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特開2025-42781画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025042781
(43)【公開日】2025-03-28
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20250321BHJP
   H04N 1/387 20060101ALI20250321BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/60 300
H04N1/387 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023149914
(22)【出願日】2023-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】中川 智洋
(72)【発明者】
【氏名】田中 尉氏
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122DA04
5C122DA09
5C122EA61
5C122EA62
5C122FA07
5C122FA11
5C122FH04
5C122FH11
5C122FH18
5C122FK24
5C122FK41
5C122FK42
5C122GA01
5C122GB06
5C122HA13
5C122HA35
5C122HA46
5C122HA86
5C122HA88
(57)【要約】      (修正有)
【課題】2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることが可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム及び記録媒体を提供する。
【解決手段】プロセッサを備え、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる画像処理装置夜画像処理フローであって、複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得し、複数の画像について取得した少なくとも1つの情報に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定し、複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像とし、2つ以上の表示画像の表示方法を設定する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の前記表示画像を表示させる画像処理装置であって、
前記プロセッサは、
複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得し、
前記複数の画像について取得された前記少なくとも1つの情報に基づいて、前記複数の画像の中から、複数の候補画像を選定し、
前記複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を前記2つ以上の表示画像とし、前記2つ以上の表示画像の表示方法を設定する、画像処理装置。
【請求項2】
前記複数の画像は、撮影された画像を含む、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記画像の取得条件は、前記撮影された画像の撮影条件を含む、請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記撮影条件は、撮影日時、撮影間隔、撮影イベント、撮影モード、撮影機種、及び撮影者の少なくとも1つに基づいて設定された条件である、請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記複数の画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、前記複数の画像の中から、前記複数の候補画像を選定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記複数の候補画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、前記複数の候補画像の中から前記2つ以上の候補画像を選定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記2つ以上の表示画像について画像の特徴に基づくスコアを算出し、
前記スコアに応じて、前記2つ以上の表示画像の前記表示方法を設定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記表示方法は、表示領域内における前記表示画像の表示位置、前記表示領域に対する前記表示画像の表示角度、及び前記表示画像の画像全域が表示される表示時間のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、被写体を含む画像領域に対して前記画像領域とは異なる第1領域を合成して得られる合成画像、及び、2つ以上の画像を合成して得られる合成画像のうちの少なくとも1つを前記表示画像として設定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記画像領域の外側に前記第1領域としてのフレーム領域を合成して得られるフレーム領域付き画像を、前記表示画像として設定する、請求項9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、予め設定された選定基準及びユーザからの入力情報の少なくとも1つに基づいて、前記フレーム領域の種類を選定する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記フレーム領域の種類に応じて、2つ以上の前記フレーム領域付き画像の前記表示方法を設定する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、第1外形サイズの前記フレーム領域を有する前記フレーム領域付き画像の表示位置に比べて、前記第1外形サイズよりも小さい第2外形サイズを有する前記フレーム領域付き画像の表示位置を、表示領域内の基準位置から離れた位置に設定する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記フレーム領域の種類に応じて、2つ以上の前記フレーム領域付き画像の表示順を設定する、請求項10に記載の画像処理装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、プリント時における同一のプリント面に配置可能な画像の数に応じて、前記2つ以上の表示画像の数を設定する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項16】
画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる画像処理方法であって、
複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得する処理と、
前記複数の画像について取得された前記少なくとも1つの情報に基づいて、前記複数の画像の中から、複数の候補画像を選定する処理と、
前記複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を前記2つ以上の表示画像とし、前記2つ以上の表示画像の表示方法を設定する処理と、をプロセッサにより実行する画像処理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の画像処理方法に含まれる各処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、
請求項16に記載の画像処理方法に含まれる各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一つの実施形態は、画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像を表示する技術は、既に開発されており、特許文献1に記載された技術が、その一例として挙げられる。
【0003】
特許文献1には、メモリカード等の記憶部に記憶されている画像のスライドショーにおいて、所定の再生時間内に全ての画像を効率的にスライド表示して、ユーザが記憶部に記憶されている画像の全容を把握する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-36737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、SNS(Social networking service)等を通じて、知人又は公衆等の他人への画像又は動画(以下、画像等)の公開が頻繁に行われている。このような状況下において、他人が楽しく閲覧できる画像等が求められている。
この点について、特許文献1に記載された技術により生成されたスライドショーは、複数の画像の全容を所持者自身が把握するものであり、他人が閲覧することまでは考慮されておらず、演出効果として不十分であった。
【0006】
本発明の一つの実施形態は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることが可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置は、プロセッサを備え、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる画像処理装置であって、プロセッサは、複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得し、複数の画像について取得された少なくとも1つの情報に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定し、複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像とし、2つ以上の表示画像の表示方法を設定することを特徴とする。
【0008】
また、複数の画像は、撮影された画像を含んでもよい。
【0009】
また、画像の取得条件は、撮影された画像の撮影条件を含んでもよい。
【0010】
また、撮影条件は、撮影日時、撮影間隔、撮影イベント、撮影モード、撮影機種、及び撮影者の少なくとも1つに基づいて設定された条件であってもよい。
【0011】
また、プロセッサは、複数の画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定してもよい。
【0012】
また、プロセッサは、複数の候補画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、複数の候補画像の中から2つ以上の候補画像を選定してもよい。
【0013】
また、プロセッサは、2つ以上の表示画像について画像の特徴に基づくスコアを算出し、スコアに応じて、2つ以上の表示画像の表示方法を設定してもよい。
【0014】
また、表示方法は、表示領域内における表示画像の表示位置、表示領域に対する表示画像の表示角度、及び表示画像の画像全域が表示される表示時間のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0015】
また、プロセッサは、被写体を含む画像領域に対して画像領域とは異なる第1領域を合成して得られる合成画像、及び、2つ以上の画像を合成して得られる合成画像のうちの少なくとも1つを表示画像として設定してもよい。
【0016】
また、プロセッサは、画像領域の外側に第1領域としてのフレーム領域を合成して得られるフレーム領域付き画像を、表示画像として設定してもよい。
【0017】
また、プロセッサは、予め設定された選定基準及びユーザからの入力情報の少なくとも1つに基づいて、フレーム領域の種類を選定してもよい。
【0018】
また、プロセッサは、フレーム領域の種類に応じて、2つ以上のフレーム領域付き画像の表示方法を設定してもよい。
【0019】
また、プロセッサは、第1外形サイズのフレーム領域を有するフレーム領域付き画像の表示位置に比べて、第1外形サイズよりも小さい第2外形サイズを有するフレーム領域付き画像の表示位置を、表示領域内の基準位置から離れた位置に設定してもよい。
【0020】
また、プロセッサは、フレーム領域の種類に応じて、2つ以上のフレーム領域付き画像の表示順を設定してもよい。
【0021】
また、プロセッサは、プリント時における同一のプリント面に配置可能な画像の数に応じて、2つ以上の表示画像の数を設定してもよい。
【0022】
また、前述の課題を解決するため、本発明の一つの実施形態に係る画像処理方法は、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる画像処理方法であって、複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得する処理と、複数の画像について取得された少なくとも1つの情報に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定する処理と、複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像とし、2つ以上の表示画像の表示方法を設定する処理と、をプロセッサにより実行することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の一つの実施形態によれば、上記の画像処理方法に含まれる各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが実現可能である。
【0024】
また、本発明の一つの実施形態によれば、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であって、上記の画像処理方法に含まれる各処理をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録された記録媒体が実現可能である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一つの実施形態によれば、2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることが可能な画像処理装置、画像処理方法、プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、表示画像が表示される様子を示す図である(その1)。
図2】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、表示画像が表示される様子を示す図である(その2)。
図3】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、表示画像が表示される様子を示す図である(その3)。
図4】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、表示画像が表示される様子を示す図である(その4)。
図5】本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置を含む画像処理システムの構成例を示す図である。
図6】本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置の機能についての説明図である。
図7】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、複数の画像を選択する選択画面を示す図である。
図8】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、表示画像をプリントするか否かを選択する選択画面を示す図である。
図9】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、プリント時における表示画像の配置パターンを選択する選択画面を示す図である。
図10】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、フレーム領域を設定する表示画像を選択する選択画面を示す図である。
図11】本発明の一つの実施形態に係る画像処理において、フレーム領域の種類を選択する選択画面を示す図である。
図12】本発明の一つの実施形態に係る画像処理フローの手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一つの具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない限り、以下の実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0028】
本明細書において、「装置」という概念には、特定の機能を一台で発揮する単一の装置が含まれるとともに、分散して互いに独立して存在しつつ協働(連携)して特定の機能を発揮する複数の装置の組み合わせも含まれることとする。
【0029】
また、本明細書において、「画像」は、表示対象であり、具体的には、デジタル画像データ(以下、画像データ)によって表わされる画像である。
画像データとしては、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式のような非可逆圧縮の画像データ、並びに、GIF(Graphics Interchange Format)又はPNG(Portable Network Graphics)形式のような可逆圧縮の画像データ等が該当する。
画像データには、後述する画像の取得条件等の付帯情報が含まれてもよい。
【0030】
「画像」は、例えば、カメラ機能付きのユーザ端末及びカメラ等の撮影機器で撮影された画像(撮影画像)、及びコンピュータ等を用いて描かれたCG(Computer Graphics)画像等の撮影画像以外の画像(作成画像)等を含んでもよい。
【0031】
また、「画像」は、被写体を含む画像領域に対して画像領域とは異なる第1領域を合成して得られる合成画像であってもよい。具体的には、画像領域の外側にフレーム領域(第1領域に相当)を合成して得られるフレーム領域付き画像、及び、画像領域の内側又は外側にスタンプ等の加飾領域(第1領域に相当)を合成して得られる加飾画像等であってもよい。
また、「画像」は、フレーム領域が無く、画像領域のみで構成された画像であってもよい。
ここで、「フレーム領域」は、矩形又は正方形の画像の外縁に沿って形成された矩形又は正方形の枠をなす余白領域であり、より詳しくは、被写体である人物等が含まれている画像領域の外側を囲む領域である。フレーム領域付き画像は、例えば、フレーム領域の設定機能を有するカメラ等の撮影機器によって撮影された際に取得してもよいし、あるいは、撮影された画像に対して、コンピュータ等を用いて、画像領域の外側にフレーム領域を合成して取得してもよい。
また、「画像」は、2つ以上の画像を合成して得られる合成画像、具体的には、テンプレート等に複数の画像が配置されたコラージュ画像等であってもよい。
【0032】
本明細書において、「ユーザ」は、本発明の画像処理装置を利用するユーザである。画像処理装置を利用するとは、画像処理装置の機能を利用することであり、画像処理装置を直接操作することの他、画像処理装置の機能を、画像処理装置と通信可能な機器(例えば、ユーザ端末)を通じて利用することを含む。
【0033】
<<画像処理の概要について>>
本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置及び画像処理方法を用いて実施される画像処理に関する一連の処理(以下、単に「画像処理」という)について、図1~4を参照して説明する。図1~4は、ユーザ端末の画面の遷移を示しており、図1から図4まで順に時系列で並べられている。
図1~4に示す4つの表示画像P1,P2,P3,P4の各々は、フレーム領域付き画像とする。
「ユーザ端末」は、ユーザが使用するコンピュータであって、具体的にはスマートフォン等のスマートデバイス、タブレット型端末、又はノート型PC(Personal Computer)等とする。ユーザ端末には、画像処理用の複数の画像を選択するためのアプリケーションプログラム(以下、画像選択アプリ)がインストールされている。
【0034】
画像処理では、複数の画像の中から複数の候補画像を選定し、さらに、複数の候補画像の中から、2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像として選定し、選定された2つ以上の表示画像について表示方法を設定する。そして、設定された表示方法において、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる。
これにより、図1~4に示すように、複数(4つ)の表示画像P1,P2,P3,P4について、画面の奥行方向において、奥側から手前側に向かって、表示画像が段階的に追加されていく表示が行われる。より詳しくは、4つの表示画像P1,P2,P3,P4が、表示画像P1、表示画像P2、表示画像P3、及び表示画像P4の順で、例えば四角形の外形を有する表示領域A内に表示される。新たに追加される表示画像は、既に表示領域Aに配置されている表示画像の一部又は全部を隠すように配置される。あるいは、新たに追加される表示画像は、既に表示領域Aに配置されている表示画像を隠さない位置に配置される。
【0035】
「表示画像の数が変化する態様」についてより詳しく説明すると、表示画像を表示する際、手前側の表示画像によって奥側の表示画像の一部又は全部が隠れる場合もあれば、隠れない場合もある。奥側の表示画像が一部でも表示される場合、画面内の表示画像の数が変化する。すなわち、手前側の表示画像が追加された分、表示画像の数が1つ増える。このような態様が「表示画像の数が変化する態様」である。
反対に、手前側の表示画像により奥側の表示画像が全て隠される場合、画面内の表示画像の数は変化しない。すなわち、手前側の表示画像が追加されたとしても、奥側の表示画像が表示されないため、結果的に画面内の表示画像の数は増減しない。このような態様が、表示画像の数が変化しない態様となる。
画像処理では、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像が表示されるものとする。
【0036】
次に、「表示方法」についてより詳しく説明する。表示方法は、表示領域内における表示画像の表示位置、表示領域に対する表示画像の表示角度、及び表示画像の画像全域が表示される表示時間のうちの少なくとも1つを意味する。
図1~4に示す例では、4つの表示画像P1,P2,P3,P4の各々の表示角度は、表示領域Aに対し、定められた角度範囲(例えば、-5°~+5°)でランダムに設定される。4つの表示画像P1,P2,P3,P4の各々の表示時間は、一定時間で設定される。一方で、4つの表示画像P1,P2,P3,P4の各々の表示位置は、フレーム領域の種類に応じて設定される。
【0037】
「フレーム領域の種類」は、フレーム領域の外形サイズ及びフレーム領域のアスペクト比等を意味する。「フレーム領域の外形サイズ」は、フレーム領域の外形で囲まれた内側領域の面積、つまり、フレーム領域付き画像の全域の面積を意味する。「フレーム領域のアスペクト比」は、フレーム領域の外形の縦横比、つまり、フレーム領域付き画像のアスペクト比を意味する。
図1~4に示す例では、外形サイズがより大きいフレーム領域を有する表示画像ほど、表示領域Aの中心に位置する基準位置Cに近い位置に表示されるものとする。一方で、外形サイズがより小さいフレーム領域を有する表示画像ほど、基準位置Cから離れた位置に表示されるものとする。
【0038】
より詳しくは、4つの表示画像P1,P2,P3,P4の中で、2つの表示画像P1,P4は、図1及び4に示すように、フレーム領域の外形サイズが同じであり、且つ最もフレーム領域の外形サイズが小さい。表示画像P2は、図2に示すように、2つの表示画像P1,P4よりもフレーム領域の外形サイズが大きく、表示画像P3よりもフレーム領域の外形サイズが小さい。表示画像P3は、図3に示すように、4つの表示画像P1,P2,P3,P4の中で、最もフレーム領域の外形サイズが大きい。
【0039】
このため、ユーザ端末の画面の長手方向を上下方向と仮定し、画面の短手方向を左右方向と仮定した場合において、2つの表示画像P1,P4の各々は、図1及び4に示すように、上下方向及び左右方向の各々で、その中心位置が表示領域Aの基準位置Cから、上下方向に距離V1、左右方向に距離H1離れる位置に表示される。表示画像P2は、図2に示すように、その中心位置が表示領域Aの基準位置Cから、上下方向において距離V1よりも短い距離V2、左右方向において距離H1よりも短い距離H2離れる位置に表示される。表示画像P3は、図3に示すように、その中心位置が表示領域Aの基準位置Cから、上下方向において距離V2よりも短い距離V3、左右方向において距離H2よりも短い距離H3離れる位置に表示される。
なお、4つの表示画像の表示位置は、上記の距離V1,V2,V3,H1,H2,H3が設定されていれば、基準位置C周りのいずれの位置に設定されてもよく、この例では、ランダムに設定されるものとする。
【0040】
このように設定された表示方法に基づいて、4つの表示画像P1,P2,P3,P4が、画面の表示領域A内にて、表示画像の数を段階的に変えながら表示されることとなる。
【0041】
なお、上記で説明した表示方法は、あくまで一例であり、他の表示方法が用いられてもよく、例えば、表示位置とともに、表示角度及び表示時間の少なくとも1つが、フレーム領域の種類に基づいて設定されてもよい。
また、上記の例では、外形サイズがより大きいフレーム領域を有する表示画像ほど、表示領域Aの中心に位置する基準位置Cに近い位置に表示され、外形サイズがより小さいフレーム領域を有する表示画像ほど、基準位置Cから離れた位置に表示されるとした。ただし、上記の例は、あくまで一例であり、これに限定されない。例えば、外形サイズがより大きいフレーム領域を有する表示画像ほど、表示領域Aの中心に位置する基準位置Cから離れた位置に表示され、外形サイズがより小さいフレーム領域を有する表示画像ほど、基準位置Cに近い位置に表示されてもよい。
【0042】
表示方法が設定された後、設定された表示方法にて2つ以上の表示画像が表示される表示データ(動画)が生成される。表示データは、例えばSNS等を通じて、知人又は公衆等に公開される。表示データとしては、例えばスライドショー又はGIF(Graphics Interchange Format)動画等が該当する。
【0043】
以上までに説明したように、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置では、複数の画像の中から複数の候補画像を選定し、さらに、複数の候補画像の中から、2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像として選定する。すなわち、画像の選定が2段階で行われているので、決められたテーマ等に沿った表示画像が適切に選定される。このように、テーマ等に沿った2つ以上の表示画像が用いられることで、2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることができる。
また、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置では、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、2つ以上の表示画像を表示させる。これにより、表示画像の表示内容だけでなく、2つ以上の表示画像の関係が変化していく様子が表示されるので、2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることができる。
特に、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置では、2つ以上の表示画像の表示方法を設定するので、2つ以上の表示画像同士の関係をより変化させることができ、その結果として、演出効果をより高めることができる。
【0044】
また、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置では、2つ以上の表示画像の中に撮影された画像が含まれる場合には、撮影された画像を表示する際の演出効果を高めることができる。
【0045】
また、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置では、表示方法は、表示位置、表示角度、及び表示時間のうちの少なくとも1つである。このため、2つ以上の表示画像を表示する際に、表示位置、表示角度、及び表示時間のうちの少なくとも1つの演出効果を高めることができる。
【0046】
<<本発明の一つの実施形態に係る画像処理システムの構成例について>>
本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置を含む画像処理システム(以下、「画像処理システムS」とする)の構成について、図5を参照しながら説明する。
画像処理システムSは、図5に示すように、画像処理装置10と、複数のユーザ端末100とによって構成される。画像処理装置10及び複数のユーザ端末100は、ネットワークNを通じて通信可能に接続されている。
【0047】
画像処理装置10は、サーバコンピュータによって構成される。画像処理装置10は、1台のサーバコンピュータによって構成されてもよく、あるいは並列分散された複数台のサーバコンピュータによって構成されてもよい。また、画像処理装置10を構成するサーバコンピュータは、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。ユーザ端末100にて必要な情報を入力すると、上記のサーバコンピュータが入力情報に基づいて各種の処理(演算)を実施し、その演算結果がユーザ端末100側で出力される。つまり、画像処理装置10であるサーバコンピュータの機能をユーザ端末100側で利用することができる。
【0048】
画像処理装置10を構成するコンピュータは、図5に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及び記憶装置24を有する。
【0049】
プロセッサ21は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成される。
【0050】
メモリ22は、例えばROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成される。メモリ22には、画像処理を実行するためのプログラム(以下、画像処理プログラム)が格納されている。画像処理プログラムは、後に説明する画像処理方法の各処理をプロセッサ21に実施させるためのプログラムである。画像処理プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体から読み込むことで取得されてもよいし、インターネット又はイントラネット等の通信網を通じてダウンロードすることで取得されてもよい。
【0051】
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインタフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。画像処理装置10を構成するコンピュータは、通信用インタフェース23を介して、インターネット又はモバイル通信回線等に接続された他の機器と通信することが可能である。
【0052】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成される。なお、記憶装置24は、画像処理装置10を構成するコンピュータ本体内に内蔵されてもよく、外付け形式でコンピュータ本体に取り付けてもよい。
【0053】
ユーザ端末100は、プロセッサ、メモリ、通信用インタフェース、記録装置、カメラ、入力機器、及び出力機器を備えている。
【0054】
<<本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置の機能について>>
次に、本発明の一つの実施形態に係る画像処理装置10の構成について機能面から改めて説明する。
画像処理装置10は、図6に示すように、画像取得部31、情報取得部32、候補画像選定部33、表示画像数設定部34、表示画像設定部35、フレーム領域設定部36、表示順設定部37、表示方法設定部38、表示データ生成部39、画像表示部40、及びプリントデータ生成部41を有する。
これらの機能部は、画像処理装置10を構成するコンピュータが備えるハードウェア機器と、そのコンピュータに搭載されたプログラム(すなわち、ソフトウェア)との協働によって実現される。
以下、それぞれの機能部について説明する。
【0055】
<画像取得部>
画像取得部31は、ユーザ端末100から送信される複数の画像を取得する。より詳しくは、ユーザが、ユーザ端末100の画面にて画像処理の対象となる複数の画像を選択し、ユーザ端末100から選択された複数の画像がユーザ端末100から送信されることにより、画像取得部31は、複数の画像をネットワークN経由で受信して取得することとなる。図7に示す例では、ユーザが、ユーザ端末100にインストールした画像選択アプリを起動した後、所定の操作を経て、ユーザ端末100の画面が、選択対象となる複数の画像が表示された画面に遷移する。表示された選択画面を通じて複数の画像が選択されると、選択された複数の画像がユーザ端末100から画像処理装置10に送信され、画像取得部31が複数の画像を取得する。
【0056】
選択対象となる複数の画像は、前述した、撮影画像、作成画像、フレーム領域付き画像、フレーム領域が無い画像、加飾画像、及びコラージュ画像等であってもよいし、これらが混在してもよい。なお、図7に示す例では、フレーム領域付き画像と、フレーム領域が無い画像との双方が混在する場合を示している。
選択対象となる複数の画像は、ユーザ端末100の記憶装置に保存されている画像であってもよいし、ネットワークNを通じて通信可能な外部機器、例えばオンラインストレージ又はデータベースサーバ等に保存されている画像であってもよい。
【0057】
<情報取得部>
情報取得部32は、複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得する。なお、情報取得部32は、複数の画像の各々について、上記情報を取得してもよいし、複数の画像のうちの少なくとも1つの画像について、上記情報を取得してもよい。
【0058】
(画像の取得条件)
「画像の取得条件」は、撮影された画像の撮影条件、及び、CG画像等の作成画像の作成条件等を含む。
【0059】
「撮影条件」は、撮影日時、撮影間隔、撮影イベント、撮影モード、撮影機種、撮影者、及び撮影場所の少なくとも1つの情報に基づいて設定された条件である。
「撮影日時の情報」は、撮影時点の日付及び時刻等の情報を含む。
「撮影間隔の情報」は、互いに関係する2つの撮影画像の各々の撮影日時の時間的な間隔に関する情報である。
「撮影イベントの情報」は、撮影されたイベントに関する情報であり、例えば、イベント名等の情報を含む。
「撮影モードの情報」は、連写モード又は自動撮影モード(インターバルモード)に関する情報を含む。「連写モード」及び「自動撮影モード」は、いずれも所定時間内に複数の撮影画像を連続的に取得する場合に用いられる。「連写モード」は、例えば、画角及び撮影時の撮影機器の位置を変えながら複数の撮影画像を取得する場合等に用いられ、「自動撮影モード」は、例えば、撮影時の画角及び位置を変えずに、複数の撮影画像を取得する場合等に用いられる。
「撮影機種の情報」は、例えば、カメラ等の撮影機器のモデル名及びメーカ名等を含む。
「撮影者の情報」は、公開が許容されている範囲における撮影者の個人情報を含む。
「撮影場所の情報」は、例えば、GPS(Global Positioning System)に基づく撮影場所の緯度、経度、及び標高等の情報を含む。
【0060】
一方で、「作成条件」は、作成日時及び作成者の少なくとも1つの情報に基づいて設定された条件である。
「作成日時の情報」は、作成画像の作成時点の日付及び時刻の情報を含む。
「作成者の情報」は、公開が許容されている範囲における作成者の個人情報を含む。
【0061】
(画像の特徴)
「画像の特徴」は、複数の画像の解析により得られるものである。画像の特徴は、画像の各領域の画質に関する情報、各領域に含まれる画素の階調値、及び、これらの情報から推定される被写体の情報である。被写体の情報には、被写体の種類、被写体の状態、画像における被写体の位置、被写体が人である場合には顔の表情等が含まれ得る。被写体が物である場合には、例えば、運動会及び結婚式等のようなイベントを特定する物に関する情報、より具体的には、ウェディングドレス等の情報が含まれ得る。被写体が風景であった場合には、例えば、山、海、及び空等を特定する風景に関する情報が含まれ得る。なお、同じ風景(同じ場所)であっても、撮影範囲(画角等)が異なる場合には、異なる被写体としてもよい。
また、画像の特徴は、数値化、ベクトル化、又はテンソル化できる特徴が望ましい。その場合、画像の解析結果は、数値化、ベクトル化、又はテンソル化された画像の特徴、すなわち特徴量となる。
なお、本明細書において、「画像の特徴」は、画像領域における特徴を意味し、画像領域の外側を囲むフレーム領域の特徴とは区別されるものとする。「フレーム領域の特徴」については、後述する。
【0062】
<候補画像選定部>
候補画像選定部33は、複数の画像について取得された前述の少なくとも1つの情報に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定する。なお、候補画像としては、被写体を含む画像領域に対して画像領域とは異なる第1領域(例えば、フレーム領域及び加飾領域等)を合成して得られる画像(例えば、フレーム領域付き画像及び加飾画像等)、及び、2つ以上の画像(画像領域)を合成して得られる画像(例えば、コラージュ画像等)等が含まれ得る。
以下、2つの選定方法を例として挙げる。
【0063】
1つ目の選定方法としては、画像の取得条件に基づく選定方法であり、一例としては、撮影条件のうちの連写モード又は自動撮影モードに関する情報に基づいて、連写モード又は自動撮影モードにより連続的に撮影された複数の画像を、複数の候補画像として選定する。
このように、画像処理装置10では、撮影された画像の撮影条件、より詳しくは、撮影日時、撮影間隔、撮影イベント、撮影モード、撮影機種、及び撮影者の少なくとも1つに基づいて設定された条件に基づいて、複数の撮影された画像の中から複数の候補画像を選定することができる。
【0064】
2つ目の選定方法としては、画像の特徴に基づく選定方法であり、候補画像選定部33は、複数の画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定する。
一例としては、候補画像選定部33は、複数の画像に含まれる被写体の特徴量を比較して被写体の類似度を算出し、被写体の類似度が高い画像から順に、定められた数の画像を候補画像としてもよい。あるいは、反対に、被写体の類似度の低い画像から順に、定められた数の画像を候補画像としてもよい。
また別の一例としては、候補画像選定部33は、被写体の特徴量に基づいて複数の画像のスコアを算出し、スコアの高い画像から順に、定められた数の画像を候補画像とする。例えば、被写体が人であった場合には、笑顔度又は人数等の特徴量に基づいて複数の画像のスコアを算出し、スコアの高い画像から順に、予め定められた画像数を候補画像としてもよい。
このように、画像処理装置10では、複数の画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定することができる。
【0065】
<表示画像数設定部>
表示画像数設定部34は、画面の表示領域内に表示する表示画像の数を設定する。
以下に、表示画像の数を設定する方法について、4つの設定方法を例として挙げて説明する。
【0066】
1つ目の設定方法としては、選定された複数の候補画像の全数を表示画像の数として設定する。
2つ目の設定方法としては、表示画像の数に上限を設定し、複数の候補画像の数が上限以上の場合には、上限の数を表示画像の数として設定し、複数の候補画像の数が上限未満の場合には、その数を表示画像の数として設定する。
3つ目の設定方法としては、ユーザが入力した画像数を表示画像の数として設定する。
4つ目の設定方法としては、ユーザが表示画像をプリントする場合において、プリント時における同一のプリント面に配置可能な画像の数に応じて、2つ以上の表示画像の数を設定する。これにより、2つ以上の表示画像を表示する際に、プリント時における画像の数に応じた数の表示画像を表示させることができる。
【0067】
上記の4つ目の設定方法について、より詳しく説明すると、ユーザ端末100の画面が図8に示す画面に遷移し、2つ以上の表示画像を事後にプリントするか否かの選択を要求する画面が表示される。
ユーザが、表示画像をプリントしないと選択した場合には、上記の1~3つ目のいずれか1つの設定方法により、表示画像の数が設定される。
一方で、ユーザが表示画像をプリントすると選択した場合には、上記の4つ目の設定方法により、表示画像の数が設定されることとなる。
より詳しくは、ユーザ端末100の画面が図9に示す画面に遷移し、同一のプリント面に配置される2つ以上の表示画像の配置パターンの候補が複数表示され、それらの候補の中から、いずれか1つの配置パターンを選択するように要求する画面が表示される。
【0068】
「配置パターン」は、同じ外形サイズの表示画像を同一のプリント面に複数配置するパターンであってもよいし、互いに異なる外形サイズの表示画像を同一のプリント面に複数配置するパターンであってもよい。同一のプリント面に配置される表示画像の数は、例えば、n(nは2以上の自然数)の2乗値としてもよく、nの2乗値に基づく数に設定されてもよい。
【0069】
なお、上記の例では、ユーザが表示画像をプリントすると選択した場合には、上記の4つ目の設定方法により、表示画像の数が設定されるとしたが、これに限られず、例えば、ユーザが表示画像をプリントすると選択した場合であっても、上記の1~3つ目のいずれか1つの設定方法により、表示画像の数が設定されてもよい。すなわち、表示データ(動画)に含まれる表示画像の数が、プリント時に同一のプリント面に配置される画像の数とは異なる値に設定されてもよい。
【0070】
<表示画像設定部>
表示画像設定部35は、複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を2つ以上の表示画像として設定する。
「所定の条件」は、表示画像数設定部34で設定した表示画像の数と、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報と、に基づいて設定された条件である。換言すると、表示画像設定部35は、表示画像の数と、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報とに基づいて、複数の候補画像の中から、表示画像の数に応じた2つ以上の候補画像を選定し、2つ以上の表示画像として設定する。
【0071】
より具体的には、表示画像設定部35は、複数の候補画像の解析により得られる画像の特徴に基づいて、複数の候補画像の中から2つ以上の候補画像を選定し、2つ以上の表示画像として設定してもよい。
一例として、表示画像設定部35は、複数の候補画像に含まれる被写体の特徴量を比較して被写体の類似度を算出し、被写体の類似度が高い候補画像から順に、表示画像数設定部34で設定した数の画像を表示画像として設定してもよい。あるいは、反対に、被写体の類似度の低い候補画像から順に、表示画像数設定部34で設定した数の画像を表示画像として設定してもよい。
また別の一例として、表示画像設定部35は、被写体の特徴量に基づいて複数の候補画像のスコアを算出し、スコアの高い候補画像から順に、表示画像数設定部34で設定した数の画像を表示画像として設定してもよい。
以上までに説明したように、画像処理装置10では、複数の候補画像の解析結果により選定された2以上の候補画像を、2以上の表示画像として表示させることができる。
【0072】
なお、表示画像設定部35は、被写体を含む画像領域に対して画像領域とは異なる第1領域(例えば、フレーム領域及び加飾領域等)を合成して得られる画像(例えば、フレーム領域付き画像及び加飾画像等)、及び、2つ以上の画像(画像領域)を合成して得られる画像(例えば、コラージュ画像等)のうちの少なくとも1つの画像(以下、合成画像)を表示画像として設定してもよい。
このため、画像処理装置10では、表示画像が合成画像である場合には、合成画像を表示する際の演出効果を高めることができる。また、表示画像がフレーム領域付き画像である場合には、フレーム領域付き画像を表示する際の演出効果を高めることができる。
【0073】
<フレーム領域設定部>
フレーム領域設定部36は、設定された2つ以上の表示画像について、フレーム領域を設定する。
より詳しくは、ユーザ端末100の画面が図10に示す画面に遷移し、上記で設定された2つ以上の表示画像について、フレーム領域を設定するように要求する画面が表示される。
【0074】
図10に示す例では、4つの表示画像のうちの、2つの表示画像は、既にフレーム領域が設定されている表示画像である。したがって、図10に示す画面は、残りの2つの表示画像について、フレーム領域を設定するように要求する画面となっている。フレーム領域が未設定の表示画像が選択されると、ユーザ端末100の画面が図11に示す画面に遷移し、複数(図11では4つ)の種類のフレーム領域の候補が表示される。なお、複数の種類のフレーム領域の候補の中には、フレーム領域が無い候補も含まれる。ユーザが、いずれか1つのフレーム領域の種類を選ぶと、ユーザからの入力情報に基づいて、フレーム領域の種類が選定され、選定された種類のフレーム領域を有する画像(フレーム領域付き画像)が表示画像として設定される。
なお、図11に示す例において、フレーム領域無しの候補を選択した場合、フレーム領域が無い画像が表示画像として設定される。
【0075】
また、図11に示す例では、既にフレーム領域が設定されている画像については、フレーム領域の設定を要求していないが、これに限られず、例えば、既にフレーム領域が設定されている画像に対しても、フレーム領域の種類を変更するか否かの選択を要求し、ユーザからの入力情報に基づいて、フレーム領域の種類を選定(変更)してもよい。
また、図11に示す例では、ユーザからの入力情報に基づいてフレーム領域の種類が選定されるとしたが、これに限られず、例えば、予め設定された選定基準に基づいて、フレーム領域の種類が選定されてもよい。例えば、アスペクト比に関する選定基準に基づいてフレーム領域を選定してもよく、具体的には、対象となる表示画像のアスペクト比に対して、より近いアスペクト比を有するフレーム領域が選定されてもよい。
【0076】
以上のように、フレーム領域設定部36は、予め設定された選定基準及びユーザからの入力情報の少なくとも1つに基づいて、2つ以上の表示画像について、フレーム領域の種類を選定する。これにより、選定されたフレーム領域の種類に応じたフレーム領域付き画像を、表示画像として設定することができる。
【0077】
<表示順設定部>
表示順設定部37は、画像の取得条件、画像(画像領域)の特徴、及びフレーム領域の特徴に基づいて、2つ以上の表示画像の表示順を設定する。
「フレーム領域の特徴」としては、表示画像におけるフレーム領域の有無、フレーム領域の種類、フレーム領域内のテキストの有無、及びフレーム領域内の装飾(絵及び模様等)の有無等が該当する。
以下に、表示画像の表示順を設定する方法について、3つの設定方法を例として挙げて説明する。
【0078】
1つ目の設定方法としては、画像の取得条件に基づく設定方法であり、表示順設定部37は、例えば、撮影日時の情報に基づいて、撮影日時の昇順又は降順にて2つ以上の表示画像の表示順を設定してもよい。
【0079】
2つ目の設定方法としては、画像の特徴に基づく設定方法であり、表示順設定部37は、例えば、被写体に人が含まれる場合には画像内の人数に基づいて、画像内の人数が多い順又は少ない順に2つ以上の表示画像の表示順を設定してもよい。あるいは、同じ被写体が含まれる表示画像が連続するように表示順を設定してもよいし、反対に、同じ被写体が含まれる表示画像が連続しないように表示順を設定してもよい。
【0080】
3つ目の設定方法としては、フレーム領域の特徴に基づく設定方法であり、表示順設定部37は、例えば、フレーム領域の種類に基づいて、2つ以上のフレーム領域付き画像の表示順を設定してもよい。例えば、表示順設定部37は、同じ種類のフレーム領域を含む表示画像が連続するように表示順を設定してもよいし、反対に、同じ種類のフレーム領域を含む表示画像が連続しないように表示順を設定してもよい。
以上までに説明したように、画像処理装置10では、フレーム領域の特徴、より具体的にはフレーム領域の種類に応じた表示順で表示画像を表示することにより、2つ以上の表示画像を表示する際の演出効果を高めることができる。
【0081】
<表示方法設定部>
表示方法設定部38は、2つ以上の表示画像の表示方法を設定する。なお、表示方法設定部38は、2つ以上の表示画像の各々について、表示方法を設定してもよいし、2つ以上の表示画像のうちの少なくとも1つの表示画像について、表示方法を取得してもよい。
【0082】
より詳しくは、表示方法設定部38は、画像(画像領域)の特徴及びフレーム領域の特徴のうちの少なくとも1つに基づいて、2以上の表示画像の表示方法、すなわち、表示位置、表示角度、及び表示時間のうちの少なくとも1つを設定する。
表示方法設定部38は、例えば、2つ以上の表示画像について画像の特徴に基づくスコアを算出し、スコアに応じて、2つ以上の表示画像の表示方法を設定してもよい。これにより、2つ以上の表示画像を表示する際に、スコアに応じた演出を行うことができる。
また、表示方法設定部38は、前述したように、フレーム領域の種類に応じて、2つ以上のフレーム領域付き画像の表示方法を設定してもよい。より詳しくは、表示方法設定部38は、図1~4に示すように、第1外形サイズのフレーム領域を有するフレーム領域付き画像の表示位置に比べて、第1外形サイズよりも小さい第2外形サイズを有するフレーム領域付き画像の表示位置を、表示領域内の基準位置から離れた位置に設定してもよい。これにより、2つ以上の表示画像を表示する際に、フレーム領域の種類、具体的には、フレーム領域付き画像の外形サイズに応じた演出を行うことができる。
【0083】
<表示データ生成部>
表示データ生成部39は、設定された表示方法にて2つ以上の表示画像が表示される表示データを生成する。生成された表示データは、ユーザ端末100の記憶装置に保存されてもよいし、ネットワークNを通じて画像処理装置10と通信可能な外部機器、例えばオンラインストレージ又はデータベースサーバ等に保存されてもよい。
【0084】
<画像表示部>
画像表示部40は、ユーザ端末100に表示データを送信し、2つ以上の表示画像を、上記で設定された表示方法において、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、ユーザ端末100の画面に表示させる。
【0085】
<プリントデータ生成部>
プリントデータ生成部41は、選択された配置パターンにて2以上の表示画像が同一のプリント面に配置されたプリントデータを生成する。
なお、プリント面には、QRコード(登録商標)等のコード領域が付されており、コード領域には、上記の表示データの保存先を示す情報をコード化して含んでいる。このため、コード領域を読み取ることで、コード領域に含まれた情報から表示データの保存先を特定し、特定された保存先に保存された表示データにアクセスすることが可能となっている。そして、表示データにアクセスすることで、表示データが示す2以上の表示画像を、設定された表示方法で表示することができる。
【0086】
<<本発明の一つの実施形態に係る画像処理フローについて>>
次に、上述した画像処理装置10を用いたデータ処理フローである画像処理フローについて説明する。画像処理フローは、本発明の画像処理方法を採用しており、図12に示す流れに沿って進行する。つまり、図12に図示のフロー中の各ステップは、本発明の画像処理方法を構成する各要素に該当する。
なお、図12に示すフローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加してもよい。
【0087】
先ず、ユーザが、ユーザ端末100にインストールされた画像選択アプリを起動することにより、アプリ起動に連動して生成される信号が、画像処理装置10を構成するサーバコンピュータに伝送される。画像処理フローは、その信号の伝送を契機として開始される。
【0088】
ユーザ端末100から対象となる複数の画像が送信されると、プロセッサ21は、対象となる複数の画像を取得する(S001)。次に、プロセッサ21は、複数の画像について、画像の取得条件及び画像の特徴の少なくとも1つの情報を取得する(S002)。
次に、プロセッサ21は、複数の画像について取得された前述の少なくとも1つの情報に基づいて、複数の画像の中から、複数の候補画像を選定する(S003)。
【0089】
次に、プロセッサ21は、2つ以上の表示画像を事後にプリントするか否かの選択を要求し(S004)、2つ以上の表示画像をプリントしないとのユーザによる入力情報を受け付けた場合、ステップS005をスキップして、ステップS006に進む。
一方で、プロセッサ21は、2つ以上の表示画像をプリントするとのユーザによる入力情報を受け付けた場合、同一のプリント面に配置される2つ以上の表示画像の配置パターンの複数の候補の中から、いずれか1つの配置パターンを選択するように要求する。その後、プロセッサ21は、ユーザによる選択情報に基づいて、プリント面における表示画像の配置パターンを設定する(S005)。
【0090】
次に、プロセッサ21は、ユーザ端末100の画面の表示領域に表示する表示画像の数を設定する(S006)。より具体的には、プロセッサ21は、ステップS004にて、2つ以上の表示画像をプリントしないとのユーザによる入力情報を受け付けた場合には、例えば、表示画像の数に上限を設定し、複数の候補画像の数が上限以上である場合には、上限の数を表示画像の数として設定し、複数の候補画像の数が上限以下の場合には、その数を表示画像の数として設定する。一方で、プロセッサ21は、ステップS004にて、2つ以上の表示画像をプリントするとのユーザによる入力情報を受け付けた場合には、ステップS005にて設定された配置パターンに基づく画像数を、表示画像の数として設定する。
【0091】
次に、プロセッサ21は、複数の候補画像のうち、所定の条件を満たす2つ以上の候補画像を、2つ以上の表示画像として設定する(S007)。
次に、プロセッサ21は、2つ以上の表示画像の中で、フレーム領域が無い表示画像が存在するかどうかを判定し(S008)、フレーム領域が無い表示画像が存在しない場合、つまり、2つ以上の表示画像のすべてがフレーム領域付き画像である場合、ステップS009をスキップして、ステップS010に進む。
【0092】
一方で、プロセッサ21は、フレーム領域が無い表示画像が存在する場合には、フレーム領域が無い表示画像に対してフレーム領域の設定を行う(S009)。より具体的には、プロセッサ21は、フレーム領域の種類に関するユーザによる入力情報に基づいて、フレーム領域が無い画像に対して、フレーム領域を設定する。
なお、プロセッサ21は、ユーザによる入力情報に基づいて、フレーム領域が無い画像を表示画像として設定してもよい。
また、プロセッサ21は、フレーム領域が既に設定されているフレーム領域付き画像に対しても、フレーム領域の種類を変更するか否かの選択を要求し、ユーザからの入力情報に基づいて、フレーム領域の種類を変更してもよい。
【0093】
次に、プロセッサ21は、2つ以上の表示画像の表示順を設定する(S011)。その後、プロセッサ21は、2つ以上の表示画像の表示方法を設定する(S012)
【0094】
次に、プロセッサ21は、設定された表示方法にて2つ以上の表示画像が表示される表示データを生成する(S012)。プロセッサ21は、ユーザ端末100に表示データを送信し、2つ以上の表示画像を、設定された表示方法において、画面内の表示画像の数が変化する態様を含む表示態様にて、ユーザ端末100の画面に表示させる。
その後、プロセッサ21は、ステップS005にて設定された配置パターンにて、2以上の表示画像が同一のプリント面に配置されたプリントデータを生成する(S013)。
以上までの一連の処理が終了した時点で画像処理フローは終了する。
【0095】
<<その他の実施形態について>>
上記の画像処理システムにおいて、画像処理装置10はサーバコンピュータによって構成されるとしたが、これに限られず、例えば、本発明の画像処理装置がユーザ端末によって構成されてもよい。
【0096】
<プロセッサの構成について>
本発明の画像処理装置及び画像処理装置が備えるプロセッサには、各種のプロセッサが含まれる。各種のプロセッサには、例えば、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが含まれる。
また、各種のプロセッサには、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるPLD(Programmable Logic Device)が含まれる。
さらに、各種のプロセッサには、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理をさせるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0097】
また、本発明の画像処理装置及び画像処理装置が有する1つの処理部を、上述した各種のプロセッサのうちの1つによって構成してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ、例えば、複数のFPGAの組み合わせ、若しくは、FPGA及びCPUの組み合わせ等によって構成してもよい。
また、本発明の画像処理装置が有する複数の機能部を、各種のプロセッサのうちの1つによって構成してもよいし、複数の機能部のうちの2つ以上をまとめて1つのプロセッサによって構成してもよい。
また、上述の実施形態のように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の機能部として機能する形態でもよい。
【0098】
また、例えば、SoC(System on Chip)等に代表されるように、本発明の画像処理装置及び画像処理装置における複数の機能部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態でもよい。また、上述した各種のプロセッサのハードウェア的な構成は、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路(Circuitry)でもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 画像処理装置
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 記憶装置
31 画像取得部
32 情報取得部
33 候補画像選定部
34 表示画像数設定部
35 表示画像設定部
36 フレーム領域設定部
37 表示順設定部
38 表示方法設定部
39 表示データ生成部
40 画像表示部
41 プリントデータ生成部
100 ユーザ端末
A 表示領域
C 基準位置
H1,H2,H3,V1,V2,V3, 距離
N ネットワーク
P1,P2,P3,P4 表示画像
S 画像処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12