(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025007926
(43)【公開日】2025-01-17
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理システム、半導体装置の製造方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20250109BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/31 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109674
(22)【出願日】2023-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 司
【テーマコード(参考)】
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
5F045AA06
5F045DP19
5F045DQ05
5F045EK06
5F045EN04
5F045EN05
5F045EN06
5F131AA02
5F131BB03
5F131CA32
5F131CA45
5F131CA48
5F131DA07
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5F131DA32
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5F131DA36
5F131DB02
5F131DB52
5F131DB72
5F131DB76
5F131DD03
5F131DD29
5F131DD35
5F131DD57
5F131DD63
5F131DD67
5F131DD83
5F131EB04
5F131EB23
5F131EB81
5F131EC02
5F131EC05
5F131GA14
(57)【要約】
【課題】オペレータによる搬送ロボットの動作情報の設定作業に掛かる負担を軽減可能な技術を提供する。
【解決手段】基板を収容する容器が載置される載置室と、前記容器との間で基板の出し入れを行う第一搬送ロボットを内部に備える第一搬送室と、前記基板を処理する複数の処理モジュールと、前記第一搬送室と前記処理モジュールとの間で前記基板の受け渡しを行うと共に第二搬送ロボットを内部に備える第二搬送室と、前記載置室、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールの配置を示す複数のレイアウト情報が記憶された記憶部と、前記記憶部の前記レイアウト情報に基づき、前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御可能な制御部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容する容器が載置される載置室と、
前記容器との間で基板の出し入れを行う第一搬送ロボットを内部に備える第一搬送室と、
前記基板を処理する複数の処理モジュールと、
前記第一搬送室と前記処理モジュールとの間で前記基板の受け渡しを行うと共に第二搬送ロボットを内部に備える第二搬送室と、
前記載置室、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールの配置を示す複数のレイアウト情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部の前記レイアウト情報に基づき、前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御可能な制御部と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
前記載置室、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールは、前記載置室がメンテナンスエリアの正面に配置されると、
前記第一搬送室は、前記載置室の後方に前記載置室と平行となるように配置され、
前記第二搬送室は、前記第一搬送室の後方に前記第一搬送室と直交するように配置され、
前記処理モジュールは、前記第一搬送室の後方に前記第二搬送室に平行となるように配置される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
複数の前記処理モジュールの各々には、前記基板の出入口が設けられており、
前記レイアウト情報には、平面視で、各々の前記出入口が前記第二搬送室における基板搬送方向に対して直交する第一方向を向くように複数の前記処理モジュールが配置される第一レイアウト情報と、平面視で、各々の前記出入口が前記基板搬送方向に対して前記第一方向と異なる第二方向を向くように複数の前記処理モジュールが配置される第二レイアウト情報と、が含まれる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第一方向と前記第二方向は互いに逆方向である、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記記憶部は、複数の前記レイアウト情報の各々に紐づけて前記第一搬送ロボットの搬送動作情報及び前記第二搬送ロボットの搬送動作情報を複数記憶する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
複数の前記レイアウト情報から一つのレイアウト情報を選択するための情報を設定可能な操作部を有する、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御する搬送制御部を有し、
前記制御部は、複数の前記レイアウト情報のうち、選択されたレイアウト情報に紐づく前記搬送動作情報を取得して前記搬送制御部に渡すことにより前記第一搬送ロボット及び第二搬送ロボットの動作を制御可能な、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
複数の前記処理モジュールの各々には、前記基板の出入口が設けられており、
前記第二搬送ロボットの搬送動作情報は、前記出入口を介して前記処理モジュールの内部との間で前記基板の受け渡しを行う受け渡し方向の情報を含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記第二搬送ロボットの搬送動作情報は、複数の前記処理モジュールの位置情報を含む、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第二搬送室は、搬送レールを備え、
前記第二搬送ロボットは、前記位置情報に基づいて前記搬送レール上を指定された前記処理モジュールに向けて移動することにより前記基板を搬送する、請求項9に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第二搬送ロボットは、水平方向に回転可能且つ伸縮可能なアームを有し、
前記アームは、前記処理モジュールとの間で前記基板の受け渡しを行う、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第一搬送ロボットは水平方向に回転可能且つ伸縮可能なアームを有し、
前記アームは、前記容器との間で前記基板の出し入れを行う、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第一搬送ロボットと前記第二搬送ロボットは、互いに前記基板の受け渡しを直接行う、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記載置室、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールが接続されると、複数の前記レイアウト情報の中から一つの前記レイアウト情報を選択可能になる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項15】
複数の請求項1に記載の基板処理装置を有し、前記複数の基板処理装置が有するメンテナンスエリアを共有するように配置する、基板処理システム。
【請求項16】
前記メンテナンスエリアは、複数の前記処理モジュールの前記第二搬送室側と反対側に設定される、請求項15に記載の基板処理システム。
【請求項17】
基板を収容する容器が載置される載置室から第一搬送室の第一搬送ロボットで前記基板を取り出し、第二搬送室の第二搬送ロボットへ基板を渡し、前記第二搬送ロボットが受け取った前記基板を、前記基板を処理する複数の処理モジュールへ搬送する動作が可能な、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールの配置を示すレイアウト情報を記憶する工程と、
前記レイアウト情報に基づき、前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御する工程と、
前記第二搬送ロボットから受け取った前記基板を前記処理モジュールで処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項18】
基板を収容する容器が載置される載置室から第一搬送室の第一搬送ロボットで前記基板を取り出し、第二搬送室の第二搬送ロボットへ基板を渡し、前記第二搬送ロボットが受け取った前記基板を、前記基板を処理する複数の処理モジュールへ搬送する動作が可能な、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールの配置を示すレイアウト情報を記憶する手順と、
前記レイアウト情報に基づき、前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御する手順と、
前記第二搬送ロボットから受け取った前記基板を前記処理モジュールで処理する手順と、
をコンピュータによって基板処理装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、基板処理システム、半導体装置の製造方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、半導体製造装置における基板搬送ロボットの伸縮及び回転速度を制御する技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、工場等に基板処理装置が設置されると、オペレータは装置を構成する各部屋の配置に応じて基板を搬送する搬送ロボットの搬送動作情報を設定する設定作業を行う。
【0005】
本開示は、オペレータによる基板を搬送する搬送ロボットの搬送動作情報の設定作業に掛かる負担を軽減可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、
基板を収容する容器が載置される載置室と、
前記容器との間で基板の出し入れを行う第一搬送ロボットを内部に備える第一搬送室と、
前記基板を処理する複数の処理モジュールと、
前記第一搬送室と前記処理モジュールとの間で前記基板の受け渡しを行うと共に第二搬送ロボットを内部に備える第二搬送室と、
前記載置室、前記第一搬送室、前記第二搬送室、及び前記処理モジュールの配置を示す複数のレイアウト情報が記憶された記憶部と、
前記記憶部の前記レイアウト情報に基づき、前記第一搬送ロボット及び前記第二搬送ロボットの動作を制御可能な制御部と、
を備える技術が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、オペレータによる基板を搬送する搬送ロボットの搬送動作情報の設定作業に掛かる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は本開示の一実施形態に係る基板処理装置の概略平面図である。
【
図2A】
図2Aは本開示の一実施形態に係る基板処理装置の概略側面図である。
【
図2B】
図2Bは本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備える処理モジュールの構成を示す概略断面である。
【
図3】
図3は本開示の一実施形態に係る基板処理装置が備える制御部の構成を示す図である。
【
図4】
図4は本開示の一実施形態に係る基板処理装置の装置構成を設定するための設定画面である。
【
図5】
図5は設定された装置構成を表示した図である。
【
図6】
図6は本開示の一実施形態に係る基板処理装置の装置構成のレイアウト情報を示す図である。
【
図7】
図7は本開示の一実施形態に係る基板処理装置におけるレイアウト情報の設定フローを示す図である。
【
図8】
図8は本開示の一実施形態に係る基板処理システムが有する複数の基板処理装置の配置を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面上の各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0010】
<基板処理装置>
本実施形態の基板処理装置20は、縦型反応炉を備える基板処理装置である。
【0011】
基板処理装置20は、
図1、
図2A及び
図2Bに示されるように、基板(ウエハ)Wを処理する複数の処理モジュール30を備えている。本実施形態では、一例として、基板処理装置20は4つの処理モジュール30を備えているが、これに限定されない。例えば、基板処理装置20が備える処理モジュール30の数は、3つ以下でも5つ以上でもよい。
【0012】
4つの処理モジュール30は、
図1に示されるように水平方向に一列に並べられている。4つの処理モジュール30は、それぞれ独立して基板Wの処理を行うことが可能である。すなわち、4つの処理モジュール30は、後述する制御部100によって独立して制御される。
【0013】
なお、ここでいう基板Wには、製品基板、ダミー基板及びモニタ基板等が含まれる。つまり、基板支持台40に支持される基板Wは、製品基板、ダミー基板及びモニタ基板の場合があり、これらが混在して支持される場合もある。
【0014】
処理モジュール30は、
図2Bに示されるように、処理容器の一例としての反応炉32を備えている。この反応炉32は、処理モジュール30の上部に位置している。この反応炉32の内側には基板Wが装入される。具体的には、少なくとも一枚の基板Wを支持する基板支持台40が反応炉32の内側に装入(搬入)される。なお、反応炉32の内側の空間は、基板Wを処理する処理室ともいう。反応炉32には、反応炉32内に処理ガス及び不活性ガス等を供給するガス供給系(図示省略)が接続されている。このガス供給系により反応炉32内に所定量のガスが供給される。また、反応炉32には、反応炉32内から処理ガス及び不活性ガス等を排気する排気系(図示省略)が接続されている。この排気系により反応炉32内の圧力が調節される。また、反応炉32の外周には、加熱部の一例としてのヒータ(図示省略)が配置されている。このヒータにより、反応炉32内の温度が調節される。本実施形態では、処理モジュール30に設けられるガス供給系、排気系及びヒータは、
図3に示されるように、温度制御部122、ガス流量制御部124及び圧力制御部126によってそれぞれ制御される。そして、温度制御部122、ガス流量制御部124及び圧力制御部126は、後述する制御部100によって制御される。
【0015】
反応炉32に装入された基板Wは、反応炉32内でヒータによって加熱されると共に、ガス供給系から供給される処理ガスで処理される。このようにして反応炉32内、すなわち、処理室において基板Wが成膜処理される。
【0016】
また、処理モジュール30は、準備室36を備えている。この準備室36は、処理モジュール30の下部に位置している。換言すると、準備室36は、反応炉32の下方に位置している。準備室36は、反応炉32の炉口32Aを通して反応炉32内、すなわち処理室と連通する。この準備室36には、基板支持台40が固定された昇降装置37が設けられている。この昇降装置37は、昇降台37Aに固定された基板支持台40を、昇降台37Aと共に上方へ移動させて反応炉32内に装入する。昇降台37Aの周縁部は、反応炉32の炉口32Aの周辺部にシール部材(図示省略)を介して接触して反応炉32内と準備室36内を隔てる。なお、昇降装置37は、昇降台37Aを、鉛直方向を軸として水平方向に回転させる機能を有している。
図2Bでは、昇降装置37による昇降台37Aの昇降方向を矢印Zで示している。本実施形態における昇降台37Aの昇降方向は、鉛直方向と同じ方向である。
【0017】
処理モジュール30は、基板Wを出し入れするための出入口34を備えている。この出入口34は、ゲートバルブ35によって開閉される。なお、本実施形態の出入口34の大きさは、基板W及び該基板Wを支持した第二搬送ロボット60の伸縮アーム64及びハンド部66が出入り可能な大きさとされている。
【0018】
(第二搬送室)
基板処理装置20は、
図1及び
図2Bに示されるように、第二搬送ロボット60を内部に備える第二搬送室50を有している。第二搬送室50は、4つの処理モジュール30が並べられた方向に延びている。また、第二搬送室50は、各処理モジュール30及び第一搬送室86に隣接している。第二搬送室50は、各処理モジュール30の出入口34を介して各処理モジュール30と連通する。第二搬送室50を構成する筐体51は、処理モジュール30を構成する筐体31にそれぞれ固定されている。第二搬送室50内は、大気雰囲気で基板Wの搬送に適した清浄度が保たれている。なお、本開示はこの構成に限定されず、第二搬送室50に排気装置等を接続して第二搬送室50内を真空雰囲気にして基板Wの搬送に適した清浄度を保ってもよい
【0019】
第二搬送室50の床面には、4つの処理モジュール30が並べられた方向に延びる、搬送レール52が設けられている。この搬送レール52に沿って第二搬送ロボット60は移動する。なお、第二搬送ロボット60は、基板Wを保持した状態で基板Wを搬送レール52に沿って搬送する。以下では、第二搬送ロボット60が移動する方向、すなわち、基板Wが搬送される方向を、適宜、基板搬送方向という。基板搬送方向は、
図1において矢印Xで示す方向である。なお、
図2A及び
図2Bにおいて矢印UPで示す方向は、鉛直方向上向きを示している。
【0020】
(第二搬送ロボット)
第二搬送ロボット60は、
図1に示されるように、第二搬送室50内を搬送レール52に沿って移動するように構成されている。また、第二搬送ロボット60は、基板Wを保持した状態で移動可能な装置である。第二搬送ロボット60は、制御部100に制御されて目的の(指定された)処理モジュール30と基板受渡位置Dとの間を移動する。なお、基板受渡位置Dとは、第一搬送ロボット84と第二搬送ロボット60との間で基板Wを受け渡す位置であり、
図1において二点鎖線で示す位置である。
図1において示す基板受渡位置Dは一例であり、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の各構成及び装置条件により最適な位置を設定することが好ましい。
【0021】
第二搬送ロボット60は、第一搬送室86と処理モジュール30との間で基板Wの受け渡しを行うことが可能なように構成されている。具体的には、第二搬送ロボット60は、
図1及び
図2Aに示されるように、搬送台62と、伸縮アーム64と、ハンド部66と、を備えている。
【0022】
搬送台62は、搬送レール52上を移動する台座である。搬送台62の内部には、搬送レール52に沿って搬送台62を搬送方向へ移動させるための駆動部(図示省略)が設けられている。
【0023】
伸縮アーム64は、搬送台62上に水平方向に回転可能に設けられている。この伸縮アーム64は、伸縮可能なように構成されている。
【0024】
ハンド部66は、伸縮アーム64の先端に設けられている。このハンド部66で基板Wを保持する。具体的には、ハンド部66は、基板Wを下方から支持することにより基板Wを保持する。
【0025】
また、第二搬送ロボット60は、搬送台62に対して伸縮アーム64を昇降可能とする昇降装置(図示省略)を備えている。この昇降装置により伸縮アーム64が搬送台62に対して昇降する。
【0026】
第二搬送ロボット60は、基板支持台40へ向けて伸縮アーム64を伸ばしてハンド部66で保持した基板Wを基板支持台40へ渡したり、基板支持台40から処理済みの基板Wを受け取ったりすることが可能なように構成されている。
【0027】
第二搬送ロボット60は、基板支持台40との間で基板Wを受け渡しする動作と、第一搬送ロボット84との間で基板Wを受け渡す動作とが搬送制御部110によって制御されている。具体的には、第二搬送ロボット60は、搬送制御部110によって搬送台62の移動動作と、伸縮アーム64の伸縮動作と、伸縮アーム64の昇降動作とが制御されている。また、第二搬送ロボット60は、4つの処理モジュール30のうち、いずれの処理モジュール30に対して基板Wの受け渡しを行うかが制御部100によって制御される。
【0028】
(載置室)
基板処理装置20は、
図1に示されるように、容器80が載置されるロードポート82を備える載置室78を有している。
【0029】
容器80は、少なくとも1枚の基板Wを収容可能で外部配送可能な容器である。一例として、FOUP(FOUP:Front Opening Unified Pod)が挙げられるが、これに限定されない。なお、各容器80には、基板Wとして、製品基板、ダミー基板及びモニタ基板等が収容される。
【0030】
ロードポート82は、容器80を載置可能な台座である。一例として、本実施形態では、基板処理装置20の平面視で、4つのロードポート82が基板搬送方向と直交する方向に一列に並べられているが、これに限定されない。また、ロードポート82は、4つよりも多くてもよいし、4つ未満でもよい。
【0031】
容器80及びロードポート82は、載置室78内に配置されている。この載置室78は、筐体79により構成されている。
【0032】
(第一搬送室)
基板処理装置20は、
図1に示されるように、第一搬送ロボット84を内部に備える第一搬送室86を有している。第一搬送室86は、平面視で、基板搬送方向と直交する方向に延びている。なお、基板搬送方向と直交する方向については、適宜、基板受渡方向という。
図1では、基板受渡方向を矢印Yで示している。
【0033】
第一搬送室86は、載置室78と、処理モジュール30との間に位置している。第一搬送室86を構成する筐体87の一方の側面は処理モジュール30の筐体31に接続されている。筐体87の他方の側面には、4つのロードポート82にそれぞれ対応した位置に基板Wの出入口(図示省略)が設けられている。これらの出入口は、シャッタ(図示省略)によって閉じられている。また、第一搬送室86は、大気雰囲気で基板Wの搬送に適した清浄度が保たれている。なお、本開示はこの構成に限定されず、第一搬送室86に排気装置等を接続して第一搬送室86内を真空雰囲気にして基板Wの搬送に適した清浄度を保ってもよい。
【0034】
(第一搬送ロボット)
第一搬送ロボット84は、
図1に示されるように、第一搬送室86内をレール88に沿って移動するように構成されている。また、第一搬送ロボット84は、基板Wを保持した状態で移動可能な装置である。第一搬送ロボット84は、制御部100に制御されて目的の(指定された)容器80と、基板受渡位置Dとの間を移動する。
【0035】
第一搬送ロボット84は、ロードポート82に載置された容器80との間で基板Wの出し入れを行うことが可能なように構成されている。また、第一搬送ロボット84は、第二搬送ロボット60との間で基板Wの受け渡しを直接行うことが可能なように構成されている。具体的には、第一搬送ロボット84は、
図1及び
図2Aに示されるように、移動台85と、伸縮アーム84Aと、ハンド部84Bと、を備えている。
【0036】
移動台85は、レール88上を移動する台座である。移動台85の内部には、レール88に沿って移動台85を基板受渡方向へ移動させるための駆動部(図示省略)が設けられている。
【0037】
伸縮アーム84Aは、移動台85上に水平方向に回転可能に設けられている。この伸縮アーム84Aは、伸縮可能なように構成されている。
【0038】
ハンド部84Bは、伸縮アーム84Aの先端に設けられている。このハンド部84Bで基板Wを保持する。具体的には、ハンド部84Bは、基板Wを下方から支持することにより基板Wを保持する。
【0039】
また、第一搬送ロボット84は、移動台85に対して伸縮アーム84Aを昇降可能とする昇降装置(図示省略)を備えている。この昇降装置により伸縮アーム84Aが移動台85に対して昇降する。
【0040】
第一搬送ロボット84は、容器80へ向けて伸縮アーム84Aを伸ばしてハンド部84Bで基板Wを容器80から取り出したり、処理済みの基板Wを容器80へ入れたりすることが可能なように構成されている。
【0041】
第一搬送ロボット84は、ロードポート82に載置された容器80との間で基板Wを出し入れする動作と、第二搬送ロボット60との間で基板Wを受け渡す動作とが搬送制御部110によって制御されている。具体的には、第一搬送ロボット84は、搬送制御部110によって移動台85の移動動作と、伸縮アーム84Aの伸縮動作と、伸縮アーム84Aの昇降動作とが制御されている。また、第一搬送ロボット84は、4つの容器80のうち、いずれの容器80に対して基板Wの出し入れを行うかが制御部100によって制御される。
【0042】
本実施形態の基板処理装置20では、
図1に示されるように、載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30は、載置室78がメンテナンスエリアMの正面に配置されると、第一搬送室86は、載置室78の後方に載置室78と平行となるように配置され、第二搬送室50は、第一搬送室86の後方に第一搬送室86と直交するように配置され、処理モジュール30は、第一搬送室86の後方に第二搬送室50に平行となるように配置される。
【0043】
(制御部)
基板処理装置20は、
図3に示すように、制御部100を備えている。この制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101A、RAM(Random Access Memory)101B、記憶部101C、I/Oポート101Dを備えたコンピュータとして構成されている。
【0044】
RAM101B、記憶部101C、I/Oポート101Dは、内部バス101Eを介して、CPU101Aとデータ交換可能なように構成されている。制御部100には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置102が接続されている。なお、入出力装置102は、本開示の操作部の一例である。また、制御部100には、例えば、上位装置との通信を行うための外部通信部104が接続されている。
【0045】
記憶部101Cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶部101C内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順を制御部100に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM101Bは、CPU101Aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0046】
I/Oポート101Dは、搬送制御部110及び複数のプロセス制御部120等に接続されている。搬送制御部110は、基板Wの搬送を制御することが可能なように構成されている。プロセス制御部120は、基板Wの成膜処理を制御することが可能なように構成されている。本実施形態では、処理モジュール30が4つ設けられているため、それぞれの処理モジュール30に対応してプロセス制御部120が4つ設けられている。これにより、処理モジュール30毎に独立して成膜処理を行うことが可能となる。
【0047】
CPU101Aは、記憶部101Cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置102からの操作コマンドの入力等に応じて記憶部101Cからレシピを読み出すように構成されている。CPU101Aは、読み出したレシピの内容に沿うように、搬送制御部110に、第一搬送ロボット84、昇降装置37、第二搬送ロボット60による基板Wの搬送動作、ゲートバルブ35及びシャッタの開閉動作、ロードポート82の位置決め動作等を制御させることが可能なように構成されている。
【0048】
また、CPU101Aは、読み出したレシピの内容に沿うように、プロセス制御部120に、温度制御部122、ガス流量制御部124及び圧力制御部126を制御させることが可能なように構成されている。温度制御部122は、反応炉32内を加熱するヒータの温度調節動作を制御することが可能なように構成されている。ガス流量制御部124は、反応炉32内に供給されるガスの流量調節動作を制御することが可能なように構成されている。圧力制御部126は、反応炉32内における圧力の調節動作を制御することが可能なように構成されている。
【0049】
制御部100は、外部記憶部(例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ)103に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。記憶部101Cや外部記憶部103は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶部101C単体のみを含む場合、外部記憶部103単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶部103を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0050】
また記憶部101Cは、載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30の配置を示す複数のレイアウト情報を記憶している。具体的には、複数のレイアウト情報には、基板処理装置20の平面視において、各々の出入口34が第二搬送室50における基板搬送方向に対して直交する第一方向を向くように複数(本実施形態では4つ)の処理モジュール30が配置される第一レイアウト情報と、各々の出入口34が基板搬送方向に対して第一方向と異なる第二方向を向くように複数の処理モジュール30が配置される第二レイアウト情報と、が含まれる。なお、本実施形態では、第一方向と第二方向が互いに逆方向である。
【0051】
また記憶部101Cは、複数のレイアウト情報の各々に紐づけて第一搬送ロボット84の搬送動作情報及び第二搬送ロボット60の搬送動作情報を複数記憶している。
【0052】
第二搬送ロボット60の搬送動作情報は、処理モジュール30の出入口34を介して処理モジュールの内部との間で基板Wの受け渡しを行う受け渡し方向の情報を含む。具体的には、基板Wの受け渡しを行う際の、伸縮アーム64の伸縮方向(受け渡し方向と同じ方向)の情報を含む。
【0053】
また第二搬送ロボット60の搬送動作情報は、複数の処理モジュール30の位置情報を含む。なお、複数の処理モジュール30の位置情報は、第二搬送ロボット60の基準位置Bから各処理モジュール30への基板Wの受渡位置までの距離に関する情報でもよい。なお本実施形態では、第二搬送ロボット60の基準位置Bを、搬送レール52上を移動する第二搬送ロボット60の最も第一搬送室86寄りの位置としているが、本開示はこれに限定されない。第二搬送ロボット60は、制御部100により指定された処理モジュール30の位置情報に基づいて搬送レール52上を移動することによって指定された処理モジュール30へ基板Wを搬送する。
【0054】
制御部100は、記憶部101Cに記憶されたレイアウト情報に基づき、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御可能なように構成されている。具体的には、制御部100は、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御する搬送制御部110を有しており、搬送制御部110を介して第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御することが可能なように構成されている。より具体的には、制御部100は、複数のレイアウト情報のうち、選択されたレイアウト情報に紐づく搬送動作情報を取得し、この搬送動作情報を搬送制御部110に渡す(展開する)ことによって第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御することが可能なように構成されている。
【0055】
また入出力装置102は、複数のレイアウト情報から一つのレイアウト情報を選択するための情報を設定可能なように構成されている。具体的には、
図4に示される基板処理装置20の装置構成を設定するシステムパラメータ設定画面において、処理モジュールの数を入力(又は選択)し、処理モジュールに対する第二搬送室の配置について設定する。なお、ここでいう処理モジュールに対する第二搬送室の配置とは、基板処理装置20の載置室78を前方としたときの右側配置又は左側配置を指す。処理モジュールの数及び処理モジュールに対する第二搬送室の配置に関する情報に基づき、制御部100が複数のレイアウト情報から一つのレイアウト情報を選択し、選択したレイアウト情報を搬送制御部110に渡すように構成されている。
【0056】
図5には、入出力装置102によって入力した情報を基に制御部100が選択したレイアウト情報を示している。
図5の例では、レイアウト情報として第一レイアウト情報が選択されている。
【0057】
図6には、レイアウト情報に紐づけられる第一搬送ロボット84の搬送動作情報及び第二搬送ロボット60の搬送動作情報の一例が示されている。第一搬送ロボット84の載置台位置情報は、各ロードポート82に載置された容器80の位置情報である。第一搬送ロボット84の基板受渡位置情報は、第二搬送ロボット60との基板Wを受け渡す基板受渡位置Dに関する情報である。第一搬送ロボット84のアーム回転情報は、伸縮アーム84Aの伸縮動作に関する情報である。第一搬送ロボット84の支持部昇降情報は、伸縮アーム84Aを水平方向に回転可能に支持する支持部(図示省略)の昇降に関する情報である。また、第二搬送ロボット60の基板受渡位置情報は、第一搬送ロボット84との基板Wを受け渡す基板受渡位置Dに関する情報である。第二搬送ロボット60のアーム回転情報は、伸縮アーム64の伸縮動作に関する情報である。第二搬送ロボット60の支持部昇降情報は、伸縮アーム64を水平方向に回転可能に支持する支持部(図示省略)の昇降に関する情報である。第二搬送ロボット60の処理モジュール位置情報は、各処理モジュール30の位置情報である。
【0058】
なお、載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30が電気的に接続されると、制御部100は、複数のレイアウト情報の中から一つのレイアウト情報を選択可能になる。言い換えると、いずれかの装置構成が電気的に未接続の場合、制御部100は、レイアウト情報を選択できないため、接続不良での起動が阻止される。
【0059】
なお、あらかじめレイアウト情報を設定しておいて、載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30のいずれかが電気的に未接続の場合、制御部100は、あらかじめ設定されたレイアウト情報と装置構成が不一致状態であると判定して、起動を阻止してもよい。
【0060】
また制御部100は、基板Wの処理に合わせて搬送制御部110の制御を行うことが可能なように構成されている。
【0061】
次に工場等に基板処理装置20を設置したときの初期設定について説明する。まず、工場に基板処理装置20を構成する各装置(載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び複数の処理モジュール30)を設置し、これらの装置を電気的に接続する。基板処理装置20を構成する各装置の接続が完了後、基板処理装置20を起動する。基板処理装置20を起動すると、
図7に示されるように、制御部100が起動する(ステップS100)。制御部100が起動すると、
図4に示されるシステムパラメータ設定画面が表示される。オペレータは、システムパラメータ設定画面を確認しながら各種パラメータを設定する(ステップS102)。オペレータによって各種パラメータが設定されると、制御部100は、複数のレイアウト情報の中から一つのレイアウト情報を選択する(ステップS104)。ここで制御部100は、オペレータが搬送レイアウトをLEFTに設定している場合、ステップS106に移行する。一方、制御部100は、オペレータが搬送レイアウトをRIGHTに設定している場合、ステップS108に移行する。ステップS106では、制御部100はレイアウト情報として第一レイアウト情報を選択する。一方ステップS108では、制御部100はレイアウト情報として第二レイアウト情報を選択する。そしてステップS110では、制御部100によって選択されたレイアウト情報が搬送制御部110に渡される(展開される)。搬送制御部110は渡されたレイアウト情報に紐づけられた各搬送動作情報に基づいて第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御する。
【0062】
<半導体装置の製造方法>
次に、本開示の一実施形態に係る基板処理装置20を用いた半導体装置の製造方法、すなわち、基板Wの処理手順について説明する。
【0063】
基板処理装置20が起動すると、制御部100は、設定された各種パラメータに基づいてレイアウト情報を選択し、搬送制御部110へ第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の各搬送動作情報を渡す。搬送制御部110は、渡された各搬送動作情報に基づいて第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御する。
【0064】
基板処理のオーダが入力されると制御部100からの要求により搬送制御部110は、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60を動作させる。
まず、載置室78に載置された容器80から第一搬送室86の第一搬送ロボット84を用いて基板Wを取り出す。
【0065】
次に第一搬送ロボット84を移動させて第二搬送室50の第二搬送ロボット60に基板Wを渡す。
【0066】
基板Wを受け取った第二搬送ロボット60は、指定された処理モジュール30に向けて移動し、基板支持台40に基板Wを渡す。
【0067】
基板Wを受け取った基板支持台40は、上昇して反応炉32に装入される。反応炉32内に装入された基板Wは成膜処理される。
【0068】
このようにして基板Wの成膜処理が行われ、半導体装置が製造される。
【0069】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、記憶部に記憶された載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30の配置を示す複数のレイアウト情報に基づき、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作を制御するため、オペレータによる基板Wを搬送する搬送ロボットの搬送動作情報の設定作業に掛かる負担を軽減することができる。特に、基板処理装置20を工場に設置した直後の初回設定時のオペレータの負担を軽減することができる。また、基板処理装置20に処理モジュール30を増設した場合においても、設定時のオペレータの負担を軽減することができる。
【0070】
また、本実施形態では、載置室78をメンテナンスエリアMの正面に配置し、これを基準として、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30を配置することで、2つの基板処理装置20を工場内に設置する場合、メンテナンスエリアMを共有でき、設置スペースを小さくすることができる。
【0071】
また、本実施形態では、レイアウト情報に第一レイアウト情報と第二レイアウト情報が含まれるため、装置構成に合わせたレイアウト設定作業に掛かるオペレータの負担を軽減することができる。また操作者の誤操作を防止することもできる。
【0072】
また、半導体工場で基板処理装置20を複数台並べて設置した場合、それぞれの装置についてメンテナンス作業を行うメンテナンスエリアMを設けるが、
図8に示されるように、装置レイアウトを変更することで、基板処理装置20間でメンテナンスエリアMを共有することが可能となり、装置設置面積の削減が可能となり、設置する装置の台数を確保することができる。なお、
図8では、互いにメンテナンスエリアMを共有するように複数(
図8では2つ)の基板処理装置20が配置されている。具体的には、メンテナンスエリアMは、基板処理装置20において、処理モジュール30の第二搬送室50側と反対側に設定される。本実施形態の基板処理システムは、
図8に示されるように、互いにメンテナンスエリアMを共有するように配置された複数の基板処理装置20を有する。
【0073】
また、本実施形態では、記憶部101Cが複数のレイアウト情報の各々に紐づけて第一搬送ロボット84の搬送動作情報及び第二搬送ロボット60の搬送動作情報を複数記憶していることから、レイアウト情報が決定すると、自動的に第一搬送ロボット84の搬送動作情報及び第二搬送ロボット60の搬送動作情報が展開されて第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60の動作が制御される。
【0074】
また、本実施形態では、システムパラメータ設定画面の各種パラメータに入出力装置102から入力することで制御部100が複数のレイアウト情報から一つのレイアウト情報を選択して展開する。このため、オペレータが第一搬送ロボット84の搬送動作情報及び第二搬送ロボット60の搬送動作情報を装置構成に応じて設定する場合と比べて、オペレータの負担を軽減することができる。
【0075】
また、本実施形態では、制御部100によってレイアウト情報が選択されると、選択されたレイアウト情報が搬送制御部110へ渡される(展開される)。このため、オペレータの負担を軽減でき、かつセットアップ作業時間の短縮も可能になる。
【0076】
また、本実施形態では、第二搬送ロボット60の搬送動作情報は、出入口34を介して処理モジュール30の内部との間で基板Wの受け渡しを行う受け渡し方向の情報を含むため、オペレータが都度装置レイアウトに合わせた設定を行う作業時間を低減することができる。
【0077】
また、本実施形態では、第二搬送ロボット60の搬送動作情報は、複数の処理モジュール30の位置情報を含むため、第二搬送ロボット60の目的とする処理モジュール30との距離を容易に求めることができる。
【0078】
また、本実施形態では、第二搬送ロボット60は、処理モジュール30の位置情報に基づいて搬送レール上を指定された処理モジュールに向けて移動するため、正確かつ迅速に目的の処理モジュールに移動することができる。
【0079】
また、本実施形態では、第二搬送ロボット60のアームが処理モジュール30との間で基板Wの受け渡しを行う。このアームの動作も搬送動作情報に含まれるため、オペレータが都度装置レイアウトに合わせて設定を行う作業時間を低減することができる。また、オペレータによる誤設定の防止も可能になる。
【0080】
また、本実施形態では、第一搬送ロボット84の伸縮アーム84Aが容器80との間で基板Wの出し入れを行う。このアームの動作も搬送動作情報に含まれるため、オペレータが都度装置レイアウトに合わせた設定を行う作業時間を低減することができる。また、オペレータによる誤設定の防止も可能になる。
【0081】
また、本実施形態では、第一搬送ロボット84と、第二搬送ロボット60との間で基板Wを直接受け渡しすることにより、基板Wを一時的に載置する領域が不要となり、装置構成を単純にすることが可能になる。
【0082】
また、本実施形態では、載置室78、第一搬送室86、第二搬送室50、及び処理モジュール30が接続されると、複数のレイアウト情報の中から一つのレイアウト情報を選択可能になるため、確実な搬送動作情報の展開が可能になる。
【0083】
上述の態様では、一度に複数枚の基板を処理するバッチ式の基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、例えば、一度に1枚または数枚の基板を処理する枚葉式の基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。また、上述の態様では、ホットウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する例について説明した。本開示は上述の態様に限定されず、コールドウォール型の処理炉を有する基板処理装置を用いて膜を形成する場合にも、好適に適用することができる。
【0084】
これらの基板処理装置を用いる場合においても、上述の態様や変形例と同様な処理手順、処理条件にて各処理を行うことができ、上述の態様や変形例と同様の効果が得られる。
【0085】
<他の実施形態>
本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。前述の実施形態では、基板Wを第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60で搬送しているが、本開示はこの構成に限定されない。例えば、第一搬送ロボット84及び第二搬送ロボット60は、基板Wを容器80から別の密閉容器に移し替えて密閉容器を搬送する構成としてもよいし、容器80を搬送する構成としてもよい。本態様においても、上述の態様と同様の効果が得られる。また、本態様においては、さらに第二搬送ロボット60において処理モジュールへ複数の基板Wの同時搬送が可能となり、基板Wの搬送時間を短縮できる効果がある。
【0086】
上述の態様や変形例は、適宜組み合わせて用いることができる。このときの処理手順、処理条件は、例えば、上述の態様や変形例の処理手順、処理条件と同様とすることができる。
【符号の説明】
【0087】
20 基板処理装置
30 処理モジュール
50 第二搬送室
60 第二搬送ロボット
78 載置室
80 容器
84 第一搬送ロボット
86 第一搬送室
W 基板