(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007606
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】物品リスト分割装置、物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20250109BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109126
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】佐川 立昌
(72)【発明者】
【氏名】井上 祐太
(72)【発明者】
【氏名】小出 幸和
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】適切な箱を選定できるように、物品同士の関係性を考慮して物品を分割する物品リスト分割装置、物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムを提供する。
【解決手段】分割リスト生成部13は、ニューラルネットワーク演算部12の出力層23から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する。ニューラルネットワーク演算部12は、過去の梱包実績に基づく学習を行うだけで、物品に関する評価値を出力することができる。そのため、物品リスト分割装置100は、計算コストを低減した状態で、容易に分割リストを生成することができる。分割リスト生成部13は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。分割リスト生成部13は、物品同士の関係性を考慮して、物品同士が同じ箱に入るか、違う箱に入るかを考慮した上で、物品の分割リストを生成できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの前記箱に対する前記物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割装置であって、
前記物品リスト分割装置の制御部は、
前記学習情報を記憶する記憶部と、
前記物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付部と、
前記入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された前記学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、前記物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算部と、
前記ニューラルネットワーク演算部の出力層から出力された前記評価値に基づいて前記分割リストを生成する分割リスト生成部と、を有し、
前記分割リスト生成部は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する、物品リスト分割装置。
【請求項2】
前記ニューラルネットワーク演算には、自己注意構造が含まれ、
学習時において、前記入力層へ入力される前記入力情報は、前記物品ごとに分割され、前記物品同士が同じ箱に入る可能性、及び違う箱に入る可能性に関する関係性を対応させる、請求項1に記載の物品リスト分割装置。
【請求項3】
前記分割リスト生成部は、第1の物品、第2の物品、第3の物品同士の前記関係性の組み合わせで、前記第1の物品と前記第2の物品とが同じ箱に入るパターンと、違う箱に入るパターンが存在する場合、前記確率が高い方のパターンを優先する、請求項2に記載の物品リスト分割装置。
【請求項4】
予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの前記箱に対する前記物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割方法であって、
前記学習情報を記憶する記憶ステップと、
前記物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、
前記入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された前記学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、前記物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、
前記ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層から出力された前記評価値に基づいて前記分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、を有し、
前記分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する、物品リスト分割方法。
【請求項5】
予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの前記箱に対する前記物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割プログラムであって、
前記学習情報を記憶する記憶ステップと、
前記物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、
前記入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された前記学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、前記物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、
前記ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層から出力された前記評価値に基づいて前記分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、をコンピュータシステムに実行させ、
前記分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する、物品リスト分割プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品リスト分割装置、物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に記載されるような装置が知られている。この装置は、対象となる積荷の容積などのデータに基づいて、積荷とコンテナの組み合わせを選んでいる。この装置は、コンテナの総容量が積荷の総容積以上となるようなコンテナの組み合わせを全て選んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、物流の現場では、選定した複数の箱に対して、物品リストの中の複数の物品を仕分けて梱包する。しかし、各物品の形状、重量などの特徴を考慮して、適切な箱に仕分けることは、熟練を要する作業であり、物品リストに対して適切に物品の仕分けを行うことができる分割リストを作成し、分割リストを作業者に提示する等の支援が求められる。その一方、複数の物品を分割した場合、部品同士の関係性に注目すると、必ずしも適切な組み合わせではない部品同士が同じ箱に入ることがある。従って、適切な箱を選定できるように、部品同士の関係性を考慮して物品を分割することが求められていた。
【0005】
本発明の目的は、適切な箱を選定できるように、物品同士の関係性を考慮して物品を分割する物品リスト分割装置、物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る物品リスト分割装置は、予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割装置であって、物品リスト分割装置の制御部は、学習情報を記憶する記憶部と、物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付部と、入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算部と、ニューラルネットワーク演算部の出力層から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成部と、を有し、分割リスト生成部は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。
【0007】
物品リスト分割装置において、ニューラルネットワーク演算部は、入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行う。そして、分割リスト生成部は、ニューラルネットワーク演算部の出力層から出力された評価値に基づいて分割リストを生成することができる。ここで、学習情報は、梱包実績に基づいて予め学習されたものである。すなわち、ニューラルネットワーク演算部は、例えば物品の形状、重量などの複雑な条件を考慮することを省略し、過去の梱包実績に基づく学習を行うだけで、物品に関する評価値を出力することができる。そのため、物品リスト分割装置は、計算コストを低減した状態で、容易に分割リストを生成することができる。さらに、分割リスト生成部は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。この場合、分割リスト生成部は、物品同士の関係性を考慮して、物品同士が同じ箱に入るか、違う箱に入るかを考慮した上で、物品の分割リストを生成できる。以上より、適切な箱を選定できるように、物品同士の関係性を考慮して物品を分割することができる。
【0008】
ニューラルネットワーク演算には、自己注意構造が含まれ、学習時において、入力層へ入力される入力情報は、物品ごとに分割され、物品同士が同じ箱に入る可能性、及び違う箱に入る可能性に関する関係性を対応させてよい。この場合、物品同士の関係性を学習することができるため、分割リストの一致率を向上することができる。
【0009】
分割リスト生成部は、第1の物品、第2の物品、第3の物品同士の関係性の組み合わせで、第1の物品と第2の物品とが同じ箱に入るパターンと、違う箱に入るパターンが存在する場合、確率が高い方のパターンを優先してよい。三つ以上の物品の組み合わせにおいて、複数のパターンが成り立つ場合、確率に基づいたパターンを採用することができる。
【0010】
本発明の一態様に係る物品リスト分割方法は、予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割方法であって、学習情報を記憶する記憶ステップと、物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、を有し、分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。
【0011】
本発明の一態様に係る物品リスト分割プログラムは、予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割プログラムであって、学習情報を記憶する記憶ステップと、物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、入力情報を入力層に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、をコンピュータシステムに実行させ、分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。
【0012】
これらの物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムによれば、上述の物品リスト分割装置と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、適切な箱を選定できるように、物品同士の関係性を考慮して物品を分割する物品リスト分割装置、物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る物品リスト分割装置を示す概略構成図である。
【
図2】作業現場での作業イメージを示す模式図である。
【
図3】物品リスト分割装置がニューラルネットワークを用いて分割リストの生成を行う場合の処理イメージを示す模式図である。
【
図4】物品リスト分割装置のニューラルネットワーク演算部が過去の梱包実績を教師データとして学習を行う場合の処理イメージを示す模式図である。
【
図5】物品リスト分割装置の処理内容の具体例を示す模式図である。
【
図6】入力情報受付部が、部品リストを変換する際の処理内容を示す図である。
【
図7】中間層における前処理の内容を示す模式図である。
【
図8】Self Attention構造のイメージ図である。
【
図9】各物品の組み合わせについて、同じ箱に入る確率、または違う箱に入る確率を示す表である。
【
図10】分割リスト生成部の処理内容を示す図である。
【
図12】物品リスト分割装置の制御部による制御処理の内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る物品リスト分割装置100を示す概略構成図である。物品リスト分割装置100は、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する装置である。なお、本実施形態では、梱包対象となる物品として部品を例示しており、箱として輸送箱を例示している。ただし、物品及び箱の種類は特に限定されるものではない。
【0017】
具体的には、
図2に示すように、倉庫などの物流現場において、複数の部品が、パレットPTなどに収集された状態で、輸送箱への仕分け梱包を行う作業現場へ搬送される。その一方、収集された部品の部品リストPLに基づいて、分割リストBL1,BL2を生成する。多数の種類の輸送箱の中から、適切な複数の輸送箱BX1,BX2が複数選定される。作業現場では、作業者は、収集された複数の部品を、分割リストBL1,BL2に基づいて、輸送箱BX1,BX2に梱包する。従って、作業者は、分割リストに基づいて、複数の物品を適切に分割することができる。なお、部品リストに対してどのような箱が選定されるかは、別の方法によって自動的に決定がなされる。また、輸送箱に部品をどのような位置、順序で梱包するかについては、他の方法によって自動的に決定がなされる。
【0018】
図1に示すように、物品リスト分割装置100は、情報入力部2と、情報出力部3と、制御部10と、を備える。物品リスト分割装置100は、予め学習された学習情報に基づき、部品リストを分割して、分割リストを生成する装置である。なお、物品リスト分割装置100の各構成要素を説明するために、
図3及び
図4を参照する場合がある。
図3は、物品リスト分割装置100がニューラルネットワークを用いて物品リストを分割する場合の処理イメージを示す模式図である。
図4は、物品リスト分割装置100のニューラルネットワーク演算部12が過去の梱包実績を教師データとして学習を行う場合の処理イメージを示す模式図である。
【0019】
情報入力部2は、各種情報を入力するインターフェースである。例えば、情報入力部2は、キーボード、マウス、タッチパネルなどによって構成される。あるいは、情報入力部2は、記憶媒体や通信を介して情報を入力されてもよい。情報出力部3は、各種情報を出力するインターフェースである。例えば、情報出力部3は、モニタ、スピーカーなどによって情報を出力してよい。あるいは、情報出力部3は、記憶媒体や通信を介して情報を出力してもよい。
【0020】
制御部10は、CPU、RAM、ROM等により構成されている。制御部10は、入力情報受付部11と、ニューラルネットワーク演算部12と、分割リスト生成部13と、記憶部14と、を有している。制御部10は、プログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサはCPU、並びにRAM及びROM等のメモリを有する。メモリには、情報の処理を行うための種々のプログラムが記憶され、CPUは各種プログラムの読み出し、による演算を行う。
【0021】
入力情報受付部11は、部品リストに関する入力情報を作成する。入力情報受付部11は、情報入力部2にて入力された情報を取得し、当該情報を用いて入力情報を作成する。入力情報受付部11は、部品リストの複数の部品にそれぞれ紐付けられた識別情報、及び部品の個数などに関する情報を取得する。入力情報は、部品に関する情報を、ニューラルネットワーク演算を行い易い態様に調整された情報である。
図3に示すように、入力情報受付部11は、梱包作業の前段階において、梱包する部品の部品リスト、すなわち、どの部品が何個、梱包対象となっているかを示すリストを取得する。また、
図4に示すように、入力情報受付部11は、学習時において、実際に梱包された部品の部品リスト、及び当該部品リストの各部品が同じ箱に入るか、違う箱に入るかの関係性に関する情報を取得する。
【0022】
ニューラルネットワーク演算部12は、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行う。ニューラルネットワーク演算部12は、過去の梱包実績に基づく教師データを用いて学習を行うことで学習情報を取得する(
図4参照)。また、ニューラルネットワーク演算部12は、当該学習情報を用いて実際の作業現場において、一つの物品に対し、候補となる複数の輸送箱のそれぞれに梱包した場合の評価値を演算する。
【0023】
ニューラルネットワーク演算部12は、学習部16を有する。学習部16は、機械学習のモデルを学習情報として生成する。学習段階(
図4参照)において、学習部16は、最も予測精度が高いと推定される最良のニューラルネットワークをモデルとして生成する。学習部16は、教師データ(過去の梱包実績のサンプル)を記憶部14などから読み出し、学習をさせるニューラルネットワークに個々のサンプルを逐次入力しながら機械学習を実行する。なお、このようなニューラルネットワークは、例えば、ニューロンのモデルを模した演算部や記憶部等によって構成できる。例えば、学習部16は、多層ニューラルネットワークを用いる深層学習を実行することでモデルを生成してもよい。機械学習の種類は深層学習に限定されず、学習部16は他の手法を用いてモデルを生成してもよい。なお、ニューラルネットワーク演算部12の具体的な構成、及び処理内容については後述する。
【0024】
分割リスト生成部13は、ニューラルネットワーク演算部12の出力層から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する。分割リスト生成部13は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。ある物品同士が同じ箱に入る確率と、入らない確率が、評価値として出力される。よって、分割リスト生成部13は、これらの確率に基づいて、分割リストを生成する。なお、分割リスト生成部13の具体的な処理内容については、後述する。
【0025】
記憶部14は、物品リスト分割装置100における各種情報を記憶する部分である。記憶部14は、少なくとも学習情報(ニューラルネットワークのモデル)を記憶している。また、記憶部14は、後述の物品リスト分割方法を実行する物品リスト分割プログラムP1を記憶している。
【0026】
次に、
図3及び
図4を参照して、ニューラルネットワーク演算部12の処理の具体例について説明する。まず、
図4を参照して、物品リスト分割装置100のニューラルネットワーク演算部12が過去の梱包実績を教師データとして学習を行う場合について説明する。ここでは、梱包実績として、「部品Aが8個」「部品Bが1個」「部品Cが1個」「部品Dが2個」「部品Eが3個」という部品リストPLの場合に、「部品Dが2個」という分割リストBL1と、「部品Aが8個」「部品Bが1個」「部品Cが1個」「部品Eが3個」という分割リストBL2に分割されたというデータが用いられる。
【0027】
図4に示すように、ニューラルネットワーク演算部12は、梱包実績のデータから、梱包した部品リストPLを抽出し、当該部品リストPLにおける各物品同士が、同じ箱に入るか、違う箱にはいるかの関係性を示す情報を抽出する。ニューラルネットワーク演算部12の学習部16(
図1参照)は、当該部品リストPLをニューラルネットワークのモデルMに入力したときに、どの部品同士が同じ箱に入り、どの部品同士が同じ箱に入らないかの確率が出力されるように、モデルMを適宜更新する。ニューラルネットワーク演算部12は、複数種類の部品リストと、当該部品リストに対する分割リストに関する多数の梱包実績に基づく教師データを用いて学習を行う。なお、ニューラルネットワーク演算部12は、どの部品同士が同じ箱に入り、どの部品同士が同じ箱に入らないかの予測値として、
図9に示すような確率を繰り返しの学習によって準備する。具体的な学習方法については、後述する。
【0028】
次に、
図3を参照して、物品リスト分割装置100が部品リストを分割して分割リストを生成する場合について説明する。まず、物品リスト分割装置100は、梱包の対象となる部品の情報を含む前述の部品リストPLを取得する。ニューラルネットワーク演算部12は、
図4に示す学習によって更新したニューラルネットワークのモデルMを用いて部品リストPL中の各部品に関する評価値を算出する。ニューラルネットワーク演算部12は、学習の結果、「2個の部品D」が同じ箱に入るような評価値を出力し、「8個の部品A」「1個の部品B」「1個の部品C」「3個の部品E」が同じ箱に入るような評価値を出力する。従って、「2個の部品D」が分割リストBL1に対応する輸送箱BX1へ振り分けられ、「8個の部品A」「1個の部品B」「1個の部品C」「3個の部品E」が分割リストBL2に対応する輸送箱BX2へ振り分けられる。物品リスト分割装置100は、分割リストBL1、及び分割リストBL2を生成した旨を出力する。
【0029】
次に、
図5を参照して、ニューラルネットワーク演算部12の詳細な構成、及びその処理内容について説明する。
図5は、物品リスト分割装置100の処理内容の具体例を示す模式図である。まず、入力情報受付部11が入力情報を作成する際の処理について説明する。本実施形態では、入力情報は、入力された物品リストをニューラルネットワーク演算部12へ入力できる形式へ変換する。
【0030】
具体的に、
図6に示すように、入力情報受付部11は、部品の種類に対する個数が記載された形式の部品リストを取得する。この部品リストは、一種類の部品に対して一行が割り振られている。入力情報受付部11は、各部品を個数分の行に展開する。従って、「部品a」が三個存在しているものに対して、「部品a」が三行割り振られる。更に、入力情報受付部11は、各行に格納されている部品名(例えば品番など)を、部品を識別するIDに変換する。ここでは、「部品a」は「部品ID:1」に変換され、「部品b」は「部品ID:2」に変換され、「部品c」は「部品ID:3」に変換される。
【0031】
図5に戻り、入力情報受付部11は、部品リストの部品の情報を変換して、部品を識別するIDを格納したテーブルで示される入力情報を作成したら、各行に格納されたIDの情報をニューラルネットワーク演算部12へ入力する。
【0032】
ニューラルネットワーク演算部12は、ニューラルネットワークのモデルとして、入力層21と、中間層22と、出力層23と、を有する。入力層21は、ニューラルネットワーク演算を行うためのパラメータを入力するための層である。中間層22は、入力されたパラメータに対して所定の演算を行う層である。出力層23は、評価値を出力する層である。各層21~23は、入力されるパラメータの数に応じたノードを有している。例えば、入力層21は、m個のパラメータを成分とする入力ベクトルx=(x
1,x
2,…x
m)をそのまま中間層22に出力する。中間層22は各層の重みと活性化関数により総入力を出力に変換してその出力を出力層23に渡す。出力層23も各層の重みと活性化関数により総入力を出力に変換する。この出力は、n個のパラメータを成分とするニューラルネットワークの出力ベクトルy=(y
1,y
2,…,y
n)である。この出力ベクトルyは評価値を示す。なお、学習時においては(
図4参照)一つの入力ベクトルxに対する出力ベクトルの正解をd=(d
1,d
2,…,d
n)とすると、その出力ベクトルyが正解dに近くなるように各層の重みwが更新される。これが学習という情報処理である。
【0033】
中間層22の処理について、
図7~
図9を参照して説明する。中間層22は、演算のための前処理を行う前処理層(embedding層)を有する。前処理層は、各部品IDを各部の特徴ベクトルに変換する。この特徴ベクトル自体は、部品ごとの特徴ベクトルを別の処理で取得できている場合、それを使用してもよいし、特徴ベクトルを学習により取得してもよい。例えば、
図7に示すように、「N次元の特徴ベクトル」を「部品ID=1~6」について予め準備しておく。なお、特徴ベクトルの次元数は特に限定されないが、次元数が高いほど、それぞれの部品をより詳細に区別することができる。入力された部品IDが「部品ID=1,1,4,5,6」であった場合、中間層22の前処理層は、当該部品IDを特徴ベクトルCV1に変換する。また、前処理層は、各部品に対して順番情報付与(Positional Encoding)を行う。これは、各部品同士の関係性を学習する際に、同じ部品であっても、違うものとして表現する必要がある。よって、前処理層は、特徴ベクトルに順番情報を付与することで、同じ種類の部品が複数存在している場合でも、違うものとして取り扱うことができる。
図7に示すように、「順番情報」を予め準備しておく。前処理層は、「部品ID=1,1,4,5,6」の特徴ベクトルCV1に対して、順番情報を付与することで、順番付きの特徴ベクトルCV2を取得する。なお、特徴ベクトル順番付与情報として、例えば、中間層に入力された各部品IDの順番で付される番号が挙げられる。特徴ベクトル順番付与情報の付け方は、同じ部品であっても、違うものとして表現することができれば、特に限定されない。
【0034】
中間層22は、演算を行うための演算層を有する。ここで、ニューラルネットワーク演算には、「Transformer」と称される、自己注意(Self Attention)構造が含まれる。Self Attention構造は、各入力部品同士の関係を全て計算し、影響度が高いデータ等を学習できる構造である。
図8は、Self Attention構造のイメージ図である。横方向に部品IDが並べられ、縦方向に同じ部品IDが並べられる。各部品IDが交差する部分には、組み合わせの影響度の大きさが示されている。影響度が大きい程、円が大きくなる。なお、「Attention」は、各部品同士の関係性を表示した構造を示す。「Self」は、自分自身同士(同じ部品同士)であることを意味する。
【0035】
中間層22は、Attention構造をした、各部品が同じ箱に入ったか、違う箱に入ったかについて、それぞれの確率を取得する。中間層22の演算層は、「部品ID=1,1,4,5,6」という組み合わせについての関係性を、予め学習しておいた学習結果から取得する。具体的に、中間層22は、
図9に示すような表を取得する。
図9に示す表は、横方向に部品IDが並べられ、縦方向に同じ部品IDが並べられる。各部品IDが交差する欄には、当該組み合わせが同じ箱に入る確率、または違う箱に入る確率が記入されている。表のうち、第1の領域E1は、部品同士が同じ箱に入る確率を示す。第2の領域E2は、部品同士が違う箱に入る確率を示す。例えば、値VL1a及び値VL1bは、いずれも「部品ID=4」の部品と「二つ目の部品ID=1」の部品との組み合わせである。値VL1aは、「部品ID=4」の部品と「二つ目の部品ID=1」の部品が同じ箱に入る確率を示す。値VL1bは、「部品ID=4」の部品と「二つ目の部品ID=1」の部品が違う箱に入る確率を示す。ここでは、値VL1aの方が確率が大きい。
【0036】
出力層23は、中間層22によって取得された、各部品同士が同じ箱に入る確率、及び違う箱に入る確率を、評価値として、分割リスト生成部13へ出力する。
【0037】
分割リスト生成部13は、複数の部品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。分割リスト生成部13は、「部品ID=1,1,4,5,6」同士が、同じ箱に入るか、違う箱に入るかについて、
図9に示される確率を評価値として取得する。分割リスト生成部13は、取得した表の確率に基づいて、各部品同士が同じ箱に入るか、違う箱に入るかを認定すると共に、部品リスト中の部品を分割する。例えば、例えば、「部品ID=4」の部品と「二つ目の部品ID=1」の部品との組み合わせについては、値VL1aの方が確率が大きいため、「部品ID=4」の部品と「二つ目の部品ID=1」の部品は同じ箱に入るように、分割する。
図10(a)に示すように、分割リスト生成部13は、各部品について同じ箱に入るか、違う箱に入るかの関係性を把握する。
図10(a)では、「部品ID=1,1,4,5」に該当する部品50A~50Dが、同じ箱に入る関係にある。「部品ID=6」の部品50Eは、他の部品と違う箱に入る関係にある。よって、分割リスト生成部13は、
図10(b)に示すように、部品50A~50Dの分割リストBL1と、部品50Eの分割リストBL2と、を作成する。
【0038】
ここで、上述では、二つの部品間の関係に基づいて、分割が行われていた。ここで、三つ以上の部品の関係を考慮した場合、二つの部品間の関係と矛盾する場合がある。これに対し、分割リスト生成部13は、第1の部品、第2の部品、第3の部品同士の関係性の組み合わせで、第1の部品と第2の部品とが同じ箱に入るパターンと、違う箱に入るパターンが存在する場合、確率が高い方のパターンを優先する。例えば、
図10(a)に示す関係において、部品50A,50B,50Eについて考える。
図10(a)では、部品50Bと部品50Eについてとの関係PB1は、違う箱に入るという関係が示されているが、同じ箱に入るという関係であると仮定する。この場合、部品50Aと部品50Bが同じ箱に入るという関係にあり、部品50Bと部品50Eが同じ箱に入るという関係にある。よって、部品50A,50B,50Cが同じ箱に入るというパターンが成り立つ。しかし、部品50Aと部品50Eの関係PB2は、違う箱に入るというパターンが成り立つ。この場合、分割リスト生成部13は、関係PB1の確率と、関係PB2の確率を比較し、確率が高い方のパターンを優先する。例えば、関係PB1が「29%」で、関係PB2が「20%」である場合、部品50A,50B,50Cが同じ箱に入るというパターンが優先される。
【0039】
次に、ニューラルネットワーク演算部12が、予めの学習によって、
図9に示すような確率を準備する方法について、
図11を参照して説明する。説明のため、
図11(a)の表の各欄に「1A」~「10A」、及び「1B」~「10B」という符号を付した。「iA」の欄と「iB」の欄とは、部品の組み合わせが同じである(i=1~10)。このときの部品の組み合わせを「組み合わせi」と称する。「iA」の欄は、組み合わせiの部品同士が、同じ箱に入る確率を示す欄である。「iB」の欄は、組み合わせiの部品同士が、違う箱に入る確率を示す欄である。
図11(b)に示すような、「LOSS」を求める数式FMを設定する。式中の「組み合わせ1が同じ箱の確率」とは、「1A」の欄に示された確率(0.9)であり、「組み合わせ1が違う箱の確率」とは、「1B」の欄に示された確率(0.5)である。すなわち、式中の「組み合わせiが同じ箱の確率」とは、「iA」の欄に示された確率であり、「組み合わせiが違う箱の確率」とは、「iB」の欄に示された確率である。「部品ID=1,1,4,5,6」について、ある梱包実績に関する数式(FM)の演算を行う場合、組み合わせiの部品同士が同じ箱に入る場合は「S
i,1=1」「S
i,2=0」が代入され、組み合わせiの部品同士が違う箱に入る場合は「S
i,1=0」「S
i,2=1」が代入される。
【0040】
次に、上述の「LOSS」の数式(FM)を用いて、ニューラルネットワーク演算部12が学習を行うときの手順について説明する。まず、学習の初期段階では、ニューラルネットワーク演算部12は、各欄「1A」~「10B」に対して、暫定的に設定した初期値の確率を設定する。ニューラルネットワーク演算部12は、「部品ID=1,1,4,5,6」の一つ目の梱包実績を用いて、数式(FM)を用いて、「LOSS」を計算する。ここで、ニューラルネットワーク演算部12は、組み合わせiの部品同士が同じ箱に入るという梱包実績であった場合、当該組み合わせiについての同じ箱の確率が上がり、違う箱の確率が下がるように調整する。ニューラルネットワーク演算部12は、組み合わせiの部品同士が違う箱に入るという梱包実績であった場合、当該組み合わせiについての同じ箱の確率が下がり、違う箱の確率が上がるように調整する。ニューラルネットワーク演算部12は、大量の梱包実績を用いて上記の演算を繰り返す。ニューラルネットワーク演算部12は、LOSSがある値に収束すると、得られた表を
図5で説明した処理に用いるための表として保存する。
【0041】
次に、
図12を参照して、物品リスト分割方法について説明する。
図12は、物品リスト分割装置100の制御部10による制御処理の内容を示すフローチャートである。物品リスト分割方法は、予め学習された学習情報に基づき、部品リストを分割して分割リストを生成する方法である。なお、各ステップにおける詳細な処理内容は、物品リスト分割装置100の各構成要素の説明においてなされたものと同様であるため、説明を省略する。
【0042】
図12に示すように、記憶部14に学習情報を記憶させる記憶ステップS10が実行される。なお、記憶ステップS10は、
図12の処理が実行される前段階において予め実行されてよい。ここでは、
図4で説明したように、学習情報として、ニューラルネットワークのモデルが生成、または更新される。
【0043】
次に、入力情報受付部11は、部品リストに関する情報を取得すると共に、取得した情報に基づいて入力情報を作成する入力情報受付ステップS20を実行する。次に、ニューラルネットワーク演算部12は、入力情報受付ステップS20で作成された入力情報を入力層21に入力し、記憶部14に記憶された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、部品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップS30を実行する。次に、分割リスト生成部13は、ニューラルネットワーク演算ステップS30において出力層23から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成ステップS40を実行する。分割リスト生成ステップS40では、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。以上により、
図12に示す制御処理が終了する。なお、別の部品リストに対する分割リストの生成を行うときは、入力情報受付ステップS20から再び処理を繰り返してよい。
【0044】
次に、本実施形態に係る物品リスト分割装置100の作用・効果について説明する。
【0045】
物品リスト分割装置100において、ニューラルネットワーク演算部12は、入力情報を入力層21に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行う。そして、分割リスト生成部13は、ニューラルネットワーク演算部12の出力層23から出力された評価値に基づいて分割リストを生成することができる。ここで、学習情報は、梱包実績に基づいて予め学習されたものである。すなわち、ニューラルネットワーク演算部12は、例えば物品の形状、重量などの複雑な条件を考慮することを省略し、過去の梱包実績に基づく学習を行うだけで、物品に関する評価値を出力することができる。そのため、物品リスト分割装置100は、計算コストを低減した状態で、容易に分割リストを生成することができる。さらに、分割リスト生成部13は、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。この場合、分割リスト生成部13は、物品同士の関係性を考慮して、物品同士が同じ箱に入るか、違う箱に入るかを考慮した上で、物品の分割リストを生成できる。以上より、適切な箱を選定できるように、物品同士の関係性を考慮して物品を分割することができる。
【0046】
ニューラルネットワーク演算には、自己注意構造が含まれ、学習時において、入力層21へ入力される入力情報は、物品ごとに分割され、物品同士が同じ箱に入る可能性、及び違う箱に入る可能性に関する関係性を対応させてよい。この場合、物品同士の関係性を学習することができるため、分割リストの一致率を向上することができる。
【0047】
分割リスト生成部13は、第1の物品、第2の物品、第3の物品同士の関係性の組み合わせで、第1の物品と第2の物品とが同じ箱に入るパターンと、違う箱に入るパターンが存在する場合、確率が高い方のパターンを優先してよい。三つ以上の物品の組み合わせにおいて、複数のパターンが成り立つ場合、確率に基づいたパターンを採用することができる。
【0048】
本実施形態に係る物品リスト分割方法は、予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割方法であって、学習情報を記憶する記憶ステップと、物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、入力情報を入力層21に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層23から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、を有し、分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。
【0049】
本実施形態に係る物品リスト分割プログラムは、予め学習された学習情報に基づき、複数の箱への梱包対象となる物品の情報を含む物品リストを分割し、一つあたりの箱に対する物品の情報を含む分割リストを生成する物品リスト分割プログラムであって、学習情報を記憶する記憶ステップと、物品リストに関する入力情報を作成する入力情報受付ステップと、入力情報を入力層21に入力し、梱包実績に基づいて予め学習された学習情報に基づくニューラルネットワーク演算によって、物品に関する評価値の算出を行うニューラルネットワーク演算ステップと、ニューラルネットワーク演算ステップにおいて出力層23から出力された評価値に基づいて分割リストを生成する分割リスト生成ステップと、をコンピュータシステムに実行させ、分割リスト生成ステップでは、複数の物品同士で、同じ箱に入る確率と、違う箱に入る確率との出力に基づいた分割リストを作成する。
【0050】
これらの物品リスト分割方法、及び物品リスト分割プログラムによれば、上述の物品リスト分割装置と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【0051】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0052】
例えば、候補となる箱の数や物品の種類の数は上述の実施形態に示したものに限定されない。
【符号の説明】
【0053】
10…制御部、11…入力情報受付部、12…ニューラルネットワーク演算部、13…分割リスト生成部、14…記憶部、100…物品リスト分割装置。