(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006889
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】基板カセット取扱い装置、基板処理装置、基板処理方法、半導体装置の製造方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20250109BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 M
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107930
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】林 昭成
(72)【発明者】
【氏名】手塚 重倫
(72)【発明者】
【氏名】黒田 敦子
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 敏晴
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA18
5F131CA24
5F131DA32
5F131DA42
5F131DB54
5F131DB73
5F131DD43
5F131DD74
5F131DD82
5F131DD85
5F131KA12
5F131KA54
5F131KA72
5F131KA73
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】基板の向きが正しいことを検知する精度を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットが載置されるステージと、前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに、光が前記基板に当たらずに通過できるように設定された所定の光路の一端に設けられる反射体と、前記光路に沿って光を照射し、前記反射体からの反射光を感知可能に構成された反射型光センサを有し、前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するロボットと、前記ステージ上の前記複数の基板の方位特定部が所定の向きに合致していることの確認をする際に、前記反射型光センサが前記光路に対応する位置に移動するように、前記ロボットを制御することが可能なように構成される制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットが載置されるステージと、
前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに、光が前記基板に当たらずに通過できるように設定された所定の光路の一端に設けられる反射体と、
前記光路に沿って光を照射し、前記反射体からの反射光を感知可能に構成された反射型光センサを有し、前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するロボットと、
前記ステージ上の前記複数の基板の方位特定部が所定の向きに合致していることの確認をする際に、前記反射型光センサが前記光路に対応する位置に移動するように、前記ロボットを制御することが可能なように構成される制御部と、
を備える基板カセット取扱い装置。
【請求項2】
前記ステージを複数備え、それぞれが装置の外部とカセットの受け渡しが可能に構成され、それぞれのステージに対して、1対以上の前記光路が設定されて、
前記制御部が、前記反射型光センサを、確認の対象となっている前記ステージに設定された前記光路の他端に移動させることによって、前記反射型光センサが複数のステージに共通に使用される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記基板の種類に応じて前記光路の位置を変更することが可能なように構成される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項4】
前記ステージは、
前記カセットを、基板を横に配列されて収納する第1姿勢と、縦に配列されて収納する第2姿勢との間で運動させるカセット倒立機構と、
前記カセットが前記第1姿勢の状態で、基板をカセット内で回転させて方位特定部の位置合わせを行う方位合わせ機構と、を備える請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項5】
前記ロボットは、前記第2姿勢の前記カセットを下からすくい上げて搬送する請求項4に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項6】
前記ロボットは、前記カセットを扱うハンドと、前記ハンドを装置の前後方向に動かす第1軸と、前記ハンドを装置の左右に動かす第2軸と、前記ハンドを装置の上下方向に動かす第3軸と、を有し、
前記反射型光センサは前記第2軸および前記第3軸で駆動可能で前記第1軸では駆動不能な、前記ロボットの可動部に設けられる請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項7】
前記光路は、基板の面に垂直であり、前記ステージ上の1つの前記カセットに対して複数設定され、
前記制御部は、前記反射型光センサを、複数の前記光路に対応する複数の位置に移動させて、複数の基板の方位特定部が所定の向きになっているかどうか確認することが可能なように構成される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項8】
前記反射体は、コーナキューブで構成されるか、若しくは反射光が、入射光に対し略90度偏光するように構成される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項9】
前記反射型光センサは、第1方向に偏光した光を照射し、前記反射光を、前記第1方向を吸収軸とする偏光フィルタを介して感知するように構成される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記反射光の感知により、複数の基板のオリフラが所定の向きになっていることが確認された場合、オリフラ合わせの動作をスキップすることが可能なように構成される請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項11】
前記ステージは、
前記カセットを、基板を横に配列されて収納する第1姿勢と、縦に配列させて収納する第2姿勢との間で回転させるカセット倒立機構と、
前記カセットが前記第1姿勢の状態で、基板をカセット内で回転させて方位特定部の位置合わせを行う方位合わせ機構と、
前記第1姿勢の前記カセットを、カセット倒立機構による回転が可能な上位置と、方位合せ機構により位置合わせが可能な下位置との間で移動可能に保持する移動機構と、を備える請求項1に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項12】
前記光路は、前記移動機構によってカセットが上位置に保持されているときに、前記カセットと前記位置合わせ機構との間に形成される空間に配置される請求項11に記載の基板カセット取扱い装置。
【請求項13】
方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットが載置されるステージと、
前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに、光が前記基板に当たらずに通過できるように設定された所定の光路の一端に設けられる反射体と、
前記光路に沿って光を照射し、前記反射体からの反射光を感知可能に構成された反射型光センサを有し、前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するロボットと、
前記ステージ上の前記複数の基板の方位特定部が所定の向きに合致していることの確認をする際に、前記反射型光センサが前記光路に対応する位置に移動するように、前記ロボットを制御することが可能なように構成される制御部と、
を備える基板処理装置。
【請求項14】
方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットを、ステージに載置する工程と、
前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するようにロボットを制御する工程と、
前記ロボットに設けられた反射型光センサを、前記ステージ上の前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに光が基板に当たらずに通過できるように設定された、所定の光路に対応する位置となるように、前記ロボットを制御する工程と、
前記反射型光センサが、前記所定の光路に沿って光を照射し、前記所定の光路の一端に設けられた反射体からの反射光を感知する工程と、
を有する基板処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の基板処理方法と、前記基板を処理室で処理する工程と、を含む半導体装置の製造方法。
【請求項16】
方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットを、ステージに載置する手順と、
前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するようにロボットを制御する手順と、
前記ロボットに設けられた反射型光センサを、前記ステージ上の前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに光が基板に当たらずに通過できるように設定された、所定の光路に対応する位置となるように、前記ロボットを制御する手順と、
前記反射型光センサが、前記所定の光路に沿って光を照射し、前記所定の光路の一端に設けられた反射体からの反射光を感知する手順と、
をコンピュータにより基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板カセット取扱い装置、基板処理装置、基板処理方法、半導体装置の製造方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハカセットが載置されるカセット授受ユニットにおいて、ウエハの結晶方位を示すオリエンテーションフラット(以下、オリフラという。)を揃えるオリフラ合わせが行われる。オリフラ合わせ作業前に複数枚のウエハのオリフラが合っていることを検出するオリフラ確認センサが載置台に取り付けられているものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カセット授受ユニットにおいて、径や材質の異なる基板を扱うことを求められる場合がある。しかし、基板の径や材質毎にオリフラ等の寸法や透光性が異なるため、基板の向きが正しいことを確認するセンサの検知精度が低下することがある。
【0005】
本開示は、基板の向きが正しいことを検知する精度を向上させることが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
方位特定部を有する複数の基板が収容されたカセットが載置されるステージと、
前記複数の基板のそれぞれの方位特定部が所定の向きになったときに、光が前記基板に当たらずに通過できるように設定された所定の光路の一端に設けられる反射体と、
前記光路に沿って光を照射し、前記反射体からの反射光を感知可能に構成された反射型光センサを有し、前記ステージと、装置内に設けられた棚との間で、前記カセットを搬送するロボットと、
前記ステージ上の前記複数の基板の方位特定部が所定の向きに合致していることの確認をする際に、前記反射型光センサが前記光路に対応する位置に移動するように、前記ロボットを制御することが可能なように構成される制御部と、
を備える技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、基板の向きが正しいことを検知する精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は実施形態における基板処理装置を説明するための図である。
【
図2】
図2は実施形態におけるカセットステージとカセット移載装置の斜視図である。
【
図3】
図3は反射型光センサによるオリフラ確認を説明する図である。
【
図4】
図4は回帰反射型センサを説明する図である。
【
図5】
図5は実施の形態におけるカセット授受ユニットの斜視図である。
【
図6】
図6はカセットステージに設けられる櫛型センサおよびウエハ姿勢整合装置の斜視図である。
【
図7A】
図7Aは実施形態における基板処理方法を示す処理フローを示す図である。
【
図7B】
図7Bは実施形態における基板処理方法を示す処理フローを示す図である。
【
図8】
図8は反射型光センサによるウエハマッピングを説明する図である。
【
図9】
図9は変形例におけるオリフラ確認詳細処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一態様について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間において、実質的に同一の要素には同一の符号を付し、各要素が最初に登場した図面において当該要素の説明が行われ、以降の図面では特に必要がない限りその説明が省略される。明細書中に特段の断りが無い限り、各要素は一つに限定されず、複数存在してもよい。
【0010】
(1)基板処理装置
本実施形態において、基板処理装置(以下、単に処理装置ともいう)は、一例として、半導体デバイスの製造方法における処理工程を実施する半導体製造装置として構成されている。
【0011】
図1に示されているように、実施形態に係る処理装置10は筐体11を備えており、筐体11の前面(X1側)にはカセット授受ユニット12が設備されている。X1-X2方向が処理装置10の前後方向であり、Y2-Y1方向が左右方向であり、Z1-Z2方向が上下方向である。カセット授受ユニット12は、基板としてのウエハ1のキャリアである基板収容器としてのオープンカセット(以下、単にカセットという。)2を、二台載置することができるカセットステージ装置(カセットローダともいう)13を備えており、カセットステージ装置13の下方にはウエハ姿勢整合装置14が二組設備されている。言い換えると、カセットステージ装置13は複数のステージを備え、それぞれのステージが装置の外部とカセット2の受渡しが可能に構成されている。
【0012】
外部搬送装置(図示せず)によって搬送されて来たカセット2がカセットステージ装置13の載置台44(後述)に第1姿勢としての垂直姿勢(カセット2に収納されたウエハ1が垂直になる状態、ウエハ1が横に配列されて収納される状態)で載置される。ウエハ姿勢整合装置14は、カセット2が垂直姿勢でカセット2に収納されたウエハ1の方位特定部としてのノッチやオリフラが同一になるようにウエハ1の姿勢を整合する方位合わせ機構を備える。カセットステージ装置13は載置台44を90度回転することにより、カセット2を第2姿勢としての水平姿勢(ウエハ1が縦に配列させて収納された状態)にさせるカセット倒立機構を備える。筐体11の内部にはカセット授受ユニット12に対向してカセット棚15が設備されており、カセット授受ユニット12の上方には予備カセット棚16が設備されている。
【0013】
カセット授受ユニット12とカセット棚15との間には、カセット搬送ロボット17が設備されている。カセット搬送ロボット17は前後方向(X1-X2方向)に進退可能なハンド173を有するロボットアーム18を備えており、ロボットアーム18自体は横行および昇降可能に構成されている。ロボットアーム18の昇降および横行の運動およびハンド173の進退(前後)の運動により、カセットステージ装置13の上の水平姿勢となったカセット2を下からすくい上げてカセット棚15または予備カセット棚16へ搬送して移載するようになっている。カセット棚15および予備カセット棚16は、複数のカセット2のバッファ棚と見做すこともできる。カセットステージ装置13がカセット倒立機構を備えるので、ウエハ姿勢整合装置14による方位合わせおよびカセット搬送ロボット17によるカセット搬送の両方が可能である。
【0014】
カセット棚15の後方(X2側)には、カセット2内のウエハ1を複数枚一括して、または、一枚宛、基板支持具(以下、ボートという。)25に移載できるウエハ移載装置(移載機)19が、回転および昇降可能に設備されている。ウエハ移載装置19は進退可能なウエハ保持部20を備えており、ウエハ保持部20には複数枚のウエハ保持プレート21が水平に取り付けられている。ウエハ移載装置19の後方(X2側)にはボートエレベータ22が設備されており、ボートエレベータ22のアーム23には、ボート25を回転可能に保持するシールキャップ24が水平に設置されている。
【0015】
処理装置10は、移載室50と、カセット保持室60と、を有する。移載室50には、ウエハ移載装置19、ウエハ保持部20、ウエハ保持プレート21およびボートエレベータ22等が設置されている。カセット保持室60には、カセット棚15、予備カセット棚16及びカセット搬送ロボット17等が設置されている。移載室50とカセット保持室60との間には、壁部70が設けられる。ウエハ移載装置(移載機)19は、カセット保持室60内のカセット2からウエハ1を、ボート25へ移載する。
【0016】
処理装置10は石英ガラス等の耐熱性の高い材料が用いられて一端が開口で他端が閉塞の円筒形状に形成された反応管(処理管)31を備えており、反応管31は中心線が垂直になるように縦に配されて固定的に支持されている。反応管31の筒中空部は複数枚のウエハ1が収容される処理室32を形成しており、反応管31の下端開口はウエハ1を出し入れするための炉口33を形成している。炉口33は、移載室50に対して開口しており、処理室32と移載室50は繋がっている。
【0017】
反応管31の下端面には炉口33を閉塞するシールキャップ24が、垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ24は円盤形状に形成されており、反応管31の外部に設備されたボートエレベータ22によって垂直方向に昇降されるように構成されている。また、シールキャップ24が下端の位置へ動かされたとき、炉口33を密閉する炉口シャッタ28が設けられうる。
【0018】
シールキャップ24の上にはウエハ1を保持するためのボート25が、垂直に立脚されて支持されるようになっている。ボート25は上下で一対の端板26、27と、両端板26、27間に架設されて垂直に配設された複数本(本実施の形態では三本)の保持部材(柱)とを備えており、各保持部材には多数条の保持溝が長手方向に等間隔に配されて互いに対向して開口するように没設されている。そして、ウエハ1の外周縁辺が各保持部材の多数条の保持溝間にそれぞれ挿入されることにより、複数枚のウエハ1がボート25に水平にかつ互いに中心を揃えられて整列されて保持されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、カセット搬送ロボット17は、第1軸としてのロボットアーム18を上下方向(Z1-Z2方向)に動かす第3軸としてのCZ駆動軸171と、CZ駆動軸171を左右方向(Y2-Y1方向)に動かす第2軸としてのCS駆動軸172と、を備える。言い換えると、ロボットアーム18は横行および昇降が可能な可動部である。これにより、任意の位置のカセットにアクセスが可能である。
【0020】
図2および
図3に示すように、ロボットアーム18の基部、例えば下端に反射型光センサ101を備える。言い換えると、反射型光センサ101はカセット搬送ロボット17の可動部に設けられる。反射型光センサ101はロボットアーム18では駆動不能である。よって、反射型光センサ101も横行および昇降可能である。
【0021】
図2および
図3に示すように、カセットステージ装置13には、カセット2を挟んで反射型光センサ101と反対側に、カセット2毎に2つ(一対)の反射体105が設けられる。言い換えると、カセットステージ装置13には、4つ(二対)の反射体105が設けられる。反射型光センサ101と反射体105が対向する位置には、カセットステージ装置13に載置されるカセット2の底側の開口部が位置する。
図3に示すように、反射型光センサ101は、カセット2から所定距離離れて設けられる。なお、カセットステージ装置13に載置されるカセット2に収納されるウエハ1は垂直状態にある。また、
図2に示すように、カセットステージ装置13には、後述するウエハ整列用孔53毎にその脇にX1-X2方向に延在する反射体106が設けられる。
【0022】
反射体105をカセットステージ装置13に設ける例を説明したが、それに限定されるものではない。カセット2が上方からカセットステージ装置13に投入されるのではなく、装置前方から投入される場合で、反射体105が邪魔になるとき、例えば、反射体105は装置フロントパネルのカセット投入口の可動シャッタに設けてもよい。
【0023】
反射型光センサ101および反射体105について
図4を用いて説明する。反射型光センサ101は、カセット2に収納されたウエハ1に向けて出射光LOを発光する発光部101aと、出射光LOが反射体105で反射した反射光LRを受光する受光部101bとを備えている。反射型光センサ101では、例えば、発光部101aと受光部101bとが隣接して配置され、一体化されており、いわゆる反射型の光電センサとなっている。
【0024】
反射型光センサ101は、発光部101a側に配置された偏光フィルタ101cと、受光部101b側に配置された偏光フィルタ101dとを備えている。偏光フィルタ101cと、偏光フィルタ101dとは、互いに偏光方向が異なっている、すなわち、本実施形態では直交している。
【0025】
出射光LOは、偏光フィルタ101cを通過することにより、一方向(第1方向)に振動した直線偏光(例えばY1-Y2方向の波)となり、またビーム状の平行光となって反射体105に向かう。その後、出射光LOは、反射体105で回帰反射して、反射光LRとして受光部101bに向かう。反射光L2は、出射光LOと直交する一方向(第2方向)に振動した(例えばZ1-Z2方向の波)直線偏光となっており、偏光フィルタ101dを通過することができる。言い換えると、偏光フィルタ101dは第1方向を吸収軸とする偏光フィルタである。そして、反射型光センサ101は、反射光LRの有無で、ウエハ1のオリフラが揃っているかどうかを正確に判断する(検出する)ことができる。
【0026】
また、反射体105は、当該反射体105に入射してくる入射光(出射光LO)の偏光方向と異なる偏光方向の光を、反射光LRとして受光部242に回帰反射させるよう構成されている。例えば、反射体105の反射面105aは、規則的に配列された多数のコーナキューブ105bで構成されている。「コーナキューブ」とは、3つの平面を互いに直交するように組み合わせたような形状をなす微小な窪みである。これにより、反射体105は、回帰反射させ得るものとなる。なお、
図4では、1つのコーナキューブ105bを拡大して代表的に描いている。また、反射体105は、透明な粒子部材を含んでいてもよい。反射体105はコーナキューブ105bで構成されるものに限定されるものではなく、ウエハ1で反射されたときよりも、入射光に対し偏光方向を大きく回転させて反射するものであればよい。
【0027】
反射体105は、複数のウエハ1のそれぞれのオリフラが所定の向きになった(所定の箇所に揃えられえた)ときに、反射型光センサ101からの出射光L1がウエハ1に当たらずに通過できるように設定された所定の光路LPの一端に設けられる。光路LPは、ウエハ1の面に垂直であり、カセットステージ装置13上の1つのカセット2に対して複数設定される。実施形態では、カセット2内で所定の向きに合致したウエハ1のオリフラの両端付近に対応して光路LPは2つ設定されるが、光路LPは3つ以上であってもよい。制御部としてのコントローラ121は、反射型光センサ101を、複数の光路LPに対応する複数の位置に順次移動させて、複数のウエハ1のオリフラが所定の向きになっているかどうか確認する。言い換えると、コントローラ121が、反射型光センサ101を、確認の対象となっているカセットに設定された光路の他端に移動させることによって、反射型光センサ101が複数のカセットに共通に使用される。
【0028】
全てのウエハ1のオリフラが揃っている場合、2つの光路LPにおいて、発光部101aからの出射光L1は反射体105に当たり、反射光L2が受光部101bに戻る。他方、ウエハ1のオリフラが1つでも揃っていない場合(オリフラが水平でない場合)、何れか一方の光路LPにおいて、発光部101aからの出射光L1はウエハ1で遮られて反射体105には到達せず、反射光L2が受光部101bには戻らない。なお、出射光L1はウエハ1で反射して、その反射光は受光部101b側に戻るが、偏光フィルタ101dを通過できないので、受光部101bでは検出されない。また炭化シリコン(SiC)のような透光性を有するウエハ1の光路LPへの進入は、受光部101bでの受光レベルの低下として検知される。反射型光センサ101では、透光性を有するウエハ1による受光レベルの減衰が、透過型の2倍となるので、検出精度が優れる。
【0029】
ウエハ1がオリフラを有する場合について説明したが、ウエハ1がウエハの円周の一部をV字形状に切り欠かれて構成されるノッチを有する場合も同様に、ノッチが揃っているかどうかを確認することが可能である。この場合、光路LPは、カセットステージ装置13上の1つのカセット2に対して1つ設定される。カセットステージ装置13には、カセット2を挟んで反射型光センサ101と反対側に、カセット2毎に1つの反射体105が設けられる。言い換えると、カセットステージ装置13には、2つの反射体105が設けられる。
【0030】
コントローラ121は、カセット搬送ロボット17を制御して、ウエハのサイズや材質等に対応するオリフラまたはノッチの検出位置に、反射型光センサ101を移動させる。なお、移動前は、反射型光センサ101は、
図2に示す位置(ホーム位置)に居る。オリフラ合せ確認後、反射型光センサ101は、ホーム位置に戻る。一方反射体105は、扱うべき全ての種類のウエハについて光路LP上の出射光を反射できるような大きさに形成されるので、移動させる必要はない。
【0031】
図3に示すように、反射型光センサ101の出力(電流値)はアンプユニット102を介してコントローラ121に入力される。アンプユニット102は閾値判定する。閾値は、例えば、全ての炭化シリコン(SiC)ウエハのオリフラが揃っているときの受光レベルと、扱うべきウエハの中で最も透光性が高いウエハ(例えばSiC)が一枚だけ揃ってないときの受光レベルの中間に設定される。ここで、一枚だけ揃ってないときとは、反射型光センサ101の投光と受光の一方または両方の光路を1枚のウエハが遮ってるときである。
【0032】
上述した、決め打ちされた光路で絶対値判定する例の他、オリフラ確認中に反射型光センサ101をオリフラに沿ってY2-Y1方向、またはエッジを横切ってZ1-Z2方向に動かして強度変化で判断(相対値判定)してもよい。なお、ウエハのエッジでは光が散乱するので、透過率が100%に近いウエハでも受光レベルの大きな変化が得られる。
【0033】
コントローラ121について
図3を用いて説明する。コントローラ121は、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、I/Oポート121dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バスを介して、CPU121aと通信可能なように構成されている。コントローラ121には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122や外部記憶装置123が接続されている。
【0034】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件などが記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。なお、レシピは、後述する基板処理工程における各手順をコントローラ121に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、制御プログラムと比較すると高水準言語である。制御プログラムとレシピを総称して、プログラムと呼ぶ。記憶装置121cはまた、装置の動作や状態を記録したログ情報が順次格納される。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0035】
I/Oポート121dは、カセット授受ユニット12、カセットステージ装置13、ウエハ姿勢整合装置14、カセット搬送ロボット17、ウエハ移載装置19、回転機構40、ボートエレベータ22、アンプユニット102等に接続されている。
【0036】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cから、基板のレシピを読み出すように構成されている。CPU121aは、読み出したレシピの内容に沿うように、カセット授受ユニット12の姿勢整合動作、カセットステージ装置13の回転動作、ウエハ姿勢整合装置14、カセット搬送ロボット17のロボットアーム18の動作制御、ウエハ移載装置19の回転および昇降制御、ボートエレベータ22の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0037】
コントローラ121は、外部記憶装置(例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)123に格納された上述のプログラムやレシピを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶装置121cや外部記憶装置123は、コンピュータ読み取り可能な有体の記録媒体として構成されている。
【0038】
以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置121c単体のみを含む場合、外部記憶装置123単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置123を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0039】
カセット授受ユニット12について
図5を参照して説明する。
【0040】
Y2方向側の左側板38及びY1方向側の右側板39の下部にX1方向側の前板41及びX2方向側の後板(不図示)が固着されてフレーム43が構成され、該フレーム43の下部は角筒状となっている。
【0041】
右側板39の外側面であって前板41側端部にヒンジ部材35が上下に2個固着されている。
図1に示す筐体11の前面側(X1方向側)にヒンジ部材36が2個固着され、対応するヒンジ部材35と連結される。Z1-Z2方向の軸周りに回転自在なヒンジ部材35によって、カセットステージ装置13は筐体11に対して回転可能に支えられている。
【0042】
回転軸49は、載置台44をCY軸周りに回転可能に左側板38、右側板39に支持する。載置台44は1対の回転プレート45a,45b、内部授受ステージ46及び外部授受ステージ47、下プレート48を具備する。回転プレート45a,45bは、CY軸上の回転軸49にそれぞれ固着され、またそれらの間を下プレート48によって剛接合されている。載置台44は回転軸49を中心に回転可能になっている。内部授受ステージ46は、回転プレート45a,45b及び/又は下プレート48に固着される。外部授受ステージ47は、1方向の運動のみ許容する複数のガイド51を介して、カセットが垂直姿勢の状態における上下方向に移動可能となるように水平状態回転プレート45a,45bに取り付けられている。エアシリンダ52は、内部授受ステージ46と外部授受ステージ47の間に設けられ、外部授受ステージ47を上下に駆動する。言い換えると、カセットステージ装置13は上下移動機構を備える。外部授受ステージ47は前後方向(X1-X2方向)にも移動可能である。内部授受ステージ46および外部授受ステージ47にはカセット2が2個載置可能である。言い換えると、内部授受ステージ46および外部授受ステージ47はそれぞれ2個のステージで構成されている。
【0043】
外部授受ステージ47にウエハ整列用孔53が所定の間隔で2個設けられている。ウエハ整列用孔53の下方で、ウエハ姿勢整合装置14が下プレート48に設けられている。
【0044】
右側板39の外側面に、回転軸49を回転させる駆動部65が取付けられる。駆動部65は、例えばACサーボモータ、ウォームギヤBOX、位置センサ等を備え、載置台44上のカセット2を、水平姿勢と垂直姿勢の間を90度回転可能に構成される。
【0045】
カセットステージ装置13の上下移動機構により、外部授受ステージ47を垂直姿勢(直立状態)のカセット2をカセット倒立機構による回転が可能な上位置と方位合せ機構(ウエハ姿勢整合装置14)により位置合わせが可能な下位置との間を上下方向に移動可能になる。
【0046】
外部授受ステージ47は上位置にあるとき、前後方向に動いて投入されたカセット2を直立状態の内部授受ステージ46に押し付け(ドック)したり、内部授受ステージ46から離(アンドック)したりさせる。また、外部授受ステージ47が上位置にあるとき、カセット2とウエハ姿勢整合装置14との間に形成される空間に光路LPが配置され、オリフラ確認が可能になる。
【0047】
ウエハ姿勢整合装置14の一例について
図6を用いて説明する。
【0048】
ウエハ姿勢整合装置14は支持台141と、水平に支持台141に回転可能に掛け渡された一対のローラ142a,142bと、回転駆動装置143と、ローラ142bに隣接して設けられたストッパ144と、を備え、る。一対のローラ142a,142bはカセット2に収納されているウエハ1群の整列方向(X1-X2方向)に延在する。回転駆動装置143はローラ142a,142bを同一方向に同期回転させる。ウエハ姿勢整合装置14は、載置台44に載置されたカセット2に対して相対的に昇降可能に構成されている。整合動作時は、カセットステージ装置13に載置されたカセット2の内部の複数枚のウエハ1がローラ142a,142bに接触するようにウエハ姿勢整合装置14を上昇させ、ウエハ1を両ローラ142a,142bによって同一方向に回転させることにより、複数枚のウエハ1間のオリフラを一定の箇所に揃えるように構成されている。言い換えると、オリフラ合わせはウエハ1が1回転以上するようにローラ142a,142bを回転させ、オリフラが合致するとストッパとしてのストッパ144で回転が規制されローラ142a,142bが空転することで、機械的に行われる。オリフラ合わせには、外部授受ステージ47の上下も含めると数分を要することもある。ノッチ合わせも類似の機構によって実現される。
【0049】
また、ウエハ姿勢整合装置14にはウエハ姿勢整合前(ウエハ1が垂直状態にあるとき)にカセット2内の所定の材質のウエハ1の有無を検出する櫛型センサ111が、カセットステージ装置13に載置されたカセット2に機械的に干渉しないように設置されている。櫛型センサ111は、ローラ142a側(Y2側)の支持台141の側面に、カセット2に対して相対的に昇降可能に取り付けられている。後述する検知パラメータに含まれるすべてのサイズのウエハを検知可能に、検知位置と退避位置との間を移動可能である。これにより、直径の異なるウエハに対して共通に用いることが可能であり、汎用性が向上する。櫛型センサ111によるウエハマッピングは、後述する、反射型光センサ101によるウエハマッピングにおけるカセット2とは異なる姿勢で行われる。これにより、櫛型センサ111は反射型光センサ101とは異なる位置に設けることができる。
【0050】
櫛型センサ111は、発光部と受光部とで構成されるセンサの組がウエハ1の配列方向に沿ってカセット2に収容可能なウエハ1の数に対応する複数配列されて櫛型状に構成される。発光部の発光面は受光部の受光面が向い合うセンサの組により各ウエハ1の有無を検出するように位置設定されている。発光部は、例えば、発光ダイオードにより構成されると共に、受光部は、例えば、ホトトランジスタにより構成されている。
【0051】
発光部は、ウエハ1の配置領域、この例ではカセット2内の各ウエハ1の収納領域(スロット)の一面側に配置される。受光部は、発光部よりの光の入射光路上にウエハ1の収納領域を介して発光部と対向するように配置されている。櫛型センサ111が上昇した状態では、発光部の発光面がウエハ1の第1面に対向し、受光部の受光面がウエハ1の第1面と反対側の第2面に対向するよう発光部および受光部が配置される。
【0052】
櫛型センサ111は、ウエハ1に参照光を照射し、ウエハ1を透過した光を検知する透過型センサである。ウエハ1が透明ではないウエハ(例えば、シリコンウエハ)の場合には、ウエハ1が無いときに受光部が発光部からの発光(参照光)を受光(検知)して、ウエハ1が有るときに受光部は発光部からの発光(参照光)を受光(検知)しない。これにより、ウエハ1の有無を検出することが可能である。ウエハの有無は実際には、シリコンウエハ用に設計された受光量の閾値処理により判別される。なお、ウエハ1が透明なウエハ(例えば、石英ウエハ)の場合には透過した受光量が閾値を上回るため、ウエハの有無を判別することはできない。またシリコンと石英の中間程度の透過率のSiCウエハの検知は保証されていない。また、カセットの底の開口には、SiCウエハ用に設計された櫛型センサを併設するスペースは残されていない。
【0053】
(2)基板処理工程
次に、処理装置10の反応管31を用いた基板処理方法を、
図7Aおよび
図7Bを参照して、説明する。ここ説明される基板処理方法では、上述の処理装置10の反応管31を用いて、半導体装置(デバイス)の製造工程の一工程、例えば、ウエハ1上に膜を形成する成膜処理を例として説明する。以下の説明において、処理装置10を構成する各部の動作はコントローラ121により制御される。
【0054】
(カセット投入:S20)
カセット2には処理前のウエハ1が装填されており、カセット2は図示しない外部搬送装置により筐体11正面に運ばれ、カセット2はカセット授受ユニット12のカセットステージ装置13上に載置される。カセット2内のウエハ1は垂直状態にある。このとき、カセットステージ装置13の外部授受ステージ47は上位置にある。
【0055】
(オリフラ確認:S21)
まず、外部授受ステージ47がホーム位置(上位置)にある状態で、反射型光センサ101によってオリフラ確認が行われる。オリフラ確認は反射型光センサ101を2つの光路LPに対応する位置に移動して行われる。オリフラが揃っていない場合、ステップS22に移る。すべてのウエハ1のオリフラが揃っている場合、オリフラ合わせ(ウエハ整列:S22)をスキップしてステップS24に移る。
【0056】
(ウエハ整列:S22)
外部授受ステージ47をエアシリンダ52によって下位置に下降させた後、ウエハ姿勢整合装置14によりオリフラを利用してウエハ1が整列される。
【0057】
(オリフラ確認:S23)
外部授受ステージ47を上位置に上昇させた後、ステップS21と同様に、反射型光センサ101によってオリフラ確認が行われる。すべてのウエハ1のオリフラが揃っている場合、ステップS24に移る。オリフラが揃っていない場合、ステップS22に戻りウエハ整列をやり直す。ただしこのリトライ回数が所定数N以上となった場合は、ステップS38に移る。なお、ステップS38に移る前に、反射型光センサ101の光路を少し下に動かして(オリフラ合わせの精度を下げて)もう1回リトライしてもよい。
【0058】
(第1ステージ回転:S24)
次に、カセットステージ装置13が90度回転することにより、カセット2が90度回転する。カセット2内のウエハ1が水平状態になる。
【0059】
(ウエハマッピング:S25)
次に、
図8に示すように、カセットステージ装置13においてウエハ1が水平状態にあるときに、CZ駆動軸171と、CS駆動軸172を操作して反射型光センサ101をカセットステージ装置13の反射体106の後方(X2方向)の位置に移動させる。そして、CZ駆動軸171によってロボットアーム18を上昇させることにより、反射型光センサ101をカセット2の下から上にスキャンする(分解能は0.05mm)。反射体106は反射体105と同様の構造であり、外部授受ステージ47に対面しているカセット2の底側の開口に対面し、且つ、ウエハ姿勢整合装置14の動作を妨げないように、外部授受ステージ47のウエハ整列用孔53の近くに設けられる。これにより反射型光センサ101と反射体106の間の光路が確保される。
【0060】
反射型光センサ101は反射体106から回帰反射を受光するので、ウエハ1がある箇所は受光強度(受光量)が小さくなり、ウエハ1がない箇所は受光強度が大きくなる。この受光強度をスキャンデータとして取得する。なお、カセット2のスロット幅はウエハ1の厚さよりも大きいので、スロット内であってもウエハ1がない箇所がある。スキャンデータを閾値処理し、スキャンデータが連続して閾値を下回った区間を検出データとして抽出する。検出データはウエハ1の厚さに対応する。ここで用いる閾値(マッピング用)は、基板のサイズと材質の全ての組合せに対して共通であり、オリフラ確認の閾値と同じでも良い。
【0061】
スロット毎の検出データに基づいてスロット毎のウエハ1の有(ON)/無(OFF)/異常を判断する。検出データが無かったり、ZI-Z2方向における位置や厚さが許容値範囲に入らなかったりする場合は、異常スロットと判断される。
【0062】
(異常判断:S26)
ステップS25において異常ありと判断された場合、ステップS38に移る。異常なしと判断された場合、ステップS27に移る。
【0063】
(第1カセット移動:S27)
次に、カセット2はロボットアーム18のハンド173により保持され、カセット2はロボットアーム18のハンド173によりカセット棚15または予備カセット棚16に移載される。
【0064】
(第2カセット移動:S28)
続いて、カセット2はロボットアーム18のハンド173によりカセット棚15または予備カセット棚16からカセット棚15のウエハ移載装置19に対向する位置にある移載棚に移載される。次に、
図7Bのステップ29に移る。
【0065】
(第1ウエハ移載:S29)
カセット2内のウエハ1は水平状態にあり、移載棚に載置されているカセット2内の該ウエハ1はウエハ移載装置19によりボート25に移載されて装填される。
【0066】
(ボート上昇:S30)
次に、ボート25はボートエレベータ22により反応管31に装入される。
【0067】
(成膜処理:S31)
反応管31内へのボート25の搬入が完了したら、処理室32内が所定の圧力となるよう処理室32内の雰囲気を制御する。また、ヒータにより、処理室32内が所定の温度となるように制御し、処理室32内に、例えば、原料ガスおよび反応ガスを供給して、ウエハ1上に成膜する。
【0068】
(ボート下降:S32)
成膜処理後、ボート25がボートエレベータ22により、反応管31から取り出される(アンロード)。
【0069】
(第2ウエハ移載:S33)
次に、ボート25内の処理済ウエハ1がウエハ移載装置19により移載棚のカセット2内に移載される。
【0070】
(第3カセット移動:S34)
次に、移載棚のカセット2はロボットアーム18のハンド173によりカセット棚15または予備カセット棚16に移載される。
【0071】
(第4カセット移動:S35)
カセット2を処理装置10外に搬出する場合は、カセット2をロボットアーム18のハンド173によりカセット棚15または予備カセット棚16からカセット授受ユニット12のカセットステージ装置13に移載する。
【0072】
(第2ステージ回転:S36)
続いて、カセットステージ装置13によりカセット2が90度回転され、カセット2のアクセス口が上向きの姿勢に回転され、ウエハ1が垂直状態にされる。
【0073】
(カセット取り出し:S37)
その後、外部搬送装置によってカセット2は筐体11外へ搬送される。
【0074】
(アラーム発報:S38)
ステップS23,S26で異常ありと判断された場合、アラームを発報する。
【0075】
(カセット取り出し:S39)
アラームを解除して、手動でカセットステージ装置13からカセット2を取り出す。
【0076】
本態様によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
【0077】
(a)反射型光センサ101を光路に対応する位置に移動することが可能であるので、1つのセンサで複数の光路における検知が可能である。
【0078】
(b)反射型光センサ101を光路に対応する位置に移動することが可能であるので、1つのセンサで複数のカセットに収納されたウエハのオリフラ確認が可能である。
【0079】
(c)反射型光センサ101の移動によりウエハの種類に応じて光路の位置を変更することが可能であるので、ウエハの径や材質毎にオリフラ等の寸法が異なっても、反射型光センサ101を移動させることで1つのセンサで検知することが可能である。
【0080】
(d)反射型光センサ101の移動により光路の位置を変更することが可能であるので、オリフラ検出の再現率・適合率を任意に設定でき、高精度な検知が可能である。
【0081】
(e)オリフラ合わせの前にオリフラ確認を行うので、オリフラが揃っている場合、オリフラ合わせ動作をスキップでき、カセット投入時間を短縮することが可能である。
【0082】
(f)高精度な検知が可能であり、オリフラ位置精度が担保されるので、ウエハ移載の信頼性が向上する。
【0083】
(g)オリフラ確認に反射型光センサ101および反射体105を用いるので、方位特定部が外から見える位置ならどこにあっても検知可能である。
【0084】
(h)オリフラ確認に反射型光センサ101および反射体105を用いるので、透過型センサに比べ配線が簡素であり、既設装置への後付けが容易になる。
【0085】
他の態様の処理装置の基板処理工程について
図9を用いて説明する。
【0086】
(カセット投入:S40)
上述の態様のステップS20と同様に、カセット2には処理前のウエハ1が装填されており、カセット2は図示しない外部搬送装置により筐体11正面に運ばれ、カセット2はカセット授受ユニット12のカセットステージ装置13上に載置される。カセット2内のウエハ1は垂直状態にある。このとき、カセットステージ装置13の外部授受ステージ47はホーム位置にある。
【0087】
(カセット位置決め:S41)
外部授受ステージ47は、後方(X2方向)に動いて投入されたカセット2を直立状態の内部授受ステージ46にドックして位置決めする。
【0088】
(オリフラ確認:S42)
カセット2に収納されているウエハ1は、反射型光センサ101によってオリフラ確認が行われる。すべてのウエハ1のオリフラが揃っている場合、ステップS43aに移る。オリフラが揃っていない場合、ステップS43bに移る。
【0089】
(外部授受ステージ下降:43a)
外部授受ステージ47を下位置に下降させる。
【0090】
(ウエハマッピング:S44a)
櫛型センサ111によってカセット2内のウエハ1の有無をスロット毎に検出するウエハマッピングが行われる。
【0091】
(外部授受ステージ上昇:46a)
外部授受ステージ47をホーム位置に上昇させる。
図7Bに示す上述の態様のステップS24に移る。
【0092】
なお、ステップS24に続くステップS25(反射型光センサ101によるウエハマッピング)においてONと判断され、櫛型センサ111によるウエハマッピングにおいてONと判断される場合、ウエハ1の材質をSiと判定する。反射型光センサ101によるウエハマッピングにおいてONと判断され、櫛型センサ111によるウエハマッピングにおいてOFFと判断される場合、ウエハ1の材質をSiCと判定する。反射型光センサ101によるウエハマッピングにおいてOFFと判断され、櫛型センサ111によるウエハマッピングにおいてOFFと判断される場合、ウエハ1は無いと判定する。
【0093】
(外部授受ステージ下降:43b)
ステップ43aと同様に、外部授受ステージ47を下位置に下降させる。
【0094】
(ウエハマッピング:S44b)
ステップ43aと同様に、櫛型センサ111によってウエハマッピングが行われる。
【0095】
(ウエハ整列:S45)
上述の態様のステップS22と同様に、ウエハ姿勢整合装置14によりオリフラを利用してウエハ1が整列される。
【0096】
(外部授受ステージ上昇:46b)
ステップ46aと同様に、外部授受ステージ47をホーム位置に上昇させる。
【0097】
(オリフラ確認:S47)
反射型光センサ101によってオリフラ確認が行われる。すべてのウエハ1のオリフラが揃っている場合、
図7Aに示す上述の態様のステップS24に移る。オリフラが揃っていない場合、
図7Aに示す上述の態様のステップS38に移る。なおS25のウエハマッピングでは、S44aやS44bの櫛型センサ111の検出結果と統合して、材質の判定が行われても良い。すなわち櫛型センサ111と反射型光センサ101の両方で検出された場合はSi等の不透明なウエハと判定され、反射型光センサ101のみで検出された場合はSiC等の透明なウエハと判定できる。
【0098】
上述のいくつかの態様では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述の態様では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。
【0099】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の態様と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上述の態様と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0100】
1・・・ウエハ(基板)
2・・・カセット
13・・・カセットステージ装置
15・・・カセット棚
17・・・カセット搬送ロボット
18・・・ロボットアーム(可動部)
101・・・反射型光センサ
105・・・反射体
121・・・コントローラ(制御部)