(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006151
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】アミロイドβからの神経保護用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/10 20160101AFI20250109BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20250109BHJP
A61K 36/23 20060101ALI20250109BHJP
A61K 31/11 20060101ALI20250109BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A23L33/10
A23L33/105
A61K36/23
A61K31/11
A61P25/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106778
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116297
【氏名又は名称】ヱスビー食品株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522232961
【氏名又は名称】MED R&D株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100194973
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 祐朗
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 建吾
(72)【発明者】
【氏名】恩田 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】礒田 博子
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 光敏
【テーマコード(参考)】
4B018
4C088
4C206
【Fターム(参考)】
4B018MD61
4B018ME10
4B018ME14
4B018MF01
4C088AB40
4C088AC01
4C088AC03
4C088AC04
4C088AC05
4C088AC11
4C088BA07
4C088BA08
4C088BA23
4C088CA03
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZA15
4C088ZA16
4C206AA01
4C206AA02
4C206CB09
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA14
4C206ZA15
4C206ZA16
(57)【要約】
【課題】アミロイドβからの神経保護用組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】クミンアルデヒド、又はクミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物若しくは粉砕物を含む、アミロイドβからの神経保護用組成物により、前記課題を解決することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クミンアルデヒド、又は
クミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物若しくは粉砕物
を含む、アミロイドβからの神経保護用組成物。
【請求項2】
前記抽出物又は粉砕物が、クミン(Cuminum cyminum)のクミンシードの抽出物又は粉砕物である、請求項1に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物。
【請求項3】
食品組成物である、請求項1又は2に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物。
【請求項4】
アミロイドβからの神経保護作用が、アミロイドβオリゴマーからの神経保護作用である、請求項1又は2に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物。
【請求項5】
アミロイドβに対して神経保護作用を有すると表示されている、請求項1又は2に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミロイドβからの神経保護用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
アミロイドβは、脳内で作られるタンパク質の一種である。生活習慣の乱れ、糖尿病、又は睡眠不足などが原因で、アミロイドβが脳内で蓄積されることが報告されている。
また、クミンは、学名がCuminum cyminumである。クミンは、主にカレーに添加される香辛料の一種である。近年、クミン、及びその抽出物又は粉砕物が有する作用が、多く報告されている(特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-160194号公報
【特許文献2】特開2021-161088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、アミロイドβからの神経保護用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、アミロイドβからの神経保護用組成物について、鋭意研究した。その結果、クミンアルデヒドが、アミロイドβに対して神経保護作用を有することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1] クミンアルデヒド、又は
クミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物若しくは粉砕物
を含む、アミロイドβからの神経保護用組成物、
[2] 前記抽出物又は粉砕物が、クミン(Cuminum cyminum)のクミンシードの抽出物又は粉砕物である、[1]に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物、
[3] 食品組成物である、[1]又は[2]に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物、
[4] アミロイドβからの神経保護作用が、アミロイドβオリゴマーからの神経保護作用である、[1]又は[2]に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物、及び
[5] アミロイドβに対して神経保護作用を有すると表示されている、[1]又は[2]に記載のアミロイドβからの神経保護用組成物、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物によれば、アミロイドβ、詳細にはアミロイドβオリゴマーに対して神経保護作用を有することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ヒト神経様細胞SH-SY5Y細胞を用いて、クミンエッセンシャルオイルの神経保護作用を評価した結果である。
【
図2】ヒト神経様細胞SH-SY5Y細胞を用いて、クミンアルデヒドの神経保護作用を評価した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳述する。なお、本明細書においては、特に断らない限り、数値A及び数値Bについて「A~B」という表記は「A以上B以下」と等価であるものとする。すなわち、「A~B」という表記には、両端の数値A及び数値Bが含まれる。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。「A又はBを含む」という表記には、A及びBの両方を含む態様が含まれるものとする。
【0009】
(クミンアルデヒド)
クミンアルデヒドは、以下の構造を有する化合物である。
【化1】
【0010】
クミンアルデヒドは、4-イソプロピルベンズアルデヒドとも呼ばれ、CAS登録番号は122-03-2である。クミンアルデヒドは、植物、特にクミンに含まれるものを抽出して使用してもよく、又は市販されているものを使用してもよい。また、添加後にクミンアルデヒドが生成される、本発明の効果を有するクミンアルデヒドの誘導体又はクミンアルデヒドの塩を使用してもよい。
【0011】
(クミン)
クミン(Cuminum cyminum)は、地中海沿岸東部原産の一年生又は二年生のセリ科の草本である。クミンの種子は長楕円形で両端が狭く、長さ6mm、幅1.5mm程度であり、全体が白い剛毛に被われている。
本明細書において、クミンの「クミンシード」とは、一般的には香辛料としてよく用いられ、植物学上は果実に該当する部分を意味する。クミンの「種子」とは、植物学上の種子に該当する部分を意味する。
【0012】
クミンの部位は、特に限定されるものではなく、植物全体、根、茎、葉、花、クミンシード(果実)、又は種子、あるいは、それらの少なくとも2種以上の混合物を挙げることができるが、好ましくは、クミンシードを用いる。クミンシードを用いる場合は、その他の部分が含まれてもよい。クミンは、生のまま用いてもよく、乾燥させたものを用いてもよい。また、本発明において、クミンの産地は限定されず、任意の産地のものを使用することができる。
【0013】
(抽出物)
抽出物の調製のために用いるクミンは、抽出効率が向上するように、破砕物又は粉体の状態に加工してから抽出してもよい。
抽出には、抽出物にクミンアルデヒドが含まれる限り、植物に由来する成分の抽出に用いられる通常の抽出方法、例えば、これらに限定されるものではないが、水蒸気蒸留法、溶剤抽出法、圧搾法(直接、高温、若しくは低温)、又は超臨界抽出法を用いることができる。これらの抽出法を組み合わせた方法、例えば圧搾した後に溶剤抽出する方法を用いてもよい。抽出物は、任意の性状、例えば、油状、液状、ペースト状、又は粉末状であることができる。
【0014】
クミンの抽出物は、水性溶媒により調製することができる。水性溶媒としては、水を含んでいる限りにおいて限定されるものではなく、例えば水、生理食塩水、又は緩衝液などを使用することができる。緩衝液としては、リン酸緩衝液、リン酸ナトリウム緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、及びトリス緩衝液などが挙げられる。前記水性溶媒のpHは、特に制限されない。
クミンの抽出物は、有機溶媒と水性溶媒との混合物により調製されてもよい。クミンの抽出物は、有機溶媒により調製されてもよい。また、有機溶媒は、極性を有するもの又は無極性のものを使用することができる。
【0015】
クミンの抽出物を溶剤抽出法で調製する場合、抽出温度は、特に限定されるものではないが、例えば、-50℃~100℃、-25℃~50℃、-25℃~25℃、-10℃~10℃、又は0℃~10℃である。
【0016】
また、抽出の際には、抽出効率が向上するように、撹拌又は振盪しながら実施することもできる。抽出時間は、例えば、根、茎、葉、花、果実、又は種子などの使用部分に応じて適宜決定することができる。また、抽出時間は、クミンの状態、すなわち、生若しくは乾燥物、又は破砕物若しくは粉体の状態に加工した場合には、その加工状態に応じて適宜決定することができる。抽出時間は、特に限定されるものではないが、例えば、1分~72時間、1時間~48時間で、又は12時間~36時間である。
【0017】
クミンの抽出物は、水蒸気蒸留法により抽出することができる。水蒸気蒸留法とは、カラムに充填した原料に水蒸気を通気し、水蒸気に伴われて留出してくる香気成分を水蒸気とともに凝縮させる方法である。蒸留手段として、加圧水蒸気蒸留、常圧水蒸気蒸留、及び減圧水蒸気蒸留のいずれかを採用することができる。
【0018】
(粉砕物)
粉砕物は、例えば、粉末状、粒状、又はペースト状であることができる。また、粉末状にしたものを、例えば、キューブ状、ブロック状、又は顆粒状に成型又は造粒したものも用いることができる。成型又は造粒の際にクミンの粉砕物以外の原料、例えば賦形剤を添加することもできる。本発明に含まれるクミンが粉砕物である場合、これに限定されるものではないが、クミンの粉砕物の平均最長径は、例えば、0.01~2mmである。
【0019】
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、クミン、クミンの抽出物若しくはその乾燥物、又はクミンの粉砕物を、例えば乾燥物として、90質量%以上、50質量%以上、10質量%以上、又は1質量%以上含むことができる。
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物において、クミンアルデヒド、又はクミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物若しくは粉砕物を「含む」とは、最終製品に、クミンアルデヒド、又はクミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物若しくは粉砕物が含まれていることを意味する。
【0020】
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物の投与量は、有効成分の種類、対象の年齢、性別、体重、症状の有無若しくは程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができる。
投与量は、ヒトに投与する場合、例えば、クミンアルデヒドとして、1~200mg/日、5~150mg/日、10~100mg/日、又は20~50mg/日である。
投与期間は、対象、好ましくはヒトに投与する場合、例えば、1、2、4、8、又は12週間以上である。
【0021】
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物において、有効成分であるクミンアルデヒドの濃度は、本発明の効果が得られれば限定されるものではないが、例えば、0.01~500mg/mL、0.1~400mg/mL、0.5~300mg/mL、1~200mg/mL、2~150mg/mL、又は1~100mg/mL含有することができる。
【0022】
(アミロイドβからの神経保護)
アミロイドβは、脳内で作られるタンパク質の一種である。アミロイドβは、アミロイド前駆タンパク質からβ-及びγ-セクレターゼによってペプチド分解されて生成される。アミロイドβは、オリゴマーとなり、このアミロイドβオリゴマーが、酸化ストレスによる神経細胞のアポトーシス誘導を示す。クミンアルデヒドが存在することで、アミロイドβオリゴマーが神経細胞と共存していても、アポトーシス誘導が抑制され神経保護作用が示されると考えられる。
【0023】
(アミロイドβからの神経保護用組成物)
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、インビボで用いるものであってもよく、インビトロで用いるものであってもよい。本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、例えば、医薬組成物又は食品組成物であることができる。本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、クミンアルデヒド、及びクミンアルデヒドを含むクミン(Cuminum cyminum)の抽出物又は粉砕物の全てを含むものであってもよく、いずれか1つ又は2つのみを含むものであってもよい。本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、その投与形態は限定されず、経口投与又は非経口投与(静脈内、動脈内、皮下、筋肉、腹腔内注射、経鼻、経皮など)いずれを選択してもよいが、経口投与用であることが好ましい。本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、食品組成物であることが好ましい。
アミロイドβからの神経保護用組成物は、アミロイドβから神経を保護するための組成物又は神経にアミロイドβに対する保護作用を付与するための組成物と称することもできる。
【0024】
「アミロイドβからの神経保護用」には、このような用途、作用、及び/又は性質を表示することが含まれる。前記の「表示」には、消費者に前記の用途、作用、及び/又は性質を知らしめる行為の全てが含まれる。表示される対象は、包装、容器、カタログ、パンフレット、及びホームページなどその媒体を問わない。
【0025】
本発明のアミロイドβからの神経保護用組成物は、粉末、顆粒、固形、液体、カプセル、ゲル、ペースト、又は錠剤であることができる。
【0026】
(食品組成物)
本発明の食品組成物は、食品及び飲料を含む。
食品としては、具体的には、サラダなどの生鮮調理品;ステーキ、ピザ、ハンバーグなどの加熱調理品;野菜炒めなどの炒め調理品;トマト、ピーマン、セロリ、ニガウリ、ニンジン、ジャガイモ、及びアスパラガスなどの野菜及びこれら野菜を加工した調理品;クッキー、パン、ビスケット、乾パン、ケーキ、煎餅、羊羹、プリン、ゼリー、アイスクリーム類、チューインガム、クラッカー、チップス、チョコレート及び飴等の菓子類;うどん、パスタ、及びそば等の麺類;かまぼこ、ハム、及び魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品;チーズ、クリーム、及びバターなどの乳製品;みそ、しょう油、ドレッシング、ケチャップ、マヨネーズ、スープの素、麺つゆ、カレー粉、みりん、ルウ等の調味料類;豆腐などの大豆食品;並びにこんにゃくなどを挙げることができる。食品は、好ましくは、ルウ(例えばカレー用若しくはシチュー用のもの)、シーズニングスパイス、又はサプリメントである。
【0027】
飲料としては、例えば、コーヒー飲料;ココア飲料;前記の野菜から得られる野菜ジュース;グレープフルーツジュース、オレンジジュース、ブドウジュース、及びレモンジュース等の果汁飲料;緑茶、紅茶、煎茶、及びウーロン茶等の茶飲料;ビール、ワイン(赤ワイン、白ワイン、又はスパークリングワインなど)、清酒、梅酒、発泡酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ラム、ジン、及びリキュール類等のアルコール飲料;乳飲料;豆乳飲料;流動食、とろみ付き飲料(誤嚥防止飲料);並びにスポーツ飲料などを挙げることができる。
【0028】
食品又は飲料には、動物に対する飼料が含まれる。対象となる動物は、例えば、霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウス等が挙げられる。
【0029】
これらの食品又は飲料には、所望により、酸化防止剤、香料、酸味料、着色料、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、香辛料、pH調整剤、安定剤、植物油、動物油、糖及び糖アルコール類、ビタミン、有機酸、果汁エキス類、野菜エキス類、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品添加物及び食品素材を単独で又は2種以上組み合わせて配合することができる。これらの食品素材及び食品添加物の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲内で適宜決定することができる。
【0030】
これらの食品又は飲料は、例えば、レトルト及びオートクレーブなどの加熱加圧滅菌、バッチ式殺菌、プレート殺菌、通電加熱殺菌、マイクロ波加熱殺菌、並びに、インジェクション及びインフュージョンなどのスチーム殺菌などの一般的な殺菌処理を行うことができる。
【0031】
食品又は飲料は、ポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(PETボトル)、金属缶、金属箔又はプラスチックフィルムと複合された紙容器、アルミパウチ等のパウチ、プラスチック容器、ビニール容器、及び瓶等の包装容器に充填して提供することができる。
【0032】
食品及び飲料には、機能性表示食品(飲料)及び健康食品(飲料)が含まれる。本明細書において「健康食品(飲料)」とは、健康に何らかの効果を与えるか、あるいは、効果を期待することができる食品又は飲料を意味し、「機能性表示食品(飲料)」とは、前記「健康食品(飲料)」の中でも、生体調節機能を充分に発現することができるように設計及び加工された食品又は飲料を意味する。
【実施例0033】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、特に説明のない場合は、「%」は質量%を示す。
【0034】
《実施例1》クミンアルデヒド及びクミンエッセンシャルオイルの神経保護作用の評価
以下の手順で、被験サンプルとしてクミンアルデヒド及びクミンエッセンシャルオイル(クミンアルデヒドを43質量%含有)の神経保護作用を評価した。クミンエッセンシャルオイルは、水蒸気蒸留法により調製した、クミンアルデヒドを含むクミン抽出物である。このクミンエッセンシャルオイルを、最終濃度が25又は50μg/mLとなるように添加した。クミンアルデヒドは、Sigma-Aldrich社より購入し、最終濃度が25又は50μMとなるように添加した。
【0035】
(手順)
1. SH-SY5Y細胞を2×105cells/mLとなるよう調整培地で希釈して96ウェルマイクロプレートに100μLずつ播種(2×104cells/well/100μL)し、24時間前培養を行った。
2. 培養後、培地を除去し、調製した各濃度の被験サンプル、比較サンプルを含んだOpti-MEM培地100μを各ウェルに添加した。
3. 24時間培養を行った。
4. 培地を除去し、アミロイドβ42(アミロイドβオリゴマー)を2.5μMとなるように各ウェルに添加した。
5. 24時間培養(37℃、5%CO2、95%air)した。
6. 培地を除去しOpti-MEMと5mg/mLの濃度のMTT試薬を1:10の割合で混合し、各ウェルに100μL添加した。
7. 24時間静置(37℃、5%CO2、95%air)した。
8. 10%SDS溶液100μLを各ウェルに添加した。
9. 24時間静置(37℃、5%CO2、95%air)した。
10. プレートリーダーを用いて570nmにおける吸光度を測定した。
【0036】
(結果)
クミンエッセンシャルオイルの結果を
図1に示す。25μg/mL処理群及び50μg/mL処理群において、アミロイドβ42に対する神経保護作用が認められた。
クミンアルデヒドの結果を
図2に示す。25μM処理群及び50μM処理群において、アミロイドβ42に対する神経保護作用が認められた。