(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025028003
(43)【公開日】2025-02-28
(54)【発明の名称】提示制御装置、提示装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/858 20110101AFI20250220BHJP
G06F 16/74 20190101ALI20250220BHJP
【FI】
H04N21/858
G06F16/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024133349
(22)【出願日】2024-08-08
(31)【優先権主張番号】P 2023132261
(32)【優先日】2023-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 大礎
【テーマコード(参考)】
5B175
5C164
【Fターム(参考)】
5B175DA04
5B175FB03
5B175JC04
5C164FA11
5C164MB11S
5C164MC11S
5C164UB10S
5C164UB41S
5C164UC21S
5C164UD65S
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】ユーザーが、放送コンテンツに関連する関連コンテンツ一覧の中からウェブページを選択して閲覧する、ことを可能とする提示制御装置等を提供する。
【解決手段】提示制御装置は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、を備える。前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答する。当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、
を備え、
前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、
当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、
提示制御装置。
【請求項2】
コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、
を備え、
前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、
当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、
提示制御装置、としてコンピューターを機能させるプログラム。
【請求項3】
所在情報に基づいてウェブページを提示するブラウザーと、
コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、
を備え、
前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、
当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、
提示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示制御装置、提示装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンテンツの提示方法として、放送コンテンツとネット配信動画との間、放送コンテンツとウェブページとの間、ネット配信動画とウェブページとの間、のそれぞれにおけるシームレスな遷移が求められる。
【0003】
従来の技術の一例として、特許文献1には、テレビ番組と関連性のある情報をユーザー端末等に提供するためのテレビ番組関連コンテンツ提供システムが記載されている。特許文献1のテレビ番組関連コンテンツ提供システムにおいて、ライブキーワードタグ送出部は、放送データを分解して得られた各種パケットに含まれる文字情報から抽出したライブキーワードが付けられたライブキーワードタグを送出する。広告タグ送出部は、前記ライブキーワードに連動する文字列が付けられた広告タグを送出する。シンクロCM送出部は、前記各種パケットに含まれるCMデータに関連するCMシンクロコンテンツを提供する。特許文献1の技術において、関連性の抽出には、音声解析や自然言語処理を用いている。
【0004】
また、従来の技術の一例として、特許文献2には、放送マネージドアプリケーション提示方法が記載されている。特許文献2の技術では、デジタル放送受信機における受信部は、第1放送サービスと第2放送サービスの一方の放送サービスで、放送番組と、放送マネージドアプリケーションを管理するアプリケーション制御情報と、放送番組を識別するための番組識別子とを受信する。制御部は、受信したアプリケーション制御情報に基づいて、放送マネージドアプリケーションを取得して、出力部に提示する。制御部は、一方の放送サービスから他方の放送サービスに切り替えるときに、切り替え前の放送番組の番組識別子と、切り替え後の放送番組の番組識別子が一致する場合に、放送マネージドアプリケーションの提示を継続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-059028号公報
【特許文献2】特開2015-211434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のとおり、コンテンツの提示方法として、放送コンテンツとネット配信動画との間、放送コンテンツとウェブページとの間、ネット配信動画とウェブページとの間、のそれぞれにおけるシームレスな遷移が求められる。その一方で、特許文献1に記載の技術では、関連情報を、テレビ以外のユーザーのデバイスに提供することを想定しており、放送コンテンツとウェブページとの間のシームレスな遷移は実現されない。また、特許文献2に記載の技術では、放送サービスが切り替わっても放送マネージドアプリケーションの提示を継続できる場合があるものの、そもそも放送されているか否かといった状況等に応じて提示するコンテンツを動的に切り替えることはできない。
【0007】
従来技術における課題を、下に列挙する。
【0008】
[第1の課題]
従来のウェブページ提示技術における課題の一つは、PC(パーソナルコンピューター)等からのウェブページへのアクセスの手段と、テレビ受像機からのウェブページへのアクセスの手段とが異なることである。つまり、ウェブページへのアクセスを想定したアプリケーションをPC等とテレビ受像機との両方に提供する場合、それぞれのデバイスに応じた遷移処理を実装しなければならないという問題があった。
【0009】
[第2の課題]
また、従来の技術においては、特定の放送コンテンツがある時点で放送中であるか否か、放送コンテンツの見逃し配信としてネット配信コンテンツが配信されているのか否か、あるいは放送コンテンツの情報がウェブページとして提供されているのか否かを、ユーザーが自ら調べる必要があった。ユーザーは、ウェブで必要な情報を検索したり、(放送中であるか否かについては)電子番組表を確認したりするなどして、これらの事項を調べており、手間がかかるものであった。
【0010】
[第3の課題]
従来の技術においては、放送コンテンツに関連付けてウェブコンテンツ(ウェブページ)を提供するためには、例えば、提供すべきウェブコンテンツの所在等を表す2次元コードを放送コンテンツの画面内に提示したり、放送コンテンツに連動するアプリケーションプログラムがリンクを表示してユーザーがそのリンクを選択することを可能としたりすることなどが必要であった。従来の技術においては、放送コンテンツとウェブコンテンツとの関連性の定義等のみに基づいて自動的にウェブコンテンツをユーザーに対して提示することはできなかった。
【0011】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものである。つまり、本発明は、上記第3の課題を解決するために、放送コンテンツのメタデータにおいて、放送コンテンツの関連コンテンツとしてウェブページの情報を記述可能とすることによって、放送コンテンツの関連コンテンツの一覧情報を提示し、ユーザーが、関連コンテンツ一覧の中からウェブページを選択して閲覧することを可能とする提示制御装置、提示装置、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の複数の態様を、次に列挙する。
【0013】
[2023-041-1]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの代替となるウェブページである代替ウェブページの所在情報と、前記放送コンテンツに関連するアプリケーションプログラムに関する情報であるアプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、前記代替ウェブページの提示が要求されたときに、(1)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページに関連する前記放送コンテンツに関連付けられる前記アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を取得し、当該アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を放送通信連携処理部に渡すことによって、前記代替ウェブページをブラウザーに提示させる制御を行い、(2)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページの所在情報を取得し、当該代替ウェブページの所在情報をブラウザーに渡すことによって、前記代替ウェブページをブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備え、前記アプリケーション情報テーブル(AIT)は、前記代替ウェブページの所在情報を保持する、提示制御装置である。
【0014】
[2023-041-2]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの代替となるウェブページである代替ウェブページの所在情報と、前記放送コンテンツに関連するアプリケーションプログラムに関する情報であるアプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、前記代替ウェブページの提示が要求されたときに、(1)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページに関連する前記放送コンテンツに関連付けられる前記アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を取得し、当該アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を放送通信連携処理部に渡すことによって、前記代替ウェブページをブラウザーに提示させる制御を行い、(2)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページの所在情報を取得し、当該代替ウェブページの所在情報をブラウザーに渡すことによって、前記代替ウェブページをブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備え、前記アプリケーション情報テーブル(AIT)は、前記代替ウェブページの所在情報を保持する、提示制御装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0015】
[2023-041-3]一態様は、指定された所在情報に基づいてウェブページを提示するブラウザーと、放送と通信を連携させるサービスであるハイブリッドキャストの制御機能を備える放送通信連携機能部と、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの代替となるウェブページである代替ウェブページの所在情報と、前記放送コンテンツに関連するアプリケーションプログラムに関する情報であるアプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、前記代替ウェブページの提示が要求されたときに、(1)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページに関連する前記放送コンテンツに関連付けられる前記アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を取得し、当該アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を前記放送通信連携処理部に渡すことによって、前記代替ウェブページを前記ブラウザーに提示させる制御を行い、(2)自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合には、前記メタデータ解析部から、当該代替ウェブページの所在情報を取得し、当該代替ウェブページの所在情報を前記ブラウザーに渡すことによって、前記代替ウェブページを前記ブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備え、前記アプリケーション情報テーブル(AIT)は、前記代替ウェブページの所在情報を保持し、前記放送通信連携処理部は、前記コンテンツ遷移制御部から前記アプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報を渡された場合に、前記アプリケーション情報テーブル(AIT)を取得するとともに、前記アプリケーション情報テーブル(AIT)から前記代替ウェブページの所在情報を読み出して前記ブラウザーに渡す、提示装置である。
【0016】
[2023-040-1]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの放送開始日時と、前記放送コンテンツの放送終了日時と、前記放送コンテンツを放送する放送サービスを特定する情報である放送サービス特定情報と、前記放送コンテンツの代替となり得る代替コンテンツへのアクセス方法を表す代替コンテンツアクセス方法情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、放送コンテンツの提示が要求されたときに、前記メタデータ解析部から取得した前記放送開始日時と、前記メタデータ解析部から取得した前記放送終了日時と、クロックから取得した現在日時と、に基づいて当該放送コンテンツが放送中であるか否かを判定し、(1)前記放送コンテンツが放送中である場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記放送サービス特定情報を放送通信連携処理部に渡して選局指示することによって、前記放送コンテンツをブラウザーに提示させる制御を行い、(2)前記放送コンテンツが放送中ではない場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記代替コンテンツアクセス方法情報に基づいて、前記代替コンテンツをブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備える提示制御装置である。
【0017】
[2023-040-2]
一態様は、上記[2023-040-1]の提示制御装置において、前記コンテンツ遷移制御部は、前記代替コンテンツアクセス方法情報として、ネット配信動画にアクセスするための所在情報を前記メタデータ解析部から取得し、前記ネット配信動画の所在情報を前記ブラウザーに渡すことによって、前記ネット配信動画を前記代替コンテンツとして前記ブラウザーに提示させる、というものである。
【0018】
[2023-040-3]一態様は、上記[2023-040-1]または[2023-040-2]の提示制御装置において、前記コンテンツ遷移制御部は、前記代替コンテンツアクセス方法情報として、ウェブページにアクセスするための所在情報、または前記ウェブページの所在情報を保持するアプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報、を取得し、ウェブページにアクセスするための所在情報またはアプリケーション情報テーブル(AIT)の所在情報のいずれかに基づいて、前記ウェブページを前記代替コンテンツとして前記ブラウザーに、提示させる制御を行う、というものである。
【0019】
[2023-040-4]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの放送開始日時と、前記放送コンテンツの放送終了日時と、前記放送コンテンツを放送する放送サービスを特定する情報である放送サービス特定情報と、前記放送コンテンツの代替となり得る代替コンテンツへのアクセス方法を表す代替コンテンツアクセス方法情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、放送コンテンツの提示が要求されたときに、前記メタデータ解析部から取得した前記放送開始日時と、前記メタデータ解析部から取得した前記放送終了日時と、クロックから取得した現在日時と、に基づいて当該放送コンテンツが放送中であるか否かを判定し、(1)前記放送コンテンツが放送中である場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記放送サービス特定情報を放送通信連携処理部に渡して選局指示することによって、前記放送コンテンツをブラウザーに提示させる制御を行い、(2)前記放送コンテンツが放送中ではない場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記代替コンテンツアクセス方法情報に基づいて、前記代替コンテンツをブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備える提示制御装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0020】
[2023-040-5]一態様は、放送コンテンツ、ウェブページ、またはネット配信動画を提示するブラウザーと、放送サービスを特定する情報である放送サービス特定情報に基づいて選局指示を受けた時に当該放送サービスを選局する制御を行う放送通信連携機能部と、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツの放送開始日時と、前記放送コンテンツの放送終了日時と、前記放送コンテンツを放送する放送サービスを特定する情報である放送サービス特定情報と、前記放送コンテンツの代替となり得る代替コンテンツへのアクセス方法を表す代替コンテンツアクセス方法情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部と、放送コンテンツの提示が要求されたときに、前記メタデータ解析部から取得した前記放送開始日時と、前記メタデータ解析部から取得した前記放送終了日時と、クロックから取得した現在日時と、に基づいて当該放送コンテンツが放送中であるか否かを判定し、(1)前記放送コンテンツが放送中である場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記放送サービス特定情報を放送通信連携処理部に渡すことによって、前記放送コンテンツを前記ブラウザーに提示させる制御を行い、(2)前記放送コンテンツが放送中ではない場合には、前記メタデータ解析部から取得した前記代替コンテンツアクセス方法情報に基づいて、前記代替コンテンツを前記ブラウザーに提示させる制御を行う、コンテンツ遷移制御部と、を備える提示装置である。
【0021】
[2023-042-1]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、を備え、前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、提示制御装置である。
【0022】
[2023-042-2]一態様は、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、を備え、前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、提示制御装置、としてコンピューターを機能させるプログラムである。
【0023】
[2023-042-3]一態様は、所在情報に基づいてウェブページを提示するブラウザーと、コンテンツに関するメタデータであって、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析するメタデータ解析部、を備え、前記メタデータ解析部は、ブラウザーから特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の前記関連コンテンツへのアクセス方法を表す前記関連コンテンツアクセス方法情報を含むリストを前記ブラウザーに応答するものであり、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部はウェブページの所在を表す所在情報であり、当該リストに基づいて、前記ブラウザーは、前記関連コンテンツへのアクセスを可能とする関連コンテンツ一覧ページを提示する、提示装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、提示装置は、放送コンテンツの関連コンテンツとしてウェブページを含んだ関連コンテンツリストを提示することができる。その関連コンテンツは、ユーザーからのリクエストに応じて提示可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施形態によるシステムの概略機能構成を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態による提示装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態によるシステムの動作の手順、および各部の相互作用を説明するための示すシーケンスチャート(1/2)である。
【
図4】同実施形態によるシステムの動作の手順、および各部の相互作用を説明するための示すシーケンスチャート(2/2)である。
【
図5】同実施形態による提示装置が、自装置の種別に応じた方法でウェブページを提示する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】同実施形態による提示装置が、ユーザーからリクエストされた放送コンテンツについて、コンテンツの状況に応じて異なる形態のコンテンツ(代替コンテンツを含む)を提示するための処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】同実施形態による提示装置が、放送コンテンツに関連する関連コンテンツの一覧をユーザーに提示するとともに、選択された関連コンテンツ(ただし、選択された関連コンテンツがウェブページである場合を含む)を提示する処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(1/19)である。
【
図9】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(2/19)である。
【
図10】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(3/19)である。
【
図11】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(4/19)である。
【
図12】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(5/19)である。
【
図13】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(6/19)である。
【
図14】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(7/19)である。
【
図15】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(8/19)である。
【
図16】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(9/19)である。
【
図17】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(10/19)である。
【
図18】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(11/19)である。
【
図19】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(12/19)である。
【
図20】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(13/19)である。
【
図21】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(14/19)である。
【
図22】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(15/19)である。
【
図23】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(16/19)である。
【
図24】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(17/19)である。
【
図25】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(18/19)である。
【
図26】同実施形態によるコンテンツメタデータの例を示す概略図(19/19)である。
【
図27】同実施形態によるシステムを構成する各装置(提示装置等)の内部構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。本実施形態のシステムは、放送コンテンツ、ネット配信動画、およびウェブページを同等に、状況に応じてユーザーに提示するものである。背景として、放送事業者が提供するコンテンツは、放送コンテンツにとどまらず、ネット配信動画やウェブページにも及んでいる。ウェブページは、放送コンテンツ(番組)の補足情報や関連情報を提供する。このシステムにおいては、放送事業者は、放送コンテンツの一形態としてウェブページをユーザーに提供する。提示装置は、ウェブページを放送コンテンツの一形態として記述した構造化データに基づいて、放送の代替コンテンツとしてウェブページを提示する。提示装置においては、例えば、コンテンツ視聴用アプリケーションプログラムが稼働する。
【0027】
本実施形態において、前述の第1の課題を解決するための解決手段は次のとおりである。即ち、ウェブページに関する記述を有するメタデータ(コンテンツメタデータと称する)に、放送通信連携機能を有するテレビ受像機(ハイブリッドキャスト対応の受信機)においてウェブページへの遷移を行うためのAITのURLの情報と、ウェブページそのもののURLとの両方を記述しておく。アプリケーションプログラムは、自プログラムが動作するデバイスの種類に応じて、いずれかのURLの情報を使用することによって、目的とするウェブページにアクセスする。つまり、実施形態の提示装置は、放送連携アプリケーションプログラムにおいて、使用デバイスの種別に応じたウェブページへの遷移を実現するアルゴリズムを実装する。
【0028】
この解決手段により、放送連携アプリケーションプログラムの開発において、動作するデバイスの種別を意識せずに実装することが可能となる、という効果が得られる。
【0029】
また、前述の第2の課題を解決するための解決手段は次のとおりである。即ち、放送コンテンツについてのメタデータ(コンテンツメタデータ)に、放送情報、ネット配信情報、ウェブページ情報を記述しておく。提示装置は、コンテンツメタデータの情報に基づいて、且つコンテンツにアクセスするタイミングや状況に応じて、放送、ネット配信動画、ウェブページのいずれかにアクセス先を変化させ、その状況において適切なコンテンツをユーザーに提示する。つまり、提示装置は、放送コンテンツを受信できない状況において、提示装置は、放送コンテンツの代替としてネット配信動画やウェブページに遷移させる機能を持つ。
【0030】
この解決手段により、ユーザーが視聴したいコンテンツを選択した場合に、提示装置は、代替コンテンツを含めてその時点において取得できるコンテンツ(放送コンテンツ、ネット配信コンテンツ、またはウェブページ)を取得して提示する。ユーザーは、放送や配信等のタイミングを意識することなく、提示装置が自動的に選択して提示するコンテンツを、視聴あるいは閲覧することができる。
【0031】
また、前述の第3の課題を解決するための解決手段は次のとおりである。即ち、放送コンテンツについてのメタデータ(コンテンツメタデータ)に、関連コンテンツとして、ウェブページの情報を記述することができるようにする。提示装置は、放送コンテンツの関連コンテンツとして、ウェブページを提示する機能を持つアルゴリズムを実装する。
【0032】
この解決手段により、提示装置は、放送コンテンツに関するメタデータ(コンテンツメタデータ)を解析することにより、放送コンテンツに関連するウェブページを自動的に発見することができる。つまり、提示装置が、放送コンテンツとウェブページとの間での遷移を容易に実装できる。
【0033】
以下の説明において、URLは、ウェブにおける資源の所在を表す情報(所在情報)であり、Uniform Resource Locator(統一資源位置指定子)の略である。また、AITは、ハイブリッドキャスト技術においてアプリケーションプログラムに関する情報を記述したテーブルであり、Application Information Table(アプリケーション情報テーブル)の略である。また、GPSは、複数の人工衛星からの無線信号に基づいて位置を測定するシステムを表し、Global Positioning System(全地球測位システム)の略である。また、IPは、インターネットにおいて広く用いられている通信プロトコルであり、Internet Protocolの略である。また、PCは、Personal Computer(パーソナルコンピューター)の略である。
【0034】
図1は、本実施形態によるシステムの概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、システム1は、提示装置(受信機)10と、放送信号送信装置20と、ウェブサーバー装置30と、コンテンツ発見サーバー装置40と、通信ネットワーク7とを含んで構成される。提示装置10と、放送信号送信装置20と、ウェブサーバー装置30と、コンテンツ発見サーバー装置40とのそれぞれは、少なくともその一部の機能に関して、例えば、コンピューターと、プログラムとで実現することが可能である。また、各装置は、必要に応じて、記憶手段を有する。記憶手段は、例えば、プログラム上の変数や、プログラムの実行によりアロケーションされるメモリーである。また、必要に応じて、磁気ハードディスク装置やソリッドステートドライブ(SSD)といった不揮発性の記憶手段を用いるようにしてもよい。また、各装置の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路として実現してもよい。
【0035】
なお、
図1においては、各1台の提示装置10と放送信号送信装置20とウェブサーバー装置30とコンテンツ発見サーバー装置40とを示しているが、これらの装置それぞれの台数は任意である。システム1は、多数の提示装置10を含んで構成されていてもよい。
【0036】
提示装置10は、ユーザーに対してコンテンツを提示する装置である。提示装置10は、放送信号によって放送される放送コンテンツや通信ネットワーク7を介して配信される通信コンテンツを受信して提示する受信機であってよい。提示装置10は、放送信号送信装置20から送信される放送信号を受信することができる。また、提示装置10は、通信ネットワーク7を介して、ウェブサーバー装置30やコンテンツ発見サーバー装置40との間で通信を行うことができる。提示装置10は、IP等のプロトコルを用いて通信を行うことができる。
【0037】
なお、提示装置10は、次のようなバリエーションを持つものであってよい。即ち、提示装置10は、(A)ハイブリッドキャスト機能を有する受信機であってもよいし、(B)その他の装置であってもよい。(A)のハイブリッドキャスト機能を有する受信機とは、ハイブリッドキャスト機能を有し、且つ放送信号を受信する機能を有する装置(いわゆる「テレビ」)である。(B)のその他の装置は、ハイブリッドキャスト機能を持たずに放送信号を受信する機能を有する装置であってもよいし、放送信号を受信する機能を持たない装置(PC、タブレット端末、スマートフォン等)であってもよい。
なお、提示装置10が(B)の「その他の装置」である場合には、提示装置10は、放送通信連携機能部15を持たない。
【0038】
放送信号送信装置20は、放送信号を送信する。放送信号送信装置20は、無線信号(電波)として、あるいは金属ケーブルを媒体とする信号として、放送信号を送出する。放送信号送信装置20を制御する機能の一部がコンピューターで実現されていてもよい。
【0039】
ウェブサーバー装置30は、クライアント装置(提示装置10等)側からの要求に応じて、リソースを提供する。ウェブサーバー装置30は、通信ネットワーク7を介して、提示装置10との間で通信を行うことができる。ウェブサーバー装置30は、IP等のプロトコルを用いて通信を行うことができる。ウェブサーバー装置30は、提示装置10からの要求に応じて、ネット配信動画や、ウェブページや、AIT等を提供することができる。システム1が複数のウェブサーバー装置30を含むように構成されていてもよい。ネット配信動画を提供するウェブサーバー装置30と、ウェブページを提供するウェブサーバー装置30と、AITを提供するウェブサーバー装置30とが、互いに別の装置であってもよいし、少なくとも一部が共通する装置であってもよい。
【0040】
コンテンツ発見サーバー装置40は、クライアント装置(提示装置10等)側からの要求に応じて、コンテンツメタデータを提供する。コンテンツメタデータは、提示装置が受信し得るコンテンツについてのメタデータである。コンテンツ発見サーバー装置40は、通信ネットワーク7を介して、提示装置10との間で通信を行うことができる。コンテンツ発見サーバー装置40は、IP等のプロトコルを用いて通信を行うことができる。なお、コンテンツ発見サーバー装置40は、上記機能の他に、放送受信機がコンテンツを発見するための様々な情報および機能を提供するものであってよい。
【0041】
なお、コンテンツ発見サーバー装置40は、自装置が保持するコンテンツメタデータを、必要なタイミングで更新する。一例として、放送コンテンツに関連付けられたネット配信動画のステータスが、利用可能から利用不可能に、あるいは逆に利用不可能から利用可能に変わった場合には、当該ネット配信動画についての利用可/不可の情報を更新する。
あるいは、ネット配信動画が利用可能である状況においてのみ、当該ネット配信動画のURLの情報を有効な値としておくようにしてもよい。提示装置10側からコンテンツメタデータが要求された場合には、コンテンツ発見サーバー装置40は、最新の、即ち現在の状態を表すコンテンツメタデータを提示装置10に対して提供するようにする。
【0042】
通信ネットワーク7は、システム1における装置間の通信を実現するネットワークである。通信ネットワーク7は、例えば、いわゆる「インターネット」であってよい。通信ネットワーク7は、無線通信手段あるいは有線通信手段、またはそれらの組み合わせとして実現され得る。
【0043】
図2は、本実施形態による提示装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、提示装置10は、メタデータ解析部13と、コンテンツ遷移制御部14と、放送通信連携機能部15と、ブラウザー(提示部)17とを含んで構成される。なお、メタデータ解析部13とコンテンツ遷移制御部14とが持つ機能を併せて、「提示制御装置12」として捉えてもよい。つまり、提示装置10は、提示制御装置12を内包し得る。
【0044】
メタデータ解析部13は、コンテンツ発見サーバー装置40からコンテンツメタデータを取得し、そのコンテンツメタデータの内容を解析する。メタデータ解析部13は、コンテンツメタデータの解析結果の情報を、コンテンツ遷移制御部14やブラウザー17に渡す。
【0045】
なお、前述のとおり、コンテンツ発見サーバー装置40側においてコンテンツメタデータが更新される場合がある。そのような場合には、メタデータ解析部13は、更新後のコンテンツメタデータを取得するようにする。つまり、メタデータ解析部13は、最新の状態のコンテンツメタデータを取得し、そのようなコンテンツメタデータの解析を行う。
【0046】
メタデータ解析部13は、例えば、次の(1)から(3)までのような解析を行うことができる。
【0047】
(1)即ち、メタデータ解析部13は、放送コンテンツに関連付ける形で、その放送コンテンツの代替となるウェブページである代替ウェブページのURL(所在情報)と、その放送コンテンツに関連するアプリケーションプログラムに関する情報であるアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んでよい。メタデータ解析部13は、そのようなコンテンツメタデータを解析することにより、それぞれの放送コンテンツに関連付ける形で、放送コンテンツの代替となるウェブページである代替ウェブページのURLを把握したり、放送コンテンツに関連するアプリケーションプログラムに関する情報であるアプリケーション情報テーブル(AIT)のURLを把握したり、することができる。メタデータ解析部13は、これらの情報を、例えば、コンテンツ遷移制御部14に提供することができる。
【0048】
(2)また、メタデータ解析部13は、放送コンテンツに関連付ける形で、その放送コンテンツの放送開始日時と、その放送コンテンツの放送終了日時と、その放送コンテンツを放送する放送サービスを特定する情報である放送サービス特定情報と、その放送コンテンツの代替となり得る代替コンテンツへのアクセス方法を表す代替コンテンツアクセス方法情報と、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで、解析してよい。メタデータ解析部13は、その結果得られる、放送コンテンツの放送開始日時および放送終了日時の情報や、放送コンテンツを放送する放送サービスについての放送サービス特定情報や、代替コンテンツアクセス方法情報を、コンテンツ遷移制御部14に提供することができる。なお、代替コンテンツがネット配信動画である場合には、代替コンテンツアクセス方法情報は、当該ネット配信動画にアクセスするためのURL(所在情報)等であってよい。また、代替コンテンツがウェブページである場合には、代替コンテンツアクセス方法情報は、そのウェブページのURL(所在情報)であってよく、あるいは、そのウェブページのURL(所在情報)を保持するアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)であってもよい。
【0049】
(3)また、メタデータ解析部13は、放送コンテンツに関連付ける形で、前記放送コンテンツに関連するコンテンツである関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報、を含むコンテンツメタデータ、を読み込んで解析してもよい。このような解析結果に基づいて、メタデータ解析部13は、ブラウザー17から特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツアクセス方法情報を要求されたときに、複数の関連コンテンツへのアクセス方法を表す関連コンテンツアクセス方法情報のリストをブラウザー17に応答することができる。なお、当該リストが含む前記関連コンテンツアクセス方法情報の少なくとも一部がウェブページの所在を表す所在情報であってよい。
【0050】
コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から必要な情報を取得し、その情報にしたがってブラウザー17に対して遷移先を指示する。また、コンテンツ遷移制御部14は、放送通信連携機能部15に対して放送の選局を指示する。コンテンツ遷移制御部14は、ブラウザー17を介して、ユーザーからの指示を受け付けることができる。
【0051】
なお、コンテンツ遷移制御部14は、コンテンツ遷移についての制御に関して必要な時刻(現在時刻,現在日時)の情報を取得するために、提示装置が備える不図示のクロック機能を参照することができる。コンテンツ遷移制御部14は、このクロック機能から、その時点における年・月・日、時・分・秒の情報を取得できる。コンテンツ遷移制御部14が、必要に応じて秒未満の単位の時刻情報をクロック機能から取得するようにしてもよい。また、コンテンツ遷移制御部14が、タイムゾーンの情報をクロック機能から取得するようにしてもよい。
【0052】
コンテンツ遷移制御部14が行う具体的な制御の例は、次の(1)あるいは(2)のとおりである。
【0053】
(1)自装置の種別に応じた方法でのウェブページの取得
コンテンツ遷移制御部14は、代替ウェブページ(例えば、放送コンテンツの代替となる代替コンテンツとしてのウェブページ)の提示が要求されたときに、自装置(提示装置10)の種別に基づく判定を行う。具体的には、コンテンツ遷移制御部14は、ブラウザー17が持つUser-Agentの情報を参照することにより、自装置(提示装置10)が、ハイブリッドキャスト対応の受信機であるか、その他の装置であるかを判定する。この判定結果に応じて、コンテンツ遷移制御部14は、次の2とおりの処理を切り替える。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合には、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、当該代替ウェブページに関連する放送コンテンツに関連付けられるアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)を取得する。コンテンツ遷移制御部14は、このアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)を放送通信連携処理部15に渡すことによって、代替ウェブページをブラウザー17に提示させる制御を行う。一方で、自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合には、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、当該代替ウェブページのURL(所在情報)を取得し、この代替ウェブページのURL(所在情報)をブラウザーに渡すことによって、代替ウェブページをブラウザー17に提示させる制御を行う。
【0054】
(2)コンテンツ配信の状況に応じた代替コンテンツの提示の制御
コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、特定の放送コンテンツについての放送開始日時および放送終了日時を取得することができる。放送開始日時および放送終了日時は、元々は、メタデータ解析部13が読み込んだコンテンツメタデータに記述されていた情報である。また、コンテンツ遷移制御部14は、取得したクロックから現在日時の情報を取得することができる。コンテンツ遷移制御部14は、これらの放送開始日時および放送終了日時と、現在日時とから、当該放送コンテンツが放送中であるか否かを判定する。そして、コンテンツ遷移制御部14は、この判定結果に応じて、どのコンテンツを提示するように制御するかを決定する。
【0055】
具体的には、コンテンツ遷移制御部14は、その放送コンテンツが放送中である場合には、メタデータ解析部13から取得した放送サービス特定情報を放送通信連携処理部15に渡してその放送サービスの選局を指示する。放送サービス特定情報は、放送サービスを一意に決定することのできる情報であり、例えば、オリジナルネットワークIDと、トランスポートストリームIDと、サービスIDとの組み合わせである。放送サービス特定情報は、放送コンテンツに関連付けた形でコンテンツメタデータに記述されていた情報である。つまり、コンテンツ遷移制御部14は、その放送コンテンツをブラウザー17に提示させる制御を行う。一方で、その放送コンテンツが放送中ではない場合には、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から取得した代替コンテンツアクセス方法情報に基づいて、代替コンテンツをブラウザーに提示させる制御を行う。代替コンテンツアクセス方法情報は、代替コンテンツにアクセスするための方法に関する情報であり、具体的には、例えば、ネット配信動画のURL(所在情報)や、ウェブページのURL(所在情報)や、ウェブページのURL(所在情報)を格納しているアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)等である。
【0056】
なお、上記の代替コンテンツは、例えば、ネット配信動画あるいはウェブページであってよい。つまり、コンテンツ遷移制御部14は、代替コンテンツアクセス方法情報として、ネット配信動画にアクセスするためのURL(所在情報)をメタデータ解析部13から取得し、このネット配信動画のURL(所在情報)をブラウザー17に渡すことによって、ネット配信動画を代替コンテンツとしてブラウザー17に提示させる制御を行うことができる。あるいは、コンテンツ遷移制御部14は、代替コンテンツアクセス方法情報として、ウェブページにアクセスするためのURL(所在情報)、またはそのウェブページのURL(所在情報)を保持するアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)を、メタデータ解析部13から取得し、このウェブページのURL(所在情報)またはアプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)のいずれかに基づいて、ウェブページを代替コンテンツとしてブラウザー17に、提示させる制御を行うことができる。
【0057】
なお、上において、コンテンツ遷移制御部14は、ウェブページのURL(所在情報)をブラウザー17に直接渡すことによって、ブラウザー17に当該ウェブページを提示させることができる。また、コンテンツ遷移制御部14は、アプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)を放送通信連携機能部15に渡すことができる。この場合には、放送通信連携機能部15がそのアプリケーション情報テーブル(AIT)を取得し、そのアプリケーション情報テーブル(AIT)から、目的とするウェブページのURL(所在情報)を取り出す。そして、放送通信連携機能部15がそのウェブページのURL(所在情報)をブラウザー17に渡すことによって、ブラウザー17に当該ウェブページを提示させることができる。
【0058】
放送通信連携機能部15は、放送と通信との間での連携を実現させる機能(ハイブリッドキャスト(Hybridcast)の制御機能)を有する。放送通信連携機能部15は、ハイブリッドキャストに対応するテレビ受像機が持つ機能である。放送通信連携機能部15は、放送連携アプリケーションプログラムを起動するのに必要なアプリケーション情報テーブル(AIT)をウェブサーバー装置30から取得する。また、放送通信連携機能部15は、取得したAITの情報に基づいて、選局の動作やウェブページへの遷移の動作を制御する。
【0059】
放送通信連携処理部15は、具体的には、放送サービスを特定するための放送サービス特定情報を受け取って当該放送サービスを選局(tune)する動作を行うことができる。また、放送通信連携処理部15は、アプリケーション情報テーブル(AIT)のURL(所在情報)を取得して、そのURL(所在情報)によって示されるアプリケーション情報テーブル(AIT)を取得することができる。さらに、放送通信連携処理部15は、そのアプリケーション情報テーブル(AIT)の中からウェブページのURL(所在情報)を取り出し、そのウェブページのURL(所在情報)をブラウザー17に渡すことによって、ブラウザー17に当該ウェブページを取得させ、提示させることができる。
【0060】
ブラウザー17は、ユーザーインターフェースを提供する。ブラウザー17は、コンテンツをユーザーに対して提示する機能を有する。ブラウザー17は、「提示部」とも呼ばれる。ブラウザー17は、放送コンテンツや、ネット配信動画や、ウェブページなどといったコンテンツを提示する。具体的には、ブラウザー17は、画像や映像やテキスト等をディスプレイ装置に表示し、音声をスピーカー等(イヤフォン等を含む)から出力する。
また、ブラウザー17は、ユーザーの操作等に基づく指示を受け付ける。なお、ブラウザー17がコンテンツを提示する機能等自体は、既存技術により実現され得る。
【0061】
なお、本実施形態において、ブラウザー17は、コンテンツ遷移制御部14や放送通信連携機能部15からURLを受け取って、そのURLによって示されるウェブページを取得して提示する場合がある。また、ブラウザー17は、提示装置10が受信する放送コンテンツを提示する場合がある。また、ブラウザー17は、放送通信連携機能部15が選局した放送サービスによって配信される放送コンテンツを提示する場合がある。また、ブラウザー17は、コンテンツ遷移制御部14からURLを受け取って、そのURLによって示されるネット配信動画を取得して提示する場合がある。また、ブラウザー17は、コンテンツ遷移制御部14から渡される関連コンテンツリスト(あるコンテンツ(放送コンテンツ)に関連するコンテンツについての情報のリスト)に基づいて、関連コンテンツ一覧のページを提示する場合がある。また、ブラウザー17は、関連コンテンツ一覧の中からユーザーが選択したコンテンツを取得して提示する場合がある。なお、関連コンテンツは、放送コンテンツや、ネット配信動画や、ウェブページであってよい。
【0062】
前述した「提示制御装置12」は、メタデータ解析部13が持つ機能とコンテンツ遷移制御部14が持つ機能とを備える。つまり、提示制御装置12は、提示装置10において、コンテンツの提示を制御する。言い換えれば、提示制御装置12は、受信したコンテンツメタデータの記述内容を解析するとともに、その記述内容にしたがって、コンテンツの遷移、およびコンテンツの提示を制御する。
【0063】
次に、コンテンツ発見サーバー装置40から提示装置10に対して提供されるコンテンツメタデータについて説明する。コンテンツメタデータは、コンテンツ(放送コンテンツ)に関する情報を、コンピューター読み取り可能な形態で構造化したデータである。コンテンツメタデータは、例えば、コンテンツのタイトルや、コンテンツが属するジャンルや、放送日時等に関する情報を含むデータである。コンテンツメタデータの記述においては、語彙としてウェブ上で一般的に使用されるSchema.orgが使用される。
【0064】
コンテンツメタデータにおける、ウェブページの提示に関する記述は、次のとおりである。即ち、コンテンツメタデータにおいては、用途ごとにウェブページの情報が記述される。これにより、リクエストに応じた情報の提供が可能となる。
【0065】
[放送コンテンツの関連コンテンツとしてのウェブページ]
ある放送コンテンツAの関連コンテンツとしてウェブページBが提示されることを意図する場合には、コンテンツメタデータは次のように記述される。即ち、放送コンテンツAについてのメタデータにおいて、「”@type”:”Guide”」という記述が、関連コンテンツを定義する。ウェブページBのURLがこの定義に含まれる形で記述される場合には、ウェブページBは関連コンテンツである。つまり、このようなコンテンツメタデータに基づき、提示装置10は、ウェブページBを関連コンテンツとして提示する。
【0066】
[放送コンテンツの代替コンテンツとしてのウェブページ]
ある放送コンテンツAの代替コンテンツとしてウェブページCが提示されることを意図する場合には、コンテンツメタデータは次のように記述される。即ち、放送コンテンツAについてのメタデータにおいて、「””startDate”」および「”endDate”」が、それぞれ、放送開始日時および放送終了日時の情報を保持する。コンテンツメタデータは、さらに、放送時間中ではない場合のための情報として、citation.potentialAction.targetの情報を保持する。citation.potentialAction.targetの情報は、ウェブページCにアクセスするためのURLを要素として持つ。また、citation.potentialAction.targetの情報は、「”@type”:”EntryPoint”」で定義される配列を要素に持つ。この「”@type”:”EntryPoint”」の配列内の記述により、AITのURLが定義され得る。つまり、提示装置10がウェブページCのURLに直接アクセスできるデバイスである場合には、当該第1要素のURLを用いてウェブページCにアクセスすることができる。提示装置10が放送通信連携機能を用いてアクセスする必要がある場合には、上記のAITのURLを経由して、ウェブページCのURLを取得し、ウェブページCにアクセスすることができる。
【0067】
なお、コンテンツメタデータの例について、後で
図8から
図26までを参照しながら説明する。
【0068】
図3および
図4は、システム1の動作の手順、および各部の相互作用の手順を示すシーケンスチャートである。
図3と
図4が、一連の動作の流れを示す。以下、このシーケンスチャートに沿って、システム1の動作手順を説明する。
【0069】
まず
図3のステップS11において、提示装置10のメタデータ解析部13は、コンテンツ発見サーバー装置40から、コンテンツメタデータを取得する。メタデータ解析部13は、取得したコンテンツメタデータを解析し、そのデータの内容を解釈することができる。メタデータ解析部13は、例えば、コンテンツメタデータを解析することによって、提示装置1において視聴可能(提示可能)なコンテンツの一覧の情報を獲得する。
【0070】
次にステップS12において、提示装置10のメタデータ解析部13は、ブラウザー17に対して、視聴可能コンテンツ一覧の情報を渡す。
【0071】
次にステップS13において、ブラウザー17は、ポータル画面を表示する。このポータル画面は、ステップS12においてメタデータ解析部13から渡された視聴可能コンテンツ一覧の情報に基づくものである。このポータル画面の提示を受けて、ユーザーは、視聴するコンテンツを選択する操作を行うことができる。
【0072】
次のステップS21からS23までの処理手順は、オプショナルな処理手順である。具体的には、ステップS21からS23までの処理手順は、放送コンテンツに関連する関連コンテンツの情報をユーザーが要求する場合の処理である。
【0073】
次にステップS21において、ブラウザー17は、ユーザーからの操作を受け付けることができる。ここで、ユーザーからの操作は、視聴可能な放送コンテンツの中から、特定の放送コンテンツを選択する操作であってよい。また、その場合、ユーザーの操作は、当該特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツの提示を要求するものであってよい。
【0074】
上記のユーザーからの操作に基づいて、次にステップS22において、ブラウザー17は、メタデータ解析部13から、“@type”:”Guide”で定義される配列の情報を取得する。つまり、ブラウザー17は、上記特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツの情報として、“@type”:”Guide”で定義される配列の情報を取得する。“@type”:”Guide”で定義される配列の情報は、元々はコンテンツメタデータ内において定義されている情報であり、関連コンテンツの所在場所の情報を持つものである。
【0075】
次にステップS23において、ブラウザー17は、ステップS22において取得した“@type”:”Guide”で定義される配列の情報に基づいて、関連コンテンツ一覧のページを画面に表示する。関連コンテンツは、放送コンテンツや、ネット配信動画や、ウェブページを含んでよい。これにより、ユーザーは特定の放送コンテンツに関連する関連コンテンツについて知ることができる。また、ユーザーは、関連コンテンツの一覧の中から適宜選択を行うことによって、その関連コンテンツを視聴あるいは閲覧することができる。つまり、ユーザーは、例えば放送コンテンツの画面に表示されたURLを読み取って装置に入力したり、そのURLを表す2次元コードを装置に読み取らせたりする必要がない。
【0076】
なお、関連コンテンツ一覧のページは、各コンテンツへのリンクの情報を持っている。
ブラウザー17は、上記の関連コンテンツ一覧のページの中からユーザーによって選択されたコンテンツを提示する。選択されたコンテンツがネット配信動画である場合には、ブラウザー17は、選択されたネット配信動画のURLに基づいて、そのネット配信動画を取得して提示する。選択されたコンテンツがウェブページである場合には、ブラウザー17は、選択されたウェブページのURLに基づいて、そのウェブページを取得して提示する。
【0077】
次にステップS31において、ブラウザー17は、ユーザーによる操作を受け付ける。
ここでは、この操作は、画面に表示されている一覧の中からコンテンツを選択する操作である。
【0078】
次にステップS32において、ブラウザー17は、ステップS31で受け付けた操作に基づいて、コンテンツ遷移制御部14に対して、再生コンテンツを選択する要求を行う。
これにより、コンテンツ遷移制御部14は、特定のコンテンツの提示が要求されていることを把握する。
【0079】
次にステップS33において、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、ステップS32において要求されたコンテンツに関するコンテンツメタデータの情報を取得する。本ステップでコンテンツ遷移制御部14が取得する情報は、放送番組の情報や、放送日時の情報(当該放送コンテンツの放送開始日時と放送終了日時)を含む。
【0080】
次に
図4に移って、ステップS41からS83までは、条件に応じたオルタナティブな処理を含む。条件判定による分岐は、下の(1)から(3)までの3つである。
【0081】
(1)つまり、提示装置10は、ステップS33(
図3)において取得した放送日時の情報に基づいて判定を行う。現在の時刻が、ステップS33において取得した放送コンテンツの放送日時に含まれている場合、即ち、放送開始日時以後であり且つ放送終了日時以前である場合には、提示装置10は、ステップS41およびS42の処理を行う。その他の場合(即ち、放送時間外である場合)には、提示装置10は、ステップS51からS83までの処理を行う。ステップS51からS83までは、下記の条件判定を含む。
【0082】
(2)また、提示装置10は、ステップS51の処理を行った場合に、その次に、ステップS51の処理結果に基づいて、ネット配信動画が利用可能であるか否かの判定を行う。ネット配信動画が利用可能である場合、提示装置10は、ステップS61およびS62の処理を行う。その他の場合(即ち、ネット配信動画が利用不可能である場合)には、提示装置10は、ステップS71からS83までの処理を行う。ステップS71からS83までは、下記の条件判定を含む。
【0083】
(3)また、提示装置10は、上記の判定においてネット配信動画が利用不可能であった場合に、自装置が、ハイブリッドキャスト対応の受信機であるか否かの判定を行う。提示装置10は、この判定を、例えばブラウザー17が持つUser-AgentあるいはUser-Agent Client Hintsの情報を参照することによって行う。なお、User-AgentあるいはUser-Agent Client Hintsの情報として、デバイス(クライアント装置)の種別等を表す属性を記述すること自体は、従来技術に属する手法である。自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合、提示装置10は、ステップS71からS74までの処理を行う。その他の場合(即ち、自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機ではなく、PCやスマートフォン等の端末装置である場合)には、提示装置10は、ステップS81からS83までの処理を行う。
【0084】
具体的な処理としては次のとおりである。即ち、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS33において取得した放送コンテンツの放送日時の情報に基づいて、当該放送コンテンツが現在放送中であるか否かを判定する。現在放送中である場合、即ち、放送開始日時≦現在時刻(日時)≦放送終了日時の条件を満たす場合には、次のステップS41の処理に進む。その他の場合、即ち現在放送中でない場合には、ステップS51の処理に飛ぶ。
【0085】
ステップS41に進んだ場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、放送通信連携機能部15に対して、目的とする放送コンテンツを受信するための選局を指示する。具体的には、コンテンツ遷移制御部14は、放送サービスを識別する情報(例えば、オリジナルネットワークIDと、トランスポートストリームIDと、サービスIDとの組み合わせ)を指定することにより、特定の放送サービスの選局を放送通信連携機能部15に指示する。放送サービスを識別する情報は、特定された放送コンテンツに関連して、メタデータ解析部13から渡されるものである。
【0086】
次にステップS42において、放送通信連携機能部15は、ステップS41において指定された放送サービスを選局し、ブラウザー17を介して放送コンテンツを提示する。即ち、提示装置10は、放送コンテンツの映像をディスプレイ画面に表示し、音声をスピーカー等から出力する。このとき、提示装置10によって受信される放送信号は、適宜、既存技術等を用いてデコードされる。以後、提示装置10は、ユーザーから別の指示を受け付けるまで、あるいは当該放送コンテンツの放送が終了するまで、放送コンテンツの提示を続ける。
【0087】
ステップS51に進むのは、前述のとおり、放送コンテンツが放送時間外である場合である。ステップS51において、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS31においてユーザーから指示されたコンテンツ(放送コンテンツ)に対応するネット配信動画の情報を、メタデータ解析部13から取得する。このネット配信動画の情報は、放送コンテンツに関連付けてコンテンツメタデータに記述されているものである。コンテンツ遷移制御部14は、ネット配信動画の情報として、少なくともネット配信動画を再生するためのURLの情報の取得を試みる。また、コンテンツ遷移制御部14は、ネット配信動画の情報として、配信日時の情報(配信開始日時および配信終了日時)、あるいは現時点でネット配信が可能であるか否かを表すフラグ情報をメタデータ解析部13から取得してもよい。
【0088】
そして、コンテンツ遷移制御部14は、そのネット配信動画が利用可能であるか否かを判定する。具体的には、コンテンツ遷移制御部14は、取得したネット配信動画のURLが有効であるか否かによってそのネット配信動画が利用可能であるか否かを判定上記の配信日時の情報に基づいて現時点でそのネット配信動画が利用可能であるか否かを判定したり、上記のフラグ情報に基づいて現時点でそのネット配信動画が利用可能であるか否かを判定したりしてよい。そのネット配信動画が利用可能である場合には、次にステップS61に進む。そのネット配信動画がその時点で利用不可能である場合には、ステップS71の直前に進む。
【0089】
ステップS61に進んだ場合には、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、ブラウザー17に、ネット配信動画にアクセスするためのURLを渡す。ブラウザー17は、渡されたURLで示される場所にアクセスし、ネット配信動画を受信する。
【0090】
次にステップS62において、ブラウザー17は、ステップS61においてアクセスしたネット配信動画を順次デコードし、提示する。具体的には、ブラウザー17は、ネット配信動画の映像をディスプレイ画面に表示し、音声をスピーカー等から出力する。ユーザーは、このネット配信動画を視聴することができる。なお、ネット配信動画は、例えば、数秒から数十秒程度の長さの動画の断片のファイルの集合から成る。ブラウザー17は、以後、この断片のファイルを受信して、ネット配信動画の提示を続ける。つまり、以後において、提示装置10は、ユーザーから別の指示を受け付けるまで、あるいは当該ネット配信動画の再生が終了するまで、ネット配信動画の提示を続ける。
【0091】
上のネット配信動画が利用可能であるか否かの判断の結果に基づいてステップS71の直前進んだ場合(即ち、ネット配信動画が利用不可能である場合)には、コンテンツ遷移制御部14は、自装置(提示装置10)が、ハイブリッドキャスト対応の受信機であるか否かを判定する。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合には、次のステップS71に進む。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合には、ステップS81に飛ぶ。
【0092】
ステップS71に進んだ場合には、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS31においてユーザーによって選択された放送コンテンツの代替となり得るウェブページを取得するためのAITのURLを、メタデータ解析部13から取得する。
このAITのURLは、元の放送コンテンツと関連付けて、コンテンツメタデータにおいて定義されているものである。
【0093】
次にステップS72において、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS71において取得したAITのURLを、放送通信連携機能部15に渡す。放送通信連携機能部15は、コンテンツ遷移制御部14から受け取ったAITのURLを用いて、AITを取得し、AITの内部を解析する。放送通信連携機能部15が取得したAITの内部には、ここで目的としているウェブページのURLが記述されている。つまり、放送通信連携機能部15は、そのウェブページのURLを取得する。
【0094】
次にステップS73において、放送通信連携機能部15は、ステップS72においてAIT内から取得したURL(代替となるウェブページのURL)を、ブラウザー17に渡し、そのURLによって示される位置のウェブページを取得するよう指示する。
【0095】
次にステップS74において、ブラウザー17は、ステップS73において放送通信連携機能部15から渡されたURLに基づいてウェブページを取得し、提示する。具体的には、ブラウザー17は、取得したウェブページを、ディスプレイ画面等に表示する。これにより、ユーザーは、当該ウェブページを閲覧することができる。このウェブページは、ステップS31においてユーザーによって選択された放送コンテンツの代替となり得るコンテンツである。ブラウザー17は、以後、ユーザーから別の指示を受け付けるまで、当該ウェブページの提示を続ける。
【0096】
ステップS81に進んだ場合(即ち、提示装置10がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合)には、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS31においてユーザーによって選択された放送コンテンツの代替となり得るウェブページのURLを、メタデータ解析部13から取得する。このウェブページのURLは、元の放送コンテンツと関連付けて、コンテンツメタデータにおいて定義されているものである。
【0097】
次にステップS82において、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS81において取得したURLをブラウザー17に渡すとともに、そのURLによって示される位置のウェブページを取得するようブラウザー17に指示する。
【0098】
次にステップS83において、ブラウザー17は、ステップS82においてコンテンツ遷移制御部14から渡されたURLに基づいてウェブページを取得し、提示する。具体的には、ブラウザー17は、取得したウェブページを、ディスプレイ画面等に表示する。これにより、ユーザーは、当該ウェブページを閲覧することができる。このウェブページは、ステップS31においてユーザーによって選択された放送コンテンツの代替となり得るコンテンツである。ブラウザー17は、以後、ユーザーから別の指示を受け付けるまで、当該ウェブページの提示を続ける。
【0099】
以上で、
図3および
図4に示した一連の処理は終了する。つまり、提示装置10は、自装置(提示装置10)の種別に応じて異なる方法で、ウェブページにアクセスし、そのウェブページを取得して、提示することができる。また、提示装置10は、放送コンテンツの提示がリクエストされたときに、その放送コンテンツが受信可能であるか否か(つまり、放送中であるか否か)を、コンテンツメタデータに基づいて判定する。放送コンテンツが受信可能である場合には、提示装置10は、その放送コンテンツを受信して提示する。
放送コンテンツが受信不可能である場合(放送時間外等の場合)には、提示装置10は、コンテンツメタデータに基づいて代替コンテンツを受信して提示することができる。代替コンテンツは、ネット配信動画(例えば、見逃し再配信の動画)であってよい。この場合には、提示装置10は、コンテンツメタデータに基づいてネット配信動画のURLを取得して、当該ネット配信動画にアクセスして提示する。また、ネット配信動画が利用不可能である場合には、代替コンテンツは、ウェブページであってよい。この場合には、提示装置10は、コンテンツメタデータに基づいてウェブページのURLを取得し、あるいはウェブページのURLを保持するアプリケーション情報テーブル(AIT)のURLを取得し、それらのURLに基づいて当該ウェブページにアクセスして、当該ウェブページを提示する。また、提示装置10は、放送コンテンツに関連する関連コンテンツ一覧のページを提示することができる。また、ユーザーの操作等によって関連コンテンツ一覧の中から選択されたコンテンツを、提示装置10は提示することができる。なお、関連コンテンツは、ウェブページであってよい。つまり、画面にURL(あるいは、そのURLを表す2次元コード)を表示したり、ユーザーが関連コンテンツを検索したりすることなく、提示装置10は、放送コンテンツに関連するウェブページを提示することができる。
【0100】
図5は、提示装置10が、自装置の種別に応じた方法でウェブページを提示する処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って処理手順を説明する。
【0101】
ステップS101において、提示装置10のコンテンツ遷移制御部14は、ウェブページへの遷移のリクエストを受け付ける。本ステップにおけるウェブページの遷移のリクエストは、
図4のシーケンス図におけるステップS51の処理の結果として、ネット配信動画の利用が不可能であることが判明したことに基づくものである。あるいは、ユーザーの操作等に基づいて、ウェブコンテンツの提示がリクエストされた場合に、本ステップおよびそれ以後のステップの処理を行うようにしてもよい。
【0102】
ステップS102において、コンテンツ遷移制御部14は、自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機であるか否かを判定する。この判定は、例えばブラウザー17が持つUser-AgentあるいはUser-Agent Client Hintsの情報を参照することによって行うことが可能である。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合(ステップS102:YES)には、次のステップS103に進む。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合(ステップS102:NO)には、ステップS106に飛ぶ。自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合、具体的には、自装置(提示装置10)は、例えば、放送受信機能を持たないPCや、放送受信機能を持たない携帯型端末装置(タブレット端末あるいはスマートフォン等)である。
【0103】
ステップS103に進んだ場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、AITのURLを取得する。このAITのURLは、コンテンツメタデータにおいて、<citation.potencialAction.target>の情報として記述されているものである。メタデータ解析部13は、取得したメタデータを解析することによって、このAITのURLを獲得している。このAITのURLは、コンテンツ遷移制御部14から、放送通信連携機能部15に渡される。なお、本ステップは、
図4のシーケンス図におけるステップS71およびS72の処理に対応する。
【0104】
ステップS104において、放送通信連携機能部15は、ステップS103で受け取ったAITのURLが示す場所にアクセスし、AITを取得する。
【0105】
ステップS105において、放送通信連携機能部15は、ステップS104で取得したAITの内部を読んで解釈することにより、AITの内部に記述されているウェブページのURLを取得する。放送通信連携機能部15は、このウェブページのURLを、ブラウザー17に渡す。なお、本ステップは、
図4のシーケンス図におけるステップS73の処理に対応する。本ステップの処理の終了後は、ステップS107に移る。
【0106】
ステップS106に進んだ場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、ウェブページのURLを取得する。このウェブページのURLは、コンテンツメタデータにおいて、<citation.potencialAction.target>の情報として記述されているものである。メタデータ解析部13は、取得したメタデータを解析することによって、このウェブページのURLを獲得している。このウェブページのURLは、コンテンツ遷移制御部14から、ブラウザー17に渡される。なお、本ステップは、
図4のシーケンス図におけるステップS81およびS82の処理に対応する。本ステップの処理の終了後は、ステップS107に移る。
【0107】
ステップS107において、ブラウザー17は、目的とするウェブページに遷移し、当該ウェブページを提示する。具体的には、ブラウザー17は、上のステップS105で放送通信連携機能部15から渡されたURL、または上のステップS106でコンテンツ遷移制御部14から渡されたURLのいずれかで示される場所にアクセスする。また、ブラウザー17は、当該場所のウェブサーバー装置から返されるウェブページを受信し、当該ウェブページをディスプレイ画面に表示する。
【0108】
ステップS107が完了すると、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0109】
図6は、提示装置10が、リクエストされた放送コンテンツについて、コンテンツの状況に応じて異なる形態のコンテンツ(代替コンテンツを含む)を提示するための処理の手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートに沿って処理手順を説明する。
【0110】
ステップS201において、提示装置10のコンテンツ遷移制御部14は、コンテンツへの遷移のリクエストを受け付ける。本ステップの処理は、
図3のシーケンス図におけるステップS32の処理に対応するものである。
【0111】
ステップS202において、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS201において要求されたコンテンツ(放送番組)の放送開始日時および放送終了日時をメタデータ解析部13から取得する(
図3におけるステップS33の処理の一部に対応)。そして、コンテンツ遷移制御部14は、当該コンテンツが現在放送中であるか否かを判定する。具体的には、コンテンツ遷移制御部14は、放送開始日時≦現在時刻(日時)≦放送終了日時の条件を満たす場合に、放送中であると判定する。なお、このとき、コンテンツ遷移制御部14は、GPS信号等に基づいて提示装置10の位置が当該コンテンツを放送するサービスの対象エリア内であるか否かを併せて判定してもよい。要求されたコンテンツが放送中である場合(ステップS202:YES)、次のステップS203に進む。要求されたコンテンツが放送中ではない場合(ステップS202:NO)には、ステップS205に飛ぶ。
【0112】
ステップS203に進んだ場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータの<publishedOn.identifier>において記述されている放送局情報を取得する。
この放送局情報は、放送サービスを一意に識別することのできる情報である。つまり、コンテンツ遷移制御部14は、コンテンツメタデータに記述されている、当該コンテンツ(放送番組)を放送するサービスの識別情報を取得する。なお、本ステップの処理は、
図3におけるステップS33の処理の一部に対応するものである。
【0113】
ステップS204において、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS203において取得した放送局情報を用いて、ハイブリッドキャスト機能の「tune」で、放送通信連携機能部15に対して選局を指示する。これにより、放送通信連携機能部15は、当該放送局情報によって指定された放送サービスの選局を行うための制御を実行する。これにより、不図示のチューナー機能部は、当該放送サービスを選局する。これにより、目的とする放送コンテンツの受信が開始される。受信された放送コンテンツは、ユーザーが視聴可能となるように提示される。つまり、放送コンテンツの映像はディスプレイ画面等に表示され、音声はスピーカー等から出力される。
【0114】
ステップS204において放送コンテンツの提示が開始されたことにより、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0115】
ステップS205に進んだ場合、即ち目的とするコンテンツが放送時間外であった場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータの<citation.associatedMedia>に要素が含まれるか否かを判定する。つまり、コンテンツ遷移制御部14は、<citation.associatedMedia>の要素として、放送コンテンツを代替するネット配信動画のURLを取得する。ここで、コンテンツ遷移制御部14は、併せて、そのネット配信動画がその時点において利用可能であるか否かの判定を行ってもよい。なお、本ステップの処理は、
図4におけるステップS51の処理に対応する。メタデータの<citation.associatedMedia>に要素が含まれる場合(ステップS205:YES)、次のステップS206に進む。メタデータの<citation.associatedMedia>に要素が含まれない場合(ステップS205:NO)、つまりネット配信動画がその時点において利用不可能である場合、ステップS207に飛ぶ。
【0116】
ステップS206に進んだ場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、ステップS205において取得したネット配信動画のURLを、ブラウザー17に渡すとともに、当該ネット配信動画の受信を要求する(
図4のステップS61の処理に対応)。
ブラウザー17は、このURLを用いて、当該ネット配信動画のファイルを順次受信するとともに、それぞれのファイルをデコードして、動画を再生する。つまり、ブラウザー17は、ネット配信動画の映像をディスプレイ画面に表示するとともに、音声をスピーカー等から出力する(
図4のステップS62の処理に対応)。
【0117】
ステップS206においてネット配信動画の提示が開始されたことにより、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0118】
一方、ステップS207に進んだ場合、即ちネット配信動画が利用不可能な状況である場合、同ステップにおいて、コンテンツ遷移制御部14は、メタデータ解析部13から、メタデータの<citation.potencialAction.target>の情報を基に、ウェブページのURLを取得する。このウェブページは、ステップS201においてリクエストされたコンテンツの代替コンテンツである。なお、本実施形態として、ステップS207において、<citation.potencialAction.target>の情報を基に、ウェブページのURLを取得する方法は、下の2種類である。
【0119】
ステップS207における第1の方法は、自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機である場合の処理方法(
図4のステップS71からS73までの処理に対応)である。この場合には、コンテンツ遷移制御部14は、上記のメタデータの<citation.potencialAction.target>の情報として、AITのURLをメタデータ解析部13から取得する(
図4のステップS71の処理に対応)。コンテンツ遷移制御部14は、取得したAITのURLを、放送通信連携機能部15に渡す(
図4のステップS72の処理に対応)。これを受けて、放送通信連携機能部15は、そのURLによって示される場所のAITを取得し、当該AIT内からウェブページのURLを取り出す。放送通信連携機能部15は、そのウェブページのURLをブラウザー17に渡す(
図4のステップS73の処理に対応)。
【0120】
ステップS207における第2の方法は、自装置(提示装置10)がハイブリッドキャスト対応の受信機ではない場合の処理方法(
図4のステップS81からS83までの処理に対応)である。この場合には、コンテンツ遷移制御部14は、上記のメタデータの<citation.potencialAction.target>の情報として、目的とするウェブページのURLをメタデータ解析部13から取得する(
図4のステップS81の処理に対応)。コンテンツ遷移制御部14は、取得したウェブページのURLを、ブラウザー17に渡す(
図4のステップS82の処理に対応)。
【0121】
ステップS208において、ブラウザー17は、ステップS207の処理において受け取ったURLを用いて、ウェブページを取得し、ユーザーに対して提示する。つまり、ブラウザー17は、ウェブページをディスプレイ画面に表示する。つまり、ブラウザー17は、そのウェブページのURLを受け取り、当該URLを用いてウェブページを取得し、そのウェブページを提示する(
図4のステップS74またはステップS83の処理に対応)。このようにして、提示装置10は、ステップS201においてリクセストされたコンテンツの代替コンテンツであるウェブページを提示する。
【0122】
ステップS206においてウェブページの提示が開始されたことにより、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0123】
以上説明したように、提示装置10は、ユーザーがリクエストした放送コンテンツが放送中であるか否かに応じて、自動的に、放送コンテンツの受信と、代替コンテンツの取得とを切り替えることができる。また、代替コンテンツがネット配信動画である場合に、提示装置10は、そのネット配信動画が利用可能な状況であるか否かに応じて、自動的に、そのネット配信動画を受信して提示するか、さらに別の代替コンテンツ(例えば、ウェブページ)を取得して提示するかを、切り替えることができる。
【0124】
図7は、提示装置10が、放送コンテンツに関連する関連コンテンツの一覧をユーザーに提示するとともに、選択された関連コンテンツを提示する処理の手順を示すフローチャートである。なお、ここで、関連コンテンツは、放送コンテンツだけではなくウェブページを含む。以下、このフローチャートに沿って処理手順を説明する。
【0125】
ステップS301において、ブラウザー17は、関連コンテンツリストのリクエストを受け付ける。本ステップの処理は、
図3におけるステップS21の処理に対応するものである。
【0126】
ステップS302において、ブラウザー17は、メタデータ解析部13から、コンテンツメタデータの<citation>の@type:Guideの要素から関連コンテンツの情報を取得する。
本ステップの処理は、
図3におけるステップS22の処理に対応するものである。
【0127】
ステップS303において、ブラウザー17は、関連コンテンツリスト(関連コンテンツの一覧)をユーザーに提示する。関連コンテンツリストは、ブラウザー17がステップS302においてメタデータ解析部13から取得した情報に基づいて構成し得るものである。つまり、ブラウザー17は、コンテンツメタデータでの記述に基づいて、特定のコンテンツに関連するコンテンツのリストを、ディスプレイ画面等に提示し、ユーザーによる選択を可能としている。本ステップの処理は、
図3におけるステップS23の処理に対応するものである。
【0128】
ステップS304において、ブラウザー17は、ユーザーの操作によるコンテンツの選択を受け付ける。つまり、ユーザーは、ステップS303においてブラウザーが提示した関連コンテンツのリストにおいて、閲覧を希望する関連コンテンツを選択することができる。なお、ユーザーが選択する操作は、例えば、マウスをクリックしたりタッチパネル式の画面にタッチしたりすることなどによって行われ得る。本ステップの処理は、
図3におけるステップS31の処理に対応するものである。
【0129】
ここでは、ユーザーが選択するコンテンツの種別は、放送コンテンツあるいはウェブページのいずれかである。
【0130】
ステップS305において、ブラウザー17は、ステップS304においてユーザーが選択したコンテンツを識別する情報を、コンテンツ遷移制御部14に通知する(
図3におけるステップS32の処理に対応)。そして、コンテンツ遷移制御部14は、ユーザーによって選択されたコンテンツの種別を判定する。ユーザーが選択したコンテンツが放送コンテンツである場合には、次にステップS306に進む。ユーザーが選択したコンテンツがウェブページである場合には、次にステップS307に進む。
【0131】
ステップS306に進んだ場合には、同ステップにおいて、提示装置10は、放送コンテンツ等への遷移の処理を行う。放送コンテンツ等への遷移の処理の手順は、
図6を参照しながら説明したとおりである。なお、目的とする放送コンテンツがその時点において放送中でない場合には、提示装置10は、代替コンテンツとして、ネット配信動画あるいはウェブページを提示するようにしてもよい。ステップS306においてコンテンツが提示されると、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0132】
ステップS307に進んだ場合には、同ステップにおいて、提示装置10は、ウェブページへの遷移の処理を行う。ウェブページへの遷移の処理は、
図5を参照しながら説明したとおりである。つまり、提示装置10は、自装置がハイブリッドキャスト対応の受信機であるか否かに応じて、それぞれ適した方法でウェブページのURLを獲得し、当該URLで示されるウェブページを取得してディスプレイ画面に表示する。ステップS307においてコンテンツ(ウェブページ)が提示されると、本フローチャート全体の処理を終了する。
【0133】
以上説明したように、提示装置10は、関連コンテンツのリストを提示したり、そのリストの中から選択された関連コンテンツを提示したりすることができる。
【0134】
次に、メタデータ解析部13がコンテンツ発見サーバー装置40から取得して解析するコンテンツメタデータの構造とそのサンプルについて説明する。
【0135】
図8から
図26までは、コンテンツメタデータのサンプルを示す概略図である。
図8から
図26までが、1件のコンテンツメタデータ(1ファイル)を示している。図示するように、コンテンツメタデータは、例えば、JSON(JavaScript Object Notation,JavaScriptのオブジェクト記法を用いたデータ交換フォーマット)形式のテキストとして記述され得る。ただし、コンテンツメタデータの記述形態はこの形式に限定されるものではなく、同等の情報を表現することのできる任意の形式を用いることができる。なお、
図8から
図26までにおいては、参照のための行番号を付している。例示しているコンテンツメタデータは、450行を有するため、
図8から
図26までの19枚の図面に分割している。
【0136】
図8から
図26までのそれぞれの図における行の範囲は、次のとおりである。
図8は、コンテンツメタデータの第1行目から第19行目までを含む。
図9は、第20行目から第43行目までを含む。
図10は、第44行目から第68行目までを含む。
図11は、第69行目から第89行目までを含む。
図12は、第90行目から第114行目までを含む。
図13は、第115行目から第140行目までを含む。
図14は、第141行目から第160行目までを含む。
図15は、第161行目から第182行目までを含む。
図16は、第183行目から第208行目までを含む。
図17は、第209行目から第229行目までを含む。
図18は、第230行目から第253行目までを含む。
図19は、第254行目から第279行目までを含む。
図20は、第280行目から第305行目までを含む。
図21は、第306行目から第331行目までを含む。
図22は、第332行目から第353行目までを含む。
図23は、第354行目から第379行目までを含む。
図24は、第380行目から第406行目までを含む。
図25は、第407行目から第432行目までを含む。
図26は、第433行目から第450行目までを含む。
【0137】
このコンテンツメタデータの構成の概略は、次のとおりである。
【0138】
第3行目の「"@type": "ItemList"」は、このデータがアイテムリストであることを示している。また、第6行目の「"numberOfItems": 2」は、そのアイテムの数が2であることを示している。
【0139】
第23行目の「"@type": "TVEpisode"」は、上記アイテムリストに含まれる第1のアイテムのタイプが「TVEpisode」、即ち放送コンテンツであることを示している。また、第24行目の「"@id": "content/133813"」は、当該コンテンツを識別するためのIDを示している。
【0140】
第63行目から第109行目までは、当該コンテンツの放送に関する情報を定義している。その中で、第67行目の「"startDate": "2023-06-19T13:00:00+09:00"」および第68行目の「"endDate": "2023-06-19T14:00:00+09:00"」は、それぞれ、放送開始日時および放送終了日時を記述しているものである。日時は、「YYYY-MM-DDThh:mm:ss±Z」(年・月・日、時・分・秒、タイムゾーン)の形式で表されている。例えば、放送開始日時は、「2023年06月19日、13時00分00秒、協定世界時(UTC)より9時間進んだタイムゾーン」を表している。このように、放送コンテンツに関して、メタデータが放送開始日時および放送終了日時を持つことにより、任意の時点において、提示装置10は、当該放送コンテンツが放送中であるか否かを判定することができる。また、この放送情報は、放送サービスを一意に識別するための、オリジナルネットワークID、トランスポートストリームID、およびサービスIDを含んでいる(第84行目から第100行目まで)。つまり、提示装置10は、この情報を用いて受信する放送サービスを選局することができる。
【0141】
第161行目から第219行目までの「"citation":」は、代替コンテンツに関する情報を含む。この「"citation":」において、第170行目の「"potentialAction":」は、「potentialAction」の開始を示し、その中の第173行目の「"target":」は、代替コンテンツの閲覧に関する情報を含む。この<citation.potentialAction.target>は、代替コンテンツであるウェブページ自体のURLや、その代替コンテンツであるウェブページにAIT経由でアクセスする際のAITのURLの情報を含んでいる。第174行目の「"https://example.net/app_test/hc/02.html"」は、代替コンテンツであるウェブページのURLを示している。第196行目の「"value": https://example.net/ait/hcapp_02.ait」は、そのAITのURLを示している。このようなコンテンツメタデータに基づき、提示装置10は、代替コンテンツとしてのウェブページに、直接のURLに基づいてアクセスすることもできるし、放送に関連付けられたAITを経由して(AIT内にウェブページのURLが記述され得る)アクセスすることもできる。
【0142】
第222行目の「"@type": "Guide"」および第224行目の「"description": "関連番組"」は、関連番組に関する情報であることを表している。第221行目から第393行目までは、関連番組に関する情報である。第225行目から第392行目までの「"hasPart"」が、関連番組に関する情報の実体を持つ。
【0143】
そのうちの、第226行目から第290行目までは、1つの放送コンテンツについての記述である。この中の第228行目の「"@type": "TVEpisode"」は、当該コンテンツが放送コンテンツであることを示している。また、この中における第261行目から第283目までの「"associatedMedia":」は、上記放送コンテンツの代替コンテンツについての記述である。当該代替コンテンツは、ネット配信動画である。つまり、第263行目の「"@type": "VideoObject"」は、当該代替コンテンツが動画オブジェクトであることを示している。
第271行目から第278行目までの「"publishedOn":」は、当該ネット配信動画の配信方法に関する情報(URL等を含む)を記述するものである。
【0144】
また、第332行目から第390行目までの「"citation":」は、放送コンテンツに関連するコンテンツとしてのウェブページの情報を持つ。第336行目の「"@type": "WebPage"」は、放送コンテンツに関連するこのコンテンツがウェブページであることを表している。第334行目の「"url": "https://example.net/app_test/hc/01.html"」は、そのウェブページのURLを表している。このように、本実施形態のコンテンツメタデータでは、放送コンテンツの関連コンテンツとして、放送コンテンツ(映像コンテンツ)だけではなくウェブページのコンテンツを定義することができる。このため、提示装置10は、ある放送コンテンツの関連コンテンツリストの一部に、ウェブページを含めて提示することができる。また、関連コンテンツリストの中からウェブページの関連コンテンツがユーザーによって選択され、リクエストされたとき、提示装置10は、コンテンツメタデータ内に記述されたURLを用いて、関連コンテンツとしてのウェブページにアクセスし、ユーザーに対して提示することができる。
【0145】
図27は、上で説明した実施形態におけるシステム1を構成する各装置の内部構成の例を示すブロック図である。各装置(提示装置10、放送信号送信装置20、ウェブサーバー装置30、コンテンツ発見サーバー装置40のそれぞれ)の少なくとも一部の機能は、コンピューターを用いて実現され得る。図示するように、そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポート903にアクセスする。
【0146】
なお、各装置(提示装置10、放送信号送信装置20、ウェブサーバー装置30、コンテンツ発見サーバー装置40のそれぞれ)の少なくとも一部の機能をコンピューターおよびプログラムで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0147】
以上、この発明の実施形態について図面を参照しながら詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、例えば、コンテンツ配信事業(放送事業を含む)において利用することができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
【符号の説明】
【0149】
1 システム
7 通信ネットワーク
10 提示装置(受信機)
12 提示制御装置
13 メタデータ解析部
14 コンテンツ遷移制御部
15 放送通信連携機能部(放送通信連携処理部)
17 ブラウザー(提示部)
20 放送信号送信装置
30 ウェブサーバー装置
40 コンテンツ発見サーバー装置
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス