(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025009925
(43)【公開日】2025-01-20
(54)【発明の名称】奥行きイメージセンシング装置、イメージ信号プロセッサおよびイメージ信号処理方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20250109BHJP
H04N 25/705 20230101ALI20250109BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20250109BHJP
【FI】
G01S7/497
H04N25/705
H04N23/60 500
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024099391
(22)【出願日】2024-06-20
(31)【優先権主張番号】10-2023-0085019
(32)【優先日】2023-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長井 利明
【テーマコード(参考)】
5C024
5C122
5J084
【Fターム(参考)】
5C024AX02
5C024CY17
5C024CY42
5C024EX13
5C024HX57
5C122EA52
5C122FC03
5C122FH11
5C122HA88
5C122HB01
5C122HB10
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA20
5J084BA36
5J084CA03
(57)【要約】
【課題】シーンに対するシーンとの距離に関する情報を処理することができる奥行きイメージセンシング装置、イメージ信号プロセッサおよびイメージ信号処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による奥行きイメージセンシング装置1は、シーンから反射したドットパターン光を感知し、生成された奥行きデータをライングループL1~L8単位で格納するラインメモリ560と、ライングループL1~L8に含まれた複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルDCPを決定するドットセンターピクセル検出器100と、ドットセンターピクセルDCPの位置を含むドットセンターピクセル情報を格納するドットデータメモリ570とを含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シーンから反射したドットパターン光を感知し、生成された奥行きデータをライングループ単位で格納するラインメモリと、
前記ライングループに含まれた複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するドットセンターピクセル検出器と、
前記ドットセンターピクセルの位置を含むドットセンターピクセル情報を格納するドットデータメモリとを含む、奥行きイメージセンシング装置。
【請求項2】
前記奥行きデータの強度は、前記シーンに照射されたドットパターン光と所定の位相差を有する第1変調制御信号と、前記第1変調制御信号とは逆の位相を有する第2変調制御信号を用いて生成される第1および第2奥行きデータの電荷値(charge value)である、請求項1に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項3】
前記電荷値は、前記第1奥行きデータと前記第2奥行きデータとの和であり、
前記電荷値から該当ピクセルの周辺ピクセルの電荷値の平均を減算した値が所定の閾差より大きい場合、前記電荷値が有効電荷値と看做される、請求項2に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項4】
前記反射したドットパターン光を感知する複数のピクセルを含むピクセルアレイをさらに含み、
前記ライングループに含まれるラインの個数は、前記ピクセルアレイに含まれるラインの個数より小さい、請求項1に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項5】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記複数のカーネルそれぞれに含まれるサーチポイントを決定するサーチポイント管理部を含む、請求項1に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項6】
前記サーチポイントと前記サーチポイントに隣接した隣接サーチポイントとの間隔は、前記ドットパターン光のドット間の間隔より小さい、請求項5に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項7】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記複数のカーネルそれぞれに含まれた複数のピクセルの前記奥行きデータの強度を比較して、前記ドットセンターピクセルを決定する周辺ピクセル比較部を含む、請求項1に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項8】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、前記ドットセンターピクセルが有効ピクセルであるか否かを決定する有効ピクセル決定部を含む、請求項1に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項9】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記有効ピクセルである前記ドットセンターピクセルのうち重複するドットセンターピクセルを除去する重複ドットセンターピクセル除去部を含む、請求項8に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項10】
前記重複するドットセンターピクセルは、他のドットセンターピクセルとの距離が、前記ドットパターン光のドットの直径より小さいピクセルである、請求項9に記載の奥行きイメージセンシング装置。
【請求項11】
複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するドットセンターピクセル検出器と、
前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータを用いて、シーンとの距離を算出する奥行きイメージ生成器とを含む、イメージ信号プロセッサ。
【請求項12】
前記奥行きデータの強度は、前記シーンに照射されるドットパターン光と互いに異なる位相差を有する第1~第4変調制御信号を用いて生成される第1~第4奥行きデータの振幅値(amplitude value)である、請求項11に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項13】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記複数のカーネルそれぞれに含まれるサーチポイントを決定するサーチポイント管理部を含む、請求項11に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項14】
前記サーチポイントと前記サーチポイントに隣接した隣接サーチポイントとの間隔は、前記シーンに照射されるドットパターン光のドット間の間隔より小さい、請求項13に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項15】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記複数のカーネルそれぞれに含まれた複数のピクセルの前記奥行きデータの強度を比較して、前記ドットセンターピクセルを決定する周辺ピクセル比較部を含む、請求項11に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項16】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、前記ドットセンターピクセルが有効ピクセルであるか否かを決定する有効ピクセル決定部を含む、請求項11に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項17】
前記ドットセンターピクセル検出器は、前記有効ピクセルである前記ドットセンターピクセルのうち重複するドットセンターピクセルを除去する重複ドットセンターピクセル除去部を含む、請求項16に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項18】
前記重複するドットセンターピクセルは、他のドットセンターピクセルとの位置が同一であるピクセルである、請求項17に記載のイメージ信号プロセッサ。
【請求項19】
複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するステップと、
前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、前記ドットセンターピクセルが有効ピクセルであるか否かを決定するステップと、
前記有効ピクセルである前記ドットセンターピクセルのうち重複するドットセンターピクセルを除去するステップと、
前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータを用いて、シーンとの距離を算出するステップとを含む、イメージ信号処理方法。
【請求項20】
前記有効ピクセルは、前記奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するステップおよび前記ドットセンターピクセルが有効ピクセルであるか否かを決定するステップが複数回繰り返し行われて決定される、請求項19に記載のイメージ信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーンに対するシーンとの距離に関する情報を処理することができる奥行きイメージセンシング装置、イメージ信号プロセッサおよびイメージ信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンシング装置は、光に反応する光感知半導体物質の性質を用いて、光学イメージをキャプチャ(capture)する装置である。自動車、医療、コンピュータおよび通信などの産業の発展に伴い、スマートフォン、デジタルカメラ、ゲーム機器、モノのインターネット(Internet of Things)、ロボット、警備用カメラ、医療用マイクロカメラなどの様々な分野において高性能(high-performance)イメージセンシング装置に対する需要が増大している。
【0003】
イメージセンシング装置は、シーン(scene)のカラーイメージ(color image)を取得するか、シーンの奥行きイメージ(depth image)を取得するのに用いられることができる。奥行きイメージを取得することができるイメージセンシング装置は、別の光源を使用するが、このような光源を運用するには相当な電力が消費され得る。
【0004】
特に、イメージセンシング装置がモバイル装置に搭載される場合、光源の動作に必要な電力を低減することが重要な問題として取り上げられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的思想は、光源の動作に必要な電力を低減し、且つ奥行きセンシングの性能を向上させることができる奥行きイメージセンシング装置、イメージ信号プロセッサおよびイメージ信号処理方法を提供することができる。
【0006】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していないさらに他の技術的課題は、以下の記載から当業者が明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態による奥行きイメージセンシング装置は、シーンから反射したドットパターン光を感知し、生成された奥行きデータをライングループ単位で格納するラインメモリと、前記ライングループに含まれた複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するドットセンターピクセル検出器と、前記ドットセンターピクセルの位置を含むドットセンターピクセル情報を格納するドットデータメモリとを含むことができる。
【0008】
本開示の他の実施形態によるイメージ信号プロセッサは、複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するドットセンターピクセル検出器と、前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータを用いて、シーンとの距離を算出する奥行きイメージ生成器とを含むことができる。
【0009】
本開示のさらに他の実施形態によるイメージ信号処理方法は、複数のカーネルそれぞれにおいて、奥行きデータの強度が最も強いドットセンターピクセルを決定するステップと、前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、前記ドットセンターピクセルが有効ピクセルであるか否かを決定するステップと、前記有効ピクセルである前記ドットセンターピクセルのうち重複するドットセンターピクセルを除去するステップと、前記ドットセンターピクセルの前記奥行きデータを用いて、シーンとの距離を算出するステップとを含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
本文書で開示される実施形態によると、シーンとは無関係に、効率よく正確な距離検出が可能な奥行きイメージセンシング装置、イメージ信号プロセッサおよびイメージ信号処理方法を提供することができる。
【0011】
その他、本文書により直接的または間接的に把握される様々な効果が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態によるイメージング装置の構成を概略的に図示した構成図である。
【
図2】
図1のイメージング装置がdirect ToF(time of flight)方式を用いる場合に生成される奥行きデータを説明するための図である。
【
図3】
図1のイメージング装置がindirect ToF方式を用いる場合に生成される奥行きデータを説明するための図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるドットセンターピクセル検出器を示すブロック図である。
【
図5】
図4のドットセンターピクセル検出器の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【
図6】
図5のS20ステップを説明するための図である。
【
図7】
図5のS30ステップを説明するための図である。
【
図8】
図5のS50ステップを説明するための図である。
【
図9】
図4に図示されているドットセンターピクセル検出器を含むイメージング装置の一実施形態を示した構成図である。
【
図10】
図9に図示されているイメージング装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】
図10に図示されているS130ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【
図12】
図10に図示されているS150ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【
図13】
図4に図示されているドットセンターピクセル検出器を含むイメージング装置の他の実施形態を示した構成図である。
【
図14】
図13に図示されているイメージング装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【
図15】第1ライングループに対して行われる動作を説明するための図である。
【
図16】第2ライングループに対して行われる動作を説明するための図である。
【
図17】
図14のS250ステップを説明するための図である。
【
図18】
図14のS250ステップを説明するための図である。
【
図19】
図14に図示されているS230ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【
図20】
図14に図示されているS250ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【
図21】
図4のドットセンターピクセル検出器に該当するコンピューティング装置の一例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態について説明する。しかし、これは、特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の実施形態の様々な変更(modification)、均等物(equivalent)、および/または代替物(alternative)を含むものと理解すべきである。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態によるイメージング装置の構成を概略的に図示した構成図である。
【0015】
図1を参照すると、イメージング装置1は、シーン(scene)に対する奥行きイメージを取得するための装置であって、奥行きイメージは、シーン(scene)に対する距離感を示したイメージであることができる。すなわち、ユーザは、奥行きイメージを介してシーンとの距離を視覚的に確認することができる。
【0016】
奥行きイメージの取得のために、イメージング装置1は、光源モジュール2とカメラ3を含むことができる。
【0017】
光源モジュール2は、シーンに向かって光を照射し、カメラ3は、照射した光がシーンから反射して入射する光を感知して、電気的信号を生成することができる。カメラ3の内部または外部に備えられるプロセッサ(図示せず)は、カメラ3によって生成される電気的信号に基づいて、奥行きイメージを生成することができる。
【0018】
光源モジュール2は、光を照射するために相当な電力を消費することができ、このような消費電力を減らすために、光源モジュール2は、ドットパターン光(dot pattern light)をシーンに照射することができる。ドットパターン光は、所定の領域で連続した形態で照射される一つの光である面光(surface light)ではなく、所定の領域で不連続な形態で照射される複数個の光を意味することができる。これにより、ドットパターン光は、シーンとカメラ3でドット形態を有する光として示されることができる。
【0019】
ドットパターン光を正確に感知するためには、ドットパターン光を構成する各ドットの中心を正確に検出する必要がある。しかし、カメラ3に入射するドットパターン光の各ドットは、シーン依存的な(scene dependent)特性を有することから、一定に固定されている方法では、各ドットの中心を正確に検出し難い可能性がある。シーン依存的な特性は、光源モジュール2とカメラ3との位置の差によって発生することもあり(ドットの位置偏差)、カメラ3とシーンとの距離の差によって発生することもある(ドットの大きさ偏差)。本開示では、各ドットのシーン依存的な特性にもかかわらず、ドットパターン光を正確に感知することができる方法が開示される。
【0020】
図2は、
図1のイメージング装置がdirect ToF(time of flight)方式を用いる場合に生成される奥行きデータを説明するための図である。
【0021】
図2を参照すると、イメージング装置1は、direct ToF方式を用いて、奥行きイメージの基礎になる奥行きデータを生成することができ、direct ToF方式は、シーンに照射された変調光信号MLSの照射時点と、変調光信号MLSがシーンから反射して入射する入射時点との時間の差を直接測定する方式であることができる。この場合、奥行きデータは、シーンから反射した変調光信号MLSを感知したピクセルデータであることができる。
【0022】
カメラ3は、direct ToF方式のための複数のダイレクトピクセルを含むことができる。一実施形態によって、複数のダイレクトピクセルそれぞれは、SPAD(single-photon avalanche diode)を含むピクセルであることができる。SPADに逆バイアス電圧を印加して電場を増加させると、強くかかった電場によって入射された光子により発生した電子が移動しながら電子-正孔対が生成される衝突イオン化(impact ionization)が発生する。特に、降伏電圧(breakdown voltage)より高い逆バイアス電圧が印加されるガイガーモード(geiger mode)で動作するSPADでは、入射光によって発生したキャリア(電子または正孔)と衝突イオン化現象で生成された電子と正孔が互いに衝突して無数のキャリアが生成されることができる。したがって、SPADは、単一光子が入射されても、単一光子がアバランシェ降伏をトリガー(trigger)し、これにより、測定可能な電流パルスが生成されることができる。
【0023】
図2において、光源モジュール2から照射される変調光信号MLSは、相対的に振幅が大きく、パルス幅が小さいパルス形態を有することができ、パルスが発生する時点は、基準パルス時点RPTと定義することができる。
【0024】
光源モジュール2は、変調光信号MLSをシーンに照射し、カメラ3は、シーンから反射して入射する反射光を感知し、生成された電流パルスに該当するピクセルデータPDを生成することができる。また、カメラ3は、ピクセルデータPDが閾データ以上の値を有する時点をパルス感知時点PSTと決定することができ、基準パルス時点RPTからパルス感知時点PSTまでの時間の差である飛行時間ToFを計算し、計算した飛行時間ToFと光速を演算して(例えば、ToFを2で除した値を光速と乗算)シーンとカメラ3との距離を計算することができる。
【0025】
図3は、
図1のイメージング装置がindirect ToF方式を用いる場合に生成される奥行きデータを説明するための図である。
【0026】
図3を参照すると、イメージング装置1は、indirect ToF方式を用いて、奥行きイメージの基礎になる奥行きデータを生成することができ、indirect ToF方式は、シーンに照射された変調光信号MLSと、変調光信号がシーンから反射して入射する反射変調光信号MLS_Rとの位相差を計算する方式であることができる。この場合、奥行きデータは、変調光信号MLSと所定の位相差(例えば、0度、90度、180度、または270度)を有する変調制御信号によって制御されるピクセルがキャプチャした光電荷に対応するピクセルデータであることができる。
【0027】
カメラ3は、indirect ToF方式のための複数のインダイレクトピクセルを含むことができる。一実施形態によって、複数のインダイレクトピクセルそれぞれは、2-tap構造のピクセルであることができる。2-tap構造のピクセルは、入射する光を光電荷に変換する一つの光電変換素子、互いに逆の位相を有する第1および第2変調制御信号MCS1、MCS2それぞれによってターンオンして互いに異なるタイミングで光電荷を伝達する2つのトランジスタ、および2つのトランジスタから出力される光電荷をそれぞれ電気信号に変換して出力する2つの出力回路を含むことができる。例えば、第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2は、それぞれ、変調光信号MLSとは0度の位相差(すなわち、同位相)および180度の位相差を有することができる。または第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2は、それぞれ、変調光信号MLSとは90度の位相差および270度の位相差を有することができる。
【0028】
図3に図示されている変調光信号MLSは、
図2に図示されている変調光信号MLSに比べて相対的に振幅が小さく、パルス幅が大きいパルスを有することができる。反射変調光信号MLS_Rは、変調光信号MLSがシーンによって反射して入射する飛行時間によって、変調光信号MLSとは所定の位相差θを有することができる。カメラ3がシーンとの距離を計算するための動作区間は、第1センシング期間SP1と第2センシング期間SP2とに分けられる。また、第1センシング期間SP1と第2センシング期間SP2で、変調光信号MLSと反射変調光信号MLS_Rとの位相差θは、一定に維持されると仮定する。
【0029】
第1センシング期間SP1で、第1変調制御信号MCS1は、変調光信号MLSと同位相(0度の位相差)を有し、第1区間PR1で活性化電圧(またはロジックハイレベル)を有することができる。活性化電圧を有する第1変調制御信号MCS1によって第1区間PR1で生成された光電荷の量を示す第1奥行きデータC0が生成されることができる。
【0030】
第1センシング期間SP1で、第2変調制御信号MCS2は、変調光信号MLSとは逆の位相(180度の位相差)を有し、第2区間PR2で活性化電圧(またはロジックハイレベル)を有することができる。活性化電圧を有する第2変調制御信号MCS2によって第2区間PR2で生成された光電荷の量を示す第3奥行きデータC2が生成されることができる。
【0031】
第2センシング期間SP2で、第1変調制御信号MCS1は、変調光信号MLSと90度の位相差を有し、第3区間PR3で、活性化電圧(またはロジックハイレベル)を有することができる。活性化電圧を有する第1変調制御信号MCS1によって第3区間PR3で生成された光電荷の量を示す第2奥行きデータC1が生成されることができる。
【0032】
第2センシング期間SP2で、第2変調制御信号MCS2は、変調光信号MLSと270度の位相差を有し、第4区間PR4で、活性化電圧(またはロジックハイレベル)を有することができる。活性化電圧を有する第2変調制御信号MCS2によって第4区間PR4で生成された光電荷の量を示す第4奥行きデータC3が生成されることができる。
【0033】
すなわち、反射変調光信号MLS_Rは、第1センシング期間SP1で、第1区間PR1と第2区間PR2とに分けられてキャプチャされ、第2センシング期間SP2で、第3区間PR3と第4区間PR4とに分けられてキャプチャされることができる。
【0034】
第1~第4奥行きデータC0~C3から変調光信号MLSと反射変調光信号MLS_Rとの位相差θは、以下の数学式1により計算することができる。
【0035】
【0036】
また、位相差θを用いて、以下の数学式2によりカメラ3とシーンとの距離dが算出されることができる。
【0037】
【0038】
ここで、cは、光速であり、fmは、変調光信号MLSの周波数であることができる。
【0039】
一方、反射変調光信号MLS_Rの振幅値(amplitude value;amp)は、以下の数学式3により計算することができる。
【0040】
【0041】
なお、反射変調光信号MLS_Rによって生成される光電荷の総電荷量(total charge)を示す電荷値(charge value;B)は、第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2との和C0+C2または第2奥行きデータC1と第4奥行きデータC3との和C1+C3に対応することができる。
【0042】
図3に図示されているような位相差検出方式(4-phase modulation方式)によると、位相差の演算時に、(C1-C3)および(C0-C2)のようなdifferential valueを用いることで、第1~第4奥行きデータC0~C3のそれぞれに含まれたバックグラウンドノイズによる成分が除去されることができ、より正確な距離計算が可能である。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態によるドットセンターピクセル検出器を示すブロック図である。
図5は、
図4のドットセンターピクセル検出器の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図6は、
図5のS20ステップを説明するための図である。
図7は、
図5のS30ステップを説明するための図である。
図8は、
図5のS50ステップを説明するための図である。
【0044】
図4および
図5を参照すると、ドットセンターピクセル検出器100は、
図1のカメラ3に含まれる構成であることができるが、本発明の範囲は、これに限定されず、カメラ3の外部に位置する構成であることができる。
【0045】
ドットセンターピクセル検出器100は、奥行きデータを受信および分析して奥行きデータでドットセンターピクセルを決定し、ドットセンターピクセル情報を生成および出力することができる。カメラ3は、シーンに対する奥行きデータを取得するために、複数個のロー(rows)および複数個のカラム(columns)を含むマトリックス(matrix)形態で複数のピクセルが配列されるピクセルアレイを含むことができる。ピクセルアレイを構成する複数のピクセルは、一つのシーンに対して、それぞれ奥行きデータを生成することができ、このような奥行きデータは、一つのフレームを構成することができる。ドットセンターピクセル検出器100に入力される奥行きデータは、一つのフレームに該当することができ、一つのフレームに該当する奥行きデータは、同時に入力されず、シリアルインタフェース(serial interface)を介して順に入力されることができる。
【0046】
カメラ3に入力される反射変調光信号は、ドットパターン光に該当するため、一つのフレームにおいて、光が入射する領域(例えば、
図6でDOT)と光が入射しない領域(例えば、
図6でDOT以外の領域)が存在することができる。光が入射しない領域に該当する奥行きデータに基づいてシーンとの距離を算出することは無意味であり、光が入射する領域内でも光が入射する領域の中心に位置したドットセンターピクセルでの奥行きデータの強度が最も大きく、ドットセンターピクセルの周辺に行くほど奥行きデータの強度が次第に小さくなることができる。奥行きデータの強度が大きいほど、信号対ノイズ比(SNR;signal-to-noise ratio)が良好になることができ、ドットセンターピクセルの奥行きデータを用いてシーンとの距離を算出することが最も効果的であることができる。したがって、ドットセンターピクセル検出器100によるドットセンターピクセルを決定する動作が、ドットパターン光を用いた距離検出の過程で重要であり得る。
【0047】
ドットセンターピクセル情報は、ドットセンターピクセルの位置およびドットセンターピクセルの奥行きデータを含むことができる。実施形態によって、ドットセンターピクセル情報は、ドットセンターピクセルの奥行きデータが加工されているデータをさらに含むことができる。
【0048】
ドットセンターピクセル検出器100は、サーチポイント管理部(search point management unit)110と、周辺ピクセル比較部(nearby pixel comparison unit)120と、有効ピクセル決定部(valid pixel determination unit)130と、重複ドットセンターピクセル除去部(overlapped dot center pixel removing unit)140とを含むことができる。ドットセンターピクセル検出器100は、ハードウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせで実現されることができる。
【0049】
サーチポイント管理部110は、一つのフレームに該当する奥行きデータを取得することができる(S10)。ここでは、サーチポイント管理部110が一つのフレーム単位で奥行きデータを取得することを前提として説明しているが、他の実施形態によって、一つのフレームより小さい単位(例えば、ラインメモリの容量に対応する奥行きデータ)で奥行きデータを取得することもできる。
【0050】
図6において、一つのフレームに該当する奥行きデータが図示されており、ドットパターン光に対応する奥行きデータは、ドットDOTで表示されている。ドットDOT内での明度(brightness)は、奥行きデータの強度を示すことができ、明度が低いほど(すなわち、暗いほど)、奥行きデータの強度が強いことができる。
図6において、ドットDOTの個数および位置、サーチポイントSPの個数および位置は、説明の便宜上、例示的なものに過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0051】
各ピクセルがdirect pixelである場合には、奥行きデータの強度は、シーンから反射した変調光信号MLSを感知したピクセルデータであることができる。他の実施形態によって、各ピクセルがindirect pixelである場合には、奥行きデータの強度は、変調光信号MLSと所定の位相差(例えば、0度、90度、180度、または270度)を有する変調制御信号によって制御されるピクセルがキャプチャした光電荷に対応するピクセルデータ(すなわち、第1~第4奥行きデータC0~C3)から算出される振幅値(amplitude value)または電荷値(charge value)であることができる。
【0052】
サーチポイント管理部110は、一つのフレームに該当する奥行きデータに対して、所定の規則に従って配列されるサーチポイントの初期位置を決定または管理することができる(S20)。ここで、サーチポイントは、ドットセンターピクセルを検索する単位になるピクセルの位置を意味することができる。他の実施形態によって、サーチポイントが予め固定されている場合、S20ステップは、省略されてもよい。
【0053】
図6において、サーチポイントSPは、ドットパターン光を構成するドットの配置形態に対応するように配列されることができ、横方向および縦方向に沿って一列に配列されるドットに対応するように、格子状の各交差点ごとにサーチポイントSPが配置されることができる。一実施形態によって、横方向に隣接するサーチポイントSPの間隔は、横方向に隣接するドットDOTの間隔より小さく設定され、縦方向に隣接するサーチポイントSPの間隔は、縦方向に隣接するドットDOTの間隔より小さく設定されることができる。これは、如何なるサーチポイントによっても検索されないドットセンターピクセル(すなわち、missed pixel)が存在しないようにするためである。ここで、ドットDOTの間隔は、ドットDOTの最小間隔として実験的に決定されることができる。サーチポイントSPの配置形態は、
図6に限定されず、例えば、ジグザグ(zigzag)パターンに配置されることができる。
【0054】
サーチポイント管理部110は、ドットパターン光を構成するドットの配置形態に応じて予め定められた方式でサーチポイントSPの個数および位置を決定し、サーチポイントSPの位置を格納することができる。他の実施形態によって、サーチポイント管理部110は、予め格納されているサーチポイントSPの位置および/または個数を動的に調節することができる。例えば、ドットセンターピクセル情報に含まれるドットセンターピクセルの個数が、全体ドットDOTの個数に比べて所定の割合(例えば、50%)以下である場合、サーチポイント管理部110は、サーチポイントSPの個数を増加させ、隣接するサーチポイントSP間の間隔を低減することができる。
【0055】
周辺ピクセル比較部120は、各サーチポイントSP別に当該サーチポイントSPの所定の範囲内に位置するピクセル(すなわち、周辺ピクセル)の奥行きデータに基づいて、ドットセンターピクセルDCPを決定することができる。一実施形態によって、周辺ピクセル比較部120は、周辺ピクセルの奥行きデータの強度を計算し、奥行きデータの強度を比較して、ドットセンターピクセルDCPを決定することができる。すなわち、周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPの周辺ピクセルのうち奥行きデータの強度が最も強いピクセルをドットセンターピクセルDCPと決定することができる(S30)。
【0056】
図6において、各サーチポイントSPに対して所定の範囲内に位置するピクセルの集合は、カーネル(kernel;KN)と定義することができる。一実施形態によって、カーネルの横の長さは、横方向に隣接するサーチポイントSPの間隔より大きく、前記間隔の2倍より小さく設定され、カーネルの縦の長さは、縦方向に隣接するサーチポイントSPの間隔より大きく、前記間隔の2倍より小さく設定されることができる。これは、例示的なものに過ぎず、不要な演算(ドットセンターピクセルDCPの重複検出)とドットセンターピクセルDCPの未検出を最小化することができるように、カーネルKNの大きさが実験的に決定されることができる。
【0057】
有効ピクセル決定部130は、周辺ピクセル比較部120によって決定されたドットセンターピクセルDCPそれぞれの奥行きデータの強度を有効閾値(valid threshold value)と比較して、各ドットセンターピクセルDCPが有効ピクセルであるか否かを決定することができる(S40)。有効閾値は、奥行きデータの強度の最大値と最小値、信号対ノイズ比などを考慮して予め定められた固定された値であることができる。他の実施形態によって、ドットセンターピクセル情報に含まれるドットセンターピクセルDCPの個数が、全体のドットDOTの個数に比べて所定の割合(例えば、50%)以下である場合、有効ピクセル決定部130は、有効閾値の大きさを減少させることができる。
さらに他の実施形態によって、ドットセンターピクセルDCPの個数が、全体のドットDOTの個数に比べて所定の割合(例えば、50%)以下である場合、周辺ピクセル比較部120で各サーチポイントSP別にドットセンターピクセルDCPを決定するための当該サーチポイントSPの所定の範囲を拡大してから、S30ステップおよびS40ステップが繰り返して行われることができる。これによって、ドットセンターピクセルDCPの決定に所要されるリソースを最小化しながらも、より正確にドットセンターピクセルDCPを検出することができる。
【0058】
図6と
図7において、各サーチポイントSPを含むカーネルKNで決定されたドットセンターピクセルDCPと、当該サーチポイントSPを結ぶ矢印が表示されている。
【0059】
サーチポイントSPのドットセンターピクセルDCPの奥行きデータの強度が有効閾値以上である場合、有効ピクセル決定部130は、当該サーチポイントを有効サーチポイントSP_Vと決定することができる。また、有効サーチポイントSP_Vに対応するドットセンターピクセルDCPは、有効ピクセルと決定されることができる。
【0060】
サーチポイントSPのドットセンターピクセルDCPの奥行きデータの強度が有効閾値未満である場合、有効ピクセル決定部130は、当該サーチポイントを無効サーチポイントSP_Iと決定することができる。また、無効サーチポイントSP_Iに対応するドットセンターピクセルは、無効ピクセルと決定されることができる。
【0061】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、有効ピクセルであるドットセンターピクセルDCPのうち重複するドットセンターピクセルを除去することができる(S50)。
【0062】
図8において、重複するドットセンターピクセルDCP_O(
図8において、二重円で表示)は、複数個の有効サーチポイントSP_Vに対応するピクセルを意味することができる。ノーマルドットセンターピクセルDCP_Nは、一つの有効サーチポイントSP_Vに対応するピクセルを意味することができる。重複するドットセンターピクセルDCP_Oに対して重複して実質的に同一のドットセンターピクセルDCPに関する情報がドットセンターピクセル情報に含まれる場合、シーンとの距離が不要に複数回演算され得るため、重複ドットセンターピクセル除去部140は、重複するドットセンターピクセルDCP_Oのうち一つのドットセンターピクセルのみを選択することができる。
【0063】
ここで、重複ドットセンターピクセル除去部140は、ドットセンターピクセルDCPの位置が互いに同一であるか、所定の距離(例えば、ドットパターン光のドットの直径)以内に位置する場合、重複するドットセンターピクセルDCP_Oと判断することができる。一実施形態によって、ドットセンターピクセルDCPの位置が互いに同一である場合、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPのインデックス(すなわち、識別番号)が最も小さいか最も大きいサーチポイントSPに対応するドットセンターピクセルDCPのみを選択することができる。他の実施形態によって、ドットセンターピクセルDCPの位置が所定の距離以内に位置する場合、重複ドットセンターピクセル除去部140は、奥行きデータの強度が最も大きいドットセンターピクセルDCPのみを選択することができる。
【0064】
本開示によるドットセンターピクセル検出器100によると、シーン依存的な特性またはその他の歪み(例えば、レンズ歪み、光源2とカメラ3の相対的な位置関係のばらつき)にもかかわらず、ドットセンターピクセルを正確に検出することができ、シーンとの距離を正確に算出し、不要な演算を最小化することができる。
【0065】
図9は、
図4に図示されているドットセンターピクセル検出器を含むイメージング装置の一実施形態を示した構成図である。
【0066】
図9を参照すると、イメージング装置900は、奥行きイメージセンシング装置(depth image sensing device)200と、イメージ信号プロセッサ(image signal processor)300と、フレームメモリ(frame memory)400とを含むことができる。
【0067】
奥行きイメージセンシング装置200は、少なくとも一つの奥行き感知技術を用いて、対象物体OBJに対する奥行きデータを生成することができる。奥行きイメージセンシング装置200は、光源モジュール210と、ピクセルアレイ220と、ピクセルドライバ230と、タイミングコントローラ240と、ピクセル読み出し回路250とを含むことができる。
【0068】
光源モジュール210は、タイミングコントローラ240の制御信号に応答して、対象物体OBJに変調光信号MLSを照射することができる。光源モジュール210は、特定の波長帯域の光(例えば、赤外線または可視光)を発光するレーザダイオード(LD;Laser Diode)や発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)、近赤外線レーザ(NIR;Near Infrared Laser)、ポイント光源、白色ランプおよびモノクロメータ(monochromator)が組み合わされた単色(monochromatic)照明源、または他のレーザ光源の組み合わせであることができる。例えば、光源モジュール210は、800nm~1000nmの波長を有する赤外線を発光することができる。変調光信号MLSは、予め定められた変調特性(例えば、波形、波長、周期、振幅、周波数、位相、デューティ比(duty rate)など)で変調された光パルス信号であることができる。
【0069】
ピクセルアレイ220は、二次元マトリックス構造で連続して配列されている(例えば、ロー方向およびカラム方向に沿って連続して配列されている)複数のピクセルを含むことができる。
図9以下の実施形態において、各ピクセルは、direct pixelまたはindirect pixelであることができるが、説明の便宜上、以下の説明では、各ピクセルがindirect pixelであることを前提として説明する。
【0070】
ピクセルアレイ220のピクセルそれぞれは、ピクセルドライバ230の制御によってレンズモジュール(図示せず)を介して受信した反射変調光信号MLS_Rを光電変換させて、反射変調光信号MLS_Rの強度に対応する電気信号であるピクセル信号を生成し、ピクセル読み出し回路250に出力することができる。
【0071】
ピクセルドライバ230は、タイミングコントローラ240の制御に応じてピクセルアレイ220のピクセルそれぞれを制御するための信号を生成し、ピクセルアレイ220に供給することができる。特に、ピクセルドライバ230は、各タブが光電荷をキャプチャするタイミングを制御するための第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2を生成して、ピクセルアレイ220に供給することができる。
【0072】
タイミングコントローラ240は、光源モジュール210、ピクセルドライバ230およびピクセル読み出し回路250を制御することで、奥行きイメージセンシング装置200の全般的な動作を制御することができる。
【0073】
ピクセル読み出し回路250は、ピクセルそれぞれから出力されるアナログ形態のピクセル信号を処理して、ピクセル信号に対応するデジタルデータである奥行きデータを生成することができる。例えば、ピクセル読み出し回路250は、ピクセル信号を奥行きデータにアナログデジタル変換するためのアナログ-デジタルコンバータ(analog-to-digital converter)を含むことができる。
【0074】
イメージ信号プロセッサ300は、奥行きイメージセンシング装置200から入力される奥行きデータを収集して、対象物体OBJとの距離を示す奥行きイメージを生成することができる。また、イメージ信号プロセッサ300は、生成された奥行きイメージに対して、ノイズ除去および画質改善のための映像信号処理を行うことができる。イメージ信号プロセッサ300から出力された奥行きイメージは、ユーザの要請に応じてまたは自動的に、イメージング装置900またはイメージング装置900が搭載された装置の内蔵メモリまたは外付けメモリに格納されるか、ディスプレイを介して表示されることができる。またはイメージ信号プロセッサ300から出力された奥行きイメージは、イメージング装置900またはイメージング装置900が搭載された装置の動作を制御するのに用いられることができる。
【0075】
イメージ信号プロセッサ300は、ドットセンターピクセル検出器100を含むことができる。イメージ信号プロセッサ300は、奥行きイメージセンシング装置200から入力される奥行きデータをフレームメモリ400に格納した後、一つのフレームに該当する奥行きデータをドットセンターピクセル検出器100に提供することができる。ドットセンターピクセル検出器100は、一つのフレームに該当する奥行きデータに対して、複数のドットセンターピクセルに関する情報であるドットセンターピクセル情報を生成することができる。
【0076】
奥行きイメージ生成器310は、ドットセンターピクセル情報を参照して、複数のドットセンターピクセルそれぞれに対して、変調光信号MLSと反射変調光信号MLSとの位相差を計算し、計算された位相差に基づいて、対象物体OBJと奥行きイメージセンシング装置200との距離を計算して奥行きイメージを生成することができる。
【0077】
フレームメモリ400は、奥行きイメージセンシング装置200が生成した奥行きデータをイメージ信号プロセッサ300を介して受信して格納することができる。フレームメモリ400は、一つのフレームに該当する奥行きデータを格納することができる格納容量を有することができる。また、フレームメモリ400は、イメージ信号プロセッサ300の動作に必要なデータ(例えば、サーチポイントに関する情報、ドットセンターピクセル情報など)および命令(instruction)を格納することができる。
【0078】
イメージング装置900は、
図1で説明されているイメージング装置1の具体的な実現例に該当することができ、ドットセンターピクセル検出器100がイメージ信号プロセッサ300に含まれる場合に関する実施形態であることができる。
【0079】
図10は、
図9に図示されているイメージング装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
【0080】
図10を参照すると、
図10に図示されているイメージング装置の動作方法は、
図5で説明されているドットセンターピクセル検出器の動作方法と一部の動作以外は実質的に同一であるため、相違する動作を中心に説明する。
【0081】
先ず、奥行きイメージセンシング装置200は、第1センシング期間SP1で、第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2を生成することができ、イメージ信号プロセッサ300は、フレームメモリ400に第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2を格納することができる(S110)。
【0082】
奥行きイメージセンシング装置200は、第2センシング期間SP2で、第2奥行きデータC1と第4奥行きデータC3を生成することができ、イメージ信号プロセッサ300は、フレームメモリ400に第2奥行きデータC1と第4奥行きデータC3を格納することができる(S112)。
【0083】
サーチポイント管理部110は、一つのフレームに該当する第1~第4奥行きデータC0~C3に対して、所定の規則に従ってサーチポイントの初期位置を決定または管理することができる(S120)。
【0084】
周辺ピクセル比較部120は、各サーチポイントSP別に当該サーチポイントSPの所定の範囲内に位置するピクセルの奥行きデータに基づいて、ドットセンターピクセルDCPを決定することができる(S130)。
【0085】
有効ピクセル決定部130は、周辺ピクセル比較部120によって決定されたドットセンターピクセルDCPそれぞれの奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、各ドットセンターピクセルDCPが有効ピクセルであるか否かを決定することができる(S140)。
一実施形態によって、ドットセンターピクセルDCPの個数が、全体のドットDOTの個数に比べて所定の割合(例えば、50%)以下である場合、周辺ピクセル比較部120で各サーチポイントSP別にドットセンターピクセルDCPを決定するための当該サーチポイントSPの所定の範囲を拡大してから、S130ステップおよびS140ステップが繰り返して行われることができる。これによって、ドットセンターピクセルDCPの決定に所要されるリソースを最小化しながらも、より正確にドットセンターピクセルDCPを検出することができる。
【0086】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、有効ピクセルであるドットセンターピクセルDCPのうち重複するドットセンターピクセルを除去することができる(S150)。
【0087】
図11は、
図10に図示されているS130ステップについてより詳細に示したフローチャートである。
【0088】
図11を参照すると、周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPの識別情報であるサーチポイントインデックスiを初期化(i=1)することができる(S131)。
図6に図示されている複数のサーチポイントSPそれぞれは、互いに異なるサーチポイントインデックスを有することができ、例えば、
図6において最初の行の最左側に位置したサーチポイントSPのサーチポイントインデックスが1であり、右側に行くほど1ずつ順に増加するサーチポイントインデックスを有することができ、第二行の最左側に位置したサーチポイントSPのサーチポイントインデックスが12であり、右側に行くほど1ずつ順に増加するサーチポイントインデックスを有することができる。このような方式で、総77個のサーチポイントSPに対するサーチポイントインデックスが付与されると仮定する。
【0089】
周辺ピクセル比較部120は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPの位置Xi、Yiを取得して、サーチポイントSPの振幅値ampiを計算することができる(S132)。振幅値ampiの計算は、サーチポイントSPに対する第1~第4奥行きデータC0~C3を用いて、数学式3を介して行われることができる。また、周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPの位置Xi、Yiと振幅値ampiをそれぞれドットセンターピクセルの位置とドットセンターピクセルの振幅値にアップデートすることができる。
【0090】
周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPを含むカーネルKN内の任意のピクセルXi+△x、Yi+△yの第1~第4奥行きデータC0~C3を取得することができる(S133)。
【0091】
周辺ピクセル比較部120は、ピクセルXi+△x、Yi+△yの第1~第4奥行きデータC0~C3を用いて、ピクセルXi+△x、Yi+△yの振幅値amp_calを計算することができる(S134)。
【0092】
計算された振幅値amp_calがドットセンターピクセルの振幅値ampiより大きい場合(S135のYes)、周辺ピクセル比較部120は、ピクセルXi+△x、Yi+△yの位置および計算された振幅値amp_calをドットセンターピクセルの位置Xi、Yiとドットセンターピクセルの振幅値ampiにアップデートすることができる(S136)。
【0093】
計算された振幅値amp_calがドットセンターピクセルの振幅値ampi以下である場合(S135のNo)、S136ステップが行われず、ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと振幅値ampiが維持されることができる。
【0094】
周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPを含むカーネルKN内のすべてのピクセルに対してS133ステップが行われたか否かを判断することができる(S137)。
【0095】
カーネルKN内のすべてのピクセルに対してS133ステップが行われていない場合(S137のNo)、S133ステップが行われた任意のピクセルXi+△x、Yi+△y以外のカーネル内の他のピクセルに対してS133ステップが行われることができる。次に、カーネル内のすべてのピクセルに対して繰り返してS133ステップないしS137ステップが行われることができ、カーネルKN内のすべてのピクセルに対してS133ステップないしS137ステップが行われると、カーネル内で最も高い振幅値ampiを有するピクセルがドットセンターピクセルと決定され、当該ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと振幅値ampiがフレームメモリ400に格納されることができる。
【0096】
カーネルKN内のすべてのピクセルに対してS133ステップが行われた場合(S137のYes)、すべてのサーチポイントに対してS132ステップが行われていないと(S138のNo)、周辺ピクセル比較部120は、現在のサーチポイントインデックスiを1だけ増加させ(S139)、S132ステップからまた行うことができる。このような動作は、すべてのサーチポイントに対してS132ステップが行われるまで繰り返すことができ、すべてのサーチポイントに対してS132ステップが行われた場合(S138のYes)、すべてのサーチポイントそれぞれに対してドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと振幅値ampiがフレームメモリ400に格納されることができる。
【0097】
図12は、
図10に図示されているS150ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【0098】
図12を参照すると、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPの識別情報であるサーチポイントインデックスiを初期化(i=1)することができる(S151)。ここで、
図12の各動作は、S140ステップで決定された有効サーチポイントSP_Vに対してのみ行われることができ、
図12で言及されるサーチポイントSPは、有効サーチポイントSP_Vであることに留意すべきである。
【0099】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対応するドットセンターピクセルの位置Xi、Yiを取得することができる(S152)。
【0100】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに隣接する隣接サーチポイントに対応するドットセンターピクセルの位置Xj、Yjを取得することができる(S153)。ここで、隣接サーチポイントは、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対して、上、下、左、右、または対角方向に隣接するサーチポイントであり、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPとカーネルKNが重なるサーチポイントを意味することができる。
【0101】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対応するドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと、隣接サーチポイントに対応するドットセンターピクセルの位置Xj、Yjを比較して、二つの位置が互いに同一であるか否かを判断することができる(S154)。
【0102】
ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiとドットセンターピクセルの位置Xj、Yjが互いに同一である場合(S154のYes)、ドットセンターピクセルが互いに重複するため、重複ドットセンターピクセル除去部140は、重複するドットセンターピクセルのうち一つを除去することができる(S155)。一実施形態によって、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPのインデックスが相対的にさらに小さいかさらに大きいサーチポイントに対応するドットセンターピクセルDCPのみを選択することができる。
【0103】
ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiとドットセンターピクセルの位置Xj、Yjが互いに同一でない場合(S154のNo)、ドットセンターピクセルが互いに重複しないため、S155ステップは行われないことができる。
【0104】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS153ステップが行われたか否かを判断することができる(S156)。
【0105】
サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS153ステップが行われていない場合(S156のNo)、サーチポイントSPに対する他の隣接サーチポイントに対してS153ステップが行われることができる。以降、サーチポイントSPに対する他の隣接サーチポイントに対して繰り返してS153ステップないしS156ステップが行われることができ、サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS153ステップないしS156ステップが行われると、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPと関連して重複するドットセンターピクセルのうち一つずつを除去することができる。
【0106】
サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS153ステップが行われた場合(S156のYes)、すべてのサーチポイントSPに対してS152ステップが行われていないと(S157のNo)、重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスiを1だけ増加させ(S158)、S152ステップからまた行うことができる。このような動作は、すべてのサーチポイントに対してS152ステップが行われるまで繰り返すことができ、すべてのサーチポイントに対してS152ステップが行われた場合(S157のYes)、ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと振幅値ampiが重複しないように、すべてのドットセンターピクセルに対するドットセンターピクセル情報がフレームメモリ400に格納されることができる。
【0107】
図9~
図12で説明されている実施形態のように、振幅値を奥行きデータの強度として用いてドットセンターピクセルを判断する場合、背景光成分以外のアクティブ成分(実際信号成分)のみを用いることができ、より正確にドットセンターピクセルを判断することができる。
【0108】
図13は、
図4に図示されているドットセンターピクセル検出器を含むイメージング装置の他の実施形態を示した構成図である。
【0109】
図13を参照すると、イメージング装置1300は、奥行きイメージセンシング装置500およびイメージ信号プロセッサ600を含むことができる。
【0110】
イメージング装置1300は、ドットセンターピクセル検出器100の動作のためのフレームメモリを含まないことができ、ドットセンターピクセル検出器100がイメージ信号プロセッサ600ではなく、奥行きイメージセンシング装置500に含まれ、ドットセンターピクセル検出器100の動作のためのラインメモリ560およびドットデータメモリ570が奥行きイメージセンシング装置500に含まれることができる。
【0111】
奥行きイメージセンシング装置500は、光源モジュール510と、ピクセルアレイ520と、ピクセルドライバ530と、タイミングコントローラ540と、ピクセル読み出し回路550と、ラインメモリ560と、ドットデータメモリ570と、ドットセンターピクセル検出器100とを含むことができる。光源モジュール510、ピクセルアレイ520、ピクセルドライバ530、タイミングコントローラ540およびピクセル読み出し回路550のそれぞれは、
図9で説明されている光源モジュール510、ピクセルアレイ520、ピクセルドライバ530、タイミングコントローラ540およびピクセル読み出し回路550それぞれの機能および動作と実質的に同一であるため、重複する説明は省略する。
【0112】
ラインメモリ560は、ピクセル読み出し回路250から出力される奥行きデータを格納することができる。ラインメモリ560は、一つのフレームの一部に該当する奥行きデータを格納できる容量を有することができる。ここで、一つのフレームの一部は、ピクセルアレイ520の複数個のローに含まれたピクセルに該当することができ、前記複数個は、縦方向に隣接するサーチポイントSP間の間隔と同じ数またはさらに大きい数に定められ得るが、本発明の範囲はこれに限定されない。
【0113】
ドットデータメモリ570は、ドットセンターピクセル検出器100の動作に必要なデータ(例えば、サーチポイントに関する情報、ドットセンターピクセル情報など)および命令を格納することができる。
【0114】
ドットセンターピクセル検出器100が奥行きイメージセンシング装置500に含まれることで、奥行きイメージセンシング装置500に搭載されるラインメモリ560およびドットデータメモリ570を最小限の容量で実現することができ、必要なメモリの容量を最小化することができる。
【0115】
ドットセンターピクセル検出器100は、奥行きイメージセンシング装置500内部のリソースのみを用いて、ドットセンターピクセル情報を生成することができる。イメージ信号プロセッサ600の奥行きイメージ生成器610は、奥行きイメージセンシング装置500から伝達されるドットセンターピクセル情報を参照して、複数のドットセンターピクセルそれぞれに対して、変調光信号MLSと反射変調光信号MLSとの位相差を計算し、計算された位相差に基づいて、対象物体OBJと奥行きイメージセンシング装置200との距離を計算し、奥行きイメージを生成することができる。
【0116】
図14は、
図13に図示されているイメージング装置の動作方法を説明するためのフローチャートである。
図15は、第1ライングループに対して行われる動作を説明するための図である。
図16は、第2ライングループに対して行われる動作を説明するための図である。
図17および
図18は、
図14のS250ステップについて説明するための図である。
【0117】
図14を参照すると、
図14に図示されているイメージング装置の動作方法は、
図5で説明されているドットセンターピクセル検出器の動作方法と一部の動作以外は実質的に同一であるため、相違する動作を中心に説明する。
【0118】
先ず、奥行きイメージセンシング装置500は、第1センシング期間SP1で第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2を生成して、ピクセルアレイ520の現在のライン(すなわち、ロー)の第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2をラインメモリ560に格納することができる(S210)。
【0119】
ラインメモリ560の容量がいっぱいでない場合(S212のNo)、奥行きイメージセンシング装置500は、S210ステップを繰り返すことができる。
【0120】
ラインメモリ560の容量がいっぱいである場合(S212のYes)、サーチポイント管理部110は、ラインメモリ560に格納されているラインで構成されたライングループに該当する第1および第3奥行きデータC0、C2に対して所定の規則に従って配列されるサーチポイントを決定または管理することができる(S220)。
【0121】
周辺ピクセル比較部120は、各サーチポイントSP別に当該サーチポイントSPの所定の範囲内に位置するピクセルの奥行きデータに基づいて、ドットセンターピクセルDCPを決定することができる(S230)。
【0122】
有効ピクセル決定部130は、周辺ピクセル比較部120によって決定されたドットセンターピクセルDCPそれぞれの奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、各ドットセンターピクセルDCPが有効ピクセルであるか否かを決定することができる(S240)。
【0123】
図15において、周辺ピクセル比較部120は、ラインメモリ560に格納されている第1ライングループL1に含まれた各サーチポイントに対応するカーネルKN1内に位置するピクセルの奥行きデータに基づいて、ドットDOTのドットセンターピクセルDCP1を決定することができる。
【0124】
また、有効ピクセル決定部130は、周辺ピクセル比較部120によって決定されたドットセンターピクセルDCP1それぞれの奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、各ドットセンターピクセルDCP1が有効ピクセルであるか否かを決定することができる。ドットセンターピクセルDCP1が有効ピクセルである場合、当該ドットセンターピクセルDCP1に対応するサーチポイントは、有効サーチポイントSP_Vと決定されることができる。なお、ドットセンターピクセルDCP1が有効ピクセルでない場合、当該ドットセンターピクセルDCP1に対応するサーチポイントは、無効サーチポイントSP_Iと決定されることができる。
【0125】
S240ステップが完了すると、ドットセンターピクセル検出器100は、ピクセルアレイ520のすべてのラインに対してドットセンターピクセルの検出動作が完了したか判断することができる(S214)。
【0126】
ピクセルアレイ520のすべてのラインに対してドットセンターピクセルの検出動作が完了していない場合(S214のNo)、ドットセンターピクセル検出器100は、タイミングコントローラ540に対して、次のライングループに対する読み出しおよび格納を要請することができる。タイミングコントローラ540は、ピクセルドライバ530、ピクセル読み出し回路550およびラインメモリ560を制御し、次のライングループに対するS210ステップが行われるように制御することができる。これにより、次のライングループである第2ライングループL2に対して、S210ステップないしS240ステップが行われることができる。
【0127】
図16において、周辺ピクセル比較部120は、ラインメモリ560に格納されている第2ライングループL2に含まれた各サーチポイントに対応するカーネルKN2内に位置するピクセルの奥行きデータに基づいて、ドットDOTのドットセンターピクセルDCP2を決定することができる。
【0128】
また、有効ピクセル決定部130は、周辺ピクセル比較部120によって決定されたドットセンターピクセルDCP2それぞれの奥行きデータの強度を有効閾値と比較して、各ドットセンターピクセルDCP2が有効ピクセルであるか否かを決定することができる。ドットセンターピクセルDCP2が有効ピクセルである場合、当該ドットセンターピクセルDCP2に対応するサーチポイントは、有効サーチポイントSP_Vと決定されることができる。なお、ドットセンターピクセルDCP2が有効ピクセルでない場合、当該ドットセンターピクセルDCP2に対応するサーチポイントは、無効サーチポイントSP_Iと決定されることができる。
【0129】
ピクセルアレイ520のすべてのラインに対してドットセンターピクセルの検出動作が完了した場合(S214のYes)、重複ドットセンターピクセル除去部140は、有効ピクセルであるドットセンターピクセルのうち重複するドットセンターピクセルを除去することができる(S250)。
【0130】
図17において、ピクセルアレイ520に対応するライングループL1~L8は、8個と仮定するが、本発明の範囲はこれに限定されない。各ドットDOTに対して、複数のドットセンターピクセルDCP1、DCP2が対応することができ、ドットセンターピクセルDCP1、DCP2の位置は、相違することができる。これは、ラインメモリ560の容量限界によって各サーチポイントのカーネルサイズが十分に確保されない可能性があるためである。
【0131】
図18において、重複ドットセンターピクセル除去部140は、有効ピクセルであるドットセンターピクセルDCP1、DCP2のうち重複するドットセンターピクセルDCP2を除去することができる。ここで、重複ドットセンターピクセル除去部140は、ドットセンターピクセルDCP1、DCP2のうち相対的に小さい奥行きデータの強度を有するドットセンターピクセルDCP2を除去することができる。
【0132】
図19は、
図14に図示されているS230ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【0133】
図19を参照すると、周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPの識別情報であるサーチポイントインデックスiを初期化(i=1)することができる(S231)。
【0134】
周辺ピクセル比較部120は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPの位置Xi、Yiを取得して、サーチポイントSPの電荷値Biを計算することができる(S232)。電荷値Biは、サーチポイントSPに対する第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2との和C0+C2で計算することができる。また、周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPの位置Xi、Yiと電荷値Biをそれぞれドットセンターピクセルの位置とドットセンターピクセルの電荷値にアップデートすることができる。
【0135】
周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPを含むカーネル内の任意のピクセルXi+△x、Yi+△yの第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2を取得することができる(S233)。
【0136】
周辺ピクセル比較部120は、ピクセルXi+△x、Yi+△yの第1奥行きデータC0と第3奥行きデータC2を用いて、ピクセルXi+△x、Yi+△yの電荷値B_calを計算することができる(S234)。
計算された電荷値B_calからサーチポイントSPに対する平均電荷値Baveを減算した値が閾差Dthより大きい場合(S235-1のYes)、周辺ピクセル比較部120は、計算された電荷値B_calを有効電荷値と看做し、計算された電荷値B_calとドットセンターピクセルの電荷値Biを比較することができる(S235-2)。
計算された電荷値B_calからサーチポイントSPに対する平均電荷値Baveを減算した値が閾差Dth以下である場合(S235-1のNo)、周辺ピクセル比較部120は、計算された電荷値B_calを無効の電荷値と看做し、またS233ステップを行うことができる。
ここで、平均電荷値Baveは、サーチポイントSPを中心に所定の範囲以内に位置したピクセル(すなわち、周辺ピクセル)の電荷値Biの平均値を意味し、閾差Dthは、実験的に予め決定された値であることができる。電荷値Biは、反射変調光信号MLS_Rの成分だけでなく、背景光(ambient light)の成分も含むので、電荷値Biをそのまま基準値として用いず、計算された電荷値B_calと平均電荷値Baveとの間の差が所定の閾差Dthより大きい場合にのみ計算された電荷値B_calを有効値と看做すことによって、背景光による成分ではなく、ドット光による成分のみをドットセンターピクセルにアップデートすることができる。
【0137】
計算された電荷値B_calがドットセンターピクセルの電荷値Biより大きい場合(S235-2のYes)、周辺ピクセル比較部120は、ピクセルXi+△x、Yi+△yの位置および計算された電荷値B_calをドットセンターピクセルの位置Xi、Yiとドットセンターピクセルの電荷値Biにアップデートすることができる(S236)。
【0138】
計算された電荷値B_calがドットセンターピクセルの電荷値Bi以下である場合(S235-2のNo)、S236ステップが行われず、ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと電荷値Biが維持されることができる。
【0139】
周辺ピクセル比較部120は、サーチポイントSPを含むカーネル内のすべてのピクセルに対してS233ステップが行われたか否かを判断することができる(S237)。
【0140】
カーネル内のすべてのピクセルに対してS233ステップが行われていない場合(S237のNo)、S233ステップが行われた任意のピクセルXi+△x、Yi+△y以外のカーネル内の他のピクセルに対してS233ステップが行われることができる。以降、カーネル内のすべてのピクセルに対して、S233ステップないしS237ステップが繰り返して行われることができ、カーネル内のすべてのピクセルに対して、S233ステップないしS237ステップが行われると、カーネル内で最も高い電荷値Biを有するピクセルがドットセンターピクセルと決定され、当該ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと電荷値Biがドットデータメモリ570に格納されることができる。
【0141】
カーネル内のすべてのピクセルに対してS233ステップが行われた場合(S237のYes)、すべてのサーチポイントに対してS232ステップが行われていないと(S238のNo)、周辺ピクセル比較部120は、現在のサーチポイントインデックスiを1だけ増加させ(S239)、S232ステップからまた行うことができる。このような動作は、すべてのサーチポイントに対してS232ステップが行われるまで繰り返すことができ、すべてのサーチポイントに対してS232ステップが行われた場合(S238のYes)、すべてのサーチポイントそれぞれに対して、ドットセンターピクセルの位置X
i、Y
iと電荷値B
iがドットデータメモリ570に格納されることができる。
図19においては、フレームメモリ400の代わりにラインメモリ560を用いる場合、電荷値B
iを用いてドットデータメモリ570に必要な情報を格納する実施形態について説明したが、他の実施形態によって、ラインメモリ560を用いるとしても振幅値ampを用いてドットデータメモリ570に必要な情報を格納することができる。すなわち、ピクセルアレイ520の全体のピクセルを第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2だけで制御することではなく、例えば、一つのロー(row)に属するピクセルのうち奇数番目のピクセルには、変調光信号MLSとは0度の位相差(すなわち、同位相)および180度の位相差をそれぞれ有する第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2を印加し、偶数番目のピクセルには、変調光信号MLSとは90度の位相差および270度の位相差をそれぞれ有する第1変調制御信号MCS1および第2変調制御信号MCS2を印加することができる。このような制御方式(pseudo-4TAP)によると、ラインメモリ560に第1~第4奥行きデータC0~C4が格納されることができるので、ドットセンターピクセルの位置X
i、Y
iと振幅値amp
iがドットデータメモリ570に格納されることができる。この場合、第1~第4奥行きデータC0~C4が対応されるものは、一つのピクセルではなく2つのピクセルなので、解像度の面で不利になる場合があるものの、フレームメモリ400の代わりにラインメモリ560を用いることができるという点でメリットを有することができる。一方、ドットセンターピクセルの位置X
i、Y
iと振幅値amp
iの生成過程は、
図11において説明された方法と実質的に同一であることができる。
【0142】
図20は、
図14に図示されているS250ステップをより詳細に示したフローチャートである。
【0143】
図20を参照すると、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPの識別情報であるサーチポイントインデックスiを初期化(i=1)することができる(S251)。ここで、
図20の各動作は、S240ステップで決定された有効サーチポイントSP_Vに対してのみ行われることができ、
図20で言及するサーチポイントSPは、有効サーチポイントSP_Vであることに留意すべきである。
【0144】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対応するドットセンターピクセルの位置Xi、Yiを取得することができる(S252)。
【0145】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに隣接する隣接サーチポイントに対応するドットセンターピクセルの位置Xj、Yjを取得することができる(S253)。ここで、隣接サーチポイントは、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対して、上、下、左、右、または対角方向に隣接するサーチポイントを意味することができる。
【0146】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスに該当するサーチポイントSPに対応するドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと、隣接サーチポイントに対応するドットセンターピクセルの位置Xj、Yjとの距離であるピクセル間の距離lを計算することができる(S253-1)。
【0147】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、ピクセル間の距離lとドットDOTの直径を比較して、二つのピクセルが互いに近接しているか否かを判断することができる(S254)。ここで、ドットDOTの直径は、ドットDOTの最大直径として実験的に予め決定された値であることができる。
【0148】
ピクセル間の距離lがドットDOTより小さい場合(S254のYes)、ドットセンターピクセルが一つのドットに対応して互いに重複するため、重複ドットセンターピクセル除去部140は、重複するドットセンターピクセルのうち一つを除去することができる(S255)。一実施形態によって、重複ドットセンターピクセル除去部140は、ドットセンターピクセルのうち電荷値がさらに大きいドットセンターピクセルのみを選択することができる。
【0149】
ピクセル間の距離lがドットDOT以上である場合(S254のNo)、ドットセンターピクセルが互いに重複しないため、S255ステップは行われないことができる。
【0150】
重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対して、S253ステップが行われたか否かを判断することができる(S256)。
【0151】
サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS253ステップが行われていない場合(S256のNo)、サーチポイントSPに対する他の隣接サーチポイントに対してS253ステップが行われることができる。次に、サーチポイントSPに対する他の隣接サーチポイントに対して、S253ステップ~S256ステップが繰り返して行われることができ、サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS253ステップ~S256ステップが行われると、重複ドットセンターピクセル除去部140は、サーチポイントSPと関連して重複するドットセンターピクセルのうち一つずつを除去することができる。
【0152】
サーチポイントSPに対するすべての隣接サーチポイントに対してS253ステップが行われた場合(S256のYes)、すべてのサーチポイントSPに対してS252ステップが行われていないと(S257のNo)、重複ドットセンターピクセル除去部140は、現在のサーチポイントインデックスiを1だけ増加させ(S258)、S252ステップからまた行うことができる。このような動作は、すべてのサーチポイントに対してS252ステップが行われるまで繰り返すことができ、すべてのサーチポイントに対してS252ステップが行われた場合(S257のYes)、ドットセンターピクセルの位置Xi、Yiと電荷値Biが重複しないように、すべてのドットセンターピクセルに対するドットセンターピクセル情報がドットデータメモリ570に格納されることができる。
【0153】
図13~
図20で説明された実施形態のように、電荷値を奥行きデータの強度として用いて、ドットセンターピクセルを判断する場合、二つのフレームではなく一つのフレームのみが必要であり、フレームメモリではなくラインメモリのみを用いて、ドットセンターピクセルを検出することができる。
【0154】
図21は、
図4のドットセンターピクセル検出器に該当するコンピューティング装置の一例を示したブロック図である。
【0155】
図21を参照すると、コンピューティング装置1000は、
図4のドットセンターピクセル検出器100の動作を行うためのハードウェア構成の一実施形態を示すことができる。
【0156】
コンピューティング装置1000は、プロセッサ(processor)1010、メモリ(memory)1020、入出力インターフェース(input/output interface)1030、および通信インターフェース(communication interface)1040を含むことができる。
【0157】
プロセッサ1010は、
図4のドットセンターピクセル検出器100の構成110~140の動作を行うのに必要なデータおよび/または命令(instruction)を処理することができる。
【0158】
メモリ1020は、ドットセンターピクセル検出器100の構成110~140の動作を行うのに必要なデータおよび/または命令を格納することができ、プロセッサ1010によりアクセス(access)されることができる。例えば、メモリ1020は、揮発性メモリ(例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)など)、または不揮発性メモリ(例えば、PROM(Programmable Read Only Memory)、EPROM(Erasable PROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、フラッシュメモリなど)で実現されることができる。
【0159】
すなわち、本文書に開示されたドットセンターピクセル検出器100の動作を行うためのコンピュータプログラムは、メモリ1020に記録され、プロセッサ1010により実行および処理されることで、イメージ処理装置100の動作が実現されることができる。
【0160】
入出力インターフェース1030は、外部入力装置(例えば、キーボード、マウス、タッチパネルなど)および/または外部出力装置(例えば、ディスプレイ)と、プロセッサ1010との間を連結し、データを送受信できるようにするインターフェースを提供することができる。
【0161】
通信インターフェース1040は、外部装置(例えば、アプリケーションプロセッサ、外部メモリなど)と各種データを送受信できる構成であり、有線または無線通信を支援できる装置であってもよい。
【0162】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明しているが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明が、その技術的思想もしくは必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施可能であることを理解することができる。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面において例示的なものであって、限定的でないものと理解すべきである。