(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2021-12-10
(45)【発行日】2022-02-03
(54)【発明の名称】偽造防止印刷物及び偽造防止印刷物用データの作成方法
(51)【国際特許分類】
B41M 3/14 20060101AFI20220127BHJP
G03G 21/04 20060101ALI20220127BHJP
B42D 25/30 20140101ALI20220127BHJP
B42D 25/382 20140101ALI20220127BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20220127BHJP
G07D 7/128 20160101ALN20220127BHJP
【FI】
B41M3/14
G03G21/04
B42D25/30 100
B42D25/382
H04N1/387 110
G07D7/128
(21)【出願番号】P 2018226187
(22)【出願日】2018-12-03
【審査請求日】2020-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】303017679
【氏名又は名称】独立行政法人 国立印刷局
(72)【発明者】
【氏名】木内 正人
【審査官】上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-172340(JP,A)
【文献】特開2012-250397(JP,A)
【文献】特開2013-212629(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0164558(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 3/14
G03G 21/04
B42D 25/30
B42D 25/382
H04N 1/387
G07D 7/128
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上の少なくとも一部に第1の画線領域、第2の画線領域及び
第3の画線領域を少なくとも有するユニットが規則的に所定のピッチでマトリクス状に形成された印刷模様を有し、
前記ユニットは、第1の方向に沿って隣接する複数の前記ユニットにおいて同一線上に形成された前記第1の画線領域と、
前記第1の方向に沿って、前記第1の画線領域と異なる位相で、かつ、隣接する複数の前記ユニットにおいて同一線上に形成された前記第2の画線領域と、
前記第1の方向に沿って前記第1の画線領域及び前記第2の画線領域と異なる位相で、かつ、隣接する複数の前記ユニットにおいて同一線上に形成された
前記第3の画線領域を有し、
前記第1の画線領域は、前記基材とは異なる色で、かつ、複写機によって再生される大きさの潜像要素によって潜像模様のポジ画像が形成され、
前記第2の画線領域は、前記基材と異なる色で、かつ、複写機によって再生されないハーフトーン濃度のカモフラージュ要素によって前記潜像模様のネガ画像が形成され、
前記第3の画線領域は、前記基材と異なる色で、かつ、複写機によって再生されないハーフトーン濃度の可視要素によって可視画像が形成され、
複数の前記ユニットにおいて形成された前記潜像要素、前記カモフラージュ要素及び前記可視要素を合計した面積率は、前記印刷模様内全てにおいて同一の面積率で形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物。
【請求項2】
前記潜像要素は、赤外線吸収性色素を含む色材で形成され、
前記カモフラージュ要素
及び前記可視要素は、赤外線吸収色素を含まない色材で形成されたことを特徴とする請求項1記載の偽造防止印刷物。
【請求項3】
前記潜像要素は、各々の前記第1の画線領域において面積率が変化して形成されたことで、連続階調を有する前記潜像模様が形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の偽造防止印刷物。
【請求項4】
複数の前記ユニットにおける前記潜像要素、前記カモフラージュ要素
及び前記可視要素の合計面積率は、5%から40%までの範囲内であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一項に記載の偽造防止印刷物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の偽造防止印刷物用データの作成方法であって、
少なくとも
前記潜像模様の基となる画像データを入力する入力手段と、
入力された前記画像データを基に、肉眼では不可視、かつ、特定の観察方法では可視となる
前記潜像模様を生成する編集手段を少なくとも備え、
前記入力手段を用いて、前記潜像模様の基となる画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記潜像模様の基画像を設定するステップと、
前記編集手段を用いて、前記潜像模様の基画像をグレースケール画像に変換するステップと、
前記グレースケール画像にプロファイルを適用し、領域平均化画像のトーンカーブを変更するプロファイル適用ステップと、
前記グレースケール画像に臨界値配列画像を適用し、
前記第1の画線領域に前記潜像模様のポジ画像を生成する臨界値配列画像適用ステップと、
前記プロファイル適用ステップで生成された画像データを、
前記第2の画線領域に前記潜像模様のネガ画像を生成するためのマスクを適用するステップと、
前記ポジ画像と前記ネガ画像を合成した合成画像を生成するステップを少なくとも備えたことを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法。
【請求項6】
前記グレースケール画像に変換するステップで得られたグレースケール画像に基づき、所定の領域内におけるグレーレベルを平均化した前記領域平均化画像を生成する領域平均化ステップを更に有することを特徴とする請求項5記載の偽造防止印刷物用データの作成方法。
【請求項7】
前記ポジ画像をKチャンネルに変更するステップと、
前記ネガ画像をCMYチャンネルに変更するステップを更に備えたことを特徴とする請求項5又は6記載の偽造防止印刷物用データの作成方法。
【請求項8】
前記入力手段を用いて、可視模様の基となる画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで前記可視模様を設定するステップと、
前記可視模様のトーンカーブを適用するステップと、
前記トーンカーブを適用した前記可視模様に、前記第3の画線領域に前記可視模様を生成するためのマスクを適用するステップと、
前記合成画像に前記可視模様を合成するステップを備えたことを特徴とする請求項5から7までのいずれか一項に記載の偽造防止印刷物用データの作成方法。
【請求項9】
前記可視模様をCMYチャンネルに変更するステップを更に備えたことを特徴とする請求項8記載の偽造防止印刷物用データの作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の偽造、改ざんの防止が求められる印刷物において、カラー複写機又はモノクロ複写機により複写した場合に容易に真偽判別することができる偽造防止印刷物、偽造防止印刷物用データの作成方法及び偽造防止印刷物の作製システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
銀行券、株券、債券等の有価証券、各種証明書、重要書類等の印刷物において、偽造、改ざん防止策は重要な要素である。これらの印刷物の偽造、改ざん防止策は、主に、幾何学模様を多様化した図柄をデザインに用いる方法と、印刷物に対して何らかの手段と作用を加えることで、目視では認識することができない潜像が現出する方法がある。前者の代表的な例は、証券印刷物等のデザインに広く用いられる地紋、彩紋模様、レリーフ模様等があり、後者の代表的な例は、潜像凹版やカラー複写機で色が正常に再現されないような機能性インキ、コピー防止画線等がある。
【0003】
前述の印刷物に対し、何らかの手段と作用を加えることで、目視では認識することができなかった潜像を複写物に現出させる方法の代表的な技術として、一般的にコピー防止画線と称する一連の技術がある。また、用紙の表面に網点で潜像を印刷し、万線で潜像と同濃度の背景を同時印刷し、背景を含む潜像の上面に装飾模様をコピーで再現されない程度の薄色の透明性インキで重ね刷りすることにより、印刷物表面を体裁よく仕上げ、コピーにかけると模様は見えなくなり、背景は再現されるとともに、潜像は再現されず、背景と潜像の濃度差が歴然となって複写物であることが一見して分かるといった方法は、これまでも数多くの出願がある。
【0004】
また、本出願人は、曲線状の集合模様として、潜像を施さない部分の画線を連続線、潜像を施した部分の画線を基本線方向に一定の間隔で配列された形状の画線から成る定周期断絶線で構成し、潜像を施した部分の定周期断絶線のうち、基本線方向に連続した一つの画線部と非画線部から成る一周期に相当する部分の画線面積の総和が、潜像を施さない部分の連続線のうち、前述の潜像部における画線部と非画線部から成る一周期と同一の長さに相当する部分の画線面積と等しくし、さらに、潜像を施した部分の定周期断絶線となっている画線において、定周期断絶線の画線同士が交差する部分で、画線同士のどちらか一方の画線を、もう一方の画線の画線幅の範囲内で削除することを特徴とした複合要素セキュリティ模様の作成方法及びその印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、本出願人は、複写機で再生される第1の大きさの画線と、複写機で再生されない第2の大きさの画線によって同一濃度の背景部を形成し、さらには、複写機で再生されない第3の大きさの画線によって可視画像部を形成することで、印刷物を通常光下で観察した場合には、背景部上に形成された可視画像部の濃度によって可視画像が観察されるが、印刷物をカラー複写機等の複写機で複写した場合、可視画像部を形成する第3の大きさの画線と、背景部を形成する第2の大きさの画線は再生されないことで、可視画像とは全く異なる潜像模様が出現する、画像のチェンジ効果を備えた複写、改ざん防止印刷物を出願している(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、本出願人は、印刷物上に形成された可視画像と複写機で複写した際に出現する潜像模様がチェンジする効果を有し、かつ、複写物に出現する潜像模様を写真画像のような連続階調画像とすることができる偽造防止用印刷物を出願している(例えば、特許文献3参照)。この印刷物は、連続階調を有する潜像模様を潜像画線の大小(太細)により形成し、当該潜像画線と濃度を反転させたカモフラージュ画線を複写機で再現されない大きさの画線で形成することで、印刷物を視認しても潜像模様は確認されないが、複写機で複写した場合にカモフラージュ画線が消失し、連続階調を有する潜像模様が出現するものである。
【0007】
また、本出願人は、第1の方向に沿って、中心を境に対向するように配置された第1の画線及び第2の画線と、第1の方向と直交する第2の方向に沿って、中心を境に対向するように配置された第3の画線及び第4の画線とを有する画線要素が、一定のピッチで複数マトリクス状に配置されており、各々の画線要素における第1の画線と第2の画線、第3の画線と第4の画線は、ネガポジの関係にあり、第1の画線又は第2の画線により第1の不可視画像が形成され、第3の画線又は第4の画線により第2の不可視画像が形成されることを特徴とする偽造防止用印刷物を出願している(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
また、本出願人は、高解像度なハードコピーにおける偽造防止策として、1つの第1の領域と、第1の領域に隣接する1つの第2の領域とが複数組配置され、各々の第2の領域の周囲が、複数の第1の領域に囲まれ、第1の領域は、第2の領域より面積が大きく、第2の領域は赤外線吸収色素を含むブラックインキを用いて構成された第2aの領域と赤外線吸収色素を含まないインキを用いて構成された黒色系である第2bの領域とを有し、各々の第2の領域における第2aの領域と第2bの領域との比率に応じて、複数の第2の領域における第2aの領域により階調画像が形成されていることを特徴とする網点印刷物を出願している(例えば、特許文献5参照)。
【0009】
さらに、本出願人は、特定の波長において吸収する又は発光する第1の色材で印刷した第1の線画と、特定の波長において吸収しない又は発光しない可視光下では第1の色材と同色に見える第2の色材で印刷した第2の線画で構成され、第1の線画と第2の線画はそれぞれ画線幅の違う背景領域と潜像領域で構成され、第2の線画の潜像領域は第1の線画の潜像領域と形状及び大きさが等しく、第1の線画と第2の線画が重なり、背景領域と潜像領域の濃度が等しいことを特徴とする偽造防止印刷物を出願している(例えば、特許文献6参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特許第3268418号公報
【文献】特許第5692663号公報
【文献】特許第6394975号公報
【文献】特許第4635160号公報
【文献】特許第3544536号公報
【文献】特許第4441634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献1の印刷物は、近年の高機能化された製版及び印刷出力装置を用いた場合、その画線構成を容易に再現することができてしまうことで複合要素セキュリティ機能が発揮されないことがあった。
【0012】
また、特許文献1の印刷物は、複写時の効果は向上したものの、可視画像であった模様が完全に入れ替わるものではなく、可視画像と潜像が重なっている部分については可視画像が優先され、潜像が部分的に欠けた状態となり、複写後に視認される画像の視認性を向上させるべきという課題があった。
【0013】
また、特許文献2の印刷物は、印刷物と複写物において、可視画像と複写物に出現する潜像模様が完全に入れ替わることから、複写後に視認される画像の視認性は向上したが、可視画像と潜像模様を形成する規則的な画線が残る又は消失するというオン・オフの関係により画像のチェンジ効果を創出しており、潜像模様自体が2値画像であることから、可視画像が消失し、潜像模様が出現した複写物の画像を加工することで偽造品を作成する方法に対しては、高い偽造抵抗力を有するものではないという課題が残されていた。
【0014】
また、特許文献3の印刷物は、連続階調を有する潜像模様を形成することで、複写物を加工する行為に対して極めて高い複合要素セキュリティ効果を有しているが、潜像模様を形成する潜像画線及びカモフラージュ画線を「線」と「点」で構成していることから、潜像模様の視認性が複写機に搭載されたバンドパス・フィルタ等の画像処理性能に左右され、カモフラージュ画線が完全に消失しない場合がある。そのため、複合要素セキュリティ効果が十分ではないという課題が残されていた。
【0015】
また、特許文献4による偽造防止用印刷物は、通常の観察において可視画像を設けることが可能で豊かなデザイン性と、簡易な判別具における潜像の高い視認性を有し、低コストで製造できるという優れた効果があるものの、高解像度なハードコピーにおける偽造防止策としては不十分であった。
【0016】
また、特許文献5及び6の印刷物は、高解像度なハードコピーにおける偽造防止策として優れた効果があるものの、特定の波長において吸収する又は発光する色材、例えば、赤外線吸収色素の有無を判別するという特殊性から、判別具が光学系機械部品又は特定の電磁波を受信する機械部品で構成した特殊な装置となるため、特許文献1から4までにあるような簡易な判別ができないという問題がある。
【0017】
さらに、特許文献1から3までの印刷物では、低コストで製造できるという優れた効果があるものの、高性能なハードコピーにおける偽造防止策としては不十分であった。これにより、限られた印刷面積の中で複数の偽造防止策が共有でき、ユーザーの使用環境や立場に応じた真偽判別手段が選択できる偽造防止印刷物が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の偽造防止印刷物は、基材上の少なくとも一部に第1の画線領域及び第2の画線領域を少なくとも有するユニットが規則的に所定のピッチでマトリクス状に形成された印刷模様を有し、前述のユニットは、第1の方向に沿って隣接する複数のユニットにおいて同一線上に形成された第1の画線領域と、第1の方向に沿って、第1の画線領域と異なる位相で、かつ、隣接する複数のユニットにおいて同一線上に形成された第2の画線領域を有し、第1の画線領域は、基材とは異なる色で、かつ、複写機によって再生される大きさの潜像要素によって潜像模様のポジ画像が形成され、第2の画線領域は、基材と異なる色で、かつ、複写機によって再生されないハーフトーン濃度のカモフラージュ要素によって潜像模様のネガ画像が形成され、複数のユニットにおいて形成された潜像要素とカモフラージュ要素を合計した面積率は、印刷模様内全てにおいて同一の面積率で形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0019】
また、本発明の偽造防止印刷物における潜像要素は、赤外線吸収性色素を含む色材で形成され、カモフラージュ要素は、赤外線吸収性色素を含まない色材で形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0020】
また、本発明の偽造防止印刷物における潜像要素は、各々の第1の画線領域において面積率が変化して形成されたことで、連続階調を有する潜像模様が形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0021】
また、本発明の偽造防止印刷物におけるユニットは、更に第3の画線領域を有し、第3の画線領域は、第1の方向に沿って第1の画線領域及び第2の画線領域と異なる位相で、かつ、隣接する複数のユニットにおいて同一線上に形成され、第3の画線領域は、基材と異なる色で、かつ、複写機によって再生されないハーフトーン濃度の可視要素によって可視画像が形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0022】
また、本発明の偽造防止印刷物における可視要素は、赤外線吸収色素を含まない色材で形成されたことを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0023】
また、本発明の偽造防止印刷物は、複数のユニットにおける潜像要素及びカモフラージュ要素の合計面積率が5%から40%までの範囲内であることを特徴とする偽造防止印刷物である。
【0024】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法は、少なくとも潜像模様の基となる画像データを入力する入力手段と、入力された画像データを基に、肉眼では不可視、かつ、特定の観察方法では可視となる潜像模様を生成する編集手段を少なくとも備えた偽造防止印刷物用データの作成方法であって、入力手段を用いて、潜像模様の基となる画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで潜像模様の基画像を設定するステップと、基画像をグレースケール画像に変換するステップと、グレースケール画像にプロファイルを適用し、グレースケール画像のトーンカーブを変更するプロファイル適用ステップと、グレースケール画像に臨界値配列画像を適用し、第1の画線領域に潜像模様のポジ画像を生成する臨界値配列画像適用ステップと、プロファイル適用ステップで生成された画像データを、第2の画線領域に潜像模様のネガ画像を生成するためのマスクを適用するステップと、ポジ画像とネガ画像を合成した合成画像を生成するステップを少なくとも備えたことを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法である。
【0025】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法は、グレースケール画像に変換するステップで得られたグレースケール画像に基づき、所定の領域内におけるグレーレベルを平均化した領域平均化画像を生成する領域平均化ステップを更に有することを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法である。
【0026】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法は、ポジ画像をKチャンネルに変更するステップと、ネガ画像をCMYチャンネルに変更するステップを更に備えたことを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法である。
【0027】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法は、入力手段を用いて、可視模様の基となる画像を外部から入力するか、又はあらかじめ登録したデータベースから取り込んで可視模様を設定するステップと、可視模様のトーンカーブを適用するステップと、トーンカーブを適用した可視模様に、第3の画線領域に可視模様を生成するためのマスクを適用するステップと、合成画像に可視模様を合成するステップを備えたことを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法である。
【0028】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法は、可視模様をCMYチャンネルに変更するステップ更に備えたことを特徴とする偽造防止印刷物用データの作成方法である。
【0029】
また、本発明の偽造防止印刷物の作製システムは、少なくとも画像を受信する特定情報受信サーバと、画像を肉眼では不可視、かつ、特定の観察方法では可視の潜像模様として形成する偽造防止印刷物用データの作成方法を備えたソフトウェアを有するデータ変換サーバと、潜像模様を少なくとも有する偽造防止印刷物を出力する出力デバイスを有する偽造防止印刷物の作製システムであって、特定情報受信サーバを用いて、少なくとも潜像模様の基となる画像を、通信回線を介して受信するか、又はあらかじめ登録したICメモリから取り込んで潜像模様の基画像を設定し、データ変換サーバに配信するステップと、データ変換サーバにおけるソフトウェアを用いて、少なくとも潜像模様が形成された偽造防止印刷物の画像データに変換するステップと、出力デバイスを用いて、偽造防止印刷物を出力するステップを有することを特徴とする偽造防止印刷物の作製システムである。
【0030】
さらに、本発明の偽造防止印刷物の作製システムにおける偽造防止印刷物の画像データに変換するステップは、出力デバイスにより出力したテストチャートから出力デバイスの特徴を抽出するか、又はあらかじめ登録された出力デバイスの特徴を加味したトーンカーブに補正するステップを有することを特徴とする偽造防止印刷物の作製システムである。
【発明の効果】
【0031】
本発明の偽造防止印刷物は、複写機の解像度等の性能に依存することなく確実にカモフラージュ要素が消失することから、複写機を用いた偽造行為を確実に防止することができる。
【0032】
また、限られた印刷面積の中で複数の偽造防止策が共有でき、ユーザーの使用環境や立場に応じた真偽判別手段が選択できる。また、本発明の偽造防止印刷物における印刷模様に備える意匠性を有する可視画像は、単色の模様の他、連続階調画像、フルカラー画像及びレインボー効果等、様々な美麗の表現が可能であり、不可視画像の発現時において視認性を阻害することはなく、印刷物に判別具を重ね合わせることによって、不可視画像が容易に、かつ、鮮明に可視画像へとスイッチして発現するという効果を奏する。
【0033】
また、本発明の偽造防止印刷物は、複写物に視認される画像を複雑な連続階調を有する画像とすることができることから、顔画像等を含む身分証明書、卒業証書等に用いた場合に複写物上に形成された顔写真と潜像模様を比較することで、容易に真偽判別することができる。
【0034】
また、本発明の偽造防止印刷物は、画線の形状及び配置によって偽造防止効果をもたらすことが可能であることから、コストパフォーマンスに優れ、製版及び印刷方法も何ら限定されないため、印刷方式にも自由度があるという効果を奏する。
【0035】
また、本発明の偽造防止印刷物用データの作成方法を用いることにより、複写機に搭載されたバンドパス・フィルタ等の画像処理性能に左右されることなく、確実に複写防止効果を再現することができる方法として、写真画像等の連続階調画像が一般的な複写機を用いて連続階調画像として再現できるように印刷模様内に埋め込む技術を誰もが同様、かつ、容易に行えることが可能である。
【0036】
さらに、本発明の偽造防止印刷物の作製システムを用いることで、連続階調画像の個人情報、いわゆる顔写真を簡単に印刷物に付与可能となるため、各自治体での証明書類の印刷・発行や、パスポートにおける個人情報としての顔写真の印刷が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明が対象とする偽造防止印刷物の一例を示す図。
【
図2】カラー複写機等によって複写された複写物を示す図。
【
図3】印刷物に判別具を所定の位置に重ね合わせた状態を示す図。
【
図4】印刷物に赤外線光下で観察した状態を示す図。
【
図5】印刷模様の一画線の構成におけるユニットを示す図。
【
図6】印刷物において潜像模様の基となる不可視画像を示す図。
【
図7】ユニットが5つ横方向に並んだ状態となった模式図。
【
図9】ユニットが5つ横方向に並んだ状態となった模式図。
【
図10】不可視画像と可視画像とが同時に備わっている画線構成が示された模式図。
【
図11】ユニットがマトリクス状に縦横隙間なく配置された状態を示す図。
【
図12】本発明の複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様を示す図。
【
図13】カラー複写機等によって複写された印刷模様を示す図。
【
図14】判別具が重ね合わされた印刷模様を示す図。
【
図16】偽造防止印刷物用データを作成する装置構成を示すブロック図。
【
図17】偽造防止印刷物用データの作成方法が示された図。
【
図18】不可視画像となる24bitRGB画像の顔画像とグレーレベルの領域平均化された8bitグレースケール画像の顔画像とが示された図。
【
図19】8bitグレースケール画像である第1の画像と、8bitグレースケール画像である第2の画像とが示された図。
【
図20】可視画像となる24bitRGB画像の模様が示された図。
【
図21】トーンカーブとマスクが適用された第3の画像が示された図。
【
図22】第1の画像と第2の画像と第3の画像とが合成された32bitCMYK画像が示された図。
【
図23】本発明のテストチャート画像が示された図。
【
図24】本発明のテストチャート画像が各種異なる印刷デバイスにおいて出力された結果が示された図。
【
図25】プロファイルに適用されるトーンカーブが示された図。
【
図26】偽造防止印刷物作製システムが示された図。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明するが、本発明は、以下に述べる実施するための形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲記載における技術的思想の範囲内であれば、その他の様々な実施の形態が含まれる。
【0039】
図1は、本発明が対象とする偽造防止印刷物(以下「印刷物」という。)(1)と、その印刷模様(2)の例である。
図1では、旅券冊子を例として、表紙と裏表紙の間に複数の記録用のページがとじ部により一体化されており、所有者の顔画像(11)と、複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様(2)に可視模様(8)が形成されたものである。本発明の複合要素セキュリティ機能とは、少なくとも第1の真偽判別方法と第2の真偽判別方法を同一の印刷面上に備えたものであり、さらには、第3の真偽判別方法を含む3種類を同一印刷面上に形成できる機能である。なお、
図1に示した旅券冊子は一例にすぎず、必ずしも同じようなデザイン(配置)である必要はない。
【0040】
第1の真偽判別方法は、カラー複写機等を用いるものであり、
図2は、複合要素セキュリティ機能を備えた印刷物(1)を、カラー複写機等によって複写された複写物(12)が示されたものである。
図2に示すように、複写物(12)において複写された印刷模様(3)に潜像模様(7)が可視化されている。可視化された潜像模様(7)と、所有者の顔画像(11)とを参照し、人物の一致を確認することで容易な真偽判別を可能にしている。
【0041】
第2の真偽判別方法は、透明性を有するフィルタに複数の直線が万線状に一方向に沿って形成された万線フィルタ又はレンチキュラーレンズ等の判別具(4)を用いるものであり、
図3は、複合要素セキュリティ機能を備えた印刷物(1)において、判別具(4)を所定の位置に重ね合わせた状態が示されたものである。
図3に示すように、印刷物(1)上の判別具(4)が重なった部分において潜像模様(7)が可視化されている。可視化された潜像模様(7)と、所有者の顔画像(11)とを参照し、人物の一致を確認することで容易な真偽判別を可能にしている。
【0042】
第3の真偽判別方法は、赤外線視するカメラ(又は光学式スキャナ)を搭載した画像入力・表示装置(IRビューアとも呼ばれる。)等を用いるものであり、
図4は、複合要素セキュリティ機能を備えた印刷物(1)を、該画像入力・表示装置によって赤外線視した画像(5)が示されたものである。
図4に示すように、赤外線視した画像(5)において赤外線視した印刷模様(6)に潜像模様(7)が可視化されている。可視化された潜像模様(7)と、所有者の顔画像(11)とを参照し、人物の一致を確認することで容易な真偽判別を可能にしている。
【0043】
図5は、印刷物(1)に対する印刷模様の一画線の構成における部分的な拡大図を示すものである。ここで、縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)は、例えば、423μmというように1mm以下の大きさである。また、画像解像度は、例えば、1,200dpiとし、縦横20ピクセルとなっている。
図5の画線構成は、ユニットと称する最小単位であり、第1の画線領域(A)と、第2の画線領域(B)と、第3の画線領域(C)とで構成されている。このユニットが、印刷物(1)の表面上においてマトリクス状に規則的に配置される。第1の画線領域(A)と、第2の画線領域(B)は、ユニット内での領域におけるモノクロ階調の濃淡反転の関係にある。この濃淡反転の関係とは、例えば、一方が黒のとき、他方は白、一方がグレー色のとき、他方はグレー色である。このような第1の画線領域(A)と第2の画線領域(B)とが存在することで通常の可視条件下では視認されず、第1の画線領域(A)のみにより後述する不可視画像のポジ画像、第2の画線領域(B)のみにより不可視画像のネガ画像がそれぞれ形成されている。さらに、
図5に示された第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)は、ユニット横方向を長手方向とし、寸法(Sh)を最大幅とする長方形である。すなわち、ユニットの近傍部によって第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)が横一直線状に連結されているものである。なお、中心線(L1)は、判別具(4)に関係するものであるが、詳しくは後述にて詳細に説明する。
【0044】
また、
図5に示された第3の画線領域(C)により可視画像(デザイン:模様)を形成し、任意の図形及び文字から成る印刷模様(2)の可視模様(8)を構成する画線となり、第3の画線領域(C)は、第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)と異なる位置に配置されている。さらに、
図5に示された第3の画線領域(C)は、ユニット横方向を長手方向とし、寸法(Sh)を最大幅とする長方形である。すなわち、ユニットの近傍部によって第3の画線領域(C)が横一直線状に連結されているものである。
【0045】
なお、
図5で第1の画線領域(A)は一定濃度で示されているが、実際には、第1の画線領域(A)内で形成された画線が、潜像模様(7)の構成によって可変する。具体的な画線構成については後述にて詳細に説明する。
【0046】
また、第1の画線領域(A)と第2の画線領域(B)は、可視光の波長領域においては、肉眼視においては画線面積率20%程度の黒色となって視認される。また、本実施の形態における第1の画線領域(A)は、赤外線吸収性色素を含む色材、例えば、ブラックで構成され、第2の画線領域(B)は、赤外線吸収性色素を含まない色材、例えば、シアン、マゼンタ及びイエローの減法混色によって混合されたインキで構成されている。本実施の形態では、潜像模様(7)の連続階調を第1の画線領域(A)が、赤外線吸収性色素を含む色材にて構成されている。具体的な画線構成については後述にて詳細に説明する。
【0047】
図1に示された印刷物(1)の印刷模様(2)は、
図5に示されたユニットが縦ステップ数と横ステップ数をもってマトリクス状に縦横隙間なく、連続的に、かつ、規則的に配置されたものである。なお、本実施の形態でいうステップ数とは、印刷模様(2)上で繰り返されるユニットの数のことを指すもので、ステップ数に何ら制限はなく、このステップ数によって可視画像及び不可視画像の画像分解能と比例している。また、第1の画線領域(A)と、第2の画線領域(B)とが横方向に並ぶことによって、第1の画線領域(A)群から成る平行万線と、第2の画線領域(B)群から成る平行万線とが形成される。すなわち、
図3は、線位相変調(Line phase modulation)によって、不可視画像を施している状態となっているものである。
【0048】
図6は、印刷物(1)において潜像模様(7)の基となる不可視画像(9)が示されたものである。不可視画像(9)は、例えば、8bitのグレースケール画像で写真階調を有している。
図7は、
図6の不可視画像(9)が構成されている階調を潜像模様化される過程が示されたものである。
【0049】
図7(a)は、グレースケール画像を0%~100%の画線面積率で客観的に目視できる濃淡で表し、かつ、縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)によるユニットが5つ横方向に並んだ状態となった模式図である。
図7(b)は、
図7(a)の縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)によるユニットにおいて、画線面積率の値が単一化されたものであり、左から0%、25%、50%、75%、100%としている。
【0050】
図7(c)は、
図5に示されたユニットの画線構成に従い、第1の画線領域(A)のみに
図7(b)で示された画線面積率の値が設定されたものである。
図7(d)は、第2の画線領域(B)において、第1の画線領域(A)の濃淡が反転した画線面積率の値が設定されたものである。ただし、完全に反転された値ではなく、縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)によるユニット内において、平均でほぼ20%の画線面積率の値となるように調整されたものである。これにより、ユニットが縦ステップ数と横ステップ数をもってマトリクス状に縦横隙間なく配置された状態においては、全体が画線面積率20%のグレーの状態となっている。
【0051】
次に、
図8は、印刷物(1)において可視模様(8)の基となる可視画像(10)が示されたものである。可視画像(10)は、例えば、8bitのグレースケール画像で写真階調を有している。
図9は、
図8の可視画像(10)が構成されている階調を可視模様化する過程が示されたものである。本発明の効果を奏するうえで、可視模様(8)の画線面積率の上限は20%程度が適当である。したがって、
図8に示された可視模様(8)の画線面積率は20%とされている。
【0052】
図9(a)は、
図7(a)と同じく、グレースケール画像を0~100%の画線面積率で客観的に目視できる濃淡で表し、かつ、縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)によるユニットが5つ横方向に並んだ状態となった模式図である。0%と20%の2階調の画線面積率によって可視模様(8)を構成している。
図9(b)は、
図5に示されたユニットの画線構成に従い、第3の画線領域(C)のみに
図9(a)で示された画線面積率の値が設定されたものである。
【0053】
次に、
図10は、不可視画像(9)と可視画像(10)とが同時に備わっている画線構成が示された模式図である。
図10(a)は、
図7(d)に示されたユニットと
図9(b)に示されたユニットが合成された画線構成を示すものである。
図10(a)の各ユニットに設定されている画線面積率の値を基に、印刷用画線が構築される。
【0054】
図10(b)は、印刷された状態の画線が示されたものである。第1の画線領域(A)は、赤外線吸収性色素を含む色材のブラックで印刷された万線パターンとなり、潜像模様(7)の基となる不可視画像(9)の濃淡に合わせて第1の画線領域(A)の画線幅を形成することで、潜像模様(7)を形成している。一方、第2の画線領域(B)及び第3の画線領域(C)は、カラー複写機等の複写機で再生されない画線として形成する必要があるため、例えば、線数200Line/インチ相当以上の高精細網点で、かつ、赤外線吸収性色素を含まない色材のシアン、マゼンタ及びイエローで印刷された網点パターンとなっている。また、第2の画線領域(B)及び第3の画線領域(C)については、FMスクリーン等のランダム配置の50μm以下の微細ドット等によって、複写機で再生されない濃度で形成すれば、同様の効果を得ることができる。すなわち、印刷で表現し得る画線形状は本発明の範囲内である。
【0055】
また、本実施の形態では、特定の領域内における第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)の合計面積を20%とした例で説明したが、これに限定されるものではなく、2つの画線の合計面積を5%から40%までの範囲内に設定すれば、本発明の印刷物の効果を得ることができる。さらに、第1の画線領域(A)の画線面積率は、必ずしも0%~20%である必要はなく、画線面積率5%~20%等、連続階調の上限が40%以下の範囲内であればよい。
【0056】
本発明の構成について、更に詳細に説明する。
図11は、縦の寸法(Sv)及び横の寸法(Sh)によるユニットがマトリクス状に縦横隙間なく配置されたものである。
図11(a)は、印刷物(1)において潜像模様(7)の基となる不可視画像(9)が示されたものである。不可視画像(9)は、前述と同じく、8bitのグレースケール画像で写真階調を有している。
図11(b)は、印刷物(1)において可視模様(8)の基となる可視画像(10)が示されたものである。可視画像(10)は、前述と同じく、8bitのグレースケール画像で写真階調を有している。
【0057】
図12は、前述した画線設定に基づいて構成された印刷模様(2)であり、第1の画線領域(A)に相当する部分は、赤外線吸収性色素を含むブラックの色材で印刷された万線パターンとなっている。一方、第2の画線領域(B)及び第3の画線領域(C)に相当する部分は、高精細、かつ、赤外線吸収性色素を含まないシアン、マゼンタ及びイエローの色材で印刷された網点パターンとなっている。印刷模様(2)を目視で見た場合、第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)は、明るいグレー色となり、第3の画線領域(C)で構成されている可視模様(8)のみが視認されている。この状態が、本発明でいう複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様(2)である。
【0058】
図13は、複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様(2)において、カラー複写機等によって複写された印刷模様(3)が示されたものでる。第1の画線領域(A)に相当する部分の画線はそのままに、第2の画線領域(B)及び第3の画線領域(C)に相当する部分の画線が淡くなる。これにより、第1の画線領域(A)に構成された潜像模様(7)が可視化されている。これが第1の真偽判別方法である。
【0059】
図14は、複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様(2)において、レンチキュラーレンズ等の判別具(4)が重ね合わされた印刷模様(2)が示されたものでる。
図14(a)に示されるように、判別具(4)のレンチキュラーレンズの中心(L1)と、第1の画線領域(A)に相当する部分の画線が一致すると、
図14(b)に示されるように、第1の画線領域(A)に備わる画線のみが拡大表示される。これにより、第1の画線領域(A)に構成された潜像模様(7)が可視化されている。これが第2の真偽判別方法である。
【0060】
図15は、複合要素セキュリティ機能を有する印刷模様(2)において、赤外線視するカメラ(又は光学式スキャナ)を搭載した画像入力・表示装置(IRビューアとも呼ばれる。)等を用いて表示された印刷模様(6)が示されたものである。赤外線吸収性色素を含む第1の画線領域(A)に相当する部分の画線はそのままに、赤外線吸収性色素を含まない第2の画線領域(B)及び第3の画線領域(C)に相当する部分の画線が不可視となる。これにより、第1の画線領域(A)に構成された潜像模様(7)が可視化されている。これが第3の真偽判別方法である。
【0061】
(偽造防止印刷物の作製装置)
次に、本発明の印刷物用のデータを作成する方法について説明する。本発明は、写真等の連続階調を有する画像を、画線を用いて構成されている模様内に、連続階調の不可視情報として埋め込み、該不可視情報を所定の方法をもって連続階調を有する画像として出現することが可能な印刷物用のデータの作成方法に関するものであり、その印刷物を作製するための装置構成を
図16に示す。本実施の形態における印刷物の作製装置は、
図16のブロック図に示すように、入力手段(M1)、編集手段(M2)、出力手段(M3)、表示手段(M4)、ICメモリ(M5)及びデータベース(M6)を備えている。
【0062】
入力手段(M1)は、潜像模様入力手段(M1a)と可視模様入力手段(M1b)とで構成され、潜像模様入力手段(M1a)における潜像模様(7)の入力は、ICメモリ(M5)又はデータベース(M6)にあらかじめ記録された顔画像(11)から得ることができる。一方、可視模様入力手段(M1b)における可視模様(8)の入力においても、データベース(M6)にあらかじめ記録された任意の画像を得ることができる。
【0063】
編集手段(M2)は、第1の画像領域編集手段(M2a)と、第2の画像領域編集手段(M2b)と、第3の画像領域編集手段(M2c)と、画像合成手段(M2d)で構成されている。ICメモリ(M5)又はデータベース(M6)から得られた顔画像(11)等により、第1の画像領域編集手段(M2a)では第1の画像が生成され、第2の画像領域編集手段(M2b)では第2の画像が生成され、第3の画像領域編集手段(M2c)では必要に応じて第3の画像が生成され、画像合成手段(M2d)では、第1の画像と第2の画像が合成され、必要に応じて第1の画像、第2の画像及び第3の画像とが合成される。
【0064】
出力手段(M3)は、カラー・レーザープリンタ、カラー・インクジェットプリンタ等のコンピュータからの画像を印刷可能な印刷装置等であり、特に限定されるものではない。表示手段(M4)は、パソコンのモニタ、専用のモニタ等、特に限定されるものではない。また、ICメモリ(M5)は、
図1に示された印刷物(1)中に備わるICメモリ(M5)に含まれるものであり、ICメモリ(M5)は通信用アンテナを設けた非接触型又は接続用端子を設けた接触型等、形態・方式が限定されるものではない。
【0065】
(印刷物用データの作成方法)
次に、前述した印刷物(1)の作製装置を用いて印刷物用のデータを作成する方法について詳細に説明する。
図17に示す処理フローは、実線で囲われたメイン処理フローと、点線に囲われたサブ処理フローによって構成される。
【0066】
(メイン処理フロー)
図17の実線で囲われたメイン処理フローについて説明する。まず、潜像模様(7)を設定するStep1は、潜像模様(7)の基となる顔画像(15)がICメモリ(M5)又はデータベース(M6)から自動的に入力される。例えば、ICメモリ(M5)から入力された24bitRGB画像を設定する。本実施の形態では、
図18に示された24bitRGB画像の顔画像(15)である。
【0067】
次に、8bitグレースケール画像に変換するStep2について説明する。ソフトウェアは、Step1で自動的に入力された
図18(a)に示す顔画像(15)をコンピュータのメモリ上に確保し、8bitグレースケール画像に変換する。このとき、出力手段(M3)の出力解像度に合わせて画像解像度をリサンプルすることが望ましい。本実施の形態では、画像解像度を1,200dpiとした。
【0068】
次に、Step3について説明する。Step2で得られた8bitグレースケール画像において、グレーレベルの領域平均化を行う。いわゆるモザイク処理であるが、本実施の形態では、後述する臨界値配列画像(A1)及びマスク(C1)の画素数が10×10ピクセルの正方形であることから、グレーレベルの領域平均化においては、
図18(b)に示す8bitグレースケール画像(16)のように縦寸法(Sv)横寸法(Sh)が20×20ピクセルの正方形のモザイク状となっている。なお、Step3は、必ずしも実施する必要はなく、以降で説明するStep4で用いるポジ画像及びStep5で用いるネガ画像を、Step2で生成された8bitグレースケール画像(16)をそのまま用いることも可能である。
【0069】
次に、Step4について説明する。ソフトウェアは、Step2で生成した8bitグレースケール画像(16)か、又はStep3でメモリ上に準備した8bitグレースケール画像(16)において、プロファイル(B1)を適用し、ネガ画像用のデータを生成する。
図19に示されたように、プロファイル(B1)はトーンカーブの変更に作用し、画線面積率0%を画線面積率33%とし、画線面積率100%を画線面積率0%とし、リニアな連続性を持ったトーンカーブとしている。
【0070】
次に、Step5について説明する。ソフトウェアは、Step2で生成した8bitグレースケール画像(16)か、又はStep3で生成された8bitグレースケール画像(16)において、第1の画線領域(A)にポジ画線を生成させるための臨界値配列画像(A1)を適用する。
図19に示されたように、例えば、縦寸法(Sv)横寸法(Sh)が20×20ピクセルの臨界値配列画像(A1)は、第1の画線領域(A)を備えている。この第1の画線領域(A)は、判別具(4)のレンチキュラーレンズの線数60Line/インチのピッチに合致している。
【0071】
また、臨界値配列画像(A1)は、
図2で示した、複写すると再現される潜像画線(7)が創出されるものである。この結果、最終的に出力解像度で変換された1bitモノクロ画像は、一見して万線状となって生成される。これを第1の画像(17)と称する。
【0072】
次に、Step6について説明する。ソフトウェアは、Step4でプロファイル(B1)が適用された8bitグレースケール画像(16)において、第2の画線領域(B)にカモフラージュ画線(13)を生成させるためのマスク(C1)を適用する。
図19に示されたように、例えば、縦寸法(Sv)横寸法(Sh)が20×20ピクセルのマスク(C1)は、第2の画線領域(B)を備えている。この結果、一見してコントラストの低いネガ画像となって生成される。これを第2の画像(18)と称する。
【0073】
(サブ処理フロー)
潜像模様(7)を設定するStep1と並列して、必要に応じて可視模様(8)を設定するStep10は、作成者が希望する可視模様(8)の基となる画像がICメモリ(M5)又はデータベース(M6)から自動的に入力される。例えば、データベース(M6)から入力された24bitRGB画像を設定する。本実施の形態では、
図20に示された24bitRGB画像の可視画像(19)であり、第1の画像(17)及び第2の画像(18)と同じ画素数となっている。
【0074】
次に、
図17の点線囲い内のサブ処理フローに示したStep11について説明する。ソフトウェアは、Step10でメモリ上に準備された24bitRGB画像においてトーンカーブの適用を行う。本実施の形態では、
図21に示したように、可視画像(19)にトーンカーブ(D1)を適用する。ソフトウェアは、画線面積率0%を画線面積率0%、画線面積率100%を画線面積率20%とし、リニアな連続性をもったトーンカーブとしている。
【0075】
次に、Step12について説明する。ソフトウェアは、Step11でトーンカーブ(D1)が適用された可視画像(19)において、第3の画線領域(C)に画線を生成させるためのマスク(E1)を適用する。
図21に示されたように、例えば、縦寸法(Sv)横寸法(Sh)が20×20ピクセルのマスク(E1)は、第3の画線領域(C)を備えている。この結果、一見してコントラストの低いポジ状の可視模様(8)となって生成される。これを第3の画像(20)と称する。
【0076】
次に、Step7、Step8及びStep13について説明する。ソフトウェアは、Step7として、1bitモノクロ画像である第1の画像(17)と、Step8として、8bitグレースケール画像(16)である第2の画像(18)と、必要に応じてStep13として、24bitRGB画像である第3の画像(20)を、それぞれ32bitCMYK画像への変換を行う。1bitモノクロ画像である第1の画像(17)は、CMYKチャンネルのうちのK(ブラック)チャンネルに変換した。また、8bitグレースケール画像(16)である第2の画像(18)は、CMYKチャンネルのうちのCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)チャンネルに変換した。さらに、24bitRGB画像である第3の画像(20)は、CMYKチャンネルのうちのCMYチャンネルに変換した。
【0077】
次に、Step9について説明する。ソフトウェアは、それぞれ32bitCMYK画像に変換された第1の画像(17)、第2の画像(18)及び第3の画像(20)を合成し、
図22に示した32bitCMYK画像として生成する。これを合成画像(21)と称する。なお、本発明の印刷物(1)として、
図2に示す、複写時に潜像模様(7)が出現する第1の真偽判別方法と、
図3に示す、万線フィルタ又はレンチキュラーレンズ等の判別具(4)を所定の位置に重ねた際に潜像模様(7)が出現する第2の真偽判別方法のみを付与した構成とすることも可能であり、その場合、前述したStep7、Step8及びStep13を簡略化し、任意の色で各々の画像を形成し、Step9の合成画像(21)を生成することも可能であり、これらの構成は本発明の範囲内である。
【0078】
(印刷デバイスによる印刷)
図17に示した処理フローによって生成した32bitCMYK画像の合成画像(21)は、各種印刷デバイスにて印刷可能である。なお、印刷設定については各種印刷デバイスによって適宜調整されるものであり、本発明における特許請求の範囲ではない。
【0079】
(臨界値配列画像)
ここで、
図19の説明で記載した臨界値配列画像(A1)について説明する。本発明でいう臨界値配列画像とは、広く公開された技術から成るものであり、画像中の画素が黒化する優先順位を0から255までのグレーレベルに変換した画像である。よって、臨界値配列画像(A1)は、8bitグレースケール画像(16)の濃度値に従って潜像模様(7)の画線幅を形成できる位置に、すなわち第1の画線領域(A)に潜像模様(7)を設けるように設定されている。
【0080】
(プロファイルとテストチャート)
ここで、既にStep4の説明で記載したプロファイル(B1)について詳細に説明する。このプロファイル(B1)は、
図18に示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する際、このプロファイル(B1)に必要に応じて置き換えられるトーンカーブの設定ファイルである。なお、プロファイル(B1)に格納される設定値は、本実施の形態で用いられる印刷デバイスのカラー・レーザープリンタで、
図23に示すテストチャート画像(22)を出力することによって求められる。すなわち、出力デバイスの特性に従った補正値がトーンカーブに加味されている。テストチャート画像(22)を用いた具体的な補正方法を以下に説明する。
【0081】
図23(a)に示すテストチャート画像(22)は、第1の画像(17)の基本を成す潜像模様(7)と、第2の画像(18)の基本を成すグレースケール画像の階調を有するカモフラージュ画線(13)とで構成されたドキュメントファイルである。テストチャート画像(22)はビットマップ形式であり、最終的な印刷デバイスの出力解像度と同じである。本実施の形態では、1,200dpiとした。
図23(b)に示すテストチャート画像(22´)は、第1の画像(17)の基本を成す潜像模様(7)のみを示したものである。領域(c1)は、画線面積率20%の潜像模様(7)である。領域(c2)は、向かって左から画線面積率0%から画線面積率20%までを11段階に設定した潜像模様(7)である。領域(c3)には画線が存在しない。また、
図23(c)に示すテストチャート画像(22´´)は、第2の画像(18)の基本を成すグレースケール画像の階調を有するカモフラージュ画線(13)のみを示したものである。領域(c1)には画線が存在しない。領域(c2)は、向かって右から画線面積率0%から画線面積率33%までを11段階に設定したカモフラージュ画線(13)である。領域(c3)は、画線面積率33%である。なお、第2の画線領域(B)のみに画線面積率33%のカモフラージュ画線(13)があることから、空白部を含む単位面積率は20%となる。また、画線面積率17%のカモフラージュ画線(13)がある場合には、空白部を含む単位面積率は10%となる。テストチャート画像(22´)と、テストチャート画像(22´´)とが画像上で合成されているのがテストチャート画像(22)である。
【0082】
図24は、
図23(a)に示すテストチャート画像(22)を各種異なる印刷デバイスにおいて出力した結果を示したものである。例えば、印刷デバイスAで出力したテストチャート画像(22)を
図24(a)に示す。この場合、領域(c1)、領域(c2)、領域(c3)が全て画線面積率20%となって出力されているので、プロファイルに補正値を加味しなくともよい。すなわち、
図18で示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する場合、プロファイル(B1)に設定されたトーンカーブは、
図25(a)に示されたトーンカーブ(D1´)のように、プロファイル(B1)と同じとなっている。
【0083】
次に、印刷デバイスBで出力したテストチャート画像(22)を
図24(b)に示す。この場合、領域(c1)の画線面積率20%に対し、領域(c3)の画線面積率が6%となり、領域(c2)の画線面積率がリニアに低くなって出力されている。この場合、プロファイルに補正値を加味する必要がある。すなわち、
図18で示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する場合、プロファイル(B1)に設定されたトーンカーブは、
図25(b)の実線に示されたトーンカーブ(D1´)のように、点線で示されたプロファイル(B1)に対してリニアに面積率を上げている。このプロファイル(B1)を用いることによって印刷デバイスBは、印刷デバイスAのように適正な画線面積率となった出力が得られる。
【0084】
次に、印刷デバイスCで出力したテストチャート画像(22)を
図24(c)に示す。この場合、領域(c1)の画線面積率20%に対し、領域(c3)の画線面積率が35%となり、領域(c2)の画線面積率がリニアに高くなって出力されている。この場合、プロファイルに補正値を加味する必要がある。すなわち、
図18で示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する場合、プロファイル(B1)に設定されたトーンカーブは、
図25(c)の実線に示されたトーンカーブ(D1´)のように、点線で示されたプロファイル(B1)対してリニアに面積率を下げている。このプロファイル(B1)を用いることによって印刷デバイスCは、印刷デバイスAのように適正な画線面積率となった出力が得られる。
【0085】
次に、印刷デバイスDで出力したテストチャート画像(22)を
図24(d)に示す。この場合、領域(c1)の画線面積率20%に対し、領域(c3)の画線面積率が6%となり、領域(c2)の画線面積率が一部低くなって出力されている。この場合、プロファイルに補正値を加味する必要がある。すなわち、
図18で示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する場合、プロファイル(B1)に設定されたトーンカーブは、
図25(d)の実線に示されたトーンカーブ(D1´)のように、点線で示されたプロファイル(B1)対して一部の面積率を上げている。このプロファイル(B1)を用いることによって印刷デバイスDは、印刷デバイスAのように適正な画線面積率となった出力が得られる。
【0086】
次に、印刷デバイスEで出力したテストチャート画像(22)を
図24(e)に示す。この場合、領域(c1)、領域(c3)が画線面積率20%となっているが、領域(c2)の画線面積率が一部高くなって出力されている。この場合、プロファイルに補正値を加味する必要がある。すなわち、
図18で示された8bitグレースケール画像(16)に、プロファイル(B1)を適用する場合、プロファイル(B1)に設定されたトーンカーブは、
図25(e)の実線に示されたトーンカーブ(D1´)のように、点線で示されたプロファイル(B1)対して一部の面積率を下げている。このプロファイル(B1)を用いることによって印刷デバイスEは、印刷デバイスAのように適正な画線面積率となった出力が得られる。
【0087】
これにより、高精細な網点等から成るハーフトーン画線の階調を調整するため、各々の出力デバイスに応じたプロファイル(B1)を適用することによって、
図1に示された印刷物(1)において、全てのユニットにおける第1の画線領域(A)及び第2の画線領域(B)に形成された画線が同じ画線面積率となり、潜像模様(7)を完全に不可視の状態にすることができる。
【0088】
(作製システム)
次に、本発明の印刷物(1)の作製システムについて、システムフロー図を用いて詳細に説明する。
【0089】
図26は、本発明の作製システムの一例を示したものであり、個人情報が格納されたデータベース(M6)を保有する公共組織(S)において、あらかじめ記録された顔画像(11)は、ICメモリ(M5)に記録され、旅券冊子型の印刷物(1)の一部に印刷する例である。まず、公共組織(S)は、自らが所有する印刷デバイス(14)において、あらかじめテストチャート画像(22)を出力することによって得たプロファイル(B1)を有し、印刷物(1)の印刷模様(2)を印刷するための最適な印刷条件となっている。
【0090】
次に、公共組織(S)は、データベース(M6)から顔画像(11)を印刷物(1)に備わるICメモリ(M5)に記録させる。次に、ICメモリ(M5)に記録されている顔画像(11)を読み取り、データ変換サーバの編集手段(M2)に送られる。また、点線矢印に示されたように、編集手段(M2)は、顔画像(11)をデータベース(M6)から直接受け取ってもよい。
【0091】
次に、
図17の処理フローのソフトウェアがインストールされている編集手段(M2)のデータ変換サーバにおいて、顔画像(11)が潜像として付与されたドキュメントファイルを自動生成し、印刷デバイス(14)で各々の個人情報に合致した印刷模様(2)が印刷物(1)上に印刷される。印刷デバイス(14)は、カラー・レーザープリンタ、カラー・インクジェットプリンタ等のコンピュータからの画像を印刷可能な印刷装置等であり、特に限定されるものではないが、前述した合成画像(21)において、CMYKチャンネルのうちのK(ブラック)は、赤外線吸収色素を含むブラック色の色材であり、CMYKチャンネルのうちのCMY(シアン、マゼンタ、イエロー)は、赤外線吸収色素を含まないシアン色、マゼンタ色及びイエロー色の色材であることが必須である。
【符号の説明】
【0092】
1 印刷物
2 印刷模様
3 複写された印刷模様
4 判別具
5 赤外線視した画像
6 赤外線視した印刷模様
7 潜像模様
8 可視模様
9 不可視画像
10 可視画像
11 顔画像
12 複写物
13 カモフラージュ画線
14 印刷デバイス
15 顔画像
16 8bitグレースケール画像
17 第1の画像
18 第2の画像
19 可視画像
20 第3の画像
21 合成画像
22、22´、22´´ テストチャート画像
A 第1の画線領域
B 第2の画線領域
C 第3の画線領域
A1 臨界値配列画像
B1 プロファイル
C1 マスク
D1、D1´ トーンカーブ
E1 マスク
c1 テストチャート画像の領域
c2 テストチャート画像の領域
c3 テストチャート画像の領域
M1 入力手段
M1a 潜像模様入力手段
M1b 可視模様入力手段
M2 編集手段
M2a 第1の画像領域編集手段
M2b 第2の画像領域編集手段
M2c 第3の画像領域編集手段
M2d 画像合成手段
M3 出力手段
M4 表示手段
M5 ICメモリ
M6 データベース
L1 レンチキュラーレンズの中心(中心線)
Sv ユニットの縦の寸法
Sh ユニットの横の寸法
S 旅券事務所・在外公館等の公共組織