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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025027700
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】プッシュ波発生用電源装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20250220BHJP
【FI】
A61B8/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132749
(22)【出願日】2023-08-17
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神原 宏介
(72)【発明者】
【氏名】下村 浩司
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD19
4C601DD23
4C601EE03
4C601HH01
4C601HH04
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、弾性測定のために十分な大きさのプッシュ波を生体組織に送信することである。
【解決手段】プッシュ波発生用電源装置52は、超音波振動子56が接続されたパルサ回路54に供給される電力を出力する電源として、正極電源40および負極電源46を備えている。また、プッシュ波発生用電源装置52は、正極電源40および負極電源46から供給される電力を蓄積するコンデンサとして正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnを備えている。プッシュ波発生用電源装置52は、さらに、正極コンデンサCpとパルサ回路54との間に設けられた可変定電圧回路44、および負極コンデンサCnとパルサ回路54との間に設けられた可変定電圧回路50を備えている。パルサ回路54は、超音波振動子56にプッシュ波送信信号として正負パルス電圧を出力し、超音波振動子56は、プッシュ波送信信号に従ってプッシュ波を送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動子が接続されたパルス生成回路に供給される電力を出力する電源と、
前記電源から供給される電力を蓄積するコンデンサと、
前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられた定電圧回路と、を備え、
前記パルス生成回路は、前記超音波振動子に送信信号を出力し、
前記超音波振動子は、前記送信信号に従ってプッシュ波を送信することを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプッシュ波発生用電源装置であって、
前記パルス生成回路が複数回に亘って前記送信信号を前記超音波振動子に出力する毎に、前記電源は、前記定電圧回路の出力電圧よりも大きい電圧によって、前記コンデンサを充電することを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【請求項3】
第1電源と、超音波振動子と、前記超音波振動子が接続されたパルス生成回路と、超音波画像が取得されるときに前記第1電源から前記パルス生成回路に電力を伝送する主電源経路と、を備える超音波診断装置に着脱自在に取り付けられ、
前記パルス生成回路への供給電力を出力する第2電源と、
前記供給電力を蓄積するコンデンサと、
前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられた定電圧回路と、
前記定電圧回路と、前記パルス生成回路との間に設けられた電流遮断/調整器と、を備え、
前記電流遮断/調整器の下流端が、前記主電源経路に接続され、
前記電流遮断/調整器を介して伝送される電力によって、前記パルス生成回路は前記超音波振動子に送信信号を出力し、前記超音波振動子は、前記送信信号によって生体組織にプッシュ波を送信することを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプッシュ波発生用電源装置であって、
前記主電源経路は、前記第1電源と前記パルス生成回路との間に設けられた主電源経路電流遮断/調整器を備え、
前記電流遮断/調整器の下流端は、前記主電源経路電流遮断/調整器と前記パルス生成回路との間に接続されていることを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【請求項5】
電源と、超音波振動子と、前記超音波振動子が接続されたパルス生成回路と、超音波画像が取得されるときに前記電源から前記パルス生成回路に電力を伝送する主電源経路と、を備える超音波診断装置に着脱自在に取り付けられ、
前記電源から出力され、前記パルス生成回路へ供給される電力を蓄積するコンデンサと、
前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられる定電圧回路と、
前記定電圧回路と、前記パルス生成回路との間に設けられる電流遮断/調整器と、を備え、
前記電流遮断/調整器の下流端が、前記主電源経路に接続され、
前記電流遮断/調整器を介して伝送される電力によって、前記パルス生成回路は前記超音波振動子に送信信号を出力し、前記超音波振動子は、前記送信信号によって生体組織にプッシュ波を送信することを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプッシュ波発生用電源装置であって、
前記主電源経路は、前記電源と前記パルス生成回路との間に設けられた主電源経路電流遮断/調整器を備え、
前記電流遮断/調整器の下流端は、前記主電源経路電流遮断/調整器と前記パルス生成回路との間に接続されていることを特徴とするプッシュ波発生用電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュ波用電源装置に関し、特に、超音波振動子からプッシュ波を送信するための電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体の生体組織にせん断波を発生させ、せん断波の伝搬速度を測定し、せん断波の伝搬速度に基づいて生体組織の弾性特性を測定する超音波診断装置がある。この超音波診断装置では、超音波振動子等から生体組織にプッシュ波が送信され、プッシュ波によって生体組織にせん断波が励振される。生体組織における各点のせん断波による変位を超音波の送受信によって測定することで、せん断波の伝搬速度が測定され、せん断波の伝搬速度に基づいて生体組織の弾性特性が測定される。
【0003】
以下の特許文献1から3には、超音波振動子から生体組織にプッシュ波を送信する回路構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-73452号公報
【特許文献2】特開2015-58251号公報
【特許文献3】特開2018-191798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
超音波振動子にプッシュ波を発生させる回路構成としては、特許文献2に記載されているように、コンデンサに電荷を蓄積するものがある。可変電圧電源から定電流源を介してコンデンサが充電され、コンデンサに蓄積された電荷のエネルギーによって、送受信部から超音波振動子に送信信号が出力される。超音波振動子は、送信信号に応じてプッシュ波を送信する。
【0006】
生体組織にせん断波を発生させる場合、プッシュ波には例えば数100μsecの波連長の送信信号が用いられる。プッシュ波を送信している間はコンデンサの電荷が減少するため、充電電圧は徐々に減少し、充電電圧の減少と共に送信されるプッシュ波の大きさが低下してしまうといった、ドループ現象が生じることがある。
【0007】
本発明の目的は、弾性測定のために十分な大きさのプッシュ波を生体組織に送信することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、超音波振動子が接続されたパルス生成回路に供給される電力を出力する電源と、前記電源から供給される電力を蓄積するコンデンサと、前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられた定電圧回路と、を備え、前記パルス生成回路は、前記超音波振動子に送信信号を出力し、前記超音波振動子は、前記送信信号に従ってプッシュ波を送信することを特徴とする。
【0009】
望ましくは、前記パルス生成回路が複数回に亘って前記送信信号を前記超音波振動子に出力する毎に、前記電源は、前記定電圧回路の出力電圧よりも大きい電圧によって、前記コンデンサを充電する。
【0010】
また、本発明は、第1電源と、超音波振動子と、前記超音波振動子が接続されたパルス生成回路と、超音波画像が取得されるときに前記第1電源から前記パルス生成回路に電力を伝送する主電源経路と、を備える超音波診断装置に着脱自在に取り付けられ、前記パルス生成回路への供給電力を出力する第2電源と、前記供給電力を蓄積するコンデンサと、前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられた定電圧回路と、前記定電圧回路と、前記パルス生成回路との間に設けられた電流遮断/調整器と、を備え、前記電流遮断/調整器の下流端が、前記主電源経路に接続され、前記電流遮断/調整器を介して伝送される電力によって、前記パルス生成回路は前記超音波振動子に送信信号を出力し、前記超音波振動子は、前記送信信号によって生体組織にプッシュ波を送信することを特徴とする。
【0011】
望ましくは、前記主電源経路は、前記第1電源と前記パルス生成回路との間に設けられた主電源経路電流遮断/調整器を備え、前記電流遮断/調整器の下流端は、前記主電源経路電流遮断/調整器と前記パルス生成回路との間に接続されている。
【0012】
また、本発明は、電源と、超音波振動子と、前記超音波振動子が接続されたパルス生成回路と、超音波画像が取得されるときに前記電源から前記パルス生成回路に電力を伝送する主電源経路と、を備える超音波診断装置に着脱自在に取り付けられ、前記電源から出力され、前記パルス生成回路へ供給される電力を蓄積するコンデンサと、前記コンデンサと前記パルス生成回路との間に設けられる定電圧回路と、前記定電圧回路と、前記パルス生成回路との間に設けられる電流遮断/調整器と、を備え、前記電流遮断/調整器の下流端が、前記主電源経路に接続され、前記電流遮断/調整器を介して伝送される電力によって、前記パルス生成回路は前記超音波振動子に送信信号を出力し、前記超音波振動子は、前記送信信号によって生体組織にプッシュ波を送信することを特徴とする。
【0013】
望ましくは、前記主電源経路は、前記電源と前記パルス生成回路との間に設けられた主電源経路電流遮断/調整器を備え、前記電流遮断/調整器の下流端は、前記主電源経路電流遮断/調整器と前記パルス生成回路との間に接続されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、弾性測定のために十分な大きさのプッシュ波を生体組織に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】超音波診断装置の構成を示す図である。
図2】パルサ回路および超音波振動子と共に、プッシュ波発生用電源装置を示す図である。
図3】可変定電圧回路の回路構成例を示す図である。
図4】プッシュ波発生用電源装置の各部の電圧を示す図である。
図5】プッシュ波発生用電源装置の各部の電圧を示す図である。
図6】解析動作用電源装置、パルサ回路および超音波振動子と共にプッシュ波発生用電源装置を示す図である。
図7】解析動作用電源装置、パルサ回路および超音波振動子と共に外付け電源回路を示す図である。
図8】解析動作用電源装置、パルサ回路および超音波振動子と共に外付け電源回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を簡略化する。本明細書における「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、図面における方向を示す。方向を示すこれらの用語は、説明のための便宜上のものであり、各構成要素を配置する際の姿勢を限定するものではない。また、本明細書における「電圧」の用語は、特に断らない限り、接地導体の電位を基準とした電圧を示す。
【0017】
図1には、本発明の実施形態に係る超音波診断装置100の構成が示されている。超音波診断装置100は、プローブ駆動部10、超音波プローブ12、受信部18、制御部20、表示部30および電源部34を備えている。プローブ駆動部10、超音波プローブ12、受信部18、制御部20、表示部30および電源部34のそれぞれは、電気回路素子で構成されたハードウエアであってよい。制御部20は、予め記憶されたプログラムを実行するプロセッサを含んでよい。電源部34は、プローブ駆動部10、受信部18、制御部20および表示部30に電源電力を供給する。
【0018】
プローブ駆動部10は、制御部20の制御に応じて、プッシュ波送信信号および解析波送信信号を異なる時間帯に超音波プローブ12に出力する。プッシュ波送信信号は、せん断波を励起させるため超音波プローブ12にプッシュ波(超音波パルス)を送信させる信号である。解析波送信信号は、弾性解析を行うためのトラッキング波、Bモード画像を生成するための超音波等の解析超音波を超音波プローブ12に送信させる信号である。超音波プローブ12は、複数の超音波振動子を備えている。プローブ駆動部10は、複数の超音波振動子のうち、必要なものにプッシュ波送信信号または解析波送信信号を出力してよい。
【0019】
超音波プローブ12は、プローブ駆動部10から出力されたプッシュ波送信信号に応じて被検体32にプッシュ波を送信し、被検体32にせん断波を励振する。超音波プローブ12は、プローブ駆動部10から出力された解析波送信信号に基づいて、被検体32の生体組織の状態や、せん断波の伝搬状態を観測するための解析超音波を送信する。超音波プローブ12が備える各超音波振動子は、被検体32内で反射して生じた反射超音波を受信し、電気信号である受信信号に変換して受信部18に出力する。
【0020】
受信部18は、制御部20による制御に応じて、各超音波振動子から出力された受信信号に対して整相加算等の合成処理を施して解析信号を生成し、制御部20に出力する。制御部20は、弾性特性を示す弾性画像データを解析信号に基づいて生成し、弾性画像データに基づく弾性画像を表示部30に表示させる。弾性画像は、例えば、Bモード画像に生体組織の硬さを示す色彩を付した画像であってよい。
【0021】
図2には、超音波診断装置100に含まれるプッシュ波発生用電源装置52が、パルサ回路54および超音波振動子56と共に示されている。図2に示された超音波振動子56は、図1の超音波プローブ12が備える複数の超音波振動子のうちの1つである。プッシュ波発生用電源装置52は、図1の電源部34内に構成されてよい。プッシュ波発生用電源装置52は、正極電源40、定電流回路42、正極コンデンサCp、可変定電圧回路44、負極電源46、定電流回路48、負極コンデンサCnおよび可変定電圧回路50を備えている。正極電源40の出力端子は定電流回路42を介して、正極コンデンサCpの上端に接続されている。正極コンデンサCpの下端は接地導体に接続されている。正極コンデンサCpの上端は、さらに、可変定電圧回路44を介してパルサ回路54の正極端子Tpに接続されている。
【0022】
負極電源46の出力端子は定電流回路48を介して、負極コンデンサCnの上端に接続されている。負極コンデンサCnの下端は接地導体に接続されている。負極コンデンサCnの上端は、さらに、可変定電圧回路50を介してパルサ回路54の負極端子Tnに接続されている。
【0023】
パルサ回路54は、2つのスイッチング素子S1およびS2から構成されたスイッチングブリッジSBを備えるパルス生成回路である。2つのスイッチング素子S1およびS2は直列に接続されている。スイッチングブリッジSBでは、上側のスイッチング素子S1の上側の端子が正極端子Tpとなり、下側のスイッチング素子S2の下側の端子が負極端子Tnとなっている。スイッチング素子S1およびS2には、バイポーラトランジスタや電界効果トランジスタが用いられてよい。
【0024】
スイッチング素子S1およびS2として2つのバイポーラトランジスタが用いられる場合、各バイポーラトランジスタのベースの電位が制御部20によって制御されることで、各バイポーラトランジスタがオンまたはオフとされる。スイッチング素子S1およびS2として2つの電界効果トランジスタが用いられる場合、各電界効果トランジスタのゲートの電位が制御部20によって制御されることで、各電界効果トランジスタがオンまたはオフとされる。
【0025】
上側のスイッチング素子S1と下側のスイッチング素子S2の接続点と、接地導体との間には、超音波振動子56が接続されている。なお、上記のように超音波プローブ12は複数の超音波振動子を有している。複数の超音波振動子に対応する複数のスイッチングブリッジSBが並列に接続されており、各スイッチングブリッジSBに超音波振動子が接続されている。ここでは、超音波診断装置100が備える複数の超音波振動子のうち、1つの超音波振動子56に着目して、プッシュ波発生用電源装置52の動作が示される。
【0026】
正極電源40は、接地導体の電位に対して正の一定電圧を定電流回路42に出力する。定電流回路42は、正極コンデンサCpおよび可変定電圧回路44に電流を出力する。負極電源46は、接地導体の電位に対して負の一定電圧を定電流回路48に出力する。定電流回路48は、負極コンデンサCnおよび可変定電圧回路50に電流を出力する。
【0027】
制御部20(図1)は、超音波振動子56から送信されるプッシュ波の大きさ等の条件に応じて、可変定電圧回路44および可変定電圧回路50がそれぞれ出力する目標電圧Vdおよび-Vdを決定し、可変定電圧回路44および可変定電圧回路50を制御する。
【0028】
可変定電圧回路44は、制御部20の制御に従って、正極コンデンサCpの端子間電圧VDに基づいて、接地導体の電位に対して正の電圧Vdをパルサ回路54の正極端子Tpに出力する。可変定電圧回路50は、制御部20の制御に従って、負極コンデンサCnの端子間電圧-VDに基づいて、接地導体の電位に対して負の電圧-Vdをパルサ回路54の負極端子Tnに出力する。
【0029】
パルサ回路54が備えるスイッチングブリッジSBは、制御部20の制御に従ってスイッチングする。例えば、制御部20が、下側のスイッチング素子S2をオフに維持しながら、上側のスイッチング素子S1を所定時間だけオンにした後に、続いて、上側のスイッチング素子S1をオフに維持しながら、下側のスイッチング素子S2を所定時間だけオンにすることで、正負に振れるパルス電圧(正負パルス電圧)が、プッシュ波送信信号として超音波振動子56に印加される。これによって、超音波振動子56から被検体32にプッシュ波が送信される。
【0030】
このように、プッシュ波発生用電源装置52は、超音波振動子56が接続されたパルサ回路54(パルス生成回路)に供給される電力を出力する電源として、正極電源40および負極電源46を備えている。また、プッシュ波発生用電源装置52は、正極電源40および負極電源46から供給される電力を蓄積するコンデンサとして正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnを備えている。プッシュ波発生用電源装置52は、さらに、正極コンデンサCpとパルサ回路54との間に設けられた可変定電圧回路44(定電圧回路)、および、負極コンデンサCnとパルサ回路54との間に設けられた可変定電圧回路50(定電圧回路)を備えている。パルサ回路54は、超音波振動子56にプッシュ波送信信号として正負パルス電圧を出力し、超音波振動子56は、プッシュ波送信信号に従ってプッシュ波を送信する。
【0031】
弾性解析を行う場合、例えば、複数回に亘って連続的に被検体32にプッシュ波が送信される連続送信動作が、所定の送信周期Tで繰り返される。この場合、制御部20は、複数回に亘って連続的に正負パルス電圧を超音波振動子56に印加するスイッチングを所定の送信周期Tで繰り返すように、スイッチングブリッジSBをスイッチング制御する。
【0032】
図3には、可変定電圧回路44および可変定電圧回路50として用いられる可変定電圧回路58の回路構成例が示されている。可変定電圧回路58は、トランジスタ300、第1分圧抵抗器302、第2分圧抵抗器304、比較器308および制御端子306を備えている。比較器308の出力端子は、トランジスタ300のベースに接続されている。第1分圧抵抗器302および第2分圧抵抗器304は直列に接続され、出力端子Outと接地導体との間に接続されている。第1分圧抵抗器302および第2分圧抵抗器304の接続点である分圧点は、比較器308の負極端子に接続されている。比較器308の正極端子には制御端子306が接続されている。
【0033】
比較器308は、制御端子306に与えられた制御電圧から、第1分圧抵抗器302および第2分圧抵抗器304の分圧点の電圧を減算した差異電圧に応じて、トランジスタ300のベースに電圧を出力する。トランジスタ300は、比較器308の出力電圧によって定まるベース電圧に応じて、入力端端子Inから出力端子Outに電流を流す。制御部20は、制御端子306に制御電圧を出力する。制御部20は、制御電圧を変化させることで出力端子Outの電圧を調整する。
【0034】
図4(a)~(e)には、それぞれ、正極コンデンサCpの端子間電圧VD、パルサ回路54の正極端子Tpの電圧Vd、パルサ回路54から超音波振動子56に印加されるプッシュ波送信信号TX、パルサ回路54の負極端子Tnの電圧-Vd、および負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの時間波形が示されている。
【0035】
プッシュ波送信信号TXは、時間軸上において連続的に連なる連続正負パルス電圧200が、送信周期Tで繰り返される電圧である。超音波振動子56に連続正負パルス電圧200が印加される毎に、正極コンデンサCpに蓄積された電荷に基づいて、可変定電圧回路44を介してパルサ回路54の正極端子Tpに電流が流れる。また、超音波振動子56に連続正負パルス電圧200が印加される毎に、負極コンデンサCnに蓄積された電荷に基づいて、パルサ回路54の負極端子Tnから可変定電圧回路50を介して負極コンデンサCnに電流が流れる。これによって、連続正負パルス電圧200の開始時tsから終了時teにかけて、正極コンデンサCpの端子間電圧VDは小さくなり、負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの大きさもまた小さくなる。
【0036】
本実施形態では、正極コンデンサCpの端子間電圧VDは、可変定電圧回路44の出力電圧Vdよりも大きい電圧であり、負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの大きさは、可変定電圧回路50の出力電圧-Vdの大きさよりも大きい電圧である。
【0037】
すなわち、パルサ回路54が複数回に亘ってプッシュ波送信信号TXを超音波振動子56に出力する毎に、正極電源40は、可変定電圧回路44(定電圧回路)の出力電圧よりも大きい電圧によって、正極コンデンサCpを充電する。同様に、パルサ回路54が複数回に亘ってプッシュ波送信信号TXを超音波振動子56に出力する毎に、負極電源46は、可変定電圧回路50(定電圧回路)の出力電圧よりも大きい電圧によって、負極コンデンサCnを充電する。
【0038】
図4に示されているように、超音波振動子56に連続正負パルス電圧200が印加される毎に、正極コンデンサCpの端子間電圧VDおよび負極コンデンサCnの端子間電圧-VDのそれぞれの大きさが小さくなる。その一方で、可変定電圧回路44は、パルサ回路54の正極端子Tpと接地導体との間の電圧Vdを、制御部20が決定した目標電圧Vdの上下所定範囲内に維持する。同様に、可変定電圧回路50は、パルサ回路54の負極端子Tnと接地導体との間の電圧-Vdを、制御部20が決定した目標電圧-Vdの上下所定範囲内に維持する。ここで、所定範囲内とは、予め定められた目標電圧Vdを基準として、例えば、±5%以下のように定められる。
【0039】
これによって、超音波振動子56に印加される連続正負パルス電圧200の振れ幅は所定範囲内に維持される。そのため、超音波振動子56から被検体32に送信されるプッシュ波に生じるドループ現象が抑制され、あるいは被検体32に送信されるプッシュ波にドループ現象が発生せず、エネルギーは十分な大きさに維持される。さらに、可変定電圧回路44および可変定電圧回路50を用いない場合に比べて、連続正負パルス電圧200の振れ幅を所定範囲内とするための正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnの静電容量が小さくなる。これによって、プッシュ波発生用電源装置52が小型化される。
【0040】
図5には、プッシュ波発生用電源装置52において第2の実施形態に係る制御が実行された場合の各電圧が示されている。すなわち、図5(a)~(e)には、それぞれ、正極コンデンサCpの端子間電圧VD、パルサ回路54の正極端子Tpの電圧Vd、パルサ回路54から超音波振動子56に印加されるプッシュ波送信信号TX、パルサ回路54の負極端子Tnの電圧-Vd、および負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの時間波形が示されている。正極コンデンサCpの端子間電圧VDは、パルサ回路54の正極端子Tpの電圧Vdよりも大きくされ、負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの大きさは、パルサ回路54の負極端子Tnの電圧-Vdの大きさよりも大きくされる。
【0041】
制御部20は、パルサ回路54の正極端子Tpに印加される電圧が、制御部20が決定した目標電圧Vdの上下所定範囲内に維持されるように、可変定電圧回路44を制御する。同様に、制御部20は、パルサ回路54の負極端子Tnに印加される電圧が、制御部20が決定した目標電圧-Vdの上下所定範囲内に維持されるように、可変定電圧回路50を制御する。
【0042】
その一方で、制御部20は、複数回に亘って連続的に被検体32にプッシュ波を送信する連続送信動作が、送信周期TのM倍の長さの時間でM+1回に亘って繰り返される毎に、正極コンデンサCpの端子間電圧VDおよび負極コンデンサCnの端子間電圧-VDの大きさが、出力電圧Vdよりも大きくなるように、正極電源40、定電流回路42、負極電源46および定電流回路48を制御する。ここで、Mは2以上の整数であってよい。
【0043】
可変定電圧回路44は、パルサ回路54の正極端子Tpと接地導体との間の電圧Vdを、制御部20が決定した目標電圧Vdの上下所定範囲内に維持する。同様に、可変定電圧回路50は、パルサ回路54の負極端子Tnと接地導体との間の電圧-Vdを、制御部20が決定した目標電圧-Vdの上下所定範囲内に維持する。
【0044】
正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnが先に充電された後、正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnが次に充電されるまでの間、連続送信動作がM+1回繰り返され、正極コンデンサCpおよび負極コンデンサCnのそれぞれの端子間電圧は、順次低下していくが、可変定電圧回路44および可変定電圧回路50によって、パルサ回路54の正極端子Tpおよび負極端子Tnの電圧は、所定範囲内に維持される。
【0045】
本実施形態に係る制御によれば、複数回の連続送信動作が行われた場合であっても、超音波振動子56から被検体32に送信されるプッシュ波のエネルギーが十分な大きさに維持される。
【0046】
図6には、第3実施形態に係るプッシュ波発生用電源装置72が、解析動作用電源装置64、パルサ回路54および超音波振動子56と共に示されている。プッシュ波発生用電源装置72は、弾性解析を行う機能(弾性解析機能)を有さない基本型超音波診断装置に、後発的に弾性解析機能を持たせるための電源装置である。プッシュ波発生用電源装置72は、基本型超音波診断装置に着脱自在となっている。解析動作用電源装置64は、基本型超音波診断装置に搭載されている。図1に示される超音波診断装置100が基本型超音波診断装置である場合、解析動作用電源装置64は電源部34内に構成されてよい。
【0047】
第1実施形態および第2実施形態と同様、第3実施形態に係るプッシュ波発生用電源装置72および解析動作用電源装置64は、制御部20によって制御される。説明を簡単にするため、図6には、パルサ回路54の正極端子Tpに接続される構成要素のみが示されているが、プッシュ波発生用電源装置72は、パルサ回路54の負極端子Tnに接続される構成要素をも含む。パルサ回路54の負極端子Tnに接続される構成要素(図示せず)は、パルサ回路54の正極端子Tpに接続される構成要素に対して、電圧の極性および電流の流れる向きが逆になる構成を有しており、正極端子Tp側の構成要素と同様の構成を有している。パルサ回路54の正極端子Tpおよび負極端子Tnに、電圧および電流が逆極性となる相補的な構成要素が接続される構成は、後述する第4実施形態についても同様である。
【0048】
解析動作用電源装置64は、超音波振動子56に解析超音波を発生させるための電源装置である。解析動作用電源装置64は、第1正極電源60、第1可変定電圧回路62および第1スイッチSW1を備えている。第1正極電源60は、第1可変定電圧回路62に電源電圧を出力する。
【0049】
第1スイッチSW1は、制御部20の制御によってオンまたはオフとなる。第1スイッチSW1は、動作状況によっては、ユーザの操作によってオンまたはオフとされてもよい。第1スイッチSW1がオンであるときに、第1可変定電圧回路62は、制御部20の制御に従った大きさの電圧をパルサ回路54の正極端子Tpに出力する。パルサ回路54は、制御部20の制御に従ってスイッチングし、解析超音波を発生させるためのパルス電圧を解析送信信号として超音波振動子56に出力する。超音波振動子56は、パルサ回路54から出力される解析送信信号に応じて解析超音波を送信する。基本型超音波診断装置は、被検体32内で反射し超音波振動子56で受信された解析超音波に基づいて、弾性解析結果を示す画像やBモード画像等の超音波画像を表す画像データを生成する。第1スイッチSW1がオフであるときに、第1可変定電圧回路62は、パルサ回路54の正極端子Tpから電気的に切り離される。
【0050】
プッシュ波発生用電源装置72は、第2正極電源66、定電流回路68、正極コンデンサCp、第2可変定電圧回路70および第2スイッチSW2を備えている。第2正極電源66、定電流回路68、正極コンデンサCp、第2可変定電圧回路70の動作は、第1実施形態に係るプッシュ波発生用電源装置52が備える正極電源40、定電流回路42、正極コンデンサCp、可変定電圧回路44の動作と同様である。
【0051】
第2スイッチSW2は、制御部20の制御によってオンまたはオフとなる。第2スイッチSW2は、動作状況によっては、ユーザの操作によってオンまたはオフとされてもよい。第2スイッチSW2がオンであるときに、第2可変定電圧回路70は、制御部20の制御に従った大きさの電圧Vdをパルサ回路54の正極端子Tpに出力する。パルサ回路54は、制御部20の制御に従ってスイッチングし、プッシュ波を発生させるための正負パルス電圧をプッシュ波送信信号として超音波振動子56に出力する。超音波振動子56は、パルサ回路54から出力される正負パルス電圧に応じてプッシュ波を送信する。第2スイッチSW2がオフであるときには、第2可変定電圧回路70は、パルサ回路54の正極端子Tpから電気的に切り離される。
【0052】
基本型超音波診断装置にプッシュ波発生用電源装置72が取り付けられていないときは、ユーザの操作または制御部20の制御によって、第1スイッチSW1がオンにされる。基本型超音波診断装置にプッシュ波発生用電源装置72が取り付けられているときに弾性解析を行うときは、制御部20は、次のように第1スイッチSW1および第2スイッチSW2を制御してよい。すなわち、制御部20は、超音波振動子56がプッシュ波を送信するときに第1スイッチSW1をオフ、第2スイッチSW2をオンにする。そして、超音波振動子56がトラッキング波や、Bモード画像を生成するための超音波を送信するときに、制御部20は、第1スイッチSW1をオン、第2スイッチSW2をオフにする。
【0053】
このように、本実施形態に係るプッシュ波発生用電源装置72は、基本型超音波診断装置に着脱自在に取り付けられる。プッシュ波発生用電源装置72は、一実施形態として、第1正極電源60(第1電源)と、超音波振動子56と、パルサ回路54(パルス生成回路)と、超音波画像が取得されるときに第1正極電源60からパルサ回路54に電力を伝送する主電源経路とを備えている。主電源経路は、第1可変定電圧回路62および第1スイッチSW1(主電源経路電流遮断/調整器)を含む。
【0054】
プッシュ波発生用電源装置72は、パルサ回路54への供給電力を出力する第2正極電源66(第2電源)と、この供給電力を蓄積する正極コンデンサCpと、正極コンデンサCpとパルサ回路54との間に設けられた第2可変定電圧回路70(定電圧回路)と、第2可変定電圧回路70とパルサ回路54との間に設けられた電流遮断/調整器としての第2スイッチSW2とを備えている。
【0055】
プッシュ波発生用電源装置72では、第2スイッチSW2のパルサ回路54側の端子(下流端)が、上記の主電源経路に接続されている。第2スイッチSW2を介して伝送される電力によって、パルサ回路54は超音波振動子56にプッシュ波送信信号を出力し、超音波振動子56は、プッシュ波送信信号によって被検体32の生体組織にプッシュ波を送信する。
【0056】
第3実施形態に係るプッシュ波発生用電源装置72を基本型超音波診断装置に取り付けることで、基本型超音波診断装置に弾性解析の機能が後発的に搭載される。したがって、ユーザの需要に応じた製品開発が容易となる。
【0057】
図7には、第4実施形態に係る外付け電源回路92が、解析動作用電源装置88、パルサ回路54および超音波振動子56と共に示されている。外付け電源回路92は、基本型超音波診断装置に弾性解析機能を持たせる回路であり、基本型超音波診断装置が備える解析動作用電源装置88に着脱自在である。図7には、パルサ回路54の正極端子Tpに接続された構成要素のみが示されているが、第3実施形態と同様、パルサ回路54の正極端子Tpおよび負極端子Tnには、電圧および電流が逆極性となる相補的な構成要素が接続される。
【0058】
解析動作用電源装置88は、正極電源80、定電流回路82、第1可変定電圧回路62および第1整流器86を備えている。正極電源80は、予め定められた電圧を定電流回路82に出力する。定電流回路82は、正極電源80から出力された電圧に基づいて、第1可変定電圧回路62および外付け電源回路92に電流を出力する。
【0059】
第1可変定電圧回路62は、制御部20の制御に従う電圧を、第1整流器86を介してパルサ回路54の正極端子Tpに出力する。第1整流器86は、第1可変定電圧回路62およびパルサ回路54に流れる電流の方向を一方向に制限する。パルサ回路54は、制御部20の制御に従ってスイッチングし、解析超音波を発生させるためのパルス電圧を解析送信信号として超音波振動子56に出力する。超音波振動子56は、パルサ回路54から出力されるパルス電圧に応じて解析超音波を送信する。
【0060】
外付け電源回路92は、解析動作用電源装置88と共にパルサ回路54の正極端子Tpに接続される。外付け電源回路92は、正極コンデンサCp、第2可変定電圧回路70および第2整流器90を備えている。正極コンデンサCpは、定電流回路82から外付け電源回路92に流入した電流によって充電される。第2可変定電圧回路70は、制御部20の制御に従って、正極コンデンサCpの端子間電圧に基づいて、第2整流器90を介して、パルサ回路54の正極端子Tpに電圧を出力する。第2整流器90は、第1整流器86と同様の動作によって、第2可変定電圧回路70およびパルサ回路54に流れる電流の方向を一方向に制限する。
【0061】
パルサ回路54は、制御部20の制御に従ってスイッチングし、プッシュ波を発生させるための正負パルス電圧をプッシュ波送信信号として超音波振動子56に出力する。超音波振動子56は、パルサ回路54から出力される正負パルス電圧に応じてプッシュ波を送信する。
【0062】
このように第4実施形態に係る外付け電源回路92(プッシュ波発生用電源装置)は、正極電源80(電源)と、超音波振動子56と、超音波振動子56が接続されたパルサ回路54(パルス生成回路)と、超音波画像が取得されるときに正極電源80からパルサ回路54に電力を伝送する主電源経路とを備える基本型超音波診断装置に着脱自在に取り付けられる。主電源経路は、第1可変定電圧回路62および第1整流器86(主電源経路電流遮断/調整器)を含む。
【0063】
外付け電源回路92は、正極電源80から出力され、パルサ回路54へ供給される電力を蓄積する正極コンデンサCpと、正極コンデンサCpとパルサ回路54との間に設けられる第2可変定電圧回路70(定電圧回路)と、第2可変定電圧回路70とパルサ回路54との間に設けられる電流遮断/調整器としての第2整流器90とを備えている。第2整流器90のパルサ回路54側の端子(下流端)が、上記の主電源経路に接続されている。第2整流器90を介して伝送される電力によって、パルサ回路54は超音波振動子56にプッシュ波送信信号を出力し、超音波振動子56は、送プッシュ波信信号によって生体組織にプッシュ波を送信する。
【0064】
第4実施形態では、外付け電源回路92に第2整流器90が設けられている。したがって、正極電源80から、定電流回路82、第1可変定電圧回路62、第1整流器86を介してパルサ回路54に電力が供給されているときに、正極コンデンサCpまたは第2可変定電圧回路70への電流の流入が阻止される。また、第1可変定電圧回路62とパルサ回路54との間には、第1整流器86が設けられている。したがって、正極電源80から、定電流回路82および外付け電源回路92を介してパルサ回路54に電力が供給されているときに、第1可変定電圧回路62への電流の流入が阻止される。
【0065】
また、第4実施形態では、第3実施形態で用いられている第1スイッチSW1および第2スイッチSW2が設けられていない。そのため、超音波振動子56に解析超音波を送信させる動作と、超音波振動子56にプッシュ波を送信させる動作とを相互に切り替える処理が単純化され、制御部20が実行する処理が単純化される。
【0066】
さらに、基本型超音波診断装置に外付け電源回路92を取り付けることで、基本型超音波診断装置に弾性解析の機能が後発的に搭載される。したがって、ユーザの需要に応じた製品開発が容易となる。
【0067】
図8には、第4実施形態の変形例に係る外付け電源回路94が、解析動作用電源装置88、パルサ回路54および超音波振動子56と共に示されている。この変形例は、定電流回路82の位置を変更したものである。すなわち、図7に示されている構成では、外付け電源回路92および第1可変定電圧回路62の接続点と、正極電源80との間に定電流回路82が設けられているのに対し、図8に示されている構成では、外付け電源回路94および第1可変定電圧回路62の接続点と、正極コンデンサCpとの間に定電流回路82が設けられている。このような変形が可能な理由は、定電流回路82が、正極コンデンサCpを迅速に充電することを目的とするためである。
【0068】
図8に示される変形例によれば、図7に示された構成と同様の効果が得られる。すなわち、超音波振動子56に解析超音波を送信させる動作と、超音波振動子56にプッシュ波を送信させる動作とを相互に切り替える処理が単純化され、制御部20が実行する処理が単純化される。さらに、基本型超音波診断装置に外付け電源回路94を取り付けることで、基本型超音波診断装置に弾性解析の機能が後発的に搭載される。したがって、ユーザの需要に応じた製品開発が容易となる。
【符号の説明】
【0069】
10 プローブ駆動部、12 超音波プローブ、18 受信部、20 制御部、30 表示部、32 被検体、40,80 正極電源、42,48,68,82 定電流回路、44,50,58 可変定電圧回路、46 負極電源、52,72 プッシュ波発生用電源装置、54 パルサ回路、56 超音波振動子、60 第1正極電源、62 第1可変定電圧回路、64,88 解析動作用電源装置、66 第2正極電源、70 第2可変定電圧回路、86 第1整流器、90 第2整流器、92,94 外付け電源回路、100 超音波診断装置、200 連続正負パルス電圧、300 トランジスタ、302 第1分圧抵抗器、304 第2分圧抵抗器、306 制御端子、308 比較器、Cp 正極コンデンサ、Cn 負極コンデンサ、S1,S2 スイッチング素子、SB スイッチングブリッジ、Tp 正極端子、Tn 負極端子、In 入力端子、Out 出力端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8