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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025098734
(43)【公開日】2025-07-02
(54)【発明の名称】加工装置、及び袋状部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B31B 70/52 20170101AFI20250625BHJP
   B65H 45/04 20060101ALI20250625BHJP
   B31B 160/20 20170101ALN20250625BHJP
【FI】
B31B70/52
B65H45/04
B31B160:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215066
(22)【出願日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 航大
【テーマコード(参考)】
3E075
3F108
【Fターム(参考)】
3E075AA05
3E075BA48
3E075BA70
3E075CA01
3E075DC28
3E075DC33
3E075DC45
3E075GA03
3F108AA01
3F108AA02
3F108AB01
3F108AC10
3F108BA01
3F108BB33
(57)【要約】
【課題】複数のシート状部材のうちの各々に対して異なる作業を選択的に施すことでシート状部材の加工工程の効率向上に寄与することが可能な加工装置及び袋状部材の製造方法を提供する。
【解決手段】加工対象である複数のシート状部材の各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能な加工装置であって、シート状部材の予め定められた位置を保持し、かつ保持されたシート状部材に対して作業を選択的に施す保持部と、保持部によって作業が施されたシート状部材が載置されるステージ部と、ステージ部においてシート状部材が載置される位置を位置決めするための位置決め部と、を備える加工装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工対象である複数のシート状部材の各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能な加工装置であって、
前記シート状部材の予め定められた位置を保持し、かつ保持された前記シート状部材に対して前記作業を選択的に施す保持部と、
前記保持部によって前記作業が施された前記シート状部材が載置されるステージ部と、
前記ステージ部において前記シート状部材が載置される位置を位置決めするための位置決め部と、
を備える加工装置。
【請求項2】
前記作業には、前記シート状部材を折り畳む折畳作業、前記シート状部材の一の面と他の面とを反転させる反転作業、及び前記シート状部材を前記ステージ部上において積層する積層作業が含まれ、
前記シート状部材に対して、前記折畳作業、前記反転作業、及び前記積層作業のうちの何れか一つ、又は二つ以上の組み合わせが選択的に施される
請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
前記複数のシート状部材には、第1シート状部材、第2シート状部材、第3シート状部材、及び第4シート状部材が含まれ、
前記作業には、
前記第1シート状部材の一の面を上にして、前記ステージ部に載置する作業と、
前記第2シート状部材の前記一の面を外側にして折り畳み、前記第1シート状部材の上に積層する作業と、
第3シート状部材の前記一の面を外側にして折り畳み、前記第1シート状部材の上に積層する作業と、
第4シート状部材を反転させ、前記一の面を下にして前記第2シート状部材及び前記第3シート状部材の上に積層する作業と、が含まれる
請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記ステージ部を平面視した場合において、前記ステージ部上に載置された前記シート状部材の前記ステージ部に対する移動を抑制可能とされている
請求項1に記載の加工装置。
【請求項5】
前記位置決め部は、前記ステージ部の載置面よりも突出した位置決め部材を含み、
前記シート状部材には、予め定められた位置に穴が形成されており、
前記穴に前記位置決め部材が挿通されることで、前記シート状部材が前記ステージ部において位置決めされる
請求項1に記載の加工装置。
【請求項6】
前記穴が、前記シート状部材において、前記シート状部材の四隅に対応する部分に形成されている
請求項5に記載の加工装置。
【請求項7】
前記保持部は、前記シート状部材において、前記穴よりも前記シート状部材の外縁側を保持する
請求項5に記載の加工装置。
【請求項8】
前記保持部は、前記シート状部材を保持可能なエンドエフェクタ部と、前記エンドエフェクタ部を支持する本体部とを有し、
前記本体部は、前記エンドエフェクタ部を3次元的にスライド移動可能な直交ロボットとして機能し、
前記エンドエフェクタ部は、前記本体部に対して回転可能とされている
請求項1に記載の加工装置。
【請求項9】
前記保持部は、吸着によって前記シート状部材を保持する
請求項1に記載の加工装置。
【請求項10】
前記作業が施される前の前記シート状部材が載置されるセット部をさらに備え、
前記セット部において前記シート状部材が位置決めされている
請求項1に記載の加工装置。
【請求項11】
前記保持部は、前記ステージ部へ前記シート状部材を搬送する間に、前記シート状部材を反転させる作業を施す
請求項1に記載の加工装置。
【請求項12】
前記複数のシート状部材は、袋状部材の素形材として用いられ、
前記加工装置は、前記袋状部材の製造工程である製袋工程のうちの折り畳み及び積層工程に利用される
請求項1に記載の加工装置。
【請求項13】
請求項1に記載の加工装置を用い、かつ前記シート状部材を素形材として袋状部材を製造する方法であって、
前記保持部により前記複数のシート状部材の各々に対して施される作業を選択する工程、
選択された前記作業を前記シート状部材に対して施す工程、及び、
前記保持部によって前記作業が施された前記シート状部材を、前記位置決め部により位置決めされた位置で、前記ステージ部に載置する工程、
を含む袋状部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の技術は、加工装置、及び袋状部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に複数のシート状部材(例えば、可撓性を有する樹脂製のシート状部材)を素形材とし、これらを組み合わせて製品を製造することが行われている。例えば、複数のシート状部材を組み合わせて袋状部材を製造する場合がある。このような袋状部材の製造工程では、複数のシート状部材を折り畳んだり、反転させたり、積層したりする作業が行われる。ところで、袋状部材には、その用途に応じて、形状及び/又はサイズに様々なバリエーションがあり、多品種の製造に対応することが求められる。また、袋状部材を大容量化する場合、袋状部材に素形材として用いられるシート状部材も大きくなるため、人による作業では製造を行うことが困難になる。
【0003】
特許文献1には、シートを折り曲げ線に沿って折り曲げ、2重に重ね合わせるシート折り曲げ装置であって、折り曲げ線の一方側に配置され、シートの長さ方向にのび、一端がシートの一端付近に達するシリンダと、シリンダの一端に設けられ、シートの一端付近において、シートを保持する保持手段と、シリンダの他端付近において、折り曲げ線から間隔を置いて配置され、シートの幅方向にのびる回転軸と、シリンダを回転軸のまわりに反転させる駆動機構と、駆動機構およびシリンダに接続され、シートの保持後、駆動機構によってシリンダを反転させ、これと同時に、シリンダを設定ストロークをもって伸張させる制御装置とからなり、駆動機構、シリンダおよび保持手段によってシートを折り曲げるようにしたことを特徴とするシート折り曲げ装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、被加工物を据えるための受面と受面との間で折り曲げ角部を形成し被加工物を折り曲げるための案内面とを具備する固定側治具と、駆動手段に作動連結され、固定側治具の受面に対接可能な押え面と押え面との間で折り曲げ角部を形成し固定側治具の案内面に対接可能な折曲加工面とを有する可動押圧部材を具備する可動側治具と、駆動手段に併設され、可動押圧部材の押え面を固定側治具の受面に当接させ、かつ可動押圧部材の折曲加工面と固定側治具の案内面との間に隙間を持たせるように、可動押圧部材を駆動案内する受面方向案内部と、可動押圧部材の押え面を固定側治具の受面に当接させた状態から可動押圧部材の折曲加工面を固定側治具の案内面に当接させ得るように、可動押圧部材を駆動案内する案内面方向案内部とを有する案内手段と、固定側治具の各面と可動押圧部材の各面との間に挟持され、折り曲げられた被加工物の被折り曲げ部分を加熱する加熱手段とを備えたことを特徴とする折り曲げ形加工装置が記載されている。
【0005】
特許文献3には、枚葉シートを折り畳む折り畳み装置における枚葉シートを折り畳まずに通過させる折り畳み装置のシート通過機構であり、枚葉シートが第一のニップローラから排出されて第二のニップローラを通過することなく直接送りローラまで迂回して折り畳まれることなく通過することを特徴とした折り畳み装置のシート通過機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-104616号公報
【特許文献2】特開2005-96408号公報
【特許文献3】特開2019-38688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1には、シート1を折り曲げ線に沿って折り曲げ、2重に重ね合わせるシート折り曲げ装置が記載されている。また、特許文献2には、フレキシブルプリント基板に所望の角度の折り曲げ形を付ける折り曲げ加工装置が記載されている。更に、特許文献3には、折り畳み装置のシート通過機構が記載されている。このように、特許文献1~3では、シート状部材に対して、単一の作業のみを施す加工装置が記載されているものの、シート状部材に対して異なる作業を選択的に施すことについては考慮されていない。このため、シート状部材に対する加工工程において、人手で行っていた異なる作業を実現する場合は、それぞれの作業に応じて別々の装置を用意する必要があった。
【0008】
そこで、本開示の技術は、複数のシート状部材のうちの各々に対して異なる作業(例えば、シート状部材の折り畳み、反転、及び/又は積層等の作業)を選択的に施すことでシート状部材の加工工程の効率向上に寄与することが可能な加工装置及び袋状容器の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の技術に係る第1の態様は、加工対象である複数のシート状部材の各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能な加工装置であって、シート状部材の予め定められた位置を保持し、かつ保持されたシート状部材に対して作業を選択的に施す保持部と、保持部によって作業が施されたシート状部材が載置されるステージ部と、ステージ部においてシート状部材が載置される位置を位置決めするための位置決め部と、を備える加工装置である。
【0010】
本開示の技術に係る第2の態様は、作業には、シート状部材を折り畳む折畳作業、シート状部材の一の面と他の面とを反転させる反転作業、及びシート状部材をステージ部上において積層する積層作業が含まれ、シート状部材に対して、折畳作業、反転作業、及び積層作業のうちの何れか一つ、又は二つ以上の組み合わせが選択的に施される第1の態様に係る加工装置である。
【0011】
本開示の技術に係る第3の態様は、複数のシート状部材には、第1シート状部材、第2シート状部材、第3シート状部材、及び第4シート状部材が含まれ、作業には、第1シート状部材を一の面を上にして、ステージ部に載置する作業と、第2シート状部材の一の面を外側にして折り畳み、第1シート状部材の上に積層する作業と、第3シート状部材の一の面を外側にして折り畳み、第1シート状部材の上に積層する作業と、第4シート状部材を反転させ、一の面を下にして第2シート状部材及び第3シート状部材の上に積層する作業と、が含まれる第1の態様に係る加工装置である。
【0012】
本開示の技術に係る第4の態様は、位置決め部は、ステージ部を平面視した場合において、ステージ部上に載置されたシート状部材のステージ部に対する移動を抑制可能とされている第1の態様に係る加工装置である。
【0013】
本開示の技術に係る第5の態様は、位置決め部は、ステージ部の載置面よりも突出した位置決め部材を含み、シート状部材には、予め定められた位置に穴が形成されており、穴に位置決め部材が挿通されることで、シート状部材がステージ部において位置決めされる第1の態様に係る加工装置である。
【0014】
本開示の技術に係る第6の態様は、穴が、シート状部材において、シート状部材の四隅に対応する部分に形成されている第5の態様に係る加工装置である。
【0015】
本開示の技術に係る第7の態様は、保持部は、シート状部材において、穴よりもシート状部材の外縁側を保持する第5の態様に係る加工装置である。
【0016】
本開示の技術に係る第8の態様は、保持部は、シート状部材を保持可能なエンドエフェクタ部と、エンドエフェクタ部を支持する本体部とを有し、本体部は、エンドエフェクタ部を3次元的にスライド移動可能な直交ロボットとして機能し、エンドエフェクタ部は、本体部に対して回転可能とされている第1の態様に係る加工装置である。
【0017】
本開示の技術に係る第9の態様は、保持部は、吸着によってシート状部材を保持する第1の態様に係る加工装置である。
【0018】
本開示の技術に係る第10の態様は、作業が施される前のシート状部材が載置されるセット部をさらに備え、セット部においてシート状部材が位置決めされている第1の態様に係る加工装置である。
【0019】
本開示の技術に係る第11の態様は、保持部は、ステージ部へシート状部材を搬送する間に、シート状部材を反転させる作業を施す第1の態様に係る加工装置である。
【0020】
本開示の技術に係る第12の態様は、複数のシート状部材は、袋状部材の素形材として用いられ、加工装置は、袋状部材の製造工程である製袋工程のうちの折り畳み及び積層工程に利用される第1の態様に係る加工装置である。
【0021】
本開示の技術に係る第13の態様は、第1の態様に係る加工装置を用い、かつシート状部材を素形材として袋状部材を製造する方法であって、保持部により複数のシート状部材の各々に対して施される作業を選択する工程、選択された作業をシート状部材に対して施す工程、及び、保持部によって作業が施されたシート状部材を、位置決め部により位置決めされた位置で、ステージ部に載置する工程、を含む袋状部材の製造方法である。
【発明の効果】
【0022】
本開示の技術によれば、複数のシート状部材のうちの各々に対して異なる作業(例えば、シート状部材の折り畳み、反転、及び/又は積層等の作業)を選択的に施すことでシート状部材の加工工程の効率向上に寄与することが可能な加工装置及び袋状部材の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】実施形態に係る加工装置の構成の一例を示す概略斜視図である。
図2】実施形態に係る加工装置の構成の一例を示す概略斜視図である。
図3】実施形態に係るシート状部材の構成の一例を示す概略平面図である。
図4】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図5】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図6】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図7】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図8】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図9】実施形態に係る加工装置の構成の一例を示す概略斜視図である。
図10】実施形態に係る加工工程の一例を示すフローチャートである。
図11】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図12】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
図13】実施形態に係る加工装置の動作の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面に従って、本開示の技術に係る加工装置10の実施形態の一例について説明する。
【0025】
以下の説明では、説明の便宜上、加工装置10の前後方向(奥行方向ともいう)、幅方向、及び高さ方向をX、Y及びZの3つの矢印で示す。まず、高さ方向を矢印Zで示し、矢印Zが指し示す矢印Z方向を加工装置10の上方向とし、その逆方向を下方向とする。幅方向を、矢印Zと直交する矢印Xで示し、矢印Xが指し示す方向を加工装置10の右方向とし、その逆方向を左方向とする。前後方向を、矢印Z及び矢印Xと直交する方向を矢印Yで示し、矢印Yが指し示す方向を加工装置10の前方向とし、その逆を後方向とする。また、以下において、上側、下側、左側、右側、前側、及び後側といった側を用いた表現も方向を用いた表現と意味は同じである。
【0026】
一例として図1に示すように、加工装置10は、シート状部材S(図2参照)に対して加工を施すための装置である。具体的には、加工装置10は、加工対象である複数枚のシート状部材Sの各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能な装置である。ここで、加工装置10において施される作業には、シート状部材Sを折り畳む作業、シート状部材Sの一の面(例えば、表面)を他の面(例えば、裏面)に反転させる作業(つまり、シート状部材Sを裏返す作業)、及びシート状部材Sを積層する作業が含まれる。加工装置10では、このような作業がシート状部材Sに対して選択的に施される。すなわち、加工装置10では、複数枚のシート状部材Sの各々に応じて作業を切り替えることが可能である。なお、作業内容は、複数のシート状部材Sの各々に対して常に異なっている必要はなく、同じ作業が含まれてもよいことはもちろんである。加工装置10は、本開示の技術に係る「加工装置」の一例である。シート状部材Sは、本開示の技術に係る「シート状部材」の一例である。
【0027】
加工装置10は、ステージ部12と、保持部20と、位置決め部30とを備えている。ステージ部12は、シート状部材Sを載置可能な台状の部位である。ステージ部12の上面が、シート状部材Sが載置される面である載置面12Aとされている。ステージ部12には、保持部20によって作業が施されたシート状部材Sが載置される。ステージ部12にシート状部材Sが載置される場合、位置決め部30によって位置決めがされる。図1に示す例では、ステージ部12は、平面視した場合に四角形状を有しており、ステージ部12は、加工装置10の左右方向の中央部分であって後側に設けられている。ステージ部12は、本開示の技術に係る「ステージ部」の一例であり、保持部20は、本開示の技術に係る「保持部」の一例であり、位置決め部30は、本開示の技術に係る「位置決め部」の一例である。
【0028】
保持部20は、シート状部材Sの予め定められた位置を保持する。予め定められた位置は、保持のしやすさ及び保持した後の作業性等に応じて適宜設定され得る。また、予め定められた位置をシート状部材Sの一の面及び他の面のどちらに設定するかも、保持のしやすさ及び保持した後の作業性等に応じて適宜設定され得る。保持部20により保持される位置の詳細については後述する。
【0029】
また、保持部20は、保持したシート状部材Sに対して作業を選択的に施することが可能である。すなわち、保持部20は、シート状部材Sを折り畳む作業、シート状部材Sを反転させる作業、及びシート状部材Sを積層する作業を実現するための機構を有している。シート状部材Sを折り畳む作業は、以下単に「折畳作業」とも称し、シート状部材Sを反転させる作業は、以下単に「反転作業」とも称し、シート状部材Sを積層する作業は、以下単に「積層作業」とも称する。図1に示す例では、保持部20は、第1保持部22、第2保持部24、第3保持部26、及び第4保持部28を含んで構成されている。第1保持部22、第2保持部24、第3保持部26、及び第4保持部28は、本開示の技術に係る「保持部」の一例である。
【0030】
第1保持部22及び第2保持部24は、加工装置10の左側に設けられている。また、第3保持部26及び第4保持部28は、加工装置10の右側に設けられている。つまり、第1保持部22及び第2保持部24と、第3保持部26及び第4保持部28とは、ステージ部12及びセット部16を挟んで反対側に設けられている。これにより、第1保持部22及び第2保持部24と、第3保持部26及び第4保持部28とによって、シート状部材Sが左右方向における両側から保持される。
【0031】
第1保持部22は、加工装置10においてステージ部12よりも左側に設けられている。第1保持部22は、ステージ部12とセット部16とが並んだ方向(ここでは、前後方向)に沿ってスライド移動可能とされている。具体的には、第1保持部22は、リニアガイド42に取り付けられている。リニアガイド42は、前後方向に沿って延在されたガイド機構である。そして、第1保持部22は、リニアガイド42に沿ってスライド移動可能とされている。すなわち、第1保持部22は、前後方向に沿ってスライド移動可能とされている。
【0032】
第1保持部22は、本体部22Aと、エンドエフェクタ部22Bと、を有している。本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを支持する部位である。本体部22Aは、鉛直方向に延在された支持部材である鉛直部22A1と、水平方向に沿って延在された支持部材である水平部22A2とを有している。鉛直部22A1の下端部は、リニアガイド42に取り付けられており、鉛直部22A1は、リニアガイド42に沿って前後方向にスライド移動可能とされている。具体的には、図示しない駆動機構(例えば、電動シリンダ)からの動力を受けた鉛直部22A1は、リニアガイド42に沿って前後方向に移動する。本体部22Aは、本開示の技術に係る「本体部」の一例であり、エンドエフェクタ部22Bは、本開示の技術に係る「エンドエフェクタ部」の一例である。
【0033】
水平部22A2は、鉛直部22A1と交差する態様で、鉛直部22A1に取り付けられている。水平部22A2は、鉛直部22A1から加工装置10の左右方向の中央へ向けて延在されている。また、水平部22A2は、図示しない駆動機構(例えば、電動シリンダ)によって鉛直部22A1に対して上下方向及び水平方向に沿ってスライド移動可能とされている。このように、本体部22Aは、リニアガイド42により前後方向に沿ってスライド移動可能とされている。また、本体部22Aにおいて、鉛直部22A1に対して水平部22A2が鉛直方向及び水平方向にスライド移動可能とされている。すなわち、本体部22Aは、3次元的にスライド移動可能とされている。
【0034】
エンドエフェクタ部22Bは、シート状部材Sを保持可能な部位である。エンドエフェクタ部22Bは、水平部22A2の先端側(すなわち、鉛直部22A1に取り付けられている側とは反対側)に取り付けられている。エンドエフェクタ部22Bは、図示しない駆動機構(例えば、ステッピングモータ)によって水平部22A2に対して回転可能とされている。例えば、エンドエフェクタ部22Bは、水平部22A2の長手方向に沿った軸部材を介して水平部22A2に取り付けられており、軸部材を回転軸として水平部22A2に対して回転可能とされている。
【0035】
第1保持部22は、吸着によってシート状部材Sを保持する。エンドエフェクタ部22Bには、シート状部材Sと対向する位置に吸着パッド22Cが設けられている。吸着パッド22Cは、シート状部材Sに対して吸着自在とされている。保持部20は、吸着パッド22Cを介して、シート状部材Sを保持したり、保持を解除したりする。具体的には、吸着パッド22Cがシート状部材Sに当接された状態において、図示しない吸引機構によってシート状部材Sと吸着パッド22Cとの間の空間内の空気が吸引される。これにより、吸着パッド22Cがシート状部材Sに吸着され、シート状部材Sがエンドエフェクタ部22Bによって保持される。より具体的には、吸引機構としてエジェクタを使用することで、吸着パッド22Cをシート状部材Sに吸着させたり、吸着を解除したりする。エジェクタには、レギュレータを接続することで吸引流量を調整可能としてもよい。なお、ここでは、空気の吸引に伴う吸着によってシート状部材Sが保持される形態例を挙げて説明したが、これはあくまでも一例に過ぎない。例えば、静電的吸着によってシート状部材Sが保持される態様であってもよい。
【0036】
上述したように、本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを支持し、また、本体部22Aは、図示しない駆動機構からの動力を受けて3次元的にスライド移動可能とされている。つまり、本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを3次元的にスライド移動可能な直交ロボットとして機能する。さらに、エンドエフェクタ部22Bは、本体部22Aに対して回転可能とされている。つまり、本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを3次元に直動運動させることを可能にし、さらにエンドエフェクタ部22Bの水平方向に沿った軸を中心とした回転を可能にしている。
【0037】
第2保持部24は、加工装置10においてステージ部12よりも左側に設けられている。つまり、第2保持部24は、第1保持部22と同じ側に設けられている。第2保持部24は、ステージ部12とセット部16とが並んだ方向(ここでは、前後方向)に沿ってスライド移動可能とされている。
【0038】
具体的には、第2保持部24は、リニアガイド44に取り付けられている。リニアガイド44は、前後方向に沿って延在されたガイド機構である。また、リニアガイド44は、リニアガイド42によりもステージ部12に近い側(ここでは、右側)に設けられている。そして、第2保持部24は、リニアガイド44に沿ってスライド移動可能とされている。すなわち、第2保持部24は、前後方向に沿ってスライド移動可能とされている。また、第2保持部24は、第1保持部22とすれ違いながら前後方向に沿って移動可能とされている。
【0039】
また、第2保持部24は、本体部24Aと、エンドエフェクタ部24Bとを有している。第2保持部24の詳細な構成は、第1保持部22と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0040】
第3保持部26及び第4保持部28は、ステージ部12及びセット部16を挟んで第1保持部22及び第2保持部24とは反対側(ここでは、右側)に設けられている。第3保持部26は、第1保持部22と左右方向において対称な位置に設けられている。すなわち、第3保持部26は、第1保持部22とステージ部12及びセット部16を挟んで対向している。また、第3保持部26は、リニアガイド48に沿ってスライド移動可能とされている。第3保持部26の構成は、第1保持部22と同様なので詳細な説明は省略する。
【0041】
第4保持部28は、第2保持部24と左右方向において対称な位置に設けられている。すなわち、第4保持部28は、第2保持部24とステージ部12及びセット部16を挟んで対向している。また、第4保持部28は、リニアガイド46に沿ってスライド移動可能とされている。第4保持部28の構成は、第2保持部24と同様なので詳細な説明は省略する。
【0042】
第3保持部26は、第1保持部22と同期して動作することが可能となっている。また、第4保持部28は、第2保持部24と同期して動作することが可能となっている。すなわち、第1保持部22と第3保持部26は、互いに予め定められた位置関係(例えば、ステージ部12を挟んで対向する位置関係)を保ったまま動作を行うことができる。また、第2保持部24と第4保持部28は、互いに予め定められた位置関係(例えば、ステージ部12を挟んで対向する位置関係)を保ったまま動作を行うことができる。
【0043】
ステージ部12には、位置決め部30が設けられている。位置決め部30は、ステージ部12において、シート状部材Sが載置される位置を位置決めする。図1に示す例では、ステージ部12の四隅にステージ部12の載置面12A(すなわち、シート状部材Sが載置される面)よりも突出した位置決めピン32、34、36、及び38が設けられている。具体的には、位置決めピン32は、ステージ部12の左後隅に設けられ、位置決めピン34は、ステージ部12の左前隅に設けられている。また、位置決めピン36は、ステージ部12の右後隅に設けられ、位置決めピン38は、ステージ部12の右前隅に設けられている。詳細は後述するが、ステージ部12に載置されるシート状部材Sには、予め定められた位置に穴H(図3参照)が形成されている。そして、シート状部材Sに形成された穴Hに、位置決めピン32、34、36、及び38がそれぞれ挿通されることで、シート状部材Sの位置決めがされる。位置決めピン32、34、36、及び38は、本開示の技術に係る「位置決め部材」の一例である。
【0044】
また、シート状部材Sが位置決めピン32、34、36、及び38によって位置決めされた状態において、シート状部材Sは、ステージ部12に対して水平方向の移動が抑制されている。具体的には、位置決めされた状態において、シート状部材Sに形成された穴Hの周縁が、位置決めピン32、34、36、及び38にそれぞれ当接するので、シート状部材Sの移動が抑制される。このように、ステージ部12を平面視した場合に、ステージ部12に載置されたシート状部材Sにおいて、位置決め部30によってステージ部12に対する移動が抑制される。
【0045】
位置決めピン32、34、36、及び38は、例えば、シート状部材Sに形成された穴Hの内径よりも小さい外径を有する円柱状部材である。また、位置決めピン32、34、36、及び38の先端部は、先端に行くほど径が小さくなる形状とされてもよい。すなわち、位置決めピン32、34、36、及び38の先端部は、テーパ形状を有してもよい。例えば、位置決めピン32、34、36、及び38の先端部が円錐形状とされてもよい。これにより、位置決めピン32、34、36、及び38に、シート状部材Sに形成された穴Hを挿通することが容易になる。
【0046】
また、加工装置10には、セット部16が設けられている。セット部16は、保持部20による作業前のシート状部材Sが載置される台状の部位である。セット部16は、例えば、加工装置10において、ステージ部12に隣接している。図1に示す例では、セット部16は、加工装置10においてステージ部12よりも前側に位置している。セット部16が加工装置10に設けられていることで、セット部16からステージ部12へシート状部材Sを搬送するのに必要な距離が短くなり、搬送中のコンタミの付着が抑制される。
【0047】
図1に示す例では、セット部16は、平面視した場合(ここでは、上下方向に沿って下向きに見た場合)に十字形状を有している。換言すれば、セット部16は、平面視した場合に四角形の四隅が中央へ向けて凹んだ形状を有している。セット部16は、本開示の技術に係る「セット部」の一例である。
【0048】
そして、セット部16の四隅が凹んだ位置には、位置決めピン18がそれぞれ設けられている。4つの位置決めピン18は、上述したシート状部材Sに形成された穴Hに挿通される。これにより、セット部16に載置されたシート状部材Sが位置決めされる。4つの位置決めピン18の配置は、ステージ部12における位置決めピン32、34、36、及び38と同様な配置となっている。
【0049】
また、加工装置10は、制御装置40の制御下で動作する。具体的には、制御装置40は、ユーザから入力された作業条件(例えば、作業内容又は回数等)を取得し、取得した作業条件に応じて加工装置10を制御する。制御装置40は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ストレージ(例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、及び/又は、SSD(Solid State Drive)等)、及びメモリ(例えば、RAM(Random Access Memory))を含むコンピュータによって実現される。
【0050】
なお、本実施形態において、制御装置40は、コンピュータによって実現されているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、制御装置40は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)及び/又はPLC(Programmable Logic Controller)によって実現されるようにしてもよい。また、ASIC、FPGA、PLC、及びコンピュータのうちの2つ以上を組み合わせて実現されるようにしてもよい。すなわち、制御装置40は、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現されるようにしてもよい。
【0051】
次に図2~9を参照しながら、加工装置10の動作例について説明する。
一例として図2に示すように、セット部16にシート状部材Sが載置される。具体的には、セット部16の載置面16Aにシート状部材Sが載置され、さらに位置決めピン18にシート状部材Sに形成された穴Hが挿通される。セット部16へのシート状部材Sの設置は、作業者によって行われてもよいし、図示しない搬送機構(例えば、搬送用ロボットアーム)によって行われてもよい。
【0052】
ここで、シート状部材Sは、例えば、樹脂製のシート状部材である。具体的には、シート状部材Sは、例えば、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、EVOH(ethylene-vinylalcohol copolymer)樹脂製である。シート状部材Sは、例えば、平面視した場合に矩形状を有している。シート状部材Sの寸法は、一例として総厚300μm、サイズ400mm×1100mmである。
【0053】
より具体的には、シート状部材Sを形成する樹脂として、PEとしては、LDPE(Low Density Polyethylene)、LLDPE(Linear Low Density Polyethylene)、ULDPE(Ultra Low Density Polyethylene)、及びHDPE(High Density Polyethylene)が挙げられる。また、PPとしては、OPP(Oriented Polypropylene)、CPP(Cast Polypropylene)、及びIPP(Inflation Polypropylene)が挙げられる。また、シート状部材Sを形成する樹脂として、その他には、EVA(Ethylene-Vinyl Acetate)、ナイロン、ポリエステル、PO(polyolefin)、PFA(perfluoroalkoxy alkane)、及びPTFE(polytetrafluoroethylene)が挙げられる。また、ポリエステルとしては、具体的には、PET(polyethylene terephthalate)、及びPEN(polyethylene naphthalate)が挙げられる。
【0054】
また、シート状部材Sは、容器の内側から外側にかけて複数の素材が積層された積層構造を有してもよい。この場合において、上述したような樹脂から成る複数種類の樹脂層が積層されて構成されてもよい。また、シート状部材Sの積層構造が、樹脂以外の材料を含んで構成されてもよいことはもちろんである。例えば、シート状部材Sは、金属層または紙の層を有する積層構造であってもよい。具体的には、シート状部材Sは、少なくとも内側に樹脂層を有し、外側に金属層(例えば、アルミ層)を有する積層構造であってもよい。また、シート状部材Sは、内側に樹脂層を有し、外側に紙の層を有する積層構造であってもよい。
【0055】
また、シート状部材Sがセット部16に載置される場合、シート状部材Sの厚み方向における予め定められた面がセット部16と反対側(ここでは、上側)を向いた状態で、シート状部材Sが載置される。ここでは、シート状部材Sにおいて、コンタミ(例えば、汚れ及び/又はゴミ)の付着が他の面と比較して許容されない面が、予め定められた面とされる。一例として図3に示すように、シート状部材Sが袋状部材Aの製造に用いられる場合には、袋状部材Aとなった状態で袋状部材Aの内側(すなわち、内容物と接触する側)となる面が、予め定められた面とされる。以下、説明の便宜上、シート状部材Sにおける予め定められた面を表面Fとも称し、反対側の面を裏面Bとも称する。表面Fは、本開示の技術に係る「一の面」の一例であり、裏面Bは、本開示の技術に係る「他の面」の一例である。
【0056】
なお、ここでは、長方形のシート状部材Sを示しているがこれはあくまでも一例に過ぎず、正方形であってもよいし、他の多角形状のシート状部材S、又は、角にR形状を有していたり、長円形であったりする等の曲線状の外縁を含むシート状部材Sであってもよいことはもちろんである。
【0057】
特に、袋状部材Aが、医薬分野で用いられるバッグであって培地又はバッファ等を調整及び/又は保管するためのバッグ(いわゆるシングルユースバッグ)として利用される場合がある。この場合、内部に収容される薬液等との接触面(すなわち、接液面)において、コンタミ(例えば、汚れ及び/又はゴミ)又は菌等の付着を抑制することが求められる。そのため、袋状部材Aの製造工程において、シート状部材Sにおいて最終的に接液面となる領域と保持部20等との接触を出来るだけ避けることが望ましい。
【0058】
具体的には、シート状部材Sは袋状部材Aの素形材として用いられる場合、袋状部材Aの製造工程である製袋工程のうちの折り畳み及び積層工程において、複数枚のシート状部材Sが折り畳まれ、かつ積層される。この場合に、シート状部材Sの表面Fが内側とされた状態で、複数のシート状部材Sが積層される。更に、積層されたシート状部材Sの四隅に対応する部分Cが除去される(すなわち、トリミングされる)。そして、四隅に対応する部分Cが除去された後のシート状部材Sの周縁が互いに溶着されることで、袋状部材Aに成形される。つまり、四隅に対応する部分Cは製造工程の途中で除去される部分なので、保持部20等と接触しても、最終的な製品に与える影響が小さい。
【0059】
シート状部材Sの四隅に対応する部分Cは、シート状部材Sの大きさに対して予め定められた範囲とされている。四隅に対応する部分Cは、例えば、シート状部材Sの各辺に対して45度の角度で切り取られる領域である。そして、シート状部材Sの幅方向において、四隅に対応する部分Cの間の長さLは、シート状部材Sの幅Wに対して、予め定められた割合とされている。例えば、シート状部材Sの幅Wが1000mmの場合に、長さLは、10~100mmの間に設定されている。また、シート状部材Sの幅Wが、400mmの場合に、長さLは、10mmとされている。また、シート状部材Sの幅Wが、270mmの場合に、長さLは、10mmとされている。
【0060】
また、四隅に対応する部分Cには、穴Hが形成されている。具体的には、4つの四隅に対応する部分Cの各々には、一つずつ穴Hが形成される。上述したように、穴Hには、シート状部材Sがステージ部12に載置された状態において、位置決めピン32、34、36、及び38が挿通される。また、穴Hには、シート状部材Sがセット部16に載置された状態において、4つの位置決めピン18がそれぞれ挿通される。なお、ここでは、穴Hが、円形である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。穴Hは、位置決めピンが挿通可能な形状であればよく、四角形等の多角形状であってもよい。穴Hは、本開示の技術に係る「穴」の一例である。
【0061】
シート状部材Sが保持部20によって保持される場合、シート状部材Sにおいて、四隅に対応する部分Cが保持される。具体的には、四隅に対応する部分Cにおいて、穴Hよりもシート状部材Sの外縁側の部位が保持される。図3に示す例では、穴Hと幅方向(すなわち、短手方向)に沿った外縁との間の部位Dが保持される。なお、これはあくまでも一例に過ぎず、長手方向に沿った外縁と穴Hとの間の部位が保持されてもよい。保持される位置が穴Hよりも外縁側にくることで、保持部20がシート状部材Sをステージ部12に載置する場合に、穴Hの近傍にシート状部材Sに引張力が発生する。その引っ張り力の分力が位置決めピン32、34、36及び38に穴Hを挿通させる場合の補助力となることで、位置決めが容易になる。
【0062】
一例として図4の上段に示すように、セット部16にシート状部材Sが載置される。そして、保持部20によるシート状部材Sに対する作業が開始される。以下の説明では、加工装置10が、製袋工程のうちの折り畳み及び積層工程に利用される場合を例に挙げて説明する。ここでは、複数のシート状部材Sには、第1シート状部材S1、第2シート状部材S2、第3シート状部材S3、及び第4シート状部材S4が含まれ、これらが折り畳まれたり、積層されたりする。第1シート状部材S1は、本開示の技術に係る「第1シート状部材」の一例であり、第2シート状部材S2は、本開示の技術に係る「第2シート状部材」の一例であり、第3シート状部材S3は、本開示の技術に係る「第3シート状部材」の一例であり、第4シート状部材S4は、本開示の技術に係る「第4シート状部材」の一例である。
【0063】
先ず、一枚目のシート状部材Sである第1シート状部材S1に対する作業について説明する。なお、以下の説明では、第1保持部22及び第2保持部24による動作について説明するが、第3保持部26及び第4保持部28についても同様の動作が行われている。すなわち、上述したように第3保持部26及び第4保持部28は、それぞれ第1保持部22及び第2保持部24と同期して動作している。
【0064】
一例として図4の下段に示すように、第1シート状部材S1がセット部16に載置された状態において、第1保持部22のエンドエフェクタ部22B及び第2保持部24のエンドエフェクタ部24Bが、第1シート状部材S1の表面Fに対して接近する。そして、第1保持部22の吸着パッド22C及び第2保持部24の吸着パッド24Cが第1シート状部材S1の表面Fと吸着する。具体的には、吸着パッド22C及び吸着パッド24Cが第1シート状部材S1の表面Fに当接した状態で、エジェクタ(図示省略)が動作し、空気が吸引されることで、吸着パッド22C及び吸着パッド24Cが表面Fに吸着する。これにより、第1保持部22及び第2保持部24によって、第1シート状部材S1が保持される。この場合において、第1保持部22及び第2保持部24によって、第1シート状部材S1のうちの四隅に対応する部分Cが保持される。より具体的には、四隅に対応する部分Cにおいて、穴Hと外縁との間の部位Dが保持される(図3参照)。
【0065】
第1シート状部材S1は、保持部20によって保持されたまま、セット部16の上方へ移動され、その後、第1シート状部材S1は、ステージ部12の上方へ移動される。ステージ部12の上方において、予め定められた位置に到達した後、第1シート状部材S1は、下方に移動される。具体的には、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとが下方に移動することで、第1シート状部材S1は、下方に移動される。そして、第1シート状部材S1は、位置決め部30によって位置決めされた状態で、ステージ部12に載置される。このように、第1シート状部材S1に対して、表面Fを上にしてステージ部12に載置する作業が施される。
【0066】
第1シート状部材S1に対する作業が終了した後、保持部20による保持は解除される。その後、保持部20は、予め定められた位置(例えば、作業開始前の初期位置)に戻る。
【0067】
次に、二枚目のシート状部材Sである第2シート状部材S2に対する作業について説明する。一例として図5及び図6に示すように、セット部16に第2シート状部材S2が載置される。そして、エンドエフェクタ部22Bの吸着パッド22Cが第2シート状部材S2の裏面Bに吸着する。具体的には、エンドエフェクタ部22Bが、図示しない駆動機構によって、180°回転した状態で裏面Bに接近する。そして、吸着パッド22Cが第2シート状部材S2の裏面Bに当接した状態で、エジェクタ(図示省略)が動作し、空気が吸引されることで、吸着パッド22Cが裏面Bに吸着する。また、第1シート状部材S1の場合と同様に、エンドエフェクタ部24Bの吸着パッド24Cが第2シート状部材S2の表面Fと吸着する。
【0068】
一例として図5の二段目に示すように、第2シート状部材S2は、保持部20によって保持されたまま、セット部16の上方へ移動される。その後、一例として図5の三段目及び四段目に示すように、第2シート状部材S2において、保持部20によって表面Fが下側とされ、裏面Bが上側とされる。すなわち、保持部20によって、第2シート状部材S2が裏返される。
【0069】
図5に示す例では、エンドエフェクタ部22Bが、第2シート状部材S2の裏面Bを保持したまま、紙面表側から見て時計回りに90°回転しながら上方へ移動する。また、エンドエフェクタ部24Bが、第2シート状部材S2の表面Fを保持したまま、時計回りに90°回転しながら下方へ移動する。この場合に、第2シート状部材S2において、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとの間の部位は、S字状に撓んでいる。
【0070】
そして、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとが、上下方向においてずれた状態で、互いにすれ違う方向に移動する。その後、エンドエフェクタ部22Bは、予め定められた位置で停止した後、紙面表側から見て時計回りに90°回転する。一方、エンドエフェクタ部24Bも、予め定められた位置で停止した後、紙面表側から見て時計回りに90°回転する。この結果、第2シート状部材S2が裏返される。
【0071】
一例として図6の最上段に示すように、第2シート状部材S2は、保持部20によって保持されたまま、ステージ部12の上方へ移動される。第2シート状部材S2がステージ部12の上方において予め定められた位置に到達した後、第2シート状部材S2は、表面Fを外側にした状態で折り畳まれる。具体的には、図6の二段目に示すように、エンドエフェクタ部22Bが下方に移動することで、第2シート状部材S2の後端側は、下方に移動される。そして、第2シート状部材S2の後端側は、位置決め部30(ここでは、位置決めピン32)によって位置決めされた状態で、第1シート状部材S1の表面Fの上に載置される。エンドエフェクタ部22Bによる保持は解除され、エンドエフェクタ部22Bは、エンドエフェクタ部24Bと干渉しない位置へ退避する。
【0072】
また、図6の三段目に示すように、エンドエフェクタ部24Bが180°回転することで、第2シート状部材S2の前端側は、裏返される。そして、エンドエフェクタ部24Bが、既に載置された第2シート状部材S2の上方まで移動され、さらにエンドエフェクタ部24Bが下方に移動される。これにより、第2シート状部材S2の載置されていない部分は、位置決め部30(ここでは、位置決めピン32)によって位置決めされた状態で、第2シート状部材S2の既に載置されている部分の上に載置される。この結果、図6の四段目に示すように、第2シート状部材S2は、表面Fを外側にした状態で折り畳まれる。折り畳まれた状態の第2シート状部材S2は、ステージ部12の後ろ側に位置している。このように、第2シート状部材S2に対して、表面Fを外側にして2つ折りにし、第1シート状部材S1の上に積層させる作業が施される。
【0073】
第2シート状部材S2に対する作業が終了した後、保持部20による保持は解除される。その後、保持部20は、予め定められた位置(例えば、作業開始前の初期位置)に戻る。
【0074】
また、一例として図6の最下段に示すように、第3シート状部材S3に対しても、上述した第2シート状部材S2に対する作業と同様な作業(例えば、第3シート状部材S3を反転させる作業、及び第3シート状部材S3を折り畳む作業)が施される。ただし、第3シート状部材S3は、ステージ部12を左右方向から見た場合において、第2シート状部材S2とは対称な位置に折り畳まれる。つまり、第3シート状部材S3は、表面Fを外側にした状態で折り畳まれた状態で、ステージ部12の前側に位置している。このように、第3シート状部材S3に対して、表面Fを外側にして2つ折りにし、第1シート状部材S1の上に積層させる作業が施される。
【0075】
第3シート状部材S3に対する作業は、第2シート状部材S2に対する作業とは対称な動作で実現される。換言すれば、第3シート状部材S3に対する作業は、図5に示すエンドエフェクタ部22B及びエンドエフェクタ部24Bの動きと対称な動き(すなわち、セット部16を左右方向から見た場合にセット部16の中心線に対して線対称な動き)で実現される。また、第3シート状部材S3に対する作業は、図6に示すエンドエフェクタ部22B及びエンドエフェクタ部24Bの動きと対称な動き(すなわち、ステージ部12を左右方向から見た場合にステージ部12の中心線に対して線対称な動き)で実現される。
【0076】
次に、四枚目のシート状部材Sである第4シート状部材S4に対する作業について説明する。一例として図7に示すように、セット部16に第4シート状部材S4が載置される。そして、エンドエフェクタ部22Bの吸着パッド22C及びエンドエフェクタ部24Bの吸着パッド24Cが、第4シート状部材S4の裏面Bに吸着する。
【0077】
一例として図7の二段目に示すように、第4シート状部材S4は、保持部20によって保持されたまま、セット部16の上方へ移動される。その後、一例として図7の三段目及び四段目に示すように、第4シート状部材S4において、保持部20によって表面Fが下側とされ、裏面Bが上側とされる。すなわち、保持部20によって、第4シート状部材S4が裏返される。
【0078】
図7に示す例では、エンドエフェクタ部22Bが、第4シート状部材S4の裏面Bを保持したまま、紙面表側から見て時計回りに90°回転しながら上方へ移動する。また、エンドエフェクタ部24Bが、第4シート状部材S4の裏面Bを保持したまま、紙面表側から見て時計回りに90°回転しながら下方へ移動する。この場合に、第4シート状部材S4において、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとの間の部位は、S字状に撓んでいる。
【0079】
そして、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとが、上下方向においてずれた状態で、互いにすれ違う方向に移動する。その後、エンドエフェクタ部22Bは、予め定められた位置で停止した後、紙面表側から見て時計回りに90°回転する。一方、エンドエフェクタ部24Bも、予め定められた位置で停止した後、紙面表側から見て時計回りに90°回転する。この結果、第4シート状部材S4が裏返される。
【0080】
一例として図8に示すように、第4シート状部材S4は、保持部20によって保持されたまま、ステージ部12の上方へ移動される。ステージ部12の上方において、予め定められた位置に到達した後、第4シート状部材S4は、下方に移動される。具体的には、エンドエフェクタ部22Bとエンドエフェクタ部24Bとが下方に移動することで、第4シート状部材S4は、下方に移動される。そして、第4シート状部材S4は、位置決め部30によって位置決めされた状態で、2つ折りにされた第2シート状部材S2及び2つ折りにされた第3シート状部材S3の上に載置される。すなわち、第4シート状部材S4が、第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3に積層される。このように、第4シート状部材S4に対して、反転させ、表面Fを下にして第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3の上に積層する作業が施される。
【0081】
上述したように、加工装置10では、保持部20により複数のシート状部材Sの各々に対して異なる作業が選択的に施される。具体的には、第1シート状部材S1に対して、ステージ部12へ搬送する作業が施される。また、第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3に対して、反転する作業、折り畳み作業及び積層する作業の組み合わせが施される。また、第4シート状部材S4に対して、反転する作業及び積層する作業の組み合わせが施される。
【0082】
一例として図9に示すように、第1シート状部材S1、第2シート状部材S2、第3シート状部材S3、及び第4シート状部材S4に対する作業が終了した後、ステージ部12には、第1シート状部材S1、第2シート状部材S2、第3シート状部材S3、及び第4シート状部材S4が積層された状態で、これらが載置される。そして、第1シート状部材S1、第2シート状部材S2、第3シート状部材S3、及び第4シート状部材S4は、積層された状態が維持されたまま、次の工程へ搬送される。その後、保持部20は、予め定められた位置(例えば、作業開始前の初期位置)に戻る。そして、加工装置10では、第1シート状部材S1に対する作業が開始される。
【0083】
次に、図10を参照しながら本実施形態に係るシート状部材Sの加工工程について説明する。シート状部材Sの加工工程は、例えば、シート状部材Sを素形材として袋状部材Aを製造する工程である製袋工程の一部である。図10に示すシート状部材Sの加工工程の流れは、本開示の技術に係る「袋状部材の製造方法」の一例である。以下、説明の便宜上、シート状部材Sの加工工程を単に「加工工程」と称する。
【0084】
一例として図10に示すように、加工工程では、先ず、ステップST12で、シート状部材Sが加工装置10にセットされる。ステップST12の工程が行われた後、加工工程は、ステップST14に移行する。
【0085】
ステップST14で、ステップST12でセットされたシート状部材Sに対して施される作業が選択される。具体的には、制御装置40によって、シート状部材Sに対して施される作業が選択される。ステップST14の工程が行われた後、加工工程は、ステップST16に移行する。
【0086】
ステップST16で、ステップST12で選択された作業がシート状部材Sに対して施される。具体的には、制御装置40の制御下で保持部20が動作することで、シート状部材Sに対して作業が施される。ステップST16の工程が行われた後、加工工程は、ステップST18に移行する。
【0087】
ステップST18で、ステップST16で作業が施されたシート状部材Sがステージ部12に載置される。シート状部材Sは、ステージ部12において、位置決め部30によって位置決めされた位置に載置される。ステップST18の工程が行われた後、加工工程は、ステップST20へ移行する。
【0088】
ステップST20で、加工工程の終了条件を満たしたか否かが判定される。ここで、終了条件としては、例えば、予め定められた枚数のシート状部材Sに対して作業が行われたこと、が挙げられる。終了条件を満たしていない場合、判定は否定されて、加工工程は、再度ステップST12に戻る。一方、終了条件を満たしている場合、判定は肯定されて、加工工程は終了する。なお、本実施形態に係るシート状部材Sの加工工程が、袋状部材Aの製造工程以外にも用いられてよいことはもちろんである。
【0089】
以上説明したように、本実施形態に係る加工装置10では、複数のシート状部材Sの各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能とされている。加工装置10は、保持部20と、ステージ部12と、位置決め部30とを備えている。保持部20は、シート状部材Sの予め定められた位置を保持し、かつ保持されたシート状部材Sに対して作業(例えば、シート状部材Sの折り畳み、反転、及び/又は積層等の作業)を選択的に施す。また、ステージ部12には、作業が施されたシート状部材Sが載置される。そして、位置決め部30により、ステージ部12において、シート状部材Sが載置される位置が位置決めされる。これにより、複数のシート状部材Sのうちの各々に対して保持部20により作業が選択的に施され、更に、作業を施されたシート状部材Sが、位置決めされた状態でステージ部12上に載置される。この結果、人手による作業の場合と比較して、シート状部材Sに対する加工工程の効率向上に寄与する。
【0090】
従来既知のシート状部材Sの加工工程では、人手によってシート状部材Sに対する作業を行っていたが、この場合、シート状部材Sのサイズが大きくなる(例えば、最大長さが900mm以上)と、人間では取り扱うことが困難になり、加工工程における効率低下を招来していた。また、加工工程において、人間による作業が多く含まれると、人間に由来したコンタミがシート状部材Sに付着する可能性があり、品質管理の観点からも、作業をできるだけ省人化することが望ましい。
【0091】
一方、従来既知の加工装置では、シート状部材Sの折り畳み作業のみを行っており、一台で複数のシート状部材Sの各々に対して作業を選択的に施すことはできなかった。そこで、本構成では、加工装置10において、複数のシート状部材Sの各々に対して異なる作業が選択的に施され、更に作業後のシート状部材Sがステージ部12に位置決めされた状態で載置される。これにより、この結果、人手による作業の場合と比較して、シート状部材Sに対する加工工程の効率向上に寄与する。
【0092】
また、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20により行われる作業には、シート状部材Sを折り畳む作業、シート状部材Sの表面Fと裏面Bとを反転させる作業、及びシート状部材Sをステージ部12上において積層する作業が含まれる。そして、シート状部材Sに対して、折り畳み作業、反転する作業、及び積層する作業のうちの何れか一つ、又は二つ以上の組み合わせが選択的に施される。これにより、複数のシート状部材Sの各々に対して様々な作業を選択的に施すことが可能になり、シート状部材Sに対する加工工程の効率向上に寄与する。
【0093】
また、本実施形態に係る加工装置10では、作業の対象となる複数のシート状部材Sには、第1シート状部材S1、第2シート状部材S2、第3シート状部材S3、及び第4シート状部材S4が含まれる。そして、保持部20により行われる作業には、第1シート状部材S1の表面Fを上にしてステージ部12に載置する作業が含まれる。また、保持部20により行われる作業には、第2シート状部材S2の表面Fを外側にして2つ折りにし、第1シート状部材S1の上に積層する作業が含まれる。また、保持部20により行われる作業には、第3シート状部材S3の表面Fを外側にして2つ折りにし、第1シート状部材S1の上に積層する作業が含まれる。更に、保持部20により行われる作業には、第4シート状部材S4を反転させ、表面Fを下にして、第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3の上に積層する作業が含まれる。これにより、複数のシート状部材Sの各々に対して様々な作業を選択的に施すことが可能になり、シート状部材Sに対する加工工程の効率向上に寄与する。また、シート状部材Sが袋状部材Aの製造に用いられる場合には、上述した作業を順次施すことにより、袋状部材Aの製造工程におけるシート状部材Sに対する加工工程の効率向上に寄与する。
【0094】
また、本実施形態に係る加工装置10では、位置決め部30は、ステージ部12を平面視した場合に、ステージ部12上に載置されたシート状部材Sのステージ部12に対する移動を抑制可能とされている。これにより、位置決め部30によって、ステージ部12上でのシート状部材Sの位置がずれにくくなる。つまり、位置決め部30は、シート状部材Sの位置決め機能だけではなく、シート状部材Sの位置ずれ抑制機能も有している。このため、ステージ部12上で位置決めされたシート状部材Sを固定する構造を別途設ける場合と比較して、加工装置10の構成が簡素化される。
【0095】
また、本実施形態に係る加工装置10では、位置決め部30は、ステージ部12の載置面12Aよりも突出した位置決めピン32、34、36、及び38である。シート状部材Sには、予め定められた位置に4つの穴Hが形成されている。4つの穴Hの各々に位置決めピン32、34、36、及び38が挿通されることにより、シート状部材Sが、ステージ部12において位置決めされる。これにより、位置決めピン32、34、36、及び38という簡素な構成により、位置決めができるとともに、位置ずれの抑制も実現される。例えば、位置決めのためのマーカと、固定のためのクリップを設ける場合と比較して、加工装置10の構成が簡素化される。特に、ピンが穴に挿通されるという構成により、複数のシート状部材Sを積層した場合であっても、複数のシート状部材Sを位置決めし、かつ位置ずれの抑制を行える。
【0096】
また、本実施形態に係る加工装置10では、穴Hが、シート状部材Sの四隅に対応する部分Cに形成されている。穴Hは、上述したようにシート状部材Sの位置決めに利用される。これにより、例えば、穴Hがシート状部材Sの一つの隅にのみ設けられている場合と比較して、位置決めの精度が向上する。また、例えば、穴Hがシート状部材Sの一つの隅にのみ設けられている場合、ステージ部12上で、シート状部材Sが回転するおそれがあるが、四隅に対応する部分Cに形成された穴Hで、位置決めされているので、ステージ部12上でのシート状部材Sの位置がずれにくくなる。
【0097】
また、シート状部材Sが袋状部材Aの製造に用いられる場合には、四隅に対応する部分Cは、除去される場合が多い。このため、四隅に対応する部分Cに穴Hを形成しても、完成品である袋状部材Aに与える影響(例えば、穴Hの形成によるコンタミの付着、又はキズの発生)が小さい。
【0098】
また、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20は、シート状部材Sにおいて、穴Hよりもシート状部材Sの外縁側を保持する。これにより、穴Hよりも内側を保持する場合と比較して、シート状部材Sの内側部分(例えば、四隅に対応する部分C以外の部分)への影響(例えば、保持によるコンタミの付着、又はキズの発生)が少ない。
【0099】
また、シート状部材Sが袋状部材Aの製造に用いられる場合には、四隅に対応する部分Cは、除去される場合が多い。このため、四隅に対応する部分Cを保持しても、完成品である袋状部材Aに与える影響(例えば、保持によるコンタミの付着、又はキズの発生)が小さい。
【0100】
また、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20は、第1保持部22を含んでいる。そして、第1保持部22は、本体部22Aと、エンドエフェクタ部22Bと、を備えている。エンドエフェクタ部22Bは、シート状部材Sを保持可能とされ、本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを支持している。本体部22Aは、エンドエフェクタ部22Bを3次元的にスライド移動可能な直交ロボットとして機能し、エンドエフェクタ部22Bは、本体部22Aに対して回転可能とされている。また、第2保持部24、第3保持部26、及び第4保持部28についても、第1保持部22と同様な構成を有している。これにより、直交ロボットの動きと、エンドエフェクタの回転と、によって保持部20に必要な動きが実現される。このため、保持部20が多関節アームの場合と比較して、簡素な構成で保持部20に必要な動きが実現される。
【0101】
また、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20は、吸着によってシート状部材Sを保持する。これにより、グリッパによる保持と比較して、シート状部材Sに対するキズの発生、又は保持した痕の発生が抑制される。
【0102】
また、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20による作業が施される前のシート状部材Sが載置されるセット部16がさらに設けられている。そして、セット部16において、位置決めピン18によりシート状部材Sが位置決めされている。これにより、作業を施すためにセット部16からシート状部材Sを保持する場合に、予め定められた位置で保持することが容易になる。
【0103】
また、本実施形態に係る加工装置10では、複数のシート状部材Sは、袋状部材Aの素形材として用いられ、加工装置10は、袋状部材Aの製造工程のうちの折り畳み及び積層工程に利用される。袋状部材Aには、その用途に応じて、形状及び/又はサイズに様々なバリエーションがあり、多品種の製造に対応することが求められる。また、袋状部材Aを大容量化する場合、袋状部材に素形材として用いられるシート状部材も大きくなるため、人による作業では製造を行うことが困難になる。本構成では、袋状部材Aの製造工程のうちの折り畳み及び積層工程に加工装置10を利用するので、袋状部材Aの製造工程の効率向上に寄与する。
【0104】
袋状部材Aの製造工程のうちの折り畳み及び積層工程は、製品毎のばらつき、又は欠陥品の発生に影響する可能性が大きい工程である。具体的には、シート状部材Sの折り畳みの位置、又はシート状部材Sの積層状態が、完成品の品質に大きく影響する。そのため、袋状部材Aの製造工程のうちの折り畳み及び積層工程に加工装置10を利用することで、袋状部材Aの品質向上に寄与する。
【0105】
また、袋状部材Aの製造工程において、人間による作業が多く含まれると、人間に由来したコンタミがシート状部材Sに付着し、その結果、袋状部材Aの内部に混入する可能性がある。このため、袋状部材Aの品質管理の観点からも、作業をできるだけ自動化することが望ましい。また、袋状部材Aが、シングルユースバッグとして利用される場合がある。この場合、接液面において、コンタミ又は菌等の付着を抑制することが求められる。従来既知の加工装置では、シート状部材Sの接液面と加工用の治具(例えば、ローラ等)とが、直接、接触するため、コンタミ又は菌等の付着の可能性が高くなる。一方、本構成では、袋状部材Aの製造工程において加工装置10を利用するので、袋状部材Aの品質向上に寄与する。
【0106】
(変形例)
上記実施形態では、第1保持部22のエンドエフェクタ部22Bと、第2保持部24のエンドエフェクタ部24Bと、が互いにすれ違う動作を行うことで、シート状部材Sの折り畳み作業又は反転作業が行われる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。本変形例では、エンドエフェクタ部24Bを回動中心として、エンドエフェクタ部22Bが円弧状の軌跡を辿ることにより、シート状部材Sの折り畳み作業又は反転作業が行われる。
【0107】
一例として図11に示すように、第2シート状部材S2は、保持部20によって保持されたまま、セット部16の上方へ移動される。その後、第2シート状部材S2において、保持部20によって表面Fが下側とされ、裏面Bが上側とされる。すなわち、保持部20によって、第2シート状部材S2が裏返される。
【0108】
図11に示す例では、エンドエフェクタ部22Bが、第2シート状部材S2の裏面Bを保持したまま、紙面表側から見て時計回りに180°回転しながら円弧状の軌跡で移動する。また、エンドエフェクタ部24Bが、第2シート状部材S2の表面Fを保持したまま、同じ位置で、紙面表側から見て時計回りに180°回転する。すなわち、エンドエフェクタ部24Bを回動中心として、エンドエフェクタ部22Bが円弧状の軌跡を辿る。この結果、第2シート状部材S2が裏返される。第2シート状部材S2が裏返されると、第2シート状部材S2は、ステージ部12の上方に位置している。つまり、第2シート状部材S2をステージ部12へ搬送する間に、第2シート状部材S2に対して反転作業が施されるともいえる。
【0109】
第2シート状部材S2がステージ部12の上方において予め定められた位置に到達した後、第2シート状部材S2は、表面Fを外側にした状態で折り畳まれる。具体的には、図12の二段目に示すように、第2シート状部材S2の後端側は、位置決め部30(ここでは、位置決めピン32)によって位置決めされた状態で、第1シート状部材S1の表面Fの上に載置される。
【0110】
また、図12の三段目に示すように、エンドエフェクタ部24Bが紙面表側から見て180°回転しながら、既に載置された第2シート状部材S2の上方まで移動する。これにより、第2シート状部材S2の前端側は、裏返される。そして、第2シート状部材S2の載置されていない部分は、位置決め部30(ここでは、位置決めピン32)によって位置決めされた状態で、第2シート状部材S2の既に載置されている部分の上に載置される。この結果、図12の四段目に示すように、第2シート状部材S2は、表面Fを外側にした状態で折り畳まれる。
【0111】
また、一例として図12の最下段に示すように、第3シート状部材S3に対しても、上述した第2シート状部材S2に対する作業と同様な作業が施される。これにより、第3シート状部材S3は、ステージ部12を左右方向から見た場合において、第2シート状部材S2とは対称な位置に折り畳まれる。
【0112】
一例として図13に示すように、第4シート状部材S4は、保持部20によって保持されたまま、セット部16の上方へ移動される。その後、保持部20によって表面Fが下側とされ、裏面Bが上側とされる。すなわち、保持部20によって、第4シート状部材S4が裏返される。
【0113】
図13に示す例では、エンドエフェクタ部22Bが、第4シート状部材S4の裏面Bを保持したまま、紙面表側から見て時計回りに180°回転しながら円弧状の軌跡で移動する。また、エンドエフェクタ部24Bが、第4シート状部材S4の裏面Bを保持したまま、同じ位置で、紙面表側から見て時計回りに180°回転する。すなわち、エンドエフェクタ部24Bを起点として、エンドエフェクタ部22Bが円弧状の軌跡を辿る。この結果、第4シート状部材S4が裏返される。第4シート状部材S4が裏返されると、第4シート状部材S4は、ステージ部12の上方に位置している。つまり、第4シート状部材S4をステージ部12へ搬送する間に、第4シート状部材S4に対して反転作業が施されるともいえる。
【0114】
第4シート状部材S4が、ステージ部12の上方において、予め定められた位置に到達した後、第4シート状部材S4は、下方に移動される。そして、第4シート状部材S4は、位置決め部30によって位置決めされた状態で、2つ折りにされた第2シート状部材S2及び2つ折りにされた第3シート状部材S3の上に載置される。すなわち、第4シート状部材S4が、第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3に積層される。
【0115】
以上説明したように、本実施形態に係る加工装置10では、保持部20は、セット部16からステージ部12へシート状部材Sを搬送する間に、シート状部材Sの反転作業を施す。これにより、シート状部材Sを反転してから、ステージ部12への搬送する場合と比較して、シート状部材Sの加工工程が簡略化される。
【0116】
なお、上記実施形態では、第2シート状部材S2及び第3シート状部材S3に対して、反転作業、折畳作業及び積層作業の組み合わせが施され、第4シート状部材S4に対して、反転作業及び積層作業の組み合わせが施される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。作業の組み合わせは、シート状部材Sの加工工程に応じて自由に設定できることはもちろんである。また、例えば、シート状部材Sに対して、折畳作業、反転作業、及び積層作業のうちの何れか一つが選択的に施される態様であってもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、加工装置10において、4枚のシート状部材Sに対して作業が施される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。シート状部材Sは、3枚以下であってもよく、5枚以上であってもよい。また、加工対象となるシート状部材Sは、全て同じ寸法又は形状でなくてもよく、異なる寸法又は形状であってもよい。この場合において、保持部20は、異なる寸法又は形状に応じて、シート状部材Sの保持する位置を変更することが可能である。これにより、様々なシート状部材Sに対応することができ、加工装置10による多品種の生産が実現される。
【0118】
また、上記実施形態では、折畳作業として、シート状部材Sを2つ折りにする形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、折畳作業としてシート状部材Sが複数回(例えば、3回以上)折り畳まれる態様であってもよい。この場合、シート状部材Sを素形材として製造される袋状部材Aのガセット部分には、複数回の折り畳みによって蛇腹が形成されてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、加工装置10にセット部16が設けられている形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、加工装置10にセット部16が設けられておらず、前工程で用いられる装置(例えば、シート状部材Sを予め定められたサイズにカットする装置)から、加工装置10のステージ部12へ直接搬送される態様であってもよい。また、シート状部材Sが格納された棚からシート状部材Sがピックアップされて加工装置10のステージ部12へ搬送される態様であってもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、位置決めピン32、34、36、及び38によってシート状部材Sが位置決めされる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、載置面12Aから突出した突起(例えば、円錐状の突起、又は半球状の突起)によって位置決めされる態様であってもよい。
【0121】
また、例えば、ステージ部12において、シート状部材Sが、予め定められた位置でクリップにより挟持されたり、吸着パッドで吸着されたりすることで、シート状部材Sが、位置決めされる態様であってもよい。また、ステージ部12に設けられた外枠(例えば、シート状部材Sの角部に対応したL字型の枠)によって、位置決めされる態様であってもよい。
【0122】
また、位置決めは、シート状部材Sを撮像して得られた画像に対して画像認識処理を実行することで、シート状部材Sの特徴部分(例えば、マーカ、又は角部)を検出し、検出結果に基づいて保持部20の動作を制御することで行われてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、保持部20が、第1保持部20、第2保持部24、第3保持部26、及び第4保持部28を含んでいる形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。保持部20は、3つ以下又は5つ以上の保持部から構成されていてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、保持部20は、吸着によってシート状部材Sを保持する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、グリッパ又はロボットハンド等の把持機構によってシート状部材Sを保持する態様であってもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、保持部20の本体部22A、24A、26A、及び28Aが直交ロボットとして機能する形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、保持部20の動作は、多関節ロボットアームによって実現されてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、袋状部材Aは、ガセット(すなわち、マチ)付きの袋状容器である形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、袋状部材Aは、2枚のシート状部材Sを、互いの周縁に沿って溶着することで得られる袋状容器であってもよい。この場合において、袋状部材Aの製造工程では、シート状部材Sの加工工程において、シート状部材Sを反転する作業と積層する作業とが施される。
【0127】
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
【0128】
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
【0129】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【0130】
上記実施形態に関し、さらに以下を開示する。
<付記1>
加工対象である複数のシート状部材の各々に対して、異なる作業を選択的に施すことが可能な加工装置であって、
上記シート状部材の予め定められた位置を保持し、かつ保持された上記シート状部材に対して上記作業を選択的に施す保持部と、
上記保持部によって上記作業が施された上記シート状部材が載置されるステージ部と、
上記ステージ部において上記シート状部材が載置される位置を位置決めするための位置決め部と、
を備える加工装置。
<付記2>
上記作業には、上記シート状部材を折り畳む折畳作業、上記シート状部材の一の面と他の面とを反転させる反転作業、及び上記シート状部材を上記ステージ部上において積層する積層作業が含まれ、
上記シート状部材に対して、上記折畳作業、上記反転作業、及び上記積層作業のうちの何れか一つ、又は二つ以上の組み合わせが選択的に施される
付記1に記載の加工装置。
<付記3>
上記複数のシート状部材には、第1シート状部材、第2シート状部材、第3シート状部材、及び第4シート状部材が含まれ、
上記作業には、
上記第1シート状部材の一の面を上にして、上記ステージ部に載置する作業と、
上記第2シート状部材の上記一の面を外側にして折り畳み、上記第1シート状部材の上に積層する作業と、
上記第3シート状部材の上記一の面を外側にして折り畳み、上記第1シート状部材の上に積層する作業と、
上記第4シート状部材を反転させ、上記一の面を下にして上記第2シート状部材及び上記第3シート状部材の上に積層する作業と、が含まれる
付記1又は付記2に記載の加工装置。
<付記4>
上記位置決め部は、上記ステージ部を平面視した場合において、上記ステージ部上に載置された上記シート状部材の上記ステージ部に対する移動を抑制可能とされている
付記1から付記3のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記5>
上記位置決め部は、上記ステージ部の載置面よりも突出した位置決め部材を含み、
上記シート状部材には、予め定められた位置に穴が形成されており、
上記穴に上記位置決め部材が挿通されることで、上記シート状部材が上記ステージ部において位置決めされる
付記1から付記4のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記6>
上記穴が、上記シート状部材において、上記シート状部材の四隅に対応する部分に形成されている
付記5に記載の加工装置。
<付記7>
上記保持部は、上記シート状部材において、上記穴よりも上記シート状部材の外縁側を保持する
付記5又は付記6に記載の加工装置。
<付記8>
上記保持部は、上記シート状部材を保持可能なエンドエフェクタ部と、上記エンドエフェクタ部を支持する本体部とを有し、
上記本体部は、上記エンドエフェクタ部を3次元的にスライド移動可能な直交ロボットとして機能し、
上記エンドエフェクタ部は、上記本体部に対して回転可能とされている
付記1から付記7のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記9>
上記保持部は、吸着によって上記シート状部材を保持する
付記1から付記8のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記10>
上記作業が施される前の上記シート状部材が載置されるセット部をさらに備え、
上記セット部において上記シート状部材が位置決めされている
付記1から付記9のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記11>
上記保持部は、上記ステージ部へ上記シート状部材を搬送する間に上記シート状部材を反転させる作業を施す
付記1から付記10のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記12>
上記複数のシート状部材は、袋状部材の素形材として用いられ、
上記加工装置は、上記袋状部材の製造工程である製袋工程のうちの折り畳み及び積層工程に利用される
付記1から付記11のうちの何れか一つに記載の加工装置。
<付記13>
付記1から付記12のうちの何れか一つに記載の加工装置を用い、かつ上記シート状部材を素形材として袋状部材を製造する方法であって、
上記保持部により上記複数のシート状部材の各々に対して施される作業を選択する工程、
選択された上記作業を上記シート状部材に対して施す工程、及び、
上記保持部によって上記作業が施された上記シート状部材を、上記位置決め部により位置決めされた位置で、上記ステージ部に載置する工程、
を含む袋状部材の製造方法。
【符号の説明】
【0131】
10 加工装置
12 ステージ部
12A,16A 載置面
16 セット部
18,32,34,36,38 位置決めピン
20 保持部
22 第1保持部
22A,24A,26A,28A 本体部
22A1,24A1,26A1,28A1 鉛直部
22A2,24A2,26A2,28A2 水平部
22B,24B,26B,28B エンドエフェクタ部
22C,24C,26C,28C 吸着パッド
24 第2保持部
26 第3保持部
28 第4保持部
30 位置決め部
40 制御装置
42,44,46,48 リニアガイド
A 袋状部材
B 裏面
F 表面
H 穴
S シート状部材
S1 第1シート状部材
S2 第2シート状部材
S3 第3シート状部材
S4 第4シート状部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13