(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-08
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】マーク付き光学積層体、及び、マーク付き光学積層体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B41M 5/26 20060101AFI20220104BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20220104BHJP
【FI】
B41M5/26
B32B7/023
(21)【出願番号】P 2020203483
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2021-08-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】堀口 司
(72)【発明者】
【氏名】藤井 幹士
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-114328(JP,A)
【文献】特開2014-211568(JP,A)
【文献】特開2014-010296(JP,A)
【文献】特開2017-151410(JP,A)
【文献】特開2009-119658(JP,A)
【文献】特表2014-514177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/26
G02B 5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、を備えるマーク付き光学積層体の製造方法であって、
前記光学積層体は、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有し、
前記レーザービームを照射する工程では、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記領域Bの表面にレーザービームを照射してマークを付与する、マーク付き光学積層体の製造方法。
【請求項2】
前記領域Bは、
両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルム、及び/又は、
30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体、を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記レーザービームを、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記領域Bの表面において、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に、前記領域A及び前記領域Bの境界から、1~20mm離れた位置に照射して前記マークを付与する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面における前記レーザービームの強度が0.001~0.1J/mm
2である、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記光学積層体は長尺形状を有し、前記マークは前記光学積層体の長手方向の位置に関する情報を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
積層された複数の光学フィルムを備える光学積層体であって、
前記光学積層体は、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有し、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な、前記光学積層体の前記領域Bの表面にレーザービームによるマークが付与された、光学積層体。
【請求項7】
前記領域Bは、
両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルム、及び/又は、
30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体、を有する、請求項6に記載の光学積層体。
【請求項8】
前記マークは、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の前記領域Bの表面において、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に前記領域A及び前記領域Bの境界から、1~20mm離れた位置に付与された、請求項6又は7に記載の光学積層体。
【請求項9】
前記光学積層体は長尺形状を有し、前記マークは前記光学積層体の長手方向に離間して複数付与された、請求項6~8のいずれか一項に記載の光学積層体。
【請求項10】
請求項
9に記載の光学積層体
における欠陥を検査する方法であって、
前記光学積層体を長手方向に搬送する工程と、
搬送される前記光学積層体における欠陥を検出する工程と、
搬送される前記光学積層体の前記マークを検出する工程と、
検出された欠陥の前記光学積層体の長手方向における位置を検出されたマークの位置を基準として取得する工程と、
前記位置に関する情報を記憶装置に記憶する工程と、を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーク付き光学積層体及びその製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光学フィルムを有する光学積層体においては、光学積層体における位置を正確に後工程で判断することができるように、レーザービームによりマークを付与することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-512393号公報
【文献】特許5347406号公報
【文献】特許5925609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光学積層体にレーザービームによりマークを付与すると、マークの読み取り時に読み取りエラーが生じることがある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、マークの読み取り時に読み取りエラーが生じにくいマーク付き光学積層体及びその製造方法、並びに光学積層体の検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが検討した結果、光学積層体の表面にレーザービームによりマークを付与すると、光学フィルム間に気泡が生じることがあること、そして、光学フィルム間に気泡が生じるとマークの読み取り時に読み取りエラーが生じることを見出した。
【0007】
また、本発明者らが検討した結果、マーク付きの光学積層体の表面が外部に露出したままだと、光学積層体の搬送時にマークの欠落等が生じ、マークの読み取り時に読み取りエラーが生じることを見出した。
【0008】
本発明の一側面に関するマーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、を備える。前記光学積層体は、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有し、前記レーザービームを照射する工程では、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記領域Bの表面にレーザービームを照射してマークを付与する。
【0009】
本発明によれば、弱接着界面のある領域Aをさけて、領域Bの表面にレーザービームが照射されるので、弱接着界面における気泡の発生が抑制される。
【0010】
ここで、前記領域Bは、
両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルム、及び/又は、
30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体、を有することができる。
【0011】
上記の発明において、前記レーザービームを、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記領域Bの表面において、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に、前記領域A及び前記領域Bの境界から、1~20mm離れた位置に照射して前記マークを付与することができる。
【0012】
本発明にかかる他の一側面に係るマーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、を備える。
前記光学積層体は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ備え、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の一方の表面と、各前記界面との距離が80μm以上であり、前記レーザービームを照射する工程では、前記光学積層体の前記一方の表面にレーザービームを照射する。
【0013】
本発明によれば、レーザービームが照射される表面と弱接着界面との距離がある程度確保されるので、弱接着界面におけるレーザービームのエネルギーが弱く、界面での気泡の発生が抑制される。
【0014】
上記の各発明において、前記表面における前記レーザービームの強度が0.001~0.1J/mm2であることができる。
【0015】
本発明の更に他の一側面に係るマーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、
前記光学積層体の前記マークが付与された面上に保護フィルムを積層して前記マークを被覆する工程と、を備える。
【0016】
本発明によれば、マークが保護フィルムに被覆されるので、光学積層体のハンドリング時にマークが破損することが抑制される。
【0017】
上記の各発明において、前記光学積層体は長尺形状を有することができ、前記マークは前記光学積層体の長手方向の位置に関する情報を含むことができる。
【0018】
本発明の一側面に関する光学積層体は、積層された複数の光学フィルムを備え、
前記光学積層体は、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有し、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な、前記光学積層体の前記領域Bの表面にレーザービームによるマークが付与されている。
【0019】
上記発明において、前記領域Bは、
両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルム、及び/又は、
30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体、を有することができる。
【0020】
上記の光学積層体の発明において、前記マークは、前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の前記領域Bの表面において、前記光学フィルムの積層方向と垂直な方向に前記領域A及び前記領域Bの境界から、1~20mm離れた位置に付与されていることができる。
【0021】
本発明の他の一側面に係る光学積層体は、積層された複数の光学フィルムを備え、
前記光学積層体は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ備え、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の一方の表面と、各前記界面との距離が80μm以上であり、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の前記一方の表面にレーザービームによるマークが付与されている。
【0022】
ここで、前記光学積層体は長尺形状を有し、前記マークは前記光学積層体の長手方向に離間して複数付与されることができる。
【0023】
本発明の他の一側面に係る保護フィルム付き光学積層体は、
積層された複数の光学フィルムを有する光学積層体と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の一方の表面に積層された保護フィルムと、を備え、
前記光学積層体は前記光学積層体の積層方向の一方の表面にレーザービームにより形成されたマークを有し、
前記保護フィルムは、前記マークを被覆している。
【0024】
ここで、前記光学積層体は長尺形状を有し、前記マークは前記光学積層体の長手方向に離間して複数付与されていることができる。
【0025】
本発明の他の一側面に係る方法は、上記の光学積層体、又は、保護フィルム付き光学積層体における欠陥を検査する方法であって、
前記光学積層体を長手方向に搬送する工程と、
搬送される前記光学積層体における欠陥を検出する工程と、
搬送される前記光学積層体の前記マークを検出する工程と、
検出された欠陥の前記光学積層体の長手方向における位置を検出されたマークの位置を基準として取得する工程と、
前記位置に関する情報を記憶装置に記憶する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、マークの読み取り時に読み取りエラーが生じにくい光学積層体、その製造方法、並びに、これを用いた検査方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は第1実施形態に係る光学積層体の一例の端部の断面図である。
【
図2】
図2は第1実施形態に係る光学積層体の他の一例の端部の断面図である。
【
図3】
図3は第1実施形態に係る光学積層体の他の一例の端部の断面図である。
【
図4】
図4は第1実施形態に係る光学積層体の一例の端部の断面図である。
【
図5】
図5は第2実施形態に係る光学積層体の一例の端部の断面図である。
【
図6】
図6は第3実施形態に係る光学積層体の一例の端部の断面図である。
【
図7】
図7は第4実施形態に係る光学積層体の検査方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0029】
(第1実施形態)
図1~4を参照して、第1実施形態に係るマーク付き光学積層体の製造方法及びマーク付き光学積層体について説明する。
【0030】
本実施形態に係るマーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
光学フィルムの積層方向に垂直な光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、を備える。
【0031】
本実施形態に係る光学積層体は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、
0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有する。そして、光学フィルムの積層方向に垂直な、光学積層体の領域Bの表面にレーザービームによるマークが付与されている。
【0032】
なお、なお、本明細書において「積層」とは、2つの層が接触し、かつ、当該2つの層の間の密着力が0を超えることを言う。
【0033】
図1に、本実施形態に係る光学積層体100(マーク付き光学積層体100M)の積層構造の1例を示す。
図1では、光学積層体100は、下側から順に、プロテクトフィルム11、粘着剤層12、トリアセチルセルロースフィルム13、接着剤層14、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(偏光子層)15、接着剤層16、環状オレフィン系樹脂フィルム17を備える。
【0034】
プロテクトフィルム11と粘着剤層12との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム13と接着剤層14との界面の密着力、接着剤層14とポリビニルアルコール系樹脂フィルム15との界面の密着力、及び、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム15と接着剤層16との界面の密着力、及び、接着剤層16と環状オレフィン系樹脂フィルム17との界面の密着力は、それぞれ、30fg/25mm以上であり、好適には、150gf/25mm以上である。
【0035】
本明細書において、界面の密着力は、以下のように測定される力である。
積層体サンプルの一方の面をソーダガラスの表面にアクリル系粘着剤を用いて固定し、サンプルを構成する層を順次剥離し、剥離に要する荷重を測定することにより、各界面の密着力を測定する。剥離力の測定方法はJISK6854-2 1999に準拠する。評価サンプルの幅は25mm、剥離角は180°、剥離速度300mm/minとする。剥離力はgf/25mmの単位で表される。具体的には、例えば、(株)島津製作所製の「オートグラフAGS-50NX」を用いて測定することができる。
【0036】
一方、粘着剤層12とトリアセチルセルロースフィルム13との界面IF1の密着力は、0を超えかつ30gf/25mm未満である。この密着力は、具体的には、3~25gf/25mmであることができる。
【0037】
プロテクトフィルム11及び粘着剤層12の端面は、トリアセチルセルロースフィルム13の端面よりも内側に配置され、トリアセチルセルロースフィルム13の下面には粘着剤層12等の他の層が積層されない部分が形成されている。トリアセチルセルロースフィルム13の端面EF1は、粘着剤層12及びプロテクトフィルム11の端面EF2よりも外側に配置されており、端面EF1,EF2間の幅は、例えば1~30mmとすることができる。
【0038】
接着剤層14、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム15、接着剤層16、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム17の端面EF3は、トリアセチルセルロースフィルム13の端面EF1よりも内側に配置され、トリアセチルセルロースフィルム13の上面には接着剤層14等の他の層が積層されない部分が形成されている。なお、
図1では、接着剤層14、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム15、接着剤層16、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム17の端面EF3が、トリアセチルセルロースフィルム13の端面EF1よりも内側に配置されているが、同じ位置に配置されていてもよい。これらの端面EF1、EF3間の距離に限定はなく、例えば、0~30mmであることができる。
【0039】
図1の光学積層体100において、粘着剤層12とトリアセチルセルロースフィルム13との界面IF1の密着力は0を超えかつ30gf/25mm未満であるから、光学積層体100のうち界面IF1を有する部分が領域Aとなる。また、光学積層体100のうち両面に他の光学フィルムが一切積層されていないトリアセチルセルロースフィルム13のみを有する部分は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さないから領域Bとなる。すなわち、光学積層体100は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って領域Aと領域Bとを有し、領域Aと領域Bとの境界は粘着剤層12及びプロテクトフィルム11の端面EF2に平行な面BDである。
【0040】
図2に、本実施形態に係る光学積層体100の他の1例を示す。
図2では、光学積層体100は、下側から順に、トリアセチルセルロースフィルム(基材)21、λ/2位相差板22、紫外線硬化接着剤層23、λ/4位相差板24、トリアセチルセルロースフィルム25を備える。
【0041】
トリアセチルセルロースフィルム21とλ/2位相差板22との界面IF2の密着力、及び、λ/4位相差板24とトリアセチルセルロースフィルム25との界面IF3の密着力は、それぞれ、0を超え30gf/25mm未満であり、好適には、それぞれ、3~25gf/25mmである。
【0042】
一方、λ/2位相差板22と紫外線硬化接着剤層23との界面の密着力、及び、紫外線硬化接着剤層23とλ/4位相差板24との界面の密着力は、30gf/25mm以上である。この密着力は、具体的には、150gf/25mm以上であることができる。
【0043】
λ/2位相差板22、紫外線硬化接着剤層23、及び、λ/4位相差板24の端面EF4は、一対のトリアセチルセルロースフィルム21,25の端面EF5と一致しておらず、一対のトリアセチルセルロースフィルム21,25の端面EF5よりも内側に配置されている。端面EF4と端面EF5との幅は、1~30mmとすることができる。
【0044】
図2の光学積層体100において、トリアセチルセルロースフィルム21とλ/2位相差板22との界面IF2、及び、トリアセチルセルロースフィルム25とλ/4位相差板24とのIF3の密着力は0を超えかつ30gf/25mm未満であるから、光学積層体100のうち界面IF2,IF3を有する部分が領域Aとなる。また、光学積層体100のうち両面に他の光学フィルムが一切積層されていないトリアセチルセルロースフィルム21,25のみを有する部分は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さないから領域Bとなる。すなわち、
図2の光学積層体100は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って領域Aと領域Bとを有し、領域Aと領域Bとの境界は、λ/2位相差板22、紫外線硬化接着剤層23,及び、λ/4位相差板24の端面EF4に平行な面BDである。
【0045】
なお、
図2では、領域Bにおいて、トリアセチルセルロースフィルム21、25間が離間しており、互いに積層されておらず、密着力は0である。
【0046】
図3に、本実施形態に係る光学積層体100の他の1例を示す。
図3では、光学積層体100は、下側から順に、プロテクトフィルム31、粘着剤層32、トリアセチルセルロースフィルム33、接着剤層34、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35,接着剤層36、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム37を備える。
【0047】
プロテクトフィルム31と粘着剤層32との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム33と接着剤層34との界面の密着力、接着剤層34とポリビニルアルコール系樹脂フィルム35との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35と接着剤層36との界面の密着力、及び、接着剤層36と環状オレフィン系樹脂フィルム37との界面の密着力は、いずれも、30gf/25mm以上である。これらの密着力は、具体的には、150gf/25mm以上であることができる。
【0048】
一方、粘着剤層32とトリアセチルセルロースフィルム33と粘着剤層32との界面IF4の密着力は、0を超え30gf/25mm未満であり、好適には、3~25gf/25mmである。
【0049】
接着剤層34、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35及び接着剤層36の端面EF6、トリアセチルセルロースフィルム33の端面EF7の位置は、プロテクトフィルム31、粘着剤層32、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム37の端面EF8の位置と一致しておらず、端面EF8よりも内側に配置されている。端面EF8,EF7間の距離に限定はなく、例えば、1~30mmであることができる。端面EF6,EF7間の距離は0~30mmとすることができる。
【0050】
図3では、接着剤層34、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35、及び、接着剤層36の端面EF6が、トリアセチルセルロースフィルム33の端面EF7よりも更に内側にあるが、同一でもよい。
【0051】
図3の光学積層体100において、粘着剤層32とトリアセチルセルロースフィルム33との界面IF4の密着力は0を超えかつ30gf/25mm未満であるから、光学積層体100のうち界面IF4を有する部分が領域Aとなる。また、光学積層体100のうち両面に他の光学フィルムが一切積層されていない環状オレフィン系樹脂フィルム37、及び、プロテクトフィルム31と粘着剤層32との積層体を含む部分は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さないから領域Bとなる。すなわち、
図3の光学積層体100は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って領域Aと領域Bとを有し、領域Aと領域Bとは、トリアセチルセルロースフィルム33の端面EF7に平行な面BDである。
【0052】
図4に、本実施形態に係る光学積層体100の他の1例を示す。
図4では、光学積層体100は、下側から順に、プロテクトフィルム71、粘着剤層72、トリアセチルセルロースフィルム73、接着剤層74、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75、接着剤層76、環状オレフィン系樹脂フィルム77、粘着剤層78,及び、剥離フィルム79を備える。
【0053】
プロテクトフィルム71と粘着剤層72との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム73と接着剤層74との界面の密着力、接着剤層74とポリビニルアルコール系樹脂フィルム75との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75と接着剤層76との界面の密着力、接着剤層76と環状オレフィン系樹脂フィルム77との界面の密着力、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム77と粘着剤層78との界面の密着力は、いずれも、30gf/25mm以上である。これらの密着力は、具体的には、150gf/25mm以上であることができる。
【0054】
一方、粘着剤層72とトリアセチルセルロースフィルム73との界面IF5の密着力、及び、粘着剤層78と剥離フィルム79の界面IF6の密着力は、0を超え30gf/25mm未満であり、好適には、3~25gf/25mmである。
【0055】
トリアセチルセルロースフィルム73、環状オレフィン系樹脂フィルム77、粘着剤層78の端面EF9は、プロテクトフィルム71、粘着剤層72、及び剥離フィルム79の端面EF10よりも内側に配置されている。また、接着剤層74、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75、及び、接着剤層76の端面EF11は、トリアセチルセルロースフィルム73、環状オレフィン系樹脂フィルム77、粘着剤層78の端面EF9の位置と一致しておらず、端面EF9よりも内側に配置されている。端面EF10及びEF9間の距離及び端面EF9及びEF11間の距離に限定はなく、それぞれ、例えば、1~30mm、0~30mmであることができる。
【0056】
図4では、接着剤層74、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75、及び、接着剤層76の端面EF10が、トリアセチルセルロースフィルム73、環状オレフィン系樹脂フィルム77、及び粘着剤層78の端面EFF9よりも更に内側にあるが、同一でもよい。
【0057】
図4の光学積層体100において、粘着剤層72とトリアセチルセルロースフィルム73との界面IF5及び粘着剤層78及び剥離フィルム79との界面IF6の密着力は0を超えかつ30gf/25mm未満であるから、光学積層体100のうち界面IF5及びIF6を有する部分が領域Aとなる。また、光学積層体100のうち両面に他の光学フィルムが一切積層されていない剥離フィルム79、及び、プロテクトフィルム71と粘着剤層72との積層体を含む部分では、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さないから領域Bとなる。すなわち、
図4の光学積層体100は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って領域Aと領域Bとを有し、領域Aと領域Bとは、トリアセチルセルロースフィルム73、環状オレフィン系樹脂フィルム77、及び粘着剤層78の端面EF9に平行な面BDである。
【0058】
(その他の光学積層体の態様)
なお、光学積層体の層構成は、領域Aが0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有し、領域Bが0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない限り、自由に設定することができる。
【0059】
領域Bは、両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルムのみを1又は複数有してもよく、30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体を1又は複数有してもよく、これらの任意の組み合わせを有してもよい。
【0060】
例えば、
図1は、領域Bが両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルムを1つのみ有する例であり、
図2の光学積層体は、領域Bが両面に他の光学フィルムが一切積層されていない光学フィルムを2つ有する例であり、
図3及び
図4は、領域Bが、両面に他の光学フィルムが一切積層されていない1つの光学フィルム(環状オレフィン系樹脂フィルム37)と、30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する複数の光学フィルムの1つの積層体(粘着剤層32とプロテクトフィルム31との積層体)と、を両方有する例である。
【0061】
これ以外に、領域Bは、例えば、30gf/25mm以上の密着力を有する界面のみを有する光学フィルムの積層体のみを1又は複数有していてもよい。
【0062】
領域Bは、領域Aよりも、光学フィルムの積層方向に垂直な方向において、外側に、すなわち、光学積層体の端部に配置されていることが好適である。光学積層体が長尺形状(原反フィルム)である場合には、領域Bは、長手方向と直交する方向の端部に設けられていることができる。
【0063】
領域Bの幅W(光学フィルムの積層方向に垂直な幅)に限定はないが、例えば、3~30mmであることができる。
【0064】
光学積層体を構成する光学フィルムにも特に限定はない。
【0065】
本明細書において、光学フィルムとは、光を透過させることができるフィルムである。光学フィルムの例は、樹脂フィルムであり、樹脂の例は、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリオレフィン系樹脂(ポリプロピレン系樹脂等)、環状オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂等)、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート系樹脂等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート系樹脂等)、及び、ポリイミド系樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド)等である。
【0066】
光学フィルムは、保護フィルム、剥離フィルム(粘着剤に弱接着されており、光学積層体を他の部材に貼り付ける際に粘着剤層から剥離される)、プロテクトフィルム(粘着剤に強接着されており、粘着剤と共に保護対象の他の基材から剥離される)、基材フィルム、位相差フィルム、ウィンドウフィルム、偏光子、位相差板(λ/2位相差板、λ/4位相差板等)、接着剤層、粘着剤層等であることができる。
【0067】
光学フィルムの厚みに限定はなく、5~300μmであることができる。
【0068】
光学積層体100の全厚みに限定はなく、10~500μmであることができる。
【0069】
上述のように、光学積層体100は、枚葉体でもよいが、長尺フィルム(原反)であることが好適である。長尺フィルムである場合の幅に特に限定はなく500~2,000mmであることができ、長手方向の長さは100~3,000mであることができる。
【0070】
2つの光学フィルム間の界面の密着力は、2つの層の化学組成等によって容易に変更することができる。
【0071】
続いて、レーザービームの照射工程について説明する。
【0072】
レーザービームを照射する工程では、
図1~4に示すように、光学フィルムの積層方向に垂直な領域Bの表面にレーザービームLBを照射してマークMを付与する。本実施形態では、領域Bにおいて、積層方向のいずれの表面にレーザービームLBを照射してもよい。表面にレーザービームを照射する際には、当該表面にレーザービームの焦点を合わせることが好適である。
【0073】
例えば、
図1の光学積層体では、領域Bであれば、トリアセチルセルロースフィルム13の上下面のいずれにレーザービームを照射してもよい。
【0074】
例えば、
図2の光学積層体では、領域Bであれば、トリアセチルセルロースフィルム25の上面にレーザービームを照射してもよく、トリアセチルセルロースフィルム21の下面にレーザービームを照射してもよい。
【0075】
例えば、
図3の光学積層体では、領域Bであれば、環状オレフィン系樹脂フィルム37の上面にレーザービームを照射してもよく、粘着剤層32及びプロテクトフィルム31の積層体の下面にレーザービームを照射してもよい。
【0076】
例えば、
図4の光学積層体では、領域Bであれば、剥離フィルム79の上面にレーザービームを照射してもよく、粘着剤層72及びプロテクトフィルム71の積層体の下面にレーザービームを照射してもよい。
【0077】
領域Bの中でも、レーザービームLBを、光学フィルムの積層方向に垂直な領域Bの表面において、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に、領域A及び領域Bの境界の面BDから、領域Bの方向に1~20mm離れた位置に照射してマークを付与することが好適である。より好ましくは、境界の面BDから1~10mmの範囲内、更に好ましくは境界の面BDから1~5mmの範囲内がよい。
【0078】
また、領域Bの表面におけるレーザービームの強度が0.001~0.1J/mm2でとなるようにレーザービームを照射することが好適である。この強度はより好ましくは、0.001~0.05J/mm2であり、更に好ましくは0.001~0.01J/mm2である。
【0079】
レーザービームの照射により、光学フィルムの表面において、アブレーションなどによる窪みの形成、光学フィルムの材料の性質の変化等が生じ、マークMが形成される。このマークMは外部からカメラなどで認識することができる。
【0080】
光学積層体の領域Bに複数のマークMを設けることが好適である。この場合、マークMを場所毎に互いに異ならせると、各マークに基づいて位置を認識できるので好ましい。特に、マークMが有する文字情報を互いに異ならせることが好適である。例えば、マークMが有する文字情報を連番(例えば、0001,0002,0003等)にするなどして、マークMが有する文字情報を互いに異ならせることにより、マークの読み取りにより位置の特定が可能となる。
【0081】
長尺の光学積層体の場合には、領域Bにおいて、長手方向に沿って複数のマークMをレーザービームにより形成することが好適である。後工程でマークを読み取ることにより長手方向の位置を精度よく把握することができる。例えば、長手方向に沿って一定間隔で多数のマークMを付与することができる。マークMの間隔は一定間隔でなく不規則間隔で設けられていても良い。
【0082】
なお、マークMは、光学積層体における欠陥に関する情報を含んでいてもよい。
【0083】
マークの文字情報に特に限定はなく、文字列そのものであってもよく、一次元バーコードであってもよく、2次元コードでもよい。
【0084】
レーザーの種類に特に限定はないが、好ましいのは、紫外域のレーザ(例えば、UVレーザ)である。
【0085】
上述の工程により、領域Bの一方の表面にマークMを有するマーク付き光学積層体100Mが得られる。
【0086】
本実施形態によれば、弱接着界面のある領域Aを避けて、領域Bの表面にレーザービームLBが照射されるので、弱接着界面におけるレーザービームの照射に伴う気泡の発生が抑制される。したがって、マーク付き光学積層体100Mにおけるマークの読み取り精度を高くすることができる。
【0087】
(第2実施形態)
図5を参照して、第2実施形態に係るマーク付き光学積層体の製造方法及びマーク付き光学積層体について説明する。本実施形態では、第1実施形態との相違点のみ説明し、重複する記載は省略する。
【0088】
本実施形態に係るマーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
前記光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、を備える。
【0089】
光学積層体は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ備え、光学フィルムの積層方向に垂直な光学積層体の一方の表面と、当該各界面との距離がいずれも80μm以上である。そして、レーザービームを照射する工程では、光学積層体の当該一方の表面にレーザービームを照射する。
【0090】
図5に、光学積層体の一例を示す。
図5では、光学積層体200は、下側から順に、プロテクトフィルム41、粘着剤層42、トリアセチルセルロースフィルム43、接着剤層44、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム45、接着剤層46、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム47を備える。
【0091】
プロテクトフィルム41と粘着剤層42との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム43と接着剤層44との界面の密着力、接着剤層44とポリビニルアルコール系樹脂フィルム45との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム45と接着剤層46との界面の密着力、及び、接着剤層46と環状オレフィン系樹脂フィルム47との界面の密着力は、いずれも、30gf/25mm以上である。これらの密着力は、具体的には、150gf/25mm以上であることができる。
【0092】
一方、粘着剤層42とトリアセチルセルロースフィルム43との界面IF7の密着力は、0を超え30gf/25mm未満であり、好適には、3~25gf/25mmである。
【0093】
トリアセチルセルロースフィルム43の端面EF11、及び、接着剤層44、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム45、接着剤層46の端面EF13の位置は、プロテクトフィルム41、粘着剤層42、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム47の端面EF12の位置と一致しておらず、端面EF12よりも内側に配置されている。端面EF11とEF12間の距離に限定はないが、例えば、1~30mmであることができる。端面EF11とEF13間の距離にも特に限定はなく、0~30mmであることができる。
【0094】
図5では、端面EF11が、端面EF12よりも内側にあるが、同一位置でもよい。また、端面EF13が、端面EF11よりも内側にあるが、同一位置でもよい。
【0095】
本実施形態では、光学フィルムの積層方向に垂直な光学積層体の一方の表面(上面)と、当該界面IF7との距離Dが80μm以上である。この距離Dは、100μm以上とすることが好適であり、150μmとすることがより好適である。そして、レーザービームLBを照射する工程では、光学積層体の当該一方の表面(上面)にレーザービームLBを照射する。
【0096】
レーザービームLBの位置に限定はない。最終製品に残らないところにマークMを形成することが好ましいので、レーザービームの位置は、端部、例えば、光学積層体の端面から30mm以内の領域であることが好適である。
図5において、レーザービームLBを、界面IF7が存在する領域Aに照射してもよく、界面IF7が存在しない領域Bに照射してもよい。本実施形態では、レーザービームを領域Aに照射しても効果がある。
【0097】
なお、光学積層体の層構成は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有し、少なくとも一方の表面から当該各界面への距離が80μm以上である限り、自由に設定することができる。
【0098】
例えば、各光学フィルムの端面がすべて同一位置に揃っていてもよい。
【0099】
また、光学積層体は、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を複数備えていてもよい。その場合でも、光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の一方の表面と、各界面との距離が80μm以上であればよい。好ましくは、当該一方の表面と、各界面との距離が100μm以上、より好ましくは、150μm以上あると良い。
【0100】
また、両方の表面と、各界面との距離がそれぞれ80μm以上、好ましくは100μm以上、より好ましくは150μm以上である場合には、いずれの表面からレーザービームを照射してもよい。
【0101】
これにより、保護フィルムを有するマーク付き光学積層体200Mが得られる。
【0102】
(作用効果)
本実施形態によれば、レーザービームが照射される表面と弱接着界面との距離がある程度確保されるので、弱接着界面におけるレーザービームのエネルギーが弱く、界面での気泡の発生が抑制される。
【0103】
(第3実施形態)
つづいて、第3実施形態に係るマーク付き光学積層体の製造方法及びこれにより得られる保護フィルムを有するマーク付き光学積層体について説明する。
【0104】
本実施形態に係る方法は、光学フィルムが積層された光学積層体を準備する工程と、
光学フィルムの積層方向に垂直な前記光学積層体の表面にレーザービームを照射してマークを付与する工程と、
前記光学積層体の前記マークが付与された面上に保護フィルムを積層する工程と、を備える。
【0105】
光学積層体の構成に限定はなく、例えば、第1実施形態の光学積層体、及び、第2実施形態の光学積層体を利用することができる。なお、光学積層体における界面の密着力に特段の限定はない。
【0106】
レーザービームの照射によるマークの付与方法に特段の限定はなく、例えば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の方法を利用できる。第1実施形態及び第2実施形態での方法以外の方法を採用してもよい。
【0107】
図6に光学積層体の一例を示す。本実施形態の光学積層体50は、下側から順に、プロテクトフィルム51、粘着剤層52、トリアセチルセルロースフィルム53、接着剤層54、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム55、接着剤層56、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム57を備える。
【0108】
図6においては、接着剤層54、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム55、接着剤層56の端面EF15は、トリアセチルセルロースフィルム53の端面EF14の位置と一致しておらず端面EF14よりも内側に配置され、トリアセチルセルロースフィルム53の端面EF14は、プロテクトフィルム51、粘着剤層52、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム57の端面EF15の位置と一致しておらず、端面EF15よりも内側に配置されている。しかしながら、各端面の位置関係に特段の限定はない。
【0109】
マークMの位置は、光学フィルムの積層方向に垂直な光学積層体100のいずれかの表面のいずれかの場所に設けてあればよいが、
図6では、プロテクトフィルム51の下面に設けてある。すなわち、マークMは、第1実施形態又は第2実施形態の位置に設けられていてもよいが、これら以外の位置でも、光学積層体50の積層方向の表面であれば本実施形態は実施可能である。
【0110】
本実施形態では、マークMが設けられたプロテクトフィルム51の表面に、保護フィルム60を積層する。ここでは、マークMを被覆するようにプロテクトフィルム51を積層すればよい。保護フィルム60に限定はなく、上述した保護フィルムを使用することができる。これにより、保護フィルム60を有するマーク付き光学積層体300が得られる。
【0111】
保護フィルム60の端面EF16は、マークMの保護の観点から、光学積層体50の端面(EF15)よりも外側に突出することが好適である。端面EF15からの突出量は、20mm以下とすることができる。端面EF16は、端面EF15から突出していなくても実施は可能である。
【0112】
これにより、保護フィルムを有するマーク付き光学積層体300が得られる。
【0113】
(作用効果)
マーク付きの光学積層体のマークMが付与された表面が外部に露出したままだと、当該光学積層体の搬送時にマークMが他の部材等と接触してマークの一部または全部が欠落し、その後の、マークの読み取りにおいてエラーが生じることがある。
【0114】
本実施形態によれば、マークMが付与された光学積層体50の表面が保護フィルム60で覆われており、光学積層体50の搬送時等にマークMが他の部材等と接触して欠落することが抑制される。したがって、マークMの読み取り時に読み取りエラーが生じることを抑制できる。
【0115】
(第4実施形態)
本実施形態では、
図7を参照して、上述のマーク付き光学積層体を用いた光学積層体の検査方法の一実施形態について説明する。
【0116】
(長手方向位置マーク付与及び欠陥位置把握)
このシステム400は、コンピュータ86、測長器82、レーザー装置83、マーク読み取りカメラ84、欠陥検出カメラ85、記憶装置87を備えている。測長器82、レーザー装置83、マーク読み取りカメラ84、欠陥検出カメラ85、及び記憶装置87はコンピュータ86に接続されている。マーク読み取りカメラ84及び欠陥検出カメラ85は近接する位置に設けられている。
【0117】
まず、長尺の光学積層体100を長手方向に搬送する。例えば、ロール80に巻き取られた長尺の光学積層体100をロール80から引き出し、ロール89との間で平面状に搬送することが好適である。
【0118】
次に、搬送される光学積層体100の長手方向の移動量を測長器82で取得する。例えば、測長器82は、搬送ロール81に組み込まれたロータリーエンコーダであることができる。長手方向の移動量の情報はコンピュータ86に提供される。
【0119】
続いて、コンピュータ86は、光学積層体100が長手方向に所定の距離移動する毎に、レーザー装置83を駆動し、レーザービームLBを照射させて光学積層体100にマークMを付与する。第1及び第2実施形態で記載した位置にマークMを付与することが好適である。長手方向の移動量が所定の距離になる毎にレーザービームを照射し、例えば連番などの互いに異なる情報を含むマークMを長手方向に付与することができる。マークMの付与後に、一旦光学積層体をロールに巻き取って、その後、ロールから引きだして後工程に送ってもよい。
【0120】
続いて、マーク読み取りカメラ84は、マークMの情報を読み取って、マークMにおける長手方向の位置を取得する。マーク読み取りカメラ84には、バーコードセンサーなどを用いることができる。
【0121】
欠陥検出カメラ85は、光学積層体100の画像を取得する。欠陥検出カメラ85は、光学積層体の幅方向全体の画像を取得することが好適である。欠陥検出カメラ85に設けられる画像センサーは、ラインセンサーでもエリアセンサーでもよい。
【0122】
コンピュータ86は、欠陥検出カメラ85により取り込んだ画像情報に基づいて光学積層体100における欠陥DFの有無を検出する。欠陥の検出は、画像処理技術を用いて行うことができ、公知の種々の検出アルゴリズムを用いることができる。
【0123】
コンピュータ86は、欠陥DFの位置に関する情報を生成する。具体的には、欠陥DFの位置に関する情報とは、欠陥DFの幅方向の位置に関する情報と、欠陥DFの長手方向の位置に関する情報である。欠陥の幅方向の位置に関する情報は、欠陥検出カメラ85の画像情報に基づいて取得することができる。
【0124】
欠陥DFの長手方向の位置は、いずれかのマークを基準とした位置として取得する。例えば、マーク読み取りカメラ84がマークM1を検出した時刻t1、欠陥検出カメラ85が欠陥DFを検出した時刻t2、測長器82により得られる時刻t1とt2との間に光学積層体100が長手方向に移動した距離、及び、マーク読み取りカメラ84のマークの検出位置と欠陥検出カメラ85との間の長手方向の距離と、に基づいて、マークM1から欠陥DFまでの長手方向の距離を取得することができる。そして、特定のマークMnと、当該マークMnからの長手方向への距離と、の組み合わせとして欠陥DFの長手方向の位置を取得することができる。
【0125】
つづいて、コンピュータ86は、欠陥DF幅方向の位置、及び、欠陥DFの長手方向の位置(特定のマークM及び当該マークからの長手方向の距離の組み合わせ)を記憶装置87に格納する。
【0126】
その後、光学積層体100をロール89に巻き取って保管する。
なお、欠陥DFの位置に関する情報を生成する方法は、上記に限定されず、マークMに基づく情報を利用して欠陥の位置情報を生成すれば、上記に限定されない。
マークMを保護フィルムで覆う場合には、マークの形成後に光学積層体に保護フィルムを積層すればよく、欠陥の検出前に保護フィルムを積層してもよく、欠陥の検出後に保護フィルムを積層してもよい。
【0127】
(欠陥マークの形成)
このシステム500は、コンピュータ95、測長器92、マーク読み取りカメラ93、印刷装置94、記憶装置87を備えている。測長器92、マーク読み取りカメラ93、印刷装置94、及び記憶装置87はコンピュータ86に接続されている。マーク読み取りカメラ93及び印刷装置94は近接する位置に設けられている。
【0128】
まず、長尺の光学積層体100を長手方向に搬送する。例えば、ロール89に巻き取られたマークMが付与された長尺の光学積層体100をロール89から引き出し、ロール98との間で平面状に搬送することが好適である。
【0129】
次に、搬送される光学積層体100の長手方向の移動量を一定時間毎に測長器92で取得する。例えば、測長器92は、搬送ロール91に組み込まれたロータリーエンコーダであることができる。長手方向の移動量の情報はコンピュータ86に提供される。
【0130】
コンピュータ95は、記憶装置87から、欠陥情報、すなわち、欠陥DFの幅方向の位置及び長手方向の位置(特定のマークと当該マークからの長手方向の距離)の組み合わせを読み出す。
【0131】
コンピュータ95は、マーク読み取りカメラ93で光学積層体のマークMを読み取り、記憶装置87に格納された情報に基づいて、欠陥DFの上又はその近傍に、印刷装置94で、欠陥DFが存在することを示す欠陥マークDMを形成する。印刷装置94は、インクジェットプリンタや、レーザーマーカーであることができる。
【0132】
具体的には、コンピュータ95は、マーク読み取りカメラ93が、欠陥情報に関連付けられたマークMを読み込むと、当該欠陥の位置情報(幅方向の位置、及び、当該マークからの長手方向の位置)にもとづいて、適切なタイミングで印刷装置94を駆動し、欠陥DFに欠陥マークDMを付与する。その後、欠陥マークDMが付与された光学積層体100をロール98に巻き取る。
【0133】
ここでは、保護フィルム付き光学積層体を使用することもできる。この場合、保護フィルムを剥離してからマークMの読み取り及び欠陥マークDMの形成を行うことができるが、保護フィルムを剥離することなくマークMを読み取り、保護フィルムの上に欠陥マークを形成してもよい。
【実施例】
【0134】
第1実施形態について試験を行った。
(実施例1及び比較例1)
図1の光学積層体を用意した。プロテクトフィルム11、粘着剤層12、トリアセチルセルロースフィルム13、接着剤層14、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム15、接着剤層16、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム17の厚みはそれぞれ、50μm、1μm、30μm、0.1μm、10μm、0.1μm、30μmであった。
【0135】
領域Bの幅は20mmであった。
【0136】
プロテクトフィルム11と粘着剤層12との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム13と接着剤層14との界面の密着力、接着剤層14とポリビニルアルコール系樹脂フィルム15との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム15と接着剤層16との界面の密着力、及び、接着剤層16と環状オレフィン系樹脂フィルム17との界面の密着力はいずれも150gf/25mm以上であり、粘着剤層12とトリアセチルセルロースフィルム13との界面の密着力は4.7gf/25mmであった。
【0137】
当該光学積層体の領域Bのトリアセチルセルロースフィルム13の表面(上面)にレーザービーム(UVレーザー、表面でのエネルギー密度は0.1J/mm2)により、マークMを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0138】
当該光学積層体の領域Bのトリアセチルセルロースフィルム13の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0139】
当該光学積層体の領域Aのプロテクトフィルム11の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、粘着剤層12及びトリアセチルセルロースフィルム13間に気泡が発生していた。
【0140】
(実施例2及び比較例2)
図2の光学積層体を用意した。トリアセチルセルロースフィルム25、λ/4位相差板24、紫外線硬化接着剤層23、λ/2位相差板22、及び、トリアセチルセルロースフィルム21の厚みはそれぞれ、50μm、2μm、2μm、2μm、100μmであった。
【0141】
領域Bの幅は20mmであった。
【0142】
トリアセチルセルロースフィルム25とλ/4位相差板24との界面の密着力は21.7gf/25mm、λ/4位相差板24と紫外線硬化接着剤層23との界面及び紫外線硬化接着剤層23とλ/2位相差板22との界面の密着力は150gf/25mm以上、λ/2位相差板22とトリアセチルセルロースフィルム21との界面の密着力は9.9gf/25mmであった。
【0143】
当該光学積層体の領域Bのトリアセチルセルロースフィルム25の表面(上面)にレーザービーム(UVレーザー、表面でのエネルギー密度は0.1J/mm2)により、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0144】
当該光学積層体の領域Bのトリアセチルセルロースフィルム21の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0145】
当該光学積層体の領域Aのトリアセチルセルロースフィルム25の表面(上面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、トリアセチルセルロースフィルム25及びλ/4位相差板24間、並びに、トリアセチルセルロースフィルム21及びλ/2位相差板22間に気泡が発生していた。
【0146】
当該光学積層体の領域Aのトリアセチルセルロースフィルム21の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、トリアセチルセルロースフィルム25及びλ/4位相差板24間、ならびに、トリアセチルセルロースフィルム21及びλ/2位相差板22間に気泡の発生は確認されなかった。
【0147】
(実施例3及び比較例3)
図3の光学積層体を用意した。プロテクトフィルム31、粘着剤層32、トリアセチルセルロースフィルム33、接着剤層34、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35,接着剤層36、及び、環状オレフィン系樹脂フィルム37の厚みはそれぞれ、50μm、1μm、30μm、0.1μm、10μm、0.1μm、30μmであった。
【0148】
領域Bの幅は20mmであった。
【0149】
プロテクトフィルム31と粘着剤層32との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム33と接着剤層34との界面の密着力、接着剤層34とポリビニルアルコール系樹脂フィルム35との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム35と接着剤層36との界面の密着力、及び、接着剤層36と環状オレフィン系樹脂フィルム37との界面の密着力はいずれも150gf/25mm以上であり、粘着剤層32とトリアセチルセルロースフィルム33との界面の密着力は4.7gf/25mmであった。
【0150】
当該光学積層体の領域Bの環状オレフィン系樹脂フィルム37の表面(上面)にレーザービーム(UVレーザー、表面でのエネルギー密度は0.1J/mm2)により、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0151】
当該光学積層体の領域Bのプロテクトフィルム31の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0152】
当該光学積層体の領域Aの環状オレフィン系樹脂フィルム37の表面(上面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、粘着剤層32及びトリアセチルセルロースフィルム33間に気泡が発生していた。
【0153】
当該光学積層体の領域Aのプロテクトフィルム31の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、粘着剤層32及びトリアセチルセルロースフィルム33間に気泡が発生していた。
【0154】
(実施例4及び比較例4)
図4の光学積層体を用意した。プロテクトフィルム71、粘着剤層72、トリアセチルセルロースフィルム73、接着剤層74、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75、接着剤層76、環状オレフィン系樹脂フィルム77、粘着剤層78、及び、剥離フィルム79の厚みはそれぞれ、50μm、1μm、30μm、0.1μm、10μm、0.1μm、30μm、30μm、40μmであった。
【0155】
領域Bの幅は20mmであった。
【0156】
プロテクトフィルム71と粘着剤層72との界面の密着力、トリアセチルセルロースフィルム73と接着剤層74との界面の密着力、接着剤層74とポリビニルアルコール系樹脂フィルム75との界面の密着力、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム75と接着剤層76との界面の密着力、接着剤層76と環状オレフィン系樹脂フィルム77との界面の密着力、環状オレフィン系樹脂フィルム77と粘着剤層78との界面の密着力はいずれも150gf/25mm以上であり、粘着剤層72とトリアセチルセルロースフィルム73との界面の密着力は4.7gf/25mm、粘着剤層78と剥離フィルム79との界面の密着力は5.8gf/25mmであった。
【0157】
当該光学積層体の領域Bの剥離フィルム79の表面(上面)にレーザービーム((UVレーザー、表面でのエネルギー密度は0.1J/mm2)により、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0158】
当該光学積層体の領域Bのプロテクトフィルム71の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。その後、光学積層体を観察したところ、気泡の発生は確認されなかった。
【0159】
当該光学積層体の領域Aの剥離フィルム79の表面(上面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、粘着剤層78及び剥離フィルム79間に気泡が発生していた。
【0160】
当該光学積層体の領域Aのプロテクトフィルム71の表面(下面)に同様にレーザービームにより、マークを形成した。光学積層体を観察したところ、粘着剤層72及びトリアセチルセルロースフィルム73間に気泡が発生していた。
【0161】
(界面の密着力の測定)
本実施例では、以下のようにして、界面の密着力を測定した。
積層体サンプルの一方の面をソーダガラスの表面にアクリル系粘着剤を用いて固定し、サンプルを構成する層を順に剥離し、各界面の剥離力を測定した。剥離力の測定方法はJISK6854-2 1999に準拠した。評価サンプルの幅は25mm、剥離角は180°、剥離速度300mm/minとした。(株)島津製作所製の「オートグラフAGS-50NX」を用いて剥離力を測定した。
【符号の説明】
【0162】
11~17…光学フィルム、21~25…光学フィルム、31~37…光学フィルム、41~47…光学フィルム、50…光学積層体、51~57…光学フィルム、60…保護フィルム、71~79…光学フィルム、100,200…光学積層体、100M、200M…マーク付き光学積層体、300…保護フィルム付き光学積層体、LB…レーザービーム、M…マーク。
【要約】
【課題】マークの読み取り時に読み取りエラーが生じにくいマーク付き光学積層体及びその製造方法、並びに光学積層体の検査方法を提供する。
【解決手段】マーク付き光学積層体の製造方法は、複数の光学フィルム11~17が積層された光学積層体100を準備する工程と、光学フィルムの積層方向に垂直な光学積層体100の表面にレーザービームLBを照射してマークMを付与する工程と、を備える。光学積層体100は、光学フィルムの積層方向と垂直な方向に沿って、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を少なくとも1つ有する領域Aと、0を超えかつ30gf/25mm未満の密着力を有する界面を有さない領域Bと、を有する。レーザービームを照射する工程では、光学フィルムの積層方向に垂直な領域Bの表面にレーザービームを照射してマークMを付与する。
【選択図】
図1