(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025099868
(43)【公開日】2025-07-03
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20250626BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20250626BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20250626BHJP
C23C 14/50 20060101ALI20250626BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H01L21/302 101G
H01L21/302 101R
H01L21/31 Z
C23C14/50 A
C23C16/458
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216829
(22)【出願日】2023-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】塚本 浩貴
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA09
4K029AA24
4K029JA01
4K029JA05
4K030CA06
4K030GA02
4K030KA26
4K030KA39
4K030KA41
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB25
5F004BC06
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA04
5F004DA22
5F004DA23
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5F045DP02
5F045DQ10
5F045EB02
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5F045EM05
5F045EN04
5F131AA02
5F131AA03
5F131AA32
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5F131BA04
5F131BA19
5F131BA23
5F131CA32
5F131CA70
5F131EA03
5F131EA04
5F131EA05
5F131EB11
5F131EB67
5F131EB72
5F131EB82
5F131EB84
(57)【要約】
【課題】平面視での大きさが異なる2種類の基板(第1基板、および、第1基板よりも小さい第2基板)に対する処理を1つの基板処理装置で実行可能であるとともに、2枚の第2基板を昇降させる際、各第2基板に対する昇降をそれぞれ独立して実行可能とする。
【解決手段】1枚の第1基板と2枚の第2基板とが選択されて載置される載置面と、載置面の長辺を二等分する二等分線と重ならない位置に上下方向に貫通して載置面に開口する複数の貫通孔とを有する載置台と、載置台の上の基板に対する処理が行われる処理室と、基板を下面側から支持する複数の昇降ピンと、各昇降ピンを上下方向に駆動させる駆動部とを有する駆動機構と、駆動部を制御する制御部とを備え、処理室の底部には、駆動機構が挿通する複数の駆動用挿通孔が設けられており、複数の駆動用挿通孔は、複数の貫通孔と重なる、基板処理装置が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1枚の第1基板と、該第1基板よりも平面視での面積が小さい2枚の第2基板とが選択されて載置される載置面と、該載置面の平面視で、前記載置面の長辺を二等分する二等分線と重ならない位置に上下方向に貫通して前記載置面に開口する複数の貫通孔と、を有する載置台と、
前記載置台の上の前記第1基板または前記各第2基板に対する処理が行われる処理室と、
前記載置台に対して上下方向に移動可能であり、前記貫通孔に挿入され、前記載置面に前記第1基板が載置される場合に、該第1基板を下面側から支持し、前記載置面に2枚の前記第2基板が載置される場合に、該各第2基板をそれぞれ独立して下面側から支持する複数の昇降ピンと、該各昇降ピンを上下方向に駆動させる駆動部と、を有する駆動機構と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記処理室の底部には、前記駆動機構が挿通する複数の駆動用挿通孔が設けられており、
平面視での複数の前記駆動用挿通孔は、複数の前記貫通孔と重なる、基板処理装置。
【請求項2】
複数の前記貫通孔は、前記二等分線に関して対称的に配置されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記載置台は、前記載置面に前記第1基板が載置された場合に、前記第1基板を静電気力によって吸着可能であり、前記載置面に2枚の前記第2基板が載置された場合に、前記各第2基板を静電気力によって吸着可能な静電吸着部を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記静電吸着部での吸着状態を監視する監視部を備える、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記載置台は、前記載置面に前記第1基板が載置された場合に、該第1基板を冷却し、前記載置面に2枚の前記第2基板が載置された場合に、該各第2基板を冷却する冷媒が通過する流路を有する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項6】
1枚の第1基板が載置される第1載置面と、該第1載置面に前記第1基板が載置された状態の平面視で、前記第1基板の長辺を二等分する二等分線と重ならない位置に上下方向に貫通して前記第1載置面に開口する複数の第1貫通孔と、を有する第1載置台と、
前記第1基板よりも平面視での面積が小さい第2基板が2枚載置される第2載置面と、該第2載置面に2枚の前記第2基板が並べて載置された状態の平面視で、2枚の前記第2基板同士の間と重ならない位置に上下方向に貫通して前記第2載置面に開口する複数の第2貫通孔と、を有する第2載置台と、
前記第1載置台と前記第2載置台とが交換可能に支持される支持部と、
前記第1載置台が前記支持部に支持された第1状態では、前記第1載置台上の前記第1基板に対する処理が行われ、前記第2載置台が前記支持部に支持された第2状態では、前記第2載置台上の前記各第2基板に対する処理が行われる処理室と、
前記支持部に対して上下方向に移動可能であり、前記第1状態で前記第1貫通孔に挿入されて前記第1基板を下面側から支持し、前記第2状態で前記第2貫通孔に挿入されて前記各第2基板をそれぞれ独立して下面側から支持する複数の昇降ピンと、該各昇降ピンを上下方向に駆動させる駆動部と、を有する駆動機構と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記処理室の底部には、前記駆動機構が挿通する複数の駆動用挿通孔が設けられており、
平面視での複数の前記駆動用挿通孔は、前記第1状態で複数の前記第1貫通孔と重なり、前記第2状態で複数の前記第2貫通孔と重なる、基板処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記駆動部に対して、前記各昇降ピンを個別に駆動させる制御が可能である、請求項1または6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1状態で前記駆動部に対して、前記各昇降ピンを一括して駆動させる制御が可能である、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記第2状態で前記駆動部に対して、前記第2基板ごとに、前記各昇降ピンを一括して駆動させる制御が可能である、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第2状態で前記駆動部に対して、前記第2基板ごとに、該第2基板の支持に使用される前記昇降ピンのグループを変更して駆動させる制御が可能である、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項11】
複数の前記第1貫通孔は、前記二等分線に関して対称的に配置されている、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項12】
複数の前記第2貫通孔は、2枚の前記第2基板同士の間に関して対称的に配置されている、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項13】
複数の前記第2貫通孔は、前記第2基板ごとに、該第2基板の中心線に関して対称的に配置されている、請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
平面視で前記第1載置台と前記第2載置台とを重ねた場合、複数の前記第1貫通孔と、複数の前記第2貫通孔とが重なる、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第2載置面は、2枚の前記第2基板のうちの一方の第2基板が載置される面と、他方の第2基板が載置される面とに分割されている、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第1載置台は、前記第1載置面の上で前記第1基板を静電気力によって吸着可能な第1静電吸着部を有し、
前記第2載置台は、前記第2載置面の上で前記各第2基板を静電気力によって吸着可能な第2静電吸着部を有する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第2載置面は、2枚の前記第2基板のうちの一方の第2基板が載置される面と、他方の第2基板が載置される面とに分割されており、
前記第2載置台は、前記一方の第2基板が載置される面上での静電気力による吸着と、前記他方の第2基板が載置される面上での静電気力による吸着とが個別に可能である、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第1静電吸着部および少なくとも一方の前記第2静電吸着部に対して電圧を共通に印加する電圧印加部を備える、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第1静電吸着部および前記第2静電吸着部での吸着状態を監視する監視部を備える、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記監視部は、前記吸着状態を電流値に基づいて監視する、請求項19に記載の基板処理装置。
【請求項21】
前記第1載置台は、前記第1載置面の上の前記第1基板を冷却する冷媒が通過する第1流路を有し、
前記第2載置台は、前記第2載置面の上の一方の第2基板を冷却する冷媒が通過する第2流路と、他方の第2基板を冷却する冷媒が通過する第2流路を個別に有する、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項22】
前記第1流路および少なくとも一方の前記第2流路に対して冷媒を共通に供給する冷媒供給部を備える、請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項23】
前記第1流路および前記第2流路での前記冷媒の通過状態を監視する監視部を備える、請求項21に記載の基板処理装置。
【請求項24】
前記監視部は、前記通過状態を、前記冷媒の圧力および前記冷媒の流量のうちの少なくとも一方に基づいて監視する、請求項23に記載の基板処理装置。
【請求項25】
1枚の第1基板と、該第1基板よりも平面視での面積が小さい2枚の第2基板とが選択されて載置される載置面と、該載置面の平面視で、前記載置面の長辺を二等分する二等分線と重ならない位置に上下方向に貫通して前記載置面に開口する複数の貫通孔と、を有する載置台と、
前記載置台の上の前記第1基板または前記各第2基板に対する処理が行われる処理室と、
前記載置台に対して上下方向に移動可能であり、前記貫通孔に挿入され、前記載置台に前記第1基板が載置される場合に、該第1基板を下面側から支持し、前記載置台に2枚の前記第2基板が載置される場合に、該各第2基板をそれぞれ独立して下面側から支持する複数の昇降ピンと、該各昇降ピンを上下方向に駆動させる駆動部と、を有する駆動機構と、
前記駆動部を制御する制御部と、を備え、
前記処理室の底部には、前記駆動機構が挿通する複数の駆動用挿通孔が設けられており、
平面視での複数の前記駆動用挿通孔は、複数の前記貫通孔と重なる基板処理装置を用いる、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板に対するエッチングや蒸着等の基板処理を実行する基板処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の基板処理装置は、基板処理対象の2枚の基板を並べて支持する基板支持台と、基板支持台を貫いて上下移動可能に設置される複数のリフトピンを含むリフトピン組立体とを備える。この基板処理装置では、リフトピン組立体の上下移動により、基板支持台上の2枚の基板を一括して昇降することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2102922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る技術は、平面視での大きさが異なる2種類の基板(第1基板、および、第1基板よりも小さい第2基板)に対する処理を1つの基板処理装置で実行可能であるとともに、2枚の第2基板を昇降させる際、各第2基板に対する昇降をそれぞれ独立して実行可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る技術の一態様は、1枚の第1基板と、該第1基板よりも平面視での面積が小さい2枚の第2基板とが選択されて載置される載置面と、該載置面の平面視で、前記載置面の長辺を二等分する二等分線と重ならない位置に上下方向に貫通して前記載置面に開口する複数の貫通孔と、を有する載置台と、前記載置台の上の前記第1基板または前記各第2基板に対する処理が行われる処理室と、前記載置台に対して上下方向に移動可能であり、前記貫通孔に挿入され、前記載置面に前記第1基板が載置される場合に、該第1基板を下面側から支持し、前記載置面に2枚の前記第2基板が載置される場合に、該各第2基板をそれぞれ独立して下面側から支持する複数の昇降ピンと、該各昇降ピンを上下方向に駆動させる駆動部と、を有する駆動機構と、前記駆動部を制御する制御部と、を備え、前記処理室の底部には、前記駆動機構が挿通する複数の駆動用挿通孔が設けられており、平面視での複数の前記駆動用挿通孔は、複数の前記貫通孔と重なる、基板処理装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、平面視での大きさが異なる2種類の基板(第1基板、および、第1基板よりも小さい第2基板)に対する処理を1つの基板処理装置で実行可能であるとともに、2枚の第2基板を昇降させる際、各第2基板に対する昇降をそれぞれ独立して実行可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示に係る基板処理装置の第1状態を示す概略垂直断面図である。
【
図2】本開示に係る基板処理装置の第2状態を示す概略垂直断面図である。
【
図3】
図1中の矢印A方向から見た図(概略平面図)である。
【
図4】
図2中の矢印B方向から見た図(概略平面図)である。
【
図5】基板処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】基板処理装置での制御状態の一例を示すブロック図である。
【
図7】基板処理装置での制御状態の一例を示すブロック図である。
【
図8】基板処理装置での制御状態の一例を示すブロック図である。
【
図9】基板処理装置での制御状態の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上述したように、特許文献1の技術では、基板支持台上の2枚の基板を一括して昇降可能である。その一方で、基板支持台上の2枚の基板をそれぞれ独立して昇降させたい場合がある。この場合、特許文献1の技術では、各基板のそれぞれ独立した昇降が不可能である。また、近年では、平面視での大きさが異なる2種類の基板(第1基板、および、第1基板よりも小さい第2基板)に対する基板処理が要求されている。また、従来の技術では、2枚の第2基板に対する基板処理は可能なものがあるが、当該第2基板よりも大きい1枚の第1基板に対する基板処理は不可能である。そのため、第1基板に対する基板処理を行おうとした場合、当該基板処理が可能な基板処理装置を別途用意する必要があるため、その分、設備投資が負担となる。
【0009】
以下、図面を参照して本開示に係る技術の一実施の形態を説明する。しかしながら、以下の実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、この構成によって限定されることはない。例えば、この構成に含まれる各部は、同様の機能を発揮し得る任意のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0010】
図1は、本開示に係る基板処理装置の第1状態を示す概略垂直断面図である。
図2は、本開示に係る基板処理装置の第2状態を示す概略垂直断面図である。
図3は、
図1中の矢印A方向から見た図(概略平面図)である。
図4は、
図2中の矢印B方向から見た図(概略平面図)である。
図5は、基板処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6~
図9は、それぞれ、基板処理装置での制御状態の一例を示すブロック図である。なお、
図1は、
図3中のC-C線断面でもある。
図2は、
図4中のD-D線断面でもある。また、以下では、説明の都合上、
図1および
図2中の上側を「上(または上方)」、下側を「下(または下方)」と言う。
【0011】
図1、
図2に示す基板処理装置10は、例えば、有機EL(OLED)パネルの製造に用いられる装置である。この基板処理装置10は、処理対象である基板(被処理基板)Gとしてのガラス基板に対して、ドライエッチングやスパッタリング、CVD(化学気相成長)等の各種処理(基板処理方法)を行うことができる。基板処理装置10で処理可能な基板Gには、第1基板G1および第2基板G2がある。
図3に示すように、第1基板G1は、平面視での形状が、
図3中の左右方向を長辺方向とする長方形の基板である。
図4に示すように、第2基板G2は、平面視での形状が、
図4中の左右方向を短辺方向とする長方形の基板である。この第2基板G2は、第1基板G1よりも平面視での面積が小さい。本実施形態では、第2基板G2の長辺の長さは、第1基板G1の短辺の長さと同じである。また、第2基板G2の短辺の長さは、第1基板G1の長辺のほぼ1/2である。
【0012】
図1、
図2に示すように、基板処理装置10は、第1載置台1、第2載置台2、支持部3、処理室4、駆動機構5を有する。なお、基板処理装置10は、第1載置台1と第2載置台2とを交換して用いられる。また、
図5(a)、
図5(b)に示すように、基板処理装置10は、電圧印加部6Lおよび電圧印加部6Rと、冷媒供給部7Lおよび冷媒供給部7Rと、監視部8と、制御部9とを有する。
【0013】
図1に示すように、第1載置台1は、板状の基部11と、基部11上に設けられた第1静電吸着部(第1静電チャック)12とを有する積層体で構成されている。第1静電吸着部12は、第1基板G1に対する静電吸着に適した回路パターンを有する。第1静電吸着部12の上面は、
図3中の左右方向を長辺方向とする長方形をなし、1枚の第1基板G1が載置される第1載置面13として機能する。そして、第1静電吸着部12は、第1載置面13上に第1基板G1が載置された状態で、電圧印加部6Lから電圧が印加されることにより、第1基板G1を静電気力によって吸着することができる。なお、電圧印可部6Rは、第1基板処理時には使用しないため、通電されていない。
【0014】
また、第1載置台1には、第1載置面13上の第1基板G1を冷却する冷媒(バッククーリングガス)Qが通過する第1流路14が設けられている。第1流路14は、第1載置面13に複数箇所で開口している。これにより、第1流路14を通過した冷媒Qを、第1載置面13と第1基板G1の下面(裏面)との間に供給することができる。この冷媒Qの供給により、第1基板G1との間で熱交換を行うことができ、よって、第1基板G1の温度を調節することができる。なお、第1流路14は、冷媒Qを供給する冷媒供給部7Lに接続されている。なお、冷媒供給部7Rは、第1基板処理時には使用しないため、冷媒Qは供給されていない。
【0015】
第1載置台1には、上下方向に貫通して第1載置面13に開口する複数の第1貫通孔15が設けられている。各第1貫通孔15には、後述する駆動機構5の昇降ピン52が移動可能(出没可能)に挿入される。昇降ピン52は、第1貫通孔15から突出した状態で、第1基板G1を下面側から支持することができる(
図1中の二点鎖線参照)。
図3に示すように、第1載置面13に第1基板G1が載置された状態の平面視で、複数の第1貫通孔15は、第1基板G1の中心線O11と重ならない位置に配置されている。中心線O11は、第1基板G1の長辺を二等分する二等分線である。また、本実施形態では、中心線O11は、平面視で、第1載置面13の中心線、すなわち、第1載置面13の長辺を二等分する二等分線と重なる。なお、複数の第1貫通孔15には、平面視で、中心線O11と直交する中心線O12と重なる第1貫通孔15がある。中心線O12は、第1基板G1の短辺を二等分する二等分線である。複数の第1貫通孔15は、第1基板G1の中心線O11および中心線O12に関して対称的に配置されている。このような線対称の配置により、各第1貫通孔15から突出した昇降ピン52によって第1基板G1を下面側から安定して支持することができる。なお、第1貫通孔15の配置数や線対称の配置態様については、
図3に示すものに限定されない。
【0016】
図2に示すように、第2載置台2は、板状の基部21と、基部21上に設けられた第2静電吸着部(第2静電チャック)22とを有する積層体で構成されている。第2静電吸着部22は、各第2基板G2に対する静電吸着に適した回路パターンを有する。第2静電吸着部22の上面は、2枚の第2基板G2が載置される第2載置面23として機能する。これにより、第2載置面23は、基板Gの載置効率(面取り効率)が第1載置面13よりも向上する。本実施形態では、第2載置面23は、2枚の第2基板G2のうちの一方の第2基板G2(以下「第2基板G2L」と言うことがある)が載置される第2左側載置面23Lと、他方の第2基板G2(以下「第2基板G2R」と言うことがある)が載置される第2右側載置面23Rとに分割されている。そして、第2静電吸着部22は、第2左側載置面23L上に第2基板G2Lが載置された状態で、電圧印加部6Lから電圧が印加されることにより、当該第2基板G2Lを静電気力によって吸着することができる。また、第2静電吸着部22は、第2右側載置面23R上に第2基板G2Rが載置された状態で、電圧印加部6Rから電圧が印加されることにより、当該第2基板G2Rを静電気力によって吸着することができる。このように第2載置台2は、第2基板G2Lに対する吸着と、第2基板G2Rに対する吸着とを個別に行うことができる。これにより、例えば、各吸着を異なるタイミングで行うことができる。
【0017】
また、第2載置台2には、第2載置面23上の各第2基板G2を冷却する冷媒Qが通過する第2流路(流路)24が設けられている。本実施形態では、第2流路24は、第2基板G2L冷却用の冷媒Qが通過する第2流路24Lと、第2基板G2R冷却用の冷媒Qが通過する第2流路24Rとに分割されている。第2流路24Lは、第2左側載置面23Lに複数箇所で開口している。これにより、第2流路24Lを通過した冷媒Qを、第2左側載置面23Lと第2基板G2Lの下面との間に供給することができる。この冷媒Qの供給により、第2基板G2Lとの間で熱交換を行うことができ、よって、第2基板G2Lの温度を調節することができる。同様に、第2流路24Rは、第2右側載置面23Rに複数箇所で開口している。これにより、第2流路24Rを通過した冷媒Qを、第2右側載置面23Rと第2基板G2Rの下面との間に供給することができる。この冷媒Qの供給により、第2基板G2Rとの間で熱交換を行うことができ、よって、第2基板G2Rの温度を調節することができる。このように第2載置台2は、第2基板G2Lに対する冷却と、第2基板G2Rに対する冷却とを個別に行うことができる。これにより、例えば、各冷却を異なるタイミングで行うことができる。なお、第2流路24Lは冷媒供給部7Lに接続され、第2流路24Rは、冷媒供給部7Rに接続されている。
【0018】
第2載置台2には、上下方向に貫通して第2載置面23に開口する複数の第2貫通孔(貫通孔)25が設けられている。各第2貫通孔25には、駆動機構5の昇降ピン52が移動可能に挿入される。昇降ピン52は、第2貫通孔25から突出した状態で、各第2基板G2を下面側から支持することができる(
図2中の二点鎖線参照)。
図4に示すように、第2載置面23に2枚の第2基板G2が左右に並べて載置された状態、すなわち、第2左側載置面23Lに第2基板G2Lが載置され、第2右側載置面23Rに第2基板G2Rが載置された状態の平面視で、複数の第2貫通孔25は、第2基板G2Lと第2基板G2Rとの間と重ならない位置に配置されている。なお、第2基板G2Lと第2基板G2Rとの間は、平面視で前記中心線O11と重なる位置にある。複数の第2貫通孔25は、第2基板G2Lと第2基板G2Rとの間(中心線O11)に関して対称的に配置されている。
【0019】
また、第2左側載置面23Lに開口する複数の第2貫通孔25は、第2基板G2Lの中心線O21Lに関して対称的に配置されている。中心線O21Lは、第2基板G2Lの短辺を二等分する二等分線である。さらに、第2左側載置面23Lに開口する複数の第2貫通孔25は、中心線O21Lと直交する中心線O22Lに関して対称的に配置されている。中心線O22Lは、第2基板G2Lの長辺を二等分する二等分線である。このように第2左側載置面23Lでは、複数の第2貫通孔25は線対称に配置されている。この線対称配置により、第2左側載置面23L上では、各第2貫通孔25から突出した昇降ピン52によって第2基板G2Lを下面側から安定して支持することができる。
【0020】
同様に、第2右側載置面23Rに開口する複数の第2貫通孔25は、第2基板G2Rの中心線O21Rに関して対称的に配置されている。中心線O21Rは、第2基板G2Rの短辺を二等分する二等分線である。さらに、第2右側載置面23Rに開口する複数の第2貫通孔25は、中心線O21Rと直交する中心線O22Rに関して対称的に配置されている。中心線O22Rは、第2基板G2Rの長辺を二等分する二等分線である。このように第2右側載置面23Rでは、複数の第2貫通孔25は線対称に配置されている。この線対称配置により、第2右側載置面23R上では、各第2貫通孔25から突出した昇降ピン52によって第2基板G2Rを下面側から安定して支持することができる。なお、第2貫通孔25の配置数や線対称の配置態様については、
図4に示すものに限定されない。
【0021】
図1、
図2に示すように、支持部3は、処理室4の底部41に固定されている。支持部3は、第1載置台1と第2載置台2とを交換可能に支持する支持台である。以下では、第1載置台1が支持部3に支持された状態を「第1状態」と言い、第2載置台2が支持部3に支持された状態を「第2状態」と言う。
【0022】
処理室4は、箱状をなし、気密性が確保される。処理室4内では、第1状態で、第1載置台1上の第1基板G1に対する前記各種処理が行われ、第2状態で、第2載置台2上の各第2基板G2に対する前記各種処理が行われる。
【0023】
処理室4の底部41には、駆動機構5が配置されている。本実施形態では、駆動機構5は、第2貫通孔25の配置数と同数(20個)の駆動ユニット51を備える。各駆動ユニット51は、支持部3に対して上下方向に移動可能な昇降ピン52と、昇降ピン52の下側に設けられ、当該昇降ピン52を上下方向に駆動させる駆動部53とを有する。駆動部53の構成としては、特に限定されず、例えば、モータ等を有する構成、エアシリンダ等を有する構成等を用いることができる。また、各駆動ユニット51は、昇降ピン52の下部に連結され、下方に向かって延びる第1連結部材54と、第1連結部材54の下部に連結され、処理室4の外側に位置する第2連結部材55とを有する。第2連結部材55は、その上部を構成する導電性部材551と、下部を構成する絶縁部材552とで構成されている。また、各駆動ユニット51は、真空雰囲気と大気雰囲気とを遮断するための導電性のベローズ56を有する。ベローズ56は、第1状態では第1載置台1の下面と導電性部材551の上面との間に位置し、第2状態では第2載置台2の下面と導電性部材551の上面との間に位置する。また、各駆動ユニット51は、第2連結部材55の下部に設けられた摺動部材57と、処理室4の底部41に固定されたガイド部材58とを有する。摺動部材57は、ボールねじとモータとを組み合わせた直動ユニット(不図示)と連結されており、駆動部制御装置(不図示)によって上下方向に昇降することができる。また、摺動部材57は、上下方向に昇降する際にガイド部材58に案内される。
【0024】
以上のような構成の駆動機構5では、処理室4内に基板Gを搬入したり、処理室4内から搬出したりする際には、昇降ピン52が用いられる。処理室4内に基板Gを搬入する場合には、昇降ピン52を最上位置まで突出させた状態とし、当該状態の各昇降ピン52上に、搬送アーム(不図示)からの基板Gを支持させることができる。そして、昇降ピン52は、基板Gを支持したまま初期位置(最も下降した状態)まで下降する。これにより、基板Gに対する各種処理が可能となる。また、処理後の基板Gを処理室4内から搬出する場合には、昇降ピン52を再度最上位置まで突出させて、昇降ピン52上に基板Gを支持させた状態とする。そして、前記搬送アームを基板Gの下方に移動し、昇降ピン52を前記搬送アームより下げることで基板Gが前記搬送アームに受け渡され、前記搬送アームによる基板Gの搬出が可能となる。
【0025】
処理室4の底部41には、駆動機構5の昇降ピン52および第1連結部材54が挿通する複数の駆動用挿通孔42が設けられている。各駆動用挿通孔42は、底部41を上下方向に貫通する貫通孔で構成されている。
図3に示すように、平面視での複数の駆動用挿通孔42(中心線O12上の最も左側にある駆動用挿通孔42と、最も右側にある駆動用挿通孔42とを除く)は、第1載置台1の複数の第1貫通孔15と重なる。
図4に示すように、平面視での複数の駆動用挿通孔42は、第2載置台2の複数の第2貫通孔25と重なる。また、平面視で第1載置台1と第2載置台2とを重ねた場合、複数の第1貫通孔15と、複数の第2貫通孔25(中心線O22L上の左側にある1つの第2貫通孔25と、中心線O22R上の右側にある1つの第2貫通孔25とを除く)とが重なる。このような孔同士の位置関係により、第1載置台1と第2載置台2と対して、共通の駆動機構5の昇降ピン52を挿入して用いることができる。なお、基板処理装置10では、駆動機構5全体を処理室4内に配置した、すなわち、収納した構成とすることができる。この場合、処理室4の底部41からは、駆動用挿通孔42が省略される。
【0026】
前述したように、基板処理装置10は、電圧印加部6Lおよび電圧印加部6Rと、冷媒供給部7Lおよび冷媒供給部7Rと、監視部8と、制御部9とを有する(
図5(a)、
図5(b)参照)。電圧印加部6Lおよび電圧印加部6Rは、これらの電圧印加部うちの少なくともいずれかの電圧印可部が、第1静電吸着部12および第2静電吸着部22に対して電圧を共通に印加する。本実施形態では、電圧印加部6Lは、アースされた電源61Lと、電源61LのON/OFFの切り換え等を行う回路部62Lとの組を有し、同様に電圧印可部6Rは、アースされた電源61Rと、電源61RのON/OFFの切り換え等を行う回路部62Rとの組を有する。電圧印加部6Lおよび電圧印加部6Rは、第1静電吸着部12に対して電圧を印加する際には、2組のうちの一方の組がその印加を担う。また、電圧印加部6Lおよび電圧印加部6Rは、第2静電吸着部22に対して電圧を印加する際には、各組がその印加を担う。これにより、第2基板G2Lに対する静電吸着と、第2基板G2Rに対する静電吸着とを個別に行うことができる。
【0027】
冷媒供給部7Lおよび冷媒供給部7Rは、第1流路14、および、第2流路24Lまたは第2流路24Rの少なくともいずれか一方に対して冷媒Qを共通に供給する。冷媒Qとしては、特に限定されず、例えば、ヘリウム、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いるのが好ましい。
【0028】
図5に示すように、監視部8は、電流計81Lおよび電流計81R、圧力計82Lおよび圧力計82R、流量計83Lおよび流量計83Rを有する。この監視部8は、第1静電吸着部12での第1基板G1に対する静電吸着状態(吸着状態)と、第2静電吸着部22での第2基板G2に対する静電吸着状態とを監視する。第2基板G2においては、第2基板G2Lと第2基板G2Rに対する静電吸着状態を個別に監視可能である。また、監視部8は、第1流路14での冷媒Qの通過状態と、第2流路24での冷媒Qの通過状態とを監視する。第2流路24においては、第2流路24Lと第2流路24Rでの冷媒Qの通過状態を個別に監視可能である。第1静電吸着部12での静電吸着状態と、第2静電吸着部22での静電吸着状態との監視については、監視対象と電流計が異なること以外は同じであるため、第1静電吸着部12での静電吸着状態について代表的に説明する。電流計81Lは、第1状態で第1静電吸着部12に電圧が印加されたときの、当該第1静電吸着部12を通過する電流値を測定することができる。そして、監視部8は、電流計81Lでの測定結果、すなわち、電流値に基づいて、第1静電吸着部12での静電吸着状態を監視することができる。例えば、電流値が閾値未満である場合には、第1静電吸着部12での静電吸着状態が良であると判断され、電流値が閾値以上である場合には、第1静電吸着部12での静電吸着状態が不良であると判断される。第1静電吸着部12での静電吸着状態が良であると判断された場合には、第1基板G1に対する処理を行うことができる。一方、第1静電吸着部12での静電吸着状態が不良であると判断された場合には、静電チャックを含む電圧印可経路の短絡が考えられるため、処理を中止し、例えば載置台の交換を検討する。これにより、第1静電吸着部12での静電吸着状態が改善される場合がある。なお、電流値の閾値は、例えば制御部9のメモリ92(
図5参照)に予め記憶されている。また、電流値の閾値は、適宜変更可能であるのが好ましい。
【0029】
第1流路14での冷媒Qの通過状態と、第2流路24での冷媒Qの通過状態との監視については、監視対象、流量計と圧力計が異なること以外は同じであるため、第1流路14での冷媒Qの通過状態について代表的に説明する。圧力計82Lは、第1状態で第1流路14を通過する冷媒Qの圧力を測定することができる。また、流量計83Lは、第1状態で第1流路14を通過する冷媒Qの流量を測定することができる。そして、監視部8は、圧力計82Lでの測定結果、すなわち、圧力と、流量計83Lでの測定結果、すなわち、流量とに基づいて、第1流路14での冷媒Qの通過状態を監視することができる。例えば、圧力が閾値以上、流量が閾値未満である場合には、第1流路14での冷媒Qの通過状態が良であると判断され、圧力が閾値未満、または流量が閾値以上である場合には、第1流路14での冷媒Qの通過状態が不良であると判断される。第1流路14での冷媒Qの通過状態が良であると判断された場合には、第1基板G1に対する処理を行うことができる。一方、第1流路14での冷媒Qの通過状態が不良であると判断された場合には、例えば一旦昇降ピン52で第1基板G1を第1静電吸着部12から離間させてから、再度第1静電吸着部12に載置するのが好ましい。これにより、第1流路14での冷媒Qの通過状態が改善される場合がある。なお、圧力の閾値は、例えば制御部9のメモリ92に予め記憶されている。また、圧力の閾値は、適宜変更可能であるのが好ましい。同様に、流量の閾値も、例えば制御部9のメモリ92に予め記憶され、適宜変更可能であるのが好ましい。また、第1流路14での冷媒Qの通過状態の良否判断(監視)は、本実施形態では圧力および流量の双方に基づいて行われているが、これに限定されず、圧力および流量のうちの少なくとも一方に基づいて行われていればよい。
【0030】
制御部9は、CPU91およびメモリ92を有し、駆動機構5の駆動部53、電圧印加部6Lおよび電圧印加部6R、冷媒供給部7Lおよび冷媒供給部7R、監視部8の電流計81Lおよび電流計81R~流量計83Lおよび流量計83Rの各部と通信可能に接続されており、これらの作動を制御する。なお、メモリ92には、制御プログラム等が予め記憶されている。制御部9による制御状態の一例について、
図6~
図9を参照して説明する。また、
図6~
図9中の「昇降ピン_01」~「昇降ピン_20」とは、
図3、
図4中の駆動用挿通孔42を挿通する昇降ピン52に付された番号(名称)である。ここでは、
図3、
図4中の最も左上の駆動用挿通孔42を挿通する昇降ピン52を「昇降ピン_01」として、下側に向かって順に、最も右下の駆動用挿通孔42を挿通する昇降ピン52を「昇降ピン_20」まで番号が付されている。また、「駆動部_01」~「駆動部_20」は、「昇降ピン_01」~「昇降ピン_20」の昇降ピン52を昇降移動させる駆動部53に付された番号である。
【0031】
図6に示すように、第1基板G1を昇降させる際には、制御部9は、「駆動部_01」~「駆動部_02」、「駆動部_04」~「駆動部_10」、「駆動部_11」~「駆動部_17」、「駆動部_19」~「駆動部_20」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を個別に駆動させる制御を行うことができる。なお、第1基板G1の昇降には、「駆動部_03」および「駆動部_18」の駆動部53は使用されない。また、仮に第1基板G1の昇降に「駆動部_03」および「駆動部_18」の駆動部53も使用する場合には、制御部9は、「駆動部_01」~「駆動部_20」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を一括して駆動させる制御を行うことができる。
【0032】
図7に示すように、第2基板G2Lを昇降させる際には、制御部9は、「駆動部_01」~「駆動部_10」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を一括して駆動させる制御を行うことができる。一方、第2基板G2Rを昇降させる際には、制御部9は、「駆動部_11」~「駆動部_20」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を一括して駆動させる制御を行うことができる。このように制御部9は、第2基板G2ごとに、駆動部53をグループ分けして、各昇降ピン52を一括して駆動させることができる。なお、「駆動部_01」~「駆動部_10」と、「駆動部_11」~「駆動部_20」とは、それぞれ、グループ1Aで1つにまとめられている。そして、このような制御により、第2基板G2Lと第2基板G2Rとをそれぞれ独立して異なるグループ1Aとして昇降させることができる。例えば、第2基板G2Lおよび第2基板G2Rのうち、第2基板G2Lに対する静電吸着状態が良であり、第2基板G2Rに対する静電吸着状態が不良であると判断された場合には、双方の第2基板G2に対する処理を一旦停止する好ましい。この場合、第2基板G2Lをそのままにして、第2基板G2Rを一旦昇降ピン52で第2右側載置面23Rから離間させてから、再度第2右側載置面23Rに載置するのが好ましい。これにより、第2基板G2Rに対する静電吸着状態が改善され、結果、双方の第2基板G2に対する処理が可能となる。
【0033】
図8に示すように、第2基板G2Lを昇降させる際には、
図7と同様に、制御部9は、「駆動部_01」~「駆動部_10」の駆動部53に対して、各昇降ピン52をグループ1Aとして一括して駆動させる制御を行うことができる。一方、第2基板G2Rを昇降させる際には、制御部9は、「駆動部_11」および「駆動部_12」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を一括して駆動させる制御を行うことができる。また、制御部9は、「駆動部_13」および「駆動部_14」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を一括して駆動させる制御を行うことができる。同様に、制御部9は、「駆動部_15」および「駆動部_16」の駆動部53に対する制御と、「駆動部_17」および「駆動部_18」の駆動部53に対する制御と、「駆動部_19」および「駆動部_20」の駆動部53に対する制御とを行うことができる。なお、「駆動部_11」および「駆動部_12」は、グループ1Bで1つにまとめられている。「駆動部_13」および「駆動部_14」は、グループ2Bで1つにまとめられている。「駆動部_15」および「駆動部_16」は、グループ3Bで1つにまとめられている。「駆動部_17」および「駆動部_18」は、グループ4Bで1つにまとめられている。「駆動部_19」および「駆動部_20」は、グループ5Bで1つにまとめられている。このように制御部9は、第2基板G2ごとに、第2基板G2の昇降(支持)に使用される昇降ピン52のグループを変更して駆動させることができる。これにより、第2基板G2Lと第2基板G2Rとをそれぞれ独立し、且つ、異なるグループ数で昇降させることができる。また、各グループ毎に別々の条件、例えば、突没時の昇降ピン52の高さや速度等を設定することが可能である。
【0034】
図9に示すように、第2基板G2Lと第2基板G2Rとを昇降させる際には、制御部9は、「駆動部_01」~「駆動部_20」の駆動部53に対して、各昇降ピン52を個別に駆動させる制御を行うことができる。
【0035】
以上のような構成の基板処理装置10では、第1基板G1および第2基板G2に対する処理を行う際には、第1基板G1用の第1載置台1と、第2基板G2用の第2載置台2とを交換することにより、1つの基板処理装置10で当該処理を実行することができる。また、2枚の第2基板G2に対する処理を行う際に、各第2基板G2を昇降させる必要が生じた場合には、前述した制御部9での制御により、各第2基板G2に対する昇降をそれぞれ独立して実行することができる。また、2枚の第2基板G2に対する処理を行なう際に、より細かく昇降グループ分けをする必要が生じた場合には、前述した制御部9での制御により、各第2基板G2に対する昇降をそれぞれ独立して実行することができる。これにより、例えば、静電吸着状態不良を解消することができる。なお、グループ分けに関して本実施形態のものに限定されない。
【0036】
以上、本開示の好ましい実施の形態について説明したが、本開示は上述した実施の形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 第1載置台
13 第1載置面
15 第1貫通孔
2 第2載置台
23 第2載置面
25 第2貫通孔
3 支持部
4 処理室
41 底部
42 駆動用挿通孔
5 駆動機構
52 昇降ピン
53 駆動部
9 制御部
10 基板処理装置
20 載置台
203 載置面
O11 中心線
G1 第1基板
G2 第2基板