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特開2025-4812棚割支援方法、棚割支援システム、および、棚割支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025004812
(43)【公開日】2025-01-16
(54)【発明の名称】棚割支援方法、棚割支援システム、および、棚割支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250108BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104649
(22)【出願日】2023-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(72)【発明者】
【氏名】篠田 秀明
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】商品の補充を考慮した棚割の作成を支援する。
【解決手段】本発明の一側面に係る棚割支援方法は、各陳列予定商品のフェース数と各陳列予定商品の1フェース当たりの個数との積が、各陳列予定商品を、棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である、各陳列予定商品の期間平均販売個数以上となるように、各陳列予定商品のフェース数を算出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品の各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品の横幅を示す情報である、陳列予定商品形状情報を取得する商品形状情報取得ステップと、
前記各陳列予定商品の販売個数の、実績値の平均または予測値であって、前記各小売企業が、前記各陳列予定商品を、前記棚に陳列してから前記棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である、期間平均販売個数を示す陳列予定商品平均販売情報を取得する平均販売情報取得ステップと、
前記各陳列予定商品の、前記棚の奥行方向に陳列される個数である、1フェース当たりの個数を示す1F在庫数量情報を取得する1F在庫数量情報取得ステップと、
前記棚における、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップであって、前記各陳列予定商品のフェース数と前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数との積が、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数以上となるように、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップである算出ステップと、
少なくとも、前記算出ステップにて算出した前記各陳列予定商品のフェース数を示す情報であって、前記各小売企業の、前記各店舗における前記複数の陳列予定商品の棚割を支援する情報である、棚割支援情報を出力する出力ステップと、
を実行する、
棚割支援方法。
【請求項2】
前記各小売企業が、前記複数の陳列予定商品の前に前記棚に陳列していた複数の従来陳列商品に係る情報であって、少なくとも、
各従来陳列商品の横幅に、前記棚における前記各従来陳列商品のフェース数を乗じて算出される前記各従来陳列商品の占有横幅の合計である元棚割スペース
を示す情報である、従来陳列情報を取得する従来陳列情報取得ステップをさらに実行し、
前記算出ステップは、さらに、
前記各陳列予定商品の横幅に、前記各陳列予定商品のフェース数を乗じて算出される前記各陳列予定商品の必要横幅の合計である総必要横幅と、
前記従来陳列情報取得ステップにて取得した前記従来陳列情報により示される前記元棚割スペースと、
を用いて、前記各陳列予定商品のフェース数を算出する、
請求項1に記載の棚割支援方法。
【請求項3】
前記算出ステップは、
倍率変数の許容最大値を特定する最大倍率変数計算ステップと、
前記最大倍率変数計算ステップにて計算した前記倍率変数の許容最大値を用いて、前記各陳列予定商品のフェース数を特定するステップであって、
前記最大倍率変数計算ステップにて計算した前記倍率変数の許容最大値と、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数との積を、前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数で除することで得られる値を、小数点以下切り上げした値と、
前記各小売企業が前記各陳列予定商品について設定しているフェース数の最大値と
のうち、小さい方を、前記各陳列予定商品のフェース数として特定するステップである、特定ステップと、
を含み、
前記最大倍率変数計算ステップは、
前記各陳列予定商品の仮フェース数を計算するステップであって、
前記倍率変数と前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数との積を、前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数で除することで得られる値と、
前記各小売企業が前記各陳列予定商品について設定している前記フェース数の最大値と
のうち小さい方を、前記各陳列予定商品の仮フェース数として計算するステップである、仮フェース数計算ステップと、
前記仮フェース数計算ステップにて算出された前記各陳列予定商品の仮フェース数に、前記各陳列予定商品の横幅を乗じて、前記各陳列予定商品の仮必要横幅を計算する仮必要横幅計算ステップと、
前記仮必要横幅計算ステップにて算出された前記各陳列予定商品の仮必要横幅の合計を、仮総必要横幅として計算する仮総必要横幅計算ステップと
を、前記仮総必要横幅計算ステップにて算出した前記仮総必要横幅が、前記元棚割スペースよりも大きくなるまで、前記倍率変数を、初期値から、1よりも小さな所定値ずつ増やして、繰り返し実行することで、前記仮総必要横幅を前記元棚割スペース以下とする前記倍率変数の最大値を特定し、特定した最大値を、前記倍率変数の許容最大値とする、
請求項2に記載の棚割支援方法。
【請求項4】
前記倍率変数の初期値は、1である、
請求項3に記載の棚割支援方法。
【請求項5】
前記倍率変数の初期値は、
前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数と前記各陳列予定商品の横幅との積を、前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数で除することで得られる値を、前記各陳列予定商品の最小必要横幅とし、
前記各陳列予定商品の最小必要横幅の合計を、最小総必要横幅として、
前記最小総必要横幅によって、前記元棚割スペースを除した値である、
請求項3に記載の棚割支援方法。
【請求項6】
前記各陳列予定商品の1フェース当たりの個数は、
前記棚の奥行長を前記各陳列予定商品の奥行長で除することで得られる値の整数部分と、
前記各小売企業が前記各陳列予定商品について設定している、前記棚の奥行方向に陳列する個数と
のうち、小さい方の値である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の棚割支援方法。
【請求項7】
前記平均販売情報取得ステップは、
前記各小売企業が所定期間において前記各陳列予定商品を販売する個数の、実績値または予測値である期間販売個数を、
前記各小売企業が前記各陳列予定商品について設定している、前記所定期間における、前記各陳列予定商品の、前記棚への補充回数である期間補充回数で、
除することで、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数を取得する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の棚割支援方法。
【請求項8】
前記平均販売情報取得ステップは、前記所定期間における、前記各小売企業の前記各陳列予定商品の販売個数の実績値を、前記各小売企業のPOS(Point of Sale)システムから取得する、
請求項7に記載の棚割支援方法。
【請求項9】
前記期間補充回数は、前記各陳列予定商品の、販売実績または販売予測に応じて、決定されている、
請求項7に記載の棚割支援方法。
【請求項10】
各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品の各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品の横幅を示す情報である、陳列予定商品形状情報を取得する商品形状情報取得部と、
前記各陳列予定商品の販売個数の、実績値の平均または予測値であって、前記各小売企業が、前記各陳列予定商品を、前記棚に陳列してから前記棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である、期間平均販売個数を示す陳列予定商品平均販売情報を取得する平均販売情報取得部と、
前記各陳列予定商品の、前記棚の奥行方向に陳列される個数である、1フェース当たりの個数を示す1F在庫数量情報を取得する1F在庫数量情報取得部と、
前記棚における、前記各陳列予定商品のフェース数を算出する算出部であって、前記各陳列予定商品のフェース数と前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数との積が、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数以上となるように、前記各陳列予定商品のフェース数を算出する算出部と、
少なくとも、前記算出部により算出された前記各陳列予定商品のフェース数を示す情報であって、前記各小売企業の、前記各店舗における前記複数の陳列予定商品の棚割を支援する情報である、棚割支援情報を出力する出力部と、
を備える、
棚割支援システム。
【請求項11】
コンピュータに、
各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品の各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品の横幅を示す情報である、陳列予定商品形状情報を取得する商品形状情報取得ステップと、
前記各陳列予定商品の販売個数の、実績値の平均または予測値であって、前記各小売企業が、前記各陳列予定商品を、前記棚に陳列してから前記棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である、期間平均販売個数を示す陳列予定商品平均販売情報を取得する平均販売情報取得ステップと、
前記各陳列予定商品の、前記棚の奥行方向に陳列される個数である、1フェース当たりの個数を示す1F在庫数量情報を取得する1F在庫数量情報取得ステップと、
前記棚における、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップであって、前記各陳列予定商品のフェース数と前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数との積が、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数以上となるように、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップである算出ステップと、
少なくとも、前記算出ステップにて算出した前記各陳列予定商品のフェース数を示す情報であって、前記各小売企業の、前記各店舗における前記複数の陳列予定商品の棚割を支援する情報である、棚割支援情報を出力する出力ステップと、
を実行させるための、
棚割支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棚割支援方法、棚割支援システム、および、棚割支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各小売企業の各店舗における棚割の作成を支援する各種の棚割支援方法等が知られている。例えば、下掲の特許文献1には、陳列する商品の売上高を考慮して、商品の棚割を行う棚割作成方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-230127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、店頭の棚から商品が消滅する事態である店頭欠品は、商品の販売機会を逃すことにつながり得る。そのため、各店舗においては、係る店頭欠品を防ぐために、商品を棚に補充する補充作業が定期的に行なわれている。しかしながら、特許文献1に記載の従来の方法は、各店舗において定期的に行なわれている、商品の補充という事実を考慮することができていない。
【0005】
本発明は、一側面では、このような事情を鑑みてなされたものであり、その目的は、商品の補充を考慮した棚割の作成を支援する、棚割支援方法等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0007】
すなわち、本発明の一態様に係る棚割支援方法は、コンピュータが、各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品の各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品の横幅を示す情報である、陳列予定商品形状情報を取得する商品形状情報取得ステップと、前記各陳列予定商品の販売個数の、実績値の平均または予測値であって、前記各小売企業が、前記各陳列予定商品を、前記棚に陳列してから前記棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である、期間平均販売個数を示す陳列予定商品平均販売情報を取得する平均販売情報取得ステップと、前記各陳列予定商品の、前記棚の奥行方向に陳列される個数である、1フェース当たりの個数を示す1F在庫数量情報を取得する1F在庫数量情報取得ステップと、前記棚における、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップであって、前記各陳列予定商品のフェース数と前記各陳列予定商品の前記1フェース当たりの個数との積が、前記各陳列予定商品の前記期間平均販売個数以上となるように、前記各陳列予定商品のフェース数を算出するステップである算出ステップと、少なくとも、前記算出ステップにて算出した前記各陳列予定商品のフェース数を示す情報であって、前記各小売企業の、前記各店舗における前記複数の陳列予定商品の棚割を支援する情報である、棚割支援情報を出力する出力ステップと、を実行する。
【0008】
本発明の形態は、上記棚割支援方法の態様に限られなくてもよい。上記態様に係る棚割支援方法の別の態様として、本発明の一態様は、以上の各構成の全部又はその一部を実現する棚割支援システム、または、棚割支援装置であってもよい。また、本発明の一態様は、以上の各構成の全部又はその一部をコンピュータに実現、実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記憶した、コンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記憶媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品の補充を考慮した棚割の作成を支援する、棚割支援方法等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る棚割支援システムの全体概要を例示する。
図2図2は、実施の形態に係る棚割支援情報に基づいて各商品が陳列された棚の正面図の一例を示す。
図3図3は、実施の形態に係る棚割支援情報に基づいて各商品が陳列された棚の上面図の一例を示す。
図4図4は、実施の形態に係る棚割支援装置のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。
図5図5は、実施の形態に係る棚割支援装置のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。
図6図6は、実施の形態に係る棚割支援装置の処理手順の一例を示す。
図7図7は、第2条件を満たす各陳列予定商品のフェース数を算出する処理手順の一例を示す。
図8図8は、倍率変数の許容最大値を特定する処理手順の一例を示す。
図9図9は、倍率変数の初期値を決定する処理手順の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメータ、マシン語等で指定される。
【0012】
§1 適用例
図1は、本実施形態に係る棚割支援システムSの全体概要を例示する。図1に例示するように、棚割支援システムSは、棚割支援装置1、POS(Point Of Sale)システムサーバ2、および、商品管理装置3を含む。棚割支援装置1と、POSシステムサーバ2と、商品管理装置3とは、ネットワークを介して互いに通信可能に接続している。上記各装置間の通信は、有線または無線通信の何れであってもよいし、携帯通信網、公衆回線網、LAN(Local Area Network)、または、WAN(Wide Area Network)の何れを介した通信であってもよい。また、各装置は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いたインターネット等を利用して、互いに通信してもよい。各装置間の通信手段は、各装置を互いに通信可能に接続するものであれば、特に限定されない。
【0013】
棚割支援装置1は、各小売企業の各店舗における棚割を支援する棚割支援情報PSIを生成し、生成した棚割支援情報PSIを、棚割担当者が利用する商品管理装置3へと出力する。特に、棚割支援装置1は、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)に陳列されることが予定されている複数の陳列予定商品MIDについて、その棚割を支援する棚割支援情報PSIを生成し、商品管理装置3へと出力する。棚割支援情報PSIは、少なくとも、各小売企業の各店舗で使用される棚における各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す。「フェース数NF」は、棚の横方向に陳列される同一商品の個数であり、棚に陳列された商品を正面から見たときの同一商品の数(個数)と言い換えてもよい。なお、棚の「横方向」に直交する方向(水平面において直交する方向)を、棚の「奥行方向」とする。フェース数NFは、1、2、3、・・・といった自然数であり、つまり、1以上の正の整数である。
【0014】
棚割支援情報PSIは、さらに、各陳列予定商品MIDの1フェース当たりの個数NPFを示してもよい。「1フェース当たりの個数NPF」は、棚の奥行方向に陳列される同一商品の個数であり、以下の説明においては、「1F当たり個数NPF」と略記することがある。1F当たり個数NPFは、フェース数NFと同様に、自然数であり、つまり、1以上の正の整数である。各商品のフェース数NFと、各商品の1F当たり個数NPFとの積が、棚に陳列される各商品の総数(個数)となる。以下、棚割支援装置1が生成、出力する棚割支援情報PSIに基づいて各陳列予定商品MIDが陳列された棚の一例を、図2および図3を用いて、説明する。
【0015】
(棚割支援情報、各陳列予定商品、および、棚の関係について)
図2は、棚割支援情報PSIに基づいて、各陳列予定商品MIDが陳列された棚の正面図の一例を示す。特に、図2は、棚割支援情報PSIの示す各陳列予定商品MIDのフェース数NFに基づいて、各陳列予定商品MIDが陳列された棚の正面図の一例を示す。図2に示す例では、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれについて、以下のフェース数NFを示すものとする。すなわち、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)~MID(C)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(A)について「1」、陳列予定商品MID(B)について「2」、陳列予定商品MID(C)について「1」を示すものとする。棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(D)~MID(F)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(D)について「3」、陳列予定商品MID(E)について「2」、陳列予定商品MID(F)について「2」を示すものとする。棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(G)~MID(I)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(G)について「2」、陳列予定商品MID(H)について「2」、陳列予定商品MID(I)について「2」を示すものとする。棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(J)~MID(L)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(J)について「2」、陳列予定商品MID(K)について「2」、陳列予定商品MID(L)について「5」を示すものとする。
【0016】
上述の棚割支援情報PSIに基づいて陳列予定商品MID(A)~MID(L)が棚に陳列されることで、例えば、図2に示す棚の陳列状況が実現される。なお、図2には、棚に陳列予定商品MID(A)~MID(L)の12種類の陳列予定商品MIDが陳列される例を示したが、棚に陳列される陳列予定商品MIDの種類は、複数であればよく、12種類に限られるものではない。
【0017】
本実施形態において、各小売企業の各店舗で使用される棚は、N段の棚板を備え、図2に示す例では、3段の棚板を備えている。「N」は、自然数であり、例えば、2以上の自然数である。ただし、Nは1であってもよい。
【0018】
なお、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれについて、「棚のどの位置に陳列するか」は指定しなくてもよく(示さなくてもよく)、例えば、「複数段の棚板のうち、何段目の棚板に陳列するか」を指定しなくてもよい。例えば、図2に示す棚には、上から1段目に、陳列予定商品MID(A)~MID(D)が陳列され、上から2段目に、陳列予定商品MID(E)~MID(K)が陳列され、上から3段目に、陳列予定商品MID(L)が陳列されている。しかしながら、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)~MID(D)を1段目に、陳列予定商品MID(E)~MID(K)を2段目に、陳列予定商品MID(L)を3段目に、陳列することを指定しなくてもよい。すなわち、棚割支援装置1が生成、出力する棚割支援情報PSIは、N段の棚板を備える棚に陳列される(陳列されることが予定されている)複数の陳列予定商品MIDのそれぞれのフェース数NFを示せばよい。棚割支援情報PSIは、棚の「各段」に陳列される(陳列されることが予定されている)複数の陳列予定商品MIDのそれぞれのフェース数NFについて、指定しなくてもよい(示さなくてもよい)。棚割支援情報PSIは、N段の棚板を備える棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれのフェース数NFを示せばよい。
【0019】
図2を用いて説明してきたとおり、棚割支援装置1は、棚の「各段」に陳列される各陳列予定商品MIDのフェース数NFではなく、1つの棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれのフェース数NFを決定する。係る構成を備えることにより、棚割支援装置1は、棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれのフェース数NFを決定しつつ、「各段」に陳列する各陳列予定商品MIDの棚割を、棚割担当者が柔軟に決定することを可能とする。棚割支援装置1は、棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれのフェース数NFを決定しつつ、「各段」にどの陳列予定商品MIDを陳列するかを、実際に各陳列予定商品MIDを棚に陳列する者が柔軟に決定することを可能とする。ただし、棚割支援装置1は、1つの棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDのそれぞれのフェース数NFに加えて、棚の「各段」に陳列される各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。また、棚割支援装置1は、1つの棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDのそれぞれのフェース数NFに代えて、棚の「各段」に陳列される各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。
【0020】
上述のとおり、棚割支援装置1が生成、出力する棚割支援情報PSIは、各陳列予定商品MIDのフェース数NFに加えて、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示してもよい。例えば、棚割支援情報PSIが、陳列予定商品MID(A)~MID(D)のそれぞれの1F当たり個数NPFを以下のように示す場合、係る棚割支援情報PSIに基づいて、各陳列予定商品MIDが陳列された棚の上面図は、図3に例示するものとなる。すなわち、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)、MID(B)のそれぞれの1F当たり個数NPFとして、陳列予定商品MID(A)について「2」、陳列予定商品MID(B)について「4」を示すものとする。また、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(C)、MID(D)のそれぞれの1F当たり個数NPFとして、陳列予定商品MID(C)について「3」、陳列予定商品MID(D)について「2」を示すものとする。この場合、棚割支援情報PSIに基づいて、陳列予定商品MID(A)~MID(D)のそれぞれが陳列された棚の上面図は、図3に例示するものとなる。
【0021】
図3は、上述の棚割支援情報PSIに基づいて陳列予定商品MID(A)~MID(D)のそれぞれが陳列された棚の上面図の一例を示す。上述のとおり、図3に示す例において、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)、MID(B)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(A)について「1」、陳列予定商品MID(B)について「2」を示す。また、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(C)、MID(D)のそれぞれのフェース数NFとして、陳列予定商品MID(C)について「1」、陳列予定商品MID(D)について「3」を示す。さらに、棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(A)、MID(B)のそれぞれの1F当たり個数NPFとして、陳列予定商品MID(A)について「2」、陳列予定商品MID(B)について「4」を示す。棚割支援情報PSIは、陳列予定商品MID(C)、MID(D)のそれぞれの1F当たり個数NPFとして、陳列予定商品MID(C)について「3」、陳列予定商品MID(D)について「2」を示す。
【0022】
これまでに図2および図3を用いて説明してきたとおり、棚割支援装置1が生成、出力する棚割支援情報PSIは、例えば、「N段の棚板を備える1つの棚」に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれのフェース数NFを示す。棚割支援装置1が生成、出力する棚割支援情報PSIは、さらに、1つの棚に陳列される全ての陳列予定商品MIDについて、それぞれの1F当たり個数NPFを示してもよい。
【0023】
(各陳列予定商品のフェース数を決定するための第1条件について)
棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを用いて、各小売企業の各店舗における各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する。「期間平均販売個数ANP」は、「各小売企業が、各陳列予定商品MIDを棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において、販売する」各陳列予定商品MIDの個数についての、実績値の平均または予測値である。各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、各陳列予定商品MIDについて、「陳列後、補充されるまでの間に販売される個数」の、実績値の平均または予測値と言い換えてもよい。棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFと各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する。以下の説明においては、「各陳列予定商品MIDのフェース数NFと各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となる」との条件を、第1条件とも称する。
【0024】
ここで、各店舗においては、店頭欠品を防ぐために、商品を棚に補充する補充作業が定期的に行なわれている。そして、上述のとおり、期間平均販売個数ANPは、陳列後、補充されるまでの期間における販売個数の、実績値の平均または予測値である。そのため、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、各回の補充作業において棚に補充される各陳列予定商品MIDの個数とみなすことができる。したがって、棚に陳列される各陳列予定商品MIDの個数が、各補充作業において棚に補充される各陳列予定商品MIDの個数(つまり、期間平均販売個数ANP)以上であれば、各陳列予定商品MIDの店頭欠品を防ぐことが可能となる。棚割支援装置1は、第1条件を満たすように各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定することで、「各陳列予定商品MIDについて、上述の補充作業により、店頭欠品を防ぐことが可能な棚割を、棚割担当者が容易に作成する」ことを可能とする。棚割支援装置1は、各店舗において定期的に行なわれている「商品の補充」を考慮した棚割を、棚割担当者が容易に作成できるよう支援することができ、つまり、商品の補充を考慮した棚割の作成を支援することができるとの効果を奏する。
【0025】
(各陳列予定商品のうち、既販陳列予定商品に係る期間平均販売個数等について)
図1に示す例では、棚割支援装置1は、各小売企業のPOSシステムサーバ2から、販売実績情報ISPを取得する。「販売実績情報ISP」は、各小売企業が販売している各商品の、所定期間(POS期間)における販売個数の実績値(販売実績)を示す情報である。販売実績情報ISPは、少なくとも、複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が既に販売している陳列予定商品MIDについて、所定期間における販売個数の実績値(販売実績)を示す。以下では、「複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が既に販売している陳列予定商品MID」を、「既販陳列予定商品MID_AS」とも称する。「販売実績情報ISP」は、さらに、「複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が未だ販売していない陳列予定商品MID」に類似する商品(類似商品)であって、各小売企業が既に販売している商品について、販売実績を示してもよい。つまり、「販売実績情報ISP」は、各小売企業が既に販売している上記類似商品(既販類似商品)について、所定期間(POS期間)における販売個数の実績値を、さらに示してもよい。以下では、「複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が未だ販売していない陳列予定商品MID」を、「未販陳列予定商品MID_NW」とも称する。
【0026】
各小売企業のPOSシステムサーバ2は、少なくとも、各小売企業が販売している各商品の、所定期間(POS期間)における販売個数の実績値(販売実績)を示す情報を保有している。各小売企業のPOSシステムサーバ2は、さらに、棚割支援装置1が各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに利用する、その他の情報(詳細は後述する)を保有していてもよい。各小売企業のPOSシステムサーバ2は、上述の情報に加えて、各小売企業の各店舗における、各商品の販売実績を保有していてもよい。
【0027】
例えば、棚割支援装置1は、販売実績情報ISPが示す、各既販陳列予定商品MID_ASの所定期間における販売個数の実績値から、各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たり(例、週当たり)の販売個数の実績値を計算する。そして、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの販売個数の実績値を、各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの補充回数で除して、各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。
【0028】
「各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの補充回数」は、各小売企業が各既販陳列予定商品MID_ASについて設定している、所定日数当たりの、各既販陳列予定商品MID_ASの、棚への補充回数である。「所定日数当たりの補充回数」は、「所定日数(所定期間)における、棚への補充回数」と言い換えてもよい。各小売企業は、「各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの補充回数」を、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績に応じて決定してもよい。例えば、各小売企業は、「売り上げが好調であるか否か」に応じて、「各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの補充回数」を決定してもよい。各小売企業は、売り上げが好調である既販陳列予定商品MID_ASの「所定日数当たりの補充回数」を、売り上げが好調でない既販陳列予定商品MID_ASの「所定日数当たりの補充回数」よりも多く設定してもよい。
【0029】
棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの「所定日数当たりの補充回数」を示す情報(補充回数情報IRT)を、商品管理装置3から取得してもよい。また、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。棚割支援装置1が、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTを取得する取得元は、係る情報を保有していればよく、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3に限られるものではない。
【0030】
これまで、棚割支援装置1が、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPと、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTと、から、各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを算出する例について、説明してきた。すなわち、棚割支援装置1が、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPと補充回数情報IRTとを、「各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IAS」として取得する例について、説明してきた。しかしながら、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPおよび補充回数情報IRTを取得することなく、陳列予定商品平均販売情報IASそのものを、取得してもよい。例えば、棚割支援装置1の外部の装置が、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPと補充回数情報IRTとを取得し、係る外部の装置が、これらの情報から「各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANP」を算出してもよい。棚割支援装置1は、上述の外部の装置から、「各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IAS」を取得してもよい。棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを示す情報(陳列予定商品平均販売情報IAS)を取得できればよく、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPと補充回数情報IRTとを取得することは必須ではない。棚割支援装置1が、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPを取得しない場合、棚割支援システムSは、POSシステムサーバ2を含んでいなくてもよい。
【0031】
(各陳列予定商品のうち、未販陳列予定商品に係る期間平均販売個数等について)
例えば、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを、以下のように取得してもよい。すなわち、棚割支援装置1は、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定期間(POS期間)における販売個数の予測値」から、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たり(例、週当たり)の販売個数の予測値」を計算する。そして、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの販売個数の予測値を、各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの補充回数で除して、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。上述のとおり、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPは、各小売企業が、各未販陳列予定商品MID_NWを、棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において販売する個数についての予測値である。
【0032】
棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの「所定期間(POS期間)における販売個数の予測値」を示す販売予測情報IPSを、商品管理装置3から取得してもよい。また、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。棚割支援装置1が、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSを取得する取得元は、係る情報を保有していればよく、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3に限られるものではない。
【0033】
各未販陳列予定商品MID_NWの所定期間における販売個数の予測値は、各未販陳列予定商品MID_NWに類似する商品であって、各小売企業が既に販売している商品の、所定期間(POS期間)における販売個数の実績値(販売実績)から予測されてもよい。例えば、棚割支援装置1は、各小売企業のPOSシステムサーバ2から、「各未販陳列予定商品MID_NWに類似する商品であって、各小売企業が既に販売している商品」(既販類似商品)の、所定期間における販売個数の実績値を示す情報を取得してもよい。そして、棚割支援装置1は、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得した上述の情報から、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定期間における販売個数の予測値」を予測してもよい。棚割支援装置1は、各既販類似商品の販売実績情報ISPを、つまり、各既販類似商品の、所定期間における販売個数の実績値を示す情報を、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSとして取得してもよい。
【0034】
「各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの補充回数」は、各小売企業が各未販陳列予定商品MID_NWについて設定している、所定日数当たりの、各未販陳列予定商品MID_NWの、棚への補充回数である。各小売企業は、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの補充回数」を、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測に応じて決定してもよい。例えば、各小売企業は、「売り上げが好調であると予測されるか否か」に応じて、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの補充回数」を決定してもよい。各小売企業は、売り上げが好調であると予測される未販陳列予定商品MID_NWの「所定日数当たりの補充回数」を、売り上げが好調でないと予測される未販陳列予定商品MID_NWの「所定日数当たりの補充回数」よりも多く設定してもよい。各小売企業は、「各未販陳列予定商品MID_NWに類似する商品であって、各小売企業が既に販売している商品(既販類似商品)」の「売り上げが好調であるか否か」に応じて、「各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの補充回数」を決定してもよい。各小売企業は、売り上げが好調である既販類似商品に類似する未販陳列予定商品MID_NWについて、売り上げが好調でない既販類似商品に類似する未販陳列予定商品MID_NWよりも、「所定日数当たりの補充回数」を多く設定してもよい。
【0035】
以上に説明してきたとおり、各陳列予定商品MIDについて、各小売企業が設定している「所定日数(所定期間)における、棚への補充回数」である期間補充回数は、各陳列予定商品MIDの、販売実績または販売予測に応じて、決定されていてもよい。例えば、各既販陳列予定商品MID_ASの期間補充回数は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績が「好調であるか否か」に応じて、決定されてもよい。同様に、各未販陳列予定商品MID_NWの期間補充回数は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測が「好調であると予想されているか否か」に応じて、決定されてもよい。各陳列予定商品MIDの期間補充回数が、各陳列予定商品MIDの、販売実績または販売予測に応じて、決定されることで、棚割支援装置1は、以下の効果を奏する。すなわち、棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDについて、販売実績または販売予測に応じて適切に設定された期間補充回数を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出できるとの効果を奏する。
【0036】
棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの「所定日数当たりの補充回数」を示す情報(補充回数情報IRT)を、商品管理装置3から取得してもよい。また、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。棚割支援装置1が、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTを取得する取得元は、係る情報を保有していればよく、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3に限られるものではない。
【0037】
これまで、棚割支援装置1が、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSと、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTと、から、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを算出する例について、説明してきた。すなわち、棚割支援装置1が、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSと補充回数情報IRTとを、「各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IAS」として取得する例について、説明してきた。しかしながら、棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSおよび補充回数情報IRTを取得することなく、陳列予定商品平均販売情報IASそのものを、取得してもよい。例えば、棚割支援装置1の外部の装置が、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSと補充回数情報IRTとを取得し、係る外部の装置が、これらの情報から「各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANP」を算出してもよい。棚割支援装置1は、上述の外部の装置から、「各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IAS」を取得してもよい。棚割支援装置1は、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを示す情報(陳列予定商品平均販売情報IAS)を取得できればよく、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSと補充回数情報IRTとを取得することは必須ではない。
【0038】
なお、棚割支援装置1が、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを把握する方法について、詳細は後述する。棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す情報(1F在庫数量情報IPF)を取得してもよい。また、棚割支援装置1は、棚および各陳列予定商品MIDのそれぞれの奥行長DL(奥行方向の長さ)などから、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを求めてもよい。
【0039】
(各陳列予定商品のフェース数を決定するための第2条件について)
棚割支援装置1は、第1条件に加えて、元棚割スペースPSPを指標として、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよく、特に、元棚割スペースPSPと総必要横幅SRWとを用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。元棚割とは、各小売企業の各店舗における棚割であって、「陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚に、陳列予定商品MIDの前に、陳列されていた複数の商品(従来陳列商品MDP)」の棚割である。「従来陳列商品MDP」は、各小売企業が各店舗において、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚に、陳列予定商品MIDの前に、陳列していた商品であり、元棚割は、少なくとも、上述の棚に陳列されていた各従来陳列商品MDPの、フェース数NFを示す。「元棚割スペースPSP」は、各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計であり、「各従来陳列商品MDPの占有横幅」は、各従来陳列商品MDPの横幅Wd(横方向の長さ)に、各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じることで算出される。これに対して、「総必要横幅SRW」は、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計であり、「各陳列予定商品MIDの必要横幅RW」は、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じた値である。
【0040】
図2に例示する棚に即して説明すれば、総必要横幅SRWは、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの必要横幅RWを合計したものである。陳列予定商品MID(A)の必要横幅RW(A)は、陳列予定商品MID(A)の横幅Wdに、陳列予定商品MID(A)のフェース数NF(図2に示す例では、「1」)を乗じた値である。陳列予定商品MID(B)の必要横幅RW(B)は、陳列予定商品MID(B)の横幅Wdに、陳列予定商品MID(B)のフェース数NF(図2に示す例では、「2」)を乗じた値である。陳列予定商品MID(C)の必要横幅RW(C)は、陳列予定商品MID(C)の横幅Wdに、陳列予定商品MID(C)のフェース数NF(図2に示す例では、「1」)を乗じた値である。同様にして、陳列予定商品MID(D)~MID(L)のそれぞれの必要横幅RWが求められ、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの必要横幅RWを合計した値が、総必要横幅SRWとなる。つまり、必要横幅RW(A)~必要横幅RW(L)を合計した値が、総必要横幅SRWとなる。
【0041】
棚割支援装置1は、第1条件に加えて、元棚割スペースPSPと総必要横幅SRWとの関係に係る、以下の第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。すなわち、第2条件は、「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との条件である。「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件の具体的な内容について、詳細は後述する。棚割支援装置1は、第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFのうち、さらに、第2条件をも満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定し、特定した各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す棚割支援情報PSIを出力してもよい。
【0042】
一般に、各小売企業の各店舗においては、シーズンの変わり目、商品の販売動向、新製品の発売等に合わせて、棚に陳列する商品の棚割を変更する「棚替」が行われる。棚割支援装置1は、第1条件に加えて、上述の第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し、つまり、例えば、棚替前の元棚割を指標として、棚替後の各陳列予定商品MIDに係る棚割の作成を支援する棚割支援情報PSIを出力する。そのため、棚割支援装置1は、元棚割(特に、元棚割スペースPSP)を指標として、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定することで、『棚割担当者が、「元棚割を考慮した、各陳列予定商品MIDの棚割」を容易に作成する』ことを可能とする。一般に、元棚割には、各小売企業の各店舗における棚割のノウハウ等が反映されていると考えられるため、棚割支援装置1は、「係るノウハウ等を適切に考慮した、各陳列予定商品MIDに係る棚割」の作成を支援することができる。
【0043】
図1に示す例では、棚割支援装置1は、商品管理装置3から、少なくとも元棚割スペースPSPを示す従来陳列情報IPDを取得し、取得した従来陳列情報IPDを用いて、上述の第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する。従来陳列情報IPDは、「各従来陳列商品MDPの横幅Wd」および「元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NF」を示す情報を含むことで、元棚割スペースPSPを示してもよい。
【0044】
棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す情報(陳列予定商品形状情報ISM)を、商品管理装置3から取得してもよい。また、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの陳列予定商品形状情報ISMを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、棚割支援装置1は、各既販陳列予定商品MID_ASの陳列予定商品形状情報ISMを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。棚割支援装置1が、各既販陳列予定商品MID_ASの陳列予定商品形状情報ISMを取得する取得元は、係る情報を保有していればよく、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3に限られるものではない。
【0045】
商品管理装置3は、各小売企業の各店舗における棚割を作成する棚割担当者が利用する情報端末である。商品管理装置3は、少なくとも元棚割スペースPSPを示す従来陳列情報IPDを保有している。商品管理装置3は、「各従来陳列商品MDPの横幅Wd」および「元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NF」のそれぞれを示す情報を、従来陳列情報IPDとして保有していてもよい。商品管理装置3は、さらに、棚割支援装置1が各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに利用する、その他の情報(詳細は後述する)を保有していてもよい。例えば、上述のとおり、商品管理装置3は、各既販陳列予定商品MID_ASの「所定日数当たりの補充回数」を示す補充回数情報IRTを、保有していてもよい。また、商品管理装置3は、各未販陳列予定商品MID_NWの「所定日数当たりの補充回数」を示す補充回数情報IRTを、保有していてもよい。さらに、商品管理装置3は、各陳列予定商品MID(各既販陳列予定商品MID_ASおよび各未販陳列予定商品MID_NW)の「サイズ(少なくとも、横幅Wd)」を示す陳列予定商品形状情報ISMを、保有していてもよい。
【0046】
なお、図1には、棚割支援装置1が商品管理装置3から従来陳列情報IPDを取得する例を示したが、棚割支援装置1にとって、商品管理装置3から従来陳列情報IPDを取得することは必須ではない。言い換えれば、棚割支援システムSにとって、商品管理装置3を含むことは必須ではない。棚割支援装置1にとって、「各従来陳列商品MDPの横幅Wd」を示す情報を取得する取得元と、「元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NF」を示す情報を取得する取得元とは、互いに異なっていてもよい。棚割支援装置1は、「各従来陳列商品MDPの横幅Wd」および「元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NF」のそれぞれを示す情報を別々に取得し、それらを組み合わせたり、加工したりすることで、従来陳列情報IPDを取得してもよい(生成してもよい)。
【0047】
棚割担当者は、商品管理装置3が棚割支援装置1から取得する情報(棚割支援情報PSI)を利用して、棚割(棚割の決定)、係る棚割に基づく実際の陳列等の作業を実施する。ただし、棚割支援装置1が通知する(出力する)棚割支援情報PSIは、棚割担当者の棚割等を拘束するものではない。例えば、棚割支援情報PSIに基づく棚割を実施した場合に棚に空きスペースが生じた場合、棚割担当者は、係る空きスペースが埋まるように棚割等を行なってもよい。
【0048】
これまでに図1図3を用いて概要を説明してきた棚割支援システムS(特に、棚割支援装置1)について、以下に図4図9を参照して、その詳細を説明する。
【0049】
§2 構成例
[ハードウェア構成]
図4は、棚割支援装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。図4に示されるとおり、棚割支援装置1は、制御部110、記憶部120、通信インタフェース130、外部インタフェース140、入力装置150、出力装置160、および、ドライブ170が電気的に接続されたコンピュータである。なお、図4では、通信インタフェースおよび外部インタフェースを「通信I/F」および「外部I/F」と記載している。
【0050】
制御部110は、ハードウェアプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含み、プログラムおよび各種データに基づいて情報処理を実行するように構成される。CPUは、プロセッサ・リソースの一例である。制御部110は、CPUに代えて、または、CPUと共に、GPU(Graphics Processing Unit)を含んでいてもよい。記憶部120は、メモリ・リソースの一例であり、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等で構成される。本実施例では、記憶部120は、棚割支援プログラム121などの各種情報を記憶する。
【0051】
棚割支援プログラム121は、棚割支援情報PSIの生成、出力等(特に、各陳列予定商品MIDのフェース数NFの決定)に係る後述の情報処理(図6)を棚割支援装置1に実行させるためのプログラムである。棚割支援プログラム121は、当該情報処理の一連の命令を含む。
【0052】
通信インタフェース130は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、ネットワークを介した有線又は無線通信を行うためのインタフェースである。棚割支援装置1は、この通信インタフェース130を利用して、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3などの他の情報処理装置(外部装置)との間で、ネットワークを介したデータ通信を実行してもよい。外部インタフェース140は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、専用ポート等であり、外部の装置と接続するためのインタフェースである。外部インタフェース140の種類および数は、接続される外部の装置の種類および数に応じて適宜選択されてよい。棚割支援装置1は、通信インタフェース130および外部インタフェース140の少なくとも一方を介して、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3などの外部装置、インターネット等の各種通信ネットワーク等に接続される。例えば、棚割支援装置1は、上述の外部装置、インターネットから、従来陳列情報IPD、陳列予定商品形状情報ISMなどの、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに利用する各種の情報を取得してもよい。
【0053】
入力装置150は、例えば、マウス、キーボード等の入力を行うための装置である。また、出力装置160は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための装置である。ユーザ等のオペレータは、入力装置150および出力装置160を利用することで、棚割支援装置1を操作することができる。棚割支援装置1は、入力装置150を介して、ユーザ等のオペレータから、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに利用する各種の情報を取得してもよい(各種の情報の入力を受け付けてもよい)。
【0054】
ドライブ170は、例えば、CDドライブ、DVDドライブ等であり、記憶媒体91に記憶されたプログラム等の各種情報を読み込むためのドライブ装置である。記憶媒体91は、コンピュータその他装置、機械等が、記憶されたプログラム等の各種情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。上記棚割支援プログラム121、および、従来陳列情報IPD、陳列予定商品形状情報ISM等の上述の各種の情報の少なくとも1つは、記憶媒体91に記憶されていてもよい。棚割支援装置1は、この記憶媒体91から、棚割支援プログラム121、従来陳列情報IPD、陳列予定商品形状情報ISM等の上述の各種の情報の少なくとも1つを取得してもよい。なお、図4では、記憶媒体91の一例として、CD、DVD等のディスク型の記憶媒体を例示している。しかしながら、記憶媒体91の種類は、ディスク型に限られなくてもよく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。ドライブ170の種類は、記憶媒体91の種類に応じて任意に選択されてよい。
【0055】
なお、棚割支援装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、プロセッサ・リソースは、複数のハードウェアプロセッサを含んでもよい。ハードウェアプロセッサは、マイクロプロセッサ、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(digital signal processor)等で構成されてよい。記憶部120は、制御部110に含まれるRAMおよびROMにより構成されてもよい。通信インタフェース130、外部インタフェース140、入力装置150、出力装置160およびドライブ170の少なくともいずれかは省略されてもよい。棚割支援装置1は、複数台のコンピュータで構成されてもよい。この場合、各コンピュータのハードウェア構成は、一致していてもよいし、一致していなくてもよい。また、棚割支援装置1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、汎用のサーバ装置、PC(Personal Computer)等であってもよい。
【0056】
[ソフトウェア構成]
図5は、棚割支援装置1のソフトウェア構成の一例を模式的に例示する。棚割支援装置1の制御部110は、記憶部120に記憶された棚割支援プログラム121をRAMに展開する。そして、制御部110は、CPUにより、RAMに展開された棚割支援プログラム121に含まれる命令を解釈および実行して、各構成要素を制御する。これにより、図5に示されるとおり、棚割支援装置1は、以下の各機能ブロックをソフトウェアモジュールとして備えるコンピュータとして動作する。すなわち、棚割支援装置1は、従来陳列情報取得部10、陳列予定商品情報取得部20、商品形状情報取得部30、平均販売情報取得部40、1F在庫数量情報取得部50、設定最大F数情報取得部60、算出部70、および、出力部80を備えるコンピュータとして動作する。以上のとおり、本実施形態において、棚割支援装置1の各ソフトウェアモジュールは、制御部110(CPU)により実現される。
【0057】
従来陳列情報取得部10は、元棚割スペースPSPを示す従来陳列情報IPDを取得し、取得した従来陳列情報IPDに示される元棚割スペースPSPを、算出部70に通知する。「元棚割スペースPSP」は、各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計であり、「各従来陳列商品MDPの占有横幅」は、各従来陳列商品MDPの横幅Wdに、各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じることで算出される。そのため、従来陳列情報取得部10は、各従来陳列商品MDPの横幅Wdを示す情報と、元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NFを示す情報とを、従来陳列情報IPDとして取得し、取得したこれらの情報から元棚割スペースPSPを求めてもよい。「従来陳列商品MDP」は、各小売企業が各店舗において、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚に、陳列予定商品MIDの前に、陳列していた商品である。
【0058】
従来陳列情報取得部10は、従来陳列情報IPDを、例えば、図1に例示する商品管理装置3から取得する。ただし、従来陳列情報取得部10が従来陳列情報IPDを取得する取得元は、商品管理装置3に限られるものではない。例えば、従来陳列情報取得部10は、従来陳列情報IPDを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、従来陳列情報取得部10は、従来陳列情報IPDを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。従来陳列情報取得部10は、各従来陳列商品MDPの横幅Wdを示す情報と、元棚割における各従来陳列商品MDPのフェース数NFを示す情報とを、それぞれ、別の取得元から取得してもよい。
【0059】
陳列予定商品情報取得部20は、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)に陳列されることが予定されている複数の陳列予定商品MIDのそれぞれを識別する情報(つまり、各陳列予定商品MIDの識別情報)を含む、陳列予定商品識別情報IMIを取得する。陳列予定商品情報取得部20は、陳列予定商品識別情報IMIに示される各陳列予定商品MIDの識別情報(ID)を、算出部70に通知する。
【0060】
複数の陳列予定商品MIDのそれぞれは、少なくとも、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)に陳列されることが予定されている商品の種類数(品目数)、各小売企業の識別情報、各店舗の属性を用いて、選択されたものであってもよい。言い換えれば、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)の品揃えは、少なくとも、「棚ごとの品目数」、「各小売企業の識別情報」、「各店舗の、立地条件、客層などの属性」を考慮して、決定されてもよい。「各店舗の属性」は、各店舗での各商品の販売実績(販売予測)、販売動向に影響を与えると考えられる、各店舗の特徴、特性であればよく、立地条件、客層に限られるものではない。
【0061】
陳列予定商品情報取得部20は、陳列予定商品識別情報IMIを、例えば、図1に例示する商品管理装置3から取得する。ただし、陳列予定商品情報取得部20が陳列予定商品識別情報IMIを取得する取得元は、商品管理装置3に限られるものではない。例えば、陳列予定商品情報取得部20は、陳列予定商品識別情報IMIを、図1に例示する「その他各種情報」として、各小売企業のPOSシステムサーバ2とも、商品管理装置3とも異なる装置から取得してもよい。さらに、陳列予定商品情報取得部20は、陳列予定商品識別情報IMIを、図1に例示する「その他各種情報」として、棚割支援装置1のユーザ等から取得してもよい(ユーザ等からの入力として取得してもよい)。
【0062】
商品形状情報取得部30は、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す陳列予定商品形状情報ISMを取得し、取得した陳列予定商品形状情報ISMに示される各陳列予定商品MIDの横幅Wdを、算出部70に通知する。なお、図5に示す例では、陳列予定商品形状情報ISMは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに加えて、各陳列予定商品MIDの奥行長DLを示す。陳列予定商品形状情報ISMは、各陳列予定商品MIDのサイズ(少なくとも横幅Wd)を示すものであればよく、さらに、各陳列予定商品MIDの奥行長DL、高さ、重量などを示してもよい。なお、商品形状情報取得部30(棚割支援装置1)が陳列予定商品形状情報ISMを取得する取得元については、既に説明したため、再度の説明は省略する。
【0063】
平均販売情報取得部40は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IASを取得し、取得した陳列予定商品平均販売情報IASが示す各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、算出部70に通知する。上述のとおり、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、「各小売企業が、各陳列予定商品MIDを棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において、販売する」各陳列予定商品MIDの個数についての、実績値の平均または予測値である。
【0064】
平均販売情報取得部40は、複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が既に販売している陳列予定商品MIDである既販陳列予定商品MID_ASについては、その陳列予定商品平均販売情報IASとして、以下の情報を取得してもよい。すなわち、平均販売情報取得部40は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPと、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTとを、各既販陳列予定商品MID_ASの陳列予定商品平均販売情報IASとして取得してもよい。図5には、平均販売情報取得部40が、各既販陳列予定商品MID_ASの陳列予定商品平均販売情報IASとして、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPおよび補充回数情報IRTを取得する例が示されている。
【0065】
例えば、平均販売情報取得部40は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPが示す、各既販陳列予定商品MID_ASの所定期間における販売個数の実績値から、各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの販売個数の実績値を計算する。平均販売情報取得部40は、各既販陳列予定商品MID_ASについて、「所定日数当たりの販売個数の実績値」を、補充回数情報IRTが示す「所定日数当たりの補充回数」で除して、各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。平均販売情報取得部40は、係る方法により取得した(算出した)各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを、算出部70に通知してもよい。
【0066】
平均販売情報取得部40(棚割支援装置1)は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPを、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得してもよい。すなわち、平均販売情報取得部40は、所定期間(または、所定日数)における、各小売企業の各陳列予定商品MIDの販売個数の実績値を、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得してもよい。
【0067】
平均販売情報取得部40は、複数の陳列予定商品MIDのうち、各小売企業が未だ販売していない陳列予定商品MIDである未販陳列予定商品MID_NWについては、その陳列予定商品平均販売情報IASとして、以下の情報を取得してもよい。すなわち、平均販売情報取得部40は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSと、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTとを、各未販陳列予定商品MID_NWの陳列予定商品平均販売情報IASとして取得してもよい。図5には、平均販売情報取得部40が、各未販陳列予定商品MID_NWの陳列予定商品平均販売情報IASとして、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSおよび補充回数情報IRTを取得する例が示されている。
【0068】
例えば、平均販売情報取得部40は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSが示す、各未販陳列予定商品MID_NWの所定期間における販売個数の予測値から、各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの販売個数の予測値を計算する。平均販売情報取得部40は、各未販陳列予定商品MID_NWについて、「所定日数当たりの販売個数の予測値」を、補充回数情報IRTが示す「所定日数当たりの補充回数」で除して、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。平均販売情報取得部40は、係る方法により取得した(算出した)各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを、算出部70に通知してもよい。
【0069】
上述のとおり、平均販売情報取得部40は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPを、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得してもよい。平均販売情報取得部40は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSを、係る情報を保有する、各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3、その他の装置、棚割支援装置1のユーザ等の何れかから取得してもよい。平均販売情報取得部40は、「各未販陳列予定商品MID_NWに類似する商品であって、各小売企業が既に販売している商品」(既販類似商品)の販売実績を示す情報を、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSとして取得してもよい。平均販売情報取得部40は、既販類似商品の販売実績を示す情報から、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSを生成してもよい(取得してもよい)。例えば、平均販売情報取得部40は、各小売企業のPOSシステムサーバ2から、各既販類似商品の、所定期間における販売個数の実績値を示す情報を、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSとして取得してもよい。
【0070】
また、上述のとおり、平均販売情報取得部40(棚割支援装置1)は、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRT、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTのそれぞれを、商品管理装置3から取得してもよい。ただし、平均販売情報取得部40が各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRT、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTのそれぞれを取得する取得元は、商品管理装置3に限られるものではない。平均販売情報取得部40は、各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRT、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTのそれぞれを、各小売企業のPOSシステムサーバ2、その他の装置、棚割支援装置1のユーザ等の何れかから取得してもよい。また、平均販売情報取得部40が各既販陳列予定商品MID_ASの補充回数情報IRTを取得する取得元と、各未販陳列予定商品MID_NWの補充回数情報IRTを取得する取得元とは、異なっていてもよい。
【0071】
以上に説明してきたとおり、平均販売情報取得部40(棚割支援装置1)は、各陳列予定商品MIDについて、期間販売個数と、上記「所定日数(所定期間)当たりの補充回数(期間補充回数)」とから、期間平均販売個数ANPを取得(計算)してもよい。「期間販売個数」は、各小売企業が所定日数(所定期間)において各陳列予定商品MIDを販売する個数の、実績値または予測値である。「期間補充回数」は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している、所定期間(所定期間)における、各陳列予定商品MIDの、棚への補充回数である。例えば、平均販売情報取得部40は、各陳列予定商品MIDの期間販売個数を、各陳列予定商品MIDの期間補充回数で除することで、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを取得してもよい。
【0072】
1F在庫数量情報取得部50は、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPFを取得し、取得した1F在庫数量情報IPFに示される各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを、算出部70に通知する。
【0073】
本実施形態において、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFは、以下の算術個数と設定個数とのうち、小さい方の値であってもよい。各陳列予定商品MIDの「算術個数」は、「各陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の奥行長DLを、各陳列予定商品MIDの奥行長DLで除することで得られる値」の整数部分である。各陳列予定商品MIDの「設定個数」は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している、棚の奥行方向に陳列する個数である。
【0074】
各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを「算術個数と設定個数とのうち、小さい方の値」とする場合、1F在庫数量情報取得部50は、1F在庫数量情報IPFとして、図5に示す3つの情報を取得してもよい。すなわち、1F在庫数量情報取得部50は、陳列予定商品形状情報ISMと、棚形状情報ISSと、設定1F当たり個数情報ISRとを、1F在庫数量情報IPFとして取得してもよい。上述のとおり、図5に示す例では、陳列予定商品形状情報ISMは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに加えて、各陳列予定商品MIDの奥行長DLを示す。また、「棚形状情報ISS」は、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の奥行長DLを示す情報である。なお、棚形状情報ISSは、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の奥行長DLに加えて、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の横幅Wdを示してもよい。設定1F当たり個数情報ISRは、各陳列予定商品MIDの設定個数を示す情報であり、つまり、「各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している、棚の奥行方向に陳列する個数」を示す情報である。
【0075】
1F在庫数量情報取得部50は、陳列予定商品形状情報ISMによって示される各陳列予定商品MIDの奥行長DLと、棚形状情報ISSによって示される棚の奥行長DLとから、各陳列予定商品MIDの算術個数を計算する。そして、1F在庫数量情報取得部50は、算出した「各陳列予定商品MIDの算術個数」を、設定1F当たり個数情報ISRによって示される「各陳列予定商品MIDの設定個数」と比較することで、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを求めてもよい。1F在庫数量情報取得部50は、上述の方法により求めた各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを、算出部70に通知してもよい。
【0076】
1F在庫数量情報取得部50は、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、設定1F当たり個数情報ISRのそれぞれを、商品管理装置3から取得してもよい。ただし、1F在庫数量情報取得部50が、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、設定1F当たり個数情報ISRのそれぞれを取得する取得元は、商品管理装置3に限られるものではない。1F在庫数量情報取得部50は、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、設定1F当たり個数情報ISRのそれぞれを、各小売企業のPOSシステムサーバ2、その他の装置、棚割支援装置1のユーザ等の何れかから取得してもよい。また、1F在庫数量情報取得部50が陳列予定商品形状情報ISMを取得する取得元と、棚形状情報ISSを取得する取得元と、設定1F当たり個数情報ISRを取得する取得元とは、異なっていてもよい。
【0077】
1F在庫数量情報取得部50にとって、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPFとして、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、および、設定1F当たり個数情報ISRを取得することは必須ではない。1F在庫数量情報取得部50は、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、および、設定1F当たり個数情報ISRを取得することなく、1F在庫数量情報IPFそのものを、取得してもよい。例えば、棚割支援装置1の外部の装置が、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、および、設定1F当たり個数情報ISRを取得し、係る外部の装置が、これらの情報から「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」を算出してもよい。1F在庫数量情報取得部50は、上述の外部の装置から、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPF」を取得してもよい。
【0078】
設定最大F数情報取得部60は、設定最大フェース数情報IMNを取得する。設定最大フェース数情報IMNは、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している「フェース数NFの最大値」である、設定最大F数NSMを示す。各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMは、各小売企業が設定している、「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最大値と言い換えてもよい。各小売企業は、各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMを、各陳列予定商品MIDの、販売実績(売り上げが好調であるか)、または、販売予測(売り上げが好調であると予測されるか)に応じて、決定してもよい。例えば、各小売企業は、売り上げが好調である(好調であると予測される)陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMを、売り上げが好調でない(好調でないと予測される)陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMよりも、多く(大きく)設定してもよい。
【0079】
設定最大F数情報取得部60は、設定最大フェース数情報IMNを商品管理装置3から取得してもよい。ただし、設定最大F数情報取得部60が、設定最大フェース数情報IMNを取得する取得元は、商品管理装置3に限られるものではない。設定最大F数情報取得部60は、設定最大フェース数情報IMNを、各小売企業のPOSシステムサーバ2、その他の装置、棚割支援装置1のユーザ等の何れかから取得してもよい。
【0080】
設定最大F数情報取得部60は、設定最大フェース数情報IMNを取得すると、取得した設定最大フェース数情報IMNによって示される「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」を、算出部70に通知する。
【0081】
算出部70は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し、決定した各陳列予定商品MIDのフェース数NFを、出力部80に通知する。本実施形態に係る算出部70は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し、具体的には、上述の第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定する。本実施形態において算出部70は、さらに、「第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の中から、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、出力部80に通知する「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を決定する。例えば、算出部70は、「第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の中から、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を抽出し、抽出した「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を、出力部80に通知する。
【0082】
図5に例示する算出部70は、必要フェース数計算部710と、最大倍率変数計算部720と、特定部730とを含む。必要フェース数計算部710、最大倍率変数計算部720、および、特定部730のそれぞれの理解を容易にするため、以下にそれぞれの概要を説明しておく。
【0083】
必要フェース数計算部710は、第1条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定し、特に、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを特定する(計算する)。「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値である。そして、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値」は、各陳列予定商品MIDについて、「1F当たり個数NPFとの積が、期間平均販売個数ANP以上となる」のに必要なフェース数NFの最小値となる。つまり、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値」は、各陳列予定商品MIDの、「第1条件を満たすフェース数NF」の最小値となる。必要フェース数計算部710は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを計算することで、各陳列予定商品MIDの、「第1条件を満たすフェース数NF」の最小値を特定する。必要フェース数計算部710は、算出した「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」を、最大倍率変数計算部720に通知する。
【0084】
最大倍率変数計算部720および特定部730は、「第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の中から、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、出力部80に通知する「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を決定する。最大倍率変数計算部720および特定部730は、必要フェース数計算部710により特定された「第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の中から、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を抽出すると言い換えてもよい。
【0085】
具体的には、最大倍率変数計算部720は、必要フェース数計算部710から通知される「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と、第2条件とを用いて、倍率変数Xの許容最大値を特定する。そして、特定部730は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFと、最大倍率変数計算部720によって特定された「倍率変数Xの許容最大値」との積を用いて、出力部80に通知する「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を決定する。例えば、特定部730は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFと倍率変数Xの許容最大値との積を、小数点以下切り上げした値」と、各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMとを比較する。そして、特定部730は、両者のうち小さい方を、出力部80に通知する「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」とする。例えば、特定部730が出力部80に通知する「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」を、「倍率変数Xの許容最大値」倍した値(特に、係る値を、小数点以下切り上げすることで求められる値)である。なお、後述するように、「倍率変数Xの許容最大値」は、「1」以上である。
【0086】
以上に概要を説明してきた必要フェース数計算部710、最大倍率変数計算部720、および、特定部730について、以下に、それぞれの詳細を説明する。
【0087】
必要フェース数計算部710は、陳列予定商品情報取得部20から「各陳列予定商品MIDのID」を取得し、また、平均販売情報取得部40から「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」を取得する。さらに、必要フェース数計算部710は、1F在庫数量情報取得部50から「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」を取得する。そして、必要フェース数計算部710は、陳列予定商品MIDごとに(陳列予定商品MIDのIDごとに)、「1F当たり個数NPFとの積が、期間平均販売個数ANP以上となる」フェース数NFを特定し、つまり、第1条件を満たすフェース数NFを特定する。特に、本実施形態に係る必要フェース数計算部710は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除して、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを特定する(計算する)。
【0088】
上述のとおり、「第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値である。したがって、必要フェース数計算部710は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを計算することで、「第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値を求めていると捉えてもよい。すなわち、必要フェース数計算部710は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを計算することで、「1F当たり個数NPFとの積が、期間平均販売個数ANP以上となる」各陳列予定商品MIDのフェース数NF(特に、その最小値)を特定する。必要フェース数計算部710は、特定した「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」を、最大倍率変数計算部720(特に、仮フェース数計算部722)に通知する。
【0089】
最大倍率変数計算部720は、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、倍率変数Xの許容最大値を特定し、特に、第2条件を満たす倍率変数Xの最大値を、倍率変数Xの許容最大値として特定する。最大倍率変数計算部720は、特定した「倍率変数Xの許容最大値」を、特定部730に通知する。図5に例示する最大倍率変数計算部720は、初期値設定部721、仮フェース数計算部722、仮必要横幅計算部723、仮総必要横幅計算部724、比較部725、および、所定値加減算部726を含む。
【0090】
初期値設定部721は、倍率変数Xの初期値を設定する。以下では先ず、初期値設定部721が、倍率変数Xの初期値として、「1」を設定する例について説明する。ただし、倍率変数Xの初期値が「1」であることは必須ではない。初期値設定部721が、倍率変数Xの初期値として、「1」以外の数値を設定する例について、詳細は後述する。
【0091】
仮フェース数計算部722は、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。具体的には、仮フェース数計算部722は、必要フェース数計算部710から通知された「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と、倍率変数X(例えば、初期値である「1」)との積を用いて、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。仮フェース数計算部722は、算出した各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを、仮必要横幅計算部723に通知する。
【0092】
仮フェース数計算部722は、設定最大F数情報取得部60から「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」を取得し、取得した「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」を用いて、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」を計算してもよい。例えば、仮フェース数計算部722は、(1)「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と倍率変数Xとの積と、(2)「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」とのうち小さい方を、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」としてもよい。ここで、上述のとおり、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値である。そこで、『「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と倍率変数Xとの積』は、倍率変数Xと「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値と言い換えてもよい。
【0093】
なお、本実施形態において、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値」以上であるものとする。つまり、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」は、『第1条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値』以上であるものとする。
【0094】
仮必要横幅計算部723は、各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWを計算し、算出した「各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW」を、仮総必要横幅計算部724に通知する。具体的には、仮必要横幅計算部723は、仮フェース数計算部722から「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」を取得し、また、商品形状情報取得部30から「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」を取得する。そして、仮必要横幅計算部723は、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」に、「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」を乗じて、「各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW」を計算する。図2に示した例に即して説明すれば、仮必要横幅計算部723は、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれについて、仮フェース数TNFに横幅Wdを乗じて、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの仮必要横幅TRWを計算する。すなわち、仮必要横幅計算部723は、仮必要横幅TRW(A)~TRW(L)のそれぞれを計算する。
【0095】
仮総必要横幅計算部724は、仮必要横幅計算部723から通知された「各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW」を合計して、仮総必要横幅TSWを計算し、算出した仮総必要横幅TSWを、比較部725に通知する。図2に示した例に即して説明すれば、仮総必要横幅計算部724は、仮必要横幅計算部723から通知された陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの仮必要横幅TRWを合計することで、仮総必要横幅TSWを計算する。例えば、仮総必要横幅計算部724は、仮必要横幅TRW(A)~TRW(L)を合計することで、仮総必要横幅TSWを計算する。
【0096】
比較部725は、仮総必要横幅計算部724から通知された仮総必要横幅TSWと、従来陳列情報取得部10から通知された(従来陳列情報取得部10から取得した)元棚割スペースPSPとを比較し、比較結果を所定値加減算部726に通知する。例えば、比較部725は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きいか否かを判定し、判定結果を所定値加減算部726に通知する。
【0097】
所定値加減算部726は、比較部725から通知された比較結果(判定結果)に基づいて、以下の2つの処理の何れかを実行する。すなわち、比較部725から「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSP以下である」との判定結果を受け付けると、所定値加減算部726は、倍率変数Xに、1よりも小さな所定値を加算する。そして、所定値加減算部726は、係る所定値の加算後の倍率変数Xを用いて、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF、各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW、仮総必要横幅TSWを算出するよう、上記各部に指示する。つまり、所定値加減算部726は、仮フェース数計算部722、仮必要横幅計算部723、仮総必要横幅計算部724に、所定値加算後の倍率変数Xを用いて、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF、仮必要横幅TRW、仮総必要横幅TSWを算出させる。所定値加減算部726は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、「倍率変数Xに上記所定値を加算し、各部を指示して、上記所定値の加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWを算出させる」処理を繰り返す。言い換えれば、所定値加減算部726は、比較部725によって「仮総必要横幅TSWは、元棚割スペースPSPより大きい」と判定されるまで、上述の処理を繰り返す。
【0098】
比較部725から「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きい」との判定結果を受け付けると、所定値加減算部726は、以下の処理を実行する。すなわち、所定値加減算部726は、「元棚割スペースPSPよりも大きい」と判断された仮総必要横幅TSWに対応する倍率変数Xから、上記所定値を減算し、減算後の倍率変数Xを、「倍率変数Xの許容最大値」として特定する。
【0099】
以上に説明してきたとおり、最大倍率変数計算部720は、倍率変数Xを用いて算出する仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、倍率変数Xに所定値を、繰り返し加算していく。そして、上記所定値を或る回数(例えば、「T」回)加算した後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなると、最大倍率変数計算部720は、以下のように「倍率変数Xの許容最大値」を特定する。すなわち、最大倍率変数計算部720は、その或る回の直前の回(つまり、「T-1」回)における倍率変数Xを、「仮総必要横幅TSWを、元棚割スペースPSP以下とする」倍率変数Xの最大値として、つまり、「倍率変数Xの許容最大値」として、特定する。言い換えれば、最大倍率変数計算部720は、「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなった倍率変数X(上記所定値を「T」回加算した加算後の倍率変数X)」から上記所定値を減じた値を、「倍率変数Xの許容最大値」として特定する。
【0100】
所定値加減算部726が倍率変数Xに加算または減算する上述の所定値は、「1」よりも小さな値であればよく、例えば、「0.1」である。ただし、所定値が「0.1」であることは必須ではなく、所定値は、「1」よりも小さな値であればよい。所定値は、「0.01」であってもよいし、「0.2」、「0.5」であってもよい。
【0101】
これまでに説明してきたとおり、最大倍率変数計算部720は、総必要横幅SRW(仮総必要横幅TSW)と元棚割スペースPSPとを用いて、倍率変数Xの許容最大値を特定する。すなわち、最大倍率変数計算部720は、「総必要横幅SRW(仮総必要横幅TSW)が、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件を満たす倍率変数Xの許容最大値を特定する。具体的には、最大倍率変数計算部720は、上述の「倍率変数Xから仮総必要横幅TSWを算出する」処理を、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、倍率変数Xを、初期値から、1よりも小さな所定値ずつ増やして、繰り返し実行する。これにより、最大倍率変数計算部720は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値を特定し、特定した最大値を、倍率変数Xの許容最大値とする。最大倍率変数計算部720は、「仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSP以下であって、かつ、最大となる」倍率変数Xを特定し、特定した倍率変数Xを、倍率変数Xの許容最大値とする。
【0102】
これまでの説明を整理すれば、以下のようになる。すなわち、算出部70は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを特定する必要フェース数計算部710に加えて、最大倍率変数計算部720および特定部730を含む。最大倍率変数計算部720は、倍率変数Xの許容最大値を特定する(計算する)。特定部730は、最大倍率変数計算部720により算出された倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定する。特に、特定部730は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している設定最大F数NSMと、以下の値とのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして特定する。すなわち、特定部730は、「倍率変数Xの許容最大値と、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値」を計算する。そして、特定部730は、係る計算により求めされる値と設定最大F数NSMとのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして特定する。
【0103】
最大倍率変数計算部720は、仮フェース数計算部722、仮必要横幅計算部723、仮総必要横幅計算部724、比較部725、および、所定値加減算部726を含む。仮フェース数計算部722は、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。特に、仮フェース数計算部722は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している設定最大F数NSMと、以下の値とのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFとして計算する。すなわち、仮フェース数計算部722は、「倍率変数Xと各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値」を計算する。そして、仮フェース数計算部722は、係る計算により求めされる値と設定最大F数NSMとのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFとする。仮必要横幅計算部723は、仮フェース数計算部722により算出された各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFに、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを乗じて、各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWを計算する。仮総必要横幅計算部724は、仮必要横幅計算部723により算出された各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWの合計を、仮総必要横幅TSWとして計算する。比較部725は、仮総必要横幅計算部724により算出された仮総必要横幅TSWと元棚割スペースPSPとを比較する。所定値加減算部726は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値を特定し、特定した最大値を、倍率変数Xの許容最大値とする。特に、所定値加減算部726は、仮総必要横幅計算部724により算出される仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、以下の処理を繰り返し実行する。すなわち、所定値加減算部726は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、「倍率変数Xに1よりも小さな所定値を加算し、各部を指示して、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWを算出させる」処理を繰り返す。つまり、最大倍率変数計算部720は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、「倍率変数Xを、初期値から、上記所定値ずつ増やして、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWを算出する」処理を繰り返し実行する。言い換えれば、最大倍率変数計算部720は、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、倍率変数Xを、初期値から、上記所定値ずつ増やす。これによって、最大倍率変数計算部720は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値を特定し、特定した最大値を、倍率変数Xの許容最大値とする。
【0104】
(「1」以外の値を、倍率変数の初期値とする例について)
初期値設定部721は、「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」を、倍率変数Xの初期値としてもよい。最小総必要横幅SRW_Minは、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Minの合計である。「各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Min」は、「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値である。上述のとおり、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値である。そこで、『「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値』は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積と言い換えてもよい。つまり、初期値設定部721は、以下の値を倍率変数Xの初期値としてもよい。すなわち、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Min(各陳列予定商品MIDの、必要フェース数RNFと横幅Wdとの積)の合計である「最小総必要横幅SRW_Min」により元棚割スペースPSPを除した値を、倍率変数Xの初期値としてもよい。
【0105】
図2に示した例に即して説明すれば、初期値設定部721は、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれについて、必要フェース数RNFと横幅Wdとの積として、最小必要横幅RW_Min(A)~RW_Min(L)を計算する。初期値設定部721は、算出した陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの最小必要横幅RW_Minを合計することで、つまり、最小必要横幅RW_Min(A)~RW_Min(L)を合計することで、最小総必要横幅SRW_Minを計算する。初期値設定部721は、算出した最小総必要横幅SRW_Minで、元棚割スペースPSPを除した値を、倍率変数Xの初期値としてもよい。
【0106】
特定部730は、最大倍率変数計算部720から通知された「倍率変数Xの許容最大値」を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し、決定した「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を、出力部80に通知する。
【0107】
特定部730は、「倍率変数Xの許容最大値」と、「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)を算出する。特定部730は、係る各陳列予定商品MIDのラウンドアップ値を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして決定する(特定する)。
【0108】
ここで、上述のとおり、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値である。そこで、『「倍率変数Xの許容最大値」と、「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値』は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と「倍率変数Xの許容最大値」との積と言い換えてもよい。つまり、特定部730は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFと倍率変数Xの許容最大値との積を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして決定してもよい(特定してもよい)。特定部730は、各陳列予定商品MIDのラウンドアップ値を、「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」として、出力部80に通知してもよい。
【0109】
特定部730は、設定最大F数情報取得部60から「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」を取得し、各陳列予定商品MIDについて、ラウンドアップ値と設定最大F数NSMとを比較して、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。すなわち、特定部730は、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」と、各陳列予定商品MIDのラウンドアップ値とのうち小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして決定してもよい。
【0110】
なお、算出部70(特に、特定部730)が上述の方法で決定した各陳列予定商品MIDのフェース数NFに従って各陳列予定商品MIDを陳列すると、以下の理由から、総必要横幅SRWは元棚割スペースPSPよりも若干大きくなる(長くなる)可能性がある。すなわち、上述のとおり、「総必要横幅SRW」は、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計であり、「各陳列予定商品MIDの必要横幅RW」は、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じた値である。そして、各陳列予定商品MIDのフェース数NFは、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と「倍率変数Xの許容最大値」との積を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)であり得る。ここで、「倍率変数Xの許容最大値」は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値であり、例えば、仮総必要横幅TSWと元棚割スペースPSPとを等しくする倍率変数Xであり得る。そのため、算出部70により決定された「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」に対応する総必要横幅SRWは、元棚割スペースPSPよりも若干大きくなる可能性がある。
【0111】
ただし、総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPよりも若干大きくなったとしても、以下の理由から、「各陳列予定商品MIDを、各陳列予定商品MIDのフェース数NFで、陳列しきれなくなる」といった問題は、実際上は発生しない。
【0112】
すなわち、一般に商品は、「棚の左右」、「商品と商品との間」などに、空きスペース、仕切板等を設けた状態で、棚に陳列される。そのため、元棚割スペースPSPは、従来陳列商品MDPが陳列されていた棚の横幅Wd、つまり、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の横幅Wd(物理的に商品を陳列可能な横方向の長さ、大きさ)に比べて、小さい(十分に小さい)。したがって、算出部70が決定した「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」に対応する総必要横幅SRWが元棚割スペースPSPよりも若干大きくなったとしても、係る総必要横幅SRWが棚の横幅Wdよりも大きくなる可能性は、実際上、ほぼ無視できる。つまり、上述の総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとがほぼ等しい場合、「総必要横幅SRWが棚の横幅Wdよりも大きくなって、各陳列予定商品MIDを、各陳列予定商品MIDのフェース数NFで、陳列しきれなくなる」という事態は実際には発生しない。
【0113】
そして、上述のとおり、「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を決定するのに用いられる「倍率変数Xの許容最大値」は、「仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSP以下となる」ように求められる。そのため、算出部70が決定した「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」に対応する総必要横幅SRWは、元棚割スペースPSPにほぼ等しく、仮に、元棚割スペースPSPよりも大きくなったとしても、両者の差は、実質上無視できる程度に小さい。それゆえ、算出部70が決定した各陳列予定商品MIDのフェース数NFに対応する総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとはほぼ等しく、係る総必要横幅SRWが、棚の横幅Wdよりも大きくなる可能性は、実際にはなく、または、無視できる程度に小さい。したがって、『算出部70により決定された「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」に従って、各陳列予定商品MIDを棚に陳列することができない』という問題は、実際には発生せず、各陳列予定商品MIDは、各々のフェース数NFで、棚に陳列され得る。
【0114】
ただし、棚割支援装置1は、算出部70が決定した各陳列予定商品MIDのフェース数NFに対応する総必要横幅SRWが棚の横幅Wd以下となることを、より確実に担保するために、以下の処理を実行してもよい。すなわち、棚割支援装置1は、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の横幅Wdを示す上述の棚形状情報ISSを取得し、取得した棚形状情報ISSによって示される棚の横幅Wdを、各陳列予定商品MIDのフェース数NFの決定に利用してもよい。例えば、棚割支援装置1(特に、算出部70)は、総必要横幅SRWが棚の横幅Wd以下となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。
【0115】
出力部80は、算出部70により決定された各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す情報であって、各小売企業の、各店舗における複数の陳列予定商品MIDの棚割を支援する情報である、棚割支援情報PSIを出力する。出力部80は、棚割支援情報PSIを、例えば、図1に示す商品管理装置3に出力する。出力部80は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFに加えて、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す棚割支援情報PSIを出力してもよい。
【0116】
これまでに説明してきたとおり、棚割支援装置1は、商品形状情報取得部30、平均販売情報取得部40、1F在庫数量情報取得部50、算出部70、および、出力部80を備える。商品形状情報取得部30は、陳列予定商品形状情報ISMを取得する。陳列予定商品形状情報ISMは、各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品MIDの各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す情報である。平均販売情報取得部40は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IASを取得する。期間平均販売個数ANPは、各陳列予定商品MIDの販売個数の、実績値の平均または予測値であって、各小売企業が、各陳列予定商品MIDを、棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である。1F在庫数量情報取得部50は、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPFを取得する。1F当たり個数NPFは、各陳列予定商品MIDの、棚の奥行方向に陳列される個数である。算出部70は、各小売企業の各店舗で使用される棚における各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し(算出し)、特に、第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する(特定する)。すなわち、算出部70は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFと各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する。出力部80は、算出部70により算出された各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す情報であって、各小売企業の、各店舗における複数の陳列予定商品MIDの棚割を支援する情報である、棚割支援情報PSIを出力する。
【0117】
棚割支援装置1は、従来陳列情報取得部10をさらに備えてもよい。従来陳列情報取得部10は、各小売企業が、複数の陳列予定商品MIDの前に棚に陳列していた複数の従来陳列商品MDPに係る情報であって、少なくとも元棚割スペースPSPを示す情報である、従来陳列情報IPDを取得する。元棚割スペースPSPは、各従来陳列商品MDPの横幅Wdに、棚における各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じて算出される各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計である。算出部70は、第1条件に加えて、第2条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出してもよい(特定してもよい)。すなわち、算出部70は、総必要横幅SRWと、元棚割スペースPSPとを用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出してもよい。総必要横幅SRWは、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計であり、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じて算出される。
【0118】
§3 動作例
図6は、本実施形態に係る棚割支援装置1の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下で説明する処理手順は、少なくとも「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を示す棚割支援情報PSIを出力する棚割支援方法の一例である。ただし、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてよい。更に、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、および追加が可能である。
【0119】
なお、上述のとおり、棚割支援装置1が各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに用いる各種の情報のそれぞれの取得元は、特に限られるものではない。棚割支援装置1は、上述の各種の情報のそれぞれを、図1の各小売企業のPOSシステムサーバ2、商品管理装置3、その他の外部装置、棚割支援装置1のユーザ等の何れから取得してもよい。棚割支援装置1は、従来陳列情報IPD、陳列予定商品識別情報IMI、陳列予定商品形状情報ISM、陳列予定商品平均販売情報IAS、1F在庫数量情報IPF、および、設定最大フェース数情報IMNのそれぞれを、任意の取得元から取得してもよい。上述の各種の情報のそれぞれの情報の取得元については、既に説明したため、以下では説明を繰り返すことはしない。
【0120】
また、上述のとおり、棚割支援装置1は、陳列予定商品平均販売情報IASとして、販売実績情報ISP、販売予測情報IPS、および、補充回数情報IRTを取得してもよく、これらの情報のそれぞれの取得元についても、特に限られるものではない。同様に、棚割支援装置1は、1F在庫数量情報IPFとして、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、および、設定1F当たり個数情報ISRを取得してもよく、これらの情報のそれぞれの取得元についても、特に限られるものではない。
【0121】
以下、図6を参照して、棚割支援装置1が実行する、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する処理の手順の一例について、その詳細を説明する。
【0122】
(ステップS110)
ステップS110では、制御部110は、従来陳列情報取得部10として動作し、元棚割スペースPSPを示す従来陳列情報IPDを取得する。「元棚割スペースPSP」は、各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計であり、「各従来陳列商品MDPの占有横幅」は、各従来陳列商品MDPの横幅Wdに、各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じることで算出される。「従来陳列商品MDP」は、各小売企業が各店舗において、陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚に、陳列予定商品MIDの前に、陳列していた商品である。ステップS110は、本発明の「従来陳列情報取得ステップ」の一例である。
【0123】
(ステップS120)
ステップS120では、制御部110は、陳列予定商品情報取得部20として動作し、陳列予定商品識別情報IMIを取得する。陳列予定商品識別情報IMIは、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)に陳列されることが予定されている複数の陳列予定商品MIDのそれぞれを識別する情報(つまり、各陳列予定商品MIDの識別情報)を含む。複数の陳列予定商品MIDのそれぞれは、少なくとも、各小売企業の各店舗で使用される棚(各棚)に陳列されることが予定されている商品の種類数(品目数)、各小売企業の識別情報、各店舗の属性を用いて、選択されたものであってもよい。各店舗の属性は、例えば、各店舗の、立地条件、客層など、各店舗での各商品の販売実績、販売動向に影響を与えると考えられる、各店舗の特徴、特性である。
【0124】
(ステップS130)
ステップS130では、制御部110は、商品形状情報取得部30として動作し、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す陳列予定商品形状情報ISMを取得する。陳列予定商品形状情報ISMは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに加えて、各陳列予定商品MIDの奥行長DLを示してもよい。ステップS130は、本発明の「商品形状情報取得ステップ」の一例である。すなわち、ステップS130で制御部110は、陳列予定商品形状情報ISMを取得する。陳列予定商品形状情報ISMは、各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品MIDの各々の形状に係る情報である。陳列予定商品形状情報ISMは、少なくとも、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す。図2に示した例に即して説明すれば、陳列予定商品形状情報ISMは、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの横幅Wdを示し、つまり、横幅Wd(A)~Wd(L)を示す。陳列予定商品形状情報ISMは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに加えて、各陳列予定商品MIDの奥行長DLを示してもよい。図2に示した例に即して説明すれば、陳列予定商品形状情報ISMは、陳列予定商品MID(A)~MID(L)のそれぞれの横幅Wdに加えて、各陳列予定商品MIDの奥行長DLを示してもよく、つまり、奥行長DL(A)~DL(L)を示してもよい。
【0125】
(ステップS140)
ステップS140では、制御部110は、平均販売情報取得部40として動作し、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IASを取得する。ステップS140は、本発明の「平均販売情報取得ステップ」の一例である。各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、各陳列予定商品MIDの販売個数の、実績値または予測値である。特に、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、「各小売企業が、各陳列予定商品MIDを棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において、販売する」各陳列予定商品MIDの個数(販売個数)についての、実績値の平均または予測値である。
【0126】
ステップS140で制御部110は、販売実績情報ISP、販売予測情報IPS、および、補充回数情報IRTを、陳列予定商品平均販売情報IASとして取得してもよい。制御部110は、「複数の陳列予定商品MIDのうち、既販陳列予定商品MID_AS」に係る陳列予定商品平均販売情報IASとして、各既販陳列予定商品MID_ASの、販売実績情報ISPおよび補充回数情報IRTを取得してもよい。制御部110は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPが示す、各既販陳列予定商品MID_ASの所定期間における販売個数の実績値から、各既販陳列予定商品MID_ASの所定日数当たりの販売個数の実績値を計算する。そして、制御部110は、各既販陳列予定商品MID_ASについて、「所定日数当たりの販売個数の実績値」を、補充回数情報IRTが示す「所定日数当たりの補充回数」で除して、各既販陳列予定商品MID_ASの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。
【0127】
ステップS140で制御部110は、各陳列予定商品MID(特に、各既販陳列予定商品MID_AS)の販売実績情報ISPを、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得してもよい。すなわち、制御部110は、所定期間(または、所定日数)における、各小売企業の各陳列予定商品MIDの販売個数の実績値を、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得してもよい。制御部110(棚割支援装置1)は、各既販陳列予定商品MID_ASの販売実績情報ISPを、各小売企業のPOSシステムサーバ2から取得することで、以下の効果を奏する。すなわち、各小売企業のPOSシステムサーバ2は、各小売企業が販売している商品の、販売個数の実績値(例えば、POS期間ごとの販売個数の実績値)を管理している。そのため、各小売企業のPOSシステムサーバ2は、少なくとも、各陳列予定商品MID(特に、各既販陳列予定商品MID_AS)の、所定期間(POS期間)における販売個数の実績値(販売実績)を示す情報を保有している。したがって、棚割支援装置1は、係るPOSシステムサーバ2から、各小売企業の各陳列予定商品MIDの販売個数の実績値を、正確かつ容易に、取得することができるとの効果を奏する。そして、棚割支援装置1は、取得した「各陳列予定商品MIDの販売個数の実績値」を用いて、各陳列予定商品MIDについて、期間平均販売個数ANPを正確に求めることができる。
【0128】
制御部110は、「複数の陳列予定商品MIDのうち、未販陳列予定商品MID_NW」に係る陳列予定商品平均販売情報IASとして、各未販陳列予定商品MID_NWの、販売予測情報IPSおよび補充回数情報IRTを取得してもよい。制御部110は、各未販陳列予定商品MID_NWの販売予測情報IPSが示す、各未販陳列予定商品MID_NWの所定期間における販売個数の予測値から、各未販陳列予定商品MID_NWの所定日数当たりの販売個数の予測値を計算する。そして、制御部110は、各未販陳列予定商品MID_NWについて、「所定日数当たりの販売個数の予測値」を、補充回数情報IRTが示す「所定日数当たりの補充回数」で除して、各未販陳列予定商品MID_NWの期間平均販売個数ANPを計算してもよい。
【0129】
すなわち、ステップS140で制御部110は、各陳列予定商品MIDについて、期間販売個数と、上記「所定日数(所定期間)当たりの補充回数(期間補充回数)」とから、期間平均販売個数ANPを取得してもよい。「期間販売個数」は、各小売企業が所定日数(所定期間)において各陳列予定商品MIDを販売する個数の、実績値または予測値である。「期間補充回数」は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している、所定期間(所定期間)における、各陳列予定商品MIDの、棚への補充回数である。例えば、ステップS140で制御部110は、各陳列予定商品MIDの期間販売個数を、各陳列予定商品MIDの期間補充回数で除することで、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを取得してもよい。
【0130】
各陳列予定商品MIDに係る、上述の期間販売個数と期間補充回数とから、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを取得(算出)することで、制御部110(棚割支援装置1)は、以下の効果を奏する。すなわち、棚割支援装置1は、客観性の担保された上述の期間販売個数と期間補充回数とを用いて、各陳列予定商品MIDについて、期間平均販売個数ANPを正確に求めることができるとの効果を奏する。特に、上述の期間販売個数および期間補充回数は、それぞれ、小売企業ごと、陳列予定商品MIDごとに、異なる。そこで、棚割支援装置1は、小売企業ごと、陳列予定商品MIDごとに、各陳列予定商品MIDについて、期間平均販売個数ANPを正確に求める(取得する)。そして、棚割支援装置1は、取得した期間平均販売個数ANPを用いて、各陳列予定商品MIDについて、適切なフェース数NFを算出する(決定する)ことができる。
【0131】
(ステップS150)
ステップS150では、制御部110は、1F在庫数量情報取得部50として動作し、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPFを取得する。ステップS150は、本発明の「1F在庫数量情報取得ステップ」の一例である。各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFは、各陳列予定商品MIDの、各陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の、奥行方向に陳列される個数である。
【0132】
ステップS150で制御部110は、陳列予定商品形状情報ISM、棚形状情報ISS、および、設定1F当たり個数情報ISRを、1F在庫数量情報IPFとして取得してもよい。例えば、制御部110は、「棚形状情報ISSによって示される棚の奥行長DLを、陳列予定商品形状情報ISMによって示される各陳列予定商品MIDの奥行長DLで除することで得られる値」の整数部分を、各陳列予定商品MIDの算術個数として計算する。制御部110は、算出した各陳列予定商品MIDの算術個数と、設定1F当たり個数情報ISRによって示される各陳列予定商品MIDの設定個数とのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとして取得してもよい。各陳列予定商品MIDの「設定個数」は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している、棚の奥行方向に陳列する個数である。本実施形態において、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFは、上述の算術個数と設定個数とのうち、小さい方の値であってもよい。
【0133】
各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを、上述の算術個数と設定個数とのうち、小さい方の値とすることで、棚割支援装置1は、以下の効果を奏する。すなわち、各小売企業は、陳列予定商品MIDごとに、例えば、販売実績、販売予測等に基づいて、最適な「棚の奥行方向に陳列する個数」を設定している。そこで、棚割支援装置1は、棚および各陳列予定商品MIDの奥行長DLから算出される上述の算術個数だけでなく、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している上述の設定個数をも考慮して、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを求める。そのため、棚割支援装置1は、小売企業ごと、陳列予定商品MIDごとに、適切な「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」を求める(取得する)ことができるとの効果を奏する。そして、棚割支援装置1は、取得した「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」を用いて、各陳列予定商品MIDについて、適切なフェース数NFを算出する(決定する)ことができる。
【0134】
(ステップS160)
ステップS160では、制御部110は、設定最大F数情報取得部60として動作し、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している「フェース数NFの最大値(設定最大F数NSM)」を示す設定最大フェース数情報IMNを取得する。
【0135】
各小売企業は、各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMを、各陳列予定商品MIDの、販売実績(売り上げが好調であるか)、または、販売予測(売り上げが好調であると予測されるか)に応じて、決定してもよい。例えば、各小売企業は、売り上げが好調である(好調であると予測される)陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMを、売り上げが好調でない(好調でないと予測される)陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMよりも、多く(大きく)設定してもよい。
【0136】
(ステップS170)
ステップS170では、制御部110は、算出部70(特に、必要フェース数計算部710)として動作し、各陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚における、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する(算出する)。図6に示す例では、ステップS170で制御部110は、「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」および「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する。「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」は、S140で取得した陳列予定商品平均販売情報IASによって示され、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」は、S150で取得した1F在庫数量情報IPFによって示される。具体的には、制御部110は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFと各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する。ステップS170は、本発明の「算出ステップ」の一例である。制御部110は、「1F当たり個数NPFとの積が、期間平均販売個数ANP以上となる」との第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定する(算出する)。
【0137】
ステップS170で制御部110は、「第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値を求めてもよく、つまり、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを求めてもよい。上述のとおり、「第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値である。また、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値である。したがって、ステップS170で制御部110は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを計算してもよい。そして、制御部110は、算出した「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」を、小数点以下切り上げした値を、「第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値としてもよい。
【0138】
(ステップS180)
ステップS180では、制御部110は、出力部80として動作し、ステップS170で算出した各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す棚割支援情報PSIを出力する。棚割支援情報PSIは、各小売企業の、各店舗における複数の陳列予定商品MIDの棚割を支援する情報である。ステップS180は、本発明の「出力ステップ」の一例である。ステップS180で制御部110は、棚割支援情報PSIを、例えば、各小売企業の各店舗における複数の陳列予定商品MIDの棚割を決定する棚割担当者が利用する商品管理装置3へと出力してもよい。ステップS180で制御部110が出力する棚割支援情報PSIは、各陳列予定商品MIDのフェース数NFに加えて、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示してもよい。
【0139】
上述のとおり、棚割支援装置1は、第1条件に加えて、「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。例えば、ステップS170で算出部70として動作する制御部110は、「第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の中から、さらに、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を抽出してもよい(特定してもよい)。制御部110は、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定するために、図7に示す処理を実行してもよい。
【0140】
図7は、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定するために棚割支援装置1(特に、制御部110)が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御部110は、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定し、特に、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定する。
【0141】
上述のとおり、制御部110は、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定してもよい。以下、図7を参照して、総必要横幅SRWと元棚割スペースPSPとを用いて、「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定する棚割支援装置1の処理の手順を説明する。
【0142】
(ステップS171)
ステップS171では、制御部110は、算出部70(特に、最大倍率変数計算部720)として動作し、倍率変数Xの許容最大値を特定し、具体的には、第2条件を満たす倍率変数Xの許容最大値を特定する。ステップS171で制御部110は、「総必要横幅SRW(仮総必要横幅TSW)が元棚割スペースPSP以下である」との条件を満たす倍率変数Xの最大値を、倍率変数Xの許容最大値として特定する。言い換えれば、ステップS171で制御部110は、「仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSP以下であって、かつ、最大となる」倍率変数Xを特定し、特定した倍率変数Xを、倍率変数Xの許容最大値(第2条件を満たす倍率変数Xの許容最大値)とする。ステップS171は、本発明の「最大倍率変数計算ステップ」の一例である。仮総必要横幅TSWは、倍率変数Xを用いて求められる(計算される)。
【0143】
上述のとおり、総必要横幅SRWは、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計であり、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じて算出される。また、元棚割スペースPSPは、図6のS110にて制御部110が取得した従来陳列情報IPDにより示される「各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計」である。各従来陳列商品MDPの占有横幅は、各従来陳列商品MDPの横幅Wdに、棚における各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じて算出される。
【0144】
(ステップS172)
ステップS172では、制御部110は、算出部70(特に、特定部730)として動作し、ステップS171で特定した倍率変数Xの許容最大値を用いて、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」を特定する。ステップS172は、本発明の「特定ステップ」の一例である。ステップS172で制御部110は、倍率変数Xの許容最大値と各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)を算出する。制御部110は、係る各陳列予定商品MIDのラウンドアップ値を、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」として特定する。言い換えれば、制御部110は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFと倍率変数Xの許容最大値との積を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)を、第2条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」として特定する。
【0145】
ステップS172で制御部110は、各陳列予定商品MIDについて、上述のラウンドアップ値と設定最大F数NSMとを比較して、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。すなわち、制御部110は、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」と、各陳列予定商品MIDのラウンドアップ値とのうち小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして決定してもよい。
【0146】
制御部110は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに際して、さらに、棚形状情報ISSにより示される「陳列予定商品MIDが陳列される予定の棚の横幅Wd」を利用してもよい。例えば、制御部110は、総必要横幅SRW(各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計)が棚の横幅Wd以下となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。上述のとおり、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じた値である。
【0147】
ステップS171における、倍率変数Xの許容最大値を特定する処理として、言い換えれば、第2条件を満たす倍率変数Xの最大値を特定する処理として、制御部110は、図8に示す処理を実行してもよい。
【0148】
図8は、倍率変数Xの許容最大値を特定するために、特に、第2条件を満たす倍率変数Xの最大値を特定するために棚割支援装置1(特に、制御部110)が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0149】
(ステップS1710)
ステップS1710では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、初期値設定部721)として動作し、倍率変数Xの初期値を設定する。以下では先ず、制御部110が、倍率変数Xの初期値として、「1」を設定する例について説明する。
【0150】
倍率変数Xの初期値を「1」とすることで、制御部110(棚割支援装置1)は、以下の効果を奏する。すなわち、上述のとおり、棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFと倍率変数Xの許容最大値との積を、小数点以下切り上げした値(ラウンドアップ値)を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する(特定する)。そして、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値」は、各陳列予定商品MIDの、「第1条件を満たすフェース数NF」の最小値となる。そのため、倍率変数Xの初期値を「1」とすることで、棚割支援装置1は、少なくとも第1条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定することができる。言い換えれば、倍率変数Xの初期値を「1」とすることで、棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDについて、少なくとも「1F当たり個数NPFとの積が期間平均販売個数ANP以上となる」フェース数NFを特定することができる。また、棚割支援装置1は、倍率変数Xの初期値を設定するための特別な処理、計算を必要とすることなく、倍率変数Xを初期値から単純に所定値ずつ増やしていくだけで、確実に倍率変数Xの許容最大値を特定することができる。そして、棚割支援装置1は、特定した倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDについて、適切なフェース数NFを算出する(決定する)ことができる。
【0151】
なお、本実施形態において、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNFを、小数点以下切り上げした値」以上であるものとする。つまり、「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」は、『第1条件を満たす「各陳列予定商品MIDのフェース数NF」の最小値』以上であるものとする。また、倍率変数Xの初期値が「1」であることは必須ではない。ステップS1710で制御部110が、倍率変数Xの初期値として、「1」以外の数値を設定する例について、詳細は後述する。
【0152】
(ステップS1720)
ステップS1720では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、仮フェース数計算部722)として動作し、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。ステップS1720は、本発明の「仮フェース数計算ステップ」の一例である。例えば、ステップS1720で制御部110は、ステップS1710で設定された倍率変数X(倍率変数Xの初期値)、または、後述するステップS1770で所定値が加算された後の倍率変数Xを用いて、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。具体的には、制御部110は、図6のステップS170で算出した「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と、倍率変数Xとの積を用いて、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」を計算する。
【0153】
ステップS1720で制御部110は、設定最大フェース数情報IMNによって示される各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSMを用いて、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」を計算してもよい。例えば、制御部110は、(1)「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と倍率変数Xとの積と、(2)「各陳列予定商品MIDの設定最大F数NSM」とのうち小さい方を、「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」としてもよい。『「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と倍率変数Xとの積』は、倍率変数Xと「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値と言い換えてもよい。
【0154】
(ステップS1730)
ステップS1730では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、仮必要横幅計算部723)として動作し、各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWを計算する。ステップS1730は、本発明の「仮必要横幅計算ステップ」の一例である。ステップS1730で制御部110は、ステップS1720で算出された「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」に、「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」を乗じて、「各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW」を計算する。すなわち、制御部110は、ステップS1720で算出された「各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNF」を用いて、「各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRW」を計算する。「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」は、例えば、図6のステップS130で制御部110が取得した陳列予定商品形状情報ISMによって示される。
【0155】
(ステップS1740)
ステップS1740では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、仮総必要横幅計算部724)として動作し、ステップS1730で算出した各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWを合計して、仮総必要横幅TSWを計算する。すなわち、制御部110は、ステップS1730で算出した各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWの合計から、仮総必要横幅TSWを計算する。ステップS1740は、本発明の「仮総必要横幅計算ステップ」の一例である。
【0156】
(ステップS1750)
ステップS1750では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、比較部725)として動作し、ステップS1740で算出した仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSPよりも大きいかを判定する。元棚割スペースPSPは、例えば、図6のステップS110で制御部110が取得した従来陳列情報IPDによって示される。
【0157】
ステップS1750で「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きい」と判定すると(ステップS1750でYes)、制御部110は、ステップS1760に係る処理を実行する。また、ステップS1750で「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSP以下である」と判定すると(ステップS1750でNo)、制御部110は、ステップS1770に係る処理を実行し、その後さらに、ステップS1720~S1750の処理を実行する。制御部110は、ステップS1750で「仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きい」と判定するまで、ステップS1770、および、ステップS1720~S1750の処理を繰り返す。すなわち、制御部110は、「仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSPよりも大きい」と判定するまで、「倍率変数Xに所定値を加算し、加算後の倍率変数Xを用いて、仮総必要横幅TSWを算出する」処理を繰り返す。
【0158】
(ステップS1760)
ステップS1760では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、所定値加減算部726)として動作し、倍率変数Xから、1よりも小さな所定値を減算し、減算後の倍率変数Xを、「倍率変数Xの許容最大値」として特定する。すなわち、制御部110は、「元棚割スペースPSPよりも大きい」と判定した仮総必要横幅TSWに対応する倍率変数Xから、上記所定値を減算し、減算後の倍率変数Xを、「倍率変数Xの許容最大値」として特定する。
【0159】
(ステップS1770)
ステップS1770では、制御部110は、最大倍率変数計算部720(特に、所定値加減算部726)として動作し、倍率変数Xに、上記所定値を加算する。そして、制御部110は、係る所定値の加算後の倍率変数Xを用いて、ステップS1720~S1750の処理を実行する。制御部110が倍率変数Xに加算または減算する上述の所定値は、「1」よりも小さな値であればよく、例えば、「0.1」である。ただし、所定値が「0.1」であることは必須ではなく、所定値は、「1」よりも小さな値であればよい。所定値は、「0.01」であってもよいし、「0.2」、「0.5」であってもよい。
【0160】
上述のとおり、算出ステップ(S170)で制御部110は、各陳列予定商品MIDについて、第1条件に加えて、第2条件を満たすフェース数NFを特定してもよい。すなわち、算出ステップで制御部110は、各陳列予定商品MIDについて、「1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となる」フェース数NFであって、さらに、第2条件をも満たすフェース数NFを特定してもよい。具体的には、制御部110は、最大倍率変数計算ステップ(ステップS171)および特定ステップ(ステップS172)をさらに実行してもよい。ステップS171で制御部110は、倍率変数Xの許容最大値を特定する(計算する)。ステップS172で制御部110は、ステップS171にて算出した倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを特定する。特に、ステップS172で制御部110は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している設定最大F数NSMと、以下の値とのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして特定する。すなわち、制御部110は、「倍率変数Xの許容最大値と、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値」を計算する。そして、制御部110は、係る計算により求めされる値と設定最大F数NSMとのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして特定する。
【0161】
最大倍率変数計算ステップは、仮フェース数計算ステップ(S1720)、仮必要横幅計算ステップ(S1730)、および、仮総必要横幅計算ステップ(S1740)を含む。S1720で制御部110は、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFを計算する。特に、S1720で制御部110は、各小売企業が各陳列予定商品MIDについて設定している設定最大F数NSMと、以下の値とのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFとして計算する。すなわち、制御部110は、「倍率変数Xと各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除することで得られる値」を計算する。そして、制御部110は、係る計算により求めされる値と設定最大F数NSMとのうち、小さい方を、各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFとする。S1730で制御部110は、S1720で算出した各陳列予定商品MIDの仮フェース数TNFに、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを乗じて、各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWを計算する。S1740で制御部110は、S1730で算出した各陳列予定商品MIDの仮必要横幅TRWの合計を、仮総必要横幅TSWとして計算する。制御部110は、S1740で算出した仮総必要横幅TSWが、元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、倍率変数Xを、初期値から、1よりも小さな所定値ずつ増やして、S1720、S1730、および、S1740を繰り返し実行する。すなわち、制御部110は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、「倍率変数Xに1よりも小さな所定値を加算し、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWを算出する」処理を繰り返す。つまり、制御部110は、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、「倍率変数Xを、初期値から、上記所定値ずつ増やして、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWを算出する」処理を繰り返し実行する。言い換えれば、制御部110は、上記所定値加算後の倍率変数Xに対応する仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPより大きくなるまで、倍率変数Xを、初期値から、上記所定値ずつ増やす。これによって、制御部110は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値を特定し、特定した最大値を、倍率変数Xの許容最大値とする。
【0162】
「倍率変数Xから仮総必要横幅TSWを算出する」処理を、仮総必要横幅TSWが元棚割スペースPSPよりも大きくなるまで、倍率変数Xを初期値から所定値ずつ増やして繰り返し実行することで、制御部110(棚割支援装置1)は、以下の効果を実現する。すなわち、棚割支援装置1は、倍率変数Xを初期値から所定値ずつ増やして、係る所定値の加算後に対応する仮総必要横幅TSWと元棚割スペースPSPとを比較するというシンプルな処理によって、倍率変数Xの許容最大値を正確に求めることができる。棚割支援装置1は、上述のシンプルな処理によって、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値(つまり、倍率変数Xの許容最大値)を、確実かつ容易に求める(特定する)ことができる。そして、棚割支援装置1は、特定した倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDについて、適切なフェース数NFを算出する(決定する)ことができる。
【0163】
(「1」以外の値を、倍率変数の初期値とする例について)
ステップS1710で制御部110は、「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」を、倍率変数Xの初期値としてもよい。最小総必要横幅SRW_Minは、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Minの合計である。「各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Min」は、「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値である。『「各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積を、「各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPF」で除することで得られる値』は、「各陳列予定商品MIDの必要フェース数RNF」と「各陳列予定商品MIDの横幅Wd」との積と言い換えてもよい。つまり、ステップS1710で制御部110は、以下の値を倍率変数Xの初期値としてもよい。すなわち、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Min(各陳列予定商品MIDの、必要フェース数RNFと横幅Wdとの積)の合計である「最小総必要横幅SRW_Min」により元棚割スペースPSPを除した値を、倍率変数Xの初期値としてもよい。
【0164】
図9は、倍率変数の初期値を決定する処理手順の一例を示す。特に、図9は、「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」を、倍率変数Xの初期値とするために棚割支援装置1(特に、制御部110)が実行する処理の手順の一例を示すフローチャートである。ステップS1711で制御部110は、初期値設定部721として動作し、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Minを取得する(計算する)。すなわち、制御部110は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPと各陳列予定商品MIDの横幅Wdとの積を、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFで除して、各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Minを取得する。ステップS1712で制御部110は、初期値設定部721として動作し、ステップS1711で算出した各陳列予定商品MIDの最小必要横幅RW_Minを合計して、最小総必要横幅SRW_Minを取得する(計算する)。ステップS1713で制御部110は、初期値設定部721として動作し、ステップS1712で算出した最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値を、倍率変数Xの初期値として取得する(計算する)。制御部110は、ステップS1713で算出した値を、倍率変数Xの初期値として設定してもよい。
【0165】
「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」を、倍率変数Xの初期値とすることで、棚割支援装置1は、制御部110(棚割支援装置1)は、以下の効果を実現する。すなわち、上述のとおり、倍率変数Xの許容最大値は、仮総必要横幅TSWを元棚割スペースPSP以下とする倍率変数Xの最大値である。そのため、「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」を、倍率変数Xの初期値とすることで、棚割支援装置1は、初期値を「1」とする場合に比べて、倍率変数Xの許容最大値を特定するのに要する計算量を抑制することができる。
【0166】
[特徴]
これまでに説明してきたとおり、本発明の一態様に係る棚割支援方法は、コンピュータにより実行され、例えば、棚割支援装置1により実行される。上記棚割支援方法において、棚割支援装置1は、商品形状情報取得ステップ(S130)と、平均販売情報取得ステップ(S140)と、1F在庫数量情報取得ステップ(S150)と、算出ステップ(S170)と、出力ステップ(S180)と、を実行する。S130で棚割支援装置1(制御部110)は、陳列予定商品形状情報ISMを取得する。陳列予定商品形状情報ISMは、各小売企業の各店舗で使用される棚に陳列されることが予定されている、複数の陳列予定商品MIDの各々の形状に係る情報であって、少なくとも、各陳列予定商品MIDの横幅Wdを示す情報である。S140で棚割支援装置1(制御部110)は、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPを示す陳列予定商品平均販売情報IASを取得する。期間平均販売個数ANPは、各陳列予定商品MIDの販売個数の、実績値の平均または予測値であって、各小売企業が、各陳列予定商品MIDを、棚に陳列してから棚に補充するまでの期間において販売する個数についての、実績値の平均または予測値である。S150で棚割支援装置1(制御部110)は、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFを示す1F在庫数量情報IPFを取得する。1F当たり個数NPFは、各陳列予定商品MIDの、棚の奥行方向に陳列される個数である。S170で棚割支援装置1(制御部110)は、各小売企業の各店舗で使用される棚における各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定し(算出し)、特に、第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する(特定する)。すなわち、S170で棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDのフェース数NFと各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出する。S180で棚割支援装置1(制御部110)は、S170で算出した各陳列予定商品MIDのフェース数NFを示す情報であって、各小売企業の、各店舗における複数の陳列予定商品MIDの棚割を支援する情報である、棚割支援情報PSIを出力する。
【0167】
上述のとおり、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANPは、各回の補充作業において棚に補充される各陳列予定商品MIDの個数とみなすことができる。したがって、棚に陳列される各陳列予定商品MIDの個数が、各補充作業において棚に補充される各陳列予定商品MIDの個数(つまり、期間平均販売個数ANP)以上であれば、各陳列予定商品MIDの店頭欠品を防ぐことが可能となる。そして、棚割支援装置1は、第1条件を満たすように、つまり、各陳列予定商品MIDの1F当たり個数NPFとの積が、各陳列予定商品MIDの期間平均販売個数ANP以上となるように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する。そのため、棚割支援装置1は、「各陳列予定商品MIDについて、上述の補充作業により店頭欠品を防ぐことが可能な棚割を、棚割担当者が容易に作成する」ことを可能とする。棚割支援装置1は、各店舗において定期的に行なわれている「商品の補充」を考慮した棚割を、棚割担当者が容易に作成できるよう支援することができ、つまり、商品の補充を考慮した棚割の作成を支援することができるとの効果を奏する。
【0168】
上記棚割支援方法において、棚割支援装置1は、さらに、従来陳列情報取得ステップ(S110)を実行してもよい。S110で棚割支援装置1(制御部110)は、各小売企業が、複数の陳列予定商品MIDの前に棚に陳列していた複数の従来陳列商品MDPに係る情報であって、少なくとも元棚割スペースPSPを示す情報である、従来陳列情報IPDを取得する。元棚割スペースPSPは、各従来陳列商品MDPの横幅Wdに、棚における各従来陳列商品MDPのフェース数NFを乗じて算出される各従来陳列商品MDPの占有横幅の合計である。そして、S170で棚割支援装置1(制御部110)は、第1条件に加えて、第2条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出してもよい(特定してもよい)。すなわち、S170で棚割支援装置1は、総必要横幅SRWと、元棚割スペースPSPとを用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを算出してもよい。総必要横幅SRWは、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWの合計であり、各陳列予定商品MIDの必要横幅RWは、各陳列予定商品MIDの横幅Wdに、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを乗じて算出される。
【0169】
棚割支援装置1は、第1条件に加えて、第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する。つまり、棚割支援装置1は、棚に陳列する商品を入れ替える「棚替」前の元棚割(特に、元棚割スペースPSP)を指標として、係る「棚替」後の各陳列予定商品MIDに係る棚割の作成を支援する棚割支援情報PSIを出力する。そのため、棚割支援装置1は、元棚割(特に、元棚割スペースPSP)を指標として、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定することで、『棚割担当者が、「元棚割を考慮した、各陳列予定商品MIDの棚割」を容易に作成する』ことを可能とする。一般に、元棚割は、各小売企業の各店舗における棚割のノウハウ等が反映されていると考えられるため、棚割支援装置1は、「係るノウハウ等を適切に考慮した、各陳列予定商品MIDに係る棚割」の作成を支援することができる。
【0170】
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良又は変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、上記実施形態と同様の点については、適宜説明を省略した。以下の変形例は適宜組み合わせ可能である。
【0171】
(倍率変数Xの初期値について)
これまで、倍率変数Xの初期値を「1」または「最小総必要横幅SRW_Minによって、元棚割スペースPSPを除した値」とする例について説明してきた。ただし、倍率変数Xの初期値は、上述の値に限られるものではない。倍率変数Xの初期値は、「1」に、「1」よりも小さな値(例えば、「0.01」、「0.1」、「0.2」、「0.5」など)を追加した値であってもよい。例えば、倍率変数Xの初期値は、「1.1」、「1.5」などであってもよい。
【0172】
(各陳列予定商品のフェース数の決定方法について)
これまで、棚割支援装置1が、倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定する例について説明してきた。例えば、これまでに説明してきた例において棚割支援装置1は、倍率変数Xを、初期値から、1よりも小さな所定値ずつ増やして、仮総必要横幅TSWと元棚割スペースPSPとを比較することで、倍率変数Xの許容最大値を特定する。そして、棚割支援装置1は、特定した倍率変数Xの許容最大値を用いて、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定した。
【0173】
しかしながら、棚割支援装置1にとって、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定するのに、倍率変数Xの許容最大値を用いることは必須ではない。棚割支援装置1は、各陳列予定商品MIDについて、「フェース数NFと1F当たり個数NPFとの積が、期間平均販売個数ANP以上となる」との第1条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定できればよい。また、棚割支援装置1は、第1条件に加えてさらに、「総必要横幅SRWが、元棚割スペースPSPに近似する」との第2条件を満たすように、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。
【0174】
例えば、棚割支援装置1は、第1条件および第2条件を満たす、各陳列予定商品MIDのフェース数NFについての、以下の最適組合せを抽出することで、各陳列予定商品MIDのフェース数NFを決定してもよい。すなわち、棚割支援装置1は、第1条件を満たす各陳列予定商品MIDのフェース数NFの組合せのうち、総必要横幅SRWが元棚割スペースPSPに最も近似する組合せを選出してもよい。そして、棚割支援装置1は、選出した組合せにおける各陳列予定商品MIDのフェース数NFを、各陳列予定商品MIDのフェース数NFとして特定してもよい(決定してもよい)。係る決定方法は、陳列予定商品MIDの種類数、および、各陳列予定商品MIDのフェース数NFのそれぞれが十分に少ない場合、特に有用となる。
【符号の説明】
【0175】
1…棚割支援装置、30…商品形状情報取得部、40…平均販売情報取得部、
50…1F在庫数量情報取得部、70…算出部、80…出力部、
S110…従来陳列情報取得ステップ、S130…商品形状情報取得ステップ、
S140…平均販売情報取得ステップ、S150…1F在庫数量情報取得ステップ、
S170…算出ステップ、S171…最大倍率変数計算ステップ、
S172…特定ステップ、S180…出力ステップ、
S1720…仮フェース数計算ステップ、S1730…仮必要横幅計算ステップ、
S1740…仮総必要横幅計算ステップ、
ANP…期間平均販売個数、DL…奥行長、IAS…陳列予定商品平均販売情報、
IPD…従来陳列情報、IPF…1F在庫数量情報、ISM…陳列予定商品形状情報、
MDP…従来陳列商品、MID…陳列予定商品、
NPF…1F当たり個数(1フェース当たりの個数)、NF…フェース数、
PSI…棚割支援情報、PSP…元棚割スペース、RW…必要横幅、
SRW…総必要横幅、TNF…仮フェース数、TRW…仮必要横幅、
TSW…仮総必要横幅、Wd…横幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9