IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許6991325デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル
<>
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図1A
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図1B
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図2
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図3
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図4
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図5
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図6
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図7
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図8
  • 特許-デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-09
(45)【発行日】2022-01-12
(54)【発明の名称】デュアルロードロック構成による高温加熱支持ペデスタル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20220104BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220104BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/302 101G
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020520554
(86)(22)【出願日】2018-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2018051751
(87)【国際公開番号】W WO2019078989
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】62/572,938
(32)【優先日】2017-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パーケ, ヴィジェイ ディー.
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-509782(JP,A)
【文献】特開平09-213775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱支持ペデスタルであって、
セラミック材料を含む本体と、
支持アームにより前記本体に結合された軸外しシャフトと、
環状スペーサにより前記本体に結合された支持アセンブリと、
前記シャフトの内部に配置されておりかつ前記支持アーム及び前記支持アセンブリを通って、前記本体の中央に形成された真空通路において前記本体の表面と通じている真空導管と、
を備え、
前記環状スペーサは、前記支持アセンブリに設けられたリング状部材に形成された開口部内に収容される、加熱支持ペデスタル。
【請求項2】
前記本体は、当該本体に形成された複数のスロットを含み、前記スロットの各々が、前記本体の周縁から径方向内側の方向に沿って位置合わせされている、請求項1に記載の支持ペデスタル。
【請求項3】
前記本体は、温度プローブのためのチャネルを含む、請求項1に記載の支持ペデスタル。
【請求項4】
アダプタが前記シャフトに結合されている、請求項1に記載の支持ペデスタル。
【請求項5】
前記アダプタはアルミニウム材料を含む、請求項4に記載の支持ペデスタル。
【請求項6】
前記支持アームが金属材料を含む、請求項1に記載の支持ペデスタル。
【請求項7】
セラミックリング部が、前記環状スペーサの周縁の周りに配置される、請求項1に記載の支持ペデスタル。
【請求項8】
パドル状プレートが前記リング状部材に結合されて、前記本体と前記パドル状プレートとの間に、前記リング状部材及び前記環状スペーサにより囲まれたシール容積室を形成する、請求項に記載の支持ペデスタル。
【請求項9】
ロードロックチャンバであって、
第1のチャンバ容積室と、前記第1のチャンバ容積室から分離された第2のチャンバ容積室と、を画定するチャンバ本体と、
前記第2のチャンバ容積室内に配置された加熱支持ペデスタルであって、
セラミック材料を含む本体、
シャフトに結合されている前記本体の周縁から径方向外側に向かって延在する支持アーム部、
環状スペーサにより前記本体に結合された支持アセンブリ、及び、
前記シャフトの内部に配置されておりかつ前記支持アーム部及び前記支持アセンブリを通って、前記本体の中央に形成された真空通路において、前記本体の表面に形成された溝パターンと通じている真空導管を含む加熱支持ペデスタルと、
前記第2のチャンバ容積室にプラズマを供給するための、前記第2のチャンバ容積室に接続された遠隔プラズマ源と
を備え、
前記環状スペーサは、前記支持アセンブリに設けられたリング状部材に形成された開口部内に収容される、
ロードロックチャンバ。
【請求項10】
前記加熱支持ペデスタルは、前記シャフトに結合されたアダプタをさらに備える、請求項に記載のロードロックチャンバ。
【請求項11】
前記アダプタはアルミニウム材料を含む、請求項10に記載のロードロックチャンバ。
【請求項12】
前記加熱支持ペデスタルは、温度プローブのためのチャネルをさらに含む、請求項に記載のロードロックチャンバ。
【請求項13】
前記加熱支持ペデスタルは、当該加熱支持ペデスタルに形成された複数のスロットをさらに含み、前記スロットの各々が、前記本体の周縁から径方向内側の方向に沿って位置合わせされている、請求項に記載のロードロックチャンバ。
【請求項14】
加熱支持ペデスタルであって、
セラミック材料を含む本体と、
環状スペーサにより前記本体に結合された支持アーム部であって、前記支持アーム部は、前記本体の周縁から径方向外側に向かって延在し、前記本体は、前記支持アーム部に結合された軸外しシャフトに結合されている、支持アーム部と、
前記本体に結合された支持アセンブリと、
前記シャフトの内部に配置されておりかつ前記本体及び前記支持アームを通って、前記本体の表面と通じている真空導管と
を備え、
前記本体は温度プローブのためのチャネルを含む加熱支持ペデスタル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、2つのチャンバ容積室を備えたロードロックチャンバに関し、少なくとも1つのチャンバ容積室が、基板を処理するために構成されている。特に、本開示は、デュアルロードロックチャンバ内で用いられる加熱支持ペデスタルに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]例えば、超大規模集積(ULSI:ultra-large-scale integrated)回路素子は、シリコン(Si)基板といった半導体基板上に形成されており上記素子の内部の様々な機能を実行するために協働する100万を上回る数の電子デバイス(例えば、トランジスタ)を含むことが可能である。
【0003】
[0003]従来の電子デバイス製造システムは、複数の処理チャンバと、移送チャンバを囲みかつ移送チャンバに接続された1つ以上のロードロックチャンバと、を含んでいることが多い。この電子デバイス製造システムでは、移送チャンバの内部に収容された移送ロボットが使われており、この移送ロボットは、様々な処理チャンバとロードロックチャンバとの間で基板を移送するよう適合されている。
【0004】
[0004]或る電子デバイス(例えば、基板)の製造のために望まれる追加的処理を追加するため、又は、特定のツール内での追加的処理を追加するために、ロードロックチャンバが、即ち例えば、移送チャンバと別の環境との間に配置されており移送チャンバ及び別の環境から選択的に分離されているチャンバが、その中に配置された基板に対する1つ以上の処理を実施するために利用されうる。例えば、基板は、ロードロックチャンバ内に存在する間は加熱されうる。加えて、エッチング処理、例えばスパッタエッチング洗浄処理が、基板に対して、ロードロックチャンバ内に存在する間に行われうる。
【0005】
[0005]しかしながら、現在のロードロックチャンバ内にある典型的な支持ペデスタルは、アルミニウム材料で作製されており、これにより、その上に位置する基板に対して加えられる熱量には制限がある。例えば、過度の熱を加えることにより、支持ペデスタルの変形が引き起こされる。加えて、或るエッチング処理においては、支持ペデスタルが、エッチング処理の際に利用される幾つかのガスと反応する。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示の実施形態は、セラミック材料を含む本体と、本体の周縁から径方向外側に向かって延在しかつシャフトに結合された支持アーム部と、
シャフトの内部に配置されておりかつ本体を通って、本体の表面に形成された溝パターンと通じている導管と、を備えた加熱支持ペデスタルを提供する。
【0007】
[0007]本開示の一実施形態は、第1のチャンバ容積室、及び当該第1のチャンバ容積室から分離された第2のチャンバ容積室を画定するチャンバ本体と、第2のチャンバ容積室内に配置された加熱支持ペデスタルと、を有するロードロックチャンバを提供する。加熱支持ペデスタルは、セラミック材料を含む本体と、シャフトに結合されている本体の周縁から径方向外側に向かって延在する支持アーム部と、を備える。ロードロックチャンバは、第2のチャンバ容積室にプラズマを供給するための、第2のチャンバ容積室に接続された遠隔プラズマ源も備える。
【0008】
[0008]本開示の他の実施形態は、第1のチャンバ容積室と第1のチャンバ容積室から分離された第2のチャンバ容積室とを画定するチャンバ本体と、第2のチャンバ容積室内に配置された加熱支持ペデスタルと、を有するロードロックチャンバを提供する。加熱支持ペデスタルは、セラミック材料を含む本体と、シャフトに結合されている本体の周縁から径方向外側に向かって延在する支持アーム部と、シャフトの内部に配置されておりかつ本体を通って、本体の表面に形成された溝パターンと通じている真空導管と、を備える。ロードロックチャンバは、第2のチャンバ容積室にプラズマを供給するための、第2のチャンバ容積室に接続された遠隔プラズマ源も備える。
【0009】
[0009]上述の本開示の特徴を詳細に理解しうるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、一部の実施形態は、添付の図面に例示されている。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】[0010]本開示の一実施形態に係るデュアルロードロックチャンバの概略的な断面図である。
図1B】[0011]処理中の図1Aのデュアルロードロックチャンバの概略的な断面図である。
図2】[0012]図1の第2のチャンバ本体の概略的な上面図である。
図3】[0013]図1Aのロードロックチャンバと共に利用されうる一実施形態による加熱支持ペデスタルアセンブリの斜視図である。
図4】[0014]図3のアダプタの底面の平面図である。
図5】[0015]溝パターン及び中央の真空通路を示す、加熱支持ペデスタルアセンブリの概略的な平面図である。
図6】[0016]図1Aのロードロックチャンバと共に利用されうる他の実施形態による加熱支持ペデスタルアセンブリの斜視図である。
図7】[0017]図6の加熱支持ペデスタルアセンブリの底部を示す斜視図である。
図8】[0018]図7の線8-8に沿った加熱支持ペデスタルアセンブリの側面図である。
図9】[0019]図8の側面図の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0020]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。1つの実施形態で開示する要素は、具体的な記述がなくとも、他の実施形態で有益に利用されうることが想定されている。
【0012】
[0021]本開示の実施形態は、概して、2つのチャンバ容積室を備えたロードロックチャンバに関し、少なくとも1つのチャンバ容積室が、基板を処理するために構成されている。特に、デュアルロードロックチャンバ内で用いられる加熱支持ペデスタルに関する。加熱支持ペデスタルの実施形態は、その上に載置された基板を、セ氏550度(C)以上の高温で加熱する能力を含んでいる。「高温」とは、本明細書では、アルミニウム固相線温度の温度又はそれに近い温度として、例えば、約セ氏550度から約セ氏600度と定義されうる。この高温下では、アルミニウム材料は、歪み及び/又は変形しうる。本開示の実施形態は、更に、2つの分離されたチャンバ容積室を含むデュアルロードロックチャンバに関し、ここで、少なくとも1つのチャンバ容積室が、例えばフッ素含有ガスといった反応性種のガスに基板を暴露することにより、基板を処理するために構成されている。
【0013】
[0022]本開示の一実施形態は、本体アセンブリ内に少なくとも2つの分離されたチャンバ容積室が形成されたロードロックチャンバを提供する。2つの分離されたチャンバ容積室は、垂直方向に積み重ねられ又は並置されうる。2つのチャンバ容積室は、互いに独立して、スループットを増大させるよう動作可能である。一実施形態において、第1のチャンバ容積室は、その中に配置された基板を反応性種に暴露するよう構成されている。第2のチャンバ容積室は、工場インタフェースの環境と移送チャンバの環境との間といった、隣り合う環境の間で基板を交換するためにのみ利用される。
【0014】
[0023]本開示の一実施形態は、その上に載置された基板を加熱するための薄型の加熱基板支持ペデスタルと、当該薄型の加熱基板支持ペデスタルの上方に配置された、ロードロックチャンバ内の基板に1つ以上の処理ガスを均一に供給するためのシャワーヘッドと、を備えるロードロックチャンバを提供する。一実施形態において、シャワーヘッドは、当該シャワーヘッドを通じてロードロックチャンバに反応性種を供給する遠隔プラズマ源に接続されている。
【0015】
[0024]図1Aは、本開示の一実施形態に係るデュアルロードロックチャンバ100の概略的な断面図である。デュアルロードロックチャンバ100は、基板104を移送するための第1のチャンバ容積室110と、基板104を移送及び処理するための第2のチャンバ容積室120と、を含んでいる。第2のチャンバ容積室120及び第1のチャンバ容積室110は、一方が他方の上に垂直方向に積み重ねられており、流体的に互いに遮断されている。
【0016】
[0025]デュアルロードロックチャンバ100は、チャンバ本体アセンブリ103を含んでいる。一実施形態において、チャンバ本体アセンブリ103は、第1のチャンバ本体111及び第2のチャンバ本体121を含み、第1のチャンバ本体111及び第2のチャンバ本体121は、第1チャンバ容積室110及び第2のチャンバ容積室120を収容する単一構造を画定するために共に結合されている。第1のチャンバ本体111及び第2のチャンバ本体121は垂直方向に積み重ねられているが、第1のチャンバ本体111と第2のチャンバ本体121とが水平方向に(例えば隣り合って)配置されうることが想定されている。
【0017】
[0026]第1のチャンバ容積室110は、第1のチャンバ本体111と、第1のチャンバ本体111に取り付けられたチャンバ基部112と、により画定されている。第1のチャンバ本体111は、上部壁118及び側壁119を有している。上部壁118と、側壁119と、チャンバ基部112とが第1のチャンバ容積室110を囲んでいる。第1のチャンバ容積室110内の基板支持機構145であって、基板104を支持し、基板移送ロボットといった基板移送装置と基板を交換するよう構成された第1のチャンバ容積室110内の基板支持機構145が、第1のチャンバ容積室110内に配置されている。一実施形態において、基板支持機構145は、基板104の背面104bを支持するための3つ以上の支持ピン113を含んでいる。一実施形態において、支持ピン113は固定されており、第1のチャンバ本体111又はチャンバ基部112から延びている。支持ピン113は、基板移送装置と相互作用するよう配置されている。
【0018】
[0027]第2のチャンバ容積室120及び第1のチャンバ容積室110は、真空系150に流体的に連結されている。一実施形態において、第2のチャンバ容積室120及び第1のチャンバ容積室110の圧力は、互いに独立して制御されている。約4トルから約12トルの圧力が、第1のチャンバ容積室110及び第2のチャンバ容積室120のうちの1つ又は両方において提供されうる。
【0019】
[0028]デュアルロードロックチャンバ100の第2のチャンバ容積室120は、シャワーヘッド129と、加熱支持ペデスタル132と、リフトフープアセンブリ144とを含んでいる。シャワーヘッド129は、加熱支持ペデスタル132の上方に配置されている。リフトフープアセンブリ144は、第2のチャンバ容積室120内の処理環境と境を接するよう構成されている。
【0020】
[0029]第2のチャンバ容積室120は、第2のチャンバ本体121の側壁122と、側壁122の上方に配置されたリッドライナ127と、第2のチャンバ本体121の底壁123と、第1のチャンバ本体111の上部壁118と、によって画定されている。リッドライナ127は、中央開口127cを形成する内側リップ部127aを有している。内側リップ部127aは、シャワーヘッド129と、その上方にあるソース・アダプタプレート128を支持している。リッドライナ127は、シャワーヘッド129を取り囲む空隙127bも含んでいる。一実施形態において、リッドライナ127は、チャンバの構成要素へのアクセスを可能とするために、第2のチャンバ本体121の上方に着脱可能に配置されている。
【0021】
[0030]シャワーヘッド129は、複数の貫通孔129aがそれを貫いて形成されたフェースプレート129dと、中央開口129eを有するバックプレート129cと、を有している。フェースプレート129dとバックプレート129cとが、内部容積室129bを囲んでいる。内部容積室129bは、フェースプレート129dを貫いて形成された貫通孔129aを通じて第2のチャンバ容積室120に提供されるガスの、支持ペデスタル132状の基板に亘る径方向の均一性を向上させるプレナム部として機能する。
【0022】
[0031]ソース・アダプタプレート128は、シャワーヘッド129のバックプレート129cの上に配置されている。ソース・アダプタプレート128は、シャワーヘッド129の中央開口129eと位置合わせされた中央開口128aを有している。遠隔プラズマ源130は、開口部129e及び128a内に配置された石英挿入部131を通じて、シャワーヘッド129の内部容積室129bと流体的に連通している。石英挿入部131及びシャワーヘッド129の内部容積室129bを通って、その後でシャワーヘッド129の貫通孔129aを通って流過することにより、遠隔プラズマ源130からの解離した反応性種が、第2のチャンバ容積室120に進入する。
【0023】
[0032]一実施形態において、シャワーヘッド129は石英で作製されており、これにより、プレナム部の内部の上記反応性種に暴露される内部容積室129bの表面には石英が並んでいる。石英挿入部131及びシャワーヘッド129によって、金属製のチャンバ構成要素が、遠隔プラズマ源130から提供される反応性種に暴露されるのを防ぐ。
【0024】
[0033]遠隔プラズマ源130は一般に、当該遠隔プラズマ源130を通じて上方のチャンバ容積室110に1つ以上の処理ガスを供給するための1つ以上のガスパネルに接続されている。一実施形態において、遠隔プラズマ源130は、エッチング処理が基板に対して施された後で基板から残留物質を除去するため軽減処理用の処理ガスを提供するために構成された第1のガスパネル101と、基板からフォトレジストを除去するため灰化処理用の処理ガスを提供するために構成された第2のガスパネル102と、に接続されている。フッ素含有ガスも、第1のガスパネル101又は第2のガスパネル102によって提供されうる。
【0025】
[0034]加熱支持ペデスタル132は、デュアルロードロックチャンバ100の第2のチャンバ容積室120の内部でフィットするよう構成されている。加熱支持ペデスタル132は、チャンバ本体アセンブリ103から実質的に熱的に絶縁されるよう配置され構成されている。一実施形態において、加熱支持ペデスタル132は基板104をセ氏550以上まで加熱するよう構成されるが、チャンバ本体アセンブリ103は冷えたままであり、又は積極的に冷却される。
【0026】
[0035]一実施形態において、基板支持ペデスタル132はヒータ135を含んでいる。ヒータ135は、抵抗加熱要素であってよく、又は、伝熱流体をそれを通って流すよう適合された導管であってよい。加熱支持ペデスタル132は、基板104の背面104bを支持するよう構成された基板受容面133を有している。ここでの加熱支持ペデスタル132は、処理中に基板の背面104bに真空チャックするよう構成された真空導管134を含んでいる。図示されていないが、加熱支持ペデスタル132は静電パックを含むことが可能であり、静電パックによって、処理中の基板104の当該静電パックへの静電チャックが可能となる。
【0027】
[0036]支持アーム部151が、加熱支持ペデスタル132の本体136から径方向外側に向かって延びて本体136をシャフト137に接続し、これにより、本体136は、シャフトより片持ち梁のように張り出している。シャフト137は、第2のチャンバ本体121の開口部153及び第1のチャンバ本体111の開口部152を通って延在し、シール部(図示せず)によってそれらにシールされている。シャフト137は、加熱支持ペデスタル132において用いられる、電源ケーブル、センサ、及び他の配線のための通路、並びに真空ラインを提供する。一実施形態において、チャンバの外に配置されたヒータ電源138、センサ信号受信機139、及びチャック制御ユニット140が、シャフト137内の上記通路を通じて加熱支持ペデスタル132に接続される。一実施形態において、チャック制御ユニット140は、支持ペデスタルの表面での真空圧力を制御して、上記表面に載った基板に対するチャック力を制御するよう構成されている。静電パックが支持ペデスタル132に設けられる他の実施形態において、チャック制御ユニット140は、加熱支持ペデスタル132に静電チャック機能を提供するための直流電力供給部である。
【0028】
[0037]アダプタ141が、第1のチャンバ本体111の外から、シャフト137及び第1のチャンバ本体111に結合されている。幾つかの実施形態では、アダプタ141には冷却チャネルが形成されている。冷却チャネル141aが利用される実施形態では、冷却流体のためのソース142が冷却チャネル141aに接続されていて、アダプタ141にクーラントが提供され、これにより、熱が、加熱支持ペデスタル132からアダプタ141を通って伝わることが防止される。
【0029】
[0038]幾つかの実施形態において、加熱支持ペデスタル132の本体136、及びシャフト137はセラミック材料で作製され、アダプタ141はアルミニウム材料で作製されている。
【0030】
[0039]デュアルロードロックチャンバ100は、外部のロボットと加熱支持ペデスタル132との間で基板を移送するためのリフトフープアセンブリ144も備える。リフトフープアセンブリ144は、加熱支持ペデスタル132を取り囲む第2のチャンバ容積室120の内部に配置されたリング形状のフープ本体146を含む。フープ本体146は、第2のチャンバ容積室120の外部領域に配置されたリフト機構160に結合されている。リフト機構160は、第2のチャンバ容積室120の内部でフープ本体146を垂直方向に移動させる。一実施形態において、リフト機構160は、その垂直方向の運動の間の圧力を維持するベローズ161を含む。リフト機構160は、チャンバ本体アセンブリ103の外に配置された電動アクチュエータ169に接続されうる。
【0031】
[0040]3つ以上の持ち上げフィンガ147が、フープ本体146に取り付けられている。持ち上げフィンガ147は、垂直方向に下方に向かって、かつフープ本体146から径方向内側に向かって延びている。持ち上げフィンガ147は、加熱支持ペデスタル132と、ロボットといった、第2のチャンバ容積室120の外部から第2のチャンバ容積室120にアクセスする基板移送装置と、の間で基板を移送するよう構成されている。図1Aは、ロボットといった外部の基板移送装置との基板交換のための上方ポジションにあるリフトフープアセンブリ144を示している。
【0032】
[0041]図1Bは、デュアルロードロックチャンバ100の概略的な断面図であり、リフトフープアセンブリ144は、基板処理のための下方ポジションにある。フープ本体146が、図1Bに示す下方ポジションにあるときには、持ち上げフィンガ147が、上方加熱プレート133の上面133aより下方に配置されている。フープ本体146が上方ポジションまで上がるにつれて、持ち上げフィンガ147が移動して、基板104と接触し、加熱基板支持アセンブリ132から当該基板104を持ち上げる。フープ本体146が図1Aに示す上方ポジションにある間は、外部の基板移送装置(図示せず)は、ポートのうちの1つを通じて第2のチャンバ容積室120に入り、持ち上げフィンガ147から基板104を取り除いて、続いて新しい基板104を持ち上げフィンガ147に載せることが可能である。フープ本体146が再び下方ポジションに下げられると、持ち上げフィンガ147に載置された新しい基板104が、処理のために加熱基板支持アセンブリ132に載せられる。
【0033】
[0042]フープライナ145が、フープ本体146に取り付けられている。フープライナ145は、フープ本体146から垂直方向に上方に延在している。一実施形態において、フープライナ145は、ほぼ平坦な円筒形状の内壁145aを有するリング部である。一実施形態において、フープライナ145の内壁145aは、高さ145bが、加熱基板支持アセンブリ132の厚さよりも遥かに大きく、内径が、加熱基板支持アセンブリ132及びシャワーヘッド129の外径よりも大きく、これにより、フープライナ145は、加熱基板支持アセンブリ132及びシャワーヘッド129を囲む処理環境を創出しうる。フープ本体146が、図1Aに示す上方ポジションにあるときには、フープライナ145は、リッドライナ127の内部に形成された空隙127bに入りうる。フープ本体146が下方ポジションにあるときには、フープライナ145の円筒形状の内壁145aによって、基板104の周りの第2のチャンバ容積室120の内部でかつ加熱基板支持アセンブリ132の直ぐ上の領域に、環状の制限壁が創出され、従って、基板104のために対称的な処理環境が提供される。フープライナ145の高さは、シャワーヘッド129のフェースプレート129dと加熱基板支持アセンブリ132との間の垂直方向の空間をカバーするのに充分なほど高い。一実施形態において、フープライナ145は石英で作られる。
【0034】
[0043]図2は、シャワーヘッド129が外されている第2のチャンバ本体121の概略的な上面図である。2つの開口部225が、側壁122を貫通して形成されており、第2のチャンバ本体121の内部への又は当該内部からの基板の移送が可能となる。スリットバルブドアを、第2のチャンバ本体の内部へのアクセスを選択的に開放するために各開口部225の外に設けることが可能であり、このように、外部環境と第2のチャンバ容積室との間のインタフェースを提供する。
【0035】
[0044]図3は、図1A図1B、及び図2に示した加熱支持ペデスタル132としてここでは利用される、一実施形態による加熱支持ペデスタルアセンブリ300の斜視図である。本実施形態に係る加熱支持ペデスタルアセンブリ300は、シャフト137及びアダプタ141を含んでいる。(図1A及び図1Bに図示した)ヒータ電源138、センサ信号受信機139、及びチャック制御ユニット140に接続するための接続部308が、アダプタ141から延びている。
【0036】
[0045]幾つかの実施形態において、加熱支持ペデスタルアセンブリ300の本体136は、厚さ305が約10mmから約18mmであり、例えば、約12mmと約16mmとの間である。本体136の上面(又は基板受容面)310の中央の部分には溝パターン315が含まれており、ここでは、2個の同心の環状溝と、8個の放射線状の溝であって、約45度の角度で互いに離間しており上記環状溝と連通する8個の放射線状の溝と、中央凹部と、が含まれている(図3)。溝パターン315は、中央凹部のだいたい中心に置かれた中央真空通路320と流体的に接続しており、この中央真空通路320は、図1A及び図1Bに示され記載されたチャック制御ユニット140と流体的に接続している。複数のスロット325が、本体136に形成されていて、リフトフープアセンブリ144の持ち上げフィンガ147が当該スロット325の中を通過することを可能とし、持ち上げフィンガ147から上面への基板移送を促進する。一実施形態において、本体136は、シャフト137に対して、その間の拡散接合部(拡散接合)330により又はセラミック同士の他の適切な接合方法により、結合されている。シャフト137は、ネジ又はボルトといった締め具接合335を用いて、アダプタ141に結合されうる。
【0037】
[0046]図4は、図3のアダプタ141の底面の平面図である。アダプタ141は、ここではアルミニウムで作製された本体400を含んでいる。本体400は、図1A及び図1Bに示したヒータ135及びヒータ電源138に接続する導線のための端子405を含んでいる。本体400はまた、温度プローブのための開口部410と、(図3に示した)中央真空通路320及び(図1A及び図1Bに示した)チャック制御ユニット140に接続する開口部415と、を含んでいる。
【0038】
[0047]図5は、加熱支持ペデスタルアセンブリ300の概略的な平面図であり、溝パターン315及び中央真空通路320を示している。本体136の上面310より下方の(透視で示される)導管500及び505によって、加熱支持ペデスタルアセンブリ300の内部の流体経路が提供される。導管500は、シャフト137と中央真空通路320との間に延びる真空通路を提供する。導管505は、熱電対、赤外線温度センサ、又は他の測温装置といった温度プローブを収容するために設けられている。本実施形態に係る溝パターン315は、中央の溝515から外側に向かって延在する複数の放射状に方向付けられた溝510を含んでいる。上記放射状の溝510は、1つ以上の環状溝520と交差している。
【0039】
[0048]図6は、図1A図1B、及び図2に示した加熱支持ペデスタル132として利用されうる、他の実施形態による加熱支持ペデスタルアセンブリ600の斜視図である。加熱支持ペデスタルアセンブリ600は、シャフト137と、本体136とシャフト137との間に延在する金属製支持アーム部605と、を含んでいる。(図1A及び図1Bに示した)ヒータ電源138、センサ信号受信機139、及びチャック制御ユニット140に接続するための接続部308が、シャフト137から延びている。
【0040】
[0049]本実施形態では、本体136は、上面(例えば、基板受容面)310をぐるりと取り囲み上面より下げられた上外表面610を含んでいる。上記外表面610は上面310の平面から、約4ミル(約0.102ミリメータ)から約20ミル(約0.508ミリメータ)分だけ、例えば、約6ミル(約0.1524ミリメータ)から約10ミル(約0.254ミリメータ)分だけ高さが下げられうる。一実施形態において、上面310は、それに載置される基板の直径よりも小さくあるよう大きさが定められており、これにより、基板は、上面310から張り出して、外表面610の一部分の上に載る。さらに、基板は、複数のスロット325の各々の内側部分に載っていてよい。複数のスロット325は本体136に形成されており、リフトフープアセンブリ144の持ち上げフィンガ147が当該複数のスロット325を通ることを可能とするために利用可能であり、上記スロット325の一部分の上に載っている基板の移送を促進する。中央真空通路320及び溝パターン315が、本体136の上面310に示されている。本実施形態に係る溝パターン315は、中央溝620から外側に向かって延びる複数の第1の放射線状に方向付けられた溝615を含んでいる。第1の放射線状に方向付けられた溝615は、1つ以上の環状溝625と交差する。さらに、溝パターン315は、環状溝625の1つから径方向外側に向かって延びる複数の第2の放射線状に方向付けられた溝630を含んでいる。
【0041】
[0050]一実施形態において、上面310からの(図示されない)基板の張り出し(及び/又は外表面610への載置)によって、外表面610と基板の下面との間をガスが流過することが可能となる。このガス流によって、温度の均一性が促進され、このように基板からの膜除去の均一性が向上する。
【0042】
[0051]図7は、図6の加熱支持ペデスタルアセンブリ600の底部の斜視図である。図8は、図7の線8-8に沿った加熱支持ペデスタルアセンブリ600の側面図である。図9は、図8の側面図の拡大断面図である。
【0043】
[0052]一実施形態において、金属製支持アーム部605は、本体136とシャフト137との間に固定されている片持ち梁のように張り出した支持アセンブリ700を含んでいる。支持アセンブリ700は、パドル状プレート710により覆われたリング状部材705を含んでいる。
【0044】
[0053]図8及び図9に示すように、支持アセンブリ700は、環状スペーサ800によって本体136に結合されている。具体的には、環状スペーサ800は、リング状部材705に形成された開口部805内に収容されている。幾つかの実施形態において、リング状部材705、環状スペーサ800、及びパドル状プレート710は、ステンレス鋼、又は、鉄/ニッケル/コバルトから成る合金といった金属材料で作製されてよく、例えば、Carpenter Technology Corporation of Philadelphia(PA)から入手可能なコバール(KOVAR)(登録商標)として市場に出ている材料で作製されてよい。リング状部材705と環状スペーサ800との間の接合部分810、及び、パドル状プレート710とリング状部材705との間の接合部分は、電子ビーム溶接又は他の適切な金属接合プロセス等によって溶接されうる。
【0045】
[0054]環状スペーサ800は、(図9に示す)フランジ900を含んでおり、このフランジ900は、ここでは本体136のセラミック材料にろう付けされている。第1のセラミックリング部820が、環状スペーサ800の周縁の周りに配置されており、環状スペーサ800と本体136との間の接合部分を強化する。第1のセラミックリング部820は、フランジ900の下面、本体136の下面、及び/又は環状スペーサ800の側壁にろう付けされている。シール(密封された)容積室825が、パドル状プレート710及び本体136のそれぞれと結合されると、リング状部材705及び環状スペーサ800の内部に形成される。図1A及び図1Bに示され記載されたチャック制御ユニット140に中央真空通路320を接続するために、導管830がシール容積室825を通って設けられる。(図9に示す)管状の導管905が、本体136の下面と導管830との間に配置されている。管状の導管905は、上述のステンレス鋼又は鉄/ニッケル/コバルトから成る合金といった金属材料で作製されている。管状の導管905は、本体136にろう付けされており外側に向かって延在するフランジ910を含んでいる。加えて、第2のセラミックリング部915が、管状の導管905の周縁の周りに配置されており、管状の導管905と本体136との間の接合部分を強化する。第2のセラミックリング部915は、フランジ910の下面、本体136の下面、及び/又は管状の導管905の側壁にろう付けされうる。
【0046】
[0055]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9