(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】モニタリングデバイスを有する処理ツール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220104BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
(21)【出願番号】P 2020508435
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(86)【国際出願番号】 US2018042537
(87)【国際公開番号】W WO2019036139
(87)【国際公開日】2019-02-21
【審査請求日】2020-04-10
(32)【優先日】2017-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】マオ, シミン
(72)【発明者】
【氏名】ファン, シモン
(72)【発明者】
【氏名】ゴエル, アシシュ
(72)【発明者】
【氏名】サブラマニ, アナンタ
(72)【発明者】
【氏名】クラウス, フィリップ アレン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0053779(US,A1)
【文献】特開2011-029415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0221775(US,A1)
【文献】国際公開第2013/186856(WO,A1)
【文献】特開2002-373782(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
H05H 1/46
C23C 14/00
G01N 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理ツールであって、
チャンバ空間の
側方の周りにライナ壁を有する処理チャンバであって、前記ライナ壁が、前記チャンバ空間と外側ライナ表面との間に孔を含む、処理チャンバと、
センサ軸に沿って前記孔と整列したセンサ表面を有するマイクロセンサ、及び前記センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含むモニタリングデバイス
であって、前記マイクロセンサは、前記処理チャンバの前記チャンバ空間に選択的に露出されることが可能であり、前記モニタリングデバイスは、前記マイクロセンサが前記処理チャンバの前記チャンバ空間に選択的に露出された時に変化する前記パラメータを検出し、前記モニタリングデバイスは、前記マイクロセンサとブランクシールの両方を回転することにより前記処理チャンバの前記チャンバ空間に前記マイクロセンサと前記ブランクシールを交互に選択的に露出するように構成されている、モニタリングデバイスと、
を備えている処理ツール。
【請求項2】
前記モニタリングデバイスが、凹部を有する端部面を含み、前記マイクロセンサが、前記凹部内に取り付けられる、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項3】
処理ツールであって、
チャンバ空間の周りにライナ壁を有する処理チャンバであって、前記ライナ壁が、前記チャンバ空間と外側ライナ表面との間に孔を含む、処理チャンバと、
センサ軸に沿って前記孔と整列したセンサ表面を有するマイクロセンサ、及び前記センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含むモニタリングデバイスと、
を備えており、
前記モニタリングデバイスが、凹部を有する端部面を含み、前記マイクロセンサが、前記凹部内に取り付けられ、
前記端部面に取り付けられたセンサシールをさらに備え、前記センサシールが、前記凹部の周りで延在し、前記センサ表面が、前記孔を通して前記チャンバ空間に露出される
、処理ツール。
【請求項4】
前記端部面に取り付けられたブランクシールをさらに備え、前記ブランクシールが、前記端部面のブランク領域の周りで延在する、請求項3に記載の処理ツール。
【請求項5】
処理ツールであって、
チャンバ空間の周りにライナ壁を有する処理チャンバであって、前記ライナ壁が、前記チャンバ空間と外側ライナ表面との間に孔を含む、処理チャンバと、
センサ軸に沿って前記孔と整列したセンサ表面を有するマイクロセンサ、及び前記センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含むモニタリングデバイスと、
を備えており、
前記モニタリングデバイスが、凹部を有する端部面を含み、前記マイクロセンサが、前記凹部内に取り付けられ、
前記処理チャンバに連結された第1の端部、及び前記モニタリングデバイスに連結された第2の端部を有する気圧式アクチュエータをさらに備え、前記端部面を前記外側ライナ表面から離すように移動させるために、前記第1の端部が、前記第2の端部に対して移動可能である
、処理ツール。
【請求項6】
前記マイクロセンサが、ディスク形状を有する共鳴体を含み、前記ディスク形状が、前記孔に面する前記センサ表面、及び背面センサ表面を含み、前記背面センサ表面に電気的に接続された電気真空フィードスルーをさらに備えている、請求項1に記載の処理ツール。
【請求項7】
前記モニタリングデバイスが、前記背面センサ表面と接触する圧縮可能コネクタを含み、前記圧縮可能コネクタが、前記電気真空フィードスルーに電気的に接続されている、請求項6に記載の処理ツール。
【請求項8】
モニタリングデバイスであって、
中
心軸に沿って延在するデバイス本体であって、当該デバイス本体が、前記中
心軸に対して直交する端部面を含み、前記端部面が、凹部を含む、デバイス本体と、
前記凹部内に取り付けられたマイクロセンサであって、センサ表面、及び前記センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含む、マイクロセンサと、
前記端部面に取り付けられたセンサシールであって、前記センサシールが、前記凹部の周りで延在し、前記センサ表面が、前記センサシールを通して周囲環境に露出される、センサシールと、
を備えているモニタリングデバイス。
【請求項9】
前記端部面に取り付けられたブランクシールをさらに備え、前記ブランクシールが、前記端部面のブランク領域の周りで延在する、請求項8に記載のモニタリングデバイス。
【請求項10】
ブランク軸が、中心軸に対して平行に、且つ前記ブランク領域を通って延在し、センサ軸が、前記中心軸に対して平行に、且つ前記センサ表面を通って延在し、前記ブランク軸及び前記センサ軸が、前記中心軸から等距離にある、請求項9に記載のモニタリングデバイス。
【請求項11】
前記マイクロセンサが、ディスク形状を有する共鳴体を含み、前記ディスク形状が、前記周囲環境に面する前記センサ表面、及び背面センサ表面を含み、前記背面センサ表面に電気的に接続された電気真空フィードスルーをさらに備えている、請求項8に記載のモニタリングデバイス。
【請求項12】
前記モニタリングデバイスが、前記背面センサ表面と接触する圧縮可能コネクタを含み、前記圧縮可能コネクタが、前記電気真空フィードスルーに電気的に接続されている、請求項11に記載のモニタリングデバイス。
【請求項13】
モニタリングデバイスの端部面上の第1の領域をライナ壁内の孔に露出することであって、前記ライナ壁が、処理ツールのチャンバ空間の周りで延在する、第1の領域をライナ壁内の孔に露出することと、
前記モニタリングデバイスを中
心軸の周りで回転させて、前記第1の領域を前記孔から離すように移動させ、前記端部面上の第2の領域を前記孔に露出することと、
を含む方法。
【請求項14】
材料のウエハを処理ツールのチャンバ空間の中にローディングすることであって、ライナ壁が、前記チャンバ空間の周りで延在し、前記ライナ壁が、前記チャンバ空間と外側ライナ表面との間に孔を含み、モニタリングデバイスが、前記孔と整列したセンサ表面を有するセンサを含み、前記センサ表面が、前記第1の領域である、材料のウエハを処理ツールのチャンバ空間の中にローディングすることと、
前記チャンバ空間内でウエハ製造処理を開始することであって、当該ウエハ製造処理の間、前記材料が、前記孔を通して前記センサ表面から除去される、ウエハ製造処理を開始することと、
前記センサ表面から前記材料を除去したことに応答して、前記センサのパラメータの変化を検出することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パラメータの前記変化に基づいて、前記センサ表面から前記材料の除去の速度を判定することをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
モニタリングデバイスであって、
中心軸に沿って延在するデバイス本体であって、当該デバイス本体が、前記中心軸に対して直交する端部面を含み、前記端部面が、凹部を含む、デバイス本体と、
前記凹部内に取り付けられたセンサであって、センサ表面、及び前記センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含む、センサと、
前記端部面に取り付けられたセンサシールであって、前記センサシールが、前記凹部の周りで延在し、前記センサ表面が、前記センサシールを通して周囲環境に露出される、センサシールと、
前記端部面に取り付けられたブランクシールであって、前記ブランクシールが、前記端部面のブランク領域の周りで延在し、ブランク軸が、中心軸に対して平行に、且つ前記ブランク領域を通って延在し、センサ軸が、前記中心軸に対して平行に、且つ前記センサ表面を通って延在し、前記ブランク軸及び前記センサ軸が、前記中心軸から等距離にある、ブランクシールと、
を備えているモニタリングデバイス。
【請求項17】
モニタリングデバイスの端部面上の第1の領域をライナ壁内の孔に露出することであって、前記ライナ壁が、処理ツールのチャンバ空間の側方の周りで延在し、前記モニタリングデバイスの前記第1の領域は、前記第1の領域が前記孔に露出されるときに前記処理ツールの前記チャンバ空間に露出されるセンサを備え、前記モニタリングデバイスは、前記センサが前記処理ツールの前記チャンバ空間に選択的に露出されるときに前記センサにて変化するパラメータを検出する、第1の領域をライナ壁内の孔に露出することと、
前記モニタリングデバイスの前記センサとブランクシールの両方を中心軸の周りで回転させて、前記第1の領域を前記孔から離すように移動させ、前記端部面上の前記ブランクシールを前記孔に露出することであって、前記第1の領域が前記孔から離れたとき、前記モニタリングデバイスの前記第1の領域のセンサが、前記処理ツールの前記チャンバ空間に露出されない、前記孔に露出することと、
を含む方法。
【請求項18】
モニタリングデバイスの端部面上の第1の領域をライナ壁内の孔に露出することであって、前記ライナ壁が、処理ツールのチャンバ空間の周りで延在する、第1の領域をライナ壁内の孔に露出することと、
前記モニタリングデバイスを中心軸の周りで回転させて、前記第1の領域を前記孔から離すように移動させ、前記端部面上の第2の領域を前記孔に露出することと、
材料のウエハを処理ツールのチャンバ空間の中にローディングすることであって、前記ライナ壁が、前記チャンバ空間と外側ライナ表面との間に前記孔を含み、モニタリングデバイスが、前記孔と整列したセンサ表面を有するセンサを含み、前記センサ表面が、前記第1の領域である、材料のウエハを処理ツールのチャンバ空間の中にローディングすることと、
前記チャンバ空間内でウエハ製造処理を開始することであって、当該ウエハ製造処理の間、前記材料が、前記孔を通して前記センサ表面から除去される、ウエハ製造処理を開始することと、
前記センサ表面から前記材料を除去したことに応答して、前記センサのパラメータの変化を検出することと、
前記パラメータの前記変化に基づいて、前記センサ表面から前記材料の除去の速度を判定することであって、前記モニタリングデバイスが凹部を有する端部面を含み、前記センサが前記凹部内に取り付けられる、前記材料の除去の速度を判定することと、
前記端部面のブランク領域を前記孔に露出することであって、前記ブランク領域は前記第2の領域である、前記端部面のブランク領域を前記孔に露出することと、
インシトゥチャンバ洗浄処理を開始して、前記ライナ壁を洗浄することと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
諸実施形態は、基板処理の分野に関し、具体的には、処理ツールにおける材料の堆積又は材料の除去を測定するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造には、例えば、堆積又はエッチング処理を用いるウエハ処理ツールによって、基板上の材料、より具体的には、半導体材料の堆積及び除去が関わり得る。エッチング処理には、従来の反応性イオンエッチング(RIE)及びラジカルベース選択的除去処理(SRP)、並びにこれらの組み合わせが含まれる。堆積処理には、熱化学気相堆積(CVD)及びプラズマCVD処理が含まれる。特定量の半導体材料を正確に堆積又は除去するためには、膜厚測定技法が使用され得る。例えば、材料堆積及び材料除去の速度は、一定時間で半導体材料のウエハを処理し、次いで、エリプソメータを使用して堆積された又は除去された膜の量を測定することによって、間接的に測定することができる。さらに、堆積/除去速度と関連する二次因子の測定にセンサが使用され、ウエハ製造処理中の堆積/除去速度が間接的に推定される。
【発明の概要】
【0003】
諸実施形態は、材料の堆積又は除去の量又は速度を検出するセンサを有する処理機器を含む。一実施形態では、処理機器は、チャンバ空間の周りにライナ壁を有する処理チャンバを含む処理ツールを含む。ライナ壁は、チャンバ空間と外側ライナ表面との間に孔を含む。処理ツールは、センサを有するモニタリングデバイスを含み、センサは、センサ軸に沿って孔と整列したセンサ表面を含む。さらに、センサは、センサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを含む。したがって、モニタリングデバイスは、変化するパラメータに基づいて処理特徴を判定することにより、ウエハ製造処理をモニタリングすることができる。
【0004】
一実施形態では、モニタリングデバイスは、中心軸に沿って延在するデバイス本体を含む。デバイス本体は、中央軸に対して直交する端部面を含み、端部面は、凹部を含む。センサは、凹部内に取り付けられる。さらに、センサシールは、端部面に取り付けられ、凹部の周りで延在する。センサ表面は、センサシールを通して周囲環境に露出される。したがって、センサをチャンバ空間に露出するために、センサシールを孔の周りで端部面とライナ壁との間で圧縮することができる。代替的に、センサをチャンバ空間から隔離するために、センサシールを孔から側方にオフセットされた位置で端部面とライナ壁との間で圧縮することができる。
【0005】
一実施形態では、方法は、材料のウエハを処理ツールのチャンバ空間の中にローディングすることを含む。当該方法は、チャンバ空間内でウエハ製造処理を開始することを含む。材料は、ウエハ製造処理の間、孔を通してセンサ表面から除去することができる。当該方法は、センサ表面から材料を除去したことに応答して、センサのパラメータの変化を検出することを含む。センサ表面からの材料の除去の速度は、パラメータの変化に基づいて判定され得る。当該方法は、端部面のブランク領域を孔に露出することと、インシトゥチャンバ洗浄処理を開始して、ライナ壁を洗浄することとを含み得る。したがって、センサは、ウエハ製造処理(例えば、選択的除去処理)をモニタリングするために孔に露出され得、インシトゥチャンバ洗浄処理の間に孔から隔離され得る。
【0006】
上記要約は、すべての態様の完全なリストを含んでいない。上記で要約した様々な態様のすべての適切な組合せから実行可能であるだけでなく、以下の詳細説明に開示され、特に本願とともに出願される特許請求の範囲において指摘される全てのシステム及び方法が含まれると考えられる。これらの組み合せは、上記要約で具体的に列挙されていない特定の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられたモニタリングデバイスの図である。
【
図3】一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられ、チャンバ空間に露出されたセンサを有するモニタリングデバイスの断面図である。
【
図4】一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられ、チャンバ空間に露出されたブランク領域を有するモニタリングデバイスの断面図である。
【
図5】一実施形態に係る、モニタリングデバイスの斜視図である。
【
図6】一実施形態に係る、モニタリングデバイスのデバイスヘッドの正面斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る、モニタリングデバイスのデバイスヘッドの後面斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられたモニタリングデバイスの断面図である。
【
図9】一実施形態に係る、モニタリングデバイスの電気接続の詳細図である。
【
図10】一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられた自動モニタリングデバイスの断面図である。
【
図11】一実施形態に係る、自動モニタリングデバイスの電気接続の詳細図である。
【
図12】一実施形態に係る、自動モニタリングデバイスの気圧式アクチュエータの詳細図である。
【
図13】一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図である。
【
図14】一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図である。
【
図15】一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図である。
【
図16】一実施形態に係る、処理システムのモニタリングデバイスの保持に使用される支持ブラケットの詳細図である。
【
図17】一実施形態に係る、ウエハ製造処理のモニタリングの方法の工程を表すフロー図である。
【
図18A-B】一実施形態に係る、処理システムの共鳴型センサの概略図である。
【
図19】一実施形態に係る、処理システムのトランジスタセンサ型のセンサの概略図である。
【
図20】一実施形態に係る、処理システムの例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
エッチング及び堆積処理のリアルタイムのインシトゥモニタリング、又はウエハ製造処理のその他の製造又は制御に使用されるシステム、デバイス、及び方法は、様々な実施形態に従って説明される。以下の説明では、諸実施形態の網羅的な理解をもたらすため、多数の具体的な詳細が提示される。当業者には、これらの具体的な詳細がなくとも実施形態は実施可能であることが明らかであろう。他の事例では、不必要に実施形態を不明瞭にしないように、周知の態様は詳細に説明されない。さらに、添付の図面で示された様々な実施形態は、例示的な表現であり、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを理解されたい。
【0009】
既存のエッチング及び堆積処理は、開ループ処理である。つまり、処理レシピには、フィードバック測定がない状態で固定処理時間にわたって固定且つ/又は実行される処理パラメータが含まれる。より具体的に言うと、処理の処理パラメータを制御するのに使用されるリアルタイム情報が存在しない。材料の堆積及び除去を測定するための既存の技法はいずれも、ウエハ製造処理のリアルタイムの測定及び制御をもたらすものではなく、又は、直接的に堆積/除去を測定する代わりに二次因子との相関に基づいて材料の堆積/除去の推定をもたらすものではない。例えば、エクスシトゥ(ex-situ)エリプソメータを使用して膜厚を測定することができるが、エリプソメータは周期的なモニタであるので、通常の操業時間の堆積/除去速度における変動又はドリフトをリアルタイムで検出することはできない。さらに、例えば、二次因子(例えば、プラズマにおけるRF整合位置又はガス濃度)を測定するための処理ツールの処理チャンバ内に実装されるセンサは、対象(堆積/除去速度)の変数を直接測定しない。したがって、処理モニタリング及び処理制御の以前の試みは、エッチング処理、選択的除去処理、及び堆積処理のための十分なリアルタイム制御スキームをもたらしていなかった。
【0010】
基板を処理するためにインシトゥ(その場)でエッチング速度と堆積速度を測定するモニタリングデバイスを含むウエハ処理機器が、以下で説明される。モニタリングデバイスは、すべての圧力レジーム(例えば、真空条件下やプラズマ不在条件下)で材料堆積又は材料除去を測定するセンサを含む。モニタリングデバイスは、センサをチャンバ空間に選択的に露出して、ウエハ製造処理をモニタリングすることができる。例えば、センサは、センサ表面を含み得、センサのパラメータ(例えば、共振周波数)は、材料がセンサ表面に堆積されたり、又はセンサ表面から除去されたりしたときに変化し得る。このため、材料の堆積又は除去の量又は速度と、このような量又は速度の均一性とのリアルタイム測定は、ウエハ処理システムによって実施されるウエハ製造処理を制御するために、モニタリング且つ使用することができる。モニタリングデバイスは、センサをチャンバから隔離された密閉環境に配置するために移動可能であり得る。これは、インシトゥチャンバ洗浄(ICC)処理中にセンサを保護するためでる。
【0011】
一態様では、モニタリングデバイスは、処理ツールのチャンバ空間に選択的に露出され得るセンサを含む。センサは、チャンバ空間の周りで延在するライナ壁の孔を通して、チャンバ空間と流体連結するように配置され得るか、又は、センサは、モニタリングデバイスのブランク領域が孔を通してチャンバ空間に露出されるとき、ライナ壁の外側ライナ表面に対して封止され得る。したがって、センサは、ウエハ製造処理中にリアルタイムでライナ壁の孔を通して堆積又は除去速度をモニタリングすることができ、ICC処理中にチャンバ空間から隔離され得る。一次センサが故障した又は寿命に達した場合にバックアップセンサを設けてセンサの冗長性を実現するために、モニタリングデバイスは複数のセンサを含み得る。幾つかのセンサは、センサ上に種々の犠牲材料を有することにより、種々の処理に対して選択的エッチング速度モニタリングをさらに実現することができる。これらの態様及びその他の態様は、以下でさらに説明される。
【0012】
以下に説明する処理システム及び方法は、材料が基板に堆積されたり又は基板から除去されたりする任意の形状因子又は処理において使用できることを理解されよう。より具体的には、処理システム及び方法は、集積回路の製造のためのウエハ処理に関連して説明されるが、デバイス及び方法は、例えば、エレクトロニクス産業のディスプレイ及び/又は太陽光発電産業の光電池等の他の技術における使用にさらに適合され得る。
【0013】
図1を参照すると、一実施形態に係る処理システムが例示されている。処理システム100は、処理ツール102を含み得る。処理ツール102は、通信リンク105によって、コンピュータシステム104に通信可能に連結されている。通信リンク105は、有線又は無線接続であってよく、例えば、処理ツール102及び/又は処理ツール102の構成要素は、コンピュータシステム104と直接的に又は無線で通信することができる。
【0014】
処理ツール102は、1つ以上のロードロック110によってファクトリインターフェース108に物理的に接続されたバッファチャンバ106を含み得る。さらに、1つ以上の処理チャンバ112は、1つ以上のそれぞれのロードロック110によってバッファチャンバ106に物理的に接続され得る。バッファチャンバ106は、中間空間として機能し得る。この中間空間は、処理チャンバ112内の処理圧力よりも高い圧力を有するが、低圧に維持される処理チャンバ112のそれぞれの空間よりも大きい。したがって、材料の基板(例えば、半導体ウエハ)は、半導体デバイスの製造中、真空条件下で処理ツール102のチャンバ106と112との間で移動することができる。この移動は、処理ツール102内に含まれる様々なデバイス(例えば、ロボットアームやシャトル等)によって可能になり得る。
【0015】
様々な製造工程を処理チャンバ112内で実施することができる。例えば、少なくとも1つの処理チャンバ112は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ、半導体リソグラフィツールのチャンバ、又は任意の他の基板処理チャンバであってもよい。このため、処理チャンバ112を使用して、真空条件下、大気条件下、又は任意の他の圧力レジーム下でウエハ製造処理を実施することが可能である。ウエハ製造処理には、処理チャンバ112のチャンバ空間内に堆積された基板から材料を除去するための選択的除去処理(SRP)が含まれ得る。
【0016】
圧力レジームの変化に加えて、処理チャンバ112を使用して、種々のエネルギー条件を有する製造処理を実施することも可能である。例えば、処理チャンバ112は、プラズマを含まないラジカル駆動エッチングチャンバ又は堆積チャンバであってよい。つまり、処理チャンバ112は、ウエハ製造処理中はプラズマ不在状態であり得る。
【0017】
図2を参照すると、一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられたモニタリングデバイスが例示されている。基板は、処理ツール102の処理チャンバ112内でのウエハ製造処理が施され得る。基板は、材料から形成され、形状因子を有し得る。例えば、基板は、ウエハ202であり得る。ウエハ202は、任意の材料から形成することができる。例えば、ウエハ202は、半導体材料のウエハであってもよい。ウエハ202は、処理ツール102を通って移動するにつれて、種々の圧力条件に曝され得る。例えば、大気条件では、ウエハをファクトリインターフェース108の中に挿入してよい。次に、ウエハが、ファクトリインターフェース108とバッファチャンバ106との間のロードロック110の中に入ると、ロードロック110は、120ミリトールの真空条件にもっていかれ得る。次に、ウエハは、ロードロック110から、100ミリトールのバッファチャンバ106圧を有するバッファチャンバ106内まで通過し得る。
【0018】
ウエハ202は、バッファチャンバ106から、ロードロック110を通って、処理チャンバ112内に移送され得る。例えば、処理チャンバ112は、ウエハ202を受け入れるようにサイズ形成されたチャンバ空間204を含み得る。したがって、処理チャンバ112内で実施されるウエハ製造処理中、材料は、ウエハ202に堆積されるか、又はウエハ202から除去され得る。ウエハ製造処理の間、処理チャンバ112のチャンバ空間204は、例えば、真空ポンプ及び/又はターボポンプなどの真空源206を使用して、真空条件まで低下したチャンバ圧を有し得る。この説明の文脈において、真空条件は、0.5atm未満の任意の圧力であり得る。一実施形態では、処理チャンバ112が、例えば、100ミリトール未満の、バッファチャンバ106の圧力より低いチャンバ圧を有するときに、処理チャンバ112内の真空条件が存在する。したがって、処理チャンバ112は、ウエハ製造処理の製造工程中は、真空条件下にあり得る。さらに、真空条件により、チャンバ空間204からガス状混合物が減少するか、又は除去され得る。したがって、チャンバ空間204は、ウエハ製造処理中はプラズマ不在状態になり得る。
【0019】
モニタリングデバイス208は、処理チャンバ112に取り付けられ得る。例えば、モニタリングデバイス208は、外側チャンバ壁210を貫通して、チャンバ壁210に固定されたフランジによって、外側チャンバ壁210に固定され得る。フランジは、ガスケット又は別の機械的シールによって、チャンバ壁210に対して封止され得る。モニタリングデバイス208は、チャンバ空間204内のライナ壁212に隣接する且つ/又は接触する端部を有し得る。より具体的には、ライナ壁212は、外側チャンバ壁210から内側に存在し得、チャンバ空間204の周りで延在し得る。したがって、ライナ壁212は、ウエハ202を含むチャンバ空間204を少なくとも部分的に画定し得る。
【0020】
処理チャンバ112は、チャンバ空間204内部にウエハホルダ211を含み得る。ウエハホルダ211は、例えば、ウエハ製造処理中に、ウエハ202を静電気的にクランプする1つ又は複数の電極を有する静電チャックであってよい。ウエハホルダ211は、ウエハ202がクランプされる保持面214を含み得る。例えば、保持面214は、ウエハホルダ211の上の誘電材料の層であり得る。
【0021】
以下に説明するように、モニタリングデバイス208は、上向き面(例えば、保持面214から離れた方を向く表面)で生じる材料堆積又は材料除去をモニタリングし得る。モニタリングデバイス208は、上向き面の材料と類似する又は同一の態様でウエハ製造処理と反応するセンサを含むことが考えられている。例えば、処理チャンバ112の源は、ウエハ202をエッチングするためのラジカルを生成し得、ラジカルは、同様にモニタリングデバイス208のセンサをエッチングし得る。したがって、センサが、ライナ壁212を通してチャンバ空間204に露出されるとき、モニタリングデバイス208は、ウエハ202の材料の除去速度又は堆積速度の変化を検出することができる。したがって、モニタリングデバイス208は、処理チャンバ112内で実行される処理の間、エッチング速度又は堆積速度を評価することができる。
【0022】
処理ツール102は、ウエハ製造処理の処理パラメータを検出する他のセンサ及び/又は測定機器を含み得る。例えば、処理ツール102は、光学分光計216を含み得る。光学分光計216は、処理チャンバ112に取り付けられるか、又は、他の方法で取り付けられ、ウエハ製造処理中にチャンバ空間204の発光分光法(OES)シグネチャ(optical emissions spectrometry signature)を検出する。OESシグネチャは、チャンバ空間204内の要素の種類及び量を識別し得る。例えば、OESシグネチャは、ウエハ製造処理中にチャンバ容量204内のプラズマにどの化学元素が存在するかを識別することができる。チャンバ容量204内で実施されるウエハ製造処理の他の処理パラメータを検出するために、他のセンサを使用してもよい。このような他のセンサには、処理チャンバ112又はウエハ202に供給される電力を測定する電気センサ、ウエハホルダ211の電気的特性を測定する電気センサ等が含まれ得る。このようなセンサは、半導体材料などの材料の堆積又は除去の実際の量又は速度を測定することはできない場合があるが、それにも関わらず、以下に説明する理由により、モニタリングデバイス208によって行われる実際の堆積又は除去の測定と相関し得る。
【0023】
図3を参照すると、一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられ、チャンバ空間に露出されたセンサを有するモニタリングデバイスの断面図が示されている。一実施形態では、ライナ壁212は、内側ライナ表面302と外側ライナ表面304との間で延在する壁圧を有する。例えば、ライナ壁212は、チャンバ空間204を囲む円筒形壁であり得、内側ライナ表面302は、チャンバ空間204に向かって内側に面する。対照的に、外側ライナ表面304は、処理チャンバ112の外側チャンバ壁210に向かって外側に面し得る。
【0024】
ライナ空洞306が、ライナ壁212において形成され得る。ライナ空洞306は、外側ライナ表面304から内側ライナ表面302に向けて、ライナ壁212を部分的に貫通するように延在し得る。ライナ空洞306は、ライナ壁212内のライナ空洞306を囲む空洞壁308によって画定され得る。より具体的には、空洞壁308は、ライナ壁212内でライナ空洞306を囲む外側ライナ表面304の一部であり得る。
【0025】
内側ライナ表面302から内側のチャンバ空間204は、外側ライナ表面304の外側の領域と流体連通し得る。より具体的には、ライナ壁212は、チャンバ空間204と外側ライナ表面304との間で延在する孔310を含み得る。例えば、孔310は、ライナ空洞306をチャンバ空間204と流体連通させるように、内側ライナ表面302から空洞壁308へと延在し得る。
【0026】
一実施形態では、モニタリングデバイス208は、センサ312を含む。センサ312は、センサ軸314に沿って孔310と整列した前方に面する表面(例えば、センサ表面)を有し得る。したがって、センサ312は、第1の構成では、孔310を通して、チャンバ空間204に露出され得る。第1の構成は、処理モニタリング構成であり得る。この構成では、センサ312は、チャンバ空間204内で実行されているウエハ製造処理のインシトゥモニタリングを行うことになる。例えば、センサ312は、処理をモニタリングする共振マイクロバランス(resonant microbalance)であってもよいが、他の種類のセンサも可能である(
図19参照)。SRP処理の場合、センサ312は、ウエハ202から選択された材料の除去速度をモニタリングする。エッチング処理の場合、センサ312は、ウエハ202上の1つ以上の層、又はウエハ202自体のエッチング処理をモニタリングする。同様に、堆積処理の場合、センサ312は、ウエハ202上の膜の堆積速度をモニタリングする。センサ312によるインシトゥモニタリングは、孔310を通して、処理ガス、イオン化ガス、ラジカル、及び/又は材料を交換することにより可能になる。より具体的には、センサ312は、センサ表面に材料が堆積されるか、又はセンサ表面から材料が除去されたときに変化するパラメータを有し得る。パラメータの変化は、処理特徴の判定に使用され得る。例えば、ウエハ202及び/又はセンサ表面からの材料の除去速度は、パラメータの変化に基づいて判定され得る。したがって、モニタリングデバイス208は、ウエハ製造処理のインシトゥモニタリングを実現することができる。
【0027】
一実施形態では、センサ312は、マイクロセンサであり得る。「マイクロ(micro)」とは、実施形態に係る特定のセンサ又は構造体の記述的なサイズを指す場合がある。例えば、「マイクロセンサ」という用語は、1から100μm程度の寸法を有するセンサを指す場合がある。つまり、一実施形態では、センサ312は、1から100μmの最大幅を含むセンサ表面を有し得る。したがって、センサ312は、マイクロバランスであってもよい。マイクロバランスは、100万分の1グラムのオーダーで重量を正確に測定できる機器であり、センサ312は、ミクロン程度のサイズのマイクロセンサであり得る。
【0028】
「マイクロセンサ」という用語は、マイクロ電気機械システム(MEMS)に関連する材料及び製造処理を使用して製造されるセンサをも指す場合がある。つまり、本明細書に記載されたセンサ312は、(幾つかの実施形態では)例えば、堆積処理、パターニング、エッチング等のMEMS処理を使用して製造され得る。したがって、センサ312は、MEMS処理を使用して形成されるサイズと構造を有するMEMSスケールのセンサであってよい。しかしながら、実施形態はこれに限定されず、実施形態の特定の態様は、より大きなサイズスケール、そして可能であればより小さなサイズスケールに適用可能であり得ることを理解するべきである。例えば、本明細書に記載された共振マイクロバランスセンサ312は、マイクロセンサではない場合がある。
【0029】
図4を参照すると、一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられ、チャンバ空間に露出されたブランク領域を有するモニタリングデバイスの断面図が示されている。ICC処理を実行することにより、ウエハ製造処理実行間に処理チャンバ112を再調整することは通常のことである。ICC処理は、処理チャンバ112の壁及び構成要素を洗浄して、ウエハ製造処理を安定化させることができる。例えば、ICC処理は、非常に攻撃的なエッチング化学物質をシステム内に送り、処理キット及び処理チャンバ112の壁を洗浄することができる。攻撃的な化学物質は、センサ312の寿命を短縮し得る。したがって、第2の構成は、センサ保護構成であり得る。つまり、第1の構成では、センサ312は、チャンバ空間204に露出され得るが、第2の構成では、センサ312は、チャンバ空間204から隔離され得る。
【0030】
モニタリングデバイス208は、中心軸404に沿って延在するデバイス本体402を含み得る。より具体的には、デバイス本体402は、フランジ406が外側チャンバ壁210に取り付けられた外側端部から、ライナ壁212に隣接する端部面408まで延在し得る。端部面408は、中心軸404に対して直交し、且つ/又は外側ライナ表面304に対して平行であり得る。より具体的には、端部面408は、ライナ空洞306の空洞壁308に適合する表面であり得る。センサ312は、端部面408上の第1の位置でデバイス本体402に取り付けられ得る。同様に、端部面408は、センサ312から側方にオフセットされたブランク領域(空白領域(blank area))410を含み得る。例えば、ブランク領域410は、センサ312から見た場合、中心軸404の反対側であり得る。ブランク軸412は、中心軸404に対して平行に延在し、ブランク領域410を貫通し得る。同様に、センサ軸314は、中心軸404に対して平行に延在し、センサ312のセンサ表面を貫通し得る。一実施形態では、ブランク軸412及びセンサ軸314は、中心軸404から等距離にある。したがって、モニタリングデバイス208を中心軸404の周りで回転させて、センサ312を孔310との整列から外し、ブランク領域410を移動させて孔310と整列させることができる。
【0031】
第2の構成では、ブランク領域410は、孔310を通して、チャンバ空間204に露出される。さらに、センサ312は、孔310を通して、チャンバ空間204に露出されない。モニタリングデバイス208は、外側ライナ表面304に対してセンサ312及び/又はブランク領域410を密封するための1つ又は複数のシール414を含み得る。例えば、第1のシール414は、センサ312の周りで延在する。第1のシール414が空洞壁308に対して押圧されることにより、外側ライナ表面304の背後の領域からセンサ312の前方領域へのガスの侵入が防止される。同様に、第2のシール414は、ブランク領域410の周りで延在し得る。第2のシール414が空洞壁308に対して押圧されることにより、チャンバ空間204から、孔310を通って、外側ライナ表面304の背後の領域へのガスの侵入が防止される。
【0032】
図5を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスの斜視図が示される。一実施形態では、モニタリングデバイス208のデバイス本体402は、デバイスヘッド502、及びデバイスベース504を含む。フランジ406は、デバイスベース504の端部から径方向外側に延在し得る。1つ以上のファスナ孔がフランジ406を貫通して延在することにより、1つ以上のファスナ(例えば、ボルト、ネジ、ピン等)によってフランジ406を処理チャンバ112に留めることが可能になる。モニタリングデバイス208は、フランジ406の平坦面及び/又はフランジ406の円筒面にわたって延びる1つ以上のフランジシール506を含み得る。フランジ406が処理チャンバ112に留められると、フランジシール506が処理チャンバ112に対して押圧されることにより、チャンバ空間204から処理チャンバ112の外側の周囲環境508への、又は処理チャンバ112の外側の周囲環境508からチャンバ空間204へのガスの漏洩が防止される。
【0033】
デバイスヘッド502は、フランジ406から反対側のデバイスベース504の端部に連結され得る。デバイスヘッド502は、デバイスベース504から端部面408へと延在する円筒状外面を有し得る。一実施形態では、デバイスヘッド502の端部面408は、凹部510を含む。凹部510は、デバイスヘッド502内へと長手方向に延在し得る。それにより、センサ312は凹部510内に取り付けられ得る。センサ312のセンサ表面512が中心軸404に沿って端部面408と同じ長手方向位置にあるように、又は、センサ表面512が中心軸404に沿って長手方向に端部面408とフランジ406との間にあるように、凹部510は、センサ312の厚さと等しいか又はそれ以上の深さを有し得る。
【0034】
一実施形態では、モニタリングデバイス208は、端部面408に取り付けられたセンサシール514を含む。センサシール514は、ガスケットであり得る。ガスケットは、表面間で押されたときに、端部面408と外側ライナ表面304との間に機械的密封をもたらす。例えば、センサシール514は、端部面408と外側ライナ表面304との間で圧搾され得る適合材料から形成されたOリングであり得る。したがって、センサシール514は、センサ軸314の周りで延在する輪郭を有し得る。より具体的には、センサシール514は、凹部510周り全体に延在し得る。
【0035】
端部面408は、長手方向に、センサシール514の前方に面する表面とフランジ406との間であり得る。したがって、センサ表面512は、センサシール514を通して、例えば、センサシール514の内径の中央通路を通して、周囲環境508に露出され得る。第1の構成においてセンサシール514が端面408と外側ライナ表面304との間で圧搾されると、センサ表面512は、孔310を通して、チャンバ空間204に露出される。これに対して、第2の構成においてセンサシール514が端部面408と外側ライナ表面304との間で圧搾されると、センサ表面512は、端部面408と、外側ライナ表面304と、センサシール514の径方向内側面との間の空洞内に隔離される。
【0036】
一実施形態では、モニタリングデバイス208は、端部面408に取り付けられたブランクシール516を含む。ブランクシール516は、センサシール514に類似するガスケットであってもよく、例えば、ブランクシール516は、適合材料から形成されたOリングであってもよい。したがって、ブランクシール516は、ブランク軸412の周りで延在する輪郭を有し得る。より具体的には、ブランクシール516は、端部面408のブランク領域410周り全体で延在し得る。
【0037】
端部面408は、長手方向に、ブランクシール516の前方に面する表面とフランジ406との間であり得る。したがって、ブランク領域410は、ブランクシール516を通して、例えば、ブランクシール516の中央通路又は内径を通して、周囲環境508に露出され得る。第2の構成においてブランクシール516が端部面408と外側ライナ表面304との間で圧搾されると、ブランク領域410は、孔310を通して、チャンバ空間204に露出される。
【0038】
図6を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスのデバイスヘッドの正面斜視図が示される。一実施形態では、デバイスヘッド502は、デバイスベース504から分離され得る。例えば、ファスナが、中心軸404に沿ってデバイスヘッド502を貫通して延在し、デバイスベース504内にねじ込まれ得る。ファスナを取り外すことにより、デバイスヘッド502を取り外すことができる。したがって、デバイスヘッド502は、1つ以上のセンサ312を含む交換部品として製造及び販売されてもよい。1つ以上のセンサ312は、デバイスヘッド502内に装填されて、それぞれの凹部510を通して露出される。
【0039】
デバイスヘッド502は、中心軸404の周りに分布する幾つかの凹部510及びブランク領域410を含み得る。一実施形態では、モニタリングデバイス208は、中心軸404の周りで対称的に分布した3つのセンサ312、及びブランク領域410を含む。より具体的には、各センサ312のそれぞれのセンサ軸及びブランク領域410のブランク軸は、中心軸404から径方向に等距離だけ離間され得る。さらに、中心軸404を頂点として測定された各軸間の角度は等しくてもよい。例えば、4つの回転位置がある場合、中心軸404について測定されると、各軸は、隣接する軸から90度で離間され得る。さらに、幾つかのセンサ312及びブランク領域410は、それぞれのシール414、例えば、それぞれのセンサシール514又はブランクシール516によって囲まれ得る。
【0040】
センサ312は、ディスク形状を有する共鳴体602を含み得る。ディスク形状は、それぞれの凹部510及び/又は孔310を通して、前方に面するセンサ表面512を含み得る。ディスク形状は、凹部510から離れた方を向く背面(
図7)をさらに含み得る。
図7を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスのデバイスヘッドの後面斜視図が示される。一実施形態では、デバイスヘッド502は、センサ312をデバイスヘッド502内で保持するための保持インサート702を含む。デバイスヘッド502は、センサ312の背面センサ表面706が後方に面するように、センサ312を受け入れるための背面凹部704を有し得る。保持インサート702は、背面凹部704内に挿入され、1つ又は複数のファスナによって、デバイスヘッド502に固定され得る。デバイスヘッド502は、センサ312の共鳴体602との間で電気信号を送受信するために、背面センサ表面706に対して押圧される背面接点708を含み得る。
【0041】
図8を参照すると、一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられたモニタリングデバイスが図示されている。取り付けデバイスは、中心軸404の周りでの回転が可能であり得る。例えば、デバイスヘッド502は、ライナインサート802内に受け入れられ得る。ライナインサート802は、ライナ空洞306を収容することができる。ライナ空洞306は、デバイスヘッド502の外側円筒面に適合する、ライナインサート802内の円筒状凹部であり得る。したがって、フランジ406を処理チャンバ112からボルト外しすることにより、ユーザは、取り付けデバイスをライナインサート802内で回転させて、端部面408上のセンサ位置又はブランク位置うちの異なる位置を孔310と整列させることができる。
【0042】
一実施形態では、端部面408の1つの位置のみが一度に孔310と整列し、そのとき他の位置群は、空洞壁308に対して隔離される。センサをチャンバ空間204から隔離する能力は、モニタリングデバイス208のためのサンプリング周波数を設定するために使用され得る。例えば、5つに1つ(one-in-five)のサンプリングパターンを使用することができ、処理された5つのウエハ202のうち1つの測定位置で、特定のセンサ312をチャンバ空間204に露出する。ユーザは、モニタリングデバイス208を回転させることにより、あるセンサ312から次のセンサ312へと一定の間隔で動かすので、特定のセンサ312が、次の4つのウエハ202に対して隔離位置に留まり得る。サンプリング周波数を設定する機能により、データ収集率とセンサ寿命との間の兼ね合いが可能になる。
【0043】
SRPの場合、回転式モニタリングデバイス208が様々なラジカルエッチング処理のモニタリングを実現し得る。例えば、センサ312は、ウエハ202から除去されている材料に対応する共鳴体602上のコーティングを有し得る。例として、ウエハ202は、半導体材料ウエハ202であってもよく、且つ/又はSRPの間に除去された半導体材料を含んでもよい。センサ表面512には、ウエハ製造処理をモニタリングするために、SRPの間に除去されるコーティングとして、半導体製造材料をさらに含み得る。例として、ウエハ202は、シリコンウエハであってもよく、センサ312は、共鳴体602に堆積されたシリコンの、例えば、15から20ミクロンの薄いコーティング層を含み得る。したがって、SRPの間にシリコンがウエハ202から除去される場合、シリコンは、孔310を通して、センサ312からさらに除去される。同様に、種々の半導体材料から種々のウエハ202が製造されてもよく、種々のセンサ312は、種々の半導体材料の薄いコーティング層を含み得る。したがって、異なるウエハ202がチャンバ空間204の中にロードされ、異なるセンサ312が孔310と整列すると、異なる半導体材料が、異なるウエハ202及び異なるセンサ312から同時に除去され得る。したがって、モニタリングデバイス208は、種々のタイプのウエハ202のためのウエハ製造処理をモニタリングすることを意図する種々のあらかじめコーティングされた材料を有する幾つかのセンサを含み得る。
【0044】
一実施例では、ウエハ202は、第1の材料から製造され、第2の材料のコーティングを含み得る。センサ312は、第2の材料のコーティング層を含み得る。したがって、ウエハ202がチャンバ空間204の中にロードされ、第2の材料のコーティング層を含むセンサ312が孔310と整列すると、第2の材料は、ウエハ202とセンサ312から同時に除去され得る。
【0045】
モニタリングデバイス208は、デバイスヘッド502とデバイスベース504との間の界面にラジカル又はガスが進入する可能性を低減するように構成され得る。例えば、デバイスヘッド502は、中心軸404の周りで延在するヘッド密封面804を含み得る。ヘッド密封面804は、デバイスベース504と隣接し得る。より具体的には、デバイスベース504は、中心軸404の周りで延在するベース密封面806を有し得、ヘッド密封面804は、ベース密封面806に面し得る。密封面は、中心軸404に対して平行であってもよく、且つ/又は中心軸404に対して直交してもよい。密封面間に間隙が存在する場合があり、これにより、ガスがモニタリングデバイス208に入る経路が設けられる。デバイスヘッド502とデバイスベース504との間でこのようなガスの侵入を防ぐために、本体シール808がヘッド密封面804とベース密封面806との間に配置され得る。本体シール808は、デバイスヘッド502及び/又はデバイスベース504に取り付けられるガスケット又は別の種類の機械的シールであってもよく、密封面間で圧縮される。本体シール808は、ICC処理中にガスがモニタリングデバイス208に入ることを防ぐことができるが、本体シール808がない場合、ICC処理により、デバイスヘッド502の背面凹部704内で背面センサ表面706がエッチングされてしまう。
【0046】
材料が、センサ表面512から除去されるか、センサ表面512に堆積されるときに、センサ312は、パラメータの変化に対応する電気センサ出力信号を生成し得る。例えば、電気センサ出力信号の周波数は、共鳴体602の質量に基づいて変化する場合があり、次いで、材料が堆積又は除去されると変化する。したがって、リアルタイムでウエハ製造処理をモニタリングするために、電気センサ出力信号が、送信されて、処理チャンバ112の壁を介してコンピュータシステム104に通信される。一実施形態では、モニタリングデバイス208は、電気真空フィードスルー810を含む。電気真空フィードスルー810は、センサ312に電気的に接続され、通信リンク105を介して電気信号を通信する。電気真空フィードスルー810には、電気信号をモニタリングデバイス208から外に運ぶために、真空シールを貫通する1つ以上の電気ピンが含まれ得る。電気真空フィードスルー810は、モニタリングデバイス208を通って電源コネクタ814まで長手方向に延びる電気ケーブル812に接続され得る。
【0047】
図9を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスの電気接続の詳細図が示される。電源コネクタ814は、センサ312の背面センサ表面706に電気的に接続することができるので、電気真空フィードスルー810は、電源コネクタ814を介して、背面センサ表面706に電気的に接続することができる。
【0048】
一実施形態では、モニタリングデバイス208は、背面センサ表面706と接触する圧縮可能コネクタ902を含む。圧縮可能コネクタ902は、第1の端部が電源コネクタ814に対して押圧され、第2の端部が背面センサ表面706と接触する支持プレート903に押圧された導電性構造であり得る。例えば、圧縮可能コネクタ902は、電源コネクタ814と支持プレート903との間で延在する金属製のバネであってもよい。支持プレート903、圧縮可能コネクタ902、及び電源コネクタ814は、アルミニウムなどの導電性材料から形成された導電性素子であってもよい。導電性素子は、導電性経路を形成し得る。導電性経路は、絶縁シールド950の円筒状空洞内に含まれ得る。絶縁シールド950は、電源コネクタ814の通過を可能にする孔を備えた端部壁を有するセラミック円筒体であってもよい。したがって、圧縮可能コネクタ902は、絶縁シールド950を通って、支持プレート903から電源コネクタ814へ、且つ端壁を通して外方の電気ケーブル812へと電気信号を伝達することができる。
【0049】
一実施形態では、圧縮可能コネクタ902は、アルミニウム又はステンレス鋼から形成されたベローズ904である。ベローズ904は、支持プレート903と電源コネクタ814との間で圧縮され得、良好な電気接触を確実なものとする。ベローズ904は、バネコネクタと同様の弾力性を有し得る。しかしながら、ベローズ904は、バネコネクタよりインダクタンスが低い場合がある。
【0050】
支持プレート903と背面センサ表面706との間の電気接触は、上述の背面接点708を介して、且つ/又は背面センサ表面706に堆積された導電性コーティングを介して、実現し得る。例えば、背面センサ表面706は、センサ312から支持プレート903へと電気信号を伝導するためにアルミニウムコーティングを含み得る。
【0051】
図10を参照すると、一実施形態に係る、処理チャンバに取り付けられた、運動アクチュエータを有する自動モニタリングデバイスが図示されている。モニタリングデバイス208は、中心軸404に沿って軸方向に、且つ中心軸404の周りで回転的に、自動的に移動し得る。一実施形態では、モニタリングデバイス208は、中心軸404に沿って電気真空フィードスルー810まで延在する固定式接続ロッド1002を含む。接続ロッド1002は、中心軸404の周りで回転しない滑動プレート1004に固定され得るという意味で固定式であり得る。しかしながら、滑動プレート1004は、
図13から
図16に関連してより詳細に説明されるように、ブラケット1006内で滑動することにより、直線的に移動し得る。線状運動により、モニタリングデバイスは、処理チャンバ112に出入りするように、後退及び前進し得る。したがって、接続ロッド1002は、回転的に固定され、直線的に移動可能であり得る。
【0052】
電気ケーブル812は、デバイスヘッド502の近位のデバイスベース504の遠位部内で、電気真空フィードスルー810から電源コネクタ814に向かって、接続ロッド1002を通って延在し得る。電源コネクタ814は、2つの部分からなる電気コネクタであり、バネ接点と呼ばれ得る。バネ接点の構造については、
図12に関連して以下でより詳細に説明される。
【0053】
モニタリングデバイス208は、中心軸404の周りでデバイスヘッド502及びデバイスベース504を回転させるために使用される回転式真空フィードスルー1008を含み得る。回転式真空フィードスルー1008には、互いに対して回転する外部筐体と内側部分が含まれ得る。外側ケーシングは、内側部分に取り付けられた幾つかの磁石と磁気的に相互作用する幾つかの磁石を含み得る。回転式真空フィードスルー1008は、プーリによって駆動され得る(
図13)。より具体的には、モータ(
図13)は、プーリを回転させ、プーリを外側ケーシングの外面に引っ張り、外側ケーシングを中心軸404周りで回転させる。外側ケーシングの回転は、内側部分の磁石にトルクを加え、内側部分も中心軸404の周りで回転させる。回転式真空フィードスルー1008が、処理チャンバ112と周囲環境508との間のガス漏れを許容しないように、外側ケーシングと内側部分との間の真空ハウジングを介してトルクの磁気印加を行うことができる。
【0054】
一実施形態では、回転式真空フィードスルー1008の内側部分は、回転シャフト1010の外側表面に取り付けられる。回転シャフト1010は、接続ロッド1002と同心円状であり得る。しかしながら、接続ロッド1002とは異なり、回転式真空フィードスルー1008が外面にトルクを加えると、回転シャフト1010は中心軸404の周りで自由に回転することができる。さらに、回転シャフト1010は、デバイスベース504に接続された遠位端を有し得る。したがって、トルクは、回転シャフト1010を介して、回転式真空フィードスルー1008からデバイスベース504に伝達され得る。同様に、デバイスベース504が回転すると、デバイスヘッド502が回転する。
【0055】
デバイスヘッド502の線状動作は、処理ツール102のアクチュエータによってもたらされる。一実施形態では、処理ツール102は、互いに対して移動する端部を有する気圧式アクチュエータ1012を含む。
図12に関して以下で説明されるように、第1の端部1014は、チャンバ壁210に連結され得、第2の端部1016は、モニタリングデバイス208に連結され得る。気圧式アクチュエータ1012の動作により、第2の端部1016に対する第1の端部1014の移動が引き起こされ得る。例えば、空気が端部間の間隙に流入又は間隙から流出すると、第1の端部1014と第2の端部1016との間の距離が増加又は減少し得る。したがって、気圧式アクチュエータ1012を作動させて、端部面408を外側ライナ表面304から離すことができる。より具体的には、ライナ壁212から離れるようなデバイスヘッド502の後退は、気圧式アクチュエータ1012の気圧式動作によって引き起こされ得る。
【0056】
上述のように、デバイスヘッド502は、1つ以上のリニアアクチュエータの動作により中心軸404に沿って直線的に移動させられ、デバイスヘッド502は、1つ以上の回転アクチュエータの動作により中心軸404の周りで回転させられ得る。したがって、デバイスヘッド502を直線的に前方に移動させて、シール414を空洞壁308に対して圧縮することができ、デバイスヘッド502を直線的に後方に動かして、端部面408と空洞壁308の間に間隙を形成し、シール414を損傷しないようデバイスヘッド502を回転させることができる。同様に、端部面408のある位置(例えばセンサ312)を孔310から離れさせ、端部面408の別の位置(例えばブランク位置)を孔310に向けて回転させるために間隙が形成されると、デバイスヘッド502を中心軸404の周りで回転させることができる。すなわち、処理ツール102のアクチュエータを作動させて、デバイスヘッド502を空洞壁308から後退させ、デバイスヘッド502を中心軸404の周りで回転させ、デバイスヘッド502を前進させて、シール414を空洞壁308に対して圧縮することができる。デバイスヘッド502の前進には、バネ復元力が端部面408を空洞壁308に近付けるようにアクチュエータを解放することが含まれ得る。したがって、チャンバ空間204内で発生した真空は、端部面408を空洞壁308に向けて引っ張り、シール414を圧縮し得る。
【0057】
図11を参照すると、一実施形態に係る、自動モニタリングデバイスの電気接続の詳細図が示される。
図9に関連して以上で説明されたように、センサ312は、1つ以上の介在構造体を介して、電気ケーブル812に電気的に接続され得る。介在構造体は、バネタイプの接点であってもよい。例えば、支持プレート903及びベローズ904は、センサ312から電源コネクタ814へと電気出力信号を伝達し得る。電源コネクタ814は、接続プロング1102まで後方に延在する長手方向ロッドを有し得る。センサ312に接続された電気構造体は、デバイスヘッド502に固定され得る。したがって、デバイスヘッド502の直線運動は、接続プロング1102の直線運動を引き起こし得る。
【0058】
センサ312から電気真空フィードスルー810に信号を伝達するために使用される電気構造体は、固定部分をさらに含み得る。より具体的には、バネコネクタ1104が接続ロッド1002に取り付けられ得る。接続ロッド1002は、気圧式アクチュエータ1012の第2の端部1016に対して固定的であり得る。したがって、デバイスヘッド502が、気圧式アクチュエータの作動下で直線的に移動するとき、バネコネクタ1104は所定位置に留まる。つまり、バネコネクタ1104は固定位置に留まり、接続プロング1102は移動する。デバイスヘッド502がライナ壁212に対して前進するとき、接続プロング1102がバネコネクタ1104に接触するように、デバイスヘッド502の直線動作は行われ得る。これとは対照的に、デバイスヘッド502がライナ壁212から後退すると、接続プロング1102はバネコネクタ1104から離間され得る。したがって、デバイスヘッド502が前進すると、接続プロング1102とバネコネクタ1104との間に電気接触が形成され、デバイスヘッド502が後退すると、接続プロング1102とバネコネクタ1104との間に電気切断が生じ得る。さらに、接続プロング1102とバネコネクタ1104との間に電気接触が形成されると、センサ312からの電気出力信号が、電気真空フィードスルー810に伝達され得る。これとは対照的に、接続プロング1102とバネコネクタ1104との間に電気切断が生じると、センサ312と電気真空フィードスルー810との間で電気信号が伝達されることはない。
【0059】
接続プロング1102とバネコネクタ1104とを分離する能力により、幾つかの接続プロング1102を単一のバネコネクタ1104と接触させることが可能であることを理解されるであろう。つまり、バネコネクタ1104は、孔310に露出されているセンサ312に取り付けられたいずれかの接続プロング1102と接触する位置に向かって撓み得る。より具体的には、孔310に露出された第1のセンサ312構造体の接続プロング1102は、バネコネクタ1104に対して押圧されて、電気接点を形成し得る。第2のセンサ312が孔310に露出された場合、デバイスヘッド502は後退し、第1の接続プロング1102がバネコネクタ1104から分離する。次いで、デバイスヘッド502を回転させて、第2のセンサ312を孔310と整列させ、デバイスヘッドが解放され得る。デバイスヘッド502が空洞壁308に向かって前進すると、第2のセンサ312に関連付けられた第2の接続プロング1102がバネコネクタ1104と接触し得る。したがって、各接続プロング1102は、回転してバネコネクタ1104と整列し、バネコネクタ1104と係合し、バネコネクタ1104から脱離し、回転してバネコネクタ1104との整列から外れることができる。
【0060】
図12を参照すると、一実施形態に係る、自動モニタリングデバイスの気圧式アクチュエータの詳細図が示される。気圧式アクチュエータ1012は、チャンバ壁210に取り付けられた第1の端部1014、及びデバイスベース504に取り付けられた第2の端部1016を含み得る。第1の端部1014及び第2の端部1016は、1つ又は複数の線状バネ1202によって移動可能に連結され得る。例えば、左側の線状バネ1202は、第1の端部1014の第1の壁と第2の端部1016の第1の縁との間で圧縮され得る。同様に、右側の線状バネ1202は、第1の端部1014の第2の壁と第2の端部1016の第2の縁との間で圧縮され得る。線状バネは、第1の端部1014を第2の端部1016から離すよう付勢するための予荷重を与えることができる。
【0061】
線状バネは、配置に応じて、空洞壁308から離すように、又は空洞壁308に向けてデバイスヘッド502を付勢することができる。一実施形態では、線状バネの付勢力は、チャンバ空間204内の真空が端部面408にもたらす引張を克服するのには不十分である場合がある。したがって、第1の端部1014と第2の端部1016との間の間隙には、線状バネが存在しているが、そこに間隙を加圧するためのガスが充満してもよい。間隙が加圧されると、第2の端部1016を第1の端部1014から離すため、デバイスヘッド502を空洞壁308から後退させ得る。間隙は、例えば、窒素又は別のパージガスを使用して加圧される空洞であり得る。デバイスヘッド502の直線的な後退を引き起こすことに加えて、当該圧力は処理チャンバ112内の圧力よりも高い場合があり、これにより、ラジカルが、チャンバ空間204から逃げず、第1の端部1014と第2の端部1016との間との空洞に入り込まないことが確実になる。
【0062】
図13を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図が示されている。デバイスヘッド502及び/又はデバイスヘッド502内のセンサ312を交換する手順が提供される。滑動プレート1004は、モニタリングデバイス208から径方向外側に延在する滑動プロング1350を有し得る。一実施形態では、滑動プロング1350は、ブラケット1006内のスロット1302を通って延在する。滑動プロング1350は、スロット1302内の直線的移動を可能ならしめる厚さを有し得るが、スロット1302の幅が滑動プロング1350の長さより短いため、滑動プロング1350の回転が防止される。第1の構成では、モニタリングデバイス208が処理チャンバ112に取り付けられている場合、滑動プロング1350はスロット1302内で完全に前方に位置し得る。
【0063】
回転式真空フィードスルー1008の駆動に使用されるプーリ1304及びモータ1306は、
図13で示されることに留意されたい。プーリ1304は、ホイールの周りで延在し得、ホイールは、モータ1306の駆動シャフトに取り付けられ得る。したがって、モータ1306は、プーリ1304を回転的に駆動することができ、この回転は、上述のように回転式真空フィードスルー1008に伝達され得る。
【0064】
図14を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図が示されている。ブラケット1006の構造により、滑動プロング1350が、スロット1302を通って直線的に滑動することが可能になり得る。滑動プロング1350が直線的に滑動すると、モニタリングデバイス208が処理チャンバ112から後退し得る。後退している間のモニタリングデバイス208の回転は、ブラケット1006の滑動プロング1350とスロット1302の相対的寸法によって防止される。モニタリングデバイス208の回転を防止することにより、デバイスヘッド502と処理チャンバ112との間の偶発的な衝突が防止される。したがって、デバイスヘッド502が処理チャンバ112をクリアするまで、デバイスヘッド502内のセンサ312は衝撃に対して保護される。
【0065】
図15を参照すると、一実施形態に係る、モニタリングデバイスのメンテナンス手順の操作を示す斜視図が示されている。モニタリングデバイス208が後退して、デバイスヘッド502が処理チャンバ112をクリアすると、滑動プレート1004は、ブラケット1006内で回転して、デバイスヘッド502をユーザに向けることができる。より具体的には、モニタリングデバイス208の回転により、デバイスヘッド502は、ユーザにとってよりアクセス可能になり、デバイスヘッド502をデバイスベース504から取り外すことが可能になる。ブラケット1006は、遠位スロット領域より幅広い近位スロット領域を有するので、ブラケット1006内での滑動プロング1350の回転が可能となる。
【0066】
図16を参照すると、一実施形態に係る、処理システムのモニタリングデバイスの保持に使用される支持ブラケットの詳細図が示されている。ブラケット1006の近位スロット領域1602は、スロット中心1606を中心にして鏡像反転された一対の曲線状表面を含む。より具体的には、第1の曲線輪郭面1604は、スロット1302の上面から第1のスロットストップ1608に向かって上向きに緩やかに延びる。同様に、第2の曲線輪郭面1604は、スロット1302の端部から第2のスロットストップ1608に向かって下向きに緩やかに延びる。曲線輪郭面1604は、スロット中心1606を通過する水平面を軸として鏡像反転され得る。第1の曲線輪郭面1604と第2の曲線輪郭面1604との間の径方向距離は、滑動プレート1004の長さよりも大きい場合がある。したがって、滑動プレート1004が近位スロット領域1602内に後退すると、近位スロット領域1602にわたる幅は、滑動プレート1004の長さよりも大きく、滑動プレート1004は、スロット中心1606を中心にして回転することができる。滑動プレート1004の回転は、滑動プレート1004の上面が第1のスライドストップに接触するまで、且つ/又は滑動プレート1004の下面が第2のスライドストップに接触するまで続く。したがって、ブラケット1006は、処理チャンバ112における遠位端と近位スロット領域1602との間において滑動プレート1004の直線運動を可能にするスロット1302を含む。ただし、スロット1302は、近位スロット領域1602内での滑動プレート1004の回転運動を可能にする。
【0067】
モニタリングデバイス208の構成要素は、処理チャンバ設計で一般的に使用される材料で形成され得る。例えば、チャンバ空間204及び/又は真空に露出される各構成要素は、アルミニウム、ステンレス鋼、又は適切なポリマーから形成され得る。幾つかの実施例がここで例示されている。接続プロング1102は、ステンレス鋼であってもよい。接続ロッド1002は、アルミニウムであってもよい。デバイスヘッド502及びデバイスベース504は、アルミニウムであってもよい。支持プレート903は、アルミニウムであってもよい。したがって、モニタリングデバイス208の構成要素は、処理構成チャンバ112内で発生するラジカル及び/又は真空に安全に曝され得る。
【0068】
図17を参照すると、一実施形態に係る、ウエハ製造処理のモニタリングの方法の工程を表すフロー図が示されている。一実施形態では、ウエハ製造処理は、SRPであり、センサ312は、SRPのエッチング速度をモニタリングするための共振マイクロバランスを含む。工程1702では、材料のウエハ202が、処理ツール102のチャンバ空間204の中にローディング(配置)される。ウエハ202の材料は、上述のように半導体材料であってもよく、又はそうでなくてもよい。例えば、ウエハ202は、第2の材料(半導体又は非半導体材料)のコーティング層を有する第1の材料(半導体又は非半導体材料)であってもよい。ウエハ材料には、SiO2、SiN等の誘電材料、WやCuなどのインターコネクタに使用される金属材料、PECVDハードマスクカーボン、ガラス、シリコンなどのハードマスクエッチング材料が含まれ得る。ウエハ材料は、任意の基板材料であってもよい。エッチング処理が、遠隔プラズマ源又はマイクロ波プラズマ源のいずれかによってラジカルをチャンバ空間204内に導入するラジカルエッチングタイプの処理である場合、モニタリングデバイス208によって、選択的エッチング速度をモニタリングすることができる。
【0069】
ライナ壁212は、チャンバ空間204の周りで延在し得、したがって、ライナ壁212は、ウエハ202を取り囲み得る。上述のように、ライナ壁212は、チャンバ空間204と外側ライナ表面304との間に孔310を含むので、SRPがウエハ202上で実行されると、ラジカル及び材料は、孔310を通して、チャンバ空間204からライナ壁212の外側の領域に伝達され得る。したがって、端部面408の第1の領域は、ライナ壁212の孔310に露出され得る。例えば、第1のセンサ312を検出位置に回転させることができる。この場合、第1のセンサ312は、孔310を通してチャンバ空間204に露出される。つまり、モニタリングデバイス208は、孔310と整列するセンサ表面512を有するセンサ312を含み得る。第1のセンサ312が検出位置にあるとき、他のセンサ312は、隔離位置に維持されて、処理に曝されないことがある。
【0070】
工程1704では、ウエハ製造処理が、チャンバ空間204内で開始される。例えば、SRPにおいて、材料がウエハ202から除去される。上記のように、センサ表面512は、材料を含み得る。したがって、ウエハ製造処理の間、材料は、孔310を通してセンサ表面512から除去され得る。
【0071】
工程1706では、センサ表面512から材料を除去したことに応答して、センサ312のパラメータの変化が検出される。センサ312の種類は、以下でさらに説明される。しかしながら、一例として、センサ312の質量が変化すると、センサ312からの電気信号の周波数が変化し得る。SRPをモニタリングするために周波数の変更を使用することができる。
【0072】
工程1708では、センサ表面512からの材料の除去の速度は、パラメータの変化に基づいて判定され得る。例えば、センサ312からの電気信号の周波数が変化すると、コンピュータシステム104は、周波数データを使用して材料除去速度を判定することができる。同様に、この変化を使用して、センサ312から除去された材料の量、及びウエハ202から除去された材料の量を検出することができる。
【0073】
工程1710では、端部面408の第2の領域が、孔310に露出され得る。例えば、端部面408のブランク領域410が、孔310に露出され得る。センサ表面512を孔310との整列から外し、ブランク領域410を移動させて孔310と整列させることにより、ブランク領域410が孔310に露出され得る。例えば、上述のように、デバイスヘッド502は、空洞壁308から後退し、中心軸404の周りで回転し、空洞壁308に向かって前進し得る。ユーザ又は気圧式アクチュエータ1012によって手動の力又は自動的な力がもたらされるとき、真空下でデバイスヘッド502の後退と前進を実行することができる。
【0074】
工程1712では、ライナ壁212を洗浄するために、ICC処理が開始される。ICC処理の間、すべてのセンサ312が、チャンバ空間204内で発生するラジカル及びガスから隔離され得る。例えば、各センサ312を取り囲むそれぞれのセンサシール514は、空洞壁308と端部面408との間で圧縮され得、これにより、各センサ312は、攻撃的なICCから保護され得る。
【0075】
図18Aを参照すると、一実施形態に係る、処理システムの共鳴型センサの概略図が示されている。一実施形態では、ウエハ処理ツール102の1つ以上のセンサ312は、共振器1802を含む。共振器1802は、例えば、水晶マイクロバランス(QCM)、表面弾性波(SAW)、又は薄膜バルク音響共振器(FBAR)などの適切な共振質量センサであってもよい。これらはすべて、その表面に堆積した材料の累積質量を数値化する。簡潔にまとめて理解を容易にすることを目的として、説明を簡略化するために、本明細書は、共振器1802の複雑性及び多様性を説明していない。各共振器1802は、当技術分野で周知のように、特性周波数、例えば、共振周波数を有し得る。例えば、さらに詳細に説明することはないが、共振器1802は、
図18Aに示す単純な質量‐バネシステム(mass-spring system)によって表すことができる。共振器1802の特性周波数は、共振器1802システムの質量(mass)1804と反比例し得る。例えば、特性周波数は、共振器1802システムの「M」で割った「k」の平方根に比例し得る。ここで、「M」は質量1804に対応し、「k」は、共振器1802システムのバネ定数に対応する。したがって、例えば、ウエハ製造処理の間、共振器1802が材料1806を受けたり、又は出したりするときに、特性周波数がシフトすることを認知されたい。より具体的には、材料1806(例えば、半導体材料)が、ウエハ処理ツール102内の共振器1802のセンサ表面512に堆積されるか、又はセンサ表面512から除去されると、共振器1802の質量1804は変化し、ひいては特性周波数がシフトする。
【0076】
共振器1802のセンサ表面512は、露出された表面、例えば、孔310に向かって前方に向く表面であり得る。しかしながら、センサ表面512を有する共振器1802の一部は、幾つかの層を含み得る。例えば、共振器1802は、センサ表面512を有する上層1810の下にベース層1808を含み得る。ベース層1808及び上層1810は、同じ材料を含み得る。例えば、ベース層1808及び上層1810は、同じシリコン材料から形成され得る。一実施形態では、ベース層1808は、上層1810とは異なる材料から形成される。例えば、ベース層1808は、共鳴体602であってもよく、上層1810は、ベース層1808に堆積されたシリコン材料のコーティングであってもよい。したがって、上層1810は、ベース層1808の一部を覆い得る。
【0077】
一実施形態では、センサ表面512は、材料1806を含む。さらに具体的には、センサ312は、ウエハ製造処理中にウエハ202上に堆積された又はウエハ202から除去された材料と同じ材料から形成されたセンサ表面512を含み得る。例えば、ウエハ製造処理が、シリコンをシリコンウエハ202に堆積させる堆積処理である場合、センサ表面512は、シリコンを含み得る。これにより、堆積された材料1806は、確実に、ウエハ202との相互作用と同じような態様でセンサ表面512と相互作用する。同様に、ウエハ製造処理が、シリコンをシリコンウエハ202から除去するエッチング処理である場合、センサ表面512は、シリコンを含み得る。これにより、シリコンをシリコンウエハ202から除去する速度と同じような速度で、材料1806が確実にセンサ表面512からエッチングされる。したがって、センサ表面512は、ウエハ202の表面を模擬的に再現して、ウエハ製造処理中にウエハ202に同時に発生する実際の堆積速度又は除去速度を測定する。
【0078】
図18Bを参照すると、一実施形態に係る、処理システムの共鳴型センサの概略図が示されている。センサ312として使用され得る特定の種類の共振器1802は、MEMS共振質量センサ、例えば、熱駆動型高周波単一結晶シリコン共振器である。このような共振器1802は、単一のマスク処理を使用する個々のデバイス又はアレイとして製造され得る。共振器1802は、対称面1816の両側に2つのパッド1812を含み得る。変動電流が2つのパッド1812間で通流して、電流路において交流電流(AC)の抵抗損失成分が発生し得る。一実施形態では、ほとんどの抵抗損失は、パッド1812を相互接続する薄いピラー1818内で起こる。薄いピラー1818は、中央に位置して、パッド1812間で対称面1816に直交する方向に延在し得る。ピラー1818で生じた変動温度により、ピラー1818に交流力及び交流熱応力が生じ、面内共振モードで共振器1802が起動される。面内共振モードでは、質量1804(例えば、「M」)を有するパッド1812は、反対方向に振動する。したがって、共振時は、共振器1802は、振動パッド1812の特性周波数を含み、ピラー1818の抵抗は、ピエゾ抵抗効果に起因する交互する機械応力によって調節される。したがって、特性周波数に対応する共振器1802において検出可能な小さな信号運動電流が存在する。
【0079】
図19を参照すると、一実施形態に係る、処理システムのトランジスタセンサ型のセンサの概略図である。一実施形態では、ウエハ処理ツール102の1つ以上のセンサ312は、トランジスタセンサ1902を含む。トランジスタセンサ1902は、1つ以上のトランジスタ、例えば、MOSFET1904を含み得る。MOSFET1904は、源1906、ドレイン1908、及びゲート1910を含み得る。トランジスタセンサ1902は、ウエハ製造処理中に材料1806を受けたり、又は排出するために、
図18A及び
図18Bに関連して説明された質量1804と同様のコレクタ1912をさらに含み得る。コレクタ1912は、MOSFET1904から物理的に分離され得るが、その副次成分は互いに電気接続され得る。例えば、コレクタ1912は、電気トレース1914を通してMOSFET1904のゲート1910に電気接続され得る。したがって、コレクタ1912がMOSFET1804から離間された所定位置に配置されているときでさえも、MOSFET1904は、材料1806がコレクタ1912に着地したか、又はコレクタ1912から蒸発したかを検出するように構成され得る。
【0080】
コレクタ1912は、材料1806を受けるようにサイズ形成及び構成され得る。例えば、材料1806の粒子の典型的なサイズは、45ナノメートルから1ミクロンの範囲内であってよく、したがって、コレクタ1912は、少なくとも1ミクロンの直径を有する外側リムを有する外形輪郭を含み得る。下向き方向に見たときの外側リムの形状は、円形、長方形、又は任意の他の形状であってよい。さらに、コレクタ1912は、平面であってもよく(例えば、平坦なセンサ表面512を有してもよい)、又は円錐状のセンサ表面512を有してもよい。一実施形態では、コレクタ1912は、MOSFET1904から分離した構造ではなく、その代わりに、MOSFET1904に組み込まれる。例えば、コレクタ1912は、MOSFET1904のゲート1912上の収集領域であってもよい。
【0081】
上述した共振器1802と同様に、トランジスタセンサ502のコレクタ1912は、ウエハ202の表面を模擬的に再現するように構成されたセンサ表面512を含み得る。例えば、コレクタ1912上のセンサ表面512は、孔310に向かって前方方向を向くように配向され得る。コレクタ1912は、例えば、同一の又は異なる材料のベース層1808及び上層1810を有する多層構造を含み得る。
【0082】
一実施形態では、トランジスタセンサ1902のパラメータは、MOSFET1904に対応する。より具体的には、トランジスタセンサ1902のパラメータは、ゲート1910にわたって測定されたMOSFET1904の閾値電圧であり得る。閾値電圧は、コレクタ1912上の材料1806の存在又は不在に直接対応し得る。例えば、閾値電圧は、第1の量の材料1806がコレクタ1912上にあるときに第1の値を有し得、コレクタ1912上に第2の量の材料1806があるときに、第2の値(第1の値とは異なる)を有し得る。したがって、コレクタ1912のセンサ表面512に集まった又はセンサ表面512から放出された材料1806は、トランジスタセンサ1902の閾値電圧に基づいて判定することが可能である。コンピュータシステム104のプロセッサを閾値電圧の変化を検出するように構成することができる。したがって、閾値電圧の変化が検出されたとき、ウエハ処理ツール102は、この変化を、材料の堆積又は除去量として認知し得る。ウエハ202のための材料の実際の堆積速度又は除去速度を判定するために、経時的に閾値電圧のログを記録することができる。
【0083】
センサ312には、他のセンサタイプが含まれ得る。例えば、ウエハ処理ツール102の1つ以上のセンサ312は、光学センサ(図示せず)であってもよい。光学センサは、当技術分野で周知のマイクロオプトエレクトロメカニカルシステム(MOEMS)であってもよく、周知の処理工程、例えば、半導体処理工程を使用して、基板上に直接形成され得る。簡潔にまとめて理解を容易にすることを目的として、説明を簡略化するために、本明細書は、MOEMSの複雑性及び多様性を説明していない。光学センサは、基板のセンサ表面512にわたって分散した幾つかのマイクロミラー又はレンズを含み得る。さらに詳細に説明することはないが、光学センサは、光源から発せられる光路を含み得る。光路は、光源と光検出器との間にあってよい。一実施形態では、光学センサのパラメータは、光検出器において光を光源から受けたか否かに対応する。例えば、パラメータは、材料が光路を妨げることに応じて変化し得る。つまり、材料の粒子が、光路を通過するか、又は光路に留まり、光源と光検出器との間の光を遮ると、パラメータが変化し得る。一実施形態では、粒子が光学センサを通過したとき、光源からの光は、異なる光路に沿って反射し、別の光検出器に向かう。別の光検出器によって反射光を検出すると、結果的に、光学センサのパラメータの変化が生じ得る。パラメータは、例えば、光検出に対応する光学センサの出力電圧であり得る。コンピュータシステム104のプロセッサは、出力電圧の変化を検出するように構成され得、これにより、出力電圧の変化及び/又は光路における妨害が検出されたときに、ウエハ処理ツール102は、この変化を、基板上のセンサ表面512の材料の堆積又はセンサ表面512からの材料の除去として認知することができ、したがって、堆積/除去の量及び/又は速度をリアルタイムで測定且つモニタリングすることができる。
【0084】
上述したタイプのセンサは、外部の圧力から独立した電気パラメータに基づいて動作するため、例えば、共振器1802、トランジスタセンサ1902、又は光学センサなどの1つ以上のセンサ312を有するウエハ処理ツール102は、真空条件下を含む任意の圧力レジームで動作し得ることを理解されたい。同様に、センサ312は、プラズマ不在条件を含む、チャンバ空間204のガス密度に関わらず動作し得る。コンピュータシステム104にデータを送信するために、すべてのセンサタイプから電気ケーブル812及び電気真空フィードスルー810に電気パラメータを出力することができる。
【0085】
図20を参照すると、一実施形態に係る、処理システムの例示的なコンピュータシステムのブロック図が示されている。コンピュータシステム104は、ウエハ処理ツール102の電子回路と連動する製造設備ホストコンピュータであってもよい。一実施形態では、コンピュータシステム104は、ロボット、ロードロック110、処理チャンバ112、モニタリングデバイス208、及びウエハ処理ツール102の他の構成要素に連結され、これらを制御する。コンピュータシステム104は、上述したように、センサ312によって提供される材料の堆積/除去情報を受信及び解析することができる。
【0086】
コンピュータシステム104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イントラネット、エクストラネット、又はインターネットにおいて、他のマシンに接続(例えば、ネットワーク化)され得る。コンピュータシステム104は、クライアントサーバネットワーク環境では、サーバ又はクライアントマシンの役割で、又は、ピアツーピア(又は分散)ネットワーク環境では、ピアマシンとして作動し得る。コンピュータシステム104は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチ若しくはブリッジ、又はそのマシンによって行われる動作を特定する(連続した又は別様な)命令のセットを実行可能な任意のマシンであってもよい。さらに、コンピュータシステム104として単一のマシンのみが示されているが、「マシン」という用語は、本明細書に記載された方法のうちの任意の1つ又は複数を実施するために、命令のセット(又は複数のセット)を個々に又は連携的に実行するマシン(例えば、コンピュータ)の任意の集合体を含むとさらに解釈すべきである。
【0087】
コンピュータシステム104は、命令が記憶された非一過性のマシン可読媒体を有するコンピュータプログラム製品、又はソフトウェア2002を含んでもよく、これらの命令は、諸実施形態による処理を実施するコンピュータシステム104(又は、他の電子デバイス)をプログラミングするために使用され得る。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって可読な形態で情報を保存又は伝送する任意の機構を含む。例えば、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス等)、マシン(例えば、コンピュータ)可読伝送媒体(電気的形態、光学的形態、音響的形態、又はその他の伝播信号の形態(例えば、赤外線信号、デジタル信号等))等を含む。
【0088】
一実施形態では、コンピュータシステム104には、バス2009を介して互いに通信し合う、システムプロセッサ2004、メインメモリ2006(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、シンクロナスDRAM(SDRAM)又はランバスDRAM(RDRAM)などのダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM))、スタティックメモリ2008(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)等)、及び二次メモリ(例えば、データ記憶デバイス2024)が含まれる。
【0089】
システムプロセッサ2004は、マイクロシステムプロセッサ、中央処理ユニット、又は同等物などの1つ以上の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、システムプロセッサ2004は、複合命令セット演算(CISC)マイクロシステムプロセッサ、縮小命令セット演算(RISC)マイクロシステムプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロシステムプロセッサ、他の命令セットを実行するシステムプロセッサ、又は命令セットの組み合わせを実行するシステムプロセッサであり得る。さらに、システムプロセッサ2004は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号システムプロセッサ(DSP)、ネットワークシステムプロセッサなどの1つ以上の特殊用途処理デバイスであってもよい。システムプロセッサ2004は、本明細書に記載された工程を実行するための処理ロジック2010を実施するように構成されている。
【0090】
コンピュータシステム104は、ネットワーク2014を介して、他のデバイス又はマシン(例えば、ウエハ処理ツール102)と通信するためのシステムネットワークインターフェースデバイス2012をさらに含み得る。コンピュータシステム104は、ビデオディスプレイユニット2016(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、又は陰極線管(CRT))、英数字入力デバイス2018(例えば、キーボード)、カーソル制御デバイス2020(例えば、マウス)、及び信号生成デバイス2022(例えば、スピーカ)をさらに含み得る。
【0091】
二次メモリは、本明細書に記載された方法又は機能のうちの1つ以上のいずれかを具現化する1つ以上の命令セット(例えば、ソフトウェア2002)が記憶される、マシンによってアクセス可能な記憶媒体2026(又はより具体的には、コンピュータ可読記憶媒体)を有するデータストレージデバイス2024を含み得る。ソフトウェア2002は、コンピュータシステム104によって実行されている間、メインメモリ2006及び/又はシステムプロセッサ2004の中に、完全に又は少なくとも部分的に存在してもよい。さらに、メインメモリ2006及びシステムプロセッサ2004は、マシン可読記憶媒体を構成し得る。ソフトウェア2002は、システムネットワークインターフェースデバイス2012を介して、ネットワーク2014上でさらに伝送又は受信され得る。
【0092】
例示的な実施形態では、マシンによってアクセス可能な記憶媒体2026は、単一の媒体として示されているが、「マシン可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中データベース若しくは分散データベース、並びに/又は関連キャッシュ及びサーバ)を含むと解釈すべきである。さらに、「マシン可読記憶媒体」という用語は、マシンによって実施される命令のセットを記憶又は符号化することが可能であり、且つ、方法のうちの1つ以上のいずれかをマシンに実施させる任意の媒体を含むと解釈すべきである。したがって、「マシン可読記憶媒体」という用語は、固体メモリ、光学媒体、及び磁気媒体を含むと解釈すべきであるが、これらに限定されない。
【0093】
システムプロセッサ2004は、モニタリングデバイス208のモニタリングデバイス回路2030と電気接続するように配置され得る。例えば、バス2009は、システム構成要素(例えば、電気ケーブル812、及び電気真空フィードスルー810)との1つ以上の入出力(I/O)接続を介して、センサ312信号を受信し得る。さらに、モニタリングデバイス回路2030の一部は、コンピュータシステム104と併置され得る。例えば、モニタリングデバイス回路2030は、周波数源(例えば、広周波数源)、又は検出器を含み得る。周波数源及び検出器は、ウエハ処理ツール102のセンサ312の特定の実施形態に関連する特定用途を有することがある。例えば、周波数源は、共振器1802に電気駆動信号を出力し得る。検出器は、センサ表面512に堆積された質量1804に対応するセンサ312から出力信号を受信し得る。共振器1802の特性周波数におけるシフトを検出するために、周波数源と検出器が、ウエハ処理ツール102のコンピュータシステム104に組み込まれ得る。
【0094】
モニタリングデバイス回路の周波数源は、共振器1802を励起するために使用される広周波数源であってよい。モニタリングデバイス回路の検出器は、共振器1802の特性周波数をモニタリングして、特性周波数のシフトを検出することができる。例えば、検出器は、特性周波数(例えば、出力電圧又は電流)に対応する信号をプロセッサ2004に出力することができる。プロセッサ2004は、出力電圧を受信して、特性周波数のシフトを認識するように構成され得る。したがって、共振器1802の出力電圧及び/又は特性周波数が検出されると、ウエハ処理ツール102は、この変化を、共振器1802のパッド1812上のセンサ表面512への材料の堆積又はセンサ表面512からの材料の除去のインスタンスとして認知することができる。堆積及び除去のログが経時的に記録され、材料の堆積及び/又は除去の速度が検出され得る。共振器1802の質量1804が増減すると、例えば、材料が、共振器1802に蓄積するか、又は共振器1802から蒸発すると、特性周波数はシフトダウンし、それにより、ウエハ処理ツール102が、リアルタイムでウエハ製造処理の堆積及び/又は除去速度をモニタリングし、測定することが可能になる。
【0095】
上述の明細書では、特定の例示的な実施形態が説明された。以下の特許請求の範囲から逸脱せずに、特定の例示的な実施形態に様々な修正を加え得ることが明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定を意味するよりも、例示を意味すると見なすべきである。