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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-07
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】撮像ユニット及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20220104BHJP
   H04N 5/335 20110101ALI20220104BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N5/335
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020539394
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(86)【国際出願番号】 JP2019032894
(87)【国際公開番号】W WO2020045241
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2018163210
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真弓 和也
【審査官】田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-269784(JP,A)
【文献】特開2015-032653(JP,A)
【文献】国際公開第2016/132883(WO,A1)
【文献】特開2012-095177(JP,A)
【文献】特開2003-243637(JP,A)
【文献】特開2004-335628(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0345862(US,A1)
【文献】特開2003-068931(JP,A)
【文献】特開2014-145623(JP,A)
【文献】特開2014-017334(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252634(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子チップと、
前記撮像素子チップが載置されたパッケージ基板と、
前記撮像素子チップの受光面とは反対側の裏面と、前記パッケージ基板の前記撮像素子チップの載置面とを接着する接着部材と、
前記パッケージ基板の前記載置面と反対側の裏面に接着された回路基板と、を備え、
前記接着部材は、前記撮像素子チップの中心部分と接着する中心接着部と、前記撮像素子チップの前記中心部分から離間している周辺部分と接着する周辺接着部と、により構成されており、
前記周辺接着部は、その外周縁が前記撮像素子チップの周縁に対応する環状の領域に形成されている撮像ユニット。
【請求項2】
請求項1記載の撮像ユニットであって、
前記撮像素子チップの中心を基準としたときの前記受光面の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、前記中心接着部は、前記基準像高の45%の像高となる位置よりも内側の領域あり、前記周辺接着部は、前記基準像高の85%の像高となる位置から前記撮像素子チップの前記周縁までの領域ある撮像ユニット。
【請求項3】
請求項1又は2記載の撮像ユニットであって、
前記撮像素子チップの中心を基準としたときの前記受光面の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、前記中心接着部及び前記周辺接着部は、前記基準像高の50%の像高となる位置から基準像高の80%の像高となる位置の間には設けられていない、撮像ユニット。
【請求項4】
撮像素子チップと、
前記撮像素子チップが載置されたパッケージ基板と、
前記撮像素子チップの受光面とは反対側の裏面と、前記パッケージ基板の前記撮像素子チップの載置面とを接着する接着部材と、
前記パッケージ基板の前記載置面と反対側の裏面に接着された回路基板と、を備え、
前記接着部材は、前記撮像素子チップの中心部分と接着する中心接着部と、前記撮像素子チップの前記中心部分から離間している周辺部分と接着する周辺接着部と、により構成されており、
前記周辺接着部は、その外周縁が前記撮像素子チップの周縁と一致する前記撮像素子チップの4つの角部の領域に形成されている撮像ユニット。
【請求項5】
請求項4記載の撮像ユニットであって、
前記撮像素子チップの中心を基準としたときの前記受光面の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、前記中心接着部は、前記基準像高の45%の像高となる位置よりも内側の領域にあり、前記周辺接着部は、前記撮像素子チップの前記周縁から前記基準像高の55%の像高となる位置までの領域にある撮像ユニット。
【請求項6】
請求項5記載の撮像ユニットであって、
前記受光面に垂直な方向からみた状態における前記周辺接着部の面積は、前記撮像素子チップの前記周縁から前記基準像高が85%の像高となる位置までの環状領域の面積と同じである撮像ユニット。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の撮像ユニットを備える撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像ユニット及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal OXide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、スマートフォン等の携帯電話機、タブレット端末、又は内視鏡等の撮像機能を有する情報機器の需要が急増している。なお、以上のような撮像機能を有する電子機器を撮像装置と称する。
【0003】
撮像装置は、半導体チップである撮像素子チップと、この撮像素子チップを収容するパッケージと、このパッケージが実装される回路基板と、を含む撮像ユニットを備える。
【0004】
特許文献1には、撮像素子チップの裏面中央部とパッケージ基板とが接着される構成と、撮像素子チップの受光面側の4つのコーナー部とパッケージ基板とが接着される構成と、が開示されている。
【0005】
特許文献2には、撮像素子チップが載置されるパッケージ基板の載置面に凹部が形成され、この凹部内に充填された接着剤によって、撮像素子チップとパッケージ基板とが接着される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】日本国特開2017-139258号公報
【文献】日本国特開2008-098262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体チップを収容するパッケージ基板を回路基板に実装する際には、パッケージ基板と回路基板とを半田によって電気的に接続する工程において、ユニットが高温状態に置かれる。この工程の終了後、ユニットの温度が低下すると、ユニットの構成部品の線膨張係数の違いによって、バイメタル効果による反りが発生する。
【0008】
半導体チップが撮像素子チップである場合には、バイメタル効果による反りによって撮像素子チップの受光面の平坦性が確保できなくなる。このように受光面が反ると、受光面の周辺においては焦点がずれることになり、撮像画質に影響を与える。撮像素子チップのサイズが例えばフルサイズ等のように大きい場合には、バイメタル効果による反りへの対策が特に重要となる。特許文献1、2では、こういった撮像素子チップの反りの課題については認識していない。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、撮像素子チップの反りを防いで撮像画質を向上させることのできる撮像ユニットと、この撮像ユニットを備える撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像ユニットは、撮像素子チップと、上記撮像素子チップが載置されたパッケージ基板と、上記撮像素子チップの受光面とは反対側の裏面と、上記パッケージ基板の上記撮像素子チップの載置面とを接着する接着部材と、上記パッケージ基板の上記載置面と反対側の裏面に接着された回路基板と、を備え、上記接着部材は、上記撮像素子チップの中心部分と接着する中心接着部と、上記撮像素子チップの上記中心部分から離間している周辺部分と接着する周辺接着部と、により構成されているものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮像素子の反りを防いで撮像画質を向上させることのできる撮像ユニットと、この撮像ユニットを備える撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
図2図1に示すデジタルカメラ100における撮像ユニット50の断面模式図である。
図3図1に示すデジタルカメラ100における撮像ユニット50を模式的に示す分解斜視図である。
図4図2及び図3に示す撮像ユニット50の撮像素子チップ1を受光面10とは反対側の裏面側から受光面10に垂直な方向に見た平面模式図である。
図5図4に示す周辺部分1Bの形状の第一の変形例を示す図である。
図6図4に示す周辺部分1Bの形状の第二の変形例を示す図である。
図7】シミュレーションにおいて撮像素子チップ1の裏面に設定した像高を説明するための模式図である。
図8】検証例Aの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図9】検証例Bの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図10】検証例Cの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図11】検証例Dの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図12】検証例Eの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図13】検証例Fの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。
図14】比較検証例G1の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。
図15】比較検証例G2の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。
図16】比較検証例G3の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。
図17】比較検証例G4の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。
図18】検証例A~Fと比較検証例G1~G4における撮像素子チップ1の像高毎の反り量をシミュレーションした結果を示す図である。
図19図18に示した結果のうちの50%像高と80%像高における各検証例の反り量をまとめた図である。
図20】検証例A、C、Eにおける撮像素子チップ1の面内での反りの分布のシミュレーション結果を示す図である。
図21】検証例B、D、Fにおける撮像素子チップ1の面内での反りの分布のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラ100の概略構成を示す図である。
【0015】
図1に示すデジタルカメラ100は、撮像レンズ41と、絞り42と、レンズ駆動部43と、絞り駆動部44と、レンズ制御部45と、を有するレンズ装置40を備える。
【0016】
レンズ装置40は、デジタルカメラ100本体に着脱可能なものであってもよいし、デジタルカメラ100本体と一体化されたものであってもよい。
【0017】
撮像レンズ41は光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ又はズームレンズ等を含む。
【0018】
レンズ装置40のレンズ制御部45は、デジタルカメラ100のシステム制御部11と有線又は無線によって通信可能に構成される。
【0019】
レンズ制御部45は、システム制御部11からの指令にしたがい、レンズ駆動部43を介して撮像レンズ41に含まれるフォーカスレンズを駆動してフォーカスレンズの主点の位置を変更したり、絞り駆動部44を介して絞り42の開口量を制御したりする。
【0020】
デジタルカメラ100は、更に、撮像光学系を通して被写体を撮像するための撮像ユニット50と、システム制御部11と、操作部14と、を備える。
【0021】
撮像ユニット50は、CCD型イメージセンサ又はCMOS型イメージセンサ等の撮像素子51と、撮像素子51が実装された回路基板52と、を備える。
【0022】
撮像素子51は、複数の画素が二次元状に配置された受光面(後述の図3の受光面10)を有し、撮像光学系によってこの受光面10に結像される被写体像をこの複数の画素によって電気信号(画素信号)に変換して出力する。
【0023】
システム制御部11は、撮像素子51を駆動し、レンズ装置40の撮像光学系を通して撮像した被写体像を撮像画像信号として出力させる。システム制御部11には、操作部14を通してユーザからの指示信号が入力される。
【0024】
システム制御部11は、デジタルカメラ100全体を統括制御するものであり、ハードウェア的な構造は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサである。
【0025】
各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Prosessing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0026】
システム制御部11は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0027】
更に、このデジタルカメラ100の電気制御系は、RAM(Random Accsess Memory)から構成されるメインメモリ16と、メインメモリ16へのデータ記憶及びメインメモリ16からのデータ読み出しの制御を行うメモリ制御部15と、撮像ユニット50から出力される撮像画像信号に対しデジタル信号処理を行ってJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式等の各種フォーマットにしたがった撮像画像データを生成するデジタル信号処理部17と、記憶媒体21へのデータ記憶及び記憶媒体21からのデータ読み出しの制御を行う外部メモリ制御部20と、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ又は液晶ディスプレイ等で構成される表示部23と、表示部23の表示を制御する表示制御部22と、を備える。
【0028】
図2は、図1に示すデジタルカメラ100における撮像ユニット50の断面模式図である。図3は、図1に示すデジタルカメラ100における撮像ユニット50を模式的に示す分解斜視図である。
【0029】
図2及び図3に示すように、撮像ユニット50は、撮像素子51と、撮像素子51の背面に接着された回路基板52と、を備える。
【0030】
撮像素子51は、矩形板状又は円形板状等の板状(図2及び図3の例では矩形板状)の底部2aと、底部2aの端部に立設された矩形枠状又は円形枠状等の枠状(図2及び図3の例では矩形枠状)の壁部2bと、を有するパッケージ基板2を備える。パッケージ基板2は、壁部2bで囲まれる部分に凹部2cを有する構成である。
【0031】
撮像素子51は、更に、パッケージ基板2の凹部2cの底面2dに固定された撮像素子チップ1と、パッケージ基板2の壁部2bの上面に接着剤4により固定され、パッケージ基板2の凹部2cを塞いで撮像素子チップ1を封止する樹脂又はガラス等の透光性部材で構成された保護カバー3と、を備える。パッケージ基板2の底面2dは撮像素子チップ1が載置される載置面を構成する。
【0032】
撮像素子チップ1は、フォトダイオード等の光電変換素子、及び、光電変換素子に蓄積された電荷を信号に変換して読み出す読み出し回路等が形成された受光面10を含む半導体チップである。撮像素子チップ1は、平面形状が矩形であり、ダイボンド材として用いられる樹脂等の接着部材5によってパッケージ基板2の底面2dに接着されている。撮像素子チップ1の半導体基板は、例えばシリコンによって構成されている。
【0033】
詳細は後述するが、接着部材5は、撮像素子チップ1の中心部分と接着する中心接着部5aと、撮像素子チップ1におけるこの中心部分から離間した周辺部分と接着する周辺接着部5bと、によって構成されている。接着部材5の線膨張係数は、パッケージ基板2及び回路基板52よりも大きい。
【0034】
パッケージ基板2は、アルミナセラミック等の絶縁材料で構成されたもの、又は、タングステン等の導電性部材からなる導電層とアルミナセラミック等の絶縁材料からなる絶縁層とが積層された多層構造のもの等が用いられる。パッケージ基板2の線膨張係数は、撮像素子チップ1の線膨張係数よりも大きい。
【0035】
パッケージ基板2の凹部2cの底面2dには、図示省略の多数の端子が形成されており、これら端子と、撮像素子チップ1に形成されている電極パッドとが図示省略の導電性ワイヤ等によって電気的に接続されている。また、パッケージ基板2の保護カバー3が固定される側と反対側の背面2eには、パッケージ基板2の凹部2cの底面2dに形成された各端子と電気的に接続された端子が露出している。
【0036】
回路基板52は、パッケージ基板2の背面2eに、複数の導電性部材7によって接着されて固定されている。パッケージ基板2のこの背面2eに露出した上記の複数の端子の各々に、この導電性部材7が接触している。
【0037】
導電性部材7は、接着機能を持つ導電性材料で構成されていればよく、例えば、鉛と錫の合金からなるハンダ又は錫と銅の合金からなるハンダ等が用いられる。
【0038】
回路基板52は板状の部材である。回路基板52には、撮像素子チップ1を駆動する回路及び撮像素子チップ1から出力される信号を処理する回路等が形成されている。回路基板52のパッケージ基板2と固定されている側の面52aには、導電性部材7と接触する位置に、これら回路の端子が形成されている。したがって、回路基板52に含まれる回路の端子と、パッケージ基板2の背面に形成された端子とは、導電性部材7によって電気的に接続されている。
【0039】
回路基板52は、例えばガラスエポキシ樹脂と銅等を含んで構成されており、その線膨張係数は、パッケージ基板2の線膨張係数よりも大きい。回路基板52とパッケージ基板2の線膨張係数の差が、上述したバイメタル効果による撮像素子チップ1の反りを招く主要因となる。
【0040】
図4は、図2及び図3に示す撮像ユニット50の撮像素子チップ1を受光面10とは反対側の裏面側から受光面10に垂直な方向に見た平面模式図である。図4には、接着部材5の中心接着部5aと接着する撮像素子チップ1の中心部分1Aと、接着部材5の周辺接着部5bと接着する撮像素子チップ1の周辺部分1Bと、撮像素子チップ1の周縁1Cと、撮像素子チップ1の中心1Pとが示されている。中心1Pは、受光面10の中心と一致している。
【0041】
中心部分1Aは、撮像素子チップ1の裏面における中心1Pを中心とした矩形状、多角形状、又は円形状等の領域である。図4の例においては、中心部分1Aは矩形状となっている。中心部分1Aは、中心1Pを通り且つ撮像素子チップ1の長辺に沿う方向に延びる直線に対して線対称であり、且つ、中心1Pを通り且つ撮像素子チップ1の短辺に沿う方向に延びる直線に対して線対称の領域であることが望ましい。
【0042】
周辺部分1Bは、撮像素子チップ1の裏面における中心部分1Aから離間した領域であって、周縁1Cに隣接する領域である。図4の例では、周辺部分1Bは、周縁1Cに沿って延びる環状(図4の例では四角の枠状)の領域であり、周辺部分1Bの外周縁が周縁1Cと一致している。
【0043】
発明者は、検証の結果、撮像ユニット50における接着部材5を、以上の構成の中心部分1Aと接着する上記の中心接着部5aと、以上の構成の周辺部分1Bと接着する上記の周辺接着部5bと、によって構成することで、上記のバイメタル効果によって生じる撮像素子チップ1の反りを低減できることを見出した。
【0044】
撮像素子チップ1の中心部分1Aと周辺部分1Bが接着部材5によってパッケージ基板2に接着されることで、撮像素子チップ1の裏面には、パッケージ基板2と接着されている接着領域と、パッケージ基板2と接着されていない非接着領域と、パッケージ基板2と接着されている接着領域とが、中心1Pから周縁1Cに向かって並ぶことになる。
【0045】
撮像素子チップ1の反りは、パッケージ基板2と接着されていることで生じ得る。つまり、接着部材5そのものが反りを生じさせ得る応力の発生原因となる。
【0046】
実際に、撮像素子チップ1における中心1Pから所定距離r離れた位置での反り量は、パッケージ基板2と接着された接着領域(中心部分1Aと周辺部分1B)においては所定距離rの二乗に比例し、パッケージ基板2と接着されていない非接着領域(中心部分1Aと周辺部分1B以外の部分)においては所定距離rに比例することが、後述する図18のシミュレーションの結果から明らかになっている。
【0047】
撮像素子チップ1においては、撮像素子チップ1の中心1Pを基準としたときの受光面10の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、基準像高の50%付近の像高となる位置における反り量と、基準像高の80%付近の像高となる位置における反り量を小さくすることが、撮像画像の品質低下を防ぐ上で重要となる。
【0048】
したがって、基準像高の50%付近の像高となる位置から基準像高の80%付近の像高となる位置の間には接着領域を設けないようにすることで、撮像画像の品質低下を最も効果的に防ぐことができる。具体的には、図4に示す中心部分1Aは、基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側(中心1P側)の領域とすることが好ましく、図4に示す周辺部分1Bは、基準像高の85%以上の像高となる位置から撮像素子チップ1の周縁1Cまでの領域とするのが好ましい。
【0049】
また、発明者は、検証の結果、図4に示す周辺部分1Bを、中心部分1Aを取り囲む環状の領域ではなく、撮像素子チップ1の4つの角部とすることでも、バイメタル効果によって生じる撮像素子チップ1の反りを低減できることを見出した。撮像素子チップ1の角部とは、周縁1Cの角に隣接し且つこの角から延びる周縁1Cの2辺に接する矩形状、多角形状、又は円形状等の領域を言う。
【0050】
図5は、図4に示す周辺部分1Bの形状の第一の変形例を示す図である。図5に示す例では、撮像素子チップ1の4つの角部の各々が周辺部分1Bとなっている。図5では、撮像素子チップ1の角部が、周縁1Cの角を含む矩形状である例を示している。
【0051】
図6は、図4に示す周辺部分1Bの形状の第二の変形例を示す図である。図6に示す例では、撮像素子チップ1の4つの角部の各々が周辺部分1Bとなっている。図6では、撮像素子チップ1の角部が、周縁1Cの角を含むL字状である例を示している。
【0052】
図5及び図6に示す変形例においては、周辺部分1B同士が離間しており、隣接する周辺部分1B同士の間に非接着領域が存在する。このため、基準像高の80%の像高となる位置において、接着領域が存在する範囲は、図4に示す例よりも少なくすることができる。したがって、少なくとも、基準像高の50%付近の像高となる位置には接着領域が存在しないようにすることで、撮像画像の品質低下を最も効果的に防ぐことができる。
【0053】
具体的には、図5及び図6に示す中心部分1Aは、基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側の領域とすることが好ましく、図5及び図6に示す周辺部分1Bは、基準像高の55%の像高となる位置から撮像素子チップ1の周縁1Cまでの間の領域に設けることが好ましい。
【0054】
また、図5及び図6に示す4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、図4に示す周辺部分1Bの面積と同じにすることが好ましい。上述したように、図4に示す周辺部分1Bは、基準像高の85%以上の像高となる位置から撮像素子チップ1の周縁1Cまでの領域であるため、図5及び図6に示す4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、周縁1Cから基準像高の85%以上の像高となる位置までの領域の面積と同じとすることが好ましい。
【0055】
以下では、撮像ユニット50における撮像素子チップ1の反り量を、有限要素法を用いたシミュレーションにより検証した結果を説明する。
【0056】
図7は、シミュレーションにおいて撮像素子チップ1の裏面に設定した像高を説明するための模式図である。本シミュレーションにおいては、撮像素子チップ1の中心1Pを基準としたときの受光面10の周縁の位置における像高を基準像高としている。
【0057】
撮像素子チップ1の周縁1Cの位置における像高は、基準像高の103%となっている。図7に示す矩形枠Z1の位置における像高は、基準像高の92%となっている。図7に示す矩形枠Z2の位置における像高は、基準像高の80%となっている。図7に示す矩形枠Z3の位置における像高は、基準像高の65%となっている。図7に示す矩形枠Z4の位置における像高は、基準像高の45%となっている。
【0058】
周縁1C、受光面10、矩形枠Z1、矩形枠Z2、矩形枠Z3、及び矩形枠Z4の各々の外形は、中心1Pを中心とする相似形となっている。撮像素子チップ1の裏面における矩形枠Z4の内側の領域の面積と、撮像素子チップ1の裏面における矩形枠Z4と矩形枠Z3の間の領域の面積と、撮像素子チップ1の裏面における矩形枠Z3と矩形枠Z2の間の領域の面積と、撮像素子チップ1の裏面における矩形枠Z2と矩形枠Z1の間の領域の面積と、撮像素子チップ1の裏面における矩形枠Z1と周縁1Cの間の領域の面積と、は同じになっている。
【0059】
撮像ユニット50の撮像素子チップ1の裏面における接着部材5と接着する領域の構成として、図4に示した構成に相当する検証例A、Bと、図5に示した構成に相当する検証例C、Dと、図6に示した構成に相当する検証例E、Fと、比較検証例G1~G4について、撮像素子チップ1の反り量をシミュレーションした。検証例A~Fと比較検証例G1~G4を含む全ての検証例において、接着部材5の材料物性値は同一とした。
【0060】
図8は、検証例Aの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Aでは、矩形枠Z4の内側の領域を中心部分1Aとし、矩形枠Z1と周縁1Cとの間の領域を周辺部分1Bとしている。
【0061】
図9は、検証例Bの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Bにおける中心部分1Aは、図8の検証例Aにおける中心部分1Aを縮小した構成である。検証例Bにおける周辺部分1Bは、図8の検証例Aにおける周辺部分1Bを拡大した構成である。図9に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値は、図8に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値と同じに設定されている。
【0062】
検証例Bにおける中心部分1Aの周縁の位置における像高は基準像高の35%となっている。検証例Bにおける周辺部分1Bの内周縁の位置における像高は、基準像高の87%となっている。
【0063】
図10は、検証例Cの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Cでは、矩形枠Z4の内側の領域を中心部分1Aとし、撮像素子チップ1の4つの角部(周縁1Cの角を含む矩形状の領域)を周辺部分1Bとしている。検証例Cにおける各周辺部分1Bは、基準像高の63%の像高となる位置よりも周縁1C側に位置している。図10に示した4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、図8の周辺部分1Bの面積と同じになっている。
【0064】
図11は、検証例Dの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Dにおける中心部分1Aは、検証例Cにおける中心部分1Aを縮小した構成である。検証例Dにおける周辺部分1Bは、検証例Cにおける周辺部分1Bを拡大した構成である。検証例Dにおける各周辺部分1Bは、基準像高の55%の像高となる位置よりも周縁1C側に位置している。検証例Dにおける中心部分1Aの周縁の位置における像高は基準像高の35%となっている。図11に示した4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、図9の周辺部分1Bの面積と同じになっている。
【0065】
図12は、検証例Eの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Eでは、矩形枠Z4の内側の領域を中心部分1Aとし、撮像素子チップ1の4つの角部(周縁1Cの角を含むL字状の領域)を周辺部分1Bとしている。検証例Eにおける各周辺部分1Bは、矩形枠Z3よりも周縁1C側に位置している。図12に示した4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、図8の周辺部分1Bの面積と同じになっている。
【0066】
図13は、検証例Fの撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した中心部分1Aと周辺部分1Bを示す図である。検証例Fにおける中心部分1Aは、検証例Eにおける中心部分1Aを縮小した構成である。検証例Fにおける周辺部分1Bは、検証例Eにおける周辺部分1Bを拡大した構成である。検証例Fにおける各周辺部分1Bは、矩形枠Z3よりも周縁1C側に位置している。図13に示した4つの周辺部分1Bの面積の合計値は、図9の周辺部分1Bの面積と同じになっている。
【0067】
図14は、比較検証例G1の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。比較検証例G1では、矩形枠Z3の内側の領域のみを、接着部材5と接着する接着領域1Dとしている。図14に示した接着領域1Dの面積は、図8に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値と同じに設定されている。
【0068】
図15は、比較検証例G2の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。比較検証例G2では、矩形枠Z4と矩形枠Z2との間の領域のみを、接着部材5と接着する接着領域1Eとしている。図15に示した接着領域1Eの面積は、図8に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値と同じに設定されている。
【0069】
図16は、比較検証例G3の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。比較検証例G3では、矩形枠Z3と矩形枠Z1との間の領域のみを、接着部材5と接着する接着領域1Fとしている。図16に示した接着領域1Fの面積は、図8に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値と同じに設定されている。
【0070】
図17は、比較検証例G4の撮像ユニット50における撮像素子チップ1の裏面に設定した接着部材5との接着領域を示す図である。比較検証例G4では、矩形枠Z2と周縁1Cとの間の領域のみを、接着部材5と接着する接着領域1Gとしている。図17に示した接着領域1Gの面積は、図8に示した中心部分1Aと周辺部分1Bの面積の合計値と同じに設定されている。
【0071】
図18は、検証例A~Fと比較検証例G1~G4における撮像素子チップ1の像高毎の反り量をシミュレーションした結果を示す図である。図18の横軸は、基準像高を100%としたときの像高割合を示している。図18の縦軸は、受光面10に垂直な方向における中心1Pの位置を基準としたときの撮像素子チップ1の反り量を示している。
【0072】
図18に示すように、中心部分1Aと周辺部分1Bを持つ検証例A~Fの撮像ユニット50は、中心部分1Aのみを持つ比較検証例G1の撮像ユニット50と、枠状の接着領域のみを持つ比較検証例G2~G4の撮像ユニット50と比べると、撮像素子チップ1の反り量が全体的に抑制できていることが分かる。
【0073】
図19は、図18に示した結果のうちの50%像高と80%像高における各検証例の反り量をまとめた図である。図19に示すように、中心部分1Aと周辺部分1Bを持つ検証例A~Fの撮像ユニット50は、50%像高における反り量が許容上限値である25μmよりも下回っており、且つ、80%像高における反り量が許容上限値である50μmよりも下回っている。このように、検証例A~Fの撮像ユニット50によれば、撮像画像の品質に影響のある50%像高における反り量と80%像高における反り量を両方とも許容上限値以下とすることができ、撮像画像の品質低下を防ぐことができる。
【0074】
図8に示す検証例Aは、中心部分1Aが基準像高の45%の像高となる位置よりも内側の領域であり、周辺部分1Bが基準像高の92%の像高となる位置から周縁1Cまでの領域である。また、図9に示す検証例Bは、中心部分1Aが基準像高の35%の像高となる位置よりも内側の領域であり、周辺部分1Bが基準像高の87%の像高となる位置から周縁1Cまでの領域である。したがって、図19に示す検証例A,Bの結果から、図4に示す構成においては、中心部分1Aが基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側にあり、且つ、周辺部分1Bが基準像高の85%以上の像高となる位置と周縁1Cまでの領域であることで、撮像画像の品質低下を効果的に防げることが証明された。
【0075】
また、図10に示す検証例Cは、中心部分1Aが基準像高の45%の像高となる位置よりも内側の領域であり、周辺部分1Bが基準像高の63%の像高となる位置から周縁1Cまでの領域にある。また、図11に示す検証例Dは、中心部分1Aが基準像高の35%の像高となる位置よりも内側の領域であり、周辺部分1Bが基準像高の55%の像高となる位置から周縁1Cまでの領域にある。また、図12に示す検証例Eは、中心部分1Aが基準像高の45%の像高となる位置よりも内側の領域であり、且つ、周辺部分1Bが基準像高の65%の像高となる位置よりも周縁1C側にある。また、図13に示す検証例Fは、中心部分1Aが基準像高の35%の像高となる位置よりも内側の領域であり、周辺部分1Bが基準像高の65%の像高となる位置よりも周縁1C側にある。
【0076】
したがって、図19に示す検証例C~Fの結果から、図5及び図6に示す構成においては、中心部分1Aが基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側にあり、且つ、周辺部分1Bが基準像高の55%の像高となる位置から周縁1Cまでの領域にあることで、撮像画像の品質低下を効果的に防げることが証明された。
【0077】
図20は、検証例A、C、Eにおける撮像素子チップ1の面内での反りの分布のシミュレーション結果を示す図である。図21は、検証例B、D、Fにおける撮像素子チップ1の面内での反りの分布のシミュレーション結果を示す図である。図20及び図22においてハッチングを付した領域は、薄いハッチングが付されているものほど、反り量が大きい領域となっている。図20及び図22において、上下方向は撮像素子チップ1の直交する2辺のうちの一方の辺に沿う方向であり、左右方向は撮像素子チップ1のこの2辺のうちの他方の辺に沿う方向である。
【0078】
図20及び図21に示すように、検証例Aと検証例Bの構成によれば、撮像素子チップ1の上記の2辺の各々に沿った方向における反り量をほぼ均等にすることができる。このため、受光面10に反りが生じていても、歪みの目立たない高品質の撮像画像を得ることができる。
【0079】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0080】
(1)
撮像素子チップと、
上記撮像素子チップが載置されたパッケージ基板と、
上記撮像素子チップの受光面とは反対側の裏面と、上記パッケージ基板の上記撮像素子チップの載置面とを接着する接着部材と、
上記パッケージ基板の上記載置面と反対側の裏面に接着された回路基板と、を備え、
上記接着部材は、上記撮像素子チップの中心部分と接着する中心接着部と、上記撮像素子チップの上記中心部分から離間している周辺部分と接着する周辺接着部と、により構成されている撮像ユニット。
【0081】
(2)
(1)記載の撮像ユニットであって、
上記周辺部分は、上記撮像素子チップの周縁に沿って延びる環状の領域である撮像ユニット。
【0082】
(3)
(2)記載の撮像ユニットであって、
上記撮像素子チップの中心を基準としたときの上記受光面の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、上記中心部分は、上記基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側の領域であり、上記周辺部分は、上記基準像高の85%以上の像高となる位置から上記撮像素子チップの上記周縁までの領域である撮像ユニット。
【0083】
(4)
(1)記載の撮像ユニットであって、
上記周辺部分は、上記撮像素子チップの4つの角部である撮像ユニット。
【0084】
(5)
(4)記載の撮像ユニットであって、
上記撮像素子チップの中心を基準としたときの上記受光面の周縁の位置における像高を基準像高とした場合に、上記中心部分は、上記基準像高の45%以下の像高となる位置よりも内側の領域であり、上記4つの角部は、上記撮像素子チップの上記周縁から上記基準像高の55%の像高となる位置までの領域にある撮像ユニット。
【0085】
(6)
(5)記載の撮像ユニットであって、
上記受光面に垂直な方向からみた状態における上記4つの角部の面積の合計値は、上記撮像素子チップの上記周縁から上記基準像高の85%以上の像高となる位置までの領域の面積と同じである撮像ユニット。
【0086】
(7)
(1)~(6)のいずれか1つに記載の撮像ユニットを備える撮像装置。
【0087】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0088】
なお、本出願は、2018年8月31日出願の日本特許出願(特願2018-163210)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ロボット、又は内視鏡等の撮像機能を有する電子機器に適用して利便性が高く、有効である。
【符号の説明】
【0090】
100 デジタルカメラ
11 システム制御部
14 操作部
41 撮像レンズ
42 絞り
43 レンズ駆動部
44 絞り駆動部
45 レンズ制御部
50 撮像ユニット
51 撮像素子
52 回路基板
52a 面
15 メモリ制御部
16 メインメモリ
17 デジタル信号処理部
20 外部メモリ制御部
21 記憶媒体
22 表示制御部
23 表示部
1 撮像素子チップ
10 受光面
1A 中心部分
1B 周辺部分
1C 周縁
1P 中心
1D、1E、1F、1G 接着領域
Z1 矩形枠(92%像高)
Z2 矩形枠(80%像高)
Z3 矩形枠(65%像高)
Z4 矩形枠(45%像高)
2 パッケージ基板
2a 底部
2b 壁部
2c 凹部
2d 底面
2e 背面
3 保護カバー
4 接着剤
5 接着部材
5a 中心接着部
5b 周辺接着部
7 導電性部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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