(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025005550
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】保護部材形成装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105761
(22)【出願日】2023-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】川本 基嗣
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA32
5F131BA43
5F131BA52
5F131CA12
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB58
5F131DB62
5F131DB76
5F131DB82
5F131EA05
5F131EC34
5F131EC62
5F131EC63
5F131EC64
5F131EC65
5F131EC68
5F131EC69
(57)【要約】
【課題】保護部材形成装置の停止中にガラステーブルに埃が付着しないようにする。
【解決手段】ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成する保護部材形成装置であって、シート(S)を載置するガラステーブル(17)と、ガラステーブルにシートを搬送するシート搬送機構(31)と、シートの上に液状樹脂(M)を塗布する液状樹脂供給部(32)と、ガラステーブルの上方で保持面(253)によってウェーハを吸引保持する保持テーブル(252)と、昇降機構(27)によって保持テーブルをガラステーブルに接近させた際に、ガラステーブルの上面と保持面との間に隙間を設けた状態でガラステーブルの上面外周と保持面の外周とを接続し密室(41)を形成する筒体(40)と、密室を形成する際に、保持面とエア供給源(30)とを連通させ保持面からエアを噴射させる密室形成制御部(355)を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成する保護部材形成装置であって、
シートを載置するガラステーブルと、
該ガラステーブルにシートを搬送するシート搬送機構と、
該シートの上に液状樹脂を塗布する液状樹脂供給部と、
該ガラステーブルの上方で吸引源に連通させた保持面によってウェーハを吸引保持する保持テーブルと、
該保持テーブルを昇降させる昇降機構と、
該保持テーブルに配設され、該昇降機構によって該保持テーブルを該ガラステーブルに接近させた際に、該ガラステーブルの上面と該保持面との間に隙間を設けた状態で該ガラステーブルの上面外周と該保持面の外周とを接続し密室を形成する筒体と、を備え、
さらに、該昇降機構によって該保持テーブルを下降させ、該密室を形成する際に、該保持面とエア供給源とを連通させ該保持面からエアを噴射させる密室形成制御部を備える、保護部材形成装置。
【請求項2】
該昇降機構によって該保持テーブルを上昇させ、該密室を開放する際に、該保持面とエア供給源とを連通させ該保持面からエアを噴射させる密室開放制御部を備える、請求項1記載の保護部材形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保護部材形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1や特許文献2に開示されるように、ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成する保護部材形成装置では、ガラスステージの上にシートを配置し、シートの上に供給した紫外線硬化型の液状樹脂をウェーハの一方の面全面に押し広げ、ガラスステージの下側から紫外線を照射し液状樹脂を硬化させ、シートと樹脂とからなる保護部材を形成している。
【0003】
この種の保護部材形成装置では、装置を停止しているときに、装置内を浮遊していた埃がガラステーブルの上面に付着する場合がある。保護部材を形成する際に、ガラステーブルの上面に埃が介在していると、保護部材の表面を平坦面にすることができなくなる。そのため、保護部材が形成されたウェーハを研削装置に搬送し、平坦面ではない保護部材を介してウェーハをチャックテーブルに保持させて研削砥石でウェーハの上面を研削すると、研削したウェーハが均一な厚みにならないという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために、保護部材形成装置において、ガラステーブルにシートを搬送する前に、ガラステーブルをエアブローして埃を吹き飛ばす機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-078550号公報
【特許文献2】特開2014-192473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、保護部材形成装置が長時間停止されているときには、エアブローではガラステーブルの上面の埃を除去できないという問題がある。
【0007】
したがって、保護部材形成装置は、装置停止中にガラステーブルに埃が付着しないようにするという解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、ウェーハの一方の面全面を保護する保護部材を形成する保護部材形成装置であって、シートを載置するガラステーブルと、該ガラステーブルにシートを搬送するシート搬送機構と、該シートの上に液状樹脂を塗布する液状樹脂供給部と、該ガラステーブルの上方で吸引源に連通させた保持面によってウェーハを吸引保持する保持テーブルと、該保持テーブルを昇降させる昇降機構と、該保持テーブルに配設され、該昇降機構によって該保持テーブルを該ガラステーブルに接近させた際に、該ガラステーブルの上面と該保持面との間に隙間を設けた状態で該ガラステーブルの上面外周と該保持面の外周とを接続し密室を形成する筒体と、を備え、さらに、該昇降機構によって該保持テーブルを下降させ、該密室を形成する際に、該保持面とエア供給源とを連通させ該保持面からエアを噴射させる密室形成制御部を備える。
【0009】
さらに、該昇降機構によって該保持テーブルを上昇させ、該密室を開放する際に、該保持面とエア供給源とを連通させ該保持面からエアを噴射させる密室開放制御部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の保護部材形成装置によれば、ガラステーブルの上面と保持テーブルの保持面との間に隙間を設けた状態で、ガラステーブルの上面外周と保持面の外周とを筒体で接続して密室を形成し、さらに、密室を形成する際に保持面からエアを噴射させることにより、装置停止中にガラステーブルに埃が付着することを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の保護部材形成装置を示す斜視図である。
【
図2】シート上に液状樹脂を滴下する工程を示す図である。
【
図3】シートとウェーハの間で押し広げた液状樹脂を硬化させる工程を示す図である。
【
図4】ガラステーブルの載置面と保持テーブルの保持面との間に密室を形成する工程を示す図である。
【
図5】ガラステーブルの載置面と保持テーブルの保持面との間に密室が形成された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本実施形態に係る保護部材形成装置について説明する。
図1に示すX軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに垂直な関係にある。X軸方向とY軸方向は略水平な方向であり、Z軸方向は上下方向(鉛直方向)である。
【0013】
図1に示す保護部材形成装置10は、ウェーハWの一方の面(下面Wb)の全面に押し広げられた液状樹脂Mに外的刺激を付与して硬化させることによって保護部材H(
図3)を形成する装置である。
図1においては、保護部材形成装置10の外部筐体11を破線で示し、外部筐体11の内側の構成要素を透視した状態で表している。ウェーハWのうち、保護部材形成装置10での処理時に上側を向く面を上面Waとし、下側を向く面を下面Wbとする。
【0014】
ウェーハWは、例えば、円柱状のシリコンなどのインゴットから切り出した円板状のアズスライスウェーハである。なお、ウェーハWは、デバイス形成前のアズスライスウェーハに限らず、デバイス形成後のデバイスウェーハなどでもよい。
【0015】
保護部材形成装置10は、外部筐体11のY軸方向の一端側(前方側の端部)に、カセット収容部12を備えている。カセット収容部12にはX軸方向に並ぶ2つの収容スペースが形成されており、それぞれの収容スペースにカセットCが載置される。一方の収容スペースに載置されるカセットCには、保護部材Hが形成される前の複数枚のウェーハWが収容される。他方の収容スペースに載置されるカセットCには、保護部材Hを形成した後の複数枚のウェーハWが収容される。
【0016】
カセット収容部12のY軸方向の後方側の位置には、仮置きテーブル13と、シートカットテーブル14と、が設けられている。上側に仮置きテーブル13が位置し、下側にシートカットテーブル14が位置する。仮置きテーブル13には、保護部材Hが形成される前のウェーハWの中心位置及び向きを検出するウェーハ検出部131が設けられている。シートカットテーブル14には、保護部材Hが形成された後のウェーハWからはみ出した余分なシートS(
図3)を、ウェーハWの外形に沿って切断するシートカッター141が設けられている。
【0017】
カセット収容部12に収容されたカセットCに対してウェーハWの搬入及び搬出を行う第1搬送機構15が設けられている。第1搬送機構15は、台座151上に支持されるロボットハンド152を備え、X軸方向に延びる一対のガイドレール153に沿って台座151が移動可能に支持されている。台座151は、X軸方向に延びるボールネジ154に対して螺合する螺合部(図示略)を備える。モータの駆動力によってボールネジ154を回転させると、台座151がX軸方向に移動する。
【0018】
第1搬送機構15は、X軸方向への台座151の移動と、ロボットハンド152の動作とによって、カセット収容部12と仮置きテーブル13及びシートカットテーブル14との間でのウェーハWの搬送を行う。より詳しくは、第1搬送機構15は、保護部材Hが形成される前のウェーハWを、カセット収容部12内のCから搬出して仮置きテーブル13に載せることができる。また、第1搬送機構15は、保護部材Hが形成された後のウェーハWを、シートカットテーブル14から搬出して、カセット収容部12内のカセットCに搬入することができる。
【0019】
保護部材形成装置10は、シートカットテーブル14に対してY軸方向の後方側に基台16を備えている。基台16には支持枠18が設けられ、支持枠18を介してガラステーブル17が支持されている。
【0020】
図2から
図5を参照して、ガラステーブル17及び支持枠18の構造を説明する。ガラステーブル17は、石英ガラスなどの透光性材料からなり、円板状に形成されている。ガラステーブル17の上面は、シートSを載置するための平坦な載置面171になっている。
【0021】
支持枠18は、ガラステーブル17の周囲を囲む囲繞壁181を有し、囲繞壁181の上面は、ガラステーブル17の載置面171と同じ高さの平坦な外側支持面182になっている。つまり、ガラステーブル17の載置面171と支持枠18の外側支持面182とが面一に形成されている。
【0022】
ガラステーブル17の外縁と支持枠18の囲繞壁181の内縁との境界には、リング状の吸引口172が形成されている。吸引口172に連通する流路173が、制御バルブ19を介して吸引源20に接続している。制御バルブ19を開いて吸引源20を動作させると、流路173のエアが吸引されて吸引口172に吸引力が作用する。
【0023】
支持枠18の内部には、ガラステーブル17の下方に位置する紫外線照射ユニット22が設けられている。紫外線照射ユニット22は、囲繞壁181に囲まれる空間内に配置され、紫外線UVを発することが可能な複数の紫外線照射部221を備えており、下方からガラステーブル17に向けてUVを照射する。紫外線照射部221に用いる光源はLEDを用いてもよい。
【0024】
図1に戻って、保護部材形成装置10の説明を続ける。保護部材形成装置10は、ガラステーブル17及び支持枠18の上方に配置されるウェーハ保持部25を備えている。ガラステーブル17及び支持枠18に対してY軸方向の前方側の位置に、基台16から上方へ突出するコラム26が形成されており、コラム26に設けた昇降機構27によって、ウェーハ保持部25がZ軸方向に昇降するように構成されている。
【0025】
昇降機構27は、Z軸方向に延びる一対のガイドレール271と、一対のガイドレール271に対してZ軸方向に移動可能に支持された昇降テーブル272と、Z軸方向に延びて昇降テーブル272の螺合部273(
図2から
図5)に螺合するボールネジ274と、ボールネジ274を回転させるモータ275と、を備えている。モータ275の駆動力によってボールネジ274を回転させると、一対のガイドレール271に沿って昇降テーブル272がZ軸方向に移動する。ボールネジ274の回転方向を切り換えることによって、昇降テーブル272に上昇動作と下降動作を行わせることができる。
【0026】
ウェーハ保持部25は昇降テーブル272によって支持されており、昇降テーブル272のZ軸方向への移動に伴ってウェーハ保持部25が昇降動作する。ウェーハ保持部25は、昇降テーブル272に取り付けられるハウジング251の下端に、円板状の保持テーブル252を備えている。
図2から
図5に示すように、保持テーブル252の下面側には、下向きの保持面253が形成されており、保持面253はガラステーブル17の載置面171に対向する。保持面253は載置面171と略平行な面である。
【0027】
図2から
図5に示すように、保持テーブル252は、保持面253に開口する多数の吸引口254を備えており、保持テーブル252の内部には、吸引口254に連通する流路255が形成されており、流路255が制御バルブ28を介して吸引源29及びエア供給源30に接続している。制御バルブ28は、流路255を吸引源29に接続させる吸引状態と、流路255をエア供給源30に接続させるエア供給状態と、流路255を吸引源29とエア供給源30のいずれにも接続させない非接続状態と、に動作する。
【0028】
制御バルブ28を吸引状態にして吸引源29を動作させると、流路255のエアが吸引されて吸引口254に吸引力が作用する。吸引口254に吸引力を作用させると、保持面253がウェーハWの上面Waを吸引保持することができる。制御バルブ28をエア供給状態にしてエア供給源30を動作させると、流路255にエアが供給されて吸引口254からエアが噴射する。吸引口254からエアを噴射させると、保持面253によるウェーハWの吸引保持を解除して、ウェーハWを保持テーブル252から離間させることができる。
【0029】
保護部材形成装置10は、ガラステーブル17の載置面171にシートSを搬送して載置するシート搬送機構31を備える。シート搬送機構31は、ロール状に巻かれたシートSが支持されるシート供給部311と、Y軸方向に移動可能なアーム312と、アーム312の側面に取り付けられたクランプ部313と、を備えている。シート搬送機構31では、シート供給部311に支持されたロール状のシートSをクランプ部313によって把持し、アーム312をY軸方向に移動させてシートSを引っ張ることによって、ガラステーブル17の載置面171にシートSを載置する。
【0030】
制御バルブ19を開いて吸引源20を動作させ、吸引口172に吸引力を作用させることにより、ガラステーブル17の載置面171に載置したシートSを吸引保持することができる。
【0031】
シートSは透光性材料からなる。シートSとして、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどで形成されたフィルムなどを用いることができる。なお、これ以外の材質からなるシートSを用いてもよい。
【0032】
ガラステーブル17の近傍には、載置面171上のシートSの上面に所定量の液状樹脂M(
図2参照)を供給する液状樹脂供給部32が設けられている。液状樹脂供給部32は、基台16内に設けられたタンク324に接続するディスペンサ321と、ディスペンサ321から延びる接続管322が接続する液状樹脂供給ノズル323と、を備える。
【0033】
液状樹脂供給ノズル323は、アーム312に設けられ、シート搬送機構31によるアーム312のY軸方向の移動に応じて移動可能である。アーム312の移動によって、ガラステーブル17と保持テーブル252との間に液状樹脂供給ノズル323を位置付けた供給状態(
図2)と、ガラステーブル17と保持テーブル252との間から液状樹脂供給ノズル323が退避した退避状態(
図3から
図5)と、にセットすることができる。
【0034】
液状樹脂供給ノズル323を
図2の供給状態に位置付け、タンク324に貯留された液状樹脂Mがディスペンサ321によって接続管322を経由して送られ、液状樹脂供給ノズル323から液状樹脂Mが供給される。液状樹脂供給ノズル323は下方に液状樹脂Mを滴下することが可能であり、液状樹脂供給ノズル323から供給された液状樹脂Mは、載置面171上のシートS上面の中心に滴下されてシートSに塗布される。また、液状樹脂供給ノズル323は上面側にも液状樹脂Mを供給することが可能であり、液状樹脂供給ノズル323の上面側に供給された液状樹脂Mは、保持テーブル252に保持されたウェーハWの下面Wbの中心に付着する。液状樹脂供給ノズル323からの液状樹脂Mの供給量は、ディスペンサ321によって調整可能である。
【0035】
液状樹脂Mは、外的刺激によって硬化する性質を有する。本実施形態では、紫外線の照射により硬化する紫外線硬化型の液状樹脂Mを用いている。なお、液状樹脂Mは、熱硬化型であってもよい。
【0036】
基台16に対してX軸方向の側方に、第2搬送機構33が設けられている。第2搬送機構33は、台座331上に支持されるロボットハンド332を備え、Y軸方向に延びる一対のガイドレール333に沿って台座331が移動可能に支持されている。台座331は、Y軸方向に延びるボールネジ334に対して螺合する螺合部(図示略)を備える。モータの駆動力によってボールネジ334を回転させると、台座331がY軸方向に移動する。
【0037】
第2搬送機構33は、Y軸方向への台座331の移動と、ロボットハンド332の動作とによって、仮置きテーブル13及びシートカットテーブル14とウェーハ保持部25との間でのウェーハWの搬送を行う。より詳しくは、第2搬送機構33は、保護部材Hが形成される前のウェーハWを、仮置きテーブル13からウェーハ保持部25に搬送することができる。また、第2搬送機構33は、保護部材Hが形成された後のウェーハWを、ウェーハ保持部25からシートカットテーブル14に搬送することができる。
【0038】
保護部材形成装置10は、制御部35によって統括的に制御される。制御部35は、各種処理を実行するプロセッサと、各種パラメータやプログラムなどを記憶する記憶部(メモリ)と、によって構成されている。制御部35は、機能ブロックとして、供給制御部351、拡張制御部352、硬化制御部353、シート搬送制御部354、密室形成制御部355、密室開放制御部356を備えている。これらの機能ブロックは、制御部35における記憶部に記憶されたプログラムが実行されることによって実現される。なお、
図1に示す制御部35の機能ブロックは、本発明に主に関連する構成のみを示しており、それ以外の構成については省略している。
【0039】
供給制御部351は、液状樹脂供給部32におけるディスペンサ321の駆動を制御し、ガラステーブル17の載置面171に支持されたシートSに対して、液状樹脂供給ノズル323によって所定量の液状樹脂Mを供給させる。
【0040】
拡張制御部352は、昇降機構27によるウェーハ保持部25の動作量や動作方向などを制御する。ウェーハ保持部25の下降によって、後述するように、液状樹脂Mを押し広げた状態(
図3参照)にすることができる。
【0041】
硬化制御部353は、紫外線照射ユニット22による紫外線UVの照射を制御し、液状樹脂Mを硬化させる。
【0042】
シート搬送制御部354は、シート搬送機構31におけるアーム312やクランプ部313の駆動を制御し、ガラステーブル17の載置面171にシートSを搬送させる。また、シート搬送制御部354は、アーム312の駆動を制御することによって、ガラステーブル17の載置面171に支持されたシートSの中心に液状樹脂Mを滴下させるように、液状樹脂供給ノズル323の位置を設定する。
【0043】
密室形成制御部355は、ガラステーブル17の載置面171と保持テーブル252の保持面253との間に、密室41(
図5)を形成する制御を行う。密室開放制御部356は、密室41を開放させる制御を行う。密室形成制御部355と密室開放制御部356による制御内容の詳細は後述する。
【0044】
なお、上記の各制御部351~356の機能は、制御部35を構成するプロセッサやメモリなどの動作によって実現されるものであり、各制御部351~356が独立した電子部品で構成されていることを意味しているのではない。
【0045】
続いて、保護部材形成装置10による保護部材Hの形成について説明する。
【0046】
保護部材Hを形成する際には、シート搬送制御部354がシート搬送機構31を制御し、クランプ部313によってシートSの端部を把持して、アーム312をY軸方向へ移動させ、シート供給部311からシートSが引き出されてガラステーブル17側へ搬送される。引き出されたシートSは、シート搬送機構31が備えるシートカッターによって所定の長さでカットされ、
図2に示すように、シートSがガラステーブル17の載置面171上に載置される。シートSの面積は載置面171の面積よりも大きく、シートSの外周部分は載置面171外縁の吸引口172を覆っている。制御部35の制御によって、制御バルブ19を開いて吸引源20を動作させ、吸引口172に吸引力を作用させることにより、シートSが吸引保持されて載置面171に密着する。この段階でのシートSの面積は、ウェーハWの下面Wbの面積よりも大きい。
【0047】
続いて、シート搬送制御部354は、シート搬送機構31のアーム312の位置をY軸方向で調整し、載置面171上に載置されたシートSの上方に、液状樹脂供給部32の液状樹脂供給ノズル323を位置付けさせる。
【0048】
液状樹脂供給ノズル323の位置付け後、供給制御部351が液状樹脂供給部32のディスペンサ321を制御して、液状樹脂供給ノズル323に液状樹脂Mを送出して液状樹脂供給ノズル323からシートSに向けて液状樹脂Mを滴下させる。液状樹脂供給ノズル323はガラステーブル17の中央付近の上方に位置付けられており、液状樹脂供給ノズル323から滴下された液状樹脂Mは、ウェーハWの面積よりも狭い範囲でシートSの上面の中央付近に溜まった状態になる。供給制御部351は、ウェーハWの大きさなどの情報に基づいてディスペンサ321を制御し、ウェーハWの下面Wbの全面に行き渡る量の液状樹脂MをシートSへ供給させる。所定量の液状樹脂Mの供給が完了したら、アーム312を移動させてガラステーブル17の上方から液状樹脂供給ノズル323を退避させる。
【0049】
図2に示すように、ウェーハ保持部25の保持テーブル252にウェーハWを吸引保持させる。ウェーハWを保持テーブル252に保持させる際には、第1搬送機構15のロボットハンド152によって、保護部材Hを形成する前のウェーハWが、カセット収容部12の収容スペース内のカセットCから取り出されて、仮置きテーブル13に載せられる。仮置きテーブル13上のウェーハWが第2搬送機構33のロボットハンド332に受け渡され、ウェーハWが保持テーブル252まで搬送される。保持テーブル252では、制御バルブ28を吸引状態にして吸引源29を動作させ、吸引口254に作用する吸引力によって、ウェーハWの上面Waを保持面253に吸引保持する。
【0050】
なお、保持テーブル252にウェーハWを保持する工程の少なくとも一部を、上記のガラステーブル17へのシートSの搬入や、シートS上への液状樹脂Mの供給と並行して行ってもよい。
【0051】
保持テーブル252に保持されたウェーハWが、シートS上の液状樹脂Mの上方に対向して位置する状態になったら、拡張制御部352の制御によって、昇降機構27のモータ275が駆動され、昇降テーブル272及び保持テーブル252を所定の送り速度で下降させる。保持テーブル252の下降によって、ウェーハWの下面Wbがガラステーブル17に接近して液状樹脂Mに接触する。そして、下降するウェーハWの下面Wbによって液状樹脂Mが押圧されて、液状樹脂MがウェーハWの径方向に押し広げられる。ウェーハWの下面Wbが接触する前の液状樹脂MはシートSの中央付近にまとまって位置しており、ウェーハWから押圧されることにより、液状樹脂MはウェーハWの外縁側に向けて広がる(
図3参照)。
【0052】
保持テーブル252の下降による液状樹脂Mの押し広げが完了して、ウェーハWの下面Wbの全体を液状樹脂Mが覆う状態になったら、硬化工程に進む。
図3に示すように、硬化工程では、硬化制御部353の制御によって、紫外線照射ユニット22の紫外線照射部221から液状樹脂Mを硬化させる強度の紫外線UVが、ガラステーブル17の載置面171に向けて下方から照射される。紫外線照射部221から発した紫外線UVは、ガラステーブル17及びシートSを透過して液状樹脂Mに達し、紫外線硬化型樹脂である液状樹脂Mを硬化させる。液状樹脂Mが十分に硬化した状態になったら、紫外線照射ユニット22からの紫外線UVの照射を終了する。硬化した液状樹脂MとシートSとによって、ウェーハWの下面Wbの全体を覆う保護部材Hが形成され、保護部材HによってウェーハWの下面Wbが保護される。
【0053】
保護部材Hの形成が完了したら、保護部材Hを形成済みのウェーハWを搬出する。ウェーハWを搬出する際には、制御バルブ19を閉じて吸引口172への吸引力を解除して、載置面171へのシートSの吸引保持を終了する。続いて、昇降機構27のモータ275が駆動され、昇降テーブル272及び保持テーブル252を上昇させる。保持テーブル252の上昇により、保持面253に吸引保持されているウェーハWが保護部材Hと共にガラステーブル17から上方に引き上げられる。
【0054】
続いて、保護部材Hを形成済みのウェーハWを、保持テーブル252から第2搬送機構33のロボットハンド332に受け渡す。ウェーハWを受け渡す際に、制御バルブ28をエア供給状態にしてエア供給源30を動作させ、吸引口254からエアを噴射させることにより、保持面253によるウェーハWの吸引保持を解除して、ウェーハWを保持テーブル252から離間させる。
【0055】
第2搬送機構33を駆動して、ウェーハWを受け取ったロボットハンド332を移動させ、ウェーハWをシートカットテーブル14に載置させる。シートカッター141を用いて、シートカットテーブル14に載置されたウェーハWの外形に沿って余分なシートSが切断される。そして、保護部材Hを形成した後のウェーハWが、第1搬送機構15のロボットハンド152によって、シートカットテーブル14から取り出され、カセット収容部12の収容スペース内のカセットCに搬入される。
【0056】
以上のようにして、保護部材形成装置10でのウェーハWに対する保護部材Hの形成が完了する。保護部材Hが形成されたウェーハWは、保護部材形成装置10とは別の加工装置へ搬送されて加工される。
【0057】
例えば、ウェーハWは研削装置へ搬送されて、保護部材Hで覆われた下面Wbとは反対側の上面Waが研削加工される。研削装置での研削加工の際に、保護部材Hは研削装置のチャックテーブルに押し付けられる。所定量の厚みを有して硬化されている保護部材Hによって、押し付けに耐えてウェーハWを安定して研削加工させることができる。
【0058】
ところで、既存の保護部材形成装置では、装置を停止しているときに、装置内を浮遊していた埃が、シートを載置するガラステーブルの載置面に付着する可能性がある。多孔質材で形成されたポーラス板では、保持面全面からのエアブローによって埃などの異物を除去することができるが、ガラステーブルの場合は、エアブロー用の孔が載置面全面に形成されていないため、載置面に付着した埃を載置面自体からのエアブローで除去することができないという制約がある。そして、保護部材を形成する際に、ガラステーブルの載置面上に埃などの異物が介在していると、異物によってシートに凹凸が生じ、保護部材の表面を平坦面にすることができなくなる。保護部材の表面が平坦面ではない状態で、研削装置のチャックテーブルに保護部材を保持させてウェーハを研削砥石で研削すると、ウェーハが均一な厚みにならないという問題が生じる。
【0059】
本実施形態の保護部材形成装置10では、このような問題を防ぐために、装置停止中にガラステーブル17に埃を付着させない対策を行っており、その詳細を以下に説明する。
【0060】
図2から
図5に示すように、保持テーブル252の保持面253の外周部には、筒体40が設けられている。筒体40は、Z軸方向に伸縮が可能な蛇腹状の円筒形状であり、非通気性の材質(ゴムなど)で形成されている。
【0061】
昇降機構27によって保持テーブル252を下降させてガラステーブル17に接近させた際に、筒体40の下端が支持枠18の外側支持面182に接触し、筒体40は、ガラステーブル17の載置面171(上面)と保持面253との間に隙間を設けた状態でガラステーブル17の上面外周と保持面253の外周とを接続して密室41(
図5)を形成する。
【0062】
図2から
図5に示すように、支持枠18の外側支持面182上には、囲繞壁181の周方向に連続するリング状の吸引口183が形成されている。吸引口183は、ガラステーブル17の載置面171外縁に形成した吸引口172よりも径が大きく、吸引口172の外側を囲むように配置されている。支持枠18の内部には、吸引口183に連通する流路184が形成されており、流路184が制御バルブ42を介して吸引源43及びエア供給源44に接続している。
【0063】
制御バルブ42は、流路184を吸引源43に接続させる吸引状態と、流路184をエア供給源44に接続させるエア供給状態と、流路184を吸引源43とエア供給源44のいずれにも接続させない非接続状態と、に動作する。制御バルブ42を吸引状態にして吸引源43を動作させると、流路184のエアが吸引されて吸引口183に吸引力が作用する。制御バルブ42をエア供給状態にしてエア供給源44を動作させると、流路184にエアが供給されて吸引口183からエアが噴射する。
【0064】
図2及び
図3に示すように、保護部材Hを形成する工程において、保持テーブル252が下降してガラステーブル17に接近すると、筒体40の下端が支持枠18の外側支持面182に接触して、筒体40の内側に密室41が形成される。そして、密室41内で保護部材Hの形成が行われる。筒体40の径はウェーハWの径よりも大きく、ウェーハWとシートSとの間で液状樹脂Mが押し広げられたときに、液状樹脂Mは、筒体40が接続している位置までは広がらない。従って、筒体40によって保護部材Hの形成が妨げられることがない。
【0065】
保護部材形成装置10を停止する装置停止処理において、制御部35の密室形成制御部355は、以下のように保護部材形成装置10の動作を制御して、ガラステーブル17の載置面171への埃の付着を防ぐ。
【0066】
制御部35の密室形成制御部355は、装置停止信号を受信すると、昇降機構27によって保持テーブル252を下降させて、
図5に示すように、ガラステーブル17の載置面171(上面)と保持面253との間に隙間を設けた状態でガラステーブル17の上面外周と保持面253の外周とを接続して密室41を形成させる。筒体40はZ軸方向に伸縮可能な蛇腹状であるため、保持テーブル252の下降量に多少の誤差がある場合でも、密室41内の気密性を損なわずに、筒体40の変形によって当該誤差を吸収することができる。
【0067】
図4に示すように、密室形成制御部355は、密室41を形成させる際に、制御バルブ28をエア供給状態にしてエア供給源30を動作させ、保持面253とエア供給源30とを連通させて保持面253(吸引口254)からエアを噴射させる。保持テーブル252がガラステーブル17に接近しながら保持面253から載置面171に向けてエアを噴射することによって、載置面171から埃が吹き飛ばされる。吹き飛ばされた埃は、ガラステーブル17の外側に飛散する。筒体40の下端が支持枠18の外側支持面182に接触するまでの間は、保持面253と載置面171との間の空間が外気に対して開放されているので、筒体40によって遮られることなく、ガラステーブル17の外側に向けて埃を排出することができる。そして、保持テーブル252がガラステーブル17に近付くほど、保持面253からのエアの噴射を利用した載置面171の埃の除去効果が高くなる。
【0068】
図5に示すように、密室形成制御部355は、筒体40の下端が保持面253に接触し、ガラステーブル17の載置面171の外周と保持面253の外周とを筒体40が接続して密室41が形成される位置まで、保持テーブル252を下降させる。密室41が形成された段階で、密室形成制御部355は、制御バルブ28を非接続状態にして、保持面253からのエアの噴射を停止する。
【0069】
また、密室形成制御部355は、密室41が形成された段階で、制御バルブ42を吸引状態にして吸引源43を動作させ、載置面171と吸引源43とを連通させて吸引口183からエアを吸引する。これにより、密室41内のエアが吸引源43側へ吸引され、密室41内に残存して浮遊する埃が吸引口183から吸い出されて、密室41内の載置面171への埃の付着が防止される。また、吸引口183から密室41内のエアを吸引することにより、密室41内が大気圧に対して負圧になり、筒体40の下端が外側支持面182に密着し、密室41が形成された状態が維持される。
【0070】
密室41の形成後に、密室形成制御部355は、制御バルブ42を非接続状態にして、吸引源43による吸引動作を停止させる。吸引源43による密室41内の吸引動作を停止した後も、筒体40の下端が外側支持面182に密着して密室41が形成された状態が維持される。従って、保護部材形成装置10が長時間停止されている間に、密室41内は外気から遮断されており、密室41内の載置面171に埃が付着しない。
【0071】
なお、密室41の形成後に、保持面253からのエアの噴射と、吸引口183からのエアの吸引とを、所定時間継続して行ってもよい。これにより、密室41内に供給されるエアと、密室41から排出されるエアとの循環が行われて、密室41内をクリーンな状態に維持させることができる。
【0072】
以上のように、保護部材形成装置10が停止している間は、ガラステーブル17の上面外周に位置する外側支持面182と保持面253の外周とを筒体40によって接続して密室41が形成され、ガラステーブル17の載置面171は密室41内に位置する。従って、装置内を浮遊する埃が載置面171に付着することがなく、載置面171がクリーンな状態に保たれる。
【0073】
停止している保護部材形成装置10を起動させる起動処理では、制御部35の密室開放制御部356の制御によって、密室41の開放が行われる。密室開放制御部356は、装置起動信号を受信すると、昇降機構27によって保持テーブル252を上昇させる。保持テーブル252が上昇すると、筒体40の下端が支持枠18の外側支持面182から離れて密室41が開放される。
【0074】
密室開放制御部356は、密室41を開放する際に、制御バルブ28をエア供給状態にしてエア供給源30を動作させ、保持面253とエア供給源30とを連通させて保持面253(吸引口254)からエアを噴射させる。保持面253からのエアの噴射によって、保持面253が対向する載置面171への埃の付着を防ぎ、載置面171がクリーンな状態で保護部材Hの形成工程を開始することができる。
【0075】
また、制御部35の密室開放制御部356は、昇降機構27によって保持テーブル252を上昇させる際に、制御バルブ42をエア供給状態にしてエア供給源44を動作させ、支持枠18の外側支持面182(吸引口183)からエアを噴射させてもよい。このエアの噴射によって、筒体40の下端が外側支持面182から離れやすくなり、密室41の開放をスムーズに行わせることができる。
【0076】
なお、密室形成制御部355及び密室開放制御部356による動作制御の実行は、保護部材形成装置10を停止及び起動する場合に限定されるものではなく、保護部材形成装置10の稼働中に実行してもよい。例えば、第1搬送機構15や第2搬送機構33によってウェーハWを搬送している際に、比較的長い時間に亘って載置面171が空いた状態になる場合には、その待機時間で上記の密室形成制御部355及び密室開放制御部356による動作制御を実行して密室41の形成と開放とを行い、載置面171への埃の付着を防いでもよい。
【0077】
以上のように、本実施形態の保護部材形成装置10は、ガラステーブル17の上面外周と保持面253の外周との間に筒体40で囲われた密室41を形成し、密室41の形成の際に保持面253からエアを噴射させることによって、装置が長時間停止されているときに、ガラステーブル17の載置面171に埃が付着することを防止できる。装置の長時間停止中にはエアブローして載置面171から埃を吹き飛ばすことができないという問題があるが、保護部材形成装置10では、密室41の形成によって載置面171への埃の付着自体を予防するので、このような問題を解消できる。また、装置の長時間停止中に載置面171に付着した埃は、大気中の水分の吸収などの原因によって載置面171に固着し、エアブローによって載置面171から吹き飛ばしにくくなるおそれがあるが、本実施形態の保護部材形成装置10では、長時間停止中に載置面171に埃を付着させないので、このような問題が生じない。
【0078】
昇降機構27によって保持テーブル252を下降させる動作を利用して密室41を形成しており、複雑な駆動機構の追加を要さずに密室41の形成が可能であるため、本実施形態の保護部材形成装置10は低コストに導入できるという利点がある。
【0079】
なお、上記実施形態の保護部材形成装置10では、支持枠18の外側支持面182に吸引口183を形成し、密室41を形成する際に、吸引口183を吸引源43に連通させて密室41内のエアの吸引を行っているが、密室41からのエアの吸引を、ガラステーブル17外縁の吸引口172を利用して行うことも可能である。つまり、
図5の状態において、制御バルブ19を開いて吸引源20を動作させ、吸引口172から吸引を行ってもよい。この場合、支持枠18の吸引口183及び流路184と、これに接続する制御バルブ42、吸引源43及びエア供給源44と、を省略した構造にしてもよい。
【0080】
上記実施形態の筒体40は蛇腹状の円筒形状に形成されているが、筒体の構成はこれに限定されるものではない。例えば、筒体は、多角形の筒状でもよい。また、筒体は、蛇腹状ではなく、円錐台形状であってもよい。円錐台形状の筒体は、保持テーブル252の下降量の変化に応じて斜面の角度を変化させることによって、気密性を損なわずに保持テーブル252の下降量の誤差を吸収することができ、上記実施形態における蛇腹状の筒体40と同様の効果が得られる。
【0081】
また、上記実施形態の筒体40は、保持テーブル252の保持面253に連結しており、保持テーブル252の昇降に伴って筒体40の下端が外側支持面182に対して接触又は離間するが、筒体が外側支持面182側に連結するように構成されてもよい。この場合、保持テーブル252の昇降に伴って、筒体の上端が保持面253に対して接触又は離間する。
【0082】
なお、本発明の実施の形態は上記の実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、本発明の技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本発明の技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上説明したように、本発明の保護部材形成装置は、ガラステーブルの上面外周と保持面の外周とを筒体で接続して密室を形成し、密室を形成する際に保持面からエアを噴射させることにより、装置停止中にガラステーブルに埃が付着することを防止できるという効果を有し、ウェーハの一方の面に保護部材を形成する工程を含む半導体などの製造分野において特に有用である。
【符号の説明】
【0084】
10 :保護部材形成装置
12 :カセット収容部
13 :仮置きテーブル
14 :シートカットテーブル
15 :第1搬送機構
16 :基台
17 :ガラステーブル
171 :載置面
172 :吸引口
173 :流路
18 :支持枠
181 :囲繞壁
182 :外側支持面
183 :吸引口
184 :流路
19 :制御バルブ
20 :吸引源
22 :紫外線照射ユニット
221 :紫外線照射部
25 :ウェーハ保持部
252 :保持テーブル
253 :保持面
254 :吸引口
255 :流路
27 :昇降機構
272 :昇降テーブル
28 :制御バルブ
29 :吸引源
30 :エア供給源
31 :シート搬送機構
311 :シート供給部
312 :アーム
313 :クランプ部
32 :液状樹脂供給部
321 :ディスペンサ
322 :接続管
323 :液状樹脂供給ノズル
324 :タンク
33 :第2搬送機構
35 :制御部
355 :密室形成制御部
356 :密室開放制御部
40 :筒体
41 :密室
42 :制御バルブ
43 :吸引源
44 :エア供給源
C :カセット
H :保護部材
M :液状樹脂
S :シート
UV :紫外線
W :ウェーハ