IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 国立大学法人 東京大学の特許一覧

特開2025-56500敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム
<>
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図1
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図2
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図3
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図4
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図5
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図6
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図7
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図8
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図9
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図10
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図11
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図12
  • 特開-敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025056500
(43)【公開日】2025-04-08
(54)【発明の名称】敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20250401BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20250401BHJP
【FI】
A61B10/00 K
A61B5/02 310Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023166016
(22)【出願日】2023-09-27
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和4年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構、新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業、研究開発課題名「ヒト型思考AIによる高齢者肺炎(新型コロナウイルスを含む)の個別化重症度・予後予測システムの実用化」)、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田岡 和城
【テーマコード(参考)】
4C017
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA20
4C017BB12
4C017BC11
4C017BD06
4C017CC08
(57)【要約】
【課題】敗血症の補助診断を迅速に行うことを可能とする敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システムを提供する。
【解決手段】対象者の加速度脈波を取得し、取得した加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定し、特定した振幅の大きさに関する情報に基づいて、対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定し、対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の加速度脈波を取得し、
取得した前記加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定し、
特定した前記振幅の大きさに関する情報に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定し、
前記対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする敗血症判定プログラム。
【請求項2】
前記判定する処理では、前記加速度脈波の波形において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの最大値に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項3】
前記判定する処理では、前記最大値が第1閾値未満であるか否かを判定し、
前記最大値が前記第1閾値未満であると判定した場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が第1確度であると判定し、前記最大値が前記第1閾値以上であると判定した場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が第1確度よりも低い第2確度であると判定し、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第1確度であると判定した場合、前記第1確度を示す情報を前記判定結果として出力し、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第2確度であると判定した場合、前記第2確度を示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項4】
前記判定する処理では、
前記最大値が前記第1閾値以上である場合、前記最大値が第2閾値未満であるか否かを判定し、
前記最大値が前記第2閾値未満であると判定した場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第1確度よりも低く前記第2確度よりも高い第3確度であると判定し、前記最大値が前記第2閾値以上であると判定した場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第2確度であると判定し、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第3確度であると判定した場合、前記第3確度を示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項5】
さらに、前記対象者が前記敗血症に罹患しているか否かを示す罹患データの入力を受け付ける、
処理をコンピュータに実行させ、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第1確度であると判定した場合であって前記罹患データが前記敗血症に罹患していることを示す場合、前記対象者が治癒していない可能性があることを示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項6】
さらに、前記対象者が前記敗血症に罹患しているか否かを示す罹患データの入力を受け付ける、
処理をコンピュータに実行させ、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第2確度であると判定した場合であって前記罹患データが前記敗血症に罹患していることを示す場合、前記対象者が治癒した可能性があることを示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項3に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項7】
さらに、前記対象者が前記敗血症に罹患しているか否かを示す罹患データの入力を受け付ける、
処理をコンピュータに実行させ、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第3確度であると判定した場合であって前記罹患データが前記敗血症に罹患していることを示す場合、前記対象者が治癒していない可能性があることを示す情報、または、前記対象者が治癒中である可能性があることを示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項4に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項8】
前記判定する処理では、前記加速度脈波の波形において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項9】
前記判定する処理では、
前記複数の山から、前記振幅の大きさの比が小さい第1数の山を特定し、
前記複数の山から、前記振幅の大きさの比が大きい第2数の山を特定し、
特定した前記第1数の山における前記振幅の大きさの比を示す第1値を算出し、
特定した前記第2数の山における前記振幅の大きさの比を示す第2値を算出し、
前記第1値に対する前記第2値の割合が第3閾値未満であるか否かを判定し、
前記割合が前記第3閾値未満である場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が第4確度であると判定し、前記割合が前記第3閾値以上である場合、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が第4確度よりも低い第5確度であると判定し、
前記出力する処理では、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第4確度であると判定した場合、前記第4確度を示す情報を前記判定結果として出力し、前記対象者が前記敗血症に罹患している確度が前記第5確度であると判定した場合、前記第5確度を示す情報を前記判定結果として出力する、
ことを特徴とする請求項8に記載の敗血症判定プログラム。
【請求項10】
対象者の加速度脈波を取得する脈波取得部と、
取得した前記加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定する特徴特定部と、
特定した前記振幅の大きさに関する情報に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定する敗血症判定部と、
前記対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する情報出力部と、を有する、
ことを特徴とする敗血症判定装置。
【請求項11】
対象者の加速度脈波を取得し、
取得した前記加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定し、
特定した前記振幅の大きさに関する情報に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定し、
前記対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする敗血症判定方法。
【請求項12】
対象者の加速度脈波を計測する加速度脈波計と、前記加速度脈波計と通信が可能な敗血症判定装置と、を有する敗血症判定システムであって、
前記敗血症判定装置は、
前記加速度脈波計から前記対象者の加速度脈波を取得し、
取得した前記加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定し、
特定した前記振幅の大きさに関する情報に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定し、
前記対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する、
ことを特徴とする敗血症判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
敗血症は、血液中に細菌やウイルス(以下、単に細菌等とも呼ぶ)が混入して全身の臓器に障害を与える疾患であり、一度発症すると、数時間から1日程度で急激に症状が進行する場合がある。そのため、敗血症は、例えば、初期治療を早期に開始することが求められる疾患である(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-058359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記のような敗血症の診断は、例えば、SOFAスコア(Sequential Organ Failure Assessment Score)等の指標(以下、単に指標とも呼ぶ)を用いることによって行われる場合がある。しかしながら、この場合、例えば、血液検査や医師による診察等が必要になるため、敗血症の診断を迅速に行うことができない。
【0005】
また、上記のような敗血症の診断は、例えば、血液培養を実施した後、血液に含まれる細菌等の種類を同定することによって行われる場合がある。しかしながら、この場合においても、例えば、血液培養に時間を要するため、敗血症の診断を迅速に行うことができない。
【0006】
そのため、例えば、敗血症の補助診断を迅速に行うことにより、敗血症の患者に対する初期治療を早期に開始することを可能とする方法が望まれている。
【0007】
そこで、本発明の目的は、敗血症の補助診断を迅速に行うことを可能とする敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明における敗血症判定プログラムは、対象者の加速度脈波を取得し、取得した前記加速度脈波の振幅の大きさに関する情報を特定し、特定した前記振幅の大きさに関する情報に基づいて、前記対象者が敗血症に罹患しているか否かを判定し、前記対象者が敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明における敗血症判定プログラム、敗血症判定装置、敗血症判定方法及び敗血症判定システムによれば、敗血症の補助診断を迅速に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1の実施の形態における敗血症判定システム10の構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施の形態における情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3図3は、第1の実施の形態における敗血症判定処理の概略を説明する図である。
図4図4は、第1の実施の形態における敗血症判定処理の概略を説明する図である。
図5図5は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図6図6は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図7図7は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図8図8は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図9図9は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図10図10は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図11図11は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。
図12図12は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明する図である。
図13図13は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態における敗血症判定システム10の構成例]
初めに、第1の実施の形態における敗血症判定システム10の構成例について説明を行う。図1は、第1の実施の形態における敗血症判定システム10の構成例を示す図である。
【0012】
敗血症判定システム10は、例えば、情報処理装置1(以下、敗血症判定装置1とも呼ぶ)と、加速度脈波計2とを有する。そして、情報処理装置1は、例えば、加速度脈波計2と有線または無線によって接続しており、加速度脈波計2と通信を行うことが可能である。
【0013】
加速度脈波計2は、例えば、対象者OBの加速度脈波を連続的に測定することによって、対象者OBの加速度脈波についての時系列データ(以下、波形データとも呼ぶ)を生成する。
【0014】
情報処理装置1は、例えば、物理マシンや仮想マシンであり、加速度脈波計2によって生成された波形データを用いることによって、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かの判定(補助診断)を行う処理(以下、敗血症判定処理とも呼ぶ)を行う。
【0015】
具体的に、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象者OBの加速度脈波から生成された波形データを加速度脈波計2から取得する。そして、情報処理装置1は、例えば、取得した波形データにおける振幅の大きさに関する情報を特定する。振幅の大きさに関する情報は、例えば、振幅の大きさ(値)である。また、振幅の大きさに関する情報は、例えば、取得した波形データにおける形状の特徴を示す情報である。続いて、情報処理装置1は、例えば、特定した振幅の大きさに関する情報に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する。その後、情報処理装置1は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する。
【0016】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象者OBの加速度脈波の測定結果に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定を行う。
【0017】
これにより、本実施の形態における敗血症判定システム10は、例えば、敗血症の補助診断を迅速に行うことが可能になる。具体的に、敗血症判定システム10は、例えば、医師がいない場所等においても敗血症の補助診断を迅速に行うことが可能になる。そのため、敗血症判定システム10は、例えば、敗血症に罹患している対象者OBに対する初期治療を早期に開始させることが可能になる。
【0018】
以下、敗血症判定システム10が1台の情報処理装置1を有する場合について説明を行うが、敗血症判定システム10は、例えば、複数台の情報処理装置1を有するものであってもよい。そして、敗血症判定処理は、例えば、複数台の情報処理装置1において分散して行われるものであってもよい。
【0019】
また、以下、情報処理装置1が加速度脈波計2に隣接する位置に配置されるものとして説明を行うが、情報処理装置1は、例えば、加速度脈波計2と異なる位置(例えば、図示しないデータセンター)に配置されるものであってもよい。
【0020】
[第1の実施の形態における情報処理装置1の構成例]
次に、情報処理装置1の構成例について説明を行う。図2は、第1の実施の形態における情報処理装置1の構成例を示す図である。
【0021】
情報処理装置1は、図2に示すように、例えば、プロセッサであるCPU101と、メモリ102と、通信装置103と、記憶媒体104と、出力装置105とを有する。各部は、バス106を介して互いに接続される。
【0022】
記憶媒体104は、例えば、敗血症判定処理を行うためのプログラム110を記憶するプログラム格納領域(図示せず)を有する。
【0023】
また、記憶媒体104は、例えば、敗血症判定処理を行う際に用いられる情報を記憶する記憶部130(以下、情報格納領域130とも呼ぶ)を有する。なお、記憶媒体104は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)であってよい。
【0024】
CPU101は、例えば、記憶媒体104からメモリ102にロードされたプログラム110を実行して敗血症判定処理を行う。
【0025】
通信装置103は、例えば、加速度脈波計2と有線接続または無線接続を行い、加速度脈波計2との間において通信を行う。
【0026】
出力装置105は、例えば、ディスプレイ等の装置であり、敗血症判定処理の判定結果を出力する装置である。
【0027】
[第1の実施の形態における敗血症判定処理の概略]
次に、第1の実施の形態における敗血症判定処理の概略について説明を行う。図3及び図4は、第1の実施の形態における敗血症判定処理の概略を説明する図である。
【0028】
情報処理装置1は、図3に示すように、例えば、入力受付部111と、脈波取得部112と、特徴特定部113と、敗血症判定部114と、情報生成部115と、情報出力部116とを含む各機能を実現する。
【0029】
また、情報格納領域130には、図4に示すように、例えば、波形データ131と、罹患データ132と、出力データ133とが記憶される。波形データ131は、例えば、対象者OBの加速度脈波についての時系列データである。また、罹患データ132は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患していると診断されているか否か(対象者OBが現在敗血症に罹患しているか否か)を示すデータを含む対象者OBに関するデータ(例えば、いわゆる臨床データ)である。また、出力データ133は、例えば、敗血症判定処理の判定結果を示すデータである。
【0030】
入力受付部111は、例えば、対象者OBについての敗血症判定処理の開始指示(以下、単に開始指示とも呼ぶ)の入力を受け付ける。
【0031】
脈波取得部112は、例えば、入力受付部111が開始指示の入力を受け付けた場合、加速度脈波計2から対象者OBについての波形データ131を取得する。そして、脈波取得部112は、例えば、取得した波形データ131を情報格納領域130に記憶する。
【0032】
特徴特定部113は、例えば、脈波取得部112が取得した波形データ131における振幅の大きさに関する情報を特定する。
【0033】
具体的に、特徴特定部113は、例えば、脈波取得部112が取得した波形データ131において連続して位置する複数の山(以下、単に複数の山とも呼ぶ)のそれぞれにおける振幅の大きさ(値)を振幅の大きさに関する情報として特定する。複数の山は、例えば、脈波取得部112が取得した波形データ131のうち、所定の時間帯に対応する波形データ131において連続して位置する複数の山である。所定の時間帯は、例えば、直近の数十秒から数分程度の時間帯であってよい。
【0034】
また、特徴特定部113は、例えば、複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさ(値)に代えて、または、複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさ(値)とともに、複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比(すなわち、脈波取得部112が取得した波形データ131についての形状の特徴を示す情報)を振幅の大きさに関する情報を特定する。なお、特徴特定部113は、この場合、例えば、予め指定された基準の大きさに対する各山の振幅の大きさの割合を、複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比として特定するものであってよい。
【0035】
敗血症判定部114は、例えば、特徴特定部113が特定した振幅の大きさに関する情報に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する。
【0036】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、脈波取得部112が取得した波形データ131において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの最大値に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する。
【0037】
また、敗血症判定部114は、例えば、脈波取得部112が取得した波形データ131において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する。
【0038】
情報生成部115は、例えば、敗血症判定部114による判定結果に基づいて、出力データ133を生成する。そして、情報生成部115は、例えば、生成した出力データ133を情報格納領域130に記憶する。
【0039】
情報出力部116は、例えば、情報生成部115が生成した出力データ133を出力装置105に出力する。
【0040】
なお、入力受付部111は、例えば、対象者OBについての罹患データ132の入力を受け付けるものであってもよい。そして、入力受付部111は、例えば、入力を受け付けた罹患データ132を情報格納領域130に記憶するものであってもよい。その後、情報生成部115は、例えば、敗血症判定部114による判定結果と、入力受付部111が入力を受け付けた罹患データ132とのそれぞれに基づいて、出力データ133を生成するものであってもよい。
【0041】
また、情報出力部116は、例えば、情報生成部115が生成した出力データ133を、情報処理装置1とインターネット等のネットワーク(図示せず)を介して通信が可能な他の情報処理装置(図示せず)に送信(蓄積)するものであってもよい。
【0042】
[第1の実施の形態における敗血症判定処理のフローチャート図]
次に、第1の実施の形態における敗血症判定処理について説明を行う。図5から図11は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明するフローチャート図である。また、図12及び図13は、第1の実施の形態における敗血症判定処理を説明する図である。
【0043】
[データ受付処理]
初めに、敗血症判定処理のうち、罹患データ132の入力を受け付ける処理(以下、データ受付処理とも呼ぶ)について説明を行う。図5は、データ受付処理を説明するフローチャート図である。
【0044】
入力受付部111は、図5に示すように、例えば、対象者OBの罹患データ132の入力を受け付けるまで待機する(S11のNO)。
【0045】
そして、対象者OBの罹患データ132の入力を受け付けた場合(S11のYES)、入力受付部111は、例えば、入力を受け付けた罹患データ132を情報格納領域130に記憶する(S12)。
【0046】
[データ取得処理]
次に、敗血症判定処理のうち、波形データ131を取得するタイミング(以下、データ取得処理とも呼ぶ)について説明を行う。図6は、データ取得処理を説明するフローチャート図である。
【0047】
脈波取得部112は、図6に示すように、例えば、データ取得タイミングまで待機する(S21のNO)。データ取得タイミングは、例えば、対象者OBの波形データ131の取得を行う旨の情報が入力されたタイミングであってよい。また、データ取得タイミングは、例えば、データ受付処理が行われた直後のタイミングであってよい。
【0048】
そして、データ取得タイミングになった場合(S21のYES)、脈波取得部112は、例えば、加速度脈波計2から対象者OBについての波形データ131を取得する(S22)。
【0049】
具体的に、脈波取得部112は、例えば、加速度脈波計2から所定の時間帯(例えば、直近の数十秒から数分程度の時間帯)に対応する対象者OBについての波形データ131を取得する。
【0050】
その後、脈波取得部112は、例えば、S22の処理で受信した波形データ131を情報格納領域130に記憶する(S23)。以下、波形データ131の具体例について説明を行う。
【0051】
[波形データ131の具体例]
図12及び図13は、波形データ131の具体例である。図12及び図13に示す波形データ131において、横軸は時間を示し、縦軸は加速度脈波の大きさ(振幅の大きさ)を示す。
【0052】
図12に示す波形データ131(以下、波形データ131aとも呼ぶ)は、例えば、ほぼ一定の値のピーク値が規則的(周期的)に発生する波形データである。具体的に、図12に示す波形データ131aにおける各ピーク値は、10000程度である。すなわち、図12に示す波形データ131aは、例えば、正常の場合における心電図の波形データと同様の形状を有する波形データである。
【0053】
また、図13に示す波形データ131(以下、波形データ131bとも呼ぶ)は、例えば、一定の値でないピーク値が不規則的に発生する波形データ(いわゆる歯形の波形データ)である。具体的に、図13に示す波形データ131bにおける各ピーク値は、例えば、500から1000程度である。すなわち、図13に示す波形データ131bは、例えば、心室細動の場合における心電図の波形データと同様の形状を有する波形データである。
【0054】
[敗血症判定処理のメイン処理]
次に、敗血症判定処理のメイン処理(以下、単にメイン処理とも呼ぶ)について説明を行う。図7及び図8は、メイン処理を説明するフローチャート図である。
【0055】
特徴特定部113は、図7に示すように、例えば、判定タイミングになるまで待機する(S31のNO)。判定タイミングは、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かの判定を行う旨の情報が入力されたタイミングであってよい。また、データ取得タイミングは、例えば、データ取得処理が行われた直後のタイミングであってよい。
【0056】
そして、判定タイミングになった場合(S31のYES)、特徴特定部113は、例えば、情報格納領域130に記憶された波形データ131(データ取得処理において取得された波形データ131)において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさ(値)を特定する(S32)。
【0057】
さらに、敗血症判定部114は、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する(S33)。
【0058】
その後、情報生成部115は、例えば、S33の処理における判定結果と、情報格納領域130に記憶された罹患データ132(データ受付処理において入力を受け付けた罹患データ132)とに基づいて、出力データ133を生成する(S34)。以下、S33及びS34の処理の詳細について説明を行う。
【0059】
[S33及びS34の処理の詳細]
敗血症判定部114は、図8に示すように、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が閾値(以下、第1閾値とも呼ぶ)未満であるか否かを判定する(S41)。第1閾値は、例えば、1000であってよい。
【0060】
その結果、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値未満であると判定した場合(S41のYES)、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として特定の確度(以下、第1確度とも呼ぶ)を特定する(S42)。
【0061】
一方、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上であると判定した場合(S41のNO)、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第1確度よりも低い他の確度(以下、第2確度とも呼ぶ)を特定する(S44)。
【0062】
すなわち、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値を用いることによって判定する。
【0063】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値未満である場合、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第2確度よりも高い第1確度を特定する。
【0064】
一方、敗血症判定部114は、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上である場合、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第1確度よりも低い第2確度を特定する。
【0065】
そして、情報生成部115は、例えば、S42の処理の後、S42の処理で特定した第1確度を示す情報を出力データ133として生成する(S43)。
【0066】
具体的に、情報生成部115は、この場合、例えば、「敗血症に罹患している可能性が高い」等の情報を出力データ133として生成する。
【0067】
さらに具体的に、例えば、対象者OBに対応する罹患データ132が情報格納領域130に記憶されていない場合、または、対象者OBが現在敗血症に罹患していないことを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「敗血症に罹患した可能性が高い」等の情報を出力データ133として生成する。また、例えば、対象者OBが現在敗血症に罹患していることを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「依然として敗血症に罹患している」等の情報を出力データ133として生成する。
【0068】
また、情報生成部115は、例えば、S44の処理の後、S44の処理で特定した第2確度を示す情報を出力データ133として生成する(S45)。
【0069】
具体的に、情報生成部115は、この場合、例えば、「敗血症に罹患している可能性が低い」等の情報を出力データ133として生成する。
【0070】
さらに具体的に、例えば、対象者OBに対応する罹患データ132が情報格納領域130に記憶されていない場合、または、対象者OBが現在敗血症に罹患していないことを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「敗血症に罹患した可能性が低い」等の情報を出力データ133として生成する。また、例えば、対象者OBが現在敗血症に罹患していることを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「敗血症が治癒した可能性が高い」等の情報を出力データ133として生成する。
【0071】
図7に戻り、情報出力部116は、例えば、S34の処理(S43の処理またはS45の処理)で生成した出力データ133を出力装置105に出力する(S35)。
【0072】
これにより、情報処理装置1は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについての判定結果を迅速に出力することが可能になる。
【0073】
具体的に、図12で説明した波形データ131aにおける振幅の最大値は、例えば、10000程度である。そのため、例えば、第1閾値が1000である場合、情報処理装置1は、図12で説明した波形データ131aに対応する対象者OBが敗血症に罹患している可能性が低いことを示す判定結果を出力することが可能になる。
【0074】
一方、図13で説明した波形データ131bにおける振幅の最大値は、例えば、500から1000程度である。そのため、例えば、第1閾値が1000である場合、情報処理装置1は、図13で説明した波形データ131bに対応する対象者OBが敗血症に罹患している可能性が高いことを示す判定結果を出力することが可能になる。
【0075】
なお、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上であると判定した場合(S41のNO)、敗血症判定部114は、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値よりも大きい他の閾値(以下、第2閾値とも呼ぶ)未満であるか否かを判定するものであってもよい。第2閾値は、例えば、2000であってよい。
【0076】
そして、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上であって第2閾値未満であると判定した場合、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第1確度よりも低く第2確度よりも高い他の確度(以下、第3確度とも呼ぶ)を特定するものであってもよい。その後、敗血症判定部114は、この場合、例えば、特定した第3確度を示す情報を出力データ133として生成するものであってもよい。
【0077】
すなわち、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについての判定に加え、敗血症に罹患している兆候があるか否かについての判定を行うものであってもよい。
【0078】
具体的に、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上であって第2閾値未満であると判定した場合であって、対象者OBに対応する罹患データ132が情報格納領域130に記憶されていない場合、または、対象者OBが現在敗血症に罹患していないことを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「敗血症に罹患した兆候がある」等の情報を出力データ133として生成するものであってよい。
【0079】
また、例えば、S32の処理で特定した振幅の大きさの最大値が第1閾値以上であって第2閾値未満であると判定した場合であって、対象者OBが現在敗血症に罹患していることを示す罹患データ132が情報格納領域130に記憶されている場合、情報生成部115は、「敗血症の症状が緩和している」や「敗血症が治癒中である」等の情報を出力データ133として生成するものであってよい。
【0080】
すなわち、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについての判定に加え、対象者OBにおける敗血症の治癒状況についての判定を行うものであってもよい。
【0081】
これにより、情報処理装置1は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについてのより詳細な判定結果を出力することが可能になる。
【0082】
[敗血症判定処理の他のメイン処理]
次に、敗血症判定処理の他のメイン処理(以下、単に他のメイン処理とも呼ぶ)について説明を行う。図9から図11は、他のメイン処理を説明するフローチャート図である。他のメイン処理は、例えば、図7及び図8で説明したメイン処理に代えて、または、図7及び図8で説明したメイン処理とともに行うことが可能な処理である。
【0083】
特徴特定部113は、図9に示すように、例えば、判定タイミングになるまで待機する(S51のNO)。
【0084】
そして、判定タイミングになった場合(S51のYES)、特徴特定部113は、例えば、情報格納領域130に記憶された波形データ131(データ取得処理において取得された波形データ131)において連続して位置する複数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比を特定する(S52)。
【0085】
さらに、敗血症判定部114は、例えば、S52の処理で特定した振幅の大きさの比に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する(S53)。
【0086】
その後、情報生成部115は、例えば、S53の処理における判定結果と、情報格納領域130に記憶された罹患データ132(データ受付処理において入力を受け付けた罹患データ132)とに基づいて、出力データ133を生成する(S54)。以下、S53及びS54の処理の詳細について説明を行う。
【0087】
[S53及びS54の処理の詳細]
敗血症判定部114は、図10に示すように、例えば、情報格納領域130に記憶された波形データ131において連続して位置する複数の山から、S52の処理で特定した振幅の大きさの比が小さい1以上の数(以下、第1数とも呼ぶ)の山を特定する(S61)。
【0088】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S52の処理で特定した振幅の大きさの比が小さい方から順に、第1数の山を特定する。
【0089】
また、敗血症判定部114は、例えば、情報格納領域130に記憶された波形データ131において連続して位置する複数の山から、S52の処理で特定した振幅の大きさの比が大きい1以上の数(以下、第2数とも呼ぶ)の山を特定する(S62)。
【0090】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S52の処理で特定した振幅の大きさの比が大きい方から順に、第2数の山を特定する。
【0091】
そして、敗血症判定部114は、例えば、S61の処理で特定した第1数の山における振幅の大きさの比を示す値(以下、第1値とも呼ぶ)を算出する(S63)。
【0092】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S61の処理で特定した第1数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比の平均値や中央値を第1値として算出する。
【0093】
なお、S61の処理において1つの山のみを特定した場合、すなわち、S61の処理において振幅の大きさが最も小さい山のみを特定した場合、敗血症判定部114は、例えば、S61の処理において特定された山の振幅の大きさの比をそのまま第1値とするものであってよい。
【0094】
また、敗血症判定部114は、例えば、S63の処理で特定した第2数の山における振幅の大きさの比を示す値(以下、第2値とも呼ぶ)を算出する(S64)。
【0095】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S63の処理で特定した第2数の山のそれぞれにおける振幅の大きさの比の平均値や中央値を第2値として算出する。
【0096】
なお、S63の処理において1つの山のみを特定した場合、すなわち、S63の処理において振幅の大きさが最も大きい山のみを特定した場合、敗血症判定部114は、例えば、S63の処理において特定された山の振幅の大きさの比をそのまま第2値とするものであってよい。
【0097】
続いて、敗血症判定部114は、例えば、S64の処理で算出した第2値をS63の処理で算出した第1値で除算することによって、S63の処理で算出した第1値に対するS64の処理で算出した第2値の割合(以下、単に割合とも呼ぶ)を算出する(S65)。
【0098】
その後、敗血症判定部114は、図11に示すように、例えば、S65の処理で算出した割合が閾値(以下、第3閾値とも呼ぶ)未満であるか否かを判定する(S71)。第3閾値は、例えば、100であってよい。
【0099】
その結果、S65の処理で算出した割合が第3閾値未満であると判定した場合(S71のYES)、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として特定の確度(以下、第4確度とも呼ぶ)を特定する(S72)。
【0100】
一方、S65の処理で算出した割合が第3閾値以上であると判定した場合(S71のNO)、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第4確度よりも低い他の確度(以下、第5確度とも呼ぶ)を特定する(S74)。
【0101】
すなわち、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを、S65の処理で算出した割合を用いることによって判定する。
【0102】
具体的に、敗血症判定部114は、例えば、S65の処理で算出した割合が第3閾値未満である場合、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第5確度よりも高い第4確度を特定する。
【0103】
一方、敗血症判定部114は、例えば、S65の処理で算出した割合が第3閾値以上である場合、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第4確度よりも低い第5確度を特定する。
【0104】
そして、情報生成部115は、例えば、S72の処理の後、S72の処理で特定した第4確度を示す情報を出力データ133として生成する(S73)。
【0105】
具体的に、情報生成部115は、例えば、「敗血症に罹患している可能性が高い」等の情報を出力データ133として生成する。
【0106】
また、情報生成部115は、例えば、S74の処理の後、S74の処理で特定した第5確度を示す情報を出力データ133として生成する(S75)。
【0107】
具体的に、情報生成部115は、例えば、「敗血症に罹患している可能性が低い」等の情報を出力データ133として生成する。
【0108】
図9に戻り、情報出力部116は、例えば、S54の処理(S73の処理またはS75の処理)で生成した出力データ133を出力装置105に出力する(S55)。
【0109】
これにより、情報処理装置1は、例えば、図7及び図8で説明した場合と同様に、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについての判定結果を迅速に出力することが可能になる。
【0110】
具体的に、例えば、図12で説明した波形データ131aにおける第1値が10000であり、第2値が20である場合、情報処理装置1は、図12で説明した波形データ131aに対応する割合として500を算出する。そのため、例えば、第3閾値が100である場合、情報処理装置1は、図12で説明した波形データ131aに対応する対象者OBが敗血症に罹患している可能性が低いことを示す判定結果を出力することが可能になる。
【0111】
一方、図13で説明した波形データ131bにおける第1値が500であり、第2値が20である場合、情報処理装置1は、図13で説明した波形データ131bに対応する割合として25を算出する。そのため、例えば、第3閾値が100である場合、情報処理装置1は、図13で説明した波形データ131bに対応する対象者OBが敗血症に罹患している可能性が高いことを示す判定結果を出力することが可能になる。
【0112】
なお、S65の処理で算出した割合が第3閾値以上であると判定した場合(S71のNO)、敗血症判定部114は、例えば、S65の処理で算出した割合が第3閾値よりも大きい他の閾値(以下、第4閾値とも呼ぶ)未満であるか否かを判定するものであってもよい。
【0113】
そして、S65の処理で算出した割合が第3閾値以上であって第4閾値未満であると判定した場合、敗血症判定部114は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している確度として第4確度よりも低く第5確度よりも高い他の確度(以下、第6確度とも呼ぶ)を特定するものであってもよい。その後、敗血症判定部114は、この場合、例えば、特定した第6確度を示す情報を出力データ133として生成するものであってもよい。
【0114】
これにより、情報処理装置1は、例えば、図7及び図8で説明した場合と同様に、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かについてのより詳細な判定結果を出力することが可能になる。
【0115】
このように、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象者OBの加速度脈波から生成された波形データを加速度脈波計2から取得する。そして、情報処理装置1は、例えば、取得した波形データにおける振幅の大きさに関する情報を特定する。続いて、情報処理装置1は、例えば、特定した振幅の大きさに関する情報に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定する。その後、情報処理装置1は、例えば、対象者OBが敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定結果を出力する。
【0116】
すなわち、本実施の形態における情報処理装置1は、例えば、対象者OBの加速度脈波の測定結果に基づいて、対象者OBが敗血症に罹患している可能性があるか否かについての判定を行う。
【0117】
これにより、本実施の形態における敗血症判定システム10は、例えば、敗血症の補助診断を迅速に行うことが可能になる。具体的に、敗血症判定システム10は、例えば、医師がいない場所等であっても敗血症の補助診断を迅速に行うことが可能になる。そのため、敗血症判定システム10は、例えば、敗血症に罹患している対象者OBに対する初期治療を早期に開始させることが可能になる。
【0118】
また、本実施の形態における敗血症判定システム10は、例えば、対象者OBの加速度脈波の測定結果から、敗血症に罹患している対象者OBの治癒状況についても判定することが可能になる。そのため、敗血症判定システム10は、例えば、敗血症に罹患している対象者OBの治癒状況についてのモニタリングに用いることが可能になる。言い換えれば、敗血症判定システム10による測定結果は、例えば、敗血症に罹患している対象者OBの治癒についてのサロゲイトマーカーとして用いることが可能になる。
【0119】
なお、本実施の形態における敗血症判定システム10では、例えば、機械学習によって生成された学習モデルを用いることによって、対象者OBが敗血症に罹患しているか否かを判定するものであってもよい。
【符号の説明】
【0120】
1:情報処理装置
2:加速度脈波計
10:敗血症判定システム
101:CPU
102:メモリ
103:通信装置
104:記憶媒体
105:出力装置
106:バス
110:プログラム
111:入力受付部
112:脈波取得部
113:特徴特定部
114:敗血症判定部
115:情報生成部
116:情報出力部
130:情報格納領域
131:波形データ
132:罹患データ
133:出力データ
OB:対象者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13