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特開2025-6566アナログRoFシステム、親局装置、子局装置、データ構造および光通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006566
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】アナログRoFシステム、親局装置、子局装置、データ構造および光通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/2575 20130101AFI20250109BHJP
   H04B 10/077 20130101ALI20250109BHJP
【FI】
H04B10/2575
H04B10/077
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107445
(22)【出願日】2023-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】弁理士法人ワンディ-IPパ-トナ-ズ
(72)【発明者】
【氏名】自念 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】船田 知之
(72)【発明者】
【氏名】桂 勇男
(72)【発明者】
【氏名】田中 成斗
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 大輔
(72)【発明者】
【氏名】宮関 勇輔
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 雄太
(72)【発明者】
【氏名】山本 泰義
(72)【発明者】
【氏名】新井 拓人
(72)【発明者】
【氏名】俊長 秀紀
(72)【発明者】
【氏名】内田 大誠
(72)【発明者】
【氏名】北 直樹
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102AB12
5K102AD01
5K102AD04
5K102AH21
5K102AH22
5K102AL08
5K102LA01
5K102LA21
5K102LA31
5K102LA52
5K102PA01
5K102PB01
5K102PH31
5K102PH47
5K102PH48
5K102PH49
5K102PH50
5K102RC04
5K102RD05
5K102RD14
5K102RD15
5K102RD28
(57)【要約】
【課題】アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送する。
【解決手段】アナログRoFシステムでは、親局装置は、宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と主信号とを含む光信号を複数の子局装置へ送信し、前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得し、前記第2の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログRoF(Radio over Fiber)システムであって、
親局装置と、
複数の子局装置とを備え、
前記親局装置は、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信し、
前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得し、
前記第2の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する、アナログRoFシステム。
【請求項2】
前記親局装置は、前記第1の子局装置および前記第2の子局装置に対応する前記第2の制御情報が格納された前記フレームを生成し、
前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報をさらに取得する、請求項1に記載のアナログRoFシステム。
【請求項3】
前記親局装置は、前記子局装置に1対1で対応する前記第2の制御情報が格納された前記フレームを生成する、請求項1または請求項2に記載のアナログRoFシステム。
【請求項4】
前記フレームは、前記第1の制御情報が格納される第1フィールドと、前記第2の制御情報が格納される第2フィールドと、前記複数の子局装置に共通の第3の制御情報が格納される第3フィールドとを含む、請求項1または請求項2に記載のアナログRoFシステム。
【請求項5】
アナログRoFシステムにおいて複数の子局装置へ制御情報を伝送する親局装置であって、
制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信する送信部とを備える、親局装置。
【請求項6】
アナログRoFシステムにおける子局装置であって、
宛先情報、第1の制御情報および第2の制御情報が格納されたフレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する取得部とを備え、
前記取得部は、前記宛先情報が示す装置が前記子局装置である場合、前記デジタル信号から前記第1の制御情報をさらに取得する、子局装置。
【請求項7】
親局装置と複数の子局装置とを備えるアナログRoFシステムにおいて、前記親局装置から前記複数の子局装置へ伝送されるフレームのデータ構造であって、
前記フレームの宛先の前記子局装置を示す宛先情報が格納される宛先アドレスフィールドと、
前記宛先情報が示す前記子局装置に対応する第1の制御情報が格納される第1フィールドと、
前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置に対応する第2の制御情報が格納される第2フィールドとを備える、データ構造。
【請求項8】
親局装置と、複数の子局装置とを備えるアナログRoFシステムにおける光通信方法であって、
前記親局装置が、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信するステップと、
前記第1の子局装置が、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得するステップと、
前記第2の子局装置が、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得するステップとを含む、光通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アナログRoF(Radio over Fiber)システム、親局装置、子局装置、データ構造および光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信データを含むアナログ信号を装置間において光ファイバ経由で伝送する光通信システムにおいて、一方の装置の動作を制御するための制御情報をアナログ信号に多重して伝送する技術が開発されている。
【0003】
たとえば、特許文献1(特開2021-64861号公報)には、以下のような光送信装置が開示されている。すなわち、光送信装置は、情報を搬送する第1電気信号と複数のトーン信号とを周波数多重して多重信号を生成する多重手段と、前記多重信号で連続光の搬送波抑圧振幅変調を行う変調手段とを備える。
【0004】
また、特許文献2(特開2020-43488号公報)には、以下のような増幅器ユニットが開示されている。すなわち、増幅器ユニットは、変調周波数fmのデジタル信号を生成し、前記デジタル信号を出力するデジタル信号生成部と、振幅に情報を有する周波数fcのアナログ信号を生成し、前記アナログ信号を出力するアナログ信号生成部と、前記デジタル信号と前記アナログ信号とを重畳した重畳信号を生成し、前記重畳信号を出力する重畳部と、前記重畳信号を増幅した増幅信号を生成し、前記増幅信号を出力する増幅部と、前記増幅信号の電圧に関する情報を検知する検知部と、 前記検知部が検知した前記情報に基づいて、前記増幅部の増幅度を決定する増幅度決定部とを備える。前記増幅部に入力される入力信号の入力電圧と、前記増幅部から出力される出力信号の出力電圧との関係は、前記入力電圧が増加するにつれて前記出力電圧が増加する領域から、前記出力電圧があらかじめ定められた一定値になるように前記増幅度が変化する領域を有する関係を有する。また、前記増幅部に入力される前記デジタル信号の入力電圧は、前記増幅度で増幅された前記デジタル信号の出力電圧が前記一定値になる電圧である。また、前記増幅部に入力される前記アナログ信号の入力電圧は、前記増幅度で増幅された前記アナログ信号の出力電圧が前記増幅度に比例した値になる電圧である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-64861号公報
【特許文献2】特開2020-43488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および2に記載の技術を超えて、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することが可能な技術が望まれる。
【0007】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することが可能なアナログRoFシステム、親局装置、子局装置、データ構造および光通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示のアナログRoFシステムは、アナログRoFシステムであって、親局装置と、複数の子局装置とを備え、前記親局装置は、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信し、前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得し、前記第2の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の第1の実施の形態の比較例に係るアナログRoFシステムにおいて親局装置から子局装置へ送信されるフレームを示す図である。
図3図3は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムにおいて親局装置から子局装置へ送信されるフレームを示す図である。
図4図4は、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置の構成を示す図である。
図5図5は、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置の生成部により生成されるフレームのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、本開示の第1の実施の形態に係る子局装置の構成を示す図である。
図7図7は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムにおける通信のシーケンスの一例を示す図である。
図8図8は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る親局装置の生成部により生成されるフレームのデータ構造の一例を示す図である。
図9図9は、本開示の第2の実施の形態に係るアナログRoFシステムの構成を示す図である。
図10図10は、本開示の第2の実施の形態に係る親局装置の構成を示す図である。
図11図11は、本開示の第2の実施の形態に係る子局装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本開示の実施の形態に係るアナログRoFシステムは、親局装置と、複数の子局装置とを備え、前記親局装置は、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信し、前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得し、前記第2の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する。
【0013】
このように、親局装置が、宛先情報と第1の制御情報と第2の制御情報とが格納されたフレームを含む光信号を複数の子局装置へ送信し、宛先情報が示す第1の子局装置が第1の制御情報を取得し、宛先情報が示す子局装置以外の第2の子局装置が第2の制御情報を取得する構成により、第1の子局装置へ第1の制御情報を伝送しながら、当該宛先情報の異なる複数のフレームを用いて当該複数の子局装置へ第2の制御情報を伝送することができるので、各子局装置への制御情報の伝送頻度をより柔軟に設定することができる。したがって、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【0014】
(2)上記(1)において、前記親局装置は、前記第1の子局装置および前記第2の子局装置に対応する前記第2の制御情報が格納された前記フレームを生成してもよく、前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報をさらに取得してもよい。
【0015】
このような構成により、1つのフレームを用いて、第1の子局装置を含む各子局装置へ第2の制御情報を伝送することができる。
【0016】
(3)上記(1)または(2)において、前記親局装置は、前記子局装置に1対1で対応する前記第2の制御情報が格納された前記フレームを生成してもよい。
【0017】
このような構成により、各子局装置宛のフレームを用いて、子局装置ごとに個別の第2の制御情報を伝送することができる。
【0018】
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記フレームは、前記第1の制御情報が格納される第1フィールドと、前記第2の制御情報が格納される第2フィールドと、前記複数の子局装置に共通の第3の制御情報が格納される第3フィールドとを含んでもよい。
【0019】
このような構成により、各子局装置宛のフレームを用いて、すべての子局装置へ共通の第3の制御情報をさらに伝送することができる。
【0020】
(5)本開示の実施の形態に係る親局装置は、アナログRoFシステムにおいて複数の子局装置へ制御情報を伝送する親局装置であって、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成する生成部と、前記生成部により生成された前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信する送信部とを備える。
【0021】
このように、宛先情報と第1の制御情報と第2の制御情報とが格納されたフレームを生成し、生成したフレームを含む光信号を複数の子局装置へ送信する構成により、宛先情報が示す子局装置へ第1の制御情報を伝送しながら、当該宛先情報の異なる複数のフレームを用いて当該複数の子局装置へ第2の制御情報を伝送することができるので、各子局装置への制御情報の伝送頻度をより柔軟に設定することができる。したがって、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【0022】
(6)本開示の実施の形態に係る子局装置は、アナログRoFシステムにおける子局装置であって、宛先情報、第1の制御情報および第2の制御情報が格納された前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を受信する受信部と、前記受信部により受信された前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得する取得部とを備え、前記取得部は、前記宛先情報が示す装置が前記子局装置である場合、前記デジタル信号から前記第1の制御情報をさらに取得する。
【0023】
このように、子局装置において、宛先情報、第1の制御情報および第2の制御情報が格納されたフレームを含む光信号を受信し、受信した光信号に含まれるデジタル信号から第2の制御情報を取得し、宛先情報が示す装置が当該子局装置である場合、当該デジタル信号から第1の制御情報をさらに取得する構成により、子局装置宛のフレームを用いて当該子局装置へ第1の制御情報を伝送しながら、当該宛先情報の異なる複数のフレームを用いて複数の子局装置へ第2の制御情報を伝送することができるので、各子局装置への制御情報の伝送頻度をより柔軟に設定することができる。したがって、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【0024】
(7)本開示の実施の形態に係るデータ構造は、親局装置と複数の子局装置とを備えるアナログRoFシステムにおいて、前記親局装置から前記複数の子局装置へ伝送されるフレームのデータ構造であって、前記フレームの宛先の前記子局装置を示す宛先情報が格納される宛先アドレスフィールドと、前記宛先情報が示す前記子局装置に対応する第1の制御情報が格納される第1フィールドと、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置に対応する第2の制御情報が格納される第2フィールドとを備える。
【0025】
このように、フレームのデータ構造が、宛先アドレスフィールドと、宛先情報が示す子局装置に対応する第1の制御情報が格納される第1フィールドと、宛先情報が示す子局装置以外の子局装置に対応する第2の制御情報が格納される複数の第2フィールドとを備える構成により、子局装置宛の当該フレームを用いて当該子局装置へ第1の制御情報を伝送しながら、当該宛先情報の異なる複数のフレームを用いて複数の子局装置へ第2の制御情報を伝送することができるので、各子局装置への制御情報の伝送頻度をより柔軟に設定することができる。したがって、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【0026】
(8)本開示の実施の形態に係る光通信方法は、親局装置と、複数の子局装置とを備えるアナログRoFシステムにおける光通信方法であって、前記親局装置が、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信するステップと、前記第1の子局装置が、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得するステップと、前記第2の子局装置が、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得するステップとを含む。
【0027】
このように、親局装置が、宛先情報と第1の制御情報と第2の制御情報とが格納されたフレームを含む光信号を複数の子局装置へ送信し、宛先情報が示す第1の子局装置が第1の制御情報を取得し、宛先情報が示す子局装置以外の第2の子局装置が第2の制御情報を取得する方法により、第1の子局装置へ第1の制御情報を伝送しながら、当該宛先情報の異なる複数のフレームを用いて当該複数の子局装置へ第2の制御情報を伝送することができるので、各子局装置への制御情報の伝送頻度をより柔軟に設定することができる。したがって、アナログRoFシステムにおいて、制御情報を所望の伝送頻度で伝送することができる。
【0028】
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0029】
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムの構成を示す図である。図1を参照して、アナログRoFシステム301は、親局装置101と、子局装置201A,201B,201Cとを備える。子局装置201A,201B,201Cは、アンテナ161A,161B,161Cとそれぞれ接続される。以下、子局装置201A,201B,201Cの各々を子局装置201とも称し、アンテナ161A,161B,161Cの各々をアンテナ161とも称する。子局装置201は、第1の子局装置の一例であり、かつ第2の子局装置の一例である。アナログRoFシステム301は、2つまたは4つ以上の子局装置201を備える構成であってもよい。各子局装置201には、子局IDが付与されている。
【0030】
親局装置101および子局装置201は、光ファイバ191および図示しない光カプラを介して親局装置101と接続される。親局装置101および子局装置201は、光ファイバ191を介して通信データを含む光信号の送受信を行う。
【0031】
移動体無線通信にアナログRoFシステム301を適用した場合、たとえば移動体無線通信においてTDD(Time Division Duplex)方式が採用される。この場合、アナログRoFシステム301において、子局装置201から親局装置101へ通信データを送信するための上り送信期間と、親局装置101から子局装置201へ通信データを送信するための下り送信期間とが切り替えられ、交互に繰り返される。
【0032】
より詳細には、親局装置101は、通信データを含むOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調されたアナログ信号を図示しない基地局装置から受信する。親局装置101は、受信したアナログ信号を周波数変換することによりIF(Intermediate Frequency)信号を生成する。IF信号は、主信号の一例である。親局装置101は、下り送信期間において、生成したIF信号を含む光信号を光ファイバ191経由で各子局装置201へ送信する。
【0033】
各子局装置201は、光ファイバ191経由で親局装置101から光信号を受信する。各子局装置201は、受信した光信号からIF信号を取得し、取得したIF信号に基づくミリ波帯のRF(Radio Frequency)信号を対応のアンテナ161経由で図示しない移動体通信端末へ送信する。なお、子局装置201は、取得したIF信号に基づく信号を、有線を介して他の装置へ送信する構成であってもよい。
【0034】
また、各子局装置201は、通信データを含むOFDM変調されたミリ波帯のRF信号を対応のアンテナ161経由で図示しない移動体通信端末から受信する。各子局装置201は、受信したRF信号を周波数変換することによりIF信号を生成する。各子局装置201は、上り送信期間において、生成したIF信号を含む光信号を光ファイバ191経由で親局装置101へ送信する。なお、子局装置201は、通信データを含む信号を有線で受信し、受信した信号を含む光信号を光ファイバ191経由で親局装置101へ送信する構成であってもよい。
【0035】
親局装置101は、光ファイバ191経由で各子局装置201から光信号を受信する。親局装置101は、受信した光信号からIF信号を取得し、取得したIF信号に基づく信号を基地局装置へ送信する。
【0036】
また、親局装置101は、下り送信期間において、子局装置201の動作を制御するための制御情報Cntを当該子局装置201へ伝送する。詳細には、親局装置101は、宛先の子局装置201を示す宛先IDと、制御情報Cntとを含む当該子局装置201宛のフレームF1を生成し、生成したフレームF1を各子局装置201へ送信する。より詳細には、親局装置101は、フレームF1を含むNRZ(Non Return to Zero)方式のデジタル信号とIF信号とが周波数多重された電気信号に基づく光信号を生成し、生成した光信号を、光ファイバ191を介して各子局装置201へ送信する。
【0037】
たとえば、親局装置101は、制御情報Cntとして、ビームフォーミング情報、TDD(Time Division Duplex)情報、ヘルスチェック情報、および同期情報等を子局装置201へ伝送する。ビームフォーミング情報は、子局装置201におけるRF信号の送信方向を制御するための情報である。TDD情報は、TDDに従うRF信号の送信タイミングを制御するための情報である。ヘルスチェック情報は、親局装置101が正常に動作していることを示す情報である。子局装置201は、親局装置101からのヘルスチェック情報が途絶えた状態が一定時間以上継続した場合、他の子局装置201におけるRF信号の送受信の妨害を防止するために、親局装置101が正常復旧するまで動作を停止する。同期情報は、親局装置101と子局装置201との間における同期処理を行うための情報である。
【0038】
各子局装置201は、光ファイバ191を介して親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号からフレームF1を取得し、当該フレームF1から宛先IDを取得する。子局装置201は、取得した宛先IDが当該子局装置201の子局IDと一致する場合、当該フレームF1から制御情報Cntを取得し、取得した制御情報Cntに従って動作する。
【0039】
[課題]
図2は、本開示の第1の実施の形態の比較例に係るアナログRoFシステムにおいて親局装置から子局装置へ送信されるフレームを示す図である。図2では、フレームF1A,F1B,F1Cを示している。フレームF1Aは、子局装置201Aの動作を制御するための制御情報Cntが格納された子局装置201A宛のフレームF1である。フレームF1Bは、子局装置201Bの動作を制御するための制御情報Cntが格納された子局装置201B宛のフレームF1である。フレームF1Cは、子局装置201Cの動作を制御するための制御情報Cntが格納された子局装置201C宛のフレームF1である。
【0040】
図2を参照して、たとえば、親局装置101は、所定の送信周期Ptに従う送信タイミングにおいて、フレームF1を各子局装置201へ送信する。より詳細には、親局装置101は、各送信タイミングにおいて、フレームF1A,F1B,F1Cをこの順に繰り返し各子局装置201へ送信する。
【0041】
子局装置201は、親局装置101から受信したフレームF1A,F1B,F1Cのうちの、宛先IDとして当該子局装置201の子局IDを含むフレームF1から制御情報Cntを取得する。
【0042】
ここで、制御情報Cntは、短周期で更新する必要がある短周期情報と、短周期で更新する必要のない長周期情報とに分類される。短周期情報は、高頻度で子局装置201へ伝送する必要がある一方で、長周期情報は、高頻度で子局装置201へ伝送する必要はない。
【0043】
たとえば、ビームフォーミング情報は、子局装置201において移動体通信端末の移動に追従したRF信号の送信を実現するために、短周期情報に分類される。また、たとえば、ヘルスチェック情報は、親局装置101において異常が発生した際の子局装置201間におけるRF信号の送受信の妨害を防止するために、短周期情報に分類される。一方、周期的に変化するTDD情報、および同期情報は、長周期情報に分類される。
【0044】
今後、光通信システムにおいて、経済的または効率的なネットワークの構築のために、親局装置と接続される子局装置が増加することが考えられる。一方、アナログRoFシステム301において、親局装置101による子局装置201宛の制御情報Cntの伝送頻度は、当該親局装置101と接続される子局装置201の数に反比例する。したがって、親局装置101と接続される子局装置201の数がたとえば100台以上となると、制御情報Cntを伝送するための限られた伝送帯域では、短周期情報を所定の伝送頻度で伝送することができず、短周期情報を定められた周期で更新することができない場合がある。
【0045】
親局装置101において、短周期情報の伝送頻度を向上させるためにビットレートを上げた場合、長周期情報の伝送頻度が必要以上に高くなり伝送帯域の無駄が生じるとともに、親局装置101における光変調部および信号処理回路等のハードウェア構成が高コスト化してしまう。
【0046】
そこで、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステム301は、以下のような構成により、上記の課題を解決する。
【0047】
図3は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムにおいて親局装置から子局装置へ送信されるフレームを示す図である。
【0048】
図3を参照して、親局装置101は、宛先IDと、当該宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLと、当該宛先IDが示す子局装置201以外の子局装置201に対応する高速制御情報CHとが格納されたフレームF1を生成する。たとえば、親局装置101は、宛先IDと、低速制御情報CLと、子局装置201A,201B,201Cに1対1で対応する高速制御情報CHが格納されたフレームF1を生成する。親局装置101は、生成したフレームF1を含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、各子局装置201へ送信する。低速制御情報CLは、第1の制御情報の一例である。高速制御情報CHは、第2の制御情報の一例である。たとえば、高速制御情報CHは、アナログRoFシステム301の管理者により短周期情報に分類された制御情報Cntである。低速制御情報CLは、高速制御情報CH以外の制御情報Cntである。
【0049】
各子局装置201のうちの宛先IDが示す子局装置201は、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLおよび高速制御情報CHを取得する。また、各子局装置201のうちの、宛先IDが示す子局装置201以外の子局装置201は、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。
【0050】
以下、親局装置101および子局装置201における処理の詳細について説明する。
【0051】
図4は、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置の構成を示す図である。図4を参照して、親局装置101は、親局装置101は、信号受信部11と、周波数変換部12と、受付部13と、生成部14と、8B/10B変調部15と、LPF16と、多重部17と、光変調部18とを備える。光変調部18は、送信部の一例である。信号受信部11、周波数変換部12、受付部13、生成部14および8B/10B変調部15の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0052】
受付部13は、アナログRoFシステム301の管理者から、高速制御情報CHの伝送の有効または無効の設定内容と、高速制御情報CHとして伝送すべき制御情報Cntの設定内容と、低速制御情報CLとして伝送すべき制御情報Cntの設定内容とを受け付ける。たとえば、受付部13は、高速制御情報CHの伝送を有効とし、高速制御情報CHとしてビームフォーミング情報およびヘルスチェック情報を伝送し、かつ低速制御情報CLとして、周期的に変化するTDD情報、および同期情報を伝送すべき旨の設定内容を受け付ける。受付部13は、受け付けた設定内容を示す設定情報を生成部14へ出力する。
【0053】
信号受信部11は、通信データを含むOFDM変調されたアナログ信号を図示しない基地局装置から受信する。なお、信号受信部11は、アナログ信号として、RF信号を受信する構成であってもよいし、ベースバンド信号を受信する構成であってもよい。信号受信部11は、受信したアナログ信号を周波数変換部12へ出力する。
【0054】
周波数変換部12は、信号受信部11から受けたアナログ信号をアップコンバートまたはダウンコンバートすることにより、中心周波数faを有するIF信号を生成し、生成したIF信号を多重部17へ出力する。
【0055】
生成部14は、受付部13から設定情報を受ける。また、生成部14は、複数の子局装置201へそれぞれ伝送すべき複数の制御情報Cntを図示しない基地局装置から受信する。たとえば、生成部14は、制御情報Cntとして、ビームフォーミング情報、周期的に変化するTDD情報、ヘルスチェック情報、および同期情報を当該基地局装置から受信する。
【0056】
生成部14は、受付部13から受けた設定情報に従って、基地局装置から受信した制御情報Cntが格納された子局装置201宛のフレームを生成する。たとえば、生成部14は、送信周期Ptに従う生成タイミングにおいて、フレームF1を生成する。
【0057】
図5は、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置の生成部により生成されるフレームのデータ構造の一例を示す図である。図5を参照して、フレームF1は、プリアンブルと、SFD(Start Frame Delimiter)と、宛先アドレスフィールドと、シーケンス番号と、高速伝送フィールドと、送信元アドレスフィールドと、低速伝送フィールドと、EFD(End Frame Delimiter)と、CRC(Cyclic Redundancy Check)とを含む。低速伝送フィールドは、第1フィールドの一例である。
【0058】
高速伝送フィールドは、高速サブフィールドSF1,SF2,SF3と、共通サブフィールドSFCとを含む。以下、高速サブフィールドSF1,SF2,SF3の各々を高速サブフィールドSFnとも称する。高速サブフィールドSFnは、第2フィールドの一例である。共通サブフィールドSFCは、第3フィールドの一例である。フレームF1における高速伝送フィールドは、3つの高速サブフィールドSFnを含む構成に限定されず、アナログRoFシステム301に新たな子局装置201が追加された場合に備えて4つ以上の高速サブフィールドSFnを含んでもよい。
【0059】
フレームF1における宛先アドレスフィールドには、当該フレームF1の宛先の子局装置201を示す宛先IDが格納される。低速伝送フィールドには、宛先アドレスフィールドに格納された宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLが格納される。高速情報フィールドにおける高速サブフィールドSFnには、子局装置201A,201B,201Cにそれぞれ対応する3つの高速制御情報CHが格納される。
【0060】
共通サブフィールドSFCには、子局装置201A,201B,201Cに共通の制御情報Cntである共通制御情報Cemrが格納される。たとえば、共通サブフィールドSFCは、共通制御情報Cemrの伝送のために高速情報フィールドに設けられた予備のフィールドである。
【0061】
生成部14は、制御情報Cntを含む子局装置201宛のフレームF1であって、フレームF1の宛先を示す宛先IDと、宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLと、子局装置201A,201B,201Cに対応する高速制御情報CHとが格納されたフレームF1を生成する。
【0062】
より詳細には、生成部14は、子局装置201A宛のフレームF1Aの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Aの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201A宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSF1に子局装置201A宛の高速制御情報CHが格納され、高速サブフィールドSF2に子局装置201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSF3に子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF1Aを生成する。
【0063】
また、生成部14は、子局装置201B宛のフレームF1Bの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Bの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201B宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSF1に子局装置201A宛の高速制御情報CHが格納され、高速サブフィールドSF2に子局装置201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSF3に子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF1Bを生成する。
【0064】
また、生成部14は、子局装置201C宛のフレームF1Cの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Cの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201C宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSF1に子局装置201A宛の高速制御情報CHが格納され、高速サブフィールドSF2に子局装置201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSF3に子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF1Cを生成する。
【0065】
たとえば、生成部14は、通常時において、共通サブフィールドSFCにNULLデータが格納されたフレームF1を生成する。また、たとえば、生成部14は、災害発生時等の緊急時において、共通サブフィールドSFCに、子局装置201宛の所定のメッセージ、および消費電力の抑制のために子局装置201における所定の機能をオフするための一部停止指示等が格納されたフレームF1を生成する。
【0066】
なお、生成部14は、受付部13から高速制御情報CHの伝送を無効とする設定情報を受けた場合、高速サブフィールドSF1,SF2,SF3にNULLデータが格納されたフレームF1を生成する。
【0067】
再び図4を参照して、生成部14は、フレームF1を生成すると、生成したフレームを含む、帯域幅fdを有する2値のデジタル信号を8B/10B変調部15へ出力する。
【0068】
8B/10B変調部15は、生成部14から受けたデジタル信号を8B/10変調してLPF16へ出力する。すなわち、8B/10B変調部15は、生成部14から受けた8ビット分のデジタル信号を10ビットのデジタル信号に変換してLPF16へ出力する。
【0069】
LPF16は、8B/10B変調部15からデジタル信号を受けて、受けたデジタル信号における所定の周波数以上の周波数成分を減衰させる。たとえば、LPF16は、カットオフ周波数fc以上の周波数成分を減衰する、フィルタ次数が4次以上のベッセルフィルタである。カットオフ周波数fcは、周波数変換部12により生成されるIF信号の中心周波数faよりも小さい。LPF16は、カットオフ周波数fc以上の周波数成分が減衰されたデジタル信号を多重部17へ出力する。
【0070】
たとえば、多重部17は、LPF16の通過信号と、IF信号とを周波数多重する。より詳細には、多重部17は、LPF16から受けたデジタル信号と、周波数変換部12から受けたIF信号とを周波数多重する。多重部17は、デジタル信号とIF信号とが周波数多重された電気信号M1を生成して光変調部18へ出力する。
【0071】
なお、親局装置101は、基地局装置からIF信号を受信し、受信したIF信号を含む光信号を光ファイバ191経由で子局装置201へ送信する構成であってもよい。より詳細には、親局装置101は、周波数変換部12を備えない構成であってもよい。この場合、信号受信部11は、基地局装置からIF信号を受信し、受信したIF信号を多重部17へ出力する。多重部17は、信号受信部11からIF信号を受けて、LPF16から受けたデジタル信号と、信号受信部11から受けたIF信号とを周波数多重する。
【0072】
光変調部18は、生成部14により生成されたフレームF1を含むデジタル信号と、アナログのIF主信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して子局装置201へ送信する。より詳細には、光変調部18は、多重部17から電気信号M1を受けて、受けた電気信号M1が光変調された光信号を生成し、生成した光信号を光ファイバ191へ出力する。
【0073】
(子局装置)
図6は、本開示の第1の実施の形態に係る子局装置の構成を示す図である。図6を参照して、子局装置201は、光復調部21と、分離部22と、増幅部23A,23Bと、周波数変換部24と、8B/10B復調部25と、LPF26と、制御情報処理部27とを備える。光復調部21は、受信部の一例である。制御情報処理部27は、取得部の一例である。周波数変換部24、8B/10B復調部25および制御情報処理部27の一部または全部は、たとえば、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。
【0074】
光復調部21は、フレームF1を含むデジタル信号と、IF信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して親局装置101から受信する。光復調部21は、受信した光信号に基づく電気信号M2を生成する。より詳細には、光復調部21は、受信した光信号の強度に応じたレベルの電気信号M2を生成して分離部22へ出力する。
【0075】
分離部22は、光復調部21から電気信号M2を受けて、受けた電気信号M2から、フレームF1を含むデジタル信号を分離する。より詳細には、分離部22は、電気信号M2の周波数成分のうちの一部の周波数成分を増幅部23Aへ出力し、残りの周波数成分を増幅部23Bへ出力する。
【0076】
たとえば、分離部22は、HPF(High Pass Filter)とLPFとにより構成されるダイプレクサである。分離部22は、電気信号M2のうちの周波数Fx以上の周波数成分である電気信号M2aを増幅部23Aへ出力し、周波数Fx未満の周波数成分である電気信号M2bを増幅部23Bへ出力する。ここで、周波数Fxは、IF信号の中心周波数faよりも小さい。電気信号M2aは、親局装置101における周波数変換部12により生成されるIF信号を含む。電気信号M2bは、親局装置101におけるLPF16を通過したデジタル信号を含む。
【0077】
増幅部23Aは、分離部22から電気信号M2aを受けて、受けた電気信号M2aを増幅する。たとえば、増幅部23Aは、リニアアンプである。増幅部23Aは、増幅後の電気信号M2aを周波数変換部24へ出力する。
【0078】
増幅部23Bは、分離部22から電気信号M2bを受けて、受けた電気信号M2bを増幅する。たとえば、増幅部23Bは、リミティングアンプである。増幅部23Bは、増幅後の電気信号M2bを8B/10B復調部25へ出力する。
【0079】
このように、電気信号M2から電気信号M2aおよび電気信号M2bを分離し、増幅部23A,23Bを用いて電気信号M2a,M2bをそれぞれ増幅する構成により、増幅部23Aとしてリニアアンプを用いることができ、増幅部23Bとしてリミティングアンプを用いることができる。これにより、増幅部23Bとしてリニアアンプを用いた場合におけるデジタル信号の波形歪みの発生を回避することができる。また、特許文献2に記載の技術のように電気信号M2aおよび電気信号M2bを分離することなく電気信号M2を増幅する構成と比べて、子局装置201の回路規模をより小さくすることができる。
【0080】
たとえば、周波数変換部24は、増幅部23Aから受けた電気信号M2aをアップコンバートすることによりRF信号を生成し、生成したRF信号をアンテナ161へ出力する。なお、周波数変換部24は、増幅部23Aから受けた電気信号M2aをダウンコンバートすることによりベースバンド信号を生成し、生成したベースバンド信号を子局装置201の外部の装置へ送信してもよい。
【0081】
8B/10B復調部25は、増幅部23Bから受けた電気信号M2bを8B/10B復調してLPF26へ出力する。すなわち、8B/10B復調部25は、増幅部23Bから受けた10ビット分の電気信号M2bを8ビットの電気信号M2bに変換してLPF26へ出力する。
【0082】
LPF26は、8B/10B復調部25から電気信号M2bを受けて、受けた電気信号M2bにおける所定の周波数以上の成分を減衰させる。たとえば、LPF26は、カットオフ周波数fc以上の周波数成分を減衰する、フィルタ次数が4次以上のベッセルフィルタである。LPF26は、カットオフ周波数fc以上の成分が減衰された電気信号M2bを制御情報処理部27へ出力する。
【0083】
制御情報処理部27は、光復調部21により受信された光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、制御情報処理部27は、LPF26から電気信号M2bを受けて、受けた電気信号M2bからフレームF1を取得する。制御情報処理部27は、取得したフレームF1の高速伝送フィールドにおける所定の高速サブフィールドSFnから高速制御情報CHを取得する。一例として、子局装置201Aにおける制御情報処理部27は、高速サブフィールドSF1から高速制御情報CHを取得し、子局装置201Bにおける制御情報処理部27は、高速サブフィールドSF2から高速制御情報CHを取得し、子局装置201Cにおける制御情報処理部27は、高速サブフィールドSF3から高速制御情報CHを取得する。
【0084】
子局装置201における制御情報処理部27は、フレームF1に格納された宛先IDが示す装置が当該子局装置201である場合、光復調部21により受信された光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLをさらに取得する。より詳細には、制御情報処理部27は、取得したフレームF1の宛先アドレスフィールドから宛先IDを取得する。制御情報処理部27は、取得した宛先IDが当該子局装置201の子局IDと一致する場合、当該フレームF1における低速伝送フィールドから低速制御情報CLを取得する。
【0085】
制御情報処理部27は、取得した制御情報Cntを処理する。たとえば、制御情報処理部27は、高速制御情報CHの一例であるビームフォーミング情報を受けて、受けたビームフォーミング情報に従ってアンテナ161から出力されるビームの方向を制御する処理を行う。
【0086】
[動作の流れ]
図7は、本開示の第1の実施の形態に係るアナログRoFシステムにおける通信のシーケンスの一例を示す図である。
【0087】
図7を参照して、まず、親局装置101は、宛先アドレスフィールドに子局装置201Aの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201A宛の低速制御情報CLが格納され、かつ高速サブフィールドSF1,SF2,SF3に子局装置201A,201B,201C宛の高速制御情報CHがそれぞれ格納されたフレームF1Aを生成する(ステップS11)。
【0088】
次に、親局装置101は、生成したフレームF1Aを含むデジタル信号と、アナログのIF主信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して各子局装置201へ送信する(ステップS12)。
【0089】
次に、子局装置201Aは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLおよび高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Aは、当該デジタル信号からフレームF1Aを取得し、当該フレームF1Aにおける低速伝送フィールドから低速制御情報CLを取得し、当該フレームF1Aの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF1から高速制御情報CHを取得する(ステップS13)。
【0090】
また、子局装置201Bは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Bは、当該デジタル信号からフレームF1Aを取得し、当該フレームF1Aの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF2から高速制御情報CHを取得する(ステップS14)。
【0091】
また、子局装置201Cは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Cは、当該デジタル信号からフレームF1Aを取得し、当該フレームF1Aの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF3から高速制御情報CHを取得する(ステップS15)。
【0092】
次に、親局装置101は、宛先アドレスフィールドに子局装置201Bの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201B宛の低速制御情報CLが格納され、かつ高速サブフィールドSF1,SF2,SF3に子局装置201A,201B,201C宛の高速制御情報CHがそれぞれ格納されたフレームF1Bを生成する(ステップS16)。
【0093】
次に、親局装置101は、生成したフレームF1Bを含むデジタル信号と、アナログのIF主信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して各子局装置201へ送信する(ステップS17)。
【0094】
次に、子局装置201Aは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Aは、当該デジタル信号からフレームF1Bを取得し、当該フレームF1Bの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF1から高速制御情報CHを取得する(ステップS18)。
【0095】
また、子局装置201Bは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLおよび高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Bは、当該デジタル信号からフレームF1Bを取得し、当該フレームF1Bにおける低速伝送フィールドから低速制御情報CLを取得し、当該フレームF1Bの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF2から高速制御情報CHを取得する(ステップS19)。
【0096】
また、子局装置201Cは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Cは、当該デジタル信号からフレームF1Bを取得し、当該フレームF1Bの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF3から高速制御情報CHを取得する(ステップS20)。
【0097】
次に、親局装置101は、宛先アドレスフィールドに子局装置201Cの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201C宛の低速制御情報CLが格納され、かつ高速サブフィールドSF1,SF2,SF3に子局装置201A,201B,201C宛の高速制御情報CHがそれぞれ格納されたフレームF1Cを生成する(ステップS21)。
【0098】
次に、親局装置101は、生成したフレームF1Cを含むデジタル信号と、アナログのIF主信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して各子局装置201へ送信する(ステップS22)。
【0099】
次に、子局装置201Aは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Aは、当該デジタル信号からフレームF1Cを取得し、当該フレームF1Cの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF1から高速制御情報CHを取得する(ステップS23)。
【0100】
また、子局装置201Bは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Bは、当該デジタル信号からフレームF1Cを取得し、当該フレームF1Cの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF2から高速制御情報CHを取得する(ステップS24)。
【0101】
また、子局装置201Cは、親局装置101から受信した光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLおよび高速制御情報CHを取得する。より詳細には、子局装置201Cは、当該デジタル信号からフレームF1Cを取得し、当該フレームF1Cにおける低速伝送フィールドから低速制御情報CLを取得し、当該フレームF1Cの高速伝送フィールドにおける高速サブフィールドSF3から高速制御情報CHを取得する(ステップS25)。
【0102】
なお、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置101では、生成部14は、共通サブフィールドSFCを含むフレームF1を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部14は、共通サブフィールドSFCを含まないフレームF1を生成する構成であってもよい。
【0103】
また、本開示の第1の実施の形態に係る親局装置101では、生成部14は、宛先IDと、宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLと、子局装置201A,201B,201Cに対応する高速制御情報CHとが格納されたフレームF1を生成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。生成部14は、宛先IDが示す子局装置201に対応する高速制御情報CHが格納されていないフレームF1を生成する構成であってもよい。すなわち、生成部14は、高速情報フィールドに子局装置201A宛の高速制御情報CHが格納されていないフレームF1A、高速情報フィールドに子局装置201B宛の高速制御情報CHが格納されていないフレームF1B、および高速情報フィールドに子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されていないフレームF1Cを生成する構成であってもよい。
【0104】
<変形例>
アナログRoFシステム301における子局装置201は、たとえばアナログRoFシステム301の管理者により、各子局装置201の設置箇所に応じて、1または複数の子局装置201からなる複数のグループGにグループ分けされている。
【0105】
この場合、親局装置101は、宛先IDと、当該宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLと、複数のグループGに1対1で対応する複数の高速制御情報CHとが格納されたフレームF2を生成する。
【0106】
たとえば、子局装置201は、建物に設置されており、設置されたフロアごとにグループ分けされている。なお、子局装置201は、設置された部屋ごとにグループ分けされてもよい。
【0107】
また、たとえば、子局装置201は、対応のアンテナ161経由でRF信号の送受信が可能な領域である見通しエリアの少なくとも一部が共通する設置領域ごとにグループ分けされている。
【0108】
一例として、アナログRoFシステム301では、子局装置201A,201Bは、グループGであるグループG1に分類されており、子局装置201Cは、グループGであるグループG2に分類されている。
【0109】
図8は、本開示の第1の実施の形態の変形例に係る親局装置の生成部により生成されるフレームのデータ構造の一例を示す図である。図8を参照して、フレームF2は、フレームF1と比べて、高速サブフィールドSF1,SF2,SF3の代わりに高速サブフィールドSFG1,SFG2を含む。以下、高速サブフィールドSFG1,SFG2の各々を高速サブフィールドSFGnとも称する。高速サブフィールドSFGnは、第2フィールドの一例である。フレームF2における高速伝送フィールドは、2つの高速サブフィールドSFGnを含む構成に限定されず、アナログRoFシステム301に新たなグループGが追加された場合に備えて3つ以上の高速サブフィールドSFGnを含んでもよい。
【0110】
高速サブフィールドSFGnには、グループG1,G2にそれぞれ対応する2つの高速制御情報CHが格納される。
【0111】
生成部14は、制御情報Cntを含む子局装置201宛のフレームF2であって、フレームF2の宛先を示す宛先IDと、宛先IDが示す子局装置201に対応する低速制御情報CLと、グループG1,G2にそれぞれ対応する2つの高速制御情報CHとが格納されたフレームF2を生成する。
【0112】
より詳細には、生成部14は、子局装置201A宛のフレームF2であるフレームF2Aの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Aの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201A宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSFG1にグループG1に属する子局装置201A,201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSFG2にグループG2に属する子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF2Aを生成する。
【0113】
また、生成部14は、子局装置201B宛のフレームF2であるフレームF2Bの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Bの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201B宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSFG1にグループG1に属する子局装置201A,201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSFG2にグループG2に属する子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF2Bを生成する。
【0114】
また、生成部14は、子局装置201C宛のフレームF2であるフレームF2Cの生成タイミングにおいて、宛先アドレスフィールドに宛先IDとして子局装置201Cの子局IDが格納され、低速伝送フィールドに子局装置201C宛の低速制御情報CLが格納され、高速サブフィールドSFG1にグループG1に属する子局装置201A,201B宛の高速制御情報CHが格納され、かつ高速サブフィールドSFG2にグループG2に属する子局装置201C宛の高速制御情報CHが格納されたフレームF2Cを生成する。
【0115】
次に、本開示の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0116】
<第2の実施の形態>
[構成および基本動作]
本実施の形態は、第1の実施の形態に係るアナログRoFシステム301と比べて、波長多重された光信号を光ファイバ191経由で伝送するアナログRoFシステム302に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係るアナログRoFシステム301と同様である。
【0117】
図9は、本開示の第2の実施の形態に係るアナログRoFシステムの構成を示す図である。図9を参照して、アナログRoFシステム302は、図1に示すアナログRoFシステム301と比べて、親局装置101の代わりに親局装置102を備え、子局装置201A,201B,201Cの代わりに子局装置202A,202B,202Cを備える。以下、子局装置202A,202B,202Cの各々を子局装置202とも称する。アナログRoFシステム302は、2つまたは4つ以上の子局装置202を備える構成であってもよい。
【0118】
親局装置102は、宛先IDと、当該宛先IDが示す子局装置202に対応する低速制御情報CLと、子局装置202A,202B,202Cに1対1で対応する高速制御情報CHとが格納されたフレームF1を生成する。親局装置102は、下り送信期間において、フレームF1を含むデジタル信号に基づく光信号を生成し、生成した光信号を、IF信号に基づく光信号と波長多重して光ファイバ191を介して各子局装置202へ送信する。
【0119】
各子局装置202のうちの宛先IDが示す子局装置202は、親局装置102から受信した光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLおよび高速制御情報CHを取得する。また、各子局装置202のうちの、宛先IDが示す子局装置202以外の子局装置202は、親局装置102から受信した光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。
【0120】
(親局装置)
図10は、本開示の第2の実施の形態に係る親局装置の構成を示す図である。図10を参照して、親局装置102は、図4に示す親局装置101と比べて、LPF16、多重部17および光変調部18の代わりに、光変調部31A,31Bおよび多重部32を備える。多重部32は、送信部の一例である。
【0121】
周波数変換部12は、信号受信部11からアナログ信号を受けて、受けたアナログ信号をアップコンバートまたはダウンコンバートすることによりIF信号を生成し、生成したIF信号を光変調部31Aへ出力する。
【0122】
光変調部31Aは、周波数変換部12からIF信号を受けて、受けたIF信号が光変調された波長λ1の光信号を生成し、生成した光信号を多重部32へ出力する。
【0123】
8B/10B変調部15は、フレームF1を含むデジタル信号を生成部14から受けて、受けたデジタル信号を8B/10変調して光変調部31Bへ出力する。
【0124】
光変調部31Bは、8B/10B変調部15からデジタル信号を受けて、受けたデジタル信号が光変調された波長λ2の光信号を生成し、生成した光信号を多重部32へ出力する。
【0125】
多重部32は、光変調部31Aから受けた波長λ1の光信号と、光変調部31Bから受けた波長λ2の光信号とを波長多重する。たとえば、多重部32は、光カプラである。多重部32は、波長多重された光信号を光ファイバ191へ出力する。
【0126】
(子局装置)
図11は、本開示の第2の実施の形態に係る子局装置の構成を示す図である。図11を参照して、子局装置202は、図6に示す子局装置201と比べて、光復調部21、分離部22およびLPF26の代わりに、分離部41および光復調部42A,42Bを備える。分離部41は、受信部の一例である。
【0127】
分離部41は、フレームF1を含むデジタル信号と、IF信号とを含む光信号を、光ファイバ191を介して親局装置102から受信する。分離部41は、受信した光信号を波長に応じて分離する。たとえば、分離部41は、光カプラである。分離部41は、受信した光信号のうちの、波長λ1の光信号を光復調部42Aへ出力し、波長λ2の光信号を光復調部42Bへ出力する。波長λ1の光信号は、親局装置102における周波数変換部12により生成されるIF信号を含む。波長λ2の光信号は、親局装置102における8B/10B変調部15により変調されたデジタル信号を含む。
【0128】
光復調部42Aは、分離部41から波長λ1の光信号を受けて、受けた光信号の強度に応じたレベルの電気信号M2aを生成して増幅部23Aへ出力する。
【0129】
増幅部23Aは、分離部41から電気信号M2aを受けて、受けた電気信号M2aを増幅し、増幅後の電気信号M2aを周波数変換部24へ出力する。
【0130】
たとえば、周波数変換部24は、増幅部23Aから受けた電気信号M2aをアップコンバートすることによりRF信号を生成し、生成したRF信号をアンテナ161経由で図示しない移動体通信端末へ出力する。なお、周波数変換部24は、増幅部23Aから受けた電気信号M2aをダウンコンバートすることによりベースバンド信号を生成し、生成したベースバンド信号を子局装置202の外部の装置へ送信してもよい。
【0131】
光復調部42Bは、分離部41から波長λ2の光信号を受けて、受けた光信号の強度に応じたレベルの電気信号M2bを生成して増幅部23Bへ出力する。
【0132】
増幅部23Bは、分離部41から電気信号M2bを受けて、受けた電気信号M2bを増幅し、増幅後の電気信号M2bを8B/10B復調部25へ出力する。
【0133】
8B/10B復調部25は、増幅部23Bから受けた電気信号M2bを8B/10B復調して制御情報処理部27へ出力する。すなわち、8B/10B復調部25は、増幅部23Bから受けた10ビット分の電気信号M2bを8ビットの電気信号M2bに変換して制御情報処理部27へ出力する。
【0134】
制御情報処理部27は、分離部41により受信された光信号に含まれるデジタル信号から高速制御情報CHを取得する。より詳細には、制御情報処理部27は、8B/10B復調部25から電気信号M2bを受けて、受けた電気信号M2bからフレームF1を取得する。制御情報処理部27は、取得したフレームF1の高速伝送フィールドにおける所定の高速サブフィールドSFnから高速制御情報CHを取得する。
【0135】
子局装置202における制御情報処理部27は、フレームF1に格納された宛先IDが示す装置が当該子局装置202である場合、分離部41により受信された光信号に含まれるデジタル信号から低速制御情報CLをさらに取得する。より詳細には、制御情報処理部27は、取得したフレームF1の宛先アドレスフィールドから宛先IDを取得する。制御情報処理部27は、取得した宛先IDが当該子局装置202の子局IDと一致する場合、当該フレームF1における低速伝送フィールドから低速制御情報CLを取得する。
【0136】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0137】
上述の実施形態の各処理(各機能)は、1または複数のプロセッサを含む処理回路(Circuitry)により実現される。上記処理回路は、上記1または複数のプロセッサに加え、1または複数のメモリ、各種アナログ回路、各種デジタル回路が組み合わされた集積回路等で構成されてもよい。上記1または複数のメモリは、上記各処理を上記1または複数のプロセッサに実行させるプログラム(命令)を格納する。上記1または複数のプロセッサは、上記1または複数のメモリから読み出した上記プログラムに従い上記各処理を実行してもよいし、予め上記各処理を実行するように設計された論理回路に従って上記各処理を実行してもよい。上記プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、およびASIC(Application Specific Integrated Circuit)等、コンピュータの制御に適合する種々のプロセッサであってよい。なお、物理的に分離した上記複数のプロセッサが互いに協働して上記各処理を実行してもよい。たとえば、物理的に分離した複数のコンピュータのそれぞれに搭載された上記プロセッサがLAN(Local Area Network)、WAN (Wide Area Network)、およびインターネット等のネットワークを介して互いに協働して上記各処理を実行してもよい。上記プログラムは、外部のサーバ装置等から上記ネットワークを介して上記メモリにインストールされても構わないし、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、および半導体メモリ等の記録媒体に格納された状態で流通し、上記記録媒体から上記メモリにインストールされても構わない。
【0138】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
アナログRoFシステムであって、
親局装置と、
複数の子局装置とを備え、
前記親局装置は、制御情報を含む前記子局装置宛のフレームであって、前記フレームの宛先を示す宛先情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置である第1の子局装置に対応する第1の前記制御情報と、前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置である第2の子局装置に対応する第2の前記制御情報とが格納された前記フレームを生成し、生成した前記フレームを含むデジタル信号と、アナログの主信号とを含む光信号を、前記複数の子局装置へ送信し、
前記第1の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第1の制御情報を取得し、
前記第2の子局装置は、前記親局装置から受信した前記光信号に含まれる前記デジタル信号から前記第2の制御情報を取得し、
前記第2の制御情報は、前記子局装置におけるRF信号の送信方向を制御するためのビームフォーミング情報、および前記親局装置が正常に動作していることを示すヘルスチェック情報の少なくともいずれか一方を含む、アナログRoFシステム。
【0139】
[付記2]
親局装置と複数の子局装置とを備えるアナログRoFシステムにおいて、前記親局装置から前記複数の子局装置へ伝送されるフレームのデータ構造であって、
前記フレームの宛先の前記子局装置を示す宛先情報が格納される宛先アドレスフィールドと、
前記宛先情報が示す前記子局装置に対応する第1の制御情報が格納される第1フィールドと、
前記宛先情報が示す前記子局装置以外の前記子局装置に対応する第2の制御情報が格納される第2フィールドとを備え、
前記第1の制御情報および前記第2の制御情報は、前記子局装置の動作を制御するための情報である、データ構造。
【符号の説明】
【0140】
11 信号受信部
12 周波数変換部
13 受付部
14 生成部
15 8B/10B変調部
16 LPF
17 多重部
18 光変調部
21 光復調部
22 分離部
23A,23B 増幅部
24 周波数変換部
25 8B/10B復調部
26 LPF
27 制御情報処理部
31A,31B 光変調部
32 多重部
41 分離部
42A,42B 光復調部
101,102 親局装置
161,161A,161B,161C アンテナ
191 光ファイバ
201,201A,201B,201C,202,202A,202B,202C 子局装置
301,302 アナログRoFシステム
F1,F1A,F1B,F1C,F2 フレーム
CH 高速制御情報
CL 低速制御情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11