替部173は、インター予測部171から出力されるインター予測ブロックとイントラ予測部172から出力されるイントラ予測ブロックとを切り替えて、いずれかの予測ブロックを減算部110及び合成部150に出力する。
【0039】
(1.2)イントラ予測の概要
図2は、本実施形態に係るイントラ予測部172の動作を説明するための図である。
【0040】
イントラ予測部172は、符号化対象ブロックに隣接する復号済み参照画素を用いて曲面的な予測を行うPlanar予測、参照画素の平均値により予測を行うDC予測、及び参照画素の一部を直線的にコピーすることにより予測を行う方向性予測のいずれかのイントラ予測モードによりイントラ予測を行う。参照画素は、符号化対象ブロックの上側の参照画素列及び左側の参照画素列からなる参照画素領域の中から、イントラ予測モードに応じて選択される。本実施形態において、方向性予測における予測方向が65方向、すなわち、65通りのイントラ予測モードが用意されているものとする。但し、方向性予測における予測方向の数は65よりも多くてもよい。
【0041】
なお、利用可能な参照画素が符号化対象ブロックの上側や左側に隣接する復号済み画素信号であるものとするが、VVC規格で導入される複数の参照画素列のうち予測処理に用いる参照画素位置を決定する複数列参照画素予測(Multi reference line prediction)が導入されている場合、符号化対象ブロックに隣接しない参照画素、例えば、符号化対象ブロックに対して1画素の間隔をおいた位置の参照画素を用いて予測処理を行ってもよい。
【0042】
図3は、本実施形態に係るイントラ予測部172が利用可能なイントラ予測モードを示す図である。
【0043】
本実施形態では、イントラ予測モードの候補は、0から66までの67通りがある。イントラ予測モードのモード「0」はPlanar予測であり、イントラ予測モードのモード「1」はDC予測であり、イントラ予測モードのモード「2」乃至「66」は方向性予測である。方向性予測において、矢印の方向は参照方向を示し、矢印の起点は予測対象の画素の位置を示し、矢印の終点はこの予測対象画素の予測に用いる参照画素の位置を示す。
【0044】
符号化対象ブロックの右上頂点及び左下頂点を通る対角線に平行な参照方向として、左下方向を参照するイントラ予測モードであるモード「2」と、右上方向を参照するイントラ予測モードであるモード「66」とがあり、モード「2」からモード「66」まで時計回りに所定角度ごとにモード番号が割り振られている。水平方向を参照する水平モードはモード「18」であり、垂直方向を参照する垂直モードはモード「50」である。なお、モード番号「-2」乃至「-14」、及びモード番号「67」乃至「80」は、符号化対象ブロックのブロック形状が長方形(非正方形)である場合にのみ適用される。
【0045】
図4は、本実施形態に係るISP(Intra Sub Partition)を説明するための図である。
【0046】
ISPでは、輝度信号のイントラ予測において、符号化対象ブロックを水平又は垂直に連続した形状のサブブロック(「サブ領域(sub-partition)」とも称する)に分割し、サブ領域ごとに予測・変換・量子化処理を行う。ISPにおけるイントラ予測は、1つの符号化対象ブロックを構成する全サブ領域で同じ予測モードが適用されるため、予測モードを示すシグナルは1つだけで済むという利点がある。本実施形態では、ISPは、輝度信号のみに適用可能であってもよいし、輝度信号及び色差信号に適用可能であってもよい。
【0047】
図4(a)では、符号化対象ブロックを2分割する例を示しており、符号化対象ブロックが水平に2分割及び垂直に2分割されている。そのため、1つの符号化対象ブロックが2つのサブ領域に分割される。
【0048】
水平2分割の場合、第1に、イントラ予測部172は、符号化対象ブロックに割り当てられたイントラ予測モードを用いて、上側のサブ領域をイントラ予測により予測し、予測されたサブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。第2に、イントラ予測部172は、符号化対象ブロックに割り当てられたイントラ予測モードを用いて、下側のサブ領域をイントラ予測により予測し、予測されたサブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。ここで、上側のサブ領域は再構成(復号)済みであり、イントラ予測における参照画素として利用できる。
【0049】
垂直2分割の場合、第1に、イントラ予測部172は、符号化対象ブロックに割り当てられたイントラ予測モードを用いて、左側のサブ領域をイントラ予測により予測し、予測されたサブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。第2に、イントラ予測部172は、符号化対象ブロックに割り当てられたイントラ予測モードを用いて、右側のサブ領域をイントラ予測により予測し、予測されたサブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。ここで、左側のサブ領域は再構成(復号)済みであり、イントラ予測における参照画素として利用できる。
【0050】
図4(b)では、符号化対象ブロックを4分割する例を示しており、符号化対象ブロックが水平に4分割及び垂直に4分割されている。そのため、1つの符号化対象ブロックが4つのサブ領域に分割される。4分割の場合も、2分割の場合と同様にしてサブ領域ごとに予測・変換・量子化処理を行う。なお、2分割及び4分割の例について説明したが、さらに多い分割数(例えば、8分割)であってもよい。
【0051】
このように、ISPで利用される予測モードは、全サブブロックで同一となり、予測モードを示すシグナリングをサブブロックの数だけ送る必要はない。しかしながら、予測モードが固定されるため、方向性予測が選択された際に、ISPを利用する符号化対象ブロック全体で直線的な予測に限られる。
【0052】
ここで、一般的な方向性予測は、参照画素を直線的にコピーすることにより予測を行うものである。しかし、一般の自然画像においては、オブジェクトの境界が曲線的であることが多く、直線的な予測では、これらのオブジェクト境界の予測を高精度に行うことが難しい。以下において、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることが可能な構成及び動作について説明する。
【0053】
(1.3)曲線的なイントラ予測
本実施形態に係るイントラ予測部172は、画像を構成するブロック(符号化対象ブロック)単位でイントラ予測を行う。
図1に示すように、イントラ予測部172は、決定部1721と、割当部1722と、予測部1723とを有する。決定部1721、割当部1722、及び予測部1723は、直線的な予測方向を有する第1予測モード(以下、「st_mode」とも称する)が割り当てられた符号化対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合(すなわち、符号化対象ブロックにISPが適用される場合)において、次の処理を行う。なお、本実施形態では、第1予測モード(st_mode)は、複数のサブ領域のうち最初に予測するサブ領域のサブ予測モードとして用いられるため、「最初の予測モード」とも称する。
【0054】
第1に、決定部1721は、サブ領域ごとに予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モード(以下、「end_mode」とも称する)を決定する。第2予測モード(end_mode)は、最終的に向かう予測モードであって、「漸近する予測モード」とも称する。
【0055】
第2に、割当部1722は、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。ここで、予め定められた規則は数式又はテーブルとして定められるが、本実施形態では、数式を用いる一例について主として説明する。
【0056】
割当部1722は、複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間におけるサブ予測モードの変化が均一になるように各サブ領域にサブ予測モードを割り当ててもよい。或いは、割当部1722は、複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間におけるサブ予測モードの変化が不均一になるように各サブ領域にサブ予測モードを割り当ててもよい。
【0057】
本実施形態では、割当部1722は、第1予測モードと、第2予測モードと、複数のサブ領域の数を示す分割数とから、数式又はテーブルに従って、各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。例えば、サブ領域の分割数を「2sub_split」、最初の予測モードを「st_mode」、漸近する予測モードを「end_mode」、x番目のサブ領域のイントラ予測モード(すなわち、サブ予測モード)を「mode[x]」(但し、0≦x<sub_split-1)とすると、割当部1722は、次の式(1)により各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる:
if st_mode < end_mode, mode[x] = st_mode + ( x * ( end_mode - st_mode ) ) >> sub_split
else, mode[x]=st_mode - ( x * ( st_mode - end_mode ) ) >> sub_split
・・・式(1)
【0058】
なお、「>>」は論理右シフト演算を表し、割り算に相当する処理である。
【0059】
第3に、予測部1723は、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する。
【0060】
このように、本実施形態に係るイントラ予測部172は、第1予測モード(st_mode)が割り当てられ、且つISPが適用される符号化対象ブロックについて、最終的に向かう予測モード(漸近する予測モード)である第2予測モード(end_mode)を決定したうえで、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。これにより、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることが可能である。
【0061】
本実施形態では、イントラ予測部172は、第1予測モード(st_mode)を示す情報及び第2予測モード(end_mode)を示す情報をエントロピー符号化部130に出力する。そして、エントロピー符号化部130は、第1予測モード(st_mode)を示す第1フラグ及び第2予測モード(end_mode)を示す第2フラグを、ビットストリームに含めて出力する。なお、フラグは1ビットに限らず、複数ビットからなるフラグ(インデックス)であってもよい。第1フラグは、符号化対象ブロック単位でシグナリングされるフラグであってもよい。
【0062】
第2フラグは、符号化対象ブロック単位でシグナリングされるフラグであってもよいし、複数の符号化対象ブロックを含むシーケンス単位又はピクチャ単位でシグナリングされるフラグであってもよい。例えば、第2フラグは、ビットストリーム中のシーケンスパラメータセット(SPS)でシグナリングされてもよい。
【0063】
さらに、エントロピー符号化部130は、曲線的なイントラ予測を行うことを示す第3フラグをビットストリームに含めて出力してもよい。第3フラグは、符号化対象ブロック単位でシグナリングされるフラグであってもよいし、シーケンス単位又はピクチャ単位でシグナリングされるフラグであってもよい。第3フラグが真(“1”)である場合に限り、第2フラグをビットストリームに含めるとしてもよい。
【0064】
また、エントロピー符号化部130は、曲線的なイントラ予測が有効(enable)であることを示す第4フラグをビットストリームに含めて出力してもよい。第4フラグは、シーケンス単位又はピクチャ単位でシグナリングされるフラグであってもよい。第4フラグが真(“1”)である場合に限り、第2フラグ及び/又は第3フラグをビットストリームに含めるとしてもよい。
【0065】
或いは、第3フラグ及び/又は第4フラグは、ISPに関するフラグ(例えば、intra_subpartitions_mode_flag)と共通としてもよい。
【0066】
図5は、本実施形態に係る曲線的なイントラ予測の動作例を説明するための図である。
【0067】
図5(a)に示すように、本動作例では、符号化対象ブロックが水平方向8画素及び垂直方向4画素の8×4のサイズを有するものとする。
【0068】
図5(b)に示すように、本動作例では、ブロック分割部100は、ISPを当該符号化対象ブロックに適用することを決定し、当該符号化対象ブロックを垂直に8分割するものとする。この場合、各サブ領域は、水平方向1画素及び垂直方向4画素の1×4のサイズを有する。なお、サブ領域のサイズは任意であるが、符号化対象ブロックの分割数(すなわち、サブ領域の数)が多いほど、予測モードのシグナリング削減の効果が大きくなる。
【0069】
イントラ予測部172は、当該符号化対象ブロックに第1予測モード(st_mode)を割り当てた後、最も左のサブ領域から最も右のサブ領域の順にサブ領域単位で順次イントラ予測を行う。ここで、決定部1721は、漸近する予測モードである第2予測モード(end_mode)を決定する。図示の例では、第1予測モード(st_mode)がモード「6」であり、第2予測モード(end_mode)がモード「18」であるものとする。
【0070】
図5(c)に示すように、割当部1722は、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、式(1)に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。図示の例では、サブ領域の分割数が「8」であるため、sub_splitの値が「3」である。また、第1予測モード(st_mode)がモード「6」であり、第2予測モード(end_mode)がモード「18」であるため、第1予測モード(st_mode)が第2予測モード(end_mode)よりも小さく、
if st_mode < end_mode, mode[x] = st_mode + ( x * ( end_mode - st_mode ) ) >> sub_split
が適用されることになる。
【0071】
この場合、xの値が0から7までであり、割当部1722は、次のようにして各サブ領域のサブ予測モードmode[x]を導出する:
mode[0] = 6 + ( 0 * ( 18 - 6 ) ) >> 3 = 6
mode[1] = 6 + ( 1 * ( 18 - 6 ) ) >> 3 = 7
…
mode[7] = 6 + ( 7 * ( 18 - 6 ) ) >> 3 = 16
【0072】
その結果、各サブ領域「x」(0から7まで)のサブ予測モードmode[x]は、
図5(c)に示すように、
mode = {6, 7, 9, 10, 12, 13, 15, 16}
になる。このような複数のサブ予測モードからなる群を「サブ予測モード群」とも称する。なお、同じ第1予測モード(st_mode)について、第2予測モード(end_mode)が変更されると、サブ予測モード群も変更される。
【0073】
予測部1723は、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する。
【0074】
具体的には、第1に、予測部1723は、サブ領域「0」(最も左のサブ領域)を、サブ領域「0」の周辺の参照画素を用いてモード「6」により予測し、サブ領域「0」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。また、変換・量子化部120が出力する変換係数(量子化変換係数)は、逆量子化・逆変換部140及び合成部150により再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「0」がメモリ160に格納される。
【0075】
第2に、予測部1723は、サブ領域「1」(左から2番目のサブ領域)を、サブ領域「1」の周辺の参照画素(再構築されたサブ領域「0」を含む)を用いてモード「7」により予測し、サブ領域「1」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。また、変換・量子化部120が出力する変換係数(量子化変換係数)は、逆量子化・逆変換部140及び合成部150により再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「1」がメモリ160に格納される。
【0076】
同様にして、予測部1723は、サブ領域「2」乃至「6」のそれぞれを、対応するサブ予測モードにより予測する。
【0077】
最後に、予測部1723は、サブ領域「7」(最も右のサブ領域)を、サブ領域「7」の周辺の参照画素(再構築されたサブ領域「6」を含む)を用いてモード「16」により予測し、サブ領域「7」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と符号化対象ブロックの対応するサブ領域との予測残差が変換・量子化部120により変換及び量子化される。また、変換・量子化部120が出力する変換係数(量子化変換係数)は、逆量子化・逆変換部140及び合成部150により再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「7」がメモリ160に格納される。
【0078】
このように、本実施形態に係る符号化装置1において、画像を構成する符号化対象ブロック単位でイントラ予測を行うイントラ予測部172は、直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、サブ領域ごとに予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部1721と、第1予測モードの予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部1722と、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する予測部1723と、を備える。
【0079】
これにより、予め定められた規則に従ったシンプルな処理により曲線的なイントラ予測を行うことが可能になるため、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態では、エントロピー符号化部130は、第1予測モードを示す第1フラグと、決定部1721が決定した第2予測モードを示す第2フラグと、を出力する。すなわち、第1フラグ及び第2フラグを復号側にシグナリングすればよく、各サブ予測モードをシグナリングすることを必要としない。そのため、シグナリングに起因する符号化効率の低下を抑制できる。
【0081】
(2)復号装置
次に、本実施形態に係る復号装置について、上述の符号化装置との相違点を主として説明する。
【0082】
(2.1)全体構成
図6は、本実施形態に係る復号装置2の構成例を示す図である。復号装置2は、エントロピー符号復号部200と、逆量子化・逆変換部210と、合成部220と、メモリ230と、予測部240とを有する。
【0083】
エントロピー符号復号部200は、符号化ストリーム(ビットストリーム)を復号して、復号対象ブロックに対応する量子化変換係数を逆量子化・逆変換部210に出力する。また、エントロピー符号復号部200は、予測処理に関するフラグ情報を符号化ストリームから取得し、予測処理に関するフラグ情報を予測部240に出力する。
【0084】
逆量子化・逆変換部210は、ブロック単位で逆量子化処理及び逆変換処理を行う。逆量子化・逆変換部210は、逆量子化部211と、逆変換部212とを有する。
【0085】
逆量子化部211は、符号化装置1の量子化部122が行う量子化処理に対応する逆量子化処理を行う。逆量子化部211は、エントロピー符号復号部200から出力される量子化変換係数を、量子化パラメータ(Qp)及び量子化行列を用いて逆量子化することにより、復号対象ブロックの変換係数を復元し、復元した変換係数を逆変換部212に出力する。
【0086】
逆変換部212は、符号化装置1の変換部121が行う変換処理に対応する逆変換処理を行う。逆変換部212は、逆量子化部211から出力される変換係数に対して逆変換処理を行って予測残差を復元し、復元した予測残差(復元予測残差)を合成部220に出力する。
【0087】
合成部220は、逆変換部212から出力される予測残差と、予測部240から出力される予測ブロックとを画素単位で合成(加算)することにより、元のブロックを復号(再構成)し、復号済みブロックをメモリ230に出力する。
【0088】
メモリ230は、合成部220から出力される復号済みブロックを記憶し、復号済みブロックをフレーム単位で復号済み画像として蓄積する。メモリ230は、復号済みブロック若しくは復号済み画像を予測部240に出力する。また、メモリ230は、フレーム単位の復号済み画像を復号装置2の外部に出力する。なお、合成部220とメモリ230との間にループフィルタが設けられてもよい。
【0089】
予測部240は、ブロック単位で予測を行う。予測部240は、インター予測部241と、イントラ予測部242と、切替部243とを有する。
【0090】
インター予測部241は、フレーム間の相関を利用したインター予測を行う。具体的には、インター予測部241は、エントロピー符号復号部200から出力されるインター予測に関する情報(例えば、動きベクトル情報)に基づいて、メモリ230に記憶された復号済み画像を参照画像として用いて復号対象ブロックを予測してインター予測ブロックを生成し、生成したインター予測ブロックを切替部243に出力する。
【0091】
イントラ予測部242は、フレーム内の空間的な相関を利用したイントラ予測を行う。具体的には、イントラ予測部242は、エントロピー符号復号部200から出力されるイントラ予測に関するフラグ情報に応じたイントラ予測モードを用いて、メモリ230に記憶された復号済み画像のうち復号対象ブロックの周辺にある復号済み画素(参照画素)を参照してイントラ予測ブロックを生成し、生成したイントラ予測ブロックを切替部243に出力する。本実施形態において、イントラ予測部242は、復号側のイントラ予測装置に相当する。
【0092】
切替部243は、インター予測部241が出力するインター予測ブロックとイントラ予測部242が出力するイントラ予測ブロックとを切り替えて、いずれかの予測ブロックを合成部220に出力する。
【0093】
(2.2)イントラ予測の概要
復号側のイントラ予測部242は、符号化側のイントラ予測部172と同様なイントラ予測処理、具体的には、上述の「(1.2)イントラ予測の概要」のようなイントラ予測処理を行う。
【0094】
(2.3)曲線的なイントラ予測
本実施形態に係るエントロピー符号復号部200は、第1予測モード(st_mode)を示す第1フラグ及び第2予測モード(end_mode)を示す第2フラグをビットストリームから取得し、第1フラグ及び第2フラグをイントラ予測部242に出力する。
【0095】
エントロピー符号復号部200は、曲線的なイントラ予測を行うことを示す第3フラグをビットストリームから取得してもよい。エントロピー符号復号部200は、第3フラグが真(“1”)である場合に限り、第2フラグをビットストリームから取得してもよい。
【0096】
また、エントロピー符号復号部200は、曲線的なイントラ予測が有効(enable)であることを示す第4フラグをビットストリームから取得してもよい。エントロピー符号復号部200は、第4フラグが真(“1”)である場合に限り、第2フラグ及び/又は第3フラグをビットストリームから取得してもよい。
【0097】
或いは、第3フラグ及び/又は第4フラグは、ISPに関するフラグ(例えば、intra_subpartitions_mode_flag)と共通としてもよい。
【0098】
本実施形態に係るイントラ予測部242は、画像を構成するブロック(復号対象ブロック)単位でイントラ予測を行う。イントラ予測部242は、決定部2421と、割当部2422と、予測部2423とを有する。
【0099】
決定部2421、割当部2422、及び予測部2423は、直線的な予測方向を有する第1予測モード(st_mode)が割り当てられた復号対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合(すなわち、復号対象ブロックにISPが適用される場合)において、次の処理を行う。
【0100】
第1に、決定部2421は、サブ領域ごとに予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モード(end_mode)を決定する。上述のように、第2予測モード(end_mode)は、最終的に向かう予測モードであって、「漸近する予測モード」とも称する。決定部2421は、第2フラグに応じて第2予測モードを決定する。なお、第2フラグは1ビットに限らず、複数ビットからなるフラグ(インデックス)であってもよい。
【0101】
第2に、割当部2422は、第1フラグによって示される第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。ここで、予め定められた規則は数式又はテーブルとして定められるが、本実施形態では、数式を用いる一例について主として説明する。
【0102】
割当部2422は、複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間におけるサブ予測モードの変化が均一になるように各サブ領域にサブ予測モードを割り当ててもよい。或いは、割当部2422は、複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間におけるサブ予測モードの変化が不均一になるように各サブ領域にサブ予測モードを割り当ててもよい。
【0103】
本実施形態では、割当部2422は、第1予測モードと、第2予測モードと、複数のサブ領域の数を示す分割数とから、数式又はテーブルに従って、各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。例えば、サブ領域の分割数を「2sub_split」、最初の予測モードを「st_mode」、漸近する予測モードを「end_mode」、x番目のサブ領域のイントラ予測モード(すなわち、サブ予測モード)を「mode[x]」(但し、0≦x<sub_split-1)とすると、割当部2422は、次の式(1)により各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる:
if st_mode < end_mode, mode[x] = st_mode + ( x * ( end_mode - st_mode ) ) >> sub_split
else, mode[x]=st_mode - ( x * ( st_mode - end_mode ) ) >> sub_split
・・・式(1)
【0104】
すなわち、割当部2422は、符号化側と同じアルゴリズムで各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。
【0105】
第3に、予測部2423は、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する。
【0106】
このように、本実施形態に係るイントラ予測部242は、第1予測モード(st_mode)が割り当てられ、且つISPが適用される復号対象ブロックについて、最終的に向かう予測モード(漸近する予測モード)である第2予測モード(end_mode)を決定したうえで、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。これにより、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることが可能である。
【0107】
図5を用いて、本実施形態に係る曲線的なイントラ予測の動作例を説明する。但し、復号側と同様な動作については重複する説明を適宜省略する。
【0108】
図5(a)に示すように、本動作例では、復号対象ブロックが水平方向8画素及び垂直方向4画素の8×4のサイズを有するものとする。
【0109】
図5(b)に示すように、本動作例では、ブロック分割部100は、ISPを当該復号対象ブロックに適用することを決定し、当該復号対象ブロックを垂直に8分割するものとする。この場合、各サブ領域は、水平方向1画素及び垂直方向4画素の1×4のサイズを有する。
【0110】
イントラ予測部242は、第1予測モード(st_mode)が割り当てられた復号対象ブロックについて、最も左のサブ領域から最も右のサブ領域の順にサブ領域単位で順次イントラ予測を行う。ここで、決定部2421は、第2フラグに応じて、漸近する予測モードである第2予測モード(end_mode)を決定する。図示の例では、第1予測モード(st_mode)がモード「6」であり、第2予測モード(end_mode)がモード「18」であるものとする。
【0111】
図5(c)に示すように、割当部2422は、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、式(1)に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当て、サブ予測モード群を決定する。上述のように、各サブ領域「x」(0から7まで)のサブ予測モードmode[x]は、
図5(c)に示すように、
mode = {6, 7, 9, 10, 12, 13, 15, 16}
になる。なお、同じ第1予測モード(st_mode)について、第2予測モード(end_mode)が変更されると、サブ予測モード群も変更される。
【0112】
予測部2423は、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する。
【0113】
具体的には、第1に、予測部2423は、サブ領域「0」(最も左のサブ領域)を、サブ領域「0」の周辺の参照画素を用いてモード「6」により予測し、サブ領域「0」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と、逆量子化・逆変換部210が出力する復号対象ブロックの対応するサブ領域の予測残差とが、合成部220により合成されることで当該サブ領域が再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「0」がメモリ230に格納される。
【0114】
第2に、予測部2423は、サブ領域「1」(左から2番目のサブ領域)を、サブ領域「1」の周辺の参照画素(再構築されたサブ領域「0」を含む)を用いてモード「7」により予測し、サブ領域「1」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と、逆量子化・逆変換部210が出力する復号対象ブロックの対応するサブ領域の予測残差とが、合成部220により合成されることで当該サブ領域が再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「1」がメモリ230に格納される。
【0115】
同様にして、予測部2423は、サブ領域「2」乃至「6」のそれぞれを、対応するサブ予測モードにより予測する。
【0116】
最後に、予測部2423は、サブ領域「7」(最も右のサブ領域)を、サブ領域「7」の周辺の参照画素(再構築されたサブ領域「6」を含む)を用いてモード「16」により予測し、サブ領域「7」の予測サブ領域を出力する。当該予測サブ領域と、逆量子化・逆変換部210が出力する復号対象ブロックの対応するサブ領域の予測残差とが、合成部220により合成されることで当該サブ領域が再構成(復号)され、再構成されたサブ領域「7」がメモリ230に格納される。
【0117】
このように、本実施形態に係る復号装置2において、画像を構成する復号対象ブロック単位でイントラ予測を行うイントラ予測部242は、直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、サブ領域ごとに予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部2421と、第1予測モードの予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部2422と、各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いてイントラ予測により予測する予測部2423と、を備える。
【0118】
これにより、予め定められた規則に従ったシンプルな処理により曲線的なイントラ予測を行うことが可能になるため、処理の複雑度の増大を抑制しつつ、曲線的なイントラ予測によって符号化効率を向上させることができる。
【0119】
(3)変更例
次に、
図7乃至
図12を用いて、実施形態の変更例について説明する。但し、上述の実施形態との相違点を主として説明し、重複する説明を省略する。
【0120】
上述のように、符号化側の割当部1722及び復号側の割当部2422は、第1予測モード(st_mode)の予測方向を基準としてサブ領域ごとに予測方向を第2予測モード(end_mode)の予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。上述の実施形態では、予め定められた規則が数式により定められていたが、本変更例では、数式に代えてテーブルを用いる。当該テーブルによる割り当ては式(1)による計算結果に対応する。本変更例のようにテーブルを用いることで、処理をさらに簡略化できる。
【0121】
図7に示すように、符号化側の割当部1722及び復号側の割当部2422は、第1予測モード(st_mode)が、予め定められたグループ1乃至5のいずれに属するかを特定する。ここで、グループ1はモード「2」乃至「17」からなるグループであり、グループ2はモード「18」(すなわち、水平モード)からなるグループであり、グループ3はモード「19」乃至「49」からなるグループであり、グループ4はモード「50」(すなわち、垂直モード)からなるグループであり、グループ5はモード「51」乃至「66」からなるグループである。
【0122】
符号化側の割当部1722及び復号側の割当部2422は、第1予測モード(st_mode)が属するグループと、第2予測モード(end_mode)と、ブロック分割数(サブ領域の数)とに応じて、各サブ領域にサブ予測モードを割り当てるために使用するテーブルを特定する。ここでは、ブロック分割数(サブ領域の数)が8であるものとする。
【0123】
図8は、グループ1で用いるテーブルを示す図である。図示の例では、第2予測モード(end_mode)がモード「18」である場合のテーブル(
図8(a))と、第2予測モード(end_mode)がモード「34」である場合のテーブル(
図8(b))と、が規定されている。
【0124】
図9は、グループ2で用いるテーブルを示す図である。図示の例では、第2予測モード(end_mode)がモード「34」である場合のテーブル(
図9(a))と、第2予測モード(end_mode)がモード「50」である場合のテーブル(
図9(b))と、が規定されている。
【0125】
図10は、グループ3で用いるテーブルを示す図である。図示の例では、第2予測モード(end_mode)がモード「18」である場合のテーブル(
図10(a))と、第2予測モード(end_mode)がモード「50」である場合のテーブル(
図10(b))と、が規定されている。
【0126】
図11は、グループ4で用いるテーブルを示す図である。図示の例では、第2予測モード(end_mode)がモード「18」である場合のテーブル(
図11(a))と、第2予測モード(end_mode)がモード「34」である場合のテーブル(
図11(b))と、が規定されている。
【0127】
図12は、グループ5で用いるテーブルを示す図である。図示の例では、第2予測モード(end_mode)がモード「34」である場合のテーブル(
図12(a))と、第2予測モード(end_mode)がモード「50」である場合のテーブル(
図12(b))と、が規定されている。
【0128】
割当部2422は、特定したテーブルに従って、各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる。なお、本変更例では、ブロック分割数(サブ領域の数)が8である場合のテーブル構成例について説明したが、予め定められたブロック分割数ごとに異なるテーブルのセットが規定されていてもよい。
【0129】
(4)他の実施形態
符号化装置1又は復号装置2が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。また、符号化装置1又は復号装置2が行う各処理を実行する回路を集積化し、符号化装置1又は復号装置2の少なくとも一部を半導体集積回路(チップセット、SoC)として構成してもよい。
【0130】
本開示で使用されている「に基づいて(based on)」、「に応じて(depending on/in response to)」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」、「のみに応じて」を意味しない。「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」及び「に少なくとも部分的に基づいて」の両方を意味する。同様に、「に応じて」という記載は、「のみに応じて」及び「に少なくとも部分的に応じて」の両方を意味する。「含む(include)」、「備える(comprise)」、及びそれらの変形の用語は、列挙する項目のみを含むことを意味せず、列挙する項目のみを含んでもよいし、列挙する項目に加えてさらなる項目を含んでもよいことを意味する。また、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。さらに、本開示で使用されている「第1」、「第2」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。また、本開示において、例えば、英語でのa,an,及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。
【0131】
以上、図面を参照して実施形態について詳しく説明したが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0132】
(5)付記
上述の実施形態に関する特徴について付記する。
【0133】
(付記1)
画像を構成するブロック単位でイントラ予測を行うイントラ予測装置(172、242)であって、
直線的な予測方向を有する第1予測モードが割り当てられた対象ブロックが複数のサブ領域に分割される場合において、
前記サブ領域ごとに前記予測方向を徐々に変化させる場合における最終的な予測方向を示す第2予測モードを決定する決定部(1721、2421)と、
前記第1予測モードの予測方向を基準として前記サブ領域ごとに前記予測方向を前記第2予測モードの予測方向へ向けて徐々に変化させるように、予め定められた規則に従って各サブ領域にサブ予測モードを割り当てる割当部(1722、2422)と、
前記各サブ領域を、対応するサブ予測モードを用いて前記イントラ予測により予測する予測部(1723、2423)と、を備える
イントラ予測装置(172、242)。
【0134】
(付記2)
前記予め定められた規則は、数式又はテーブルとして定められ、
前記割当部(1722、2422)は、前記第1予測モードと、前記第2予測モードと、前記複数のサブ領域の数を示す分割数とから、前記数式又は前記テーブルに従って、前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
付記1に記載のイントラ予測装置(172、242)。
【0135】
(付記3)
前記割当部(1722、2422)は、前記複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間における前記サブ予測モードの変化が均一になるように前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
付記1又は2に記載のイントラ予測装置(172、242)。
【0136】
(付記4)
前記割当部(1722、2422)は、前記複数のサブ領域のうち隣接するサブ領域間における前記サブ予測モードの変化が不均一になるように前記各サブ領域に前記サブ予測モードを割り当てる
付記1又は2に記載のイントラ予測装置(172、242)。
【0137】
(付記5)
付記1乃至4のいずれかのイントラ予測装置(172)を有する符号化装置(1)であって、
復号側に伝送するフラグを出力する出力部(130)を備え、
前記出力部(130)は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記決定部(1721)が決定した前記第2予測モードを示す第2フラグと、を出力する
符号化装置(1)。
【0138】
(付記6)
付記1乃至4のいずれかのイントラ予測装置(242)を有する復号装置(2)であって、
符号化側から伝送されたフラグを取得する取得部(200)を備え、
前記取得部(200)は、前記第1予測モードを示す第1フラグと、前記第2予測モードを示す第2フラグと、を取得し、
前記決定部(2421)は、前記第2フラグに応じて前記第2予測モードを決定する
復号装置(2)。
【0139】
(付記7)
コンピュータを付記1乃至4のいずれかのイントラ予測装置(172、242)として機能させる
プログラム。
【符号の説明】
【0140】
1 :符号化装置
2 :復号装置
100 :ブロック分割部
110 :減算部
120 :変換・量子化部
121 :変換部
122 :量子化部
130 :エントロピー符号化部
140 :逆変換部
141 :逆量子化部
142 :逆変換部
150 :合成部
160 :メモリ
170 :予測部
171 :インター予測部
172 :イントラ予測部
173 :切替部
200 :エントロピー符号復号部
210 :逆変換部
211 :逆量子化部
212 :逆変換部
220 :合成部
230 :メモリ
240 :予測部
241 :インター予測部
242 :イントラ予測部
243 :切替部
1721 :決定部
1722 :割当部
1723 :予測部
2421 :決定部
2422 :割当部
2423 :予測部