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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006418
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20250109BHJP
   H10H 20/00 20250101ALI20250109BHJP
   H10H 20/855 20250101ALI20250109BHJP
   H10H 20/851 20250101ALI20250109BHJP
   G02F 1/141 20060101ALI20250109BHJP
   G02F 1/1347 20060101ALI20250109BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20250109BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20250109BHJP
   F21V 9/32 20180101ALI20250109BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20250109BHJP
   F21V 9/40 20180101ALI20250109BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20250109BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20250109BHJP
   F21V 13/00 20060101ALI20250109BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20250109BHJP
   F21L 4/00 20060101ALI20250109BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20250109BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20250109BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20250109BHJP
【FI】
G02F1/13 505
H01L33/00 L
H01L33/58
H01L33/50
G02F1/141
G02F1/1347
G02F1/1335
G02F1/1335 500
G02F1/13357
F21V9/32
F21V9/38
F21V9/40 400
F21V5/00 510
F21V5/04 400
F21V5/04 450
F21V5/04 600
F21V5/04 650
F21V13/00 100
F21V23/00 114
F21L4/00 621
F21S2/00 340
F21Y115:10
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107205
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】大久保 翔太
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】國見 明加
(72)【発明者】
【氏名】稲住 容氏優
(72)【発明者】
【氏名】若山 晴輝
【テーマコード(参考)】
2H088
2H189
2H291
2H391
3K014
5F142
【Fターム(参考)】
2H088EA33
2H088EA37
2H088EA40
2H088EA42
2H088EA45
2H088GA02
2H088GA03
2H088GA04
2H088GA17
2H088HA24
2H088HA27
2H088HA28
2H088JA03
2H088JA17
2H088JA20
2H088MA06
2H088MA20
2H189AA22
2H189AA28
2H189AA35
2H189HA16
2H189JA03
2H189JA19
2H189JA20
2H189LA14
2H189LA18
2H189LA20
2H189MA15
2H291FA02X
2H291FA02Y
2H291FA13Y
2H291FA56X
2H291FA56Z
2H291FA83Z
2H291FA85Z
2H291FA86Z
2H291FD41
2H291FD44
2H291LA40
2H291MA07
2H291MA20
2H391AA03
2H391AB04
2H391AB06
2H391AB08
2H391AB35
2H391AC23
2H391CB24
2H391CB27
2H391EB02
2H391FA12
3K014AA01
5F142AA01
5F142BA32
5F142CA11
5F142CD02
5F142CD17
5F142CD18
5F142CE03
5F142CE15
5F142CE16
5F142CG03
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG24
5F142DA03
5F142DA14
5F142DA23
5F142DA36
5F142DA73
5F142DB12
5F142DB17
5F142DB22
5F142DB32
5F142DB37
5F142DB40
5F142DB60
5F142FA46
5F142GA21
(57)【要約】
【課題】照射面において、分割数が増えても明るい光を照射可能な発光装置を提供すること。
【解決手段】発光装置は、1つの発光素子を備え、発光面を有する光源部と、前記光源部の上方に配置され、かつ、それぞれが液晶の配向を制御可能な複数の液晶部を有するとともに、上面視において前記光源部の前記発光面の内側に複数の液晶部の外縁が配置される液晶シャッタと、を有し、照射面において、分割照射が可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの発光素子を備え、発光面を有する光源部と、
前記光源部の上方に配置され、かつ、それぞれが液晶の配向を制御可能な複数の液晶部を有するとともに、上面視において前記光源部の前記発光面の内側に複数の液晶部の外縁が配置される液晶シャッタと、を有し、
照射面において、分割照射が可能な発光装置。
【請求項2】
前記液晶シャッタは、上面視において、前記発光装置が収容される筐体の開口と同じ面積である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記液晶シャッタと前記光源部の間に、少なくとも1つのレンズをさらに有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記レンズと前記光源部の間に配置され、前記レンズの下面および前記光源部の前記発光面のそれぞれに面接触する導光体をさらに有する、請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記レンズは、前記光源部を覆うように配置される、請求項3または請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記レンズは、液晶レンズである、請求項3または請求項4に記載の発光装置。
【請求項7】
前記液晶シャッタの上方に配置され、前記液晶シャッタからの光の進行方向を、前記複数の液晶部に対応する複数の領域ごとで個別に制御可能な液晶レンズを有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記液晶シャッタの上方に配置され、前記液晶シャッタに向き合う面にフレネルレンズ面を有する透光性部材を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記光源部の周辺に少なくとも1つの電子部品を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記電子部品は受光素子であり、
上面視において、前記液晶シャッタは、前記光源部と重なるように配置されるとともに、前記受光素子は、前記光源部と重ならないように配置される、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記液晶シャッタの上方に配置される透光性部材を有し、
前記透光性部材は、前記液晶シャッタに向き合う面において、発光装置の外部からの光を前記受光素子に導光可能な導光部を有する、請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記発光素子は、複数の発光層を含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記液晶シャッタは、前記複数の液晶部を区画する隔壁を含む枠部を有し、
前記枠部は、上面において黒色の体色を有し、かつ、下面において黒色の体色を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項14】
前記液晶シャッタは、前記複数の液晶部を区画する隔壁を含む枠部を有し、
前記枠部は、上面において白色の体色を有し、かつ、下面において黒色の体色を有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項15】
前記光源部は、遮光部材で被覆される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項16】
前記液晶シャッタと、前記液晶シャッタの上方に配置される透光性部材との間に、少なくとも1つの可変色フィルタをさらに有する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項17】
前記光源部は、前記発光素子上に配置されるとともに、第1蛍光体部と第2蛍光体部を含む蛍光体層を備え、
前記液晶シャッタにおける前記複数の液晶部は、隣接する2以上の前記液晶部を含む群にそれぞれ分かれ、
各群に存在する2以上の前記液晶部を通る光は、照射面において同一の領域を照射し、
前記第1蛍光体部を透過した光は、2以上の前記液晶部の第1液晶部を通り、
前記第2蛍光体部を透過した光は、2以上の前記液晶部の第2液晶部を通り、
前記領域において、前記第1液晶部を通った光と、前記第2液晶部を通った光と、が混色される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項18】
前記第1蛍光体部は、第1樹脂部と、前記第1樹脂部に含有される少なくとも1つの第1蛍光体と、を備え、
前記第2蛍光体部は、第2樹脂部と、前記第2樹脂部に含有される少なくとも1つの第2蛍光体と、を備え、
前記発光素子の出射光および前記第1蛍光体部から出射される光の混色光は、色温度1800K以上7500K以下の白色光であり、
前記発光素子の出射光および前記第2蛍光体部から出射される光の混色光は、アンバー色の光であり、
前記第2蛍光体部に含有される光拡散物質の含有割合は、前記第1蛍光体部に含有される光拡散物質の含有割合よりも大きい、請求項17に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を有する発光装置が知られている。例えば、特許文献1には、単一の発光素子と、多分割で制御可能な液晶シャッタと、を有し、多分割での照射が可能な発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-106959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光装置では、照射面において明るい光を照射することが求められる。
【0005】
本開示に係る実施形態は、照射面において、分割数が増えても明るい光を照射可能な発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る発光装置は、1つの発光素子を備え、発光面を有する光源部と、前記光源部の上方に配置され、かつ、それぞれが液晶の配向を制御可能な複数の液晶部を有するとともに、上面視において前記光源部の前記発光面の内側に複数の液晶部の外縁が配置される液晶シャッタと、を有し、照射面において、分割照射が可能である。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る実施形態によれば、照射面において、分割数が増えても明るい光を照射可能な発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図である。
図2】複数の液晶部の外縁と発光面との関係を説明する模式図である。
図3】第1実施形態に係る発光装置における液晶シャッタの模式的上面図である。
図4】第1実施形態の変形例に係る液晶シャッタを示す模式的上面図である。
図5】第2実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図である。
図6】第3実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図である。
図7】第4実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図である。
図8】第4実施形態に係る発光装置における蛍光体層の模式的上面図である。
図9】第4実施形態に係る液晶シャッタを示す模式的上面図である。
図10】第5実施形態に係る発光装置の構成を示す模式図である。
図11】第6実施形態に係る発光素子の構成の第1例を示す模式図である。
図12】第6実施形態に係る発光素子の構成の第2例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の実施形態に係る発光装置について図面を参照しながら詳細に説明する。但し、以下に示す形態は、本開示の技術思想を具現化するための発光装置を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施形態に記載されている構成部の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本開示の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさ、位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており詳細説明を適宜省略する。断面図として、切断面のみを示す端面図を用いる場合がある。
【0010】
各図面において、方向表現として、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標を用いる。X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直交する。Z軸に沿うZ方向は、実施形態に係る発光装置が備える発光面の法線方向を示すものとする。X方向を横方向、Y方向を縦方向とする。
【0011】
X方向で矢印が向いている方向を+X方向または+X側、+X方向の反対方向を-X方向または-X側と表記する。Y方向で矢印が向いている方向を+Y方向または+Y側、+Y方向の反対方向を-Y方向または-Y側と表記する。Z方向で矢印が向いている方向を上方、+Z方向または+Z側、+Z方向の反対方向を-Z方向または-Z側と表記する。
【0012】
実施形態の用語における上面視とは、対象を+Z方向から見ることをいう。また実施形態では、+Z方向または+Z側から見たときの対象物の面を「上面」とする。但し、これらのことは、発光装置の使用時における向きを制限するものではなく、発光装置の向きは任意である。以下に示す実施形態においてX軸、Y軸およびZ軸に沿うとは、対象がこれら軸に対して±10°の範囲内の傾きを有することを含む。実施形態において直交は、90°に対して±10°以内の誤差を含んでもよい。
【0013】
また、本明細書または特許請求の範囲において、ある構成要素が複数あり、それぞれを区別して表現する場合に、その構成要素の頭に"第1"、"第2"等と付記して区別することがある。また、本明細書と特許請求の範囲とで区別する対象が異なる場合があり得る。そのため、特許請求の範囲において本明細書と同一の付記がされた構成要素が記載されていても、この構成要素によって特定される対象が、本明細書と特許請求の範囲との間で一致しないことがあり得る。
【0014】
例えば、本明細書において"第1"、"第2"、"第3"と付記されて区別される構成要素があり、本明細書において"第1"及び"第3"が付記された構成要素を特許請求の範囲に記載する場合、または"第1"が付記された構成要素及び特定の序数が付記されていない構成要素を請求の範囲に記載する場合に、見易さの観点から特許請求の範囲においては"第1"、"第2"と付記して構成要素を区別することがある。この場合、特許請求の範囲において"第1"、"第2"と付記された構成要素はそれぞれ、本明細書において"第1"、"第3"と付記された構成要素または特定の序数が付記されていない構成要素を指すことになる。なお、このルールの適用対象は構成要素に限らず、その他の対象に対しても、合理的かつ柔軟に適用される。
【0015】
[第1実施形態]
<発光装置の全体構成例>
図1図3を参照して、第1実施形態に係る発光装置の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る発光装置100の構成の一例を示す模式図である。図2は、液晶シャッタ2が備える複数の液晶部21の外縁23と発光面11との関係の一例を説明する模式図である。図1図2は、XZ平面に沿った発光装置100の断面を模式的に示している。図3は、発光装置100における液晶シャッタ2の一例を示す模式的上面図である。
【0016】
発光装置100は、一例として、スマートフォンに搭載され、スマートフォンに設けられた撮像装置におけるフラッシュ用の発光装置である。撮像装置には、静止画を撮影するカメラや動画を撮影するビデオカメラ等が含まれる。
【0017】
図1図3に示すように、本実施形態では、発光装置100は、光源部1と、液晶シャッタ2と、を有する。また発光装置100は、筐体3と、実装基板4と、レンズ5と、を有してよい。図1に示すように、発光装置100は、照射面200において、分割照射が可能な発光装置である。
【0018】
光源部1は、実装基板4の上面(+Z側の面)に配置されている。光源部1は、1つの発光素子12を備え、発光面11を有する。光源部1は、発光面11から液晶シャッタ2の方向に光Lを発する。光Lはレンズ5を透過した後、液晶シャッタ2に入射する。
【0019】
図2に示すように、液晶シャッタ2は、光源部1の上方(+Z側)に配置され、かつ、それぞれが液晶の配向を制御可能な複数の液晶部21を有するとともに、上面視において光源部1の発光面11の内側に複数の液晶部21の外縁23が配置される。また、液晶シャッタ2は、上面24(+Z側の面)と下面25(-Z側の面)とを有する。
【0020】
図3に示すように、液晶シャッタ2は、上面視において略矩形の形状を有する。液晶シャッタ2は、複数の液晶部21を区画する隔壁26を含む枠部27を有する。隔壁26に区画された複数の液晶部21は、内部に液晶が充填され、充填された液晶が漏れ出さないように封止されている。図3における幅Wは、隔壁26の幅である。
【0021】
図3に示す例では、複数の液晶部21は、X方向に整列する6個の液晶部21と、Y方向に整列する7個の液晶部21と、を含み、6×7の行列状に配列されている。複数の液晶部21のそれぞれは、上面視において、同じ略正方形の形状を有し、ほぼ同じ面積を有している。上面視における複数の液晶部21それぞれの角部は、曲線部分を有してよい。上面視において、液晶部21の対向する2辺の離隔距離は、例えば、50μm以上1500μm以下であり、200μm以上700μm以下であることが好ましい。
【0022】
本明細書に示す例では、外縁23は、X方向に整列する6個の液晶部21のうち、最も-X側に位置する液晶部21-1の-X側の辺と、最も+X側に位置する液晶部21-6の+X側の辺と、により画定される。但し、外縁23は、Y方向に整列する6個の液晶部21のうち、最も-Y側に位置する液晶部21-1の-Y側の辺と、最も+Y側に位置する液晶部21-37の+Y側の辺と、により画定されてもよい。
【0023】
図1図3に示すように、液晶シャッタ2は、駆動部22を有する。駆動部22はIC(Integrated Circuit)であってよい。駆動部22は、例えば発光装置100が搭載されるスマートフォンから供給される制御信号に応じて複数の液晶部21それぞれに電圧を印加し、複数の液晶部21それぞれの液晶を駆動させる。但し、駆動部22は、発光装置100に設けられた制御部からの制御信号に応じて液晶を駆動させてもよい。この制御部は、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)またはDSP(digital signal processor)等により、またはこれらの組合せにより構成できる。
【0024】
液晶シャッタ2は、駆動部22により、複数の液晶部21それぞれにおける液晶を駆動させ、該液晶の配向を変化させることができる。液晶シャッタ2は、複数の液晶部21それぞれにおける液晶の配向を変化させることで、複数の液晶部21ごとにおいて、液晶部21が光源部1から入射する光をほぼ透過する状態(オン状態)またはほぼ遮断する状態(オフ状態)のどちらか一方に切替可能である。各液晶部21は、液晶分子を含む。液晶分子としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶、カイラルネマチック液晶、コレステリック液晶(リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶)、強誘電性液晶、又は反強誘電性液晶などが挙げられる。
【0025】
例えば、図1に示した状態おいて、液晶シャッタ2は、液晶部21-1~21-6のうち、液晶部21-6では光源部1からの光Lをほぼ透過し、ドットハッチングで示した液晶部21-1~21-5では光源部1からの光Lをほぼ遮断する。液晶部21-1~21-6に入射した光Lのうち、液晶部21-6に入射した光のみが照射面200に照射される。このように、発光装置100は、複数の液晶部21における液晶の配向を個別に制御し、複数の液晶部21ごとでオン状態とオフ状態を個別に切替可能である。この結果、発光装置100は、照射面200において分割された複数の領域ごとで、照射と非照射を個別に切り替え、照射面200を分割照射することができる。また、発光装置100は、光源部1から発せられる光Lの光量制御と、液晶シャッタ2の複数の液晶部21ごとでのオン状態およびオフ状態の切替と、を連携して行うことで、照射面200において、分割照射の照射領域ごとで照射光の明るさを制御することができる。
【0026】
なお、図1では、光源部1からの光Lが複数の液晶部21のそれぞれにより透過または遮断される様子を分かり易くするために、光Lが通る経路を模式的にかつ誇張して示している。また、図2図3において、複数の液晶部21のうち、ドットハッチングが施されていない液晶部21-6は、図1と同様に、光源部1からの光Lをほぼ透過する液晶部を表している。一方、複数の液晶部21のうち、ドットハッチングが施されていない液晶部21は、光源部1からの光Lをほぼ遮断する液晶部を表している。これらの点は、以降に示す、図1図3に類似する図においても同じとする。
【0027】
液晶シャッタ2は、オン状態とオフ状態の切替だけでなく、液晶の配向を変化させて複数の液晶部21ごとで透過率を変化させてもよい。つまり、液晶シャッタ2は、オン状態の透過率を100%とし、オフ状態の透過率を0%とした場合、複数の液晶部21ごとに0%~100%の間で透過率を変化させてもよい。発光装置100は、液晶シャッタ2における複数の液晶部21ごとで透過率を変化させることにより、照射面200において光Lが照射される状態とほぼ照射されない状態の切替だけでなく、光Lの照射領域ごとでの照射光の明るさを制御してもよい。この場合には、光Lの照射領域ごとでの照射光の明るさ制御は、液晶シャッタ2における液晶部21の透過率制御により行えるため、光源部1から発せられる光Lの光量はほぼ一定であってよい。
【0028】
複数の液晶部21は、個別に液晶の配向が制御されてもよく、またグループごとに液晶の配向が制御されてもよい。複数の液晶部21が所望の明るさの光Lを個別に透過する、または、グループごとに透過することで、光源部1からの光Lが照射される照射面200におけるコントラストを向上させることができる。また、複数の液晶部21が光Lを個別に透過する、または、グループごとに透過することで、発光装置100は照射面200において部分照射をすることができる。ここで、部分照射とは、照射面200のうちの一部の領域に光を照射することをいう。
【0029】
照射面200のうちの一部の領域に光を照射する部分照射においては、所望の領域に照射される光を目立たせるために、照射光の外縁は明確であることが好ましい。すなわち、光が照射される所望の領域と、所望の領域以外の領域とは、光の照度差が大きいことが好ましい。また、照射面200のうち光を照射したい所望の領域において、照射光の周囲の迷光が少ないことが好ましい。
【0030】
発光装置100を撮像装置のフラッシュ用の光源として用いる場合には、例えば、広角モードと狭角モードとを切替可能である。広角モードは、例えば、光源部1からの光Lをすべての液晶部21が透過するモードである。一方、狭角モードは、例えば、発光面11の中央近傍に対応する液晶部21のみが光Lを透過させ、発光面11の外縁近傍に位置する液晶部21が光Lを透過しないモードである。広角モードと狭角モードとは、例えば、液晶部21の配向方向を変化させることで、各モードの照射角を変化させることができる。例えば、広角モードにおける液晶部21の液晶分子の配向方向とZ軸とがなす角度θ1は、狭角モードにおける液晶部21の液晶分子の配向方向とZ軸とがなす角度θ2よりも大きくしてよい。これにより、広角モードは、狭角モードよりも光の照射角を広くすることができる。本実施形態では、発光装置100が広角モードと狭角モードに対応して照射光を切替可能であることで、撮像装置における接写や望遠等の撮影モードに応じた撮影を行うことができる。
【0031】
また、例えば、撮像装置の撮影視野内に被写体距離が異なる複数の被写体が存在する場合に、撮影視野全体に対してほぼ均一な光度の光を照射すると、カメラに近い被写体ほど照度が高くなり、カメラから遠い被写体ほど照度は低くなる。この状態で複数の被写体を撮影すると、撮影画像において、カメラに近い被写体では露光過多で白飛びし、カメラから遠い被写体では露光不足で黒潰れする場合がある。
【0032】
本実施形態では、発光装置100は、照射面200において分割照射できるため、発光装置100が搭載されたカメラに近い被写体ほど照射光の光量を少なくし、該カメラから遠くに位置する被写体ほど照射光の光量を多くすることができる。これにより、本実施形態では、撮影画像における白飛びおよび黒潰れを低減できる。
【0033】
一方、分割照射における分割数が多いほど、分割照射の空間分解能を高くし、照射面における領域ごとでのコントラストを高くすることができる。これに対し、例えば、複数の発光部を用い、複数の発光部を個別に点灯制御することにより分割照射を行う発光装置では、発光部の数を増やすことで分割照射における分割数を増やすことができる。しかしながら、複数の発光部における隣り合う発光部同士の距離を短くすることには制限がある。つまり、隣り合う発光部同士の距離を限界となる所定距離よりも短くできない。このため、複数の発光部を用いる発光装置では、分割照射における分割数が多くなるほど、隣り合う発光部同士の間に所定距離を確保する分、発光部1つ当たりの発光面の面積が小さくなる。この結果、複数の発光部を用いる発光装置では、発光面の面積に応じて1つの発光部から発せられる光量が少なくなるため、発光装置からの照射光が暗くなる場合がある。
【0034】
本実施形態では、分割照射のために用いる複数の液晶部21は、隣り合う液晶部21同士の距離に対する制限が、複数の発光部における隣り合う発光部同士の距離に対する制限と比較して緩やかである。このため、発光装置100では、複数の液晶部21における隣り合う液晶部21同士の距離を短くする、例えば図3における隔壁26の幅Wを狭くすることができる。隔壁26の幅Wは、例えば、1μm以上150μm以下であり、10μm以上70μm以下であることが好ましい。これにより、発光装置100では、1つ当たりの液晶部21の面積を、複数の発光部における1つ当たりの発光部の面積と比較して大きくしつつ、複数の液晶部21の数を増やして分割照射における分割数を増やすことができる。また、発光装置100では、光源部1は分割されないため、発光面の面積は小さくならず、光源部1から発せられる光の光量も少なくならない。以上により、本実施形態では、照射面200において、分割数が増えても明るい光を照射可能な発光装置100を提供することができる。
【0035】
また、本実施形態では、図3に示した液晶シャッタ2の枠部27は、上面24において黒色の体色を有し、かつ、下面25において黒色の体色を有してよい。これにより、光源部1からの光Lが液晶シャッタ2の下面25で反射されることを低減できるため、液晶シャッタ2の下面25での反射光に由来する迷光を低減できる。また発光装置100の外側から視認される液晶シャッタ2の上面24を黒色で統一できるため、発光装置100の外観の美感をよくすることができる。
【0036】
また枠部27は、上面24において白色の体色を有し、かつ、下面25において黒色の体色を有してもよい。これにより、光源部1からの光Lが液晶シャッタ2の下面25で反射されることを低減できるため、液晶シャッタ2の下面25での反射光に由来する迷光を低減できる。また発光装置100の外側から視認される液晶シャッタ2の上面24を白色で統一できるため、発光装置100の外観の美感をよくすることができる。また、枠部27の上面24を白色にする代わりに、液晶シャッタ2と透光部材32との間に、体色が白色で、且つ光透過性を有するフィルタを配置してもよい。
【0037】
以下、図1図3を引き続き参照し、発光装置100が備える各構成について、詳細に説明する。
【0038】
(光源部1)
図1に示すように、光源部1は、発光面11から光源部1の+Z側に配置された液晶シャッタ2に向けて光Lを発する。発光面11は、発光部10における主たる光取出し面を指す。光源部1はLEDを含む。光源部1が発する光Lは、白色光が好ましい。但し、光源部1が発する光Lは、青色等の特定の波長を有する光であってもよい。発光装置100の使用用途に応じて光源部1が発する光の波長や色度を選択してよい。なお、光源部1は、LD(Laser Diode)を含んでもよい。
【0039】
光源部1は、+Z側の面を発光面11とし、発光面11とは反対側の面を実装面として、実装基板4の+Z側の面に配置される。光源部1は、発光素子12と、発光素子12の+Z側の面に設けられた波長変換部材13と、波長変換部材13の+Z側の面を除いて、発光素子12の側面と波長変換部材13の側面とを覆う遮光部材14と、を有する。換言すると、発光素子12の側面および波長変換部材13の側面のそれぞれは、遮光部材14により覆われている。この構成により、発光素子12の側面および波長変換部材13の側面から漏れ出す光が低減されるため、光源部1からの光を所望の領域に照射することができる。
【0040】
発光素子12の発光面11とは反対側の面には少なくとも正負一対の電極15(例えばp側電極およびn側電極)が設けられることが好ましい。本実施形態では、発光面11の上面視における形状は略矩形である。但し、発光面11の上面視における形状は、略円形や略楕円形であってもよく、略三角形や略六角形等の多角形であってもよい。
【0041】
発光素子12は、III-V族化合物半導体、II-VI族化合物半導体等の種々の半導体からなることが好ましい。半導体としては、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y≦1)等の窒化物系半導体を使用することが好ましく、InN、AlN、GaN、InGaN、AlGaN、InGaAlN等も使用できる。発光素子12は、例えばLED、LDである。発光素子12の発光ピーク波長は、発光効率、並びに波長変換物質の励起等の観点から、400nm以上530nm以下が好ましく、420nm以上490nm以下がより好ましく、450nm以上475nm以下がよりいっそう好ましい。
【0042】
波長変換部材13は、上面視において例えば略矩形状の外形形状を有する部材である。波長変換部材13は、発光素子12の上面を覆うように設けられている。波長変換部材13は、透光性の樹脂材料や、セラミックス、ガラス等の無機物を含む。樹脂材料としては、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。特に、耐光性、耐熱性に優れるシリコーン樹脂またはその変性樹脂が好適である。なお、ここでの透光性とは、発光素子12からの光の60%以上を透過することが好ましい。また、波長変換部材13は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、メチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。さらに、波長変換部材13は、上記の樹脂に発光素子12からの光の少なくとも一部を波長変換する波長変換物質を含む。また、波長変換部材13は、光拡散物質を含んでいてもよい。例えば波長変換部材13は、樹脂材料、セラミックス、ガラス等に波長変換物質を含有させたもの、波長変換物質の焼結体等であってもよい。また、波長変換部材13は、樹脂、セラミックス、ガラス等の成形体の±Z側の面に波長変換物質や光拡散物質を含有する樹脂層を配置した多層のものでもよい。
【0043】
波長変換部材13に含まれる波長変換物質としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu(Al,Ga)12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb(Al,Ga)12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(POCl:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、SrAl1425:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、CaMgSi16Cl:Eu)、シリケート系蛍光体(例えば、(Ba,Sr,Ca,Mg)SiO:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)(O,N):Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、LSN系蛍光体(例えば、(La,Y)Si11:Ce)、BSESN系蛍光体(例えば、(Ba,Sr)Si:Eu)、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、KSiF:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K(Si1-xAl)F6-x:Mn ここで、xは、0<x<1を満たす。)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF・GeO:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する量子ドット(例えば、(Cs,FA,MA)(Pb,Sn)(F,Cl,Br,I) ここで、FAとMAは、それぞれホルムアミジニウムとメチルアンモニウムを表す。)、II-VI族量子ドット(例えば、CdSe)、III-V族量子ドット(例えば、InP)、またはカルコパイライト構造を有する量子ドット(例えば、(Ag,Cu)(In,Ga)(S,Se))等を用いることができる。上記の波長変換物質は、粒子である。また、これらの波長変換物質のうちの1種を単体で、またはこれらの波長変換物質のうち2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0044】
実施形態では、発光装置100は、発光素子12として青色発光素子を用い、波長変換部材13が発光素子12から出射された光を黄色に波長変換する波長変換物質を含むことにより白色光を発光する。波長変換部材13に含まれる光拡散物質としては、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等を用いることができる。光拡散物質は、波長変換部材13に入射される光または波長変換物質で波長変換されて出射される光を散乱させるための物質である。
【0045】
遮光部材14は、発光素子12および波長変換部材13の側面を被覆する部材である。遮光部材14は、発光素子12および波長変換部材13の側面を直接的にまたは間接的に被覆する。波長変換部材13の上面は遮光部材14から露出しており、光源部1の発光面11である。遮光部材14は、光取出し効率を向上させるために、光反射率の高い部材で構成されることが好ましい。遮光部材14は、例えば、白色顔料等の光反射性物質を含有する樹脂材料を用いることができる。遮光部材14が光反射性物質を含有することで、遮光部材14に達する光を効率良く反射させやすくなる。
【0046】
光反射性物質としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、チタン酸バリウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で、またはこれらのうちの2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。また、樹脂材料としては、エポキシ樹脂、エポキシ変性樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂材料を母材とすることが好ましい。なお、遮光部材14は、カーボンブラック等の光吸収部材を含有する部材であってもよい。
【0047】
光源部1は、実装基板4が備える配線41と電気的に接続される。実装基板4は、表面に配置された配線41を備えていることが好ましい。実装基板4は、内部に配線41を備えていてもよい。光源部1と実装基板4とは、実装基板4の配線41と光源部1の少なくとも正負一対の電極15とを導電性接着部材42を介して接続することによって、電気的に接続される。なお、実装基板4の配線41は、光源部1の電極15の構成、大きさに応じて構成、大きさ等が設定される。
【0048】
配線41は、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、金、チタン、パラジウム、ロジウムまたはこれらの合金等の少なくとも1種で構成できる。また、配線41の表層には、導電性接着部材42の濡れ性および/または光反射性等の観点から、銀、白金、アルミニウム、ロジウム、金またはこれらの合金等の層が設けられていてもよい。
【0049】
(筐体3)
筐体3は、光源部1、液晶シャッタ2、実装基板4およびレンズ5を内部に収容する。筐体3は、遮光性を有する部材であってよい。例えば発光装置100がフラッシュ用途でカメラと共にスマートフォンに搭載される場合、発光装置100から照射される光が、発光装置100の周辺に配置されたカメラ等の光学素子へ影響することを低減できるように、例えば、光反射性物質または光吸収部材等を含有させた樹脂材料等を含んで構成されることが好ましい。
【0050】
筐体3には開口31が設けられている。開口31は、筐体3に収容された光源部1における発光面11の上方に配置される。上面視において、開口31の内側には透光部材32が配置される。図1に示す例では、透光部材32は板状部材である。透光部材32は、開口31の内側に配置され、接着部材等により筐体3に固定されている。透光部材32は、光源部1が発する光に対して光透過性を有し、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料またはガラス材料の少なくとも1つを含んで構成される。なお、透光部材32の光透過性とは、光源部1からの光Lの80%以上を透過し得る性質を指す。
【0051】
透光部材32は、上面視において光源部1、レンズ5および液晶シャッタ2と重なっている。光源部1から発せられ、レンズ5および液晶シャッタ2を透過した光Lは、透光部材32を透過して照射面200に照射される。透光部材32は、発光装置100から光Lが出射される出射窓として機能するとともに、筐体3の外部から筐体3の内部にゴミや水等の異物が入りことを低減できる。
【0052】
本実施形態では、液晶シャッタ2は、上面視において、発光装置100が収容される筐体3の開口と同じ面積であってもよい。これにより、上面視において、液晶シャッタ2の面積が筐体3の開口面積よりも大きい場合と比較して、光利用効率を高くすることができる。かつ、液晶シャッタ2の面積が筐体3の開口面積よりも小さい場合と比較して、光源部1から発せられ、液晶シャッタ2の外側を通って照射される漏れ光を低減することができる。
【0053】
(実装基板4)
実装基板4は、光源部1や各種電気素子を配置可能な配線を備える基板である。実装基板4は、母材として絶縁性材料を用いることが好ましく、且つ光源部1から発せられる光Lや外光等を透過しにくい材料を用いることが好ましく、一定の強度を有する材料を用いることが好ましい。具体的には、実装基板4は、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、窒化珪素等のセラミックス、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン(bismaleimide triazine resin)、ポリフタルアミド、ポリエステル樹脂等の樹脂を母材として構成することができる。
【0054】
(レンズ5)
レンズ5は、液晶シャッタ2と光源部1の間に配置される。レンズ5は、光源部1からの光Lを透過する。レンズ5は、平凸単レンズ、両凸単レンズ、両凹単レンズ、平凹単レンズ、フレネルレンズ、複数のレンズからなる組レンズ、アレイレンズ、メニスカス単レンズ、非球面レンズ、シリンドリカルレンズ等、他の形態であってもよい。
【0055】
レンズ5は、光源部1が発する光に対して光透過性を有し、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂材料またはガラス材料の少なくとも1つを含んで構成される。なお、レンズ5における光透過性とは、光源部1からの光の60%以上を透過し得る性質を指す。
【0056】
本実施形態では、レンズ5は、光源部1を覆うように配置される。光源部1から発せられた光Lのうち、レンズ5に到達できずに損失となる光を低減し、発光装置100の光利用効率を高くすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、レンズ5は、液晶レンズであってもよい。液晶レンズは、光源部1からの光Lに対して透光性を有する封入部材内に封入された液晶に印加される電圧に応じて、液晶の屈折率が変化することで、焦点距離を可変なレンズである。液晶レンズに用いられる液晶材料としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶、カイラルネマチック液晶、コレステリック液晶(リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶)、強誘電性液晶、又は反強誘電性液晶などが挙げられる。レンズ5として液晶レンズを用いることで、液晶シャッタ2に入射する光Lの進行方向を制御できるため、発光装置の配光の多様性を高くすることができる。
【0058】
(液晶シャッタ2の変形例)
本実施形態に係る液晶シャッタ2は、様々な変形が可能である。図4は、変形例に係る液晶シャッタ2aの一例を示す模式的上面図である。なお、既に説明した実施形態および変形例と同一の名称、符号については、同一もしくは同質の部材又は構成部を示しており、詳細説明を適宜省略する。この点は、以降に示す他の実施形態および他の変形例においても同様とする。
【0059】
本変形例では、液晶シャッタ2aにおける複数の液晶部21aの個数、並びに上面視における複数の液晶部21aの形状および面積が、上述した液晶シャッタ2と主に異なる。
【0060】
図4に示すように、複数の液晶部21aの個数は9個である。複数の液晶部21aは、液晶部21a-1~21a-9を含む。液晶部21a-1~21a-9のそれぞれは、上面視において略矩形の形状を有する。上面視における複数の液晶部21それぞれの角部は、曲線部分を有してよい。
【0061】
複数の液晶部21aの形状は異なる。具体的には、上面視において、液晶シャッタ2aの中央に位置する液晶部21a-5と、四隅に位置する液晶部21a-1、液晶部21a-3、液晶部21a-7および液晶部21a-9は、それぞれ略正方形の形状を有する。一方、X方向(横方向)における中央であって-Y側に位置する液晶部21a-2と、X方向における中央であって+Y側に位置する液晶部21a-8は、それぞれX方向を長手とする略長方形の形状を有する。また、Y方向(縦方向)における中央であって-X側に位置する液晶部21a-4と、Y方向における中央であって+X側に位置する液晶部21a-6は、それぞれY方向を長手とする略長方形の形状を有する。
【0062】
また、複数の液晶部21aの面積は異なる。液晶部21a-2、液晶部21a-4、液晶部21a-6および液晶部21a-8それぞれの面積は略等しい。液晶部21a-1、液晶部21a-3、液晶部21a-7および液晶部21a-9それぞれの面積は略等しい。液晶部21a-2、液晶部21a-4、液晶部21a-6および液晶部21a-8それぞれの面積は、液晶部21a-1、液晶部21a-3、液晶部21a-7および液晶部21a-9それぞれの面積よりも大きい。液晶部21a-5の面積は、液晶部21a-2、液晶部21a-4、液晶部21a-6および液晶部21a-8それぞれの面積よりも大きい。
【0063】
このように、本変形例では、複数の液晶部21aの形状および面積を異ならせてよい。液晶シャッタ2aの中央に位置する液晶部21a-5を周囲の液晶部の面積と比較して大きくしてよい。例えば、望遠モードにおいては、液晶部21-aのみを用いて光を照射する必要がある場合がある。このような場合、望遠モードにおける撮影に必要な露光量の確保が難しい場合がある。そこで、本変形例においては、液晶部21a-5の面積を周囲の液晶部の面積と比較して大きくすることで、例えば、望遠モードにおいて液晶部21-aのみを用いて光を照射する場合には、照射光を明るくし、撮影に必要な露光量を確保することができる。
【0064】
実施形態における複数の液晶部の面積および形状は、図3に示したように、複数の液晶部の全てが同じであってもよいし、図4に示したように、複数の液晶部の一部が同じで他が異なっていてもよいし、複数の液晶部の全てが相互に異なっていてもよい。
【0065】
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態に係る発光装置100aの構成の一例を示す模式図である。図5は、XZ平面に沿った発光装置100aの断面を模式的に示している。本実施形態に係る発光装置は、光源部1の周辺に少なくとも1つの電子部品を有する点が、第1実施形態と主に異なる。また、本実施形態では、電子部品は受光素子6であり、上面視において、液晶シャッタ2は、光源部1と重なるように配置されるとともに、受光素子6は、光源部1と重ならないように配置されてよい。本実施形態では、液晶シャッタ2の上方に配置される透光部材32aを有し、透光部材32aは、液晶シャッタ2に向き合う面において、発光装置100aの外部からの光(以下、外光Mという)を受光素子6に導光可能な導光部33を有してよい。
【0066】
図5において、受光素子6は、電子部品の一例である。受光素子6は、発光装置100aの外光Mの光量を検出する。受光素子6は、例えばフォトダイオードである。
【0067】
透光部材32aは、液晶シャッタ2の上方に配置される。透光部材32aは、液晶シャッタ2に向き合う面(-Z側の面)において、発光装置100aの外光Mを受光素子6に導光可能な導光部33を有する。導光部33は、例えばフレネルレンズ面である。換言すると、透光部材32aは、液晶シャッタ2に向き合う面にフレネルレンズ面を有してもよい。受光素子6は、導光部33により導光された外光Mの光量を検出し、光源部1を点灯制御する制御部等にフィードバックできる。
【0068】
発光装置100aは、受光素子6により検出される外光Mの光量に応じて、発光装置100aからの照射光の光量を制御可能である。発光装置100aは、外光Mの光量に応じて照射光の光量を制御されることで、発光装置100aがフラッシュとして使用される撮像装置による撮影のときに、周囲の明るさに応じて適切な光量の光を照射し、適切な明るさで撮影することができる。
【0069】
受光素子6は、光源部1と重ならないように配置されるため、液晶シャッタ2により遮られることなく、発光装置100aの外光Mを受光素子6に入射させることができ、受光素子6を用いた外光Mの光量を精度よく検出できる。また、発光装置100aは、透光部材32aに導光部33を含むことで、外光Mの受光素子6への入射効率が高くなり、受光素子6を用いた外光Mの光量検出精度を高くすることができる。
【0070】
本実施形態に係る電子部品は、受光素子6に限らず、例えばESD(Electro Static Discharge)保護ダイオードであってもよい。ESD保護ダイオードは、例えばツェナーダイオードである。また、本実施形態に係る電子部品は、2個以上であってもよい。
【0071】
透光部材32aは、液晶シャッタ2に向き合う面に、導光部33の他に、配光制御用のフレネルレンズ面を有してもよい。配光制御用のフレネルレンズ面は、上面視において発光面11に重なるように、透光部材32aの液晶シャッタ2に向き合う面に設けられる。発光装置100aは、配光制御用のフレネルレンズ面により、発光装置100aにおける配光の多様性を高めることができる。また光源部1からの光を配光制御用のフレネルレンズ面により集光できるため、発光装置100aにおける光利用効率を高めることができる。
【0072】
本実施形態における上記以外の作用効果は、第1実施形態とほぼ同じである。
【0073】
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態に係る発光装置100bの構成の一例を示す模式図である。図6は、XZ平面に沿った発光装置100bの断面を模式的に示している。本実施形態に係る発光装置100bは、レンズ5と光源部1の間に配置され、レンズ5の下面および光源部1の発光面11のそれぞれに面接触する導光体7をさらに有する点が、第1実施形態と主に異なる。また、発光装置100bは、液晶シャッタ2と、液晶シャッタ2の上方に配置される透光部材32との間に、少なくとも1つの可変色フィルタ8を有してよい。
【0074】
図6において、導光体7は、レンズ5の下面52および光源部1の発光面11のそれぞれに接触している。導光体7は、光源部1からの光に対して透光性を有する樹脂またはガラス等の材料を含んで構成される。導光体7は、入射面71と、出射面72と、反射面73と、を有する。
【0075】
光源部1から発せられた光Lは、発光面11と面接触する入射面71を通って導光体7の内部に入射する。導光体7の内部に入射し、導光体7の内部を導光された光Lの一部は、レンズ5の下面52に面接触する導光体7の出射面72を通って導光体7から出射する。また、導光体7の内部に入射し、導光体7の内部を導光された光Lの他の一部は、導光体7における入射面71と交差する反射面73で全反射され、再び導光体7の内部を導光された後、導光体7の出射面72を通って導光体7から出射する。出射面72から出射した光Lは、レンズ5を透過した後、液晶シャッタ2に入射する。
【0076】
発光装置100bは、導光体7を有することで、光源部1からの光Lがレンズ5の下面52で界面反射することを低減するとともに、光源部1からの光Lをレンズ5に導光できる。このため、発光装置100bでは、光源部1からの光Lの一部がレンズ5に入射しない光損失を低減して、発光装置100bの光利用効率を高くすることができる。なお、レンズ5の下面52での界面反射を低減する観点では、導光体7の屈折率は、レンズ5の屈折率に近いことが好ましい。
【0077】
発光装置100bは、レンズ5を支持する支持部材51を備えてもよい。支持部材51は、遮光性を有する部材であってよい。例えば発光装置100がフラッシュ用途でカメラと共にスマートフォンに搭載される場合、発光装置100からの照射光が、発光装置100の周辺に配置されたカメラ等の光学素子へ影響することを低減できるように、例えば、光反射性物質または光吸収部材等を含有させた樹脂材料等を含んで構成されることが好ましい。また、レンズ5と支持部材51は、一体に形成されてもよい。例えば、レンズ5および支持部材51のそれぞれを構成する樹脂を射出成形加工することにより、レンズ5および支持部材51を一体に形成できる。あるいは、別々に製作されたレンズ5および支持部材51を接着部材等により接合することにより、レンズ5および支持部材51を一体に形成してもよい。
【0078】
可変色フィルタ8は、液晶シャッタ2と透光部材32との間に配置される。可変色フィルタ8は、例えば、カラーの液晶パネルにより実現できる。可変色フィルタ8は、駆動電圧の印加に応じて、カラーの液晶パネルに表示する画像の色を可変することで、可変色フィルタ8を透過する光の色を可変する。発光装置100bは、可変色フィルタ8を有することで、発光装置100bからの照射光を調色できる。なお、発光装置100bは、1つに限らず、複数の可変色フィルタ8を備えてもよい。
【0079】
本実施形態における上記以外の作用効果は、第1実施形態とほぼ同じである。
【0080】
[第4実施形態]
図7図9を参照して、第4実施形態に係る発光装置について説明する。図7は、第4実施形態に係る発光装置100cの構成の一例を示す模式図である。図7は、XZ平面に沿った発光装置100cの断面を模式的に示している。図8は、発光装置100cにおける蛍光体層の模式的上面図である。図9は、液晶シャッタ2cを示す模式的上面図である。
【0081】
図7図9に示すように、本実施形態では、光源部は、発光素子12上に配置されるとともに、第1蛍光体部131と第2蛍光体部132を含む蛍光体層13cを備える。液晶シャッタ2cにおける複数の液晶部21cは、隣接する2以上の液晶部21cを含む群にそれぞれ分かれる。各群に存在する2以上の液晶部21cを通る光Lは、照射面200において同一の領域を照射し、第1蛍光体部131を透過した光L1は、2以上の液晶部21cの第1液晶部21c-1を通り、第2蛍光体部132を透過した光L2は、2以上の液晶部21cの第2液晶部21c-2を通り、上記の同一の領域において、第1液晶部21c-1を通った光L1と、第2液晶部21c-2を通った光L2と、が混色される。これらの点が第1実施形態と異なる。
【0082】
図8に示すように、蛍光体層13cは、上面視において、9つの第1蛍光体部131と、9つの第2蛍光体部132と、を備える。第1蛍光体部131および第2蛍光体部132は、X方向に交互に並んでいる。
【0083】
図9に示すように、液晶シャッタ2cにおける複数の液晶部21cは、X方向に整列する6個の液晶部21cと、Y方向に整列する6個の液晶部21cと、を含む。複数の液晶部21cのそれぞれは、上面視において、ほぼ同じ面積を有する。また、複数の液晶部21cのそれぞれは、上面視においてほぼ同じ略矩形の形状を有する。上面視における複数の液晶部21cそれぞれの角部は、曲線部分を有してよい。
【0084】
複数の液晶部21cは、隣接する2以上の液晶部21cを含む群にそれぞれ分かれる。複数の液晶部21cは、第1液晶部群20c-1と、第2液晶部群20c-2と、第3液晶部群20c-3と、を含む9個の液晶部群20cに分かれる。9個の液晶部群20cのそれぞれは、4個の液晶部21cを備える。光源部1から発せられ、一の液晶部群における4個の液晶部21cを通った光Lは、図7における照射面200においてほぼ同じ領域に照射される。
【0085】
図7および図9において、光源部1cが備える第1蛍光体部131を通った光L1(例えば白色の光)は、1個の液晶部群20cに含まれる4個の液晶部21cのうちの2個の第1液晶部21c-1に入射される。また光源部1cが備える第2蛍光体部132を通った光L2(例えばアンバー色の光)は、1個の液晶部群20cに含まれる4個の液晶部21cのうちの別の2個の第2液晶部21c-2に入射される。
【0086】
図9に示すように、2個の第1液晶部21c-1のそれぞれは光L1を透過する。2個の第2液晶部21c-2のそれぞれは光L2を透過する。本実施形態では、これら2個の第1液晶部21c-1および2個の第2液晶部21c-2それぞれの透過率の比を調整することで、光L1の色と光L2の色の混色により、発光装置100cからの照射光を調色することができる。
【0087】
また、例えば、白色の光とアンバー色の光とでは、液晶の透過率が異なり、例えばアンバー色の透過率が白色の透過率よりも低い場合がある。この場合は、第2蛍光体部132に含有される光拡散物質の含有割合を第1蛍光体部131に含有される光拡散物質の含有割合よりも大きくすることができる。これにより、第2蛍光体部132においては、第2蛍光体部132に入射した光が光拡散物質によって散乱される割合が増えるため、効率良く波長変換された光が第2蛍光体部132から出射される。第1蛍光体部または第2蛍光体部に含有される光拡散物質の含有割合とは、第1蛍光体部または第2蛍光体部の全体の重量に対する光拡散物質の含有量の割合を言う。発光素子12の出射光および第1蛍光体部131から出射される光の混色光、例えば白色の光は、色温度1800K以上7500K以下の光であってよい。発光素子12の出射光および第2蛍光体部132から出射される光の混色光、例えばアンバー色の光は、発光スペクトルにおいて、発光ピーク波長が580nm以上630nm以下の範囲にあり、発光素子12の発光ピークにおける発光強度に対する波長580nm以上630nm以下の範囲にある発光ピーク波長における発光強度は、例えば5倍以上であり、好適には10倍以上である光であってよい。これらにより、本実施形態では、白色の光とアンバー色の光に対する液晶の透過率の差を補い、調色を高精度に行うことができる。
【0088】
[第5実施形態]
図10は、第5実施形態に係る発光装置100dの構成を示す模式図である。図10は、XZ平面に沿った発光装置100dの断面を模式的に示している。本実施形態に係る発光装置100dは、液晶シャッタ2の上方に配置され、液晶シャッタ2からの光Lの進行方向を、複数の液晶部21に対応する複数の領域ごとで個別に制御可能な液晶レンズ9を有する点が、第1実施形態と異なる。
【0089】
本実施形態では、発光装置100dは、液晶レンズ9を有することで、複数の液晶部21のそれぞれを透過した光の進行方向を制御できるため、発光装置100dの配光の多様性を向上させることができる。
【0090】
[第6実施形態]
図11図12は、第6実施形態に係る発光装置で用いる発光素子12eの構成を示す模式図である。図11は第1例を示す図である。図12は第2例を示す図である。図11図12は、それぞれXZ平面に沿った発光装置100dの断面を模式的に示している。本実施形態に係る光源部が有する発光素子12eは、複数の発光層を有する点が第1実施形態と異なる。
【0091】
図11に示すように、第1例に係る発光素子12eは、サファイア基板111と、n-GaN層112と、第1発光層113と、p-GaN層114と、n-GaN層115と、第2発光層116と、p-GaN層117と、を有する。n-GaN層112、第1発光層113、p-GaN層114、n-GaN層115、第2発光層116およびp-GaN層117は、この順でサファイア基板111上(+Z側)に積層されている。n-GaN層112上には、カソード電極が配置され、p-GaN層117上には、アノード電極が配置されている。
【0092】
第1例に係る発光素子12eは、n-GaN層112、第1発光層113およびp-GaN層114からなる第1積層体110aと、n-GaN層115、第2発光層116およびp-GaN層117からなる第2積層体110bを、トンネル接合層118を介して積層した半導体積層体である。第1発光層113および第2発光層116は、複数の発光層に対応する。トンネル接合層118は、第1積層体110aのp型半導体層と第2積層体110bのn型半導体層とに接している。トンネル接合層118は、アクセプタ濃度がp型半導体層のアクセプタ濃度よりも高いp型半導体層と、ドナー濃度がn型半導体層のドナー濃度よりも高いn型半導体層のうち、少なくとも一方を含んでいる。
【0093】
一方、図12に示すように、第2例に係る発光素子12eは、サファイア基板121と、n-GaN層122と、p-GaN層123と、第1発光層124と、n-GaN層125と、第2発光層126と、p-GaN層127と、を有する。n-GaN層122、p-GaN層123、第1発光層124、n-GaN層125、第2発光層126およびp-GaN層127は、この順でサファイア基板111上(+Z側)に積層されている。
【0094】
p-GaN層123、第1発光層124およびn-GaN層125は、第3積層体120aを構成している。n-GaN層125、第2発光層126およびp-GaN層127は、第4積層体120bを構成している。第2例に係る発光素子12eは、第3積層体120aおよび第4積層体120bのうちのn-GaN層125を共通にして、p-GaN層123およびp-GaN層127が、第1発光層124、n-GaN層125および第2発光層126を挟んでいる半導体である。p-GaN層127およびn-GaN層122のそれぞれの上には、アノード電極が配置され、n-GaN層125上には、カソード電極が配置されている。第3積層体120aと第4積層体120bは直列接続されている。
【0095】
第2例に係る発光素子12eは、サファイア基板121側のp-GaN層123の下にn-GaN層122をさらに有する。n-GaN層122とp-GaN層123は、トンネル接合層128を介して積層されている。第1発光層124および第2発光層126は、複数の発光層に対応する。第2例に係る発光素子12eの構成では、p-GaN層123が薄いため、n-GaN層122により電流を広げることができる。
【0096】
本実施形態では、発光素子12eに含まれる複数の発光層それぞれからの光を用いることで、実施形態に係る発光装置から照射される光を明るくすることができる。なお、発光素子12eに含まれる複数の発光層の層数は、2つに限らず、3つ以上であってよい。
【0097】
以上、好ましい実施の形態について詳説したが、上述した実施の形態に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態に種々の変形および置換を加えることができる。
【0098】
実施形態の説明で用いた序数、数量等の数字は、全て本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示は例示された数字に制限されない。また、構成要素間の接続関係は、本開示の技術を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の機能を実現する接続関係をこれに限定するものではない。
【0099】
本開示の発光モジュールは、照射面の迷光を低減できるので、照明、カメラのフラッシュ、車載のヘッドライト等に好適に利用できる。但し、本開示の発光モジュールはこれら用途に限定されるものではない。
【0100】
本開示の態様は、例えば、以下のとおりである。
<項1> 1つの発光素子を備え、発光面を有する光源部と、前記光源部の上方に配置され、かつ、それぞれが液晶の配向を制御可能な複数の液晶部を有するとともに、上面視において前記光源部の前記発光面の内側に複数の液晶部の外縁が配置される液晶シャッタと、を有し、照射面において、分割照射が可能な発光装置である。
<項2> 前記液晶シャッタは、上面視において、前記発光装置が収容される筐体の開口と同じ面積である、前記<項1>に記載の発光装置である。
<項3> 前記液晶シャッタと前記光源部の間に、少なくとも1つのレンズをさらに有する、前記<項1>または前記<項2>に記載の発光装置である。
<項4> 前記レンズと前記光源部の間に配置され、前記レンズの下面および前記光源部の前記発光面のそれぞれに面接触する導光体をさらに有する、前記<項3>に記載の発光装置である。
<項5> 前記レンズは、前記光源部を覆うように配置される、前記<項3>または前記<項4>に記載の発光装置である。
<項6> 前記レンズは、液晶レンズである、前記<項3>から前記<項5>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項7> 前記液晶シャッタの上方に配置され、前記液晶シャッタからの光の進行方向を、前記複数の液晶部に対応する複数の領域ごとで個別に制御可能な液晶レンズを有する、前記<項1>から前記<項6>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項8> 前記液晶シャッタの上方に配置され、前記液晶シャッタに向き合う面にフレネルレンズ面を有する透光性部材を有する、前記<項1>から前記<項7>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項9> 前記光源部の周辺に少なくとも1つの電子部品を有する、前記<項1>から前記<項8>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項10> 前記電子部品は受光素子であり、上面視において、前記液晶シャッタは、前記光源部と重なるように配置されるとともに、前記受光素子は、前記光源部と重ならないように配置される、前記<項9>に記載の発光装置である。
<項11> 前記液晶シャッタの上方に配置される透光性部材を有し、前記透光性部材は、前記液晶シャッタに向き合う面において、発光装置の外部からの光を前記受光素子に導光可能な導光部を有する、前記<項9>または前記<項10>に記載の発光装置である。
<項12> 前記発光素子は、複数の発光層を含む、前記<項1>から前記<項11>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項13> 前記液晶シャッタは、前記複数の液晶部を区画する隔壁を含む枠部を有し、
前記枠部は、上面において黒色の体色を有し、かつ、下面において黒色の体色を有する、前記<項1>から前記<項12>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項14> 前記液晶シャッタは、前記複数の液晶部を区画する隔壁を含む枠部を有し、
前記枠部は、上面において白色の体色を有し、かつ、下面において黒色の体色を有する、前記<項1>から前記<項13>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項15> 前記光源部は、遮光部材で被覆される、前記<項1>から前記<項14>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項16> 前記液晶シャッタと、前記液晶シャッタの上方に配置される透光性部材との間に、少なくとも1つの可変色フィルタをさらに有する、前記<項1>から前記<項15>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項17> 前記光源部は、前記発光素子上に配置されるとともに、第1蛍光体部と第2蛍光体部を含む蛍光体層を備え、前記液晶シャッタにおける前記複数の液晶部は、隣接する2以上の前記液晶部を含む群にそれぞれ分かれ、各群に存在する2以上の前記液晶部を通る光は、照射面において同一の領域を照射し、前記第1蛍光体部を透過した光は、2以上の前記液晶部の第1液晶部を通り、前記第2蛍光体部を透過した光は、2以上の前記液晶部の第2液晶部を通り、前記領域において、前記第1液晶部を通った光と、前記第2液晶部を通った光と、が混色される、前記<項1>から前記<項16>のいずれか1つに記載の発光装置である。
<項18> 前記第1蛍光体部は、第1樹脂部と、前記第1樹脂部に含有される少なくとも1つの第1蛍光体と、を備え、前記第2蛍光体部は、第2樹脂部と、前記第2樹脂部に含有される少なくとも1つの第2蛍光体と、を備え、前記発光素子の出射光および前記第1蛍光体部から出射される光の混色光は、色温度1800K以上7500K以下の白色光であり、前記発光素子の出射光および前記第2蛍光体部から出射される光の混色光は、アンバー色の光であり、前記第2蛍光体部に含有される光拡散物質の含有割合は、前記第1蛍光体部に含有される光拡散物質の含有割合よりも大きい、前記<項17>に記載の発光装置である。
【符号の説明】
【0101】
1、1c 光源部
11 発光面
12、12e 発光素子
13 波長変換部材
13c 蛍光体層
131 第1蛍光体部
132 第2蛍光体部
14 遮光部材
15 電極
2、2a、2c 液晶シャッタ
20c 液晶部群
20c-1 第1液晶部群
20c-2 第2液晶部群
20c-3 第3液晶部群
21、21-1~21-9 液晶部
21a、21a~21a-9 液晶部
21c-1 第1液晶部
21c-2 第2液晶部
22 駆動部
23 外縁
24 上面
25 下面
26 隔壁
27 枠部
3 筐体
31 開口
32、32a 透光部材
33 導光部
4 実装基板
41 配線
42 導電性接着部材
5 レンズ
51 支持部材
52 レンズの下面
6 受光素子(電子部品の一例)
7 導光体
71 入射面
72 出射面
73 反射面
8 可変色フィルタ
9 液晶レンズ
100、100a、100b、100c、100d 発光装置
110a 第1積層体
110b 第2積層体
111、121 サファイア基板
112 n-GaN層
113、124 第1発光層
114 p-GaN層
115 n-GaN層
116、126 第2発光層
117 p-GaN層
120a 第3積層体
120b 第4積層体
122 n-GaN層
123 p-GaN層
125 n-GaN層
127 p-GaN層
200 照射面
L、L1、L2 光
M 外光
w 幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12