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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025003133
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】面状光源
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20241226BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20241226BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20241226BHJP
   H10H 20/855 20250101ALI20241226BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241226BHJP
【FI】
F21S2/00 441
F21S2/00 439
F21V8/00 310
F21V19/00 170
F21V19/00 150
H01L33/58
F21Y115:10 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023103634
(22)【出願日】2023-06-23
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】米澤 政樹
【テーマコード(参考)】
3K013
3K244
5F142
【Fターム(参考)】
3K013AA06
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013EA13
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA18
3K244BA23
3K244BA31
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA19
3K244EA34
3K244EB02
3K244FA11
3K244GA05
3K244GB22
3K244GB29
3K244GC22
3K244GC29
5F142AA13
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD24
5F142CD44
5F142CE04
5F142CE06
5F142CE16
5F142CG03
5F142DA12
5F142DA32
5F142DB17
5F142DB18
5F142DB30
5F142FA50
5F142GA11
(57)【要約】
【課題】輝度むらを低減できる面状光源を提供する。
【解決手段】支持部材60と、支持部材60の上に配置され、上下方向に貫通する第1貫通孔50hを有する導光部材50と、第1貫通孔50hの内部に配置された光源10と、第1貫通孔50hを画定する導光部材50の内側面50sに接して配置され、導光部材50の屈折率よりも低い屈折率を有する第1透光性部材21と、第1貫通孔50hの内部において、光源10と第1透光性部材21との間に配置された気体部40と、光源10及び気体部40の上に配置された光調整部材30と、光源10と光調整部材30とに接して配置された第1部分22aを有し、導光部材50の屈折率よりも低い屈折率を有する第2透光性部材22と、を備えた、面状光源100。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、
前記支持部材の上に配置され、上下方向に貫通する第1貫通孔を有する導光部材と、
前記第1貫通孔の内部に配置された光源と、
前記第1貫通孔を画定する前記導光部材の内側面に接して配置され、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する第1透光性部材と、
前記第1貫通孔の内部において、前記光源と前記第1透光性部材との間に配置された気体部と、
前記光源及び前記気体部の上に配置された光調整部材と、
前記光源と前記光調整部材とに接して配置された第1部分を有し、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を備えた、面状光源。
【請求項2】
前記第2透光性部材は、前記光源と前記第1透光性部材とに接し、かつ、前記気体部の下方に配置された第2部分をさらに有する、請求項1に記載の面状光源。
【請求項3】
前記第1透光性部材は、前記光源に面する内面を有し、
前記内面は、前記内面と前記光源との間の距離が下方に向かうにつれて小さくなる傾斜面または湾曲面である、請求項1に記載の面状光源。
【請求項4】
前記光調整部材は、上面視において、前記気体部よりも外側に位置する複数の第2貫通孔を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、面状光源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光部材とを組み合わせた面状光源は、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。例えば、特許文献1には、導光板の収容孔内に光源を配置し、光源の上方に反射部を設け、光源の直上が明るくなりすぎることを低減した面状照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/070855号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、輝度むらを低減できる面状光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態に係る面状光源は、支持部材と、導光部材と、光源と、第1透光性部材と、気体部と、光調整部材と、第2透光性部材と、を備える。前記導光部材は、前記支持部材の上に配置される。前記導光部材は、上下方向に貫通する第1貫通孔を有する。前記光源は、前記第1貫通孔の内部に配置される。前記第1透光性部材は、前記第1貫通孔を画定する前記導光部材の内側面に接して配置される。前記第1透光性部材は、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する。前記気体部は、前記第1貫通孔の内部において、前記光源と前記第1透光性部材との間に配置される。前記光調整部材は、前記光源及び前記気体部の上に配置される。前記第2透光性部材は、前記光源と前記光調整部材とに接して配置された第1部分を有する。前記第2透光性部材は、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、輝度むらを低減できる面状光源を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る面状光源を示す平面図である。
図2】実施形態に係る面状光源の一部を示す拡大平面図である。
図3】実施形態に係る面状光源の一部を示す断面図である。
図4】実施形態に係る面状光源の一部を示す拡大断面図である。
図5】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す断面図である。
図6】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す断面図である。
図7】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す断面図である。
図8】実施形態に係る面状光源の製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
また、以下では、説明をわかりやすくするために、XYZ直交座標系を用いて、各部分の配置及び構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交している。またX軸が延びる方向を「X方向」とし、Y軸が延びる方向を「Y方向」とし、Z軸が延びる方向を「Z方向」とする。また、説明をわかりやすくするために、Z方向のうち矢印の方向を上方、その逆方向を下方とするが、これらの方向は、重力方向とは無関係である。
【0010】
図1は、実施形態に係る面状光源を示す平面図である。
図2は、実施形態に係る面状光源の一部を示す拡大平面図である。
図3は、実施形態に係る面状光源の一部を示す断面図である。
図4は、実施形態に係る面状光源の一部を示す拡大断面図である。
図3は、図2に示したIII-III線による断面図である。
図1図4に表したように、実施形態に係る面状光源100は、支持部材60と、導光部材50と、光源10と、第1透光性部材21と、気体部40と、光調整部材30と、第2透光性部材22と、を備える。
【0011】
<支持部材>
支持部材60は、導光部材50、光源10、第1透光性部材21、気体部40、光調整部材30、及び第2透光性部材22を支持する。導光部材50、光源10、第1透光性部材21、気体部40、光調整部材30、及び第2透光性部材22は、支持部材60の上に配置される。支持部材60については、後述する。
【0012】
<導光部材>
導光部材50は、支持部材60の上に配置される。導光部材50は、Z方向において、支持部材60と重なる。導光部材50は、上面50aと、下面50bと、を有する。導光部材50は、下面50bを支持部材60の上面に対向させて、支持部材60の上に配置される。
【0013】
導光部材50は、上下方向(Z方向)に貫通する第1貫通孔50hを有する。第1貫通孔50hは、上面50aから下面50bまで貫通する。導光部材50は、第1貫通孔50hを画定する内側面50sを有する。第1貫通孔50hは、内側面50sにより囲まれた領域の内側である。光源10及び第1透光性部材21は、第1貫通孔50hの内部に配置される。
【0014】
導光部材50は、平面視において、光源10及び第1透光性部材21の周囲を連続して囲む。第1貫通孔50hの平面視における形状は、例えば、円形である。第1貫通孔50hの平面視における形状は、例えば、楕円形、または、三角形、四角形、六角形もしくは八角形等の多角形であってもよい。
【0015】
導光部材50は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する導光部材50の透過率は、例えば、光源10の発光ピーク波長に対する光調整部材30の透過率よりも高い。光源10の発光ピーク波長に対する導光部材50の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
【0016】
導光部材50の材料としては、例えば、後述の被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。また、導光部材50の材料として、ガラス等を用いてもよい。導光部材50は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0017】
導光部材50のZ方向における厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。導光部材50は、Z方向において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材50が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着剤を配置してもよい。なお、各層の間に接着剤を配置しなくてもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよく、同じ種類の主材を用いてもよい。
【0018】
面状光源100では、導光部材50は、X方向及びY方向に延びる区画溝54によって、複数の発光領域55に区画されている。1つの発光領域55は、ローカルディミングの駆動単位とすることができる。図1には、面状光源100の発光面において、例えば4つの発光領域55が配置された部分を示す。なお、面状光源100は、複数の発光領域55に限らず、1つの発光領域55を備えた構成であってもよい。また、導光部材50が区画溝54を有することにより、発光状態の発光領域55と、非発光状態の発光領域55とのコントラスト比を向上させやすくなる。例えば、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光の一部は、区画溝54を画定する導光部材50の表面によって反射または屈折する。このため、導光部材50内を横方向に伝搬する光源10からの光が、隣りに位置する発光領域の導光部材50に入射することを低減しやすくなる。これにより、発光状態の発光領域55と、非発光状態の発光領域55とのコントラスト比を向上させやすくなる。
【0019】
区画溝54は、導光部材50の上面50aから下面50bまで貫通することが好ましい。これにより、導光部材50を複数に分離することができるので、例えば導光部材50と、導光部材50を支持する支持部材60との熱膨張係数の違いから生じる支持部材60の反りを低減することができる。支持部材60の反りの低減により、後述する導電部材67に亀裂が生じることを低減できる。また、区画溝54は、導光部材50の上面50a側のみにおいて開口する凹部であってもよく、導光部材50の下面50b側のみにおいて開口する凹部であってもよい。区画溝54が凹部の場合には、区画溝54は導光部材50により画定される底面を備えている。
【0020】
区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されていてもよい。これにより、発光状態の発光領域55と、非発光状態の発光領域55とのコントラスト比を向上させることができる。なお、区画溝54内に、光源10が発する光に対する反射性を有する部材が配置されなくてもよい。
【0021】
<光源>
光源10は、支持部材60の上に配置される。光源10は、Z方向において、支持部材60と重なる。光源10は、導光部材50の第1貫通孔50hの内部に配置される。光源10は、例えば、X方向において、導光部材50と重なる。光源10は、例えば、Y方向において、導光部材50と重なる。光源10は、上面10aと、下面10bと、側面10sと、を有する。光源10は、下面10bを支持部材60の上面に対向させて、支持部材60の上に配置される。光源10は、側面10sを導光部材50の内側面50sに対向させて、第1貫通孔50hの内部に配置される。
【0022】
光源10は、光を発する。図3に示す例では、光源10は、発光素子11と、正負の一対の電極12と、光源透光性部材13と、被覆部材15と、を含む。
【0023】
発光素子11は、半導体構造体を含む。半導体構造体は、例えば、サファイアまたは窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、n型半導体層とp型半導体層に挟まれた発光層と、を含む。また、発光素子11は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極と、を含む。n側電極及びp側電極は、発光素子11の下面の一部を構成する。
【0024】
発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光または紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体構造体としては、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。
【0025】
半導体構造体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体構造体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体構造体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば、半導体構造体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、または緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0026】
1つの光源10は、少なくとも1つの発光素子11を含んでいる。1つの光源10は、複数の発光素子11を含んでいてもよい。1つの光源10が含む複数の発光素子の発光ピーク波長は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、1つの光源10が2つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光、青色光と赤色光、紫外光と青光、紫外光と緑色光、紫外光と赤色光、または緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。例えば、1つの光源10が3つの発光素子を含む場合、青色光と緑色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光、紫外光と青色光と緑色光、紫外光と青色光と赤色光、紫外光と緑色光と赤色光などの組み合わせで発光素子の発光ピーク波長を選択することができる。
【0027】
電極12は、発光素子11の下に配置される。電極12は、Z方向において、支持部材60と、発光素子11と、の間に配置される。電極12は、光源10の下面10bの一部を構成する。一対の電極12のうちの一方は、発光素子11のp側電極と電気的に接続されている。一対の電極12のうちの他方は、発光素子11のn側電極と電気的に接続されている。
【0028】
光源透光性部材13は、発光素子11の上及び側方に配置される。光源透光性部材13は、発光素子11の上面及び側面を覆っている。発光素子11は、例えば、Z方向において、支持部材60と、光源透光性部材13と、の間に配置される。発光素子11は、例えば、X方向において、2つの光源透光性部材13の間に配置される。発光素子11は、例えば、Y方向において、2つの光源透光性部材13の間に配置される。光源透光性部材13は、例えば、光源10の側面10sを構成する。
【0029】
光源透光性部材13によって発光素子11を保護することができる。光源透光性部材13は、発光素子11の上面の少なくとも一部を露出させるように配置されていてもよい。これにより、Z方向において光源10を小型化しやすくなる。
【0030】
光源透光性部材13は、発光素子11が発する光に対する透光性を有する。例えば、光源透光性部材13は、透光性樹脂を含み、蛍光体をさらに含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂またはエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)もしくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)もしくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)もしくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、またはカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。光源透光性部材13に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0031】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源100上に配置してもよい。波長変換シートは、光源10からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/または赤色光を発し、面状光源100としては白色光を出射することができる。例えば、青色の発光が可能な光源10と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な光源10と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な光源10と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子11と赤色の発光が可能な蛍光体を含有する光源透光性部材13とを有する光源10と、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせてもよい。
【0032】
波長変換シートに用いられる黄色の発光が可能な蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の発光が可能な蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する量子ドット、III-V族量子ドット、または、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の発光が可能な蛍光体としては、緑色の発光が可能な蛍光体と同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体、III-V族量子ドット、または、カルコパイライト構造を有する量子ドットを用いるのが好ましい。
【0033】
被覆部材15は、発光素子11の下に配置される。被覆部材15は、例えば、Z方向において、支持部材60と、発光素子11と、の間に配置される。被覆部材15は、光源10の下面10bの一部を構成する。被覆部材15は、光源10の電極12の下面が被覆部材15から露出するように配置される。被覆部材15は、発光素子11の側面を覆う光源透光性部材13の下にも配置される。
【0034】
被覆部材15は、発光素子11が発する光に対する反射性を有する。被覆部材15には、例えば、窒素や酸素等の気体を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材等を用いることができる。被覆部材15の樹脂部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂もしくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、または、エポキシ樹脂もしくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。被覆部材15の光散乱粒子としては、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、または、ガラス等の粒子を用いることができる。被覆部材15は、気体と光散乱粒子の両方を含んでいてもよい。
【0035】
光源10は、図3に示す形態に限らない。以下に、光源10の他の形態について説明する。
【0036】
発光素子11は、サファイアまたは窒化ガリウム等の基板を含まなくてもよい。これにより、Z方向において光源10を小型化しやすくなる。また、光源10は、電極12を含まなくてもよい。光源10が電極12を含まない場合には、発光素子11のn側電極とp側電極とが、光源10の下面の一部を構成する。また、光源10は、光源透光性部材13を含まなくてもよい。また、光源10は、被覆部材15を含まなくてもよい。例えば、発光素子11の下面、電極12の下面、及び、光源透光性部材13の下面によって光源10の下面が構成されていてもよい。また、光源10は、発光素子11の単体のみであってもよい。
【0037】
光源10は、光源透光性部材13の上に設けられる光源光調整部材をさらに含んでもよい。光源10が光源光調整部材を含む場合、光源光調整部材は、光源10の上面10aの少なくとも一部を構成する。光源10が光源透光性部材13を含まない場合、光源光調整部材は、発光素子11の上に設けられる。
【0038】
光源光調整部材は、光源透光性部材13の上面から出射する光の量や出射方向を調整する。光源光調整部材は、発光素子11が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源透光性部材13の上面から出射した光の一部は、光源光調整部材により反射する。光源透光性部材13の上面から出射した光の他の一部は、光源光調整部材を透過する。発光素子11のピーク波長に対する光源光調整部材の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下がより好ましい。光源10が光源光調整部材を含むことにより、光源10の直上が明るくなりすぎることを低減できる。これにより、輝度むらを低減できる。
【0039】
光源光調整部材は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。光源光調整部材の樹脂部材としては、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光源光調整部材の光散乱粒子としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。また、光源光調整部材は、例えば、アルミニウムもしくは銀などの金属部材、または誘電体多層膜であってもよい。
【0040】
光源10の平面視における形状は、特に限定されない。光源10の平面視における形状は、例えば、円形、三角形、四角形、六角形または八角形等の形状とすることができる。光源10の平面視における形状が四角形の場合には、光源10の互いに平行な一対の外縁がX方向と平行でもよく、X方向に対して傾斜していてもよい。本実施形態では、光源10の互いに平行な一対の外縁がX方向に対して45°傾斜している。
【0041】
<第1透光性部材>
第1透光性部材21は、支持部材60の上に配置される。第1透光性部材21は、Z方向において、支持部材60と重なる。第1透光性部材21は、導光部材50の第1貫通孔50hの内部に配置される。第1透光性部材21は、光源10と離隔して配置される。第1透光性部材21は、断面視において、光源10の側面10sと、導光部材50の内側面50sと、の間に配置される。第1透光性部材21は、例えば、X方向において、光源10の側面10sと、導光部材50の内側面50sと、の間に配置される。第1透光性部材21は、例えば、Y方向において、光源10の側面10sと、導光部材50の内側面50sと、の間に配置される。
【0042】
第1透光性部材21は、導光部材50の内側面50sに接して配置される。これにより、光源10からの光が、第1透光性部材21内を伝搬して、導光部材50に入射しやすくなる。したがって、光源10からの光を横方向においてさらに広い領域に伝搬しやすくできる。
【0043】
第1透光性部材21は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第1透光性部材21の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。第1透光性部材21は、導光部材50の屈折率よりも低い屈折率を有する。第1透光性部材21の屈折率は、例えば、1.59以下が好ましい。
【0044】
第1透光性部材21は、平面視において、光源10の周囲を連続して囲む。これにより、光源10の周囲の360°の方向において、光源10からの光が第1透光性部材21に入射しやすくなる。
【0045】
第1透光性部材21は、光源10の上面10aの少なくとも一部を露出させるように配置されていることが好ましい。これにより、第1透光性部材21が光源10の上面10aの全てを覆う場合よりも、Z方向において面状光源100を小型化しやすくなる。第1透光性部材21は、光源10の上面10aの全てを露出させるように配置されていてもよい。
【0046】
第1透光性部材21は、Z方向において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第1透光性部材21は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。第1透光性部材21が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/または光散乱粒子を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。第1透光性部材21は、例えば、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層と、で構成されていてもよい。第1透光性部材21の材料として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。
【0047】
第1透光性部材21は、光源10に面する内面21sを有する。内面21sは、X方向において、光源10の側面10sに面する。内面21sは、Y方向において、光源10の側面10sに面する。
【0048】
内面21sは、内面21sと光源10(側面10s)との間の距離が下方に向かうにつれて小さくなる傾斜面または湾曲面である。これにより、内面21sが支持部材60の上面に対して垂直な面である場合と比較して内面21sの表面積が大きくなるため、光源10からの光が、内面21sから第1透光性部材21に入射しやすくなる。したがって、光源10からの光を横方向においてさらに広い領域に伝搬しやすくできる。
【0049】
<気体部>
気体部40は、第1貫通孔50hの内部において、光源10と、第1透光性部材21と、の間に配置される。気体部40の少なくとも一部は、例えば、X方向において、光源10と、第1透光性部材21と、の間に配置される。気体部40の少なくとも一部は、例えば、Y方向において、光源10と、第1透光性部材21と、の間に配置される。気体部40の少なくとも一部は、例えば、Z方向において、第1透光性部材21と、光調整部材30と、の間に配置される。
【0050】
気体部40は、例えば、気体を含む。気体部40は、例えば、気体からなる。気体部40は、例えば、1気圧の大気を含む。気体部40は、例えば、1気圧の大気からなる。
【0051】
気体部40を設けることで、光源10から第1透光性部材21に向かう光を、気体部40と第1透光性部材21との界面における屈折や反射により、第1透光性部材21の上方へと向きを変えやすくなるこれにより、光源10の直上に出射される光を低減することができる。また、気体部40を設けることで、光源10から第1透光性部材21に向かう光を、横方向に広げやすくなる。これにより、光源10の直上が明るくなりすぎることを低減でき、輝度むらを低減できる。
【0052】
<光調整部材>
光調整部材30は、光源10及び気体部40の上に配置される。光調整部材30は、Z方向において、光源10及び気体部40と重なる。光調整部材30は、上面30aと、下面30bと、を有する。光調整部材30は、下面30bを光源10の上面10aに対向させて、光源10の上に配置される。
【0053】
光調整部材30は、例えば、第1透光性部材21の上に配置されていてもよい。光調整部材30は、例えば、Z方向において、第1透光性部材21と重なっていてもよい。光調整部材30は、例えば、導光部材50の上に配置されていてもよい。光調整部材30は、例えば、Z方向において、導光部材50と重なっていてもよい。
【0054】
光調整部材30は、光源10が発する光に対する反射性及び透光性を有する。光源10から出射した光の一部は、光調整部材30により反射する。光源10から出射した光の他の一部は、光調整部材30を透過する。光源10のピーク波長に対する光調整部材30の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下がより好ましい。
【0055】
光調整部材30は、例えば、樹脂部材(以下、光調整樹脂部材という)と、光調整樹脂部材に含まれる反射体(以下、光調整反射体という)によって構成することができる。光調整樹脂部材の材料としては、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。光調整反射体の材料としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。光調整反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。光調整部材30は、光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。光調整部材30は、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。
【0056】
光調整部材30が光源10の上に配置されることで、光源10の直上が明るくなりすぎることを低減でき、輝度むらを低減できる。また、光調整部材30が第1透光性部材21の上に配置されることで、第1透光性部材21の直上(光源10の直上の周辺)が明るくなりすぎることを低減でき、輝度むらを低減できる。
【0057】
第1透光性部材21と導光部材50との界面(導光部材50の内側面50s)においては、屈折や反射により、上方に光が向かいやすい。そのため、面状光源100の発光面において、内側面50sの上端の近傍は明るくなりやすい場合がある。光調整部材30が導光部材50の上に配置されることで、光調整部材30によって内側面50sの上端を覆うことができる。これにより、内側面50sの上端の近傍が明るくなりすぎることを低減でき、輝度むらを低減できる。
【0058】
なお、光調整部材30は、導光部材50の上に配置されなくてもよい。光調整部材30が導光部材50の上に配置されないことで、光調整部材30から露出する第1透光性部材21の面積が増加し、光調整部材30を介さずに第1透光性部材21から上方に取り出される光の量を増やすことができる。
【0059】
光調整部材30が導光部材50の上に配置される場合、光調整部材30は、例えば、複数の第2貫通孔30hを有する。第2貫通孔30hは、光調整部材30の上面30aから下面30bまで貫通する。光調整部材30が第2貫通孔30hを有することにより、光調整部材30の直上領域における輝度の調整が容易になる。例えば、第2貫通孔30hの大きさや位置を変更することにより、光調整部材30によって遮られる光源10からの光を調整できる。これにより、光調整部材30の直上領域における輝度の調整が容易になるので、面状光源100の輝度むらを低減させやすくなる。第2貫通孔30hは、上面視において、気体部40よりも外側に位置する。第2貫通孔30hは、Z方向において、光源10及び気体部40と重ならない。このようにすることで、光源10及び気体部40の直上領域が明るくなりすぎることを低減することができる。
【0060】
<第2透光性部材>
第2透光性部材22は、光源10の上、かつ、光調整部材30の下に配置される。第2透光性部材22は、Z方向において、光源10と、光調整部材30と、の間に配置される。第2透光性部材22は、光源10と、光調整部材30と、を接着する。第2透光性部材22は、光源10の上面10a及び光調整部材30の下面30bに接する。
【0061】
第2透光性部材22は、気体部40の上、かつ、光調整部材30の下に配置されていてもよい。第2透光性部材22は、Z方向において、気体部40と、光調整部材30と、の間に配置されていてもよい。
【0062】
第2透光性部材22は、第1透光性部材21の上、かつ、光調整部材30の下に配置されていてもよい。第2透光性部材22は、Z方向において、第1透光性部材21と、光調整部材30と、の間に配置されていてもよい。
【0063】
第2透光性部材22は、導光部材50の上、かつ、光調整部材30の下に配置されていてもよい。第2透光性部材22は、Z方向において、導光部材50と、光調整部材30と、の間に配置されていてもよい。この場合、第2透光性部材22は、導光部材50と、光調整部材30と、を接着する。第2透光性部材22は、導光部材50の上面50a及び光調整部材30の下面30bに接する。
【0064】
第2透光性部材22は、光源10が発する光に対する透光性を有する。光源10の発光ピーク波長に対する第2透光性部材22の透過率は、例えば、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。第2透光性部材22は、導光部材50の屈折率よりも低い屈折率を有する。第2透光性部材22の屈折率は、例えば、1.59以下が好ましい。また、第2透光性部材22は、第1透光性部材21の屈折率よりも低い屈折率を有することが好ましい。
【0065】
光源10の上、第1透光性部材21の上、及び導光部材50の上に位置する第2透光性部材22のZ方向における最大厚さは、例えば、第1透光性部材21のZ方向における最大厚さよりも薄い。
【0066】
第2透光性部材22の材料としては、例えば、第1透光性部材21の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。この場合、第1透光性部材21と第2透光性部材22との屈折率差を小さくできる。これにより、第1透光性部材21と第2透光性部材22との界面における光の反射を低減でき、上方への光取り出し量を向上させやすくなる。第2透光性部材22は、蛍光体や光散乱粒子を含んでいてもよい。
【0067】
第2透光性部材22は、第1部分22aと、第2部分22bと、を有する。第1部分22aは、光源10と光調整部材30とに接して配置されている。第2部分22bは、光源10と第1透光性部材21とに接して配置されている。第2部分22bの少なくとも一部は、例えば、気体部40の下方に配置されている。これにより、光源10から第1透光性部材21に光を入射させやすくなる。
【0068】
図3に示す例では、第2部分22bの一部は、気体部40と第1透光性部材21との間に配置されている。また、この例では、第2部分22bの他の一部は、気体部40と光源10との間に配置されている。
【0069】
以下、支持部材について、さらに詳しく説明する。
支持部材60は、配線基板61と、第1接着層63と、反射部材64と、第2接着層65と、絶縁層66と、導電部材67と、を有する。
【0070】
配線基板61は、絶縁基材61aと、絶縁基材61aの少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層61bと、を有する。絶縁基材61aは、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源100の薄型化のため、絶縁基材61aは、フレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材61aは、Z方向において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材61aは、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材61aの材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層61bは、金属膜であり、例えば、銅膜である。
【0071】
第1接着層63は、配線基板61の上に配置されている。第1接着層63は、反射部材64の下に配置されている。第1接着層63は、第2透光性部材22の下に配置されている。第1接着層63は、光源10の下に配置されている。第1接着層63は、Z方向において、配線基板61と反射部材64との間に配置されている。第1接着層63は、Z方向において、配線基板61と第2透光性部材22との間に配置されている。第1接着層63は、Z方向において、配線基板61と光源10との間に配置されている。第1接着層63は、光源10の下に配置されていなくてもよい。
【0072】
第1接着層63は、配線基板61と反射部材64とを接着している。第1接着層63は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第1接着層63の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第1接着層63の光散乱粒子として、例えば、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第1接着層63として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0073】
第1接着層63の樹脂部材の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。第1接着層63の樹脂部材の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64から第1接着層63に進む光の一部が、反射部材64と第1接着層63との界面において全反射しやすくなる。これにより、面状光源100の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0074】
反射部材64は、第1接着層63の上に配置されている。反射部材64は、第2接着層65の下に配置されている。反射部材64は、Z方向において、第1接着層63と第2接着層65との間に配置されている。反射部材64は、X方向及びY方向において、光源10と重なっている。反射部材64は、X方向及びY方向において、第2透光性部材22と重なっている。
【0075】
反射部材64は、光源10が発する光に対する反射性を有する。反射部材64は、樹脂部材と、樹脂部材中に含まれる反射体によって構成することができる。反射部材64の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体の材料としては、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。反射部材64の反射体として窒素や酸素等の気体を用いてもよい。また、反射部材64は、反射体として光散乱粒子と気体の両方を含んでいてもよい。
【0076】
反射部材64の反射体の屈折率は、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低いことが好ましい。反射部材64の反射体の屈折率を、反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低くすることで、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。これにより、反射部材64から下方へ光が抜ける低減できるので、面状光源100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0077】
反射部材64の反射体の屈折率が反射部材64の樹脂部材の屈折率よりも低い場合には、反射部材64の樹脂部材の屈折率は導光部材50の屈折率よりも高いことが好ましい。これにより、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体の屈折率差を大きくしやすくなり、反射部材64に入射した光源10からの光の一部が、反射部材64の樹脂部材と反射部材64の反射体との界面において全反射しやすくなる。
【0078】
第2接着層65は、反射部材64の上に配置されている。第2接着層65は、導光部材50の下に配置されている。第2接着層65は、第1透光性部材21の下に配置されている。第1接着層63は、Z方向において、反射部材64と導光部材50との間に配置されている。第1接着層63は、Z方向において、反射部材64と第1透光性部材21との間に配置されている。反射部材64は、X方向及びY方向において、光源10と重なっている。反射部材64は、X方向及びY方向において、第2透光性部材22と重なっている。
【0079】
第2接着層65は、反射部材64と導光部材50とを接着している。第2接着層65は、反射部材64と第1透光性部材21とを接着している。第2接着層65は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材によって構成することができる。第2接着層65の樹脂部材として、例えば、被覆部材15の樹脂部材と同様の材料を用いることができる。第2接着層65の光散乱粒子として、例えば、被覆部材15の光散乱粒子と同様の材料を用いることができる。第2接着層65として、シート状の光学用透明粘着剤を用いてもよい。
【0080】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、導光部材50の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、導光部材50の屈折率よりも低くすることで、導光部材50から第2接着層65に進む光の一部が、導光部材50と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、面状光源100の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0081】
第2接着層65の樹脂部材の屈折率は、第1透光性部材21の屈折率よりも低いことが好ましい。第2接着層65の樹脂部材の屈折率を、第1透光性部材21の屈折率よりも低くすることで、第1透光性部材21から第2接着層65に進む光の一部が、第1透光性部材21と第2接着層65との界面において全反射しやすくなる。これにより、面状光源100の下方へ抜ける光を低減できるので、面状光源100の光取り出し効率が向上しやすくなる。
【0082】
導電部材67は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子と、を含む。導電部材67の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂またはフェノール樹脂を用いることができる。導電部材67の金属粒子として、例えば、銅または銀の粒子を用いることができる。
【0083】
導電部材67は、接続部67aと、配線部67bと、を有する。接続部67aは、第1接着層63及び絶縁基材61aを、Z方向において貫通している。配線部67bは、配線基板61における配線層61bが配置された面に配置され、接続部67aと接続している。接続部67aと配線部67bは、同じ材料で一体に形成することができる。配線部67bの一部は、配線層61bと接続している。
【0084】
光源10の正負の一対の電極12に対応して、一対の導電部材67が互いに離れて配置されている。一対の導電部材67のうち、一方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において正側の電極12と接続され、他方の導電部材67の接続部67aは、光源10の下方において負側の電極12と接続されている。光源10の電極12は、導電部材67を介して、配線層61bと電気的に接続されている。
【0085】
絶縁層66は、配線基板61の下に配置されている。絶縁層66は、導電部材67の下に配置されている。絶縁層66は、配線層61bの下方を覆っている。絶縁層66は、導電部材67の下方を覆っている。絶縁層66の材料として、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂またはアクリル樹脂を用いることができる。
【0086】
以下、実施形態に係る面状光源100の製造方法について、説明する。
図5図8は、実施形態に係る面状光源の製造方法を示す断面図である。
面状光源100の製造方法では、まず、図5に表したように、支持部材60(第2接着層65)の上に導光部材50を配置し、支持部材60(導電部材67)の上、かつ、導光部材50の第1貫通孔50hの内部に光源10を配置する。
【0087】
次に、図6に表したように、導光部材50と光源10との間に第1透光性部材21を形成する。このとき、第1透光性部材21は、導光部材50の内側面50sに接するように形成される。また、このとき、第1透光性部材21は、光源10の側面10sに接しないように形成される。光源10と反射部材64との間、及び、光源10と第2接着層65との間に隙間を設けることで、第1透光性部材21を光源10の側面10sに接しないように形成するとともに、第1透光性部材21の内面21sを内面21sと光源10との間の距離が下方に向かうにつれて小さくなる傾斜面または湾曲面にすることができる。なお、第1透光性部材21の形成は、第1貫通孔50hの内部に光源10を配置する前に行われてもよい。
【0088】
次に、図7に表したように、光源10の上に第2透光性部材22の材料を塗布する。このとき、適切な粘度及び量の第2透光性部材22の材料を塗布することで、次の工程で、気体部40を形成しやすくなる。例えば、塗布する第2透光性部材22の体積を、後述する光調整部材30を配置した状態において、第1透光性部材21の内面21sと光源10の側面10sと光調整部材30の下面30bとによって規定される空間の容積よりも小さくすることが好ましい。例えば、塗布する第2透光性部材22の材料を多くすることで、形成される気体部40の大きさを小さくすることができる。例えば、塗布する第2透光性部材22の材料を少なくすることで、形成される気体部40の大きさを大きくすることができる。
【0089】
次に、図8に表したように、光調整部材30によって第2透光性部材22の材料を押しつぶすことで、第2透光性部材22の材料を、光源10と光調整部材30との間、第1透光性部材21と光調整部材30との間、及び導光部材50と光調整部材30との間に行き渡らせ、第2透光性部材22を形成する。
【0090】
このとき、第2透光性部材22の材料の一部は、光源10と光調整部材30との間に残り、第1部分22aとなる。また、このとき、第2透光性部材22の材料の一部は、光源10と第1透光性部材21との間に入り込み、第2部分22bとなる。光源10と第1透光性部材21との間に入り込んだ第2透光性部材22の材料の一部は、光源10と反射部材64との間、及び、光源10と第2接着層65との間に入り込む。また、このとき、光源10と第1透光性部材21との間の空間のうち、第2透光性部材22の材料によって埋められなかった部分は、気体部40となる。
【0091】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
【0092】
(構成1)
支持部材と、
前記支持部材の上に配置され、上下方向に貫通する第1貫通孔を有する導光部材と、
前記第1貫通孔の内部に配置された光源と、
前記第1貫通孔を画定する前記導光部材の内側面に接して配置され、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する第1透光性部材と、
前記第1貫通孔の内部において、前記光源と前記第1透光性部材との間に配置された気体部と、
前記光源及び前記気体部の上に配置された光調整部材と、
前記光源と前記光調整部材とに接して配置された第1部分を有し、前記導光部材の屈折率よりも低い屈折率を有する第2透光性部材と、
を備えた、面状光源。
【0093】
(構成2)
前記第2透光性部材は、前記光源と前記第1透光性部材とに接し、かつ、前記気体部の下方に配置された第2部分をさらに有する、構成1に記載の面状光源。
【0094】
(構成3)
前記第1透光性部材は、前記光源に面する内面を有し、
前記内面は、前記内面と前記光源との間の距離が下方に向かうにつれて小さくなる傾斜面または湾曲面である、構成1または2に記載の面状光源。
【0095】
(構成4)
前記光調整部材は、上面視において、前記気体部よりも外側に位置する複数の第2貫通孔を有する、構成1~3のいずれか1つに記載の面状光源。
【0096】
以上のように、実施形態によれば、輝度むらを低減できる面状光源が提供される。
【0097】
前述の各実施形態は、本発明を具現化した例であり、本発明はこれらの実施形態には限定されない。例えば、前述の各実施形態において、いくつかの構成要素又は工程を追加、削除又は変更したものも本発明に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、液晶ディスプレイのバックライトとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0099】
10:光源
10a:上面
10b:下面
10s:側面
11:発光素子
12:電極
13:光源透光性部材
15:被覆部材
21:第1透光性部材
21s:内面
22:第2透光性部材
22a:第1部分
22b:第2部分
30:光調整部材
30a:上面
30b:下面
30h:第2貫通孔
40:気体部
50:導光部材
50a:上面
50b:下面
50h:第1貫通孔
50s:内側面
54:区画溝
55:発光領域
60:支持部材
61:配線基板
61a:絶縁基材
61b:配線層
63:第1接着層
64:反射部材
65:第2接着層
66:絶縁層
67:導電部材
67a:接続部
67b:配線部
100:面状光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8