IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社日立ハイテクノロジーズの特許一覧

特開2025-6937樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材
<>
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図1
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図2
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図3
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図4
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図5
  • 特開-樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025006937
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/26 20060101AFI20250109BHJP
   B29C 33/12 20060101ALI20250109BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20250109BHJP
   B23K 26/384 20140101ALN20250109BHJP
【FI】
B29C45/26
B29C33/12
B29C45/14
B23K26/384
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023107990
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】池田 宇亨
(72)【発明者】
【氏名】山下 七重
(72)【発明者】
【氏名】杉村 禎昭
(72)【発明者】
【氏名】河野 務
【テーマコード(参考)】
4E168
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4E168AD14
4E168CB03
4E168DA32
4E168DA43
4E168JA02
4E168JA04
4E168JA06
4E168JA15
4F202AD03
4F202AD04
4F202AD24
4F202AG28
4F202AH33
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CK12
4F202CQ01
4F206AD03
4F206AD04
4F206AD24
4F206AG28
4F206AH33
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】
【課題】インサートモールド部品を構成するインサート部材と樹脂との間における接合強度を高める。
【解決手段】樹脂モールド構造は、インサート部材100を樹脂200でインサートモールドして形成された構造であって、インサート部材100の所定の面には、第1の凹部110及び第2の凹部120が設けられ、第1の凹部110と第2の凹部120とは、連通し、第1の凹部110及び第2の凹部120には、樹脂200が進入している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサート部材を樹脂でインサートモールドして形成された構造であって、
前記インサート部材の所定の面には、第1の凹部及び第2の凹部が設けられ、
前記第1の凹部と前記第2の凹部とは、連通し、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記樹脂が進入している、樹脂モールド構造。
【請求項2】
前記第1の凹部の内壁には、突起部が形成されている、請求項1記載の樹脂モールド構造。
【請求項3】
前記第1の凹部及び前記第2の凹部の開口部の周縁部には、突起部が形成されている、請求項1記載の樹脂モールド構造。
【請求項4】
前記第1の凹部の前記内壁に形成された前記突起部の体積は、前記第2の凹部の先端部の体積の50%以上である、請求項2記載の樹脂モールド構造。
【請求項5】
前記インサート部材の前記所定の面には、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくともいずれか一方に連通する一つ以上の他の凹部が設けられている、請求項1記載の樹脂モールド構造。
【請求項6】
前記インサート部材の前記所定の面は、一つの平らな面で構成され、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記一つの平らな面に設けられている、請求項1記載の樹脂モールド構造。
【請求項7】
前記インサート部材の前記所定の面は、二つの平らな面を含み、
前記第1の凹部は、前記二つの平らな面の一方に設けられ、
前記第2の凹部は、前記二つの平らな面の他方に設けられている、請求項1記載の樹脂モールド構造。
【請求項8】
前記インサート部材の前記所定の面は、もう一つの平らな面を更に含み、
前記もう一つの平らな面には、もう一つの凹部が設けられ、
前記もう一つの凹部は、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の少なくともいずれか一方に連通している、請求項7記載の樹脂モールド構造。
【請求項9】
インサート部材と、
樹脂と、を含み、
前記インサート部材を前記樹脂でインサートモールドして形成された構造を有し、
前記インサート部材の所定の面には、第1の凹部及び第2の凹部が設けられ、
前記第1の凹部と前記第2の凹部とは、連通し、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記樹脂が進入している、インサートモールド部品。
【請求項10】
所定の面に第1の凹部及び第2の凹部が設けられ、
前記第1の凹部と前記第2の凹部とは、連通し、
前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、インサートモールドにより樹脂が進入する、インサートモールド部品用のインサート部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、樹脂モールド構造、インサートモールド部品、及びインサートモールド部品用のインサート部材に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品等においては、金属やセラミック等のインサート部材の一部にレーザ加工等により凹部を設け、インサートモールドすることで、モールド樹脂との接合強度を向上した構造が用いられている。
【0003】
特許文献1には、インサート金属部材の表面に、所定のスポット径を有するレーザ光を照射することにより、複数の凹陥部を表面に形成して複数の波頭状の延出部を備えた粗面化領域を形成し、その粗面化領域に樹脂部材が成形されてなる金属樹脂複合成形体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-56736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のインサートモールド部品に用いられるインサート部材においては、凹部が一方向のレーザ光の照射により形成されるため、凹部が袋小路の形状となっている。このため、モールドの際に、凹部の空気を十分に外部に出すことができない。このため、樹脂を凹部に十分に充填することが困難である。結果として、凹部のアンダーカットとしての機能が十分に発揮されず、凹部に入った樹脂が接合強度の向上に十分に寄与できない状態となる場合がある。
【0006】
特許文献1に記載の金属樹脂複合成形体も、凹部の袋小路の問題を解決するものではなく、改善の余地があると考えられる。
【0007】
本開示の目的は、インサートモールド部品を構成するインサート部材と樹脂との間における接合強度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の樹脂モールド構造は、インサート部材を樹脂でインサートモールドして形成された構造であって、インサート部材の所定の面には、第1の凹部及び第2の凹部が設けられ、第1の凹部と第2の凹部とは、連通し、第1の凹部及び第2の凹部には、樹脂が進入している。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、インサートモールド部品を構成するインサート部材と樹脂との間における接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1のインサートモールド部品を示す斜視図である。
図2図1のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
図3】従来のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
図4】実施例1の望ましい樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
図5】実施例2のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
図6】実施例2の望ましい樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施例を説明する。実施例については、本開示の内容を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本開示は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本開示は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【実施例0013】
図1は、実施例1のインサートモールド部品を示す斜視図である。
【0014】
本図に示すインサートモールド部品は、インサート部材100が樹脂200にインサートモールドされた構成を有する。図中、インサート部材100の右側面及び下面は、外部に露出している。本図においては、インサート部材100は、四角柱状であり、インサートモールド部品の全体形状も、四角柱状である。ただし、インサート部材100及びインサートモールド部品の全体形状は、四角柱状に限定されるものではなく、四角柱状以外の多角形の柱状、円柱状、楕円柱状等であってもよい。また、インサート部材100には、切削加工、打ち抜き加工等の際に形成されたバリ、ダレ等が残存していてもよい。
【0015】
なお、インサート部材100は、本図に示すような露出面を有する必要はなく、インサートモールド部品の構成がどのようなものであっても本開示のインサートモールド部品としての効果が得られる。
【0016】
インサート部材100は、金属、セラミック等で構成されている。金属としては、銅、ニッケル、鉄、プラチナ等のいずれかを主成分とする合金が用いられる。ただし、合金の種類は、これらの例に限定されるものではない。セラミックとしては、シリカ、アルミナ等が用いられる。ただし、セラミックの種類は、これらの例に限定されるものではない。また、樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアセタール等が用いられる。ただし、樹脂の種類は、これらの例に限定されるものではない。
【0017】
図2は、図1のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【0018】
図2においては、インサート部材100と樹脂200との接合部(境界部分)を示している。
【0019】
当該接合部を構成するインサート部材100の平らな表面(一つの平らな面)には、第1の凹部110及び第2の凹部120が形成されている。第1の凹部110及び第2の凹部120はそれぞれ、異なる方向から照射されたレーザにより形成されている。また、第1の凹部110と第2の凹部120とは、空間的に交わり、部分的に空間を共有している。この空間は、ブリッジ130に覆われている。言い換えると、第1の凹部110と第2の凹部120とは、連通している。
【0020】
ここで、平らな面とは、例えば、図1の四角柱状のインサート部材100の場合は、四角柱を構成する一つの平面をいう。このような平面は、いくつかの稜線(四角柱の場合は四本の稜線)により囲まれている。また、インサート部材100が円柱状の場合は、円形の底面は言うまでもなく平らな面である。円柱の側面も、稜線が存在しない凸面であり、当該側面を部分的に見ると、ほぼ平らな面と言ってよい。
【0021】
まとめると、本明細書において「平らな面」とは、巨視的には稜線及び頂点を含まない面をいい、凸面及び凹面を含むものとする。
【0022】
なお、インサート部材100には、切削加工、打ち抜き加工等の際に形成されたバリ、ダレ等が残存している場合もあるため、実際の平らな面にバリ、ダレ等が存在してもよく、稜線及び頂点のいずれかにバリ、ダレ等が存在してもよい。
【0023】
第1の凹部110及び第2の凹部120には、樹脂200が充填されている。
【0024】
また、第1の凹部110の入口部分である第1の開口部の周縁部には、第1のバリ111が形成されている。一方、第2の凹部120の入口部分である第2の開口部の周縁部には、第2のバリ121が形成されている。さらに、第1の凹部110の内壁には、第3のバリ122が形成されている。なお、「バリ」は、「突起部」とも呼ぶ。
【0025】
レーザ照射は、まず、第1の凹部110を形成する方向から行う。この際、第1のバリ111が形成される。つぎに、第2の凹部120を形成する方向から行う。この際、第2のバリ121が形成される。また、第2の凹部120を形成するレーザは、既存の第1の凹部110の内壁面にも当たる。これにより、第3のバリ122が形成される。まとめると、第3のバリ122は、第1の凹部110を形成した後、第2の凹部120を形成することにより形成される。
【0026】
インサート部材100にレーザを照射すると、照射された部分の温度が瞬間的に上昇し、インサート部材100の一部が溶融・蒸発して凹部が形成されるとともに、溶融・蒸発したインサート部材100が空気又は近くのインサート部材100により瞬間的に冷却され、インサート部材100に付着し、バリとなる。
【0027】
第1の凹部110と第2の凹部120とが連通しているため、樹脂が充填される際、樹脂が進入しやすく、凹部の空気が排出されやすくなっている。言い換えると、凹部の袋小路の体積が小さく、凹部の多くの空気が樹脂に押し出されやすくなっている。これにより、樹脂の充填が促進される。
【0028】
第1の凹部110及び第2の凹部120に樹脂が充填されやすいこと、第1の凹部110及び第2の凹部120が連通した部分で樹脂が結合すること(言い換えると、ブリッジ130がアンダーカットとなること)、並びに第1のバリ111、第2のバリ121及び第3のバリ122が樹脂200との接触面積を増大させることから、インサート部材100と樹脂200との間の接合強度を向上させることができる。なお、ブリッジ130は、バリに比べ、アンダーカットとして体積が大きいため、接合強度の向上への寄与が大きい。
【0029】
なお、本図においては、第1の凹部110及び第2の凹部120を一組だけ示しているが、実際には、これらの組を縦横に配置している。これらの組は、規則的に配置してもよいし、不規則に配置してもよい。また、これらの組の間隔は、特に限定されるものではなく、必要があれば、隣の組の開口部が重なる程度に密に配置してもよい。
【0030】
また、本実施例においては、一組における凹部の数が二つの場合を示しているが、本開示の樹脂モールド構造は、これに限定されるものではなく、一組における凹部の数が三つ以上であってもよい。言い換えると、第1の凹部110及び第2の凹部120の少なくともいずれか一方に連通する一つ以上の他の凹部が設けられている構成であってもよい。連通する凹部の数が多ければ、凹部の内部における樹脂の形状が複雑になり、バリの数が多くなり、バリの向きも多様になるため、樹脂が充填されやすくなり、接合強度を更に向上させることができる。
【0031】
レーザのスポット径は、10μm~100μm程度が望ましい。また、レーザは、パルス状に照射することが望ましい。
【0032】
上記の凹部の組を規則的に配置する場合、例えば、まず、レーザ装置を移動しながら、表面に対して同一の角度でパルス状のレーザ照射を行うことにより、複数の第1の凹部110を形成する。つぎに、角度を変更し、その角度でレーザ装置を移動しながら、パルス状のレーザ照射を行うことにより、複数の第2の凹部120を形成する。
【0033】
本実施例においては、凹部の形成をレーザにより行った場合を示しているが、本開示の樹脂モールド構造は、これに限定されるものではなく、凹部の形成をドリル加工や打ち抜き加工により行ってもよい。
【0034】
(比較例)
図3は、比較例である従来のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【0035】
本図に示すように、従来のインサートモールド部品の樹脂モールド構造においては、インサート部材100の表面の一か所について、一つの凹部310が形成されている。この場合においては、その表面に対して垂直な方向から一回のレーザ照射を行うことにより、一つの凹部310が形成される。これに伴い、凹部310の入口部分である開口部には、バリ311が形成される。
【0036】
本比較例の樹脂モールド構造においては、樹脂200が充填される際、凹部310に空気が残りやすく、樹脂200が進入しにくくなっている。このため、インサート部材100と樹脂200との間の接合強度が十分高くならない場合がある。
【0037】
つぎに、実施例1の望ましい構成について説明する。
【0038】
図4は、実施例1の望ましい樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【0039】
本図においては、図2の第2の凹部120の先端部及び第3のバリ122に該当する部分にハッチングを施している。点線で表す境界は、第1の凹部110において第2の凹部120の先端部及び第3のバリ122が形成されていない状態における第1の凹部110の内壁面に対応している。言い換えると、第2の凹部120の先端部は、第2の凹部120のうち、第1の凹部110の内壁面より奥の部分である。
【0040】
前述のように、レーザ加工においては、レーザの照射により、凹部が形成される前に凹部に存在したインサート部材が溶融・蒸発して移動し、バリとなる。このため、凹部の体積とバリの体積との間には相関がある。
【0041】
レーザ加工の条件を調節することにより、第3のバリ122の体積が、第2の凹部120の先端部の体積の50%以上となるようにすることが望ましい。この場合に、第3のバリ122の体積が第2の凹部120の先端部の体積の100%になったとしても、第3のバリ122は、分散して配置されるため、第1の凹部110が閉塞してしまうことはないと考えられる。これにより、第2の凹部120の先端部と第3のバリ122とで形成される立体構造における空間に樹脂200が進入し、更に接合強度を高めることができる。
【実施例0042】
図5は、実施例2のインサートモールド部品の樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【0043】
本図においては、インサート部材100の稜線部又は頂点と樹脂200との接合部(境界部分)を示している。以下の説明においては、図2と同様の構成についての説明は省略する。
【0044】
当該接合部を構成するインサート部材100の稜線部においては二つの平らな表面が、頂点においては三つの平らな表面が交わっている。そして、図5に示すように、一方の表面には第1の凹部110が、他方の表面には第2の凹部120が形成されている。第1の凹部110及び第2の凹部120はそれぞれ、異なる方向から照射されたレーザにより形成されている。第1の凹部110と第2の凹部120とは、連通している。また、ブリッジ130は、インサート部材100の稜線部又は頂点を含む。
【0045】
なお、上記の頂点は、本図に示す二つの平らな面に加え、図示していないもう一つの平らな面が交わる構成である。この場合、もう一つの平らな面には、もう一つの凹部が設けられている。そして、もう一つの凹部は、第1の凹部110と第2の凹部120の少なくともいずれか一方に連通している。
【0046】
なお、本明細書において、交わっている「二つの平らな面」とは、巨視的には稜線及び頂点を含まない二つの面が交わって稜線を形成した状態をいい、交わっている「三つの平らな面」とは、巨視的には稜線及び頂点を含まない三つの面が交わって稜線及び頂点を形成した状態をいう。
【0047】
本実施例においても、実施例1と同様に、インサート部材100と樹脂200との間の接合強度を向上させることができる。
【0048】
図6は、実施例2の望ましい樹脂モールド構造を示す拡大模式断面図である。
【0049】
本図においては、図5の第2の凹部120の先端部及び第3のバリ122に該当する部分にハッチングを施している。
【0050】
図6においても、実施例1の図4と同様に、凹部の体積とバリの体積との間に相関があることを示している。
【0051】
本実施例においても、レーザ加工の条件を調節することにより、第3のバリ122の体積が、第2の凹部120の先端部の体積の50%以上となるようにすることが望ましい。
【符号の説明】
【0052】
100:インサート部材、110:第1の凹部、111:第1のバリ、120:第2の凹部、121:第2のバリ、122:第3のバリ、130:ブリッジ、200:樹脂。
図1
図2
図3
図4
図5
図6