(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025008802
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】情報伝達方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20250109BHJP
G06F 11/32 20060101ALI20250109BHJP
【FI】
G06F11/07 184
G06F11/32 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111315
(22)【出願日】2023-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(72)【発明者】
【氏名】川口 吉洋
(72)【発明者】
【氏名】大館 尚人
(72)【発明者】
【氏名】政田 孝行
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042KK09
5B042KK14
5B042KK17
5B042MA08
5B042MA09
5B042MC15
(57)【要約】
【課題】通信回線に接続されていない処理装置のエラー情報を容易に応答部に伝達することが可能となる情報伝達方法を提供する。
【解決手段】半導体ウエーハを処理する処理装置10のエラー情報を外部サーバ30に伝達する情報伝達方法であって、処理装置10が、処理装置10のエラー情報を示すエラー識別コードを生成し、処理装置10の表示部13に表示するエラー識別コード生成ステップと、エラー識別コードを読み取る撮像ユニット26と、通信機能を備える通信ユニット25と、を有する通信機器20がエラー識別コードを読み取り、エラー識別コードに含まれるエラー情報を外部サーバ30に伝達するエラー情報伝達ステップと、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物を処理する処理装置のエラー情報を応答部に伝達する情報伝達方法であって、
該処理装置が、
該処理装置の該エラー情報を示すエラー識別コードを生成し、該処理装置の表示部に表示するエラー識別コード生成ステップと、
該エラー識別コードを読み取る撮像ユニットと、通信機能を備える通信ユニットと、を有する通信機器が
該エラー識別コードを読み取り、該エラー識別コードに含まれる該エラー情報を該応答部に伝達するエラー情報伝達ステップと、
を備える情報伝達方法。
【請求項2】
該応答部から該処理装置に記録される情報においてエラーの解析に必要なデータの種類を該通信機器に伝達する要求ステップと、
該要求ステップにおける該応答部からの要求により生成された該データの伝達を要求する要求識別コードを該通信機器に表示する要求識別コード表示ステップと、
該要求識別コードを該処理装置に設置された撮像ユニットで読み取る要求読み取りステップと、
該処理装置が該要求識別コードによって要求された該データを含む回答識別コードを生成し、該処理装置の該表示部に表示する回答識別コード生成ステップと、
該通信機器が該回答識別コードを読み取り、該回答識別コードに含まれる情報を該応答部に伝達する回答伝達ステップと、
を備える請求項1に記載の情報伝達方法。
【請求項3】
該応答部から該処理装置を制御する任意の実行指示値を該通信機器に伝達する実行指令ステップと、
該応答部からの要求により生成された該実行指示値を含む実行識別コードを該通信機器に表示する実行識別コード表示ステップと、
該実行識別コードを該処理装置に設置された撮像ユニットで読み取り、該処理装置の制御ユニットが該実行指示値によって要求された実行指示に基づき制御する実行制御ステップと、
を備える請求項1または2に記載の情報伝達方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報伝達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエーハなどの処理対象物を処理する処理装置が知られている。また、ネットワークに接続されていない処理装置に処理条件を設定できる基板処理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、処理装置が通信回線に接続されていない場合には、処理装置を操作する作業者以外の応答部が処理装置のエラー情報を確認することが困難である。したがって、通信回線に接続されていない処理装置であっても、エラー情報を容易に伝達させる、という解決すべき課題がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、通信回線に接続されていない処理装置のエラー情報を容易に応答部に伝達することが可能となる情報伝達方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報伝達方法は、処理対象物を処理する処理装置のエラー情報を応答部に伝達する情報伝達方法であって、該処理装置が、該処理装置の該エラー情報を示すエラー識別コードを生成し、該処理装置の表示部に表示するエラー識別コード生成ステップと、該エラー識別コードを読み取る撮像ユニットと、通信機能を備える通信ユニットと、を有する通信機器が該エラー識別コードを読み取り、該エラー識別コードに含まれる該エラー情報を該応答部に伝達するエラー情報伝達ステップと、を備える。
【0007】
本発明の情報伝達方法は、該応答部から該処理装置に記録される情報においてエラーの解析に必要なデータの種類を該通信機器に伝達する要求ステップと、該要求ステップにおける該応答部からの要求により生成された該データの伝達を要求する要求識別コードを該通信機器に表示する要求識別コード表示ステップと、該要求識別コードを該処理装置に設置された撮像ユニットで読み取る要求読み取りステップと、該処理装置が該要求識別コードによって要求された該データを含む回答識別コードを生成し、該処理装置の該表示部に表示する回答識別コード生成ステップと、該通信機器が該回答識別コードを読み取り、該回答識別コードに含まれる情報を該応答部に伝達する回答伝達ステップと、を更に備えてもよい。
【0008】
本発明の情報伝達方法は、該応答部から該処理装置を制御する任意の実行指示値を該通信機器に伝達する実行指令ステップと、該応答部からの要求により生成された該実行指示値を含む実行識別コードを該通信機器に表示する実行識別コード表示ステップと、該実行識別コードを該処理装置に設置された撮像ユニットで読み取り、該処理装置の制御ユニットが該実行指示値によって要求された実行指示に基づき制御する実行制御ステップと、を更に備えてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ネットワークに接続されていない処理装置のエラー情報を容易に応答部に伝達することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態の情報伝達方法を実行する情報伝達システムの一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の情報伝達方法のうち第1工程の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図3】本実施形態の情報伝達方法のうち第2工程の一例を示すシーケンスチャートである。
【
図4】本実施形態の情報伝達方法のうち第3工程の一例を示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1~
図4を参照して、本実施形態に係る情報伝達方法について説明する。本実施形態に係る情報伝達システム1が実行する情報伝達方法は、後述の第1工程と、第2工程と、第3工程と、を備える。第1工程、第2工程、および第3工程は、それぞれ連続して実行してもよいし、それぞれ独立して実行してもよい。第1工程は、エラー識別コード生成ステップと、エラー情報伝達ステップと、を備える。第2工程は、要求ステップと、要求識別コード表示ステップと、要求読み取りステップと、回答識別コード生成ステップと、回答伝達ステップと、を備える。第3工程は、実行指令ステップと、実行識別コード表示ステップと、実行制御ステップと、を備える。
図1は、本実施形態の情報伝達方法を実行する情報伝達システムの一例を示す図である。
図2は、本実施形態の情報伝達方法のうち第1工程の一例を示すシーケンスチャートである。
図3は、本実施形態の情報伝達方法のうち第2工程の一例を示すシーケンスチャートである。
図4は、本実施形態の情報伝達方法のうち第3工程の一例を示すシーケンスチャートである。
【0012】
本実施形態に係る情報伝達方法を実行するための情報伝達システム1は、処理装置10、通信機器20、および応答部の一例として外部サーバ30を備える。なお、本発明の情報伝達システムの応答部は外部サーバ30に限らない。通信機器20と応答者が使用する別の通信機器とが外部サーバを介さず通信するP2P通信方式を利用する場合、応答部は応答者が使用する別の通信機器となる。また
図1に示す情報伝達システム1は、処理装置10、通信機器20、および外部サーバ30以外の機器を備えてもよい。
【0013】
処理装置10は、半導体ウエーハなどの処理対象物を処理する加工装置である。処理装置10は、情報伝達システム1を構成する他の装置と有線および無線で通信可能に接続されていない。加工装置として切削装置、研削装置、研磨装置、プラズマ加工装置、レーザ加工装置、バイト切削装置、検査装置、テープ貼り付け装置、テープ剥離装置、洗浄装置、膜形成装置、または樹脂貼り装置などを用いることができる。処理装置10は、制御ユニット11、表示部13、入力部14、および撮像ユニット16を備える。
【0014】
制御ユニット11は、制御部111(プロセッサ)、および記憶部112(メモリ)を備える。
【0015】
制御部111は、処理装置10の各部を制御するための信号を生成する。制御部111は、記憶部112に記憶したプログラムを読み出して実行することにより処理装置10の各部の動作を制御する。
【0016】
記憶部112は、制御部111において用いられる処理装置10の制御を実行するためのプログラムおよび各種情報を記憶する。記憶部112に記憶されている情報として、処理装置10を制御するための実行指示値を記憶してもよい。実行指示値とは、処理装置10を構成する各ユニットの挙動を制御するための設定値、処理装置10を構成する各ユニットの駆動を指示するための実行値、および外部サーバ30の応答者200がエラーの解析に必要なデータの種類の情報として要求する項目(以下、「要求項目」とも呼ぶ)などが含まれる。処理装置10の制御を実行するためのプログラムには、通信機器20から読み取った識別コードに基づき処理装置10を制御するプログラムや、識別コードを生成するプログラムが含まれる。本実施形態において、識別コードには、一次元コードまたは二次元コードが含まれる。一次元コードには、バーコードなどが含まれる。二次元コードには、QRコード(登録商標)、Data Matrix、PDF417などが含まれる。
【0017】
表示部13は、例えばLCDのモニタであり、制御部111の制御のもとで処理装置10を操作する応答者200に対して操作画面や識別コードなどを表示する。入力部14は、表示部13と一体化したタッチパネルで、応答者200の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部111に通知される。入力部14は、応答者200の入力指示に基づき、設定値や実行指示値などの入力を受け付ける。入力部14は、キーボードやマウスであってもよい。
【0018】
撮像ユニット16は、通信機器20が表示した識別コードを撮像して、撮像データを制御部111へ通知する。撮像ユニット16は、例えばカメラにより構成される。
【0019】
通信機器20は、外部サーバ30と、有線または無線により通信可能に接続されている。通信機器20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートPC(Personal Computer)等により構成される。通信機器20は、制御部21(プロセッサ)、記憶部22(メモリ)、表示部23、入力部24、通信ユニット25、および撮像ユニット26を備える。
【0020】
制御部21は、通信機器20の各部を制御するための信号を生成する。制御部21は、記憶部22に記憶したプログラムを読み出して実行することにより通信機器20の各部の動作を制御する。
【0021】
記憶部22は、制御部21において用いられる通信機器20の制御を実行するためのプログラムおよび各種情報を記憶する。通信機器20の制御を実行するためのプログラムには、処理装置10から読み取ったエラー情報に基づきエラー情報を伝達するプログラムや、処理装置10から読み取った識別コードの情報を文字列に変換するプログラムなどが含まれる。
【0022】
表示部23は、例えばLCDのモニタであり、制御部21の制御のもとで通信機器20を操作する作業者300に対して操作画面や識別コードなどを表示する。入力部24は、表示部23と一体化したタッチパネルで、作業者300の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部21に通知される。入力部24は、作業者300の入力指示に基づき、設定値や実行指示値などの入力を受け付ける。入力部24は、キーボードやマウスであってもよい。
【0023】
通信ユニット25は、通信機能を備え、制御部21の制御のもと、情報伝達システム1のネットワークを介した通信を行う。通信機器20は、通信ユニット25による通信を行うことで、情報伝達システム1の外部サーバ30との間でデータの送受信を行う。
【0024】
撮像ユニット26は、外部サーバ30が表示した識別コードを撮像して、撮像データを制御部21へ通知する。撮像ユニット26は、例えばカメラにより構成される。
【0025】
外部サーバ30は、通信機器20と、有線または無線により通信可能に接続されている。外部サーバ30は、メールサーバやWEBサーバなどにより構成される。外部サーバ30は、図示しないメーカ側のPCとインターネットを通じて接続され、メーカ側のPCからアクセスしてデータを取得する。外部サーバ30は、エラー情報の伝達先として配置される応答部として機能する。外部サーバ30は、制御部31、記憶部32、表示部33、入力部34、および通信ユニット35を備える。
【0026】
制御部31は、外部サーバ30の各部を制御するための信号を生成する。制御部31は、記憶部32に記憶したプログラムを読み出して実行することにより外部サーバ30の各部の動作を制御する。
【0027】
記憶部32は、制御部31において用いられる外部サーバ30の制御を実行するためのプログラムおよび各種情報を記憶する。
【0028】
表示部33は、例えばLCDのモニタであり、制御部31の制御のもとで外部サーバ30を操作する作業者300に対して操作画面や識別コードなどを表示する。入力部24は、表示部33と一体化したタッチパネルで、作業者300の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部31に通知される。入力部34は、作業者300の入力指示に基づき、設定値や実行指示値などの入力を受け付ける。入力部24は、キーボードやマウスであってもよい。
【0029】
通信ユニット35は、通信機能を備え、制御部31の制御のもと、情報伝達システム1のネットワークを介した通信を行う。外部サーバ30は、通信ユニット35による通信を行うことで、情報伝達システム1の通信機器20との間でデータの送受信を行う。
【0030】
次に、本実施形態に係る情報伝達システム1が実行する情報伝達方法について説明する。本実施形態に係る情報伝達方法は、第1工程、第2工程、第3工程の順に実行されることが好ましい。以下、本実施形態に係る情報伝達方法で実行される各ステップについて説明する。
【0031】
情報伝達方法に含まれる第1工程では、エラー識別コード生成ステップと、エラー情報伝達ステップと、が実行される。
【0032】
エラー識別コード生成ステップにおいては、処理装置10は、処理装置10のエラー情報を示す識別コードとしてエラー識別コードを生成する。
【0033】
エラー情報とは、処理装置10の動作中に発生したエラーや異常状態に関する情報を指し、問題の特定やトラブルシューティングに役立つ重要なデータである。エラー情報には、例えば、エラーコード、エラーメッセージ、発生時刻情報、発生場所情報などが含まれる。
【0034】
エラーコードには、例えば、特定のエラーを一意に識別するための数値や文字列が含まれる。エラーコードを識別することにより、処理装置10の障害に関する問題の特定や解決に役立てることができる。
【0035】
エラーメッセージには、エラーが発生した原因や内容を示すテキスト情報やエラーに関連する追加の詳細情報やコンテキスト情報が含まれる。エラーメッセージには、処理装置10を構成する各ユニットの状態、関連するイベントのログ、エラーの履歴などが含まれてもよい。エラーメッセージを識別することにより、応答者200に対してエラーの理解や対処方法を提供することができる。
【0036】
発生時刻には、エラーが発生した日時やタイムスタンプが含まれる。発生時刻を把握することにより、トラブルシューティングや問題の原因特定において時間的な参照点とすることができる。
【0037】
発生場所には、エラーが発生した処理装置10内の具体的な場所や工場内の処理装置10の設置場所や、ソースコードの行番号、ログのパスなどが含まれる。発生場所を特定することにより、エラーの発生箇所を特定することができる。
【0038】
エラー識別コードは、エラー情報を含む識別コードにより構成される。すなわち、エラー識別コードには、エラー情報が埋め込まれている。例えば、処理装置10は、処理装置10のエラー情報として「2023/04/17,10:54:23,エラーコード(E1234),フルオート中3枚目」の情報を含むQRコードをエラー識別コードとして生成する。また、カセットから搬送アームがフレームに指示された被加工物のフレームを引き出すことができない、ことをエラー情報としてエラー識別コードに埋め込んでもよい。
【0039】
処理装置10は、生成したエラー識別コードを表示部13のモニタに表示する。例えば、処理装置10は、エラー情報が含まれるQRコードを表示部13のモニタに表示する。QRコードを表示部13に表示することにより、通信機器20に対し、エラー情報の読み取りを行わせることができる。
【0040】
エラー情報伝達ステップにおいては、通信機器20が、エラー識別コードを読み取り、エラー識別コードに含まれるエラー情報を外部サーバ30に伝達する。例えば、処理装置10がエラー識別コードとしてQRコードを表示部13のモニタに表示した場合には、通信機器20は、撮像ユニット26を起動し、処理装置10で表示されたQRコードを撮像ユニット26で読み取ることにより、処理装置10からエラー情報を取得することができる。通信機器20は、エラー識別コードの情報を文字列に変換する。通信機器20は、変換したエラー情報を通信ユニット25により、外部サーバ30へ伝達する。これにより、通信回線に接続されていない処理装置10のエラーの状態を示すエラー情報を通信機器20により容易に外部サーバ30へ伝達することができる。そして、外部サーバ30は、表示部33のモニタにエラー情報を表示することができる。例えば、エラー情報には「2023/04/17,10/54/23,エラーコード(E1234),フルオート中3枚目」の情報が含まれているため、2023年4月17日の10時54分23秒において、フルオート中の3枚目のウエーハを搬送中にエラーコードが「E1234」のエラーが発生したことを外部サーバ30の応答者200へ伝達することができる。これにより、外部サーバ30など外部と通信回線によって接続されていない処理装置10の状況を外部サーバ30に伝える際に、処理装置10を操作する作業者300の工数を削減することができる。
【0041】
情報伝達方法に含まれる第2工程では、要求ステップと、要求識別コード表示ステップと、要求読み取りステップと、回答識別コード生成ステップと、回答伝達ステップと、が実行される。
【0042】
要求ステップにおいては、外部サーバ30は、処理装置10に記録される情報において応答者200がエラーの解析に必要なデータの種類の情報として要求する要求項目を外部サーバ30から通信機器20に伝達する。要求項目は、処理装置10のエラーの解析に必要な情報の項目である。要求項目には、例えば、直近から所定期間内発生した同じエラーの履歴、所定期間内の同じエラーの発生回数や頻度、直近に発生した処理装置の各ユニットの駆動に関する設定データの変更履歴、前回電源を入れてからのウエーハなどの処理対象物の処理枚数の情報など、応答者200がエラーの解析に必要な情報の項目が含まれる。外部サーバ30は、例えば、応答者200の操作に基づき入力部34を通じて入力された要求項目のリクエストを受け付ける。外部サーバ30は、応答者200から受け付けた要求項目のリクエストをインターネットなどの通信回線を通じて通信機器20へ伝達する。
【0043】
要求識別コード表示ステップにおいては、通信機器20は、外部サーバ30から伝達された要求項目のリクエストにより要求識別コードを生成する。そして、通信機器20は、生成した要求識別コードを通信機器20の表示部23に表示する。
【0044】
要求識別コードとは、データの項目を含む識別コードにより構成される。すなわち、要求識別コードには、処理装置10の状態のうち、確認したいデータの項目の情報が埋め込まれている。データの項目は、文字列であってもよい。
【0045】
上述の実施形態の要求ステップにおいては、通信機器20から外部サーバに送信された処理装置10のエラー情報を確認した応答者200が、処理装置10に要求するデータの項目を手動で指定しても良い。または外部サーバ30に記録された自動応答プログラムが自動で処理装置10に要求するデータの項目を指定し、通信機器20に要求するデータの項目を伝達してもよい。自動応答プログラムの場合、外部サーバはエラー情報に紐付けて処理装置10に要求するデータ項目を記録する記憶部と、取得したエラー情報に応じて通信機器20にデータを要求するプログラムと、を有している。
【0046】
上述の実施形態においては、外部サーバ30は文字列や数値の状態で通信機器20にデータを要求し、通信機器20が要求識別コードを生成して表示部23に表示してもよい。または、外部サーバ30が、要求するデータの項目を含む要求識別コードを生成して、要求識別コードの状態で通信機器20に情報を伝達してもよい。
【0047】
要求読み取りステップにおいては、処理装置10は、要求識別コードを処理装置10に設置された撮像ユニット16で読み取る。例えば、通信機器20が要求識別コードとしてQRコードを表示部23に表示した場合には、処理装置10は、撮像ユニット16を起動し、通信機器20で表示されたQRコードを撮像ユニット16で読み取ることにより、通信機器20からエラー解析情報を取得することができる。
【0048】
回答識別コード生成ステップにおいては、処理装置10は、処理装置10が要求識別コードによって要求されたデータを含む識別コードとして回答識別コードを生成する。
【0049】
要求識別コードによって要求されたデータとは、要求読み取りステップの後、処理装置10が、要求識別コードに含まれる要求項目に基づいて処理装置10の記憶部112に記憶されている情報からピックアップした処理装置10の情報である。
【0050】
処理装置10は、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報に基づいて回答識別コードを生成する。回答識別コードは、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を含む識別コードにより構成される。すなわち、回答識別コードには、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報が埋め込まれている。ピックアップした情報は、文字列であってもよい。例えば、処理装置10は、例えば、要求識別コードに含まれる要求項目に基づいてピックアップした、直近の所定期間内に発生した同じエラーの発生履歴や頻度の情報「2022/12/23,15:23:13」「2022/12/20,11:10:53」、直近に発生した処理装置10の各ユニットの設定データの変更履歴「直近搬送データ変更は引き出し高さ120.0→120.5変更」、前回電源を入れてからのウエーハなどの処理対象物の処理枚数の情報「312枚」の情報を含むQRコードを回答識別コードとして生成する。
【0051】
処理装置10は、生成した回答識別コードを処理装置10の表示部13に表示する。例えば、処理装置10は、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報が含まれるQRコードを表示部13のモニタに表示する。QRコードを表示部13に表示することにより、通信機器20に対し、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報の読み取りを行わせることができる。
【0052】
回答伝達ステップにおいては、通信機器20は、回答識別コードを読み取り、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を外部サーバ30に伝達する。例えば、処理装置10が回答識別コードとしてQRコードを表示部13のモニタに表示した場合には、通信機器20は、撮像ユニット26を起動し、処理装置10で表示されたQRコードを撮像ユニット26で読み取ることにより、処理装置10から要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を取得することができる。通信機器20は、回答識別コードの情報を文字列に変換するプログラムを有する。通信機器20は、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を通信ユニット25により、外部サーバ30へ伝達する。これにより、通信回線に接続されていない処理装置10が要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を通信機器20により容易に外部サーバ30で取得することができる。なお通信機器20は回答識別コードの状態で外部サーバ30に伝達し、外部サーバ30が回答識別コードの情報を文字列に変換するプログラムを有しても良い。そして、外部サーバ30は、表示部33に要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を表示することができる。例えば、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報には、直近に発生した同じエラーの発生頻度の情報「2022/12/23,15:23:13」、直近に発生した搬送データの変更履歴「直近搬送データ変更は引き出し高さ120.0→120.5変更」、前回電源を入れてからの処理枚数の情報「312枚」の情報が含まれているため、2022年12月23日の15時23分13秒に搬送データ変更に伴い、基準位置が0.5mm変更されたことを外部サーバ30の応答者200に伝達することができる。これにより、外部サーバ30など外部と通信回線によって接続されていない処理装置10が要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を外部サーバ30に伝える際に、処理装置10を操作する作業者300の工数を削減することができる。
【0053】
情報伝達方法に含まれる第3工程では、実行指令ステップと、実行識別コード表示ステップと、実行制御ステップと、が実行される。
【0054】
実行指令ステップにおいては、外部サーバ30は、外部サーバ30から処理装置10を制御する任意の実行指示値を通信機器20に伝達する。処理装置10を制御する任意の実行指示値は、処理装置10の挙動を制御するための設定値、および処理装置10を構成する各ユニットの駆動を指示するための実行値などである。実行指示値には、例えば、処理装置10を駆動する各ユニットの設定値や実行値が含まれる。設定値として、例えば、搬送データの引き出し高さを0.5mm戻す指示、すなわち、引き出し高さを120.5mmに設定する設定値を含めてもよい。外部サーバ30は、例えば、応答者200の操作に基づき入力部34を通じて入力された実行指示値を受け付ける。外部サーバ30は、応答者200から受け付けた実行指示値をインターネットなどの通信回線を通じて通信機器20へ伝達する。
【0055】
実行識別コード表示ステップにおいては、通信機器20は、外部サーバ30からの要求により生成された実行指示値を含む実行識別コードを通信機器20の表示部23に表示する。
【0056】
実行識別コードとは、実行指示値を含む識別コードにより構成される。すなわち、実行識別コードには、応答者200が所望する処理装置10を制御するための実行指示値が埋め込まれている。データの項目は、文字列、数値、記号などであってもよい。
【0057】
上述の実施形態においては、処理装置10においてエラーが発生すると、処理装置10が自動で表示部13に伝達するエラー情報識別コードを生成して表示してもよい。また上述の実施形態においては、外部サーバ30は文字列や数値の状態で通信機器20に実行指示値を送信し、通信機器20が実行識別コードを生成して表示部23に表示してもよい。または、外部サーバ30が、実行指示値を含む実行識別コードを生成して、実行識別コードの状態で通信機器20に情報を伝達してもよい。
【0058】
上述の実施形態においては、通信機器20は、外部サーバ30の自動応答プログラムからの要求により生成された実行識別コードを表示部23に表示してもよい。または、通信機器20は、外部サーバからエラー情報を確認した応答者200からの要求により生成された実行識別コードを表示部13に表示してもよい。
【0059】
実行制御ステップにおいては、処理装置10は、実行識別コードを処理装置10に設置された撮像ユニット16で読み取る。例えば、通信機器20が実行識別コードとしてQRコードを表示部23に表示した場合には、処理装置10は、撮像ユニット16を起動し、通信機器20で表示されたQRコードを撮像ユニット16で読み取ることにより、通信機器20から実行指示値を取得することができる。
【0060】
続いて、処理装置10は、処理装置10の制御ユニット11が実行指示値によって要求された実行指示に基づき処理装置10を制御する。例えば、実行指示値に外部サーバ30を通じて応答者200により引き出し高さを120.5mmに設定する設定値が含まれる場合、処理装置10の制御ユニット11を構成する制御部111は、実行指示値によって要求された実行指示に基づいて、引き出し高さを120.5mmに設定する制御を実行する。これにより、処理装置10は実行識別コードに、特定の処理の実行を指示する情報を含ませることで、処理装置10の設定値の変更や、処理装置10を構成する各ユニットの駆動を実行することができる。
【0061】
また、処理装置10の記憶部112は、エラーコードや外部サーバから要求されたまたは取得した実行指示に紐付けて、指定のデータ項目をエラー識別コードとして出力するプログラムや、各ユニットの設定情報の書き換えプログラムや、各ユニットを駆動させる指令を紐づけて記憶していてもよい。これにより、応答部から要求するデータ項目に関する情報や実行指示値を最小限ですみ、一次元コードや二次元コードの数を少なくする事ができる。実行指示値によって要求された実行指示に基づいて、設定情報の書き換えや、各ユニットの駆動についても自動応答で実施してもよい。
【0062】
次に、
図2を参照して、情報伝達システム1により実行される情報伝達方法のうち第1工程について説明する。
【0063】
はじめに、処理装置10において例えば、カセットから搬送アームがフレームを引き出せないエラーが発生すると、制御ユニット11は表示部13などによりアラームを発生する。アラームを確認した応答者200の入力部14への入力指示に基づきアラームクリアの押下操作を受け付けた場合には、制御ユニット11は、アラームをクリアする。そして、応答者200の入力部14への入力指示に基づき二次元コード生成ボタンがクリックされると、処理装置10は、エラー情報を示すエラー識別コードを生成する(ステップS11)。処理装置10は、生成したエラー識別コードを表示部13のモニタに表示する(ステップS12)。
【0064】
通信機器20は、処理装置10が生成したエラー識別コードを読み取り(ステップS12)、読み取ったエラー識別コードに含まれるエラー情報を外部サーバ30に伝達する(ステップS13)。
【0065】
外部サーバ30は、通信機器20から伝達されたエラー情報を受信し(ステップS15)、受信したエラー情報を表示部33のモニタに表示する。表示部33に表示されたエラー情報により、応答者200はエラー情報の内容を容易に把握することができる。
【0066】
第1工程では、処理装置10にエラー情報を含むエラー識別コードを表示して、通信機器20が処理装置10に表示されたエラー識別コードを読み取り、エラー識別コードに含まれるエラー情報を外部サーバ30へ伝達することができる。これにより、通信回線に接続されていない処理装置10のエラー情報を容易に外部サーバ30に伝達することができる。そして、応答者200は、外部サーバ30に伝達されたエラー情報の内容を表示部33のモニタを通じて容易に把握することができる。
【0067】
すなわち、従来においては、外部サーバ30と通信可能なネットワークに接続されていない処理装置10においてトラブルが発生した場合、遠隔地にいる処理装置10のメーカ技術者や別の作業者のような応答者200に処理装置10の状況を伝えることに工数がかかっていた。第1の工程に係る実施形態においては、外部サーバ30など外部と通信回線によって接続されていない処理装置10の状況を外部サーバ30に伝える際に、処理装置10を操作する作業者300の工数を削減することができる。
【0068】
次に、
図3を参照して、情報伝達システム1により実行される情報伝達方法のうち第2工程について説明する。
【0069】
はじめに、第1工程において、エラー情報の内容を把握した応答者200の入力部14への入力指示に基づいて受け付けた外部サーバ30は、応答者200がエラーの解析に必要なデータの種類の情報として要求する要求項目を通信機器20に伝達する(ステップS31)。通信機器20は、外部サーバ30から伝達されたリクエスト要求により要求識別コードを生成する(ステップS32)。通信機器20は、生成した要求識別コードを表示部23のモニタに表示する(ステップS33)。
【0070】
処理装置10は、通信機器20により表示された要求識別コードを処理装置10に設置された撮像ユニット16で読み取る(ステップS34)。処理装置10は、要求識別コードに含まれる要求項目に基づいて処理装置10の記憶部112に記憶されている情報から該当する情報をピックアップする(ステップS35)。
【0071】
処理装置10は、要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報に基づいて回答識別コードを生成する(ステップS36)。処理装置10は、生成した回答識別コードを表示部13のモニタに表示する(ステップS37)。
【0072】
通信機器20は、処理装置10が生成した回答識別コードを読み取り(ステップS38)、読み取った回答識別コードに含まれる要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を外部サーバ30へ伝達する(ステップS39)。
【0073】
外部サーバ30は、通信機器20から伝達された要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を受信し(ステップS40)、受信した要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を表示部33のモニタに表示する。表示部33に表示された要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報により、応答者200は要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報の内容を容易に把握することができる。
【0074】
第2工程では、通信機器20は、外部サーバ30から要求された要求項目に対応する要求識別コードを生成して、生成した要求識別コードを表示部23で表示する。処理装置10は、通信機器20が生成した要求識別コードを読み取る。そして、読み取った要求識別コードに対応する回答識別コードを生成して、生成した回答識別コードを表示部13で表示する。通信機器20は、処理装置10が生成した回答識別コードを読み取って、外部サーバ30へ伝達する。これにより、通信回線に接続されていない処理装置10の要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報を容易に外部サーバ30に伝達することができる。そして、応答者200は、外部サーバ30に伝達された要求識別コードによって要求されたデータに基づいてピックアップした情報の内容を表示部33のモニタを通じて容易に把握することができる。
【0075】
次に、
図4を参照して、情報伝達システム1により実行される情報伝達方法のうち第3工程について説明する。
【0076】
はじめに、第2工程において、要求項目の内容を把握した応答者200の入力部14への入力指示に基づいて受け付けた外部サーバ30は、応答者200がエラーの解消に必要な実行指示値を通信機器20に伝達する(ステップS51)。通信機器20は、外部サーバ30から伝達されたリクエスト要求により実行識別コードを生成する(ステップS52)。通信機器20は、生成した実行識別コードを表示部23のモニタに表示する(ステップS53)。
【0077】
処理装置10は、通信機器20が生成した実行識別コードを処理装置10に設置された撮像ユニット16で読み取る(ステップS54)。処理装置10は、実行指示値によって要求された実行指示に基づき処理装置10を制御する(ステップS55)。
【0078】
第3工程では、処理装置10が読み取る実行識別コードに特定の処理の実行を指示する実行指示値を含ませることで、処理装置10の設定の変更や、処理装置10を構成する各ユニットの駆動の制御を実行することができる。これにより、通信回線に接続されていない処理装置10に対し、特定の処理の実行を指示することができる。したがって、応答者200が間接的に、処理装置10の処理を実行させることにより、処理装置10を操作する作業者の工数を削減することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 :情報伝達システム、10 :処理装置、11 :制御ユニット、
13 :表示部、14 :入力部、16 :撮像ユニット、20 :通信機器、
21 :制御部、22 :記憶部、23 :表示部、24 :入力部、
25 :通信ユニット、26 :撮像ユニット、30 :外部サーバ、
31 :制御部、32 :記憶部、33 :表示部、34 :入力部、
35 :通信ユニット、111 :制御部、112 :記憶部、