(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007504
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】タービン、ガバナ装置
(51)【国際特許分類】
F03D 3/06 20060101AFI20250109BHJP
【FI】
F03D3/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023108938
(22)【出願日】2023-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504173471
【氏名又は名称】国立大学法人北海道大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松平 達哉
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 良一
(72)【発明者】
【氏名】相澤 望
(72)【発明者】
【氏名】村井 祐一
(72)【発明者】
【氏名】田坂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】パク ヒョンジン
(72)【発明者】
【氏名】堀本 康文
(72)【発明者】
【氏名】越智 心
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA14
3H178AA40
3H178AA46
3H178BB31
3H178CC03
3H178DD70X
(57)【要約】
【課題】厚さ一定で、断面半円状とされた内周面を有する断面弓状のブレードを2個用いて管を流れる流体からエネルギーを取り出す場合と比して、多くのエネルギーを取り出すことである。
【解決手段】タービンは、管の内部を流れる流体の流れ方向に直交する回転軸周りに回転可能に管の内部に配置され、回転軸に直交する直交断面が弓状とされるブレードを備え、直交断面において、ブレードの内周面は半円状とされ、内周面の中心が回転軸から離れると共に内周面の両端の間に回転軸が配置されており、かつ、ブレードを3個以上有し、回転軸の方向から見て、夫々の前記ブレードは、回転軸の周方向に同様の間隔で配置されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管の内部を流れる流体の流れ方向に直交する回転軸周りに回転可能に前記管の内部に配置され、前記回転軸に直交する直交断面が弓状とされるブレードを備え、
前記直交断面において、前記ブレードの内周面は半円状とされ、前記内周面の中心が前記回転軸から離れると共に前記内周面の両端の間に前記回転軸が配置されており、かつ、前記ブレードを3個以上有し、前記回転軸の方向から見て、夫々の前記ブレードは、前記回転軸の周方向に同様の間隔で配置されている、
タービン。
【請求項2】
前記直交断面における前記ブレードの中央部の厚さが端部の厚さと比して厚くされている、
請求項1に記載のタービン。
【請求項3】
流れる流体としてのガスを減圧するガバナ本体と、
ガスの流れ方向において前記ガバナ本体の上流側に配置され、流れるガスによって回転する請求項1又は2に記載の前記タービンと、
前記タービンの回転をエネルギーに変換する変換部材と、
を備えるガバナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービン、及びガバナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、給水管に対してサボニウス型のタービンを配置し、エネルギーを取り出す構成が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】S. Abdolkarim Payambarpour, Amir F. Najafi, Franco Magagnato, Investigation of deflector geometry and turbine aspect ratio effect on 3D modified in-pipe hydro Savonius turbine: Parametric study:, Renewable Energy 148(2020)44-59
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体の流れ方向に直交する回転軸を有するタービンを管の内部に配置してエネルギーを取り出す場合に、管の内部を流れる流体を受ける内周面が形成されると共に回転軸に直交する直交断面が弓状のブレードを2個有するタービンが用いられることがある。
【0005】
具体的には、2個のブレードは、厚さ一定とされている。さらに、回転軸に対して直交する直交断面において、ブレードの内周面は半円状とされ、内周面の中心が回転軸から離れると共に内周面の両端の間に回転軸が配置されている。また、回転軸の方向から見て、2個のブレードは、回転軸の周方向に同様の間隔で配置されている。
【0006】
本開示の課題は、厚さ一定で、断面半円状とされた内周面を有する弓状のブレードを2個用いて管を流れる流体からエネルギーを取り出す場合と比して、多くのエネルギーを取り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様に係るタービンは、管の内部を流れる流体の流れ方向に直交する回転軸周りに回転可能に前記管の内部に配置され、前記回転軸に直交する直交断面が弓状とされるブレードを備え、前記直交断面において、前記ブレードの内周面は半円状とされ、前記内周面の中心が前記回転軸から離れると共に前記内周面の両端の間に前記回転軸が配置されており、かつ、前記ブレードを3個以上有し、前記回転軸の方向から見て、夫々の前記ブレードは、前記回転軸の周方向に同様の間隔で配置されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、タービンに向って管の内部を流れる流体が、一のブレードの内周面を押圧すると共に内周面に沿って流れる。さらに、一のブレードの内周面に沿って流れる流体は、他のブレードの内周面を押圧すると共に内周面に沿って流れ、タービンから遠ざかるように管の内部を流れる。ここで、3個以上のブレードは、回転軸の周方向に同様の間隔で配置されている。そこで、タービンに向って流れる流体は、何れかのブレードの内周面を押圧する。
【0009】
このため、タービンでは、厚さ一定で、断面半円状とされた内周面を有する断面弓状のブレードを2個用いて管を流れる流体からエネルギーを取り出す場合と比して、多くのエネルギーを取り出すことができる。
【0010】
第2態様に係るタービンは、第1態様において、前記直交断面における前記ブレードの中央部の厚さが端部の厚さと比して厚くされていることを特徴とする。
【0011】
上記構成によると、直交断面におけるブレードの中央部における厚さが端部の厚さと比して厚くされている。これにより、ブレードの中央部の厚さが端部と同じ場合と比して、ブレードと管の内壁との間を通ってタービンの横を通過する流体の量が少なくなる。
【0012】
このため、タービンでは、ブレードの中央部の厚さが端部と同じ場合と比して、多くのエネルギーを取り出すことができる。
【0013】
第3態様に係るガバナ装置は、流れる流体としてのガスを減圧するガバナ本体と、ガスの流れ方向において前記ガバナ本体の上流側に配置され、流れるガスによって回転する請求項1又は2に記載の前記タービンと、前記タービンの回転をエネルギーに変換する変換部材とを備えることを特徴とする。
【0014】
上記構成によると、タービンは、ガスの流れ方向においてガバナ本体の上流側に配置されている。これにより、ガバナ本体で消失してしまう本来活用されないエネルギーからエネルギーを取り出すことができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、厚さ一定で、断面半円状とされた内周面を有する断面弓状のブレードを2個用いて管を流れる流体からエネルギーを取り出す場合と比して、多くのエネルギーを取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の第1実施形態に係るガバナ装置を示した構成図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係るタービンであって、ガス導管の内部に配置された状態をしました図面である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係るタービンであって、中央部を横方向に切断した断面図である。
【
図4】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンの上方から見た平面図、及び側方から見た側面図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係るタービンの他の側方から見た側面図である。
【
図6】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図7】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図8】本開示の第1実施形態に係るタービンの評価結果をグラフで示した図面である。回転している状態を示した状態図である。
【
図9】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンを評価するために用いた評価モデルを示した図面である。
【
図10】本開示の第1実施形態に対する比較形態に係るタービンであって、中央部を横方向に切断した断面図である。
【
図11】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンに対する比較形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図12】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンに対する比較形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図13】(A)(B)本開示の第1実施形態に係るタービンに対する比較形態に係るタービンを評価するために用いた評価モデルを示した図面である。
【
図14】本開示の第2実施形態に係るタービンであって、中央部を横方向に切断した断面図である。
【
図15】(A)(B)本開示の第2実施形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図16】(A)(B)本開示の第2実施形態に係るタービンにおいて回転している状態を示した状態図である。
【
図17】(A)(B)本開示の第2実施形態に係るタービンを評価するために用いた評価モデルを示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
本開示の第1実施形態に係るガバナ装置、及びタービンの一例について
図1~
図13に従って説明する。なお、各図に示す矢印Hは、タービンの回転軸を鉛直方向とした場合の上下方向であって、各図に示す矢印Dは、タービンの回転軸を鉛直方向とした場合の水平方向で、ガスの流れ方向であって、各図に示す矢印Wは、タービンの回転軸を鉛直方向とした場合の水平方向で、ガスの流れ方向に対して直交する方向である。
【0018】
(ガス供給システム10)
先ず、ガバナ装置20が用いられているガス供給システム10について説明する。ガス供給システム10は、流体供給システムの一例である。
【0019】
ガス供給システム10は、例えば、供給源(例えば、ガス製造所)から需要家(例えば、一般の家庭、商業施設、及び工業施設等)へ都市ガスを供給するシステムである。このガス供給システム10は、
図1に示されるように、第一ガス管11と、第二ガス管12と、ガバナ装置20と、を備えている。
【0020】
なお、ガス供給システム10において、ガスが流れる方向をガス流れ方向という。また、ガスは、流体の一例である。
【0021】
第一ガス管11は、ガス供給システム10において、第二ガス管12に対して供給源側(すなわち、ガス流れ方向の上流側)に配置されている。第一ガス管11は、第二ガス管12におけるガス圧よりも高圧の都市ガスを流すためのガス管である。
【0022】
第二ガス管12は、ガス供給システム10において、第一ガス管11に対して需要家側(すなわち、ガス流れ方向の下流側)に配置されている。第二ガス管12は、第一ガス管11におけるガス圧よりも低圧の都市ガスを流すためのガス管である。
【0023】
〔ガバナ装置20〕
ガバナ装置20は、ガス供給システム10において、第一ガス管11と第二ガス管12との間に配置されている。つまり、ガバナ装置20は、ガス供給システム10において、第一ガス管11に対してガス流れ方向の下流側であって、第二ガス管12に対してガス流れ方向の上流側に配置されている。
【0024】
ガバナ装置20は、第一ガス管11と第二ガス管12との間で、第一ガス管11から第二ガス管12へ流れるガスを整圧する整圧器として機能する。具体的には、ガバナ装置20は、第一ガス管11からのガスを減圧して、第二ガス管12へ送るようになっている。
【0025】
ガバナ装置20は、ガス管22及びガバナ本体24を含む基本構成部26と、筐体28と、を有している。そして、筐体28の内部に、ガス管22及びガバナ本体24を含む基本構成部26が収容されている。ガス管22は、管の一例である。
【0026】
基本構成部26は、ガスを流すための構成部であり、ガス管22と、ガバナ本体24と、その他のガス管及び弁などの構成要素と、を有している。基本構成部26では、第一ガス管11が接続される入口25から、第二ガス管12が接続される出口27までガスを流す(矢印20A、20B、20C、20D参照)。
【0027】
ガバナ本体24は、基本構成部26で流れるガスを減圧する構成部である。ガス管22は、ガバナ本体24に対してガス流れ方向の上流側に設けられている。具体的には、ガス管22は、ガバナ本体24に対してガス流れ方向の上流側で、ガバナ本体24に対して接続されている。ガス管22の流路径は、ガス管22に対して流れ方向の上流側で接続された構成要素の流路径、及びガス管22に対して流れ方向の下流側で接続された構成要素(具体的にはガバナ本体24)の流路径と比して小さくされている。また、ガス管22には、ガス管22に対してタービン50が配置される。そして、ガバナ装置20は、タービン50の回転をエネルギーに変換する変換部材としての発電機36を備えている。
【0028】
なお、ガバナ装置20では、後述するように、ガス管22に対してタービン50が配置される。また、ガバナ装置20を流れるガスは、タービン50によって減圧され、さらに、ガバナ本体24によって減圧される。したがって、ガバナ装置20において矢印20A、20Bで示される流路でのガス、矢印20Cで示される流路でのガス、及び矢印20Dで示される流路でのガスは、この順で徐々に低圧になっていく。
【0029】
(タービン50の構成)
タービン50は、ガバナ装置20で流れるガスが有するエネルギーを回転力に変換して、当該エネルギーを取り出す原動機である。このタービン50は、
図2に示されるように、ガス管22に配置されている。
【0030】
タービン50は、
図2、
図3に示されるように、第一ブレード52と、第二ブレード54と、第三ブレード56と、第一スペーサ58と、第二スペーサ60と、回転軸部材62と、を有している。なお、以下の説明では、第一ブレード52、第二ブレード54及び第三ブレード56を「第一、第二、第三ブレード52、54、56」と記載し、第一スペーサ58及び第二スペーサ60を「第一、第二スペーサ58、60」と記載することがある。
【0031】
タービン50は、垂直軸型のタービンであり、回転軸がガス管22のガスの流れ方向(矢印D)に対して直交する方向(矢印H)に延びている。また、第一、第二、第三ブレード52、54、56及び第一、第二スペーサ58、60は、回転軸部材62によって、回転軸周りに回転可能にガス管22の内部に配置されている。
【0032】
〔回転軸部材62〕
回転軸部材62は、
図2に示されるように、ガス管22のガス流れ方向(矢印D)に対して直交する方向(矢印H)に延びており、ガス管22に設けられた図示せぬ貫通孔を通してガス管22の内部から上方へ突出している。換言すれば、回転軸部材62の回転軸(図中CA)は、ガス管22のガス流れ方向に対して直交する方向(矢印H)に延びており、断面円状とされたガス管22の中心を通っている。
【0033】
〔第一スペーサ58、第二スペーサ60〕
第一スペーサ58と第二スペーサ60とは、
図2に示されるように、第一スペーサ58と第二スペーサ60とで、第一、第二、第三ブレード52、54、56を上下方向から挟むように配置されている。そして、第一、第二スペーサ58、60において、ガス管22の内壁22aを向いた面は、球状とされており、第一、第二スペーサ58、60とガス管22の内壁22aとの間には、隙間が設けられている。
【0034】
〔第一ブレード52、第二ブレード54、第三ブレード56〕
第一ブレード52、第二ブレード54、及び第三ブレードは、同様の形状とされている。また、第一、第二、第三ブレード52、54、56は、回転軸CAの周方向に同様の間隔で配置されている。
【0035】
-第一ブレード52-
第一ブレード52の回転軸CAに直交する断面は、
図3に示されるように、弓状とされており、流れるガスを受ける凹状の内周面52aと、凸状の外周面52bとを有している。回転軸CAに直交する断面において、この内周面52a及び外周面52bは、半円状とされており、半円状とされた内周面の中心(図中C01)と半円状とされた外周面52bの中心とは重なっている。これにより、第一ブレード52において内周面52aと外周面52bとの距離は、同様とされている。換言すれば、第一ブレード52の肉厚は、同様とされている。
【0036】
ここで、本第1実施形態において「半円状」とは、完全な半円である必要はない。直線部分を含む半円状(U字状)も含み、さらには、楕円状及び扁平状も含む。
【0037】
また、半円状とされた内周面52aの中心(図中C01)は、タービン50の回転軸(図中CA)から離れており、内周面52aにおいて回転軸CAから離れている一端521と回転軸CAに近い他端522との間に回転軸CAが配置されている。換言すれば、内周面52aの一端521と他端522を結んだ線分上に回転軸CAが配置されている。
【0038】
また、内周面52aの一端521から他端522までの距離をL1とし、回転軸CAから他端522までの距離をL2とする。そうすると、距離L1と距離L2との比率は、回転軸CAに直交する断面においてどこの位置の断面であっても同様とされている。つまり、第一ブレード52の上下方向の中央部の断面であっても、第一スペーサ58に近い断面であっても、第二スペーサ60に近い断面であっても、距離L1と距離L2との比率は、同様とされている。
【0039】
-第二ブレード54、第三ブレード56-
第二ブレード54及び第三ブレード56において回転軸CAに直交する断面については、第一ブレード52の断面と異なる部分を主に説明する。
【0040】
第二ブレード54の断面形状は、
図3に示されるように、第一ブレード52の断面形状と同様されている。具体的には、回転軸CAを中心に第一ブレード52を反時計方向に120〔度〕回転させると、第二ブレード54に重なるようになっている。
【0041】
また、第三ブレード56の断面形状は、
図3に示されるように、第一ブレード52の断面形状と同様されている。具体的には、回転軸CAを中心に第一ブレード52を反時計方向に240〔度〕回転させると、第三ブレード56に重なるようになっている。
【0042】
第一、第二、第三ブレード52、54、56は、
図4(A)(B)、
図5に示されるように、ガス管22の内壁22aとの間に同様の隙間を空けて配置されている。換言すれば、第一、第二、第三ブレード52、54、56の上下方向の中央部の断面であっても、第一スペーサ58に近い部分であっても、第二スペーサ60に近い部分であっても、第一、第二、第三ブレード52、54、56は、ガス管22の内壁22aとの間に同様の隙間を空けて配置されている。
【0043】
(タービン50の作用)
次に、タービン50の作用について、比較形態に係るタービン350と比較しつつ説明する。先ず、タービン350の構成について、本第1実施形態に係るタービン50と異なる部分を主に説明する。
【0044】
〔タービン350の構成〕
タービン350は、
図10に示されるように、第一ブレード352と第二ブレード354とを備えている。そして、第一ブレード352と第二ブレード354とは、同様の形状とされている。
【0045】
第一ブレード352の回転軸CAに直交する断面は、
図10に示されるように、弓状とされており、本第1実施形態に係るタービン50の第一ブレード52(
図3参照)と同様の形状とされている。これにより、第一ブレード352は、凹状の内周面352aと凸状の外周面352bとを有している。
【0046】
第二ブレード54の断面形状は、
図10に示されるように、第一ブレード352の断面形状と同様されている。具体的には、回転軸CAを中心に第一ブレード352を反時計方向に180〔度〕回転させると、第二ブレード354に重なるようになっている。
【0047】
〔タービン50、350の作用〕
タービン50においては、第一ブレード52の凹状の内周面52aが、
図6(A)に示されるように、ガス流れ方向(矢印D)の上流側を向いた状態で、タービン50に向って流れるガスは、凹状の内周面52aを押圧すると共に内周面52aに沿って流れる。さらに、内周面52aに沿って流れるガスは、第二ブレード54の内周面54a、及び第三ブレード56の内周面56aを押圧すると共に内周面54a、56aに沿って流れ、タービン50から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。
【0048】
このように、内周面52a、54a、56aが、ガス管22の内部を流れるガスによって押圧されることで、第一、第二、第三ブレード52、54、56は、回転軸CAを中心に時計回りに回転する。
【0049】
そして、
図6(B)、
図7(A)(B)に示されるように、第一、第二、第三ブレード52、54、56の回転に伴って、タービン50に向って流れるガスは、凹状の内周面54aを押圧すると共に内周面54aに沿って流れる。さらに、内周面54aに沿って流れるガスは、内周面56a及び内周面52aを押圧すると共に内周面56a及び内周面52aに沿って流れ、タービン50から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。また、タービン50に向って流れるガスは、凹状の内周面56aを押圧すると共に内周面56aに沿って流れる。さらに、内周面56aに沿って流れるガスは、内周面52a及び内周面54aを押圧すると共に内周面52a及び内周面54aに沿って流れ、タービン50から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。これを繰り返すことで、第一、第二、第三ブレード52、54、56が回転し続ける。
【0050】
これに対して、タービン350においては、第一ブレード352の凹状の内周面352aが、
図11(A)に示されるように、ガス流れ方向(矢印D)の上流側を向いた状態で、タービン350に向って流れるガスは、凹状の内周面352aを押圧すると共に内周面352aに沿って流れる。さらに、内周面352aに沿って流れるガスは、第二ブレード354の内周面354aを押圧すると共に内周面354aに沿って流れ、タービン350から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。
【0051】
そして、
図11(B)、
図12(A)(B)に示されるように、第一、第二ブレード352、354の回転に伴って、タービン350に向って流れるガスは、凹状の内周面354aを押圧すると共に内周面354aに沿って流れる。さらに、内周面354aに沿って流れるガスは、内周面352aを押圧すると共に内周面352aに沿って流れ、タービン50から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。これを繰り返すことで、第一、第二ブレード352、354が回転し続ける。
【0052】
ここで、比較形態に係るタービン350においては、
図12(A)に示される第一、第二ブレード352、354の回転位置では、タービン350に向って流れるガスが、内周面352a、354aを押圧せず、第一、第二ブレード352、354とガス管22の内壁22aとの間を通ってタービン350から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。
【0053】
一方、本第1実施形態に係るタービン50においては、ブレードが3個あるため、
図6(A)(B)、
図7(A)(B)に示されるように、第一、第二、第三ブレード52、54、56のいかなる回転位置においても、タービン50に向って流れるガスが、何れかの内周面52a、54a、56aを押圧する。これにより、本第1実施形態に係るタービン50においては、比較形態に係るタービン350と比して、タービン50に向って流れるガスによって効果的に押圧されている。
【0054】
〔評価〕
次に、本第1実施形態に係るタービン50の性能と、比較形態に係るタービン350の性能とを比較した比較実験について説明する。
【0055】
1.評価仕様
タービン50の評価モデル70として、
図9(A)(B)に示されるように、回転軸方向の厚さ及び断面形状が一定で、台座72を有したものを用いた。
【0056】
また、タービン350の評価モデル370については、
図13(A)(B)に示されるように、タービン50と同様に、回転軸方向の厚さ及び断面形状が一定で、台座372を有したものを用いた。
【0057】
2.評価方法
図9(B)、
図13(B)に示されるように、断面矩形の管74の内部に、評価モデル70、370を回転可能に配置し、管74の内部に水を流して評価モデル70、370を回転させた。なお、評価モデル70、370の断面形状以外の項目については、評価モデル70の評価と評価モデル370の評価とで全て同様である。
【0058】
3.評価項目
各仕様について、周速比λとパワー係数Cpとの関係を求め、この関係をグラフに示した。ここで、パワー係数Cpとは、流れる流体のエネルギーをタービンによって機械的動力に変換する効率のことであり、周速比λとは、流体の流速に対するタービン先端速度の比である。
【0059】
4.評価結果
周速比λとパワー係数Cpとの関係を、
図8のグラフに示す。横軸が周速比λであって、縦軸がパワー係数Cpである。また、グラフ中の「〇」が、評価モデル370の評価結果を示し、グラフ中の「▲」が、評価モデル70の評価結果を示す。
【0060】
この評価結果から、パワー係数Cpについては、どの周速比λにおいても、評価モデル70の評価結果が、評価モデル370の評価結果に対して勝っていることが分かる。換言すれば、パワー係数Cpについては、どの周速比λにおいても、タービン50が、タービン350に対して勝っていることが分かる。
【0061】
(まとめ)
以上説明したように、タービン50においては、ブレードを3個有することで、タービン50のパワー係数Cpは、比較形態に係るタービン350のパワー係数Cpと比して勝っている。換言すれば、タービン50においては、ブレードを3個有することで、比較形態に係るタービン350と比して、流れる流体から多くのエネルギーを取り出すことができる。
【0062】
また、ガバナ装置20においては、タービン50は、ガスを減圧するガバナ本体24の上流側に配置されている。これにより、タービン50は、ガバナ本体24で消失してしまう本来活用されないエネルギーからエネルギーを取り出すことができる。
【0063】
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係るガバナ装置、及びタービンの一例について
図14~
図17に従って説明する。なお、第2実施形態に係るガバナ装置、及びタービンについては、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0064】
(タービン150の構成)
第2実施形態に係るタービン150は、
図14に示されるように、第一ブレード152と、第二ブレード154と、第三ブレード156とを有している。なお、以下の説明では、第一ブレード152、第二ブレード154及び第三ブレード156を「第一、第二、第三ブレード152、154、156」と記載することがある。
【0065】
〔第一ブレード152、第二ブレード154、第三ブレード156〕
第一ブレード152、第二ブレード154、及び第三ブレード156は、同様の形状とされている。また、第一、第二、第三ブレード152、154、156は、回転軸CAの周方向に同様の間隔で配置されている。
【0066】
-第一ブレード152-
第一ブレード152の回転軸CAに直交する断面は、
図14に示されるように、弓状とされており、第一ブレード52の両端部を繋ぐ線分に対して凹状の内周面152aと凸状の外周面152bとを有している。回転軸CAに直交する断面において、この内周面152aは、半円状とされており、第1実施形態に係る第一ブレード52の内周面52aと同様の形状とされている。
【0067】
また、外周面152bについては、内周面152aの中央部における内周面152aと外周面152bとの距離が、内周面152aの端部における内周面152aと外周面152bとの距離と比して大きくなるように凸状とされている。換言すれば、外周面152bについては、第一ブレード152の中央部における厚さが端部の厚さと比して厚くなるように凸状とされている。本実施形態で、「厚さ」とは、内周面152aと外周面152bとの距離である。
【0068】
具体的には、外周面152bは、外周面152bにおいて回転軸CAから離れた一端621における回転軌跡と重なる軌跡面624と、外周面152bにおいて回転軸CAに近い他端622から軌跡面624の端部まで延びる延出面626とを含んで構成されている。さらに具体的には、軌跡面624は、一端621における回転軌跡の1/4と重なっており、1/4球状とされている。このように、回転軸CA方向のどの断面においても、軌跡面624は、一端621における回転軌跡と重なっている。換言すれば、回転軸CA方向のどの断面においても、軌跡面624は、タービン150の回転軌跡と重なっている。なお、外周面152bにおいて回転軸CAから離れた一端621における回転軌跡とは、タービン150の回転軌跡と同様である。
【0069】
-第二ブレード154、第三ブレード156-
第二ブレード154及び第三ブレード156において回転軸CAに直交する断面については、第一ブレード152の断面と異なる部分を主に説明する。
【0070】
第二ブレード154の断面形状は、
図14に示されるように、第一ブレード152の断面形状と同様されている。具体的には、回転軸CAを中心に第一ブレード152を反時計方向に120〔度〕回転させると、第二ブレード154に重なるようになっている。
【0071】
また、第三ブレード156の断面形状は、
図14に示されるように、第一ブレード152の断面形状と同様されている。具体的には、回転軸CAを中心に第一ブレード152を反時計方向に240〔度〕回転させると、第三ブレード156に重なるようになっている。
【0072】
(タービン150の作用)
タービン150においては、第一ブレード152の凹状の内周面152aが、
図15(A)に示されるように、ガス流れ方向(矢印D)の上流側を向いた状態で、タービン150に向って流れるガスは、凹状の内周面152aを押圧すると共に内周面152aに沿って流れる。さらに、内周面152aに沿って流れるガスは、第二ブレード154の内周面154a、及び第三ブレード156の内周面156aを押圧すると共に内周面154a、156aに沿って流れ、タービン150から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。
【0073】
このように、内周面152a、154a、156aが、ガス管22の内部を流れるガスによって押圧されることで、第一、第二、第三ブレード152、154、156は、回転軸CAを中心に時計回りに回転する。
【0074】
そして、
図15(B)、
図16(A)(B)に示されるように、第一、第二、第三ブレード152、154、156の回転に伴って、タービン150に向って流れるガスは、凹状の内周面154aを押圧すると共に内周面154aに沿って流れる。さらに、内周面154aに沿って流れるガスは、内周面156a及び内周面152aを押圧すると共に内周面156a及び内周面152aに沿って流れ、タービン150から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。また、タービン150に向って流れるガスは、凹状の内周面156aを押圧すると共に内周面156aに沿って流れる。さらに、内周面156aに沿って流れるガスは、内周面152a及び内周面154aを押圧すると共に内周面152a及び内周面154aに沿って流れ、タービン150から遠ざかるようにガス管22の内部を流れる。これを繰り返すことで、第一、第二、第三ブレード152、154、156が回転し続ける。
【0075】
ここで、本第2実施形態に係るタービン150においては、第一、第二、第三ブレード152、154、156の外周面152b、154b、156bについては、第一、第二、第三ブレード152、154、156の中央部における厚さが端部の厚さと比して厚くなるように凸状とされている。このため、
図15(A)(B)、
図16(A)(B)に示されるように、第一、第二、第三ブレード152、154、156のいかなる回転位置においても、タービン150に向って流れるガスが、ガス管22の内壁22aと第一、第二、第三ブレード152、154、156の先端との間を通ってタービン150から遠ざかるようにガス管22の内部を流れるのが抑制される。これにより、タービン150に向って流れるガスが、何れかの内周面152a、154a、156aを押圧する。このため、本第2実施形態に係るタービン150においては、比較形態に係るタービン350と比して、タービン150に向って流れるガスによって効果的に押圧されている。
【0076】
〔評価〕
次に、本第2実施形態に係るタービン150の性能を評価した実験について説明する。
【0077】
1.評価仕様
タービン150の評価モデル170として、
図17(A)(B)に示されるように、回転軸方向の厚さ及び断面形状が一定で、台座172を有したものを用いた
【0078】
2.評価結果
周速比λとパワー係数Cpとの関係を、
図8のグラフに示す。横軸が周速比λであって、縦軸がパワー係数Cpである。また、グラフ中の「△」が、評価モデル170の評価結果を示す。
【0079】
この評価結果から、パワー係数Cpについては、どの周速比λにおいても、評価モデル170の評価結果が、前述した評価モデル70及び評価モデル370の評価結果に対して勝っていることが分かる。換言すれば、パワー係数Cpについては、どの周速比λにおいても、タービン150が、タービン50及びタービン350に対して勝っていることが分かる。
【0080】
(まとめ)
以上説明したように、タービン150の第一、第二、第三ブレード152、154、156の外周面152b、154b、156bついては、第一、第二、第三ブレード152、154、156の中央部における厚さが端部の厚さと比して厚くなるように凸状とされている。これにより、タービン150のパワー係数Cpは、タービン50及び比較形態に係るタービン350のパワー係数Cpと比して勝っている。換言すれば、タービン150については、各ブレードの外周面152b、154b、156bが、第一、第二、第三ブレード152、154、156の中央部における厚さが端部の厚さに対して厚くなるように凸状されることで、タービン50及び比較形態に係るタービン350と比して、流れる流体から多くのエネルギーを取り出すことができる。
【0081】
なお、本開示を特定の実施形態について詳細に説明したが、本開示は係る実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。特許請求の範囲、明細書および図面の記載から当業者が認識することができる技術的思想に反しない限り、変更、削除、付加、及び各実施形態の組み合わせが可能である。
【0082】
また、上記実施形態では、タービン50、150が有するブレードの個数は、3個であったが、4個以上であってもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、第一、第二、第三ブレード52、54、56及び第一、第二、第三ブレード152、154、156は、中実であったが、中空であってもよい。
【0084】
また、上記第2実施形態では、外周面152b、154b、156bの軌跡面624は、断面においてタービンの軌跡と重ねっていたが、その重なり量については、タービン150の軌跡の1/4に限られない。つまり、第一、第二、第三ブレード152、154、156の外周面152b、154b、156bの少なくとも一部がタービンの軌跡と重なる軌跡面を有していればよい。これにより、回転するタービンの第一、第二、第三ブレード152、154、156と内壁22aとの間からガスの通過が抑制されることで、ガスが回転する第一、第二、第三ブレード152、154、156の内周面152a、154a、156aを効果的に押圧する。
【符号の説明】
【0085】
20 ガバナ装置
22 ガス管
22a 内壁
24 ガバナ本体
36 発電機(変換部材の一例)
50 タービン
52 第一ブレード
52a 内周面
54 第二ブレード
54a 内周面
56 第三ブレード
56a 内周面
62 回転軸部材
150 タービン
152 第一ブレード
152a 内周面
154 第二ブレード
154a 内周面
156 第三ブレード
156a 内周面
624 軌跡面
CA 回転軸