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  • 特開-双方向散乱顕微鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025035847
(43)【公開日】2025-03-14
(54)【発明の名称】双方向散乱顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20250307BHJP
【FI】
G02B21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023143148
(22)【出願日】2023-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100194250
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 直志
(72)【発明者】
【氏名】井手口 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】戸田 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】堀江 紘己
【テーマコード(参考)】
2H052
【Fターム(参考)】
2H052AC04
2H052AC05
2H052AC14
2H052AC27
2H052AF14
2H052AF25
(57)【要約】
【課題】前方散乱光による複素振幅画像と、後方散乱光による複素振幅画像とを用いて、観察対象物を一括して観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ双方向散乱顕微鏡を提供する。
【解決手段】観察対象物の前方散乱光による第1複素振幅画像と、前記観察対象物の後方散乱光による第2複素振幅画像と、を取得する検出手段と、前記検出手段で得られた前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを含む複合画像から、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを分離する画像分離手段と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象物の前方散乱光による第1複素振幅画像と、前記観察対象物の後方散乱光による第2複素振幅画像と、を取得する検出手段と、前記検出手段で得られた前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを含む複合画像から、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを分離する画像分離手段と、を有することを特徴とする双方向散乱顕微鏡。
【請求項2】
前記検出手段は、1つの前記観察対象物に対する前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを、同一のタイミングで取得することを特徴とする請求項1に記載の双方向散乱顕微鏡。
【請求項3】
前記検出手段は光電変換素子を有し、干渉計測による空間周波数多重化によって、1つの前記光電変換素子によって、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを、同一の画像フレームで取得することを特徴とする請求項2に記載の双方向散乱顕微鏡。
【請求項4】
前記観察対象物と前記検出手段との間は、前記前方散乱光の光路と前記後方散乱光の光路とが共通であることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向散乱顕微鏡。
【請求項5】
前記観察対象物と前記検出手段との間には、前記前方散乱光を前記検出手段に向けて透過させるとともに、前記後方散乱光を発生させるための観察光を前記観察対象物に向けて反射させるハーフミラーを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向散乱顕微鏡。
【請求項6】
前記画像分離手段は、前記複合画像のデータをフーリエ変換して、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを分離するコンピュータであることを特徴とする請求項1または2に記載の双方向散乱顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前方散乱と後方散乱によって観察対象物を観察可能な双方向散乱顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
散乱顕微鏡は、観察対象物の屈折率分布に由来する散乱光を検出し、明視野顕微鏡ではコントラストの得られない透明試料(例えば、細胞などの生体試料)の観察に広く用いられている(例えば、特許文献1)。その中でも特にマクロな構造物の観察には、観察対象物で生じた前方散乱光の複素振幅画像を取得する定量位相顕微鏡(QPI:Quantitative phase imaging)の開発が進められている(例えば、特許文献2)。
【0003】
更に、生体細胞などを観察するために、上述したQPIを利用して、生体分子の乾燥質量計測による細胞の成長度合いの計測、機械学習による疑似蛍光画像計測、赤外フォトサーマル計測なども利用され始めている。
【0004】
一方、微小構造物に対しては、観察対象物からの後方散乱光を取得する干渉散乱顕微鏡(iSCAT:interferometric scattering microscopy)の開発が進められており、単一のタンパク質やウイルスなどの微小粒子の高感度な観察に用いられている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-062155号公報
【特許文献2】特開2008-292939号公報
【特許文献3】特表2019-520612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したような、前方散乱光を利用した観察装置と、後方散乱光を利用した観察装置とでは、観察(測定)可能な構造物のサイズ範囲が異なり、例えば、100μm~10nmといった幅広い範囲で、観察対象物を一括して観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ散乱顕微鏡が求められていた。
【0007】
本発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、前方散乱光による複素振幅画像と、後方散乱光による複素振幅画像とを用いて、観察対象物を一括して観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ双方向散乱顕微鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態の双方向散乱顕微鏡は、以下の構成を提案している。
【0009】
(1)本発明の態様1の双方向散乱顕微鏡は、観察対象物の前方散乱光による第1複素振幅画像と、前記観察対象物の後方散乱光による第2複素振幅画像と、を取得する検出手段と、前記検出手段で得られた前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを含む複合画像から、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを分離する画像分離手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
(2)本発明の態様2は、態様1の双方向散乱顕微鏡において、前記検出手段は、1つの前記観察対象物に対する前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを、同一のタイミングで取得することを特徴とする。
【0011】
(3)本発明の態様3は、態様2の双方向散乱顕微鏡において、前記検出手段は光電変換素子を有し、干渉計測による空間周波数多重化によって、1つの前記光電変換素子によって、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを、同一の画像フレームで取得することを特徴とする。
【0012】
(4)本発明の態様4は、態様1ないし3のいずれか1つの双方向散乱顕微鏡において、前記観察対象物と前記検出手段との間は、前記前方散乱光の光路と前記後方散乱光の光路とが共通であることを特徴とする。
【0013】
(5)本発明の態様5は、態様1ないし4のいずれか1つの双方向散乱顕微鏡において、前記観察対象物と前記検出手段との間には、前記前方散乱光を前記検出手段に向けて透過させるとともに、前記後方散乱光を発生させるための観察光を前記観察対象物に向けて反射させるハーフミラーを備えることを特徴とする。
【0014】
(6)本発明の態様6は、態様1ないし5のいずれか1つの双方向散乱顕微鏡において、前記画像分離手段は、前記複合画像のデータをフーリエ変換して、前記第1複素振幅画像と前記第2複素振幅画像とを分離するコンピュータであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、前方散乱光による複素振幅画像と、後方散乱光による複素振幅画像とを用いて、観察対象物を一括して観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ双方向散乱顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態の双方向散乱顕微鏡を示す模式構造図である。
図2】(a)は前方散乱光計測部だけを示す模式構造図、(b)は後方散乱光計測部だけを示す模式構造図である。
図3】画像処理部(画像分離手段)による画像処理の流れを示す模式図である。
図4】本発明の双方向散乱顕微鏡を用いた測定例1の結果を示す画像である。
図5】本発明の双方向散乱顕微鏡を用いた測定例2の結果を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その効果を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態の双方向散乱顕微鏡を示す模式構造図である。また、図2(a)は、双方向散乱顕微鏡の前方散乱光計測部だけを示す模式構造図、図2(b)は、双方向散乱顕微鏡の後方散乱光計測部だけを示す模式構造図である。
本発明の一実施形態の双方向散乱顕微鏡10は、前方散乱光計測部11と、後方散乱光計測部31と、画像処理部(画像分離手段)41と、を有している。
【0019】
前方散乱光計測部11は、光源12と、ハーフミラー13、14と、集光レンズ15、コリメートレンズ16と、対物レンズ17と、結像レンズ18と、反射ミラー19、20と、光電変換素子(検出手段)21と、ステージ22と、を備えている。
【0020】
後方散乱光計測部31は、光源32と、ハーフミラー33、14と、集光レンズ35と、対物レンズ17と、結像レンズ18と、反射ミラー39と、光電変換素子(検出手段)21と、ステージ22と、を備えている。
【0021】
これらのうち、対物レンズ17、ハーフミラー14、結像レンズ18、光電変換素子(検出手段)21、ステージ22は、前方散乱光計測部11と後方散乱光計測部31とで共通する1つの部材である。
【0022】
前方散乱光計測部11は、光源12から照射された光源光L1がハーフミラー14を透過して、集光レンズ15、反射ミラー19、コリメートレンズ16を経てステージ22に支持される観察対象物Sに入射し、この観察対象物Sに対して前方側から光源光L1を照射することで得られる第1複素振幅画像を含む前方散乱光が対物レンズ17、ハーフミラー14、結像レンズ18を経て光電変換素子21に入射する計測光路Q1Aを形成する。
【0023】
また、前方散乱光計測部11は、光源12から照射された光源光L1がハーフミラー14で反射され、更に反射ミラー20で反射されて光電変換素子21に入射する参照光路Q1Bを形成する。
【0024】
後方散乱光計測部31は、光源32から照射された光源光L2がハーフミラー33を透過して、集光レンズ35を経てハーフミラー14で反射され、対物レンズ17からステージ22に支持される観察対象物Sに入射し、この観察対象物Sに対して後方側から光源光L2を照射することで得られる第2複素振幅画像を含む後方散乱光が対物レンズ17、ハーフミラー14、結像レンズ18を経て光電変換素子21に入射する計測光路Q2Aを形成する。
【0025】
また、後方散乱光計測部31は、光源32から照射された光源光L2がハーフミラー33で反射され、更に反射ミラー39で反射されて光電変換素子21に入射する参照光路Q2Bを形成する。
【0026】
本実施形態では、ステージ22に支持される観察対象物Sから対物レンズ17、ハーフミラー14、結像レンズ18、および光電変換素子21に至る光路は、前方散乱光計測部11の計測光路Q1Aと、後方散乱光計測部31の計測光路Q2Aとの間で共通の光路を成し、この光路部分Q3は、第1複素振幅画像を含む前方散乱光と、第2複素振幅画像を含む後方散乱光とが、空間周波数多重化によって多重化された光信号として伝搬される。
【0027】
光電変換素子(検出手段)21は、例えばCMOSカメラなどであればよく、光路部分Q3から第1複素振幅画像および第2複素振幅画像を含む多重化された光信号と、参照光路Q1Bから前方散乱光計測部11の参照光と、参照光路Q2Bから後方散乱光計測部31の参照光と、が同時に入射され、光電変換によって画像信号を生成する。こうした構成によって、観察対象物の第1複素振幅画像(前方散乱光)と第2複素振幅画像(後方散乱光)とを、同一の画像フレームで取得することができる。
【0028】
画像処理部(画像分離手段)41は、例えば、画像処理ソフトウェアがインストールされたコンピュータ(PC)、インターフェース、画像出力用のディスプレイなどから構成されていればよい。
【0029】
こうした画像処理部41は、光電変換素子(検出手段)21との間で通信ケーブルなどによって接続され、光電変換素子21から出力される第1複素振幅画像および第2複素振幅画像を含む多重化された測定画像信号、前方散乱光計測部11の参照光画像信号、後方散乱光計測部31の参照光画像信号が入力される。
【0030】
図3は、画像処理部(画像分離手段)による画像処理の流れを示す模式図である。
画像処理部41は、画像処理ソフトウェアによって、観察対象物Sがある場合の複素振幅画像と、無い場合の複素振幅画像との差分から、観察対象物Sの前方散乱光による画像データと、後方散乱光による画像データと、とを含む周波数多重化ホログラム像を生成する。
【0031】
そして、画像処理部41は、得られた周波数多重化ホログラム像をフーリエ変換して得られたフーリエ画像における前方散乱、後方散乱の該当箇所をそれぞれ抜き出して逆フーリエ変換を行うことで、前方散乱光計測部11で測定した前方散乱光による観察対象物Sの散乱光画像(振幅、位相)と、後方散乱光計測部31で測定した後方散乱光による観察対象物Sの散乱光画像(振幅、位相)とを分離して生成する。これにより、1つの観察対象物Sに対して、前方散乱光と後方散乱光による画像を、1つの双方向散乱顕微鏡10で同時に得ることができる。
【0032】
以上のような、本実施形態の双方向散乱顕微鏡10によれば、前方散乱光計測部11と後方散乱光計測部31とを備えることによって、1つの観察対象物Sに対して、前方散乱光による散乱光画像(振幅、位相)と、後方散乱光による散乱光画像(振幅、位相)とを、1つの双方向散乱顕微鏡10で一括して取得することが可能になる。
【0033】
そして、観察対象物Sを経たそれぞれの測定光(前方散乱光、後方散乱光)の光路を共通にして、空間周波数多重化信号として光電変換素子(検出手段)21に入射させることで、前方散乱光と後方散乱光の散乱光画像を同時に取得することもできる。これにより、従来は存在しなかった、前方散乱光による複素振幅画像と後方散乱光による複素振幅画像とを用いて、観察対象物を一括して観察、測定可能な双方向散乱顕微鏡10を実現することができる。
【0034】
また、こうした双方向散乱顕微鏡10は、観察(測定)可能な構造物のサイズ範囲が互いに異なる前方散乱光による複素振幅画像と後方散乱光による複素振幅画像とを併用することで、例えば、100μm~10nmといった幅広い範囲で観察対象物を観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ双方向散乱顕微鏡10を実現することが可能になる。
【0035】
なお、本実施形態では、前方散乱光計測部11と後方散乱光計測部31に、それぞれ独立して光源12、光源32を設けているが、これ以外にも、前方散乱光計測部11と後方散乱光計測部31とで共用の1つの光源を設ける構成にすることもできる。この場合、例えば、1つの光源からハーフミラーなどによって光源光を2つに分割し、それぞれの光源光を前方散乱光計測部11と後方散乱光計測部31にそれぞれ入射させればよい。
【0036】
また、双方向散乱顕微鏡を構成する前方散乱光計測部や後方散乱光計測部は、本実施形態のようなレンズやミラーなどの光学的な構成に限定されるものではなく、観察対象物の前方散乱光による第1複素振幅画像と、後方散乱光による第2複素振幅画像とを取得できる構成であれば、レンズやミラーなどの光学的な構成は、どのようなものであってもよい。
【0037】
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。こうした実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【実施例0038】
以下、本発明について、図1に示した構成の本実施形態の双方向散乱顕微鏡を用いて、実際に観察対象物の測定を行った。
【0039】
(測定例1)
観察対象物として、平均粒子径が100nmのメタクリル酸メチルエステル(アクリル樹脂)製の2つの互いに異なるビーズ(ビーズ1、ビーズ2)を用いて、前方散乱光による第1複素振幅画像と、後方散乱光による第2複素振幅画像とを光電変換素子(検出手段)で取得した。そして、画像処理部で入力データの画像処理を行った。こうして得られた2種類のビーズの測定画像、およびノイズ評価を図4に示す。
【0040】
図4に示す結果によれば、入射波に対して、前方散乱波と後方散乱波とで、それぞれ強度比が異なっている。また、前方散乱波と後方散乱波とで、検出可能な最小散乱断面積が異なることが確認できる。
【0041】
(測定例2)
観察対象物として、生体細胞を用いて、前方散乱光による第1複素振幅画像と、後方散乱光による第2複素振幅画像とを光電変換素子(検出手段)で取得した。そして、こうした生体細胞の静的な画像と、動的な画像とを生成させた。この結果を図5に示す。
【0042】
図5に示す結果によれば、バックグラウンド処理を行った前方散乱光の位相による静的な画像と、バックグラウンド処理を行った後方散乱光の振幅による静的な画像の、時間的な揺らぎの大きさに基づいて、生体細胞の動的な挙動を観察できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、前方散乱光計測部や後方散乱光計測部とを備えることによって、観察対象物を一括して観察、測定可能な、広いダイナミックレンジを持つ双方向散乱顕微鏡を実現できる。よって、本発明の双方向散乱顕微鏡は、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0044】
10…双方向散乱顕微鏡
11…前方散乱光計測部
12…光源
13,14…ハーフミラー
15…集光レンズ
16…コリメートレンズ
17…対物レンズ
18…結像レンズ
19,20…反射ミラー
21…光電変換素子(検出手段)
22…ステージ
31…後方散乱光計測部
32…光源
33…ハーフミラー
35…集光レンズ
39…反射ミラー
41…画像処理部(画像分離手段)
図1
図2
図3
図4
図5