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  • 特開-電子聴診器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006355
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】電子聴診器
(51)【国際特許分類】
   A61B 7/04 20060101AFI20250109BHJP
   A61B 7/02 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
A61B7/04 C
A61B7/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107097
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100160495
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 雅明
(74)【代理人】
【識別番号】100173716
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】竹本 香菜子
(72)【発明者】
【氏名】坂田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】瀬志本 明
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宗
(72)【発明者】
【氏名】北川 雅士
(57)【要約】
【課題】本開示は、片方の手の指で挟みながら、同じ片方の手の指で音量調整を可能にする聴診器用チェストピースを提供することを目的とする。
【解決手段】本開示は、生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサと、前記生体音センサを収納する本体部と、前記本体部に収納され、前記生体音センサの変換した生体信号の大きさを可変するボリュームと、前記本体部に配置され、前記本体部の前記生体に接する底面に平行な面内で周方向に回転し、回転運動で前記ボリュームを可変するリングと、を備える聴診器用チェストピースである。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサと、
前記生体音センサを収納する本体部と、
前記本体部に収納され、前記生体音センサの変換した生体信号の大きさを可変するボリュームと、
前記本体部に配置され、前記本体部の生体に接する底面に平行な面内で周方向に回転し、回転運動で前記ボリュームを可変するリングと、
を備える聴診器用チェストピース。
【請求項2】
生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサと、
前記生体音センサを収納する本体部と、
前記本体部に収納され、前記生体音センサの変換した生体信号の大きさを可変するボリュームと、
前記本体部に配置され、前記本体部の表面に垂直な面内で回転し、回転運動で前記ボリュームを可変するホイールと、
を備える聴診器用チェストピース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の聴診器用チェストピースと、
前記聴診器用チェストピースからの生体信号を音声に変換するヘッドセットと、
を備える電子聴診器。
【請求項4】
前記聴診器用チェストピースと前記ヘッドセットとの間に生体信号の大きさを可変する音量調整部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の電子聴診器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体音を検出するための電子聴診器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体音を聴診するために、電子聴診器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の電子聴診器は、チェストピースに集音用マイクを備え、集音用マイクで電気信号に変換した後、スピーカーで音に変換し、チューブで耳に導く構成である。音量調整は、チェストピースとスピーカーの間の信号処理部で行う。
【0003】
特許文献1のような電子聴診器では、音量調整する信号処理部はチェストピースとは別の位置に配置せざるを得ない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-126085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常は、鉛直方向の生体面にチェストピースを押し当てるため、チェストピースが落下しないように、片方の手の指でチェストピースを挟んだ状態で聴診し、もう一方の手で信号処理部の音量調整を行う必要があった。
【0006】
そこで、本開示は、片方の手の指で挟みながら、同じ片方の手の指で音量調整を可能にする聴診器用チェストピース及び電子聴診器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、聴診器用チェストピースに回転型の音量調整機構を持たせる構成とした。
【0008】
本開示は、
生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサと、
前記生体音センサを収納する本体部と、
前記本体部に収納され、前記生体音センサの変換した生体信号の大きさを可変するボリュームと、
前記本体部に配置され、前記本体部の生体に接する底面に平行な面内で周方向に回転し、回転運動で前記ボリュームを可変するリングと、
を備える聴診器用チェストピース
である。
【0009】
本開示は、
生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサと、
前記生体音センサを収納する本体部と、
前記本体部に収納され、前記生体音センサの変換した生体信号の大きさを可変するボリュームと、
前記本体部に配置され、前記本体部の表面に垂直な面内で回転し、回転運動で前記ボリュームを可変するホイールと、
を備える聴診器用チェストピース
である。
【0010】
本開示は、
上記聴診器用チェストピースと、
前記聴診器用チェストピースからの生体信号を音声に変換するヘッドセットと、
を備える電子聴診器である。
【0011】
本開示は、
前記聴診器用チェストピースと前記ヘッドセットとの間に生体信号の大きさを可変する音量調整部をさらに備えることを特徴とする電子聴診器である。
【0012】
なお、上記各開示は、可能な限り組み合わせることができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、片方の手の指で挟みながら、同じ片方の手の指で音量調整を可能にする聴診器用チェストピースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】聴診器用チェストピースの構成例の説明図である。
図2】聴診器用チェストピースの構成例の説明図である。
図3】聴診器用チェストピースの構成例の説明図である。
図4】聴診器用チェストピースの構成例の説明図である。
図5】電子聴診器の構成例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示す実施形態に限定されるものではない。これらの実施の例は例示に過ぎず、本開示は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0016】
本開示の聴診器用チェストピースの構成例を図1に示す。図1において、聴診器用チェストピース10は、生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサ12と、生体音センサ12を収納する本体部11と、本体部11に収納され、生体音センサ12の変換した生体信号の大きさを可変するボリューム(不図示)と、本体部11に配置され、本体部11の生体に接する底面に平行な面内で周方向に回転し、回転運動でボリュームを可変するリング13と、を備える。図1では、リング13は、本体部11の側周面の上面側又は上面に配置されている。
【0017】
聴診を実施する際は、本体部11の底面を生体に接触させる。例えば、心音を聴く場合は胸部に底面を押し当てる。生体音センサ12は、胸部を伝搬してきた心音を電気信号の生体信号に変換する。実施者の聴力に合わせて、生体信号の大きさを変えるには、リング13を回転させる。リング13は本体部11の内部にあるボリュームと連動し、リング13の回転量に応じて、ボリュームが生体信号の大きさを可変する。リング13の回転方向とボリュームの大小方向の対応は予め設定してもよいし、実施者の好みによって設定してもよい。
【0018】
図1では、本体部11は円筒形となっているが、円筒形に限らず、指で挟みやすい形状であればよい。
【0019】
聴診器用チェストピース10の持ち方には、人差し指と中指で挟んだり、親指と人差し指で挟んだり、親指と人差し指と中指で挟んだりする方法がある。図1に示す聴診器用チェストピースはリング13を指で挟んでもよいし、本体部11を指で挟んでもよい。リング13を指で挟む場合は、挟んだ指でリング13を回転させる。本体部11を指で挟む場合は、空いている指でリング13を回転させてもよいし、挟んだ指をリング13に移動させて回転させてもよい。いずれの場合も、片方の手の指で聴診器用チェストピース10を挟みながら、かつ、聴診器用チェストピース10を生体面から落下させることなく、同じ片方の手の指で音量調整を可能にすることができる。
【0020】
本開示の聴診器用チェストピースの構成例を図2に示す。図1に示す聴診器用チェストピースとの構成の違いは、リング13が本体部11の側周面の中ほどに配置されていることである。図2に示す聴診器用チェストピースはリング13を指で挟んでもよいし、本体部11の上部(リング13より上面側の部分)を指で挟んでもよいし、本体部11の下部(リング13より底面側の部分)を指で挟んでもよい。
【0021】
図2では、本体部11は円筒形となっているが、円筒形に限らず、指で挟みやすい形状であればよい。また、本体部11の上部と下部で異なる形状となってもよい。
【0022】
リング13を指で挟む場合は、挟んだ指でリング13を回転させる。本体部11の上部あるいは下部を指で挟む場合は、空いている指でリング13を回転させてもよいし、挟んだ指をリング13に移動させて回転させてもよい。いずれの場合も、片方の手の指で聴診器用チェストピース10を挟みながら、かつ、聴診器用チェストピース10を生体面から落下させることなく、同じ片方の手の指で音量調整を可能にすることができる。
【0023】
本開示の聴診器用チェストピースの構成例を図3及び図4に示す。図3及び図4において、聴診器用チェストピース10は、生体音を電気信号の生体信号に変換する生体音センサ12と、生体音センサ12を収納する本体部11と、本体部11に収納され、生体音センサ12の変換した生体信号の大きさを可変するボリューム(不図示)と、本体部11に配置され、本体部11の表面に垂直な面内で回転し、回転運動でボリューム(不図示)を可変するホイール14と、を備える。
【0024】
図3及び図4では、本体部11は円筒形となっているが、円筒形に限らず、指で挟みやすい形状であればよい。
【0025】
ホイール14は、図3では本体部11の側周面に配置され、図4では本体部11の上面に配置されている。本体部11の上面が曲面の場合は、ホイール14を曲面に配置してもよい。また、図3及び図4では、ホイール14は本体部の生体に接する底面に垂直な面内で回転させているが、本体部の生体に接する底面に平行な面内で回転させてもよい。回転面は本体部11の表面に垂直な面内であればよい。
【0026】
聴診を実施する際は、本体部11の底面を生体に接触させる。例えば、心音を聴く場合は胸部に底面を押し当てる。生体音センサ12は、胸部を伝搬してきた心音を電気信号の生体信号に変換する。実施者の聴力に合わせて、生体信号の大きさを変えるには、ホイール14を回転させる。ホイール14は本体部11の内部にあるボリュームと連動し、ホイール14の回転量に応じて、ボリュームが生体信号の大きさを可変する。ホイール14の回転方向とボリュームの大小方向の対応は予め設定してもよいし、実施者の好みによって設定してもよい。
【0027】
図3又は図4に示す聴診器用チェストピースは、本体部11を指で挟む。本体部11を指で挟み、空いている指、例えば、人差し指や親指でホイール14を回転させてもよいし、挟んだ指をホイール14に移動させて回転させてもよい。いずれの場合も、片方の手の指で聴診器用チェストピース10を挟みながら、かつ、聴診器用チェストピース10を生体面から落下させることなく、同じ片方の手の指で音量調整を可能にすることができる。
【0028】
本体部11は図1から図4に示す形状に限定されない。生体に接する底面にはダイアフラムが形成されているか、ラッパ状の形状が形成されていることが望ましい。本体部11の材料は、金属やプラスチックが例示できる。
【0029】
上述した聴診器用チェストピース10を備える電子聴診器の構成例を図5に示す。電子聴診器は、上述した聴診器用チェストピース10と、聴診器用チェストピース10からの生体信号を音声に変換するヘッドセット30を備える。聴診器用チェストピース10とヘッドセット30との間は有線でも無線でもよい。ヘッドセット30は、ヘッドホン型、イヤホン型、耳掛け型等、形態を問わない。聴診器用チェストピース10の拾った生体音を聴診者が聴くことができればよい。このような電子聴診器は、片方の手の指で聴診器用チェストピース10を挟みながら、かつ、聴診器用チェストピース10を生体面から落下させることなく、同じ片方の手の指で音量調整を可能にすることができる。
【0030】
電子聴診器は、聴診器用チェストピース10とヘッドセット30との間に生体信号の大きさを可変する音量調整部20をさらに備えてもよい。聴診器用チェストピース10と音量調整部20との間、または音量調整部20とヘッドセット30との間は有線でも無線でもよい。
【0031】
聴診器用チェストピース10のボリュームで生体信号の大きさを可変できないとき、例えば、聴診器用チェストピース10を挟んだ指を動かせないときに、音量調整部20で生体信号の大きさを可変することができる。
【0032】
以上説明したように、本開示の聴診器用チェストピースは、片方の手の指で挟みながら、同じ片方の手の指で音量調整を可能にする。
【符号の説明】
【0033】
10:聴診器用チェストピース
11:本体部
12:生体音センサ
13:リング
14:ホイール
20:音量調整部
30:ヘッドセット
図1
図2
図3
図4
図5