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特開2025-7918基板処理装置、搬送方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム
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  • 特開-基板処理装置、搬送方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007918
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】基板処理装置、搬送方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20250109BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109648
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷川 理沙
(72)【発明者】
【氏名】北本 博之
(72)【発明者】
【氏名】守田 修
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045AA03
5F045DP19
5F045DP28
5F045DQ05
5F045EB03
5F045EB08
5F045EC02
5F045EC05
5F045EK06
5F045EM09
5F045EM10
5F045EN04
5F045EN05
5F045EN06
5F045GB05
5F045GB06
5F131AA02
5F131AA12
5F131AA32
5F131BA04
5F131CA31
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA43
5F131DB52
5F131DC26
5F131DD42
5F131DD43
5F131DD59
5F131DD82
5F131GA12
5F131GB02
5F131GB12
5F131JA08
5F131KB33
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】移載部の使用状態に関わらず、次の容器の受付けを可能とし、容器の搬送効率を向上させる技術を提供する。
【解決手段】扉を有し基板が収容された容器が載置される載置部と、前記容器を格納する格納部と、前記基板を処理する処理部と、前記扉の開閉を行う開閉部と、前記容器に収容された前記基板の状態確認をする確認部と、を備え、前記処理部へ前記基板を移載する移載部と、前記容器を保持して、前記載置部、前記格納部、及び前記移載部へ前記容器を搬送する搬送部と、前記移載部の使用状態にかかわらず、前記載置部に載置された前記容器を前記搬送部に保持させ、前記載置部へ次の容器の載置を受け付けるよう制御可能な制御部と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉を有し基板が収容された容器が載置される載置部と、
前記容器を格納する格納部と、
前記基板を処理する処理部と、
前記扉の開閉を行う開閉部と、前記容器に収容された前記基板の状態確認をする確認部と、を備え、前記処理部へ前記基板を移載する移載部と、
前記容器を保持して、前記載置部、前記格納部、及び前記移載部へ前記容器を搬送する搬送部と、
前記移載部の使用状態にかかわらず、前記載置部に載置された前記容器を前記搬送部に保持させ、前記載置部へ次の容器の載置を受け付けるよう制御可能な制御部と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記移載部に前記容器がある場合に、前記開閉部での前記扉の開閉と、前記確認部での前記基板の状態確認と、前記搬送部での、状態確認済の基板が収容された前記容器を前記格納部へ格納するよう制御可能な、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記搬送部が保持した前記容器の搬送先を、前記格納部、前記移載部、及び前記載置部へのいずれかに搬送するよう制御可能な、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記移載部が使用不可の場合は前記搬送部が前記載置部に載置された前記容器を前記格納部に格納するよう制御可能な、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記移載部が使用可能な場合は前記搬送部が前記格納部に格納した前記容器を前記移載部へ搬送するよう制御可能な、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記移載部が使用可能の場合は前記搬送部が前記載置部に載置された前記容器を前記移載部へ搬送するよう制御可能な、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項7】
新たな前記容器が前記移載部へ搬送されると、前記確認部が前記容器に収容された前記基板の状態を確認する、
請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記搬送部が前記載置部に載置されている前記容器を保持するまでは、前記載置部への次の前記容器の載置を受付けないよう制御可能な、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
外部設備との通信が可能な外部通信部を有し、
前記制御部は、前記外部通信部を介して前記外部設備と接続し、前記載置部への前記容器の載置受付状態の報告を行うよう制御可能な、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記外部設備に、前記移載部の使用状態の報告を行うよう制御可能な、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記外部設備からの前記移載部の使用状態の報告に対する応答を待たずに、前記容器を前記載置部から前記格納部に搬送するよう制御可能な、
請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記格納部に格納された前記容器の格納位置と前記容器の状態情報を記憶することが可能な記憶部を有し、前記制御部は前記記憶部に記憶された前記容器の格納位置と前記容器の状態情報を確認することが可能な、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記載置部および、または前記容器の格納位置と前記容器の状態情報を表示することが可能な表示部を有する、
請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記容器の状態情報として、前記容器内の前記基板の有無、前記基板の種類、前記基板の状態確認結果、および処理の実行可否の少なくともいずれか1つの項目を有し、
前記表示部は、前記容器の前記項目を表示する、
請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記載置部の状態情報として、前記載置部の使用可否、使用状態、及び前記容器の載置有無の少なくともいずれか1つの項目を有し、前記表示部は前記載置部の項目を表示する、
請求項13に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記表示部は前記載置部が使用中である場合に、前記使用状態の項目を他の項目と表示を異ならせる、
請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
扉を有し基板が収容された容器を載置部に載置する工程と、前記扉を開閉し前記基板の状態確認をする移載部へ前記容器を搬送する工程と、
前記移載部の使用状態にかかわらず、前記載置部に載置された前記容器を搬送部に保持させ、次の容器の載置台への載置を受け付けさせる工程と、
を有する、搬送方法。
【請求項18】
請求項17に記載の工程と、
前記基板を処理する工程と、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項19】
扉を有し基板が収容された容器を載置部に載置する手順と、前記扉を開閉し前記基板の状態確認をする移載部へ前記容器を搬送する手順と、
前記移載部の使用状態にかかわらず、前記載置部に載置された前記容器を搬送部に保持させ、次の容器の載置台への載置を受け付けさせる手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、搬送方法、半導体装置の製造方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載のような複数の基板を収納する収納容器と、収納容器を載置する載置部と、該収納容器を保管する保管室と、収納容器を搬送する搬送装置と、基板状態検出装置としてのマッピング装置と基板の出し入れを行う移載部(オープナ)と、を備える基板処理装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-177195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、移載部の使用状態に関わらず、次の容器の受付けを可能とし、容器の搬送効率を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、扉を有し基板が収容された容器が載置される載置部と、前記容器を格納する格納部と、前記基板を処理する処理部と、前記扉の開閉を行う開閉部と、前記容器に収容された前記基板の状態確認をする確認部と、を備え、前記処理部へ前記基板を移載する移載部と、前記容器を保持して、前記載置部、前記格納部、及び前記移載部へ前記容器を搬送する搬送部と、前記移載部の使用状態にかかわらず、前記載置部に載置された前記容器を前記搬送部に保持させ、前記載置部へ次の容器の載置を受け付けるよう制御可能な制御部と、を備える技術が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、移載部の使用状態に関わらず、次の容器の受付けを可能とし、容器の搬送効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の一部省略斜視図である。
図2】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の側面断面図である。
図3】本開示の一実施形態に係る基板処理装置の主要部を示す側面断面図である。
図4】本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備える制御部を示すブロック図である。
図5】本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備える表示部の画面の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態に係る制御部が行う動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において、同一又は等価な構成要素及び部品には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0009】
(構成)
本開示の一実施形態に係る基板処理装置10は例えばバッチ式縦型拡散・CVD装置であり、図1から図3に示されているように、筐体の一部としてメイン筐体11、サブ筐体40、フロント筐体14Aを備えている。また、基板処理装置10は、さらに表示部82Dと、制御部77と、を有している。また、本実施形態においては、基板としてのウエハ1を収納する容器2が使用される。
【0010】
容器2は、略立方体の箱形状に形成されており、容器2の一つの側壁には、ウエハ出し入れ口が開設されている。ウエハ出し入れ口には、これを閉塞する蓋体としての扉4が装着したり外したりすることができるように装着されている。容器2の下面には複数個の位置決め穴(図示せず)が没設されている。
【0011】
(メイン筐体)
図1図2及び図3に示されているように、基板処理装置10のメイン筐体11の正面壁11aは、メイン筐体11内外を区画する区画壁を構成している。この正面壁11aの中間高さには、メイン筐体11内外を連通させた容器搬入搬出口12が開設されている。容器搬入搬出口12は、容器2を搬入したり、容器2を搬出したりする。フロントシャッタ13は、容器搬入搬出口12を開閉する。
【0012】
メイン筐体11の正面壁(区画壁)11aの外側には、載置部の一例であるロードポート14が設置されている。ロードポート14は、容器搬入搬出口12の略真下に位置している。ロードポート14は、搬入搬出部を構成している。ロードポート14は、載置された容器2を容器搬入搬出口12に位置合わせする。ロードポート14は、2つ並列に設けられている。
【0013】
メイン筐体11内の前側領域には容器保管室11bが形成されている。容器保管室11b内には、格納部の一例である回転式容器棚31が設置されている。回転式容器棚31は、容器保管室11b内の前後方向略中央部のうちの上部空間に配置されている。回転式容器棚31は、筐体内で収納容器を保管する保管棚を構成している。
【0014】
回転式容器棚31は、支柱32と複数枚の棚板33とを備えている。支柱32は、垂直に立設されており、水平面内で間欠回転される。複数枚の棚板33は、支柱32に上中下段の各位置において放射状に支持される。複数枚の棚板33は、複数個の容器2をそれぞれ載置することができる。
【0015】
棚板33の上面には複数個の受けキネマティックピン34が突設されており、受けキネマティックピン34は、容器2の位置決め穴に嵌入することができる。
【0016】
容器保管室11b内には、搬送部の一例である容器搬送装置35が設置されている。容器搬送装置35は、ロードポート14と回転式容器棚31との間で容器搬入搬出口12を介して容器2を搬送する搬送装置を構成している。
【0017】
容器搬送装置35は、収納容器昇降機構としての容器エレベータ35aと、収納容器搬送機構としての容器搬送機構35bとによって構成されている。容器搬送機構35bは、容器の下面を保持する保持部(保持機構ともいう。)を有している。
【0018】
容器搬送装置35は容器エレベータ35aと容器搬送機構35bとの連続動作により、保持台18と、回転式容器棚31と、後述する容器オープナ42の載置台43との間で容器2を搬送する。
【0019】
(フロント筐体)
フロント筐体14A、メイン筐体11の正面壁11aの前面側に設けられている。フロント筐体14Aは、ロードポート14と当該上方空間とを囲むように形成されている。フロント筐体14Aの天井壁には天井開口14Bが開設されており、フロント筐体14Aの正面壁には正面開口14Cが開設されている。つまり、ロードポート14は、正面開口14Cを経由して容器2を受け取ることができ、また、天井開口14Bを経由して容器搬送機構(OHT)より受け取ることもできる。
【0020】
容器2は、ロードポート14上に基板処理装置外(すなわち筐体の外部)にある工程内搬送装置(工程間搬送装置ともいう。)によって搬入され、かつまた、ロードポート14上から搬出される。
【0021】
工程内搬送装置としては、図1に示された床走行型構内搬送車(以下、AGVという。)9、天井走行型構内搬送装置等、があり、いずれのものも適用することができる。
【0022】
なお、容器2の搬送方法は、上述の説明に限らず、容器の上部を掴んでハンドリングする容器搬送装置を用いてもよい。この場合、容器2は、専ら天井開口14Bを経由し、ロードポート14に搬入される。
【0023】
なお、図1に示されているように、フロント筐体14A内には後述する制御部77が設置されている。
【0024】
(サブ筐体)
図2に示されているように、メイン筐体11内の前後方向略中央部のうちの下部には、サブ筐体40が後端にわたって構築され、移載部86を有している。
【0025】
サブ筐体40の正面壁40aには一対のウエハ搬入搬出口41、41が垂直方向で上下二段に並べられて開設されており、上下段のウエハ搬入搬出口41、41には容器オープナ42、42がそれぞれ設置されている。ウエハ搬入搬出口41は、ウエハ1をサブ筐体40内に対して搬入したり、サブ筐体40から搬出することができる。
【0026】
サブ筐体40は、予備室45を構成しており、予備室45は、容器搬送装置35及び回転式容器棚31が設置された容器保管室11bから流体的に隔絶している。
【0027】
予備室45の前側領域にはウエハ移載機構46が設置されている。ウエハ移載機構46は、ウエハ移載装置46aとウエハ移載装置エレベータ46bとツィーザ46cとを備えている。ツィーザ46cは、ウエハ1の載置部を構成している。ウエハ移載装置46aは、ウエハ1を保持したツィーザ46cを水平面内において回転ないし直進させる。ウエハ移載装置エレベータ46bは、予備室45内の前方領域右端部に設置されている。ウエハ移載装置エレベータ46bは、ウエハ移載装置46aを昇降させる。
【0028】
本開示に係る移載部86は、マッピング装置27と、容器オープナ42と、ウエハ移載機構46と、を備える。移載部86には、基板処理装置10の正面側から容器オープナ42、マッピング装置27、及びウエハ移載機構46がこの順で配置されている。
【0029】
容器オープナ42は、本実施形態における開閉部の一例であり、容器2を載置する載置台43と、容器2の扉4を着脱する着脱機構44とを備えている。載置台43に載置された容器2の扉4を着脱機構44によって装着したり外したりすることにより、容器オープナ42は、容器2のウエハ出し入れ口を開閉する。
【0030】
容器オープナ42は不活性ガス例えば窒素ガスで充填維持可能な密閉筐体を構成している。容器オープナ42は窒素ガス供給装置(図示せず)を介して窒素ガスの供給および排気装置(図示せず)を介して、窒素ガスの排気を行うことが可能に構成されている。
【0031】
マッピング装置27は、本実施形態における確認部の一例であり、駆動源であるリニアアクチュエータと、ホルダと、複数の検出子とを備えている。ホルダは、リニアアクチュエータによって容器2のウエハ出し入れ口に対して前後方向に移動される。複数の検出子は、ホルダに保持されている。複数の検出しを用いて、マッピング装置27は、容器2内の複数のスロットにウエハ1がそれぞれ1枚ずつ保持されているか否かを検出する。
【0032】
ウエハ移載機構46は、ツィーザ46cで保持したウエハ1をウエハ移載装置エレベータ46b及びウエハ移載装置46aの連続動作によって、容器2からボート47へ搬送し、搬送したウエハ1をボート47に装填する。
【0033】
また、ウエハ移載機構46は、ボート47のウエハ1をツィーザ46cで保持することによりボート47から脱装し、ボート47から容器2へ搬送して、容器2に戻す。
【0034】
予備室45の後側領域には、ボート47を昇降させるためのボートエレベータ48が設置されている。
【0035】
ボートエレベータ48の昇降台に連結された連結具としてのアーム49には、シールキャップ50が水平に据え付けられている。シールキャップ50は、ボート47を垂直に支持し、処理部の一例である処理炉51の下端部を閉塞することができる。
【0036】
ボート47は、複数本の保持部材を備えている。ボート47は、複数枚(例えば、50枚から125枚までの程度)のウエハ1をその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持する。
【0037】
便宜上、図示は省略するが、ウエハ移載装置エレベータ46b側及びボートエレベータ48側と反対側である予備室45の左側端部には、クリーンガス供給ユニット(以下、クリーンユニットという。)が設置されている。クリーンユニットは、供給フアン及び防塵フィルタによって構成されている。クリーンユニットは、清浄化した雰囲気若しくは不活性ガスであるクリーンエアを供給する。
【0038】
また、ウエハ移載装置46aとクリーンユニットとの間にはノッチ合わせ装置が設置されている。ノッチ合わせ装置は、ウエハの円周方向の位置を整合させる基板整合装置を構成している。
【0039】
クリーンユニットから吹き出されたクリーンエアは、ノッチ合わせ装置、ウエハ移載装置46a及びボート47に流通された後に、図示しないダクトによって吸い込まれる。吸い込まれたクリーンエアは、メイン筐体11の外部に排気がなされるか、若しくは、クリーンユニットの吸い込み側である一次側(すなわち供給側)にまで循環されて再びクリーンユニットによって予備室45内に吹き出されるか、する。
【0040】
サブ筐体40の上には図3に示された処理炉51が設置されている。図3に示されているように、処理炉51は、加熱機構としてのヒータ52を有する。
【0041】
ヒータ52は、円筒形状であり、保持板としてのヒータベース53に支持されることにより垂直に据え付けられている。
【0042】
ヒータ52の内側には、ヒータ52と同心円状に反応管としてのプロセスチューブ54が配設されている。プロセスチューブ54は、外部反応管としてのアウタチューブ55と、その内側に設けられた内部反応管としてのインナチューブ56とから構成されている。
【0043】
アウタチューブ55は、例えば石英(SiO2)又は炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料から形成されている。アウタチューブ55は、内径がインナチューブ56の外径よりも大きく、上端が閉塞し、下端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ55は、インナチューブ56と同心円状に設けられている。
【0044】
インナチューブ56は、例えば石英又は、炭化シリコン等の耐熱性材料から形成されている。インナチューブ56は、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。インナチューブ56の筒中空部は、処理室57を形成している。処理室57は、ウエハ1を水平姿勢で垂直方向に多段に整列させて保持したボート47を収容することができる。
【0045】
アウタチューブ55とインナチューブ56との隙間は、筒状空間58を形成している。
【0046】
アウタチューブ55の下方にはマニホールド59が、アウタチューブ55と同心円状に配設されている。マニホールド59は、例えばステンレスから形成されている。マニホールド59は、上端及び下端が開口した円筒形状に形成されている。マニホールド59は、アウタチューブ55とインナチューブ56とに係合しており、これらを支持している。
【0047】
マニホールド59がヒータベース53に支持されることにより、プロセスチューブ54は、垂直に据え付けられた状態となっている。
【0048】
プロセスチューブ54及びマニホールド59は、反応容器を形成する。
【0049】
なお、マニホールド59とアウタチューブ55との間には、シール部材としてのOリング59aが設けられている。
【0050】
シールキャップ50にはガス導入部としてのノズル60が接続されており、ノズル60は、処理室57内に連通している。ノズル60にはガス供給管61が接続されている。
【0051】
ガス供給管61にはノズル60との接続側と反対側(すなわち上流側)に、マスフローコントローラ(MFC)62を介してガス供給源(図示せず)が接続されている。MFC62は、ガス流量制御器を構成する。ガス供給源(図示せず)は、処理ガス、不活性ガス等の所望のガスを供給する。
【0052】
回転機構70及びボートエレベータ48には駆動制御部72が電気配線によって電気的に接続されている。駆動制御部72は、回転機構70及びボートエレベータ48を、所望の動作をするように所望のタイミングにて制御する。
【0053】
ボート47は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料から形成されている。ボート47は、複数枚のウエハ1を水平姿勢でかつ互いに中心を揃えた状態に整列させて多段に保持する。
【0054】
なお、ボート47の下部には複数枚の断熱板73が水平姿勢で多段に配置されている。断熱板73は、例えば石英や炭化シリコン等の耐熱性材料が使用されて、円板形状に形成されている。断熱板73は、断熱部材を構成している。複数枚の断熱板73は、ヒータ52からの熱がマニホールド59側に伝わり難くさせる。
【0055】
プロセスチューブ54内には温度センサ74が設置されている。温度センサ74は、温度検出器を構成している。ヒータ52及び温度センサ74には温度制御部75が電気配線によって電気的に接続されている。
【0056】
予備室45には、クリーンエアとして窒素ガスが充満している。この状態で、予備室45の酸素濃度は、例えば20ppm以下と、メイン筐体11の内部である大気雰囲気の酸素濃度よりも遥かに低くなっている。
【0057】
なお、容器搬入搬出口12からメイン筐体11内に容器搬送機構35bによって搬入された容器2が、ウエハ搬入搬出口41に設置された容器オープナ42に直接的に搬送される場合もある。
【0058】
(制御部)
制御部77は、図4に示されるように、CPU80A、RAM80B、記憶部80C及び入出力部(I/Oポート)80Dを有している。I/Oポート80Dは、温度制御部75、ガス流量制御部64、圧力制御部69、及び駆動制御部72と接続されている。また、制御部は、外部通信部82A、外部記憶部82B、操作部82C、及び表示部82Dと接続されている。I/Oポート80Dを介して制御部77は、ロードポート14、マッピング装置27、回転式容器棚31、容器搬送装置35、容器オープナ42、ウエハ移載機構46等の基板処理装置内のすべての動作を制御する。すなわち、制御部77は、容器2を回転式容器棚31、移載部86、及びロードポート14へのいずれかを搬送するよう制御可能とされている。また、制御部77は、窒素ガス供給装置(図示せず)及び排気装置(図示せず)を制御する。
【0059】
MFC62にはガス流量制御部64が電気配線によって電気的に接続されており、ガス流量制御部64は、供給するガスの流量が所望の量となるよう所望のタイミングをもって、MFC62を制御する。
【0060】
マニホールド59には処理室57内の雰囲気を排気する排気管65が設けられている。排気管65は、筒状空間58の下端部に配置されており、筒状空間58に連通している。
【0061】
排気管65にはマニホールド59との接続側と反対側(すなわち下流側)に、図示しない圧力センサ及び図示しない圧力調整装置を介して排気装置(図示せず)が接続されている。図示しない圧力センサは、圧力検出器を構成する。排気装置は、真空ポンプ等によって構成されている。図示しない圧力センサ、図示しない圧力調整装置及び排気装置は、処理室57内を、その圧力が所定の圧力(すなわち所定の真空度)となるように排気する。
【0062】
図示しない圧力調整装置及び図示しない圧力センサには圧力制御部69が電気配線によって電気的に接続されている。圧力制御部69は、図示しない圧力調整装置を、図示しない圧力センサにより検出された圧力に基づいて処理室57内の圧力が所望の圧力となるよう所望のタイミングにて、制御する。
【0063】
温度制御部75は、温度センサ74により検出された温度情報に基づきヒータ52への通電具合を調整することにより、処理室57内の温度が所望の温度分布となるようにヒータ52を所望のタイミングにて制御する。
【0064】
シールキャップ50は、マニホールド59下端に垂直方向下側から当接する。シールキャップ50は、マニホールド59の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体を構成している。
【0065】
シールキャップ50は、例えばステンレス等の金属であり、円盤状に形成されている。シールキャップ50の上面にはシール部材としてのOリング50aが設けられている。Oリング50aは、マニホールド59の下端と当接する。
【0066】
シールキャップ50には処理室57と反対側に、ボートを回転させる回転機構70が設置されている。回転機構70の回転軸71は、シールキャップ50を貫通して、ボート47に接続されている。回転軸71は、ボート47を回転させることにより、ウエハ1を回転させる。
【0067】
また、本実施形態に係る基板処理装置10の制御部77は、外部通信部82Aを介して図示しない外部設備と接続されている。外部設備は、外部通信部82Aを介して制御部77と通信可能とされており、外部設備は、制御部77から種々の情報が報告される。また、外部設備は、制御部77から情報が報告された場合に、応答情報を返送する。
【0068】
(表示部82D)
表示部82Dは、図1に示されるように、正面開口14C上部に取り付けられている。表示部82Dは、一例として液晶ディスプレイであり、表示内容を制御部77によって制御される。
【0069】
なお、本実施形態に係るCPU80Aは、さらに表示部82Dの画面表示を制御する動作を実行することにより、図5に示されるように、メイン筐体11の内側に格納されている容器2の個数及び状態を表示部82Dに表示させることができる。
【0070】
より具体的には、CPU80Aは、図5に示されるように、表示部82Dの画面に、ロードポート用オブジェクト92A、格納棚用オブジェクト92B、及びオープナ用オブジェクト92Cを表示させる。ロードポート用オブジェクト92A、格納棚用オブジェクト92B、及びオープナ用オブジェクト92Cには、筐体内部における容器2の有無及び状態と対応するアイコン94が表示される。
【0071】
より具体的にはロードポート用オブジェクト92Aには、ロードポート14に容器2が載置されている場合に、アイコン94が表示される。また、格納棚用オブジェクト92Bは、ロードポート14に容器2が載置されている場合に、アイコン94が表示される。また、オープナ用オブジェクト92Cには、載置台43に容器2が載置されている場合に、アイコン94が表示される。
【0072】
また、これらのアイコン94には、図5に示されるように、一例として、容器2に収容されたウエハ1の種類、容器2に収納されているウエハ1の状態、及びウエハ1の基板処理の実行の可否について表示される。より具体的には、アイコン94におけるウエハ1の種類として、容器2に収容された基板が、半導体装置の原材料として用いられるものであるか、基板処理に用いられるダミーであるか、が示される。また、アイコン94におけるウエハ1の状態として、ウエハ1の基板処理が完了しているか、又は基板処理が完了していないか、が示される。また、アイコン94におけるウエハ1の基板処理の実行可否として、マッピングが完了しているか、又はマッピングが行われていないか、が示される。言い換えれば、本実施形態では、アイコン94によって、容器2の状態情報が示される。なお、本実施形態において、ロードポート14、回転式容器棚31、移載部86のそれぞれにおいて、容器2が配置されていない箇所には、アイコン94が表示されずに、容器2が配置されていないことが示される。
【0073】
なお、図5に示されるように、ロードポート用オブジェクト92Aは、格納棚用オブジェクト92B及びオープナ用オブジェクト92Cと表示されている項目が異なる。具体的には、図5に示されるように、ロードポート用オブジェクト92Aは、ロードポート14が使用中である場合に、使用中であることを示すマーク92Dがさらに表示されている。すなわち、マーク92Dが表示されているロードポート14は、容器2の載置を受付けないことを示している。
【0074】
続いて、移載部86において、容器2がマッピングされる様子を説明する。移載部86の載置台43に容器2が載置された場合、容器オープナ42によって容器2のウエハ出し入れ口が開放される。そして、マッピング装置27が容器2のウエハ出し入れ口に挿入され、マッピング装置27は、容器2内のウエハ1をマッピングする。
【0075】
所定のマッピングが完了すると、マッピング装置27がウエハ出し入れ口から元の待機位置に復帰される。その後に、容器オープナ42は、ウエハ出し入れ口を閉じる。
【0076】
なお、このマッピング装置27によって読み取ったマッピング情報と、当該容器(読み取り対象となった容器)2に関して予め提供されたマッピング情報とが相違した場合には、相違が発見された容器2は、ロードポート14に搬送される。そして、容器2は、ロードポート14からウエハ編成工程又は直前の工程等に工程内搬送装置、例えば、図1に示されたAGV9によって直ちに搬送される。
【0077】
次に、本開示の一実施形態である半導体装置の製造方法を、以上の構成に係る基板処理装置10を用いた場合について説明する。本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、容器2を載置部に載置する手順と、容器2を回転式容器棚31又は移載部38に搬送する手順と、薄膜をCVD法により形成する方法と、を有する。なお、以下の説明において、基板処理装置を構成する各部の作動は、制御部77により制御される。
【0078】
(半導体装置の製造方法)
(容器を載置部に載置する手順)
図1から図3に示されているように、工程内搬送装置が、正面開口14C若しくは、天井開口14Bを経由し、ロードポート14に搬入した際に、容器2は、保持台18に載置される。
【0079】
このとき、保持台18の受けキネマティックピンが容器2の下面の位置決め穴に嵌入されることにより、容器2は、保持台18に位置決めされた状態になる。
【0080】
容器搬入搬出口12は、フロントシャッタ13によって開放される。
【0081】
続いて、容器搬送機構35bが容器搬入搬出口12を潜り、保持台18によって支持された容器2は、容器搬送装置35の容器搬送機構35bによって下側から掬い取られる。つまり、保持台18と容器搬送機構との間で容器2は、受け渡される。
【0082】
容器搬送機構35bによって掬い取られた容器2は、容器搬入搬出口12からメイン筐体11内に搬入される。
【0083】
図1及び図2に示されているように、搬入された容器2は、回転式容器棚31の指定された棚板33へ容器搬送装置35によって自動的に搬送されて受け渡される。
【0084】
このとき、棚板33の受けキネマティックピン34が容器2の下面の位置決め穴に嵌入されることにより、容器2は、棚板33に位置決め保持された状態になる。
【0085】
ここで、本実施形態に係る、載置部に載置された容器2を回転式容器棚31又は移載部86に搬送する動作を、図6を参照しながら説明する。
【0086】
(容器を回転式容器棚又は移載部に搬送する手順)
制御部77のCPU80Aは、記憶部80Cに記憶されたプログラムをRAM80Bに読み込み、種々の制御動作を実行する。続いて、本実施形態において、ロードポート14に容器2が置かれた場合にCPU80Aが行う動作について、図6を参照しながら説明する。なお、CPU80Aは、回転式容器棚31のうち容器2が置かれていない棚があることを確認したうえで、手順を実行する。すなわち、本手順は、図6に示されるように、ポート用オブジェクト92A及び格納棚用オブジェクト92Bのうち、それぞれアイコン94が表示されていない箇所がある状態で開始される。
【0087】
まずステップS102において、CPU80Aは、ロードポート14に容器2が置かれたことを認識した場合に、ロードポート14の正面にある正面開口14Cを開くことを制限する。そして、容器搬送装置35を駆動させて、ロードポート14に載置されている容器2を保持する。そして、ロードポート14は、保持した容器2をメイン筐体11の内側に引きいれる。言い換えれば、CPU80Aは、ロードポート14に容器2が置かれていたことを認識した場合に、容器2を容器搬送装置35に保持させることによって、ロードポート14に空きを生じさせる。また、CPU80Aは、表示部82Dのポート用オブジェクト92Aのうち、容器2が置かれたロードポート14に対応する箇所にアイコン94を表示させる。その後、CPU80Aは、ステップS104に移行する。
【0088】
ステップS104において、CPU80Aは、ロードポート14に容器2の受付を許可させる。より具体的には、CPU80Aは、移載部86の使用状態にかかわらず、ロードポート14に載置された容器2を容器搬送装置35に保持させ、次の容器2の載置台43への載置を受け付けさせる工程を実行する。そして、CPU80Aは、一例として作業者に正面開口14Cを開くことを可能とさせるとともに、外部通信部82Aを介して図示しない外部設備と接続する。CPU80Aは、外部設備にロードポート14への容器2の受付が可能であることを報告するこれにより、作業者は、新たな容器2を続けてロードポート14に置くことが可能とされる。また、CPU80Aは、表示部82Dのポート用オブジェクト92Aのうち、搬送された容器2が置かれていたロードポート14に対応する箇所のアイコン94を非表示とさせる。その後CPU80Aは、ステップS106に移行する。
【0089】
また、ステップS106において、CPU80Aは、移載部86に容器2の空き、すなわち移載部86に容器2の搬送が可能であるか確認する。そして、CPU80Aは、ステップS106において肯定判定、すなわち移載部86が使用可能であると判定した場合に、ステップS108へと移行する。一方、CPU80Aは、ステップS106において否定判定、すなわち移載部86が使用不可であると判定した場合に、ステップS114へと移行する。なお、本実施形態においてCPU80Aは、ステップS106において、肯定判定、及び否定判定のいずれをする場合においても、移載部86の使用状態の報告を、外部通信部82Aを介して図示しない外部設備へ報告する。そして、CPU80Aは、外部設備から移載部86の使用状態の報告に対する応答を待たずに、ステップS108又はステップS114へと移行する。
【0090】
また、ステップS108において、CPU80Aは、容器搬送装置35に、保持させた容器2を、移載部86複数の載置台43のうち、空いている載置台43へ搬送させる。言い換えれば、CPU80Aは、ロードポート14に載置され扉を有しウエハ1が収容された容器2を、扉を開閉し収容されたウエハ1の状態確認をする移載部86へ搬送する工程を実行する。また、CPU80Aは、表示部82Dのオープナ用オブジェクト92Cのうち、搬送された容器2が置かれた載置台43に対応する箇所のアイコン94を表示させる。その後、CPU80Aは、ステップS110に移行する。
【0091】
また、ステップS110において、CPU80Aは、容器2内の基盤の状態を確認する。より具体的には、CPU80Aは、容器オープナ42を制御し、容器オープナ42に容器2の扉を開けさせる。また、CPU80Aは、マッピング装置27を制御し、容器2に収容されたウエハ1の状態を確認させる。そして、CPU80Aは、マッピング装置27から容器2に収容されたウエハ1の状態を受信し、容器オープナ42に容器2の扉を示させる。その後、CPU80Aは、ステップS112へと移行する。
【0092】
なお、ウエハ移載機構46のツィーザ46cの先端に確認部としてのセンサ46dを設けても良く、CPU80Aは、センサ46dによって、容器2に収容されたウエハ1の状態を確認させてもよい。
【0093】
また、ステップS112において、CPU80Aは、容器搬送装置35に、ウエハ1の状態を確認した容器2を、移載部86から回転式容器棚31の空きがある棚板33へと搬送させる。また、CPU80Aは、表示部82Dのオープナ用オブジェクト92Cのうち、搬送された容器2が置かれていた載置台43に対応する箇所のアイコン94を非表示とさせる。また、CPU80Aは、表示部82Dの格納棚用オブジェクト92Bのうち、搬送された容器2が置かれた棚板33に対応する箇所のアイコン94を表示させる。その後、CPU80Aは、容器2の搬送フローを終了する。
【0094】
なお、ステップS114において、CPU80Aは、容器搬送装置35に、ロードポート14から引き入れた容器2を、移載部86から回転式容器棚31の空きがある棚板33へと搬送させる。また、CPU80Aは、表示部82Dのポート用オブジェクト92Aのうち、搬送された容器2が置かれていたロードポート14に対応する箇所のアイコン94を非表示とさせる。また、CPU80Aは、表示部82Dの格納棚用オブジェクト92Bのうち、搬送された容器2が置かれた棚板33に対応する箇所のアイコン94を表示させる。その後、CPU80Aは、容器2の搬送フローを終了する。
【0095】
なお、上述の手順では、CPU80Aは、回転式容器棚31に空きがある場合について説明したが、回転式容器棚31に空きがない場合は、上述の手順を実行しないものとしてもよい。すなわち、CPU80Aは、回転式容器棚31に1以上の空きがある場合にのみ、上述の手順を実行するものとしてもよい。この場合、ロードポート14に容器2が置かれた場合、CPU80Aは、容器2を筐体の内側に引き入れた後、ステップS104のように、容器2の受付を許可させる手順を実施しない。その他の手順は、上述の手順と同様である。
【0096】
なお、上述の手順において、CPU80Aは、一例として移載部86に搬送されず、回転式容器棚31に直接搬送された容器2の位置を記憶部80Cに記憶する。言い換えれば、CPU80Aは、ウエハ1の状態を確認されていない容器2の位置を記憶部80Cに記憶する。この場合、CPU80Aは、上記の手順とは別個の手順において、移載部86に空きが生じたことを確認した場合に、回転式容器棚31から、ウエハ1の状態が確認されていない容器2を、上述したステップS108と同様に移載部86に搬送する。そして、以後のステップS110及びステップS112を実行し、ウエハ1の状態を確認する。
【0097】
このようにして容器2は、棚板33に一時的に保管され、容器2に収容されたウエハ1が処理に供されるまで、棚板33にて待機する。
【0098】
容器2は、棚板33から一方の容器オープナ42に容器搬送装置35によって搬送されて載置台43に移載される。
【0099】
この際、容器オープナ42のウエハ搬入搬出口41は、着脱機構44によって閉じられており、予備室45にはクリーンエアが流通されて充満されている。
【0100】
載置台43に載置された容器2は、開口側端面が正面壁40aにおけるウエハ搬入搬出口41開口縁辺部に押し付けられる。続いて、扉4が着脱機構44によって取り外され、容器2は、ウエハ出し入れ口を開放される。
【0101】
容器2が容器オープナ42によって開放されると、ウエハ移載装置46aは、ツィーザ46cによってウエハ1を、ウエハ出し入れ口を通じて容器2からピックアップする。ウエハ1をツィーザ46cによってピックアップすると、ウエハ移載装置46aは、ウエハ1をノッチ合わせ装置(図示せず)に搬送する。ノッチ合わせ装置は、ウエハ1を位置合わせする。位置合わせ後に、ウエハ移載装置46aは、ツィーザ46cによってウエハ1をノッチ合わせ装置からピックアップし、ボート47に搬送する。ウエハ移載装置46aは、搬送したウエハ1をボート47に装填する。
【0102】
ボート47にウエハ1を受け渡したウエハ移載装置46aは、容器2に戻り、次のウエハ1をボート47に装填する。
【0103】
この一方(上段又は下段)の容器オープナ42におけるウエハ移載機構46によるウエハ1のボート47への装填作業中に、他方(下段又は上段)の容器オープナ42には回転式容器棚31から別の容器2が容器搬送装置35によって搬送されて移載される。この他方の容器オープナ42においては、容器オープナ42による容器2の開放作業が同時進行される。
【0104】
予め指定された枚数のウエハ1がボート47に装填されると、炉口シャッタ(図示せず)によって閉じられていた処理炉51の下端部が、炉口シャッタによって開放される。
【0105】
続いて、ウエハ1群を保持したボート47は、シールキャップ50がボートエレベータ48によって上昇されることにより、処理炉51内へ搬入されて行く。
【0106】
ここで、処理炉51を用いてウエハ1上に薄膜をCVD法により形成する方法について説明する。なお、以下の説明において、処理炉51を構成する各部の動作は、制御部77により制御される。
【0107】
(薄膜をCVD法により形成する方法)
複数枚のウエハ1がボート47に装填されると、図4に示されているように、複数枚のウエハ1を保持したボート47は、ボートエレベータ48によって持ち上げられて、処理室57に搬入される。
【0108】
この状態で、シールキャップ50は、Oリング50aを介してマニホールド59の下端をシールした状態となる。
【0109】
処理室57内は、所望の圧力となるように、排気装置68によって排気される。この際、処理室57内の圧力は、図示しない圧力センサで測定され、この測定された圧力に基づき、図示しない圧力調整装置がフィードバック制御される。
【0110】
また、処理室57内は、所望の温度となるようにヒータ52によって加熱される。この際、処理室57内が所望の温度分布となるように、温度センサ74が検出した温度情報に基づきヒータ52への通電具合がフィードバック制御される。
【0111】
続いて、回転機構70によってボート47が回転されることにより、ウエハ1が回転される。
【0112】
次いで、ガス供給源63から供給されてMFC62にて所望の流量となるように制御されたガスが、ガス供給管61を流通してノズル60から処理室57内に導入される。
【0113】
導入されたガスは、処理室57内を上昇し、インナチューブ56の上端開口から筒状空間58に流出して排気管65から排出する。
【0114】
ガスは、処理室57内を通過する際にウエハ1の表面と接触する。この際に、ウエハ1の表面上に薄膜が熱CVD反応によって堆積される。
【0115】
予め設定された処理時間が経過すると、ガス供給源63からガス供給管61を通じて不活性ガスが供給され、処理室57内が不活性ガスに置換されるとともに、処理室57内の圧力が常圧に復帰される。なお、本明細書における処理時間とは、その処理を継続する時間を意味する。これらは、以下の説明においても同様である。
【0116】
その後、ボートエレベータ48によりシールキャップ50が下降されて、マニホールド59の下端が開口されるとともに、処理済ウエハ1がボート47に保持された状態でマニホールド59の下端からプロセスチューブ54の外部に搬出される。
【0117】
ボートアンローディングされた処理済ウエハ1は、ウエハ移載装置46aによってボート47から取り出され、容器オープナ42に予め搬送された空の容器2に戻される。
【0118】
所定枚数の処理済みウエハ1が収納されると、容器2のウエハ出し入れ口には扉4が容器オープナ42によって装着される。
【0119】
ウエハ出し入れ口を閉塞された容器2は、回転式容器棚31の指定された棚板33へ容器搬送装置35によって自動的に搬送されて受け渡される。
【0120】
容器2は、一時的に保管される。その後に、フロントシャッタ13が開くと、容器搬送装置35は、容器2を棚板33から容器搬入搬出口12に搬送し、容器エレベータ15の保持台18上に容器搬入搬出口12を潜らされて受け渡す。
【0121】
なお、処理済みウエハ1を収納した容器2が容器オープナ42から容器搬入搬出口12へ、容器搬送装置35によって直接的に搬送される場合もある。
【0122】
保持台18上に容器2が受け渡されると、フロントシャッタ13が閉じる。また、容器エレベータ15のシャフト17が昇降駆動装置16によってロードポート14上に下降される。
【0123】
ロードポート14上に下降された容器2は、所定の工程へ、工程内搬送装置、例えば、図1に示されたAGV9によって搬送されて行く。
【0124】
続いて、本実施形態に係る基板処理装置10によって得られる作用及び効果について説明する。本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果が得られる。
【0125】
(作用効果)
本実施形態に係る基板処理装置10によれば、移載部86の使用状態にかかわらず、制御部77が容器搬送装置35にロードポート14に載置された容器2を保持させる。これにより、ロードポート14への次の容器2の載置を受付可能とすることで、容器2の載置待ち時間を短縮することが可能となり、ウエハ1の処理効率が向上する。
【0126】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、回転式容器棚31に格納する容器2に収容されたウエハ1の状態を確認済とすることで、後の処理がスムーズに流れる。
【0127】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、条件に応じて搬送ルートを決めておくことで、1つの容器搬送装置35で容器2の搬送がスムーズに行われる。
【0128】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、容器搬送装置35は容器2を保持したまま待機することがないので、次の工程へスムーズに移行できる。
【0129】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、回転式容器棚31から移載部86へ容器2を搬送するルートと、ロードポート14から移載部86へ容器2を搬送するルートを設けることで、ウエハ1の処理中に移載部86の待ち時間が発生しない。
【0130】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、回転式容器棚31から移載部86へ容器2を搬送するルートと、ロードポート14から移載部86へ容器2を搬送するルートを設けることで、ウエハ1処理中に移載部86の待ち時間が発生しない。
【0131】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、容器2に収容されたウエハ1の状態をもれなく確認できる。
【0132】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、ロードポート14で容器2同士が衝突しない。
【0133】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、図示しない外部設備に対して、ロードポート14での容器2の載置許可の有無を報告することで、図示しない外部設備側でのロードポート14の状態を把握することができる。
【0134】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、図示しない外部設備に対して、移載部86の状態を報告することで、図示しない外部設備は次の動作(容器2の回収や、ウエハ1の処理開始等)を指示することができる。
【0135】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、図示しない外部設備からの応答を待たずに容器2をロードポート14から回転式容器棚31に搬送することで工程時間短縮に貢献できる。
【0136】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、容器2の格納位置と容器2の状態を記憶することで、回転式容器棚31に格納された容器2の把握が容易となる。
【0137】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、表示部84にロードポート14、回転式容器棚31、移載部86のそれぞれの容器2の状態を表示することで、容器2内のウエハ1の状態を容易に把握することができる。
【0138】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、表示部84にロードポート14、回転式容器棚31、移載部86のそれぞれの容器2の状態を表示することで、目視にて容器2の状態を確認できる。
【0139】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、表示部84にロードポート14の状態を表示することで、目視にてロードポート14の使用可否を容易に把握することができる。
【0140】
また、本実施形態に係る基板処理装置10によれば、表示を異ならせることで、文字表示と比較して容器2内のウエハ1状態を間違いなく識別できる。
【0141】
また、本実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、移載部86の使用状態にかかわらず、制御部77が容器搬送装置35にロードポート14に載置された容器2を保持させ、ロードポート14への次の容器2の載置を受付可能とすることで、容器2の載置待ち時間を短縮することが可能となり、基板処理効率が向上する。
【0142】
また、本実施形態に係る基板処理装置10が有するプログラムによれば、移載部86の使用状態にかかわらず、制御部77が容器搬送装置35にロードポート14に載置された容器2を保持させ、ロードポート14への次の容器2の載置を受付可能とすることで、容器2の載置待ち時間を短縮することが可能となり、基板処理効率が向上する。
【0143】
(変形例)
なお、本開示は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0144】
例えば、上述の説明では、制御部77のCPU80Aがプログラムを実行することによって、各手順を実行していたが、本実施形態に係るプログラムは、制御部77に代えて、図示しない外部装置が有するコンピュータに実行させてもよい。この場合、コンピュータは、外部通信部82Aを介して制御部77を制御することにより、上述と同様の手順を実行してもよい。
【0145】
また、本実施形態に係るプログラムは、不揮発性の記録媒体に記録して、外部記憶部82Bを介して、基板処理装置1に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記録媒体の例としては、CD-ROM、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM、フラッシュメモリ、メモリカード、USB等が想定される。
【0146】
例えば、容器保管室の密閉性や装置外へのパーティクル飛散防止等を考慮すれば、フロントシャッタ13を設けたり、容器搬入搬出口12は、開口サイズを小さく形成したりした方がよい。しかし、フロントシャッタ13は、無くてもよい。
【0147】
また、容器搬入搬出口12を最大限大きくして、実質的に密閉筐体21より上方の区画壁の殆ど全てを開口してもよい。
【0148】
例えば、容器搬送装置35がアクセス可能な高さ位置まで容器エレベータ15により保持台18(天板)を予め上昇させておきその位置でOHTから容器を受け取り、保持台18を下降させて扉4の開閉動作を行うことなく、容器搬送装置35により保持台18から容器を受け取るようにしてもよい。
【0149】
上述の態様では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述の態様では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、これに限らず、拡散装置やアニール装置及び酸化装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0150】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の態様や変形例と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上述の態様や変形例と同様の効果が得られる。
【0151】
基板は、ウエハに限らず、ホトマスクやプリント配線基板、液晶パネル、コンパクトディスク及び磁気ディスク等であってもよい。
【0152】
以上、添付図面を参照しながら本開示の実施形態を説明したが、本開示の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0153】
1 ウエハ(基板の一例)
2 容器
4 扉
10 バッチ式CVD装置(基板処理装置の一例)
14 ロードポート(載置部の一例)
27 マッピング装置(確認部の一例)
31 回転式容器棚(格納部の一例)
35 容器搬送装置(搬送部の一例)
42 容器オープナ(開閉部の一例)
51 処理炉(処理部の一例)
77 制御部
86 移載部
図1
図2
図3
図4
図5
図6