(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007681
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】送信装置及び受信装置
(51)【国際特許分類】
H04J 3/00 20060101AFI20250109BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H04J3/00 R
H04L27/26 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109241
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】中川 孝之
(72)【発明者】
【氏名】島▲崎▼ 智拓
(72)【発明者】
【氏名】永田 裕靖
(72)【発明者】
【氏名】梅内 哲也
【テーマコード(参考)】
5K028
【Fターム(参考)】
5K028BB04
5K028EE02
5K028EE03
5K028KK11
5K028KK32
5K028QQ01
5K028SS24
(57)【要約】
【課題】 本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることを可能とする送信装置及び受信装置を提供する。
【解決手段】 送信装置は、第1送信処理部と、第2送信処理部と、前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力とを切り替える送信切替部と、を備え、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部を備え、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、
第1送信処理部と、
第2送信処理部と、
前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力とを切り替える送信切替部と、を備え、
前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部を備え、
前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、
前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、
前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、送信装置。
【請求項2】
前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、
前記基準タイミングにおいて、前記1以上の放送信号を蓄積するバッファを第1バッファと第2バッファとの間で切り替える第1バッファ切替部と、
前記基準タイミングによって定義される切替タイミングにおいて、前記多重伝送フレームの生成に用いる放送信号を出力するバッファを前記第1バッファと前記第2バッファとの間で切り替える第2バッファ切替部と、を備える、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第2バッファ切替部は、前記切替タイミングが到来した場合であっても、前記第2バッファ切替部によって接続された前記バッファに蓄積された放送信号がなくなるまで、前記バッファの切り替えを保留する、請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を送信する送信部を備える、請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記多重伝送フレームが2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームである場合に、前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成し、
前記特定伝送フレームに含まれる前記所定単位の数は、前記2以上の放送信号の多重周期で割り切れる、請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信装置から受信する受信装置であって、
前記送信装置の第1送信処理部又は前記送信装置の第2送信処理部によって生成される前記多重伝送フレームを受信する受信部と、
前記多重伝送フレームに関する伝搬路推定を含む復調処理を実行する制御部と、を備え、
前記受信部は、前記第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を受信し、
前記制御部は、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行し、
前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、
前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、
前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、受信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1装置(例えば、放送局の演奏所又は送信所)から第2装置(例えば、送信所)に対して、主信号及びSC(Service Channel)信号が多重された伝送フレームに関する伝送方式が規定されている。主信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する第1放送信号(例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含む。このような伝送方式において、第1装置と第2装置との間のリンクは、STL(Studio to Transmitter Link)又はTTL(Transmitter to Transmitter Link)と称される(例えば、非特許文献1)。
【0003】
現行のSTL/TTLでは、装置の故障に伴う回線断を抑制するために、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えて送信する冗長構成が採用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「地上デジタル放送用デジタルSTL/TTL伝送方式」 標準規格 ARIB STD-B22 2.1版
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現行のSTL/TTLでは、放送信号である放送TSのパケット長、レートが一定であり、これに同期したシングルキャリア方式であったため、シームレス切替のために本線系と予備系とで同一の送信信号を生成することが比較的容易であった。
【0007】
一方で、STL/TTLの高度化(高度化STL/TTL)によって、地上放送高度化方式に関するIP信号形式の放送信号を伝送することが検討されている。高度化STL/TTLでは、放送信号であるIP信号のパケット長、レートが一定とは限らず、送信信号を蓄積してブロック的に処理を行うOFDM方式が想定されているため、シームレス切替のために本線系と予備系で同一の送信信号を生成することが容易ではない。
【0008】
このような背景下において、発明者等は、鋭意検討の結果、高度化STL/TTLにおいても本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替える必要性を見出した。
【0009】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることを可能とする送信装置及び受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示の一態様は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、第1送信処理部と、第2送信処理部と、前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力とを切り替える送信切替部と、を備え、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部を備え、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、送信装置である。
【0011】
開示の一態様は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信装置から受信する受信装置であって、前記送信装置の第1送信処理部又は前記送信装置の第2送信処理部によって生成される前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記多重伝送フレームに関する伝搬路推定を含む復調処理を実行する制御部と、を備え、前記受信部は、前記第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を受信し、前記制御部は、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行し、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、受信装置である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることを可能とする送信装置及び受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る送信装置100を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る受信装置200を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るFECブロックを示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るFECブロックのパラメータを示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る多重部150を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係るバッファへの格納について説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るバッファへの格納について説明するための図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る分離部250を示す図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る制御情報の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、変更例1に係る多重部150を示す図である。
【
図14】
図14は、変更例1に係る分離部250を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0015】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0016】
[開示の概要]
開示の概要に係る送信装置は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、第1送信処理部と、第2送信処理部と、前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力とを切り替える送信切替部と、を備え、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部を備え、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。
【0017】
開示の概要では、送信装置は、第1送信処理部(例えば、本線系)及び第2送信処理部(例えば、予備系)に共通する基準タイミングで同期するように多重伝送フレームを生成する。
【0018】
上述した構成において、基準タイミングは、1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、特定伝送フレームは、1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。このような構成によれば、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることができる。
【0019】
開示の概要に係る受信装置は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信装置から受信する受信装置であって、前記送信装置の第1送信処理部又は前記送信装置の第2送信処理部によって生成される前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記多重伝送フレームに関する伝搬路推定を含む復調処理を実行する制御部と、を備え、前記受信部は、前記第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を受信し、前記制御部は、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行し、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。
【0020】
開示の概要では、受信装置は、制御情報で通知された切替タイミング(すなわち、第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替わるタイミング)の前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行する。このような構成によれば、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えた場合であっても、伝搬路推定を適切に実行することができる。
【0021】
特に限定されるものではないが、多重伝送フレームは、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームであってもよい。このようなケースにおいて、第1送信処理部及び第2送信処理部の各々の制御部は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成してもよい。このようなケースにおいて、「特定伝送フレームは、1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される」は、2以上の放送信号の多重が想定される場合において、「特定伝送フレームに含まれる所定単位の数は、2以上の放送信号の多重周期で割り切れる」と読み替えてもよい。
【0022】
特に限定されるものではないが、所定単位は、誤り訂正ブロックで構成される単位であってもよく、バイトによって構成される単位であってもよい。
【0023】
[実施形態]
(デジタル無線伝送システム)
以下において、実施形態に係るデジタル無線伝送システムについて説明する。
図1は、実施形態に係るデジタル無線伝送システム10を示す図である。
図1に示すように、デジタル無線伝送システム10は、送信装置100及び受信装置200を備える。
【0024】
実施形態において、互いに異なるレートを有する2以上の放送信号が送信装置100から送信されるケースにおいて、送信装置100から受信装置200に対して、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを伝送するシステムに関する。送信装置100は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレームの形態で2以上の放送信号を多重して送信してもよい。
【0025】
送信装置100の設置場所は、放送局の演奏所であってもよく、送信所であってもよい。受信装置200の設置場所は、送信所であってもよい。送信装置100と受信装置200との間のリンクは、STL(Studio to Transmitter Link)と称されてもよく、TTL(Transmitter to Transmitter Link)と称されてもよい。以下において、送信装置100と受信装置200との間のリンクについてSTL/TTLと称してもよい。
【0026】
実施形態では、2以上の放送信号が第1放送信号及び第2放送信号を含むケースについて説明する。第2放送信号に関する第2方式のレートは、第1放送信号に関する第1方式のレートよりも大きくてもよい。放送信号は、プログラム伝送信号と称されてもよい。
【0027】
第1放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送及びV-Low地上マルチメディア放送に関する放送信号、例えば、TS(Transport Stream)信号、TMCC(Transmission and Multiplexing. Configuration Control)信号などを含んでもよい。第1放送信号は、制御信号や連絡信号などの補助信号であるSC(Service Channel)信号を含んでもよい。第1方式は、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)方式と称されてもよい。
【0028】
第2放送信号は、地上放送高度化方式に関する第2放送信号を含んでもよい。地上放送高度化方式は、第2方式の一例であってもよい。第2放送信号は、SC(Service Channel)信号を含んでもよい。
【0029】
特に限定されるものではないが、第1放送信号は、TSパケットの形式で表され、TSパケットのレートは、31Mbpsであってもよい。第2放送信号は、IPパケットの形式で表され、IPパケットのレートは、50Mbpsであってもよい。IPパケットは、プログラム伝送信号パケットと読み替えられてもよい。
【0030】
(送信装置)
以下において、実施形態に係る送信装置について説明する。
図2は、実施形態に係る送信装置100を示すブロック図である。
【0031】
図2に示すように、送信装置100は、本線系送信処理部131と、予備系送信処理部133と、監視制御部135と、RF切替スイッチ137と、送信フィルタ139と、を有する。
【0032】
本線系送信処理部131は、本線系の多重伝送フレーム(送信信号)を構成する。実施形態では、本線系送信処理部131は、第1送信処理部を構成してもよい。本線系送信処理部131の詳細については後述する(
図3を参照)。
【0033】
予備系送信処理部133は、予備系の多重伝送フレーム(送信信号)を構成する。実施形態では、予備系送信処理部133は、第2送信処理部を構成してもよい。予備系送信処理部133の詳細については後述する(
図3を参照)。
【0034】
監視制御部135は、本線系送信処理部131を監視し、本線系の伝送フレーム(送信信号)の不具合を検出する。監視制御部135は、本線系送信処理部131の故障を検出してもよい。監視制御部135は、本線系の伝送フレーム(送信信号)の不具合を検出した場合に、RF切替スイッチ137の出力選択を本線系送信処理部131から予備系送信処理部133に切り替えるためのRF切替通知をRF切替スイッチ137に出力する。
【0035】
特に限定されるものではないが、監視制御部135は、本線系送信処理部131を監視し、本線系の伝送フレーム(送信信号)の復旧を検出してもよい。監視制御部135は、本線系の伝送フレーム(送信信号)の復旧を検出した場合に、RF切替スイッチ137の出力選択を予備系送信処理部133から本線系送信処理部131に切り替えるためのRF切替通知をRF切替スイッチ137に出力してもよい。また、保守等でRF切替スイッチ137が選択する系統を手動で切り替えるためのRF切替通知をRF切替スイッチ137に出力してもよい。
【0036】
RF切替スイッチ137は、監視制御部135から入力されるRF切替通知に基づいて、本線系送信処理部131の出力を予備系送信処理部133の出力に切り替える。RF切替スイッチ137は、多重伝送フレームの特定シンボルのガードインターバル内で、本線系送信処理部131の出力を予備系送信処理部133の出力に切り替える。
【0037】
特に限定されるものではないが、RF切替スイッチ137は、監視制御部135から入力されるRF切替通知に基づいて、予備系送信処理部133の出力を本線系送信処理部131の出力に切り替えてもよい。RF切替スイッチ137は、多重伝送フレームの特定シンボルのガードインターバル内で、予備系送信処理部133の出力を本線系送信処理部131の出力に切り替えてもよい。
【0038】
実施形態では、RF切替スイッチ137は、第1送信処理部(本線系送信処理部131)の出力と第2送信処理部(予備系送信処理部133)の出力とを切り替える送信切替部を構成する。
【0039】
送信フィルタ139は、RF切替スイッチ137の出力(RF信号)の帯域を制限する。帯域が制限されたRF信号は、アンテナを介して送信される。
【0040】
(送信処理部)
以下において、実施形態に係る送信処理部について説明する。
図3は、実施形態に係る本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133を示すブロック図である。本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133は同様の構成を有していてもよい。以下においては、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133を単に送信処理部と称する。
【0041】
図3に示すように、送信処理部は、ブロック構成部101と、エネルギー拡散部102と、外符号処理部103と、外インタリーバ105と、内符号処理部107と、内インタリーバ109と、マッピング部110と、フレーム構成部111と、変調部113と、送信部115と、を有する。
【0042】
ブロック構成部101は、誤り訂正ブロックを構成する。誤り訂正ブロックは、FEC(Forward Error Correction)が適用されるブロックであり、FECブロックと称されてもよい。FECブロックは、固定長を有していてもよい。
【0043】
エネルギー拡散部102は、所定次元の生成多項式を用いて生成されたPN系列を用いて、ブロック構成部101から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)をランダム化する。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0044】
外符号処理部103は、外符号によって誤り訂正符号化を実行する。外符号としては、BCH符号が用いられてもよい。以下においては、外符号がBCH符号であるケースを例示する。エネルギー拡散部102と外符号処理部103の処理順は逆であってもよい。その場合、エネルギー拡散がランダム化するビット系列にはブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)、スタッフビット及びBCH符号パリティが含まれる。
【0045】
外インタリーバ105は、外符号処理部103から出力されるビット系列またはバイト系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットまたはバイトの並び順を入れ替える処理である。外インタリーバ105は省略してもよい。
【0046】
内符号処理部107は、内符号によって誤り訂正符号化を実行する。内符号としては、LDPC(Low-Density Parity-check Code)が用いられてもよい。以下においては、内符号がLDPCであるケースを例示する。
【0047】
内インタリーバ109は、内符号処理部107から出力される系列のインタリーブを実行する。インタリーブは、ビットの並び順を入れ替えるビットインタリーブを含んでもよい。また、変調次数単位で周波数軸方向に並び順を入れ替える周波数インタリーブを含んでもよく、変調次数単位で時間軸方向に並び順を入れ替える時間インタリーブを含んでもよい。
【0048】
マッピング部110は、内インタリーバ109から出力される系列に対して、変調次数単位でマッピングを行う。変調方式として、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)が用いられてもよい。変調方式としては、64QAM以外の変調方式(例えば、最大で4096QAM)が用いられてもよい。
【0049】
フレーム構成部111は、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを構成する。実施形態では、多重伝送フレームは、第1放送信号のFECブロック及び第2放送信号のFECブロックを含んでもよい。また、多重伝送フレームは、第1放送信号及び第2放送信号がバイト単位で多重されたFECブロックを含んでもよい。多重伝送フレームは、OFDMフレームであってもよい。OFDMフレームの場合、マッピング部110でマッピングされたデータと、パイロット、TMCC信号、AC(Auxiliary Channel)、NullのキャリアをあわせてOFDMシンボルを構成する。さらに、予め定められたOFDMフレームあたりのシンボル数でOFDMフレームを構成する。
【0050】
ここで、フレーム構成部111には、本線系送信処理部131の出力と予備系送信処理部133の出力との切り替えを通知する制御情報が入力される。制御情報は、TMCC信号に含まれてもよい。TMCC信号は、上述した監視制御部135から入力されてもよい。
【0051】
変調部113は、多重伝送フレームを直交変調する。OFDMフレームの場合には、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)、GI(Guard Interval)付加の処理を行ってから直交変調を行う。
【0052】
送信部115は、変調部113によって変調された多重伝送フレームを受信装置200に送信する。送信部115は、IF(Intermediate Frequency)信号をRF(Radio Frequency)信号に変換し、定格の送信電力に増幅する機能を有してもよい。
【0053】
実施形態では、送信部115は、第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を送信する送信部を構成する。
【0054】
(受信装置)
以下において、実施形態に係る受信装置について説明する。
図4は、実施形態に係る受信装置200を示すブロック図である。
【0055】
図4に示すように、受信装置200は、受信フィルタ231と、分配器233と、本線系受信処理部235と、予備系受信処理部237と、監視制御部239と、信号切替スイッチ241と、を有する。
【0056】
受信フィルタ231は、アンテナを介して受信するRF信号の帯域を制限する。
【0057】
分配器233は、本線系の多重伝送フレーム(又は、予備系の多重伝送フレーム)を本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237に分配する。
【0058】
本線系受信処理部235は、送信装置100で切り替えられた本線系の多重伝送フレーム(又は、予備系の多重伝送フレーム)、すなわち、送信装置100から受信する多重伝送フレームを処理する。実施形態では、本線系受信処理部235は、第1受信処理部と称してもよい。本線系受信処理部235の詳細については後述する(
図5)。
【0059】
予備系受信処理部237は、送信装置100で切り替えられた本線系の多重伝送フレーム(又は、予備系の多重伝送フレーム)、すなわち、送信装置100から受信する多重伝送フレームを処理する。実施形態では、予備系受信処理部237は、第2受信処理部と称してもよい。予備系受信処理部237の詳細については後述する(
図5)。
【0060】
監視制御部239は、本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237の不具合を監視する。具体的には、監視制御部239は、信号切替スイッチ241で本線系受信処理部235が選択されているときに、本線系受信処理部235の不具合を検知した場合に、信号切替スイッチ241の出力選択を本線系受信処理部235から予備系受信処理部237に切り替える切替信号通知を信号切替スイッチ241に出力する。監視制御部239は、信号切替スイッチ241で予備系受信処理部237が選択されているときに、予備系受信処理部237の不具合を検知した場合に、信号切替スイッチ241の出力選択を予備系受信処理部237から本線系受信処理部235に切り替える切替信号通知を信号切替スイッチ241に出力する。
【0061】
信号切替スイッチ241は、監視制御部239から入力される信号切替通知に基づいて、本線系受信処理部235の出力を予備系受信処理部237の出力に切り替える。
【0062】
特に限定されるものではないが、信号切替スイッチ241は、監視制御部239から入力される信号切替通知に基づいて、予備系受信処理部237の出力を本線系受信処理部235の出力に切り替えてもよい。
【0063】
実施形態では、信号切替スイッチ241は、第1受信処理部(本線系受信処理部235)の出力と第2受信処理部(予備系受信処理部237)の出力とを切り替える受信切替部と称してもよい。
【0064】
(受信処理部)
以下において、実施形態に係る受信処理部について説明する。
図5は、実施形態に係る本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237を示すブロック図である。本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237は同様の構成を有していてもよい。以下においては、本線系受信処理部235及び予備系受信処理部237を単に受信処理部と称する。
【0065】
図5に示すように、受信処理部は、受信部201と、復調部203と、フレーム処理部205と、デマッピング部(尤度計算部)206と、内デインタリーバ207と、内符号処理部209と、外デインタリーバ211と、外符号処理部213と、エネルギー逆拡散部214と、ブロック処理部215と、を有する。
【0066】
受信部201は、多重伝送フレームを送信装置100から受信する。受信部201は、RF信号をIF信号に変更する機能を有していてもよい。受信部201は、多重伝送フレームとしてOFDMフレームを受信してもよい。
【0067】
実施形態では、受信部201は、本線系送信処理部131の出力と予備系送信処理部133の出力との切り替えを通知する制御情報を受信する受信部を構成する。
【0068】
復調部203は、多重伝送フレームを直交復調する。OFDMフレームの場合、直交復調後にGI除去、FFTの処理を行う。
【0069】
フレーム処理部205は、多重伝送フレームの先頭を検出して、多重伝送フレームの同期を行う。OFDMフレームの場合、差動で復調できるTMCCキャリアの情報などからOFDMフレームの先頭を検出し、OFDMシンボルを抽出する。
【0070】
デマッピング部(尤度計算部)206は、伝搬路の等化を行った後、データに対して変調方式に応じたデマッピングを行う。軟判定を行う場合は尤度を計算する。
【0071】
内デインタリーバ207は、内インタリーバ109とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。デインタリーブは、ビットデインタリーブを含んでもよく、周波数デインタリーブ、時間デインタリーブを含んでもよい。
【0072】
内符号処理部209は、LDPC符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。内符号処理部209は、FECブロックからLDPC符号パリティを除去する。
【0073】
外デインタリーバ211は、外インタリーバ105とは逆の手順で、デインタリーブを実行する。
【0074】
外符号処理部213は、BCH符号パリティに基づいてFECブロックの誤り訂正を実行する。外符号処理部213は、FECブロックからBCH符号パリティを除去する。
【0075】
エネルギー逆拡散部214は、エネルギー拡散部102とは逆の手順でエネルギー逆拡散を実行する。エネルギー逆拡散の対象は、外符号処理部213から出力されるビット系列(すなわち、ブロックヘッダ、主信号(TSパケット/IPパケット)及びFECブロックのBCH符号パリティの前にスタッフビットがある場合はスタッフビット)である。ここで、生成多項式に入力される初期値は、FECブロック毎に与えられる。言い換えると、PN系列は、FECブロック毎にリセットされてもよい。
【0076】
ブロック処理部215は、FECブロックからブロックヘッダ及び主信号(TSパケット/IPパケット)を分離する。具体的には、ブロック処理部215は、第1放送信号のFECブロックからTSパケットを抽出し、第2放送信号のFECブロックからIPパケットを抽出する。或いは、ブロック処理部215は、第1放送信号及び第2放送信号がバイト単位で多重されたFECブロックからTSパケット及びIPパケットを抽出する。
【0077】
実施形態では、デマッピング部206は、多重伝送フレームに含まれる既知信号から、送信装置と受信装置との間の伝搬路応答を推定する伝搬路推定をまず実行して伝搬路の等化を行う。すなわち、デマッピング部206は、多重伝送フレームに関する伝搬路推定を含む復調処理を実行する制御部を構成してもよい。デマッピング部206は、制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行する。すなわち、デマッピング部206は、切替前の伝送フレームの既知信号と切替後の伝送フレームの既知信号を混在させた状態で伝搬路推定は行わず、それぞれの伝送フレーム内の既知信号のみを用いた伝搬路推定を実行する。
【0078】
(FECブロック)
以下において、実施形態に係るFECブロックについて説明する。
図6は、実施形態に係るFECブロックを示す図である。
【0079】
図6に示すように、FECブロックは、ブロックヘッダ、主信号(スタッフビットを含む)、BCH符号パリティ及びLDPC符号パリティを含む。ブロックヘッダの用途は任意である。ブロックヘッダに、当該FECブロックの主信号の種類を記載してもよい。BCH符号パリティ及びスタッフビットの順番は逆であってもよい。
【0080】
特に限定されるものではないが、主信号(D)のサイズはLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。LDPC符号パリティのサイズ(Pldpc)はLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。主信号として含まれるTSパケット又はIPパケットの数はLDPCの符号化率に応じて変化してもよい。
【0081】
例えば、FECブロックは、
図7に示すパラメータを有していてもよい。
図7では、スタッフビット数が0bitであるケースが例示されている。
図7に示すように、主信号(D)のbit数は、LDPC符号化率によって異なる。
【0082】
(多重処理)
以下において、実施形態に係る多重処理について説明する。実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号は、バイトによって構成される単位で多重されるケースについて説明する。
【0083】
図8に示すように、多重部150は、1次バッファ151Aと、1次バッファ151Bと、切替部152Aと、切替部152Bと、バッファ153Aと、バッファ153Bと、バッファ154Aと、バッファ154Bと、スタッフパケット155Aと、スタッフパケット155Bと、切替部156Aと、切替部156Bと、切替部157と、FECブロック構成部158と、入力制御部159と、を有する。
【0084】
多重部150は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部の一例である。多重部150は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位であるバイトで区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号を多重してもよい。多重部150は、送信装置100のブロック構成部101に設けられる。
【0085】
1次バッファ151Aは、第1放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ153Aは、31Mbpsのレートを有するTSパケットを蓄積する。
【0086】
1次バッファ151Bは、第2放送信号を蓄積するバッファである。例えば、バッファ153Bは、50Mbpsのレートを有するIPパケットを蓄積する。
【0087】
切替部152Aは、基準タイミングにおいて、第1放送信号を蓄積するバッファをバッファ153Aとバッファ154Aとの間で切り替える。
【0088】
切替部152Bは、基準タイミングにおいて、第2放送信号を蓄積するバッファをバッファ153Bとバッファ154Bとの間で切り替える。
【0089】
バッファ153Aは、切替部152Aによってバッファ153Aが1次バッファ151Aに接続された場合に、第1放送信号を蓄積する。実施形態では、バッファ153Aは、第1バッファの一例である。
【0090】
バッファ153Bは、切替部152Bによってバッファ153Bが1次バッファ151Bに接続された場合に、第2放送信号を蓄積する。実施形態では、バッファ153Bは、第1バッファの一例である。
【0091】
バッファ154Aは、切替部152Aによってバッファ154Aが1次バッファ151Aに接続された場合に、第1放送信号を蓄積する。実施形態では、バッファ154Aは、第2バッファの一例である。
【0092】
バッファ154Bは、切替部152Bによってバッファ154Bが1次バッファ151Bに接続された場合に、第2放送信号を蓄積する。実施形態では、バッファ154Bは、第2バッファの一例である。
【0093】
スタッフパケット155Aは、1つのTSパケットを構成するための第1放送信号がバッファ153A又はバッファ154Aに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。スタッフパケット155Aから出力されるスタッフパケットは、第1放送信号に相当するダミーデータであると考えてもよい。
【0094】
スタッフパケット155Bは、1つのIPパケットを構成するための第2放送信号がバッファ153B又はバッファ154Bに蓄積されていない場合に、スタッフパケットを出力する。スタッフパケット155Bから出力されるスタッフパケットは、第2放送信号に相当するダミーデータであると考えてもよい。
【0095】
切替部156Aは、FECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部156Aは、基準タイミングから構成開始時間(
図9に示すγ)が経過したタイミング(FECブロックの切替タイミング)において、切替部157にパケットを入力するソースをバッファ153Aとバッファ154Aとの間で切り替える。切替部156Aは、FECブロックを構成するためのパケットが不足する場合に、切替部157にパケットを入力するソースをスタッフパケット155Aに切り替える。
【0096】
切替部156Bは、FECブロックに格納するパケットのソースを切り替える。具体的には、切替部156Bは、基準タイミングから構成開始時間(
図9に示すγ)が経過したタイミング(FECブロックの切替タイミング)において、切替部157にパケットを入力するソースをバッファ153Bとバッファ154Bとの間で切り替える。切替部156Bは、FECブロックを構成するためのパケットが不足する場合に、切替部157にパケットを入力するソースをスタッフパケット155Bに切り替える。
【0097】
切替部157は、FECブロックに多重されるデータのソースをバイト単位で切り替える。具体的には、切替部157は、FECブロックに多重されるデータのソースを切替部156Aと切替部156Bとの間で切り替える。
【0098】
ここで、切替部157は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、データのソース(第1放送信号/第2放送信号)を切り替える。
【0099】
FECブロック構成部158は、第1放送信号及び第2放送信号が多重されたFECブロックを構成する。FECブロック構成部158は、ブロックヘッダ情報をFECブロックのブロックヘッダに格納し、切替部157から出力されたバイト単位の信号をFECブロックの主信号部分に格納する。
【0100】
入力制御部159は、第1放送信号に対応するパケット(TSパケット)をパケット間隔で出力することを1次バッファ151Aに指示する。入力制御部159は、第2放送信号に対応するパケット(IPパケット)をパケット間隔で出力することを1次バッファ151Bに指示する。
【0101】
入力制御部159は、基準タイミング(後述するスーパーフレーム先頭基準パルス)で切替部152Aを切り替える。入力制御部159は、基準タイミング(後述するスーパーフレーム先頭基準パルス)で切替部152Bを切り替える。
【0102】
入力制御部159は、基準タイミング(後述するスーパーフレーム先頭基準パルス)から構成開始時間(
図9に示すγ)が経過したタイミング(FECブロックの切替タイミング)で切替部156Aを切り替える。入力制御部159は、基準タイミング(後述するスーパーフレーム先頭基準パルス)から構成開始時間(
図9に示すγ)が経過したタイミング(FECブロックの切替タイミング)で切替部156Bを切り替える。
【0103】
ここで、入力制御部159は、切替部156Aによってバッファ153Aが接続されている状態において、切替タイミングが到来した場合であっても、バッファ153Aに蓄積されたパケット(第1放送信号)がなくなるまで、バッファ153Aからバッファ154Aへの切替を保留する。同様に、入力制御部159は、切替部156Aによってバッファ154Aが接続されている状態において、切替タイミングが到来した場合であっても、バッファ154Aに蓄積されたパケット(第1放送信号)がなくなるまで、バッファ154Aからバッファ153Aへの切替を保留する。
【0104】
入力制御部159は、切替部156Bによってバッファ153Bが接続されている状態において、切替タイミングが到来した場合であっても、バッファ153Bに蓄積されたパケット(第2放送信号)がなくなるまで、バッファ153Bからバッファ154Bへの切替を保留する。同様に、入力制御部159は、切替部156Bによってバッファ154Bが接続されている状態において、切替タイミングが到来した場合であっても、バッファ154Bに蓄積されたパケット(第2放送信号)がなくなるまで、バッファ154Bからバッファ153Bへの切替を保留する。
【0105】
入力制御部159は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて切替部157を切り替える。例えば、入力制御部159は、第1放送信号及び第2放送信号のレートの比率が3:5である場合には、BABBABBAといった態様で切替部156Bを切り替える。Aは、第1放送信号に対応する所定単位(ここでは、バイト)であり、Bは、第2放送信号に対応する所定単位(ここでは、バイト)である。
【0106】
実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号が1つのFECブロックに多重されるため、FECブロック構成部は1系統で処理される。
【0107】
図8では、第1放送信号及び第2放送信号の2つの放送信号がFECブロックに多重されるケースについて説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。3以上の放送信号がFECブロックに多重されてもよい。
【0108】
実施形態では、切替部152A及び切替部152Bは、切替タイミングにおいて、2以上の放送信号のそれぞれを蓄積するバッファを第1バッファ(バッファ153A及びバッファ153B)と第2バッファ(バッファ154A及びバッファ154B)との間で切り替える第1バッファ切替部を構成する。
【0109】
実施形態では、切替部156A及び切替部156Bは、基準タイミングから構成開始時間(
図9に示すγ)が経過したタイミング(FECブロックの切替タイミング)において、多重伝送フレームの生成に用いる放送信号を出力するバッファを第1バッファ(バッファ153A及びバッファ153B)と第2バッファ(バッファ154A及びバッファ154B)との間で切り替える第2バッファ切替部を構成する。
【0110】
実施形態では、基準タイミングは、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133に共通するタイミングである。基準タイミングは、1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングである。特定伝送フレームは、1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。言い換えると、2以上の放送信号の多重が想定される場合において、特定伝送フレームに含まれる所定単位の数は、2以上の放送信号の多重周期で割り切れる。切替タイミングは、基準タイミングから構成開始時間が経過したタイミングであるため、基準タイミングによって定義されるタイミングである。
【0111】
ここで、FECブロックが上述した
図7に示すパラメータを有するケースにおいて、1つの多重伝送フレームに含まれるFECブロックの数が20×変調次数で表されるケースについて考える。このようなケースにおいて、1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームが新たに定義されてもよい。特定伝送フレームは、スーパーフレームと称されてもよい。特定伝送フレームの開始タイミングは、スーパーフレームの先頭基準パルスと称されてもよい。スーパーフレーム先頭基準パルスは、スーパーフレームの周期で出力されるパルスである。
【0112】
特定伝送フレームに含まれる所定単位(バイト)の数は、2以上の放送信号の多重周期で割り切れる。言い換えると、特定伝送フレームに含まれる多重伝送フレームの数は、特定伝送フレームに含まれるバイトの数が多重周期で割り切れるように定められる。多重周期は、2以上の放送信号をレートの比率で多重する周期であり、バイトによって表されてもよい。
【0113】
例えば、多重周期が32バイトである場合において、特定伝送フレームに含まれる多重伝送フレームの数は8であってもよい。すなわち、特定伝送フレームに含まれるFECブロックの数160×変調次数(=20×変調次数×8)が32で割り切れるため、上述した
図7に示すいずれのパラメータが採用される場合であっても、特定伝送フレームに含まれる主信号の総バイト数が多重周期で割り切れる。
【0114】
言い換えると、多重伝送フレームに含まれるFECブロックの数がKであり、FECブロックに含まれる主信号のバイト数がLであり、特定伝送フレームに含まれる多重伝送フレームの数がMであり、多重周期(バイト数)がNである場合に、L×K×M÷Nが整数となるようにMが設定されてもよい。
【0115】
このような前提下において、2以上の放送信号のそれぞれがパケット(TSパケット又はIPパケット)によって構成されている場合に、特定伝送フレームは、整数個のパケットを含んでもよい。すなわち、2つのFECブロック又は2つの多重伝送フレームを跨いだパケットの分断が許容されるが、2つの特定伝送フレームを跨いだパケットの分断が許容されなくてもよい。
【0116】
ここで、多重部150は、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133の各々に設けられており、基準タイミングは、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133に共通するタイミングである。従って、本線系送信処理部131の出力及び予備系送信処理部133の出力は、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133に共通する基準タイミングで同期している。
【0117】
(バッファへの格納)
以下において、実施形態に係るバッファへの格納について説明する。
図9及び
図10は、実施形態に係るバッファへの格納について説明するための図である。
【0118】
第1に、最初のスーパーフレーム先頭基準パルスに関連するパケットをバッファに格納する動作について、
図9を参照しながら説明する。
【0119】
図9に示すように、パケット(TSパケット又はIPパケット)は、1次バッファ151A及び1次バッファ151Bにパケット間隔(α)で格納される。最初のスーパーフレーム先頭基準パルスが出力されるタイミングを含むパケット間隔(α)よりも前のパケット間隔(α)で格納されたパケットは破棄される。
【0120】
1次バッファ151A又は1次バッファ151Bに格納されたパケットは、1つのパケット間隔(α)を空けた上で、バッファ153A及びバッファ153B(或いは、バッファ154A及びバッファ154B)に格納される。なお、1つのパケットがバッファ153A及びバッファ153B(或いは、バッファ154A及びバッファ154B)に格納される時間は格納時間(β)と称されてもよい。
図9では、バッファ153A及びバッファ153Bにパケットが格納されるケースが例示されている。
【0121】
バッファ153A及びバッファ153Bに格納されたパケットは、スーパーフレーム先頭基準パルスから構成開始時間(γ)が経過したタイミングでFECブロックとして構成される。ここで、構成開始時間(γ)は、1つのFECブロックを構成するための処理時間(以下、FECブロック処理間隔)、パケット間隔(α)及び格納時間(β)の合計時間よりも長い時間である。
【0122】
第2に、2番目以降のスーパーフレーム先頭基準パルスに関連するパケットをバッファに格納する動作について、
図10を参照しながら説明する。
【0123】
図10に示すように、パケット(TSパケット又はIPパケット)は、
図9と同様に、1次バッファ151A及び1次バッファ151Bにパケット間隔(α)で格納される。スーパーフレーム先頭基準パルスが出力されるタイミングを含むパケット間隔(α)よりも前のパケット間隔(α)で格納されたパケットは、バッファ153A及びバッファ153B(或いは、バッファ154A及びバッファ154B)に格納される。スーパーフレーム先頭基準パルスが出力されるタイミングを含むパケット間隔(α)以降のパケット間隔(α)で格納されたパケットは、バッファ154A及びバッファ154B(バッファ153A及びバッファ153B)に格納される。
図10では、バッファ153A及びバッファ153Bからバッファ154A及びバッファ154Bにバッファが切り替えられるケースが例示されている。
【0124】
バッファ153A及びバッファ153Bに格納されたパケットは、FECブロック処理間隔でFECブロックとして構成される。バッファ154A及びバッファ154Bに格納されたパケットは、次のFECブロック処理間隔でFECブロックとして構成される。
【0125】
(分離処理)
以下において、実施形態に係る分離処理について説明する。実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号は、バイトによって構成される単位で分離されるケースについて説明する。
【0126】
図11に示すように、分離部250は、FECブロック処理部251と、切替部252と、スタッフパケット除去部253Aと、スタッフパケット除去部253Bと、出力制御部259と、を有する。
【0127】
分離部250は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位であるバイトで区切られた2以上の放送信号を分離する制御部の一例である。分離部250は、受信装置200のブロック処理部215に設けられる。
【0128】
FECブロック処理部251は、FECブロックから第1放送信号(TSパケット)、第2放送信号(IPパケット)及びそれらのスタッフパケットがバイト単位で多重された主信号を抽出する。
【0129】
実施形態では、第1放送信号及び第2放送信号が1つのFECブロックに多重されるため、FECブロック処理部は1系統で処理される。
【0130】
切替部252は、FECブロックから分離されるデータのターゲットを切り替える。具体的には、切替部252は、FECブロックから分離されるデータのターゲットを第1放送信号の処理部と第2放送信号の処理部との間で切り替える。
【0131】
スタッフパケット除去部253Aは、切替部252から出力された主信号からスタッフパケットを除去し、第1放送信号(TSパケット)を抽出する。
【0132】
スタッフパケット除去部253Bは、切替部252から出力された主信号からスタッフパケットを除去し、第2放送信号(IPパケット)を抽出する。
【0133】
出力制御部259は、FECブロックから主信号を抽出することをFECブロック処理部251に指示する。出力制御部259は、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて切替部252を切り替える。出力制御部259は、スタッフパケットを除去することをスタッフパケット除去部253Aに指示する。出力制御部259は、スタッフパケットを除去することをスタッフパケット除去部253Bに指示する。
【0134】
(制御情報)
以下において、実施形態に係る制御情報について説明する。制御情報は、TMCC信号に含まれてもよい。
【0135】
制御情報は、本線系送信処理部131の出力と予備系送信処理部133の出力との切り替えを通知する制御情報であると考えてもよい。制御情報は、本線系と予備系との切り替えを通知する制御情報であると考えてもよい。
【0136】
例えば、
図12に示すように、制御情報は、切替に関するビットとして、号機切替通知有効フラグ(b143)及び号機切替通知(b215)を含んでもよい。
【0137】
号機切替通知有効フラグ(b143)は、号機切替通知(b215)が有効であるか無効であるかを示すフラグである。例えば、号機切替通知有効フラグ(b143)の取り得る値は、号機切替通知(b215)が無効である旨を示す”0”及び号機切替通知(b215)が有効である旨を示す”1”であってもよい。
【0138】
号機切替通知(b215)は、本線系と予備系との切り替えを通知する情報である。号機切替は、本線系から予備系への切り替えを意味してもよく、予備系から本線系への切り替えを意味してもよい。号機切替通知(b215)の取り得る値は、次のシンボルの先頭で号機切替がない旨を示す”0”及び次のシンボルの先頭で号機切替がある旨を示す”1”であってもよい。
【0139】
(作用及び効果)
実施形態では、送信装置100は、本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133に共通する基準タイミングで同期するように多重伝送フレームを生成する。
【0140】
上述した構成において、基準タイミングは、1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミング(スーパーフレーム先頭基準パルス)であり、特定伝送フレームは、1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される。このような構成によれば、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることができる。
【0141】
実施形態では、多重伝送フレームは、2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームであってもよい。本線系送信処理部131及び予備系送信処理部133は、2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、所定単位で区切られた2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成してもよい。特定伝送フレームに含まれる所定単位の数は、2以上の放送信号の多重周期で割り切れる。このような構成によれば、2以上の放送信号のレートを適切に担保しながら、本線系の伝送フレーム(送信信号)及び予備系の伝送フレーム(送信信号)をシームレスに切り替えることができる。
【0142】
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0143】
実施形態では、2以上の放送信号が多重されるケースについて説明した。これに対して、変更例1では、放送信号が多重されずに、1つの放送信号が送信されるケースについて説明する。
【0144】
図13に示すように、変更例1に係る送信装置100の多重部150は、第2放送信号に関する構成(1次バッファ151B、切替部152B、バッファ153B、バッファ154B、スタッフパケット155B、切替部156B)及び切替部157を有していない点を除いて、
図8に示す構成と同様の構成を有する。
【0145】
ここでは、第2放送信号に関する構成が省略されるケースについて説明したが、第1放送信号に関する構成(1次バッファ151A、切替部152A、バッファ153A、バッファ154A、スタッフパケット155A、切替部156A)が省略されてもよい。
【0146】
図14に示すように、変更例1に係る受信装置200の分離部250は、切替部252及び第2放送信号に関する構成(スタッフパケット除去部253B)を有していない点を除いて、
図11に示す構成と同様の構成を有する。
【0147】
ここでは、第2放送信号に関する構成が省略されるケースについて説明したが、第1放送信号に関する構成(スタッフパケット除去部253A)が省略されてもよい。
【0148】
変更例1においても、基準タイミングは、1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミング(スーパーフレーム先頭基準パルス)であってもよい。
【0149】
[その他の実施形態]
本発明は上述した開示によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0150】
上述した開示では、多重伝送フレームがOFDMフレームであるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、多重伝送フレームがMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)-OFDMフレームであるケースに適用されてもよい。
【0151】
上述した開示では、2つの放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。上述した開示は、3つ以上の放送信号が多重伝送フレームに多重されるケースに適用されてもよい。
【0152】
上述した開示では、多重又は分離が適用される所定単位がバイトによって構成される単位であるケースについて例示した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。多重又は分離が適用される所定単位は、FECブロックによって構成される単位であってもよい。このようなケースにおいて、バイトはFECブロックと読み替えられ、FECブロックは伝送フレームと読み替えられてもよい。
【0153】
上述した開示では特に触れていないが、第1放送信号及び第2放送信号のOFDM変調で用いるIFFTクロック及び高度化STL/TTLのOFDM変調で用いるIFFTクロックは、整数比の関係を有していてもよい。
【0154】
上述した開示では特に触れていないが、第1放送信号及び第2放送信号の伝送フレームの周期及び高度化STL/TTLの伝送フレームの周期は、整数比の関係を有していてもよい。
【0155】
上述した開示では特に触れていないが、送信装置100及び受信装置200が行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0156】
或いは、送信装置100及び受信装置200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【0157】
(付記)
上述した開示は、以下に示すように表現されてもよい。
【0158】
第1の特徴は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信する送信装置であって、第1送信処理部と、第2送信処理部と、前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力とを切り替える送信切替部と、を備え、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成する制御部を備え、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、送信装置である。
【0159】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部の各々は、前記基準タイミングにおいて、前記1以上の放送信号を蓄積するバッファを第1バッファと第2バッファとの間で切り替える第1バッファ切替部と、前記基準タイミングによって定義される切替タイミングにおいて、前記多重伝送フレームの生成に用いる放送信号を出力するバッファを前記第1バッファと前記第2バッファとの間で切り替える第2バッファ切替部と、を備える、送信装置である。
【0160】
第3の特徴は、第2の特徴において、前記第2バッファ切替部は、前記切替タイミングが到来した場合であっても、前記第2バッファ切替部によって接続された前記バッファに蓄積された放送信号がなくなるまで、前記バッファの切り替えを保留する、送信装置である。
【0161】
第4の特徴は、第1の特徴乃至第3の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記第1送信処理部の出力と前記第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を送信する送信部を備える、送信装置である。
【0162】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴の少なくともいずれか1つにおいて、前記多重伝送フレームが2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームである場合に、前記制御部は、前記2以上の放送信号のそれぞれを所定単位で区切るとともに、前記2以上の放送信号のそれぞれのレートの比率に基づいて、前記所定単位で区切られた前記2以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを生成し、前記特定伝送フレームに含まれる前記所定単位の数は、前記2以上の放送信号の多重周期で割り切れる、送信装置である。
【0163】
第6の特徴は、1以上の放送信号が多重された多重伝送フレームを送信装置から受信する受信装置であって、前記送信装置の第1送信処理部又は前記送信装置の第2送信処理部によって生成される前記多重伝送フレームを受信する受信部と、前記多重伝送フレームに関する伝搬路推定を含む復調処理実行する制御部と、を備え、前記受信部は、前記第1送信処理部の出力と第2送信処理部の出力との切り替えを通知する制御情報を受信し、前記制御部は、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨いだ伝搬路推定を実行せずに、前記制御情報で通知された切替タイミングの前後のシンボルを跨がない伝搬路推定を実行し、前記第1送信処理部の出力及び前記第2送信処理部の出力は、前記第1送信処理部及び前記第2送信処理部に共通する基準タイミングで同期しており、前記基準タイミングは、前記1以上の多重伝送フレームによって構成される特定伝送フレームの開始タイミングであり、前記特定伝送フレームは、前記1以上の放送信号を構成するパケットを分断しないように定義される、受信装置である。
【符号の説明】
【0164】
10…デジタル無線伝送システム、100…送信装置、101…ブロック構成部、102…エネルギー拡散部、103…外符号処理部、105…外インタリーバ、107…内符号処理部、109…内インタリーバ、110…マッピング部、111…フレーム構成部、113…変調部、115…送信部、131…本線系送信処理部、133…予備系送信処理部、135…監視制御部、137…RF切替スイッチ、139…送信フィルタ、150…多重部、151…1次バッファ、152…切替部、153…バッファ、154…バッファ、155…スタッフパケット、156…切替部、157…切替部、158…FECブロック構成部、159…入力制御部、200…受信装置、201…受信部、203…復調部、205…フレーム処理部、206…デマッピング部(尤度計算部)、207…内デインタリーバ、209…内符号処理部、211…外デインタリーバ、213…外符号処理部、214…エネルギー逆拡散部、215…ブロック処理部、231…受信フィルタ、233…分配器、235…本線系受信処理部、237…予備系受信処理部、239…監視制御部、241…信号切替スイッチ、250…分離部、251…FECブロック処理部、252…切替部、253…スタッフパケット除去部、259…出力制御部