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特開2025-95205処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025095205
(43)【公開日】2025-06-26
(54)【発明の名称】処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250619BHJP
   G03F 7/42 20060101ALI20250619BHJP
   C11D 7/50 20060101ALI20250619BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20250619BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
G03F7/42
C11D7/50
C11D7/32
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211054
(22)【出願日】2023-12-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-03
(71)【出願人】
【識別番号】000220239
【氏名又は名称】東京応化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】古賀 信哉
【テーマコード(参考)】
2H196
4H003
5F157
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196JA04
2H196LA03
4H003DA09
4H003DA12
4H003DA15
4H003DB01
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB17
4H003EB19
4H003EB20
4H003EB21
4H003ED02
4H003FA04
5F157AA32
5F157AA34
5F157AA35
5F157AA36
5F157AA63
5F157BB01
5F157BC04
5F157BC13
5F157BC54
5F157BE12
5F157BE52
5F157BE65
5F157BE68
5F157BE70
5F157BF22
5F157BF23
5F157BF32
5F157BF39
5F157DA21
5F157DB03
5F157DB11
(57)【要約】
【課題】埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制に優れた、処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】(a)水溶性有機溶剤と、(b)水と、(c)典型金属元素のイオンと、を含む、半導体デバイス用の処理液を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性有機溶剤と、
(b)水と、
(c)典型金属元素のイオンと、
を含む、半導体デバイス用の処理液。
【請求項2】
前記(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオン、
(c-2)第2族金属元素のイオン、及び(c-3)第13族金属元素のイオンからなる群より選択される1種のイオンを、少なくとも1種含む、
請求項1に記載の処理液。
【請求項3】
前記(c)典型金属元素のイオンとして、
(c-1)第1族金属元素のイオンと、(c-2)第2族金属元素のイオンと、(c-3)第13族金属元素のイオンと、を含む、
請求項1に記載の処理液。
【請求項4】
前記(c-1)第1族金属元素のイオンが、カリウムイオン及び/又はナトリウムイオンである、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項5】
前記(c-2)第2族金属元素のイオンが、マグネシウムイオン及び/又はカルシウムイオンである、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項6】
前記(c-3)第13族金属元素のイオンが、ホウ素イオン及び/又はアルミニウムイオンである、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項7】
前記(c-1)第1族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して5×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項8】
前記(c-2)第2族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項9】
前記(c-3)第13族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、
請求項2又は3に記載の処理液。
【請求項10】
さらに、(d)前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の塩基を含む、
請求項1又は2に記載の処理液。
【請求項11】
前記(d)塩基が、水酸化第4級アンモニウム化合物である、
請求項10に記載の処理液。
【請求項12】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1又は2に記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、基板の処理方法。
【請求項13】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項12に記載の基板の処理方法。
【請求項14】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1又は2に記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。
【請求項15】
前記処理工程の後に、前記レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含む、
請求項14に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項16】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項14に記載の半導体基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスは、シリコンウェーハ等の基板上に金属配線層、低誘電体層、絶縁層等を積層して形成されるものであり、このような半導体デバイスは、レジストパターンをマスクとしてエッチング処理を施すリソグラフィー法により、上述した各層を加工して製造されている。
【0003】
そして、リソグラフィー法において用いられるレジストパターン、埋め込み材(一時的積層膜、犠牲層、犠牲膜、スピンオングラス(SOG)材料、溝埋め込み等)、さらにはエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物は、半導体デバイスの支障とならないよう、また、次工程の妨げとならないよう、洗浄液を用いて除去される。
【0004】
また、近年では、半導体デバイスの高密度化、高集積化に伴い、ダマシン法を用いた配線形成方法が採用されている。このような配線形成方法においては、半導体デバイスの金属配線層を構成する金属配線材料として腐食の発生しやすい銅が採用され、さらには、低誘電体層を構成する低誘電体材料(ILD材料ともいう)についても、ますます低誘電率化が進み、腐食の発生しやすいILD材料が採用されるようになっている。したがって、基板の洗浄時に、これらの易腐食性材料に対して腐食を発生しない洗浄液の開発が求められている。
【0005】
また、ダマシン法を用いた配線形成方法においては、エッチング処理時の一時的積層膜(犠牲層、犠牲膜等)として利用される材料とILD材料との構成が酷似しており、このような酷似した材料の一方(ILD材料)に対して腐食を発生させずデバイス上に残し、他方(一時的積層膜)を効率よく除去し得る洗浄液の開発が求められている。
【0006】
このような半導体デバイス製造工程において使用されるリソグラフィー用洗浄液に関する技術として、特許文献1には、デュアルダマシン構造の形成において、金属層を有する基板上に積層された低誘電体層をエッチングして、第1のエッチング空間を形成し、第1のエッチング空間内に犠牲層を充填した後、さらに低誘電体層と犠牲層とを部分的にエッチングして、第1のエッチング空間に連通する第2のエッチング空間を形成した後、第1のエッチング空間内に残存する犠牲層を除去するために用いられる洗浄液であって、(a)第4級アンモニウム水酸化物を1~25質量%、(b)水溶性有機溶媒を30~70質量%、及び(c)水を20~60質量%含有する洗浄液が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004-103771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、例えば、レジストパターンをマスクとして低誘電体層にエッチング処理を施す場合、エッチング処理後に、残存するレジストパターンや、除去すべき不要な層及び膜を、処理液を用いて除去する必要がある。しかし、エッチングにより変質したレジストや架橋密度の高い層及び膜は除去が困難である一方、低誘電体層を構成するLow-k材料は腐食しやすいものである。このようなことから、Low-k材の腐食を抑えながら、埋め込み材を効果的に除去することが求められているが、この点については、未だ改善の余地があるのが実情である。
【0009】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制に優れた、処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、(a)水溶性有機溶剤と、(b)水と、(c)典型金属元素のイオンと、を含む、半導体デバイス用の処理液とすることに知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
<1>
(a)水溶性有機溶剤と、(b)水と、(c)典型金属元素のイオンと、を含む、半導体デバイス用の処理液である。
<2>
前記(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオン、(c-2)第2族金属元素のイオン、及び(c-3)第13族金属元素のイオンからなる群より選択される1種のイオンを、少なくとも1種含む、<1>に記載の処理液である。
<3>
前記(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオンと、(c-2)第2族金属元素のイオンと、(c-3)第13族金属元素のイオンと、を含む、<1>又は<2>に記載の処理液である。
<4>
前記(c-1)第1族金属元素のイオンが、カリウムイオン及び/又はナトリウムイオンである、<2>又は<3>に記載の処理液である。
<5>
前記(c-2)第2族金属元素のイオンが、マグネシウムイオン及び/又はカルシウムイオンである、<2>~<4>のいずれかに記載の処理液である。
<6>
前記(c-3)第13族金属元素のイオンが、ホウ素イオン及び/又はアルミニウムイオンである、<2>~<5>のいずれかに記載の処理液である。
<7>
前記(c-1)第1族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して5×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、<2>~<6>のいずれかに記載の処理液である。
<8>
前記(c-2)第2族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、<2>~<7>のいずれかに記載の処理液である。
<9>
前記(c-3)第13族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%含む、<2>~<8>のいずれかに記載の処理液である。
<10>
さらに、(d)前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の塩基を含む、<1>~<9>のいずれかに記載の処理液である。
<11>
前記(d)塩基が、水酸化第4級アンモニウム化合物である、<10>に記載の処理液である。
<12>
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、前記積層基板を、<1>~<11>のいずれかに記載の処理液で処理する処理工程と、を含む、基板の処理方法である。
<13>
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、<12>に記載の基板の処理方法である。
<14>
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、前記積層基板を、<1>~<11>のいずれかに記載の処理液で処理する処理工程と、を含む、半導体基板の製造方法である。
<15>
前記処理工程の後に、前記レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含む、<14>に記載の半導体基板の製造方法である。
<16>
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、<14>又は<15>に記載の半導体基板の製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制に優れた、処理液、基板の処理方法、及び半導体基板の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0014】
<処理液>
【0015】
本実施形態に係る処理液は、(a)水溶性有機溶剤と、(b)水と、(c)典型金属元素のイオンと、を含む、半導体デバイス用の処理液である。
【0016】
((a)水溶性有機溶剤)
【0017】
本実施形態に係る処理液は、(a)水溶性有機溶剤を含む。(a)成分としては、双極子モーメントが3.0D以上である高極性溶剤、グリコールエーテル系溶剤、多価アルコール類等が挙げられる。
【0018】
高極性溶剤の具体例としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)(双極子モーメント:4.6D)等のスルホキシド類;ジメチルスルホン(双極子モーメント:5.1D)、ジエチルスルホン(双極子モーメント:4.7D)、テトラメチレンスルホン(双極子モーメント:5.0D)等のスルホン類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(双極子モーメント:4.5D)、N-メチルホルムアミド(双極子モーメント:4.6D)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)(双極子モーメント:4.6D)、N-メチルアセトアミド(双極子モーメント:4.3D)、N,N-ジエチルアセトアミド(双極子モーメント:4.7D)等のアミド類;N-メチル-2-ピロリドン(NMP)(双極子モーメント:4.6D)、N-エチル-2-ピロリドン(双極子モーメント:4.7D)、N-ヒドロキシメチル-2-ピロリドン(双極子モーメント:3.1D)、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン(双極子モーメント:6.1D)等のラクタム類;β-プロピオラクトン(双極子モーメント:4.6D)、γ-ブチロラクトン(GBL)(双極子モーメント:5.1D)、γ-バレロラクトン(双極子モーメント:5.3D)、δ-バレロラクトン(双極子モーメント:5.4D)、γ-カプロラクトン(双極子モーメント:5.2D)、ε-カプロラクトン(双極子モーメント:5.5D)等のラクトン類;1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)(双極子モーメント:4.5D)、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン(双極子モーメント:4.5D)、1,3-ジイソプロピル-2-イミダゾリジノン(双極子モーメント:4.3D)等のイミダゾリジノン類;からなる群より選択される1種以上であることが挙げられる。
【0019】
これらの中でも、双極子モーメントが3.5~7.0Dである高極性溶剤が好ましく、双極子モーメントが4.0~6.0Dである高極性溶剤がより好ましい。特に、アルカリ性薬液での安定性等の観点から、スルホキシド類、アミド類、ラクタム類、及びラクトン類からなる群より選択される1種以上であることが好ましく、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、及びγ-ブチロラクトンからなる群より選択される1種以上であることがより好ましい。
【0020】
グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)等が挙げられる。
【0021】
これらの中でも、水溶性、レジストパターンの除去性能、引火性等の観点から、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
【0022】
多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。これらの中でも、安全性、粘度等の観点から、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0023】
(a)水溶性有機溶剤は、上記したものを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。好ましい組み合わせの一例としては、双極子モーメントが3.0D以上である高極性溶剤、グリコールエーテル系溶剤、及びアルコール類からなる群より選択される2種以上を含むことが好ましく;双極子モーメントが3.0D以上である高極性溶剤、グリコールエーテル系溶剤、及び多価アルコール類を含むことがより好ましく;高極性溶剤としてスルホキシド類、アミド類、ラクタム類、及びラクトン類からなる群より選択される1種以上と、グリコールエーテル系溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)からなる群より選択される少なくとも1種と、多価アルコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種と、を含むことが更に好ましく;高極性溶剤としてジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、及びγ-ブチロラクトンからなる群より選択される1種以上と、グリコールエーテル系溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテル(MDG)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテル(BDG)からなる群より選択される少なくとも1種と、多価アルコール類としてエチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種と、を含むことがより更に好ましい。
【0024】
(a)水溶性有機溶剤の含有量は、処理液全量に対し、15~80質量%であることが好ましい。この下限は、20質量%以上であることがより好ましく、25質量%以上であることが更に好ましい。この上限は、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることが更に好ましい。
【0025】
高極性溶剤を含む場合の高極性溶剤の含有量は、処理液全量に対し、5~60質量%であることが好ましい。この下限は、10質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。この上限は、50質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。高極性溶剤の含有量を上記範囲とすることにより、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制の効果を一層向上させることができる。
【0026】
グリコールエーテル系溶剤を含む場合のグリコールエーテル系溶剤の含有量は、処理液全量に対し、5~55質量%であることが好ましい。この下限は、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。この上限は、30質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。グリコールエーテル系溶剤の含有量を上記範囲とすることにより、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制の効果を一層向上させることができる。
【0027】
多価アルコールを含む場合の多価アルコールの含有量は、処理液全量に対し、5~30質量%であることが好ましい。この下限は、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましい。この上限は、25質量%以下であることがより好ましい。多価アルコールの含有量を上記範囲とすることにより、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制の効果を一層向上させることができる。
【0028】
((b)水)
【0029】
本実施形態に係る処理液は、(b)水を含む。(b)水の含有量は、水以外の成分の残部として含まれていてもよい。(b)水の含有量は、処理液全量に対し、15質量%~85質量%であることが好ましい。この下限は、20質量%以上であってもよく、25質量%以上であってもよく、40質量%より大きい値であってもよい。この上限は、80質量%未満であってもよく、75質量%未満であってもよく、65質量%未満であってもよく、60質量%未満であってもよい。水の含有量を上記範囲とすることにより、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制の効果を一層向上させることができる。
【0030】
((c)典型金属元素のイオン)
【0031】
本実施形態に係る処理液は、(c)典型金属元素のイオンを含む。(c)成分としては、(c-1)第1族金属元素のイオン、(c-2)第2族金属元素のイオン、及び(c-3)第13族金属元素のイオンからなる群より選択される1種に属する金属イオンを、少なくとも1種含むことが好ましい。
【0032】
(c-1)第1族金属元素のイオンとしては、リチウム(Li)イオン、ナトリウム(Na)イオン、カリウム(K)イオン、ルビジウム(Rb)イオン、セシウム(Cs)イオン等が挙げられる。これらの中でも、カリウムイオン、ナトリウムイオンが好ましい。本実施形態に係る処理液は、カリウムイオン及び/又はナトリウムイオンを含むことが更に好ましい。
【0033】
(c-2)第2族金属元素のイオンとしては、ベリリウム(Be)イオン、マグネシウム(Mg)イオン、カルシウム(Ca)イオン、ストロンチウム(Sr)イオン、バリウム(Ba)イオン等が挙げられる。これらの中でも、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが好ましい。本実施形態に係る処理液は、マグネシウムイオン及び/又はカルシウムイオンを含むことが更に好ましい。
【0034】
(c-3)第13族金属元素のイオンとしては、ホウ素(B)イオン、アルミニウム(Al)イオン、ガリウム(Ga)イオン、インジウム(In)イオン等が挙げられる。これらの中でも、ホウ素イオン、アルミニウムイオンが好ましい。本実施形態に係る処理液は、ホウ素イオン及び/又はアルミニウムイオンを含むことが更に好ましい。
【0035】
(c)成分として、(c-1)第1族金属元素のイオンを含む場合、(c-1)第1族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して5×10ppb質量%~1×10ppb質量%であることが好ましい。この下限は、1×10ppb質量%以上であることが好ましく、3×10ppb質量%以上であることがより好ましく、4×10ppb質量%以上であることがより更に好ましい。この上限は、1×10ppb質量%以下であることがより好ましく、9×10ppb質量%以下であることが更に好ましく、8×10ppb質量%以下であることがより更に好ましい。なお、(c-1)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-1)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【0036】
(c)成分として、(c-2)第2族金属元素のイオンを含む場合、(c-2)第2族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%であることが好ましい。この下限は、5×10ppb質量%以上であることがより好ましく、1×10ppb質量%以上であることが更に好ましく、1.5×10ppb質量%以上であることがより更に好ましい。この上限は、7×10ppb質量%以下であることがより好ましく、6×10ppb質量%以下であることが更に好ましく、5×10ppb質量%以下であることがより更に好ましい。なお、(c-2)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-2)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【0037】
(c)成分として、(c-3)第13族金属元素のイオンを含む場合、(c-3)第13族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して1×10ppb質量%~1×10ppb質量%であることが好ましい。この下限は、5×10ppb質量%以上であることがより好ましく、1×10ppb質量以上であることが更に好ましく、1.5×10ppb質量以上であることがより更に好ましい。この上限は、9×10ppb質量%以下であることがより好ましく、7×10ppb質量%以下であることが更に好ましく、6×10ppb質量%以下であることがより好ましく、5×10ppb質量%以下であることがより更に好ましい。なお、(c-3)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-3)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【0038】
((d)塩基)
【0039】
本実施形態に係る処理液は、(d)塩基を更に含むことが好ましい。(d)塩基は、(a)成分、(b)成分、及び(c)成分以外の塩基である。(d)塩基としては、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)やテトラエチルアンモニウム水酸化物(TEAH)等の水酸化第4級アンモニウム化合物等が挙げられる。これらの中でも、水酸化第4級アンモニウム化合物が好ましく、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)やテトラエチルアンモニウム水酸化物(TEAH)がより好ましい。
【0040】
(d)塩基を含む場合、(d)塩基の含有量は、処理液全量に対して0.5質量%~20質量%であることが好ましい。この下限は、2質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが更に好ましい。この上限は、18質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。(d)塩基の含有量を上記範囲とすることにより、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制の効果を一層向上させることができる。なお、(d)成分として2種以上の塩基を含む場合、(d)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【0041】
((e)防食剤)
【0042】
本実施形態に係る処理液は、(e)防食剤を更に含んでもよい。本実施形態に係る処理液は、(e)防食剤による防食効果も両立させることが期待できる。(e)防食剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物及びメルカプト基含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0043】
上記ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
【0044】
【化1】
【0045】
上記一般式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、シアノ基、ホルミル基、スルホニルアルキル基、又はスルホ基を示し、Pは水素原子、水酸基、置換基を有していてもよい炭素数1~14の炭化水素基(ただし、当該炭化水素基はアミド結合又はエステル結合で中断されていてもよい)、又は下記一般式(2)で表される基を示す。
【0046】
【化2】
【0047】
上記一般式(2)中、Rは炭素数1~6のアルキレン基を示し、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、又は炭素数1~6のヒドロキシアルキル基若しくはアルコキシアルキル基を示す。
【0048】
なお、上記一般式(1)において、R、R、Pの各定義中、炭化水素基は、芳香族炭化水素基及び脂肪族炭化水素基のいずれでもよく、不飽和結合を有していてもよく、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、p-トリル基等が挙げられる。直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、n-プロピル基、ビニル基等が挙げられる。分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。置換基を有する炭化水素基としては、例えば、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基等が挙げられる。
【0049】
また、上記一般式(1)において、Pとしては、上記一般式(2)で表される基であることが好ましい。特に上記一般式(2)で表される基の中でも、R、Rがそれぞれ独立して、炭素数1~6のヒドロキシアルキル基又はアルコキシアルキル基である基を選択することが好ましい。
【0050】
さらに、Pは、上記一般式(1)で表される化合物が水溶性を示すように選択されることが好ましい。具体的には、水素原子、炭素数1~3のアルキル基(すなわち、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基)、炭素数1~3のヒドロキシアルキル基、水酸基等が好ましい。
【0051】
ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール、5,6-ジメチルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-メチルベンゾトリアゾール、1-アミノベンゾトリアゾール、1-フェニルベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、1-ベンゾトリアゾールカルボン酸メチル、5-ベンゾトリアゾールカルボン酸、1-メトキシ-ベンゾトリアゾール、1-(2,2-ジヒドロキシエチル)-ベンゾトリアゾール、1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、2,2’-{[(4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’-{[(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’-{[(4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスエタン、2,2’-{[(4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスプロパン等が挙げられる。これらの中でも、1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)-ベンゾトリアゾール、2,2’-{[(4-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスエタノール、2,2’-{[(5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)メチル]イミノ}ビスエタノール等が好ましく用いられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0052】
上記メルカプト基含有化合物としては、メルカプト基に結合する炭素原子のα位及びβ位の少なくとも一方に、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物が好ましい。このような化合物として、例えば、1-チオグリセロール、3-(2-アミノフェニルチオ)-2-ヒドロキシプロピルメルカプタン、3-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-ヒドロキシプロピルメルカプタン、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸等が挙げられる。これらの中でも、1-チオグリセロールが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0053】
(界面活性剤)
【0054】
本実施形態に係る処理液は、必要に応じて界面活性剤を含んでもよい。このような界面活性剤としては、アセチレンアルコール系界面活性剤等を好ましく用いることができる。界面活性剤の含有量は、処理液全量に対し、0.5質量%未満であることが好ましい。
【0055】
<処理方法、半導体基板の製造方法、配線形成方法等>
【0056】
本実施形態に係る処理液は、リソグラフィー用の処理液であるが、エッチング処理された積層基板の処理に好適に使用できる。例えば、基板と、基板上に積層された低誘電体層と、基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、積層基板を、上述した処理液で処理する処理工程と、を含む、基板の処理方法が挙げられる。
【0057】
なお、上述した、積層基板を得る準備工程は、基板と、基板の表面上に形成された低誘電体層と、基板の表面上に形成されたレジストパターンとを含む積層基板を準備する工程(前工程)と、エッチング処理によって、積層基板のレジストパターンにエッチング空間を形成する工程(エッチング工程)とを含むものであってもよい。
【0058】
そして、積層基板を得る準備工程は、ダマシン法を用いて得ることが好ましい。すなわち、上述した準備工程は、積層基板をダマシン法を用いて得る工程であることが好ましい。
【0059】
なお、処理対象とする積層基板の層構造は、基板、低誘電体層、及びレジストパターン層を含んでいればよく、その他の層も含む多層構造であってもよい。例えば、基板と低誘電体層との間や、低誘電体層とレジストパターン層との間に、後述する種々の層を設けてもよいし、レジストパターン層の上に更なる層を設けてもよい。
【0060】
そして、本実施形態に係る処理液及び処理方法は、半導体基板の製造方法に好適に使用できる。例えば、半導体基板の製造方法において、エッチング処理された積層基板の処理する際に好適に使用できる。半導体基板の製造方法の好適例としては、基板と、基板上に積層された低誘電体層と、基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を、得る準備工程と、積層基板を、上述した処理液で処理する処理工程と、を含む、半導体基板の製造方法が挙げられる。
【0061】
さらに、半導体基板の製造方法としては、処理工程の後に、レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含むことが好ましい。かかる工程を行うことによって、ビアホールやトレンチ等の空間に微細な金属配線を形成でき、後述するダマシン構造を有する半導体基板を得ることができる。
【0062】
そして、積層基板を得る準備工程は、ダマシン法を用いて得ることが好ましい。すなわち、上述した準備工程は、積層基板をダマシン法を用いて得る工程であることが好ましい。
【0063】
上述したように、本実施形態に係る処理液は、リソグラフィー用の処理液であるが、特にダマシン法を用いた配線形成方法に好適に使用することができる。より具体的には、レジストパターンを用いて低誘電体層に形成したパターン空間(エッチング空間等)に金属を埋め込むことによって金属配線層を形成する、ダマシン法を用いた配線形成方法に用いることができる。なお、本実施形態に係る処理液は、シングルダマシンプロセス及びデュアルダマシンプロセスのいずれにも好適に使用できる。以下に、いくつかの態様を例示的に説明する。
【0064】
ダマシン法を用いた配線形成方法の一例としては、基板上に形成された低誘電体層上に、レジストパターン(例えば、トレンチレジストパターン)をマスクとして形成し、続いて、低誘電体層をエッチング処理してエッチング空間(トレンチパターン、溝)を形成し、このエッチング空間に金属を埋め込むことによって金属配線を形成するものが挙げられる。なお、レジストパターンの下層に下層反射防止膜(BARC)等を形成してもよい。また、エッチング空間には、一時的に犠牲膜を埋め込んでもよい。
【0065】
より具体的な例として、Cu金属配線のデュアルダマシン構造の半導体基板の場合について説明する。Cu金属配線の場合、Cuのエッチング耐性が低いこともあり、ダマシン法を用いてCu多層配線を形成する方法が好適に使用できる。デュアルダマシン法としては種々の方法が提案されているが、その一例を挙げると、基板上にCu層を設けた後、低誘電体層を積層した後、最上層にリソグラフィー技術によりフォトレジストパターンを形成する。このフォトレジストパターンをマスクとして、低誘電体層をエッチングして、Cu層に連通するビアホールを形成する。そして、フォトレジストパターンを剥離する。続いて、該ビアホール内に、アルコキシシラン材料等の犠牲層を充填する。次いで、残存する多層積層の最上層に新たにフォトレジストパターンを形成し、これをマスクとして低誘電体層と犠牲層とをエッチングしてビアホールに連通する配線用の溝(トレンチ)を形成した後、ビアホール内に残存する犠牲層を洗浄、除去する。そして、フォトレジストパターンを剥離した後、ビアホール、トレンチ内にめっき等によりCuを充填することにより、多層Cu配線を形成することができる。
【0066】
そして、本実施形態に係る処理液は、エッチング処理後のレジストパターン、及びエッチング工程において生じた低誘電体層由来や金属配線層由来の残渣物等を、効果的に除去することができる。また、本実施形態に係る処理液は、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制に優れているため、ILD材料の腐食を抑えながら、レジストパターンや下層反射防止膜等を効果的に除去することが可能である。したがって、レジストパターン及び下層反射防止膜を用いて低誘電体層にエッチング空間を形成した後、少なくともレジストパターン及び下層反射防止膜を除去する際にも、好適に用いることができる。
【0067】
本実施形態に係る処理液を用いたレジストパターンや残渣物の除去方法は、通常行われる除去方法であれば特に限定されない。具体的には、例えば、浸漬法、パドル法、シャワー法等を用いて、本実施形態に係る処理液を基板に接触させることにより処理される。浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、5秒間~60分間であり、浸漬温度は、特に限定されないが、例えば、20~80℃である。
【0068】
ここで、レジストパターンを形成する材料としては、(KrF、ArF、F2、EUV)エキシマレーザー、あるいは電子線用に慣用されているレジスト材料を、常法により用いることができる。また、上記下層反射防止膜を形成する材料としては、慣用されている無機系又は有機系の下層反射防止膜材料を、常法により用いることができる。
【0069】
このようなレジスト材料、下層反射防止膜材料を用いて、層間絶縁層あるいはその上層のバリア層上にレジストパターン、下層反射防止膜が形成され、マスクを介したパターン露光の後、現像処理してレジストパターンが形成される。次いで、このレジストパターンをマスクとしてエッチングが行われた後のレジストパターン残渣物は、その他の、下層反射防止膜由来、犠牲膜由来、及びエッチング工程において生じた金属配線層や低誘電体層由来の残渣物とともに、本実施形態に係る処理液により除去される。
【0070】
上述したLow-k膜等の低誘電体層としては、具体的には、例えば、カーボンドープオキサイド(SiOC)系、メチルシルセスキオキサン(MSQ)系、ヒドロキシシルセスキオキサン(HSQ)系の材料により形成される層である。金属配線層の電気的特性に影響を与えないため、好ましくは誘電率(k)が3.0以下の低誘電体層である。
【0071】
また、上記バリア層としては、例えば、SiC、SiN、SiCN、Ta、TaN等が挙げられる。このようなバリア層は、低誘電体層と低誘電体層との間に形成してもよい。
【0072】
また、ダマシン法において用いられる金属配線層を形成する金属材料としては、主にCuであるが、Cu以外のAl、Ti、W等の導電体材料も同一基板上に積層されている。本実施形態に係る処理液によれば、洗浄液がこれら金属材料と接触した場合であっても、腐食を効果的に抑制することができる。
【0073】
本実施形態に係る処理液は、ダマシン法の中でも、特に、形成されたエッチング空間内に一時的に犠牲膜を設けるダマシン法による配線形成方法において有用であるが、このような犠牲膜を形成する材料(埋め込み材)としては、具体的には、縮合反応により得られるスピンオングラス(SOG)材料が好適である。なお、スピンオングラス材料は、層間絶縁膜の段差緩和や配線間の溝の埋め込み等にも使用することができる。
【0074】
上記犠牲膜を形成するスピンオングラス材料としては、例えば、特開2001-092122号公報に記載したものを使用することができる。また、スピオングラス材料の具体例としては、下記一般式(3)~(5)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を、水の存在下で酸の作用により加水分解させた化合物が、好適である。このような観点から、スピンオングラス材料としては、下記一般式(3)で表される化合物と下記一般式(4)で表される化合物とを組み合わせたものを、水の存在下で酸の作用により加水分解させた化合物が、より好適である。
【0075】
【化3】
【0076】
上記一般式(3)~(5)中、R~R、R11~R13、R16、及びR17は、それぞれ独立して、炭素数1~4のアルキル基又はフェニル基を示し、R10、R14、及びR15は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を示す。
【0077】
上記一般式(3)で表される化合物の中でも、テトラメトキシシラン若しくはテトラエトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。また、上記一般式(4)で表される化合物の中でも、トリメトキシシラン若しくはトリエトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。さらに、上記一般式(5)で表される化合物の中でも、ジメトキシシラン、ジエトキシシラン、若しくはメチルジメトキシシラン、又はそれらのオリゴマーが好ましい。なお、これらのスピンオングラス材料は、1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
【0078】
さらに、上記一般式(3)~(5)で表される化合物に、高吸収性物質を適宜配合してもよい。このような高吸収性物質としては、上記スピンオングラス材料と縮合し得る置換基をその構造中に有するものであって、上記レジスト材料中の感光性成分の感光特性波長域における光に対して高い吸収能を有し、基板からの反射光によって生じる定在波や基板表面の段差による乱反射を妨げるものであればよく、特に制限はない。例えば、水酸基及び/又はカルボキシル基の置換した、スルホン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アントラセン系化合物、ナフタレン系化合物等が挙げられる。特に、少なくとも2個の水酸基を有するビスフェニルスルホン系化合物及びベンゾフェノン系化合物、少なくとも1個の水酸基及び/又はヒドロキシアルキル基を有するアントラセン系化合物、カルボキシル基及び/又は水酸基を有するアントラセン系化合物、少なくとも1個のカルボキシル基及び/又は水酸基が置換したナフタレン系化合物が好ましい。
【0079】
上記高吸収性物質の含有量は、スピンオングラス材料中、SiO換算の固形分濃度で10~50質量%であることが好ましく、15~40質量%であることがより好ましい。
【実施例0080】
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下において特に断りがない限り、実験は25℃、大気圧の条件下で行った。
【0081】
(リソグラフィー用処理液の調製)
【0082】
表1~4に示す組成及び配合量に基づき、リソグラフィー用洗浄液を調製した。なお、各試薬については、特に記載の無いものに関しては、一般に市販されている試薬を用いた。また、表中の数値は、特に断りの無い限り、質量%の単位で示されるものである。
【0083】
表中の略称は、下記のとおりである。
TMAH:テトラメチルアンモニウム水酸化物
TEAH:テトラエチルアンモニウム水酸化物
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
GBL:γ-ブチロラクトン
EDG:ジエチレングリコールモノエチルエーテル
MDG:ジエチレングリコールモノメチルエーテル
BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
PG:プロピレングリコール
EG:エチレングリコール
【0084】
例えば、実施例1のリソグラフィー用洗浄液は、(a)水溶性有機溶剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)5質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)35質量%、及びプロピレングリコール(PG)20質量%を含有し、(c-1)第1族金属元素のイオンとして、Naイオン2×10ppb質量%、及びKイオン5×10ppb質量%を含有し、(c-2)第2族金属元素のイオンとして、Mgイオン2×10ppb質量%、及びCaイオン5×10-1ppb質量%を含有し、(c-3)第13族金属元素のイオンとして、Bイオン2×10ppb質量%、及びAlイオン4×10-1ppb質量%を含有し、(d)塩基として、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)10質量%を含有し、残部として(b)水を含有するものである。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
(埋め込み材の剥離性)
【0090】
まず、Si基板上にCu層を有する積層基板上に、スピンオングラス材料からなる埋め込み材を成膜したサンプル基板を準備した。なお、スピンオングラス材料は、特開2001-092122号公報の記載に準拠したものを用いた。続いて、サンプル基板を、各実施例及び各比較例のリソグラフィー用洗浄液に、50℃、1分間の条件で浸漬処理を行った後、純水でリンス処理した。このときの埋め込み材の剥離状態を、Cu層の膜厚を測定することにより評価した。その結果を表5に示す。
【0091】
(Low-k材の腐食抑制)
【0092】
まず、Si基板上にCu層を有する積層基板上に、CVD蒸着した低誘電体層(誘電率2.7~2.8)を形成したサンプル基板を準備した。続いて、サンプル基板の低誘電体層の上に、リソグラフィー法によりトレンチレジストパターンをマスクとして形成させた。なお、低誘電体層としては、特開2001-092122号公報に開示されたスピンオングラス材料と同種類の材料を、結晶化温度よりも低温で焼成して形成したものを用いた。そして、低誘電体層をドライエッチングし、トレンチパターンを形成することによりパターン基板を得た。
【0093】
このパターン基板を、各実施例及び各比較例のリソグラフィー用洗浄液に、50℃、10分間の条件で浸漬処理を行った後、純水でリンス処理した。このときのLow-k材の腐食状態を、SEM(走査型電子顕微鏡、日立製作所社製「S-5200」)で観察することにより評価した。その結果を表5に示す。
【0094】
表5の評価結果について、「A」及び「B」は良好な剥離性又は腐食抑制が見られたものを示し、そのうち「A」は特に良好な剥離性又は腐食抑制が見られたものを示す。一方、「C」は剥離性又は腐食抑制が不十分であったものを示す。
【0095】
【表5】
【0096】
以上より、本実施例の処理液は、埋め込み材の剥離性及びLow-k材の腐食抑制に優れていることが少なくとも確認された。
【手続補正書】
【提出日】2024-03-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性有機溶剤として、スルホキシド類、グリコールエーテル系溶剤、及び多価アルコールからなる群より選択される少なくとも1種と、
(b)水と、
(c)典型金属元素のイオンとして(c-1)第1族金属元素のイオンとして、カリウムイオン及びナトリウムイオン、(c-2)第2族金属元素のイオンとして、マグネシウムイオン及びカルシウムイオン、並びに(c-3)第13族金属元素のイオンとして、ホウ素イオン及びアルミニウムイオンと、
(d)前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の塩基として、水酸化第4級アンモニウム化合物と、
を含む半導体デバイス用の処理液であり、
前記(c-1)第1族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して5×10 ppb質量~1×10 ppb質量含み、
前記(c-2)第2族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して1×10 ppb質量~1×10 ppb質量含み、
前記(c-3)第13族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して1×10 ppb質量~1×10 ppb質量含み、
前記(d)成分を、2~20質量%含む、
半導体デバイス用の処理液。
【請求項2】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、基板の処理方法。
【請求項3】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項に記載の基板の処理方法。
【請求項4】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。
【請求項5】
前記処理工程の後に、前記レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含む、
請求項に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項6】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項に記載の半導体基板の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
<1>
(a)水溶性有機溶剤と、(b)水と、(c)典型金属元素のイオンと、を含む、半導体デバイス用の処理液である。
<2>
前記(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオン、(c-2)第2族金属元素のイオン、及び(c-3)第13族金属元素のイオンからなる群より選択される1種のイオンを、少なくとも1種含む、<1>に記載の処理液である。
<3>
前記(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオンと、(c-2)第2族金属元素のイオンと、(c-3)第13族金属元素のイオンと、を含む、<1>又は<2>に記載の処理液である。
<4>
前記(c-1)第1族金属元素のイオンが、カリウムイオン及び/又はナトリウムイオンである、<2>又は<3>に記載の処理液である。
<5>
前記(c-2)第2族金属元素のイオンが、マグネシウムイオン及び/又はカルシウムイオンである、<2>~<4>のいずれかに記載の処理液である。
<6>
前記(c-3)第13族金属元素のイオンが、ホウ素イオン及び/又はアルミニウムイオンである、<2>~<5>のいずれかに記載の処理液である。
<7>
前記(c-1)第1族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して5×10ppb質~1×10ppb質含む、<2>~<6>のいずれかに記載の処理液である。
<8>
前記(c-2)第2族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質~1×10ppb質含む、<2>~<7>のいずれかに記載の処理液である。
<9>
前記(c-3)第13族金属元素のイオンを、処理液の全質量に対して1×10ppb質~1×10ppb質含む、<2>~<8>のいずれかに記載の処理液である。
<10>
さらに、(d)前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の塩基を含む、<1>~<9>のいずれかに記載の処理液である。
<11>
前記(d)塩基が、水酸化第4級アンモニウム化合物である、<10>に記載の処理液である。
<12>
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、前記積層基板を、<1>~<11>のいずれかに記載の処理液で処理する処理工程と、を含む、基板の処理方法である。
<13>
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、<12>に記載の基板の処理方法である。
<14>
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、前記積層基板を、<1>~<11>のいずれかに記載の処理液で処理する処理工程と、を含む、半導体基板の製造方法である。
<15>
前記処理工程の後に、前記レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含む、<14>に記載の半導体基板の製造方法である。
<16>
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、<14>又は<15>に記載の半導体基板の製造方法である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
(c)成分として、(c-1)第1族金属元素のイオンを含む場合、(c-1)第1族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して5×10ppb質~1×10ppb質であることが好ましい。この下限は、1×10ppb質以上であることが好ましく、3×10ppb質以上であることがより好ましく、4×10ppb質以上であることがより更に好ましい。この上限は、1×10ppb質以下であることがより好ましく、9×10ppb質以下であることが更に好ましく、8×10ppb質以下であることがより更に好ましい。なお、(c-1)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-1)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
(c)成分として、(c-2)第2族金属元素のイオンを含む場合、(c-2)第2族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して1×10ppb質~1×10ppb質であることが好ましい。この下限は、5×10ppb質以上であることがより好ましく、1×10ppb質以上であることが更に好ましく、1.5×10ppb質以上であることがより更に好ましい。この上限は、7×10ppb質以下であることがより好ましく、6×10ppb質以下であることが更に好ましく、5×10ppb質以下であることがより更に好ましい。なお、(c-2)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-2)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
(c)成分として、(c-3)第13族金属元素のイオンを含む場合、(c-3)第13族金属元素のイオンの含有量は、処理液の全質量に対して1×10ppb質~1×10ppb質であることが好ましい。この下限は、5×10ppb質以上であることがより好ましく、1×10ppb質量以上であることが更に好ましく、1.5×10ppb質量以上であることがより更に好ましい。この上限は、9×10ppb質以下であることがより好ましく、7×10ppb質以下であることが更に好ましく、6×10ppb質以下であることがより好ましく、5×10ppb質以下であることがより更に好ましい。なお、(c-3)成分として2種以上のイオンを含む場合、(c-3)成分の総量が上記範囲であることが好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0084
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0084】
例えば、実施例1のリソグラフィー用洗浄液は、(a)水溶性有機溶剤として、ジメチルスルホキシド(DMSO)5質量%、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG)35質量%、及びプロピレングリコール(PG)20質量%を含有し、(c-1)第1族金属元素のイオンとして、Naイオン2×10ppb質、及びKイオン5×10ppb質を含有し、(c-2)第2族金属元素のイオンとして、Mgイオン2×10ppb質、及びCaイオン5×10-1ppb質を含有し、(c-3)第13族金属元素のイオンとして、Bイオン2×10ppb質、及びAlイオン4×10-1ppb質を含有し、(d)塩基として、テトラメチルアンモニウム水酸化物(TMAH)10質量%を含有し、残部として(b)水を含有するものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水溶性有機溶剤として、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される少なくとも1種と、
(b)水と、
(c)典型金属元素のイオンとして、(c-1)第1族金属元素のイオンとして、カリウムイオン及びナトリウムイオン、(c-2)第2族金属元素のイオンとして、マグネシウムイオン及びカルシウムイオン、並びに(c-3)第13族金属元素のイオンとして、ホウ素イオン及びアルミニウムイオンと、
(d)前記(a)成分、前記(b)成分、及び前記(c)成分以外の塩基として、テトラメチルアンモニウム水酸化物と、
を含む半導体デバイス用の処理液であり、
前記(a)成分を、前記処理液の全質量に対して、20質量%~80質量%含み、
前記(c-1)第1族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して4×10 ppb質量~8×10 ppb質量含み、
前記(c-2)第2族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して1×10ppb質量~5×10 ppb質量含み、
前記(c-3)第13族金属元素のイオンを、前記処理液の全質量に対して5×10 ppb質量~5×10 ppb質量含み、
前記(d)成分を、4質量%15質量%含む、
半導体デバイス用の処理液。
【請求項2】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1に記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、基板の処理方法。
【請求項3】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項2に記載の基板の処理方法。
【請求項4】
基板と、前記基板上に積層された低誘電体層と、前記基板の上に積層されたレジストパターンとを含む、積層基板を得る準備工程と、
前記積層基板を、請求項1に記載の処理液で処理する処理工程と、
を含む、半導体基板の製造方法。
【請求項5】
前記処理工程の後に、前記レジストパターンのパターン空間に、金属を埋め込むことによって、金属配線を形成する工程を含む、
請求項4に記載の半導体基板の製造方法。
【請求項6】
前記準備工程は、前記積層基板を、ダマシン法を用いて得る工程である、
請求項4に記載の半導体基板の製造方法。