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特開2025-40393スタティックランダムアクセスメモリ用ゲートコンタクトパターニング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025040393
(43)【公開日】2025-03-24
(54)【発明の名称】スタティックランダムアクセスメモリ用ゲートコンタクトパターニング
(51)【国際特許分類】
   H10B 10/00 20230101AFI20250314BHJP
   H10B 99/00 20230101ALI20250314BHJP
   H10D 86/40 20250101ALI20250314BHJP
   H10D 64/60 20250101ALI20250314BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20250314BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
H10B10/00
H10B99/00 461
H01L29/78 613B
H01L21/28 301S
H01L21/90 B
H01L25/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024106424
(22)【出願日】2024-07-01
(31)【優先権主張番号】18/464,392
(32)【優先日】2023-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラマナタン ミーナクシスンダラム
(72)【発明者】
【氏名】ガネサン クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】クロッカー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】松林 輝知
(72)【発明者】
【氏名】イン ジアンフア
(72)【発明者】
【氏名】パテル レケン
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
4M104BB04
4M104BB13
4M104BB25
4M104CC01
4M104DD33
4M104DD37
4M104DD43
4M104DD84
4M104FF13
4M104GG16
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5F033HH15
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5F083ZA29
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5F110GG01
5F110HK04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)製造方法、関連付けられるトランジスタ配置、IC構造及びデバイスを提供する。
【解決手段】ナノリボントランジスタ110を有するIC構造100であって、トランジスタは、ソース/ドレイン(S/D)メタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを用いて製造され、S/D領域114-1、114-2及びゲート電極材料108を有する、当該S/D領域と電気接触しているS/Dコンタクト及びゲート電極材料と電気接触しているゲートコンタクトを備える。S/Dコンタクトは、第1の導電性材料を有し、ゲートコンタクトは、第2の導電性材料を有し、第2の導電性材料の部分は第1の導電性材料の部分と電気接触しており、第1の導電性材料の部分における平均粒径又は配向は、第2の導電性材料の部分における平均粒径又は配向とは異なる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(IC)構造であって:
チャネル領域、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタ、ここで、前記領域は、前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;
前記領域に結合されたコンタクト構造、ここで、前記コンタクト構造は、第1の導電性材料を有する;及び
前記チャネル領域に結合されたゲート構造、ここで、前記ゲート構造は、ゲート電極材料及び第2の導電性材料を有する;
を備え、前記第2の導電性材料の部分は、前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える
IC構造。
【請求項2】
前記第1の導電性材料及び前記第2の導電性材料は、異なる材料組成を有する、請求項1に記載のIC構造。
【請求項3】
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、請求項1又は2に記載のIC構造。
【請求項4】
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、請求項1又は2に記載のIC構造。
【請求項5】
前記界面の下方にチタンを有するライナ材料を更に備え、前記ライナ材料の側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、請求項1又は2に記載のIC構造。
【請求項6】
前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、請求項5に記載のIC構造。
【請求項7】
前記ゲートスペーサの前記側壁は、前記ライナ材料の前記側壁と接触している、請求項6に記載のIC構造。
【請求項8】
前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、請求項1又は2に記載のIC構造。
【請求項9】
前記第1の導電性材料及び前記領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、請求項1又は2に記載のIC構造。
【請求項10】
前記界面材料の厚さは少なくとも約5ナノメートルである、請求項9に記載のIC構造。
【請求項11】
集積回路(IC)構造であって、
ソース又はドレイン(S/D)領域及びゲート電極材料を有するトランジスタ;
前記S/D領域と電気接触しているS/Dコンタクト、ここで、前記S/Dコンタクトは第1の導電性材料を有する;及び
前記ゲート電極材料と電気接触しているゲートコンタクト、ここで、前記ゲートコンタクトは第2の導電性材料を有する;
を備え、前記第2の導電性材料の部分は前記第1の導電性材料の部分と電気接触しており、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、IC構造。
【請求項12】
前記第1の導電性材料は、前記第2の導電性材料とは異なる、請求項11に記載のIC構造。
【請求項13】
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、請求項11又は12に記載のIC構造。
【請求項14】
前記ゲート電極材料及び前記第1の導電性材料の間にゲートスペーサを更に備える、請求項11又は12に記載のIC構造。
【請求項15】
前記第2の導電性材料の第1の部分は、前記ゲート電極材料の上方にあり、これと電気接触しており、かつ、前記第2の導電性材料の第2の部分は、前記ゲートスペーサの上方にある、請求項14に記載のIC構造。
【請求項16】
前記第1の導電性材料の前記部分及び前記第2の導電性材料の前記部分の間に粒子境界を更に備える、請求項11又は12に記載のIC構造。
【請求項17】
前記第1の導電性材料及び前記S/D領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、請求項11又は12に記載のIC構造。
【請求項18】
前記界面材料の厚さは少なくとも約5ナノメートルである、請求項17に記載のIC構造。
【請求項19】
ゲート電極材料、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタを設ける段階、ここで、前記領域は前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;
前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第1の導電性材料を有する;
前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第2の導電性材料を有する;及び
前記ゲート電極材料に結合されたゲート構造を設ける段階、ここで、前記ゲート構造は第2の導電性材料を有する
を備え、前記ゲート構造は前記コンタクト構造を設けた後に設けられる、集積回路(IC)構造を製造する方法。
【請求項20】
前記第2の導電性材料の部分は前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
組み込みメモリは、最新のシステムオンチップ(system-on-a-chip:SoC)技術の性能にとって重要である。スタティックランダムアクセスメモリ(Static random-access memory:SRAM)は、組み込みメモリとして実装され得る一例であり、コンピューティングロジックの生産に使用される製造プロセス、例えば、フロントエンドオブライン(front-end of line:FEOL)プロセスとのその互換性に起因して、最新のSoCにとって特に好適である。幾つかの展開シナリオにおいて、SRAMは、他のタイプのメモリ、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic random-access memory:DRAM)に対する優位性を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0002】
実施形態は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態によって容易に理解されるであろう。この説明を容易にするために、同様の構成要素には、同様の参照番号を指定するものとする。実施形態は、添付図面の複数の図において、限定としてではなく例として示される。
【0003】
図1】本開示の幾つかの実施形態による、例示的なナノリボン電界効果トランジスタ(field-effect transistor:FET)の斜視図を提供する。
【0004】
図2】本開示の幾つかの実施形態による、例示的なSRAMセルの電気回路図を提供する。
【0005】
図3】幾つかの実施形態による、例示的なSRAM製造方法のフロー図である。
【0006】
図4A】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
図4B】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
図4C】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
図4D】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
図4E】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
図4F】幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的な集積回路構造(integrated circuit:IC)の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。
【0007】
図5】本明細書で開示される実施形態のうちのいずれかによる、本明細書で開示されるIC構造のうちのいずれかを含み得るウェハ及びダイの上面図である。
【0008】
図6】本明細書で開示される実施形態のうちのいずれかによる、本明細書で開示されるIC構造のうちのいずれかを含み得るICデバイスの側面断面図である。
【0009】
図7】様々な実施形態による、本明細書で開示されるIC構造のうちのいずれかを含み得るICパッケージの側面断面図である。
【0010】
図8】本明細書で開示される実施形態のうちのいずれかによる、本明細書で開示されるIC構造のうちのいずれかを含み得るICデバイスアセンブリの側面断面図である。
【0011】
図9】本明細書で開示される実施形態のうちのいずれかによる、本明細書で開示されるIC構造のうちのいずれかを含み得る例示的な電気デバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、SRAM製造方法、及び、関連付けられるトランジスタ配置、IC構造、及びデバイスが開示される。
本開示のシステム、方法及びデバイスは、各々が複数の革新的な態様を有するが、そのいずれも、単独では、本明細書で開示される全ての望ましい属性を担うものではない。本明細書で説明される主題の1つ又は複数の実装形態の詳細は、以下の説明及び添付図面において記載される。
【0013】
本明細書で提案されるSRAM製造方法を示す目的において、SRAM製造中に生じ得る現象を最初に理解することが有用であり得る。以下の基本的情報は、本開示が適切に説明され得る上での基礎とみなされ得る。そのような情報は、説明の目的のみで提供され、従って、本開示の広い範囲及びその潜在的応用をいかなる方式でも限定するものと解釈されるべきでない。
【0014】
過去数十年間にわたり、IC構造におけるフィーチャの微細化は、成長し続ける半導体産業の背後にある原動力となっている。ますます微細なフィーチャへと微細化することで、半導体チップの限られた面積上での機能ユニットの密度増大が可能となる。
例えば、トランジスタサイズを縮小することにより、数が増大したメモリ又はロジックデバイスをチップ上に組み込むことが可能となり、容量が増加した製品の製造に貢献する。しかしながら、増加し続ける容量の推進に、問題が無いわけではない。IC構造のあらゆる部分を最適化する必要性が、ますます重要になっている。SRAMの入念な設計は、そのような最適化に役立ち得る。
【0015】
SRAMセルは、当該セルのビット値又はメモリ状態(例えば、ロジック「1」又は「0」)を記憶するための複数のトランジスタ、及び、当該セルへのアクセス(例えば、セルに情報を書き込むためのアクセス、又はセルから情報を読み出すためのアクセス)を制御するための1つ又は複数のアクセストランジスタ、を含む。例示的なSRAMセルは、6つのトランジスタ(six transistor:6T)で構成され得、従って、「6T SRAMセル」と称され得、ここで、4つのトランジスタはビット値を記憶するために使用され、2つのトランジスタはアクセストランジスタであり、ビットライン(bitline:BL)及びワードライン(wordline:WL)に結合される。そのようなSRAMセルにおいて、トランジスタのうちの4つは第1型のトランジスタであり、トランジスタのうちの2つは第2型であり、ここで、トランジスタの型は、トランジスタ内の多数キャリアの観点において定義される:N型トランジスタ(例えば、N型金属酸化膜半導体(N-type metal-oxide-semiconductor:NMOS)トランジスタ)は多数キャリアとして電子を有し、P型トランジスタ(例えば、P型金属酸化膜半導体(P-type metal-oxide-semiconductor:PMOS)トランジスタ)は多数キャリアとして正孔を有する。従って、6T SRAMセルの幾つかの実施形態において、トランジスタのうちの4つはN型トランジスタであり得、一方、当該トランジスタのうちの2つはP型トランジスタであり、6T SRAMセルの他の実施形態において、トランジスタのうちの4つはP型トランジスタであり得、一方、当該トランジスタのうちの2つはN型トランジスタである。SRAMセルの他の例は、追加のトランジスタを含み得、例えば、SRAMセルは8つのトランジスタを含み得るが、そのようなSRAMセルは、6T SRAMセルの6つのトランジスタをも含むことになる。
【0016】
6つ又はそれより多くのトランジスタを有するSRAMセルにおいて、幾つかのトランジスタのゲートコンタクトは、他のトランジスタのソース又はドレイン(source or drain:S/D)コンタクトと意図的に短絡(すなわち、直接電気的に接続)される。SRAMデバイス性能は、そのような意図的な短絡の品質に高度に依存している。特に、S/Dコンタクトに短絡されるゲートコンタクトのエッチング深さ、限界寸法、及び均一性を制御することは、トランジスタ性能にとって重要である。例えば、S/Dコンタクトに短絡されるゲートコンタクトが、十分に深く、完全に接地されて、適切な無抵抗ゲートコンタクトを有することが重要である。しかしながら、同時に、S/D領域及びS/Dコンタクトの間の界面で形成されたチタンシリサイドを損傷しないために、ゲートコンタクトが深過ぎないことが重要であり、SRAM製造中のプロセスマージンに厳格な要件が課される。
【0017】
本明細書で提案されるSRAM製造方法は、上記で説明された1つ又は複数の課題を改善する上で役立つ可能性があり、例えば、信頼性の高いゲート及びS/Dコンタクトを作成しつつ、隣接構造へのゲートコンタクト短絡のためのプロセスマージンを拡大する上で役立ち得る。本明細書で開示される方法は、S/Dコンタクトのメタライゼーションを実行した後にゲートコンタクトパターニングを実装するものであり、これは、S/Dコンタクトメタライゼーションの前にゲートコンタクトパターニングが実行される従来のSRAM製造方法とは際立って対照的である。本開示の実施形態は、S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより、S/D領域及びS/Dコンタクトの間の界面で形成されたチタンシリサイドを保護し、これらの界面におけるチタンシリサイドの損傷を低減又は除去する上で役立ち得るとの認識に基づいている。ゲートコンタクトパターニングがS/Dコンタクトメタライゼーション後に実行される場合、チタンシリサイドはS/Dコンタクトの材料によって覆われることができ、これにより、より良好なゲートコンタクト深さのプロセスマージンが提供され、ひいてはSRAMの歩留まりが改善する。
【0018】
ゲートコンタクトパターニングがS/Dコンタクトメタライゼーション後に実行されるSRAM製造方法を実装することで、最終的なIC構造における本方法の使用に特性的な複数の特徴がもたらされ得る。例えば、一態様において、S/Dコンタクトメタライゼーション後のゲートコンタクトパターニングを用いて製造される例示的なIC構造は、S/D領域及びゲート電極材料を有するトランジスタ、当該S/D領域と電気接触しているS/Dコンタクト、及び、当該ゲート電極材料と電気接触しているゲートコンタクト、を備える。S/Dコンタクトは、第1の導電性材料を有し、ゲートコンタクトは、第2の導電性材料を有し、第2の導電性材料の部分は第1の導電性材料の部分と電気接触しており、第1の導電性材料の部分における平均粒径又は配向は、第2の導電性材料の部分における平均粒径又は配向とは異なる。
【0019】
本明細書で説明されるIC構造、特に、S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより製造されたSRAMを有するIC構造は、ICに関連付けられた1つ又は複数のコンポーネントにおいて、又は/及び様々なそのようなコンポーネント間で、実装され得る。様々な実施形態において、ICに関連付けられたコンポーネントは、例えば、トランジスタ、ダイオード、電源、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、センサ、送受信機、受信機、アンテナ等を含む。ICに関連付けられたコンポーネントは、ICに搭載されたもの、又は、ICに接続されたものを含み得る。ICは、アナログ又はデジタルのいずれかであり得、ICに関連付けられたコンポーネントに応じて、マイクロプロセッサ、オプトエレクトロニクス、ロジックブロック、オーディオ増幅器等のような多数の用途において使用され得る。幾つかの実施形態において、本明細書で説明されるIC構造は、高周波IC(radio frequency IC:RFIC)に含まれ得、これは、例えば、基地局(base stations:BS)又はユーザ機器(user equipment:UE)内の電気通信において使用されるような、例えば、RF受信機、RF送信機、又はRF送受信機のICに関連付けられた任意のコンポーネントに含まれ得る。そのようなコンポーネントは、電力増幅器、低ノイズ増幅器、RFフィルタ(RFフィルタのアレイ又はRFフィルタバンクを含む)、スイッチ、アップコンバータ、ダウンコンバータ、及びデュプレクサを含み得るが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、本明細書で説明されるIC構造は、メモリデバイス又は回路に含まれ得る。幾つかの実施形態において、本明細書で説明されるIC構造は、コンピュータ内で1つ又は複数の関連機能を実行するためのチップセットの一部として採用され得る。
【0020】
説明の目的で、例示的な実装形態の徹底的な理解を提供するために、特定の数、材料及び構成が記載される。しかしながら、本開示が具体的な詳細を伴わずに実践され得ること、又は/及び、本開示が、説明された態様の一部のみで実践され得ることが当業者には明らかである。他の事例では、周知の複数の特徴は、複数の例示的な実装形態を不明瞭にしないようにするべく、省略され、又は簡略化されている。「実質的に(substantially)」、「近い(close)」、「およそ(approximately)」、「ほぼ(near)」、及び「約(about)」という用語は、概して、本明細書で説明される、又は、当技術分野において既知の特定の値の文脈に基づいて、目標値の+/-10%以内、例えば、目標値の+/-5%以内であることを指す。同様に、様々な要素の配向を示す用語、例えば、「同一平面」、「垂直」、「直交」、「平行」、又は、要素間の任意の他の角度は、概して、本明細書で説明される、又は、当技術分野において既知の特定の値の文脈に基づいて、目標値の+/-10%以内、例えば、目標値の+/-5%以内であることを指す。
【0021】
以下の説明において、本明細書の一部を形成する添付図面への参照がなされ、その中で、実践され得る実施形態が例示によって示される。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてよく、かつ、構造的又は論理的な変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定する意味で解釈されるべきではない。便宜上、異なる文字で指定される図面の集合、例えば、図4A図4Fが存在する場合、そのような集合体は、本明細書において、文字を伴うことなく、例えば「図4」として参照され得る。
【0022】
図面において、本明細書で説明される様々なデバイス及びアセンブリの例示的な構造の幾つかの概略図は、正確な直角及び直線で示され得るが、これは単に例示を容易にするためであり、これらのアセンブリの実施形態は、半導体デバイスアセンブリを製造するために使用される製造プロセスによって指示される通り、かつ、場合によっては不可避的にそれに起因して、湾曲し、丸みを帯び、又はそうでなければ不規則な形状であり得る。従って、そのような概略図は、実際のプロセスの限界を反映しないことがあり得、当該限界により、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)画像、又は、透過電子顕微鏡(TEM)画像を使用して、本明細書で説明される構造のいずれかが検証されるときに、フィーチャをそれほど「理想的」に見えないようにさせ得ることが理解されるべきである。実際の構造のそのような画像において、起こり得る加工欠陥は、可視である可能性もあり、加工不良は、例えば、材料の完全にまっすぐでない縁端部、先細り状のビア又は他の開口部、角部の意図しない丸まり又は異なる材料層の厚みのばらつき、時折発生する結晶領域内でのらせん転位、刃状転位、又は組み合わせの転位、及び/又は時折発生する単一原子又は原子のクラスタの転位欠陥である。ここに列挙されないが、デバイス製造の分野内で一般的な他の欠陥があり得る。例えば、光学顕微鏡法、TEM、又はSEMを使用して回路を再構築するための、デバイスの一部のレイアウト及びマスクデータの検査、及びリバースエンジニアリング、及び/又は、例えば、物理的故障解析(Physical Failure Analysis:PFA)を使用して、本明細書で説明される様々なデバイス要素の形状及び位置を検出するためのデバイスの断面の検査は、本明細書で説明されるようにS/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより製造されたSRAMの存在の判定を可能にする。
【0023】
例示的な実装形態の様々な態様が、自らの研究の内容を他の当業者に伝えるために当業者によって一般的に採用される用語を使用して説明される。例えば、「酸化物」、「炭化物」、「窒化物」、「シリサイド」等の用語は、それぞれ酸素、炭素、窒素、ケイ素等を含む化合物を指し;「high-k誘電体」という用語は、酸化ケイ素に比べてより高い誘電率を有する材料を指し;「low-k誘電体」という用語は、酸化ケイ素に比べてより低い誘電率を有する材料を指す。本明細書で化学式を用いて又は化合物として参照される材料は、当該化学式又は化合物の元素を含む全ての材料を包含し、例えば、TiSi又はチタンシリサイドはチタン及びケイ素を含む任意の材料を指し得、WN又は窒化タングステンはタングステン及び窒素を含む任意の材料を指し得る、等である。別段の指定がない限り、「絶縁する」という用語は、「電気的に絶縁する」ことを意味し、「伝導する」という用語は、「電気的に伝導する」ことを意味する。更に、「接続」という用語は、いかなる中間デバイスも伴うことなく接続されているものの間の直接の電気的又は磁気的接続を説明するために使用され得、一方、「結合」という用語は、接続されているものの間の直接の電気的又は磁気的接続のいずれか、又は、1つ又は複数の受動又は能動中間デバイスを通じた間接接続を説明するために使用され得る。第2のコンポーネントに電気的に結合されていると説明される第1のコンポーネントは、第1のコンポーネントが第2のコンポーネントと導電性接触している(すなわち、第1及び第2のコンポーネントの間で電気信号/電力をルーティングするための導電性経路が設けられている)ことを意味する。
【0024】
様々な動作が、特許請求の範囲に記載の主題を理解する際に最も有用な様式において、複数の別個の作用又は動作として順番に説明され得る。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必ずしも順序に依存するものであることを示唆するものとして解釈されるべきではない。これらの動作は、提示の順序で実行されない場合がある。説明される動作は、説明された実施形態とは異なる順序で実行され得る。様々な追加の動作が実行されてよく、及び/又は、説明される動作は、追加の実施形態において省略されてよい。
【0025】
本開示の目的において、「A及び/又はB」という文言は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味する。本開示の目的において、「A、B及び/又はC」という文言は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。「間」という用語は、測定範囲を参照して使用されるとき、測定範囲の終端を含む。
【0026】
説明は、「実施形態において(in an embodiment)」又は「実施形態において(in embodiments)」という文言を使用するが、これらはそれぞれ、同じ又は異なる実施形態のうちの1つ又は複数を指してよい。本開示の実施形態に関して用いられる「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」等の用語は、同義語である。本開示は、「上方」、「下方」、「上」、「底」及び「側」などの視点に基づく説明を使用し得るが、そのような説明は、論述を容易にするために使用されており、開示された実施形態の適用を制限することを意図するものではない。添付図面は、必ずしも縮尺通りに描画されるものではない。別段の指定がない限り、共通の物体を説明するために序数形容詞「第1」、「第2」及び「第3」等を使用することは、同様の物体の異なるインスタンスが参照されていることを示しているに過ぎず、そのように説明される物体が、時間的、空間的、序列、又は任意の他の様式のいずれかで所与の順序でなければならないと示唆することを意図するものではない。一部の材料は単数形で説明され得るが、そのような材料は複数の材料を含み得、例えば、半導体材料は、2つ又はそれより多くの異なる半導体材料を含み得る。
【0027】
S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行する段階を備えるSRAM製造方法は、任意の非平面又は平面アーキテクチャなど、任意のアーキテクチャのトランジスタで遂行され得る。ダブルゲートトランジスタ、トライゲートトランジスタ、FinFET、及びナノワイヤ/ナノリボン/ナノシートトランジスタなどの非平面トランジスタは、非平面アーキテクチャを有するトランジスタを指す。トランジスタチャネルが閉じ込め表面を1つのみ有する平面アーキテクチャと比較して、非平面アーキテクチャは、トランジスタチャネルが1つよりも多くの閉じ込め表面を有する任意のタイプのアーキテクチャである。閉じ込め表面とは、ゲート電界によって閉じ込められるチャネル表面の特定の配向を指す。非平面トランジスタは、単一ゲートトランジスタなどの平面アーキテクチャを有するトランジスタと比較して、性能を潜在的に改善し得る。
【0028】
ナノリボントランジスタは、チャネル材料の4つの側面全ての上でゲートを形成する可能性に起因して、相補型金属-酸化膜-半導体(complementary metal-oxide-semiconductor:CMOS)技術ノードの継続的な微細化のために特に有利であり得る(故に、そのようなトランジスタは、場合によっては「ゲートオールアラウンド」トランジスタと称される)。従って、本明細書で示される一部のIC構造は、例としてナノリボントランジスタを示すが(例えば、図1及び図4A図4Fにおいて示されるIC構造)、本明細書で説明されるSRAM製造方法は、そのようなトランジスタに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「ナノリボン」という用語は、そのような構造がその上に構築される支持構造(例えば、基板、ダイ、チップ、又はウェハ)と平行な長手方向軸を有する半導体材料の細長構造を指す。通常、そのような構造の長さ(すなわち、本図面においては図1に示される例示的なx-y-z座標系105のy軸に沿うものとして示される、長手方向軸に沿って測定される寸法)は、幅(すなわち、座標系105のx軸に沿って測定される寸法)及び厚さ/高さ(すなわち、座標系105のz軸に沿って測定される寸法)の各々に比べてより大きい。幾つかの設定において、「ナノリボン」又は「ナノシート」という用語は、長方形の横断断面(すなわち、構造の長手方向軸と垂直な平面における断面)を有する細長半導体構造を説明するために使用されており、一方、「ナノワイヤ」という用語は、同様の、但し円形横断断面を有する細長構造を説明するために使用されている。本開示において、「ナノリボン」という用語は、全てのそのようなナノワイヤ、ナノリボン、及びナノシート、並びに、支持構造と平行な長手方向軸を有し、任意のジオメトリの横断断面(例えば、楕円形、又は丸みを帯びた角部を有する多角形の形状における横断断面)を有する細長半導体構造、を指すために使用される。次に、トランジスタのチャネルがナノリボンの部分、すなわち、トランジスタのゲートスタックがその周辺を取り囲み得る部分である場合、当該トランジスタは「ナノリボントランジスタ」として説明され得る。トランジスタのチャネルを形成するナノリボンの部分における半導体材料は「チャネル材料」と称され得、トランジスタのソース領域及びドレイン領域が当該チャネル材料の両側上に設けられる。
【0030】
図1は、本開示の幾つかの実施形態による、ナノリボントランジスタ110を有する例示的なIC構造100の斜視図を提供する。図1において示されるように、IC構造100は、支持体102と実質的に平行に延在するナノリボン104として形成された半導体材料を含む。トランジスタ110は、ゲートスタック106に「チャネル部分」と称されるナノリボンの少なくとも部分を取り囲ませることにより、及び、図1において第1のS/D領域114-1及び第2のS/D領域114-2として示されるソース領域及びドレイン領域をゲートスタック106の両側上に有することにより、ナノリボン104をベースに形成され得る。S/D領域114のうちの一方はソース領域であり、他方はドレイン領域である。しかしながら、FETの分野においては一般的であるように、ソース及びドレインの呼称は多くの場合交換可能であるため、本明細書において、それらは単に、第1のS/D領域114-1及び第2のS/D領域114-2と称される。
【0031】
本開示の実装形態は、基板、ダイ、ウェハ、又はチップなどの任意の好適な支持体102の上で形成又は遂行され得る。支持体102は、例えば、以下で論述される、図5のウェハ1500であり得、かつ、ダイ、例えば、以下で論述される図5の個片化ダイ1502であり得る、又はこれに含まれ得る。支持体102は、例えばN型又はP型材料系を含む半導体材料系で構成される半導体基板であり得る。一実装形態において、半導体基板は、バルクシリコン又はシリコンオンインシュレータ(silicon-on-insulator:SOI)基礎構造を用いて形成される結晶基板であり得る。他の実装形態において、半導体基板は、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、アンチモン化インジウム、テルル化鉛、ヒ化インジウム、リン化インジウム、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、ヒ化アルミニウム、ヒ化インジウムアルミニウム、アンチモン化アルミニウムインジウム、ヒ化インジウムガリウム、窒化ガリウム、窒化インジウムガリウム、窒化アルミニウムインジウム、又はアンチモン化ガリウム、又は、III-V族材料(すなわち、元素の周期系のIII族及びV族からの材料)、II-VI族(すなわち、元素の周期系のII族及びVI族からの材料)、又は、IV族材料(すなわち、元素の周期系のIV族からの材料)の他の組み合わせを含むが、これらに限定されない代替材料を用いて形成され得、これらは、シリコンと組み合わされる場合又は組み合わされない場合がある。幾つかの実施形態において、基板は非結晶性であり得る。幾つかの実施形態において、支持体102は、印刷回路基板(printed circuit board:PCB)基板、パッケージ基板、インタポーザ、ウェハ、又はダイであり得る。支持体102が形成され得る幾つかの材料の例がここで説明されているが、本明細書で説明されるようにS/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより製造されたSRAMを有するIC構造がその上に構築され得る基板として機能し得る任意の材料は、本開示の趣旨及び範囲内に含まれる。図1においては1つのナノリボン104のみが示されているが、IC構造100は、例えば、IC構造100の例であり得るIC構造を示す図4A図4Fにおいて示されるように、複数のナノリボン104が互いの上に積み重ねられた、そのようなナノリボンのスタックを含み得る。幾つかの実施形態において、ナノリボントランジスタの分野において既知であるように、スタックの最下位のナノリボン104の直下にある支持体102の部分は、ベースから離れるように延在するサブフィンのような形状であり得る。
【0032】
ナノリボン104は、例えばナノワイヤ又はナノリボンの形態を取り得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104の横断断面の面積(すなわち、ナノリボン104の長手方向軸120と垂直な、座標系105のx-z平面における面積)は、その中の全ての値及び範囲を含めて、約25~10000平方ナノメートルの間(例えば、約25~1000平方ナノメートルの間、又は、約25~500平方ナノメートルの間)であり得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104の幅(すなわち、支持体102と平行な平面内で、かつ、ナノリボン104の長手方向軸120と垂直な方向において、例えば座標系105のy軸に沿って測定される寸法)は、その中の全ての値及び範囲を含めて、ナノリボン104の高さ(すなわち、支持体102と垂直な平面内で、例えば座標系105のz軸に沿って測定される寸法)に比べて少なくとも約3倍大きい場合があり、例えば、少なくとも約4倍大きい、又は少なくとも約5倍大きい。図1において示されるナノリボン104は、長方形断面を有するものとして示されているが、ナノリボン104は代わりに、角部が丸みを帯びた断面、又は、そうでなければ不規則な形状の断面を有し得、ゲートスタック106はナノリボン104の形状に適合し得る。ナノリボンの「面」という用語は、(ナノリボン104の長手方向軸120と実質的に垂直な平面において測定された場合に)それと垂直な側面に比べてより大きいナノリボン104の側面を指す場合があり、後者の側面は、ナノリボンの「側壁」と称される。
【0033】
様々な実施形態において、ナノリボン104の半導体材料は、例えばN型又はP型材料系を含む半導体材料系で構成され得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104は、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化亜鉛インジウム、酸化ガリウム、酸窒化チタン、酸化ルテニウム、又は酸化タングステンなどの高移動度酸化物半導体材料を含み得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104は、半導体材料の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104は、シリコン(Si)又はゲルマニウム(Ge)などの単結晶半導体を含み得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104は、周期表のIII族からの少なくとも1つの元素(例えば、Al、Ga、In)の第1の副格子、及び、周期表のV族の少なくとも1つの元素(例えば、P、As、Sb)の第2の副格子を有する化合物半導体を含み得る。
【0034】
幾つかの例示的なN型トランジスタの実施形態について(すなわち、トランジスタ110がNMOSトランジスタである実施形態について)、ナノリボン104のチャネル材料は、InGaAs、InP、InSb、及びInAsなどの、但しこれらに限定されない、相対的に高い電子移動度を有するIII-V族材料を含み得る。幾つかのそのような実施形態について、ナノリボン104のチャネル材料は、InGaAs、GaAsSb、InAsP又はInPSbなどの三元III-V合金であり得る。幾つかのInGa1-x、As fin実施形態について、In含有量(x)は0.6~0.9の間であり得、有利なことに少なくとも0.7であり得る(例えば、In0.7Ga0.3As)。幾つかの例示的なP型トランジスタの実施形態について(すなわち、トランジスタ110がPMOSトランジスタである実施形態について)、ナノリボン104のチャネル材料は、有利なことに、Ge又はGeリッチSiGe合金などの、但しこれらに限定されない、高い正孔移動度を有するIV族材料であり得る。幾つかの例示的な実施形態について、ナノリボン104のチャネル材料は、0.6~0.9の間のGe含有量を有し得、有利なことに、少なくとも0.7であり得る。
【0035】
幾つかの実施形態において、ナノリボン104のチャネル材料は、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化インジウムスズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化亜鉛インジウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、酸化ガリウム、酸窒化チタン、酸化ルテニウム、又は酸化タングステンなどの高移動度酸化物半導体材料などの薄膜材料であり得る。概して、ナノリボンにおいて形成されたトランジスタが薄膜トランジスタ(thin-film transistor:TFT)である場合、ナノリボン104のチャネル材料は、酸化スズ、酸化コバルト、酸化銅、酸化アンチモン、酸化ルテニウム、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ガリウム、酸化チタン、酸化インジウム、酸窒化チタン、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛インジウム、酸化ニッケル、酸化ニオブ、過酸化銅、IGZO、テルル化インジウム、モリブデナイト、モリブデンジセレニド、タングステンジセレニド、タングステンジスルフィド、N型又はP型アモルファス又は多結晶シリコン、ゲルマニウム、ヒ化インジウムガリウム、シリコンゲルマニウム、窒化ガリウム、窒化アルミニウムガリウム、亜リン酸インジウム、及び黒リンのうちの1つ又は複数を含み得、その各々は、場合により、ガリウム、インジウム、アルミニウム、フッ素、ホウ素、リン、ヒ素、窒素、タンタル、タングステン、及びマグネシウム等のうちの1つ又は複数でドープされ得る。幾つかの実施形態において、ナノリボン104のチャネル材料は、その中の全ての値及び範囲を含めて、約5~75ナノメートルの間の厚さを有し得る。幾つかの実施形態において、薄膜チャネル材料は相対的に低温で成膜され得、これにより、バックエンド製造に課されるサーマルバジェット内でチャネル材料を成膜し、他のコンポーネント、例えばロジックデバイスなどのフロントエンドコンポーネントを損傷するのを回避することが可能となる。
【0036】
ゲート電極材料108、及び任意選択的にゲート絶縁体材料112を含むゲートスタック106は、図1に示されているように、ナノリボン104の部分の周囲を完全に又はほぼ完全に取り囲み得、トランジスタ110のチャネル材料の活性領域(チャネル領域)は、ゲートスタック106によって取り囲まれたナノリボン104の部分に対応する。図1において示されるように、ゲート絶縁体材料112は、ナノリボン104の横断部分の周囲を取り囲み得、ゲート電極材料108はゲート絶縁体材料112の周囲を取り囲み得る。
【0037】
ゲート電極材料108は1つ又は複数のゲート電極材料を含み得、ここで、ゲート電極材料の選択は、トランジスタ110がPMOSトランジスタであるか又はNMOSトランジスタであるかに依存し得る。PMOSトランジスタの場合、ゲート電極材料108の異なる部分において使用され得るゲート電極材料は、ルテニウム、パラジウム、プラチナ、コバルト、ニッケル、及び導電性金属酸化物(例えば、酸化ルテニウム)を含み得るが、これらに限定されない。NMOSトランジスタの場合、ゲート電極材料108の異なる部分において使用され得るゲート電極材料は、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム、これらの金属の合金、及びこれらの金属の炭化物(例えば、炭化ハフニウム、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル及び炭化アルミニウム)を含むが、これらに限定されない。幾つかの実施形態において、ゲート電極材料108は、複数のゲート電極材料のスタックを含み得、ここで、当該スタックの0又はそれより多くの材料は仕事関数(workfunction:WF)材料であり、当該スタックの少なくとも1つの材料は、充填金属層である。拡散バリア層又は/及び接着層として作用するなどの他の目的において、ゲート電極材料108の隣に更なる材料/層が含まれ得る。
【0038】
幾つかの実施形態において、ゲート絶縁体材料112は、トランジスタ110の部分を囲み得る絶縁体材料を参照して本明細書で論述される材料のうちのいずれかを含む1つ又は複数のhigh-k誘電体を含み得る。幾つかの実施形態において、ゲート絶縁体材料112の品質を改善するために、トランジスタ110の製造中にゲート絶縁体材料112上でアニール処理が遂行され得る。ゲート絶縁体材料112は、幾つかの実施形態において、その中の全ての値及び範囲を含めて、約0.5ナノメートル~3ナノメートルの間(例えば、約1~3ナノメートルの間、又は、約1~2ナノメートルの間)であり得る厚さを有し得る。幾つかの実施形態において、ゲートスタック106は、図1においては示されていないが、ゲートスペーサによって囲まれ得る。そのようなゲートスペーサは、トランジスタ110のゲートスタック106及びS/Dコンタクトの間の分離を提供するように構成され、その幾つかの例が上記で提供されたlow-k誘電体材料から作られている場合がある。
【0039】
トランジスタ110のS/D領域114に目を向けると、幾つかの実施形態において、S/D領域は、それぞれのS/Dコンタクト(図1においては示されていない)とのオーミックコンタクトを有利に形成するために、例えば、約1021cm-3のドーパント濃度で高濃度にドープされ得るが、幾つかの実装形態において、これらの領域はまた、より低いドーパント濃度を有し得、ショットキーコンタクトを形成し得る。正確なドーピングレベルに関係なく、トランジスタのS/D領域は、他の領域に比べてより高いドーパント濃度を有する領域であり、例えば、トランジスタチャネルにおける(すなわち、第1のS/D領域114-1及び第2のS/D領域114-2の間に延在するチャネル材料における)ドーパント濃度に比べてより高く、従って、「高濃度にドープされる」(highly doped:HD)領域と称され得る。本明細書で説明されるように閾値電圧チューニングを実現するためにドープされた場合でも、トランジスタのチャネル部分は、通常、S/D領域114のそれらに比べて著しくより小さいドーピング濃度を有する半導体材料を含む。
【0040】
トランジスタ110のS/D領域114は、概して、注入/拡散プロセス又はエッチング/成膜プロセスのいずれかを使用して形成され得る。前者のプロセスにおいて、ホウ素、アルミニウム、アンチモン、リン、又はヒ素などのドーパントがナノリボン104にイオン注入され、ソース及びドレイン領域が形成され得る。ドーパントを活性化し、それらをナノリボン104へと更に拡散させるアニール処理がイオン注入プロセスに続き得る。後者のプロセスにおいて、ナノリボン104の部分が最初にエッチングされ、将来のS/D領域114の位置にリセスが形成され得る。次に、エピタキシャル成長プロセスが遂行され、リセスをS/D領域114を製造するために使用される材料で充填し得る。幾つかの実装形態において、S/D領域114は、シリコンゲルマニウム又は炭化ケイ素などのシリコン合金を用いて製造され得る。幾つかの実装形態において、エピタキシャル成長させたシリコン合金は、ホウ素、ヒ素又はリンなどのドーパントでその場でドープされ得る。更なる実施形態において、S/D領域114は、ゲルマニウム又はIII-V族材料、又は合金などの1つ又は複数の代替的な半導体材料を用いて形成され得る。更なる実施形態において、金属及び/又は金属合金の1つ又は複数の層が、S/D領域114を形成するために使用され得る。幾つかの実施形態において、第1及び第2のS/D領域114の間の距離(すなわち、ナノリボン104の長手方向軸120に沿って測定される寸法)は、その中の全ての値及び範囲を含めて、約5~40ナノメートルの間(例えば、約22~35ナノメートルの間、又は約20~30ナノメートルの間)であり得る。
【0041】
図1において示されるIC構造100、並びに本開示の他の図において示されるIC構造は、その中のコンポーネントのうちの幾つかの相対的配置を示すことを意図したものであり、IC構造100又はその部分は、示されていない他のコンポーネント(例えば、トランジスタ110のS/D領域114への電気接触、トランジスタ110のゲート電極の周囲のスペーサ層などの追加の層等)を含み得る。例えば、図1においては具体的に示されていないが、ソース、ゲート、及びドレイン電極の間の電気的分離を提供するために、トランジスタ110の第1のS/D領域114-1に結合された第1のS/Dコンタクト(これは、「第1のS/D電極」とも称され得る)及びゲートスタック106の間、並びに、トランジスタ110の第2のS/D領域114-2に結合された第2のS/Dコンタクト(これは、「第2のS/D電極」とも称され得る)及びゲートスタック106の間に誘電体スペーサが設けられ得る。別の例において、図1においては具体的に示されていないが、トランジスタ110の少なくとも部分は、任意の好適な層間誘電体(interlayer dielectric:ILD)材料などの絶縁体材料で囲まれ得る。幾つかの実施形態において、そのような絶縁体材料は、ハフニウム、ケイ素、酸素、チタン、タンタル、ランタン、アルミニウム、ジルコニウム、バリウム、ストロンチウム、イットリウム、鉛、スカンジウム、ニオブ、及び亜鉛などの元素を含むhigh-k誘電体であり得る。この目的のために使用され得るhigh-k材料の例は、酸化ハフニウム、酸化ハフニウムケイ素、酸化ランタン、酸化ランタンアルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムケイ素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化バリウムストロンチウムチタン、酸化バリウムチタン、酸化ストロンチウムチタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ケイ素タンタル、酸化鉛スカンジウムタンタル、及びニオブ酸鉛亜鉛を含み得るが、これらに限定されない。他の実施形態において、トランジスタ110の部分を囲む絶縁体材料は、low-k誘電体材料であり得る。low-k誘電体材料の幾つかの例は、二酸化ケイ素、炭素ドープ酸化物、窒化ケイ素、ペルフルオロシクロブタン又はポリテトラフルオロエチレンなどの有機ポリマー、溶融石英ガラス(FSG)、及びシルセスキオキサン、シロキサン、又は有機シリケートガラスなどの有機シリケートを含むが、これらに限定されない。
【0042】
図2は、本開示の幾つかの実施形態による、例示的なSRAMセル200の電気回路図を提供する。SRAMセル200は、セルのビット値又はメモリ状態(例えば、ロジック「1」又は「0」)を記憶するためのトランジスタM1~M4、及び、セルへのアクセス(例えば、セルに情報を書き込むためのアクセス、又はセル200から情報を読み出すためのアクセス)を制御するための2つのアクセストランジスタM5及びM6、を含む。トランジスタM1~M6の各々はナノリボントランジスタ(例えば、図1において示されるようなトランジスタ110)であり得、それを説明するために、図2は、トランジスタM1~M6の各々について、第1及び第2のS/D領域114-1及び114-2、及びゲートスタック106にラベル付けしている。しかしながら、SRAMセル200の他の実施形態において、トランジスタM1~M6のうちの1つ又は複数は、図1において示されるものとは異なるジオメトリ/アーキテクチャで実装され得る。図2の説明、及び、図2において説明された結合を参照する後続の図の説明において、要素Aが要素Bに結合されると説明されている場合、「結合される」という用語は、要素Aが要素Bに直接接続される実施形態を包含する。例えば、トランジスタM1のゲートスタック106がトランジスタM2のゲートスタック106に結合され得るとの説明は、トランジスタM1のゲートスタック106がトランジスタM2のゲートスタック106に直接接続される実施形態を包含する。
【0043】
図2は、幾つかのトランジスタをN型トランジスタ(すなわち、トランジスタM1、M3、M5、及びM6)として、及び、他のトランジスタをP型トランジスタ(すなわち、トランジスタM2及びM4)として、そのようなトランジスタについての従来の電気回路図表記を用いて示す。しかしながら、SRAMセル200の他の実施形態において、この表記は逆になり得(すなわち、トランジスタM1、M3、M5、及びM6はP型トランジスタであり得、トランジスタM2及びM4はN型トランジスタであり得る)、一方、図2において示される接地電圧232及び供給電圧234の呼称も逆になり、それらの実施形態の全てが本開示の範囲内である。
【0044】
SRAMセル200内で、各ビットは、それぞれ入力222及び出力224を有する2つの交差結合されたインバータ220を形成する4つのトランジスタ(M1、M2、M3、M4)上に記憶され得る。第1のインバータ220-1は、トランジスタM1及びトランジスタM2によって形成され得、一方、第2のインバータ220-2は、トランジスタM3及びトランジスタM4によって形成され得る。図2において示されている通り、トランジスタM1のゲートスタック106は、トランジスタM2のゲートスタック106に結合され得、これらのゲートスタックの両方が第1のインバータ220-1の入力222-1に結合され得る。他方、トランジスタM1の第1のS/D領域114-1は、トランジスタM2の第1のS/D領域114-1に結合され得、これらの第1のS/D領域114-1の両方が第1のインバータ220-1の出力224-1に結合され得る。同様に、第2のインバータ220-2について、トランジスタM3のゲートスタック106は、トランジスタM4のゲートスタック106に結合され得、これらのゲートスタックの両方が第2のインバータ220-2の入力222-2に結合され得、一方、トランジスタM3の第1のS/D領域114-1は、トランジスタM4の第1のS/D領域114-1に結合され得、これらの第1のS/D領域114-1の両方が第2のインバータ220-2の出力224-2に結合され得る。図2においても示されている通り、トランジスタM1及びM3がN型トランジスタである場合、及び、図2において示されている通り、トランジスタM2及びM4がP型トランジスタである場合、トランジスタM1及びM3の第2のS/D領域114-2は接地電圧232に結合され得、一方、トランジスタM2及びM4の第2のS/D領域114-2は、供給電圧234、例えばVDDに結合され得る。図2において示されるN型トランジスタがP型トランジスタと置換され、逆もまた同様であるSRAMセル200の実施形態において、接地電圧232及び供給電圧234の呼称も逆になり得る。
【0045】
そのような構成における4つのトランジスタM1~M4は、0又は1のビット値を記憶するための安定した記憶セルを形成する。図2において更に示されている通り、2つの追加のアクセストランジスタM5及びM6は、読み出し及び書き込み動作中にトランジスタM1~M4の記憶セルへのアクセスを制御するように機能し得る。図2において示される通り、アクセストランジスタM5の第1のS/D領域114-1は、第1のインバータ220-1の出力224-1に結合され得る。言い換えれば、アクセストランジスタM5の第1のS/D領域114-1は、トランジスタM1の第1のS/D領域114-1及びトランジスタM2の第1のS/D領域114-1の各々に結合され得る。アクセストランジスタM5の第2のS/D領域114-2は、第1のBL240-1に結合され得る。従って、トランジスタM1の第1のS/D領域114-1及びトランジスタM2の第1のS/D領域114-1の各々は、(例えば、アクセストランジスタM5を介して)第1のBL240-1に結合され得る。アクセストランジスタM5のゲートスタック106は、WL250に結合され得る。図2において更に示される通り、アクセストランジスタM6の第1のS/D領域114-1は、第2のインバータ220-2の出力224-2に結合され得る。言い換えれば、アクセストランジスタM6の第1のS/D領域114-1は、トランジスタM3の第1のS/D領域114-1及びトランジスタM4の第1のS/D領域114-1の各々に結合され得る。アクセストランジスタM6の第2のS/D領域114-2は、第2のBL240-2に結合され得る。従って、トランジスタM3の第1のS/D領域114-1及びトランジスタM4の第1のS/D領域114-1の各々は、(例えば、アクセストランジスタM6を介して)第2のBL240-2に結合され得る。アクセストランジスタM6のゲートスタック106は、WL250に結合され得る。従って、アクセストランジスタM5及びM6の両方のゲートスタック106が、単一の共有WLであるWL250に結合され得る。図2においても示される通り、第1のインバータ220-1の入力222-1は、アクセストランジスタM6の第1のS/D領域114-1に結合され得、一方、第2のインバータ220-2の入力222-2は、アクセストランジスタM5の第1のS/D領域114-1に結合され得る。換言すれば、トランジスタM1のゲートスタック106及びトランジスタM2のゲートスタック106の各々は、アクセストランジスタM6の第1のS/D領域114-1に結合され得、一方、トランジスタM3のゲートスタック106及びトランジスタM4のゲートスタック106の各々は、アクセストランジスタM5の第1のS/D領域114-1に結合され得る。言い換えれば、トランジスタM1のゲートスタック106及びトランジスタM2のゲートスタック106の各々は、(例えば、アクセストランジスタM6を介して)第2のBL240-2に結合され得、一方、トランジスタM3のゲートスタック106及びトランジスタM4のゲートスタック106の各々は、(例えば、アクセストランジスタM5を介して)第1のBL240-1に結合され得る。
【0046】
WL250、及び、第1及び第2のBL240は、SRAMセル200を読み出し、これをプログラミングする(すなわち、これに書き込む)ために共に使用され得る。特に、セルへのアクセスは、2つのアクセストランジスタM5及びM6を制御するWL250によって可能になり得、これらは次に、セル200がBL240-1及び240-2に接続されるべきかどうかを制御する。SRAMセル200の動作中において、第1のBL240-1上の信号は、第2のBL240-2上の信号と相補的であり得る。2つのBL240は、読み出し及び書き込み動作の両方についてデータを転送するために使用され得る。SRAMセル200の他の実施形態において、2つのBL240-1及び240-2の代わりに、単一のBL240のみが使用され得る(すなわち、BL240-1及びBL240-2上の信号は同じであり得る)が、2つのBL240など、1つの信号BL及び1つの反転を有することは、ノイズマージンを改善する上で役立ち得る。
【0047】
読み出しアクセス中に、BL240は、SRAMセル200内のインバータ220によってハイ及びローにアクティブに駆動される。これにより、DRAMと比較したSRAM帯域幅が改善され得る。SRAMセル200の対称構造はまた、差動信号伝達を可能にし、これにより、小さな電圧振幅を検出する際に改善がもたらされ得る。SRAMをDRAMに比べてより高速にすることに寄与し得る、DRAMとの別の差異は、市販チップが1度に全てのアドレスビットを受け入れることである。比較すると、汎用DRAMでは、それらのサイズ及びコストを低く抑えるために、同じパッケージピンを介して、アドレスが二等分、すなわち上位ビット及びそれに続く下位ビットに多重化され得る。
【0048】
WL250及びBL240の各々、並びに、本明細書で説明される様々な端子にこれらの線を結合する中間要素は、合金又は複数の導電性材料のスタックを含み得る任意の好適な導電性材料で形成され得る。幾つかの実施形態において、そのような導電性材料は、ルテニウム、パラジウム、プラチナ、コバルト、ニッケル、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、及びアルミニウムなどの金属を有する1つ又は複数の金属又は金属合金を含み得る。幾つかの実施形態において、そのような導電性材料は、1つ又は複数の導電性合金、1つ又は複数の金属の酸化物又は炭化物を含み得る。
【0049】
図3は、幾つかの実施形態による、例示的なSRAM製造方法300のフロー図である。図4A図4Fは、幾つかの実施形態による、図3の方法に従った例示的なIC構造の製造における様々な段階での側面断面図を提供する。図4A図4Fの各々は、図1の軸120に沿った座標系105のy-z平面における所与のIC構造の側面断面図を示す。図4A図4Fの説明において、参照番号を用いて参照される多数の要素は、異なるパターンでこれらの図面内に示されており、参照番号及びパターンの間の対応を示す凡例が、図4A図4Fを含む各図面の頁の下部に提供されている。例えば、凡例は、図4A図4Fが、支持体402、ナノリボン404、ゲート電極材料408、及びゲート絶縁体材料412などを示す異なるパターンを使用していることを示す。
【0050】
方法300の動作は、それぞれ1度ずつ、及び特定の順序で示されるが、当該動作は、任意の好適な順序で実行されてよく、所望に応じて繰り返されてよい。例えば、SRAMセルを有する複数のIC構造を実質的に同時に製造するために、1つ又は複数の動作が並行して実行され得る。別の例において、S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより製造されたSRAMが実装されることになるICデバイスの構造を反映するように、動作が異なる順序において実行され得る。
【0051】
加えて、例示的な製造方法300は、当技術分野において既知であるような様々な洗浄又は平坦化動作など、図3において具体的に示されていない他の動作を含み得る。例えば、幾つかの実施形態において、支持体402、並びに、その上で後に成膜される様々な他の材料の層は、本明細書で説明される方法300のプロセスのうちのいずれかの前、後、又はその間に、例えば、酸化物、表面結合した有機及び金属汚染物質、並びに地下汚染を除去するために洗浄され得る。幾つかの実施形態において、洗浄は、例えば、(過酸化物などの)化学溶液を用いて、及び/又はオゾンと組み合わされた紫外線(ultraviolet:UV)放射により、及び/又は(例えば、熱酸化を用いて)表面を酸化させ、次に、(例えば、フッ化水素酸(hydrofluoric acid:HF)を用いて)酸化物を除去することにより、遂行され得る。別の例において、本明細書で説明される中間IC構造は、本明細書で説明される方法300のプロセスのうちのいずれかの前、後、又はその間に、例えば、オーバーバーデン又は余剰材料を除去するために平坦化され得る。幾つかの実施形態において、平坦化は、湿式又は乾式平坦化プロセスのいずれかを用いて遂行され得、例えば、平坦化は、研磨面、研磨剤及びスラリーを利用してオーバーバーデンを除去し、表面を平坦化するプロセスとして理解され得る化学機械平坦化(chemical mechanical planarization:CMP)である。
【0052】
方法300は、解放されたナノリボンのスタックを支持体上に設けること、及び、ゲートスタック、S/D領域、及びS/Dコンタクトのための開口部を形成することを含むプロセス302で開始され得る。図4AのIC構造452は、プロセス302の例示的な結果を示す。IC構造452は、支持体402、支持体402上の解放されたナノリボン404のスタック、ゲート電極材料408及びゲート絶縁体材料412を有するゲートスタック406(ゲートスタック406は、個々にゲートスタック406-1、406-2、406-3及び406-4とラベル付けされる)、及びS/D領域414を示す。支持体402、ナノリボン404、ゲートスタック406、ゲート電極材料408、ゲート絶縁体材料412、及びS/D領域414は、それぞれ、上記で説明された図1の支持体102、ナノリボン104、ゲートスタック106、ゲート電極材料108、ゲート絶縁体材料112、及びS/D領域114の例であり得る。
【0053】
図4Aは、複数のナノリボン404が互いの上に積み重ねられ得ることを示す。図4A及び後続の図は、スタック内の4つのナノリボン404を示すが、他の実施形態において、ナノリボン404のスタックは、任意の他の数の2つ又はそれより多くのナノリボン404を含み得る。ナノリボン404の異なるスタックの材料組成は、上記で提供された説明に沿って、当該スタックがNMOS又はPMOSトランジスタのいずれを実装することになるかに応じて異なり得る。ナノリボン404は、ナノリボン404のチャネル部分の周囲に開口部が以前に形成されているという点で「解放」されており、その開口部内に、上記で説明されたようなゲート絶縁体材料412及びゲート電極材料408が続いて設けられる。図4Aはまた、ゲートスタック406の各々を囲むゲートスペーサ422を示す。ゲートスペーサ422は、ゲートスタック406、及び、ナノリボン404のスタックに沿って設けられたトランジスタ110の将来のS/Dコンタクトの間の分離を提供するように構成され得、その幾つかの例が上記で提供されたlow-k誘電体材料から作られている場合がある。幾つかの実施形態において、ゲートスペーサ422は、それらの誘電率を更に低減するための孔又はエアギャップを含み得る。幾つかの実施形態において、ゲートスペーサ422は、シリコン、及び、酸素、炭素又は窒素のうちの1つ又は複数を含み得る。図4Aは、ゲート電極材料408上に設けられ得る絶縁体材料424を更に示す。絶縁体材料424は、任意の好適な絶縁体材料、例えば、ILD材料を参照して説明された1つ又は複数の材料を含み得る。
【0054】
図4Aは、ナノリボン404のスタックを通って延在するS/D領域414、並びに、ゲートスタック406のゲート電極材料408から、及び、支持体402から、S/D領域414を電気的に絶縁/分離するための絶縁体材料416を示す。S/D領域414のそれぞれの側から、ゲートスタック406が設けられたナノリボン404の間の開口部へと延在する絶縁体材料416の部分は、「ディンプル」417と称され得る。他の実施形態において、絶縁体材料416のディンプル417がS/D領域414及びゲート電極材料408の間の電気的分離を提供する限り、ディンプル417の形状は、図4Aにおいて示されるものとは異なり得る。絶縁体材料416は、任意の好適な絶縁体材料、例えば、ILD材料を参照して説明された1つ又は複数の材料を含み得る。
【0055】
支持体402、ゲートスタック406、及びS/D領域414上に設けられた、解放されたナノリボン404のスタックは、当技術分野において既知の技法のいずれかに従い形成され得る。図4Aは、S/D領域414を露出させるべくナノリボン404のスタックの上方に設けられた、開口部426-1、426-2、及び426-3と個々にラベル付けされた開口部426を更に示す。図2のSRAMセル200のようなSRAMセルを形成するために、どのゲートがどのS/Dコンタクトに意図的に短絡されるかの説明を助けるべく、ゲートスタック406及び開口部426は個々にラベル付けされる。特に、ナノリボン404が、それらに沿ってPMOSトランジスタを形成するためのチャネル材料を有する場合、開口部426-1において設けられたS/Dコンタクトに後に短絡されるゲートスタック406-1は、(入力222-1及び出力224-2のノードの結合により)SRAMセル200のトランジスタM4の第1のS/D領域114-1へのトランジスタM2のゲートスタック106の結合を実装し得、開口部426-2において設けられたS/Dコンタクトに後に短絡されるゲートスタック406-3は、(入力222-2のノード及び出力224-1の結合により)SRAMセル200のトランジスタM2の第1のS/D領域114-1へのトランジスタM4のゲートスタック106の結合を実装し得、又は、逆もまた同様である。他方、ナノリボン404が、それらに沿ってNMOSトランジスタを形成するためのチャネル材料を有する場合、開口部426-1において設けられたS/Dコンタクトに後に短絡されるゲートスタック406-1は、(やはり、入力222-1及び出力224-2のノードの結合により)SRAMセル200のトランジスタM3の第1のS/D領域114-1へのトランジスタM1のゲートスタック106の結合を実装し得、開口部426-2において設けられたS/Dコンタクトに後に短絡されるゲートスタック406-3は、(やはり、入力222-2のノード及び出力224-1の結合により)SRAMセル200のトランジスタM1の第1のS/D領域114-1へのトランジスタM3のゲートスタック106の結合を実装し得、又は、逆もまた同様である。
【0056】
次に、方法300は、IC構造452のS/Dコンタクトのための開口部の側壁及び底部にライナ材料が成膜され、次に、絶縁体材料424の下になるように凹まされるプロセス304に進み得る。図4BのIC構造454は、プロセス304の例示的な結果を示す。図4Bにおいて示されるように、ライナ材料428は、開口部426の側壁及び底部をライニングし得る。ライナ材料428は、S/D領域414及び将来のS/Dコンタクトの導電性材料の間のオーミックコンタクトを形成するための任意の好適な材料を含み得る。例えば、幾つかの実施形態において、ライナ材料428はチタンを含み得る。ライナ材料428は、任意の好適な成膜技法、例えば、原子層成長(atomic layer deposition:ALD)などの任意の好適なコンフォーマル成膜技法を用いて成膜され得る。幾つかの実施形態において、ライナ材料428の厚さは、その中の全ての値及び範囲を含めて、約1ナノメートル~約8ナノメートルの間、例えば、約1ナノメートル~5ナノメートルの間、又は、約1ナノメートル~3ナノメートルの間であり得る。
【0057】
方法300はまた、S/D領域414と接触しているライナ材料428の部分(すなわち、開口部426の底部の部分)がS/D領域414の材料と相互作用し、それにより界面材料を形成するプロセス306を含む。図4CのIC構造456は、プロセス306の例示的な結果を示す。図4Cにおいて示されるように、ライナ材料428の底部部分はS/D領域414の材料と相互作用し、開口部426の底部で界面材料430を形成する。例えば、ライナ材料428がチタンであり、かつS/D領域414がシリコンを含む場合、界面材料430はチタンシリサイドであり得る、又はより一般的には、チタン及びシリコンを有する材料であり得る。開口部426の側壁上の材料は半導体材料ではなく絶縁体材料であるため、開口部426の側壁上のライナ材料428は、実質的に、最初に成膜されたままの状態である。幾つかの実施形態において、側壁上のライナ材料428の厚さは約1ナノメートル~約3ナノメートルの間、例えば、約2ナノメートルであり得る。幾つかの実施形態において、界面材料430の厚さは、その中の全ての値及び範囲を含めて、約2~8ナノメートルの間、例えば約1ナノメートル~約5ナノメートルの間、又は約6ナノメートル未満であり得る。
【0058】
次に、方法300は、IC構造456のS/Dコンタクトのための開口部の残りの部分に導電性充填材料が成膜されるプロセス308に進み得る。図4DのIC構造458は、プロセス308の例示的な結果を示す。図4Dにおいて示されるように、導電性充填材料432は、それらの側壁においてライナ材料428でライニングされ、それらの底部において界面材料430でライニングされた開口部426を充填し得、それにより、開口部426において導電性S/Dコンタクトを形成する。導電性充填材料432は、S/Dコンタクト材料として機能するのに好適な任意の導電性材料を含み得、ALD、化学気相成長(chemical vapor deposition:CVD)、プラズマ励起CVD(plasma enhanced CVD:PECVD)、又は/及びスパッタなどの物理気相成長(physical vapor deposition:PVD)プロセス、などの技法を用いてプロセス308において成膜され得る。導電性充填材料432の例は、モリブデン、ルテニウム、パラジウム、プラチナ、コバルト、ニッケル、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、及びアルミニウムなどの金属を有する1つ又は複数の金属又は金属合金を含む。プロセス304、306、及び308は、共に「S/Dコンタクトメタライゼーション」と称され得る。所与の開口部426について、ライナ材料428及びその上に成膜された導電性材料432を含むS/Dコンタクト構造は、「S/Dコンタクト」と称され得る。
【0059】
S/Dコンタクトメタライゼーションが完了すると、方法300は、ゲートコンタクトの一部をS/Dコンタクトの一部と電気的に接続するために開口部が形成されるプロセス310に進み得る。図4EのIC構造460は、プロセス310の例示的な結果を示す。図4Eは、IC構造458の頂部上に犠牲材料434が設けられ得、犠牲材料434内に開口部436が形成されて開口部436-1及び436-2と個々にラベル付けされ得ることを示す。開口部436-1は、ゲートスタック406-1のゲート電極材料408、及び開口部426-1内に成膜された導電性充填材料432を露出させる開口部であり得る。開口部436-2は、ゲートスタック406-3のゲート電極材料408、及び開口部426-2内に成膜された導電性充填材料432を露出させる開口部であり得る。犠牲材料434は、開口部436を形成するようにパターニングされ得る任意の好適な材料、例えば、任意の好適な絶縁体材料を含み得る。例えば、幾つかの実施形態において、犠牲材料434は、炭素系材料、例えば、炭素ハードマスク(carbon hard mask:CHM)、又は、高温CHM(high-temperature CHM:HTCHM)を含み得る。犠牲材料434内の開口部436の位置及び寸法を定義するために、フォトリソグラフィ又は電子ビーム(electron-beam:e-beam)パターニングなどの、但しこれらに限定されない、任意の好適なパターニング技法がプロセス310において使用され得る。開口部436の位置及び寸法がパターニング/定義されると、開口部436内の絶縁体材料を除去するために、任意の好適なエッチング技法、例えば高周波(radio frequency:RF)反応性イオンエッチング(reactive ion etch:RIE)又は誘導結合プラズマ(inductively coupled plasma:ICP)RIEなどの、例えば乾式エッチングが使用され得る。幾つかの実施形態において、プロセス310において実行されるエッチングは、例えば臭素(Br)及び塩化物(Cl)系化学物質を用いる、例えば化学的に活性なイオン化ガス(すなわち、プラズマ)の形態におけるエッチャントを用いる異方性エッチングを含み得る。幾つかの実施形態において、プロセス310のエッチング中に、IC構造は、エッチングの副生成物が表面から除去されるように十分に揮発することを促すべく、高温(elevated temperature)、例えば、その中の全ての値及び範囲を含めて、ほぼ室温及び摂氏200度の間の温度に加熱され得る。
【0060】
通常、導電性材料は絶縁体材料に対してエッチング選択的であるため、開口部436を形成するためにプロセス310において使用されるエッチングは、開口部436内の導電性材料(例えば、ゲート電極材料408及び導電性充填材料432)を実質的にエッチングすることなく、開口部436内の絶縁体材料(例えば、犠牲材料434、絶縁体材料424及びゲートスペーサ422)を除去することになる。当技術分野において既知である通り、一方の材料をエッチングするために使用されるエッチャントが他方の材料を実質的にエッチングせず、一方の材料の選択的エッチングを可能にするが他方の材料の選択的エッチングを可能にしない場合、2つの材料は互いに対して「エッチング選択的」であると言われる(又は、「十分なエッチング選択性」を有すると言われる)。
【0061】
方法300は、犠牲材料434が除去され、IC構造460の残りの開口部436が導電性充填材料で充填されるプロセス312を更に含み得る。図4FのIC構造462は、プロセス312の例示的な結果を示す。図4Fにおいて示されるように、導電性充填材料438は、開口部436を充填し得る。導電性充填材料438は、導電性充填材料432を参照して説明された材料のいずれかのような任意の好適な導電性材料を含み得、ALD、CVD、PECVD、又はPVDなどの技法を用いてプロセス312において成膜され得る。プロセス310及び312は、共に「ゲートコンタクトパターニング」と称され得る。所与のゲートスタック406について、ゲート電極材料408及びその上に成膜された導電性材料438を含むゲート構造は、「ゲートコンタクト」と称され得る。S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより、プロセス312において成膜された導電性充填材料438を使用して、プロセス310において開口部436によって露出されたゲート電極材料408の部分、及び、S/Dコンタクトメタライゼーション中に開口部426において形成されたS/Dコンタクトの導電性充填材料432の間に(例えば、これらと接触する)電気的導通を提供することが可能になる。図4Fは、導電性充填材料438の部分440-1が、プロセス310において開口部436-1によって露出された、ゲートスタック406-1のゲート電極材料408、及び、開口部426-1内に形成されたS/Dコンタクトの導電性充填材料432と導電性接触し得ることを示す。図4Fは、導電性充填材料438の部分440-2が、プロセス310において開口部436-2によって露出された、ゲートスタック406-3のゲート電極材料408、及び、開口部426-2内に形成されたS/Dコンタクトの導電性充填材料432と導電性接触し得ることを更に示す。
【0062】
方法300を実行することにより、本明細書で説明されるように、S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することによって製造されていないSRAMを有するIC構造においては見られることのない、IC構造462における複数の特性的特徴がもたらさることになる。例えば、1つのそのような特徴は、界面材料430(例えば、チタンシリサイド)が、約2ナノメートル~10ナノメートルの間、例えば、約5ナノメートルの厚さ(S/D領域414と垂直に、例えば座標系105のz軸に沿って測定される寸法)を有するその全体を保存されることである。S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行しない製造方法が採用された場合、界面材料430は、部分的に又は完全に損傷し得る。方法300の使用に特性的な別の特徴は、(図4Fにおいて界面442-1及び442-2と個々にラベル付けされた)界面442が、ゲート電極材料408の上方の導電性充填材料438及びS/Dコンタクトの導電性充填材料432の間で検出可能になることである。図4Fにおいて、界面442-1は、ゲートスタック406-1のゲート電極材料408の上方の導電性充填材料438及び開口部426-1内のS/Dコンタクトの導電性充填材料432の間の界面であり、一方、界面442-2は、ゲートスタック406-3のゲート電極材料408の上方の導電性充填材料438及び開口部426-2内のS/Dコンタクトの導電性充填材料432の間の界面である。幾つかの実施形態において、界面442は、シーム及び/又は粒子境界を含み得る。幾つかの実施形態において、界面442は、界面442の異なる側面上のコントラスト、平均粒径、又は平均粒子配向のうちの1つ又は複数における差異に関連付けられ得る。方法300の使用に特性的な更に別の特徴は、対応する界面442に最も近接するS/Dコンタクトの側壁上のゲートスペーサ422及びライナ材料428が実質的に保存されることである。S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行しない製造方法が採用された場合、S/Dコンタクトの側壁上のゲートスペーサ422及び/又はライナ材料428は、部分的に又は完全に損傷し得る。方法300の使用に特性的なもう1つの特徴は、方法300の二重金属充填及び研磨に起因して、絶縁体材料424の高さ、及びそれに応じて導電性充填材料438の高さ(座標系105のz軸に沿って測定される寸法)が、他の製造方法を用いて達成可能なものに比べてより小さくなり得ることである。
【0063】
本明細書で説明されるように(例えば、図1図4を参照して説明されるように)、S/Dコンタクトメタライゼーション後にゲートコンタクトパターニングを実行することにより製造されるSRAMを有するIC構造が、任意の好適なコンポーネントを実装するために使用され得る。例えば、様々な実施形態において、本明細書で説明されるIC構造は:中央処理装置、メモリデバイス(例えば、高帯域幅メモリデバイス)、メモリセル、ロジック回路、入力/出力回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array:FPGA)コンポーネント、例えばFPGA送受信機又はFPGAロジック、電力供給回路、増幅器(例えば、III-V増幅器)、周辺コンポーネント相互接続エクスプレス(Peripheral Component Interconnect Express:PCIE)回路、ダブルデータレート(Double Data Rate:DDR)転送回路、コンピューティングデバイス(例えば、ウェアラブル又はハンドヘルドコンピューティングデバイス)等、のうちの1つ又は複数の一部であり得る。
【0064】
本明細書で開示されるIC構造、例えばIC構造462は、任意の好適な電子コンポーネントに含まれ得る。図5図9は、本明細書で開示される1つ又は複数のIC構造462を含み得る装置の様々な例を示す。
【0065】
図5は、本明細書で開示される実施形態のいずれかによる1つ又は複数のIC構造462を含み得るウェハ1500及びダイ1502の上面図である。ウェハ1500は半導体材料で構成されてよく、ウェハ1500の表面上に形成された複数のIC構造を有する1つ又は複数のダイ1502を含み得る。ダイ1502の各々は、任意の好適なICを含む半導体製品の繰り返し単位であってよい。半導体製品の製造が完了した後、ウェハ1500は、ダイ1502が互いに分離されて、半導体製品の別個の「チップ」を提供する単体化プロセスを経てよい。ダイ1502は、1つ又は複数のIC構造462、及び/又は1つ又は複数のIC構造462のトランジスタに電気信号をルーティングするためのサポート回路、並びに任意の他のICコンポーネントを含み得る。幾つかの実施形態において、ウェハ1500又はダイ1502は、メモリデバイス(例えば、スタティックRAM(static RAM:SRAM)デバイス、磁気RAM(magnetic RAM:MRAM)デバイス、抵抗RAM(resistive RAM:RRAM(登録商標))デバイス、導電性ブリッジRAM(conductive-bridging RAM:CBRAM)デバイスなどのランダムアクセスメモリ(random-access memory:RAM)デバイス等)、ロジックデバイス(例えば、ANDゲート、ORゲート、NANDゲート又はNORゲート)又は任意の他の好適な回路要素を含み得る。これらのデバイスのうち複数のものが、単一のダイ1502上で組み合わされてよい。例えば、複数のメモリデバイスにより形成されるメモリアレイが、処理デバイス(例えば、図9の処理デバイス1802)又は情報をメモリデバイスに記憶するように、又はメモリアレイに記憶された命令を実行するように構成された他のロジックとして同じダイ1502上に形成され得る。
【0066】
図6は、本明細書で開示される実施形態のいずれかによる1つ又は複数のIC構造100を含み得る、ICデバイス1600の側面断面図である。ICデバイス1600のうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のダイ1502(図5)に含まれ得る。ICデバイス1600は、本明細書で開示される1つ又は複数のIC構造462を含むデバイス領域1604を含み得る。デバイス領域1604は、デバイス領域1604に含まれるトランジスタのゲート及びS/Dコンタクトへの電気接触を更に含み得る。
【0067】
電力及び/又は入力/出力(I/O)信号などの電気信号は、デバイス領域1604上に配設された(相互接続層1606、1608及び1610として図6に示される)1つ又は複数の相互接続層を通じて、デバイス領域1604のデバイス(例えば、トランジスタ)へ、及び/又は当該デバイスからルーティングされ得る。例えば、デバイス領域1604の導電性フィーチャ(例えば、ゲート電極材料108、導電性材料432、及びIC構造462の導電性材料438)は、相互接続層1606、1608及び1610の相互接続構造1628に電気的に結合され得る。1つ又は複数の相互接続層1606、1608及び1610は、ICデバイス1600のメタライゼーションスタック(「ILDスタック」とも称される)1619を形成し得る。
【0068】
相互接続構造1628は、多様な設計に従って電気信号をルーティングするように相互接続層1606、1608及び1610内に配置され得る(特に、当該配置は、図6において示される相互接続構造1628の特定の構成に限定されない)。特定の数の相互接続層1606、1608及び1610が図6において示されているが、本開示の実施形態は、示されているものに比べてより多いか又はより少ない相互接続層を有するIC構造を含む。
【0069】
幾つかの実施形態において、相互接続構造1628は、金属などの導電性材料で充填された線1628a及び/又はビア1628bを含み得る。線1628aは、デバイス領域1604がその上に形成される支持体102の表面と実質的に平行である平面の方向に電気信号をルーティングするように配置され得る。例えば、線1628aは、図6の視点から当該頁の内側及び外側の方向に電気信号をルーティングし得る。ビア1628bは、デバイス領域1604が形成される支持体102の表面と実質的に垂直である平面の方向に電気信号をルーティングするように配置され得る。幾つかの実施形態において、ビア1628bは、異なる相互接続層1606、1608及び1610の線1628aを共に電気的に結合させ得る。
【0070】
図6において示されるように、相互接続層1606、1608及び1610は、相互接続構造1628間に配設された誘電体材料1626を含み得る。幾つかの実施形態において、相互接続層1606、1608及び1610の異なるものにおいて相互接続構造1628間に配設された誘電体材料1626は、異なる組成を有し得;他の実施形態において、異なる相互接続層1606、1608及び1610間の誘電体材料1626の組成は、同じであり得る。
【0071】
第1の相互接続層1606は、デバイス領域1604の上方に形成され得る。示されるように、幾つかの実施形態において、第1の相互接続層1606は、線1628a及び/又はビア1628bを含み得る。第1の相互接続層1606の線1628aは、デバイス領域1604のコンタクト(例えば、IC構造100のS/D領域114へのコンタクト)と結合され得る。
【0072】
第2の相互接続層1608は、第1の相互接続層1606の上方に形成され得る。幾つかの実施形態において、第2の相互接続層1608は、第2の相互接続層1608の線1628aを第1の相互接続層1606の線1628aと結合させるためのビア1628bを含み得る。線1628a及びビア1628bは、明確さのために、各相互接続層内の(例えば、第2の相互接続層1608内の)線で構造的に描かれているが、幾つかの実施形態において、線1628a及びビア1628bは、構造的に及び/又は物質的に連続し(例えば、デュアルダマシンプロセス中に同時に充填され)得る。
【0073】
第3の相互接続層1610(及び所望に応じて追加の相互接続層)は、第2の相互接続層1608又は第1の相互接続層1606に関連して説明されたものと同様の技法及び構成に従って、第2の相互接続層1608上に連続的に形成され得る。幾つかの実施形態において、ICデバイス1600内のメタライゼーションスタック1619において「より高い」(すなわち、デバイス領域1604からより遠く離れている)相互接続層は、より厚くてよい。
【0074】
ICデバイス1600は、相互接続層1606、1608及び1610上に形成されたはんだレジスト材料1634(例えば、ポリイミド又は同様の材料)及び1つ又は複数の導電性コンタクト1636を含み得る。図6において、導電性コンタクト1636は接合パッドの形態を取るように示されている。導電性コンタクト1636は、相互接続構造1628と電気的に結合されてよく、デバイス領域1604のトランジスタの電気信号を他の外部デバイスにルーティングするように構成されてよい。例えば、ICデバイス1600を含むチップを別のコンポーネント(例えば、回路基板)と機械的及び/又は電気的に結合させるために、はんだ接合が、1つ又は複数の導電性コンタクト1636上に形成され得る。ICデバイス1600は、相互接続層1606、1608及び1610からの電気信号をルーティングするための追加の又は代替的な構造を含み得;例えば、導電性コンタクト1636は、電気信号を外部コンポーネントにルーティングする他の類似のフィーチャ(例えば、ポスト)を含み得る。
【0075】
図7は、本明細書で開示される実施形態のいずれかによる1つ又は複数のIC構造462を含み得る例示的なICパッケージ1650の側面断面図である。幾つかの実施形態において、ICパッケージ1650はシステムインパッケージ(SiP)であり得る。
【0076】
パッケージ基板1652は、誘電体材料(例えば、セラミック、ビルドアップ膜、充填剤粒子をその中に有するエポキシ膜、ガラス、有機物、無機物、有機物及び無機物の組み合わせ、異なる材料で形成された埋め込み部分等)で形成され得、誘電体材料を通って面1672及び面1674の間に、又は面1672上の異なる位置間に、及び/又は面1674上の異なる位置間に延在する導電性経路を有し得る。これらの導電性経路は、図6を参照して上記で論述された相互接続1628のいずれかの形態を取り得る。
【0077】
パッケージ基板1652は、パッケージ基板1652を通じて導電性経路(図示せず)に結合されることにより、ダイ1656及び/又はインタポーザ1657内の回路が導電性コンタクト1664の様々なものに(又は、図示されていない、パッケージ基板1652に含まれるデバイスに)電気的に結合することを可能にする、導電性コンタクト1663を含み得る。
【0078】
ICパッケージ1650は、インタポーザ1657の導電性コンタクト1661と、第1レベル相互接続1665、及びパッケージ基板1652の導電性コンタクト1663を介してパッケージ基板1652に結合されたインタポーザ1657を含み得る。図7において示される第1レベル相互接続1665は、はんだバンプであるが、任意の好適な第1レベル相互接続1665が使用され得る。幾つかの実施形態において、インタポーザ1657がICパッケージ1650に含まれないことがあり得;代わりに、ダイ1656は第1レベル相互接続1665によって面1672において導電性コンタクト1663に直接結合され得る。より一般的には、1つ又は複数のダイ1656が、任意の好適な構造(例えば、シリコンブリッジ、有機ブリッジ、1つ又は複数の導波路、1つ又は複数のインタポーザ、ワイヤボンド等)を介してパッケージ基板1652に結合され得る。
【0079】
ICパッケージ1650は、ダイ1656の導電性コンタクト1654、第1レベル相互接続1658、及びインタポーザ1657の導電性コンタクト1660を介してインタポーザ1657に結合された1つ又は複数のダイ1656を含み得る。導電性コンタクト1660は、インタポーザ1657を通じて導電性経路(図示せず)に結合され得、ダイ1656内の回路が導電性コンタクト1661の様々なものに(又は、図示されていないインタポーザ1657に含まれる他のデバイスに)電気的に結合することを可能にする。図7において示される第1レベル相互接続1658は、はんだバンプであるが、任意の好適な第1レベル相互接続1658が使用され得る。
本明細書で使用される場合、「導電性コンタクト」は、異なるコンポーネント間の界面として機能する導電性材料(例えば、金属)の部分を指し得;導電性コンタクトは、あるコンポーネントの表面内に凹んでいてもよく、当該表面と同一平面上にあってもよく、又は当該表面から離れるように延在してもよく、かつ、任意の好適な形態(例えば、導電性パッド又はソケット)を取ってよい。
【0080】
幾つかの実施形態において、アンダーフィル材料1666は、第1レベル相互接続1665の周囲のパッケージ基板1652及びインタポーザ1657の間に配設されてよく、モールド化合物1668が、ダイ1656及びインタポーザ1657の周囲に配設され、パッケージ基板1652と接触してよい。幾つかの実施形態において、アンダーフィル材料1666はモールド化合物1668と同じであり得る。アンダーフィル材料1666及びモールド化合物1668について使用され得る例示的な材料は、好適な場合、エポキシモールド材料である。第2レベル相互接続1670は、導電性コンタクト1664に結合され得る。図7において示される第2レベル相互接続1670は、(例えば、ボールグリッドアレイ配置用の)はんだボールであるが、任意の好適な第2レベル相互接続1670(例えば、ピングリッドアレイ配置におけるピン又はランドグリッドアレイ配置におけるランド)が使用され得る。第2レベル相互接続1670は、回路基板(例えば、マザーボード)、インタポーザ、又は当技術分野において既知であり、かつ、図8を参照して以下で論述される別のICパッケージなどの別のコンポーネントにICパッケージ1650を結合させるために使用され得る。
【0081】
ダイ1656は、本明細書で論述されるダイ1502の実施形態のいずれかの形態を取り得る(例えば、ICデバイス1600の実施形態のいずれかを含み得る)。ICパッケージ1650が複数のダイ1656を含む実施形態において、ICパッケージ1650はマルチチップパッケージ(MCP)と称され得る。ダイ1656は、任意の所望の機能を実行するための回路を含み得る。例えば、ダイ1656のうちの1つ又は複数は、ロジックダイ(例えば、シリコン系ダイ)であり得、ダイ1656のうちの1つ又は複数は、メモリダイ(例えば、高帯域幅メモリ)であり得る。
【0082】
図7において示されるICパッケージ1650はフリップチップパッケージであるが、他のパッケージアーキテクチャが使用され得る。例えば、ICパッケージ1650は、組み込みウェハレベルボールグリッドアレイ(eWLB)パッケージなどのボールグリッドアレイ(BGA)パッケージであり得る。別の例において、ICパッケージ1650は、ウェハレベルチップスケールパッケージ(WLCSP)又はパネルファンアウト(FO)パッケージであってよい。2つのダイ1656が図7のICパッケージ1650内に示されているが、ICパッケージ1650は、任意の所望の数のダイ1656を含み得る。ICパッケージ1650は、パッケージ基板1652の第1の面1672又は第2の面1674上、又は、インタポーザ1657のいずれかの面上に配設される表面実装型の抵抗器、コンデンサ、及びインダクタなどの追加の受動コンポーネントを含み得る。より一般的には、ICパッケージ1650は、当技術分野において既知の任意の他の能動又は受動コンポーネントを含み得る。
【0083】
図8は、本明細書で開示される実施形態のいずれかによる1つ又は複数のIC構造100を含む1つ又は複数のICパッケージ又は他の電子コンポーネント(例えば、ダイ)を有し得るICデバイスアセンブリ1700の側面断面図である。
ICデバイスアセンブリ1700は、回路基板1702(これは、例えばマザーボードであってよい)上に配設された多数のコンポーネントを含む。ICデバイスアセンブリ1700は、回路基板1702の第1の面1740、及び、回路基板1702の対向する第2の面1742上に配設されたコンポーネントを含み;一般的に、コンポーネントは面1740及び1742の一方又は両方に配設され得る。ICデバイスアセンブリ1700を参照して以下で論述されるICパッケージのいずれも、図7を参照して上記で論述されたICパッケージ1650の実施形態のいずれかの形態を取り得る(例えば、1つ又は複数のIC構造100を含み得る)。
【0084】
幾つかの実施形態において、回路基板1702は、誘電体材料の層によって互いに分離され、かつ導電性ビアによって相互接続された複数の金属層を含むPCBであってよい。当該金属層のうちのいずれか1つ又は複数は、回路基板1702に結合されたコンポーネント間で電気信号を(任意選択的に、他の金属層と併せて)ルーティングするために、所望の回路パターンで形成され得る。他の実施形態において、回路基板1702は、非PCB基板であってよい。
【0085】
図8において示されたICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1716によって回路基板1702の第1の面1740に結合されたパッケージ-オン-インタポーザ構造1736を含む。結合コンポーネント1716は、パッケージ-オン-インタポーザ構造1736を回路基板1702に電気的にかつ機械的に結合してよく、(図8に示される)はんだボール、ソケットの雄部分及び雌部分、接着剤、アンダーフィル材料、及び/又は任意の他の好適な電気的及び/又は機械的な結合構造を含み得る。
【0086】
パッケージ-オン-インタポーザ構造1736は、結合コンポーネント1718によりパッケージインタポーザ1704に結合されたICパッケージ1720を含み得る。結合コンポーネント1718は、結合コンポーネント1716を参照して上記で論述された形態など、当該用途での任意の好適な形態を取り得る。単一のICパッケージ1720が図8において示されているが、複数のICパッケージがパッケージインタポーザ1704に結合されてよく;実際、追加のインタポーザがパッケージインタポーザ1704に結合されてよい。パッケージインタポーザ1704は、回路基板1702及びICパッケージ1720をブリッジするために使用される介在基板を提供し得る。ICパッケージ1720は、例えば、ダイ(図5のダイ1502)、ICデバイス(例えば、図6のICデバイス1600)又は任意の他の好適なコンポーネントであってよく、又はそれらを含んでよい。一般的に、パッケージインタポーザ1704は、接続をより広いピッチに広げてもよく、又は、或る接続を異なる接続に再ルーティングしてもよい。例えば、パッケージインタポーザ1704は、回路基板1702に結合するために、ICパッケージ1720(例えば、ダイ)を結合コンポーネント1716のBGA導電性コンタクトのセットに結合させてよい。図8において示される実施形態において、ICパッケージ1720及び回路基板1702は、パッケージインタポーザ1704の対向する側に取り付けられ;他の実施形態において、ICパッケージ1720及び回路基板1702は、パッケージインタポーザ1704の同じ側に取り付けられ得る。幾つかの実施形態において、3つ又はそれより多くのコンポーネントが、パッケージインタポーザ1704により相互接続され得る。
【0087】
幾つかの実施形態において、パッケージインタポーザ1704は、誘電体材料の層によって互いに分離され、導電性ビアによって相互接続される複数の金属層を含むPCBとして形成されてよい。幾つかの実施形態において、パッケージインタポーザ1704は、エポキシ樹脂、グラスファイバ強化エポキシ樹脂、無機充填剤を有するエポキシ樹脂、セラミック材料、又はポリイミドなどのポリマー材料で形成され得る。幾つかの実施形態において、パッケージインタポーザ1704は、代替的な強固又は柔軟な材料で形成され得、これは、シリコン、ゲルマニウム、及び、他のIII-V族材料及びIV族材料など、半導体基板において使用されるための、上記で説明されたものと同じ材料を含み得る。パッケージインタポーザ1704は、金属線1710、及びシリコン貫通ビア(TSV)1706を含むがこれに限定されないビア1708を含んでよい。パッケージインタポーザ1704は、受動デバイス及び能動デバイスの両方を含む埋め込みデバイス1714を更に含み得る。そのようなデバイスは、コンデンサ、デカップリングコンデンサ、抵抗器、インダクタ、ヒューズ、ダイオード、変圧器、センサ、静電気放電(ESD)デバイス及びメモリデバイスを含み得るが、これらに限定されない。RFデバイス、電力増幅器、電力管理デバイス、アンテナ、アレイ、センサ、及び微小電気機械システム(microelectromechanical system:MEMS)デバイスなどのより複雑なデバイスも、パッケージインタポーザ1704上に形成され得る。パッケージ-オン-インタポーザ構造1736は、当技術分野において既知のパッケージ-オン-インタポーザ構造のいずれかの形態を取り得る。
【0088】
ICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1722によって、回路基板1702の第1の面1740に結合されたICパッケージ1724を含んでよい。結合コンポーネント1722は、結合コンポーネント1716を参照して上記で論述された実施形態のいずれかの形態を取り得、ICパッケージ1724は、ICパッケージ1720を参照して上記で論述された実施形態のいずれかの形態を取り得る。
【0089】
図8において示されたICデバイスアセンブリ1700は、結合コンポーネント1728によって回路基板1702の第2の面1742に結合されたパッケージ-オン-パッケージ構造1734を含む。パッケージ-オン-パッケージ構造1734は、ICパッケージ1726が回路基板1702及びICパッケージ1732の間に配設されるように、結合コンポーネント1730によって共に結合されるICパッケージ1726及びICパッケージ1732を含み得る。結合コンポーネント1728及び1730は、上記で論述された結合コンポーネント1716の実施形態のいずれかの形態を取ってよく、ICパッケージ1726及び1732は、上記で論述されたICパッケージ1720の実施形態のいずれかの形態を取ってよい。パッケージ-オン-パッケージ構造1734は、当技術分野において既知のパッケージ-オン-パッケージ構造のいずれかに従い構成され得る。
【0090】
図9は、本明細書で開示される実施形態のいずれかによる1つ又は複数のIC構造462を含み得る例示的な電気デバイス1800のブロック図である。例えば、電気デバイス1800のコンポーネントのうちの任意の好適なものは、本明細書で開示されるICデバイスアセンブリ1700、ICパッケージ1650、IC構造1600又はダイ1502のうちの1つ又は複数を含み得る。多数のコンポーネントが電気デバイス1800に含まれるものとして図9に示されているが、これらのコンポーネントのうちのいずれか1つ又は複数は、当該用途に好適な場合、省略又は重複され得る。幾つかの実施形態において、電気デバイス1800に含まれるコンポーネントの幾つか又は全ては、1つ又は複数のマザーボードに取り付けられ得る。幾つかの実施形態において、これらのコンポーネントの幾つか又は全ては、単一のSoCダイ上で製造される。
【0091】
追加的に、様々な実施形態において、電気デバイス1800は、図9において示されるコンポーネントのうちの1つ又は複数を含まなくてよいが、電気デバイス1800は、1つ又は複数のコンポーネントを結合させるためのインタフェース回路を含んでよい。例えば、電気デバイス1800は、ディスプレイデバイス1806を含まなくてよいが、ディスプレイデバイス1806が結合され得るディスプレイデバイスインタフェース回路(例えば、コネクタ及びドライバ回路)を含んでよい。別の例のセットにおいて、電気デバイス1800は、オーディオ入力デバイス1824又はオーディオ出力デバイス1808を含まなくてよいが、オーディオ入力デバイス1824又はオーディオ出力デバイス1808が結合され得るオーディオ入力又は出力デバイスインタフェース回路(例えば、コネクタ及びサポート回路)を含んでよい。
【0092】
電気デバイス1800は、処理デバイス1802(例えば、1つ又は複数の処理デバイス)を含み得る。本明細書で使用される場合、「処理デバイス」又は「プロセッサ」という用語は、レジスタ及び/又はメモリからの電子データを処理して、当該電子データをレジスタ及び/又はメモリに記憶され得る他の電子データに変換する任意のデバイス又はデバイスの部分を指し得る。処理デバイス1802は、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、暗号プロセッサ(ハードウェア内で暗号アルゴリズムを実行する専用プロセッサ)、サーバプロセッサ又は任意の他の好適な処理デバイスを含み得る。電気デバイス1800はメモリ1804を含んでよく、これはそれ自体が、揮発性メモリ、(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、リードオンリメモリ(ROM))、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、及び/又はハードドライブなどの1つ又は複数のメモリデバイスを含んでよい。幾つかの実施形態において、メモリ1804は、処理デバイス1802とダイを共有するメモリを含み得る。このメモリは、キャッシュメモリとして使用されてよく、埋め込みDRAM(eDRAM)又はスピントランスファトルク磁気RAM(STT-MRAM)を含んでよい。
【0093】
幾つかの実施形態において、電気デバイス1800は、通信チップ1812(例えば、1つ又は複数の通信チップ)を含み得る。例えば、通信チップ1812は、電気デバイス1800との間でのデータの転送のためのワイヤレス通信を管理するために構成され得る。「ワイヤレス」という用語及びその派生語は、非固体媒体を通じた変調済み電磁放射の使用を通じてデータを通信し得る、回路、デバイス、システム、方法、技法、通信チャネル等を説明するために用いられ得る。関連付けられたデバイスは、幾つかの実施形態において配線を含まないことがあるが、当該用語は、それらが任意の配線を含まない可能性があることを示唆しているわけではない。
【0094】
通信チップ1812は、限定されないが、Wi-Fi(登録商標)(IEEE802.11ファミリ)、IEEE802.16規格(例えば、IEEE802.16-2005修正)、任意の修正、更新及び/又は改訂(例えば、アドバンストLTEプロジェクト、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)プロジェクト(「3GPP(登録商標)2」とも称される)等)を伴うロングタームエボリューション(LTE)プロジェクトを含む米国電気電子技術者協会(IEEE)規格を含む、多数のワイヤレス規格又はプロトコルのいずれかを実装し得る。IEEE802.16と互換性のあるブロードバンドワイヤレスアクセス(BWA)ネットワークは、一般的にWiMAX(登録商標)ネットワークと称される。この頭字語はWorldwide Interoperability for Microwave Accessを表し、これは、IEEE 802.16規格の準拠性テスト及び相互運用性テストを通過した製品についての認証マークである。通信チップ1812は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション(GSM(登録商標))、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、高速パケットアクセス(HSPA)、進化型HSPA(E-HSPA)、又はLTEネットワークに従って動作し得る。通信チップ1812は、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサルテレストリアル無線アクセスネットワーク(UTRAN)、又は進化型UTRAN(E-UTRAN)に従って動作し得る。通信チップ1812は、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、デジタルエンハンストコードレス電気通信(DECT)、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)及びそれらの派生物、並びに、3G、4G、5G及びそれ以降のものとして指定される任意の他のワイヤレスプロトコルに従って動作し得る。通信チップ1812は、他の実施形態において他のワイヤレスプロトコルに従って動作し得る。電気デバイス1800は、ワイヤレス通信を容易にするための、及び/又は他のワイヤレス通信(AM又はFM無線伝送など)を受信するためのアンテナ1822を含み得る。
【0095】
幾つかの実施形態において、通信チップ1812は、電気、光又は任意の他の好適な通信プロトコル(例えば、Ethernet(登録商標))などの有線通信を管理し得る。上記のように、通信チップ1812は、複数の通信チップを含み得る。例えば、第1の通信チップ1812は、Wi-Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)などのより短距離のワイヤレス通信専用であってよく、第2の通信チップ1812は、全地球測位システム(GPS)、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX(登録商標)、LTE、EV-DO又は他のものなどのより長距離のワイヤレス通信専用であってよい。幾つかの実施形態において、第1の通信チップ1812は、ワイヤレス通信専用であってよく、第2の通信チップ1812は、有線通信専用であってよい。
【0096】
電気デバイス1800は、バッテリ/電源回路1814を含み得る。バッテリ/電源回路1814は、1つ又は複数のエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ又はコンデンサ)、及び/又は、電気デバイス1800のコンポーネントを電気デバイス1800とは別個のエネルギー源(例えば、AC線電力)に結合するための回路を含み得る。
【0097】
電気デバイス1800は、ディスプレイデバイス1806(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。ディスプレイデバイス1806は、ヘッドアップディスプレイ、コンピュータモニタ、プロジェクタ、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ又はフラットパネルディスプレイなどの任意の視覚インジケータを含み得る。
【0098】
電気デバイス1800は、オーディオ出力デバイス1808(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。オーディオ出力デバイス1808は、スピーカ、ヘッドセット又はイヤホンなど、可聴インジケータを生成する任意のデバイスを含み得る。
【0099】
電気デバイス1800は、オーディオ入力デバイス1824(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。オーディオ入力デバイス1824は、マイク、マイクアレイ、又はデジタル機器(例えば、楽器デジタルインタフェース(MIDI)出力を有する機器)など、音を表す信号を生成する任意のデバイスを含み得る。
【0100】
電気デバイス1800は、GPSデバイス1818(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。当技術分野において既知の通り、GPSデバイス1818は、衛星ベースのシステムと通信し得、電気デバイス1800の位置を受信し得る。
【0101】
電気デバイス1800は、他の出力デバイス1810(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。他の出力デバイス1810の例は、オーディオコーデック、ビデオコーデック、プリンタ、情報を他のデバイスに提供するための有線又はワイヤレスの送信機、又は追加の記憶デバイスを含み得る。
【0102】
電気デバイス1800は、他の入力デバイス1820(又は、上記で論述された対応するインタフェース回路)を含み得る。他の入力デバイス1820の例は、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、撮像デバイス、キーボード、マウスなどのカーソル制御デバイス、スタイラス、タッチパッド、バーコードリーダ、クイックレスポンス(QR)コードリーダ、任意のセンサ、又は高周波識別(RFID)リーダを含み得る。
【0103】
電気デバイス1800は、ハンドヘルド電気デバイス又はモバイル電気デバイス(例えば、セルフォン、スマートフォン、モバイルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、ウルトラブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA(登録商標))、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ等)、デスクトップ電気デバイス、サーバデバイス又は他のネットワーク接続されたコンピューティングコンポーネント、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンタテインメント制御ユニット、車両制御ユニット、デジタルカメラ、デジタルビデオレコーダ又はウェアラブル電気デバイスなど、任意の所望のフォームファクタを有し得る。幾つかの実施形態において、電気デバイス1800は、データを処理する任意の他の電子デバイスであってよい。
【0104】
以下の段落は、本明細書で開示された実施形態のうちの様々な例を提供する。
【0105】
例1は、IC構造であって:チャネル領域、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタ、ここで、前記領域は、前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;前記領域に結合されたコンタクト構造、ここで、前記コンタクト構造は、第1の導電性材料(例えば、導電性材料432;そのようなコンタクト構造は、トランジスタの「S/Dコンタクト」と称され得る)を有する;及び、前記チャネル領域に結合されたゲート構造、ここで、前記ゲート構造は、ゲート電極材料(例えば、ゲート電極材料408)及び第2の導電性材料(例えば、導電性材料438;そのようなゲート構造は、トランジスタの「ゲートコンタクト」と称され得る)を有する、を備え、前記第2の導電性材料の部分は、前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える、IC構造を提供する。
【0106】
例2は、前記第1の導電性材料及び前記第2の導電性材料が異なる材料組成を有する、例1に記載のIC構造を提供する。
【0107】
例3は、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径が、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、例1~2のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0108】
例4は、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向が、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、例1~3のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0109】
例5は、前記界面の下方にチタンを有するライナ材料を更に備え、前記ライナ材料の側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、例1~4のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0110】
例6は、前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、例5に記載のIC構造を提供する。
【0111】
例7は、前記ゲートスペーサの前記側壁が前記ライナ材料の前記側壁と接触している、例6に記載のIC構造を提供する。
【0112】
例8は、前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、例1~4のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0113】
例9は、前記第1の導電性材料及び前記領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、例1~8のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0114】
例10は、前記界面材料の厚さが少なくとも約5ナノメートルである、例9に記載のIC構造を提供する。
【0115】
例11は、ソース又はドレイン(S/D)領域及びゲート電極材料を有するトランジスタ;前記S/D領域と電気接触しているS/Dコンタクト、ここで、前記S/Dコンタクトは第1の導電性材料(例えば、導電性材料432)を有する;及び、前記ゲート電極材料と電気接触しているゲートコンタクト、ここで、前記ゲートコンタクトは第2の導電性材料(例えば、導電性材料438)を有する、を備え、前記第2の導電性材料の部分は前記第1の導電性材料の部分と電気接触しており、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、IC構造を提供する。本明細書で使用される場合、AはBと電気接触している、とは、1)AはBと物理的に接触している、2)AはBと直接接触している、3)AはBと導電性界面を形成している、又は4)AはBと導通している、のうちのいずれかを指す。
【0116】
例12は、前記第1の導電性材料が前記第2の導電性材料とは異なる、例11に記載のIC構造を提供する。
【0117】
例13は、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向が、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、例11~12のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0118】
例14は、前記ゲート電極材料及び前記第1の導電性材料の間にゲートスペーサを更に備える、例11~13のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0119】
例15は、前記第2の導電性材料の第1の部分が、前記ゲート電極材料の上方にあり、これと電気接触しており、かつ、前記第2の導電性材料の第2の部分は、前記ゲートスペーサの上方にある、例14に記載のIC構造を提供する。
【0120】
例16は、前記第1の導電性材料の前記部分及び前記第2の導電性材料の前記部分の間に粒子境界を更に備える、例11~15のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0121】
例17は、前記第1の導電性材料及び前記S/D領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、例11~16のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供する。
【0122】
例18は、前記界面材料の厚さが少なくとも約5ナノメートルである、例17に記載のIC構造を提供する。
【0123】
例19は、ゲート電極材料、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタを設ける段階、ここで、前記領域は前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第1の導電性材料を有する;前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第2の導電性材料(例えば、導電性材料342;そのようなコンタクト構造は、トランジスタの「S/Dコンタクト」と称され得る)を有する;及び、前記ゲート電極材料に結合されたゲート構造を設ける段階、ここで、前記ゲート構造は第2の導電性材料を有する、を備え、前記ゲート構造は前記コンタクト構造を設けた後に設けられる、IC構造を製造する方法を提供する。
【0124】
例20は、前記第2の導電性材料の部分が前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える、例19に記載の方法を提供する。
【0125】
例21は、IC構造が前述の例のうちのいずれか1つに記載のIC構造である、例19~20のうちのいずれか1つに記載の方法を提供する。
【0126】
例22は、例1~18のうちのいずれか1つに記載のIC構造を有するICダイ;及び、当該ICダイに結合された更なるICコンポーネント、を備えるICパッケージを提供する。
【0127】
例23は、当該更なるICコンポーネントがパッケージ基板を有する、例22に記載のICパッケージを提供する。
【0128】
例24は、当該更なるICコンポーネントがインタポーザを有する、例22に記載のICパッケージを提供する。
【0129】
例25は、当該更なるICコンポーネントが更なるICダイを有する、例22に記載のICパッケージを提供する。
【0130】
例26は、キャリア基板、及び、当該キャリア基板に結合されたIC構造、を備えるコンピューティングデバイスを提供し、当該IC構造は、例1~18のうちのいずれか1つに記載のIC構造である、又は、当該IC構造は、例22~25のうちのいずれか1つに記載のICパッケージに含まれる。
【0131】
例27は、例26に記載のコンピューティングデバイスを提供し、当該コンピューティングデバイスは、ウェアラブル又はハンドヘルドコンピューティングデバイスである。
【0132】
例28は、例26又は27に記載のコンピューティングデバイスを提供し、当該コンピューティングデバイスは、1つ又は複数の通信チップを更に備える。
【0133】
例29は、例26~28のうちのいずれか1つに記載のコンピューティングデバイスを提供し、当該コンピューティングデバイスは、アンテナを更に備える。
【0134】
例30は、キャリア基板がマザーボードである、例26~29のうちのいずれか1つに記載のコンピューティングデバイスを提供する。
【0135】
例31は、例1~18のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、中央処理装置を含む、又はその一部である。
【0136】
例32は、例1~31のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、メモリデバイス、例えば高帯域幅メモリデバイスを含む、又はその一部である。
【0137】
例33は、例1~32のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、ロジック回路を含む、又はその一部である。
【0138】
例34は、例1~33のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、入力/出力回路を含む、又はその一部である。
【0139】
例35は、例1~34のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、FPGA送受信機を含む、又はその一部である。
【0140】
例36は、例1~35のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、FPGAロジックを含む、又はその一部である。
【0141】
例37は、例1~36のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、電力供給回路を含む、又はその一部である。
【0142】
例38は、例1~37のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、III-V増幅器を含む、又はその一部である。
【0143】
例39は、例1~38のうちのいずれか1つに記載のIC構造を提供し、当該IC構造は、PCIE回路又はDDR転送回路を含む、又はその一部である。
【0144】
要約書において説明される事項を含む、示された本開示の実装形態の上記の説明は、包括的であること、又は開示された厳密な形式に本開示を限定することを意図するものではない。例示の目的で、本開示についての具体的な実装形態及び例が本明細書で説明されているが、当業者が認識することになる通り、様々な同等の修正が、本開示の範囲内において可能である。
上記の発明を実施するための形態に鑑みて、本開示にこれらの修正が加えられ得る。
[他の可能な項目]
[項目1]
集積回路(IC)構造であって:
チャネル領域、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタ、ここで、前記領域は、前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;
前記領域に結合されたコンタクト構造、ここで、前記コンタクト構造は、第1の導電性材料を有する;及び
前記チャネル領域に結合されたゲート構造、ここで、前記ゲート構造は、ゲート電極材料及び第2の導電性材料を有する;
を備え、前記第2の導電性材料の部分は、前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える
集積回路(IC)構造。
[項目2]
前記第1の導電性材料及び前記第2の導電性材料は、異なる材料組成を有する、項目1に記載のIC構造。
[項目3]
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、項目1に記載のIC構造。
[項目4]
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、項目1に記載のIC構造。
[項目5]
前記界面の下方にチタンを有するライナ材料を更に備え、前記ライナ材料の側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、項目1に記載のIC構造。
[項目6]
前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、項目5に記載のIC構造。
[項目7]
前記ゲートスペーサの前記側壁は、前記ライナ材料の前記側壁と接触している、項目6に記載のIC構造。
[項目8]
前記界面の下方にゲートスペーサを更に備え、前記ゲートスペーサの側壁は前記界面と実質的に位置合わせされている、項目1に記載のIC構造。
[項目9]
前記第1の導電性材料及び前記領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、項目1に記載のIC構造。
[項目10]
前記界面材料の厚さは少なくとも約5ナノメートルである、項目9に記載のIC構造。
[項目11]
ソース又はドレイン(S/D)領域及びゲート電極材料を有するトランジスタ;
前記S/D領域と電気接触しているS/Dコンタクト、ここで、前記S/Dコンタクトは第1の導電性材料を有する;及び
前記ゲート電極材料と電気接触しているゲートコンタクト、ここで、前記ゲートコンタクトは第2の導電性材料を有する;
を備え、前記第2の導電性材料の部分は前記第1の導電性材料の部分と電気接触しており、前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒径は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒径とは異なる、集積回路(IC)構造。
[項目12]
前記第1の導電性材料は、前記第2の導電性材料とは異なる、項目11に記載のIC構造。
[項目13]
前記第1の導電性材料の前記部分における平均粒子配向は、前記第2の導電性材料の前記部分における平均粒子配向とは異なる、項目11に記載のIC構造。
[項目14]
前記ゲート電極材料及び前記第1の導電性材料の間にゲートスペーサを更に備える、項目11に記載のIC構造。
[項目15]
前記第2の導電性材料の第1の部分は、前記ゲート電極材料の上方にあり、これと電気接触しており、かつ、前記第2の導電性材料の第2の部分は、前記ゲートスペーサの上方にある、項目14に記載のIC構造。
[項目16]
前記第1の導電性材料の前記部分及び前記第2の導電性材料の前記部分の間に粒子境界を更に備える、項目11に記載のIC構造。
[項目17]
前記第1の導電性材料及び前記S/D領域の間に界面材料を更に備え、前記界面材料はチタン及びシリコンを有する、項目11に記載のIC構造。
[項目18]
前記界面材料の厚さは少なくとも約5ナノメートルである、項目17に記載のIC構造。
[項目19]
ゲート電極材料、及び、ドープされた半導体材料を含む領域、を有するトランジスタを設ける段階、ここで、前記領域は前記トランジスタのソース領域又はドレイン領域のいずれかである;
前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第1の導電性材料を有する;
前記領域に結合されたコンタクト構造を設ける段階、ここで、前記コンタクト構造は第2の導電性材料を有する;及び
前記ゲート電極材料に結合されたゲート構造を設ける段階、ここで、前記ゲート構造は第2の導電性材料を有する
を備え、前記ゲート構造は前記コンタクト構造を設けた後に設けられる、集積回路(IC)構造を製造する方法。
[項目20]
前記第2の導電性材料の部分は前記第1の導電性材料の部分と導電性接触しており、前記IC構造は、前記第2の導電性材料の前記部分及び前記第1の導電性材料の前記部分の間の界面においてシーム又は粒子境界を備える、項目19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】