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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008108
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】車載充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20250109BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20250109BHJP
   B60L 9/18 20060101ALI20250109BHJP
   B60L 53/20 20190101ALI20250109BHJP
   B60L 50/60 20190101ALI20250109BHJP
【FI】
H02J7/00 L
H02M7/48 E
H02J7/00 P
B60L9/18 J
B60L53/20
B60L50/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023109988
(22)【出願日】2023-07-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】サハ スブラタ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】田口 真
(72)【発明者】
【氏名】小坂 卓
(72)【発明者】
【氏名】松盛 裕明
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA07
5G503FA06
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC22
5H125FF16
5H770AA09
5H770BA02
5H770BA20
5H770CA02
5H770CA06
5H770DA03
5H770DA10
5H770DA41
5H770HA02Y
5H770HA03W
5H770HA03Z
5H770HA07Z
5H770JA10X
5H770JA17Z
(57)【要約】
【課題】回転電機とインバータと直流電源とを備えた車両用駆動装置の当該直流電源を、当該回転電機のコイル及び当該インバータを利用して、外部交流電源からの電力により充電する車載充電装置をシステムコストの増加を抑制して構成する。
【解決手段】車載充電装置10は、外部交流電源4の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する交流直流コンバータ1と、インバータ5、複数相のコイル7、及び出力キャパシタCsを含んで構成され、第1の直流電力から直流電源3を充電する第2の直流電力を生成するアクティブデカップリング回路2とを備え、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが他の受動部品を介することなく接続され、出力キャパシタCsが、コイル7の中性点7Nと直流の負極との間に接続されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中性点で互いに接続された複数相のコイルを備え、車輪の駆動力源となる回転電機と、直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータと、前記インバータに接続された直流電源と、を備えた車両用駆動装置の前記直流電源を、外部交流電源から供給される電力によって充電する車載充電装置であって、
前記外部交流電源の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する交流直流コンバータと、
前記インバータ、複数相の前記コイル、及び出力キャパシタを含んで構成され、前記第1の直流電力から前記直流電源を充電する第2の直流電力を生成するアクティブデカップリング回路と、を備え、
前記交流直流コンバータの直流側端子と前記インバータの直流側端子とが他の受動部品を介することなく接続され、
前記出力キャパシタが、前記コイルの前記中性点と直流の負極との間に接続されている、車載充電装置。
【請求項2】
前記直流電源と前記インバータの直流側端子との電気的接続を断接する第1コンタクタと、
前記中性点と前記出力キャパシタとの電気的接続を断接する第2コンタクタと、を備え、
前記第1コンタクタが閉成されると共に前記第2コンタクタが開放された状態で、前記インバータを介して前記直流電源と前記回転電機との間で電力が変換され、
前記第1コンタクタ及び前記第2コンタクタが共に閉成された状態で、前記交流直流コンバータ、及び前記インバータを含む前記アクティブデカップリング回路を介して前記外部交流電源と前記直流電源との間で電力が変換される、請求項1に記載の車載充電装置。
【請求項3】
前記インバータは、直流の正極と前記負極との間に、上段側スイッチング素子と下段側スイッチング素子とが直列に接続されたアームを、複数相の交流の相数に応じて複数本並列に備えて構成され、
前記インバータが前記アクティブデカップリング回路として機能する場合には、複数の前記上段側スイッチング素子が同時にスイッチング制御されると共に、複数の前記下段側スイッチング素子が同時にスイッチング制御される、請求項1又は2に記載の車載充電装置。
【請求項4】
前記インバータは、前記出力キャパシタを流れる電流の位相が、前記交流直流コンバータにおける交流の電流の位相に一致するように、複数の前記上段側スイッチング素子、及び複数の前記下段側スイッチング素子がスイッチング制御される、請求項3に記載の車載充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特表2022-503713号には、電気自動車やハイブリッド自動車などの車輪の駆動力源として回転電機を備えた車両に搭載された直流電源を、車両に搭載された状態で充電する車載充電装置(オンボードチャージャー、Onboard charger)が開示されている(背景技術において括弧内の符号は参照する文献のもの。)。この文献の図3には、単相の外部交流電源(310)がY字接続された3相のコイルの中性点に接続され、当該3相のコイルのそれぞれにインバータ(220)の交流側のそれぞれのアームが接続され、インバータ(220)の直流側端子に直流直流コンバータ(DC/DCコンバータ)の入力側端子が接続され、直流直流コンバータの出力側端子に直流電源が接続された車載充電装置が例示されている。3相のコイル及びインバータ(220)は、外部交流電源(310)からの正弦波のグリッド電流を直流に変換する交流直流コンバータ(AC/DCコンバータ)を形成している。インバータ(220)がスイッチング制御されることにより、この交流直流コンバータは交流電力から変換される直流電力の力率を改善する力率改善(PFC:power factor correction)回路としても機能する。交流直流変換後の電流には、外部交流電源(310)の周波数(系統周波数)の2倍の周波数のリップルが生じる。直流直流コンバータは、このリップルを低減して直流電源を充電するためのバッテリ電流を生成する。また、交流直流コンバータと直流直流コンバータとの間には平滑キャパシタも備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2022-503713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、例えば電気自動車やハイブリッド自動車における車載充電装置では、3相のコイルとして、当該車両における駆動力源の回転電機のステータに備えられたコイル(ステータコイル)を用いることができる。しかし、このような回転電機は、高電力密度となるように設計されており、インダクタンスが小さい。上記文献の図3にも例示されているように、中性点に単相の外部交流電源が接続されて交流直流コンバータが形成された場合、交流直流変換の際に、外部交流電源の系統電流の高調波電流のピーク値が大きくなる傾向がある。
【0005】
これを抑制するための1つの方法として、交流直流コンバータを構成するインバータの制御周波数を高くすることが考えられる。或いは、直流直流コンバータの側でリップルを軽減するべく、直流直流コンバータの制御周波数を高くことが考えられる。但し、制御周波数を高くする場合には、インバータや直流直流コンバータを制御する制御装置の制御周期(動作周波数)も短くする必要がある。また、早い制御周期に伴う高い周波数でのスイッチングは、インバータ及び直流直流コンバータが備えるスイッチング素子における損失を増大させ、車載充電装置の効率の低下に繋がる。また、制御装置として、高速動作が可能なマイクロコンピュータ等を用いる必要が生じ、車載充電装置のコストの上昇に繋がる。あるいは別の方法として、外部交流電源と複数相のコイルの中性点との間に、インダクタを追加することも考えられる。しかし、この場合も、インダクタの追加により車載充電装置のコストが上昇する。また、交流直流コンバータと直流直流コンバータとの間に備えられている平滑キャパシタにも大きな容量が求められ、体格の大型化に伴う車載充電装置の大型化やコスト上昇につながり易い。
【0006】
上記に鑑みて、回転電機とインバータと直流電源とを備えた車両用駆動装置の当該直流電源を、当該回転電機のコイル及び当該インバータを利用して、外部交流電源からの電力により充電する車載充電装置をシステムコストの増加を抑制して構成することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた車載充電装置は、中性点で互いに接続された複数相のコイルを備え、車輪の駆動力源となる回転電機と、直流と複数相の交流との間で電力を変換するインバータと、前記インバータに接続された直流電源と、を備えた車両用駆動装置の前記直流電源を、外部交流電源から供給される電力によって充電する車載充電装置であって、前記外部交流電源の側の交流電力と第1の直流電力との間で電力を変換する交流直流コンバータと、前記インバータ、複数相の前記コイル、及び出力キャパシタを含んで構成され、前記第1の直流電力から前記直流電源を充電する第2の直流電力を生成するアクティブデカップリング回路と、を備え、前記交流直流コンバータの直流側端子と前記インバータの直流側端子とが他の受動部品を介することなく接続され、 前記出力キャパシタが、前記コイルの前記中性点と直流の負極との間に接続されている。
【0008】
この構成によれば、適切なインダクタンスが必要な交流直流コンバータが、回転電機の駆動系回路(回転電機のコイル及び回転電機を駆動するインバータ)を用いることなく構成される。車載充電装置に回転電機のコイルを用いる場合、当該コイルのインダクタンスが小さいことにより、必要な性能を確保することが困難となる場合がある。しかし、本構成によれば、回転電機のコイルを用いることなく、適切なインダクタンスが設定可能な交流直流コンバータにより、力率改善機能などの充分な性能を確保して交流直流変換が可能な交流直流コンバータを構成することができる。さらに、交流直流コンバータに適切なインダクタンスを設定可能なことにより、交流直流コンバータを短い制御周期(高い制御周波数)で制御する必要もなく、交流直流コンバータを構成するスイッチング素子の損失も低減し易い。従って、車載充電装置のシステム効率も高くし易い。また、交流直流コンバータにより交流から変換された直流には、脈動成分が重畳されることから、一般的には交流直流コンバータの後段に脈動成分を平滑するためのデカップリングキャパシタを介して直流直流コンバータが配置されることが多い。本構成によれば、そのようなデカップリングキャパシタを介することなく交流直流コンバータに接続されるアクティブデカップリング回路により脈動成分を低減させることができるので、回路規模を小さく抑え易い。また、アクティブデカップリング回路を構成するスイッチング素子やインダクタとして、回転電機を駆動するためのインバータ及び回転電機のコイルを兼用することができ、車載システム全体の回路規模も小さく抑え易い。即ち、本構成によれば、回転電機とインバータと直流電源とを備えた車両用駆動装置の当該直流電源を、当該回転電機のコイル及び当該インバータを利用して、外部交流電源からの電力により充電する車載充電装置をシステムコストの増加を抑制して構成することができる。
【0009】
車載充電装置のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】回転電機の駆動制御システムの模式的な回路ブロック図
図2】回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の一例を示す回路ブロック図
図3図2に示す回路ブロック図を変形した機能ブロック図
図4】アクティブデカップリング回路における電流の流れを示す図(出力キャパシタ充電中(キャパシタ電流が正で増加))
図5】アクティブデカップリング回路における電流の流れを示す図(出力キャパシタ充電中(キャパシタ電流が正で減少))
図6】アクティブデカップリング回路における電流の流れを示す図(出力キャパシタ放電中(キャパシタ電流が負でキャパシタ電流の絶対値が増加))
図7】アクティブデカップリング回路における電流の流れを示す図(出力キャパシタ放電中(キャパシタ電流が負でキャパシタ電流の絶対値が減少))
図8】グリッド電圧、グリッド電流、キャパシタ電流、キャパシタ電圧の関係を示す波形図
図9】キャパシタ電流を制御する際のパル幅変調を示す波形図
図10】回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第1の比較例を示す回路ブロック図
図11】回転電機の駆動制御システムを利用した車載充電装置の第2の比較例を示す回路ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、車載充電装置の実施形態を図面も参照して説明する。図1の回路ブロック図は、回転電機70の駆動制御システムを模式的に示しており、図2の回路ブロック図は、回転電機70の駆動制御システムを利用した車載充電装置10の一例を示している。車載充電装置10は、図1に示すような車両用駆動装置9に備えられた直流電源3を車両に搭載された状態で充電する装置である。図1に示すように、本実施形態の車両用駆動装置9は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の車輪の駆動力源となる回転電機70と、直流と複数相の交流と(ここでは3相)の間で電力を変換するインバータ5と、インバータ5に接続された直流電源3とを備えている。尚、車両用駆動装置9が、回転電機70に加えて不図示の内燃機関などの他の駆動力源も備えていることを妨げるものではない。
【0012】
図2に示すように、車載充電装置10は、車両用駆動装置9の直流電源3を外部交流電源4(グリッド電源、ここでは単相)から供給される電力によって充電する装置であり、いわゆるオンボードチャージャー(Onboard charger)と称される装置である。本実施形態では、車載充電装置10は、車両用駆動装置9と一部を共用して構成されている。具体的には、インバータ5、回転電機70のコイル7が共用されている。
【0013】
図1に示すように、車両用駆動装置9は、車両の駆動力源となる回転電機70を制御対象とする制御装置8を備え、制御装置8は、電流フィードバック制御を行うことによって回転電機70を駆動制御する。駆動対象の回転電機70は、ステータコアに複数相(Nを任意の自然数としてN相、本実施形態ではN=3の3相の形態を例示する)のコイル7(ステータコイル)が配置されたステータと、ロータコアに永久磁石が配置されたロータとを有する埋め込み永久磁石型回転電機(IPMSM : Interior Permanent Magnet Synchronous Motor)である。このような構成は公知であり、本実施形態では、ステータコア、ステータ、ロータコア、ロータ、永久磁石等の図示は省略している。本実施形態では、3相のコイル7が中性点7Nで短絡されたY型(スター型)の形態を例示している。しかし、回転電機70は、例えば3相のコイル7を2組備え、6相の交流により駆動される形態であってもよい。尚、回転電機70は、電動機としても発電機としても機能することができる。回転電機70が電動機として機能するとき、回転電機70は力行状態であり、回転電機70が発電機として機能するとき、回転電機70は回生状態である。
【0014】
図1に示すように、車両用駆動装置9は、インバータ5を備えている。インバータ5は、交流の回転電機70及び直流電源3に接続されて、複数相の交流と直流との間で電力を変換する。インバータ5の一対の直流側端子(直流側端子T5d)は、直流電源3の正負両極端子に接続されている。具体的には、一対の直流側端子T5dの内の正極側の端子(インバータ正極端子T5P)が直流電源3の正極に接続され、一対の直流側端子T5dの内の負極側の端子(インバータ負極端子T5N)が直流電源3の負極に接続されている。また、インバータ5の複数相の交流側端子は、複数相のコイル7のそれぞれに接続されている。本実施形態では、インバータ5が、複数相のアームとして、U相アーム、V相アーム、W相アームを備えている。それぞれのアームは、正極側に配置された上段側スイッチング素子5Uと、負極側に配置された下段側スイッチング素子5Lとが直列接続されて形成されている。それぞれのアームの中点、即ち上段側スイッチング素子5Uと下段側スイッチング素子5Lとの接続点がそれぞれのコイル7に接続されている。具体的には、U相アームの中点とU相コイル7uとが接続され、V相アームの中点とV相コイル7vとが接続され、W相アームの中点とW相コイル7wとが接続される。
【0015】
インバータ5の直流側には、正極と負極との間の電圧(直流リンク電圧Vdc)を平滑する平滑キャパシタ(直流リンクキャパシタ6)が備えられている。また、インバータ5の直流側には、直流リンク電圧Vdcを検出する電圧センサ(直流リンク電圧センサ61)も備えられている。
【0016】
直流電源3は、例えば、リチウムイオン電池などの充電可能な二次電池(バッテリ)や、電気二重層キャパシタなどにより構成されている。本実施形態のように、回転電機70が車両の駆動力源の場合、直流電源3は、大電圧大容量の直流電源であり、定格の電源電圧は、例えば200~400[V]である。多くの場合、車両のメインスイッチ(イグニッションスイッチ)等の操作によって、直流電源3は、インバータ5や回転電機70に対する電気的接続を断接可能に構成されている。例えば、直流電源3は、リレー等により構成されたメインコンタクタ11(第1コンタクタ)を介して、インバータ5や回転電機70に接続されている。また、直流電源3には、直流電源3に対する入出力電流(バッテリ電流Ibat:図3参照)を検出する電流センサ(バッテリ電流センサ31)や、直流電源3の端子電圧(バッテリ電圧Vbat:図3参照)を検出する電圧センサ(バッテリ電圧センサ32)も備えられている。
【0017】
図示は省略するが、例えば直流電源3がリチウムイオンバッテリなどの場合には、バッテリマネジメントシステム(BMS:Battery Management System)が備えられていることが多い。リチウムイオンバッテリなどの二次電池は、複数のセル(バッテリセル)により構成されている。バッテリマネジメントシステムは、(1)セルの過充電、過放電の防止、(2)セルに過電流が流れることの防止、(3)セルの温度管理、(4)充電状態(SOC:State of Charge)の算出、(5)セル電圧の均一化、等を行うバッテリの管理制御システムである。上述したバッテリ電流センサ31やバッテリ電圧センサ32は、バッテリマネジメントシステムの一部として構成されていてもよい。
【0018】
図1に示すように、インバータ5は、複数のスイッチング素子5Sを有して構成されている。スイッチング素子5Sには、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やSiC-MOSFET(Silicon Carbide - Metal Oxide Semiconductor FET)やSiC-SIT(SiC - Static Induction Transistor)、GaN-MOSFET(Gallium Nitride - MOSFET)などの高周波での動作が可能なパワー半導体素子を適用すると好適である。本実施形態では、スイッチング素子5SとしてFETが用いられる形態を例示している。また、本実施形態では、各スイッチング素子5Sには、負極から正極へ向かう方向(下段側から上段側へ向かう方向)を順方向として、並列にフリーホイールダイオードが接続されている。当然ながら、ボディダイオードを用いる場合や、エンハンスメントモード窒化ガリウム(E-GaN)で構成されたワイドバンドギャップ半導体のトランジスタにおける逆導通を用いる場合などでは、このような形態のフリーホイールダイオードを備えていなくてもよい。
【0019】
図1に示すように、インバータ5は、制御装置8により制御される。制御装置8は、マイクロコンピュータ等の論理回路を中核部材として構築されている。例えば、制御装置8は、上位の制御装置の1つである車両制御装置90等の他の制御装置等から要求信号として提供される回転電機70の目標トルク(トルク指令)に基づいて、ベクトル制御法を用いた電流フィードバック制御を行って、インバータ5を介して回転電機70を駆動する。ベクトル制御法では、各相のコイル7に流れる電流(本実施形態ではU相電流Iu,V相電流Iv,W相電流Iw:図2等参照)を、ロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と、d軸に直交する方向(磁界の向きに対して電気角でπ/2進んだ方向)のq軸とのベクトル成分に座標変換してフィードバック制御を行う。座標変換先の座標系をdq軸直交座標系と称する。尚、マイクロコンピュータ等の論理回路素子の動作電圧は3.3~5ボルト程度である。本実施形態では、簡略化のため、図示を省略しているが、当該論理回路素子で生成された制御信号はドライブ回路を介してインバータ5に伝達される。或いは、制御装置8にドライブ回路が含まれると考えてもよい。
【0020】
回転電機70の各相のコイル7を流れる実電流は電流センサ(モータ電流センサ81)により検出され、制御装置8はその検出結果を取得する。また、回転電機70のロータの各時点での磁極位置(電気角)やロータの回転速度(角速度)は、例えばレゾルバ、誘導性位置センサ(Inductive Position Sensor)などの回転センサ82により検出され、制御装置8はその検出結果を取得する。制御装置8は、モータ電流センサ81及び回転センサ82の検出結果を用いて、電流フィードバック制御を実行する。制御装置8は、電流フィードバック制御のために種々の機能部を有して構成されており、各機能部は、マイクロコンピュータ等のハードウエアとソフトウエア(プログラム)との協働により実現される。
【0021】
上述したように、インバータ5を介して直流電源3に接続される回転電機70は、直流電源3から供給される電力により電動機として機能すると共に、発電機として機能して直流電源3を充電することもできる。例えば、ハイブリッド自動車では内燃機関などの動力により、回転電機70に機械エネルギーを供給して回転電機70に発電させることも可能であるが、発電の機会が少なく直流電源3を充分に充電できない場合がある。また、駆動力源として回転電機70しか搭載されていない電気自動車では、慣性走行等における車輪からの機械エネルギーによる発電に留まり、直流電源3を充分に充電できないことが多い。また、ハイブリッド自動車においても、回転電機70に発電させるよりも外部から電力を供給する方が、エネルギー効率がよい場合がある。このため、直流電源3が車両に搭載された状態で、直流電源3を外部電源によって充電可能に構成されていると好ましい。
【0022】
本実施形態の車載充電装置10は、車両用駆動装置9の直流電源3を、外部交流電源4から供給される電力によって充電する。図2に示すように、車載充電装置10は、外部交流電源4に接続されて、外部交流電源4からの交流電力を第1の直流電力に変換する交流直流コンバータ1(AC/DCコンバータ)と、第1の直流電力から直流電源3を充電する第2の直流電力を生成するアクティブデカップリング回路2とを備えている。詳細は後述するが、本実施形態では、アクティブデカップリング回路2は、インバータ5、複数相のコイル7、及び出力キャパシタCsを含んで構成されている。アクティブデカップリング回路2は、いわゆる直流直流コンバータ(DC/DCコンバータ)としての機能も備えている。
【0023】
本実施形態の車載充電装置10は、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが他の受動部品(例えば直流リンクキャパシタ6)を介することなく接続されている。具体的には、交流直流コンバータ1の直流側正極端子T1Pとインバータ5のインバータ正極端子T5Pとが接続され、交流直流コンバータ1の直流側負極端子T1Nとインバータ5のインバータ負極端子T5Nとが接続されている。また、出力キャパシタCsが、コイル7の中性点7Nと直流の負極との間に接続されている。尚、本実施形態では、EMI(Electro Magnetic Interference)ノイズを低減させるEMIフィルタFLTを介して外部交流電源4から車載充電装置10に交流電力が供給される。
【0024】
交流直流コンバータ1及びアクティブデカップリング回路2は、スイッチング素子(図2において符号1S、5Sで示すスイッチング素子)を備えて構成されており、これらのスイッチング素子は、インバータ5を介して回転電機70を駆動制御する制御装置8によって制御される。また、後述するように、車載充電装置10は、コンタクタ(メインコンタクタ11、OBCコンタクタ12(第2コンタクタ)、グリッドコンタクタ13(第3コンタクタ))を備えて構成されている。これらのコンタクタも制御装置8、或いは制御装置8及び車両制御装置90によって制御される。図1を参照して上述したように、制御装置8は回転電機の駆動制御システムに含まれており、制御装置8も回転電機70の駆動制御と直流電源3の充電制御とに共用される。
【0025】
直流電源3を充電する際には、外部交流電源4から直流電源3へ電力が供給される。従って、回路構成上、相対的に外部交流電源4の側(上流側)に配置される交流直流コンバータ1をフロントエンド回路或いは第1回路、相対的に直流電源3の側(下流側)に配置されるアクティブデカップリング回路2をバックエンド回路或いは第2回路と称する場合がある。本実施形態では、外部交流電源4に接続されるフロントエンド回路である交流直流コンバータ1が、車両用駆動装置9とは別に形成された回路によって構成され、交流直流コンバータ1よりも直流電源3の側に配置されるバックエンド回路であるアクティブデカップリング回路2が、回転電機70の駆動系回路(コイル7及びインバータ5)を共用して構成されている。
【0026】
上述したように、本実施形態の車載充電装置10は、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dと、インバータ5の直流側端子T5dとが他の受動部品(例えば直流リンクキャパシタ6)を介することなく接続されている。つまり、第1回路と第2回路とが、平滑キャパシタなどの受動部品を介することなく接続されている。例えば、第1回路と第2回路とが平滑キャパシタを介して接続されるような形態(図10に例示する第1比較例充電装置10Yなど)では、第1回路(この場合には交流直流コンバータ1)と第2回路(この場合には直流直流コンバータ20)とが、それぞれ独立して動作可能であり、第1回路のスイッチング素子1Sと、第2回路のスイッチング素子5Sとは、連携してスイッチングされる必要はなくそれぞれ独立制御される。一方、本実施形態では、第1回路(交流直流コンバータ1)と第2回路(アクティブデカップリング回路2)とが連携して動作する。従って、特に後段の回路である第2回路のスイッチング素子5Sは、第1回路に連動して動作するように制御される。詳細については、図8等を参照して後述する。
【0027】
図2に示すように、交流直流コンバータ1は、インダクタL1を備えて構成されている。交流直流変換においては、誘導性インピーダンスや容量性インピーダンスにより、電圧位相と電流位相との間に位相差が生じ、当該位相差によって力率が低下する。交流直流コンバータ1は、スイッチング素子1Sを備えて構成されており、スイッチング素子1Sが制御されることによって、例えば電流位相が調整され、位相差が補償されて力率を改善することができる。即ち、交流直流コンバータ1は、外部交流電源4から供給される交流電力から変換される直流電力の力率を改善する力率改善(PFC:power factor correction)回路としても機能するように構成されている。
【0028】
本実施形態では、交流直流コンバータ1は、インダクタL1と、スイッチング素子1Sを用いたフルブリッジ回路とを備えて構成されている。フルブリッジ回路を備えることにより、交流直流コンバータ1を交流直流変換及び直流交流変換が可能な双方向コンバータとして機能させることができる。例えば、車載充電装置10を、外部交流電源4から供給される電力により直流電源3を充電するための機能と、直流電源3に蓄えられた電力により車両外の装置に交流電力を供給する機能との2つの機能を有する装置として利用することができる。
【0029】
近年、災害時等において電動車両やハイブリッド車両の直流電源3を非常用電源として用いることが提唱されている。交流直流コンバータ1がフルブリッジ回路を備えることにより、直流電源3をそのような非常用電源として利用することができる。当然ながら、このような直流電源3の利用を考慮しないような場合には、交流直流コンバータ1が、交流直流変換のみを行う一方向コンバータとして構成されていてもよい。この場合には、交流直流コンバータ1は、例えばハーフブリッジ回路を有して構成されていてもよい。
【0030】
図2に示すように、車載充電装置10は、交流直流コンバータ1の交流側端子T1aと、外部交流電源4とを選択的に接続する(交流側端子T1aと外部交流電源4とを断接する)グリッドコンタクタ13を備えている。グリッドコンタクタ13も、例えばリレーにより構成されている。グリッドコンタクタ13が閉成されると、グリッドコンタクタ13が導通状態となり、外部交流電源4と車載充電装置10(交流直流コンバータ1)とが電気的に接続される。
【0031】
図2に示すように、車載充電装置10は、コイル7の中性点7Nと出力キャパシタCsとの電気的接続を断接するOBCコンタクタ12を備えている。OBCコンタクタ12も、例えばリレーにより構成されている。OBCコンタクタ12が閉成されるとOBCコンタクタ12が導通し、中性点7Nと直流の負極とが、出力キャパシタCsを介して接続される。また、上述したように、回転電機70の駆動制御システムと車載充電装置10は、メインコンタクタ11を共用している。インバータ5が車載充電装置10として機能する場合には、メインコンタクタ11が閉成すると共にOBCコンタクタ12が閉成するように制御される。即ち、メインコンタクタ11及びOBCコンタクタ12が共に閉成された状態で、交流直流コンバータ1、及びインバータ5を含むアクティブデカップリング回路2を介して外部交流電源4と直流電源3との間で電力が変換される。
【0032】
インバータ5が回転電機70の駆動制御に用いられる場合には、メインコンタクタ11が閉成されると共に、OBCコンタクタ12及びグリッドコンタクタ13が開放された状態に制御される。即ち、メインコンタクタ11が閉成されると共にOBCコンタクタ12が開放された状態で、インバータ5を介して直流電源3と回転電機70との間で電力が変換される。
【0033】
このように、OBCコンタクタ12により、コイル7への接続形態を変更するだけで、回転電機70を駆動制御する機能と、直流電源3を外部交流電源4により充電する機能とを切り替え可能な回路を実現することができる。即ち、簡単な構成で、車載充電装置10を構成することができる。
【0034】
車載充電装置10は、上述したように、交流直流コンバータ1と、アクティブデカップリング回路2とを備えて構成されている。図3の回路ブロック図は、理解を容易にするために図2の回路ブロック図を機能別に分けて示したものである。交流直流コンバータ1は、昇圧を行いつつ、外部交流電源4から供給されるグリッド電流Igridの力率を“1”に近い値に調整する。但し、交流直流コンバータ1から出力される第1の直流電力には、外部交流電源4の交流周波数に起因する脈動成分が重畳されている。具体的には、外部交流電源4の交流周波数の2次高調波成分の脈動が重畳されている。アクティブデカップリング回路2は、この2次高調波成分の脈動を低減し、脈動が抑制された第2の直流電力、好ましくは脈動が除去された第2の直流電力を直流電源3に供給して直流電源3を充電する。
【0035】
ここで、外部交流電源4から供給される交流電圧を「グリッド電圧Vgrid」、交流電流を「グリッド電流Igrid」とし、それぞれの振幅(振幅中心から波高までの値で正の値、以下“_peak”について同様)を“Vgrid_peak”、“Igrid_peak”とすると、グリッド電圧Vgrid及びグリッド電流Igridは下記式(1)、(2)で表される。
【0036】
【数1】
【数2】
【0037】
外部交流電源4から交流直流コンバータ1に入力される入力電力Pinが力率“1”で第1の直流電力に変換されると仮定すると、入力電力Pinと第1の直流電力との関係は、下記式(3)から(5)で示される。式(3)は、第1の直流電力に直流成分Pdcと、交流成分Prplとが含まれていることを示している。式(4)は第1の直流電力の直流成分Pdcを示しており、式(5)は第1の直流電力の脈動成分である交流成分Prplを示している。
【0038】
【数3】
【数4】
【数5】
【0039】
アクティブデカップリング回路2は、式(5)で示される交流成分Prplに対応する電流をアクティブデカップリング回路2内に流して、直流電源3への出力電力Poutが式(4)で示される直流成分Pdcのみとなるように機能する(式(6))。このため、アクティブデカップリング回路2は、下記式(7)に示すように、出力キャパシタCsにおける電力であるキャパシタ電力Pcsと、第1の直流電力の交流成分Prplとを一致させるように動作する。
【0040】
【数6】
【数7】
【0041】
キャパシタ電力Pcsは、キャパシタ電圧Vcsとキャパシタ電流Icsとの間で下記式(8)の関係が成り立つため、キャパシタ電流Icsを適切に制御することで、キャパシタ電力Pcsを制御することができる。
【0042】
【数8】
【0043】
図4から図7は、アクティブデカップリング回路2における電流の流れを示している。また、図8の波形図は、グリッド電圧Vgrid、グリッド電流Igrid、キャパシタ電流Ics、キャパシタ電圧Vcsの関係を示している。上記の通り、アクティブデカップリング回路2では、キャパシタ電流Icsが制御されるため、図8にはキャパシタ電流指令Icsも示している。また、図9の波形図は、パルス幅変調制御によりスイッチング制御されるキャパシタ電流指令Ics、キャパシタ電流Ics、及びスイッチングパルスを示している。
【0044】
図4及び図5は、出力キャパシタCsに流れるキャパシタ電流Icsが、図3で示す矢印の方向を正として正の値であり、出力キャパシタCsを充電しているときの電流の流れを示しており、図8及び図9では“Charging”と表記されている期間の電流の流れに相当する。図6及び図7は、出力キャパシタCsに流れるキャパシタ電流Icsが負の値であり、出力キャパシタCsを放電しているときの電流の流れを示しており、図8及び図9では“Discharging”と表記されている期間の電流の流れに相当する。
【0045】
上述したように、回転電機70のコイル7のインダクタンスは小さいため、アクティブデカップリング回路2では、エネルギーを溜めるためではなく、電流を通過させるためにインダクタ(コイル7)を使用する。また、本実施形態の車載充電装置10では、キャパシタ電流Icsをいわゆる連続電流(continuous current)ではなく、パルス幅変調による不連続電流(discontinuous current)としてアクティブデカップリング回路2によるデカップリング作用を実現している。
【0046】
上述したように、インバータ5は、直流の正極と負極との間に、上段側スイッチング素子5Uと下段側スイッチング素子5Lとが直列に接続されたアームを、複数相の交流の相数に応じて複数本並列に備えて構成されている。本実施形態では、インバータ5は、3本のアームを備えて構成されている。インバータ5がアクティブデカップリング回路2として機能する場合には、複数の上段側スイッチング素子5Uが同時にスイッチング制御されると共に、複数の下段側スイッチング素子5Lが同時にスイッチング制御される。即ち、複数相の交流に対応して複数相のアームを備えているインバータ5を、単相アームを備えたインバータ(スイッチング回路)として用いることができる。複数のアームに分散して電流が流れるため、車載充電装置10の一部としてインバータ5を利用してもインバータ5の消耗を抑制し易い。
【0047】
また、複数相のコイル7のそれぞれには、個体差や誤差を除いてほぼ同じ大きさの電流が流れるため、コイル7を車載充電装置10に兼用してもロータにはトルクがほとんど発生しない。直流電源3の充電は、車両が停止している状態で行われるため、ロータにトルクが生じることは好ましくない。例えば、クラッチ等によってロータから車輪への動力伝達を遮断したり、いわゆるパーキングブレーキ等によって車輪に連結される出力部材の回転やロータの回転を規制したりすることも考えられる。しかし、これらの場合は、車両用駆動装置9の機構の複雑化を招いたり、車両用駆動装置9のギヤ等に機械的な負荷を生じさせたりすることにもなる。本実施形態では、ロータにトルクが生じないように制御されるから、車両用駆動装置9のギヤ等にはほとんど機械的な負荷を生じさせることなく、適切に車載充電装置10を構成することができる。
【0048】
図9の波形図は、キャパシタ電流Icsを制御する際の上段側スイッチング素子5U及び下段側スイッチング素子5Lのパルス幅変調の変調パルスを示している。正弦波状の波形は、キャパシタ電流指令Icsであり、キャパシタ電流指令Icsに基づいて制御装置8により変調パルスが生成される。従って、実際のキャパシタ電流Icsは、三角波状の波形となる。図9から明らかなように、インバータ5は、変調パルスにより、全ての上段側スイッチング素子5Uがオン(ON)の状態、且つ全ての下段側スイッチング素子5Lがオフ(OFF)の第1状態、全ての上段側スイッチング素子5Uがオフの状態、且つ全ての下段側スイッチング素子5Lがオンの第2状態、全ての上段側スイッチング素子5U及び全ての下段側スイッチング素子5Lが共にオフの第3状態の3つの状態に制御される。第3状態ではインバータ5の全てのスイッチング素子5Sがオフ状態である。
【0049】
図4は、出力キャパシタCsに流れるキャパシタ電流Icsが、図2及び図3で示す矢印の方向を正として、正の値で増加して出力キャパシタCsを充電しているときの電流の流れを示している。図8及び図9に示す波形図では、“Charging”と表記されている期間の内、キャパシタ電流Icsがキャパシタ電流指令Icsの振幅中心から波高(ピーク)に向かって増加している期間に相当する。インバータ5のスイッチング素子5Sは、第1状態となるように制御されている。第1の直流電力の交流成分Prplは、出力キャパシタCsを充電するために消費され、直流電源3には概ね第1の直流電力の直流成分Pdcのみが第2の直流電力として供給される。
【0050】
図5は、キャパシタ電流Icsが正の値で減少しつつ、出力キャパシタCsを充電しているときの電流の流れを示している。図8及び図9に示す波形図では、“Charging”と表記されている期間の内、キャパシタ電流Icsがキャパシタ電流指令Icsの波高(ピーク)から振幅中心に向かって減少している期間に相当する。インバータのスイッチング素子5Sは、第3状態となるように制御されている。キャパシタ電流Icsは、下段側スイッチング素子5Lに並列接続されたフリーホイールダイオードを通って、又は、下段側スイッチング素子5Lを通って(ボディダイオードやE-GaNトランジスタの逆導通を利用する場合)、出力キャパシタCsとの間で還流しながら減少する。
【0051】
即ち、“Charging”のフェーズでは、下段側スイッチング素子5Lは常時オフに制御され、上段側スイッチング素子5Uがパルス幅変調制御によりスイッチング制御される。
【0052】
図7は、キャパシタ電流Icsが負の値で、キャパシタ電流Icsの絶対値が減少しつつ、出力キャパシタCsを放電しているときの電流の流れを示している。図8及び図9に示す波形図では、“Disharging”と表記されている期間の内、キャパシタ電流Icsの絶対値が、キャパシタ電流指令Icsの波高(ボトム)から振幅中心に向かって減少している期間に相当する。インバータのスイッチング素子5Sは、第3状態となるように制御されている。出力キャパシタCsから放電される電荷により流れる電流は、上段側スイッチング素子5Uに並列接続されたフリーホイールダイオードを通って、又は、下段側スイッチング素子5Lを通って(ボディダイオードやE-GaNトランジスタの逆導通を利用する場合)、直流電源3へ流れる。即ち、第1の直流電力の交流成分Prplは、出力キャパシタCsから放電される電荷により低減され、直流電源3には概ね第1の直流電力の直流成分Pdcのみが第2の直流電力として供給される。
【0053】
図6は、キャパシタ電流Icsが負の値で、キャパシタ電流Icsの絶対値が増加して出力キャパシタCsを放電しているときの電流の流れを示している。図8及び図9に示す波形図では、“Discharging”と表記されている期間の内、キャパシタ電流Icsの絶対値が、キャパシタ電流指令Icsの振幅中心から波高(ボトム)に向かって増加している期間に相当する。インバータのスイッチング素子5Sは、第2状態となるように制御されている。キャパシタ電流Icsの絶対値は、下段側スイッチング素子5Lを通って出力キャパシタCsとの間で還流しながら増加する。
【0054】
即ち、“Disharging”のフェーズでは、“Charging”のフェーズとは逆に、上段側スイッチング素子5Uは常時オフに制御され、下段側スイッチング素子5Lがパルス幅変調制御によりスイッチング制御される。
【0055】
尚、図8に示すように、キャパシタ電流指令Icsの位相は、グリッド電圧Vgridの位相及びグリッド電流Igridの位相と一致している。グリッド電圧Vgrid及びグリッド電流Igridは、上記式(1)、式(2)で表され、入力電力Pinの交流成分Prplは上記式(5)で表されるので、キャパシタ電流指令Icsは、キャパシタ電流指令Icsの振幅をIcs_peakとして下記式(9)で表される。尚、キャパシタ電圧Vcsの位相は、キャパシタ電流Icsに対してπ/2遅れた位相である。キャパシタ電圧Vcsは、キャパシタ電圧Vcsの振幅をVcs_peakとして下記式(10)で表される。
【0056】
【数9】
【数10】
【0057】
以上説明したように、インバータ5は、出力キャパシタCsを流れる電流の位相が、交流直流コンバータ1における交流の電流の位相に一致するように、複数の上段側スイッチング素子5U、及び複数の下段側スイッチング素子5Lがスイッチング制御される。アクティブデカップリング回路2は、交流直流コンバータ1における交流の高調波成分を出力キャパシタCsに流すことで減衰させる。出力キャパシタCsを流れる電流の位相を、交流直流コンバータ1における交流の電流の位相に一致させることで、減衰効果を高くすることができる。
【0058】
また、上述したように、本実施形態では、アクティブデカップリング回路2に第1の直流電力の脈動成分である交流成分Prplに対応する電流(キャパシタ電流Ics)を流す必要がある。即ち、出力キャパシタCsに対して、上述した“Charging”の電流ループと、“Discharging”の電流ループを実現する必要がある。このため、キャパシタ電流指令Icsは、直流電源3に対する出力電圧(=バッテリ電圧Vbat)との大小関係を考慮して設定される。
【0059】
“Charging”の電流ループ(図4)、“Discharging”の電流ループ(図7)を実現するため、キャパシタ電圧Vcsは、バッテリ電圧Vbatよりも低い電圧である必要がある。また、キャパシタ電圧Vcsには、第1の直流電力の交流成分Prplに相当する脈動が発生するため、キャパシタ電圧Vcsは、当該脈動の振幅も考慮してバッテリ電圧Vbatよりも低い電圧に設定される。即ち、キャパシタ電圧Vcsの指令値であるキャパシタ電圧指令Vcsの振幅“Vcs_peak”は、第1の直流電力における電圧の交流成分“Vrpl”の振幅をVrpl_peakとして下記式(11)を満足するように設定される。
【0060】
【数11】
【0061】
尚、バッテリ電圧Vbatは、直流電源3の充電が進むに従って上昇していくため、キャパシタ電圧指令Vcsが一定であると、キャパシタ電圧Vcsとバッテリ電圧Vbatとの差が大きくなっていき、キャパシタ電流Icsが増加し、損失も大きくなる。従って、キャパシタ電圧Vcsは、バッテリ電圧Vbatの上昇に伴って式(11)を満足させつつ上昇することが好ましい。即ち、キャパシタ電圧指令Vcsは、バッテリ電圧Vbatの上昇に伴って式(11)を満足させつつ上昇するように設定されると好適である。
【0062】
以下、車載充電装置10の利点を比較例も参照して説明する。尚、比較例では、簡略化のため、EMIフィルタFLTは省略している。図10の回路ブロック図は、回転電機70の駆動制御システムを利用した車載充電装置10の第1の比較例(第1比較例充電装置10Y)を示している。第1比較例充電装置10Yも、本実施形態の車載充電装置10と同様に、車両用駆動装置9の直流電源3を、外部交流電源4から供給される電力によって充電する。図10に示すように、第1比較例充電装置10Yは、外部交流電源4に接続されて、外部交流電源4からの交流電力を第1の直流電力に変換する交流直流コンバータ1(AC/DCコンバータ)と、交流直流コンバータ1により変換された第1の直流電力を第2の直流電力に変換する直流直流コンバータ20(DC/DCコンバータ)とを備えている。
【0063】
第1比較例充電装置10Yにおいても、相対的に外部交流電源4の側(上流側)に配置される交流直流コンバータ1をフロントエンド回路或いは第1回路ということができ、相対的に直流電源3の側(下流側)に配置される直流直流コンバータ20をバックエンド回路或いは第2回路と称することができる。また、第1比較例充電装置10Yでも、外部交流電源4に接続されるフロントエンド回路である交流直流コンバータ1が、車両用駆動装置9とは別に形成された回路によって構成され、交流直流コンバータ1よりも直流電源3の側に配置されるバックエンド回路である直流直流コンバータ20が、回転電機70の駆動系回路(コイル7及びインバータ5)を共用して構成されている。
【0064】
以下、第1比較例充電装置10Yの構成について説明する。交流直流コンバータ1の構成は、上述した車載充電装置10の交流直流コンバータ1と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0065】
上述した車載充電装置10のアクティブデカップリング回路2と同様に、直流直流コンバータ20も、インバータ5、複数相のコイル7、出力キャパシタCs、及びOBCコンタクタ12を含んで構成されている。但し、アクティブデカップリング回路2が、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが他の受動部品(例えば直流リンクキャパシタ6)を介することなく接続されているのに対して、第1比較例充電装置10Yの直流直流コンバータ20は、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが直流リンクキャパシタ6を介して接続されている。また、アクティブデカップリング回路2では、出力キャパシタCsが、コイル7の中性点7Nと直流の負極との間に接続されているが、第1比較例充電装置10Yでは、出力キャパシタCsは、コイル7の中性点7Nと直流の負極との間に接続されると共に、直流電源3の正極と直流の負極(直流電源3の負極と同じ)との間に接続されている。つまり、出力キャパシタCsの両端電圧であるキャパシタ電圧Vcsが、直流電源3の両端電圧であるバッテリ電圧Vbatとなる。
【0066】
また、第1比較例充電装置10Yでは、メインコンタクタ11が、直流電源3の正極に対してインバータ5の正極(インバータ正極端子T5P)と、直流直流コンバータ20の出力の正極(出力キャパシタCsの正極端子、OBCコンタクタ12が閉成された状態の中性点7N)とを選択的に接続する。即ち、メインコンタクタ11は、2つの接点、メインコンタクタ第1接点11aとメインコンタクタ第2接点11bとを備えている。インバータ5が車載充電装置(第1比較例充電装置10Y)として機能する場合には、メインコンタクタ第2接点11bが閉成され、メインコンタクタ第1接点11aは開放される。インバータ5が回転電機70の駆動制御に用いられる場合には、メインコンタクタ第1接点11aが閉成され、メインコンタクタ第2接点11bは開放されてインバータ5のインバータ正極端子T5Pが、メインコンタクタ11を介して直流電源3に接続される。尚、車両が駐車される場合や、異常等によって回転電機70への電力供給を遮断する必要があるような場合には、メインコンタクタ第1接点11a及びメインコンタクタ第2接点11bを共に開放状態とすることができる。
【0067】
図11の回路ブロック図は、回転電機70の駆動制御システムを利用した車載充電装置10の第2の比較例(第2比較例充電装置10X)を示している。第2比較例充電装置10Xも、本実施形態の車載充電装置10及び第1比較例充電装置10Yと同様に、車両用駆動装置9の直流電源3を、外部交流電源4から供給される電力によって充電する。第2比較例充電装置10Xも、第1比較例充電装置10Yと同様に、交流直流コンバータ(比較例交流直流コンバータ100)と、直流直流コンバータ(比較例直流直流コンバータ200)とを備えている。但し、第1比較例充電装置10Yでは、直流直流コンバータ20に、回転電機70の駆動系回路が共用されているが、第2比較例充電装置10Xでは、交流直流コンバータ(比較例交流直流コンバータ100)に、回転電機70の駆動系回路が共用されている。比較例交流直流コンバータ100は、インバータ5と、複数相のコイル7と、インバータ5に並列に接続された単相アーム105と、インダクタL1(第1インダクタ)とを備えて構成されている。複数相のコイル7は中性点7Nで短絡され、中性点7Nと単相アーム105の中点との間に、インダクタL1(第1インダクタ)と外部交流電源4とが直列に接続されている。インバータ5を構成する3相のアームは、並列接続されて見かけ上1つのアームを構成しており、単相アーム105と共に、フルブリッジ回路を形成している。
【0068】
第2比較例充電装置10Xでは、直流直流コンバータ(比較例直流直流コンバータ200)は、回転電機70の駆動系回路を共用することなく独立して形成されている。比較例直流直流コンバータ200は、相補的にスイッチング制御されるようにスイッチング素子が直列接続されたアームと、当該アームの中点に接続された第2インダクタL2を備えて降圧型の直流直流コンバータとして構成されている。尚、比較例直流直流コンバータ200は昇圧コンバータや昇降圧型コンバータとして構成されていてもよい。
【0069】
第2比較例充電装置10Xも、車載充電装置10の第1比較例充電装置10Yと同様のメインコンタクタ11及びグリッドコンタクタ13を備えている。また、第2比較例充電装置10Xは、選択的に、比較例交流直流コンバータ100(インバータ5)と直流電源3とを接続する、或いは、比較例交流直流コンバータ100(インバータ5)と比較例直流直流コンバータ200とを接続するOBCコンタクタ12も備えている。OBCコンタクタ12は、2つの接点、OBCコンタクタ第1接点12aとOBCコンタクタ第2接点12bとを備えている。インバータ5が車載充電装置(第2比較例充電装置10X)として機能する場合には、OBCコンタクタ第2接点12bが閉成され、OBCコンタクタ第1接点12aは開放される。インバータ5が回転電機70の駆動制御に用いられる場合には、OBCコンタクタ第1接点12aが閉成され、OBCコンタクタ第2接点12bは開放されてインバータ5のインバータ正極端子T5Pが、OBCコンタクタ12及びメインコンタクタ11を介して直流電源3に接続される。
【0070】
車両の駆動力源となる回転電機は、高電力密度となるように設計されており、インダクタンスが小さい。このため、第2比較例充電装置10Xのように、中性点7Nに外部交流電源4が接続されて交流直流コンバータが形成された場合、交流直流変換の際に、外部交流電源4の系統電流の高調波電流のピーク値が大きくなる傾向がある。
【0071】
これを抑制するための1つの方法として、比較例交流直流コンバータ100に含まれるインバータ5や比較例直流直流コンバータ200の制御周波数を高くことが考えられる。これらの制御周波数を高くする場合には、制御装置8の制御周期(制御周波数)も短くする必要がある。高い周波数でのスイッチングは、比較例交流直流コンバータ100(インバータ5)及び比較例直流直流コンバータ200が備えるスイッチング素子における損失を増大させ、第2比較例充電装置10Xの効率の低下に繋がる。また、制御装置8として、高速動作が可能なマイクロコンピュータ等を用いる必要が生じ、第2比較例充電装置10Xのコストの上昇に繋がる。この点に鑑み、第2比較例充電装置10Xでは、コイル7を用いつつも、コイル7では不足するインダクタンスを補うために、外部交流電源4と複数相のコイル7の中性点7Nとの間に、インダクタL1を配置して必要なインダクタンスを確保している。第2比較例充電装置10Xでは、比較例直流直流コンバータ200にもインダクタ(第2インダクタL2)が配置されており、第1比較例充電装置10Y、本実施形態の車載充電装置10に比べてインダクタの数が多くなり、システムコストが上昇し易い。
【0072】
第1比較例充電装置10Yは、この点に鑑み、システムコストの増加を抑制して構成されている。具体的には、充電装置を構成する交流直流コンバータと直流直流コンバータとの内、適切なインダクタンスが必要な交流直流コンバータ1が、回転電機70の駆動系回路(回転電機70のコイル7及び回転電機70を駆動するインバータ5)を用いることなく構成されている。即ち、第1比較例充電装置10Yは、インダクタL1を用いて適切なインダクタンスが設定された交流直流コンバータ1により、力率改善機能などの充分な性能を確保して交流直流変換が可能な交流直流コンバータ1を構成することができている。また、高いインダクタンスが必要ない直流直流コンバータ20は、回転電機70の駆動系回路を共用して構成されており、車載充電装置(第1比較例充電装置10Y)のコストを低減することができる。また、インダクタL1によって交流直流コンバータ1に適切なインダクタンスが設定されるので、交流直流コンバータ1を短い制御周期(高い制御周波数)で制御する必要もない。
【0073】
但し、本実施形態の車載充電装置10のアクティブデカップリング回路2が、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが他の受動部品(例えば直流リンクキャパシタ6)を介することなく接続されているのに対して、第1比較例充電装置10Yの直流直流コンバータ20は、交流直流コンバータ1の直流側端子T1dとインバータ5の直流側端子T5dとが直流リンクキャパシタ6を介して接続されている。第1比較例充電装置10Yでは、第1の直流電力の脈動成分である交流成分Prplが、直流リンクキャパシタ6の平滑作用を利用して低減される。このため、直流リンクキャパシタ6には、回転電機70の駆動システムにおいて平滑キャパシタとして作用するよりも高い能力が求められる。その結果、直流リンクキャパシタ6の静電容量を、回転電機駆動システムのみに使用される場合に比べて大きくする必要が生じる。発明者らの実験やシミュレーションによれば、本実施形態の車載充電装置10の直流リンクキャパシタ6に比べて、第1比較例充電装置10Yの直流リンクキャパシタ6は、約2倍の容量が必要であることが判った。従って、本実施形態の車載充電装置10は、第1比較例充電装置10Yに比べて、小型化、並びにシステムコストの低減を実現し易い。
【0074】
また、第1比較例充電装置10Yでは、メインコンタクタ11が2つの接点を備えている。メインコンタクタ第1接点11a及びメインコンタクタ第2接点11bには共に大電流が流れるため、メインコンタクタ11の部品サイズは比較的大きくなる傾向がある。本実施形態の車載充電装置10では、メインコンタクタ11の接点が1つで足りるため、メインコンタクタ11の体格が大きくなることも抑制され、車載充電装置10の装置規模が大きくなることも抑制され、システムコストの低減も図り易い。
【0075】
上述したように、本実施形態の車載充電装置10では、メインコンタクタ11が閉成されると共にOBCコンタクタ12が開放された状態で、インバータ5を介して直流電源3と回転電機70との間で電力が変換され、メインコンタクタ11及びOBCコンタクタが共に閉成された状態で、交流直流コンバータ1、及びインバータ5を含むアクティブデカップリング回路2を介して外部交流電源4と直流電源3との間で電力が変換される。
【0076】
回転電機70を駆動するための駆動装置や車載充電装置10と、直流電源3との間には、直流電源3を用いないときには電気的接続を遮断するために、多くの場合、コンタクタが配置されている。当該コンタクタには大きな電流が流れるため、コンタクタは電流容量や耐圧が高い仕様のものが用いられ、体格も大きくなる傾向がある。本実施形態の車載充電装置10は、回転電機70を駆動する駆動装置と、回路の一部を兼用しており、回路を切り替えるためのコンタクタも備えている。このコンタクタも、電流容量や耐圧が比較的高いものが要求されることが多い。本構成によれば、第1コンタクタ(メインコンタクタ11)と第2コンタクタ(OBCコンタクタ12)との2つのコンタクタによって、駆動装置と車載充電装置10とを切り替えることができるので、回路規模を小さく抑え易い。
【符号の説明】
【0077】
1:交流直流コンバータ、1S:スイッチング素子、2:アクティブデカップリング回路、3:直流電源、4:外部交流電源、5:インバータ、5L:下段側スイッチング素子、5S:スイッチング素子、5U:上段側スイッチング素子、7:コイル、7N:中性点、9:車両用駆動装置、10:車載充電装置、11:メインコンタクタ(第1コンタクタ)、12:OBCコンタクタ(第2コンタクタ)、70:回転電機、Cs:出力キャパシタ、T1d:直流側端子、T5d:直流側端子
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